JP2014029818A - ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池 - Google Patents

ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった電極活物質の形態変化、溶解、腐食や不動態形成を抑制したうえで、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率といった電池性能を発現する蓄電池を形成するために好適に用いることができる、ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した蓄電池を提供する。
【解決手段】電池に用いられるゲル電解質であって、該ゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有することを特徴とするゲル電解質、又は、電池に用いられる負極合剤であって、該負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むことを特徴とする負極合剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池に関する。より詳しくは、電池の電解質として好適に用いることができるゲル電解質又は電池の負極の形成に好適に用いることができる負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池に関する。
電池は、従来、正極、負極、及び、それら電極間に挟持される電解液という構成を有するものであった。電池は、電解液が液体である場合が多く、特に蓄電池においては、電解液の分解による蓄電池の膨張など、長期的に安全かつ安定に用いるのが困難なことがあるという問題を抱えていた。特に亜鉛含有化合物(水系電解液)や金属リチウム(有機溶剤系電解液)等を負極とする蓄電池は、現在蓄電池として多方面に渡り使用されているニッケル金属水素化物電池(水系電解液)やリチウムイオン電池(有機溶剤系電解液)と電解液を統一して各々比較した場合、作動電圧・エネルギー密度等において、実質これらを凌駕するという特徴を有しているにも拘わらず、長期間充放電を繰り返すと、電極の局所部位で金属の溶解析出反応が起こり、シェイプチェンジやデンドライトといった電極活物質の形態変化が発生、成長すること等のため、蓄電池の容量劣化や短寿命化が起こるという問題も抱えていた。
蓄電池の安全性や安定性の問題を解決する一般的な方法としては、電解液の代わりに、イオン伝導度が高く、安全性・機械的特性にも優れるゲル状の電解質(ゲル電解質)を用いる方法が主なアプローチとして用いられてきた。そのようなアプローチを目的としたゲル状電解質としては例えば、層状構造を有するハイドロタルサイトに水酸化アルカリ水溶液を保持させた全固体アルカリ二次電池用無機ヒドロゲル電解質(例えば、特許文献1参照。)や、ポリビニルアルコールとアニオン性架橋(共)重合体とからなる重合体組成物に、水酸化アルカリを含有させてなるアルカリ電池用高分子ヒドロゲル電解質(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。また、鹸化によりカルボキシル基を生じる疎水性基を有する疎水性モノマーと、疎水性多官能性モノマーとからなる共重合体であって、その共重合体の鹸化物が電解液をゲル化させる性質を有する電解液用高分子ゲル化剤前駆体を鹸化させて得られる電解液用高分子ゲル化剤(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。ゲル状電解質としてはその他にも、アクリル酸塩、水酸化カリウム、水を原料に溶液重合することによって調製されるアルカリポリマーゲル電解質(例えば非特許文献1参照。)や、ハイドロタルサイトに水酸化カリウム水溶液を保持させた無機ヒドロゲル電解質(例えば、非特許文献2参照。)、アルカリ性ポリエチレンオキサイド系固体高分子電解質(例えば、非特許文献3参照。)、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、水酸化カリウム、水から調製される高分子電解質(例えば、非特許文献4参照。)、ポリビニルアルコール、ナノ粒子化された酸化ジルコニウム、水酸化カリウム、水から調製されるアルカリ高分子電解質ナノコンポジット(例えば、非特許文献5参照。)などが開示されている。また、高分子量重合体中に非水電解液を高分子量重合体に対して200重量%以上含有する粘弾性体である固体電解質(例えば、特許文献4参照。)なども開示されている。
一方、シェイプチェンジやデンドライトといった電極活物質の形態変化の抑制を意図したものではないものの、電極を形成するための電極合剤に添加剤(結着剤・バインダー)を加えて活物質(金属)を拘束し、活物質を電極に保持させる方法が知られている。例えば、活物質の粒子群あるいは活物質を主体とする粒子群の細孔に、重合若しくは共重合可能な単量体あるいは低級高分子化合物を含浸した後、その細孔内で単量体あるいは低級高分子化合物を重合若しくは共重合させて電池用電極を得る方法(例えば、特許文献5参照。)が開示されている。その他、電極合剤に加えるポリマーとして、アルカリ蓄電池用の電極ペースト製造工程において用いられる水不溶性吸水性樹脂からなる添加剤(増粘剤)(例えば、特許文献6参照。)が開示されている。また、一定の転移温度で親水性と疎水性が可逆的に変化するビニル重合体系熱可逆性増粘剤、水分散性バインダー樹脂、および元素周期表I〜VII族の金属の塩からなる電気化学素子の電極用結合剤(例えば、特許文献7参照。)や、水相および水相に分散する電極用結着剤からなる水性分散体であって、その結着剤は、ガラス転移温度が−40℃未満である合成樹脂からなるものである水性分散体(例えば、特許文献8参照。)が開示されている。
特開2007−227032号公報 特開2005−322635号公報 特開2003−178797号公報 特開平5−205515号公報 特開昭60−37655号公報 特開平8−222225号公報 特開2003−331848号公報 特開2006−172992号公報
シャオミン・シュ(Xiaoming Zhu)、外3名、「エレクトロキミカ・アクタ(Electrochimica Acta)」、2004年、第49巻、第16号、p.2533−2539 ヒロシ・イノウエ(Hiroshi Inoue)、外4名、「エレクトロケミカル・アンド・ソリッド−ステート・レターズ(Electrochemical and Solid−State Letters)」、2009年、第12巻、第3号、p.A58−A60 J.F.ファウバルク(J.F.Fauvarque)、外4名、「エレクトロキミカ・アクタ(Electrochimica Acta)」、1995年、第40巻、第13−14号、p.2449−2453 チュン−チェン・ヤン(Chun−Chen Yang)、「ジャーナル・オブ・パワー・ソーシーズ(Journal of Power Sources)」、2002年、第109巻、p.22−31 チュン−チェン・ヤン(Chun−Chen Yang)、「マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリング・B(Materials Science and Engineering B)」、2006年、第131巻、p.256−262
蓄電池の問題解決や、その性能向上のために、上述したように、種々のゲル電解質や電極合剤への添加剤が研究されてきた。しかしながら、作動電圧・エネルギー密度等の蓄電池性能の優位性の観点から、電極の負極活物質として、水素吸蔵合金や黒鉛に代わり、亜鉛含有化合物や金属リチウムを用いた蓄電池に要求される性能を満たすためには、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や、それらが一因となる不動態の形成を抑制したうえで、サイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率といった電池性能も優れたものとする必要があり、これらを両立させた蓄電池を実現するための改良の余地があった。上記蓄電池においても、非特許文献1や非特許文献3に報告されている通り、しばしばゲル電解質が使用されてきたが、上記問題を解決するに至っていないのが現状である。非特許文献2、4、5においても、ゲル電解質が電池の電解質として使用できるものか否かの特性をみるに止まっており、上記問題を解決するに至っていない。つまり、これらの非特許文献に開示のゲル電解質は、電極活物質の形態変化を抑制し、サイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率といった電池性能を向上させる目的で使用されたものではなく、また、これらの問題を充分に解決できるものとするために更に工夫の余地があるものであった。
なお、特許文献5〜8に開示の方法においてはいずれも、添加剤であるポリマーはアルカリ蓄電池等のペースト式電極用増粘剤としての位置付けでしかなく、電極活物質の形態変化や不動態形成を抑制し、サイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率といった電池性能を向上させる目的で使用されたものではなく、また、これらの問題を充分に解決できるものとするために更に工夫の余地があるものであった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった電極活物質の形態変化、溶解、腐食や不動態形成を抑制したうえで、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率といった電池性能を発現する蓄電池を形成するために好適に用いることができる、ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した蓄電池を提供することを目的とする。
本発明者は、電池における電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態形成に関する問題について種々検討を行い、ゲル電解質に着目した。そして、従来のゲル電解質は、その電解質としての性能が未だ不十分であることと共に、特に高濃度アルカリ水溶液の場合には徐々に分解が進行し、工業的・産業的な二次電池用途には耐えることができないことを新たに見出した。ここで、ゲル電解質を、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有するものとした場合、そのようなゲル電解質を用いて形成された蓄電池が、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化を効果的に抑制し、かつ、該ゲル電解質は高いイオン伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができると共に、特に高濃度アルカリ水溶液に対する耐性が大幅に向上することを見出した。このように、蓄電池に用いられるゲル電解質を、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有するものとすることによって、上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
また、本発明者は、蓄電池における電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化の問題について、負極合剤にも着目した。そして、負極合剤を、負極活物質及びポリマーを含むものとすることによっても、そのような負極合剤を用いて形成された蓄電池が、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化や不動態形成を効果的に抑制し、かつ、高い電気伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現できることを見出した。このように、蓄電池に用いられる負極合剤を、負極活物質及びポリマーを含むものとすることによっても、上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。本発明は蓄電池(二次電池)のみならず、一次電池、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等の他の電気化学デバイスにも使用可能である。
すなわち本発明は、電池に用いられるゲル電解質であって、上記ゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有することを特徴とするゲル電解質である。
本発明はまた、電池に用いられる負極合剤であって、上記負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むことを特徴とする負極合剤でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の好ましい形態である。
上述のように、本発明は、ゲル電解質に関する発明(第1の本発明とも言う。)、及び、負極合剤に関する発明(第2の本発明とも言う。)であり、第1の本発明、又は、第2の本発明のいずれかを実施することにより本発明の効果を得ることができる。そして当然、第1の本発明と第2の本発明とを組み合わせて実施することも本発明に含まれる。
以降においては、まず第1の本発明について説明し、続いて第2の本発明について説明する。
本発明のゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有する、すなわち、ゲル電解質中に、架橋構造体が含まれており、当該架橋構造体は多価イオン及び/又は無機化合物によって架橋されているものである。多価イオン、無機化合物はそれぞれ、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記多価イオンの元素としては、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、S、Se、Teが好ましい。より好ましくは、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Yb、Ti、Zr、Nb、Nd、Cr、Mo、W、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Sである。
上記多価イオンは、該多価イオンの元素を含む酸化物;複合酸化物;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;硫酸化合物;スルホン酸化合物;リン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩等を、電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入することにより発生するアニオンやカチオンを指す。該多価イオンの元素を含む化合物の一部又は全てが電解液原料、電解液、ゲル電解質等に溶解することにより、上記アニオンやカチオンが発生しても良いし、該多価イオンの元素を含む化合物が不溶の場合には、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、その表面など一部に上記アニオンやカチオンが発生しても良い。上記多価イオンは、上記元素を有する化合物を前駆体として、ゲル電解質内で生成させても良い。本発明のゲル電解質がポリマーを含有する場合には、上記多価イオンは該ポリマー由来のものであってもよい。
後述するように、本発明のゲル電解質がポリマーを含有する場合には、上記多価イオンが主に当該ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有性結合により相互作用し、架橋を形成することによりゲル電解質となる。
また、本発明のゲル電解質がポリマーを含有しない場合にもゲル電解質を構成することは可能である。この場合には、上記多価イオンと後述する無機化合物とを電解液中に共存させるだけで良く、電解液中のイオンと共に多価イオンが無機化合物をより好適に架橋し結びつけることがきるものと推察される。この際、多価イオンに含まれる元素と、無機化合物に含まれる元素とは、同じであっても異なっていても良いが、少なくとも一つ異なる方がより好ましい。
