JP2014075937A - 駆動装置および電動車両 - Google Patents

駆動装置および電動車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2014075937A
JP2014075937A JP2012223016A JP2012223016A JP2014075937A JP 2014075937 A JP2014075937 A JP 2014075937A JP 2012223016 A JP2012223016 A JP 2012223016A JP 2012223016 A JP2012223016 A JP 2012223016A JP 2014075937 A JP2014075937 A JP 2014075937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
phase
motor
axis
inverter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012223016A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhide Miyata
和英 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012223016A priority Critical patent/JP2014075937A/ja
Publication of JP2014075937A publication Critical patent/JP2014075937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】交流モータをより適正に保護する。
【解決手段】d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に基づいてU相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpを設定し(S160)、変調率Rmが所定値Rref未満のときには、仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに3次高調波成分を重畳して電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定し(S180)、変調率Rmが所定値Rref以上のときには、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpをそのまま電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に設定し(S190)、設定した電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いてPWM制御によってインバータを制御する(S200,S210)。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動装置および電動車両に関する。
従来、この種の駆動装置としては、交流電動機と、交流電動機を駆動するインバータと、搬送波の電圧振幅を超える振幅の電圧指令と搬送波との比較に基づく過変調パルス幅変調(PWM)制御でインバータを制御する制御装置と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この駆動装置では、制御装置は、電流フィードバック制御に基づく本来の電圧指令Vd#,Vq#の電圧指令振幅VAを演算する電圧振幅演算部と、インバータから出力されるパルス幅変調電圧の基本波振幅が本来の電圧指令振幅VAと一致するように電圧指令振幅を線形補償する電圧振幅補正部と、相電圧指令への3次高調波成分の重畳有無を判定する高調波判定部とを含み、高調波判定部は、3次高調波成分の重畳あり/なしのそれぞれについて予め定められた基本波振幅とその基本波振幅を実現するために必要な電圧指令振幅との関係を表わす電圧振幅特性が不連続となるよう変化点の通過を避けるように、本来の電圧指令振幅VAの推移に基づいて3次高調波成分の重畳あり/なしを切り替える。これにより、過変調PWM制御による電動機制御の安定化を図っている。
国際公開第2010/086974号
こうした駆動装置では、各相の電圧指令を用いてパルス幅変調制御によってインバータを制御する際に、インバータのスイッチング素子のスイッチングに起因してサージ電圧が発生する。そして、そのサージ電圧の大きさによっては、交流電動機にその耐圧を超える電圧が作用し、交流電動機で絶縁破壊が生じる可能性がある。交流電動機の保護を図るためには、こうした事象が生じるのを抑制するのが好ましい。
本発明の駆動装置および電動車両は、交流モータをより適正に保護することを主目的とする。
本発明の駆動装置および電動車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の駆動装置は、
交流モータと、複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記交流モータを駆動するインバータと、d軸,q軸の電圧指令に基づく各相の電圧指令を用いてパルス幅変調制御によって前記インバータを制御する制御手段と、を備える駆動装置であって、
前記制御手段は、前記複数のスイッチング素子のスイッチングに起因するサージ電圧を踏まえて前記交流モータの入力電圧が該交流モータの耐圧以下となるよう、前記d軸,q軸の電圧指令に基づいて前記各相の電圧指令を設定する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明の駆動装置では、インバータの複数のスイッチング素子のスイッチングに起因するサージ電圧を踏まえて交流モータの入力電圧が交流モータの耐圧以下となるよう、d軸,q軸の電圧指令に基づいて各相の電圧指令を設定し、設定した各相の電圧指令を用いてパルス幅変調制御によってインバータを制御する。これにより、サージ電圧によって交流モータの入力電圧が交流モータの耐圧を超えるのを抑制することができ、交流モータで絶縁破壊が生じるのを抑制することができる。この結果、交流モータをより適正に保護することができる。
こうした本発明の駆動装置において、前記制御手段は、前記d軸,q軸の電圧指令を各相の仮電圧指令に変換し、変調率が所定範囲外のときには前記各相の仮電圧指令に3次高調波成分を重畳して前記各相の電圧指令を設定し、変調率が前記所定範囲内のときには前記各相の仮電圧指令を前記各相の電圧指令に設定する手段である、ものとすることもできる。ここで、「変調率」は、インバータに作用する電圧(インバータの入力電圧)に対するモータに作用する線間電圧(インバータの出力交流電圧)の実効値の割合を意味する。また、「3次高調波成分」は、交流モータの電気角の周期の3分の1や更にそのn(nは2以上の整数)分の1の周期で変化する成分を意味する。この態様の本発明の駆動装置において、前記所定範囲は、前記各相の仮電圧指令に3次高調波成分を重畳して前記各相の電圧指令を設定すると前記サージ電圧により前記交流モータの入力電圧が該交流モータの耐圧を超え得ると想定される範囲である、ものとすることもできる。
また、本発明の駆動装置において、前記制御手段は、前記d軸,q軸の電圧指令を用いて前記交流モータに印加すべき目標電圧を設定し、該目標電圧が前記交流モータに供給されるよう該目標電圧に振幅補正を施して補正後電圧を設定し、該補正後電圧を用いて前記各相の電圧指令を設定する、という一連の処理を実行する際、前記サージ電圧を踏まえて前記交流モータの入力電圧が該交流モータの耐圧以下となるよう前記目標電圧に振幅補正を施して前記補正後電圧を設定する手段である、ものとすることもできる。この態様の本発明の駆動装置において、前記制御手段は、前記振幅補正として、変調率に応じた補正係数を前記目標電圧に乗じて前記補正後電圧を設定する手段であり、前記補正係数は、各変調率に対して、前記補正後電圧を用いて前記パルス幅変調制御によって前記インバータを制御する際に前記複数のスイッチング素子のオフの最小継続時間が所定時間より長くなるよう設定されてなる、ものとすることもできる。ここで、「所定時間」は、複数のスイッチング素子のうち上アームのオンからオフの切替によるサージ電圧の発生からその収束までに要する時間である、ものとすることもできる。複数のスイッチング素子(特に、上アーム)のオフの継続時間が短いと、スイッチング素子のオンからオフの切替によるサージ電圧の揺り戻し(上昇)とその次のオフからオンの切替によるサージ電圧の立ち上がり(上昇)とが重畳して、重畳しないときに比して交流モータの入力電圧が大きくなる場合がある。したがって、複数のスイッチング素子(特に、上アーム)のオフの最小継続時間が所定時間より長くなるよう設定される補正係数を用いて交流モータの目標電圧に振幅補正を施すことにより、交流モータの入力電圧が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。
