JP2016186895A - アニオン伝導性膜、電極及び電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電極からのデンドライトの成長による短絡を抑制して電池を長寿命化させる方法を提供する。【解決手段】 ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料を用いて形成されるアニオン伝導性膜であって、該アニオン伝導性膜は、少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸しているアニオン伝導性膜。【選択図】なし
Description
本発明は、アニオン伝導性膜、電極及び電池に関する。より詳しくは、電池のセパレーター等として好適に用いることができるアニオン伝導性膜、並びに、それを用いてなる電極及び電池に関する。
近年、小型携帯機器から自動車等大型用途まで多くの産業において、電池の重要性が急速に高まっており、主にその容量、エネルギー密度や二次電池化の面において優位性を持つ新たな電池系が種々開発・改良されている。
例えば、亜鉛種を負極活物質とする亜鉛負極が、電池の普及とともに古くから研究されてきた。亜鉛負極を用いる電池としては、一次電池、二次電池(蓄電池)、空気電池等が挙げられ、例えば、正極活物質に空気中の酸素を用いる空気・亜鉛電池、正極活物質にニッケル含有化合物を用いるニッケル・亜鉛電池、正極活物質にマンガン含有化合物を用いるマンガン・亜鉛電池や亜鉛イオン電池、正極活物質に酸化銀を使用する銀・亜鉛電池等が研究及び開発され、特に、空気・亜鉛一次電池、マンガン・亜鉛一次電池、銀・亜鉛一次電池は実用化され、広く世界で使用されている。
しかしながら、蓄電池の負極に亜鉛を用いると、充電時に負極表面で形成されるデンドライトによって正極と負極とが短絡し、電池が頓死するという課題があった。
例えば、亜鉛種を負極活物質とする亜鉛負極が、電池の普及とともに古くから研究されてきた。亜鉛負極を用いる電池としては、一次電池、二次電池(蓄電池)、空気電池等が挙げられ、例えば、正極活物質に空気中の酸素を用いる空気・亜鉛電池、正極活物質にニッケル含有化合物を用いるニッケル・亜鉛電池、正極活物質にマンガン含有化合物を用いるマンガン・亜鉛電池や亜鉛イオン電池、正極活物質に酸化銀を使用する銀・亜鉛電池等が研究及び開発され、特に、空気・亜鉛一次電池、マンガン・亜鉛一次電池、銀・亜鉛一次電池は実用化され、広く世界で使用されている。
しかしながら、蓄電池の負極に亜鉛を用いると、充電時に負極表面で形成されるデンドライトによって正極と負極とが短絡し、電池が頓死するという課題があった。
このような課題に対し、多くの技術開発がなされており、例えば、半透膜等を用いて亜鉛がデンドライト状に成長することを抑制する技術が検討されている。例えば、亜鉛陰極の対極面にアルカリ土類金属の水酸化物層を形成し、亜鉛酸イオンを透過させない半透膜で前記水酸化物層の外側を包被した陰極群と、電解液吸収体と陽極とで亜鉛アルカリ2次電池を構成し、かつ電池全体の電解液量を陰極の放電容量1AH当り約2.3〜4.0mlの範囲に規制した亜鉛アルカリ二次電池が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、亜鉛を活物質とする負極の表面に、酸化マグネシウムの多孔質の層を密着せしめた亜鉛アルカリ二次電池が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、正極と、亜鉛及び亜鉛化合物の少なくとも一方を負極活物質として含む負極と、上記負極ないし負極活物質上に形成されたイオン交換樹脂を含む被膜と、アルカリ水溶液を電解液として含む電解質とを有し、上記負極、被膜及び電解質からなる群より選ばれる少なくとも1種のものが、亜鉛の標準電極電位より貴であり且つ亜鉛の融点より低い融点を有する金属、該金属を含む酸化物、該金属を含む塩、及び、該金属を含むイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種のものを含むアルカリ二次電池が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。そして、アルカリ水溶液中で実質的な溶解度を示さず、かつ電池の充放電反応の電位範囲で酸化・還元反応を伴わない水酸化物被覆された亜鉛アルカリ二次電池用の亜鉛負極活物質が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の発明の方法では、デンドライトの成長を充分に抑制できているとはいえず、充放電サイクルを繰り返した後のデンドライトの成長による短絡を防止して電池を更に長寿化させる工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、電極からのデンドライトの成長による短絡を抑制して電池を長寿命化させる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、電極からのデンドライトの成長を抑制する方法について検討したところ、ポリマーと、特定の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料を用いて形成されるアニオン伝導性膜を正極と負極との間に設置すると、デンドライトの成長を抑制する効果が得られるものの、電極間にアニオン伝導性膜を設置しただけでは、膜の端部から回り込むように発生するデンドライトを充分に抑制することができないことを見出した。本発明者は、この新たな課題について種々検討し、少なくとも一部に絶縁性物質を被覆及び/又は含浸させたアニオン伝導性膜を用いることで、デンドライトの成長による短絡を充分に抑制し、電池を長寿命化させることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料を用いて形成されるアニオン伝導性膜であって、上記アニオン伝導性膜は、少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることを特徴とするアニオン伝導性膜である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<アニオン伝導性膜>
本発明のアニオン伝導性膜は、少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることを特徴とする。ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料を用いて形成されるアニオン伝導性膜に絶縁性物質を塗布した場合、その一部又は全部がアニオン伝導性膜中に侵入し、絶縁性物質がアニオン伝導性膜に含浸した状態となる場合がある。またアニオン伝導性膜の上に絶縁性物質の膜(フィルム)を貼り付けた場合には、絶縁性物質がアニオン伝導性膜中に侵入することなく、膜上に絶縁性物質の層を形成したものとなる。本発明のアニオン伝導性膜は、これらいずれの形態のものであってもよい。
