JP6119212B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆる螺旋状あるいは蛇行状の主管体部を有する複数の伝熱管をケース内に収容したタイプの熱交換器に関する。
本出願人は、給湯装置用などに好適な熱交換器として、図7に示すような熱交換器Aを先に提案している(たとえば、特許文献1を参照)。
この熱交換器Aは、加熱媒体としての燃焼ガスの給気口80および排気口81を形成したケース8内に、複数の伝熱管9を収容している。各伝熱管9は、螺旋状の主管体部90の上下両端に直管状の一対の延設管体部91が繋がった構成を有し、主管体部90は、図示しないスペーサなどを用いてケース8内に固定されている。一方、各延設管体部91は、ケース8の側板部82に設けられた貫通孔83に挿通して接合され、その先端部には、入水用および出湯用のヘッダ7が取り付けられている。このような構成によれば、ケース8内に供給される燃焼ガスから各伝熱管9を利用して熱回収を行ない、各伝熱管9内を流通する湯水を好適に加熱することが可能である。
前記した熱交換器Aにおいては、ヘッダ7が複数の伝熱管9の先端部に連結されているため、ヘッダ7と複数の伝熱管9との複数の嵌合箇所を、止水シール性よく、かつ高強度に接合する作業は煩雑である。製造コストの低減を図る上では、そのようなことを解消することが要望される。
このような要望に応えるための手段として、ケース8の側板部82に膨出部を形成し、この膨出部の形成箇所にヘッダを接合することによって、複数の伝熱管9とヘッダ7とを直接的に接合する必要性をなくすことが考えられる。
しかしながら、前記したような手段を採用する場合には、次のような点にも留意する必要があることが、本発明者の試験により判明した。
この点を図8を参照して説明すると、前記した熱交換器Aでは、この熱交換器Aに接続された配管経路においてウォータハンマが発生し、伝熱管9内の圧力がかなり高くなると、矢印N20に示すように、延設管体部91が膨らむように変形する。この変形に伴って発生する力は、ケース8の側板部82に対して、この側板部82をケース8の内側方向に撓ませる引張力F1となる。すると、側板部82のうち、延設管体部91よりも側板部82の外周縁側の部分n10には、大きな引張応力σ1が発生する。この引張応力σ1は、延設管体部91と側板部82との接合部分を剥離させようとする力としても作用するが、このような応力σ1が広い範囲で集中的に生じることは好ましいものではない。
図8においては、側板部82に膨出部が設けられていない場合を説明したが、側板部82に膨出部を設けた上で、この膨出部に延設管体部91を接合した場合には、この膨出部の特定箇所に応力がより集中し易くなり得る。したがって、このような点に十分に配慮する必要がある。
特開2008−151473号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、ウォータハンマなどが生じた場合に、ケースの側板部の特定の広い領域に不当な応力が集中することを適切に
抑制し、耐久性を良好にしつつ、製造の容易化ならびに製造コストの低減化を図ることが可能な熱交換器を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供される熱交換器は、螺旋状または蛇行状の主管体部に繋がって所定のx方向に延び、かつx方向に対して交差するz方向に離間した第1および第2の延設管体部をそれぞれ有する複数の伝熱管と、前記主管体部を位置決め固定させた状態で前記複数の伝熱管を内部に収容するケースと、このケースの側板部に設けられてx方向に膨出しているとともに、前記側板部のz方向の中心線を挟んでz方向に離間した配置とされ、かつ前記第1および第2の延設管体部を挿入させて接合を図るための複数の貫通孔がx,z方向に対して交差するy方向に並んで設けられている第1および第2の膨出部と、これら第1および第2の膨出部の壁部を利用して前記伝熱管の内部に連通するチャンバを形成するように前記側板部に取り付けられたヘッダと、を備えている、熱交換器であって、前記第1および第2の膨出部のうち、前記複数の貫通孔が設けられ、かつ前記チャンバに対面している壁部のz方向の中心線は、前記第1および第2の延設管体部の中心よりも前記側板部のz方向の中心線寄りに偏った配置に設けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、熱交換器の伝熱管に接続された配管経路にウォータハンマが発生した場合には、第1および第2の延設管体部の変形に基づき、側板部に設けられた膨出部に大きな応力が発生するが、この応力は、第1および第2の延設管体部よりも側板部の縁部側(側板部のz方向の中心とは反対側)の領域に、集中的に発生する(詳細は、図5を参照して後述する実施形態を参照)。これに対し、本発明では、膨出部が側板部のz方向の中心寄りに偏った配置とされているために、その偏り分だけ、応力が集中的に発生する領域を小領域化することができる。このことにより、膨出部の耐久性を高めることができる。これは、膨出部、ひいては側板部の薄肉化にも繋がり、軽量化や製造コストの低減化に寄与する。