本発明の電動車両は、上述のいずれかの態様の本発明の駆動装置、即ち、基本的には、交流モータと、複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記交流モータを駆動するインバータと、d軸,q軸の電圧指令に基づく各相の電圧指令を用いてパルス幅変調制御によって前記インバータを制御する制御手段と、を備える駆動装置であって、前記制御手段は、前記複数のスイッチング素子のスイッチングに起因するサージ電圧を踏まえて前記交流モータの入力電圧が該交流モータの耐圧以下となるよう、前記d軸,q軸の電圧指令に基づいて前記各相の電圧指令を設定する手段である、ことを特徴とする駆動装置を備え、前記交流モータからの動力を用いて走行することを要旨とする。
この本発明の電動車両では、上述のいずれかの態様の本発明の駆動装置を備えるから、本発明の駆動装置が奏する効果、例えば、交流モータをより適正に保護することができなどと同様の効果を奏することができる。
本発明の一実施例としての駆動装置を搭載した電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。 PWM制御の一例を示す説明図である。 正弦波電圧,3次高調波成分,重畳後電圧の関係の一例を示す説明図である。 実施例の電子制御ユニット50により実行される第1PWM制御実行ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電流指令設定用マップの一例を示す説明図である。 第1PWM制御によってインバータ34を制御するときの電圧指令大きさVrと電圧指令角度θvrとの一例を示す説明図である。 インバータ34の上アームや下アームのスイッチングとモータ32の入力電圧との時間変化の様子の一例を示す説明図である。 重畳後電圧を各相の電圧指令として用いる場合の電圧指令と搬送波電圧との時間変化の様子の一例を示す説明図である。 電子制御ユニット50により実行される第2PWM制御実行ルーチンの一例を示すフローチャートである。 補正係数設定用マップの一例を示す説明図である。 第2PWM制御を実行する際の電圧指令と搬送波電圧とトランジスタのオンオフとの時間変化の様子の一例を示す説明図であある。 インバータ34の上アームのいずれかのトランジスタのオンオフとモータ32の入力電圧との時間変化の様子の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置を搭載した電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、例えば永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを有する同期発電電動機として構成されて駆動輪26a,26bにデファレンシャルギヤ24を介して接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、モータ32を駆動するためのインバータ34と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ36と、インバータ34が接続された電力ライン(以下、駆動電圧系電力ラインという)42とバッテリ36が接続された電力ライン(以下、電池電圧系電力ラインという)44とに接続されて駆動電圧系電力ライン42の電圧を調節すると共に駆動電圧系電力ライン42と電池電圧系電力ライン44との間で電力のやりとりを行なう昇圧コンバータ40と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。
インバータ34は、6つのスイッチング素子としてのトランジスタT11〜T16と、トランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続された6つのダイオードD11〜D16と、により構成されている。トランジスタT11〜T16は、駆動電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータ32の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ34に電圧が作用している状態でトランジスタT11〜T16のオン時間の割合を調節することにより、三相コイルに回転磁界を形成でき、モータ32を回転駆動することができる。以下、トランジスタT11〜T13を上アーム、トランジスタT14〜T16を下アームと称することがある。駆動電圧系電力ライン42の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ46が接続されている。
昇圧コンバータ40は、2つのトランジスタT31,T32と、トランジスタT31,T32に逆方向に並列接続された2つのダイオードD31,D32と、リアクトルLと、により構成されている。2つのトランジスタT31,T32は、それぞれ駆動電圧系電力ライン42の正極母線,駆動電圧系電力ライン42および電池電圧系電力ライン44の負極母線に接続されており、トランジスタT31,T32同士の接続点と電池電圧系電力ライン44の正極母線とにリアクトルLが接続されている。したがって、トランジスタT31,T32をオンオフすることにより、電池電圧系電力ライン44の電力を昇圧して駆動電圧系電力ライン42に供給したり、駆動電圧系電力ライン42の電力を降圧して電池電圧系電力ライン44に供給したりすることができる。電池電圧系電力ライン44の正極母線と負極母線とには平滑用のコンデンサ48が接続されている。
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に処理プログラムを記憶するROM54と、データを一時的に記憶するRAM56と、図示しない入出力ポートと、を備える。電子制御ユニット50には、モータ32のロータの回転位置を検出する回転位置検出センサ32aからのモータ32のロータの回転位置θmや、モータ32の三相コイルのV相,W相に流れる相電流を検出する電流センサ33U,33Vからの相電流Iu,Iv,バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサ37aからの端子間電圧Vb,バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサ37bからの充放電電流Ib(放電側が正の値),バッテリ36に取り付けられた温度センサ37cからの電池温度Tb,コンデンサ46の端子間に取り付けられた電圧センサ46aからのコンデンサ46の電圧(駆動電圧系電力ライン42の電圧)VH,コンデンサ48の端子間に取り付けられた電圧センサ48aからのコンデンサ48の電圧(電池電圧系電力ライン44の電圧)VL,イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号,シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSP,アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ68からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50からは、インバータ34のトランジスタT11〜T16へのスイッチング制御信号や昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aにより検出されたモータ32のロータの回転位置θmに基づいてモータ32のロータの電気角θeや回転角速度ωm,回転数Nmを演算したり、電流センサ37bにより検出されたバッテリ36の充放電電流Ibに基づいてそのときのバッテリ36から放電可能な電力量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ36を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、電子制御ユニット50は、アクセル開度Accと車速Vとに応じて駆動軸22に出力すべき要求トルクTr*を設定し、バッテリ36の入出力制限Win,Woutをモータ32の回転数Nmで除してモータ32から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを設定し、要求トルクTr*をトルク制限Tmin,Tmaxで制限してモータ32から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm*を設定し、設定したトルク指令Tm*でモータ32が駆動されるようインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御する。また、モータ32のトルク指令Tm*とモータ32の回転数Nmとに応じて駆動電圧系電力ライン42の目標電圧VHtagを設定し、駆動電圧系電力ライン42の電圧VHが目標電圧VHtagとなるよう昇圧コンバータ40のトランジスタT31,T32をスイッチング制御する。以下、インバータ34の制御について説明する。
