JP2014106468A - 反射型表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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多 浩 之 本
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刈 久実子 穂
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Abstract

【課題】表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に水分や酸素等が侵入することが抑制される反射型表示装置、及び、反射型表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されている、反射型表示装置であって、第一パターンで形成され、前記2枚の基板間において、一方の基板の所定の表示に利用される表示領域を含むか、または、当該一方の基板の表示領域に包含される第一領域に配置された第一パターンの隔壁と、第二パターンで形成され、前記2枚の基板間において、前記第一領域の周囲であって前記一方の基板の所定の表示に利用されない領域の少なくとも一部を含む第二領域に配置された第二パターンの隔壁と、を備え、前記第二パターンの隔壁のピッチは、前記第一パターンの隔壁のピッチより小さい。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子ペーパー等に応用されている反射型表示装置及びその製造方法に関する。
反射型表示装置として、最近、表示媒体に含まれる電気応答性材料として電気泳動体を用いた電気泳動表示装置が広く用いられている。電気泳動表示装置とは、空気中または溶媒中の電気泳動体(通常は電気泳動する粒子)の電気的な泳動、すなわち粒子移動を利用して情報を表示する装置である。通常、2枚の基板間に電界を与えることで電気的な泳動の状態が制御され、それによって所望の表示が実現されるように構成される。電気泳動体としては、荷電粒子の他、荷電粉体をも利用され得る。その場合、当該荷電粉体は気体中を電気的に泳動する。
電気泳動表示装置は、近年では特に、電子ペーパーとしての応用が注目されている。電子ペーパーとして応用する場合には、印刷物レベルの視認性(目にやさしい)、情報書き換えの容易性、低消費電力、軽量といった利点を享受できる。
電気泳動表示装置では、しかし、粒子や粉体の沈降や偏在に起因して、表示の不良、特にコントラストの低下が生じることがある。この現象を防止するべく、上下の電極基板間に隔壁を形成して、電気泳動する粒子や粉体の泳動空間、すなわち移動空間を微小な空間に分割することが採用されている。この微小な空間は、セルと呼ばれている。各セルの中に、電気泳動体を含むインキやガス(表示媒体)が封入されている。
例えば特許文献1(特開2003−345260号公報)及び特許文献2(特開2007−163660号公報)には、表示媒体として電気泳動体を含むガスを使用した電気泳動表示装置の従来例が開示されている。
また、特許文献3(特許4642014号公報)には、表示媒体を封入するためのセルを有する電気泳動表示装置製造用シートの製造方法が開示されている。
特開2003−345260号公報 特開2007−163660号公報 特許4642014号公報
ところで、セル内に封入された表示媒体の性状の変化やセル内における気泡の発生は、反射型表示装置の表示品質の低下につながってしまうが、本件発明者は、この問題について鋭意研究を重ねるうち、以下のような知見を得るに至った。
まず、セルを構成する隔壁頂面と対向基板とを接着剤で接着させても、表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に当該領域の外部から水分や酸素等が侵入してしまうことがある。この場合、当該セル内の表示媒体の性状が変化したり、当該セル内において気泡が発生したりしてしまう。従って、表示部に対応する領域を囲うようにシール剤を配置して当該表示部に対応する領域をシールすれば、当該表示部に対応する領域のセル内に当該表示部に対応する領域の外部から水分や酸素等が侵入することを防ぐことができると考えられる。
しかしながら、表示部に対応する領域の周囲に優れた密閉性能を持つシール剤を使用して当該表示部に対応する領域を密閉しようとしても、シール剤が設けられる領域に接着剤が存在することによって、シール剤によるシール性能が完全に発揮されないことがある。これは、例えば、接着剤を介して前記表示部に対応する領域に位置するセル内に水分や酸素等が侵入してしまったり、接着剤の成分がシール剤のシール性能を低下させてしまうためであると考えられる。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に水分や酸素等が侵入することが抑制される反射型表示装置、及び、反射型表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所定の表示をする、反射型表示装置であって、第一パターンで形成され、前記2枚の基板間において、一方の基板の所定の表示に利用される表示領域を含むか、または、当該一方の基板の表示領域に包含される第一領域に配置された第一パターンの隔壁と、第二パターンで形成され、前記2枚の基板間において、前記第一領域の周囲であって前記一方の基板の所定の表示に利用されない領域の少なくとも一部を含む第二領域に配置された第二パターンの隔壁と、前記一方の基板の表示領域における前記第一パターンの隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、前記第一パターンの隔壁及び前記第二パターンの隔壁上に配置された接着層と、前記一方の基板と他方の基板との間に設けられ、前記第二領域に前記第一領域を囲むように配置された表示領域外周シールと、を備え、前記第一パターンと前記第二パターンとは、互いに相似形のパターンであり、前記第二パターンの隔壁のピッチは、前記第一パターンの隔壁のピッチより小さいことを特徴とする反射型表示装置である。
