JP2014041729A - 差動信号伝送用ケーブルおよびその回路基板への接続方法 - Google Patents

差動信号伝送用ケーブルおよびその回路基板への接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製品毎に安定した電気的特性を得ることができる差動信号伝送用ケーブルおよびその回路基板への接続方法を提供する。
【解決手段】従前のような加締め加工による加締め力よりも小さい熱収縮チューブ16の収縮力により、グランド用導体15の本体部15aを外部導体13に圧着するので、グランド用導体15と外部導体13とをしっかり電気的に接続しつつ、外部導体13の内側にある絶縁体12の弾性変形を抑制することができる。したがって、各信号線導体11間の距離を設計寸法通りにでき、ひいては製品毎に安定した電気的特性を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対の信号線導体を備え、位相を180度反転させた差動信号を伝送する差動信号伝送用ケーブルおよびその回路基板への接続方法に関する。
従来、数Gbit/s以上の高速デジタル信号を扱うサーバやルータ,ストレージ製品等の機器においては、差動インターフェース規格、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal)が採用され、各機器間あるいは機器内の各回路基板間では、差動信号伝送用ケーブルを用いて差動信号の伝送が行われている。差動信号は、システム電源の低電圧化を実現しつつ外来ノイズに対する耐性が高いという特徴を有している。
差動信号伝送用ケーブルは一対の信号線導体を備え、各信号線導体には、位相を180度反転させたプラス側(ポジティブ)信号およびマイナス側(ネガティブ)信号がそれぞれ伝送されるようになっている。そして、これらの2つの信号(プラス側信号およびマイナス側信号)の電位差が信号レベルとなって、例えば電位差がプラスであれば「High」,マイナスであれば「Low」として、当該信号レベルを受信側で認識するようになっている。
このような差動信号を伝送する差動信号伝送用ケーブルとしては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載された差動信号伝送用ケーブルは、所定間隔で平行に並ぶ一対の信号線導体を備え、これらの各信号線導体は絶縁体によって覆われている。つまり、各信号線導体は絶縁体によって所定間隔で平行に保持されている。また、絶縁体の周囲はシート状の外部導体によって覆われており、さらに、外部導体の周囲はシース(保護外皮)によって覆われている。
そして、差動信号伝送用ケーブルの一端側を順次段剥きすることで、各信号線導体および外部導体の一部がそれぞれ外部に露出されている。外部導体の露出部分には、金属製のシールド接続端子(グランド用導体)が、加締めによって接続されている。シールド端子は、板状金属と当該板状金属に一体成形されたはんだ接続ピンとを備え、板状金属は、加締め時に外部導体の形状に倣って塑性変形されるようになっている。これにより、外部導体とシールド端子とが電気的に接続され、外部導体をシールド端子(板状金属およびはんだ接続ピン)を介して回路基板のグランドパッドに電気的に接続できるようにしている。
ここで、引用文献1に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいては、各信号線導体の露出部分とはんだ接続ピンとの長さ寸法を略同一の長さ寸法とし、さらに回路基板のパッド面からの高さ位置を略同一の高さ位置となるようにしている。これにより、高周波域(Ghz帯)における電気的特性の劣化、つまり、特性インピーダンスの劣化やスキュー特性の劣化等を抑制するようにしている。また、各信号線導体の露出部分とはんだ接続ピンとのフォーミング(形状成形)を容易にして、回路基板のシグナルパッドやグランドパッドへのはんだ接続の作業性を向上させている。
特開2012−099434号公報(図1,図2)
しかしながら、上述の特許文献1に記載された差動信号伝送用ケーブルによれば、シールド接続端子を外部導体の形状に沿わせて塑性変形させる(加締め加工する)際に、外部導体の内側にある絶縁体が加締め力により弾性変形し、ひいては絶縁体のさらに内側にある各信号線導体間の距離が変化して設計寸法通りにならないという製造上の問題が起こり得る。これにより、差動信号伝送用ケーブルの電気的特性が製品毎にばらつくという問題を生じ得る。
本発明の目的は、製品毎に安定した電気的特性を得ることができる差動信号伝送用ケーブルおよびその回路基板への接続方法を提供することにある。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、絶縁体を介して所定間隔で並ぶ一対の信号線導体と、前記信号線導体の端部に形成され、回路基板のシグナルパッドに電気的に接続されるシグナルパッド接続部と、前記絶縁体の周囲に設けられる外部導体と、前記外部導体の周囲に設けられて当該外部導体に電気的に接続される本体部、および前記回路基板のグランドパッドに電気的に接続されるグランドパッド接続部を有するグランド用導体と、前記本体部の周囲に設けられ、加熱により収縮して前記本体部を前記外部導体に圧着する熱収縮チューブと、を備えることを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記本体部は板状に形成され、前記外部導体の前記回路基板側とは反対側を被覆することを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記本体部を、前記外部導体の前記回路基板側にまで延在させたことを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記熱収縮チューブを、前記本体部の前記信号線導体の長手方向に沿う両端部を被覆するよう設けることを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