JP2014015112A - フード跳上装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フードロック機構30を支持し、車体10との間に設けられたガイド手段により車体10に対して車両上下方向に移動可能に支持されたフードロックベース50と、フードロックベース50を車体10に対して車両上方に移動させる駆動を行ってエンジンフード11の跳ね上げを行うとともに、フードロックベース50の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段を備えた上昇アクチュエータACTと、車両MBに対する移動物体の衝突判定時に、上昇アクチュエータACTを駆動させるコントローラ100と、を備えていることを特徴とするフード跳上装置とした。
【選択図】図1
Description
この従来技術は、ロック状態でフード前端部を車体側と係合させるフードロック機構と、第1のアクチュエータの駆動によりフードロック機構による係合を解除するリリース手段と、第2のアクチュエータによりフード前端部を跳ね上げる跳上手段とを備えている。
そして、この従来技術は、移動物体の衝突時には、フードロック機構のロックを解除して、フードをキャッチレバーに係合される位置まで跳ね上げ、フードに入力される衝突エネルギを吸収するようになっている。
しかも、上昇アクチュエータは、ロック機構支持部材の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段を備えているため、上昇作動後に衝突エネルギによりフードが下降した際には、吸収手段により衝突エネルギを吸収可能である。したがって、吸収手段を備えないものと比較して、より効率的なエネルギ吸収が可能である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のフード跳上装置を図1〜図11に基づいて説明する。
図1は実施の形態1のフード跳上装置を適用した車両MBの前部の主要部を示す斜視図である。
車両MBの車体10の前部には、エンジンルームERを覆うエンジンフード11が設けられている。そして、フロントバンパ12には、移動物体ob(図8参照)が衝突したことを検出するための衝突センサとしての加速度センサ(以下、Gセンサという)20,20,20が、車幅方向の中央および左右の3箇所に設けられている。なお、移動物体obは、歩行者や自転車などのように衝突時にエンジンフード11に乗り上げるおそれのある他車両などと比較して軽量の物体を指し、衝突時にエンジンフード11に乗り上げることのない他車両などは除く。また、このような移動物体obは、衝突時の車速と加速度との関係や、あるいは、撮像手段(図示省略)から得られた衝突直前時の画像データなどから判断することが可能である。
フードロック機構30は、図2に示すように、ストライカ31、メインラッチ32、サブラッチ33、キャッチ機構36を備えた周知のものである。
これらストライカ31、メインラッチ32、サブラッチ33、キャッチ機構36の構造および作用は、従来からの構造と同様のものである。すなわち、ストライカ31がメインラッチ32に係合してロック状態となり、車内からの操作によりこの係合を解除させることが可能となっている。また、このストライカ31とメインラッチ32との係合解除時には、キャッチ機構36によりエンジンフード11が係合されて、その上昇量が一定値に規制される。
まず、フードロックベース50およびフードロックステイ14について説明する。
フードロックステイ14は、フードロック機構30、駆動シリンダ40、駆動伝達機構60などを支持するための金属板状のもので、図1に示すように、車体10の前端部に車両上下方向に延在されている。
このフードロックステイ14は、図3に示す板状の本体プレート14aと、この本体プレート14aを、ラジエータコアサポートクロスメンバ13に取り付ける板状の取付ブラケット14bとを備えている。なお、本体プレート14aの下端部は車両下部の図示を省略したクロスメンバに固定されている。
このフードロックベース50は、本体プレート14aに対して車両上下方向にスライド可能なスライドプレート51と、このスライドプレート51に固定されてフードロック機構30を支持する支持プレート52とを備えている。
すなわち、本体プレート14aには、図6(b1)〜(b3)に示すように、車幅方向中央に長穴状の中央鉛直ガイド長穴14cが車両上下方向に延在され、かつ、その左右位置に、水平ガイド部14dと鉛直ガイド部14eとにより略L字状を成すL字ガイド穴14f,14fが形成されている。
スライドプレート51は、後述する各連結ピン61p,62p,62pがこれら中央鉛直ガイド長穴14cおよびL字ガイド穴14fの鉛直ガイド部14eに沿って移動することにより、車両上下方向に移動可能に支持されている。
ストライカ31は、車両側方から見てU字状に折曲された金属製ロッドにより形成されており、図3および図5に示すように、エンジンフード11の下面において車両下方に突設された凸部11aに固定されている。
すなわち、メインラッチ32およびサブラッチ33は、それぞれ、図2(a2)(b2)に示す支持プレート52の後面に配置され、支持プレート52に固定されたピン32p,33pに回動可能に支持されている。
