JP2014015112A - フード跳上装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フードの跳上量の拡大を図り、効率的なエネルギ吸収が可能なフード跳上装置を提供すること。
【解決手段】フードロック機構30を支持し、車体10との間に設けられたガイド手段により車体10に対して車両上下方向に移動可能に支持されたフードロックベース50と、フードロックベース50を車体10に対して車両上方に移動させる駆動を行ってエンジンフード11の跳ね上げを行うとともに、フードロックベース50の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段を備えた上昇アクチュエータACTと、車両MBに対する移動物体の衝突判定時に、上昇アクチュエータACTを駆動させるコントローラ100と、を備えていることを特徴とするフード跳上装置とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両前部に設けられたフードを跳ね上げるフード跳上装置に関する。
従来、歩行者などの移動物体が車両に衝突した際に、フードの前端部を跳ね上げ、フードとその下方のエンジンなどの搭載物との間隔を拡げ、フードの変形あるいは移動に伴い移動物体の衝突エネルギを吸収する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術は、ロック状態でフード前端部を車体側と係合させるフードロック機構と、第1のアクチュエータの駆動によりフードロック機構による係合を解除するリリース手段と、第2のアクチュエータによりフード前端部を跳ね上げる跳上手段とを備えている。
そして、この従来技術は、移動物体の衝突時には、フードロック機構のロックを解除して、フードをキャッチレバーに係合される位置まで跳ね上げ、フードに入力される衝突エネルギを吸収するようになっている。
特許第3864686号公報
しかしながら、上述の従来技術は、フード跳上時の跳上量が、フードロック機構のキャッチレバーによる係合位置に制限されていた。このため、移動物体の衝突によるフードの下降可能な範囲内で効率的にエネルギ吸収を行うのに苦慮していた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、フードの跳上量の拡大を図り、効率的なエネルギ吸収が可能なフード跳上装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、フードロック機構を支持し、車体との間に設けられたガイド手段により前記車体に対して車両上下方向に移動可能に支持されたロック機構支持部材と、前記ロック機構支持部材を前記車体に対して車両上方に移動させる駆動を行って前記フードの跳ね上げを行うとともに、前記ロック機構支持部材の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段を備えた上昇アクチュエータと、前記車両に対する移動物体の衝突判定時に、前記上昇アクチュエータを駆動させる制御手段と、を備えていることを特徴とするフード跳上装置とした。
本発明では、上昇アクチュエータによりフードロック機構自体を上昇させるため、従来のようにフードの上昇量がキャッチレバーによる係合位置に制限されるものと比較して、充分な跳上量を得ることが可能となり、その分、効率的なエネルギ吸収が可能となる。
しかも、上昇アクチュエータは、ロック機構支持部材の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段を備えているため、上昇作動後に衝突エネルギによりフードが下降した際には、吸収手段により衝突エネルギを吸収可能である。したがって、吸収手段を備えないものと比較して、より効率的なエネルギ吸収が可能である。
実施の形態1のフード跳上装置を示す全体図である。 実施の形態1のフード跳上装置におけるフードロック機構の説明図であり、(a1)はロック状態のフードロック機構を車両前方から見た図であり、(a2)はロック状態のフードロック機構を車両後方から見た図であり、(b1)はロック解除状態のフードロック機構を車両前方から見た図であり、(b2)はロック解除状態のフードロック機構を車両後方から見た図である。 実施の形態1のフード跳上装置を示すフードロック機構をロック状態としたときの車両側方から見た縦断面図である。 実施の形態1のフード跳上装置を示すフードロック機構をロック状態としたときの車両上方から見た平面図であって、エンジンフードを省略して示している。 実施の形態1のフード跳上装置を示すフードロック機構をロック状態としたときの車両前方から見た正面図である。 実施の形態1のフード跳上装置の動作の説明図であり、(a1)(b1)は上昇アクチュエータの非駆動時を示し、(a1)は車両前方から見た図であり、(b1)は車両後方から見た図である。(a2)(b2)は、は上昇アクチュエータの駆動初期のロック機構支持部材としてのフードロックベースのロックが解除された状態を示し、(a2)は車両前方から見た図であり、(b2)は車両後方から見た図である。(a3)(b3)は上昇アクチュエータの駆動終了時のロック機構支持部材としてのフードロックベースの上昇終了時を示し、(a3)は車両前方から見た図であり、(b3)は車両後方から見た図である。 実施の形態1のフード跳上装置に用いた駆動シリンダを示す断面図であり、(a)は非駆動時を示し、(b)は駆動シリンダの最大伸張状態の直前を示し、(c)は駆動シリンダの最大伸張時を示し、(d)は駆動シリンダの要部を示している。 実施の形態1のフード跳上装置の動作説明図であり、(a)は移動物体との衝突直前を示し、(b)は前記衝突時によりエンジンフードを跳ね上げた状態を示し、(c)は前記衝突後に移動物体がエンジンフードに乗り上げた状態を示している。 実施の形態1のフード跳上装置のエンジンフードを跳ね上げる前の状態を示す斜視図である。 実施の形態1のフード跳上装置のエンジンフードを跳ね上げた状態を示す斜視図である。 実施の形態1のフード跳上装置の動作説明図であり、フード跳上時に移動物体から衝突エネルギが入力されている様子を示す斜視図である。 実施の形態2のフード跳上装置の動作の説明図であり、(a1)(b1)は上昇アクチュエータの非駆動時を示し、(a1)は車両前方から見た図であり、(b1)は車両後方から見た図である。(a2)(b2)は、は上昇アクチュエータの駆動初期のロック機構支持部材としてのフードロックベースのロックが解除された状態を示し、(a2)は車両前方から見た図であり、(b2)は車両後方から見た図である。(a3)(b3)は、は上昇アクチュエータの駆動終了時のロック機構支持部材としてのフードロックベースの上昇終了時を示し、(a3)は車両前方から見た図であり、(b3)は車両後方から見た図である。 実施の形態3のフード跳上装置の動作の説明図であり、(a)は上昇アクチュエータの非駆動時を示し、(b)は上昇アクチュエータの駆動中期であってロック機構支持部材としてのフードロックベースの上昇途中を示し、(c)は上昇アクチュエータの駆動終了時であってフードロックベースの上昇終了時を示している。 実施の形態4のフード跳上装置の要部を示す斜視図であり、上昇アクチュエータの駆動終了状態を示している。 実施の形態4のフード跳上装置に用いたエネルギ吸収フック部材を示す斜視図であり、(a)はロック機構支持部材としてのフードロックベースの上昇前の状態を示し、(b)はロック機構支持部材としてのフードロックベースの上昇後の状態を示している。 実施の形態5のフード跳上装置の要部を車両前方から見た正面図であり、(a)は上昇アクチュエータの非駆動時を示し、(b)は上昇アクチュエータの駆動時を示している。 実施の形態6のフード跳上装置の要部を車両前方から見た正面図であり、(a)は上昇アクチュエータの非駆動時を示し、(b)は上昇アクチュエータの駆動時を示している。 実施の形態6のフード跳上装置の駆動伝達機構に用いた荷重伝達リンクを示す車両前方から見た正面図である。 実施の形態7のフード跳上装置の要部を車両前方から見た正面図であり、(a)は上昇アクチュエータの非駆動時を示し、(b)は上昇アクチュエータの駆動時を示している。 他の実施の形態のフード跳上装置を示す図であり、(a)はフード跳上装置の要部の概略を示す正面図であり、(b)はガイド手段の断面図である。
以下、本発明のフード跳上装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のフード跳上装置を図1〜図11に基づいて説明する。
図1は実施の形態1のフード跳上装置を適用した車両MBの前部の主要部を示す斜視図である。
車両MBの車体10の前部には、エンジンルームERを覆うエンジンフード11が設けられている。そして、フロントバンパ12には、移動物体ob(図8参照)が衝突したことを検出するための衝突センサとしての加速度センサ(以下、Gセンサという)20,20,20が、車幅方向の中央および左右の3箇所に設けられている。なお、移動物体obは、歩行者や自転車などのように衝突時にエンジンフード11に乗り上げるおそれのある他車両などと比較して軽量の物体を指し、衝突時にエンジンフード11に乗り上げることのない他車両などは除く。また、このような移動物体obは、衝突時の車速と加速度との関係や、あるいは、撮像手段(図示省略)から得られた衝突直前時の画像データなどから判断することが可能である。
エンジンフード11は、図8(b)(c)に示すように、その後端部の図示を省略したヒンジを中心に、上下に回動可能に車体10に支持され、その前端部が、図1に概略を示すフードロック機構30によりロック可能となっている。なお、各図において矢印FRが車両前方を、矢印UPRが車両上方を、矢印RSが車両右方向を示している。
フードロック機構30は、ラジエータコアサポートクロスメンバ13とエンジンフード11との間に設置されている。なお、図3および図4に示すように、ラジエータコアサポートクロスメンバ13の上面には、エンジンフード11の閉蓋時に車体10に対して金属接触が生じないようにする緩衝機能を有した弾性材により形成されたバンパラバー15が設けられている。
次に、フードロック機構30およびその支持構造について説明する。
フードロック機構30は、図2に示すように、ストライカ31、メインラッチ32、サブラッチ33、キャッチ機構36を備えた周知のものである。