多価イオンと無機化合物との質量割合は、50000/1〜1/100000であることが好ましい。
上記無機化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、Br、Iからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物;複合酸化物;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;粘土化合物;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;硫酸化合物;スルホン酸化合物;ヒドロキシアパタイト等のリン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩等が挙げられる。好ましくは、上記元素の群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物;複合酸化物;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;粘土化合物;ゼオライト;フッ化物;ヒドロキシアパタイト等のリン酸化合物;ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;塩である。
上記ハイドロタルサイトとは、下記式;
[M 1−x (OH)](An−x/n・mH
(M=Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu等;M=Al、Fe、Mn等;A=CO 2−等、mは0以上の正数、nは0.20≦x≦0.40程度)に代表される化合物であり、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMgAl(OH)16CO・mHO等を上記無機化合物として使用しても良い。ハイドロタルサイトを使用するゲル電解質が、ポリマーやオリゴマーを含まない場合には、ハイドロタルサイト以外の多価イオン及び/又は無機化合物を共存させるか、もしくは、n=0.33のハイドロタルサイトを使用することがより好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO(OH)に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用しても良い。
上記無機化合物は、上記元素を有する化合物を前駆体として、ゲル電解質内で生成させても良い。上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、溶解状態、コロイド等の分散状態、不溶状態等のいずれであっても良く、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電するものが好ましく、ゼータ電位の測定等により、粒子の帯電状態を推察することができる。これら無機化合物も、後述するように、本発明のゲル電解質がポリマーを含有する場合には、主に当該ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有性結合により相互作用し、架橋を形成することによりゲル電解質となる。また、本発明のゲル電解質がポリマーを含有しない場合にもゲル電解質を構成することは可能である。この場合には、上記無機化合物を電解液中に存在させるだけで良く、電解液中のイオンと無機化合物とがより好適に架橋し結びつくものと推察される。この際、上記多価イオンが含まれていても良く、多価イオンに含まれる元素と、無機化合物に含まれる元素とは、同じであっても異なっていても良いが、少なくとも一つ異なる方がより好ましい。また、ハイドロタルサイト等の層状化合物を用いる場合には、その層内にポリマーが形成され、結果として架橋された状態となることもある。また、上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、ゲル電解質等に導入した際に、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電しない状態(等電点に相当)で使用しても良く、その場合には、電気的相互作用ではなく、配位結合等を好ましい駆動力としてゲル電解質を形成することになる。
なお、上記無機化合物の具体例には、多価イオンの元素を含む化合物が含まれるが、そのような化合物がイオンを発生させ、多価イオンとして架橋を形成するか、上記のように無機化合物として架橋を形成するかは、使用される電解液原料、電解液、ゲル電解質等に影響されることになるが、いずれの場合にも架橋構造は形成されることになる。
本発明のゲル電解質を作成する際に使用する電解液として、後述する水含有電解液を用いた場合には、上記多価イオンを発生させる化合物や無機化合物は、高いイオン伝導性の発現と充放電中に発生した気体の透過性に寄与すると共に、熱力学的に通常起こり得る、水の分解反応が進行して水素や酸素が発生する副反応や、活物質の形態変化、溶解、腐食を抑制し、充放電特性やクーロン効率を格段に向上する働きも担うことになる。これは、多価イオンや無機化合物の、負極表面との好適な相互作用や、亜鉛含有化合物拡散の抑制が一因と考えられる。
上記ゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物、並びに、電解液のみからなるゲル電解質でも良く、ポリマーやオリゴマーを含むゲル電解質であっても良い。ゲル電解質がオリゴマーやポリマーを含む場合、オリゴマーやポリマーは、多価イオン及び/又は無機化合物によって架橋された構造をとることとなる。これらゲル電解質の使用に起因して、特に電極内及び/又はその表面におけるイオンの拡散を物理的・化学的に効果的に制限できることにより、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食を抑制することができると推察される。また、このようなゲル電解質を使用することで、不動態の形成や、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制する効果も得られることになる。この不動態の形成や自己放電を抑制する効果も、上記のようなゲル電解質の作用によって得られるものと推察される。更に、そのようなゲル電解質を用いて形成された蓄電池は、高い電気伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができるものとなる。したがって、本発明のゲル電解質は、一次電池、二次電池(蓄電池)、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等の電気化学デバイスのいずれにも使用できるものであるが、蓄電池に使用されることが好ましい。
なお、以下において、ポリマーというときには、オリゴマーも含まれる。
上記ゲル電解質がポリマーを含むことは、本発明の好適な実施形態の一つである。ゲル電解質にポリマーを使用する場合、ゲル状であって、共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合等の非共有性結合によりゲル化されるものが好ましい。より好ましくは、ポリマーが有する官能基と多価イオン及び/又は無機化合物によって架橋構造を形成するポリマーであることが好ましい。このようなポリマーはゲル状ではあるが、後述するようにゲル電解質は電解液を含むものである。従来、その電解液に起因する酸性条件下又は塩基性条件下、及び/又は、電気的負荷がかかる条件下において当該ポリマーの架橋部位は分解を受けてしまう場合が多く、結果、電解液に溶解してゲル電解質の劣化が徐々に進行してしまう。ところが、多価イオン及び/又は無機化合物が存在することで、ポリマーの官能基が多価イオン及び/又は無機化合物による架橋点となり、上記劣化を抑制するだけではなく、ポリマーが多価イオン及び/又は無機化合物によって架橋された構造となり、好適な電池特性を発現するゲル状化合物が形成されることになる。これにより、ゲル電解質の劣化を充分に抑制することができ、結果、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食、不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電の効果的な抑制を持続的に行うことが可能となり、高い電池性能を更に長時間維持することが可能となる。
上記ゲル電解質に使用されるポリマーとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリアルカン部位含有ポリマー;ポリヘキセン、ポリオクテンに代表される不飽和結合含有ポリマー;ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール、フェノール樹脂やポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド結合含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;ポリアクリロニトリル等のニトリル基含有ポリマー;ポリエステル等に代表されるエステル基含有ポリマー;エポキシ樹脂等に代表されるエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;ポリ(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸ナトリウム)・ポリ(メタリルスルホン酸ナトリウム)・ポリ(2−スルホエチルメタクリル酸ナトリウム)・ポリ(イソプレンスルホン酸ナトリウム)・ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム)・ポリビニルスルホン酸ナトリウム等に代表されるスルホン酸塩部位含有ポリマー;ARB(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH等のアニオンを表す。R、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、芳香環基を表す。R、R、Rは、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースに代表される糖類;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等に代表されるケトン基部位含有ポリマー;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;チオカルボン酸(塩)基含有ポリマー;イソシアン酸部位含有ポリマー;チオイソシアン酸部位含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;チオカルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;チオカルバミド基部位含有ポリマー;イミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;オキセタン基部位含有ポリマー;スルフィド基部位含有ポリマー;スルホン基部位含有ポリマー;スルホンイミド基部位含有ポリマー;液晶;液晶部位含有ポリマー;ポリペプチド部位含有ポリマー;ポリメチレンラクトン部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマーなどが挙げられる。ポリマーはその構成単位に該当するモノマーより、ラジカル重合、ラジカル(交互)共重合、アニオン重合、アニオン(交互)共重合、カチオン重合、カチオン(交互)共重合、グラフト重合、グラフト(交互)共重合、リビング重合、リビング(交互)共重合、分散重合、乳化重合、懸濁重合、開環重合、環化重合、光、紫外線や電子線照射による重合等により得ることができる。これらポリマーは、芳香族基、エーテル基、ケトン基、水酸基、アミド基、イミド基、カルボキシル基、ハロゲン基、ニトリル基、エステル基、エポキシ基、カルボン酸塩部位、スルホン酸塩部位、アンモニウム塩部位、ホスホニウム塩部位等の官能基を、主鎖及び/又は側鎖に有していても良く、架橋剤との結合部位として存在しても良い。
これらの中でも、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等に代表されるイミド結合含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;ポリ(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸ナトリウム)・ポリ(メタリルスルホン酸ナトリウム)・ポリ(2−スルホエチルメタクリル酸ナトリウム)・ポリ(イソプレンスルホン酸ナトリウム)・ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム)・ポリビニルスルホン酸ナトリウム等に代表されるスルホン酸塩部位含有ポリマー;ARB(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH等のアニオンを表す。R、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、芳香環基を表す。R、R、Rは、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースに代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマーが好ましい。これらポリマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。上記ポリマーは、上記多価イオン及び/又は無機化合物以外の有機架橋剤化合物により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、チオカルバメート結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されていてもよい。
上記ポリマーは、重量平均分子量が、200〜7000000であることが好ましい。ポリマーの重量平均分子量がこのような範囲であることによって、ゲル電解質を充分形成することができる。重量平均分子量としてより好ましくは、400〜6500000であり、更に好ましくは、500〜5000000である。上記ポリマーの分子量の選択や、分子量や種類の異なる複数のポリマーの使用等により、生成するゲル電解質の強度をコントロールすることができ、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態形成を抑制し、また、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、高いイオン伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を最も良好に発現することができる。また、正極や負極における副反応により発生する水素や酸素も良好に対極まで輸送し、これらを消滅させることも可能である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)やUV検出器によって、実施例に記載の条件等により測定することができる。
上記ゲル電解質におけるポリマーと、多価イオン及び/又は無機化合物との配合割合としては、ポリマーと、多価イオン及び無機化合物の少なくともいずれか一方に該当するものとの質量割合が、5000000/1〜1/100000であることが好ましい。このような配合割合であると、ゲル電解質の劣化を抑制すると共に、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や、不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電の効果的な抑制を充分持続的に行うことが可能であり、高い電池性能をより長時間維持することが可能となる。より好ましくは、2000000/1〜1/10000であり、更に好ましくは、1000000/1〜1/1000である。
