JP2014109397A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケースの側板部と伝熱管との接合箇所の耐久性を良好にしつつ、製造コストの低減化などを図ることが可能な熱交換器を提供する。
【解決手段】螺旋状などの主管体部11に繋がってx方向に延び、かつz方向に離間した管体部10a,10bを有する複数の伝熱管1と、主管体部11を置決め固定して収容するケース2とを備え、ケース2の側板部21には、管体部10a,10bの接合用の第1および第2の領域22A,22Bが側板部21のz方向の中心線を挟んで離間した配置に設けられて、伝熱管挿入用の複数の貫通孔28がy方向に間隔を隔てて並んで設けられ、各貫通孔28の周縁部と管体部10a,10bの外周面とが溶接されている、熱交換器HE1であって、前記溶接の終点P1,P2は、管体部10a,10bの周囲のうち、側板部21のz方向の中心線La寄りの位置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、いわゆる螺旋状あるいは蛇行状の主管体部を有する複数の伝熱管をケース内に収容したタイプの熱交換器に関する。
本出願人は、給湯装置用などに好適な熱交換器として、図7に示すような熱交換器Aを先に提案している(たとえば、特許文献1を参照)。
この熱交換器Aは、加熱媒体としての燃焼ガスの給気口80および排気口81を形成したケース8内に、複数の伝熱管9を収容している。各伝熱管9は、螺旋状の主管体部90の上下両端に直管状の一対の延設管体部91が繋がった構成を有し、主管体部90は、図示しないスペーサなどを用いてケース8内に固定されている。一方、各延設管体部91は、ケース8の側板部82に設けられた貫通孔83に挿通して接合されている。このような構成によれば、ケース8内に供給される燃焼ガスから各伝熱管9を利用して熱回収を行ない、各伝熱管9内を流通する湯水を好適に加熱することが可能である。
前記したような熱交換器Aにおいては、各延設管体部91を、側板部82の貫通孔83の周縁部に対してシール性よく強固に接合する必要がある。このため、従来においては、この接合をロウ付けにより行なっていたのが実情である、ところが、ロウ付けは、真空炉などの大型化の設備を必要とし、少量生産などには余り適するものではないため、製造コストが高くなりがちである。そこで、このようなことを解消するための手段として、伝熱管9とケース8の側板部82とを溶接することが考えられる。
ただし、溶接手段を採用する場合には、次のような点に留意する必要があることが、本発明者の試験により判明した。
この点を図8を参照して説明すると、前記した熱交換器Aでは、この熱交換器Aに接続された配管経路においてウォータハンマが発生し、伝熱管9内の圧力がかなり高くなると、矢印N20に示すように、延設管体部91が膨らむように変形する。この変形に伴って発生する力は、ケース8の側板部82に対して、この側板部82をケース8の内側方向に撓ませる引張力F1となる。すると、延設管体部91と貫通孔83の周縁部との接合部分のうち、側板部82の外周縁寄りの部分n10には、延設管体部91と側板部82とを剥離させる方向の引張応力σ1が生じる。したがって、このような引張応力σ1が繰り返し発生することに対応し、接合部分が充分な強度・耐久性を有するものとなるように配慮する必要がある。
特開2008−151473号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、ケースの側板部と伝熱管との接合箇所の耐久性を良好にしつつ、製造の容易化ならびに製造コストの低減化を図ることが可能な熱交換器を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供される熱交換器は、螺旋状または蛇行状の主管体部に繋がって所定のx方向に延び、かつx方向に対して交差するz方向に離間した第1および第2の延設管体部をそれぞれ有する複数の伝熱管と、前記主管体部を位置決め固定させた状態で前記複数の伝熱管を内部に収容するケースと、を具備しており、前記ケースの側板部には、前記複数の伝熱管の第1および第2の延設管体部をそれぞれ接合するための第1および第2の領域が、前記側板部のz方向の中心線を挟んでz方向に離間した配置に設けられ、かつ前記第1および第2の領域は、ともに伝熱管挿入用の複数の貫通孔がx,z方向に対して交差するy方向に間隔を隔てて並んで設けられた領域とされ、前記各貫通孔の周縁部全周と前記第1および第2の延設管体部の外周面全周とが溶接されている、熱交換器であって、前記第1および第2の領域における前記溶接の終点は、前記第1および第2の延設管体部の周囲のうち、前記側板部のz方向の中心線寄りの位置とされていることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、第1および第2の延設管体部と側板部の貫通孔の周縁部とを溶接する場合、その終点は、他の溶接部分と比較して溶接に不備を生じ易い。