一方、本発明によれば、ヘッダをケースの側板に直接取り付けた構成としているために、複数の伝熱管とヘッダとを接合する煩雑さをなくすことができ、熱交換器の製造コストをより低減することが可能である。
本発明において、好ましくは、前記第1および第2の膨出部は、前記ケースの側壁部の外方に向けて膨出し、前記ヘッダは、前記第1および第2の膨出部に外嵌されて接合されている。
このような構成によれば、ヘッダの組み付け作業がより容易となる。
本発明において、好ましくは、前記各伝熱管は、軸長方向が上下方向とされた螺旋状の主管体部を有し、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに上下方向に間隔を隔てた構成とされ、前記第1および第2の膨出部は、前記側板部の上下方向の中心線を挟んで上下に離間し、かつ前記複数の貫通孔が前記ケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、前記第1の膨出部の上下方向の中心線は、前記第1の延設管体部の中心よりも下側であり、前記第2の膨出部の上下方向の中心線は、前記第2の延設管体部の中心よりも上側である。
このような構成によれば、ウォータハンマの発生時には、第1の膨出部において第1の延設管体部の上側領域に応力が集中し、また第2の膨出部においては第2の延設管体部の下側に大きな応力が集中するのに対し、そのような応力集中領域の小サイズ化が図られる
。したがって、本発明について先に述べたような効果が適切に得られる。
本発明において、好ましくは、前記複数の伝熱管は、略水平に蛇行した複数の主管体部が上下方向に間隔を隔てて並び、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに前後幅方向に間隔を隔てた構成とされ、前記第1および第2の膨出部は、前記ケースの前後幅方向の中心線を挟んで前後に離間し、かつ前記複数の貫通孔が上下方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、前記第1の膨出部の前後幅方向の中心線は、前記第1の延設管体部の中心よりも後側であり、前記第2の膨出部の前後幅方向の中心線は、前記第2の延設管体部の中心よりも前側である。
このような構成によれば、ウォータハンマの発生時には、第1の膨出部において第1の延設管体部の前側領域に応力が集中し、また第2の膨出部においては第2の延設管体部の後側領域に応力が集中するのに対し、そのような応力集中領域の小サイズ化が図られる。したがって、本発明について先に述べたような効果が適切に得られる。
本発明において、好ましくは、前記第1および第2の延設管体部と前記複数の貫通孔の周縁部との接合は、前記側板部の外側から行なわれる片側溶接とされ、前記側板部の内面側には、前記第1および第2の延設管体部の外周面を覆うようにして前記伝熱管に一体化した裏ビード部が、前記ケースの内方側に突出するように形成されている。
このような構成によれば、ケースの側板部の外方から溶接を行なうことができるために、側板部の内側において溶接を行なう場合とは異なり、溶接トーチが伝熱管の中央寄り部分やケースと干渉することはなく、溶接作業を容易かつ適切に行なうことができる。したがって、熱交換器の生産性を高め、製造コストをより低減することができる。また、前記裏ビード部が形成されていることによって、溶接強度をかなり高いものとし、耐久性能をより向上させることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る熱交換器の一例を示す外観斜視図である。 (a)は、図1のIIa−IIa断面図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb断面図であり、(c)は、(b)のIIc−IIc断面図である。 (a)は、図2(b)の要部拡大断面図であり、(b)は、(a)のIIIb−IIIb拡大断面図である。 (a)は、図3(a)の一部を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す構造を得るための溶接工程を示す断面図であり、(c)は、(b)のIVc−IVc断面図である。 (a),(b)は、図1に示す熱交換器の作用を模式的に示す説明図である。 