JP2014026327A - 実稼働データによる機器の状態診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基準モデルの統計的信頼度を高める。診断対象機器の異常の兆候を早期に知る。
【解決手段】指定された診断対象機器と同タイプかつ同一業界で使用されている複数の機器から収集された実稼働データに基づいて基準モデル(業界モデル(変化特性I))を生成する。指定された診断対象機器から収集された実稼働データに基づいて診断対象モデル(変化特性V)を生成する。診断対象モデル(変化特性V)と業界モデル(変化特性I)に対する許容範囲モデル(変化特性II,III)とを比較し、その比較結果に基づいて診断対象機器の状態を診断する。具体的には、診断対象モデルのモデル係数AX1を求め、業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αとを比較し、AX1が許容範囲±αから外れた場合、診断対象機器が特殊な状態にあると判断する。
【選択図】 図5

Description

この発明は、診断対象機器として指定された機器の状態をその機器からの実稼働データに基づいて診断する実稼働データによる機器の状態診断装置に関するものである。
従来より、この種の実稼働データによる機器の状態診断装置として、工場や建物などで使用される燃料電池発電装置の状態を診断する装置がある。
例えば、特許文献1に示された燃料電池発電装置の状態を診断する装置では、燃料ガスと酸化剤ガスとから電力を発生させる燃料電池セルの初期電圧をE0とし、積算発電時間をTとした場合、複数の積算発電時間Tnで計測されるセル電圧E(Tn)から、下記のモデル式((1)式)を用いて、初期電圧E0とモデル式の係数Aを計算し、モデル式の係数Aが所定の範囲を超えて変化すると、装置が適正な状態にないと判断するようにしている。
E(Tn)=E0−Aln(Tn) ・・・・(1)
例えば、図6に示されたセル電圧の変化特性を用いて説明すると、積算発電時間がTn=1000時間のt1点では、E(Tn)=0.75Vとして電圧が計測されている。積算発電時間がTn=2000時間のt2点では、E(Tn)=0.745Vとして電圧が計測されている。これらの数値を上記(1)式に代入して計算すると、初期電圧E0は0.7998V、モデル式の係数Aは0.0072と計算される。
ここで、積算発電時間がTn=3000時間のt3点での電圧がE(Tn)=0.742Vであれば、Tn=1000時間の時の数値とTn=3000時間の時の数値とを用いて計算される初期電圧E0は0.8003V、モデル式の係数Aは0.0073となる。この場合、モデル式の係数Aは、Tn=2000時間の時に計算した値と殆ど変わらず、装置は適正な状態にある(正常な状態にある)と判断される。
これに対して、積算発電時間がTn=3000時間のt3点での電圧がE(Tn)=0.74Vであれば、Tn=1000時間の時の数値とTn=3000時間の時の数値とを用いて計算される初期電圧E0は0.8118V、モデル式の係数Aは0.0089となる。この場合、モデル式の係数Aは、Tn=2000時間の時に計算した値に対して大きく変化しており、装置は適正な状態にない(特殊な状態にある)と判断される。
また、実稼働データによる機器の状態診断装置の別の例として、例えば特許文献2には、複数の装置を対象とした異常監視装置が示されている。この特許文献2に示された異常監視装置では、類似の複数(K+1)の装置(同タイプの装置)を処理対象として、装置毎の状態を複数のセンサで計測して得られる当該装置各々の複数のデータ項目に基づいて、複数(K+1)の装置のうち少なくとも1つの装置の状態の異常を監視する。複数(K+1)の装置のうち、1つの第1の装置が監視の対象となり、それと類似する他の複数の第2の装置が第1の装置の監視のための第1のモデルを生成するための対象となり、第1のステップで、複数(K)の第2の装置各々における正常時の複数のデータ項目に基づき作成される個別の第2の装置専用の複数(K)のモデルに基づき、第1の装置専用の第1のモデルを生成し、第2のステップで、所定時間単位で、第1の装置からの複数のデータ項目を入力し、第1のモデルを用いて、第1の装置の状態の異常を監視する。
