JP2014091638A - 光学ガラス、光学素子及びプリフォーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学ガラスは、カチオン成分としてP5+、Al3+並びにMg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+からなる群(R2+)から選ばれる少なくとも1種を含有し、アニオン成分としてO2−及びF−を含有し、ガラス転移点(Tg)と屈伏点(At)との間の温度範囲における、線膨張係数の最大値(αmax)が1500×10−7K−1以下である。
【選択図】なし
Description
P5+の含有率が15.0〜70.0%、
Al3+の含有率が5.0〜30.0%
Ca2+の含有率が0〜30.0%、
Mg2+の含有率が0〜30.0%、
Sr2+の含有率が0〜30.0%、
Ba2+の含有率が0〜60.0%
である(1)の記載の光学ガラス。
F−の含有率が20.0〜70.0%、
O2−の含有率が30.0〜80.0%
である(1)から(4)のいずれか記載の光学ガラス。
La3+の含有率が0〜10.0%、
Gd3+の含有率が0〜10.0%、
Y3+の含有率が0〜10.0%、
Yb3+の含有率が0〜10.0%、
である(1)から(7)のいずれか記載の光学ガラス。
Li+の含有率が0〜10.0%、
Na+の含有率が0〜10.0%、
K+の含有率が0〜10.0%
である(1)から(9)のいずれか記載の光学ガラス。
Si4+の含有率が0〜10.0%、
B3+の含有率が0〜15.0%、
Zn2+の含有率が0〜30.0%、
Ti4+の含有率が0〜10.0%、
Nb5+の含有率が0〜10.0%、
W6+の含有率が0〜10.0%、
Zr4+の含有率が0〜10.0%、
Ta5+の含有率が0〜10.0%、
Ge4+の含有率が0〜10.0%、
Bi3+の含有率が0〜10.0%、
Te4+の含有率が0〜15.0%
である(1)から(11)のいずれか記載の光学ガラス。
本発明の光学ガラスを構成する各成分について説明する。
本明細書中において、各成分の含有率は特に断りがない場合は、全てモル比に基づくカチオン%又はアニオン%で表示されるものとする。ここで、「カチオン%」及び「アニオン%」(以下、「カチオン%(モル%)」及び「アニオン%(モル%)」と表記することがある)は、本発明の光学ガラスのガラス構成成分をカチオン成分及びアニオン成分に分離し、それぞれにおいて合計割合を100モル%として、ガラス中に含有される各成分の含有率を表記した組成である。
なお、各成分のイオン価は便宜的に代表値を用いているに過ぎないため、他のイオン価のものと区別するものではない。光学ガラス中に存在する各成分のイオン価は、代表値以外である可能性がある。例えば、Pは、通常イオン価が5価の状態でガラス中に存在するので、本明細書中では「P5+」と表しているが、他のイオン価の状態で存在する可能性がある。このように、厳密には他のイオン価の状態で存在するものであっても、本明細書では、各成分が代表値のイオン価でガラス中に存在するものとして扱う。
P5+は、ガラス形成成分であるため、必須成分として0%超含有すべきである。特に、P5+を15.0%以上含有することで、ガラスの耐失透性を高め、接触角を上昇させることができる。そのため、P5+の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは30.0%さらに好ましくは35.0%を下限とする。
一方で、P5+の含有量を70.0%以下にすることで、ガラスの線膨張係数の最大値を低くでき、且つP5+による屈折率やアッベ数の低下を抑えられる。従って、P5+の含有率は、好ましくは70.0%、より好ましくは60.0%、さらに好ましくは55.0%、を上限とする。
P5+は、原料としてAl(PO3)3、Ca(PO3)2、Ba(PO3)2、Zn(PO3)2、BPO4、H3PO4等を用いることができる。
一方で、Al3+の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスの線膨張係数の最大値を低くでき、且つAl3+による屈折率やアッベ数の低下を抑えられる。従って、Al3+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは28.0%、さらに好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは16.0%を上限とする。
Al3+は、原料としてAl(PO3)3、AlF3、Al2O3等を用いることができる。
一方で、Ca2+の含有率を30.0%以下にすることで、Ca2+の過剰な含有によるガラスの耐失透性や屈折率の低下を抑えられる。従って、Ca2+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは13.0%を上限とする。
Ca2+は、原料としてCa(PO3)2、CaCO3、CaF2等を用いることができる。
一方で、Sr2+の含有率を30.0%以下にすることで、ガラスの線膨張係数の最大値を下げる作用の特に強いCa2+の含有量をより増加させても、安定なガラスを得ることができる。また、Sr2+の過剰な含有によるガラスの耐失透性や屈折率の低下を抑えられる。従って、Sr2+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは18.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは13.0%、さらに好ましくは10.0%を上限とする。
Sr2+は、原料としてSr(NO3)2、SrF2等を用いることができる。
一方で、Ba2+の含有率を60.0%以下にすることで、Ba2+の過剰な含有によるガラスの耐失透性の低下を抑えられる。従って、Ba2+の含有率は、好ましくは60.0%、より好ましくは55.0%、より好ましくは50.0%を上限とする。
Ba2+は、原料としてBa(PO3)2、BaCO3、Ba(NO3)2、BaF2等を用いることができる。
しかし、Mg2+は、アルカリ土類金属の中では最もガラスの線膨張係数の最大値を低くする作用が弱い成分である。そのため、Mg2+の含有率を30.0%以下にすることにより、安定なガラスを形成できる他のアルカリ土類金属の添加量の上限を高めることで、ガラスの線膨張係数の最大値をより低くし易くできる。また、ガラスの屈折率の低下を抑えられる。従って、Mg2+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
