JP2014086803A - 原稿読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿の搬送状態に応じて、原稿の読み取り品質を向上させる。
【解決手段】原稿を搬送するADF100と、ADF100により搬送される原稿を照射するためのランプ119と、ランプ119によって照射された原稿からの反射光を受光するCCDラインセンサ126と、CCDラインセンサ126から出力された画像データから、搬送される原稿の搬送方向における端部によって形成される影の搬送方向の長さを検出する影の長さ検出部205と、影の長さ検出部205の検出結果に基づいて、CCDラインセンサ126が原稿を読み取る位置を制御する原稿読取コントローラ206と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】原稿を搬送するADF100と、ADF100により搬送される原稿を照射するためのランプ119と、ランプ119によって照射された原稿からの反射光を受光するCCDラインセンサ126と、CCDラインセンサ126から出力された画像データから、搬送される原稿の搬送方向における端部によって形成される影の搬送方向の長さを検出する影の長さ検出部205と、影の長さ検出部205の検出結果に基づいて、CCDラインセンサ126が原稿を読み取る位置を制御する原稿読取コントローラ206と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、原稿に記録された画像情報を読み取る原稿読取装置に関する。
従来、この種の原稿読取装置は、デジタル複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置等に搭載あるいは適用される。複写機等に使用される原稿読取装置には、原稿搬送装置により原稿を1ページずつ原稿台ガラス上に搬送し、原稿搬送路に配置された露光装置により原稿の画像を読み取る、いわゆる「流し読み」を行う原稿読取装置が知られている。流し読みを行う原稿読取装置に関し、例えば特許文献1では、原稿先端に形成される影の大きさから原稿の厚さを判断し、厚さに応じた原稿搬送を行うと共に、所定の厚さを超える原稿についてはアラームを出す技術が開示されている。また、特許文献2では、原稿搬送装置による原稿の給送方向をガイドする原稿ガイド板に設けられた読取位置マークを読み取ることにより、原稿搬送装置の取付位置や構成部品のばらつきによらず、最適な原稿の読取位置を検知する技術が開示されている。更に、特許文献3では、原稿搬送装置の下面に設けられた白色シートとプラテンローラの間に形成された影を検出することにより、原稿搬送装置の傾きを検出し、原稿搬送装置の取付位置を調整する技術が開示されている。
原稿搬送装置を有する原稿読取装置では、原稿搬送装置と原稿読取装置の取付位置のばらつきにより、原稿搬送装置によって搬送される原稿の読取位置が最適な読取位置になっていないために、画像かぶりなどが発生する場合がある。
特許文献1には、搬送される原稿の先端に形成された影の大きさから原稿の厚みを判断する原稿読取装置が記載されているが、搬送される原稿の読取位置の調整については記載されていない。特許文献2では、原稿が搬送されていない状態で原稿読取位置の裏面に設置されたガイド板に設けられた読取位置マークを読み取り、原稿読取位置を調整することが記載されているが、実際に原稿を搬送して原稿読取位置の調整が行われるわけではない。そのため、原稿搬送装置や原稿読取装置を構成するメカ部品などのばらつきなどにより、原稿読取位置が設計上の中心値からずれた場合には、読取位置マークが設けられた位置が必ずしも最適な読取位置ではなくなるという課題がある。また、特許文献3についても、特許文献2と同様の課題がある。
本発明はこのような状況のもとでなされたものであり、原稿の搬送状態に応じて、原稿の読み取り品質を向上させることを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
(1)原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿を照射するための光源と、前記光源によって照射された原稿からの反射光を受光する読取手段と、前記読取手段から出力された画像データから、前記搬送される原稿の搬送方向における端部によって形成される影の前記搬送方向の長さを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記読取手段が原稿を読み取る位置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする原稿読取装置。
(2)原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿を照射するための光源と、前記光源によって照射された原稿からの反射光を受光する読取手段と、前記読取手段から出力された画像データから、前記搬送される原稿の搬送方向における端部によって形成される影の前記搬送方向の長さを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記読取手段の画像処理パラメータを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする原稿読取装置。
本発明によれば、原稿の搬送状態に応じて、原稿の読み取り品質を向上させることができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[原稿読取装置の概要]
図1は、自動原稿給送装置(Auto Document Feeder、以下、「ADF」と称す)100を搭載した原稿読取装置117の構成を示す断面図である。図1において、ADF100の原稿トレイ101には、原稿102が積載される。原稿トレイ101には原稿有無センサ129が設けられており、原稿トレイ101に原稿102が載置されていることを検出することができる。また、原稿トレイ101の原稿搬送方向下流には、給紙ローラ103が設けられている。給紙ローラ103は、分離搬送ローラ104と同一駆動源に接続され、駆動源の回転に連動して、原稿102の給紙を行う。