本発明のアニオン伝導性膜は、少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることを特徴とする。ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料を用いて形成されるアニオン伝導性膜に絶縁性物質を塗布した場合、その一部又は全部がアニオン伝導性膜中に侵入し、絶縁性物質がアニオン伝導性膜に含浸した状態となる場合がある。またアニオン伝導性膜の上に絶縁性物質の膜(フィルム)を貼り付けた場合には、絶縁性物質がアニオン伝導性膜中に侵入することなく、膜上に絶縁性物質の層を形成したものとなる。本発明のアニオン伝導性膜は、これらいずれの形態のものであってもよい。
本発明のアニオン伝導性膜は、少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸しているものであればよいが、アニオン伝導性膜の端部の少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸しているものが好ましい。このようなアニオン伝導性膜を正極、負極間に設置した場合、絶縁性物質が被覆及び/又は含浸している端部に対向する部分の負極には電流の集中が生じにくいため、デンドライトの成長が生じにくく、膜の端部から回り込むように発生するデンドライトをより充分に抑制することができる。より好ましくは、アニオン伝導性膜の端部全体に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸しているものである。
ここで、アニオン伝導性膜の端部とは、アニオン伝導性膜が電池において正極と負極との間に設置された場合に、正極又は負極と対向する面の端の部分を意味する。
ここで、アニオン伝導性膜の端部とは、アニオン伝導性膜が電池において正極と負極との間に設置された場合に、正極又は負極と対向する面の端の部分を意味する。
本発明のアニオン伝導性膜は、膜の表面全体の5%以上に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることが好ましい。絶縁性物質がこのような割合でアニオン伝導性膜表面に被覆及び/又は含浸していることで、デンドライトを抑制する効果がより充分に発揮される。一方で、アニオン伝導性膜表面のうち、絶縁性物質で被覆及び/又は含浸している面積が大きすぎると、本発明のアニオン伝導性膜を用いた電池の性能が低下するおそれがある。これらを考慮すると、アニオン伝導性膜の表面全体のうち、絶縁性物質が被覆及び/又は含浸している割合は、好ましくは、5〜60%であり、更に好ましくは、20〜60%であり、特に好ましくは、30〜60%である。
アニオン伝導性膜の表面全体のうち、絶縁性物質が被覆及び/又は含浸している部分の割合は、アニオン伝導性膜の表面全体の面積、及び、被覆体の面積を実測し、算出することができる。
アニオン伝導性膜の表面全体のうち、絶縁性物質が被覆及び/又は含浸している部分の割合は、アニオン伝導性膜の表面全体の面積、及び、被覆体の面積を実測し、算出することができる。
本発明のアニオン伝導性膜の膜厚は、デンドライトの成長による短絡を充分に抑制する点から、0.1μm以上、50mm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5μm以上、20mm以下であり、更に好ましくは、1μm以上、10mm以下である。
アニオン伝導性膜の全体の厚さは、膜厚計により測定することができる。
アニオン伝導性膜の全体の厚さは、膜厚計により測定することができる。
本発明のアニオン伝導性膜に絶縁性物質が被覆している場合、絶縁性物質の被膜の膜厚は、デンドライトの成長による短絡を充分に抑制する点から、0.1μm以上、100μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5μm以上、30μm以下であり、更に好ましくは、1.0μm以上、10μm以下である。
絶縁性物質の被膜の厚さは、膜厚計により測定することができる。
絶縁性物質の被膜の厚さは、膜厚計により測定することができる。
本発明におけるアニオン伝導性材料は、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物を含む。
周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。中でも、周期表の第1族〜第15族から選ばれる少なくとも1種の元素が好ましく、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素がより好ましい。更に好ましくは、Li、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、及び、Tlからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。
周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。中でも、周期表の第1族〜第15族から選ばれる少なくとも1種の元素が好ましく、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素がより好ましい。更に好ましくは、Li、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、及び、Tlからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物としては、例えば、酸化物;複合酸化物;層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;合金;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;硫酸化合物;スルホン酸化合物;ヒドロキシアパタイト等のリン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩等が挙げられる。好ましくは、酸化物;複合酸化物;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;ゼオライト;フッ化物;リン酸化合物;ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;塩が挙げられる。
これらの中でも、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。より好ましくは、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、及び、硫酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であり、更に好ましくは、層状複水酸化物及び/又は酸化物である。
これらの中でも、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。より好ましくは、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、及び、硫酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であり、更に好ましくは、層状複水酸化物及び/又は酸化物である。