Mg2+は、原料としてMgO、MgF2等を用いることができる。
なお、このカチオン比(Ba2+/(Mg2++Ca2++Sr2+))の上限は、無限大(すなわちBa2+のみアルカリ土類金属が含有)であってもよいが、例えば30.0、より具体的には20.0、さらに具体的には15.0を上限としてもよい。
特に、この合計含有率を30.0%以下にすることで、ガラスの線膨張係数の最大値をより低くすることができる。従って、合計含有率(Mg2++Sr2+)は、好ましくは30.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%を上限とする。
また、R2+の合計含有率とは、これら4つのイオンのうち1種以上の合計含有率(例えばMg2++Ca2++Sr2++Ba2+)を意味するものとする。
R2+の合計含有率は30.0%以上70.0%以下であることが好ましい。特に、R2+を30.0%以上含有することで、ガラスの線膨張係数の最大値を低くでき、且つより耐失透性の高いガラスを得ることができる。従って、R2+の合計含有率は、好ましくはり好ましくは30.0%、さらに好ましくは35.0%、さらに好ましくは40.0%を下限とする。
一方で、R2+の含有量を70.0%以下にすることで、R2+の過剰な含有による失透を低減できる。従って、R2+の合計含有率は、好ましくは70.0%、より好ましくは65.0%、より好ましくは60.0%、さらに好ましくは58.0%を上限とする。
なお、このカチオン比(Ba2+/R2+)の上限は、1(すなわちBa2+のみアルカリ土類金属が含有)であってもよいが、例えば0.9、より具体的には0.8を上限としてもよい。
一方で、Li+の含有率を10.0%以下含有することで、より多くのCa2+を入れても安定なガラスを得られるため、ガラスの線膨張係数の最大値をより低くし易くできる。また、屈折率の低下や、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、Li+の含有率は、より好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%を上限とし、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満とする。
Li+は、原料としてLi2CO3、LiNO3、LiF等を用いることができる。
一方で、La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+の各々の含有量を10.0%以下にすることで、これら成分の過剰な含有による失透を低減でき、且つガラスの材料コストを低減できる。従って、La3+含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%、最も好ましくは1.0%未満を上限とする。Gd3+は接触角を低下させる効果があるため含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%未満、最も好ましくは0.5%を上限とする。Y3+含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%未満、最も好ましくは0.5%未満とする。Yb3+含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%、最も好ましくは1.0%未満を上限とする。
La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+は、原料としてLa2O3、LaF3、Gd2O3、GdF3、Y2O3、YF3、Yb2O3等を用いることができる。
特に、Ln3+の合計含有率を20.0%以下にすることで、Ln3+の過剰な含有による失透を低減でき、且つガラスの材料コストを低減できる。従って、Ln3+の合計含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満とする。
一方で、Na+及びK+のうち1種以上の含有率を10.0%以下にすることで、屈折率の低下や、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、Na+びK+の各々の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Na+及びK+は、原料としてNa2CO3、NaNO3、NaF、Na2SiF6、K2CO3、KNO3、KF、KHF2、K2SiF6等を用いることができる。
特に、Rn+の合計含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下や、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、Rn+の合計含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
一方で、Si4+の含有率を10.0%以下にすることで、Si4+の過剰な含有による失透を低減できる。従って、Si4+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Si4+は、原料としてSiO2、K2SiF6、Na2SiF6等を用いることができる。
一方で、B3+の含有率を15.0%以下にすることで、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B3+の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
B3+は、原料としてH3BO3、Na2B4O7、BPO4等を用いることができる。
一方で、Zn2+の含有率は30.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられる。従って、Zn2+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは2.0%を上限とする。
Zn2+は、原料としてZn(PO3)2、ZnO、ZnF2等を用いることができる。