本発明によれば、一方の基板上の反射型表示装置の表示部に対応する領域(第一領域)には第一パターンで隔壁が形成されており、表示部の外周部に対応する領域(第二領域)には第二パターンで隔壁が形成されており、第二パターンのピッチは、第一パターンのピッチより小さい。この場合、隔壁頂面に隔壁と他方の基板とを接着させる接着剤が転写されて接着層が形成される際、外周部に対応する領域の隔壁の前記頂面以外の場所にも接着剤が付着することが抑制される。この結果、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に接着剤を介して外部から水分や酸素等が侵入することが抑制される。
また、第二パターンの隔壁の接着層が形成される側の頂面以外の場所に付着した接着剤によって、第一領域を囲むように配置された表示領域外周シールのシール性能が低下することが抑制される。
さらに、第一パターンと第二パターンとは、互いに相似形のパターンである。この場合、例えば隔壁頂面に接着剤を転写させて接着層を形成する際、第一領域に形成された隔壁上に転写される接着層の厚みと、第二領域に形成された隔壁上に転写される接着層の厚みと、が同じになる。これにより、隔壁が形成された基板と当該基板に対向する基板とをラミネート貼合する際に、第二領域の接着層の厚みが邪魔をして、第一領域の接着層に十分なラミネート圧力が与えられないことが抑制され、当該第一領域における接着強度が所望の程度以上になされることが促進される。
例えば、前記第二パターンの隔壁は、500μm×500μmの単位正方形をどこで切り出しても、必ず存在するように設けられている。
好ましくは、前記第二パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅は、前記第一パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅より狭い。この場合、第一領域に形成された隔壁上の接着層の厚みが第二領域に形成された隔壁上の接着層の厚みより小さくなることが抑制される。これにより、隔壁が形成された基板と当該基板に対向する基板とをラミネート貼合する際に、第二領域の接着層の厚みが邪魔をして、第一領域の接着層に十分なラミネート圧力が与えられないことが抑制され、当該第一領域における接着強度が所望の程度以上になされることが一層促進される。この結果、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に外部から水分や酸素等が侵入することが一層抑制される。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所定の表示をする、反射型表示装置、を製造する方法であって、一方の基板上において、当該一方の基板の所定の表示に利用される表示領域を含むか、または、当該一方の基板の表示領域に包含される第一領域に第一パターンで、且つ、当該第一領域の周囲であって前記一方の基板の所定の表示に利用されない領域の少なくとも一部を含む第二領域に第二パターンで隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記第一パターンの隔壁及び前記第二パターンの隔壁上に接着層を形成する接着層形成工程と、前記一方の基板または他方の基板上であって、当該一方の基板の前記隔壁の頂面と当該他方の基板とが対向するように当該一方の基板と当該他方の基板とが配置される際に前記第二領域の前記第一領域を囲むことができるような位置に表示領域外周シールを配置する表示領域外周シール配置工程と、前記一方の基板または前記他方の基板上に前記表示媒体を配置する表示媒体配置工程と、前記表示媒体が配置された後に前記第一パターンの隔壁で区画された各領域をセルとして前記表示媒体が各セル内に封止されるよう、前記一方の基板と前記他方の基板とを、当該一方の基板の前記隔壁の頂面と当該他方の基板とが対向するように配置する対向基板配置工程と、を備え、前記第一パターンと前記第二パターンとは、互いに相似形のパターンであり、前記第二パターンの隔壁のピッチは、前記第一パターンの隔壁のピッチより小さいことを特徴とする反射型表示装置の製造方法である。
本発明によれば、一方の基板上の反射型表示装置の表示部に対応する領域(第一領域)には第一パターンで隔壁を形成し、表示部の外周部に対応する領域(第二領域)には第二パターンで隔壁を形成し、第二パターンのピッチは、第一パターンのピッチより小さい。この場合、隔壁頂面に隔壁と他方の基板とを接着させる接着剤が転写されて接着層が形成される際、外周部に対応する領域の隔壁の前記頂面以外の場所にも接着剤が付着することが抑制される。この結果、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に接着剤を介して外部から水分や酸素等が侵入することが抑制される。
また、第二パターンの隔壁の接着層が形成される側の頂面以外の場所に付着した接着剤によって、第一領域を囲むように配置された表示領域外周シールのシール性能が低下することが抑制される。
さらに、第一パターンと第二パターンとは、互いに相似形のパターンである。この場合、例えば隔壁頂面に接着剤を転写させて接着層を形成する際、第一領域に形成された隔壁上に転写される接着層の厚みと、第二領域に形成された隔壁上に転写される接着層の厚みと、が同じになる。これにより、隔壁が形成された基板と当該基板に対向する基板とをラミネート貼合する際に、第二領域の接着層の厚みが邪魔をして、第一領域の接着層に十分なラミネート圧力が与えられないことが抑制され、当該第一領域における接着強度が所望の程度以上になされることが促進される。
例えば、前記第二パターンの隔壁は、500μm×500μmの単位正方形をどこで切り出しても、必ず存在するように設けられている。
好ましくは、前記第二パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅は、前記第一パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅より狭い。この場合、第一領域に形成された隔壁上の接着層の厚みが第二領域に形成された隔壁上の接着層の厚みより小さくなることが抑制される。これにより、隔壁が形成された基板と当該基板に対向する基板とをラミネート貼合する際に、第二領域の接着層の厚みが邪魔をして、第一領域の接着層に十分なラミネート圧力が与えられないことが抑制され、当該第一領域における接着強度が所望の程度以上になされることが一層促進される。この結果、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に外部から水分や酸素等が侵入することが一層抑制される。