このキャッチ機構36は、エンジンフード11の裏面に設けられた係合ブラケット361と、支持プレート52の車両前方を向いた前面14fsに回動可能に支持されたキャッチレバー362とを備えている。
キャッチレバー362は、図2(a1)に示すようにL字状を成した金属製板状の部材であり、支持プレート52に固定されたピン363に回動可能に支持されている。キャッチレバー362の上端部には、係合爪364が形成されている。エンジンフード11が上記のようにロック解除により持ち上げられたときに、この係合爪364が係合ブラケット361に係合することにより、エンジンフード11が上昇するのを規制する。
この上昇アクチュエータACTは、図5に示す駆動シリンダ40と駆動伝達機構60とを備えている。
このように、排気穴46が開いた状態に維持されるため、駆動シリンダ40の伸張状態からの短縮時には、シリンダ41へのピストンロッド42の進入体積分の流体が排気穴46から排気される。したがって、排気穴46の径を、この排気の際に所望の減衰力が得られるように設定することにより、エネルギ吸収手段として、エネルギ吸収を行なうことができる。
駆動伝達機構60は、ピストンヘッド42hに連結された駆動ブラケット61と、この駆動ブラケット61に回動可能に取り付けられた一対の連動アーム62,62を備えている。
したがって、側部連結ピン62pの車両上下方向の移動は、水平ガイド部14dにより規制されて、駆動伝達機構60は上方移動規制状態となっている。よって、フードロックベース50の車両上下方向の移動が規制される。なお、前述のように、フードロックベース50は、水平方向の移動は、ボルト51cと本体プレート14aのロック穴14j部分との係合により規制されている。
また、この通常時は、中央連結ピン61pは、ロック解除駆動用穴51aおよび中央鉛直ガイド長穴14cの下端に配置される。これにより、一対の連動アーム62は、V字状に配置される。
このように、両連結ピン61p,62pのうち、中央連結ピン61pのみが車両上方に移動するため、図6(a2)(b2)に示すように、駆動ブラケット61が上昇する一方、連動アーム62は寝るように回動する。
すなわち、側部連結ピン62pは、鉛直ガイド部14eの下端に達し、車両上方へ移動可能となる。また、中央連結ピン61pは、スライドプレート51に対して、それ以上の空走ができない状態となる。
このエネルギ吸収部材70は、スライドプレート51が本体プレート14aに対して車両上方に移動する際には、エネルギ吸収を殆ど行わず、その逆に、スライドプレート51が本体プレート14aに対して車両下方に移動する際には、エネルギ吸収を行う。
次に、実施の形態1の作用について説明する。
(通常時)
まず、通常時の作動を説明する。
この通常時の作動は、周知の動作であるので、簡単に説明する。
エンジンフード11を閉蓋した場合、フードロック機構30では、ストライカ31が、図2(b2)に示すように上向きとなったメインラッチ32の第1爪部32aを押し下げて、この第1爪部32aがサブラッチ33の係合爪33aに係合するまで回動する。したがって、フードロック機構30は、ストライカ31の上側にメインラッチ32の第2爪部32bが係合したロック状態となる。
また、この通常時は、フードロックベース50は、本体プレート14aに対して固定されており、エンジンフード11は、車体10に係合されて、開蓋が規制される。なお、上述した通常時の上昇アクチュエータACTの状態は、図5、図6(a1)(bb1)、図9に示している。
フードロックベース50の水平方向の移動規制は、スライドプレート51の上端部に設けられたボルト51cが、本体プレート14aの上端部のロック穴14jに対して固定されることにより成される。
また、フードロックベース50の車両上下方向の移動規制は、ロック用穴51bに挿通された側部連結ピン62pが水平ガイド部14dに挿通されることにより成される。
歩行者や自転車などの移動物体obが車両MBの前部に衝突した場合の動作について順を追って説明する。
図8(a)(b)に示すように、移動物体obが車両MBの前部に衝突した場合、Gセンサ20の検出に基づいてコントローラ100によりその判定が成されると、コントローラ100は、駆動シリンダ40を伸張駆動させる。
これにより、駆動伝達機構60では、図6(a1)(b1)のロック状態から、駆動ブラケット61が上昇され、中央連結ピン61pが、中央鉛直ガイド長穴14cおよびロック解除駆動用穴51aに沿って移動することにより、スライドプレート51および本体プレート14aに対して空走する。
そして、図6(a3)(b3)に示すように、中央連結ピン61pが、中央鉛直ガイド長穴14cの上端に達し、側部連結ピン62pが、鉛直ガイド部14eの上端に達した時点で、スライドプレート51の上昇が終了し、図10に示すようにエンジンフード11の跳ね上げが完了した状態となる。
上述した駆動シリンダ40の伸張駆動により図8(b)に示すようにエンジンフード11が跳ね上げられた後、図8(c)や図11に示すように、移動物体obがエンジンフード11に乗り上げた場合、エンジンフード11に衝突エネルギFが入力される。
したがって、駆動シリンダ40が短縮するのに伴い、シリンダ41の内部の気体が排気穴46およびピストン42pの絞り42cを通過する際に、減衰力を発生させることにより衝突エネルギFが吸収される。