インバータ34は、実施例では、電子制御ユニット50により、パルス幅変調(PWM)制御によって制御するものとした。図2は、PWM制御の一例を示す説明図である。なお、実施例では、電力ライン42の負極母線の電位を値0(基準電位)として説明する。PWM制御では、図示するように、モータ32の各相の電圧指令と搬送波(キャリア波)電圧との比較によってインバータ34の上アーム(トランジスタT11〜T13)や下アーム(トランジスタT14〜T16)のオン時間の割合を調節して擬似的正弦波電圧をモータ32の各相に印加する。このPWM制御では、インバータ34に作用する電圧(インバータ34の入力直流電圧)に対するモータ32に作用する線間電圧(インバータ34の出力交流電圧)の実効値の割合としての変調率Rmは値0〜約0.780となる。また、PWM制御では、正弦波電圧を各相の電圧指令として用いる場合、モータ32に作用する線間電圧Vliは次式(1)により表わされるから、各相の電圧指令の振幅と搬送波電圧の振幅とが等しくなる変調率Rmとしての等振幅変調率は約0.612となる。PWM制御では、各相の電圧指令の振幅が搬送波電圧の振幅以下のときに、各相の電圧指令の振幅が搬送波電圧の振幅より大きいときに比してモータ32の出力応答性や制御性が良くなるから、近年、等振幅変調率Rmを大きくするために、正弦波電圧に3次高調波成分(モータ32の電気角θeの周期の3分の1の周期で変化する成分)を重畳して得られる重畳後電圧を各相の電圧指令として用いることが考えられている。図3は、正弦波電圧,3次高調波成分,重畳後電圧の関係の一例を示す説明図である。図中、実線は正弦波電圧を示し、破線は3次高調波成分,一点鎖線は重畳後電圧を示す。図3に示すように、重畳後電圧を各相の電圧指令として用いる場合、正弦波電圧を各相の電圧指令として用いる場合に比してピーク値が小さくなる。この場合、モータ32に作用する線間電圧Vliは式(2)により表わされるから、等振幅変調率は約0.707となる。即ち、重畳後電圧を各相の電圧指令として用いる場合、正弦波電圧を各相の電圧指令として用いる場合に比して等振幅変調率を大きくすることができるのである。なお、3次高調波成分は、各相の電圧指令の3倍の周波数であることから、線間で見たときには相殺される。また、高調波成分は、3次高調波成分に限定されるものではなく、値3の倍数の高調波成分であれば同様の効果を得られることが分かっている。これらを踏まえて、実施例では、変調率Rmが約0.707以下のときには、基本的には重畳後電圧を各相の電圧指令として用いる第1態様のPWM制御(以下、第1PWM制御という)によってインバータ34を制御し、変調率Rmが約0.707より大きいときには、正弦波電圧を各相の電圧指令として用いる第2態様のPWM制御(以下、第2PWM制御という)によってインバータ34を制御するものとした。なお、第1PWM制御の「基本的には重畳後電圧を各相の電圧指令として用いる」とは、詳細は後述するが、重畳後電圧でなく正弦波電圧を各相の電圧指令として用いる場合があることを意味する。
Figure 2014075937
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、第1PWM制御や第2PWM制御によってインバータ34を制御する際の動作について説明する。以下、まず、第1PWM制御によってインバータ34を制御する際の動作について説明し、その後、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際の動作について説明する。
図4は、実施例の電子制御ユニット50により実行される第1PWM制御実行ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、第1PWM制御によってンバータ34を制御するときに所定時間毎(例えば数百μsec毎)に繰り返し実行される。
第1PWM制御実行ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、モータ32のトルク指令Tm*や電気角θe,電流センサ33U,33VからのU相,V相電流Iu,Iv,電圧センサ46aからの駆動電圧系電力ライン42の電圧VHなど制御に必要なデータを入力し(ステップS100)、モータ32の三相コイルのU相,V相,W相に流れる相電流Iu,Iv,Iwの総和を値0としてモータ32の電気角θeを用いて次式(3)により相電流Iu,Ivをd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相−2相変換)する(ステップS110)。ここで、モータ32のトルク指令Tm*は、上述の駆動制御で設定されたもの、即ち、駆動軸22に出力すべき要求トルクTr*をトルク制限Tmin,Tmaxで制限した値を入力するものとした。また、モータ32の電気角θeは、回転位置検出センサ32aからのモータ32のロータの回転位置に基づいて演算されたものを入力するものとした。さらに、d軸はモータ32のロータに埋め込まれた永久磁石によって形成される磁束の方向であり、q軸はd軸に対してモータ32の正回転方向にπ/2だけ電気角θeが進角した方向である。
Figure 2014075937
続いて、モータ32のトルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する(ステップS120)。ここで、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*は、実施例では、モータ32のトルク指令Tm*とd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*との関係、具体的には、トルク指令Tm*に対応するトルクをモータ32から出力させるための電流指令大きさIr(電流指令Id*の2乗と電流指令Iq*の2乗との和の平方根)が最小値近傍となるトルク指令Tm*と電流指令Id*,Iq*との関係(以下、この関係を示すラインを電流指令ラインという)を予め定めて電流指令設定用マップとしてROM54に記憶しておき、モータ32のトルク指令Tm*が与えられると記憶したマップから対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を導出して設定するものとした。電流指令設定用マップの一例を図5に示す。図5の例では、モータ32のトルク指令Tm*がトルクT3のときにこのトルク指令Tm*に対応するd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する様子を示している。なお、図5には、電流指令ラインやトルク指令Tm*,電流指令Id*,Iq*の他に、電流指令大きさIrと、電流指令角度θir(d軸の電流指令Id*,q軸の電流指令Iq*を成分とするベクトルのq軸の方向に対する角度)と、についても図示した。
そして、d軸,q軸の電流Id,Iqと電流指令Id*,Iq*とを用いて次式(4),(5)によりd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を計算する(ステップS130)。ここで、式(4),(5)は、d軸,q軸の電流Id,Iqと電流指令Id*,Iq*との差が打ち消されるようにするための電流フィードバック制御における関係式であり、式(4),(5)中、「Kp1」,「Kp2」は比例項のゲインであり、「Ki1」,「Ki2」は積分項のゲインである。
Vd*=Kp1・(Id*-Id)+Ki1・Σ(Id*-Id) (4)
Vq*=Kp2・(Iq*-Iq)+Ki2・Σ(Iq*-Iq) (5)
次に、d軸の電圧指令Vd*の2乗とq軸の電圧指令Vq*の2乗との和の平方根を電圧指令大きさVrとして計算すると共に(ステップS140)、計算した電圧指令大きさVrを電力ライン42の電圧VHで除して変調率Rmを計算する(ステップS150)。ここで、電圧指令大きさVrは、モータ32に作用させるべき線間電圧の実効値に相当する。参考のために、第1PWM制御によってインバータ34を制御するときの電圧指令大きさVrと電圧指令角度θvr(d軸の電圧指令Vd*,q軸の電圧指令Vq*を成分とするベクトルのq軸の方向に対する角度)との一例を図6に示す。なお、こうして計算した変調率Rmが約0.707より大きいときには、インバータ34の制御を第1PWM制御から第2PWM制御に切り替える。