本発明によれば、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に水分や酸素等が侵入することが抑制される反射型表示装置、及び、反射型表示装置の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図2は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。 図3は、本発明の第一の実施の形態による隔壁のパターンとその配置の一例を概略的に示す図である。図3(a)においては、第一パターンの隔壁と第二パターンの隔壁の平面図を示しており、図3(b)においては、第一パターンの隔壁が形成される領域(第一領域)と等しい表示領域を斜線部として示しており、図3(c)においては、第二パターンの隔壁が形成される領域(第二領域)と等しい外周部を斜線部として示している。 図4は、隔壁の頂面の幅の定義について説明する図である。 図5は、接着層形成工程の一例を概略的に示す図である。 図6は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。 図7は、対向基板接着工程において、他方の基板上に一方の基板が接着されている様子を示す断面図である。 図8は、本発明の第二の実施の形態による隔壁のパターンとその配置の一例を概略的に示す図である。図8(a)においては、第一パターンの隔壁が形成される領域(第一領域)より少し大きい表示領域を斜線部として示しており、図8(b)においては、第二パターンの隔壁が形成される領域(第二領域)より少し小さい外周部を斜線部として示している。 図9は、本発明の第三の実施の形態による隔壁のパターンとその配置の一例を概略的に示す図である。図9(a)においては、第一パターンの隔壁が形成される領域(第一領域)より少し小さい表示領域を斜線部として示しており、図9(b)においては、第二パターンの隔壁が形成される領域(第二領域)より少し大きい外周部を斜線部として示している。 図10は、本発明の比較例による隔壁のパターンとその配置の一例を概略的に示す図である。図10(a)においては、第一パターンの隔壁と第二パターンの隔壁の平面図を示しており、図10(b)においては、第一パターンの隔壁が形成される領域(第一領域)と等しい表示領域を斜線部として示しており、図10(c)においては、第二パターンの隔壁が形成される領域(第二領域)と等しい外周部を斜線部として示している。
図1乃至図10において、一方の基板11と他方の基板16の各面上には、それぞれ電極が設けられているが、それら電極の図示は省略されている。本実施の形態においては、一方の基板11が視認側に配置され、他方の基板16が非視認側に配置される。
一方の基板11としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明フィルムや透明ガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明電極を付したものが、典型的に用いられ得る。
透明電極は、塗工法や蒸着法等によって形成され得る。透明電極は、アクティブマトリクス駆動の場合及びセグメント駆動の場合は共通電極として用いられるので、必ずしもパターンが形成されている必要は無く、基板全面が電極であってもよい。一方、パッシブマトリクス駆動の場合、対向する両方の基板はパターン電極である必要があるため、前記透明電極もストライプなどのパターンで形成される。
なお、電極パターンの形成は、フォトリソ法、レーザ描画法、インクジェット法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、等によって行われ得る。
一方の基板11の厚みは、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
一方の基板11の表面には、メッキ処理による酸化防止処理が施されてもよい。また、一方の基板11の裏面(外側)には、バリア層が設けられてもよい。バリア層の機能は、インキが水分を吸着することによる表示劣化を防止することである。バリア層は、本実施形態では視認側に配置される一方の基板に設けられる場合には、透明である必要があり、無機膜を蒸着することで得られる。あるいは、予めバリア層が形成されたフィルムが貼り合わせられてもよい。
一方の基板11は、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
他方の基板16としては、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等の表面に金属等の導電性材料によって電極が形成されたものが用いられ得る。また他方の基板16は、光透過性の基材が用いられてもよい。さらに光透過性で不透明な基材であってもよく、電極面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等が用いられ得る。本実施の形態では、他方の基板16は、視認側と反対側の位置に配置されるため、透明である必然性はない。しかし、熱膨張特性など一方の基板11と同じ物性が必要とされる場合は、一方の基板11と同様の透明部材が使用され得る。
電極としては、セグメント駆動およびパッシブマトリクス駆動の場合はパターン状の電極、また、アクティブマトリクス駆動の場合はTFT(Thin Film Transistor)が配置される画素電極が用いられる。
他方の基板16の厚みも、一方の基板11の厚みと同様に、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
他方の基板16には、更なる機能層が付加され得る。例えば、他方の基板16の表面に、バリアフィルムが貼付され得る。予め透明無機膜のバリア層が蒸着等で形成された透明フィルムが他方の基板16として採用されても、これと同様の機能を発揮できる。あるいは、他方の基板16の表面に、紫外線カットフィルムが貼付され得る。他方の基板16の表面に他の紫外線カット処理が施されても、これと同様の機能を発揮できる。その他の表面コート層として、AG層(防眩層)、HC層(傷防止層)、AR層(反射防止層)などが付加され得る。
他方の基板16も、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
以下では、一方の基板11ないし他方の基板16上において、一方の基板11及び他方の基板16を用いて製造される反射型表示装置において所定の表示に利用される領域に対応する領域を「表示領域」と称し、表示領域の周囲の領域を「外周部」と称する。