記グランドパッド接続部の基端側を、当該グランドパッド接続部の先端側よりも太く形成することを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記本体部の前記外部導体側および前記熱収縮チューブ側のうちの少なくともいずれか一方に、表面粗さを粗くした粗面部を設けることを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記グランド用導体は、その長手方向に沿って横断面形状が一様となるように棒状に形成され、長手方向に沿う一側を前記本体部とし、長手方向に沿う他側を前記グランドパッド接続部としたことを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記外部導体の前記本体部によって被覆されない非被覆部に、前記外部導体と前記本体部との双方に電気的に接続される金属箔を設けることを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記シグナルパッド接続部の長手方向に沿う前記絶縁体側および前記グランドパッド接続部の長手方向に沿う前記本体部側を、前記回路基板の前記各パッド面に対して同じ高さ位置に配置することを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記グランドパッド接続部の横断面形状を、多角形形状に形成することを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記グランドパッド接続部の表面に、錫めっき処理を施したことを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記グランド用導体を金属テープにより形成し、前記外部導体に巻き付けられた部分を前記本体部とし、前記信号線導体の長手方向に引き出された部分を前記グランドパッド接続部としたことを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルは、前記グランドパッド接続部を、前記各信号線導体を挟んで鏡像対称となるように一対設けることを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルの回路基板への接続方法は、絶縁体を介して所定間隔で並ぶ一対の信号線導体および前記絶縁体の周囲に設けられる外部導体を備えたケーブルアッシーを準備し、前記外部導体の周囲に設けられて当該外部導体に電気的に接続される本体部および回路基板のグランドパッドに電気的に接続されるグランドパッド接続部を備えたグランド用導体を準備し、加熱により収縮する熱収縮チューブを準備し、シグナルパッドおよび前記グランドパッドが形成された前記回路基板を準備するパーツ準備工程と、前記ケーブルアッシーの端部から前記信号線導体を露出させることにより、前記シグナルパッドに電気的に接続されるシグナルパッド接続部を形成する接続部形成工程と、前記外部導体の前記シグナルパッド接続部の近傍に前記本体部を位置決めし、当該状態のもとで前記本体部を被覆するよう前記熱収縮チューブを位置決めする位置決め工程と、前記熱収縮チューブを加熱して収縮させることで前記本体部を前記外部導体に圧着し、差動信号伝送用ケーブルを完成させるチューブ加熱工程と、前記差動信号伝送用ケーブルの前記シグナルパッド接続部および前記グランドパッド接続部を、前記シグナルパッドおよび前記グランドパッドにそれぞれ臨ませてはんだ接続するはんだ接続工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の差動信号伝送用ケーブルおよびその回路基板への接続方法によれば、従前のような加締め加工による加締め力よりも小さい熱収縮チューブの収縮力により、グランド用導体の本体部を外部導体に圧着するので、グランド用導体と外部導体とをしっかり電気的に接続しつつ、外部導体の内側にある絶縁体の弾性変形を抑制することができる。したがって、各信号線導体間の距離を設計寸法通りにでき、ひいては製品毎に安定した電気的特性を得ることができる。
本発明の第1実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルと回路基板との接続構造を示す斜視図である。 図1のA矢視図である。 (a)は図2のB−B線に沿う断面図であり、(b)は図2のC−C線に沿う断面図であり、(c)は熱収縮チューブの変形例を示す断面図である。 (a)は図2のグランド用導体の詳細を示す斜視図であり、(b)はグランド用導体の第1変形例を示す斜視図であり、(c)はグランド用導体の第2変形例を示す斜視図である。 図1の差動信号伝送用ケーブルの回路基板への接続手順を示すフローチャート図である。 図1の差動信号伝送用ケーブルの組み立て手順を説明する説明図である。 図1の差動信号伝送用ケーブルを回路基板に複数接続した場合を示す斜視図である。 本発明の第2実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルを示す図2に対応した平面図である。 本発明の第3実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルを示す横断面図である。 (a)は本発明の第4実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルのグランド用導体の詳細を示す斜視図であり、(b)は図10(a)のグランド用導体の変形例を示す断面図である。 (a)は本発明の第5実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルのグランド用導体の詳細を示す斜視図であり、(b)は図11(a)のグランド用導体の変形例を示す斜視図である。 本発明の第6実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルを示す斜視図である。