本発明に係る熱交換器の他の例を示し、(a)は、平面断面図であり、(b)は、(a)のVIb−VIb断面図であり、(c)は、(b)のVIc−VIc断面図である。 従来例を示し、(a)は、平面断面図であり、(b)は、その正面断面図である。 図7に示した熱交換器の作用説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2に示す熱交換器HE1は、たとえばガスバーナなどのバーナ(図示略)によって発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯水加熱を行なう用途に好適なものであり、たとえば給湯装置の潜熱回収用の熱交換器として利用される。
この熱交換器HE1は、ケース2と、このケース2内に収容された複数の伝熱管1と、これら複数の伝熱管1の下端部および上端部に繋がった入水用および出湯用の一対のヘッダ3(3A,3B)とを具備している。
なお、本実施形態では、ケース2の左右幅方向が本発明でいう「x方向」、ケース2の前後幅方向が本発明でいう「y方向」、上下方向が本発明でいう「z方向」に相当し、図面において適宜示す。
複数の伝熱管1は、その主管体部11が、平面視長円状の複数の螺旋状管体であり、この螺旋状管体の軸長方向は上下方向である。複数の螺旋状管体は、互いにサイズが異なっており、略同心の重ね巻き状に配されている。主管体部11は、ケース2内においてスペーサ(図示略)などを用いて位置決め固定されている。主管体部11の上部および下部には、略水平に延びる第1および第2の延設管体部10a,10bが一体的に繋がっている。燃焼ガスから伝熱管1に効率良く熱回収されるためには、図2(b)のように、伝熱管1の上方および下方の隙間は、伝熱管1どうしの隙間と同等程度に小さくすることが望ましい。前記隙間を小さくする手段として、上壁部20aおよび下壁部20bに、伝熱管1に向けて突出する段部20',20”を形成する手段を用いることができる。ただし、前記隙間は、燃焼ガスの通路抵抗の度合いや、潜熱回収によって発生するドレインの排出性能などに応じて適宜大きくしてもよい。
ケース2は、略直方体状であり、このケース2の本体部20(矩形筒状の胴体部)に加え、一対の側板部21,22を有している。本体部20および側板部21,22のそれぞれは、たとえばステンレスなどの金属板を用いて構成されている。ケース2の後壁部20cおよび前壁部20dには、燃焼ガス用の給気口25および排気口26が設けられている。給気口25からケース2内に流入した燃焼ガスは複数の伝熱管1の隙間を通過した後に排気口26に到達するが、その過程において前記燃焼ガスから各伝熱管1により熱回収がなされ、各伝熱管1内を流通する湯水が加熱される。
ケース2の側板部21には、第1および第2の膨出部22(22A,22B)がプレス加工によって一体的に形成されている。これら第1および第2の膨出部22は、ヘッダ3の装着対象となる部分であるとともに、複数の伝熱管1の連結対象となる部分でもある。これら第1および第2の膨出部22は、側板部21の上下方向の中心線Laを挟んで上下に離間している。第1および第2の膨出部22のそれぞれの先端壁部22bには、複数の貫通孔28が所定の間隔で略水平方向に並んで設けられており、これらの貫通孔28に、伝熱管1の端部(第1および第2の延設管体部10a,10bの端部)が挿入されて溶接されている。
第1および第2の膨出部22は、伝熱管1の端部と貫通孔28との関係において、上下高さ方向に偏位している。具体的には、第1の膨出部22Aは、その上下方向の中心線Lcが、第1の延設管体部10aの中心線Ldよりも下側(中心線La側)に偏った配置とされている。第2の膨出部22Bは、その中心線Leが、第2の延設管体部10bの中心線Lfよりも上側(中心線La側)に偏った配置とされている。このことの意義については後述する。
伝熱管1の端部と貫通孔28の周縁部との溶接は、側板部21の外側から行なわれ、かつ側板部21の内面側に裏ビード部29が形成されるようにしてなされている。裏ビード部29は、伝熱管1の外周を覆うようにして伝熱管1に一体化しており、かつ側板部21の内面からケース2の内方側に向けて突出している。裏ビード部29の先端部およびその
近傍部分は、この裏ビード部29の先端側ほど伝熱管1の半径方向の厚みが漸減する形態となっている(図3(a)で示す伝熱管1の外面と裏ビード部29の表面とがなす角度αは、90°を超えている)。