上記ゲル電解質の作製に使用する無機化合物、電解液、並びに、ポリマーは、脱酸素処理を行ったものを用いることが好ましい。また、多価イオン及び/又は無機化合物、電解液、並びに、ポリマーの混合は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。脱酸素処理を行った原料を用い、不活性雰囲気下で混合を行うと、得られるゲル電解質が良好な電気特性を有するものとなる。より好ましくは、限りなくゲル電解質の溶存酸素量を0mg/Lに近づけることである。溶存酸素濃度を低減することにより、亜鉛極活物質の電解液への溶解を低減させることが可能となり、亜鉛極活物質の形状変化、溶解、腐食反応を抑制し、電極の寿命が向上することになる。また、強アルカリ性水溶液含有電解液の場合には、二酸化炭素が混入すると炭酸塩が多量に生成し、電導度が低下して蓄電池性能に悪影響を及ぼすことがあるため、上記操作により溶存二酸化炭素も同時に除去することが好ましい。
本発明のゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有するものであって、そのようなゲル電解質を用いた蓄電池は、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、高いイオン伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができるものである。この理由については、上述したとおりである。またこのゲル電解質は、一次電池にも好適に用いることができ、電極活物質の形態変化を抑制、高いイオン伝導性を保持したまま、高いレート特性を発現することができる。
このように、正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、上記電解質が、本発明のゲル電解質を必須として形成されたものである電池もまた、本発明の1つである。第1の本発明である本発明のゲル電解質を電解質の必須の構成として有するこの本発明の電池を本発明の第1の電池とも言う。本発明の第1の電池は、これらの必須成分をそれぞれ1種含むものであってもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
上記のとおり、本発明のゲル電解質は蓄電池の種々の特性を高めることができるものであることから、本発明の電池(本発明の第1の電池)が蓄電池であることは本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の第1の電池において電解質は、全てが本発明のゲル電解質であってもよいし、一部に本発明のゲル電解質を含むものであってもよい。上記電解質が全て本発明のゲル電解質である電池は、電解質が電解液によって膨潤しゲル電解質となったものを含み、これが正極と負極とに挟持されている構造を有することとなる。このように、電池が、正極及び負極に挟持された全部の電解質に本発明のゲル電解質が用いられたものである形態もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、上記電解質の一部が本発明のゲル電解質である電池は、電解質が本発明のゲル電解質と、当該ゲル電解質以外の他の(ゲル)電解質や電解液とによって構成されているものである。例えば、亜鉛含有化合物を負極とし、後述する水含有電解液を使用した一次電池や二次電池に対して上記ゲル電解質を使用する場合には、電解質が本発明のゲル電解質と、多価カチオン及び/又は無機化合物を含まないゲル電解質や水含有電解液等とから構成されている形態となる。更には、本発明のゲル電解質が電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制することが可能となることから、負極に接する電解質が本発明のゲル電解質を必須として形成されることが好ましい。このように、電池が、正極及び負極に挟持された一部の電解質に本発明のゲル電解質が用いられ、負極に接する電解質が本発明のゲル電解質を必須として形成されたものである形態もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。この場合、負極に接する電解質の少なくとも一部が本発明のゲル電解質を必須として形成されたものであればよいが、負極に接する電解質の全てが本発明のゲル電解質を必須として形成されたものであることが好ましい。該ゲル電解質は、予め重合したり、ポリマーと電解液とを混練する等の操作により作成したものを電池に使用しても良いし、モノマーを始めとするゲル電解質の原料を電池内に入れた後、電池内で重合してこれを作成しても良い。また、電極表面上に厚さ1nm以上、5mm以下の厚みで、予め作成されたゲル電解質を塗布したり、ゲル電解質の原料を塗布した後、重合させることで電極表面上に電解質の塗膜を形成してもよい。電極とその対極との間は、電極に接するゲル電解質と同じであっても良いし、異なるゲル電解質や、液体の電解液を使用しても良い。ゲル電解質の性質や性状を、正負極間の位置で最適なものとすることにより、電池の性能や安定性、寿命を更に高めることができる。
上記電解質が本発明のゲル電解質と、当該ゲル電解質以外の他の(ゲル)電解質や電解液とによって構成されているものである場合、電解質部位の全量100質量%に対する本発明のゲル電解質の割合は、0.001〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.01〜100質量%である。特に電解質が本発明のゲル電解質と水含有電解液とから構成されている場合、電解質の全量100質量%に対する本発明のゲル電解質の割合は、0.01〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.02〜100質量%である。
上記正極活物質としては、一次電池や二次電池の正極活物質として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、酸素(酸素が正極活物質となる場合、正極は、酸素の還元や水の酸化が可能なペロブスカイト型化合物、コバルト含有化合物、鉄含有化合物、銅含有化合物、マンガン含有化合物、バナジウム含有化合物、ニッケル含有化合物、イリジウム含有化合物、白金含有化合物等より構成される空気極となる)、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等のニッケル含有化合物、二酸化マンガン等のマンガン含有化合物、酸化銀、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどが挙げられる。これらの中でも、亜鉛負極合剤を使用した電池であり、正極活物質がニッケル化合物であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。また、空気電池や燃料電池等、正極活物質が酸素であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。すなわち、本発明の電池の、正極が空気極であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、本発明の亜鉛負極合剤を使用した電池の形態としては、一次電池、充放電が可能な二次電池、メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用、本発明の亜鉛負極と上述したような正極活物質より構成される正極とは別の第3極(例えば、充放電中に発生する酸素を除去する極)の利用等、いずれの形態であっても良い。
上記負極としては、電池の負極として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、リチウム含有化合物、亜鉛含有化合物などが挙げられる。これらの中でも、負極がリチウム、亜鉛を含むものであった場合に、特に電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態の形成が顕著であるため、これを効果的に抑制することができる本発明の効果がより顕著に発揮されることとなる。このことから、本発明の第1の電池において負極がリチウム及び/又は亜鉛を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。なお、本発明のゲル電解質は、負極に黒鉛を使用するリチウムイオン電池、正極に空気極を使用する空気電池や燃料電池等の電解質等にも使用することができると共に、セパレーターやイオン交換膜としても使用することが可能である。
上記ゲル電解質を作成する際に使用する電解液や上記電解液としては、電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、有機溶剤系電解液に使用する有機溶剤としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類が好ましく、また水含有電解液としては、系中でイオン伝導を担う水酸化物イオンを発生させる化合物(電解質)を含む電解液が好ましく、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等が挙げられる。特にイオン伝導性の観点からは水酸化カリウム水溶液が好ましい。上記水含有電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。
なお、水含有電解液とは、水のみを電解液原料として使用する電解液(水系電解液)や、水に有機溶剤を加えた液を電解液原料として使用する電解液を指す。有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.99質量%、より好ましくは20〜99.99質量%である。
電解質は特に制限されないが、水含有電解液を使用する場合には、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の、系中でイオン伝導を担う水酸化物イオンを発生させる化合物が好ましく、有機溶剤系電解液を使用する場合には、LiPF、LiBF、LiB(CN)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI)等が好ましい。
上記電解液の濃度は、電解質、例えば水酸化カリウム、の濃度が0.01〜50mol/Lであることが好ましい。このような濃度の電解液を用いることにより、良好な電池性能を発揮することができる。また、より好ましくは、1〜20mol/Lであり、更に好ましくは、3〜18mol/Lである。
亜鉛含有化合物を負極とする水含有電解液を使用した一次電池や二次電池に対して上記ゲル電解質を使用する場合には、ゲル電解質の原料となる電解液へ、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、アルミン酸亜鉛、亜鉛金属、テトラヒドロキシ亜鉛イオンから選ばれる亜鉛化合物を少なくとも1種添加することが好ましい。これにより、充放電時の亜鉛極活物質の溶解に伴うシェイプチェンジやデンドライトといった電極活物質の形態変化の発生、成長や不動態の形成、及び、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を更に抑制することができる。この場合には、使用する多価イオンや無機化合物は亜鉛以外の元素を使用することになる。ゲル電解質中の上記亜鉛化合物は、0.0001mol/L〜飽和濃度であることが好ましい。
また、水含有電解液を使用する場合には、使用する水系電解液のみの溶存酸素濃度値(mg/L)(25℃時)は、
α=−0.26375×β+8.11
(βは使用する水系電解液中の水酸化物イオン濃度<mol/L>を表す。)
の式で計算されるα値以下であることが好ましい。より好ましくは、限りなく溶存酸素量を0mg/Lに近づけることである。溶存酸素濃度を低減することにより、亜鉛極活物質の電解液への溶解を低減させることが可能となり、亜鉛極活物質の形状の変化、溶解、腐食、不動態化を抑制し、電極の寿命が向上することになる。溶存酸素濃度を所定量以下とするためには、電解液又は電解液に使用する溶媒の脱気や、窒素やアルゴン等の不活性ガスのバブリング等の操作により達成できる。また、強アルカリ性水溶液含有電解液の場合には、二酸化炭素が混入すると炭酸塩が多量に生成し、電導度が低下して蓄電池性能に悪影響を及ぼすことがあるため、上記操作により溶存二酸化炭素も同時に除去することが好ましい。なお、上記溶存酸素濃度値の式は、溶存酸素と亜鉛金属の腐食状態から導いた式である。また、上記式での8.11は純水中(25℃)における酸素の飽和溶解度である。更に、4M、8MKOH水溶液において、任意の値の酸素量(25℃)が溶解した(任意の溶存酸素量の)4M、8MKOH水溶液を作成し、その液に亜鉛金属を浸漬させた際の腐食の有無をSEMで観察することにより、上記式を導いている。溶存酸素量をα値以下とすることにより、Zn+1/2O+HO→Zn(OH)の式で表される反応が抑制されるために、腐食が起こりにくくなるものと考えられる。
上記本発明のゲル電解質以外の他の(ゲル)電解質としては、電池の電解質として用いることができるものであれば特に制限されないが、例えば、電解液等の液体の非存在下においてもリチウム等のカチオンや水酸化物イオン等のアニオンを伝導することが可能な固体電解質や、上記多価イオン及び/又は無機化合物を含まず、それ以外の化合物(架橋剤)により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、尿素結合、チオ尿素結合、カルバメート結合、カルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されたゲル電解質が挙げられる。
本発明の第1の電池では、ゲル電解質がセパレーターの役目も果たす場合もあるが、これとは別に、更にセパレーターを使用することもできる。セパレーターとは、正極と負極を隔離し、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材である。また、亜鉛負極を使用した電池の場合には、亜鉛極活物質の変質やデンドライトの形成を抑制する働きや、正負極を湿潤させる働き、液枯れを回避する働きもすることになる。ゲル電解質やセパレーターは、細孔、微細孔やガス拡散層を有していても良い。
セパレーターとしては、特に制限はないが、不織布、濾紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、セロファン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ビニロン、ナイロン、ポリ(メタ)アクリル酸等のマイクロポアを有する高分子量体やそれら共重合体、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド化合物、イオン交換膜性重合体やそれら共重合体、環化重合体やそれら共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、スルホン酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級アンモニウム塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級ホスホニウム塩ポリマーやそれら共重合体、セラミックス等の無機物等が挙げられる。
またセパレーター内に、上記多価カチオン及び/又は無機化合物や、界面活性剤、電解液等を含んでいても良い。セパレーターは、1種又は2種以上のセパレーターを使用しても良く、抵抗が上昇し電池性能が低下しなければ、任意の枚数を使用することができる。