一方で、Nb5+、Ti4+及びW6+の各々の含有率を10.0%以下にすることで、アッベ数の低下を抑えられ、且つガラスの着色による可視光透過率の低下を抑えられる。従って、Nb5+、Ti4+及びW6+の各々の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Nb5+、Ti4+及びW6+は、原料としてNb2O5、TiO2、WO3等を用いることができる。
一方で、Zr4+の含有率を10.0%以下にすることで、ガラス中の成分の揮発によるガラスの脈理を抑えられる。従って、Zr4+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Zr4+は、原料としてZrO2、ZrF4等を用いることができる。
一方で、Ta5+の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの失透を低減できる。従って、Ta5+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Ta5+は、原料としてTa2O5等を用いることができる。
一方で、Ge4+の含有率を10.0%以下にすることで、高価なGe4+の含有量が減少することで、ガラスの材料コストを低減できる。そのため、Ge4+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%とする。
Ge4+は、原料としてGeO2等を用いることができる。
一方で、Bi3+の含有率は10.0%以下にし、及び/又は、Te4+の含有率を15.0%以下にすることで、ガラスの失透や、着色による可視光透過率の低下を抑えられる。従って、Bi3+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。また、Te4+の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
Bi3+及びTe4+は、原料としてBi2O3、TeO2等を用いることができる。
本発明の光学ガラスはF−を含有する。F−の含有率は、例えば20.0%〜70.0%にすることが好ましい。
特に、F−を20.0%以上含有することで、ガラスの異常分散性やアッベ数を高め、且つガラスの耐失透性を高められる。従って、F−の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは22.0%、さらに好ましくは24.0%とする。
一方で、F−の含有率を70.0%以下にすることで、ガラスの磨耗度の低下を抑えられる。従って、F−の含有率は、好ましくは70.0%、より好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは45.0%、さらに好ましくは38.0%を上限とする。
F−は、原料としてAlF3、MgF2、BaF2等の各種カチオン成分のフッ化物を用いることができる。
特に、O2−を30.0%以上含有することで、ガラスの失透や、磨耗度の上昇を抑制できる。従って、O2−の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは40.0%、さらに好ましくは50.0%、さらに好ましくは55.0%、さらに好ましくは62.0%を下限とする。
一方で、O2−の含有率を80.0%以下にすることで、他のアニオン成分による効果を得易くできる。従って、O2−の含有率は、好ましくは80.0%、より好ましくは76.0%、さらに好ましくは70.0%を上限とする。
また、ガラスの失透を抑制する観点から、O2−の含有率とF−の含有率の合計は、好ましくは98.0%、より好ましくは99.0%を下限とし、さらに好ましくは100%とする。
O2−は、原料としてAl2O3、MgO、BaO等の各種カチオン成分の酸化物や、Al(PO)3、Mg(PO)2、Ba(PO)2等の各種カチオン成分の燐酸塩等を用いることができる。
本発明の光学ガラスには、他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加できる。
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
本発明の光学ガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、上記原料を各成分が所定の含有率の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を石英坩堝又はアルミナ坩堝又は白金坩堝に投入して粗溶融した後、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて900〜1200℃の温度範囲で2〜10時間溶融し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、850℃以下の温度に下げてから仕上げ攪拌を行って脈理を除去し、金型に鋳込んで徐冷することにより製造することができる。
本発明の光学ガラスでは、ガラス転移点(Tg)と屈伏点(At)との間の温度範囲における線膨張係数の最大値(αmax)は、1500×10−7K−1以下であることが好ましい。これにより、特に屈折率が高く薄型の光学素子を作製する場合であっても、ガラス転移点より高い温度に加熱してプレス成形を行ったときにガラスが割れ難くなるため、光学素子の生産性を高めることができる。このようにガラスが割れ難くなる理由として、例えば、ガラスを加熱して軟化させる際や、軟化したガラスをプレス成形して冷却する際に、ガラス内部の温度差によって、ガラス内部に線膨張係数の大きいガラス転移点以上の高温部と、線膨張係数の小さいガラス転移点以下の低温部に分かれたときに、高温部の熱膨張や熱収縮が小さくなることで、高温部の熱膨張や熱収縮によって低温部に掛かる力が小さくなることが挙げられる。
従って、本発明の光学ガラスでは、ガラス転移点(Tg)と屈伏点(At)との間の温度範囲における線膨張係数の最大値(αmax)の上限は、好ましくは1500×10−7K−1、より好ましくは1300×10−7K−1、さらに好ましくは1100×10−7K−11、さらに好ましくは1015×10−7K−1とする。一方で、この線膨張係数の最大値(αmax)の下限は、好ましくは500×10−7K−1、より好ましくは600×10−7K−1、さらに好ましくは700×10−7K−1としてもよい。