図1は、自動原稿給送装置(Auto Document Feeder、以下、「ADF」と称す)100を搭載した原稿読取装置117の構成を示す断面図である。図1において、ADF100の原稿トレイ101には、原稿102が積載される。原稿トレイ101には原稿有無センサ129が設けられており、原稿トレイ101に原稿102が載置されていることを検出することができる。また、原稿トレイ101の原稿搬送方向下流には、給紙ローラ103が設けられている。給紙ローラ103は、分離搬送ローラ104と同一駆動源に接続され、駆動源の回転に連動して、原稿102の給紙を行う。
給紙ローラ103は、通常、ホームポジションの位置に退避しており、原稿102の載置作業を阻害しないようになっている。原稿102の給紙動作が開始されると、給紙ローラ103は原稿トレイ101側に移動して、原稿102の上面に当接する。給紙ローラ103は、不図示のアームに軸支されており、アームの揺動により上下方向に移動する。
分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104の対向側に配置され、分離搬送ローラ104を押圧している。分離搬送従動ローラ105は、分離搬送ローラ104よりも僅かに摩擦が少ないゴム材等から形成されており、分離搬送ローラ104と協働して、給紙ローラ103により給紙される原稿102を1枚ずつ捌いて搬送する。
レジストローラ106及びレジスト従動ローラ107は、分離搬送ローラ104及び分離搬送従動ローラ105から搬送された原稿102の先端を揃えるためのものである。静止したレジストローラ106及びレジスト従動ローラ107のニップ部に原稿102の先端を突き当てて、原稿102にループを生じさせることにより、原稿102の先端を揃える。そして、リードローラ108及びリード従動ローラ109は、原稿102を流し読みガラス116に向けて搬送する。流し読みガラス116に対向する対向面には、白色のガイド板110が配置されている。
原稿102が流し読みガラス116上を通過する際に、原稿102の表面の画像情報がCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ126により読み取られる。CCDラインセンサ126による読み取りが終了すると、原稿102は、ジャンプ台115により流し読みガラス116からすくい上げられ、リード排出ローラ111及びリード排出従動ローラ112により、排紙ローラ113に搬送される。排紙ローラ113は、原稿102を排紙トレイ114に排出する。
続いて、原稿読取装置117について説明する。原稿読取装置117は、読取原稿の表面に対して光を照射する光源であるランプ119、原稿102からの反射光をレンズ125及びCCDラインセンサ126に導くミラー120、121、122を有する。ランプ119及びミラー120は、第一ミラー台123に取り付けられており、後述するミラー121、122は、第二ミラー台124に取り付けられている。第一ミラー台123、第二ミラー台124は、不図示のワイヤによって駆動モータ128(後述する図2)と結合されている。そして、第一ミラー台123、第二ミラー台124は、ミラー台のホームポジション位置を検知するためのホームポジションセンサ127(後述する図2)を基準位置として駆動モータ128の回転駆動により、原稿台ガラス118に対して平行に移動可能である。原稿102からの反射光は、ミラー120、121、122を介してレンズ125に導かれ、レンズ125によってCCDラインセンサ126の受光部に結像される。CCDラインセンサ126は、結像された反射光を受光素子で光電変換し、入射光量に応じた電気信号を出力する。
原稿読取装置117は、原稿を読み取るモードとして原稿固定読み取りモードと流し読みモードの2つのモードを有している。原稿固定読み取りモードでは、原稿102は原稿台ガラス118上に載置され、第一ミラー台123及び第二ミラー台124を駆動モータ128の回転駆動により移動させながら、原稿の読み取りが行われる。流し読みモードでは、第一ミラー台123及び第二ミラー台124を停止させた状態で、ADF100によって原稿102を搬送させて、流し読みガラス116が配置されている位置で原稿102の読み取りが行われる。
[原稿読取装置の機能構成]
図2は、本実施例における原稿読取装置117の機能構成を示す制御ブロック図である。図2において、原稿読取コントローラ206(以下、「コントローラ206」と称する)は、不図示のROMに格納されたプログラム及びデータに基づいて、ADF100や原稿読取装置117の動作を制御する。CCDラインセンサ126は、ランプ119から原稿102に照射された光が原稿102に当たって反射し、受光した反射光の光量に応じたアナログ電気信号を出力する。CCDラインセンサ126より出力されたアナログ電気信号は、A/D変換回路201によりデジタル画像信号に変換され、シェーディング補正回路202に出力される。シェーディング補正回路202は、CCDラインセンサ126が原稿102を読み取った際の線画像の画像信号の不均一性を相殺することにより、光量の不均一性の影響やCCDラインセンサ126の画素感度の影響を補正する。
図2は、本実施例における原稿読取装置117の機能構成を示す制御ブロック図である。図2において、原稿読取コントローラ206(以下、「コントローラ206」と称する)は、不図示のROMに格納されたプログラム及びデータに基づいて、ADF100や原稿読取装置117の動作を制御する。CCDラインセンサ126は、ランプ119から原稿102に照射された光が原稿102に当たって反射し、受光した反射光の光量に応じたアナログ電気信号を出力する。CCDラインセンサ126より出力されたアナログ電気信号は、A/D変換回路201によりデジタル画像信号に変換され、シェーディング補正回路202に出力される。シェーディング補正回路202は、CCDラインセンサ126が原稿102を読み取った際の線画像の画像信号の不均一性を相殺することにより、光量の不均一性の影響やCCDラインセンサ126の画素感度の影響を補正する。