次に第2の本発明について説明する。本発明の負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むものであり、負極活物質に加えて、ポリマーを含むものである。負極合剤をこのような構成とすることにより、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態の形成、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を効果的に抑制することができる。これは、負極合剤を負極活物質に加えて、ポリマーを含むものとすると、負極活物質の粒子表面の全面に又は一部にポリマーによる膜が形成され、電極内及び/又はその表面におけるイオンや水等の拡散を物理的・化学的に効果的に制限できることにより、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態の形成、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電が効果的に抑制されるものと考えられる。更に、本発明の負極合剤を用いて形成された蓄電池は、高い電気伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができる。これは負極の活物質形態変化抑制に加えて、親疎水性のバランス向上、イオン伝導性向上、電子伝導性向上といった効果も同時に発現するためと推測される。本発明の負極合剤は、負極活物質、ポリマーを含む限り、導電助剤等、その他の成分を含んでいてもよい。また、これらの成分はそれぞれ、1種を含んでいてもよいし2種以上を含んでいてもよい。なお、本発明の負極合剤が、負極活物質、ポリマー以外のその他の成分を含む場合、本発明の負極合剤に含まれる負極活物質及びポリマーの合計量は、負極合剤の全量100質量%に対して、20〜99.99質量%であることが好ましい。より好ましくは、30〜99.9質量%である。
このように本発明の負極合剤を用いて形成された電極を用いることで、優れた特性を発揮する電池とすることができる。このような本発明の負極合剤を用いて形成されてなる電極もまた、本発明の1つである。本発明の電極は、負極として用いられることが好ましく、本発明の負極合剤を用いて形成された負極を本発明の負極ともいう。
第2の本発明の負極合剤は、負極活物質として亜鉛含有化合物を含むことが好ましい。
亜鉛含有化合物は、負極活物質として用いることができるものである限り、特に制限されないが、例えば、亜鉛金属、酸化亜鉛(1種/2種/3種)、導電性酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、テトラヒドロキシ亜鉛イオン塩、亜鉛ハロゲン化物、酢酸亜鉛や酒石酸亜鉛をはじめとする亜鉛カルボキシラート化合物、亜鉛酸マグネシウム、亜鉛酸カルシウム、亜鉛酸バリウム、亜鉛合金、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、硫酸塩、アルカリ乾電池や空気亜鉛電池に使用される亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、亜鉛金属、酸化亜鉛(1種/2種/3種)、導電性酸化亜鉛、水酸化亜鉛、テトラヒドロキシ亜鉛イオン塩、亜鉛ハロゲン化物、亜鉛合金が好ましく、より好ましくは、亜鉛金属、酸化亜鉛(1種/2種)、導電性酸化亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛合金、アルカリ乾電池や空気電池に使用される亜鉛であり、更に好ましくは、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛合金、アルカリ乾電池や空気電池に使用される亜鉛であり、最も好ましくは酸化亜鉛、水酸化亜鉛である。上記亜鉛含有化合物は、1種でも2種以上でも使用することができる。
酸化亜鉛を使用する場合には、該酸化亜鉛に含まれるPb量は0.03質量%以下、Cd量は0.01質量%以下であることが好ましい。PbやCdは、亜鉛極における電解液(水)の分解(水素発生)を抑制する元素として知られているが、昨今の環境問題に対する懸念から、極力低下させることが好ましい。より好ましくは、亜鉛極に使用する酸化亜鉛が、JIS規格を満たしていることである。また、Hgは含まない方が良い。
上記亜鉛含有化合物の平均粒子径としては、好ましくは500μm〜1nm、より好ましくは100μm〜5nm、更に好ましくは20μm〜10nmであり、特に好ましくは、10μm〜100nmである。
上記亜鉛化合物として酸化亜鉛を使用する場合には、酸化亜鉛をイオン交換水に加えて5分間超音波照射分散した後に粒度分布測定装置で測定した場合、平均粒子径は、100μm〜100nmであることが好ましく、より好ましくは、50μm〜200nmであり、更に好ましくは、10μm〜300nmであり、モード径は、20μm〜50nmであることが好ましく、より好ましくは、10μm〜70nmであり、更に好ましくは、5μm〜100nmであり、メジアン径は、10μm〜100nmであることが好ましく、より好ましくは、7μm〜150nmであり、更に好ましくは、5μm〜500nmである。
亜鉛含有化合物の比表面積としては、より好ましくは、0.01m/g以上、60m/g以下であり、更に好ましくは、0.1m/g以上、50m/g以下である。
上記比表面積は、窒素吸着BET法で比表面積測定装置等により測定することができる。
上記亜鉛含有化合物の平均粒子径が500μm〜1nmであることが好ましい理由としては、次のようなことが考えられる。
亜鉛含有化合物を含む電池の負極合剤は、更に導電助剤を含むことが好ましい。電池の負極が亜鉛含有化合物と導電助剤とを含む亜鉛負極合剤から形成される場合、負極として機能する(電流が流れる)ためには、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体が結着していることが好ましいが、充放電を繰り返したり、急速な充放電を行ったりすると、不可避的に亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体の解離や亜鉛含有化合物の不動態化が進行してしまい、電池性能の低下に繋がってしまう場合がある。しかしながら、亜鉛含有化合物として上記のような平均粒子径の粒子を用いると、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体が効率的に接触し、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体が完全に解離してしまう箇所を少なくすることができ、結果、電池性能の低下を抑制することが可能となる。また、上記負極合剤に含まれるポリマーは、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体の効率的な接触を更に強固にすることができる。
上記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布測定装置、粉末X線回折(XRD)等により測定することができる。
粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
なお、本発明において平均粒子径とは、粒子群が径の不均一な多くの粒子から構成される場合に、その粒子群を代表させる粒子径を考えるとき、その粒子径を平均粒子径とする。粒子径は一般的な決められたルールに従って測定した粒子の長さをそのまま粒子径とするが、例えば、(i)顕微鏡観察法の場合には、1個の粒子について長軸径、短軸径、定方向径等二つ以上の長さを測定し、その平均値を粒子径とする。少なくとも100個の粒子に対して測定を行うことが好ましい。(ii)画像解析法、遮光法、コールター法の場合には、粒子の大きさとして直接に測定された量(投影面積、体積)を幾何学公式により、規則的な形状(例:円、球や立方体)の粒子に換算してその粒子径(相当径)とする。(iii)沈降法、レーザー回折散乱法の場合には、特定の粒子形状と特定の物理的な条件を仮定したとき導かれる物理学的法則(例:Mie理論)を用いて測定量を粒子径(有効径)として算出する。(iv)動的光散乱法の場合には、液体中の粒子がブラウン運動により拡散する速度(拡散係数)を計測することで粒子径を算出する。
なお、平均粒子径の分析においては、粒子を有り姿で分析しても良いし、1〜20分間超音波照射分散を行った後に分析しても良く、いずれの場合にも、平均粒子径が上記値となることが好ましい。平均粒子径を粒度分布測定装置で測定する場合には、頻度分布値が最も大きな値となる頻度分布グラフの頂点の粒子径をモード径、積算分布値50%に対応する粒子径をメジアン径という。
第2の本発明の負極合剤において、負極活物質の配合量としては、負極合剤の全量100質量%に対して、50〜99.9質量%であることが好ましい。負極活物質の配合量がこのような範囲であると、負極合剤から形成される負極を、電池の負極として用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、55〜99.5質量%であり、更に好ましくは、60〜99質量%である。
上記負極合剤が含むポリマーとしては、上述したゲル電解質に使用できるポリマーと同様のものの1種又は2種以上を用いることができる。
上記ポリマーの配合量としては、負極合剤中の負極活物質100質量%に対して、0.01〜100質量%であることが好ましい。ポリマーの配合量がこのような範囲であると、負極合剤から形成される負極が、電池の負極として用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、0.01〜60質量%であり、更に好ましくは、0.01〜40質量%である。
上記導電助剤としては、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、金属等を用いることができる。
上記導電性カーボンとしては、黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、グラッシーカーボン、アモルファス炭素、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、カーボンナノフォーム、活性炭、グラフェン、ナノグラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレン、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相法炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、金属によりコートしたカーボン、カーボンコートした金属、ファイバー状カーボン、ホウ素含有カーボン、窒素含有カーボン、多層/単層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、バルカン、アセチレンブラック、酸素含有官能基を導入することにより親水処理したカーボン、SiCコートカーボン等が挙げられる。
上記導電性セラミックスとしては、例えば、酸化亜鉛と共に焼成したBi及び/又はCo及び/又はNb及び/又はY含有化合物等が挙げられる。金属としては、例えば、亜鉛金属等が挙げられる。
上記導電助剤の中でも、黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、グラフェン、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、ファイバー状カーボン、多層/単層カーボンナノチューブ、バルカン、アセチレンブラック、酸素含有官能基を導入することにより親水処理したカーボン、金属亜鉛が好ましい。なお、金属亜鉛はアルカリ乾電池や空気電池のような実電池に使用されるものであってもよく、表面を他元素やカーボン等でコーティングされたものであってもよい。
上記導電助剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。導電性カーボンは、その導電性を最大限に生かすため、低分子量界面活性剤によるコーティング処理は行わないことが好ましい。また、金属亜鉛は活物質としても働くことが可能である。
上記導電助剤として金属亜鉛を用いる場合、金属亜鉛は、負極の調製段階で負極合剤として加えても良いし、充放電を行った際に、亜鉛含有化合物である酸化亜鉛や水酸化亜鉛等から生成する亜鉛金属を導電助剤として使用することもできる。この場合、亜鉛含有化合物は負極活物質かつ導電助剤として機能することになる。
上記導電助剤は、これを用いて蓄電池を作成した際に水含有電解液を使用した場合には、充放電時に水の分解副反応を進行させる場合があり、該副反応を抑制するために、特定の元素を導電助剤に導入してもよい。特定の元素としては、B、Ba、Bi、Br、Ca、Cd、Ce、Cl、F、Ga、Hg、In、La、Mn、N、Nb、Nd、P、Pb、Sc、Sn、Sb、Sr、Ti、Tl、Y、Zr等が挙げられる。導電性カーボンを導電助剤の一つとして使用する場合には、特定の元素としては、B、Bi、Br、Ca、Cd、Ce、Cl、F、In、La、Mn、N、Nb、Nd、P、Pb、Sc、Sn、Tl、Y、Zrが好ましい。
ここで、特定の元素を導電助剤に導入するとは、導電助剤をこれらの元素の構成元素とする化合物とすることを意味する。
導電助剤の比表面積としては、より好ましくは、0.1m/g以上、1500m/g以下であり、更に好ましくは、1m/g以上、1200m/g以下であり、より更に好ましくは、1m/g以上、900m/g以下であり、特に好ましくは、1m/g以上、250m/g以下であり、最も好ましくは、1m/g以上、50m/g以下である。
導電助剤の比表面積を上記値とすることにより、充放電時における活物質の形状変化を抑制することができ、更に、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電も抑制することができる。導電性カーボンの比表面積を上記値とすることにより、充放電時における活物質である亜鉛含有化合物の形状変化を抑制することができ、更に、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電も抑制することができる。充電状態時や充電状態での保存時とは、フルセルやハーフセルにおいて、電池の充放電操作時やその保存時に、負極活物質の一部又は全てが還元された状態にあることを指す。
また、導電助剤の平均粒子径は、500μm〜1nm、より好ましくは200μm〜5nm、更に好ましくは100μm〜10nmである。導電助剤の平均粒子径がこのような値であることが好ましい理由は、上記亜鉛含有化合物として上述した平均粒子径のものが好ましい理由と同様であり、このような平均粒子径のものを用いることで亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体が完全に解離してしまう箇所を少なくすることができ、結果、電池性能の低下を抑制することが可能となる。
導電性カーボンの比表面積、平均粒子径は、上述した亜鉛含有化合物の場合と同様の方法により測定することができる。
上記導電性カーボンを導電助剤として使用する場合であって、該導電性カーボンがエッジ部を有する形状である場合には、該導電性カーボンのエッジ部位でも水の分解副反応が進行するもの等と考えられるため、上記導電性カーボンの比表面積は好ましくは、0.1m/g以上、1500m/g以下であり、より好ましくは、1m/g以上、1200m/g以下であり、更に好ましくは、1m/g以上、900m/g以下であり、特に好ましくは、1m/g以上、250m/g以下であり、最も好ましくは、1m/g以上、50m/g以下である。
上記導電性カーボンのエッジ部位は、黒鉛化処理により少なくすることも可能である。導電性カーボンを導電助剤として使用した負極合剤を有する負極は、高いレートでの充放電条件に耐え得ることが期待され、特に該負極を使用した蓄電池を車載用途として適用した際に、良好な性能を発現することが期待される。また、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制したり、その他、導電性カーボンが有するメソ孔やミクロ孔に亜鉛が析出することにより、負極活物質の形態変化の抑制することも期待される。更に、導電性カーボンのエッジ部位では充放電時に水が分解される可能性があるため、黒鉛化処理によりエッジ部位を少なくすることにより、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率の発現も期待される。
