JP2014029818A - ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電池に用いられるゲル電解質であって、該ゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有することを特徴とするゲル電解質、又は、電池に用いられる負極合剤であって、該負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むことを特徴とする負極合剤。
【選択図】なし
Description
なお、特許文献5〜8に開示の方法においてはいずれも、添加剤であるポリマーはアルカリ蓄電池等のペースト式電極用増粘剤としての位置付けでしかなく、電極活物質の形態変化や不動態形成を抑制し、サイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率といった電池性能を向上させる目的で使用されたものではなく、また、これらの問題を充分に解決できるものとするために更に工夫の余地があるものであった。
また、本発明者は、蓄電池における電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化の問題について、負極合剤にも着目した。そして、負極合剤を、負極活物質及びポリマーを含むものとすることによっても、そのような負極合剤を用いて形成された蓄電池が、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化や不動態形成を効果的に抑制し、かつ、高い電気伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現できることを見出した。このように、蓄電池に用いられる負極合剤を、負極活物質及びポリマーを含むものとすることによっても、上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。本発明は蓄電池(二次電池)のみならず、一次電池、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等の他の電気化学デバイスにも使用可能である。
本発明はまた、電池に用いられる負極合剤であって、上記負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むことを特徴とする負極合剤でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の好ましい形態である。
上述のように、本発明は、ゲル電解質に関する発明(第1の本発明とも言う。)、及び、負極合剤に関する発明(第2の本発明とも言う。)であり、第1の本発明、又は、第2の本発明のいずれかを実施することにより本発明の効果を得ることができる。そして当然、第1の本発明と第2の本発明とを組み合わせて実施することも本発明に含まれる。
以降においては、まず第1の本発明について説明し、続いて第2の本発明について説明する。
上記多価イオンの元素としては、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、Sb、Bi、S、Se、Teが好ましい。より好ましくは、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Yb、Ti、Zr、Nb、Nd、Cr、Mo、W、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、Sである。
後述するように、本発明のゲル電解質がポリマーを含有する場合には、上記多価イオンが主に当該ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有性結合により相互作用し、架橋を形成することによりゲル電解質となる。
また、本発明のゲル電解質がポリマーを含有しない場合にもゲル電解質を構成することは可能である。この場合には、上記多価イオンと後述する無機化合物とを電解液中に共存させるだけで良く、電解液中のイオンと共に多価イオンが無機化合物をより好適に架橋し結びつけることがきるものと推察される。この際、多価イオンに含まれる元素と、無機化合物に含まれる元素とは、同じであっても異なっていても良いが、少なくとも一つ異なる方がより好ましい。
多価イオンと無機化合物との質量割合は、50000/1〜1/100000であることが好ましい。
[M1 1−xM2 x(OH)2](An−)x/n・mH2O
(M1=Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu等;M2=Al、Fe、Mn等;A=CO3 2−等、mは0以上の正数、nは0.20≦x≦0.40程度)に代表される化合物であり、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMg6Al2(OH)16CO3・mH2O等を上記無機化合物として使用しても良い。ハイドロタルサイトを使用するゲル電解質が、ポリマーやオリゴマーを含まない場合には、ハイドロタルサイト以外の多価イオン及び/又は無機化合物を共存させるか、もしくは、n=0.33のハイドロタルサイトを使用することがより好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO4)6(OH)2に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用しても良い。
なお、上記無機化合物の具体例には、多価イオンの元素を含む化合物が含まれるが、そのような化合物がイオンを発生させ、多価イオンとして架橋を形成するか、上記のように無機化合物として架橋を形成するかは、使用される電解液原料、電解液、ゲル電解質等に影響されることになるが、いずれの場合にも架橋構造は形成されることになる。
なお、以下において、ポリマーというときには、オリゴマーも含まれる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)やUV検出器によって、実施例に記載の条件等により測定することができる。
このように、正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、上記電解質が、本発明のゲル電解質を必須として形成されたものである電池もまた、本発明の1つである。第1の本発明である本発明のゲル電解質を電解質の必須の構成として有するこの本発明の電池を本発明の第1の電池とも言う。本発明の第1の電池は、これらの必須成分をそれぞれ1種含むものであってもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
上記のとおり、本発明のゲル電解質は蓄電池の種々の特性を高めることができるものであることから、本発明の電池(本発明の第1の電池)が蓄電池であることは本発明の好適な実施形態の1つである。
また、本発明の亜鉛負極合剤を使用した電池の形態としては、一次電池、充放電が可能な二次電池、メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用、本発明の亜鉛負極と上述したような正極活物質より構成される正極とは別の第3極(例えば、充放電中に発生する酸素を除去する極)の利用等、いずれの形態であっても良い。
なお、水含有電解液とは、水のみを電解液原料として使用する電解液(水系電解液)や、水に有機溶剤を加えた液を電解液原料として使用する電解液を指す。有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.99質量%、より好ましくは20〜99.99質量%である。