上記酸化物としては、例えば酸化セリウム、酸化ジルコニウムが好ましい。より好ましくは、酸化セリウムである。また、酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記ハイドロタルサイトとは、下記式;
[M1 1−xM2 x(OH)2](An−)x/n・mH2O
(M1は、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cuのいずれかを表す。M2は、Al、Fe、Mnのいずれかを表す。An−は、1〜3価のアニオンを表す。mは0以上の数である。nは、1〜3の数である。xは、0.20〜0.40の数である。)に代表される化合物であり、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMg6Al2(OH)16CO3・mH2O等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。
[M1 1−xM2 x(OH)2](An−)x/n・mH2O
(M1は、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cuのいずれかを表す。M2は、Al、Fe、Mnのいずれかを表す。An−は、1〜3価のアニオンを表す。mは0以上の数である。nは、1〜3の数である。xは、0.20〜0.40の数である。)に代表される化合物であり、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMg6Al2(OH)16CO3・mH2O等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。
上記水酸化物としては、例えば水酸化セリウム、水酸化ジルコニウムが好ましい。上記硫酸化合物は、例えばエトリンガイトが好ましい。
上記リン酸化合物は、例えばヒドロキシアパタイトが好ましい。
上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO4)6(OH)2に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用しても良い。
上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO4)6(OH)2に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用しても良い。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は、平均粒子径が1000μm以下であるものが好ましく、より好ましくは、200μm以下であり、更に好ましくは、100μm以下であり、特に好ましくは、75μm以下であり、最も好ましくは、20μm以下である。一方、平均粒子径は、5nm以上であることが好ましい。より好ましくは、10nm以上である。
上記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布測定装置、粉末X線回折(XRD)等により測定することができる。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、粒度分布測定装置、粉末X線回折(XRD)等により測定することができる。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は、比表面積が0.01m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは、0.1m2/g以上であり、更に好ましくは、0.5m2/g以上である。一方、該比表面積は、500m2/g以下であることが好ましい。
上記比表面積は、窒素吸着BET法で比表面積測定装置等により測定することができる。
上記比表面積は、窒素吸着BET法で比表面積測定装置等により測定することができる。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の割合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、更に好ましくは、1質量%以上である。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99質量%以下であり、更に好ましくは、98質量%以下である。
本発明におけるアニオン伝導性材料が含むポリマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等に代表されるイミド結合含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;AR1R2R3B(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH−等のアニオンを表す。R1、R2、R3は、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、芳香環基を表す。R1、R2、R3は、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤などが挙げられる。
中でも、カルボキシル基含有ポリマー及び/又はハロゲン含有ポリマーが好ましい。より好ましくは、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有ポリマーである。後述するとおり、本発明のアニオン伝導性材料を製造する際には、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とポリマーとを混練する方法を用いる。このとき、アニオン伝導性材料がフッ素含有ポリマーを含むものであると、圧延時にフッ素含有ポリマーに強い力がかかることでポリマーの繊維化が促進され、その結果、アニオン伝導性膜の物理的強度が向上することになるため、デンドライトの成長による電極間の短絡を防止する効果がより高くなる。
中でも、カルボキシル基含有ポリマー及び/又はハロゲン含有ポリマーが好ましい。より好ましくは、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有ポリマーである。後述するとおり、本発明のアニオン伝導性材料を製造する際には、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とポリマーとを混練する方法を用いる。このとき、アニオン伝導性材料がフッ素含有ポリマーを含むものであると、圧延時にフッ素含有ポリマーに強い力がかかることでポリマーの繊維化が促進され、その結果、アニオン伝導性膜の物理的強度が向上することになるため、デンドライトの成長による電極間の短絡を防止する効果がより高くなる。