一方、ウォータハンマが発生した場合、第1および第2の延設管体部と貫通孔の周縁部との溶接箇所のうち、側板部の縁部側(側板部のz方向の中心とは反対側)の部分には、溶接を剥離させる方向の引張応力が生じる。本発明では、溶接の終点が、そのような引張応力を生じる箇所を避けた位置にあり、この溶接の終点に不当な応力を生じ難くすることができる。また、溶接の終点は、第1の延設管体部どうしの間や、第2の延設管体部どうしの間をも避けた位置であるために、溶接の均一化を図る上でも好ましいものとなる。このようなことから、伝熱管とケースの側板部との溶接強度を高め、また耐ウォータハンマ性能を向上させて、耐久性にも優れたものとすることができる。
さらに、本発明によれば、伝熱管とケースの側板部との固定が溶接により図られているために、ロウ付け手段と比較して、少量生産などに適し、製造コストを低減する利点も得られる。
本発明において、好ましくは、前記各伝熱管は、軸長方向が上下方向とされた螺旋状の主管体部を有し、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに上下方向に間隔を隔てた構成とされ、前記第1および第2の領域は、前記側板部の上下方向の中心線を挟んで上下に離間し、かつ前記複数の貫通孔が前記ケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、前記第1の領域における前記溶接の終点は、前記第1の延設管体部の下側であり、前記第2の領域における前記溶接の終点は、前記第2の延設管体部の上側である。
このような構成によれば、ウォータハンマの発生時には、第1の領域において第1の延設管体部の上側に大きな引張応力が発生し、また第2の領域においては第2の延設管体部の下側に大きな引張応力が発生するのに対し、溶接の終点はそのような位置とは反対側に設けられている。したがって、本発明について先に述べたような効果が適切に得られる。
本発明において、好ましくは、前記複数の伝熱管は、略水平に蛇行した複数の主管体部が上下方向に間隔を隔てて並び、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに前後幅方向に間隔を隔てた構成とされ、前記第1および第2の領域は、前記ケースの前後幅方向の中心線を挟んで前後に離間し、かつ前記複数の貫通孔が上下方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、前記第1の領域における前記溶接の終点は、前記第1の延設管体部の後側であり、前記第2の領域における前記溶接の終点は、前記第2の延設管体部の前側である。
このような構成によれば、ウォータハンマの発生時には、第1の領域において第1の延
設管体部の前側に大きな引張応力が発生し、また第2の領域においては第2の延設管体部の後側に大きな引張応力が発生するのに対し、溶接の終点はそのような位置とは反対側に設けられている。したがって、本発明について先に述べたような効果が適切に得られる。
本発明において、好ましくは、前記第1および第2の領域における前記溶接は、前記側板部の外側から行なわれる片側溶接とされ、前記側板部の内面側には、前記第1および第2の延設管体部の外周面を覆うようにして前記伝熱管に一体化した裏ビード部が、前記ケースの内方側に突出するように形成されている。
このような構成によれば、ケースの側板部の外方から溶接を行なうことができるために、側板部の内側において溶接を行なう場合とは異なり、溶接トーチが伝熱管の中央寄り部分やケースと干渉することはなく、溶接作業を容易かつ適切に行なうことができる。したがって、熱交換器の生産性を高め、製造コストをより低減することができる。また、前記裏ビード部が形成されていることによって、溶接強度をかなり高いものとし、耐久性能をより向上させることができる。
本発明において、好ましくは、前記ケースの側壁部には、前記ケースの外方に向けて膨出する筒状の周壁部、およびこの周壁部の先端部を塞ぐ先端壁部を有する一対の膨出部が形成され、これら一対の膨出部の前記先端壁部が、前記第1および第2の領域とされているとともに、前記一対の膨出部の前記周壁部には、前記複数の伝熱管への流体流入用または流出用のヘッダが外嵌されて接合されている。