電解質は特に制限されないが、水含有電解液を使用する場合には、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の、系中でイオン伝導を担う水酸化物イオンを発生させる化合物が好ましく、有機溶剤系電解液を使用する場合には、LiPF6、LiBF4、LiB(CN)4、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI)等が好ましい。
α=−0.26375×β+8.11
(βは使用する水系電解液中の水酸化物イオン濃度<mol/L>を表す。)
の式で計算されるα値以下であることが好ましい。より好ましくは、限りなく溶存酸素量を0mg/Lに近づけることである。溶存酸素濃度を低減することにより、亜鉛極活物質の電解液への溶解を低減させることが可能となり、亜鉛極活物質の形状の変化、溶解、腐食、不動態化を抑制し、電極の寿命が向上することになる。溶存酸素濃度を所定量以下とするためには、電解液又は電解液に使用する溶媒の脱気や、窒素やアルゴン等の不活性ガスのバブリング等の操作により達成できる。また、強アルカリ性水溶液含有電解液の場合には、二酸化炭素が混入すると炭酸塩が多量に生成し、電導度が低下して蓄電池性能に悪影響を及ぼすことがあるため、上記操作により溶存二酸化炭素も同時に除去することが好ましい。なお、上記溶存酸素濃度値の式は、溶存酸素と亜鉛金属の腐食状態から導いた式である。また、上記式での8.11は純水中(25℃)における酸素の飽和溶解度である。更に、4M、8MKOH水溶液において、任意の値の酸素量(25℃)が溶解した(任意の溶存酸素量の)4M、8MKOH水溶液を作成し、その液に亜鉛金属を浸漬させた際の腐食の有無をSEMで観察することにより、上記式を導いている。溶存酸素量をα値以下とすることにより、Zn+1/2O2+H2O→Zn(OH)2の式で表される反応が抑制されるために、腐食が起こりにくくなるものと考えられる。
セパレーターとしては、特に制限はないが、不織布、濾紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、セロファン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ビニロン、ナイロン、ポリ(メタ)アクリル酸等のマイクロポアを有する高分子量体やそれら共重合体、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド化合物、イオン交換膜性重合体やそれら共重合体、環化重合体やそれら共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、スルホン酸塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級アンモニウム塩含有ポリマーやそれら共重合体、第四級ホスホニウム塩ポリマーやそれら共重合体、セラミックス等の無機物等が挙げられる。
またセパレーター内に、上記多価カチオン及び/又は無機化合物や、界面活性剤、電解液等を含んでいても良い。セパレーターは、1種又は2種以上のセパレーターを使用しても良く、抵抗が上昇し電池性能が低下しなければ、任意の枚数を使用することができる。
このように本発明の負極合剤を用いて形成された電極を用いることで、優れた特性を発揮する電池とすることができる。このような本発明の負極合剤を用いて形成されてなる電極もまた、本発明の1つである。本発明の電極は、負極として用いられることが好ましく、本発明の負極合剤を用いて形成された負極を本発明の負極ともいう。
亜鉛含有化合物は、負極活物質として用いることができるものである限り、特に制限されないが、例えば、亜鉛金属、酸化亜鉛(1種/2種/3種)、導電性酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、テトラヒドロキシ亜鉛イオン塩、亜鉛ハロゲン化物、酢酸亜鉛や酒石酸亜鉛をはじめとする亜鉛カルボキシラート化合物、亜鉛酸マグネシウム、亜鉛酸カルシウム、亜鉛酸バリウム、亜鉛合金、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、硫酸塩、アルカリ乾電池や空気亜鉛電池に使用される亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、亜鉛金属、酸化亜鉛(1種/2種/3種)、導電性酸化亜鉛、水酸化亜鉛、テトラヒドロキシ亜鉛イオン塩、亜鉛ハロゲン化物、亜鉛合金が好ましく、より好ましくは、亜鉛金属、酸化亜鉛(1種/2種)、導電性酸化亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛合金、アルカリ乾電池や空気電池に使用される亜鉛であり、更に好ましくは、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、亜鉛合金、アルカリ乾電池や空気電池に使用される亜鉛であり、最も好ましくは酸化亜鉛、水酸化亜鉛である。上記亜鉛含有化合物は、1種でも2種以上でも使用することができる。
酸化亜鉛を使用する場合には、該酸化亜鉛に含まれるPb量は0.03質量%以下、Cd量は0.01質量%以下であることが好ましい。PbやCdは、亜鉛極における電解液(水)の分解(水素発生)を抑制する元素として知られているが、昨今の環境問題に対する懸念から、極力低下させることが好ましい。より好ましくは、亜鉛極に使用する酸化亜鉛が、JIS規格を満たしていることである。また、Hgは含まない方が良い。
上記亜鉛化合物として酸化亜鉛を使用する場合には、酸化亜鉛をイオン交換水に加えて5分間超音波照射分散した後に粒度分布測定装置で測定した場合、平均粒子径は、100μm〜100nmであることが好ましく、より好ましくは、50μm〜200nmであり、更に好ましくは、10μm〜300nmであり、モード径は、20μm〜50nmであることが好ましく、より好ましくは、10μm〜70nmであり、更に好ましくは、5μm〜100nmであり、メジアン径は、10μm〜100nmであることが好ましく、より好ましくは、7μm〜150nmであり、更に好ましくは、5μm〜500nmである。
上記比表面積は、窒素吸着BET法で比表面積測定装置等により測定することができる。
亜鉛含有化合物を含む電池の負極合剤は、更に導電助剤を含むことが好ましい。電池の負極が亜鉛含有化合物と導電助剤とを含む亜鉛負極合剤から形成される場合、負極として機能する(電流が流れる)ためには、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体が結着していることが好ましいが、充放電を繰り返したり、急速な充放電を行ったりすると、不可避的に亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体の解離や亜鉛含有化合物の不動態化が進行してしまい、電池性能の低下に繋がってしまう場合がある。しかしながら、亜鉛含有化合物として上記のような平均粒子径の粒子を用いると、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体が効率的に接触し、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体が完全に解離してしまう箇所を少なくすることができ、結果、電池性能の低下を抑制することが可能となる。また、上記負極合剤に含まれるポリマーは、亜鉛含有化合物同士、亜鉛含有化合物と導電助剤、亜鉛含有化合物と導電助剤と集電体の効率的な接触を更に強固にすることができる。
粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
なお、平均粒子径の分析においては、粒子を有り姿で分析しても良いし、1〜20分間超音波照射分散を行った後に分析しても良く、いずれの場合にも、平均粒子径が上記値となることが好ましい。平均粒子径を粒度分布測定装置で測定する場合には、頻度分布値が最も大きな値となる頻度分布グラフの頂点の粒子径をモード径、積算分布値50%に対応する粒子径をメジアン径という。