具体的には、前記した溶接は、図4(b),(c)に示すように、ケース2の側板部21の各貫通孔28に、伝熱管1の端部を挿入し、かつその一部を突出させた状態(突出部13を設けた状態)で行なう。突出寸法は、0.5〜2mm程度であるが、この寸法は、伝熱管1および側板部21の厚みや材質などに応じて適宜変更できる。溶接は、たとえばTIG溶接であり、側板部21の外側から片側溶接を行なう。この溶接に際しては、TIG溶接トーチ9を貫通孔28の周縁部に向けて対向させ、伝熱管1には直接対向させないようにする。このような設定状態でTIG溶接を開始すると、貫通孔28の周縁部とともに伝熱管1の突出部13をも溶融させることができる。突出部13は、貫通孔28の周縁部よりもTIG溶接トーチ9に接近しているために、この突出部13に対して適切にアーク熱を作用させることが可能であり、溶接後においては伝熱管1の端部は、側板部21の外面と略面一状の高さとされる。TIG溶接トーチ9は、伝熱管1の端部全周と各貫通孔28の周縁部全周とを溶接するように移動させていく。
具体的には、図2(c)の仮想線L1,L2で示すように、伝熱管1の外周に沿った円軌跡でTIG溶接トーチ9を移動させる。この場合、複数の伝熱管1の相互間領域を溶接する際には、他の領域(伝熱管1の上側や下側の領域)を溶接する際よりも入熱を少なくする。複数の伝熱管1の相互間領域は、溶接が重なり気味で実行されるために、この領域への入熱が過剰にならないようにするためである。
好ましくは、上下2つの膨出部22A,22Bのうち、上側の膨出部22Aにおいて、第1の延設管体部10aを溶接する際の終点P1は、この第1の延設管体部10aの下側(中心線Laに接近する側)とされる。下側の膨出部22Bにおいて、第2の延設管体部10bを溶接する際の終点P2は、この第2の延設管体部10bの上側(中心線Laに接近する側)とされる。
前記した溶接を施すことにより、図3および図4(a)に示した裏ビード部29を適切に形成した溶接が可能となる。伝熱管1の突出部13は、溶加棒としての役割を果たすこととなるため、裏ビード部29のボリュームを大きくし、側板部21の内面からケース2の内方への突出寸法を大きくすることが可能である。また、伝熱管1の相互間領域の母材が少ない部分においても溶接不良を生じないようにすることができる。
図3に示すように、ヘッダ3は、側板部21とは別体に形成されており、膨出部22に対応した開口部32を形成する開口縁部33を有する内部空洞状の本体部30と、この本体部30の後面側に連結された継手用管体部31とを有している。ヘッダ3は、その開口縁部33が膨出部22の周壁部22aに外嵌され、かつこの外嵌部分において溶接が施されていることにより、膨出部22への固定が図られている。ヘッダ3内のうち、先端壁部22bよりもケース2の外方側の領域は、各伝熱管1の内部に連通した湯水流通用のチャンバ36である。
本実施形態によれば、次のような作用が得られる。
まず、伝熱管1に配管接続された配管経路にウォータハンマが生じた場合について、図5を参照して説明すると、ウォータハンマの非発生時には、同図(a)に示す状態にある。これに対し、ウォータハンマが発生し、伝熱管1内の圧力が相当に高くなると、第1および第2の延設管体部10a,10bが、上下方向に膨らむように変形し、側板部21をケース2の内側に撓ませる力F2を発生させる。その際、膨出部22の先端壁部22bも
撓み変形を生じる。このようなことに起因し、第1の膨出部22Aの先端壁部22bにおいては、第1の延設管体部10aの上側領域に引張応力σが発生する。第2の膨出部22Bの先端壁部22bにおいては、第2の延設管体部10bの下側領域に引張応力σが発生する。伝熱管1の端部と先端壁部22bとの溶接部分において前記した引張応力σが発生する箇所は、図2(c)の符号n1,n2で示す箇所近辺である。
これに対し、本実施形態の熱交換器HE1においては、第1および第2の膨出部22A,22Bが、第1および第2の延設管体部10a,10bに対して、側板部21の中心線La寄りに偏って設けられ、先端壁部22bのうち、前記した引張応力σが集中する部分の小領域化が図られている。このことにより、第1および第2の膨出部22A,22Bの強度・耐久性を高めることができる。このことは、側板部21の薄肉化を図るのにも好適となり、軽量化や製造コストの低減化に寄与する。
第1および第2の膨出部22A,22を中央寄りに偏位させると、第1の膨出部22Aとケース2の上壁部20aとの距離、および第2の膨出部22Bと下壁部20bとの距離を大きくとることができる。これは、第1および第2の膨出部2A,2Bにヘッダ3を溶接する際に、溶接トーチが上壁部20aや下壁部20bと干渉することを回避し、溶接トーチの自由度を高める上で好ましい。なお、第1および第2の延設管体部10a,10bについては、上下方向に位置変更させる必要はなく、本来の適切に高さに設定しておくことができる。