この異常監視装置において、第1のステップは、複数(K)の装置各々の複数のデータ項目を回帰分析における目的変数とそれ以外の1つ以上の説明変数とに統計的に分類するステップと、複数(K)の第2の装置各々の個別のモデルとしての複数(K)の回帰モデルを作成するステップと、複数(K)の回帰モデルの係数及び切片を当該装置各々の特徴項目値などから予測する類似装置共通のメタ予測モデルを作成するステップと、メタ予測モデルに第1の装置の特徴項目値などを入力して当該装置専用の第1のモデルとしての回帰モデルの係数及び切片を生成するステップとを有する。
第2のステップは、第1の装置専用の第1のモデルに第1の装置の複数のデータ項目における説明変数を入力して目的変数の予測値を計算するステップと、目的変数の実測値と当該予測値との間における乖離度を計算するステップと、乖離度としきい値とを比較することで第1の装置の異常を検知するステップとを有する。
特開2008−98076号公報 特開2010−287011号公報
特許文献1に示された装置では、燃料電池発電装置を診断対象機器としているが、同様の診断手法を用いて熱源機器などの状態の診断も可能である。この場合も、燃料電池発電装置と同様、機器の状態の変化特性を示すモデル式の係数の変化から診断対象機器が特殊な状態にあるか否かを判断することにより、不可逆的なダメージを受ける前に早期に機器の異常を検出することができる。すなわち、機器の異常の兆候を早期に知ることができる。
この特許文献1に示された診断手法では、実験データに基づいて、機器の基本的な状態の変化特性を示す基準モデルを生成し、この基準モデルのモデル式の係数に対して許容範囲を定め、実稼働データから得られるモデル式の係数が基準モデルのモデル式の係数に対して定められた許容範囲にあるか否かにより、診断対象機器が特殊な状態にあるか否かを判断するようにしているものと考えられる。
しかしながら、工場や建物などで使用される燃料電池発電装置や熱源機器という設備機器のように、大型でかつ少量生産の機器は、実用環境に近い条件の実験環境を用意することが困難であり、また実験サンプル自体を豊富に用意することも困難である。このため、豊富な実験データを収集することができず、基準モデルの統計的信頼度を高めることができない。
また、特許文献1に示された診断手法は、バルブや発信器というようなフィールド機器へも適用することが可能であるが、このようなフィールド機器はもともと長期間(15年程度)使用されるものであり、劣化や故障による明確な異常の兆候が短期間では現れない。このたため、診断対象機器をフィールド機器とするような場合にも、限られた実験サンプルを使用し、短期間で、豊富な実験データを収集することが困難であり、基準モデルの統計的信頼度を高めることができない。
また、特許文献2に示された装置では、複数(K+1)の装置のうち、1つの第1の装置を監視の対象(診断対象機器)とし、それと類似する他の複数の第2の装置を第1の装置の監視のための第1のモデルを生成するための対象とし、この対象からの正常時のデータから第1のモデルを生成している。すなわち、診断対象機器と類似する他の複数の機器からの正常時のデータから基準モデルを生成している。これにより、基準モデルを生成する際のデータ数が増大し、基準モデルの統計的信頼度が高められる。
しかしながら、この特許文献2に示された装置では、基準モデルに診断対象機器の複数のデータ項目における説明変数を入力して目的変数の予測値を計算し、この計算した予測値と実測値との間における乖離度を計算し、この計算した乖離度としきい値とを比較することで診断対象機器の異常を検知するようにしている。このため、実測値を得た段階での異常の有無を検知することは可能であるが、異常の兆候を早期に知ることはできない。
また、特許文献2に示された装置では、診断対象機器と類似する他の複数の機器からのデータから基準モデルを生成するようにしているが、診断対象機器と類似する他の複数の機器の使用条件については考慮されていない。すなわち、診断対象機器と類似する機器であっても、その機器が置かれる産業システムや設備が運用される業界の違いによって機器の稼働パターンが異なり、その稼働パターンの違いが生成される基準モデルに影響を及ぼすにも拘わらず、全ての類似する他の機器からのデータを使用して基準モデルを生成しているため、基準モデルの統計的信頼度が低下し、診断の精度が落ちる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、基準モデルの統計的信頼度を高めるとともに、診断対象機器の異常の兆候を早期に知ることが可能な実稼働データによる機器の状態診断装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、診断対象機器として指定された機器の状態をその機器からの実稼働データに基づいて診断する