<反射型表示装置の製造方法>
図1は、本発明の第一の実施の形態による反射型表示装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。
図2は、隔壁形成工程の一例を概略的に示す図である。図2に示すように、まず、一般には水平方向に載置される一方の基板11の上面に、例えばフォトリソグラフィ法(紫外線(UV)照射による露光→現像→焼成)によって、所定のパターンの隔壁12が形成される。隔壁12は、少なくとも表示領域60において、後述する複数のセルを規定する部材である。
隔壁12は、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂等によって構成可能であり、隔壁12の形成方法は、フォトリソグラフィ法の他、エンボス加工などの型転写方法も採用され得る。さらに、所望のパターンの構造物を隔壁として製造しておいて、それを一方の基板11に貼り付けるという方法も採用され得る。
本実施の形態では、隔壁12のパターンは、図3に示すように、表示領域60に対応する領域及び外周部70に対応する領域のどちらも全体として格子状であるが、表示領域60に対応する領域ではピッチが大きい第一パターンで、外周部70に対応する領域ではピッチが小さい第二パターンで形成される。ここで、ピッチとは、図3(a)に示すように、隣接するセルの中心点の距離LないしL、すなわち、隣接するセルを重ねるべく移動させるのに必要な距離を意味している。
以下では、隔壁12のうち、第一パターンの隔壁を参照符号121で、第二パターンの隔壁を参照符号122で参照する。
第一パターンのピッチLは、表示パネルの大きさにもよるが、50μm〜500μmピッチ、好ましくは50μm〜300μmピッチである。本実施の形態では、第一パターンのピッチLは、300μmピッチである。
一方、第二パターンのピッチLは、第一パターンのピッチLより小さい値が選択される。これにより、第二パターンの隔壁122が形成される領域において、接着層形成工程において接着剤が隔壁122の接着層が形成される側の頂面(以下「接着層側頂面」という。)以外の場所にも転写されてしまうことを抑制することができる。第二パターンの隔壁122が形成される領域において接着剤が隔壁122の接着層側頂面以外の場所にも転写されてしまうと、当該接着剤を介して外周部70の水分や酸素等が表示領域60に設けられたセル内に侵入してしまうことがある。また、第二パターンの隔壁122が形成される領域において接着剤が隔壁122の接着層側頂面以外の場所にも転写されてしまうと、後述する表示領域外周シール配置工程において、表示領域60をシールするために表示領域60の周囲、すなわち第二パターンの隔壁122が形成される領域、に設けられるシール剤61のシール性能を低下させてしまうことがある。
本実施の形態では、第二パターンのピッチLは、150μmピッチである。この場合、第二パターンの隔壁122が500μm×500μmの単位正方形をどこで切り出しても、必ず存在するように設定される。
第一パターンの隔壁121の頂面の幅は、9μm〜50μm、好ましくは9μm〜20μmである。9μmというのは、隔壁121が倒れることなくパターニングできる線幅の下限である。隔壁121の頂面の幅が9μm未満である場合、隔壁121の長さが60μm以上に亘るようなパターンでは、少なくとも隔壁121の一部が倒れたり、剥がれたり、剥がれた隔壁121が基板上を移動したりする。そうなった場合には、隔壁121による粒子の移動を防ぐという機能が失われ、表示品質が劣化してしまう。一方、好適な範囲の上限である50μmというのは、目視したときに隔壁121が目立ち過ぎない上限である。
ここで、隔壁12の頂面の幅の定義を、図4に示す。頂面の角が丸まっていなければ、図4(a)や図4(b)に示すように、頂面の幅はそのまま定義される。一方、頂面の角が丸まっている場合には、図4(c)や図4(d)に示すように、頂面の延長面と壁部の延長面との交線間の幅として理解される。評価のための測定方法としては、隔壁12が形成された一方の基板11を硬化性樹脂にて包埋し、ミクロートーム(大和光機工業株式会社製:FX−801)により隔壁12の断面を切り出し、走査電子顕微鏡(SEM)によって撮影した画像に基づいて各幅を測定することができる。
一方、第二パターンの隔壁122の頂面の幅は、5μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmである。隔壁122の頂面の幅が5μm未満である場合、隔壁122の長さが短くても、当該隔壁122の一部が倒れたり、剥がれたり、剥がれた隔壁122が基板上を移動したりする。
本実施の形態では、第二パターンの隔壁122の接着層側頂面の幅は、第一パターンの隔壁121の接着層側頂面の幅より狭い。これにより、第一領域に形成された隔壁上の接着層の厚みが第二領域に形成された隔壁上の接着層の厚みより小さくなることが抑制され、隔壁が形成された基板と当該基板に対向する基板とをラミネート貼合する際に、第二領域の接着層の厚みが邪魔をして、第一領域の接着層に十分なラミネート圧力が与えられないことが抑制される。この結果、当該第一領域における接着強度が所望の程度以上になされることが促進され、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に外部から水分や酸素等が侵入することが一層抑制される。
なお、以下では、第一パターンの隔壁121が形成される領域を「第一領域」と称し、第二パターンの隔壁122が形成される領域を「第二領域」と称する。
本実施の形態においては、第一領域と表示領域60、及び、第二領域と外周部70は、図3(b)及び図3(c)に示すように、一致している。
なお、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「表示領域の全てを含む(第一)領域」という用語の意味には、「表示領域をその一部に含む(第一)領域」という意味だけでなく、図3に示すような「表示領域に一致する(第一)領域」という意味も含まれている。
また、第二領域は、第一領域の外周であって、後述する表示領域外周シール61が配置される領域に設けられていればよく、その他の領域に第二パターン122で隔壁が形成されていなくてもよい。