溶接の不具合が最も生じ易い溶接の終点P1,P2は、前記した応力集中を生じる箇所を避けた位置にあるため、終点P1,P2に前記した応力σが作用しないようにし、耐ウォータハンマ性能をより高めることができる。また、終点P1,P2は、伝熱管1の相互間領域をも避けた位置であるため、溶接の均一性を高める上でも好ましいものとなる。
伝熱管1と側板部21との溶接は、側板部21の外側からの片側溶接であるために、側板部21の内側において溶接を行なう場合とは異なり、TIG溶接トーチ9が伝熱管1の螺旋状管体の部分に干渉するようなことが回避される。側板部21をケース2の本体部20に組み付けた後であっても、前記溶接作業を容易に行なうことが可能である。したがって、熱交換器HE1の生産性を高め、その製造コストを低減することができる。
側板部21の内面側に形成された裏ビード部29は、伝熱管1の外周を覆うようにして伝熱管1に一体化し、かつケース2の内方側に突出しているために、たとえば単なる隅肉溶接などと比較すると、その溶接強度を高くし、耐久性により優れたものとすることができる。また、裏ビード部29の先端部およびその近傍部分は、先端側ほど伝熱管1の半径方向の厚みが漸減しているために、応力集中を生じ易い断面急変箇所は存在しない。その結果、伝熱管1と側板部21との接合箇所の強度がより高くなる。
ヘッダ3内のチャンバ36には、伝熱管1の端部が突出していないために、チャンバ36の容積が伝熱管1の存在によって狭められないようにすることができる。また、チャンバ36内と伝熱管1内との間を湯水が流通する際の抵抗を小さくする効果も得られる。
さらに、本実施形態によれば、側板部21に対するヘッダ3の取り付けも、側板部21の外側において簡易に行なえることとなる。ヘッダ3を側板部21に直接取り付けた構成であるため、全体の部品点数も少なくし、熱交換器HE1の製造コストを低減する上でより好ましく、さらには全体の小型化を図る上でも好ましいものとなる。
図6は、本発明の他の実施形態を示している。同図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
図6においては、前記実施形態とは異なり、ケース2の左右幅方向が、本発明でいう「x方向」に相当するが、上下方向が「y方向」であり、ケース2の前後幅方向が「z方向」である。
本実施形態の熱交換器HE2は、各伝熱管1の主管体部11が、略水平な姿勢の蛇行状管体部とされており、複数の伝熱管1は、上下高さ方向に並んでいる。第1および第2の延設管体部10a,10bは、ケース2の左右幅方向に延びているが、これらはケース2の前後幅方向に間隔を隔てている。このため、ケース2の側板部21に設けられた第1および第2の膨出部22(22A,22B)は、ケース2の前後幅方向の中心線Lbを挟んでケース2の前後幅方向に離間した配置とされている。第1および第2の膨出部における複数の貫通孔28および伝熱管1の端部(第1および第2の延設管体部10a,10b)の配列方向は、上下方向である。
第1の膨出部22Aは、その前後幅方向の中心線Lgが、第1の延設管体部10aの中心線Lhよりも後側(中心線Lb側)となるように設けられている。好ましくは、この第1の膨出部22Aにおける溶接の終点P1は、第1の延設管体部10aよりも後側とされている。第2の膨出部22Bは、その前後幅方向の中心線Liが、第2の延設管体部10bの中心線Ljよりも前側(中心線Lb側)となるように設けられている。好ましくは、この第2の膨出部22Bにおける溶接の終点P2は、第2の延設管体部10bよりも前側とされている。
本実施形態の熱交換器HE2においては、ウォータハンマ発生時には、前記した熱交換器HE1と同様に、第1および第2の延設管体部10a,10bが膨らんで側板部21を内側に引っ張って撓ませ、かつ第1および第2の膨出部22の先端壁部22bも撓ませる。このことにより、先端壁部22bに引張応力が生じるが、第1および第2の延設管体部10a,10bが膨らむ方向はケース2の前後幅方向であって、前記した実施形態とは異なり、第1の延設管体部10aの前側領域、および第2の延設管体部10bの後側領域に引張応力が集中する。これに対し、本実施形態では、そのような応力集中領域が狭められているために、耐久性を高めることが可能である。また、溶接の終点P1,P2は、応力集中領域とは反対側に設けられているために、やはりこの終点P1,P2に引張応力が集中することはなく、耐久性を一層高めることが可能である。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る熱交換器の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内で種々に設計変更自在である。