実稼働データによる機器の状態診断装置において、実稼働中の機器から実稼働データを収集する実稼働データ収集手段と、指定された診断対象機器と同タイプかつ同一業界で使用されている複数の機器から収集された実稼働データに基づいて診断対象機器と同タイプかつ同一業界の機器群の総合的な状態の変化特性を示す基準モデルを生成する基準モデル生成手段と、基準モデル生成手段によって生成された基準モデルに対して正常状態として許容される範囲を示す許容範囲モデルを生成する許容範囲モデル生成手段と、指定された診断対象機器から収集された実稼働データに基づいて当該診断対象機器の現在の状態の変化特性を示す診断対象モデルを生成する診断対象モデル生成手段と、診断対象モデル生成手段によって生成された診断対象モデルと許容範囲モデル生成手段によって生成された基準モデルに対する許容範囲モデルとを比較し、その比較結果に基づいて診断対象機器の状態を診断する機器状態診断手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、指定された診断対象機器と同タイプかつ同一業界で使用されている複数の機器から収集された実稼働データに基づいて基準モデルが生成され、この基準モデルに対して許容範囲モデルが生成される。また、指定された診断対象機器から収集された実稼働データに基づいて診断対象モデルが生成される。そして、この生成された診断対象モデルと基準モデルに対する許容範囲モデルとが比較され、その比較結果に基づいて診断対象機器の状態が診断される。
例えば、本発明において、基準モデル生成手段は、基準モデルのモデル式の係数を生成し、許容範囲モデル生成手段は、基準モデルのモデル式の係数に対する許容範囲を生成し、診断対象モデル生成手段は、診断対象モデルのモデル式の係数を生成し、機器状態診断手段は、診断対象モデル生成手段によって生成された診断対象モデルのモデル式の係数と許容範囲モデル生成手段によって生成された基準モデルのモデル式の係数に対する許容範囲とを比較し、その比較結果に基づいて診断対象機器の状態を診断する。
本発明によれば、診断対象機器と同タイプかつ同一業界で使用されている複数の機器から収集された実稼働データに基づいて基準モデルが生成されるので、稼働パターンが類似する実稼働データから基準モデルが生成されるものとなり、基準モデルの統計的信頼度が高められる。
また、本発明によれば、診断対象モデルと基準モデルに対する許容範囲モデルとを比較することにより、診断対象モデルのモデル式の係数が基準モデルのモデル式の係数に対する許容範囲から外れていれば特殊な状態にあると判断するなどして、診断対象機器の異常の兆候を早期に知ることが可能となる。
本発明に係る実稼働データによる機器の状態診断装置を用いた診断システムの一実施の形態の要部を示す図である。 この診断システムにおける実稼働データによる機器の状態診断装置(機器状態診断装置)の機能ブロック図である。 機器X2,X3の実稼働データから生成された業界モデルG1(変化特性I)およびこの業界モデルG1に対する許容範囲モデル(変化特性II,III)を例示する図である。 診断対象機器X1の積算発電時間Tnが700時間に達した時点の診断対象モデル(変化特性IV)を例示する図である。 診断対象機器X1の積算発電時間Tnが1500時間に達した時点の診断対象モデル(変化特性V)を例示する図である。 特許文献1における燃料電池発電装置の状態の診断手法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係る実稼働データによる機器の状態診断装置を用いた診断システムの一実施の形態の要部を示す図である。
図1において、100は本発明に係る実稼働データによる機器の状態診断装置(以下、機器状態診断装置と呼ぶ)、200は機器状態診断装置100によって診断される機器である。機器200はネットワーク300を介して機器状態診断装置100に接続されている。
なお、図1において、機器200は同一タイプの機器であるものとする。この実施の形態では、機器200を燃料電池発電装置とし、全てその型番が同じであるものとする。また、図1には機器200として機器X1〜X6しか示していないが、実際にはさらに多くの機器Xが存在する。
また、この実施の形態では、説明を簡単とするために、業界G1を半導体業界、業界G2を商業ビル業界とし、業界G1において機器X1,X2,X3が使用され、業界G2において機器X4,X5,X6が使用されているものとする。この例では、業界G1として半導体業界、業界G2として商業ビル業界を挙げたが、他にも公共設備業界などさらに多くの業界Gが存在する。