上記導電性カーボンとしては、黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、グラッシーカーボン、アモルファス炭素、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、カーボンナノフォーム、活性炭、グラフェン、ナノグラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレン、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相法炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、金属によりコートしたカーボン、カーボンコートした金属、ファイバー状カーボン、ホウ素含有カーボン、窒素含有カーボン、多層/単層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、バルカン、アセチレンブラック、酸素含有官能基を導入することにより親水処理したカーボン、SiCコートカーボン等が挙げられる。
上記導電性セラミックスとしては、例えば、酸化亜鉛と共に焼成したBi及び/又はCo及び/又はNb及び/又はY含有化合物等が挙げられる。金属としては、例えば、亜鉛金属等が挙げられる。
上記導電助剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。導電性カーボンは、その導電性を最大限に生かすため、低分子量界面活性剤によるコーティング処理は行わないことが好ましい。また、金属亜鉛は活物質としても働くことが可能である。
ここで、特定の元素を導電助剤に導入するとは、導電助剤をこれらの元素の構成元素とする化合物とすることを意味する。
導電助剤の比表面積を上記値とすることにより、充放電時における活物質の形状変化を抑制することができ、更に、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電も抑制することができる。導電性カーボンの比表面積を上記値とすることにより、充放電時における活物質である亜鉛含有化合物の形状変化を抑制することができ、更に、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電も抑制することができる。充電状態時や充電状態での保存時とは、フルセルやハーフセルにおいて、電池の充放電操作時やその保存時に、負極活物質の一部又は全てが還元された状態にあることを指す。
導電性カーボンの比表面積、平均粒子径は、上述した亜鉛含有化合物の場合と同様の方法により測定することができる。
ここで、電解液として水含有電解液を用いて構成される電池の場合には、安全性の観点から有機溶剤系の電解液よりも好ましいが、熱力学的には通常、充放電に伴う電気化学反応や、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電等により、水の分解反応が進行して水素が発生する、という副反応が起こり得る。しかしながら、本発明の負極合剤を、他の成分として、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むものとすると、本発明の負極合剤から形成される負極を用い、水含有電解液を用いて電池を構成した場合であっても、充放電時の水の分解による水素の発生を効果的に抑制することが可能となる。また、充電状態での保存時における自己放電の抑制、負極の活物質形態変化抑制、負極に亜鉛化合物を用いた場合のテトラヒドロキシ亜鉛イオン等の亜鉛種との塩形成等による亜鉛種の溶解度抑制、水との親和性向上、アニオン伝導性向上、電子伝導性向上といった効果も同時に発現することが期待され、充放電特性やクーロン効率が格段に向上することになる。
このように、本発明の負極合剤が、更に他の成分を含み、上記他の成分が、周期表の第1〜17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
具体的には、酸化銀、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ビスマス、ビスマス含有複合酸化物、酸化カルシウム、カルシウム含有複合酸化物、酸化カドミウム、酸化セリウム、セリウム含有複合酸化物、酸化コバルト、酸化クロム、酸化セシウム、酸化銅、酸化鉄、酸化ガリウム、酸化水銀、酸化インジウム、インジウム含有複合酸化物、酸化カリウム、酸化ランタン、酸化リチウム、酸化マグネシウム、一酸化マンガン、二酸化マンガン、酸化ナトリウム、酸化ニオブ、酸化ネオジウム、酸化鉛、酸化ルビジウム、酸化ケイ素、酸化リン、酸化錫、酸化スカンジウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化テルル、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化スカンジウムで安定化した酸化ジルコニウム、酸化イットリウムで安定化した酸化ジルコニウム、ジルコニウム含有複合酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化セリウム、水酸化セシウム、水酸化インジウム、水酸化カリウム、水酸化ランタン、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化錫、水酸化アンチモン、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、塩化銀、塩化金酸、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化ルビジウム、塩化錫、酢酸銀、酢酸アルミニウム、酢酸リチウム、酢酸バリウム、酢酸ビスマス、酢酸カルシウム、酒石酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、酢酸カドミウム、酢酸セリウム、酢酸コバルト、酢酸クロム、酢酸セシウム、酢酸銅、酢酸鉄、酢酸ガリウム、酢酸水銀、酢酸インジウム、酢酸カリウム、酢酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、酢酸ニオブ、酢酸ネオジウム、酢酸鉛、酢酸ルビジウム、酢酸錫、酢酸ストロンチウム、酢酸アンチモン、酢酸テルル、酢酸亜鉛、炭酸銀、炭酸アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸ビスマス、炭酸カルシウム、炭酸セリウム、炭酸コバルト、炭酸セシウム、炭酸ガリウム、炭酸インジウム、炭酸カリウム、炭酸ランタン、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸鉛、炭酸ルビジウム、炭酸錫、炭酸ストロンチウム、炭酸アンチモン、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸ビスマス、硫酸カルシウム、硫酸セシウム、硫酸セリウム、硫酸ガリウム、硫酸インジウム、硫酸カリウム、硫酸ランタン、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸鉛、硫酸ルビジウム、硫酸錫、硫酸ストロンチウム、硫酸アンチモン、硫酸チタン、硫酸テルル、硫酸バナジウム、硫酸ジルコニウム、リグニンスルホン酸カルシウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硝酸バリウム、硝酸ビスマス、硝酸カルシウム、硝酸セシウム、硝酸セリウム、硝酸ガリウム、硝酸インジウム、硝酸カリウム、硝酸ランタン、硝酸リチウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸鉛、硝酸ルビジウム、硝酸錫、硝酸ストロンチウム、硝酸アンチモン、硝酸チタン、硝酸テルル、硝酸バナジウム、硝酸ジルコニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸バリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、硫化ビスマス、硫化カルシウム、硫化インジウム、硫化セリウム、硫化ジルコニウム、金、銀、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、層状複水酸化物(ハイドロタルサイト等)、粘土化合物、リポライト、ヒドロキシアパタイト、酸化セリウム―酸化ジルコニウム等の固溶体、エトリンガイト、セメントが特に好ましい。