上記導電助剤の配合量としては、負極合剤中の負極活物質100質量%に対して、0.0001〜100質量%であることが好ましい。金属亜鉛を負極合剤調製時に導電助剤として使用する場合には、金属亜鉛は亜鉛含有化合物ではなく、導電助剤として考えて計算する。また、亜鉛含有化合物である酸化亜鉛や水酸化亜鉛等から生成する亜鉛金属を系中で導電助剤として使用することもできるが、その場合には、負極合剤調製時に使用する亜鉛含有化合物は負極活物質として考えて計算する。また、亜鉛含有化合物である酸化亜鉛や水酸化亜鉛等から充放電時に生成する亜鉛金属は、系中で導電助剤としての機能も果たすことになるが、亜鉛負極合剤や亜鉛負極調製時には0価の亜鉛金属ではないため、ここでは導電助剤として考慮しないこととする。すなわち、ここでいう導電助剤の好ましい配合量は、亜鉛負極合剤や亜鉛負極の調製時に配合する導電助剤の好ましい量である。導電助剤の配合量がこのような範囲であると、負極合剤から形成される負極を、電池の負極として用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、0.0005〜60質量%であり、更に好ましくは、0.001〜40質量%である。
上記負極合剤は、更に他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、有機化合物塩等が挙げられる。
ここで、電解液として水含有電解液を用いて構成される電池の場合には、安全性の観点から有機溶剤系の電解液よりも好ましいが、熱力学的には通常、充放電に伴う電気化学反応や、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電等により、水の分解反応が進行して水素が発生する、という副反応が起こり得る。しかしながら、本発明の負極合剤を、他の成分として、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むものとすると、本発明の負極合剤から形成される負極を用い、水含有電解液を用いて電池を構成した場合であっても、充放電時の水の分解による水素の発生を効果的に抑制することが可能となる。また、充電状態での保存時における自己放電の抑制、負極の活物質形態変化抑制、負極に亜鉛化合物を用いた場合のテトラヒドロキシ亜鉛イオン等の亜鉛種との塩形成等による亜鉛種の溶解度抑制、水との親和性向上、アニオン伝導性向上、電子伝導性向上といった効果も同時に発現することが期待され、充放電特性やクーロン効率が格段に向上することになる。
このように、本発明の負極合剤が、更に他の成分を含み、上記他の成分が、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物における元素としては、Ag、Al、Au、B、Ba、Be、Bi、Br、Ca、Cd、Ce、Cl、Co、Cr、Cs、Cu、F、Fe、Ga、Hg、In、K、La、Li、Mg、Mn、N、Na、Nb、Nd、Ni、P、Pb、Rb、S、Sc、Se、Si、Sn、Sr、Sb、Te、Ti、Tl、V、Y、Yb、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの元素が好ましい。より好ましい元素は、Ag、Al、Au、B、Ba、Bi、Br、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cs、Cu、F、Fe、Ga、In、K、La、Mg、Mn、N、Na、Nb、Nd、P、Pb、Sc、Sn、Sb、Ti、Tl、Y、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの元素である。更に好ましい元素は、Al、B、Ba、Bi、Ca、Ce、F、In、La、Mg、N、Nb、Nd、P、Pb、Sn、Ti、Tl、Y、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの元素である。特に好ましい元素は、Al、Bi、Ca、Ce、F、In、La、Nb、P、Pb、Sc、Sn、Ti、Tl、Y、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの元素である。最も好ましい元素は、Al、Ca、Ce、La、Nb、Nd、P、Sc、Y、Zrからなる群より選択される少なくとも1つの元素である。上記元素を含む上記負極合剤を用いて形成された負極は、充放電時における水の分解副反応や亜鉛を含む負極活物質の溶解反応を抑制し、サイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率が向上すると共に、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電も抑制し、保存安定性が格段に向上することになる。
上記周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物としては、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素の酸化物;複合酸化物;層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸塩;炭酸水素塩;硝酸塩;硫酸塩;スルホン酸塩;ケイ酸塩;リン酸塩;亜リン酸塩;次亜リン酸塩;ホウ酸塩;アンモニウム塩;硫化物;オニウム化合物;水素吸蔵化合物等が挙げられる。
具体的には、酸化銀、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、ビスマス含有複合酸化物、酸化カルシウム、カルシウム含有複合酸化物、酸化カドミウム、酸化セリウム、セリウム含有複合酸化物、酸化コバルト、酸化クロム、酸化セシウム、酸化銅、酸化鉄、酸化ガリウム、酸化水銀、酸化インジウム、インジウム含有複合酸化物、酸化カリウム、酸化ランタン、酸化リチウム、酸化マグネシウム、一酸化マンガン、二酸化マンガン、酸化ナトリウム、酸化ニオブ、酸化ネオジウム、酸化鉛、酸化ルビジウム、酸化ケイ素、酸化リン、酸化錫、酸化スカンジウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化テルル、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化スカンジウムで安定化した酸化ジルコニウム、酸化イットリウムで安定化した酸化ジルコニウム、ジルコニウム含有複合酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化セリウム、水酸化セシウム、水酸化インジウム、水酸化カリウム、水酸化ランタン、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化錫、水酸化アンチモン、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、塩化銀、塩化金酸、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化ルビジウム、塩化錫、酢酸銀、酢酸アルミニウム、酢酸リチウム、酢酸バリウム、酢酸ビスマス、酢酸カルシウム、酒石酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、酢酸カドミウム、酢酸セリウム、酢酸コバルト、酢酸クロム、酢酸セシウム、酢酸銅、酢酸鉄、酢酸ガリウム、酢酸水銀、酢酸インジウム、酢酸カリウム、酢酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、酢酸ニオブ、酢酸ネオジウム、酢酸鉛、酢酸ルビジウム、酢酸錫、酢酸ストロンチウム、酢酸アンチモン、酢酸テルル、酢酸亜鉛、炭酸銀、炭酸アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸ビスマス、炭酸カルシウム、炭酸セリウム、炭酸コバルト、炭酸セシウム、炭酸ガリウム、炭酸インジウム、炭酸カリウム、炭酸ランタン、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸鉛、炭酸ルビジウム、炭酸錫、炭酸ストロンチウム、炭酸アンチモン、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸ビスマス、硫酸カルシウム、硫酸セシウム、硫酸セリウム、硫酸ガリウム、硫酸インジウム、硫酸カリウム、硫酸ランタン、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸鉛、硫酸ルビジウム、硫酸錫、硫酸ストロンチウム、硫酸アンチモン、硫酸チタン、硫酸テルル、硫酸バナジウム、硫酸ジルコニウム、リグニンスルホン酸カルシウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硝酸バリウム、硝酸ビスマス、硝酸カルシウム、硝酸セシウム、硝酸セリウム、硝酸ガリウム、硝酸インジウム、硝酸カリウム、硝酸ランタン、硝酸リチウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸鉛、硝酸ルビジウム、硝酸錫、硝酸ストロンチウム、硝酸アンチモン、硝酸チタン、硝酸テルル、硝酸バナジウム、硝酸ジルコニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸バリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、硫化ビスマス、硫化カルシウム、硫化インジウム、硫化セリウム、硫化ジルコニウム、金、銀、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、層状複水酸化物(ハイドロタルサイト等)、粘土化合物、リポライト、ヒドロキシアパタイト、酸化セリウム―酸化ジルコニウム等の固溶体、エトリンガイト、セメントが特に好ましい。
また、上記周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物を、ナノ粒子化等により、上記亜鉛含有化合物、及び/又は、導電助剤と同様に平均粒子径の小さいものとすると、上述した電解液に水含有電解液を使用した場合に起こる副反応を、更に効果的に抑制することができることとなり好ましい。上記周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物は、上記亜鉛負極合剤調製前後、又は、上記亜鉛負極合剤調製時に、上記亜鉛含有化合物、導電助剤、有機化合物及び有機化合物塩の少なくとも1種に、担持、共沈、合金化、固溶化してもよいし、混錬してもよい。ゾル−ゲル法により調製しても良い。このように、上記周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物は、平均粒子径が1000μm以下であるものが好ましく、より好ましくは、200μm以下であり、更に好ましくは、100μm以下であり、特に好ましくは、75μm以下であり、最も好ましくは、20μm以下である。一方、平均粒子径の下限値としては、1nmであることが好ましい。
上記平均粒子径は、上述した亜鉛含有化合物の平均粒子径と同様の方法により測定することができる。
粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物は、比表面積が0.01m/g以上であることが好ましく、より好ましくは、0.1m/g以上であり、更に好ましくは、0.5m/g以上である。一方、比表面積の上限値としては、200m/gであることが好ましい。上記比表面積は、上述した亜鉛含有化合物及び導電助剤の比表面積と同様に測定することができる。
上記有機化合物、有機化合物塩としては、上述したゲル電解質に使用されるポリマーと同様のポリマーや、アナルゲン、ベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、トルエン、ピペロンアルデヒド、リグニン、カーボワックス、カルバゾール、アミノ酸、アミノ酸塩、グルタル酸、グルタル酸塩、ベタイン部位含有化合物、ゼラチン、トリアルキルリン酸、石鹸、石鹸誘導体、ポリアセチレン部位含有ポリマー、ポリメチレンラクトン部位含有ポリマー、低分子量界面活性剤等を使用することができる。
なお、有機化合物、有機化合物塩がポリマーの場合には、ポリマーの構成単位に該当するモノマーより、ラジカル重合、ラジカル(交互)共重合、アニオン重合、アニオン(交互)共重合、カチオン重合、カチオン(交互)共重合、グラフト重合、グラフト(交互)共重合、リビング重合、リビング(交互)共重合、分散重合、乳化重合、懸濁重合、開環重合、環化重合、光、紫外線や電子線照射による重合等により得ることができる。この際、上記亜鉛含有化合物粒子、導電助剤粒子、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物を、ポリマー内、及び/又は、表面上に取り込んで、一つの粒子を形成することも可能である。また、上記ポリマーは、電解液中で加水分解等の反応を起こしても良い。
有機化合物、有機化合物塩は、粒子の分散性を向上させると共に、粒子同士や粒子と集電体とを結着させる結着剤や、増粘剤、及び、亜鉛極の活物質形態変化抑制、亜鉛極の活物質の溶解抑制、親疎水性バランスの向上、アニオン伝導性向上、電子伝導性向上といった効果を発現する材料としての働きが期待され、また、水含有電解液を用いた場合には、熱力学的に通常起こり得る、水の分解反応が進行して水素が発生する充放電時の副反応や、亜鉛極活物質の形態変化及び腐食反応、並びに、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、充放電特性やクーロン効率、及び、電池の保存安定性を格段に向上する働きも担うことになる。この効果の要因の一つは、有機化合物、有機化合物塩が酸化亜鉛上の表面を好適に覆ったり吸着したりすることに由来するものと考えられる。このような効果が有機化合物、有機化合物塩に見られることは、本発明において新たに見出された。
