JP6119212B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
この熱交換器Aは、加熱媒体としての燃焼ガスの給気口80および排気口81を形成したケース8内に、複数の伝熱管9を収容している。各伝熱管9は、螺旋状の主管体部90の上下両端に直管状の一対の延設管体部91が繋がった構成を有し、主管体部90は、図示しないスペーサなどを用いてケース8内に固定されている。一方、各延設管体部91は、ケース8の側板部82に設けられた貫通孔83に挿通して接合され、その先端部には、入水用および出湯用のヘッダ7が取り付けられている。このような構成によれば、ケース8内に供給される燃焼ガスから各伝熱管9を利用して熱回収を行ない、各伝熱管9内を流通する湯水を好適に加熱することが可能である。
しかしながら、前記したような手段を採用する場合には、次のような点にも留意する必要があることが、本発明者の試験により判明した。
この点を図8を参照して説明すると、前記した熱交換器Aでは、この熱交換器Aに接続された配管経路においてウォータハンマが発生し、伝熱管9内の圧力がかなり高くなると、矢印N20に示すように、延設管体部91が膨らむように変形する。この変形に伴って発生する力は、ケース8の側板部82に対して、この側板部82をケース8の内側方向に撓ませる引張力F1となる。すると、側板部82のうち、延設管体部91よりも側板部82の外周縁側の部分n10には、大きな引張応力σ1が発生する。この引張応力σ1は、延設管体部91と側板部82との接合部分を剥離させようとする力としても作用するが、このような応力σ1が広い範囲で集中的に生じることは好ましいものではない。
図8においては、側板部82に膨出部が設けられていない場合を説明したが、側板部82に膨出部を設けた上で、この膨出部に延設管体部91を接合した場合には、この膨出部の特定箇所に応力がより集中し易くなり得る。したがって、このような点に十分に配慮する必要がある。
抑制し、耐久性を良好にしつつ、製造の容易化ならびに製造コストの低減化を図ることが可能な熱交換器を提供することを、その課題としている。
すなわち、熱交換器の伝熱管に接続された配管経路にウォータハンマが発生した場合には、第1および第2の延設管体部の変形に基づき、側板部に設けられた膨出部に大きな応力が発生するが、この応力は、第1および第2の延設管体部よりも側板部の縁部側(側板部のz方向の中心とは反対側)の領域に、集中的に発生する(詳細は、図5を参照して後述する実施形態を参照)。これに対し、本発明では、膨出部が側板部のz方向の中心寄りに偏った配置とされているために、その偏り分だけ、応力が集中的に発生する領域を小領域化することができる。このことにより、膨出部の耐久性を高めることができる。これは、膨出部、ひいては側板部の薄肉化にも繋がり、軽量化や製造コストの低減化に寄与する。
一方、本発明によれば、ヘッダをケースの側板に直接取り付けた構成としているために、複数の伝熱管とヘッダとを接合する煩雑さをなくすことができ、熱交換器の製造コストをより低減することが可能である。
。したがって、本発明について先に述べたような効果が適切に得られる。
この熱交換器HE1は、ケース2と、このケース2内に収容された複数の伝熱管1と、これら複数の伝熱管1の下端部および上端部に繋がった入水用および出湯用の一対のヘッダ3(3A,3B)とを具備している。
なお、本実施形態では、ケース2の左右幅方向が本発明でいう「x方向」、ケース2の前後幅方向が本発明でいう「y方向」、上下方向が本発明でいう「z方向」に相当し、図面において適宜示す。
近傍部分は、この裏ビード部29の先端側ほど伝熱管1の半径方向の厚みが漸減する形態となっている(図3(a)で示す伝熱管1の外面と裏ビード部29の表面とがなす角度αは、90°を超えている)。
撓み変形を生じる。このようなことに起因し、第1の膨出部22Aの先端壁部22bにおいては、第1の延設管体部10aの上側領域に引張応力σが発生する。第2の膨出部22Bの先端壁部22bにおいては、第2の延設管体部10bの下側領域に引張応力σが発生する。伝熱管1の端部と先端壁部22bとの溶接部分において前記した引張応力σが発生する箇所は、図2(c)の符号n1,n2で示す箇所近辺である。