加えて、これと並列に側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eに沿って移動する際に、エネルギ吸収部材70により受ける抵抗により、衝突エネルギFが吸収される。
このように、移動物体obの衝突エネルギは、駆動シリンダ40のエネルギ吸収手段としての排気穴46などと、エネルギ吸収部材70とにより吸収することができる。このように衝突エネルギFを吸収する手段として2つの手段が並列に存在することにより、いずれか一方のみの場合よりもエネルギ吸収特性の調節が容易であるとともに、エネルギ吸収性能を高めることが可能である。
実施の形態1のフード跳上装置は、以下に列挙する効果を奏する。
a)実施の形態1のフード跳上装置は、
車両MBの前部に設けられ、その車両後方側端部を中心に回動可能に車体に取り付けられエンジンフード11と、
このエンジンフード11の車両前方側端部と車体10との間に設けられ、エンジンフード11を車体10に対して係合させたロック状態、および、この係合を解除したロック解除状態を形成可能なフードロック機構30と、
フードロック機構30を支持し、車体10との間に設けられたガイド手段としての両連結ピン61p,62pと中央鉛直ガイド長穴14cおよびL字ガイド穴14fにより車体10に対して車両上下方向に移動可能に支持されたロック機構支持部材としてのフードロックベース50と、
車体10に設けられ、フードロックベース50を車体10に対して車両上方に移動させる駆動を行ってエンジンフード11の跳ね上げを行うとともに、フードロックベース50の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段としての排気穴46および絞り42cを備えた上昇アクチュエータACTと、
車両MBに対する移動物体obの衝突判定時に、上昇アクチュエータACTを駆動させる制御手段としてのコントローラ100と、
を備えていることを特徴とする。
本実施の形態1では、上昇アクチュエータACTを駆動させてフードロック機構30を支持するフードロックベース50を車体10に対して上昇させてエンジンフード11の跳ね上げを行うようにした。このため、本実施の形態1では、従来のようにエンジンフード11の上昇量がキャッチレバー362による係合位置に制限されることがない。したがって、本実施の形態1では、従来のようにエンジンフード11の跳ね上げ時の位置がキャッチレバー362による係合位置に制限されるものと比較して、エンジンフード11の充分な跳上量を得ることが可能となり、その分、移動物体obに与える反力を抑えつつも、より大きな衝突エネルギを吸収することが可能となる。
しかも、上昇アクチュエータACTは、エンジンフード11が衝突エネルギFにより下降してフードロックベース50が下降した際に、エネルギを吸収可能な吸収手段としての排気穴46(あるいは、さらに絞り42c)を備えている。このため、本実施の形態1では、このような吸収手段を備えないものと比較して、より効率的なエネルギ吸収が可能である。
加えて、本実施の形態1では、エンジンフード11の跳ね上げ時に、フードロック機構30のロック解除を行わないため、この跳ね上げ時にフードロック機構30のロック解除を行うものと比較して、エンジンフード11の開放防止信頼性が高い。
上昇アクチュエータACTは、流体圧によりピストンロッド42を駆動する駆動シリンダ40を備え、吸収手段は、駆動シリンダ40の短縮時のシリンダ室(下部室43,上部室44)の容積変化による流体の移動により減衰力を発生させる排気穴46(あるいは、絞り42c)であることを特徴とする。
上昇アクチュエータACTに駆動シリンダ40を用いることにより、駆動用の流体が移動する部分でエネルギ吸収も行うことが可能となり、例えば、モータなどのアクチュエータを用いるものと比較して、エネルギ吸収手段を設けることが容易である。
ガイド手段は、車体10側のフードロックステイ14に設けられて車両上下方向に延在されたスライドガイド部としての中央鉛直ガイド長穴14cおよび鉛直ガイド部14eと、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50側に設けられて、スライドガイド部としての中央鉛直ガイド長穴14cおよび鉛直ガイド部14eに沿ってスライドするスライド部材としての両連結ピン61p,62pと、を備えていることを特徴とする。
このように、本実施の形態1では、ガイド手段として、スライドガイド部(中央鉛直ガイド長穴14cおよび鉛直ガイド部14e)と、これをスライドするスライド部材(両連結ピン61p,62p)とを用いるようにしている。これにより、上昇アクチュエータACTの駆動時に、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50を、車体10に対して安定して車両上下方向に移動させることが可能である。
ガイド手段は、少なくとも、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50の左右両端部と、車体10としてのフードロックステイ14との間に設けられていることを特徴とする。