このような構成によれば、ヘッダの取り付けが容易であり、またヘッダをケースの側板部に直付けした構成であるために、構成の簡素化、部品点数の少数化を図ることができる。したがって、全体の製造コストを低減する上で、より好ましいものとなる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る熱交換器の一例を示す外観斜視図である。 (a)は、図1のIIa−IIa断面図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb断面図であり、(c)は、(b)のIIc−IIc断面図である。 (a)は、図2(b)の要部拡大断面図であり、(b)は、(a)のIIIb−IIIb拡大断面図である。 (a)は、図3(a)の一部を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す構造を得るための溶接工程を示す断面図であり、(c)は、(b)のIVc−IVc断面図である。 (a),(b)は、図1に示す熱交換器の作用を模式的に示す説明図である。 本発明に係る熱交換器の他の例を示し、(a)は、平面断面図であり、(b)は、(a)のVIb−VIb断面図であり、(c)は、(b)のVIc−VIc断面図である。 従来例を示し、(a)は、平面断面図であり、(b)は、その正面断面図である。 図7に示した熱交換器の作用説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2に示す熱交換器HE1は、たとえばガスバーナなどのバーナ(図示略)
によって発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯水加熱を行なう用途に好適なものであり、たとえば給湯装置の潜熱回収用の熱交換器として利用される。
この熱交換器HE1は、ケース2と、このケース2内に収容された複数の伝熱管1と、これら複数の伝熱管1の下端部および上端部に繋がった入水用および出湯用の一対のヘッダ3(3A,3B)とを具備している。
なお、本実施形態では、ケース2の左右幅方向が本発明でいう「x方向」、ケース2の前後幅方向が本発明でいう「y方向」、上下方向が本発明でいう「z方向」に相当し、図面において適宜示す。
複数の伝熱管1は、その主管体部11が、平面視長円状の複数の螺旋状管体であり、この螺旋状管体の軸長方向は上下方向である。複数の螺旋状管体は、互いにサイズが異なっており、略同心の重ね巻き状に配されている。主管体部11は、ケース2内においてスペーサ(図示略)などを用いて位置決め固定されている。主管体部11の上部および下部には、略水平に延びる第1および第2の延設管体部10a,10bが一体的に繋がっている。燃焼ガスから伝熱管1に効率良く熱回収されるためには、図2(b)のように、伝熱管1の上方および下方の隙間は、伝熱管1どうしの隙間と同等程度に小さくすることが望ましい。前記隙間を小さくする手段として、上壁部20aおよび下壁部20bに、伝熱管1に向けて突出する段部20',20”を形成する手段を用いることができる。ただし、前記隙間は、燃焼ガスの通路抵抗の度合いや、潜熱回収によって発生するドレインの排出性能などに応じて適宜大きくしてもよい。
ケース2は、略直方体状であり、このケース2の本体部20(矩形筒状の胴体部)に加え、一対の側板部21,22を有している。本体部20および側板部21,22のそれぞれは、たとえばステンレスなどの金属板を用いて構成されている。ケース2の後壁部20cおよび前壁部20dには、燃焼ガス用の給気口25および排気口26が設けられている。給気口25からケース2内に流入した燃焼ガスは複数の伝熱管1の隙間を通過した後に排気口26に到達するが、その過程において前記燃焼ガスから各伝熱管1により熱回収がなされ、各伝熱管1内を流通する湯水が加熱される。
ケース2の側板部21には、2つの膨出部22(22A,22B)がプレス加工によって一体的に形成されている。これらの膨出部22は、ヘッダ3の装着対象となる部分であるとともに、複数の伝熱管1の連結対象となる部分でもあり、本発明でいう「第1および第2の領域」の一例に相当し、側板部21の上下方向の中心線Laを挟んで上下に離間している。図3によく表われているように、各膨出部22の先端壁部22bには、複数の貫通孔28が比較的接近する間隔で略水平方向に並んで設けられており、これらの貫通孔28に、伝熱管1の端部(第1および第2の延設管体部10a,10bの端部)が挿入されて溶接されている。この溶接は、側板部21の外側から行なわれ、かつ側板部21の内面側に裏ビード部29が形成されるようにしてなされている。