ポリマーはその構成単位に該当するモノマーより、ラジカル重合、ラジカル(交互)共重合、アニオン重合、アニオン(交互)共重合、カチオン重合、カチオン(交互)共重合、グラフト重合、グラフト(交互)共重合、リビング重合、リビング(交互)共重合、分散重合、乳化重合、懸濁重合、開環重合、環化重合、光、紫外線や電子線照射による重合、メタセシス重合、電解重合等により得ることができる。これらポリマーが官能基を有する場合には、それを主鎖及び/又は側鎖に有していても良く、架橋剤との結合部位として存在しても良い。これらポリマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
これらのポリマーは、上記無機化合物以外の有機架橋剤化合物により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されていてもよい。
これらのポリマーは、上記無機化合物以外の有機架橋剤化合物により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されていてもよい。
上記ポリマーは、重量平均分子量が、200〜7000000であることが好ましい。これにより、アニオン伝導性材料のイオン伝導性、可とう性等を調節することができる。該重量平均分子量は、より好ましくは、400〜6500000であり、更に好ましくは、500〜5000000である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
上記ポリマーの割合は、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、更に好ましくは、1質量%以上である。また、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、99.5質量%以下であり、更に好ましくは、99質量%以下である。
上記アニオン伝導性材料における、ポリマーと周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物との配合割合は、5000000/1〜1/100000であることが好ましい。より好ましくは、2000000/1〜1/50000であり、更に好ましくは、1000000/1〜1/10000である。
本発明のアニオン伝導性材料は、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含む限り、その他の成分を更に含んでいてもよい。また、その他の成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記その他の成分は、特に限定されないが、例えば、亜鉛含有化合物、アルミナ、シリカ、ポリマー、導電性カーボン、導電性セラミックス等が挙げられる。
上記その他の成分の平均粒子径は、1000μm以下であることが好ましい。該平均粒子径は、好ましくは、500μm以下であり、より好ましくは、200μm以下であり、更に好ましくは、100μm以下であり、特に好ましくは、75μm以下であり、最も好ましくは、20μm以下である。一方、平均粒子径は、5nm以上であることが好ましい。該平均粒子径は、より好ましくは、10nm以上であり、更に好ましくは、20nm以上である。
上記その他の成分の平均粒子径は、上記した無機化合物の平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
その他の成分の粒子の形状及び製造方法は、上述した無機化合物の粒子の形状及び製造方法と同様である。
上記その他の成分の平均粒子径は、上記した無機化合物の平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
その他の成分の粒子の形状及び製造方法は、上述した無機化合物の粒子の形状及び製造方法と同様である。
上記その他の成分は、比表面積が0.01m2/g以上であることが好ましい。該比表面積は、より好ましくは、0.1m2/g以上であり、更に好ましくは、0.5m2/g以上である。また、該比表面積は、1500m2/g以下であることが好ましい。該比表面積は、より好ましくは、500m2/g以下であり、更に好ましくは、450m2/g以下であり、特に好ましくは、400m2/g以下である。
上記比表面積は、上記した無機化合物の比表面積と同様の方法で測定することができる。
なお、比表面積が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をナノ粒子化したり、粒子製造の際の調製条件を選択することにより粒子表面に凹凸をつけたりすることにより製造することが可能である。
上記比表面積は、上記した無機化合物の比表面積と同様の方法で測定することができる。
なお、比表面積が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をナノ粒子化したり、粒子製造の際の調製条件を選択することにより粒子表面に凹凸をつけたりすることにより製造することが可能である。
上記その他の成分の割合としては、アニオン伝導性材料100質量%に対して、0.001質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以上であり、更に好ましくは、0.05質量%以上である。また、90質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、80質量%以下であり、更に好ましくは、70質量%以下である。
本発明におけるアニオン伝導性材料の調製方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
ポリマー、及び、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物等と共に、必要に応じて、上記その他の成分を混合する。混合には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を加えても良い。
ポリマー、及び、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物等と共に、必要に応じて、上記その他の成分を混合する。混合には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を加えても良い。
本発明における絶縁性物質の電気抵抗値は、絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していない部分のアニオン伝導性膜の電気抵抗値の100倍以上であることが好ましい。絶縁性物質としてこのような電気抵抗値のものを用いることで、デンドライトの成長をより充分に抑制することができる。絶縁性物質の電気抵抗は、充分に高いものであればその上限は特に制限されないが、通常、アニオン伝導性膜の電気抵抗値の10倍以下のものが用いられる。
絶縁性物質の電気抵抗値は、ソーラトロンにより測定することができる。
絶縁性物質の電気抵抗値は、ソーラトロンにより測定することができる。