これらストライカ31、メインラッチ32、サブラッチ33、キャッチ機構36の構造および作用は、従来からの構造と同様のものである。すなわち、ストライカ31がメインラッチ32に係合してロック状態となり、車内からの操作によりこの係合を解除させることが可能となっている。また、このストライカ31とメインラッチ32との係合解除時には、キャッチ機構36によりエンジンフード11が係合されて、その上昇量が一定値に規制される。
さらに、本実施の形態1の特有の構造として、フードロック機構30は、フードロックベース50に取り付けられている。そして、このフードロックベース50は、フードロックステイ14に車両上下方向に移動可能に支持されている。
以下に、これらの構成を具体的に説明する。
まず、フードロックベース50およびフードロックステイ14について説明する。
フードロックステイ14は、フードロック機構30、駆動シリンダ40、駆動伝達機構60などを支持するための金属板状のもので、図1に示すように、車体10の前端部に車両上下方向に延在されている。
このフードロックステイ14は、図3に示す板状の本体プレート14aと、この本体プレート14aを、ラジエータコアサポートクロスメンバ13に取り付ける板状の取付ブラケット14bとを備えている。なお、本体プレート14aの下端部は車両下部の図示を省略したクロスメンバに固定されている。
フードロックステイ14の車両前方側の上部にはフードロックベース50が取り付けられている。
このフードロックベース50は、本体プレート14aに対して車両上下方向にスライド可能なスライドプレート51と、このスライドプレート51に固定されてフードロック機構30を支持する支持プレート52とを備えている。
スライドプレート51は、図5にも示すように、本体プレート14aの車両前方側の面である前面14fsに重ねて取り付けられ、本体プレート14aに対して車両上下方向にスライド可能に取り付けられている。
すなわち、本体プレート14aには、図6(b1)〜(b3)に示すように、車幅方向中央に長穴状の中央鉛直ガイド長穴14cが車両上下方向に延在され、かつ、その左右位置に、水平ガイド部14dと鉛直ガイド部14eとにより略L字状を成すL字ガイド穴14f,14fが形成されている。
スライドプレート51は、後述する各連結ピン61p,62p,62pがこれら中央鉛直ガイド長穴14cおよびL字ガイド穴14fの鉛直ガイド部14eに沿って移動することにより、車両上下方向に移動可能に支持されている。
さらに、図5に示しように、スライドプレート51において車幅方向中央位置には、詳細は後述するが、中央鉛直ガイド長穴14cと車両前方から視て車両上下方向に一部重なる位置にロック解除駆動用穴51aが形成されている。また、スライドプレート51においてロック解除駆動用穴51aの左右には、前述したL字ガイド穴14fの水平ガイド部14dに鉛直ガイド部14eの下端部を加えて水平方向長さと同じ長さのロック用穴51b,51bが、車両前方から視て重なる位置に形成されている。
なお、図6に示すように、本体プレート14aの上端部の左右には、車両上方に開口されたU字状の一対のロック穴14jが形成され、図6(a1)(b1)に示す通常時にはスライドプレート51の上端部に設けられたボルト51cの軸部が挿入されている。加えて、このボルト51cは、その頭部およびこれに噛み合うナット(図示省略)が、本体プレート14aならびにスライドプレート51を挟持している。これにより、通常時は、スライドプレート51、すなわちフードロックベース50の水平方向の移動が規制されている。
支持プレート52は、図3に示すように、スライドプレート51の車両前方側に間隔を空けて配置されて、スライドプレート51に固定されている。そして、支持プレート52には、図2に示すように、車両前方を向いた前面にキャッチ機構36のキャッチレバー362が取り付けられ、車両前方を向いた後面にメインラッチ32およびサブラッチ33が取り付けられている。
以下に、フードロック機構30について詳細に説明する。
ストライカ31は、車両側方から見てU字状に折曲された金属製ロッドにより形成されており、図3および図5に示すように、エンジンフード11の下面において車両下方に突設された凸部11aに固定されている。
図2に示すメインラッチ32およびサブラッチ33は、金属製の板状の部材であり、メインラッチ32は、ストライカ31と係脱可能に形成され、一方、サブラッチ33は、メインラッチ32と係脱可能に形成されている。
すなわち、メインラッチ32およびサブラッチ33は、それぞれ、図2(a2)(b2)に示す支持プレート52の後面に配置され、支持プレート52に固定されたピン32p,33pに回動可能に支持されている。
メインラッチ32は、その下端部と支持プレート52との間に設けられたセットスプリング34によって、ストライカ31と非係合状態となる方向( 図2(a2)(b2)において反時計回り方向)に回動付勢されている。そして、このメインラッチ32は、図示を省略したストッパにより上記の反時計回り方向の回動が規制される。この回動規制された状態が、図2(b2)に示すフード開蓋時の状態であり、ストライカ31の車両上方への移動を可能とすべく、2股の第1爪部32aおよび第2爪部32bの間のロック溝32cが上向きとなる。また、この状態では、第1爪部32aがストライカ31の直下位置となり、フード閉蓋時には、この第1爪部32aによりストライカ31を受けて係合方向(図2(a2)(b2)の時計回り方向)に回動するように形成されている。
そして、メインラッチ32は、第1爪部32aがストライカ31を受けて係合方向に回動し、図2(a2)に示す位置まで回動した場合には、第2爪部32bがストライカ31の車両上方側に係合した状態となる。さらに、この状態で、図2(a2)に示すように、サブラッチ33の係合爪33aが第1爪部32aに係合されてセットスプリング34の付勢方向への回動が規制されたロック状態となり、このロック状態では、ストライカ31の上方移動、すなわち、エンジンフード11の開蓋が規制される。
サブラッチ33は、支持プレート52との間に設けられたセットスプリング(図示省略)によって時計回り方向に回動付勢され、かつ、図2(a2)に示すメインラッチ32と係合する位置において図示を省略したストッパによりこの回動が規制されている。すなわち、サブラッチ33は、図2(a2)の位置では、係合爪33aがメインラッチ32の第1爪部32aの回動軌跡よりも内側に突出している。そこで、サブラッチ33は、この図2(a2)に示す位置では、メインラッチ32が、ロック解除状態からロック方向に回動する際には、第1爪部32aが係合爪33aを上方から押し下げて、サブラッチ33を反時計回り方向に回動させながら通過することが可能である。一方、サブラッチ33は、メインラッチ32の第1爪部32aが車両下方に通過した状態では、係合爪33aが第1爪部32aと係合状態となり、メインラッチ32が、反時計回り方向であるロック解除方向の回動を規制したロック状態となる。
サブラッチ33の下端には、車室内に配設したリリースレバー(図示省略)のリリース操作によって牽引されるリリースワイヤ35が連結されている。このリリースワイヤ35の牽引動作でサブラッチ33が図2(a2)に示す位置から反時計回り方向に回動した際には、係合爪33aが第1爪部32aを押し下げながら通過し、メインラッチ32の反時計回り方向の回動規制が無くなることで、メインラッチ32とストライカ31との係合(ロック)を解除することが可能となっている。
なお、エンジンフード11は、このフードロック機構30によるロックが解除された際には、エンジンフード11は、メインラッチ32に対する付勢力およびバンパラバー15による反力を受けて車両上方へ持ち上げられる。また、エンジンフード11と車体10との間に、図示を省略したダンパが設けられている場合には、このダンパの付勢力がエンジンフード11の持ち上がりに加わる。
そこで、フードロック機構30には、メインラッチ32とサブラッチ33とのロックを解除した際に、エンジンフード11の前端部の上昇を一定量に規制するための、図2(a1)に示すキャッチ機構36が設けられている。
このキャッチ機構36は、エンジンフード11の裏面に設けられた係合ブラケット361と、支持プレート52の車両前方を向いた前面14fsに回動可能に支持されたキャッチレバー362とを備えている。
キャッチレバー362は、図2(a1)に示すようにL字状を成した金属製板状の部材であり、支持プレート52に固定されたピン363に回動可能に支持されている。キャッチレバー362の上端部には、係合爪364が形成されている。エンジンフード11が上記のようにロック解除により持ち上げられたときに、この係合爪364が係合ブラケット361に係合することにより、エンジンフード11が上昇するのを規制する。
また、キャッチレバー362の下端部には、キャッチレバー362を図2(a1)において時計回り方向に回動付勢するセットスプリング365が設けられている。さらに、キャッチレバー362には、このセットスプリング365による回動を、図2(a1)に示す係合ブラケット361と係合可能な位置において規制する図示を省略したストッパを備えている。
なお、キャッチレバー362には、キャッチレバー362が係合ブラケット361と係合した際に、この係合を解除する操作用の操作片366が、図3,図4に示すように、車両前方へ突出して設けられている。したがって、キャッチ機構36が係合状態(キャッチ状態)となった際には、エンジンフード11の下に手を差し込んで操作片366を押し、キャッチレバー362を回動させて係合を解除し、エンジンフード11を開蓋することができる。
次に、本実施の形態の特徴とするフードロックベース50を上昇させる上昇アクチュエータACTについて説明する。
この上昇アクチュエータACTは、図5に示す駆動シリンダ40と駆動伝達機構60とを備えている。
まず、駆動シリンダ40について説明すると、この駆動シリンダ40は、図7に示す流体圧シリンダが用いられている。すなわち、駆動シリンダ40は、シリンダ41と、このシリンダ41に沿って上下するピストンロッド42とを備えている。また、ピストンロッド42のピストン42pにより仕切られる下部室43と上部室44のうち、下部室43には、火薬などの膨張材45が充填されている。したがって、火薬の爆発など、膨張材45の膨張作動時には、ピストン42pが押し上げられて駆動シリンダ40は、図7(a)に示す短縮状態から、図7(b)に示すように伸張状態となる。