表示領域60に配置される第一パターン121の形状は、円、格子、ハニカム状(六角形)、その他の多角形など、基本的に任意である。開口率は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。高開口率であるほど、表示可能エリアが広くなるため、高コントラストを得ることができる。
また、第二パターンの形状も、円、格子、ハニカム状(六角形)、その他の多角形など、また、第二パターンの形状も基本的に任意である。また、第二パターンのピッチが第一パターンのピッチよりも小さければ、第二パターンの形状は、第一パターンの形状とは異なっていてもよい。
隔壁の厚みは、5μm〜50μm、好ましくは10μm〜50μmである。5μm以下では、充填するインキ量が少なく、十分な表示特性、特にコントラストが得られない一方、50μm以上では、パネルの厚みが厚すぎて、駆動電圧が上昇し過ぎてしまう。低駆動電圧で良好な表示特性が得られるという観点から、10μm〜50μmの範囲の厚みが好適である。
次に、隔壁12上に接着層22が形成される(接着層形成工程:図1の工程(2))。この接着層形成工程では、例えば転写法や印刷法により、ポリエステル系熱可塑性接着剤のようなヒートシール剤221が、1μm〜100μmの厚みで形成される。好ましくは、1μm〜50μmの厚みで形成され、特に好ましくは、1μm〜20μmの厚みで形成される。
転写法として典型的な熱転写法の一例について具体的な説明を補足すれば、図5に示すように、例えばPETフィルム21上に20μmの厚みでポリエステル系熱可塑性接着剤のようなヒートシール剤221を形成した転写シートを用意し、この転写シート20のヒートシール剤221の面を隔壁12上に常温で1kPaの圧力でラミネートする。これをヒートシール剤221の軟化温度以上の温度である例えば120℃に保たれたホットプレート上において1分間加熱し、その後転写シート20を剥離する。これにより、隔壁12上に例えば6μm程度の接着層22が形成される。
なお、接着剤(ヒートシール剤)221としては、熱可塑性材料を用いたものが好ましく、加熱により軟化して、冷却すると固化する性質を有し、冷却と加熱を繰り返した場合に、塑性が可逆的に保たれる材料である。
熱可塑性材料からなるヒートシール剤を接着層として用いた場合には、転写フィルム基材上の固化しているヒートシール剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱することにより軟化させて、隔壁上面のみに確実にヒートシール剤を熱転写することもできる。また、熱転写後のヒートシール剤は常温まで冷却して再び固化することにより、タック、すなわちねばつきが無くなるため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、セル内に充填された表示媒体がヒートシール剤と接着してしまうことがない。そして、再び隔壁上面のヒートシール剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることにより、タック、すわなちねばつきを有するようになるため、他方の基板に確実に接着される。他方の基板との接着後のヒートシール剤は、再び常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、やはり表示媒体がヒートシール剤と接着してしまうことがなく、表示品質の低下のおそれもない。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンなどの熱可塑性ベースポリマーや、天然ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体などの熱可塑性エラストマーを主成分とし、粘着性付与樹脂や可塑剤を配合した樹脂が主に使用される。
隔壁12とヒートシール剤221との密着性を上げるために、隔壁12に紫外線照射やプラズマ処理などにより表面処理が施されてもよいし、プライマーが形成されてもよい。あるいは、ヒートシール剤221の方にシランカップリング剤が添加されてもよい。
次に、第二領域に、第一領域を囲むように表示領域外周シール61が配置される(表示領域外周シール配置工程:図1の工程(3))。一方の基板11が複数の表示領域60を含む場合には、表示領域外周シール61は、複数の表示領域60の各々の外周に配置される。
表示領域外周シール61の配置方法の一例について具体的な説明を補足すれば、当該表示領域外周シール61は、例えば紫外線硬化性樹脂のような接着剤を、ディスペンサを用いて線幅0.5mm、高さ50μmで線状に塗布することによって配置される。
表示領域外周シール61は、紫外線硬化性樹脂を硬化させてなる紫外線硬化樹脂の他に、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂、ヒートシール樹脂等によっても構成可能である。また、表示領域外周シール61は、ディスペンサの他に、各種の印刷法によって、あるいは、熱圧着によっても配置可能であり、他方の基板16上に配置されてもよい。
次に、他方の基板16上に表示媒体としてのインキ13が配置される(表示媒体配置工程:図1の工程(4))。図6は、表示媒体配置工程の一例を概略的に示す図である。ここでは、(1)ディスペンサ31あるいはインクジェット、ダイコートからインキ13が滴下され(インキ滴下工程)、(2)アプリケータ32あるいはドクターブレード、ドクターナイフ、中央スキージによって面内均一となるようにインキ13が塗布される(インキ塗布工程)。なお、インキ13は、一方の基板11上に配置されてもよい。
表示媒体としては、少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が用いられ得る。電気応答性材料としては、電荷粒子材料、液晶材料があり、電荷粒子材料には白や黒、カラーなどの色づけされた粒子が電場に応答して移動するいわゆる電気泳動材料、または、粒子が二色に色分けされ電場により回転するツイストボールに代表される材料、または、電場により移動するナノ粒子材料等がある。一方、液晶材料は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)で知られる透過と散乱を電気的に制御する材料や、液晶に色素を混合した材料、コレステリック液晶材料などがある。これらの電気応答性を有し光学特性を変化させる材料は、種類を問わずセルに隔離する必要があり、本発明の適用対象である。
その後、隔壁12上の接着層22と、一方の基板11に対して対向する他方の基板16とが接着される(対向基板接着工程:図1の工程(5))。これにより、表示媒体(インキ13)が各セル内に封止される。