影の長さ検出部205は、原稿102の流し読みモード時に、ランプ119からの照射により原稿102の先端に形成される影の長さを検出し、コントローラ206に出力する(詳細は後述する)。ゲイン補正回路203は、影の長さ検出部205で検出された影の長さからコントローラ206が算出した原稿浮き量に基づいて、白レベル補正のためのゲイン処理を行う。ゲイン補正回路203の出力値は、以下の計算式により算出される。なお、ゲイン値については実施例2で詳述する。
ゲイン補正回路の出力値=シェーディング補正回路202の出力値×ゲイン値
MTF補正回路204は、影の長さ検出部205で検出された影の長さからコントローラ206が算出した原稿浮き量に基づいて、MTF補正のためのデジタルフィルタ演算処理を行う回路である。なお、MTF(Modulation Transfer Function)値は、コントラストの再現性を示す特性値である。MTF補正回路204の出力は、プリンタ等の出力機器へ出力される。
MTF補正回路204は、影の長さ検出部205で検出された影の長さからコントローラ206が算出した原稿浮き量に基づいて、MTF補正のためのデジタルフィルタ演算処理を行う回路である。なお、MTF(Modulation Transfer Function)値は、コントラストの再現性を示す特性値である。MTF補正回路204の出力は、プリンタ等の出力機器へ出力される。
タイミングジェネレータ回路208は、コントローラ206からの指示に基づいて、CCDラインセンサ126を駆動するための駆動クロック、及びCCDラインセンサ126の1ライン分の走査時間を決定するパルス信号である駆動信号を生成する。
バックアップRAM209(以下、「RAM209」と称す)は、原稿読取装置117の調整値などを記憶しておくための不揮発性RAMであり、コントローラ206からアクセスできるように構成されている。
操作部207は、ユーザからの原稿固定読み取りモード又は流し読みモードの読み取りモード指示、後述する読取位置調整の開始指示などの操作指示の入力や、ユーザに対するメッセージの表示等ができるように構成されている。
[影の長さ検出部の概要]
図3(a)は、流し読みモードによる原稿読み取りの際に、搬送される原稿102によりランプ119からの照射光が遮断されることにより、原稿102の原稿先端の原稿搬送方向前方に影が形成された領域(影領域)を示した原稿搬送イメージ図である。
図3(a)は、流し読みモードによる原稿読み取りの際に、搬送される原稿102によりランプ119からの照射光が遮断されることにより、原稿102の原稿先端の原稿搬送方向前方に影が形成された領域(影領域)を示した原稿搬送イメージ図である。
図3(b)は、影の長さ検出部205の構成を示すブロック図である。図3(b)に示すように、影の長さ検出部205は、二値化処理部301とカウント部302から構成され、図3(a)に示す原稿先端部に形成される影領域の原稿搬送方向の長さ(以下、「影の長さ」という)の検出を行う。二値化処理部301は、影が形成された原稿先端部分の領域のシェーディング補正回路202からの入力画像について、コントローラ206から指示された影検知用の二値化閾値に基づいて二値化処理を行う。二値化処理では、入力画像の輝度が二値化閾値以上(入力画像が「明るい」)であれば「0」、二値化閾値未満(入力画像が「暗い」)であれば「1」とすることにより、入力画像の影が形成された領域を判断する。カウント部302は、コントローラ206からのカウント開始指示により、二値化処理部301からの二値化されたデータのうち、「1」と判断された、輝度が二値化閾値よりも低かった領域の長さが何ライン分に相当するのか測定する。そして、カウント部302は、測定されたライン数をカウント値として、コントローラ206に出力する。ここでいう「ライン数」の「ライン」とは、CCDラインセンサ126の1ライン走査時間のことを指す。
図3(c)は、図3(a)の読み取られた原稿102の画像データ(入力画像データ)についてのカウント部302のカウント値の動きを示すタイミングチャートである。図3(c)の上図は、入力画像データである原稿102の輝度の時間経過に伴う変化を示すグラフであり、縦軸は入力画像データの輝度を、横軸は時間を示す。また、破線は、コントローラ206から指示された影検知用の二値化閾値であり、輝度がこの閾値よりも大きい場合には白(「0」)、小さい場合には黒(「1」)として、二値化処理が行われる。図3(c)の下図は、上図の入力画像データに対応して、カウント部302のカウント値が変化する様子を示すグラフであり、縦軸はカウント部302のカウント値を、横軸は時間を示し、横軸上のt0、t1、t2、t3はタイミングを示す。コントローラ206は原稿102の先端領域が原稿読取位置に到達する前に、影の長さ検出部205の二値化処理部301に対し二値化閾値を出力し、カウント部302に対しカウント開始を指示する(図3(c)のタイミングt0)。入力画像データの輝度が二値化閾値を下回ると、カウント部302は影の長さのカウントを開始し(タイミングt1)、入力画像データの輝度が二値化閾値を上回るとカウントを終了する(タイミングt2)。そして、カウント部302は、影領域による輝度の落ち込みが発生したタイミングt1からタイミングt2の間で測定されたカウント値をコントローラ206に通知する(タイミングt3)。
[原稿浮き量と影の長さの関係]
次に、原稿読取装置117で原稿102の流し読みを行う場合に、流し読みガラス116上で原稿をCCDラインセンサ126にて読み取る際に、原稿先端に影が形成される現象及び影の長さに基づいた原稿読取位置、原稿102の浮き量の判断について説明する。