以下、本発明の第1実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルと回路基板との接続構造を示す斜視図を、図2は図1のA矢視図をそれぞれ表している。
図1および図2に示すように、第1実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル10は、一対の信号線導体11を備えている。各信号線導体11のうちのいずれか一方には差動信号としてのプラス側(ポジティブ)信号が伝送され、各信号線導体11のうちのいずれか他方には差動信号としてのマイナス側(ネガティブ)信号が伝送されるようになっている。各信号線導体11は、例えば、その表面に錫めっき処理が施された軟銅線(Tinned Annealed Copper Wire)によって形成され、各信号線導体11は絶縁体12によって被覆されている。
絶縁体12は、差動信号伝送用ケーブル10に柔軟性を持たせるために、例えば、発泡ポリエチレン(Expanded Poly-Ethylene)によって形成され、その横断面形状は略楕円形形状に形成されている。絶縁体12は、各信号線導体11を所定間隔で並ぶよう保持しており、各信号線導体11の周囲には、略同等の肉厚となるよう絶縁体12が配置されている。ここで、絶縁体12の材料である発砲ポリエチレンの溶融温度は[110℃〜120℃]に設定されている。ただし、絶縁体12は、図示のような横断面形状が略楕円形形状のものに限らず、例えば、各信号線導体11をそれぞれ別個に被覆するよう横断面形状が円形形状の絶縁体であっても良い。また、図示のように上下側にそれぞれ直線部分を有する略楕円形形状の絶縁体に限らず、上下側の各直線部分をそれぞれ円弧形状とした略楕円形形状の絶縁体であっても良い。
図3(a)は図2のB−B線に沿う断面図,(b)は図2のC−C線に沿う断面図,(c)は熱収縮チューブの変形例を示す断面図をそれぞれ表している。
図3(a)に示すように、各信号線導体11の長手方向に沿う大部分は絶縁体12の内部に配置されており、各信号線導体11の端部(図中左側)は、絶縁体12の外部に露出されている。各信号線導体11の露出部分はシグナルパッド接続部11aとなっており、当該シグナルパッド接続部11aは、それぞれ回路基板20のシグナルパッド22にはんだ接続により電気的に接続されている。各シグナルパッド接続部11aの長さ寸法はいずれも略L1に設定されている。ここで、各シグナルパッド接続部11aの表面には、上述したように錫めっき処理が施されているため、はんだ濡れ性が向上しており、よって質の良いはんだ接続(はんだフィレットの成形)が可能となっている(図2の網掛け部分参照)。
各シグナルパッド接続部11aは、差動信号伝送用ケーブル10を回路基板20に接続する前に予め段付き形状にフォーミングされるようになっている。ここで、各シグナルパッド接続部11aの横断面形状は円形形状となっているため、フォーミング時に応力集中することが無い。したがって、各シグナルパッド接続部11aは折損等すること無くフォーミングし易くなっている。また、各シグナルパッド接続部11aの先端側と基端側との高低差、つまり各シグナルパッド接続部11aの長手方向に沿う絶縁体12側の回路基板20におけるパッド面からの高さ寸法は、図2に示すように、いずれも略h1に設定されている。
絶縁体12の周囲には、外来ノイズの影響を抑制するための外部導体13が設けられている。外部導体13は、例えば、シート状の銅箔によって形成され、絶縁体12の周囲全体を被覆するようになっている。ただし、外部導体13としては、銅箔に限らず他の金属箔であっても良く、さらには軟銅線等の金属細線を編み込んだ編組シートであっても良い。
図1および図3(a),(b)に示すように、外部導体13の長手方向に沿う大部分はシース14によって被覆されており、外部導体13の端部(図中左側)は、シース14の外部に露出されている。ここで、シース14は、例えば、耐熱PVC(Heat Resistant Polyvinyl Chloride)によって形成され、差動信号伝送用ケーブル10を保護する外皮として機能している。
図4(a)は図2のグランド用導体の詳細を示す斜視図,(b)はグランド用導体の第1変形例を示す斜視図,(c)はグランド用導体の第2変形例を示す斜視図を表している。
外部導体13の外部に露出した部分、つまり外部導体13の端部には、グランド用導体15が設けられている。グランド用導体15は、図4(a)に示すように、導電性に優れた銅等の金属板材により形成され、略長方形形状の板状に形成された本体部15aと、本体部15aに一体成形された一対のグランドパッド接続部15bとを有している。
本体部15aは、図2に示すように、外部導体13の周囲に設けられ、当該外側導体13の周囲形状に倣って湾曲されている。本体部15aは、外部導体13の短手方向(厚み方向)に沿う回路基板20側とは反対側(図中上側半分)を被覆して、外部導体13に電気的に接続されている。これにより、本体部15aを外部導体13に対して装着し易くし、差動信号伝送用ケーブル10の組み立て作業性を向上させている(図6の矢印(1)参照)。
各グランドパッド接続部15bは、図3(b)に示すように、横断面形状が各信号線導体11と同じ直径寸法の円形形状で、長さ寸法が略L2に形成されている(L2>L1)。ここで、各グランドパッド接続部15bの横断面形状を円形形状とすることで、各シグナルパッド接続部11aと同様に、フォーミング時に応力集中するのを防止している。
各グランドパッド接続部15bの基端部は、本体部15aの長手方向に沿う両端側(図2中左右端側)にそれぞれ接続されている。つまり、一対のグランドパッド接続部15bは、各信号線導体11を挟んで鏡像対称となるよう設けられている。
各グランドパッド接続部15bの先端部は、それぞれ回路基板20のグランドパッド23に、はんだ接続により電気的に接続されている。ここで、各グランドパッド接続部15bの表面には、各シグナルパッド接続部11aと同様に錫めっき処理を施している。したがって、はんだ濡れ性が向上しており、質の良いはんだ接続(はんだフィレットの成形)を可能としている(図2の網掛け部分参照)。