続いて、モータ32の電気角θeを用いて次式(6)および式(7)によりd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*をモータ22の三相コイルのU相,V相,W相に印加すべき電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の仮の値としての仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに座標変換(2相−3相変換)し(ステップS160)、変調率Rmを閾値Rrefと比較する(ステップS170)。ここで、閾値Rrefは、詳細は後述するが、例えば、値0.64や値0.65,値0.66などを用いることができる。また、仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpは、電気角θeに対して正弦波状に変化する電圧指令である。
Figure 2014075937
変調率Rmが閾値Rref未満のときには、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに3次高調波成分を重畳してU相,V相,W相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定し(ステップS180)、設定した電圧指令Vu*,Vv*,Vw*をインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチングするためのPWM信号に変換し(ステップS200)、変換したPWM信号をインバータ34に出力することによってインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御して(ステップS210)、本ルーチンを終了する。
一方、変調率Rmが閾値Rref以上のときには、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに3次高調波成分を重畳せずに仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,VwtmpをそのままU相,V相,W相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に設定し(ステップS190)、設定した電圧指令Vu*,Vv*,Vw*をインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチングするためのPWM信号に変換し(ステップS200)、変換したPWM信号をインバータ34に出力することによってインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御して(ステップS210)、本ルーチンを終了する。
即ち、実施例では、変調率Rmが閾値Rref未満のときには、正弦波電圧に3次高調波成分を重畳した重畳後電圧を電圧指令Vu*,Vv*,Vw*として用いてインバータ34を制御し、変調率Rmが閾値Rref以上のときには、正弦波電圧を電圧指令Vu*,Vv*,Vw*として用いてインバータ34を制御するのである。以下、この理由について説明する。インバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチングすると、図7に示すように、そのスイッチングによってサージ電圧が発生する。そして、そのサージ電圧の大きさによっては、モータ32の耐圧を超える電圧がモータ32に作用し、モータ32で絶縁破壊が生じる可能性がある。変調率Rmが約0.707以下のとき即ち第1PWM制御を実行するときに必ず重畳後電圧を電圧指令としてPWM制御によってインバータ34を制御するものとすると、電池電圧系電力ライン44の電圧VHや重畳後電圧の振幅によっては、図8に示すように、重畳後電圧と搬送波電圧とが共に上限付近となるタイミング(図中、点線で囲んだ部分参照)でインバータ34の上アームをオンとするときに、サージ電圧によってモータ32の入力電圧がモータ32の耐圧を超える可能性がある。したがって、実施例では、重畳後電圧を電圧指令として用いてPWM制御によってインバータ34を制御するとサージ電圧によりモータ32の入力電圧がモータ32の耐圧を超え得ると想定される変調率Rmの範囲の下限(例えば、値0.64や値0.65,値0.66など)を閾値Rrefとして設定し、変調率Rmが閾値Rref以上のときには、仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに3次高調波成分を重畳せずに仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,VwtmpをそのままU相,V相,W相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に設定するものとした。これにより、サージ電圧によってモータ32の入力電圧がモータ32の耐圧を超えるのを抑制することができ、モータ32で絶縁破壊が生じるのを抑制することができる。この結果、モータ32をより適正に保護することができる。
次に、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際の動作について説明する。図9は、電子制御ユニット50により実行される第2PWM制御実行ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、第2PWM制御によってンバータ34を制御するときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
第2PWM制御実行ルーチンが実行されると、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、図4の第1PWM制御実行ルーチンのステップS100、S110の処理と同様に、モータ32のトルク指令Tm*や電気角θe,電流センサ33U,33VからのU相,V相電流Iu,Iv,電圧センサ46aからの駆動電圧系電力ライン42の電圧VHなど制御に必要なデータを入力し(ステップS300)、モータ32の電気角θeを用いて上述の式(1)により相電流Iu,Ivをd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相−2相変換)する(ステップS310)。
続いて、次式(8),(9)により、d軸,q軸の電流Id,Iqになまし処理を施してなまし後電流Idmo,Iqmoを計算する(ステップS320)。ここで、式(8),(9)中、「T1」は時定数であり、「前回Idmo」,「前回Iqmo」は前回に本ルーチンが実行されたときに計算されたなまし後電流Idmo,Iqmoである。時定数T1は、d軸,q軸の電流Id,Iqに含まれる高調波成分を減衰させるための値としてモータ32の回転数Nmや本ルーチンの実行間隔などに応じて設定することができる。このように、過変調制御方式でインバータ34を制御するときには、d軸,q軸の電流Id,Iqになまし処理を施してなまし後電流Idmo,Iqmoを計算することにより、電流センサ33U,33Vにより検出された相電流Iu,Ivや相電流Iu,Ivを座標変換して得られたd軸,q軸の電流Id,Iqに含まれる高調波成分を減衰させた電流としてなまし後電流Idmo,Iqmoを計算することができる。
Idmo=(1-T1)・Id+T1・(前回Idmo) (8)
Iqmo=(1-T1)・Iq+T1・(前回Iqmo) (9)
続いて、図4の第1PWM制御実行ルーチンのステップS120の処理と同様に、モータ32のトルク指令Tm*に基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定し(ステップS330)、d軸,q軸のなまし後電流Idmo,Iqmoと電流指令Id*,Iq*とを用いて次式(10),(11)によりd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を計算する(ステップS340)。ここで、式(10),(11)は、d軸,q軸のなまし後電流Idmo,Iqmoと電流指令Id*,Iq*との差が打ち消されるようにするための電流フィードバック制御における関係式であり、式(10),(11)中、「Kp3」,「Kp4」は比例項のゲインであり、「Ki4」,「Ki4」は積分項のゲインである。
Vd*=Kp3・(Id*-Idmo)+Ki3・Σ(Id*-Idmo) (10)
Vq*=Kp4・(Iq*-Iqmo)+Ki4・Σ(Iq*-Iqmo) (11)