本発明における絶縁性物質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、スチレンブタジエンゴム、エポキシ樹脂等の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸したアニオン伝導性膜は、上記アニオン伝導性材料を基材に塗布し、必要に応じて溶媒を除去してアニオン伝導性膜を形成した後、得られたアニオン伝導性膜の少なくとも一部に絶縁性物質の溶液を塗布し、溶媒を除去して作製してもよく、アニオン伝導性膜の少なくとも一部に絶縁性物質のフィルム(膜)を貼付して作製してもよい。
絶縁性物質の溶液を塗布する方法を用いる場合、絶縁性物質の溶液を調製するために用いることができる溶媒は特に制限されないが、例えば、揮発性の高い有機溶剤であるトルエン、酢酸エステル類、アルコール類等が挙げられる。
絶縁性物質の溶液を塗布する方法を用いる場合、絶縁性物質の溶液を調製するために用いることができる溶媒は特に制限されないが、例えば、揮発性の高い有機溶剤であるトルエン、酢酸エステル類、アルコール類等が挙げられる。
<電極>
本発明のアニオン伝導性膜は、電極のデンドライト成長を抑制することができる限り、その使用方法は特に制限されないが、電極の活物質層の少なくとも一部を覆うようにして使用されることが好ましい。
このような、集電体と活物質層とを含んで構成される電極であって、該電極は、活物質層の少なくとも一部が本発明のアニオン伝導性膜で覆われている電極もまた、本発明の1つである。
ここで、「電極の活物質層がアニオン伝導性膜で覆われている」形態には、アニオン伝導性膜が電極の活物質層に接触して覆っている形態、接触せずに覆っている形態のいずれの形態も含まれる。本発明においては、これらいずれの形態の場合も、アニオン伝導性膜を本発明の電極の一部とみなす。
本発明のアニオン伝導性膜は、電極のデンドライト成長を抑制することができる限り、その使用方法は特に制限されないが、電極の活物質層の少なくとも一部を覆うようにして使用されることが好ましい。
このような、集電体と活物質層とを含んで構成される電極であって、該電極は、活物質層の少なくとも一部が本発明のアニオン伝導性膜で覆われている電極もまた、本発明の1つである。
ここで、「電極の活物質層がアニオン伝導性膜で覆われている」形態には、アニオン伝導性膜が電極の活物質層に接触して覆っている形態、接触せずに覆っている形態のいずれの形態も含まれる。本発明においては、これらいずれの形態の場合も、アニオン伝導性膜を本発明の電極の一部とみなす。
上記電極は、少なくとも活物質層の集電体に接する側とは反対側の表面全体が本発明のアニオン伝導性膜で覆われ、該反対側の表面を覆うアニオン伝導性膜の端部の少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることが好ましい。電極がこのような形態のものであると、デンドライトの成長をより充分に抑制することができる。
より好ましくは、アニオン伝導性膜が上述した好ましい形態のものであることであり、そのようなアニオン伝導性膜を用いることで、デンドライトの成長を更に充分に抑制することができる。
より好ましくは、アニオン伝導性膜が上述した好ましい形態のものであることであり、そのようなアニオン伝導性膜を用いることで、デンドライトの成長を更に充分に抑制することができる。
本発明の電極は、活物質層の少なくとも一部が本発明のアニオン伝導性膜で覆われているものである限り、その他の面は、アニオン伝導性膜や絶縁性物質で覆われていても、いなくてもよく、また、活物質層以外の部分を覆うアニオン伝導性膜に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していても、いなくてもよいが、本発明の電極の好ましい形態としては、(1)負極の、正極と対向する面のみが平面状のアニオン伝導性膜で覆われ、該アニオン伝導性膜は、端部全体に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸している形態、(2)負極の集電体及び活物質層の全体がアニオン伝導性膜で覆われ、該アニオン伝導性膜のうち、負極の集電体及び活物質層の端部を覆う部分全体に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸している形態、(3)負極の、正極と対向する活物質層の面のみが平面状のアニオン伝導性膜で覆われ、負極の集電体及び活物質層の残りの部分が絶縁性物質で覆われ、該アニオン伝導性膜は、端部全体に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸している形態等が挙げられる。
ここで、負極の集電体及び活物質層の端部とは、電池において正極と負極とを設置した場合に、正極と対向する活物質層の面及び該活物質層の面と平行な集電体の面の端の部分を意味する。
上記(1)〜(3)の形態の例を図1〜3に示す。なお、図1〜3では、負極活物質層や集電体は、アニオン伝導性膜や絶縁性物質に接触しないで覆われているが、接触して覆われていてもよい。
ここで、負極の集電体及び活物質層の端部とは、電池において正極と負極とを設置した場合に、正極と対向する活物質層の面及び該活物質層の面と平行な集電体の面の端の部分を意味する。
上記(1)〜(3)の形態の例を図1〜3に示す。なお、図1〜3では、負極活物質層や集電体は、アニオン伝導性膜や絶縁性物質に接触しないで覆われているが、接触して覆われていてもよい。
本発明の電極を構成する集電体としては、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
本発明の電極は、活物質層の原料となる電極合剤組成物を集電体上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等して活物質を含む活物質層を形成した後、電極の活物質層の少なくとも一部を本発明のアニオン伝導性膜で覆うことで製造することができる。
上記電極合剤組成物は、後述する活物質、バインダー(結着剤)を含み、更に必要に応じて、導電助剤、溶媒等のその他の成分を含んで構成されるものである。
電極合剤組成物が含むバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオレフィンや、その他、国際公開第2013/027767号に記載の結着剤として使用される有機化合物、有機化合物塩と同様のものを用いることができる。
導電助剤としては、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・亜鉛末・亜鉛合金・(アルカリ)(蓄)乾電池や空気電池に使用される亜鉛(以下、纏めて金属亜鉛とも称する)、銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等を用いることができる。
電極合剤組成物が含む溶媒としては、水、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン等を用いることができる。
活物質、バインダー、導電助剤、溶媒は、いずれも1種又は2種以上を用いることができる。