さらに、上部室44は、排気穴46により外部と連通され、この排気穴46がリッド部材47により塞がれている。このリッド部材47は、上部室44に突き出た突起部47aを有している。したがって、駆動シリンダ40の伸張時に、ピストン42pが上部室44の上端部まで達したときには、突起部47aがピストン42pに押されて、リッド部材47が排気穴46から離脱し、排気穴46が開いた状態となる。
このように、排気穴46が開いた状態に維持されるため、駆動シリンダ40の伸張状態からの短縮時には、シリンダ41へのピストンロッド42の進入体積分の流体が排気穴46から排気される。したがって、排気穴46の径を、この排気の際に所望の減衰力が得られるように設定することにより、エネルギ吸収手段として、エネルギ吸収を行なうことができる。
さらに、ピストン42pあるいはピストンロッド42は、前述の駆動シリンダ40の伸張時および短縮時に、上部室44と下部室43とで、両室43,44内の気体が相互に移動するための流路を備えている。そこで、図7(d)に示すように、この流路として、伸張時用流路42aと短縮時用流路42bとをそれぞれ一方弁構造として並列に設け、短縮時用流路42bに、エネルギ吸収手段として、所望の減衰力が得られる絞り42cを設けることにより、エネルギ吸収を図ることも可能である。これらのエネルギ吸収手段としての排気穴46および絞り42cは、いずれか一方のみを設けてもよいし、両方を設けてもよい。
図5に示すように、上述した駆動シリンダ40は、シリンダ41が本体プレート14aにブラケット48により固定され、ピストンヘッド42hが駆動伝達機構60に連結されている。すなわち、駆動シリンダ40の伸張作動時に、その押上方向の駆動力が、駆動伝達機構60を介してフードロックベース50に伝達されるようになっている。
次に、駆動伝達機構60について説明する。
駆動伝達機構60は、ピストンヘッド42hに連結された駆動ブラケット61と、この駆動ブラケット61に回動可能に取り付けられた一対の連動アーム62,62を備えている。
駆動ブラケット61は、図3に示すように、間隔を空けて立設された一対の立片61a,61aと、立片61a,61aの下端を連結する底片61bとにより、側方から視て略U字状の断面に形成されている。
この一対の立片61a,61aの間に、一対の連動アーム62,62の基端部が、立片61aを貫通する1本の中央連結ピン61pにより、同軸に、車両上下方向に回動可能に支持されている。なお、中央連結ピン61pは、ガイド手段のスライド部材として、ガイド部としてのスライドプレート51のロック解除駆動用穴51aおよび本体プレート14aの中央鉛直ガイド長穴14cに挿通されている(図6参照)。
一方、各連動アーム62の先端部には、それぞれ、図5に示す側部連結ピン62pが、相対回動可能に貫通されている。そして、この側部連結ピン62pは、ガイド手段のスライド部材として、ガイド部としてのスライドプレート51のロック用穴51bおよびL字ガイド穴14fの水平ガイド部14dに挿通されている(図6参照)。さらに、両側部連結ピン62p,62pは、図6(b1〜b3)に示すように、保持手段としてのアーム連結スプリング63により両者の間隔を狭める方向に付勢され、水平ガイド部14dに保持されている。
図6(a1)(b1)は、上昇アクチュエータACTを駆動させない通常時を示している。この通常時には、上述した駆動ブラケット61および連動アーム62,62は、側部連結ピン62pは、アーム連結スプリング63の付勢力によりロック用穴51bおよび水平ガイド部14dの車幅方向の中央側端部に配置される。
したがって、側部連結ピン62pの車両上下方向の移動は、水平ガイド部14dにより規制されて、駆動伝達機構60は上方移動規制状態となっている。よって、フードロックベース50の車両上下方向の移動が規制される。なお、前述のように、フードロックベース50は、水平方向の移動は、ボルト51cと本体プレート14aのロック穴14j部分との係合により規制されている。
また、この通常時は、中央連結ピン61pは、ロック解除駆動用穴51aおよび中央鉛直ガイド長穴14cの下端に配置される。これにより、一対の連動アーム62は、V字状に配置される。
この状態から駆動シリンダ40が伸張作動を行うと、中央連結ピン61pは、ロック解除駆動用穴51aおよび中央鉛直ガイド長穴14cに沿って、スライドプレート51および本体プレート14aに対して空走する。また、側部連結ピン62pは、アーム連結スプリング63の付勢力に抗して、ロック用穴51bおよび水平ガイド部14dに沿って、スライドプレート51および本体プレート14aに対して空走する。
このように、両連結ピン61p,62pのうち、中央連結ピン61pのみが車両上方に移動するため、図6(a2)(b2)に示すように、駆動ブラケット61が上昇する一方、連動アーム62は寝るように回動する。
そして、中央連結ピン61pがロック解除駆動用穴51aの上端に達するとともに、側部連結ピン62pが、ロック用穴51bおよび水平ガイド部14dの車外方向の端部に達した時点で、駆動伝達機構60の上方移動規制状態が解除される。
すなわち、側部連結ピン62pは、鉛直ガイド部14eの下端に達し、車両上方へ移動可能となる。また、中央連結ピン61pは、スライドプレート51に対して、それ以上の空走ができない状態となる。
したがって、これ以後は、両連結ピン61p,62pは、本体プレート14aの中央鉛直ガイド長穴14cおよび鉛直ガイド部14eにガイドされながら、車両上方へ移動し、スライドプレート51を、図6(a3)(b3)に示すように本体プレート14aに対し上昇させる。このとき、スライドプレート51は、中央および左右を車両上下方向にガイドされるため、例えば、1箇所をガイドされるのと比較して、車幅方向に傾き難く水平状態を保ちながら上昇させることができる。
なお、リリースワイヤ35には、上記のようにフードロックベース50が上昇したときに、フードロック機構30のロック解除が成されないようにするために、図5に示す折返し部35aが設けられている。この折返し部35aは、リリースワイヤ35が折り返され、かつ、縫合やケースなどによりその折返し状態が保持されている。そして、図示を省略したリリースレバーの操作時に作用する通常時の荷重よりも大きな荷重がリリースワイヤ35に作用された際には、折返し部35aの縫合などによる保持力を上回り、折返し部分がフリー状態になり、リリースワイヤ35の全長が伸びるようになっている。あるいは、通常時の荷重よりも大きな荷重で、リリースワイヤ35が切断されるようにしてもよい。
次に、スライドプレート51に設けられたエネルギ吸収部材70について説明する。
このエネルギ吸収部材70は、スライドプレート51が本体プレート14aに対して車両上方に移動する際には、エネルギ吸収を殆ど行わず、その逆に、スライドプレート51が本体プレート14aに対して車両下方に移動する際には、エネルギ吸収を行う。
具体的には、エネルギ吸収部材70は、樹脂あるいはゴムなどの弾性を有した素材により形成され、図10に示すように、L字ガイド穴14fの鉛直ガイド部14eの一側縁部に沿って設けられている。そして、ギザギザ状に、水平方向に突出したエネルギ吸収用凸部71が、上下方向に連続して形成されている。このエネルギ吸収用凸部71は、下方側に、斜め上方に傾斜した傾斜ガイド面71aを備える一方、上側に、剪断方向に略直交する移動抵抗部71bとを備えた山形形状となっている。すなわち、傾斜ガイド面71aは、側部連結ピン62pの車両上方への相対移動に対する抵抗が抑えられて相対移動をスムーズに行うことができる。一方、移動抵抗部71bは、車両上下方向に対して鈍角を成し、側部連結ピン62pの車両下方への相対移動に対する抵抗が大きくなっている。
したがって、側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eに沿って車両上方に移動する際には、エネルギ吸収用凸部71の傾斜ガイド面71aに沿って殆ど円滑に弾性変形さることで大きな抵抗が生じることなく移動できる。逆に、側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eを車両下方に相対移動する際には、移動抵抗部71bが側部連結ピン62pの移動抵抗となり、それぞれのエネルギ吸収用凸部71を弾性変形あるいは塑性変形させながら移動することになり、これによりエネルギ吸収可能となっている。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の作用について説明する。
(通常時)
まず、通常時の作動を説明する。
この通常時の作動は、周知の動作であるので、簡単に説明する。
エンジンフード11を閉蓋した場合、フードロック機構30では、ストライカ31が、図2(b2)に示すように上向きとなったメインラッチ32の第1爪部32aを押し下げて、この第1爪部32aがサブラッチ33の係合爪33aに係合するまで回動する。したがって、フードロック機構30は、ストライカ31の上側にメインラッチ32の第2爪部32bが係合したロック状態となる。
また、この通常時は、フードロックベース50は、本体プレート14aに対して固定されており、エンジンフード11は、車体10に係合されて、開蓋が規制される。なお、上述した通常時の上昇アクチュエータACTの状態は、図5、図6(a1)(bb1)、図9に示している。
上述した通常時のフードロックベース50の車体10に対する固定は、前述したように、以下の水平方向の移動規制と、車両上下方向への移動規制により成される。
フードロックベース50の水平方向の移動規制は、スライドプレート51の上端部に設けられたボルト51cが、本体プレート14aの上端部のロック穴14jに対して固定されることにより成される。
また、フードロックベース50の車両上下方向の移動規制は、ロック用穴51bに挿通された側部連結ピン62pが水平ガイド部14dに挿通されることにより成される。
次に、通常時に、エンジンフード11を開蓋する場合は、車室内の図示を省略したリリースレバーを操作してリリースワイヤ35を図2(b2)において矢印OP1の方向に牽引することにより、サブラッチ33が、図2(b2)において矢印OP2の方向である反時計回り方向に回動されてメインラッチ32との係合が外れる。これにより、メインラッチ32は、セットスプリング34の付勢力により図2(b2)において矢印OP3に示す反時計回り方向に回動し、ストライカ31を押し上げるとともに、第2爪部32bとの係合が外れる。したがって、エンジンフード11は、このメインラッチ32に対する付勢力やバンパラバー15などの付勢力により車両上方に持ち上げられる。なお、エンジンフード11を持ち上げるダンパが存在する場合には、その付勢力も加わる。