本実施形態の熱交換器HE2は、各伝熱管1の主管体部11が、略水平な姿勢の蛇行状管体部とされており、複数の伝熱管1は、上下高さ方向に並んでいる。第1および第2の延設管体部10a,10bは、ケース2の左右幅方向に延びているが、これらはケース2の前後幅方向に間隔を隔てている。このため、ケース2の側板部21に設けられた第1および第2の膨出部22(22A,22B)は、ケース2の前後幅方向の中心線Lbを挟んでケース2の前後幅方向に離間した配置とされている。第1および第2の膨出部における複数の貫通孔28および伝熱管1の端部(第1および第2の延設管体部10a,10b)の配列方向は、上下方向である。
P1,P2 溶接の終点
1 伝熱管
10a,10b 延設管体部
11 主管体部(伝熱管の)
2 ケース
3(3A,3B) ヘッダ
21 側板部(ケースの)
22(22A,22B) 第1および第2の膨出部
28 貫通孔
29 裏ビード部
36 チャンバ(ヘッダの)
Claims (5)
- 螺旋状または蛇行状の主管体部に繋がって所定のx方向に延び、かつx方向に対して交差するz方向に離間した第1および第2の延設管体部をそれぞれ有する複数の伝熱管と、
前記主管体部を位置決め固定させた状態で前記複数の伝熱管を内部に収容するケースと、
このケースの側板部に設けられてx方向に膨出しているとともに、前記側板部のz方向の中心線を挟んでz方向に離間した配置とされ、かつ前記第1および第2の延設管体部を挿入させて接合を図るための複数の貫通孔がx,z方向に対して交差するy方向に並んで設けられている第1および第2の膨出部と、
これら第1および第2の膨出部の壁部を利用して前記伝熱管の内部に連通するチャンバを形成するように前記側板部に取り付けられたヘッダと、
を備えている、熱交換器であって、
前記第1および第2の膨出部のうち、前記複数の貫通孔が設けられ、かつ前記チャンバに対面している壁部のz方向の中心線は、前記第1および第2の延設管体部の中心よりも前記側板部のz方向の中心線寄りに偏った配置に設けられていることを特徴とする、熱交換器。 - 請求項1に記載の熱交換器であって、
前記第1および第2の膨出部は、前記ケースの側壁部の外方に向けて膨出し、前記ヘッダは、前記第1および第2の膨出部に外嵌されて接合されている、熱交換器。 - 請求項1または2に記載の熱交換器であって、
前記各伝熱管は、軸長方向が上下方向とされた螺旋状の主管体部を有し、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに上下方向に間隔を隔てた構成とされ、
前記第1および第2の膨出部は、前記側板部の上下方向の中心線を挟んで上下に離間し、かつ前記複数の貫通孔が前記ケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、
前記第1の膨出部の上下方向の中心線は、前記第1の延設管体部の中心よりも下側であり、前記第2の膨出部の上下方向の中心線は、前記第2の延設管体部の中心よりも上側である、熱交換器。 - 請求項1または2に記載の熱交換器であって、
前記複数の伝熱管は、略水平に蛇行した複数の主管体部が上下方向に間隔を隔てて並び、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに前後幅方向に間隔を隔てた構成とされ、
前記第1および第2の膨出部は、前記ケースの前後幅方向の中心線を挟んで前後に離間し、かつ前記複数の貫通孔が上下方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、
前記第1の膨出部の前後幅方向の中心線は、前記第1の延設管体部の中心よりも後側であり、前記第2の膨出部の前後幅方向の中心線は、前記第2の延設管体部の中心よりも前側である、熱交換器。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器であって、
前記第1および第2の延設管体部と前記複数の貫通孔の周縁部との接合は、前記側板部の外側から行なわれる片側溶接とされ、前記側板部の内面側には、前記第1および第2の延設管体部の外周面を覆うようにして前記伝熱管に一体化した裏ビード部が、前記ケースの内方側に突出するように形成されている、熱交換器。
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