機器状態診断装置100は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。このプログラムは、例えばCD−ROMなどの記録媒体に記録された状態で提供され、この記録媒体から読み出されてハードディスクなどの記憶装置にインストールされている。
図2に機器状態診断装置100の機能ブロック図を示す。機器状態診断装置100は、実稼働データ収集部1と、基準モデル生成部2と、許容範囲モデル生成部3と、診断対象モデル生成部4と、機器状態診断部5と、データベース部6とを備えている。
この機器状態診断装置100において、実稼働データ収集部1は、ネットワーク300を介して、実稼働中の機器200から実稼働データを定期的に収集し、データベース部6に格納する。この例では、機器200の実稼働データとして積算発電時間Tnとセル電圧E(Tn)を収集し、業界別に分類してデータベース部6に格納する。
基準モデル生成部2は、データベース部6にアクセスし、指定された診断対象機器と同タイプかつ同一業界で使用されている複数の機器200から収集された実稼働データに基づいて、診断対象機器と同タイプかつ同一業界の機器群の総合的な状態の変化特性を示す基準モデルを生成する。
許容範囲モデル生成部3は、基準モデル生成部2によって生成された基準モデルに対して正常状態として許容される範囲を示す許容範囲モデルを生成する。
診断対象モデル生成部4は、データベース部6にアクセスし、指定された診断対象機器から収集された実稼働データに基づいて当該診断対象機器の現在の状態の変化特性を示す診断対象モデルを生成する。
機器状態診断部5は、オペレータからの診断対象機器の指定を受け、その指定された診断対象機器を基準モデル生成部2および診断対象モデル生成部4に伝えるともに、診断対象モデル生成部4によって生成された診断対象モデルと許容範囲モデル生成部3によって生成された基準モデルに対する許容範囲モデルとを比較し、その比較結果に基づいて診断対象機器の状態を診断する。
次に、基準モデル生成部2、許容範囲モデル生成部3、診断対象モデル生成部4および機器状態診断部5の詳細な機能について、具体例を挙げて説明する。
機器状態診断部5は、例えば診断対象機器をX1として、オペレータからの指定を受けると、この指定された診断対象機器X1を基準モデル生成部2および診断対象モデル生成部4に伝える。
基準モデル生成部2は、機器状態診断部5からの診断対象機器X1の指定を受けると、データベース部6にアクセスし、診断対象機器X1が属する業界G1の診断対象機器X1を除く他の機器200の実稼働データを取得する。この例では、機器X2,X3の実稼働データを取得する。
そして、基準モデル生成部2は、その取得した機器X2,X3の実稼働データから診断対象機器X1と同タイプかつ同一業界の機器群の総合的な状態の変化特性を示す基準モデルを生成する。この例では、機器X2,X3の実稼働データとして取得した複数の積算発電時間Tnとセル電圧E(Tn)から、前述した(1)式で示されるモデル式を作成し、この作成したモデル式を基準モデルのモデル式とし、このモデル式の係数AをAG1として求める。以下、機器X2,X3の実稼働データから生成された基準モデルを業界モデルG1と呼ぶ。
図3に機器X2,X3の実稼働データから生成された業界モデルG1(変化特性I)を例示する。機器X2の実稼働データは比較的短期間蓄積されており、機器X3の実稼働データは比較的長期間蓄積されている。機器X2,X3は機器X1と同一の業界G1に属しており、その実稼働データは稼働パターンが類似している。この類似する実稼働データを基準モデルの元データとして利用して統計処理することにより、蓄積期間の不足やデータのばらつきの影響を改善し、基準モデルの統計的信頼度を高め、正確な診断を行うことが可能となる。
基準モデル生成部2で生成された業界モデルG1のモデル式の係数AG1は許容範囲モデル生成部3に送られる。許容範囲モデル生成部3は、基準モデル生成部2からの業界モデルG1のモデル式の係数AG1より、業界モデルG1に対して正常状態として許容される許容範囲を示す許容範囲モデルを生成する。この例では、業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対して、許容範囲±αを定める。図3に業界モデルG1に対して生成される許容範囲モデル(変化特性II,III)を例示する。この業界モデルG1のモデル式の係数AG1および許容範囲±αは機器状態診断部5へ送られる。