各グランドパッド接続部15bは、差動信号伝送用ケーブル10を回路基板20に接続する前に予め段付き形状にフォーミングされ、各グランドパッド接続部15bの先端側と基端側との高低差、つまり各グランドパッド接続部15bの長手方向に沿う本体部15aとの接続側の回路基板20におけるパッド面からの高さ寸法は、図2に示すように、いずれも略h2に設定されている(h2=h1)。このように、各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15bの基端側は、それぞれ回路基板20のパッド面に対して同じ高さ位置に配置されている。
そして、グランド用導体15は、図3(a),(b)に示すように、各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15bが、差動信号伝送用ケーブル10の側方から見た時に重畳するよう外部導体13に装着されている。これにより、高周波域(Ghz帯)における電気的特性の劣化、つまり、特性インピーダンスの劣化やスキュー特性の劣化等を抑制している。
また、各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15bのフォーミングを、同時に容易に行うことができ、回路基板20のシグナルパッド22やグランドパッド23へのはんだ接続の作業性を向上させている。
なお、グランド用導体15は、図4(b)に示すような形状(第1変形例)であっても良い。第1変形例のグランド用導体15は、図4(a)のグランド用導体15に比して、一方のグランドパッド接続部15bを省略した点が異なっている。このように、一方のグランドパッド接続部15bを省略することで、グランド用導体15を小型軽量化できるとともに、差動信号伝送用ケーブル10の回路基板20への接続作業(はんだ接続)を簡素化することができる。
また、グランド用導体15は、図4(c)に示すような形状(第2変形例)であっても良い。第2変形例のグランド用導体15は、図4(b)のグランド用導体15に比して、グランドパッド接続部15bの横断面形状を正方形形状(多角形形状)とした点が異なっている。また、グランドパッド接続部15bの基端側を、先端側よりも太くする円弧状幅広部15cを設けた点が異なっている。
このように、グランドパッド接続部15bの横断面形状を正方形形状とすることで、グランド用導体15を打ち抜き加工の1工程のみで容易に形成することができ、ひいては製造コストを低減することができる。さらに、グランドパッド接続部15bとグランドパッド23とを面接触させることができるので、より好適なはんだ接続を可能として製品の信頼性向上を図ることができる。また、円弧状幅広部15cにより、グランドパッド接続部15bの根元の剛性を高め、かつ当該根元に作用する応力集中を緩和できるので、グランドパッド接続部15bのフォーミング時に当該グランドパッド接続部15bが破損したりするのを確実に防止できる。
ただし、図4(a)の各グランドパッド接続部15bの双方を、横断面形状が正方形形状となるようにしても良いし、これらの各グランドパッド接続部15bの双方の根元にそれぞれ円弧状幅広部15cを設けても良い。また、各グランドパッド接続部15bの横断面形状は、円形形状や正方形形状(四角形)に限らず、三角形や五角形以上の多角形形状としても良い。この場合、多角形形状の1つの面が、グランドパッド23に対して面接触するよう形成するのが好ましい。
図3(a),(b)に示すように、グランド用導体15の本体部15aの周囲には、加熱により収縮する熱収縮チューブ16が設けられている。熱収縮チューブ16は、例えば、ポリオレフィン(polyolefin)よって形成され、熱収縮させる前は、図6に示すように、外部導体13およびグランド用導体15の周囲に余裕(隙間)を持って被せられるようになっている。
熱収縮チューブ16の収縮温度は[80℃〜100℃]に設定されており、したがって、熱収縮チューブ16を収縮させる際に絶縁体12(溶融温度[110℃〜120℃])が溶融するようなことは無い。なお、熱収縮チューブ16の収縮比は2:1以上に設定されている。
熱収縮チューブ16は、グランド用導体15の本体部15aの短手方向に沿う、各グランドパッド接続部15b側とは反対側、つまりシース14側(図3(a),(b)の右側)の端部を被覆するよう設けられている。これにより、グランド用導体15を外部導体13の所定箇所に位置決めしつつ、本体部15aを外部導体13に電気的に接続することができる。ここで、熱収縮チューブ16による収縮力は、加熱温度や加熱時間によって調整できるようになっている。本実施の形態においては、収縮力は、本体部15aを外部導体13に対して圧着し、両者を充分に導通可能に電気的に接続しつつ、絶縁体12を弾性変形させない力に設定されている。つまり、熱収縮チューブ16の収縮力によって各信号線導体11間の距離が変化してしまうようなことは無い。
ここで、熱収縮チューブ16は、図3(c)に示すような形状(変形例)であっても良い。この変形例に係る熱収縮チューブ16は、グランド用導体15の本体部15aの短手方向、つまり本体部15aの各信号線導体11の長手方向に沿う各グランドパッド接続部15b側とその反対側との双方の端部(図3(c)の左右側)を被覆するよう設けられている。このように、熱収縮チューブ16によって本体部15aの短手方向に沿う両端部を被覆することで加熱箇所が増えることになるが、図3(a),(b)の熱収縮チューブ16に比して、グランド用導体15の抜け強度を向上させることができる。
図1〜図3に示すように、差動信号伝送用ケーブル10が電気的に接続される回路基板20は、樹脂製の基板本体21を備え、当該基板本体21の表面部21aには、一対のシグナルパッド22と一対のグランドパッド23とが形成されている。各シグナルパッド22および各グランドパッド23は、差動信号伝送用ケーブル10の各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15bに対応して、一列に並んで配置されている。