なお、本明細書では、ガラス転移点(Tg)と屈伏点(At)との間の温度範囲における線膨張係数の最大値を、単に「線膨張係数の最大値」と記載することがある。
特に、本発明の光学ガラスの屈折率(nd)は、好ましくは1.50、より好ましくは1.51、さらに好ましくは1.52を下限とする。この屈折率の上限は、好ましくは2.00、より好ましくは1.90、さらに好ましくは1.80であってもよい。
また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は、好ましくは60、より好ましくは65、さらに好ましくは68を下限とし、好ましくは90、より好ましくは85、さらに好ましくは80を上限とする。
このような高屈折率を有することで、光学素子の薄型化を図っても大きな光の屈折量を得ることができる。また、このような低分散を有することで、単レンズであっても光の波長による焦点のずれ(色収差)が小さくなる。また、屈折率及びアッベ数がこのような数値を取ることで、近年発表されている高屈折・高分散の光学特性を有する光学ガラスと組み合わせたときに、高パワーの光学設計を行うことが可能な光学ガラスを得ることができる。
従って、本発明の光学ガラスは、光学設計上有用であり、光学系の高精度化及び薄型化を図ることができるため、光学設計の自由度を広げることができる。
なお、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS01−2003に基づいて測定して得た値を意味するものとする。
作製された光学ガラスから、例えばリヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスからモールドプレス成形用のプリフォームを作製し、このプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
Claims (17)
- カチオン成分としてP5+、Al3+並びにMg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+からなる群(R2+)から選ばれる少なくとも1種を含有し、アニオン成分としてO2−及びF−を含有し、ガラス転移点(Tg)と屈伏点(At)との間の温度範囲における、線膨張係数の最大値(αmax)が1500×10−7K−1以下である光学ガラス。
- カチオン%(モル%)表示で
P5+の含有率が15.0〜70.0%、
Al3+の含有率が5.0〜30.0%
Ca2+の含有率が0〜30.0%、
Mg2+の含有率が0〜30.0%、
Sr2+の含有率が0〜30.0%、
Ba2+の含有率が0〜60.0%、
である請求項1の記載の光学ガラス。 - Sr2+含有率、Ca2+含有率及びMg2+含有率の合計に対する、Ba2+含有率の比(Ba2+/(Mg2++Ca2++Sr2+))が0〜30.0である請求項1から2のいずれか記載の光学ガラス。
- Mg2+含有率及びSr2+含有率の合計量が0〜30.0%である請求項1から3記載の光学ガラス。
- アニオン%(モル%)表示で、
F−の含有率が20.0〜70.0%、
O2−の含有率が30.0〜80.0%
である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。 - アルカリ土類金属の合計含有率(R2+:カチオン%)が30.0〜70.0%である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。
- アルカリ土類金属の合計含有率に対する、Ba2+含有率の比(Ba2+/R2+)が0以上である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
- カチオン%(モル%)表示で、
La3+の含有率が0〜10.0%、
Gd3+の含有率が0〜10.0%、
Y3+の含有率が0〜10.0%、
Yb3+の含有率が0〜10.0%、
である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。 - La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+の合計含有率(Ln3+:カチオン%)が0〜20.0%である請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス。
- カチオン%(モル%)表示で、
Li+の含有率が0〜10.0%、
Na+の含有率が0〜10.0%、
K+の含有率が0〜10.0%
である請求項1から9のいずれか記載の光学ガラス。 - アルカリ金属の合計含有率(Rn+:カチオン%)が20.0%以下である請求項1から10のいずれか記載の光学ガラス。
- カチオン%(モル%)表示で、
Si4+の含有率が0〜10.0%、
B3+の含有率が0〜15.0%、
Zn2+の含有率が0〜30.0%、
Ti4+の含有率が0〜10.0%、
Nb5+の含有率が0〜10.0%、
W6+の含有率が0〜10.0%、
Zr4+の含有率が0〜10.0%、
Ta5+の含有率が0〜10.0%、
Ge4+の含有率が0〜10.0%、
Bi3+の含有率が0〜10.0%、
Te4+の含有率が0〜15.0%
である請求項1から11のいずれか記載の光学ガラス。 - 屈折率(nd)が1.50以上であり、60以上のアッベ数(νd)を有する請求項1から12のいずれか記載の光学ガラス。
- 溶融ガラスとNi、Cr、Ti、Nb、V、Mo、Pt、Pd、Ir、Rh、Os、Ru、Re、W、Ta、Au、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びCからなる元素群から選ばれる少なくとも1種類以上からなる薄膜との接触角が40°以上である請求項1から13のいずれか記載の光学ガラス。
- 請求項1から14のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
- 請求項1から14のいずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
- 請求項16記載のプリフォームを精密プレスしてなる光学素子。
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