そして、次式(12),(13)によりd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*になまし処理を施してなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*を計算する(ステップS350)。ここで、式(12),(13)中、「T2」は時定数であり、「前回Vdmo*」,「前回Vqmo*」は前回に本ルーチンが実行されたときに計算されたなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*である。時定数T2は、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に含まれる高調波成分を減衰させるための値としてモータ32の回転数Nmや本ルーチンの実行間隔などに応じて設定することができる。このように、過変調制御方式でインバータ34を制御するときには、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*になまし処理を施してなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*を計算することにより、高調波成分を減衰させた電圧指令としてなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*を計算することができる。
Vdmo*=(1-T2)・Vd*+T2・(前回Vdmo*) (12)
Vqmo*=(1-T2)・Vq*+T2・(前回Vqmo*) (13)
こうしてd軸,q軸のなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*を計算すると、計算したd軸のなまし後電圧指令Vdmo*の2乗とq軸のなまし後電圧流指令Vqmo*の2乗との和の平方根を電圧指令大きさVrとして計算すると共にd軸のなまし後電圧指令Vdmo*とq軸のなまし後電圧流指令Vqmo*とを用いて電圧指令角度θvrを計算し(図6参照)(ステップS360)、計算した電圧指令大きさVrを駆動電圧系電力ライン42の電圧VHで除して変調率Rmを計算する(ステップS370)。なお、こうして計算した変調率Rmが約0.707以下のときには、インバータ34の制御を第2PWM制御から第1PWM制御に切り替える。
続いて、電圧指令大きさVrに振幅補正処理を施して振幅補正後電圧指令Vrmoを設定する(ステップS380)。第2PWM制御では、PWM信号を生成する際の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*の振幅が搬送波電圧の振幅より大きいことから、d軸,q軸のなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*(電圧指令大きさVr)に2相−3相変換して得られる電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いてPWM信号を生成してインバータ34を制御すると、電圧指令大きさVrより小さな値が線間電圧の実効値となる交流電圧がモータ32に印加される。振幅補正処理は、そのことを踏まえて、電圧指令大きさVrが線間電圧の実効値となる交流電圧がモータ32に印加されるよう電圧指令大きさVrを補正する処理(いわゆる線形補正処理)である。この振幅補正処理は、実施例では、ステップS360で計算した電圧指令大きさVrに応じた交流電圧がモータ32に印加されるよう、電圧指令大きさVrに、変調率Rmに応じた補正係数αを乗じて振幅補正後電圧指令大きさVrmoを計算するものとした。ここで、補正係数αは、変調率Rmと補正係数αとの関係を予め実験や解析などによって定めて補正係数設定用マップとしてROM54に記憶しておき、変調率Rmが与えられると記憶したマップから対応する補正係数αを導出して設定するものとした。ここで、補正係数設定用マップの一例を図10に示す。図10の例では、電圧指令の1周期に含まれる搬送波電圧の周期数としての同期数nが値n1(例えば値6など)のときにおいて、第2PWM制御での変調率Rmの下限(約0.707)近傍では、値1.000やそれより若干大きな数(例えば、値1.001など)を設定し、第2PWM制御での変調率Rmの上限(約0.780)近傍では、値3や値4近傍の値を設定すものとした。この補正係数αや補正係数設定用マップの詳細については後述する。
こうしてd軸,q軸の振幅補正後電圧指令Vrmoを計算すると、計算した振幅補正後電圧指令Vrmoと電圧指令角度θvrとを用いてd軸,q軸の振幅補正後電圧指令Vdmo2*,Vqmo2*を計算し(ステップS390)、モータ32の電気角θeを用いて、上述の式(6)および式(7)の「Vd*」,「Vq*」を「Vdmo2*」,「Vqmo2*」に置き換えたものにより、d軸,q軸の振幅補正後電圧指令Vdmo2*,Vqmo2*をモータ22の三相コイルのU相,V相,W相に印加すべき電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(2相−3相変換)し(ステップS400)、座標変換した電圧指令Vu*,Vv*,Vw*をインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチングするためのPWM信号に変換し(ステップS410)、変換したPWM信号をインバータ34に出力することによってインバータ34のトランジスタT11〜T16をスイッチング制御して(ステップS420)、本ルーチンを終了する。
ここで、補正係数αについて説明する。図11は、第2PWM制御を実行する際の電圧指令と搬送波電圧とトランジスタのオンオフとの時間変化の様子の一例を示す説明図であり、図12は、インバータ34の上アームのいずれかのトランジスタ(例えばトランジスタT11)のオンオフとモータ32の入力電圧との時間変化の様子の一例を示す説明図である。図11中、「Toffmin」は、電気角θeの1周期のうちインバータ34の上アームのオフの最短継続時間である。また、図12(a)は、最短継続時間Toffがある程度長いときの様子を示し、図12(b)は、最短継続時間Toffが短いときの様子を示す。図12(a)に示すように、最短継続時間Toffminが、上アームのオンからオフの切替によるサージ電圧(以下、オフ時サージ電圧という)の発生から収束までに要する時間(以下、オフ時サージ電圧収束時間という)より長いときには、電気角θeの1周期において、オフ時サージ電圧の揺り戻し(上昇)とその次の上アームのオフからオンの切替によるサージ電圧(以下、オン時サージ電圧という)の立ち上がり(上昇)とが重畳しないから、モータ32の入力電圧の変動は比較的小さく、モータ32の入力電圧がモータ32の耐圧を超えるおそれは低い。一方、最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間以下のときには、オフ時サージ電圧の揺り戻しとその次のオン時サージ電圧の立ち上がりとが重畳してモータ32の入力電圧が大きくなり、モータ32の耐圧を超えてしまうおそれが生じる。したがって、これを踏まえて、実施例では、補正係数αは、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間(例えば、1μsec,1.5μsec,2μsecなど)より長くなるよう設定するものとした。
次に、この補正係数設定用マップの作成方法について説明する。補正係数設定用マップを作成する際には、まず、変調率Rmと同期数nとを選択し、選択した変調率Rmに対応する電圧指令大きさVrが線間電圧の実効値となる交流電圧がモータ32に印加されるよう補正係数αの仮の値としての仮補正係数αtmpを設定する。そして、電圧指令大きさVrに仮補正係数αtmpを乗じて得られる値としての仮振幅補正後電圧指令大きさVrmotmpとモータ32の回転数Nm(同期数n)とを用いて、これらに応じてトランジスタT11〜T16のPWM信号を生成するときの上アームのオフの最短継続時間Toffminとしての仮最短継続時間Toffmintmpを求める。そして、この仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間より長いときには、仮補正係数αtmpを補正係数αとして設定する。一方、仮最短時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間以下のときには、仮補正係数αtmpより所定値だけ大きな値または小さな値を仮補正係数αtmpに再設定して同様に仮最短継続時間Toffmintmpを求めて、仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間より長いときにそのときの仮補正係数αtmpを補正係数αとして設定する。例えば、変調率Rmが値Rm1で同期数nが値n1のときにおいて、仮補正係数αtmpを値1.110としたときに、仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間より長いときには、その値1.110を変調率Rm1,同期数n1に対応する補正係数αとして設定する。