裏ビード部29は、伝熱管1の外周を覆うようにして伝熱管1に一体化しており、かつ側板部21の内面からケース2の内方側に向けて突出している。裏ビード部29の先端部およびその近傍部分は、この裏ビード部29の先端側ほど伝熱管1の半径方向の厚みが漸減する形態となっている(図3(a)で示す伝熱管1の外面と裏ビード部29の表面とがなす角度αは、90°を超えている)。
具体的には、前記した溶接は、図4(b),(c)に示すように、ケース2の側板部21の各貫通孔28に、伝熱管1の端部を挿入し、かつその一部を突出させた状態(突出部13を設けた状態)で行なう。突出寸法は、たとえば0.5mm〜2mm程度であるが、この寸法は、伝熱管1および側板部21の厚みや材質などに応じて適宜変更できる。溶接は、たとえばTIG溶接であり、側板部21の外側から片側溶接を行なう。この溶接に際
しては、TIG溶接トーチ9を貫通孔28の周縁部に向けて対向させ、伝熱管1には直接対向させないようにする。このような設定状態でTIG溶接を開始すると、貫通孔28の周縁部とともに伝熱管1の突出部13をも溶融させることができる。突出部13は、貫通孔28の周縁部よりもTIG溶接トーチ9に接近しているために、この突出部13に対して適切にアーク熱を作用させることが可能であり、溶接後においては伝熱管1の端部は、側板部21の外面と略面一状の高さとされる。TIG溶接トーチ9は、伝熱管1の端部全周と各貫通孔28の周縁部全周とを溶接するように移動させていく。
具体的には、図2(c)の仮想線L1,L2で示すように、伝熱管1の外周に沿った円軌跡でTIG溶接トーチ9を移動させる。この場合、複数の伝熱管1の相互間領域を溶接する際には、他の領域(伝熱管1の上側や下側の領域)を溶接する際よりも入熱を少なくする。複数の伝熱管1の相互間領域は、溶接が重なり気味で実行されるために、この領域への入熱が過剰にならないようにするためである。
上下2つの膨出部22A,22Bのうち、上側の膨出部22Aにおいて、伝熱管1の端部(延設管体部10a)を溶接する際の終点P1は、この伝熱管1の下側(中心線Laに接近する側)とされている。下側の膨出部22Bにおいて、伝熱管1の端部(延設管体部10b)を溶接する際の終点P2は、伝熱管1の上側(中心線Laに接近する側)とされている。このことの意義については、後述する。
前記した溶接を施すことにより、図3および図4(a)に示した裏ビード部29を適切に形成した溶接が可能となる。伝熱管1の突出部13は、溶加棒としての役割を果たすこととなるため、裏ビード部29のボリュームを大きくし、側板部21の内面からケース2の内方への突出寸法を大きくすることが可能である。また、伝熱管1の相互間領域の母材が少ない部分においても溶接不良を生じないようにすることができる。
図3に示すように、ヘッダ3は、側板部21とは別体に形成されており、膨出部22に対応した開口部32を形成する開口縁部33を有する内部空洞状の本体部30と、この本体部30の後面側に連結された継手用管体部31とを有している。ヘッダ3は、その開口縁部33が膨出部22の周壁部22aに外嵌され、かつこの外嵌部分において溶接が施されていることにより、膨出部22への固定が図られている。ヘッダ3内のうち、先端壁部22bよりもケース2の外方側の領域は、各伝熱管1の内部に連通した湯水流通用のチャンバ36である。
本実施形態によれば、次のような作用が得られる。
まず、伝熱管1に配管接続された配管経路にウォータハンマが生じた場合について、図5を参照して説明すると、ウォータハンマの非発生時には、同図(a)に示す状態にある。これに対し、ウォータハンマが発生し、伝熱管1内の圧力が相当に高くなると、第1および第2の延設管体部10a,10bが、上下方向に膨らむように変形し、側板部21をケース2の内側に撓ませる力F2を発生させる。その際、膨出部22の先端壁部22bも撓み変形を生じる。このため、膨出部22Aにおける第1の延設管体部10aの溶接箇所では、この第1の延設管体部10aよりも上側の部分に引張応力σが発生する。膨出部22Bにおける第2の延設管体部10bの溶接箇所では、この第2の延設管体部10bの下側の部分に引張応力σが発生する。前記した引張応力σが発生する箇所は、図2(c)の符号n1,n2で示す部分およびその近辺である。
これに対し、本実施形態の熱交換器HE1においては、溶接の不具合が最も生じ易い溶接の終点P1,P2は、前記した符号n1,n2の近辺を避けた位置にあるため、終点P1,P2に前記した引張応力σが作用しないようにし、耐ウォータハンマ性能を高めるこ