このとき、キャッチ機構36にあっては、キャッチレバー362が、セットスプリング365の付勢力により、係合ブラケット361と係合可能な位置に配置されているため、図2(b1)に示すように、係合ブラケット361と係合し、このときのエンジンフード11の上昇量を一定量に制限する。
よって、乗員などの操作者は、手動によりキャッチレバー362を図2(a2)において反時計回り方向に回動させ、キャッチ機構36による係合を解除した後、エンジンフード11を開蓋することができる。
(移動物体衝突時)
歩行者や自転車などの移動物体obが車両MBの前部に衝突した場合の動作について順を追って説明する。
図8(a)(b)に示すように、移動物体obが車両MBの前部に衝突した場合、Gセンサ20の検出に基づいてコントローラ100によりその判定が成されると、コントローラ100は、駆動シリンダ40を伸張駆動させる。
これにより、駆動伝達機構60では、図6(a1)(b1)のロック状態から、駆動ブラケット61が上昇され、中央連結ピン61pが、中央鉛直ガイド長穴14cおよびロック解除駆動用穴51aに沿って移動することにより、スライドプレート51および本体プレート14aに対して空走する。
また、側部連結ピン62pが、水平ガイド部14dおよびロック用穴51bに沿って移動してスライドプレート51および本体プレート14aに対して空走し、連動アーム62,62がV字を開くように回動する。
そして、図6(a2)(b2)に示すように、中央連結ピン61pがロック解除駆動用穴51aの上端に達するとともに、側部連結ピン62pが、ロック用穴51bの車外側端部に達した時点で、両ピン61p,62pのスライドプレート51に対する空走が終了する。これにより、駆動伝達機構60は、フードロックベース50に対する駆動力の伝達ができないロック状態から、フードロックベース50に駆動力を伝達可能なロック解除状態に切り換えられる。
したがって、この駆動伝達機構60のロック解除状態からは、フードロックベース50のスライドプレート51が、本体プレート14aに対して押し上げられ、ロック状態のフードロック機構30と共にエンジンフード11が上昇する。
そして、図6(a3)(b3)に示すように、中央連結ピン61pが、中央鉛直ガイド長穴14cの上端に達し、側部連結ピン62pが、鉛直ガイド部14eの上端に達した時点で、スライドプレート51の上昇が終了し、図10に示すようにエンジンフード11の跳ね上げが完了した状態となる。
また、このエンジンフード11の跳上時において、側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eに沿って移動する際には、エネルギ吸収部材70は、前述のように、スムーズに弾性変形し、エネルギ吸収は殆ど成されない。
次に、移動物体obがエンジンフード11に乗り上げた際のエネルギ吸収について説明する。
上述した駆動シリンダ40の伸張駆動により図8(b)に示すようにエンジンフード11が跳ね上げられた後、図8(c)や図11に示すように、移動物体obがエンジンフード11に乗り上げた場合、エンジンフード11に衝突エネルギFが入力される。
このエンジンフード11に入力された衝突エネルギFは、ストライカ31からフードロックベース50のスライドプレート51に伝達され、エンジンフード11の前端部と共に下降する。
そして、このスライドプレート51の下降に伴い、駆動シリンダ40が短縮され、かつ、側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eに沿って下降する。
これにより、スライドプレート51が、駆動シリンダ40を押し下げながら、フードロックステイ14に対して下降するとともに、エンジンフード11が下降する。
したがって、駆動シリンダ40が短縮するのに伴い、シリンダ41の内部の気体が排気穴46およびピストン42pの絞り42cを通過する際に、減衰力を発生させることにより衝突エネルギFが吸収される。
加えて、これと並列に側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eに沿って移動する際に、エネルギ吸収部材70により受ける抵抗により、衝突エネルギFが吸収される。
このように、移動物体obの衝突エネルギは、駆動シリンダ40のエネルギ吸収手段としての排気穴46などと、エネルギ吸収部材70とにより吸収することができる。このように衝突エネルギFを吸収する手段として2つの手段が並列に存在することにより、いずれか一方のみの場合よりもエネルギ吸収特性の調節が容易であるとともに、エネルギ吸収性能を高めることが可能である。
しかも、エンジンフード11の跳上量は、フードロック機構30のキャッチレバー362による規制量に制限されることなく、本体プレート14aに対するスライドプレート51のスライド量により設定できる。そして、本実施の形態1では、キャッチレバー362による規制量よりも大きく跳ね上げるようにしている。
したがって、衝突エネルギFが入力された際のエンジンフード11のストローク量を確保して、移動物体obに与える反力を抑えつつも、より大きな衝突エネルギを吸収することが可能となる。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1のフード跳上装置は、以下に列挙する効果を奏する。
a)実施の形態1のフード跳上装置は、
車両MBの前部に設けられ、その車両後方側端部を中心に回動可能に車体に取り付けられエンジンフード11と、
このエンジンフード11の車両前方側端部と車体10との間に設けられ、エンジンフード11を車体10に対して係合させたロック状態、および、この係合を解除したロック解除状態を形成可能なフードロック機構30と、
フードロック機構30を支持し、車体10との間に設けられたガイド手段としての両連結ピン61p,62pと中央鉛直ガイド長穴14cおよびL字ガイド穴14fにより車体10に対して車両上下方向に移動可能に支持されたロック機構支持部材としてのフードロックベース50と、
車体10に設けられ、フードロックベース50を車体10に対して車両上方に移動させる駆動を行ってエンジンフード11の跳ね上げを行うとともに、フードロックベース50の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段としての排気穴46および絞り42cを備えた上昇アクチュエータACTと、
車両MBに対する移動物体obの衝突判定時に、上昇アクチュエータACTを駆動させる制御手段としてのコントローラ100と、
を備えていることを特徴とする。
本実施の形態1では、上昇アクチュエータACTを駆動させてフードロック機構30を支持するフードロックベース50を車体10に対して上昇させてエンジンフード11の跳ね上げを行うようにした。このため、本実施の形態1では、従来のようにエンジンフード11の上昇量がキャッチレバー362による係合位置に制限されることがない。したがって、本実施の形態1では、従来のようにエンジンフード11の跳ね上げ時の位置がキャッチレバー362による係合位置に制限されるものと比較して、エンジンフード11の充分な跳上量を得ることが可能となり、その分、移動物体obに与える反力を抑えつつも、より大きな衝突エネルギを吸収することが可能となる。
しかも、上昇アクチュエータACTは、エンジンフード11が衝突エネルギFにより下降してフードロックベース50が下降した際に、エネルギを吸収可能な吸収手段としての排気穴46(あるいは、さらに絞り42c)を備えている。このため、本実施の形態1では、このような吸収手段を備えないものと比較して、より効率的なエネルギ吸収が可能である。
加えて、本実施の形態1では、エンジンフード11の跳ね上げ時に、フードロック機構30のロック解除を行わないため、この跳ね上げ時にフードロック機構30のロック解除を行うものと比較して、エンジンフード11の開放防止信頼性が高い。
b)実施の形態1のフード跳上装置は、
上昇アクチュエータACTは、流体圧によりピストンロッド42を駆動する駆動シリンダ40を備え、吸収手段は、駆動シリンダ40の短縮時のシリンダ室(下部室43,上部室44)の容積変化による流体の移動により減衰力を発生させる排気穴46(あるいは、絞り42c)であることを特徴とする。
上昇アクチュエータACTに駆動シリンダ40を用いることにより、駆動用の流体が移動する部分でエネルギ吸収も行うことが可能となり、例えば、モータなどのアクチュエータを用いるものと比較して、エネルギ吸収手段を設けることが容易である。
c)実施の形態1のフード跳上装置は、
ガイド手段は、車体10側のフードロックステイ14に設けられて車両上下方向に延在されたスライドガイド部としての中央鉛直ガイド長穴14cおよび鉛直ガイド部14eと、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50側に設けられて、スライドガイド部としての中央鉛直ガイド長穴14cおよび鉛直ガイド部14eに沿ってスライドするスライド部材としての両連結ピン61p,62pと、を備えていることを特徴とする。
このように、本実施の形態1では、ガイド手段として、スライドガイド部(中央鉛直ガイド長穴14cおよび鉛直ガイド部14e)と、これをスライドするスライド部材(両連結ピン61p,62p)とを用いるようにしている。これにより、上昇アクチュエータACTの駆動時に、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50を、車体10に対して安定して車両上下方向に移動させることが可能である。
d)実施の形態1のフード跳上装置は、
ガイド手段は、少なくとも、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50の左右両端部と、車体10としてのフードロックステイ14との間に設けられていることを特徴とする。
このように、ガイド手段を、フードロックベース50の左右両端部と、車体10としてのフードロックステイ14との間に設けることにより、例えば、1箇所のみに設けるものと比較して、フードロックベース50を安定した姿勢で上下に移動させることができる。したがって、フードロックベース50の上昇に伴うエンジンフード11の跳ね上げならびにフードロックベース50の下降に伴う吸収手段によるエネルギ吸収の、作動安定性の向上を図ることができる。