対向基板接着工程は、図7に示すように、接着層22として転写されたヒートシール剤221及び表示領域外周シール61を加熱させて接着力を得るようになっている。具体的には、ラミネータ91によって所定の熱圧着圧力(ラミネート圧力)を付与しながら、ヒートシール剤221(接着層22)及び表示領域外周シール61を周辺からその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることによって、隔壁12とインキ13が塗工されている他方の基板16とを接着する。もっとも、他の熱圧着の態様が採用されてもよい。
対向基板接着工程では、一方の基板11と他方の基板16との間でセル内に気泡が残らないように、一方の基板11をカールさせて、一方の側(図7の場合、左側)から対向する他方の側(図7の場合、右側)に向けて、ラミネータ91によって一方の基板11と他方の基板16とが互いに押圧される部位を移動させ、他方の基板16上の余剰のインキを、表示領域外周シール61で囲まれた領域から押し出しながら貼り合わせる。その後、表示領域外周シール61を硬化させることによって表示領域の外周が封止され、マザーパネル基板81が製造される。
その後、図1に示すように、マザーパネル基板81は、ギロチン、上刃スライド装置、レーザカット装置、レーザーカッター等の断裁装置51によって所定のサイズに断裁され、所望の反射型表示装置の製造が完了する。
なお、本件の明細書及び特許請求の範囲においては、「マザーパネル基板」という用語の意味には、反射型表示装置において表示パネルとして使用される部分(表示領域60、または、表示領域60と表示領域60の縁部から所定の範囲の外周部70(額縁部)とを含む領域に一致する部分。以下「パネル部分」という。)を複数含むパネル基板に限られず、単一のパネル部分をのみを有するパネル基板をも含む。
以上のように、本実施の形態によれば、一方の基板上の反射型表示装置の表示部に対応する領域(第一領域)には第一パターンで隔壁121が形成されており、表示部の外周部に対応する領域(第二領域)には第二パターンで隔壁122が形成されており、第二パターンのピッチは、第一パターンのピッチより小さいため、隔壁12の接着層側頂面に隔壁12と他方の基板16とを接着させる接着剤221が転写されて接着層22が形成される際、外周部70に対応する領域の隔壁122の接着層側頂面以外の場所にも接着剤221が付着することが抑制される。これにより、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に接着剤221を介して外部から水分や酸素等が侵入することが抑制される。
さらに、2枚の基板間の第一パターンの隔壁121が形成されている空間をシールする表示領域外周シール61を第二パターンの隔壁122が形成される第二領域に配置した場合、第二パターンの隔壁122の接着層側頂面以外の場所に付着した接着剤221によって、表示領域外周シール61のシール性能が低下することが抑制される。
また、第二パターンの隔壁122の前記接着層が形成される頂面の幅は、第一パターンの隔壁121の前記接着層が形成される頂面の幅より狭いので、第一領域に形成された隔壁121上の接着層22の厚みが第二領域に形成された隔壁122上の接着層22の厚みより小さくなることが抑制される。これにより、隔壁12が形成された基板11と当該基板11に対向する基板16とをラミネート貼合する際に、第二領域の接着層22の厚みが邪魔をして、第一領域の接着層22に十分なラミネート圧力が与えられないことが抑制され、当該第一領域における接着強度が所望の程度以上になされることが促進される。この結果、反射型表示装置の表示部に対応する領域に位置するセル内に外部から水分や酸素等が侵入することが一層抑制される。
また、接着層のヒートシール剤221は、熱可塑性材料からなる場合においては、常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、その後の表示媒体配置工程が容易である。具体的には、スキージあるいはドクターブレード、ドクターナイフ等を用いて表示媒体を配置しても、表示媒体(インキ13)がヒートシール剤221と接着してしまうことがない。
なお、一方の基板11の電極(不図示)と他方の基板16の電極(不図示)との間に所定の電界(電圧)が与えられる際、表示媒体であるインキ13中の電気応答性材料が駆動され、文字パターン等の所定の情報が表示される。その後、電界が与えられなくなっても、新たな電界が両基板間に与えられるまで、当該情報表示状態が維持される。
次に、図8により、本発明による反射型表示装置の第二の実施の形態について説明する。
図8は、本発明の第二の実施の形態による、隔壁12のパターンとその配置の一例を概略的に示す図である。本実施の形態では、図8に示すように、一方の基板11上において、表示領域60(一方の基板11の所定の表示に利用される領域)の一部のみを含み当該表示領域60より少し小さい第一領域に所定の第一パターンで隔壁121が形成され、且つ、表示領域60の周囲であって外周部70(一方の基板11の所定の表示に利用されない領域)を含み当該外周部70より少し大きい第二領域に所定の第二パターンで隔壁122が形成されている。また、第二パターンの隔壁122のピッチが、第一パターンの隔壁121のピッチより小さい。
その他の構成は、図3に示す第一の実施の形態と略同様である。図8において、図3に示す第一の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、第一パターンの隔壁121が形成される第一領域は、表示領域60より少しだけ小さい。しかし、第一領域が表示領域60の大部分をカバーしていれば、第一の実施の形態と同様の作用効果が得られる。したがって、製造上の誤差等により本実施の形態のように隔壁121,122が配置された場合であっても、本発明の保護範囲に含まれるものと理解されるべきである。
次に、図9により、本発明による反射型表示装置の第三の実施の形態について説明する。
図9は、本発明の第三の実施の形態による、隔壁12のパターンとその配置の一例を概略的に示す図である。本実施の形態では、図9に示すように、一方の基板11上において、表示領域60(一方の基板11の所定の表示に利用される領域)を含み当該表示領域60より少し大きい第一領域に所定の第一パターンで隔壁121が形成され、且つ、表示領域60の周囲であって外周部70(一方の基板11の所定の表示に利用されない領域)の一部のみを含み当該外周部60より少し小さい第二領域に所定の第二パターンで隔壁122が形成されている。また、第二パターンの隔壁122のピッチが、第一パターンの隔壁121のピッチより小さい。