次に、原稿読取装置117で原稿102の流し読みを行う場合に、流し読みガラス116上で原稿をCCDラインセンサ126にて読み取る際に、原稿先端に影が形成される現象及び影の長さに基づいた原稿読取位置、原稿102の浮き量の判断について説明する。
図4(a)、(b)、(c)は、原稿102を流し読みモードで読み取る際の流し読みガラス116付近の原稿102の搬送状態を示す断面図である。本実施例では、2個設けられているランプ119が原稿102を左右両側から照射する構成となっており、ランプ119を備えた第一ミラー台の中央が原稿読取位置(図中、破線の矢印)である。なお、図4(a)、(b)、(c)では、説明の都合上、ラインセンサ126は原稿読取位置の直下に配置されているが、この位置に限定されるものではない。本来、ガイド板110の原稿読取位置は、左右のランプ119からの照射光により輝度が高く、影は形成されない。ところが、搬送される原稿102が原稿読取位置に近づくにつれて、左側のランプ119からの照射光は、原稿102により徐々に遮られることになる。そのため、原稿読取位置におけるランプ119からの照射光量が減少し、ガイド板110の原稿読取位置には影(輝度の低い領域)が形成されることとなる。具体的には、左側のランプ119からの光が原稿102によって遮られ始めた位置(原稿が読取位置に搬送される手前:例えば図4(b))から、実際に原稿102が読取位置に到達するまで(例えば図4(a))、CCDラインセンサ126では影が読み取られる。更に、この影は、原稿102とガイド板110との距離によって、影の長さ(輝度の低い領域の長さ)が変わる。これは、左側のランプ119からの光が原稿102の斜め下方向から照射されているため、原稿102とガイド板110との距離によって、遮られた照射光の影響する範囲が変わるためである。そのため、CCDラインセンサ126側から見ると、原稿102とガイド板110が密着しているときが影の長さが最も短くなり、逆に、原稿102が流し読みガラス116に密着しているときが影の長さが最も長くなる。図4(d)は、影の長さ検出部205による影の長さの検出結果と、原稿浮き量との関係の一例を示した図である。図4(d)において、縦軸は原稿102と流し読みガラス116との距離を示す「原稿浮き量」を示し、横軸は影の長さ検出部205のカウント部302で測定されたカウント値で示される「影の長さ」を示す。図4(d)のグラフより、原稿浮き量が大きい程、影の長さを示すカウント部302のカウント値は小さく、原稿浮き量が小さい程、カウント値は大きいことが分かる。図4(d)に示す関係は、原稿102の照明方法、ガイド板110の位置など、原稿読取装置117の構成により変化することがあるので、図4(d)のグラフはあくまでも一例である。
本実施例では、コントローラ206は、図4(d)のグラフに基づいて、影の長さの検出結果から原稿の浮き量を判断し、原稿102の読取位置を調整する。例えば図4(c)の位置に原稿102の読取位置があった場合には、図4(a)のような理想的な原稿読取位置の場合と比べて、原稿102が浮いた位置で原稿読み取りが行われることになる。「原稿が浮いている」ということは、上述したように「原稿102と流し読みガラス116との距離が離れている」ということと等価であり、影の長さは短くなる。そこで、原稿102が流し読みガラス116になるべく密着した位置で原稿102の読み取りを行いたい場合には、予め原稿102の読取位置の候補を複数箇所設定し、各原稿読取候補位置での影の長さを測定する。そして、影の長さが最も長い原稿読取位置が原稿浮き量が最も少ない読取位置なので、次回以降の原稿102の読取位置に決定する。このような制御を行うことにより、流し読みガラス116になるべく密着した位置での原稿102の読み取りを行うことができる。
[原稿の読取位置を調整する制御シーケンスの概要]
次に、図5を用いて、コントローラ206が原稿102の読取位置を調整する制御シーケンスについて説明する。図5は、原稿102の影の長さの検出結果に基づいて、コントローラ206が原稿102の読取位置を調整する制御シーケンスを示したフローチャートである。なお、原稿の読取位置調整は、原稿読取装置117のユーザではなく、サービスマンなどが原稿読取装置117の設置時やメンテナンス時に行うことを想定している。また、本実施例では、図6(a)に示す、予め決められた4箇所の原稿読取位置候補P1〜P4の中から最適な原稿読取位置を判断する場合について説明する。4箇所の原稿読取位置候補は、不図示のホームポジションセンサ127からの距離に基づいて、コントローラ206が決定する。
次に、図5を用いて、コントローラ206が原稿102の読取位置を調整する制御シーケンスについて説明する。図5は、原稿102の影の長さの検出結果に基づいて、コントローラ206が原稿102の読取位置を調整する制御シーケンスを示したフローチャートである。なお、原稿の読取位置調整は、原稿読取装置117のユーザではなく、サービスマンなどが原稿読取装置117の設置時やメンテナンス時に行うことを想定している。また、本実施例では、図6(a)に示す、予め決められた4箇所の原稿読取位置候補P1〜P4の中から最適な原稿読取位置を判断する場合について説明する。4箇所の原稿読取位置候補は、不図示のホームポジションセンサ127からの距離に基づいて、コントローラ206が決定する。
ステップ801(以下、S801のように記す)では、コントローラ206は、操作部207を介して原稿読取位置の調整開始指示を受けると、駆動モータ128を回転駆動させて、第一ミラー台をホームポジション位置に移動させる。S802では、コントローラ206は、タイミングジェネレータ回路208を制御して、CCDラインセンサ126を駆動させるための駆動クロック、及び1ライン分の走査時間を決定するパルス信号を生成し、CCDラインセンサ126を駆動させる。S803では、コントローラ206は、シェーディング補正回路202にシェーディング補正の実施を指示し、シェーディング補正を行う。S804では、コントローラ206は、駆動モータ128を回転駆動して、第一ミラー台を原稿読取位置の第一候補位置P1まで移動させる。