e)実施の形態1のフード跳上装置は、
上昇アクチュエータACTは、駆動シリンダ40の駆動力をロック機構支持部材としてのフードロックベース50に伝達する駆動伝達機構60を備え、
駆動伝達機構60は、フードロックベース50の左右に連結された側部連結部としての側部連結ピン62p,62pを備え、両側部連結ピン62p,62pが、スライド部材として車体10側に設けられたスライドガイド部としての鉛直ガイド部14eにガイドされることを特徴とする。
駆動伝達機構60からフードロックベース50へ駆動力を伝達する部材である側部連結ピン62p,62pを、スライド部材として用いることにより、駆動力を伝達する部材とは別個にスライド部材を設けたものと比較して、部品点数を削減し、コストおよび重量の軽減を図ることが可能である。加えて、フードロックベース50において駆動力が伝達される側部連結ピン62pと、スライドガイド部に沿って移動するスライド部材とを別個に異なる位置に設けたものと比較して、スライド部材とスライドガイド部との間に「こじれ」が生じにくくなり、フードロックベース50のスライド安定性を高めることができる。
f)実施の形態1のフード跳上装置は、
スライドガイド部としてのL字ガイド穴14fは、上下方向に延びて側部連結部としての側部連結ピン62pを車両上下方向にガイドする鉛直ガイド部14eと、この鉛直ガイド部14eの下端部から水平方向に延びて、側部連結ピン62pを水平方向にガイドするとともに車両上下方向の移動を規制する水平ガイド部14dとを備え、
ロック機構支持部材としてのフードロックベース50には、上昇アクチュエータACTの非駆動時に水平ガイド部14dおよび鉛直ガイド部14eの下端部に重なって配置されるロック用穴51bを備え、
側部連結ピン62pは、ロック用穴51bを貫通してL字ガイド穴14fにガイド可能に配置され、
駆動伝達機構60は、上昇アクチュエータACTの非駆動時には、側部連結ピン62pを、ロック用穴51bにおいて水平ガイド部14dに重なる位置に配置し、上昇アクチュエータACTの駆動時に、ロック用穴51bにおいて鉛直ガイド部14eの下端部に重なる位置に移動させるよう構成されていることを特徴とする。
上昇アクチュエータACTの非駆動時には、側部連結ピン62pが、ロック用穴51bを貫通して水平ガイド部14dに配置されている。したがって、連結ピン62pの車両上下方向の移動が水平ガイド部14dに規制され、フードロックベース50は、車体に対する上下方向の移動が規制される。
一方、上昇アクチュエータACTの駆動時には、側部連結ピン62pが、ロック用穴51bおよび水平ガイド部14dを移動して鉛直ガイド部14eの位置まで移動すると、鉛直ガイド部14eに沿って移動可能となる。したがって、側部連結ピン62pは、フードロックベース50と共に車体10に対して上昇可能となる。
このように、ガイド手段および駆動伝達機構60を利用して、フードロックベース50の上下方向の移動を規制したロック状態と、上下方向の移動が可能なロック解除状態との切り換えを行うことができる。
g)実施の形態1のフード跳上装置は、
駆動伝達機構60は、先端部が側部連結部としての側部連結ピン62pによりそれぞれロック機構支持部材としてのフードロックベース50の左右側部に回動可能に取り付けられてV字状に配置されて基端部が中央連結ピン61pにより相互に回動可能に連結された一対の連動アーム62と、中央連結ピン61pが相対回動可能に連結された駆動ブラケット61と、を備え、
駆動シリンダ40は、伸張駆動時に駆動ブラケット61を押上可能に駆動ブラケット61の車両下方位置に設置され、
側部連結ピン62pは、ロック用穴51bに挿通されて、スライドガイド部としてのL字ガイド穴14fの水平ガイド部14dに配置され、
ロック機構支持部材としてのフードロックベース50には、中央連結ピン61pが貫通され、側部連結ピン62pがロック用穴51bにおいて鉛直ガイド部14eに達するまでのスライドを生じさせるだけ中央連結ピン61pを車両上方にスライドさせるロック解除駆動用穴51aが形成され、
駆動シリンダ40の非駆動時に、側部連結ピン62pを、ロック用穴51bに保持する保持手段としてのアーム連結スプリング63が設けられていることを特徴とする。
したがって、駆動シリンダ40の非駆動時には、保持手段としてのアーム連結スプリング63により、側部連結ピン62pを、ロック用穴51bに保持し、フードロックベース50が、車体10に対して上下に移動するのを規制できる。
駆動シリンダ40が駆動すると、駆動ブラケット61と共に中央連結ピン61pが車両上方に押され、中央連結ピン61pは、フードロックベース50のロック解除駆動用穴51aに沿って車両上方に移動し、連動アーム62の基端部が車両上方に移動する。これに伴い、一対の連動アーム62,62は、その先端部の側部連結ピン62p,62pが、ロック用穴51bおよび水平ガイド部14dに沿って保持手段としてのアーム連結スプリング63の保持力に抗して移動し、V字を拡げるように変位する。
そして、側部連結ピン62p,62pが、L字ガイド穴14fの水平ガイド部14dから鉛直ガイド部14eの下端部まで移動すると、上記f)のように、鉛直ガイド部14eに沿って移動可能となり、フードロックベース50が車体10に対して上昇する。
以上のように、フードロックベース50を、上下方向の移動が規制されたロック状態から、上下方向の移動が可能なロック解除状態とに切り換えることができる駆動伝達機構60を提供することが可能である。
h)実施の形態1のフード跳上装置は、
エンジンフード11の車両前方側端部と車体10との間に設けられ、エンジンフード11の跳ね上げ状態からの下降に伴いエンジンフード11に入力される衝突エネルギFを吸収するエネルギ吸収部材70を備えていることを特徴とする。
したがって、エンジンフード11の跳ね上げ後に、衝突エネルギFによりエンジンフード11が下降した際には、上昇アクチュエータACTの吸収手段(排気穴46)による吸収と並列に、エネルギ吸収部材70によりエネルギ吸収を行なうことができる。よって、上昇アクチュエータACTの吸収手段(排気穴46、絞り42c)のみによりエネルギ吸収を行なうものと比較して、より効率的なエネルギ吸収が可能である。
j)実施の形態1のフード跳上装置は、
エネルギ吸収部材70は、スライドガイド部としての鉛直ガイド部14eに設けられ、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50が車体10に対して下降する際のスライド部材としての側部連結ピン62pとの相対移動に対して抵抗となる部材であることを特徴とする。
したがって、エンジンフード11の跳ね上げ後に、衝突エネルギFによりエンジンフード11が下降した際には、側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eに沿って下降するのに伴ってエネルギ吸収部材70によりエネルギ吸収を行なうことができる。
k)実施の形態1のフード跳上装置は、
エネルギ吸収部材70は、スライドガイド部としての鉛直ガイド部14eに沿って、スライド部材としての側部連結ピン62pと干渉可能に設けられた複数のエネルギ吸収用凸部71を備え、
このエネルギ吸収用凸部71は、フードロックベース50の車体10に対する上昇に伴う側部連結ピン62pの相対移動方向に対して鋭角に傾斜してこの相対移動を円滑にする傾斜ガイド面71aと、フードロックベース50の車体10に対する下降に伴う側部連結ピン62pの相対移動方向に鈍角を成してこの相対移動抵抗を大きくする移動抵抗部71bと、を備えていることを特徴とする。
したがって、フード跳上時には、エネルギ吸収用凸部71は、側部連結ピン62pに対して傾斜ガイド面71aが干渉し、その抵抗が抑えられ、上昇アクチュエータACTによる跳ね上げの駆動エネルギが吸収されにくい。
一方、衝突エネルギFによるフード下降時には、エネルギ吸収用凸部71は、側部連結ピン62pに対して移動抵抗部71bが干渉し、その抵抗が大きくなり、衝突エネルギFを吸収することができる。
このように、エネルギ吸収用凸部71を、側部連結ピン62pが移動する鉛直ガイド部14eに設けていても、フード跳上時には、エネルギ吸収を行うことなく、フード下降時のみエネルギ吸収を行うことが可能となる。
(他の実施の形態)
次に、他の実施の形態のフード跳上装置について説明する。
なお、他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2は、図12に示すように、 実施の形態1のフード跳上装置に、フードロックベース50がフードロックステイ14に対して車両上下方向にスライドする際のガイドを行なうガイド手段としてのガイド部材200を追加した例である。
すなわち、ガイド部材200は、フードロックベース50に取り付けられたガイドロッド201と、フードロックステイ14の本体プレート14aに取り付けられてガイドロッド201の水平方向位置を一定に保持するホルダ202と、を備えている。
ガイドロッド201は、円形あるいは多角形の細い柱状を成し、フードロックベース50のスライドプレート51の上端部の左右側部から左右方向に突出されたベース203から、下方に垂下されている。
ホルダ202は、本体プレート14aに固定され、環状を成してガイドロッド201が挿通されている。
したがって、フードロックベース50がフードロックステイ14に対して車両上下方向に移動する際には、フードロックベース50の水平方向位置は、ガイド部材200においてガイドロッド201とホルダ202とにより規定される。
よって、実施の形態2では、上昇アクチュエータACTの駆動によるフードロックベース50の上昇時、および衝突エネルギFがエンジンフード11に入力されたことによるフードロックベース50の下降時の、フードロックベース50の水平方向位置がいっそう安定する。
これにより、特に、エンジンフード11の下降時の、エネルギ吸収部材70に対する側部連結ピン62pの位置が安定し、エネルギ吸収部材70によるエネルギ吸収性能の安定化を図ることができる。同様に、駆動シリンダ40の短縮時のシリンダ41に対するピストンロッド42の位置を安定させ、吸収手段としての排気穴46や絞り42cによるエネルギ吸収性能の安定化を図ることができる。
なお、本実施の形態2の他の構成については実施の形態1と同様であるので、実施の形態2にあっても、上記のa)〜k)の効果を奏する。
(実施の形態3)