上記平均粒子径は、上述した亜鉛含有化合物の平均粒子径と同様の方法により測定することができる。
粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
有機化合物、有機化合物塩は、粒子の分散性を向上させると共に、粒子同士や粒子と集電体とを結着させる結着剤や、増粘剤、及び、亜鉛極の活物質形態変化抑制、亜鉛極の活物質の溶解抑制、親疎水性バランスの向上、アニオン伝導性向上、電子伝導性向上といった効果を発現する材料としての働きが期待され、また、水含有電解液を用いた場合には、熱力学的に通常起こり得る、水の分解反応が進行して水素が発生する充放電時の副反応や、亜鉛極活物質の形態変化及び腐食反応、並びに、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、充放電特性やクーロン効率、及び、電池の保存安定性を格段に向上する働きも担うことになる。この効果の要因の一つは、有機化合物、有機化合物塩が酸化亜鉛上の表面を好適に覆ったり吸着したりすることに由来するものと考えられる。このような効果が有機化合物、有機化合物塩に見られることは、本発明において新たに見出された。
上述した調製方法により得られた本発明の亜鉛負極合剤(混合物)を、スラリー又はペースト混合物として得る。次に、得られたスラリー又はペースト混合物を、集電体の上に、できる限り膜厚が一定になるように塗工、圧着又は接着する。
上記集電体としては、銅箔、電解銅、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した銅箔、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた銅箔、銅メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した銅メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた銅メッシュ、発泡銅、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した発泡銅、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた発泡銅、銅合金、ニッケル箔、ニッケルメッシュ、耐食性ニッケル、Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加したニッケルメッシュ、Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされたニッケルメッシュ、亜鉛金属、耐食性亜鉛金属、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した亜鉛金属、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた亜鉛金属、亜鉛箔、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した亜鉛箔、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた亜鉛箔、亜鉛メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等を添加した亜鉛メッシュ、Ni・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・炭素等によりメッキされた亜鉛メッシュ、銀、アルカリ電池や空気亜鉛電池に使用される集電体材料等が挙げられる。
負極の膜厚は、電池構成や集電体からの活物質の剥離抑制等の点から1nm〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは、10nm〜100μmであり、更に好ましくは、20nm〜50μmである。
このように、正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、上記負極が、本発明の負極合剤を必須として形成されたものである電池もまた、本発明の1つである。第2の本発明である本発明の負極合剤から形成される負極を必須の構成として有するこの本発明の電池を本発明の第2の電池とも言う。本発明の第2の電池は、これらの必須成分をそれぞれ1種含むものであってもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
本発明の負極合剤は、一次電池、二次電池(蓄電池)のいずれにも使用することができるものであるが、上記のとおり、本発明の負極合剤は蓄電池の種々の性能を高めることができるものであることから、蓄電池に用いられることが好ましい。すなわち、本発明の第2の電池が蓄電池であることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
<重量平均分子量>
以下の装置、及び、測定条件で測定した。
ポンプ:L−7110(日立(株)製)
検出器:UV 214nm(日本ウォーターズ(株)製、モデル481型もしくは(株)日立製作所製L−7400)
検量線:ポリアクリル酸ソーダ標準サンプル(創和科学(株)製)
展開溶媒:リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5gおよびリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2gに純水を加えて全量を5,000gとし、その後0.45ミクロンのメンブランフィルターで濾過した水溶液。
カラム:GF−7MHQ(昭和電工(株)製)もしくはTSK−GEL G3000PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液流量:0.5mL/分
カラム温度:35℃
<平均粒子径>
実施例3〜23の酸化亜鉛の平均粒子径以外の平均粒子径は、日立ハイテクノロジーズ社製のS−3500型走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、代表的な粒子200個について測定し、観測値の平均値を算出した。
<平均粒子径、モード径、メジアン径>
実施例3〜23の酸化亜鉛の平均粒子径、モード径、メジアン径は、HORIBA社製のレーザー解析/散乱式 粒子径分布測定装置 LA−950V2 Wetを用いて測定し、イオン交換水に粒子を散乱させ5分間超音波照射後の測定値を記載した。
<真密度>
島津製作所社製 アキュピックII−1340を用いて測定した。
<比表面積>
マウンテック社製の全自動BET比表面積測定装置を用いて測定した。
<溶存酸素量>