上記有機化合物、有機化合物塩として好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸エステル部位含有ポリマー、ポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリ(N,N−ジアルキルアクリルアミド)部位含有ポリマー、ポリビニルアルコール部位含有ポリマー、ポリエチレンオキシド部位含有ポリマー、ポリプロピレンオキシド部位含有ポリマー、ポリブテンオキシド部位含有ポリマー、エポキシ開環部位含有ポリマー、ポリエチレン部位含有ポリマー、ポリプロピレン部位含有ポリマー、ポリブテン部位含有ポリマー、ポリイソプレノール部位含有ポリマー、ポリメタリルアルコール部位含有ポリマー、ポリアリルアルコール部位含有ポリマー、ポリヘキセン部位含有ポリマー、ポリオクテン部位含有ポリマー、ポリブタジエン部位含有ポリマー、ポリイソプレン部位含有ポリマー、ポリスチレンに代表される芳香環部位含有ポリマー、ポリビニルピロリドン部位含有ポリマー、ポリアセチレン部位含有ポリマー、ポリエーテルケトン部位含有ポリマー、ケトン基部位含有ポリマー、エーテル基部位含有ポリマー、スルフィド基含有ポリマー、スルホン基含有ポリマー、カルバメート基含有ポリマー、チオカルバメート基含有ポリマー、カルバミド基含有ポリマー、チオカルバミド基含有ポリマー、チオカルボン酸(塩)基含有ポリマー、エステル基含有ポリマー、環化重合部位含有ポリマー、ポリビニルアルコール部位含有ポリマー、リグニン、カーボワックス、カルバゾール、アミノ酸、アミノ酸塩、グルタル酸、グルタル酸塩、ベタイン部位含有化合物、ゼラチン、トリアルキルリン酸、石鹸、石鹸誘導体、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチレングリコール、エチレングリコールオリゴマー、イソプレノールやメタリルアルコール等のアルコール類にエチレンオキシドを付加させたポリエチレングリコール鎖含有化合物、ポリプロピレングリコール鎖含有化合物、ポリブテングリコール鎖含有化合物、ポリエチレンイミン部位含有ポリマー、ポリアセチレン部位含有ポリマー、ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリペプチド部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、ポリマレイン酸塩部位含有ポリマー、ポリイタコン酸塩部位含有ポリマー、陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体、スルホン酸部位含有ポリマー、ポリ(2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸ナトリウム)・ポリ(メタリルスルホン酸ナトリウム)・ポリ(2−スルホエチルメタクリル酸ナトリウム)・ポリ(イソプレンスルホン酸ナトリウム)・ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム)・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルスルホン酸ナトリウム等に代表されるスルホン酸塩部位含有ポリマー、第四級アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩部位含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩、第四級ホスホニウム塩部位含有ポリマー、イソシアン酸部位含有ポリマー、イソシアネート基含有ポリマー、チオイソシアネート基含有ポリマー、イミド基部位含有ポリマー、エポキシ基部位含有ポリマー、オキセタン基部位含有ポリマー、水酸基部位含有ポリマー、液晶、液晶部位含有ポリマー、複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー、ポリマーアロイ、ヘテロ原子含有ポリマーである。
上記他の成分の配合量としては、負極合剤中の負極活物質100質量%に対して、0.1〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜80質量%であり、更に好ましくは、1.0〜60質量%である。
本発明の負極合剤は、上記負極活物質、ポリマーとともに、必要に応じて、導電助剤や、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物を混合して調製することができる。混合には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は水と有機溶剤の混合溶剤を加えても良い。混合した後、粒子を所望の粒子径に揃えるために、ふるいにかける等の操作を行っても良い。混合は、固体成分に水や有機溶剤等の液体成分を加えて行う湿式法、又は液体成分を加えずに固体成分のみで行う乾式法のいずれの方法で行っても良い。混合を湿式法で行った場合は、混合した後、乾燥により水や有機溶剤等の液体成分を除去しても良い。混合は、湿式法と乾式法を組み合わせて行うこともできる。例えば、亜鉛含有化合物と、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物とを湿式法で混合した後、乾燥により液体成分を除去して得られる固体の混合物と、導電助剤とを乾式法で混合して、亜鉛負極合剤を調製しても良い。
上記亜鉛負極の調製方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
上述した調製方法により得られた本発明の亜鉛負極合剤(混合物)を、スラリー又はペースト混合物として得る。次に、得られたスラリー又はペースト混合物を、集電体の上に、できる限り膜厚が一定になるように塗工、圧着又は接着する。
上記集電体としては、銅箔、電解銅、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した銅箔、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた銅箔、銅メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した銅メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた銅メッシュ、発泡銅、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した発泡銅、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた発泡銅、銅合金、ニッケル箔、ニッケルメッシュ、耐食性ニッケル、Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加したニッケルメッシュ、Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされたニッケルメッシュ、亜鉛金属、耐食性亜鉛金属、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した亜鉛金属、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた亜鉛金属、亜鉛箔、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した亜鉛箔、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた亜鉛箔、亜鉛メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した亜鉛メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた亜鉛メッシュ、銀、アルカリ電池や空気亜鉛電池に使用される集電体材料等が挙げられる。
上記スラリー又はペースト混合物は、集電体の片面に塗工、圧着又は接着してもよいし、両面に塗工、圧着又は接着してもよい。塗工中、及び/又は、塗工後、0〜250℃で乾燥する。乾燥温度としてより好ましくは、15〜200℃である。乾燥は真空乾燥で行っても良い。乾燥時間は、5分間〜48時間であることが好ましい。塗工と乾燥の工程を繰り返し行ってもよい。また、乾燥後に0.01〜20tの圧力で、ロールプレス機等によりプレスを行うことが好ましい。プレスする圧力としてより好ましくは、0.1〜15tの圧力である。プレス時に、10〜500℃の温度をかけても良い。
このようにして得られた負極(負極合剤電極)は、特に二次電池用負極として使用した場合に、負極内における電流の集中や水の分解を抑制することになり、負極活物質の形態変化、溶解、腐食、不動態化による劣化や、充放電時の水素・酸素の発生、及び、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を最大限に抑制することができる。
負極の膜厚は、電池構成や集電体からの活物質の剥離抑制等の点から1nm〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは、10nm〜100μmであり、更に好ましくは、20nm〜50μmである。
本発明の負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むものであって、そのような負極合剤から形成される負極を用いた蓄電池は、高いイオン電導性や電気伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができるものである。また本発明の負極合剤から形成される負極を用いた一次電池は、高いイオン電導性や電気伝導性を保持したまま、高いレート特性を発現することができるものである。
このように、正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、上記負極が、本発明の負極合剤を必須として形成されたものである電池もまた、本発明の1つである。第2の本発明である本発明の負極合剤から形成される負極を必須の構成として有するこの本発明の電池を本発明の第2の電池とも言う。本発明の第2の電池は、これらの必須成分をそれぞれ1種含むものであってもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
本発明の負極合剤は、一次電池、二次電池(蓄電池)のいずれにも使用することができるものであるが、上記のとおり、本発明の負極合剤は蓄電池の種々の性能を高めることができるものであることから、蓄電池に用いられることが好ましい。すなわち、本発明の第2の電池が蓄電池であることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の第2の電池において、上記ポリマーが、負極活物質や導電助剤等の粒子同士あるいは粒子と集電体とを結着させる結着剤、及び/又は、該粒子を分散させる分散剤、及び/又は、増粘剤として働くこともできる。
本発明の第2の電池における負極は、本発明の負極合剤を必須として形成されたものである。ここで、負極合剤に含まれる負極活物質がリチウム含有化合物、亜鉛含有化合物であった場合、形成される負極はリチウム、亜鉛を含むものとなる。リチウム、亜鉛を含む負極は、通常、特に電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や、不動態の形成、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電が顕著であるが、本発明の負極合剤とするとこれを効果的に抑制することができる。すなわち、形成される負極がリチウム、亜鉛を含むものである場合に、本発明の効果がより顕著に発揮されることとなる。このことから、本発明の第2の電池において負極がリチウム及び/又は亜鉛を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の第2の電池における正極としては、本発明の第1の電池に用いられる正極と同様のものを用いることができる。また、本発明の第2の電池における電解質としては、第1の本発明であるゲル電解質、第1の本発明であるゲル電解質以外の電解液、すなわち、有機溶剤系電解液、水系電解液、水‐有機溶剤系混合電解液のいずれか等を用いることができる。
上述のように、第1の本発明と第2の本発明とを組み合わせて実施することも本発明に含まれ、組み合わせることで更に本発明の効果が顕著に発揮されることになる。すなわち、正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、上記電解質が、本発明のゲル電解質を必須として形成されたものであり、上記負極が、本発明の負極合剤を必須として形成されたものである電池もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の電池の製造工程は、湿式工程でも良いし、乾式工程でも良い。湿式工程は、例えば、正極集電体シートと負極集電体シートを、それぞれ、正極材料のペーストあるいはスラリー、負極材料のペーストあるいはスラリーで被覆し、被覆した電極シートを乾燥・圧縮し、カッティングとクリーニングの後、カッティングした電極シートとセパレーターを層状に重ね、電池アッセンブリを形成する。乾式工程は、例えば、スラリーやペーストの代わりに、電極成分の粉末や顆粒状乾燥混合物を用いる工程で、(1)負極材料を導電性担持体に塗布、(2)乾燥状態で正極材料を導電性担持体に塗布、(3)(1)と(2)のシートの間にセパレーターを配置して層状構造を作り、電池アッセンブリを形成、 (4)(3)の電池アッセンブリを巻きつけ、あるいは、折りたたむ等して三次元構造を形成、等の工程を経るものである。電極は、セパレーターやゲル電解質等で包んだり、それらでコートしても良い。正極や負極は電池を構成する容器を兼ねていても良い。端子を取り付ける工程としては、スポット溶接、超音波溶接、レーザー溶接、はんだ付け、端子と集電体の材料に適したその他任意の導電接合法が選ばれる。電池の製造工程や保存時においては、該電池は充電状態であってもよいし、放電状態であってもよい。
本発明の電池が蓄電池である場合、蓄電池の充放電レートとしては、0.01C以上、100C以下であることが好ましい。より好ましくは、0.05C以上、80C以下であり、更に好ましくは、0.1C以上、60C以下であり、特に好ましくは、0.1C以上、30C以下である。蓄電池は地球上の寒冷地及び熱帯地の両方で使用できることが好ましく、−50℃〜100℃の温度で使用できることが好ましい。例えば、ニッケル亜鉛電池の場合には、亜鉛負極の容量はニッケル正極の容量より大きくても、小さくても、同じであってもよく、過充電・過放電いずれが起こってもよいが、本発明の蓄電池を車載用途に使用する場合には、充電深度及び/又は放電深度を浅く設定することが好ましい。これにより、蓄電池の寿命を延ばすことができると共に、副反応による酸素の発生も大きく抑制することができる。亜鉛極を使用した蓄電池では、系内で発生した酸素は、(i)負極の亜鉛との結合、又は、(ii)正極・負極とは異なる第三極における反応、により消費することが好ましいとされてきたが、充放電条件を選んで酸素発生を根本的に抑制することにより、蓄電池の長寿命化及び密閉化を簡便に達成することができる。ニッケル極は、ニッケルカドミウム電池やニッケル金属水素化物電池に用いられるニッケル極でもよい。ニッケル極に炭素、ランタノイド化合物等を添加することにより酸素発生過電圧を大きくし、酸素発生を極力抑制することも可能である。また、上記ゲル電解質に含まれる、多価イオン及び/又は無機化合物及び/又は電解質が、酸素発生を極力抑制することも可能である。電解液や上記ゲル電解質中に含まれる添加剤が、ニッケル極の性能を向上させることもできる。また、上記ゲル電解質に含まれる多価イオン及び/又は無機化合物及び/又は電解質が、酸素発生を極力抑制したり、上記ゲル電解質は従来のゲル電解質に比較して柔軟な骨格構造を有するため、気体が拡散する速度も速く、発生した酸素を対極や第三極まで速やかに運べることも期待できる。
本発明のゲル電解質は、上述の構成よりなり、そのようなゲル電解質を用いて形成される電池は、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や、不動態の形成、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、かつ、該ゲル電解質は高いイオン電導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができる。このことから、本発明のゲル電解質は、電池性能に優れた電池の電解質を形成するために好適に用いることができるものである。また、本発明の負極合剤は、上述の構成よりなり、そのような負極合剤を用いて形成される電池も、シェイプチェンジやデンドライトといった電極活物質の形態変化や、不動態の形成、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、かつ、該負極合剤は高いイオン電導性・電気伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができる。このことから、本発明の負極合剤は、電池性能に優れた電池の負極を形成するために好適に用いることができるものである。
図1は、実施例3の充放電試験の結果を示したグラフであり、7サイクル目の充電曲線と放電曲線とを示す。 図2は、実施例4の充放電試験の結果を示したグラフであり、20サイクル目の充電曲線と放電曲線とを示す。 図3は、実施例5の充放電試験の結果を示したグラフであり、20サイクル目の充電曲線と放電曲線とを示す。 図4は、実施例6の充放電試験の結果を示したグラフであり、1サイクル目の放電曲線、5サイクル目、30サイクル目、及び、60サイクル目の充電曲線を示す。 図5は、実施例7の充放電試験の結果を示したグラフであり、1サイクル目の放電曲線、5サイクル目、30サイクル目、及び、60サイクル目の充電曲線を示す。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例において、各種測定は、以下の方法により行った。