図13は実施の形態3のフード跳上装置の主要部を示し、(a)は衝突前、(b)は跳上途中、(c)は跳上完了時を示している。
本実施の形態3では、フードロックステイ14の本体プレート14aにおいて、L字ガイド穴314fの鉛直ガイド部14eの上端部に、側部連結ピン62pを、鉛直ガイド部14eよりも車幅方向で車外方向に導く係合穴301が形成されている。
したがって、スライドプレート51のロック用穴351bも、実施の形態1と比較して、車幅方向で車外方向に長い寸法に形成されて、鉛直ガイド部14eよりも車幅方向で車外方向まで延在されている。
実施の形態3では、L字ガイド穴314fにおいて係合穴301と鉛直ガイド部14eとの角部302が後述するようにエネルギ吸収部材として機能するもので、本実施の形態3では、実施の形態1で用いたエネルギ吸収部材70は設けていない。
以上説明した実施の形態3では、駆動シリンダ40の伸張作動時には、側部連結ピン62pの上昇途中までの動作は、実施の形態1と同様であるが、図13(c)に示すように、鉛直ガイド部14eの上端に達すると、さらに、車幅方向の車外方向に移動する。
この状態で、エンジンフード11のストライカ31からスライドプレート51に入力された衝突エネルギFは、側部連結ピン62pに入力される。したがって、この側部連結ピン62pが車両下方に移動する際には、L字ガイド穴314fにおいて係合穴301と鉛直ガイド部14eとの角部302を破壊した後、鉛直ガイド部14eに沿って車両下方に移動することになる。
よって、この角部302を破壊する際に、衝突エネルギFを吸収することができる。
以上のように、実施の形態3では、フードロックベース50を、その上昇時に安定的に保持できるため、エンジンフード11からの衝突エネルギ入力時におけるエネルギ吸収量も安定する。
なお、実施の形態3にあっても、実施の形態1におけるj)k)を除く、a)〜h)の効果を奏する。
(実施の形態4)
次に、図14、図15に示す実施の形態4に示すフード跳上装置について説明する。
実施の形態4は、エネルギ吸収部材として、実施の形態1において示したエネルギ吸収部材70に代えて、エネルギ吸収フック部材400を設けた例である。
実施の形態4では、フードロックステイ14の本体プレート14aにおいて、図14に示すように、スライドプレート51が上昇した際に、現れる位置に、正面から視て長方形状の出入穴14gが開口されている。
エネルギ吸収フック部材400は、この出入穴14gが現れた際に、出入穴14gから突出してスライドプレート51の下端部に係合する。
このエネルギ吸収フック部材400は、図15(a)に示すように、本体401とストッパ部402とを備えている。
本体401は、出入穴14gの上下方向寸法よりも上下方向に長く、出入穴14gを通過することのできない大きさに形成されている。
ストッパ部402は、本体401の車両前方側に突出されて、側方から視て直角三角形状を成し、出入穴14gに出入可能な大きさに形成されている(図14参照)。
そして、本体401の下端部が、本体プレート14aの車両後方側の面である後面14rsから車両後方へ突出された一対のブラケット14brに、回動軸14zにより車両前後方向に回動可能に支持されている。さらに、エネルギ吸収フック部材400は、スプリング403により出入穴14gからストッパ部402が突出する方向である矢印FF方向へ回動付勢されている。
したがって、実施の形態4では、フードロックベース50が通常位置に配置された状態では、スプリング403の回動付勢力によるエネルギ吸収フック部材400の回動は、スライドプレート51の後面14rsに当接することにより規制される。これにより、エネルギ吸収フック部材400は、図15(a)に示す状態に保持される。
一方、エンジンフード11の跳上時には、駆動シリンダ40の伸張作動により、スライドプレート51がエネルギ吸収フック部材400よりも上方位置に上昇すると、エネルギ吸収フック部材400に対する回動規制が無くなる。よって、エネルギ吸収フック部材400は、矢印FF方向に回動されて、図15(b)に示すように本体401が本体プレート14aの後面14rsに当接するまで回動され、ストッパ部402が、図14に示すように、出入穴14gから突出する。
したがって、エンジンフード11に衝突エネルギFが入力された際には、フードロックベース50が車両下方へスライドする際に、ストッパ部402と干渉し、ストッパ部402を破壊することによりエネルギ吸収を行なう。
このように、エネルギ吸収フック部材400により衝突エネルギFを確実に吸収することができる。
なお、実施の形態4にあっても、実施の形態1におけるj)k)を除く、a)〜h)の効果を奏する。
(実施の形態5)
実施の形態5は、図16に示すように、ロック機構支持部材としてのフードロックベース550および駆動伝達機構560の構成並びに駆動シリンダ40の配置が実施の形態1と異なる。すなわち、実施の形態5では、図16に示すように、フードロックベース550、駆動伝達機構560、駆動シリンダ40を、実施の形態1のラジエータコアサポートクロスメンバ13と同様の位置に配置したクロスメンバ500の車両前方あるいは後方側の面に取り付けている。なお、本実施の形態5では、クロスメンバ500の前面500fsに取り付けているものとする。
フードロックベース550のスライドプレート551は、クロスメンバ500の前面500fsにおいて、車両上下方向にスライド可能に支持されている。
すなわち、実施の形態5では、フードロックベース550は、スライドプレート551に、実施の形態1で示した支持プレート52が固定され、この支持プレート52に実施の形態1で示したフードロック機構30が設けられている。
スライドプレート551は、クロスメンバ500よりもその車両上下方向寸法が小さな長方形形状に形成され、その左右下部にガイド手段のスライドガイド部としての鉛直ガイド長穴501,501が車両上下方向に延在して形成されている。
そして、この鉛直ガイド長穴501にクロスメンバ500に固定されたスライド部材としてのガイドピン502,502が挿通されている。したがって、スライドプレート551は、クロスメンバ500に対して、図16(a)に示すように、クロスメンバ500とほぼ全体が重なった位置と、図16(b)に示すように、クロスメンバ500から車両上方へ突出した位置とに車両上下方向にスライド可能に支持されている。
さらに、スライドプレート551の車幅方向中央の下部には、水平方向に駆動用水平ガイド長穴503が、水平方向に延在して形成されている。そして、駆動用水平ガイド長穴503には、実施の形態1で示した、エネルギ吸収部材70が、上下に取り付けられている。
また、駆動シリンダ40は、図16(a)に示す通常位置のスライドプレート551の駆動用水平ガイド長穴503よりも車両下方位置に配置されて、クロスメンバ500に沿って水平方向に延在されてブラケット48により固定されている。
駆動シリンダ40とにより上昇アクチュエータACTを構成する駆動伝達機構560は、一対の駆動リンク561,561と、駆動リンク561の端部どうしを相対回動可能に結合した駆動軸562とを備えている。
そして、駆動伝達機構560は、駆動軸562が、駆動用水平ガイド長穴503に沿って水平方向へ移動可能に挿入されている。また、一方の駆動リンク561の端部が、ピストンヘッド42hに連結軸563により相対回動可能に連結され、もう一方の駆動リンク561の端部が、駆動軸562よりも車両下方の位置で、連結軸564により、クロスメンバ500に対して相対回動可能に取り付けられている。
なお、連結軸563は、クロスメンバ500に設けられた駆動ガイド穴500aに沿って車幅方向で水平方向に移動可能に支持されている。
このように構成された駆動伝達機構560は、駆動リンク561,561により荷重伝達リンク565が構成され、この荷重伝達リンク565は、駆動軸562による結合箇所を折曲部566として、車両上方へ折曲可能に構成されている。
したがって、駆動シリンダ40が、図16(a)の短縮状態から伸張作動を行なうと、駆動伝達機構560は、両連結軸563,564の水平方向の間隔が狭まり、荷重伝達リンク565の中間の折曲部566が車両上方へ折曲される。これにより、スライドプレート551が、クロスメンバ500に対して車両上方へ移動し、エンジンフード11の跳ね上げを行うことができる。
そして、エンジンフード11に衝突エネルギFが入力されてエンジンフード11と共にスライドプレート551が車両下方に移動した際には、上記とは逆に、荷重伝達リンク565の折曲部566の折れ角度が拡がり、駆動シリンダ40が短縮される。
これに伴い、実施の形態1と同様に、駆動シリンダ40の排気穴46などによるエネルギ吸収と、エネルギ吸収部材70によるエネルギ吸収とにより吸収できる。
以上のように、実施の形態5は、ガイド手段の構成は異なるものの、実施の形態1と同様に上記a)〜e)の効果を得ることができる。また、実施の形態5は、実施の形態1とは設置位置が異なるものの、エネルギ吸収部材70を備えることから、実施の形態1で述べたh)k)の効果を奏する。
m)実施の形態5のフード跳上装置は、
駆動伝達機構560は、水平方向に延在されて、一端が回動軸としての連結軸564を中心に車体10としてのクロスメンバ500に回動可能に取り付けられると共に、他端に駆動シリンダ40から連結軸564の方向へ駆動力を入力可能に連結された荷重伝達リンク565を備え、
荷重伝達リンク565は、その中間部に、軸方向への荷重入力時に車両上方へ向けて折曲可能な折曲部566を備え、
荷重伝達リンク565において、折曲部566の折曲により上昇される部分がロック機構支持部材としてのフードロックベース550に連結されていることを特徴とする。
よって、駆動シリンダ40の駆動により荷重伝達リンク565を折曲させてフードロックベース550を上昇させる駆動伝達機構560を提供することができる。
n)実施の形態5のフード跳上装置は、
実施の形態5では、駆動シリンダ40、フードロックベース550、駆動伝達機構560を、クロスメンバ500の前面500fsに沿って設けた。このため、クロスメンバ500よりも車両下方のスペースを開けることが可能であり、このクロスメンバ500の車両下方に設置したものと比較して、エンジンルームERへの送風を妨げずに確保することができる。
(実施の形態6)
実施の形態6は、実施の形態5の変形例であり、図17に示すように、ロック機構支持部材としてのフードロックベース650、駆動シリンダ40が、クロスメンバ500の前面500fsに取り付けられている点は、実施の形態5と共通している。そして、実施の形態5とは、フードロックベース650および駆動伝達機構660の構造が相違する。