セントラル科学株式会社製の酸素メーター(UC−12−SOL型/使用電極:UC−203型)を用いて測定した。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)(10mL)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.5g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量650万)(0.8g)を加え3日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)0.36g、酸化錫(平均粒子径:約50μm)0.87gをボトルに入れ、ジルコニアボールを用いて、ボールミルにより12時間粉砕した。得られた固体をふるいにかけ、平均粒子径を25μm以下とした。この固体1.29g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.17g、N−メチルピロリドン1.2gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:11.8mg)とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液を使用し、亜鉛負極面上には、上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲル(厚さ:5mm)をセットし、三極セルを用いて1.52mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。100回充放電を繰り返した後、セルを解体し、亜鉛極を観察したところ、亜鉛極合剤の活物質の形態変化とデンドライトの成長が抑制されている事を目視により確認した。
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)0.36g、酸化錫(平均粒子径:約50μm)0.87gをボトルに入れ、ジルコニアボールを用いて、ボールミルにより12時間粉砕した。得られた固体をふるいにかけ、平均粒子径を25μm以下とした。この固体1.29g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.17g、N−メチルピロリドン1.2gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:12.0mg)とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて1.53mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。100回充放電を繰り返した後、セルを解体し、亜鉛極を観察したところ、亜鉛極合剤の活物質の形態変化とデンドライトの成長により膨れ上がっていることを目視により確認した。
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)1.5g、をボトルに入れ、ここにポリスチレンの芳香環に第四級アンモニウム塩(カウンターアニオン:水酸基)を結合させた部位を有するポリマー、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液を加えてボールミルにより12時間粉砕した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cm2のワーキング電極とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。初回のクーロン効率は約70%であった。また、60回充放電試験を繰り返した後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化が抑制されていることを確認した。
酸化亜鉛(平均粒子径:20nm)10.5g、アセチレンブラック(AB)1.5g、をボトルに入れ、ここに12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液を加えてボールミルにより12時間粉砕した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した後、真空(室温)で6時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を1tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μmとした。これを打ち抜き機で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cm2のワーキング電極とした。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。初回のクーロン効率は約30%であった。また、60回充放電試験を繰り返した後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化が起こっていることを確認した。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた6mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量4.8mg/L)(10mL)にヒドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2(1.6g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え3日間撹拌することにより、ヒドロキシアパタイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm3、比表面積:約4m2/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m2/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.1g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.0g、N−メチルピロリドン0.9gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積1.1cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:5.4mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したヒドロキシアパタイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.79mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各3時間20分/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。充放電サイクルは少なくとも20回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。7サイクル目の充電曲線と放電曲線とを図1に示した。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量3.5mg/L)(10mL)にハイドロタルサイト[Mg0.67Al0.33(OH)2](CO3 2−)0.165・mH2O(1.5g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え3日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm3、比表面積:約4m2/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m2/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.1g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.0g、N−メチルピロリドン0.9gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.3mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.1mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。