各シグナルパッド22は、基板本体21の表面部21aに形成された一対のシグナルライン24にそれぞれ電気的に接続され、これらの各シグナルライン24を通じて差動信号が伝送されるようになっている。
一方、各グランドパッド23は、基板本体21の表面部21aから裏面部21bに向けて貫通するスルーホール25の一端部にそれぞれ電気的に接続されている。また、各スルーホール25の他端部は、裏面部21bに形成された全面グランド26に電気的に接続されている。
ここで、各シグナルパッド22,各グランドパッド23,各シグナルライン24および全面グランド26は、他の回路パターン(図示せず)とともに、基板本体21の表面部21aおよび裏面部21b上に同時に形成されるようになっている。
次に、以上のように形成した差動信号伝送用ケーブル10の回路基板20への接続方法について、図面を用いて詳細に説明する。
図5は図1の差動信号伝送用ケーブルの回路基板への接続手順を示すフローチャート図を、図6は図1の差動信号伝送用ケーブルの組み立て手順を説明する説明図をそれぞれ表している。
[パーツ準備工程]
まず、図5のステップS1では、図6に示すように、別の製造工程で製造されたケーブルアッシーCAを準備する。ここで、ケーブルアッシーCAとは、絶縁体12を介して所定間隔で並ぶ一対の信号線導体11,絶縁体12の周囲に設けられる外部導体13および外部導体13の周囲に設けられるシース14を備え、グランド用導体15を接続していないサブアッセンブリの状態を指している。
また、ステップS1では、外部導体13の周囲に設けられて当該外部導体13に電気的に接続される本体部15aおよび回路基板20のグランドパッド23(図1参照)に電気的に接続されるグランドパッド接続部15bを備えたグランド用導体15を準備するとともに、加熱により収縮する熱収縮チューブ16を準備する。
さらに、ステップS1では、別の製造工程で製造された回路基板20、つまり各シグナルパッド22,各グランドパッド23,各シグナルライン24,各スルーホール25,全面グランド26および他の回路パターンが形成された回路基板20を準備する。これにより、パーツ準備工程が完了する。
[接続部形成工程]
次いで、図5のステップS2では、図6に示すように、ケーブルアッシーCAの端部を順次段剥きする処理を施す。具体的には、ケーブルアッシーCAの端部から所定長さの分、絶縁体12および外部導体13を取り除いて各信号線導体11の端部を露出させ、これにより回路基板20の各シグナルパッド22(図1参照)に電気的に接続される各シグナルパッド接続部11aを形成する。また、ステップS2では、外部導体13の端部から所定長さの分、シース14を取り除いて外部導体13を露出させる。これにより、接続部形成工程が完了する。
[位置決め工程]
その後、図5のステップS3では、図6の矢印(1)に示すように、外部導体13の各シグナルパッド接続部11aの近傍に、グランド用導体15の本体部15aを位置決めする。次いで、この状態のもとで、図6の矢印(2)に示すように、本体部15aを被覆するよう熱収縮チューブ16を被せて位置決めする。ここで、本体部15aの位置決めに際し、各グランドパッド接続部15bの向きを各シグナルパッド接続部11a側に向けつつ、これらの先端部(図中左端部)の位置を、ケーブルアッシーCAの長手方向に沿って一致させるようにする。これにより、位置決め工程が完了する。
[チューブ加熱工程]
その後、図5のステップS4では、図示しない加熱治具(工業用ドライヤー等)を用い、熱収縮チューブ16の周囲を満遍なく加熱することで熱収縮チューブ16を収縮させる。すると、熱収縮チューブ16の収縮力によって、本体部15aが外部導体13に圧着されて、差動信号伝送用ケーブル10が完成する。これにより、チューブ加熱工程が完了する。
[はんだ接続工程]
その後、図5のステップS5では、まず、図1〜図3に示すように、差動信号伝送用ケーブル10の各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15bを、一括して段付き形状にフォーミングする。次いで、フォーミングした各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15bの先端部を、回路基板20の各シグナルパッド22および各グランドパッド23にそれぞれ臨ませて、合計4箇所を接続治具(はんだごて等)ではんだ接続する。これにより、はんだ接続工程が完了し、差動信号伝送用ケーブル10の回路基板20への接続作業が終了する。
ここで、各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15bの先端部をはんだ接続するようにしているため、接続治具の熱(例えば200℃〜400℃)は絶縁体12や熱収縮チューブ16に伝達し難くなっている。したがって、はんだ接続時の熱によって絶縁体12や熱収縮チューブ16が溶融するようなことは無い。
図7は図1の差動信号伝送用ケーブルを回路基板に複数接続した場合を示す斜視図を表しており、図7に示すように、複数本(図示では4本)の差動信号伝送用ケーブル10を、所定の回路基板20に接続する場合には、各差動信号伝送用ケーブル10間でクロストークが発生しないようにするために、隣り合う差動信号伝送用ケーブル10同士を接触させないよう配置する。
以上詳述したように、第1実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル10およびその回路基板20への接続方法によれば、従前のような加締め加工による加締め力よりも小さい熱収縮チューブ16の収縮力により、グランド用導体15の本体部15aを外部導体13に圧着するので、グランド用導体15と外部導体13とをしっかり電気的に接続しつつ、外部導体13の内側にある絶縁体12の弾性変形を抑制することができる。したがって、各信号線導体11間の距離を設計寸法通りにでき、ひいては製品毎に安定した電気的特性を得ることができる。