S805では、コントローラ206は、原稿102をADF100の原稿トレイ101上にセット(載置)するように促すメッセージを操作部207に表示する。S806では、コントローラ206は、原稿有無センサ129が原稿トレイ101上に原稿102がセットされたことを検出したか判断し、原稿102がセットされたことが検出された場合にはS807に進み、検出されていない場合にはS806の処理を繰り返す。S807では、コントローラ206は、ADF100の原稿トレイ101上にセットされた原稿102の搬送を開始させ、前述したように、影の長さ検出部205にて、原稿の先端部に形成された影の長さの測定を実施する。
S808では、コントローラ206は、原稿読み取りが終了すると、影の長さ検出部205から出力されたカウント値を、図6(b)に示すテーブルの読取位置候補位置に対応させて保存する。図6(b)は、読取位置候補とカウント値を対応させたテーブルの一例であり、テーブルの左欄は読取位置候補のP1〜P4が設定され、右欄には該当読取位置における影の長さ検出部205から出力されたカウント値(例えば75)を保存(設定)する。S809では、コントローラ206は、全ての読取位置候補での影の長さの測定が終了したか否かを判断し、終了していなかった場合にはS810に進み、終了していた場合にはS811に進む。S810では、コントローラ206は、駆動モータ128を回転駆動して、第一ミラー台を次の原稿読取位置まで移動させて、S805の処理に戻る。S811では、コントローラ206は、S808の処理で保存したカウント値のうち、カウント値の最も大きい読取位置、即ち、影の長さが最も長かった読込位置を次回の原稿読取位置として、RAM209に設定し、処理を終了する。
[原稿読み取りの制御シーケンスの概要]
次に、図5の処理により設定された原稿の読取位置を用いて、原稿読み取りを行う際の制御シーケンスについて、図7のフローチャートを用いて説明する。図7は、原稿読み取り指示に基づいて、コントローラ206が原稿102の読み取りを制御する制御シーケンスを示したフローチャートである。
次に、図5の処理により設定された原稿の読取位置を用いて、原稿読み取りを行う際の制御シーケンスについて、図7のフローチャートを用いて説明する。図7は、原稿読み取り指示に基づいて、コントローラ206が原稿102の読み取りを制御する制御シーケンスを示したフローチャートである。
S1101では、コントローラ206は、操作部207から読取開始指示入力の有無を判断し、開始指示があればS1102に進み、指示がなければS1101の処理を繰り返す。S1102〜S1104の処理は、図5のS801〜S803の処理と同様なので、説明を省略する。S1105では、コントローラ206は、操作部207から入力された原稿102の読み取りモードの指定は、原稿固定読み取りモードと、流し読みモードどちらのモードであるのかを判断する。コントローラ206は、原稿固定読み取りモードが指定された場合にはS1106に進み、流し読みモードを指定された場合にはS1107に進む。S1106では、コントローラ206は、第一ミラー台を駆動モータ128によって駆動して原稿台ガラス118に移動し、原稿台ガラス118上に置かれた原稿を読み取り、読み取り処理を終了する。
S1107では、コントローラ206は、前述した図5のS811の処理によりRAM209に設定された原稿読取位置を読み出す。S1108では、コントローラ206は、駆動モータ128を回転駆動して、第一ミラー台をS1107で読み出した原稿読取位置へ移動させる。S1109では、コントローラ206は、ADF100から原稿102の1枚分の搬送を行い、搬送された原稿102の読み取りを行う。S1110では、コントローラ206は、次に読み取る原稿102があるかどうかを、原稿有無センサ129の検出結果に基づいて判断し、読み取る原稿があればS1109に戻り、読み取る原稿がなければ、読み取り処理を終了する。
以上説明したように、本実施例によれば、原稿の搬送状態に応じて、原稿の読取位置を制御して、原稿の読み取り品質を向上させることができる。実際の原稿の搬送状態により原稿先端に形成される影の長さの測定結果に基づいて、原稿の読取位置を制御するため、ADFや原稿読取装置の取付ばらつきなどに左右されず、原稿読み取りを行うことができ、読み取り品質を向上させることができる。本実施例では、読み取りセンサとしてCCDを用いた例について説明したが、例えば、コンタクトイメージセンサのような焦点深度の浅いセンサを用いた場合などにおいても、同様に正確に読取位置を設定することができる。
実施例1では、影の長さの測定結果に基づいて原稿の読取位置を制御する例について説明した。実施例2では、影の長さの測定結果に基づいて、ゲイン値(ゲイン補正係数)やMTF値(MTF補正係数)のような画像処理パラメータを変更し、読み取り品質を向上させる実施例について説明する。なお、原稿搬送装置や原稿読取装置の構成は実施例1と同様であり、説明を省略する。
[ゲイン補正による読み取り品質の向上]
(1)ゲイン補正を行う制御シーケンスの概要
例えば、ADF100や原稿読取装置117の取付ばらつき等により、原稿102の読取位置が図4(c)のような場合には、原稿読み取りは、流し読みガラス116に密着した位置ではなく、流し読みガラス116から浮いた位置で行われる。本実施例では、このような場合に、原稿102の先端部に形成される影の長さを測定することにより原稿の浮き量を予測し、予測された原稿浮き量に基づいてゲイン値を調整する制御シーケンスについて図8を用いて説明する。図8は、画像処理パラメータを調整するために、原稿102の影の長さの測定を行うコントローラ206の制御シーケンスを示したフローチャートである。なお、画像処理パラメータの調整は、原稿読取装置117のユーザではなく、サービスマンなどが原稿読取装置117の設置時やメンテナンス時に行うことを想定している。