充放電サイクルは少なくとも50回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。20サイクル目の充電曲線と放電曲線とを図2に示した。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量3.5mg/L)(10g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.5g)及びポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え3日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲルを調製した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm3、比表面積:約4m2/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m2/g)0.9g、酸化ジルコニウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.1g、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液2.0g、N−メチルピロリドン0.9gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.0mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.98mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)充放電サイクルは少なくとも50回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。20サイクル目の充電曲線と放電曲線とを図3に示した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm3、比表面積:約4m2/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m2/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体1.0g、50%スチレンブタジエンゴム(SBR)分散水溶液0.080g、アクリル酸ナトリウムとスルホン酸ナトリウム塩含有モノマーとを共重合させたポリマー(アクアリック)を45%含有する水溶液0.033g、水0.43gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで1時間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:8.22mg)となるようにして使用した。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて4.63mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。少なくとも60回の安定的な充放電が可能であることが分かった。1サイクル目の放電曲線、5サイクル目の充電曲線、30サイクル目の充電曲線、及び、60サイクル目の充電曲線を図4に示した。
酸化亜鉛(平均粒子径:約1.1μm、モード径:約820nm、メジアン径:約760nm、真密度:約5.98g/cm3、比表面積:約4m2/g)27.6g、アセチレンブラック(平均粒子径:約50nm、比表面積:約40m2/g)0.90g、酸化セリウム(IV)(和光純薬工業株式会社製)2.4g、エタノール(99.5%、和光純薬工業株式会社製)92.7g、水92.7gをボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体2.1g、ポリフッ化ビニリデン分散水溶液0.48g、アクリル酸ナトリウムとイソプレノールにエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させたポリマー(HW−1)を45%含有する水溶液0.088g、水0.80gをガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで1時間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスし、亜鉛合剤の膜厚を10μm以下とした。これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.48cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:7.71mg)となるようにして使用した。カウンター電極には亜鉛板、リファレンス電極には亜鉛線、電解液には酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液(溶存酸素量5.2mg/L)を使用し、三極セルを用いて4.04mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/−0.1V及び0.4Vでカットオフ)。少なくとも60回の安定的な充放電が可能であることが分かった。1サイクル目の放電曲線、5サイクル目の充電曲線、30サイクル目の充電曲線、及び、60サイクル目の充電曲線を図5に示した。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(8.0g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及びポリビニルピロリドン(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ビニルピロリドンゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.3mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリビニルピロリドンゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.10mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。充放電サイクルは少なくとも50回以上可能であり、充放電試験後の亜鉛極のSEM観察により、その活物質の形態変化や不動態の形成は起こっていないことを確認した。20サイクル目の放電容量は、550mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムとイソプレノールにエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させたポリマー(HW−1)を45%含有する水溶液(0.5g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋HW−1ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.8mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋HW−1ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.34mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。