<重量平均分子量>
以下の装置、及び、測定条件で測定した。
ポンプ:L−7110(日立(株)製)
検出器:UV 214nm(日本ウォーターズ(株)製、モデル481型もしくは(株)日立製作所製L−7400)
検量線:ポリアクリル酸ソーダ標準サンプル(創和科学(株)製)
展開溶媒:リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5gおよびリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2gに純水を加えて全量を5,000gとし、その後0.45ミクロンのメンブランフィルターで濾過した水溶液。
カラム:GF−7MHQ(昭和電工(株)製)もしくはTSK−GEL G3000PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液流量:0.5mL/分
カラム温度:35℃
<平均粒子径>
実施例3〜23の酸化亜鉛の平均粒子径以外の平均粒子径は、日立ハイテクノロジーズ社製のS−3500型走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、代表的な粒子200個について測定し、観測値の平均値を算出した。
<平均粒子径、モード径、メジアン径>
実施例3〜23の酸化亜鉛の平均粒子径、モード径、メジアン径は、HORIBA社製のレーザー解析/散乱式 粒子径分布測定装置 LA−950V2 Wetを用いて測定し、イオン交換水に粒子を散乱させ5分間超音波照射後の測定値を記載した。
<真密度>
島津製作所社製 アキュピックII−1340を用いて測定した。
<比表面積>
マウンテック社製の全自動BET比表面積測定装置を用いて測定した。
<溶存酸素量>
セントラル科学株式会社製の酸素メーター(UC−12−SOL型/使用電極:UC−203型)を用いて測定した。
(実施例1)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)(10mL)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.5g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量650万)(0.8g)を加え3日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)0.36g、酸化錫(平均粒子径:約50μm)0.87gをボトルに入れ、ジルコニアボールを用いて、ボールミルにより12時間粉砕した。得られた固体をふるいにかけ、平均粒子径を25μm以下とした。この固体1.29g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.17g、N−メチルピロリドン1.2gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:11.8mg)とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液を使用し、亜鉛負極面上には、上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲル(厚さ:5mm)をセットし、三極セルを用いて1.52mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。100回充放電を繰り返した後、セルを解体し、亜鉛極を観察したところ、亜鉛極合剤の活物質の形態変化とデンドライトの成長が抑制されている事を目視により確認した。
(比較例1)
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)0.36g、酸化錫(平均粒子径:約50μm)0.87gをボトルに入れ、ジルコニアボールを用いて、ボールミルにより12時間粉砕した。得られた固体をふるいにかけ、平均粒子径を25μm以下とした。この固体1.29g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.17g、N−メチルピロリドン1.2gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:12.0mg)とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて1.53mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。100回充放電を繰り返した後、セルを解体し、亜鉛極を観察したところ、亜鉛極合剤の活物質の形態変化とデンドライトの成長により膨れ上がっていることを目視により確認した。
(実施例2)
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)1.5g、をボトルに入れ、ここにポリスチレンの芳香環に第四級アンモニウム塩(カウンターアニオン:水酸基)を結合させた部位を有するポリマー、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液を加えてボールミルにより12時間粉砕した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cmのワーキング電極とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。初回のクーロン効率は約70%であった。また、60回充放電試験を繰り返した後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化が抑制されていることを確認した。
(比較例2)
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)1.5g、をボトルに入れ、ここに12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液を加えてボールミルにより12時間粉砕した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cmのワーキング電極とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。初回のクーロン効率は約30%であった。また、60回充放電試験を繰り返した後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化が起こっていることを確認した。
(実施例3)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた6mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量4.8mg/L)(10mL)にヒドロキシアパタイトCa10(PO(OH)(1.6g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え3日間撹拌することにより、ヒドロキシアパタイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm、比表面積:約4m/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.1g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.0g、N−メチルピロリドン0.9gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積1.1cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:5.4mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したヒドロキシアパタイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.79mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各3時間20分/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。充放電サイクルは少なくとも20回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。7サイクル目の充電曲線と放電曲線とを図1に示した。
(実施例4)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量3.5mg/L)(10mL)にハイドロタルサイト[Mg0.67Al0.33(OH)](CO 2−0.165・mHO(1.5g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え3日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm、比表面積:約4m/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.1g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.0g、N−メチルピロリドン0.9gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.3mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.1mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。充放電サイクルは少なくとも50回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。20サイクル目の充電曲線と放電曲線とを図2に示した。
(実施例5)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量3.5mg/L)(10g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.5g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え3日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm、比表面積:約4m/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m/g)0.9g、酸化ジルコニウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.1g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.0g、N−メチルピロリドン0.9gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.0mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.98mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)充放電サイクルは少なくとも50回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。20サイクル目の充電曲線と放電曲線とを図3に示した。
(実施例6)
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm、比表面積:約4m/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.0g、50%スチレンブタジエンゴム(SBR)分散水溶液0.080g、アクリル酸ナトリウムとスルホン酸ナトリウム塩含有モノマーとを共重合させたポリマー(アクアリック)を45%含有する水溶液0.033g、水0.43gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで1時間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:8.22mg)となるようにして使用した。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて4.63mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。少なくとも60回の安定的な充放電が可能であることが分かった。1サイクル目の放電曲線、5サイクル目の充電曲線、30サイクル目の充電曲線、及び、60サイクル目の充電曲線を図4に示した。
(実施例7)
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm、比表面積:約4m/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体2.1g、ポリフッ化ビニリデン分散水溶液0.48g、アクリル酸ナトリウムとイソプレノールにエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させたポリマー(HW−1)を45%含有する水溶液0.088g、水0.80gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで1時間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:7.71mg)となるようにして使用した。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて4.04mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。少なくとも60回の安定的な充放電が可能であることが分かった。1サイクル目の放電曲線、5サイクル目の充電曲線、30サイクル目の充電曲線、及び、60サイクル目の充電曲線を図5に示した。
(実施例8)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(8.0g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及びポリビニルピロリドン(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ビニルピロリドンゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.3mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリビニルピロリドンゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.10mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。充放電サイクルは少なくとも50回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。20サイクル目の放電容量は、550mAh/gであった。
(実施例9)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムとイソプレノールにエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させたポリマー(HW−1)を45%含有する水溶液(0.5g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋HW−1ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.8mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋HW−1ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.34mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。6サイクル目の放電容量は、565mAh/gであった。