その他の構成は、図3に示す第一の実施の形態と略同様である。図9において、図3に示す第一の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、第一パターンの隔壁121が形成される第一領域は表示領域60より少しだけ広い。したがって、表示領域60は、ピッチの小さい第二パターンの隔壁122で囲まれた領域の内側に位置し、外周部70から表示領域60内のセルに水分や酸素等が侵入することが抑制され、第一の実施の形態と同様の作用効果が得られる。したがって、製造上の誤差等により本実施の形態のように隔壁121,122が配置された場合であっても、本発明の保護範囲に含まれるものと理解されるべきである。
次に、実際に行われた実施例について説明する。
<反射型表示装置の実施例>
<実施例>
一方の基板11として、300mm×400mm×厚さ0.1mmのPETフィルム(東洋紡製A4100)の一方の面に透明電極として酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜(厚さ0.2μm)が設けられた基板が用意された。透明電極は、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法などの一般的な成膜方法によって形成され、酸化インジウムスズ(ITO)の他に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等によっても形成され得る。一方の基板11上には、2つの表示領域60が画定されている。
次に、当該一方の基板11に、ネガ型感光性樹脂材料(デュポンMRCドライフィルムレジスト(株)製のドライフィルムレジスト)を30μmの厚さにラミネートして100℃、1分間の条件で加熱し、次いで露光マスクを使用して露光(露光量500mJ/cm)し、その後、1%KOH水溶液を用いた現像を30秒行い、120℃、60分間の条件で焼成することで、図3に示すような、セルピッチ300μmの格子状パターン(第一パターン)の隔壁121が表示領域60に対応する領域に、セルピッチ150μmの格子状パターン(第二パターン)の隔壁122が外周部70に対応する領域に形成された。なお、第一パターンの隔壁121の幅は20μm、第二パターンの隔壁122の幅は10μmであった。
そして、転写シート基材21として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人・デュポン社製)が用いられ、これにヒートシール剤221(東洋紡製バイロン630)が厚さ20μmでダイコーダにて塗布され、乾燥された。これにより、20μmの接着層を有するロール状の転写シート20が作製された。なお、ヒートシール剤221の軟化温度は約110℃であった。
そして、隔壁12の接着層側頂面に転写シート20が載せられた状態で、1kPa程度の押圧力をさらに付与しつつ、ヒートシール剤221の周辺がその軟化温度を超える温度、例えば120℃程度にまで加熱され、その結果、ヒートシール剤221が隔壁12の接着層側頂面の全面に熱転写され、隔壁12上に接着層22が形成された。隔壁12の接着層側頂面からヒートシール剤221の頭頂部までの高さは、第一パターンの隔壁121上及び第二パターンの隔壁122上で、共に約10μm程度であった。また、第二パターンの隔壁122が形成されている領域においては、隔壁122の接着層側頂面以外の場所にヒートシール剤221は転写されなかった。
続いて、第二パターンの隔壁122が形成されている領域に、一方の基板の表示領域60の外周を囲むように、ディスペンサを用いて紫外線硬化性樹脂(スリーボンド社製:アクリル系シール剤3052D)が切れ目なく塗工されて、表示領域外周シール61が線幅1.0mm、高さ100μmで形成された。
次いで、他方の基板16として、300mm×400mm×厚さ0.5mmの無アルカリガラス(日本電気硝子製OA−10G)に、Cu電極等の各種電極がパターン状に形成されたものが用いられた。各種電極のパターン形成は、一般的なエッチング法によって形成された。 本実施例では、一方の基板11に画定された2つの表示領域60に対応して、6インチ相当の駆動電極に相当するアクティブマトリックス駆動の電極パターンが、一枚の他方の基板16上に2面付けで形成された。
続いて、表示媒体として、以下の成分を有するインキ13が用いられ、ディスペンサ31から滴下されて、アプリケータ32(テスター産業製)にて、他方の基板16の表面より50μmのギャップにて、他方の基板16上にインキ13が塗工された。塗工は、他方の基板16の中心を基準に、300mm×400mmの位置に行われ、膜厚は35μmとした。
<インキ成分>
・電気泳動粒子(二酸化チタン)・・・60重量部
・分散液 ・・・40重量部
そして、大気中にて、他方の基板16の上に一方の基板11の隔壁12上の接着層22を重ね合わせて、ラミネータ91で一定の熱圧着圧力をさらに付与しつつ、一方の基板11の隔壁12と他方の基板16とが密着された(図7参照)。このとき、両基板の間に気泡が残らないように、一方の基板11はカールされた状態で、一方の基板11及び他方の基板16の一方の側から対向する他方の側に向けて、表示領域外周シール61で囲まれた空間の容積を超える余剰のインキを押し出しながら、貼り合わされた。この結果、セル内には規定量のインクのみが充填された。
熱圧着時の温度は、接着層22及び表示領域外周シール61の軟化温度又は溶融温度より高い、111℃〜150℃、好ましくは110℃〜120℃であり、本実施例では110℃であった。また、熱圧着圧力は、0.01MPa〜0.7MPaが好ましく、特には0.1MPa〜0.4MPaが好ましく、本実施例では0.4MPaであった。
その後、紫外線を露光(露光量3000mJ/cm)して表示領域外周シール61を硬化させた(外周封止処理)。
以上により作製されたマザーパネル基板81は、断裁装置51によって所定のサイズに断裁され、表示パネルが作製された。
以上のようにして得られた表示パネルに対してヒートショック試験(−20℃の環境下に30分間及び80℃の環境下に30分間置き、これを10サイクル繰り返す)を行った後、表示品質を評価したが、極めて良好であり、白表示時の面内色差はΔE≦3を満たし、気泡の発生も観測されなかった。
<比較例>