次に、本発明の第2実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8は本発明の第2実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルを示す図2に対応した平面図を表している。
図8に示すように、第2実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル30は、第1実施の形態に比して、グランド用導体31の構造が異なっている。図8に示すように、グランド用導体31は本体部31aを備え、この本体部31aの長手方向に沿う両端側(図中左右端側)には、外部導体13の短手方向(厚み方向)に沿う回路基板20側にまで延在された腕部31bがそれぞれ設けられている。各腕部31bにおいても、本体部31aと同様に外部導体13の周囲形状に倣って湾曲されている。
なお、各腕部31bを設けたことにより、差動信号伝送用ケーブル30と回路基板20との間の間隔を、第1実施の形態に比して広くしている。ここで、グランド用導体31を外部導体13に接続する際には、本体部31aおよび各腕部31bを外部導体13(各信号線導体11)の長手方向から臨ませて、本体部31aおよび各腕部31bの内側に外部導体13を差し込んで接続するようにする。
以上のように形成した第2実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第2実施の形態においては、外部導体13の周囲を抱え込むようにしてグランド用導体31を接続するので、外部導体13とグランド用導体31との接触部分を増やすことができるとともに、熱収縮チューブ16で固定する前の位置決め作業を正確かつ確実に行うことができる。よって、製品毎に安定した電気的特性が得られるようにして、製品の信頼性をより向上させることが可能となる。
次に、本発明の第3実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は本発明の第3実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルを示す横断面図を表している。
図9に示すように、第3実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル40は、外部導体13の短手方向(厚み方向)に沿う回路基板20側(図中下側)に、金属箔としての導体シート41を備えている。つまり、導体シート41は、外部導体13の本体部15aによって被覆されていない非被覆部13aを覆うよう設けられている。導体シート41は、銅等の導電性に優れた金属材料よりなり、グランド用導体15の本体部15aよりも薄肉となり、変形自在となっている。導体シート41は、本体部15aと同様の略長方形形状に形成され、外部導体13および本体部15aの双方に電気的に接続されている。
そして、導体シート41は、本体部15aとともに、熱収縮チューブ16の収縮力によって外部導体13の周囲の所定位置に位置決めされるようになっている。ただし、導体シート41としては、軟銅線等の金属細線を編み込んだ編組シートを用いることもできる。
以上のように形成した第3実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第3実施の形態においては、外部導体13とグランド用導体15との電気的な接続をより確実なものにできるので、より安定した電気的特性を得ることができ、ひいては製品の信頼性をさらに向上させることが可能となる。
次に、本発明の第4実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10(a)は本発明の第4実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルのグランド用導体の詳細を示す斜視図,(b)は図10(a)のグランド用導体の変形例を示す断面図を表している。
図10(a),(b)に示すように、第4実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル50は、第1実施の形態に比して、グランド用導体51の構造が異なっている。図10(a)に示すように、グランド用導体51は本体部51aを備え、この本体部51aの熱収縮チューブ16側(図中上側)には、グランド用導体51の他の部分よりも表面粗さを粗くした粗面部51bが形成されている。粗面部51bは、例えば、粗目のサンドペーパ等で擦ることにより形成されている。ただし、粗面部51bは、本体部51aの熱収縮チューブ16側に限らず、本体部51aの外部導体13側(図中下側)にも設けても良いし、本体部51aの外部導体13側のみに設けても良い。
また、グランド用導体51の本体部51aには、図10(b)に示すような形状の粗面部51c(変形例)を設けるようにしても良い。つまり、図10(b)に示す粗面部51cは、本体部51aの厚み方向に貫通する複数の貫通孔51dを設けることで形成され、これによっても本体部51aの表面粗さを、グランド用導体51の他の部分よりも粗くすることができる。この場合、複数の貫通孔51dの全てを1回の打ち抜き加工で形成でき、さらには本体部51aの両面側(図中上側および下側)に、一度に粗面部51cを形成することができる。
以上のように形成した第4実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第4実施の形態においては、外部導体13とグランド用導体51との接続強度、あるいはグランド用導体51と熱収縮チューブ16との接続強度が向上するので、グランド用導体51の外部導体13あるいは熱収縮チューブ16に対する抜け強度を向上させることができる。また、本体部51aの外部導体13側に粗面部51b,51cを設けることで、グランド用導体51と外部導体13との電気的な接続をより確実にすることができ、ひいては製品の信頼性をさらに向上させることが可能となる。