フードロックベース650は、実施の形態1で示した支持プレート52と同様の支持プレート652により構成され、支持プレート652にはフードロック機構30が設けられている。
本実施の形態6では、支持プレート652が、クロスメンバ500に固定されたスライドガイドプレート601に車両上下方向にスライド可能に支持されている。
すなわち、スライドガイドプレート601と支持プレート652とには、ガイド手段のスライドガイド部としての鉛直ガイド長穴602,692と、スライド部材としての側部連結ピン603,603が設けられている。
鉛直ガイド長穴602,602は、スライドガイドプレート601の左右両側部に、車両上下方向に延在して形成されている。なお、鉛直ガイド長穴602には、エネルギ吸収部材70が設けられている。
側部連結ピン603,603は、支持プレート652の左右両端部に固定され、鉛直ガイド長穴602,602に沿ってスライド可能に挿通されている。
したがって、フードロックベース650は、スライドガイドプレート601に車両上下方向にスライド可能に支持されている。
次に、駆動シリンダ40とにより上昇アクチュエータACTを構成する駆動伝達機構660について説明する。
駆動伝達機構660は、荷重伝達リンク661および水平ガイド662を備えている。
荷重伝達リンク661は、図18に示すように、水平方向に細長い金属板により形成された折曲リンク661aと入力リンク661bとを、連結軸663により相対回動可能に連結して形成されている。
そして、折曲リンク661aの入力リンク661bとの連結側とは反対側の端部は、回動軸664によりクロスメンバ500に対して車両上下方向に回動可能に取り付けられている。一方、入力リンク661bの折曲リンク661aとの連結側とは反対側の端部は、駆動シリンダ40のピストンヘッド42hに一体的に連結されている。
また、折曲リンク661aの長手方向の中間部には、前述した支持プレート652に固定された側部連結ピン603が挿通された水平方向に長い一対の長穴604,604が形成されている。
さらに、折曲リンク661aには、駆動シリンダ40から軸方向に荷重が入力された時に、図17(b)に示すように台形状に折り曲げる塑性変形を誘導するために上下を切り欠いて形成したノッチ部(折曲部)665、666が、左右の2箇所に設けられている。
また、水平ガイド662は、駆動シリンダ40の伸張駆動時に、入力リンク661bをクロスメンバ500に沿って水平方向に移動させるもので、図17に示すように、ガイド板662a、長穴662b、ガイドピン662cを備えている。
ガイド板662aは、入力リンク661bの下端に沿って水平方向に延在されて、クロスメンバ500に固定されている。このガイド板662aは、駆動シリンダ40の伸縮に伴うピストンヘッド42hおよび入力リンク661bのストローク範囲の全域に亘る長さを有している。
長穴662bは、入力リンク661bにおいて水平方向に延在され、駆動シリンダ40のストローク量よりも長い寸法に形成されている。ガイドピン662cは、長穴662bに挿入されてクロスメンバ500に固定されている。
したがって、水平ガイド662は、駆動シリンダ40の伸縮時に、入力リンク661bを、ガイド板662aに沿って水平方向に移動させる。
また、折曲リンク661aは、駆動シリンダ40が伸張作動し、両端の回動軸664と連結軸663との間隔が狭まることにより、図17(b)に示すように、ノッチ部665,666において車両上方に折曲される。
したがって、折曲リンク661aに連結された側部連結ピン603,603が、スライドガイドプレート601の鉛直ガイド長穴602,602に沿って車両上方へ移動する。これにより、フードロック機構30によりフードロックベース650に係合状態のエンジンフード11の前端部が跳ね上げられる。
そして、エンジンフード11に移動物体obの衝突エネルギが入力された場合には、実施の形態1と同様に、駆動シリンダ40の吸収手段(排気穴46)により吸収することができる。
また、図示はしていないが、鉛直ガイド長穴602,602に実施の形態1で示したエネルギ吸収部材70が取り付けられており、エネルギ吸収を行うことができる。
したがって、本実施の形態6にあっては、ガイド手段の構成は異なるものの、実施の形態1と同様に上記a)〜e)の効果を得ることができる。また、実施の形態6は、実施の形態1とは設置位置が異なるものの、エネルギ吸収部材70を備えることから、実施の形態1で述べたh)k)の効果を奏する。また、実施の形態6では、実施の形態5と同様に駆動シリンダ40、フードロックベース650、駆動伝達機構660を、クロスメンバ500の前面500fsに沿って設けたため、上記n)の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態6では、荷重伝達リンク661は、折曲部としてのノッチ部665,666を2箇所に備え、荷重伝達リンク661において上昇される部分の左右両側部に、ロック機構支持部材としてのフードロックベース650の左右両側部に相対回動可能に連結された側部連結ピン603,603が設けられていることを特徴とする。
したがって、実施の形態5の上記m)と同様の作用効果を得ることができ、加えて、フードロックベース650のスライドガイドを左右で行うため、安定させてスライドさせることができる。
加えて、実施の形態6では、上昇アクチュエータACTにより上昇させる部材を、支持プレート652のみとしたため、駆動シリンダ40の出力を、相対的に低く抑えることができ、コストダウンや、作動安定性の向上を図ることが可能となる。
(実施の形態7)
実施の形態7は、実施の形態6の変形例であり、図19に示す駆動伝達機構760および水平ガイド762の構成が実施の形態6と一部異なる。
駆動伝達機構760の荷重伝達リンク761は、折曲リンク761aと入力リンク761bとを備えている。両リンク761a,761bは、連結軸663により相対回動可能に連結され、折曲リンク761aの端部は、回動軸664によりクロスメンバ500(図17参照)に対して上下方向回動可能に取り付けられている。
折曲リンク761aは、実施の形態7では、他の部分よりも剛性を低下させた蛇腹部765,766を形成し、この蛇腹部765,766により折曲を促進可能に形成されている。さらに、本実施の形態7では、折曲リンク761aにおいて、蛇腹部766と連結軸663との間の長さを、蛇腹部765と回動軸664との間の長さよりも短く形成している。
水平ガイド762は、実施の形態6と同様のガイド板762aと、このガイド板762aに形成された長穴762bと、この長穴762bに沿って水平方向にスライド可能に挿通されて、入力リンク761bに結合されたスライドピン762cとを備えている。なお、実施の形態7では、この長穴762bに沿ってエネルギ吸収部材70を設けているものとする。また、エネルギ吸収部材70は、実施の形態6と同様にスライドガイドプレート601の鉛直ガイド長穴602に設けることもできるし、逆に、実施の形態6において、長穴662bに設けることも可能である。
以上説明した、実施の形態7では、駆動シリンダ40の伸張駆動時には、図19(b)に示すように、折曲リンク761aが、2箇所の蛇腹部765,766において車両上方に凸となるように折れ曲がる。
よって、実施の形態6と同様に、フードロックベース650が車両上方へ移動し、エンジンフード11の前端部が跳ね上げられる。
このように、実施の形態7にあっても実施の形態6と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、実施の形態7では、折曲リンク761aにおける蛇腹部765,766の配置に基づいて、図19(b)に示す折曲時に、上昇した部分が図において右下がりとなる。よって、エンジンフード11の跳上時にキャッチレバー362と係合ブラケット361との係合がより確実となり、跳上時のエンジンフード11の開放防止の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明のフード跳上装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、フードとして、エンジンフードについて説明したが、本発明は、車両前部のボンネット部分に設けられたフード(開閉体)であれば、エンジンフードに限定されず、エンジンフード以外にも適用できる。すなわち、車両前部に、エンジン以外の駆動手段を搭載した車両や、エンジンなどの駆動装置を車両後部に搭載した車両に適用することもできる。
また、実施の形態では、衝突判定は、車両に入力された加速度により行う例を示したが、これに限定されず、例えば、撮像手段やレーダなどの検波装置により、衝突寸前に衝突判定するようにしてもよい。
また、実施の形態で示したガイド手段は、そのスライドガイド部とスライド部材との配置を、ロック機構支持部材側と車体側とで逆に配置してもよい。
また、実施の形態では、ガイド手段のスライドガイド部として長穴を示し、スライド部材として、軸状のものを示したが、スライドガイド部に沿ってスライド部材がスライドする構造であれば、これに限定されない。例えば、図20(b)に示すガイド手段900を用いることができる。このガイド手段900は、レール状に延在されたスライドガイド部901と、このスライドガイド部901の内側に沿ってスライドするスライド部材902とを備えている。なお、両者の断面形状を逆にし、符号902で示す部材をスライドガイド部として車両上下方向に延在させ、符号901で示す部材をスライド部材としてもよい。
また、実施の形態5では、駆動伝達機構とは別に、ロック機構支持部材にガイド手段を設けた例を示したが、このような例において、駆動シリンダの駆動力をロック機構支持部材に直接入力するようにしてもよい。この例を、図20(a)に示している。すなわち、図示を省略したフードロック機構を支持するロック機構支持部材850は、ガイド手段800により車体のクロスメンバなどに対して車両上下方向にスライド可能に支持されている。このロック機構支持部材850の車両下方に駆動シリンダ40を設け、そのピストンロッド42によりロック機構支持部材850を直接上昇させるようにしてもよい。