電極合剤組成物が含むバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオレフィンや、その他、国際公開第2013/027767号に記載の結着剤として使用される有機化合物、有機化合物塩と同様のものを用いることができる。
導電助剤としては、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・亜鉛末・亜鉛合金・(アルカリ)(蓄)乾電池や空気電池に使用される亜鉛(以下、纏めて金属亜鉛とも称する)、銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等を用いることができる。
電極合剤組成物が含む溶媒としては、水、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン等を用いることができる。
活物質、バインダー、導電助剤、溶媒は、いずれも1種又は2種以上を用いることができる。
上記電極合剤組成物の活物質の含有量は、電極合剤全体100質量%に対して、1〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは、1〜5質量%である。
上記電極合剤組成物のバインダーの含有量は、電極合剤全体100質量%に対して、1〜5質量%であることが好ましい。より好ましくは、2〜4質量%である。
上記電極合剤組成物の溶媒の含有量は、電極合剤組成物全体100質量%に対して、10〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは、30〜60質量%である。
上記電極合剤組成物のバインダーの含有量は、電極合剤全体100質量%に対して、1〜5質量%であることが好ましい。より好ましくは、2〜4質量%である。
上記電極合剤組成物の溶媒の含有量は、電極合剤組成物全体100質量%に対して、10〜80質量%であることが好ましい。より好ましくは、30〜60質量%である。
<電池>
本発明の電極は、デンドライトの成長が充分に抑制され、電池を長寿命化させることができるものであることから、電池を構成する電極として好適に用いることができる。特に、亜鉛、カドミウム、金属リチウムを負極の活物質として用いる負極ではデンドライトの発生が問題となることが多いため、本発明の電極を負極として用いることが好適である。
このような、正極と負極とを含んで構成される電池であって、該電池は、本発明の電極を負極として含み、該負極は、少なくとも正極と対向する表面がアニオン伝導性膜で覆われている電池もまた、本発明の1つである。
本発明の電池を構成する本発明の電極は、上述した好ましい形態のものであることが好ましく、そのような好ましい形態の電極を負極として含むことが、本発明の電池の好ましい形態である。
本発明の電極は、デンドライトの成長が充分に抑制され、電池を長寿命化させることができるものであることから、電池を構成する電極として好適に用いることができる。特に、亜鉛、カドミウム、金属リチウムを負極の活物質として用いる負極ではデンドライトの発生が問題となることが多いため、本発明の電極を負極として用いることが好適である。
このような、正極と負極とを含んで構成される電池であって、該電池は、本発明の電極を負極として含み、該負極は、少なくとも正極と対向する表面がアニオン伝導性膜で覆われている電池もまた、本発明の1つである。
本発明の電池を構成する本発明の電極は、上述した好ましい形態のものであることが好ましく、そのような好ましい形態の電極を負極として含むことが、本発明の電池の好ましい形態である。
本発明の電池では、アニオン伝導性膜がセパレーターの機能を発揮するが、更に別のセパレーターを用いてもよい。
そのようなセパレーターとしては、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリハロゲン化ビニル部位含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が積層される等して併用されたものであってもよい。なお、セパレーターがこれらのポリマーを併用する場合に、ポリマーが特定の部位・官能基を含有するとは、ポリマーが、その一部において当該部位・官能基を有する単量体単位を含むものであればよく、当該部位・官能基を有さない単量体単位を含むものであってもよい。言い換えれば、ポリマーは、コポリマーであってもよい。
そのようなセパレーターとしては、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリハロゲン化ビニル部位含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が積層される等して併用されたものであってもよい。なお、セパレーターがこれらのポリマーを併用する場合に、ポリマーが特定の部位・官能基を含有するとは、ポリマーが、その一部において当該部位・官能基を有する単量体単位を含むものであればよく、当該部位・官能基を有さない単量体単位を含むものであってもよい。言い換えれば、ポリマーは、コポリマーであってもよい。
上記セパレーターがポリマーを併用する場合に、ポリマーが官能基を有する場合には、該官能基は主鎖にあっても側鎖にあってもよい。また、主鎖がエステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して架橋されていてもよい。
上記セパレーターは、1種でも2種以上でも使用することができ、抵抗が上昇し電池性能が低下しなければ、任意の枚数を使用することができる。セパレーターは、細孔、微細孔やガス拡散層を有していてもよい。水含有電解液を使用する場合、界面活性剤導入等により、セパレーターの親水処理を施すことが好ましい。水含有電解液と、固体電解質・ゲル電解質とを併用してもよい。
上記セパレーターは、1種でも2種以上でも使用することができ、抵抗が上昇し電池性能が低下しなければ、任意の枚数を使用することができる。セパレーターは、細孔、微細孔やガス拡散層を有していてもよい。水含有電解液を使用する場合、界面活性剤導入等により、セパレーターの親水処理を施すことが好ましい。水含有電解液と、固体電解質・ゲル電解質とを併用してもよい。
本発明の電池を構成する正極の活物質としては、一次電池や二次電池の正極活物質として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されないが、例えば、酸素(酸素が正極活物質となる場合、正極は、酸素の還元や水の酸化が可能なペロブスカイト型化合物、コバルト含有化合物、鉄含有化合物、銅含有化合物、マンガン含有化合物、バナジウム含有化合物、ニッケル含有化合物、イリジウム含有化合物、白金含有化合物;パラジウム含有化合物;金含有化合物;銀化合物;炭素含有化合物等より構成される空気極となる);オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等のニッケル含有化合物;二酸化マンガン等のマンガン含有化合物;酸化銀;コバルト酸リチウム等のリチウム含有化合物;鉄含有化合物等が挙げられる。