(実施例10)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.5g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムとマレイン酸ナトリウムを共重合させたポリマーを45%含有する水溶液(2.5g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.1mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.03mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。5サイクル目の放電容量は、533mAh/gであった。
(実施例11)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及び末端にリン酸基を有するアクリル酸ナトリウムポリマーを45%含有する水溶液(2.2g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.74mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.787mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。15サイクル目の放電容量は、496mAh/gであった。
(実施例12)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及びメタクリル酸ナトリウムとメタクリル酸にエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させたポリマーを40%含有する水溶液(0.3g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.67mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.793mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、413mAh/gであった。
(実施例13)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及びメタクリル酸ナトリウムとメタクリル酸にエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させ、且つ、一部をジエポキシ化合物により架橋したポリマーを20%含有する水溶液(0.3g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.94mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.922mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、422mAh/gであった。
(実施例14)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.2g)、水酸化ジルコニウム水和物(0.4g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト/水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.64mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト/水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.26mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、517mAh/gであった。
(実施例15)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(2.3g)に水酸化ジルコニウム水和物(1.6g)ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.32mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製した水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.629mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、424mAh/gであった。
(実施例16)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(9.2g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.2g)、エトリンガイト(0.4g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(0.2g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト/エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.49mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト/エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.709mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、561mAh/gであった。
(実施例17)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(6.1g)にエトリンガイト(1.6g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.03mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したエトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.487mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、495mAh/gであった。
(実施例18)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.67Al0.33(OH)](CO 2−0.165・mHO(1.6g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.56mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.24mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。3サイクル目の放電容量は、513mAh/gであった。
(実施例19)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(5.8g)にエトリンガイト(1.6g)を加え1日間撹拌することにより、エトリンガイト架橋ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.02mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したエトリンガイト架橋ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.484mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、495mAh/gであった。
(実施例20)
アクリル酸(1.1g)に酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(10g)をゆっくり加え、続いてハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(0.5g)を加えて撹拌した。ここに、4%過硫酸アンモニウム水溶液(0.4g)を加え、上記液を実施例4と同様の亜鉛合剤電極に塗布して窒素下で重合させることにより、電極上にハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲル膜を形成した。
また、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムポリマー(重量平均分子量:150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、電極を見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.64mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.778mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、590mAh/gであった。
(実施例21)
N,N’−メチレンビスアクリルアミド(10mg)を溶解したアクリル酸(1.1g)に、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(10g)をゆっくり加え、続いて硝酸カルシウム(65mg)を加えて撹拌した。ここに、4%過硫酸アンモニウム水溶液(0.4g)を加え、上記液を実施例4と同様の亜鉛合剤電極に塗布して窒素下で重合させることにより、電極上にカルシウム及びアミド結合で架橋したアクリル酸塩ゲル膜を形成した。
また、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムポリマー(重量平均分子量:150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、電極を見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.90mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.903mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、505mAh/gであった。
(実施例22)
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(8.1g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.6g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(0.2g)、プロピレンカーボネート(0.2g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.65mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト/エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.784mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。2サイクル目の放電容量は、180mAh/gであった。
(比較例3)
N,N’−メチレンビスアクリルアミド(10mg)を溶解したアクリル酸(1.1g)に、更に酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム(10g)をゆっくり加え、ここに、4%過硫酸アンモニウム水溶液(0.4g)を加えて、窒素下で重合させることにより、アミド結合で架橋したアクリル酸塩ゲル電解質を形成した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.88mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したアミド結合で架橋したアクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.891mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)が、充放電を行うことは全くできなかった。
本発明のゲル電解質、又は、本発明の負極合剤を用いて構成された電池は、これらのゲル電解質や負極合剤を用いることにより、充放電を繰り返してもデンドライトの成長が抑制されることが確認された。
また、本発明のゲル電解質、又は、本発明の負極合剤を用いて構成された電池は、繰り返し充放電を行っても活物質の形態変化や不動態の形成は起こっておらず、繰り返し安定的な充放電が可能であり、サイクル特性、レート特性、クーロン効率に優れたものであることが確認された。
なお、上記実施例においては、ゲル電解質や負極合剤が、特定のポリマー等を用いて形成されているが、本発明のゲル電解質や負極合剤を用いることによって、そのようなゲル電解質や負極合剤を用いて構成される蓄電池が、サイクル特性、レート特性、クーロン効率等の電池性能に優れたものになることは、本発明のゲル電解質や負極合剤を用いた場合には全て同様である。従って、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができると言える。

Claims (10)

  1. 電池に用いられるゲル電解質であって、
    該ゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有することを特徴とするゲル電解質。
  2. 前記ゲル電解質は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のゲル電解質。
  3. 正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、
    該電解質は、請求項1若しくは2に記載のゲル電解質を必須として形成されたものであることを特徴とする電池。
  4. 前記電池は、正極及び負極に挟持された全部の電解質に請求項1又は2に記載のゲル電解質が用いられたものであることを特徴とする請求項3に記載の電池。
  5. 前記電池は、正極及び負極に挟持された一部の電解質に請求項1又は2に記載のゲル電解質が用いられ、負極に接する電解質が該ゲル電解質を必須として形成されたものであることを特徴とする請求項4に記載の電池。
  6. 電池に用いられる負極合剤であって、
    該負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むことを特徴とする負極合剤。
  7. 請求項6に記載の負極合剤を用いて形成されてなることを特徴とする電極。
  8. 正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、
    該負極は、請求項6に記載の負極合剤を必須として形成されたものであることを特徴とする電池。
  9. 正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、
    該電解質は、請求項1若しくは2に記載のゲル電解質を必須として形成されたものであり、
    該負極は、請求項6に記載の負極合剤を必須として形成されたものであることを特徴とする電池。
  10. 前記負極は、リチウム及び/又は亜鉛を含むことを特徴とする請求項3〜5、8及び9のいずれかに記載の電池。
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