次に、本発明の第5実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11(a)は本発明の第5実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルのグランド用導体の詳細を示す斜視図,(b)は図11(a)のグランド用導体の変形例を示す斜視図を表している。
図11(a),(b)に示すように、第5実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル60は、第1実施の形態に比して、グランド用導体61の構造が異なっている。具体的には、グランド用導体61は、銅等の金属材料によって、各信号線導体11と同じ直径寸法の一対の棒状導体61aにより形成され、各棒状導体61aは、各シグナルパッド接続部11aを挟んで鏡像対称となるよう設けられている。各棒状導体61aは、その長手方向に沿って横断面形状が一様となっており、長手方向に沿うシース14側(一側)が本体部61bとなり、長手方向に沿う各シグナルパッド接続部11a側(他側)がグランドパッド接続部61cとなっている。ただし、グランド用導体61の横断面形状は、図4(c)に示すような正方形形状にすることもできる。
そして、各本体部61bを仮止めテープ62で仮止めした状態のもとで、各本体部61bに熱収縮チューブ16を被せて、当該熱収縮チューブ16を収縮させる。これにより、グランド用導体61を、外部導体13の周囲の所定位置に位置決めして固定することができる。ただし、仮止めテープ62の素材としては、外部導体13とグランド用導体61との電気的な接続をより確実なものにすべく、金属製とするのが好ましい。ここで、仮止めテープ62を金属製とすることで、当該仮止めテープ62は、第3実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル40における導体シート41(図9参照)と同様の機能を有することになる。
また、グランド用導体61は、例えば、図11(b)に示すような形状(変形例)にしても良い。つまり、図11(b)に示すグランド用導体61は、本体部61bとグランドパッド接続部61cとの間が段差形状となっており、隣接するシグナルパッド接続部11aとグランドパッド接続部61cとの間の距離が広くなっている。これにより、回路基板20のシグナルパッド22とグランドパッド23(図1参照)との間が広いものにも対応することができる。
以上のように形成した第5実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第5実施の形態においては、グランド用導体61の形状を棒状に簡素化することができるので、差動信号伝送用ケーブル60の端部を小型軽量化しつつ、製造コストをより削減することができる。
次に、本発明の第6実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12は本発明の第6実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブルを示す斜視図を表している。
図12に示すように、第6実施の形態に係る差動信号伝送用ケーブル70は、第1実施の形態に比して、グランド用導体71の構造が異なっている。具体的には、グランド用導体71は、銅等の金属材料よりなる金属テープ71aによって形成されている。そして、金属テープ71aの外部導体13に巻き付けられた部分が本体部71bとなり、金属テープ71aの各信号線導体11の長手方向に引き出された部分、つまり、各シグナルパッド接続部11a側に引き出された部分がグランドパッド接続部71cとなっている。ここで、各グランドパッド接続部71cにおいても、各シグナルパッド接続部11aを挟んで鏡像対称となるよう設けられている。なお、各グランドパッド接続部71cの引き出し量は、各シグナルパッド接続部11aの長さ寸法に合わせるようにする。
そして、金属テープ71aを外部導体13に巻装し、各グランドパッド接続部71cを引き出した状態(図示の状態)のもとで、本体部71bに熱収縮チューブ16を被せて、当該熱収縮チューブ16を収縮させる。これにより、グランド用導体71を、外部導体13の周囲の所定位置に位置決めして固定することができる。
以上のように形成した第6実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第6実施の形態においては、グランド用導体71を金属テープとして薄肉化することができるので、差動信号伝送用ケーブル70の端部をより小型軽量化しつつ、製造コストをさらに削減することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記第1〜第5実施の形態においては、各シグナルパッド接続部11aおよび各グランドパッド接続部15b,61cを、各シグナルパッド22および各グランドパッド23にはんだ接続する際に、それぞれ予め段付き形状にフォーミングするようにしたものを示したが、本発明はこれに限らない。例えば、各シグナルパッドおよび各グランドパッドが回路基板の端部に形成されている場合には、フォーミング作業を省略することもできる。これにより、製造工程の簡素化を図ることができ、製造コストを低減することが可能となる。また、各シグナルパッド接続部および各グランドパッド接続部をそれぞれ真っ直ぐの状態にすることができるので、さらに安定した電気的特性を得ることが可能となる。
さらに、上記各実施の形態においては、回路基板20に差動信号伝送用ケーブル10,30,40,50,60,70を電気的に接続して、当該状態のもとで接続作業を終了したものを示したが、本発明はこれに限らない。例えば、回路基板と差動信号伝送用ケーブルとの接続部分を樹脂モールドで被覆するようにしても良い。この場合、金属部分を埃や水分等から保護することができるので、長期に亘って所定の電気的特性を維持することが可能となる。
10 差動信号伝送用ケーブル
11 信号線導体
11a シグナルパッド接続部
12 絶縁体
13 外部導体
13a 非被覆部
15 グランド用導体
15a 本体部
15b グランドパッド接続部