上述した実施形態では、第1および第2の膨出部22を、ケース2の側板部21の外方に向けて膨出させているが、これとは異なり、第1および第2の膨出部を、側板部21の内側方向に膨出させた構成とすることもできる。このような場合であっても、側板部にヘッダを取り付けて、膨出部を利用した湯水流通用のチャンバを形成することが可能であり、またウォータハンマ発生時の応力集中領域を狭くして耐久性を高めるという本発明の意図する作用を得ることができる。伝熱管とケースの側板部との接合手段としては、溶接に限らず、ロウ付けを採用することも可能である。なお、溶接を採用する場合、その溶接は、TIG溶接に限定されず、たとえば他のアーク溶接を用いることも可能であり、その具体的な種類は問わない。
ケース内に流入させる熱交換対象媒体としては、燃焼ガス以外の流体とすることができる。本発明に係る熱交換器は、潜熱回収用に限らないことは勿論のこと、湯水加熱用途以外の種々の用途に用いられるものとすることができる。
HE1,HE2 熱交換器
P1,P2 溶接の終点
1 伝熱管
10a,10b 延設管体部
11 主管体部(伝熱管の)
2 ケース
3(3A,3B) ヘッダ
21 側板部(ケースの)
22(22A,22B) 第1および第2の膨出部
28 貫通孔
29 裏ビード部
36 チャンバ(ヘッダの)

Claims (5)

  1. 螺旋状または蛇行状の主管体部に繋がって所定のx方向に延び、かつx方向に対して交差するz方向に離間した第1および第2の延設管体部をそれぞれ有する複数の伝熱管と、
    前記主管体部を位置決め固定させた状態で前記複数の伝熱管を内部に収容するケースと、
    このケースの側板部に設けられてx方向に膨出しているとともに、前記側板部のz方向の中心線を挟んでz方向に離間した配置とされ、かつ前記第1および第2の延設管体部を挿入させて接合を図るための複数の貫通孔がx,z方向に対して交差するy方向に並んで設けられている第1および第2の膨出部と、
    これら第1および第2の膨出部の壁部を利用して前記伝熱管の内部に連通するチャンバを形成するように前記側板部に取り付けられたヘッダと、
    を備えている、熱交換器であって、
    前記第1および第2の膨出部のうち、前記複数の貫通孔が設けられ、かつ前記チャンバに対面している壁部のz方向の中心線は、前記第1および第2の延設管体部の中心よりも前記側板部のz方向の中心線寄りに偏った配置に設けられていることを特徴とする、熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器であって、
    前記第1および第2の膨出部は、前記ケースの側壁部の外方に向けて膨出し、前記ヘッダは、前記第1および第2の膨出部に外嵌されて接合されている、熱交換器。
  3. 請求項1または2に記載の熱交換器であって、
    前記各伝熱管は、軸長方向が上下方向とされた螺旋状の主管体部を有し、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに上下方向に間隔を隔てた構成とされ、
    前記第1および第2の膨出部は、前記側板部の上下方向の中心線を挟んで上下に離間し、かつ前記複数の貫通孔が前記ケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、
    前記第1の膨出部の上下方向の中心線は、前記第1の延設管体部の中心よりも下側であり、前記第2の膨出部の上下方向の中心線は、前記第2の延設管体部の中心よりも上側である、熱交換器。
  4. 請求項1または2に記載の熱交換器であって、
    前記複数の伝熱管は、略水平に蛇行した複数の主管体部が上下方向に間隔を隔てて並び、かつ前記第1および第2の延設管体部が前記ケースの横幅方向に延びるとともに前後幅方向に間隔を隔てた構成とされ、
    前記第1および第2の膨出部は、前記ケースの前後幅方向の中心線を挟んで前後に離間し、かつ前記複数の貫通孔が上下方向に間隔を隔てて並んで設けられた構成とされており、
    前記第1の膨出部の前後幅方向の中心線は、前記第1の延設管体部の中心よりも後側であり、前記第2の膨出部の前後幅方向の中心線は、前記第2の延設管体部の中心よりも前側である、熱交換器。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器であって、
    前記第1および第2の延設管体部と前記複数の貫通孔の周縁部との接合は、前記側板部の外側から行なわれる片側溶接とされ、前記側板部の内面側には、前記第1および第2の延設管体部の外周面を覆うようにして前記伝熱管に一体化した裏ビード部が、前記ケースの内方側に突出するように形成されている、熱交換器。
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