一方、仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間以下のときには、仮補正係数αtmpを値1.111や値1.109に変更して仮最短継続時間Toffmintmpを求めて、その仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間より長いときにはその値を変調率Rm1,同期数n1に対応する補正係数αとして設定し、仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間以下のときには、仮補正係数αtmpを値1.112,・・・や値1.108,・・・と仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間より長くなるまで変更していき、仮最短継続時間Toffmintmpがオフ時サージ電圧収束時間より長くなったときの値を変調率Rm1,同期数n1に対応する補正係数αとして設定するのである。こうした手法によって補正係数設定用マップを作成しておくことにより、上述したように、補正係数αは、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間より長くなるよう設定されることになる。したがって、この補正係数αを用いた振幅補正処理を電圧指令大きさVrに施して振幅補正後電圧指令Vrmoを設定してこれをインバータ34の制御に用いることにより、モータ32の入力電圧が大きくなってモータ32の耐圧を超えるのを抑制することができ、モータ32で絶縁破壊が生じるのを抑制することができる。この結果、モータ32をより適正に保護することができる。
なお、第2PWM制御では、d軸,q軸の電流Id,Iqになまし処理を施してなまし後電流Idmo,Iqmoを計算すると共に、計算したなまし後電流Idmo,Iqmoを用いてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を計算し、計算したd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*になまし処理を施してなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*を計算してインバータ34の制御に用いることにより、高調波成分をより適正に減衰させてインバータ34を制御することができる。一方、上述の図4の第1PWM制御実行ルーチンでは、通常、第1PWM制御(重畳後電圧を各相の電圧指令として用いれば電圧指令の振幅が搬送波電圧の振幅以下となる制御)が第2PWM制御(各相の電圧指令の振幅が搬送波電圧より大きくなる制御)より出力応答性が高いことを踏まえて、d軸,q軸の電流Id,Iqやd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に対してなまし処理を施さずにインバータ34の制御に用いるものとした。
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、第1PWM制御によってインバータ34を制御する際において、変調率Rmが所定値Rref未満のときには、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に応じたU相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに3次高調波成分を重畳して電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定してPWM制御によってインバータ34を制御し、変調率Rmが所定値Rref以上のときには、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpをそのまま電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に設定してPWM制御によってインバータ34を制御するから、サージ電圧によってモータ32の入力電圧がモータ32の耐圧を超えるのを抑制することができ、モータ32で絶縁破壊が生じるのを抑制することができる。この結果、モータ32をより適正に保護することができる。
また、実施例の電気自動車20によれば、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際には、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に基づくなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*に応じた電圧指令大きさVrに、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間より長くなるよう設定した補正係数αを用いた振幅補正処理(電圧指令大きさVrに補正係数αを乗じる処理)を施して、振幅補正後電圧指令Vrmoを設定し、設定した振幅補正後電圧指令Vrmoに応じた電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いてPWM制御によってインバータ34を制御するから、サージ電圧によってモータ32の入力電圧がモータ32の耐圧を超えるのを抑制することができ、モータ32で絶縁破壊が生じるのを抑制することができる。この結果、モータ32をより適正に保護することができる。
実施例の電気自動車20では、第1PWM制御によってインバータ34を制御する際には、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに対して変調率Rmに応じて3次高調波成分を重畳させて又は重畳させずに電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定してPWM制御によってインバータ34を制御し、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際には、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に基づくなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*に応じた電圧指令大きさVrに、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間より長くなるよう設定した補正係数αを用いた振幅補正処理を施して、振幅補正後電圧指令Vrmoを設定し、設定した振幅補正後電圧指令Vrmoに応じた電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いてPWM制御によってインバータ34を制御するものとしたが、第1PWM制御によってインバータ34を制御する際には、実施例と同様に、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに対して変調率Rmに応じて3次高調波成分を重畳させて又は重畳させずに電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定してPWM制御によってインバータ34を制御するが、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際には、実施例とは異なり、電圧指令大きさVrに、上アームのオフの最短継続時間Toffminを考慮せずに設定した補正係数αを用いた振幅補正処理を施して、振幅補正後電圧指令Vrmoを設定し、設定した振幅補正後電圧指令Vrmoに応じた電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いてPWM制御によってインバータ34を制御するものとしてもよい。この場合、第1PWM制御によってインバータ34を制御する際には、実施例と同様の効果を奏することができる。また、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際には、実施例と同様に、電圧指令大きさVrに、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間より長くなるよう設定した補正係数αを用いた振幅補正処理を施して、振幅補正後電圧指令Vrmoを設定し、設定した振幅補正後電圧指令Vrmoに応じた電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いてPWM制御によってインバータ34を制御するが、第1PWM制御によってインバータ34を制御する際には、実施例とは異なり、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに対して変調率Rmに拘わらず3次高調波成分を重畳させて電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定してPWM制御によってインバータ34を制御するものとしてもよい。この場合、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際には、実施例と同様の効果を奏することができる。