とができる。また、終点P1,P2は、伝熱管1の相互間領域をも避けた位置であるため、溶接の均一性を高める上でも好ましいものとなる。
伝熱管1と側板部21との溶接は、側板部21の外側からの片側溶接であるために、側板部21の内側において溶接を行なう場合とは異なり、TIG溶接トーチ9が伝熱管1の螺旋状管体の部分に干渉するようなことが回避される。側板部21をケース2の本体部20に組み付けた後であっても、前記溶接作業を容易に行なうことが可能である。したがって、熱交換器HE1の生産性を高め、その製造コストを低減することができる。
側板部21の内面側に形成された裏ビード部29は、伝熱管1の外周を覆うようにして伝熱管1に一体化し、かつケース2の内方側に突出しているために、たとえば単なる隅肉溶接などと比較すると、その溶接強度を高くし、耐久性により優れたものとすることができる。また、裏ビード部29の先端部およびその近傍部分は、先端側ほど伝熱管1の半径方向の厚みが漸減しているために、応力集中を生じ易い断面急変箇所は存在しない。その結果、伝熱管1と側板部21との接合箇所の強度がより高くなる。
ヘッダ3内のチャンバ36には、伝熱管1の端部が突出していないために、チャンバ36の容積が伝熱管1の存在によって狭められないようにすることができる。また、チャンバ36内と伝熱管1内との間を湯水が流通する際の抵抗を小さくする効果も得られる。
その他、本実施形態によれば、側板部21に対するヘッダ3の取り付けも、側板部21の外側において簡易に行なえることとなる。ヘッダ3を側板部21に直接取り付けた構成であるため、全体の部品点数も少なくし、熱交換器HE1の製造コストを低減する上でより好ましく、さらには全体の小型化を図る上でも好ましいものとなる。
図6は、本発明の他の実施形態を示している。同図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
図6においては、前記実施形態とは異なり、ケース2の左右幅方向が、本発明でいう「x方向」に相当するが、上下方向が「y方向」であり、ケース2の前後幅方向が「z方向」である。
本実施形態の熱交換器HE2は、各伝熱管1の主管体部11が、略水平な姿勢の蛇行状管体部とされており、複数の伝熱管1は、上下高さ方向に並んでいる。第1および第2の延設管体部10a,10bは、ケース2の左右幅方向に延びているが、これらはケース2の前後幅方向に間隔を隔てている。このため、ケース2の側板部21に設けられた2つの膨出部22(22A,22B)は、ケース2の前後幅方向の中心線Lbを挟んでケース2の前後幅方向に離間した配置とされている。各膨出部22における複数の貫通孔28および伝熱管1の端部(第1および第2の延設管体部10a,10b)の配列方向は、上下方向である。
伝熱管1の端部と貫通孔28の周縁部との溶接部において、前側の膨出部22Aにおける溶接の終点P1は、第1の延設管体部10aの後側(中心線Lb寄りの位置)とされている。後側の膨出部22Bにおける溶接の終点P2は、第2の延設管体部10bの前側(中心線Lb寄りの位置)とされている。
本実施形態の熱交換器HE2においては、ウォータハンマ発生時には、前記した熱交換器HE1と同様に、第1および第2の延設管体部10a,10bが膨らんで側板部21を内側に引っ張って撓ませ、かつ各膨出部22の先端壁部22bも撓ませる。このことにより、伝熱管1と側板部21との溶接部分に引張応力が生じるが、第1および第2の延設管体部10bが膨らむ方向はケース2の前後幅方向であるため、符号n1で示す第1の延設
管体部10aの前側、および符号n2で示す第2の延設管体部10bの後側に引張応力が発生する。これに対し、溶接の終点P1,P2は、そのような部分とは反対側に設けられているために、やはりこの終点P1,P2に引張応力が集中することはなく、耐ウォータハンマ性能を高めることが可能である。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る熱交換器の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内で種々に設計変更自在である。
上述した実施形態では、ケース2の側板部21に設けられた膨出部22の先端壁部22bに伝熱管1を溶接しているが、本発明はこれに限定されない。側板部21に膨出部22を設けるようなことなく側板部21と伝熱管1とを溶接させる場合であっても、本発明を適用し、本発明が意図する作用を得ることが可能である。溶接は、TIG溶接に限定されず、たとえば他のアーク溶接を用いることも可能であり、その具体的な種類は問わない。また、伝熱管と貫通孔の周縁部との溶接を、隅肉溶接とする場合においても、本発明が意図する作用が得られる。