これらの中でも、正極活物質がニッケル含有化合物であることが、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、空気電池や燃料電池等、正極活物質が酸素であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。すなわち、本発明の電池の正極が酸素還元能を有する極であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
これらの中でも、正極活物質がニッケル含有化合物であることが、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、空気電池や燃料電池等、正極活物質が酸素であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。すなわち、本発明の電池の正極が酸素還元能を有する極であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の電池を構成する負極の活物質としては、炭素、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、錫、シリコン含有材料等、電池の負極活物質として通常用いられるものを用いることができる。これらの中でも、本発明の電極の特性を発揮させる点からは、亜鉛、リチウム、ニッケル等の電極反応に伴って、デンドライトを発生するおそれのある活物質を用いることが好ましい。
本発明のアニオン伝導性膜は、固体(ゲル)電解質としても使用することができると共に、イオン交換膜としても使用することが可能である。本発明のアニオン伝導性膜を電解質として用いない場合、本発明の電池を構成する電解液としては、電池の電解液として通常用いられるものであれば特に制限されず、例えば、水含有電解液、有機溶剤系電解液等が挙げられ、水含有電解液が好ましい。水含有電解液とは、水のみを電解液原料として使用する電解液(水系電解液)や、水に有機溶剤を加えた液を電解液原料として使用する電解液を指す。また、本発明のアニオン伝導性膜は、加湿条件・加温条件・上記電解液や溶媒等非存在下条件等においても、アニオン伝導性を発現することも可能である。
上記水系電解液としては、アルカリ性電解液が好ましい。アルカリ性電解液は、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等が挙げられる。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。
また、上記水含有電解液は、有機溶剤系電解液に用いられる有機溶剤を含んでいてもよい。該有機溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。上記有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。上記有機溶剤系電解液の電解質としては、特に制限はないが、LiPF6、LiBF4、LiB(CN)4、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI)等が好ましい。
有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.9質量%、より好ましくは20〜99.9質量%である。
有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.9質量%、より好ましくは20〜99.9質量%である。
上記電解質として、ゲル電解質を使用することも可能である。ゲル電解質としては、電池の電解質として用いることができるものであれば特に制限されないが、例えば、上記セパレーターと同様の化合物を含む固体電解質や、架橋剤より架橋されたゲル電解質等が挙げられる。
本発明の電池の形態は一次電池;充放電が可能な二次電池(蓄電池);メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用;正極や負極とは別の第3極(例えば、充放電中に発生する酸素や水素を除去する極)の利用、燃料電池等、いずれの形態であっても良いが、二次電池又は燃料電池が好ましい。
本発明の電池の種類は特に制限されないが、アルカリ乾電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、マンガン−亜鉛電池、ニッケル−亜鉛電池、燃料電池、空気電池等、アルカリ性電解液を使用する電池であることが好ましい。
本発明の電池の種類は特に制限されないが、アルカリ乾電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、マンガン−亜鉛電池、ニッケル−亜鉛電池、燃料電池、空気電池等、アルカリ性電解液を使用する電池であることが好ましい。
本発明のアニオン伝導性膜は、上述の構成よりなり、デンドライトの発生を充分に抑制することができるため、亜鉛、カドミウム、リチウム等のデンドライトが発生しやすい電極活物質を用いた電極を覆う材料として好適に用いることができ、そのようにして得られる電極を用いることで電池を長寿命化させることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
アニオン伝導性膜及び絶縁性物質の被膜の膜厚は、膜厚計で測定した。
比較例1
ハイドロタルサイトとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を4:6の質量比で混練し、厚さ300μmのアニオン伝導性膜を作製した。酸化亜鉛とPTFEを96:4の質量比で混練した電極合剤をパンチングニッケルに張り付けて作製した亜鉛負極の活物質層の表面に、この単層アニオン伝導膜を配置し、充放電を行った。対極としてニッケル正極、参照極として水銀極を用い、充放電電流10mA/cm2、充電深度50%で、この負極に対して充放電試験を実施した。同じサンプルを4つ用意して4回試験を行った。その結果、100サイクルまでの間に4つのサンプルすべてで、負極の端部から発生したデンドライドが正極に達して短絡し、頓死した。
ハイドロタルサイトとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を4:6の質量比で混練し、厚さ300μmのアニオン伝導性膜を作製した。酸化亜鉛とPTFEを96:4の質量比で混練した電極合剤をパンチングニッケルに張り付けて作製した亜鉛負極の活物質層の表面に、この単層アニオン伝導膜を配置し、充放電を行った。対極としてニッケル正極、参照極として水銀極を用い、充放電電流10mA/cm2、充電深度50%で、この負極に対して充放電試験を実施した。同じサンプルを4つ用意して4回試験を行った。その結果、100サイクルまでの間に4つのサンプルすべてで、負極の端部から発生したデンドライドが正極に達して短絡し、頓死した。
実施例1
比較例1と同様にして亜鉛負極の活物質層の表面に単層アニオン伝導膜を配置した後、単層アニオン伝導膜の周囲、及び、活物質層と接している面以外の集電体の表面全体にポリエチレン(PE)の水系ディスパージョンを塗布し、乾燥して水分を揮発させて単層アニオン伝導膜の端部及び集電体表面を被覆した。単層アニオン伝導膜の表面全体のうち、PEで被覆された部分の面積は5%であり、PEは、一部がアニオン伝導膜中に含浸された状態の被膜となった。