また、実施の形態では、上昇アクチュエータの駆動源として駆動シリンダを示したが、駆動シリンダに加えて、スプリングなどを併用することも可能である。例えば、実施の形態1において、フードロックベース50にあらかじめスプリングにより車両上方に付勢しておき、この付勢による上昇は、駆動伝達機構60のロック部分により規制しておき、駆動シリンダ40の駆動により駆動伝達機構60の作動により上昇移動のロックが解除された時点で、駆動シリンダ40による駆動力にスプリングによる付勢力を加えて、フードロックベース50を上昇させるようにしてもよい。このような構造とした場合、フードの跳ね上げ速度を向上させることができるとともに、衝突エネルギFが入力された際には、駆動シリンダ40の吸収手段による減衰力により吸収するに加え、スプリングにより弾性的に受け止めることができる。
また、実施の形態では、駆動シリンダの非駆動時に、側部連結ピンを、ロック用穴に保持する保持手段としてアーム連結スプリングを示したがこれに限定されない。例えば、側部連結ピンに対して付勢力を与える手段ではなく、連動アームの基端部などにおいて、連動アームがV字を閉じる方向に回動付勢する手段を用いることが可能である。あるいは、このような付勢手段ではなく、側部連結ピンが移動する抵抗となって、側部連結ピンが水平ガイド部から鉛直ガイド部の方向へ移動するのを規制する手段や、側部連結ピンに係合したり、側部連結ピンを繋ぎ止めたりする手段を用いることもできる。
10 車体
11 エンジンフード(フード)
14c 中央鉛直ガイド長穴(ガイド手段:スライドガイド部)
14d 水平ガイド部
14e 鉛直ガイド部
14f L字ガイド穴(ガイド手段:スライドガイド部)
30 フードロック機構
40 駆動シリンダ
42 ピストンロッド
42c 絞り(吸収手段)
43 下部室(シリンダ室)
44 上部室(シリンダ室)
46 排気穴(吸収手段)
50 フードロックベース(ロック機構支持部材)
51a ロック解除駆動用穴
51b ロック用穴
60 駆動伝達機構
61 駆動ブラケット
61p 中央連結ピン
62 連動アーム
62p 側部連結ピン(スライド部材:側部連結部)
70 エネルギ吸収部材
71 エネルギ吸収用凸部
71a 傾斜ガイド面
71b 移動抵抗部
100 コントローラ(制御手段)
200 ガイド部材
201 ガイドロッド(スライドガイド部)
202 ホルダ(スライド部材)
400 エネルギ吸収フック部材(エネルギ吸収部材)
501 鉛直ガイド長穴(ガイド手段:スライドガイド部)
502 ガイドピン(スライド部材)
550 フードロックベース(ロック機構支持部材)
560 駆動伝達機構
565 荷重伝達リンク
602 鉛直ガイド長穴(ガイド手段:スライドガイド部)
603 側部連結ピン(スライド部材:側部連結部)
650 フードロックベース(ロック機構支持部材)
660 駆動伝達機構
661 荷重伝達リンク
665 ノッチ部(折曲部)
666 ノッチ部(折曲部)
760 駆動伝達機構
761 荷重伝達リンク
765 蛇腹部(折曲部)
766 蛇腹部(折曲部)
800 ガイド手段
850 ロック機構支持部材
900 ガイド手段
901 スライドガイド部
902 スライド部材
ACT 上昇アクチュエータ
MB 車両
ob 移動物体

Claims (13)

  1. 車両の前部に設けられ、その車両後方側端部を中心に回動可能に車体に取り付けられたフードと、
    このフードの車両前方側端部と車体との間に設けられ、前記フードを前記車体に対して係合させたロック状態、および、この係合を解除したロック解除状態を形成可能なフードロック機構と、
    前記フードロック機構を支持し、前記車体との間に設けられたガイド手段により前記車体に対して車両上下方向に移動可能に支持されたロック機構支持部材と、
    前記車体に設けられ、前記ロック機構支持部材を前記車体に対して車両上方に移動させる駆動を行って前記フードの跳ね上げを行うとともに、前記ロック機構支持部材の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段を備えた上昇アクチュエータと、
    前記車両に対する移動物体の衝突判定時に、前記上昇アクチュエータを駆動させる制御手段と、
    を備えていることを特徴とするフード跳上装置。
  2. 請求項1に記載のフード跳上装置において、
    前記上昇アクチュエータは、流体圧によりピストンロッドを駆動する駆動シリンダを備え、前記吸収手段は、前記駆動シリンダの短縮時のシリンダ室の容積変化による流体の移動により減衰力を発生させる手段であることを特徴とするフード跳上装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のフード跳上装置において、
    前記ガイド手段は、前記ロック機構支持部材と前記車体との一方に設けられて車両上下方向に延在されたスライドガイド部と、前記ロック機構支持部材と前記車体との他方に設けられて、前記スライドガイド部に沿ってスライドするスライド部材と、を備えていることを特徴とするフード跳上装置。
  4. 請求項3に記載のフード跳上装置において、
    前記ガイド手段は、少なくとも、前記ロック機構支持部材の左右両端部と前記車体との間に設けられていることを特徴とするフード跳上装置。
  5. 請求項4に記載のフード跳上装置において、
    前記上昇アクチュエータは、前記駆動シリンダの駆動力を前記ロック機構支持部材に伝達する駆動伝達機構を備え、
    前記駆動伝達機構は、前記ロック機構支持部材の左右に連結された側部連結部を備え、両側部連結部が、前記スライド部材として前記車体側に設けられた前記スライドガイド部にガイドされることを特徴とするフード跳上装置。
  6. 請求項5に記載のフード跳上装置において、
    前記スライドガイド部は、車両上下方向に延びて前記側部連結部を車両上下方向にガイドする鉛直ガイド部と、この鉛直ガイド部の下端部から水平方向に延びて、前記側部連結部を水平方向にガイドするとともに車両上下方向の移動を規制する水平ガイド部とを備え、
    前記ロック機構支持部材には、前記上昇アクチュエータの非駆動時に前記水平ガイド部および前記鉛直ガイド部の下端部に重なって配置されるロック用穴を備え、
    前記側部連結部は、前記ロック用穴を貫通して前記スライドガイド部にガイド可能に配置され、
    前記駆動伝達機構は、前記上昇アクチュエータの非駆動時には、前記側部連結部を、前記ロック用穴において前記水平ガイド部に重なる位置に配置し、前記上昇アクチュエータの駆動時に、前記ロック用穴において前記鉛直ガイド部の下端部に重なる位置に移動させるよう構成されていることを特徴とするフード跳上装置。
  7. 請求項2に記載の上昇アクチュエータを備えた請求項6に記載のフード跳上装置において、
    前記駆動伝達機構は、先端部が前記側部連結部としての側部連結ピンによりそれぞれ前記ロック機構支持部材の左右側部に回動可能に取り付けられてV字状に配置されて基端部が中央連結ピンにより相互に回動可能に連結された一対の連動アームと、前記中央連結ピンが相対回動可能に連結された駆動ブラケットと、を備え、
    前記駆動シリンダは、伸張駆動時に前記駆動ブラケットを押上可能に前記駆動ブラケットの車両下方位置に設置され、
    前記側部連結ピンは、前記ロック用穴に挿通されて、前記スライドガイド部の前記水平ガイド部に配置され、
    前記ロック機構支持部材には、前記中央連結ピンが貫通され、前記側部連結ピンが前記ロック用穴において前記鉛直ガイド部に達するまでのスライドを生じさせるだけ前記中央連結ピンを車両上方にスライドさせるロック解除駆動用穴が形成され、
    前記駆動シリンダの非駆動時に、前記側部連結ピンを、前記ロック用穴に保持する保持手段が設けられていることを特徴とするフード跳上装置。
  8. 請求項2に記載の上昇アクチュエータを備えた請求項6に記載のフード跳上装置において、
    前記駆動伝達機構は、水平方向に延在されて、一端が回動軸を中心に前記車体に回動可能に取り付けられると共に、他端に前記駆動シリンダから前記回動軸の方向へ駆動力を入力可能に連結された荷重伝達リンクを備え、
    前記荷重伝達リンクは、その中間部に、軸方向への荷重入力時に車両上方へ向けて折曲可能な折曲部を備え、
    前記荷重伝達リンクにおいて、前記折曲部の折曲により上昇される部分が前記ロック機構支持部材に連結されていることを特徴とするフード跳上装置。
  9. 請求項7に記載のフード跳上装置において、
    前記荷重伝達リンクは、前記折曲部を2箇所に備え、
    前記荷重伝達リンクにおいて前記上昇される部分の左右両側部に、前記ロック機構支持部材の左右両側部に相対回動可能に連結された側部連結ピンが設けられていることを特徴とするフード跳上装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のフード跳上装置において、
    前記フードの車両前方側端部と前記車体との間に設けられ、前記フードの跳ね上げ状態からの下降に伴い前記フードに入力される衝突エネルギを吸収するエネルギ吸収部材を備えていることを特徴とするフード跳上装置。
  11. 請求項3に記載のガイド手段を備えた請求項10に記載のフード跳上装置において、
    前記エネルギ吸収部材は、前記スライドガイド部に設けられ、前記ロック機構支持部材が前記車体に対して下降する際の前記スライド部材との相対移動に対して抵抗となる部材であることを特徴とするフード跳上装置。
  12. 請求項11に記載のフード跳上装置において、
    前記エネルギ吸収部材は、前記スライドガイド部に沿って、前記スライド部材と干渉可能に設けられた複数のエネルギ吸収用凸部を備え、
    このエネルギ吸収用凸部は、前記ロック機構支持部材の前記車体に対する上昇に伴う前記スライド部材の相対移動方向に対して鋭角に傾斜してこの相対移動を円滑にする傾斜ガイド面と、前記ロック機構支持部材の前記車体に対する下降に伴う前記スライド部材の相対移動方向に鈍角を成してこの相対移動抵抗を大きくする移動抵抗部と、を備えていることを特徴とするフード跳上装置。
  13. 請求項8に記載のフード跳上装置において、
    前記エネルギ吸収部材は、前記スライドガイド部に設けられ、前記スライド部材と干渉して塑性変形することにより前記エネルギ吸収を行う部材であることを特徴とするフード跳上装置。
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