(1)ゲイン補正を行う制御シーケンスの概要
例えば、ADF100や原稿読取装置117の取付ばらつき等により、原稿102の読取位置が図4(c)のような場合には、原稿読み取りは、流し読みガラス116に密着した位置ではなく、流し読みガラス116から浮いた位置で行われる。本実施例では、このような場合に、原稿102の先端部に形成される影の長さを測定することにより原稿の浮き量を予測し、予測された原稿浮き量に基づいてゲイン値を調整する制御シーケンスについて図8を用いて説明する。図8は、画像処理パラメータを調整するために、原稿102の影の長さの測定を行うコントローラ206の制御シーケンスを示したフローチャートである。なお、画像処理パラメータの調整は、原稿読取装置117のユーザではなく、サービスマンなどが原稿読取装置117の設置時やメンテナンス時に行うことを想定している。
図8において、S1201〜S1203の処理は、図5のS801〜S803の処理と同様なので、説明を省略する。S1204では、コントローラ206は、駆動モータ128を回転駆動して、第一ミラー台を所定の原稿読取位置まで移動させる。S1205では、コントローラ206は、原稿をADF100の原稿トレイ101上にセット(載置)するように促すメッセージを操作部207に表示する。S1206では、コントローラ206は、原稿有無センサ129が原稿トレイ101上に原稿102がセットされたことを検出したかどうか判断する。そして、コントローラ206は、原稿102がセットされたことが検出された場合にはS1207に進み、検出されていない場合にはS1206の処理を繰り返す。S1207では、コントローラ206は、ADF100の原稿トレイ101上にセットされた原稿102の搬送を開始させ、影の長さ検出部205にて、原稿の先端部に形成された影の長さの測定を実施する。S1208では、コントローラ206は、原稿読み取りが終了すると、影の長さ検出部205から出力されたカウント値をRAM209に保存し、処理を終了する。
(2)原稿浮き量とゲイン値の関係
図9(a)は、原稿102の流し読みガラス116からの浮き量と、ランプ119からの照明光量の減少を補正するためのゲイン値の対応関係を示したグラフの一例であり、縦軸はゲイン値、横軸は原稿浮き量を示す。図9(a)では、原稿浮き量に応じて、ゲイン値が1.0倍から1.1倍の間で調整され、原稿浮き量が大きい程、ゲイン値も大きくなる。また、原稿浮き量と原稿先端部に形成される影の長さは、前述した図4(d)に示すように対応関係がある。そこで、予め、原稿先端部に形成される影の長さと、その場合の原稿浮き量を測定しておき、影の長さと原稿浮き量を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。同様に、図9(a)に示した原稿浮き量とゲイン値を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。コントローラ206は、原稿が流し読みガラス116から浮いていることによる照明光量の減少を補正するため、不図示のROMに格納されたテーブルに基づいて、原稿先端部に形成された影の長さに対するゲイン補正値を算出し、ゲイン補正回路203へ設定する。
図9(a)は、原稿102の流し読みガラス116からの浮き量と、ランプ119からの照明光量の減少を補正するためのゲイン値の対応関係を示したグラフの一例であり、縦軸はゲイン値、横軸は原稿浮き量を示す。図9(a)では、原稿浮き量に応じて、ゲイン値が1.0倍から1.1倍の間で調整され、原稿浮き量が大きい程、ゲイン値も大きくなる。また、原稿浮き量と原稿先端部に形成される影の長さは、前述した図4(d)に示すように対応関係がある。そこで、予め、原稿先端部に形成される影の長さと、その場合の原稿浮き量を測定しておき、影の長さと原稿浮き量を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。同様に、図9(a)に示した原稿浮き量とゲイン値を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。コントローラ206は、原稿が流し読みガラス116から浮いていることによる照明光量の減少を補正するため、不図示のROMに格納されたテーブルに基づいて、原稿先端部に形成された影の長さに対するゲイン補正値を算出し、ゲイン補正回路203へ設定する。
また、図9(b)は、原稿102を流し読みガラス116に密着させて読み取った場合のイメージ図であり、図9(c)は、原稿102を流し読みガラス116から浮いた位置で読み取った場合のイメージ図である。図9(c)は、図9(b)に比べて、原稿102を流し読みガラス116から浮いた位置で読んでいるため、原稿102を照明する光量が減少し、原稿読み取り結果のイメージ図が暗くなってしまっているのが分かる。そこで、図9(c)のイメージ図に対して、ゲイン補正回路203によるゲイン補正を行うことにより、図9(b)のイメージ図に補正することができる。
(3)原稿読み取りの制御シーケンスの概要
次に、影の長さの測定結果に基づいてゲイン補正を行う原稿読み取りの制御シーケンスについて、図10を用いて説明する。図10は、原稿読み取り指示に基づいて、コントローラ206が原稿102の読み取りを制御する制御シーケンスを示したフローチャートである。
次に、影の長さの測定結果に基づいてゲイン補正を行う原稿読み取りの制御シーケンスについて、図10を用いて説明する。図10は、原稿読み取り指示に基づいて、コントローラ206が原稿102の読み取りを制御する制御シーケンスを示したフローチャートである。