このように、ガイド手段を、フードロックベース50の左右両端部と、車体10としてのフードロックステイ14との間に設けることにより、例えば、1箇所のみに設けるものと比較して、フードロックベース50を安定した姿勢で上下に移動させることができる。したがって、フードロックベース50の上昇に伴うエンジンフード11の跳ね上げならびにフードロックベース50の下降に伴う吸収手段によるエネルギ吸収の、作動安定性の向上を図ることができる。
上昇アクチュエータACTは、駆動シリンダ40の駆動力をロック機構支持部材としてのフードロックベース50に伝達する駆動伝達機構60を備え、
駆動伝達機構60は、フードロックベース50の左右に連結された側部連結部としての側部連結ピン62p,62pを備え、両側部連結ピン62p,62pが、スライド部材として車体10側に設けられたスライドガイド部としての鉛直ガイド部14eにガイドされることを特徴とする。
駆動伝達機構60からフードロックベース50へ駆動力を伝達する部材である側部連結ピン62p,62pを、スライド部材として用いることにより、駆動力を伝達する部材とは別個にスライド部材を設けたものと比較して、部品点数を削減し、コストおよび重量の軽減を図ることが可能である。加えて、フードロックベース50において駆動力が伝達される側部連結ピン62pと、スライドガイド部に沿って移動するスライド部材とを別個に異なる位置に設けたものと比較して、スライド部材とスライドガイド部との間に「こじれ」が生じにくくなり、フードロックベース50のスライド安定性を高めることができる。
スライドガイド部としてのL字ガイド穴14fは、上下方向に延びて側部連結部としての側部連結ピン62pを車両上下方向にガイドする鉛直ガイド部14eと、この鉛直ガイド部14eの下端部から水平方向に延びて、側部連結ピン62pを水平方向にガイドするとともに車両上下方向の移動を規制する水平ガイド部14dとを備え、
ロック機構支持部材としてのフードロックベース50には、上昇アクチュエータACTの非駆動時に水平ガイド部14dおよび鉛直ガイド部14eの下端部に重なって配置されるロック用穴51bを備え、
側部連結ピン62pは、ロック用穴51bを貫通してL字ガイド穴14fにガイド可能に配置され、
駆動伝達機構60は、上昇アクチュエータACTの非駆動時には、側部連結ピン62pを、ロック用穴51bにおいて水平ガイド部14dに重なる位置に配置し、上昇アクチュエータACTの駆動時に、ロック用穴51bにおいて鉛直ガイド部14eの下端部に重なる位置に移動させるよう構成されていることを特徴とする。
上昇アクチュエータACTの非駆動時には、側部連結ピン62pが、ロック用穴51bを貫通して水平ガイド部14dに配置されている。したがって、連結ピン62pの車両上下方向の移動が水平ガイド部14dに規制され、フードロックベース50は、車体に対する上下方向の移動が規制される。
一方、上昇アクチュエータACTの駆動時には、側部連結ピン62pが、ロック用穴51bおよび水平ガイド部14dを移動して鉛直ガイド部14eの位置まで移動すると、鉛直ガイド部14eに沿って移動可能となる。したがって、側部連結ピン62pは、フードロックベース50と共に車体10に対して上昇可能となる。
このように、ガイド手段および駆動伝達機構60を利用して、フードロックベース50の上下方向の移動を規制したロック状態と、上下方向の移動が可能なロック解除状態との切り換えを行うことができる。
駆動伝達機構60は、先端部が側部連結部としての側部連結ピン62pによりそれぞれロック機構支持部材としてのフードロックベース50の左右側部に回動可能に取り付けられてV字状に配置されて基端部が中央連結ピン61pにより相互に回動可能に連結された一対の連動アーム62と、中央連結ピン61pが相対回動可能に連結された駆動ブラケット61と、を備え、
駆動シリンダ40は、伸張駆動時に駆動ブラケット61を押上可能に駆動ブラケット61の車両下方位置に設置され、
側部連結ピン62pは、ロック用穴51bに挿通されて、スライドガイド部としてのL字ガイド穴14fの水平ガイド部14dに配置され、
ロック機構支持部材としてのフードロックベース50には、中央連結ピン61pが貫通され、側部連結ピン62pがロック用穴51bにおいて鉛直ガイド部14eに達するまでのスライドを生じさせるだけ中央連結ピン61pを車両上方にスライドさせるロック解除駆動用穴51aが形成され、
駆動シリンダ40の非駆動時に、側部連結ピン62pを、ロック用穴51bに保持する保持手段としてのアーム連結スプリング63が設けられていることを特徴とする。
したがって、駆動シリンダ40の非駆動時には、保持手段としてのアーム連結スプリング63により、側部連結ピン62pを、ロック用穴51bに保持し、フードロックベース50が、車体10に対して上下に移動するのを規制できる。
駆動シリンダ40が駆動すると、駆動ブラケット61と共に中央連結ピン61pが車両上方に押され、中央連結ピン61pは、フードロックベース50のロック解除駆動用穴51aに沿って車両上方に移動し、連動アーム62の基端部が車両上方に移動する。これに伴い、一対の連動アーム62,62は、その先端部の側部連結ピン62p,62pが、ロック用穴51bおよび水平ガイド部14dに沿って保持手段としてのアーム連結スプリング63の保持力に抗して移動し、V字を拡げるように変位する。