診断対象モデル生成部4は、機器状態診断部5からの診断対象機器X1の指定を受けると、データベース部6にアクセスし、診断対象機器X1の実稼働データを取得し、この取得した診断対象機器X1の実稼働データから診断対象機器X1の現在の状態の変化特性を示す診断対象モデルを生成する。この例では、機器X1の実稼働データとして取得した複数の積算発電時間Tnとセル電圧E(Tn)から、前述した(1)式で示されるモデル式を作成し、この作成したモデル式を診断対象モデルのモデル式とし、このモデル式の係数AをAX1として求める。この診断対象モデルのモデル式の係数AX1は機器状態診断部5へ送られる。
機器状態診断部5は、診断対象モデル生成部4からの診断対象モデルのモデル式の係数AX1と許容範囲モデル生成部3からの業界モデルG1のモデル式の係数AG1および許容範囲±αを入力とし、診断対象モデルのモデル式の係数AX1と業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αとを比較する。
ここで、診断対象モデルのモデル式の係数AX1が業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αの間にあれば、機器状態診断部5は、診断対象機器X1は正常な状態にあると判断し、その判断結果(診断結果)を出力する。これに対し、診断対象モデルのモデル式の係数AX1が業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αから外れていれば、機器状態診断部5は、診断対象機器X1が正常な状態以外の特殊な状態(劣化、破損など)にあると判断し、その判断結果(診断結果)を出力する。
図4に診断対象機器X1の積算発電時間Tnが700時間に達した時点の診断対象モデル(変化特性IV)を示す。この診断対象モデル(変化特性IV)は業界モデルG1に対する許容範囲モデル(変化特性II,III)の範囲内(信頼区間内)にあるので、診断対象モデルのモデル式の係数AX1が業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αの間に入り、正常な状態にあると判断される。
図5に診断対象機器X1の積算発電時間Tnが1500時間に達した時点の診断対象モデル(変化特性V)を示す。この診断対象モデル(変化特性V)は業界モデルG1に対する許容範囲モデル(変化特性II,III)の範囲外(信頼区間外)にあるので、診断対象モデルのモデル式の係数AX1が業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αから外れ、劣化や破損などの虞がある特殊な状態であると判断される。
このようにして、本実施の形態では、モデル式の係数Aを用いて特殊な状態であるか否かを診断することにより、不可逆的なダメージを受ける前に、診断対象機器X1の異常の兆候を知ることが可能となる。
なお、参考として、図4および図5中に、業界G2で使用される機器X5,X6の実稼働データから生成される業界モデルG2(変化特性VI)を示す。業界G1とG2とでは同一タイプの機器200でも使用条件が異なるため、その実稼働データから生成される基準モデル、すなわち業界モデルG1,G2は異なるものとなる。業界G2における機器X4を診断対象機器とする場合には、この業界モデルG2(変化特性VI)に対して定められる許容範囲モデルを用いて、上述した業界G1における機器X1と同様にして診断が行われる。
なお、上述した実施の形態では、機器200を燃料電池発電装置としたが、バルブや発信器というようなフィールド機器や熱源機器などの設備機器を機器200としてもよい。このような機器は、設備保全の対象として遠隔監視システムが普及し始めている。遠隔監視のオペレータはフィールド機器や設備機器のユーザではなく、ユーザ企業から見れば外部組織に相当する企業のオペレータであるケースが多い。この背景として、設備機器は半導体製造装置のようなメインプロセス装置ではなく、またフィールド機器は設備機器に付属するケースが多く、運用データの営業機密性が高くないという特徴がある。また、異なる多くの企業で使用されている多くの機器を対象に、一定の遠隔監視者が一定のアルゴリズムによってデータ収集できるので、統計的信頼度を高めるだけの豊富なデータを収集することが可能である。このようなフィールド機器や設備機器などの特徴を利用し、遠隔間監視データを活用することにより、基準モデルを生成する際のデータ数が増大させて、基準モデルの統計的信頼度を高めることができる。