S1401〜S1406の処理は、図7のS1101〜S1106の処理と同様なので、説明を省略する。S1407では、原稿102の流し読みモードを選択されているので、コントローラ206は駆動モータ128を回転駆動して、第一ミラー台を所定の原稿読取位置へ移動する。S1408では、コントローラ206は、不図示のROMに格納された、前述した2つのテーブルデータを用いて、RAM209に保存された原稿先端部の影の長さに基づいたゲイン補正値を算出し、ゲイン補正回路203にゲイン補正値を設定する。
S1409〜S1410の処理は、図7のS1109〜S1110の処理と同様なので、説明を省略する。
[MTF補正による読み取り品質の向上]
画像処理パラメータの補正制御は、前述したゲイン補正だけでなく、コンタクトイメージセンサなどの焦点深度の浅いセンサを用いた場合などには、MTF補正回路204によるMTF補正を行ってもよい。一般的に、MTF値が高すぎると、結像された画像にモアレなどの縞模様が明確に発生することが知られている。そのため、例えば原稿102が流し読みガラス116に十分に密着し、読み取られた原稿のMTF値が高すぎる場合などでは、ぼかす制御などを行うことがある。
画像処理パラメータの補正制御は、前述したゲイン補正だけでなく、コンタクトイメージセンサなどの焦点深度の浅いセンサを用いた場合などには、MTF補正回路204によるMTF補正を行ってもよい。一般的に、MTF値が高すぎると、結像された画像にモアレなどの縞模様が明確に発生することが知られている。そのため、例えば原稿102が流し読みガラス116に十分に密着し、読み取られた原稿のMTF値が高すぎる場合などでは、ぼかす制御などを行うことがある。
(1)MTF補正回路の概要
図11(a)は、MTF補正回路204の制御をブロック図で示したものである。MTF補正回路204は、デジタルフィルタで構成され、図11(a)に示すように、以下の演算式で画像データを演算する。
X’=(X−2)×A+(X−1)×B+(X)×C
なお、演算式中の記号の意味は、以下のとおりである。
X’:MTF補正後の画像データ(出力画像データ)
X−2、X−1、X:MTF補正前の画像データ(入力画像データ)
A、B、C:フィルタ係数
図11(a)は、MTF補正回路204の制御をブロック図で示したものである。MTF補正回路204は、デジタルフィルタで構成され、図11(a)に示すように、以下の演算式で画像データを演算する。
X’=(X−2)×A+(X−1)×B+(X)×C
なお、演算式中の記号の意味は、以下のとおりである。
X’:MTF補正後の画像データ(出力画像データ)
X−2、X−1、X:MTF補正前の画像データ(入力画像データ)
A、B、C:フィルタ係数
X−2、X−1、Xは、入力順に並べられた画像データであり、それぞれ前々回に入力された画像データ、前回入力された画像データ、今回入力された画像データを指す。また、フィルタ係数A、B、Cは、コントローラ206が原稿浮き量に合わせて係数値を決定し、MTF補正回路204に設定する。
(2)原稿読み取りの制御シーケンスの概要
図11(b)は、原稿102の流し読みガラス116からの浮き量と、MTF値の対応関係の一例を示したグラフであり、縦軸はMTF値、横軸は原稿浮き量を示す。図11(b)では、原稿浮き量に応じて、MTF値が50%から80%の間で変化し、原稿浮き量が小さい程、読み取られた画像は明瞭となるためにMTF値も大きいことが分かる。MTF値が高いと、印刷画像にモアレなどの縞模様が発生するので、MTF値を下げて、読取画像をぼかす制御が必要となる。そこで、予め、原稿先端部に形成される影の長さと、その場合の原稿浮き量を測定しておき、影の長さと原稿浮き量を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。そして、前述したゲイン値の場合と同様に、図11(b)に示した原稿浮き量とMTF値を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。
図11(b)は、原稿102の流し読みガラス116からの浮き量と、MTF値の対応関係の一例を示したグラフであり、縦軸はMTF値、横軸は原稿浮き量を示す。図11(b)では、原稿浮き量に応じて、MTF値が50%から80%の間で変化し、原稿浮き量が小さい程、読み取られた画像は明瞭となるためにMTF値も大きいことが分かる。MTF値が高いと、印刷画像にモアレなどの縞模様が発生するので、MTF値を下げて、読取画像をぼかす制御が必要となる。そこで、予め、原稿先端部に形成される影の長さと、その場合の原稿浮き量を測定しておき、影の長さと原稿浮き量を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。そして、前述したゲイン値の場合と同様に、図11(b)に示した原稿浮き量とMTF値を対応付けたテーブルを作成し、コントローラ206の不図示のROMに格納しておく。
MTF補正の制御に関しては、図10で説明したゲイン補正の場合と同様の制御シーケンスで行うことが可能である。コントローラ206は、原稿が流し読みガラス116に密着していることによりMTF値が高い場合には、MTF値を下げて、コントラストの補正を行う。そのため、コントローラ206は、上述した2つのテーブルデータに基づいて、原稿先端部に形成される影の長さに対するMTF値を読み出し、MTF値を下げるためのフィルタ係数A、B、Cの値を算出して、MTF補正回路204へ設定する。すなわち、図10のS1408でのゲイン補正回路203に対する処理を、MTF補正回路204に対する処理に読み替えることにより、MTF補正の場合の制御シーケンスは、図10のフローをそのまま適用することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、原稿の搬送状態に応じて、画像制御パラメータを制御して、原稿の読み取り品質を向上させることができる。特に、本実施例では、原稿の読取位置を調整するのではなく、所定の原稿読取位置における原稿の浮き量に基づいて、ゲイン値やMTF値を補正することにより、原稿の読取品質を向上させることができる。なお、本実施例では、原稿の読取位置は所定の読取位置のままでゲイン値やMTF値を補正することとしたが、実施例1と同様に、原稿の読取位置をいくつかの読取候補位置のうちの最適な読取位置に変更したうえで、ゲイン値やMTF値を補正してもよい。これにより、原稿の読取品質を更に向上させることができる。