そして、側部連結ピン62p,62pが、L字ガイド穴14fの水平ガイド部14dから鉛直ガイド部14eの下端部まで移動すると、上記f)のように、鉛直ガイド部14eに沿って移動可能となり、フードロックベース50が車体10に対して上昇する。
以上のように、フードロックベース50を、上下方向の移動が規制されたロック状態から、上下方向の移動が可能なロック解除状態とに切り換えることができる駆動伝達機構60を提供することが可能である。
エンジンフード11の車両前方側端部と車体10との間に設けられ、エンジンフード11の跳ね上げ状態からの下降に伴いエンジンフード11に入力される衝突エネルギFを吸収するエネルギ吸収部材70を備えていることを特徴とする。
したがって、エンジンフード11の跳ね上げ後に、衝突エネルギFによりエンジンフード11が下降した際には、上昇アクチュエータACTの吸収手段(排気穴46)による吸収と並列に、エネルギ吸収部材70によりエネルギ吸収を行なうことができる。よって、上昇アクチュエータACTの吸収手段(排気穴46、絞り42c)のみによりエネルギ吸収を行なうものと比較して、より効率的なエネルギ吸収が可能である。
エネルギ吸収部材70は、スライドガイド部としての鉛直ガイド部14eに設けられ、ロック機構支持部材としてのフードロックベース50が車体10に対して下降する際のスライド部材としての側部連結ピン62pとの相対移動に対して抵抗となる部材であることを特徴とする。
したがって、エンジンフード11の跳ね上げ後に、衝突エネルギFによりエンジンフード11が下降した際には、側部連結ピン62pが鉛直ガイド部14eに沿って下降するのに伴ってエネルギ吸収部材70によりエネルギ吸収を行なうことができる。
エネルギ吸収部材70は、スライドガイド部としての鉛直ガイド部14eに沿って、スライド部材としての側部連結ピン62pと干渉可能に設けられた複数のエネルギ吸収用凸部71を備え、
このエネルギ吸収用凸部71は、フードロックベース50の車体10に対する上昇に伴う側部連結ピン62pの相対移動方向に対して鋭角に傾斜してこの相対移動を円滑にする傾斜ガイド面71aと、フードロックベース50の車体10に対する下降に伴う側部連結ピン62pの相対移動方向に鈍角を成してこの相対移動抵抗を大きくする移動抵抗部71bと、を備えていることを特徴とする。
したがって、フード跳上時には、エネルギ吸収用凸部71は、側部連結ピン62pに対して傾斜ガイド面71aが干渉し、その抵抗が抑えられ、上昇アクチュエータACTによる跳ね上げの駆動エネルギが吸収されにくい。
一方、衝突エネルギFによるフード下降時には、エネルギ吸収用凸部71は、側部連結ピン62pに対して移動抵抗部71bが干渉し、その抵抗が大きくなり、衝突エネルギFを吸収することができる。
このように、エネルギ吸収用凸部71を、側部連結ピン62pが移動する鉛直ガイド部14eに設けていても、フード跳上時には、エネルギ吸収を行うことなく、フード下降時のみエネルギ吸収を行うことが可能となる。
次に、他の実施の形態のフード跳上装置について説明する。
なお、他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。
実施の形態2は、図12に示すように、 実施の形態1のフード跳上装置に、フードロックベース50がフードロックステイ14に対して車両上下方向にスライドする際のガイドを行なうガイド手段としてのガイド部材200を追加した例である。
なお、本実施の形態2の他の構成については実施の形態1と同様であるので、実施の形態2にあっても、上記のa)〜k)の効果を奏する。
図13は実施の形態3のフード跳上装置の主要部を示し、(a)は衝突前、(b)は跳上途中、(c)は跳上完了時を示している。
よって、この角部302を破壊する際に、衝突エネルギFを吸収することができる。
なお、実施の形態3にあっても、実施の形態1におけるj)k)を除く、a)〜h)の効果を奏する。
次に、図14、図15に示す実施の形態4に示すフード跳上装置について説明する。
実施の形態4は、エネルギ吸収部材として、実施の形態1において示したエネルギ吸収部材70に代えて、エネルギ吸収フック部材400を設けた例である。
このエネルギ吸収フック部材400は、図15(a)に示すように、本体401とストッパ部402とを備えている。
本体401は、出入穴14gの上下方向寸法よりも上下方向に長く、出入穴14gを通過することのできない大きさに形成されている。
ストッパ部402は、本体401の車両前方側に突出されて、側方から視て直角三角形状を成し、出入穴14gに出入可能な大きさに形成されている(図14参照)。
そして、本体401の下端部が、本体プレート14aの車両後方側の面である後面14rsから車両後方へ突出された一対のブラケット14brに、回動軸14zにより車両前後方向に回動可能に支持されている。さらに、エネルギ吸収フック部材400は、スプリング403により出入穴14gからストッパ部402が突出する方向である矢印FF方向へ回動付勢されている。
このように、エネルギ吸収フック部材400により衝突エネルギFを確実に吸収することができる。
なお、実施の形態4にあっても、実施の形態1におけるj)k)を除く、a)〜h)の効果を奏する。