実施例の電気自動車20では、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際の振幅補正処理に用いる補正係数αは、インバータ34の上アームの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間以下のときには、オフ時サージ電圧の揺り戻しとその次のオン時サージ電圧の立ち上がりとが重畳してモータ32の入力電圧が大きくなる場合があるということを踏まえて、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間(例えば、1μsec,1.5μsec,2μsecなど)より長くなるよう設定するものとしたが、一般に、オフ時サージ電圧の1回目の揺り戻し(上昇)とオン時サージ電圧の1回目の立ち上がり(上昇)とが重畳したときにモータ32の入力電圧が最も大きくなりやすいと考えられることから、これを回避するだけでモータ32の入力電圧がモータ32の耐圧を超えるのを抑制できる場合には、補正係数αは、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧の発生から1回目の揺り戻しの終了までに要する時間(例えば、0.4μsecや0.6μsecなど)より長くなるよう設定するものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、第2PMW制御によってインバータ34を制御する際、振幅補正後電圧指令大きさVrmoと電圧指令角度θvrとを用いてd軸,q軸の振幅補正後電圧指令Vdmo2*,Vqmo2*を計算し、計算したd軸,q軸の振幅補正後電圧指令Vdmo2*,Vqmo2*をU相,V相,W相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に変換するものとしたが、d軸,q軸の振幅補正後電圧指令Vdmo2*,Vqmo2*を計算せずに、振幅補正後電圧指令Vrmoと電圧指令角度θvrとからU相,V相,W相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に直接変換するものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*になまし処理を施してなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*を計算して電圧指令大きさVrや電圧指令角度θvrの計算などに用いるものとしたが、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*をそのまま電圧指令大きさVrや電圧指令角度θvrの計算などに用いるものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、第1PWM制御ルーチンについては所定時間毎(例えば数百μsec毎)に繰り返し実行し、第2PWM制御実行ルーチンについては所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行するものとしたが、両ルーチンについて、同一の実行間隔で繰り返し実行するものとしてもよい。
実施例では、駆動輪26a,26bに接続された駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32を備える電気自動車20に適用するものしたが、例えば、図13の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、遊星歯車機構126を介して駆動軸22に接続されたエンジン122およびモータ124と、駆動軸22に動力を入出力可能なモータ32と、を備えるハイブリッド自動車120に適用するものとしてもよい。また、図14の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン122のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪26a,26bに連結された駆動軸22に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン122からの動力の一部を駆動軸22に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。さらに、図15の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動軸22に変速機330を介してモータ32を取り付けると共に、モータ32の回転軸にクラッチ329を介してエンジン122を接続する構成とし、エンジン122からの動力をモータ32の回転軸と変速機330とを介して駆動軸22に出力すると共にモータ32からの動力を変速機330を介して駆動軸22に出力するハイブリッド自動車320に適用するものとしてもよい。
実施例やその変形例では、本発明を電気自動車やハイブリッド自動車の形態として説明したが、自動車やその他の車両(例えば、列車など),船舶,航空機などの移動体に搭載される駆動装置の形態としてもよいし、建設設備などの移動体でない設備に組み込まれる駆動装置の形態してもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータ32が「交流モータ」に相当し、インバータ34が「インバータ」に相当し、図4の第1PWM制御実行ルーチンや図9の第2PWM制御実行ルーチンを実行する電子制御ユニット50が「制御手段」に相当する。
ここで、「モータ」としては、永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える同期発電電動機(いわゆる埋込磁石型同期発電電動機)として構成されたモータ32に限定されるものではなく、永久磁石が表面に取り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える同期発電電動機(いわゆる表面磁石型同期発電電動機)など、駆動輪に接続されたものであれば如何なるタイプのモータであっても構わない。「インバータ」としては、インバータ34に限定されるものではなく、モータを駆動するものであれば如何なるタイプのインバータであっても構わない。「バッテリ」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ36に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、如何なるタイプのバッテリであっても構わない。「制御手段」としては、第1PWM制御によってインバータ34を制御する際には、U相,V相,W相の仮電圧指令Vutmp,Vvtmp,Vwtmpに対して変調率Rmに応じて3次高調波成分を重畳させて又は重畳させずに電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を設定してPWM制御によってインバータ34を制御し、第2PWM制御によってインバータ34を制御する際には、d軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*に基づくなまし後電圧指令Vdmo*,Vqmo*に応じた電圧指令大きさVrに、上アームのオフの最短継続時間Toffminがオフ時サージ電圧収束時間より長くなるよう設定した補正係数αを用いた振幅補正処理を施して、振幅補正後電圧指令Vrmoを設定し、設定した振幅補正後電圧指令Vrmoに応じた電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を用いてPWM制御によってインバータ34を制御するものに限定されるものではなく、d軸,q軸の電圧指令に基づく各相の電圧指令を用いてパルス幅変調制御によってインバータを制御する際に、複数のスイッチング素子のスイッチングに起因するサージ電圧を踏まえて交流モータの入力電圧が交流モータの耐圧以下となるようd軸,q軸の電圧指令に基づいて各相の電圧指令を設定するもの、例えば、d軸,q軸の電圧指令を各相の仮電圧指令に変換し、変調率が所定範囲外のときには各相の仮電圧指令に3次高調波成分を重畳して各相の電圧指令を設定し、変調率が所定範囲内のときには各相の仮電圧指令を各相の電圧指令に設定するものや、d軸,q軸の電圧指令を用いて交流モータに印加すべき目標電圧を設定し、目標電圧が交流モータに供給されるよう目標電圧に振幅補正を施して補正後電圧を設定し、補正後電圧を用いて各相の電圧指令を設定する、という一連の処理を実行する際、サージ電圧を踏まえて交流モータの入力電圧が交流モータの耐圧以下となるよう目標電圧に振幅補正を施して補正後電圧を設定するものなどであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、駆動装置や電動車両の製造産業などに利用可能である。