6サイクル目の放電容量は、565mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.5g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムとマレイン酸ナトリウムを共重合させたポリマーを45%含有する水溶液(2.5g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.1mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.03mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。5サイクル目の放電容量は、533mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及び末端にリン酸基を有するアクリル酸ナトリウムポリマーを45%含有する水溶液(2.2g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.74mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.787mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。15サイクル目の放電容量は、496mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及びメタクリル酸ナトリウムとメタクリル酸にエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させたポリマーを40%含有する水溶液(0.3g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.67mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.793mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、413mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及びメタクリル酸ナトリウムとメタクリル酸にエチレンオキシドを付加させた化合物とを共重合させ、且つ、一部をジエポキシ化合物により架橋したポリマーを20%含有する水溶液(0.3g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ポリマーゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.94mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ポリマーゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.922mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、422mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.2g)、水酸化ジルコニウム水和物(0.4g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト/水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.64mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト/水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.26mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、517mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(2.3g)に水酸化ジルコニウム水和物(1.6g)ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.32mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製した水酸化ジルコニウム架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.629mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、424mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(9.2g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.2g)、エトリンガイト(0.4g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(0.2g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト/エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.49mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト/エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.709mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、561mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(6.1g)にエトリンガイト(1.6g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.03mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したエトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.487mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、495mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.67Al0.33(OH)2](CO3 2−)0.165・mH2O(1.6g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:2.56mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて1.24mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。3サイクル目の放電容量は、513mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(5.8g)にエトリンガイト(1.6g)を加え1日間撹拌することにより、エトリンガイト架橋ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.02mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したエトリンガイト架橋ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.484mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、495mAh/gであった。