実施の形態5は、図16に示すように、ロック機構支持部材としてのフードロックベース550および駆動伝達機構560の構成並びに駆動シリンダ40の配置が実施の形態1と異なる。すなわち、実施の形態5では、図16に示すように、フードロックベース550、駆動伝達機構560、駆動シリンダ40を、実施の形態1のラジエータコアサポートクロスメンバ13と同様の位置に配置したクロスメンバ500の車両前方あるいは後方側の面に取り付けている。なお、本実施の形態5では、クロスメンバ500の前面500fsに取り付けているものとする。
すなわち、実施の形態5では、フードロックベース550は、スライドプレート551に、実施の形態1で示した支持プレート52が固定され、この支持プレート52に実施の形態1で示したフードロック機構30が設けられている。
なお、連結軸563は、クロスメンバ500に設けられた駆動ガイド穴500aに沿って車幅方向で水平方向に移動可能に支持されている。
これに伴い、実施の形態1と同様に、駆動シリンダ40の排気穴46などによるエネルギ吸収と、エネルギ吸収部材70によるエネルギ吸収とにより吸収できる。
駆動伝達機構560は、水平方向に延在されて、一端が回動軸としての連結軸564を中心に車体10としてのクロスメンバ500に回動可能に取り付けられると共に、他端に駆動シリンダ40から連結軸564の方向へ駆動力を入力可能に連結された荷重伝達リンク565を備え、
荷重伝達リンク565は、その中間部に、軸方向への荷重入力時に車両上方へ向けて折曲可能な折曲部566を備え、
荷重伝達リンク565において、折曲部566の折曲により上昇される部分がロック機構支持部材としてのフードロックベース550に連結されていることを特徴とする。
よって、駆動シリンダ40の駆動により荷重伝達リンク565を折曲させてフードロックベース550を上昇させる駆動伝達機構560を提供することができる。
実施の形態5では、駆動シリンダ40、フードロックベース550、駆動伝達機構560を、クロスメンバ500の前面500fsに沿って設けた。このため、クロスメンバ500よりも車両下方のスペースを開けることが可能であり、このクロスメンバ500の車両下方に設置したものと比較して、エンジンルームERへの送風を妨げずに確保することができる。
実施の形態6は、実施の形態5の変形例であり、図17に示すように、ロック機構支持部材としてのフードロックベース650、駆動シリンダ40が、クロスメンバ500の前面500fsに取り付けられている点は、実施の形態5と共通している。そして、実施の形態5とは、フードロックベース650および駆動伝達機構660の構造が相違する。
すなわち、スライドガイドプレート601と支持プレート652とには、ガイド手段のスライドガイド部としての鉛直ガイド長穴602,692と、スライド部材としての側部連結ピン603,603が設けられている。
鉛直ガイド長穴602,602は、スライドガイドプレート601の左右両側部に、車両上下方向に延在して形成されている。なお、鉛直ガイド長穴602には、エネルギ吸収部材70が設けられている。
側部連結ピン603,603は、支持プレート652の左右両端部に固定され、鉛直ガイド長穴602,602に沿ってスライド可能に挿通されている。
したがって、フードロックベース650は、スライドガイドプレート601に車両上下方向にスライド可能に支持されている。
駆動伝達機構660は、荷重伝達リンク661および水平ガイド662を備えている。
荷重伝達リンク661は、図18に示すように、水平方向に細長い金属板により形成された折曲リンク661aと入力リンク661bとを、連結軸663により相対回動可能に連結して形成されている。
さらに、折曲リンク661aには、駆動シリンダ40から軸方向に荷重が入力された時に、図17(b)に示すように台形状に折り曲げる塑性変形を誘導するために上下を切り欠いて形成したノッチ部(折曲部)665、666が、左右の2箇所に設けられている。
ガイド板662aは、入力リンク661bの下端に沿って水平方向に延在されて、クロスメンバ500に固定されている。このガイド板662aは、駆動シリンダ40の伸縮に伴うピストンヘッド42hおよび入力リンク661bのストローク範囲の全域に亘る長さを有している。
長穴662bは、入力リンク661bにおいて水平方向に延在され、駆動シリンダ40のストローク量よりも長い寸法に形成されている。ガイドピン662cは、長穴662bに挿入されてクロスメンバ500に固定されている。
また、図示はしていないが、鉛直ガイド長穴602,602に実施の形態1で示したエネルギ吸収部材70が取り付けられており、エネルギ吸収を行うことができる。
したがって、実施の形態5の上記m)と同様の作用効果を得ることができ、加えて、フードロックベース650のスライドガイドを左右で行うため、安定させてスライドさせることができる。
実施の形態7は、実施の形態6の変形例であり、図19に示す駆動伝達機構760および水平ガイド762の構成が実施の形態6と一部異なる。
よって、実施の形態6と同様に、フードロックベース650が車両上方へ移動し、エンジンフード11の前端部が跳ね上げられる。
このように、実施の形態7にあっても実施の形態6と同様の作用効果を得ることができる。
また、実施の形態では、衝突判定は、車両に入力された加速度により行う例を示したが、これに限定されず、例えば、撮像手段やレーダなどの検波装置により、衝突寸前に衝突判定するようにしてもよい。
また、実施の形態で示したガイド手段は、そのスライドガイド部とスライド部材との配置を、ロック機構支持部材側と車体側とで逆に配置してもよい。