また、異なる多くの企業で使用されている機器は、全てがほゞ同等の条件で使用されているとは限らない。しかし、営業機密性が高くないというフィールド機器や設備機器の特徴に関連して、これらの機器は個々の企業に固有の条件,状態で使用されるということは少なく、業界毎に分類すれば概ね同等の条件に整いやすい。例えば、景気の影響を受けて稼働率が上下する傾向や、設備の使用目的(用途、対象)は、いわゆる「業界標準」が基本になる。したがって、同じタイプの機器であっても、運用データを業界別に分類して、業界別に統計解析的手法のデータとして活用することで、基準モデルの統計的信頼度を高めることができる。例えば、フィールド機器であれば、石油、化学、鉄鋼、水(浄水場)などのような分類がある。例えば、設備機器であれば、半導体、食品、プラスチック、医薬品などの分類がある。
また、上述した実施の形態では、例えば、業界モデルG1のモデル式の係数AG1を求め、この業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αを定め、診断対象モデルのモデル式の係数AX1を求め、診断対象モデルのモデル式の係数AX1と業界モデルG1のモデル式の係数AG1に対する許容範囲±αとを比較することによって、診断対象機器X1の状態を診断するようにしたが、必ずしもこのようなモデル式の係数を用いる方法をとらなくてもよい。すなわち、業界モデルG1に対する許容範囲モデル(変化特性II,III)と診断対象モデルの変化特性(変化特性IV,V)とを画面上で比較するなどして、診断対象機器X1の状態を診断するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、機器状態診断部5に対して診断対象機器のみを指定するようにしたが、診断対象機器と合わせて業界についても指定するようにしてもよい。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施の形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1…実稼働データ収集部、2…基準モデル生成部、3…許容範囲モデル生成部、4…診断対象モデル生成部、5…機器状態診断部、100…実稼働データによる機器の状態診断装置(機器状態診断装置)、200(X1〜X6)…機器、300…ネットワーク。

Claims (2)

  1. 診断対象機器として指定された機器の状態をその機器からの実稼働データに基づいて診断する実稼働データによる機器の状態診断装置において、
    実稼働中の機器から実稼働データを収集する実稼働データ収集手段と、
    前記指定された診断対象機器と同タイプかつ同一業界で使用されている複数の機器から収集された実稼働データに基づいて前記診断対象機器と同タイプかつ同一業界の機器群の総合的な状態の変化特性を示す基準モデルを生成する基準モデル生成手段と、
    前記基準モデル生成手段によって生成された基準モデルに対して正常状態として許容される範囲を示す許容範囲モデルを生成する許容範囲モデル生成手段と、
    前記指定された診断対象機器から収集された実稼働データに基づいて当該診断対象機器の現在の状態の変化特性を示す診断対象モデルを生成する診断対象モデル生成手段と、
    前記診断対象モデル生成手段によって生成された診断対象モデルと前記許容範囲モデル生成手段によって生成された前記基準モデルに対する許容範囲モデルとを比較し、その比較結果に基づいて前記診断対象機器の状態を診断する機器状態診断手段と
    を備えることを特徴とする実稼働データによる機器の状態診断装置。
  2. 請求項1に記載された実稼働データによる機器の状態診断装置において、
    前記基準モデル生成手段は、
    前記基準モデルのモデル式の係数を生成し、
    前記許容範囲モデル生成手段は、
    前記基準モデルのモデル式の係数に対する許容範囲を生成し、
    前記診断対象モデル生成手段は、
    前記診断対象モデルのモデル式の係数を生成し、
    前記機器状態診断手段は、
    前記診断対象モデル生成手段によって生成された診断対象モデルのモデル式の係数と前記許容範囲モデル生成手段によって生成された前記基準モデルのモデル式の係数に対する許容範囲とを比較し、その比較結果に基づいて前記診断対象機器の状態を診断する
    ことを特徴とする実稼働データによる機器の状態診断装置。
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