アクリル酸(1.1g)に酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(10g)をゆっくり加え、続いてハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(0.5g)を加えて撹拌した。ここに、4%過硫酸アンモニウム水溶液(0.4g)を加え、上記液を実施例4と同様の亜鉛合剤電極に塗布して窒素下で重合させることにより、電極上にハイドロタルサイト架橋アクリル酸ゲル膜を形成した。
また、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムポリマー(重量平均分子量:150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、電極を見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.64mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.778mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。20サイクル目の放電容量は、590mAh/gであった。
N,N’−メチレンビスアクリルアミド(10mg)を溶解したアクリル酸(1.1g)に、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(10g)をゆっくり加え、続いて硝酸カルシウム(65mg)を加えて撹拌した。ここに、4%過硫酸アンモニウム水溶液(0.4g)を加え、上記液を実施例4と同様の亜鉛合剤電極に塗布して窒素下で重合させることにより、電極上にカルシウム及びアミド結合で架橋したアクリル酸塩ゲル膜を形成した。
また、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(7.8g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)及びアクリル酸ナトリウムポリマー(重量平均分子量:150万)(1.0g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、電極を見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.90mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.903mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。10サイクル目の放電容量は、505mAh/gであった。
酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(溶存酸素量2.9mg/L)(8.1g)にハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)2](CO3 2−)0.1・mH2O(1.6g)、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(0.2g)、プロピレンカーボネート(0.2g)を加え1日間撹拌することにより、ハイドロタルサイト架橋アクリル酸塩ゲルを調製した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.65mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト/エトリンガイト架橋アクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.784mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)。2サイクル目の放電容量は、180mAh/gであった。
N,N’−メチレンビスアクリルアミド(10mg)を溶解したアクリル酸(1.1g)に、更に酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム(10g)をゆっくり加え、ここに、4%過硫酸アンモニウム水溶液(0.4g)を加えて、窒素下で重合させることにより、アミド結合で架橋したアクリル酸塩ゲル電解質を形成した。
実施例4と同様の亜鉛合剤電極を使用し、見かけ面積0.50cm2のワーキング電極(亜鉛合剤重さ:1.88mg)となるようにして使用した。カウンター電極にはニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の三倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したアミド結合で架橋したアクリル酸塩ゲル(厚さ:1mm)をセットし、コインセルを用いて0.891mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vでカットオフ)が、充放電を行うことは全くできなかった。
また、本発明のゲル電解質、又は、本発明の負極合剤を用いて構成された電池は、繰り返し充放電を行っても活物質の形態変化や不動態の形成は起こっておらず、繰り返し安定的な充放電が可能であり、サイクル特性、レート特性、クーロン効率に優れたものであることが確認された。
なお、上記実施例においては、ゲル電解質や負極合剤が、特定のポリマー等を用いて形成されているが、本発明のゲル電解質や負極合剤を用いることによって、そのようなゲル電解質や負極合剤を用いて構成される蓄電池が、サイクル特性、レート特性、クーロン効率等の電池性能に優れたものになることは、本発明のゲル電解質や負極合剤を用いた場合には全て同様である。従って、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができると言える。
Claims (10)
- 電池に用いられるゲル電解質であって、
該ゲル電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物による架橋構造を有することを特徴とするゲル電解質。 - 前記ゲル電解質は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載のゲル電解質。
- 正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、
該電解質は、請求項1若しくは2に記載のゲル電解質を必須として形成されたものであることを特徴とする電池。 - 前記電池は、正極及び負極に挟持された全部の電解質に請求項1又は2に記載のゲル電解質が用いられたものであることを特徴とする請求項3に記載の電池。
- 前記電池は、正極及び負極に挟持された一部の電解質に請求項1又は2に記載のゲル電解質が用いられ、負極に接する電解質が該ゲル電解質を必須として形成されたものであることを特徴とする請求項4に記載の電池。
- 電池に用いられる負極合剤であって、
該負極合剤は、負極活物質及びポリマーを含むことを特徴とする負極合剤。 - 請求項6に記載の負極合剤を用いて形成されてなることを特徴とする電極。
- 正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、
該負極は、請求項6に記載の負極合剤を必須として形成されたものであることを特徴とする電池。 - 正極、負極、及び、それらに挟持された電解質によって構成される電池であって、
該電解質は、請求項1若しくは2に記載のゲル電解質を必須として形成されたものであり、
該負極は、請求項6に記載の負極合剤を必須として形成されたものであることを特徴とする電池。 - 前記負極は、リチウム及び/又は亜鉛を含むことを特徴とする請求項3〜5、8及び9のいずれかに記載の電池。
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