前記実施例に対して、図10に示すように、セルピッチLが300μmの格子状パターン(第一パターン)の隔壁121を表示領域60に対応する領域に、セルピッチLが500μmの格子状パターン(第二パターン)の隔壁122を外周部70に対応する領域に形成し、その他は同じ工程で、表示パネルを作製した。本比較例において、隔壁12の接着層側頂面からヒートシール剤22の頭頂部までの高さは、第一パターンの隔壁121上及び第二パターンの隔壁122上で、共に約10μmであった。また、第一パターンの隔壁121の幅及び第二パターンの隔壁122の幅は、共に20μmであった。この場合、接着層形成工程において、第二領域では、ヒートシール剤22が第二パターンの隔壁122の接着層側頂面以外の一部の場所にも転写された。
以上のようにして得られた表示パネルについて前記実施例の表示パネルと同じ条件でヒートショック試験を行い、表示品質を評価したが、表示品質は低く、白および黒表示時の面内色差はΔE≦3を満たさず、気泡の発生も確認された。これは、第二領域において第二パターンの隔壁122の接着層側頂面以外の場所にも転写されたヒートシール剤22から水分や酸素等が侵入して、表示領域60に形成されたセル内に入ったためであると考えられる。ないしは、ヒートシール剤22が第二パターンの隔壁122の接着層側頂面以外の場所にも転写されたことにより、当該ヒートシール剤22の上方に表示領域外周シール61が配置されてしまうことになるため、当該ヒートシール剤22が表示領域外周シール61に溶け込んでしまって表示領域外周シール61のシール性能を低下させてしまうためであると考えられる。
11 一方の基板
12 隔壁
121 第一パターンの隔壁
122 第二パターンの隔壁
13 インキ(表示媒体)
16 他方の基板
22 接着層
221 接着剤(ヒートシール剤)
31 ディスペンサ
32 アプリケータ
51 断裁装置
60 表示領域
61 表示領域外周シール
70 外周部
81 マザーパネル基板
91 ラミネータ

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所定の表示をする、反射型表示装置であって、
    第一パターンで形成され、前記2枚の基板間において、一方の基板の所定の表示に利用される表示領域を含むか、または、当該一方の基板の表示領域に包含される第一領域に配置された第一パターンの隔壁と、
    第二パターンで形成され、前記2枚の基板間において、前記第一領域の周囲であって前記一方の基板の所定の表示に利用されない領域の少なくとも一部を含む第二領域に配置された第二パターンの隔壁と、
    前記一方の基板の表示領域における前記第一パターンの隔壁で区画された各領域をセルとして、各セル内に配置された前記表示媒体と、
    前記第一パターンの隔壁及び前記第二パターンの隔壁上に配置された接着層と、
    前記一方の基板と他方の基板との間に設けられ、前記第二領域に前記第一領域を囲むように配置された表示領域外周シールと、
    を備え、
    前記第一パターンと前記第二パターンとは、互いに相似形のパターンであり、
    前記第二パターンの隔壁のピッチは、前記第一パターンの隔壁のピッチより小さい
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  2. 前記第二パターンの隔壁は、500μm×500μmの単位正方形をどこで切り出しても、必ず存在するように設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置。
  3. 前記第二パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅は、前記第一パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅より狭い
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の反射型表示装置。
  4. 少なくとも一方が透明であり各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に前記表示媒体が所定の表示をする、反射型表示装置、を製造する方法であって、
    一方の基板上において、当該一方の基板の所定の表示に利用される表示領域を含むか、または、当該一方の基板の表示領域に包含される第一領域に第一パターンで、且つ、当該第一領域の周囲であって前記一方の基板の所定の表示に利用されない領域の少なくとも一部を含む第二領域に第二パターンで隔壁を形成する隔壁形成工程と、
    前記第一パターンの隔壁及び前記第二パターンの隔壁上に接着層を形成する接着層形成工程と、
    前記一方の基板または他方の基板上であって、当該一方の基板の前記隔壁の頂面と当該他方の基板とが対向するように当該一方の基板と当該他方の基板とが配置される際に前記第二領域の前記第一領域を囲むことができるような位置に表示領域外周シールを配置する表示領域外周シール配置工程と、
    前記一方の基板または前記他方の基板上に前記表示媒体を配置する表示媒体配置工程と、
    前記表示媒体が配置された後に前記第一パターンの隔壁で区画された各領域をセルとして前記表示媒体が各セル内に封止されるよう、前記一方の基板と前記他方の基板とを、当該一方の基板の前記隔壁の頂面と当該他方の基板とが対向するように配置する対向基板配置工程と、
    を備え、
    前記第一パターンと前記第二パターンとは、互いに相似形のパターンであり、
    前記第二パターンの隔壁のピッチは、前記第一パターンの隔壁のピッチより小さい
    ことを特徴とする反射型表示装置の製造方法。
  5. 前記第二パターンの隔壁は、500μm×500μmの単位正方形をどこで切り出しても、必ず存在するように設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の反射型表示装置の製造方法。
  6. 前記第二パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅は、前記第一パターンの隔壁の前記接着層が形成される頂面の幅より狭い
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の反射型表示装置の製造方法。
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