100 ADF
119 ランプ
126 CCDラインセンサ
205 影の長さ検出部
206 原稿読取コントローラ
119 ランプ
126 CCDラインセンサ
205 影の長さ検出部
206 原稿読取コントローラ
Claims (12)
- 原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿を照射するための光源と、
前記光源によって照射された原稿からの反射光を受光する読取手段と、
前記読取手段から出力された画像データから、前記搬送される原稿の搬送方向における端部によって形成される影の前記搬送方向の長さを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記読取手段が原稿を読み取る位置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする原稿読取装置。 - 原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿を照射するための光源と、
前記光源によって照射された原稿からの反射光を受光する読取手段と、
前記読取手段から出力された画像データから、前記搬送される原稿の搬送方向における端部によって形成される影の前記搬送方向の長さを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記読取手段の画像処理パラメータを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする原稿読取装置。 - 前記制御手段が制御する前記読取手段の画像処理パラメータは、MTF補正係数であることを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。
- 前記影の前記搬送方向の長さと前記MTF補正係数とを対応付けたデータを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記影の前記搬送方向の長さに対応する前記MTF補正係数を前記記憶手段より読み出し、前記読み出したMTF補正係数に基づいて、前記読取手段の画像処理パラメータを制御することを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。 - 前記制御手段は、前記影の前記搬送方向の長さが大きいほどMTF値が下がるように前記MTF補正係数を制御することを特徴とする請求項3又は4の記載の原稿読取装置。
- 前記制御手段が制御する前記読取手段の画像処理パラメータは、ゲイン補正係数であることを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。
- 前記影の前記搬送方向の長さと前記ゲイン補正係数とを対応付けたデータを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記影の前記搬送方向の長さに対応する前記ゲイン補正係数を前記記憶手段より読み出し、前記読み出したゲイン補正係数に基づいて、前記読取手段の画像処理パラメータを制御することを特徴とする請求項6に記載の原稿読取装置。 - 前記制御手段は、前記影の前記搬送方向の長さが小さいほどゲイン補正値を大きくするように前記ゲイン補正係数を制御することを特徴とする請求項6又は7の記載の原稿読取装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段が前記影の前記搬送方向の長さを検出した複数の位置の中で前記影の前記搬送方向の長さが最も長い位置を、前記読取手段が原稿を読み取る位置とすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
- 前記光源に対向する対向面を備え、
前記影は、前記対向面に形成されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の原稿読取装置。 - 前記影の前記搬送方向の長さは、前記対向面からの反射光の輝度が所定の閾値よりも低い前記搬送方向の領域の長さであることを特徴とする請求項10に記載の原稿読取装置。
- 前記対向面は、ガイド板であることを特徴とする請求項10又は11に記載の原稿読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012232854A JP2014086803A (ja) | 2012-10-22 | 2012-10-22 | 原稿読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=50789512
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018157417A (ja) * | 2017-03-17 | 2018-10-04 | 株式会社リコー | 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム |
JP2021022885A (ja) * | 2019-07-29 | 2021-02-18 | 株式会社リコー | 読取装置、画像形成装置および補正方法 |
-
2012
- 2012-10-22 JP JP2012232854A patent/JP2014086803A/ja active Pending
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