20 電気自動車、22 駆動軸、24 デファレンシャルギヤ、26a,26b 駆動輪、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、33U,33V 電流センサ、34 インバータ、36 バッテリ、37a 電圧センサ、37b 電流センサ、37c 温度センサ、40 昇圧コンバータ、42 駆動電圧系電力ライン、44 電池電圧系電力ライン、46,48 コンデンサ、46a,48a 電圧センサ、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、60 イグニッションスイッチ、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、120,220,320 ハイブリッド自動車、122 エンジン、124 モータ、126 遊星歯車機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330 変速機、D11〜D16,D31,D32 ダイオード、L リアクトル、T11〜T16,T31,T32 トランジスタ。

Claims (6)

  1. 交流モータと、複数のスイッチング素子のスイッチングによって前記交流モータを駆動するインバータと、d軸,q軸の電圧指令に基づく各相の電圧指令を用いてパルス幅変調制御によって前記インバータを制御する制御手段と、を備える駆動装置であって、
    前記制御手段は、前記複数のスイッチング素子のスイッチングに起因するサージ電圧を踏まえて前記交流モータの入力電圧が該交流モータの耐圧以下となるよう、前記d軸,q軸の電圧指令に基づいて前記各相の電圧指令を設定する手段である、
    ことを特徴とする駆動装置。
  2. 請求項1記載の駆動装置であって、
    前記制御手段は、前記d軸,q軸の電圧指令を各相の仮電圧指令に変換し、変調率が所定範囲外のときには前記各相の仮電圧指令に3次高調波成分を重畳して前記各相の電圧指令を設定し、変調率が前記所定範囲内のときには前記各相の仮電圧指令を前記各相の電圧指令に設定する手段である、
    駆動装置。
  3. 請求項2記載の駆動装置であって、
    前記所定範囲は、前記各相の仮電圧指令に3次高調波成分を重畳して前記各相の電圧指令を設定すると前記サージ電圧により前記交流モータの入力電圧が該交流モータの耐圧を超え得ると想定される範囲である、
    駆動装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の駆動装置であって、
    前記制御手段は、前記d軸,q軸の電圧指令を用いて前記交流モータに印加すべき目標電圧を設定し、該目標電圧が前記交流モータに供給されるよう該目標電圧に振幅補正を施して補正後電圧を設定し、該補正後電圧を用いて前記各相の電圧指令を設定する、という一連の処理を実行する際、前記サージ電圧を踏まえて前記交流モータの入力電圧が該交流モータの耐圧以下となるよう前記目標電圧に振幅補正を施して前記補正後電圧を設定する手段である、
    駆動装置。
  5. 請求項4記載の駆動装置であって、
    前記制御手段は、前記振幅補正として、変調率に応じた補正係数を前記目標電圧に乗じて前記補正後電圧を設定する手段であり、
    前記補正係数は、各変調率に対して、前記補正後電圧を用いて前記パルス幅変調制御によって前記インバータを制御する際に前記複数のスイッチング素子のオフの最小継続時間が所定時間より長くなるよう設定されてなる、
    駆動装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の駆動装置を備え、前記交流モータからの動力を用いて走行する電動車両。
JP2012223016A 2012-10-05 2012-10-05 駆動装置および電動車両 Pending JP2014075937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012223016A JP2014075937A (ja) 2012-10-05 2012-10-05 駆動装置および電動車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012223016A JP2014075937A (ja) 2012-10-05 2012-10-05 駆動装置および電動車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014075937A true JP2014075937A (ja) 2014-04-24

Family

ID=50749704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012223016A Pending JP2014075937A (ja) 2012-10-05 2012-10-05 駆動装置および電動車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014075937A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017093098A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社デンソー 回転電機駆動システム
EP3240187A1 (en) 2016-04-28 2017-11-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle
US10411635B2 (en) 2015-11-06 2019-09-10 Denso Corporation Rotating electric machine

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017093098A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社デンソー 回転電機駆動システム
US10181809B2 (en) 2015-11-06 2019-01-15 Denso Corporation Rotating electric machine drive system
US10411635B2 (en) 2015-11-06 2019-09-10 Denso Corporation Rotating electric machine
EP3240187A1 (en) 2016-04-28 2017-11-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle
RU2659372C1 (ru) * 2016-04-28 2018-06-29 Тойота Дзидося Кабусики Кайся Транспортное средство
US10103656B2 (en) 2016-04-28 2018-10-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle with controller for performing pulse width modulation control

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5633639B2 (ja) 電動機の制御装置およびそれを備える電動車両、ならびに電動機の制御方法
JP6439745B2 (ja) 自動車
JP6458761B2 (ja) 自動車
JP6458763B2 (ja) 自動車
JP2013005618A (ja) インバータ制御装置および車両
JP6777008B2 (ja) 駆動装置
JP6863046B2 (ja) 自動車
JP2014075937A (ja) 駆動装置および電動車両
JP5691955B2 (ja) 駆動装置
JP2018143054A (ja) 車両
JP6593372B2 (ja) 駆動装置
JP6838469B2 (ja) 駆動装置
JP6696382B2 (ja) 駆動装置
JP6332015B2 (ja) 駆動装置
JP2013093936A (ja) 自動車
JP6751496B2 (ja) 駆動装置
JP5751059B2 (ja) 駆動装置および電動車両
JP2017204943A (ja) 自動車
JP6862943B2 (ja) 駆動装置
JP2018143055A (ja) モータ駆動装置
JP6751495B2 (ja) 自動車
JP6766538B2 (ja) 駆動装置
JP6828297B2 (ja) 自動車
JP6686772B2 (ja) 駆動装置
JP2013106387A (ja) 駆動装置および自動車