また、実施の形態では、ガイド手段のスライドガイド部として長穴を示し、スライド部材として、軸状のものを示したが、スライドガイド部に沿ってスライド部材がスライドする構造であれば、これに限定されない。例えば、図20(b)に示すガイド手段900を用いることができる。このガイド手段900は、レール状に延在されたスライドガイド部901と、このスライドガイド部901の内側に沿ってスライドするスライド部材902とを備えている。なお、両者の断面形状を逆にし、符号902で示す部材をスライドガイド部として車両上下方向に延在させ、符号901で示す部材をスライド部材としてもよい。
また、実施の形態では、駆動シリンダの非駆動時に、側部連結ピンを、ロック用穴に保持する保持手段としてアーム連結スプリングを示したがこれに限定されない。例えば、側部連結ピンに対して付勢力を与える手段ではなく、連動アームの基端部などにおいて、連動アームがV字を閉じる方向に回動付勢する手段を用いることが可能である。あるいは、このような付勢手段ではなく、側部連結ピンが移動する抵抗となって、側部連結ピンが水平ガイド部から鉛直ガイド部の方向へ移動するのを規制する手段や、側部連結ピンに係合したり、側部連結ピンを繋ぎ止めたりする手段を用いることもできる。
11 エンジンフード(フード)
14c 中央鉛直ガイド長穴(ガイド手段:スライドガイド部)
14d 水平ガイド部
14e 鉛直ガイド部
14f L字ガイド穴(ガイド手段:スライドガイド部)
30 フードロック機構
40 駆動シリンダ
42 ピストンロッド
42c 絞り(吸収手段)
43 下部室(シリンダ室)
44 上部室(シリンダ室)
46 排気穴(吸収手段)
50 フードロックベース(ロック機構支持部材)
51a ロック解除駆動用穴
51b ロック用穴
60 駆動伝達機構
61 駆動ブラケット
61p 中央連結ピン
62 連動アーム
62p 側部連結ピン(スライド部材:側部連結部)
70 エネルギ吸収部材
71 エネルギ吸収用凸部
71a 傾斜ガイド面
71b 移動抵抗部
100 コントローラ(制御手段)
200 ガイド部材
201 ガイドロッド(スライドガイド部)
202 ホルダ(スライド部材)
400 エネルギ吸収フック部材(エネルギ吸収部材)
501 鉛直ガイド長穴(ガイド手段:スライドガイド部)
502 ガイドピン(スライド部材)
550 フードロックベース(ロック機構支持部材)
560 駆動伝達機構
565 荷重伝達リンク
602 鉛直ガイド長穴(ガイド手段:スライドガイド部)
603 側部連結ピン(スライド部材:側部連結部)
650 フードロックベース(ロック機構支持部材)
660 駆動伝達機構
661 荷重伝達リンク
665 ノッチ部(折曲部)
666 ノッチ部(折曲部)
760 駆動伝達機構
761 荷重伝達リンク
765 蛇腹部(折曲部)
766 蛇腹部(折曲部)
800 ガイド手段
850 ロック機構支持部材
900 ガイド手段
901 スライドガイド部
902 スライド部材
ACT 上昇アクチュエータ
MB 車両
ob 移動物体
Claims (13)
- 車両の前部に設けられ、その車両後方側端部を中心に回動可能に車体に取り付けられたフードと、
このフードの車両前方側端部と車体との間に設けられ、前記フードを前記車体に対して係合させたロック状態、および、この係合を解除したロック解除状態を形成可能なフードロック機構と、
前記フードロック機構を支持し、前記車体との間に設けられたガイド手段により前記車体に対して車両上下方向に移動可能に支持されたロック機構支持部材と、
前記車体に設けられ、前記ロック機構支持部材を前記車体に対して車両上方に移動させる駆動を行って前記フードの跳ね上げを行うとともに、前記ロック機構支持部材の下降方向の入力を吸収可能な吸収手段を備えた上昇アクチュエータと、
前記車両に対する移動物体の衝突判定時に、前記上昇アクチュエータを駆動させる制御手段と、
を備えていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項1に記載のフード跳上装置において、
前記上昇アクチュエータは、流体圧によりピストンロッドを駆動する駆動シリンダを備え、前記吸収手段は、前記駆動シリンダの短縮時のシリンダ室の容積変化による流体の移動により減衰力を発生させる手段であることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項1または請求項2に記載のフード跳上装置において、
前記ガイド手段は、前記ロック機構支持部材と前記車体との一方に設けられて車両上下方向に延在されたスライドガイド部と、前記ロック機構支持部材と前記車体との他方に設けられて、前記スライドガイド部に沿ってスライドするスライド部材と、を備えていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項3に記載のフード跳上装置において、
前記ガイド手段は、少なくとも、前記ロック機構支持部材の左右両端部と前記車体との間に設けられていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項4に記載のフード跳上装置において、