溶接の始点の位置は問わない。たとえば、溶接の始点に不備がある場合には再度溶接を行なうことにより修正することができる。
ケース内に流入させる熱交換対象媒体としては、燃焼ガス以外の流体とすることができる。本発明に係る熱交換器は、潜熱回収用に限らないことは勿論のこと、湯水加熱用途以外の種々の用途に用いられるものとすることができる。
HE1,HE2 熱交換器
P1,P2 溶接の終点
1 伝熱管
10a,10b 延設管体部
11 主管体部(伝熱管の)
2 ケース
3(3A,3B) ヘッダ
21 側板部(ケースの)
22(22A,22B) 膨出部(第1および第2の領域)
28 貫通孔
29 裏ビード部
36 チャンバ(ヘッダの)

Claims (5)

  1. 螺旋状または蛇行状の主管体部に繋がって所定のx方向に延び、かつx方向に対して交差するz方向に離間した第1および第2の延設管体部をそれぞれ有する複数の伝熱管と、
    前記主管体部を位置決め固定させた状態で前記複数の伝熱管を内部に収容するケースと、
    を具備しており、
    前記ケースの側板部には、前記複数の伝熱管の第1および第2の延設管体部をそれぞれ接合するための第1および第2の領域が、前記側板部のz方向の中心線を挟んでz方向に離間した配置に設けられ、かつ前記第1および第2の領域は、ともに伝熱管挿入用の複数の貫通孔がx,z方向に対して交差するy方向に間隔を隔てて並んで設けられた領域とされ、前記各貫通孔の周縁部全周と前記第1および第2の延設管体部の外周面全周とが溶接されている、熱交換器であって、
    前記第1および第2の領域における前記溶接の終点は、前記第1および第2の延設管体部の周囲のうち、前記側板部のz方向の中心線寄りの位置とされていることを特徴とする、熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器であって、
    前記各伝熱管は、軸長方向が上下方向とされた螺旋状の主管体部を有し、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに上下方向に間隔を隔てた構成とされ、
    前記第1および第2の領域は、前記側板部の上下方向の中心線を挟んで上下に離間し、かつ前記複数の貫通孔が前記ケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、
    前記第1の領域における前記溶接の終点は、前記第1の延設管体部の下側であり、前記第2の領域における前記溶接の終点は、前記第2の延設管体部の上側である、熱交換器。
  3. 請求項1に記載の熱交換器であって、
    前記複数の伝熱管は、略水平に蛇行した複数の主管体部が上下方向に間隔を隔てて並び、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに前後幅方向に間隔を隔てた構成とされ、
    前記第1および第2の領域は、前記ケースの前後幅方向の中心線を挟んで前後に離間し、かつ前記複数の貫通孔が上下方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、
    前記第1の領域における前記溶接の終点は、前記第1の延設管体部の後側であり、前記第2の領域における前記溶接の終点は、前記第2の延設管体部の前側である、熱交換器。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器であって、
    前記第1および第2の領域における前記溶接は、前記側板部の外側から行なわれる片側溶接とされ、前記側板部の内面側には、前記第1および第2の延設管体部の外周面を覆うようにして前記伝熱管に一体化した裏ビード部が、前記ケースの内方側に突出するように形成されている、熱交換器。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器であって、
    前記ケースの側壁部には、前記ケースの外方に向けて膨出する筒状の周壁部、およびこの周壁部の先端部を塞ぐ先端壁部を有する一対の膨出部が形成され、
    これら一対の膨出部の前記先端壁部が、前記第1および第2の領域とされているとともに、前記一対の膨出部の前記周壁部には、前記複数の伝熱管への流体流入用または流出用のヘッダが外嵌されて接合されている、熱交換器。
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