16 熱収縮チューブ
20 回路基板
22 シグナルパッド
23 グランドパッド
41 導体シート(金属箔)
51b 粗面部
71a 金属テープ
CA ケーブルアッシー

Claims (14)

  1. 絶縁体を介して所定間隔で並ぶ一対の信号線導体と、
    前記信号線導体の端部に形成され、回路基板のシグナルパッドに電気的に接続されるシグナルパッド接続部と、
    前記絶縁体の周囲に設けられる外部導体と、
    前記外部導体の周囲に設けられて当該外部導体に電気的に接続される本体部、および前記回路基板のグランドパッドに電気的に接続されるグランドパッド接続部を有するグランド用導体と、
    前記本体部の周囲に設けられ、加熱により収縮して前記本体部を前記外部導体に圧着する熱収縮チューブと、
    を備えることを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  2. 請求項1記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記本体部は板状に形成され、前記外部導体の前記回路基板側とは反対側を被覆することを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  3. 請求項2記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記本体部を、前記外部導体の前記回路基板側にまで延在させたことを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  4. 請求項2または3記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記熱収縮チューブを、前記本体部の前記信号線導体の長手方向に沿う両端部を被覆するよう設けることを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記グランドパッド接続部の基端側を、当該グランドパッド接続部の先端側よりも太く形成することを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記本体部の前記外部導体側および前記熱収縮チューブ側のうちの少なくともいずれか一方に、表面粗さを粗くした粗面部を設けることを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  7. 請求項1記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記グランド用導体は、その長手方向に沿って横断面形状が一様となるように棒状に形成され、長手方向に沿う一側を前記本体部とし、長手方向に沿う他側を前記グランドパッド接続部としたことを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記外部導体の前記本体部によって被覆されない非被覆部に、前記外部導体と前記本体部との双方に電気的に接続される金属箔を設けることを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記シグナルパッド接続部の長手方向に沿う前記絶縁体側および前記グランドパッド接続部の長手方向に沿う前記本体部側を、前記回路基板の前記各パッド面に対して同じ高さ位置に配置することを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記グランドパッド接続部の横断面形状を、多角形形状に形成することを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記グランドパッド接続部の表面に、錫めっき処理を施したことを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  12. 請求項1記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記グランド用導体を金属テープにより形成し、前記外部導体に巻き付けられた部分を前記本体部とし、前記信号線導体の長手方向に引き出された部分を前記グランドパッド接続部としたことを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の差動信号伝送用ケーブルにおいて、前記グランドパッド接続部を、前記各信号線導体を挟んで鏡像対称となるように一対設けることを特徴とする差動信号伝送用ケーブル。
  14. 絶縁体を介して所定間隔で並ぶ一対の信号線導体および前記絶縁体の周囲に設けられる外部導体を備えたケーブルアッシーを準備し、前記外部導体の周囲に設けられて当該外部導体に電気的に接続される本体部および回路基板のグランドパッドに電気的に接続されるグランドパッド接続部を備えたグランド用導体を準備し、加熱により収縮する熱収縮チューブを準備し、シグナルパッドおよび前記グランドパッドが形成された前記回路基板を準備するパーツ準備工程と、
    前記ケーブルアッシーの端部から前記信号線導体を露出させることにより、前記シグナルパッドに電気的に接続されるシグナルパッド接続部を形成する接続部形成工程と、
    前記外部導体の前記シグナルパッド接続部の近傍に前記本体部を位置決めし、当該状態のもとで前記本体部を被覆するよう前記熱収縮チューブを位置決めする位置決め工程と、
    前記熱収縮チューブを加熱して収縮させることで前記本体部を前記外部導体に圧着し、差動信号伝送用ケーブルを完成させるチューブ加熱工程と、
    前記差動信号伝送用ケーブルの前記シグナルパッド接続部および前記グランドパッド接続部を、前記シグナルパッドおよび前記グランドパッドにそれぞれ臨ませてはんだ接続するはんだ接続工程と、
    を備えることを特徴とする差動信号伝送用ケーブルの回路基板への接続方法。
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