前記上昇アクチュエータは、前記駆動シリンダの駆動力を前記ロック機構支持部材に伝達する駆動伝達機構を備え、
前記駆動伝達機構は、前記ロック機構支持部材の左右に連結された側部連結部を備え、両側部連結部が、前記スライド部材として前記車体側に設けられた前記スライドガイド部にガイドされることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項5に記載のフード跳上装置において、
前記スライドガイド部は、車両上下方向に延びて前記側部連結部を車両上下方向にガイドする鉛直ガイド部と、この鉛直ガイド部の下端部から水平方向に延びて、前記側部連結部を水平方向にガイドするとともに車両上下方向の移動を規制する水平ガイド部とを備え、
前記ロック機構支持部材には、前記上昇アクチュエータの非駆動時に前記水平ガイド部および前記鉛直ガイド部の下端部に重なって配置されるロック用穴を備え、
前記側部連結部は、前記ロック用穴を貫通して前記スライドガイド部にガイド可能に配置され、
前記駆動伝達機構は、前記上昇アクチュエータの非駆動時には、前記側部連結部を、前記ロック用穴において前記水平ガイド部に重なる位置に配置し、前記上昇アクチュエータの駆動時に、前記ロック用穴において前記鉛直ガイド部の下端部に重なる位置に移動させるよう構成されていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項2に記載の上昇アクチュエータを備えた請求項6に記載のフード跳上装置において、
前記駆動伝達機構は、先端部が前記側部連結部としての側部連結ピンによりそれぞれ前記ロック機構支持部材の左右側部に回動可能に取り付けられてV字状に配置されて基端部が中央連結ピンにより相互に回動可能に連結された一対の連動アームと、前記中央連結ピンが相対回動可能に連結された駆動ブラケットと、を備え、
前記駆動シリンダは、伸張駆動時に前記駆動ブラケットを押上可能に前記駆動ブラケットの車両下方位置に設置され、
前記側部連結ピンは、前記ロック用穴に挿通されて、前記スライドガイド部の前記水平ガイド部に配置され、
前記ロック機構支持部材には、前記中央連結ピンが貫通され、前記側部連結ピンが前記ロック用穴において前記鉛直ガイド部に達するまでのスライドを生じさせるだけ前記中央連結ピンを車両上方にスライドさせるロック解除駆動用穴が形成され、
前記駆動シリンダの非駆動時に、前記側部連結ピンを、前記ロック用穴に保持する保持手段が設けられていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項2に記載の上昇アクチュエータを備えた請求項6に記載のフード跳上装置において、
前記駆動伝達機構は、水平方向に延在されて、一端が回動軸を中心に前記車体に回動可能に取り付けられると共に、他端に前記駆動シリンダから前記回動軸の方向へ駆動力を入力可能に連結された荷重伝達リンクを備え、
前記荷重伝達リンクは、その中間部に、軸方向への荷重入力時に車両上方へ向けて折曲可能な折曲部を備え、
前記荷重伝達リンクにおいて、前記折曲部の折曲により上昇される部分が前記ロック機構支持部材に連結されていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項7に記載のフード跳上装置において、
前記荷重伝達リンクは、前記折曲部を2箇所に備え、
前記荷重伝達リンクにおいて前記上昇される部分の左右両側部に、前記ロック機構支持部材の左右両側部に相対回動可能に連結された側部連結ピンが設けられていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のフード跳上装置において、
前記フードの車両前方側端部と前記車体との間に設けられ、前記フードの跳ね上げ状態からの下降に伴い前記フードに入力される衝突エネルギを吸収するエネルギ吸収部材を備えていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項3に記載のガイド手段を備えた請求項10に記載のフード跳上装置において、
前記エネルギ吸収部材は、前記スライドガイド部に設けられ、前記ロック機構支持部材が前記車体に対して下降する際の前記スライド部材との相対移動に対して抵抗となる部材であることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項11に記載のフード跳上装置において、
前記エネルギ吸収部材は、前記スライドガイド部に沿って、前記スライド部材と干渉可能に設けられた複数のエネルギ吸収用凸部を備え、
このエネルギ吸収用凸部は、前記ロック機構支持部材の前記車体に対する上昇に伴う前記スライド部材の相対移動方向に対して鋭角に傾斜してこの相対移動を円滑にする傾斜ガイド面と、前記ロック機構支持部材の前記車体に対する下降に伴う前記スライド部材の相対移動方向に鈍角を成してこの相対移動抵抗を大きくする移動抵抗部と、を備えていることを特徴とするフード跳上装置。 - 請求項8に記載のフード跳上装置において、
前記エネルギ吸収部材は、前記スライドガイド部に設けられ、前記スライド部材と干渉して塑性変形することにより前記エネルギ吸収を行う部材であることを特徴とするフード跳上装置。
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