このようにして作製した亜鉛負極を用いた以外は比較例1と同じ方法で充放電試験を行ったところ、4つすべてのサンプルにおいて100サイクル以上の寿命を確認した。
比較例1と同様にして亜鉛負極の活物質層の表面に単層アニオン伝導膜を配置した後、単層アニオン伝導膜の周囲、及び、活物質層と接している面以外の集電体の表面全体にポリエチレン(PE)の水系ディスパージョンを塗布し、乾燥して水分を揮発させて単層アニオン伝導膜の端部及び集電体表面を被覆した。単層アニオン伝導膜の表面全体のうち、PEで被覆された部分の面積は5%であり、PEは、一部がアニオン伝導膜中に含浸された状態の被膜となった。
このようにして作製した亜鉛負極を用いた以外は比較例1と同じ方法で充放電試験を行ったところ、4つすべてのサンプルにおいて100サイクル以上の寿命を確認した。
実施例2
比較例1と同様にして亜鉛負極の活物質層の表面に単層アニオン伝導膜を配置した後、単層アニオン伝導膜の周囲、及び、活物質層と接している面以外の集電体の表面全体に溶解させたスチレンブタジエンゴム(SBR)を塗布して単層アニオン伝導膜の端部及び集電体表面を被覆した。単層アニオン伝導膜の表面全体のうち、SBRで被覆された部分の面積は5%であり、SBRは、一部がアニオン伝導膜中に含浸された状態の被膜となった。
このようにして作製した亜鉛負極を用いた以外は比較例1と同じ方法で充放電試験を行ったところ、4つすべてのサンプルにおいて100サイクル以上の寿命を確認した。
比較例1と同様にして亜鉛負極の活物質層の表面に単層アニオン伝導膜を配置した後、単層アニオン伝導膜の周囲、及び、活物質層と接している面以外の集電体の表面全体に溶解させたスチレンブタジエンゴム(SBR)を塗布して単層アニオン伝導膜の端部及び集電体表面を被覆した。単層アニオン伝導膜の表面全体のうち、SBRで被覆された部分の面積は5%であり、SBRは、一部がアニオン伝導膜中に含浸された状態の被膜となった。
このようにして作製した亜鉛負極を用いた以外は比較例1と同じ方法で充放電試験を行ったところ、4つすべてのサンプルにおいて100サイクル以上の寿命を確認した。
実施例3
比較例1と同様にして亜鉛負極の活物質層の表面に単層アニオン伝導膜を配置した後、単層アニオン伝導膜の周囲、及び、活物質層と接している面以外の集電体の表面全体に厚さ1μmのポリエチレン(PE)フィルムを貼付し、単層アニオン伝導膜の端部及び集電体表面を被覆した。単層アニオン伝導膜の表面全体のうち、PEフィルムで被覆された部分の面積は50%であった。
このようにして作製した亜鉛負極を用いた以外は比較例1と同じ方法で充放電試験を行ったところ、4つすべてのサンプルにおいて100サイクル以上の寿命を確認した。
比較例1と同様にして亜鉛負極の活物質層の表面に単層アニオン伝導膜を配置した後、単層アニオン伝導膜の周囲、及び、活物質層と接している面以外の集電体の表面全体に厚さ1μmのポリエチレン(PE)フィルムを貼付し、単層アニオン伝導膜の端部及び集電体表面を被覆した。単層アニオン伝導膜の表面全体のうち、PEフィルムで被覆された部分の面積は50%であった。
このようにして作製した亜鉛負極を用いた以外は比較例1と同じ方法で充放電試験を行ったところ、4つすべてのサンプルにおいて100サイクル以上の寿命を確認した。
Claims (6)
- ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料を用いて形成されるアニオン伝導性膜であって、
該アニオン伝導性膜は、少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることを特徴とするアニオン伝導性膜。 - 前記アニオン伝導性膜は、膜の表面全体の5%以上に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることを特徴とする請求項1に記載のアニオン伝導性膜。
- 前記絶縁性物質の電気抵抗値は、絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していない部分のアニオン伝導性膜の電気抵抗値の100倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアニオン伝導性膜。
- 集電体と活物質層とを含んで構成される電極であって、
該電極は、活物質層の少なくとも一部が請求項1〜3のいずれかに記載のアニオン伝導性膜で覆われていることを特徴とする電極。 - 前記電極は、少なくとも活物質層の集電体に接する側とは反対側の表面全体が請求項1〜3のいずれかに記載のアニオン伝導性膜で覆われ、
該反対側の表面を覆うアニオン伝導性膜の端部の少なくとも一部に絶縁性物質が被覆及び/又は含浸していることを特徴とする請求項4に記載の電極。 - 正極と負極とを含んで構成される電池であって、
該電池は、請求項4又は5に記載の電極を負極として含み、
該負極は、少なくとも正極と対向する表面がアニオン伝導性膜で覆われていることを特徴とする電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015066860A JP2016186895A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | アニオン伝導性膜、電極及び電池 |
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JP2015066860A Pending JP2016186895A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | アニオン伝導性膜、電極及び電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10559854B2 (en) | 2017-03-21 | 2020-02-11 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Secondary battery, battery pack, and vehicle |
WO2020179645A1 (ja) * | 2019-03-05 | 2020-09-10 | シャープ株式会社 | 負極および金属空気電池 |
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-
2015
- 2015-03-27 JP JP2015066860A patent/JP2016186895A/ja active Pending
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JPWO2020179645A1 (ja) * | 2019-03-05 | 2021-12-23 | シャープ株式会社 | 負極および金属空気電池 |
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