JP2014012446A - 車体制振制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、ドライバに与える違和感を防止すること。
【解決手段】車体制振制御装置は、入力変換部204と、車体振動推定部205と、トルク指令値算出部206と、を備える。この車体制振制御装置において、車体制振制御の制御対象として、操舵角センサ111からの操舵角の変化に対する操舵応答をアシストするように前輪荷重を付加する制御系を有する。この荷重付加挙動制御系に、操舵角の変化がドライバ操作によるものなのか、路面外乱によるものなのかを判定する路面外乱判定部321aと、操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように制御ゲインを変更する第3チューニングゲイン変更処理部321bと、を設けた。
【選択図】図10

Description

本発明は、走行中、推定した車体のばね上挙動を駆動トルクの補正制御により抑制する車体制振制御装置に関する。
従来、駆動トルクと車輪速を入力し、これらの微分値により車体振動を推定し、駆動トルクを制御して車体振動を抑制するようにした車両の駆動力制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−247157号公報
しかしながら、従来の駆動力制御装置にあっては、トルク変動入力による車体振動は制振制御対象に含むものの、操舵によるばね上旋回挙動を制御対象に含まないため、ドライバ操作による旋回走行シーンにおいて、操舵応答の向上効果を期待できない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、ドライバに与える違和感を防止する車体制振制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車体制振制御装置は、駆動トルクの補正による車体制振制御の制御対象として、操舵角センサからの操舵角の変化に対する操舵応答をアシストするように前輪荷重を付加する荷重付加挙動制御系を有し、この荷重付加挙動制御系に、路面外乱判定部と、制御ゲイン変更処理部と、を設けた。
前記路面外乱判定部は、前記操舵角センサからの操舵角の変化がドライバ操作によるものなのか、路面外乱によるものなのかを判定する。
前記制御ゲイン変更処理部は、前記路面外乱判定部により前記操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように制御ゲインを変更する。
例えば、荷重付加挙動制御系において、操舵角センサからのみ操舵角情報を取得し、ドライバによる操舵であるか、路面外乱(わだち等)に起因するハンドル取られによる操舵であるか、を判別しないとする。この場合、ドライバの意図ではない操舵に対しても車両の操舵応答性を向上させる。このため、ドライバの意図ではないのに曲がりやすくアシストすることで、ドライバに違和感を与えるおそれがあった。
これに対し、路面外乱判定部において、操舵角センサからの操舵角の変化がドライバ操作によるものなのか、路面外乱によるものなのかが判定される。そして、制御ゲイン変更処理部において、路面外乱判定部により操舵角の変化が路面外乱に起因するものであると判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように制御ゲインが変更される。したがって、ドライバの意図でない路面外乱(わだち等)による操舵に対しては、曲がりやすくするアシストが抑えられる。
このように、ドライバが意図しない路面外乱による操舵角の変化に対しては操舵応答のアシストを抑制するように制御ゲインを変更することで、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、ドライバに与える違和感を防止することができる。
実施例1の車体制振制御装置が適用されたエンジン車を示す全体システム構成図である。 実施例1のエンジン車システムにおけるエンジンコントロールモジュール内の制御プログラム構成を示す制御ブロック図である。 実施例1のエンジンコントロールモジュール内の車体制振制御装置を示す制御ブロック図である。 実施例1のサスストローク算出部での説明においてサスペンションがストロークする際にタイヤが前後方向に変位することを示す模式図である。 実施例1の入力変換部に有するサスストローク算出部でのサスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後及び上下方向変位の関係特性の一例を示す前輪タイヤ変位非線形特性図である。 実施例1の入力変換部に有するサスストローク算出部でのサスペンション・ジオメトリに基づくホイールセンターの前後及び上下方向変位の関係特性の一例を示す後輪タイヤ変位非線形特性図である。 実施例1の車体振動推定部に有する車両モデルを図式化したものを示す車両モデル図である。 実施例1のトルク指令値算出部に有する第1〜第3レギュレータ部と第1〜第3チューニングゲイン設定部と加算器の構成を示すブロック図である。 実施例1のトルク指令値算出部に有する第1〜第3レギュレータ部に設定された各レギュレータゲインが発揮する機能を示すゲイン機能説明図である。 実施例1のトルク指令値算出部に有する路面外乱対応制御部の詳細構成を示すブロック図である。 実施例1の路面外乱対応制御部の路面外乱判定部における路面外乱判定処理構成を示すフローチャートである。 実施例1の案A,B,C,Dによる非ドライバ操舵判定フラグによる荷重付加用制御ゲインの値と変更形態を示すゲイン変更表である。 実施例1の路面外乱対応制御部の第3チューニングゲイン変更処理部における第3チューニングゲイン(=荷重付加用制御ゲイン)の変更処理構成の一例を示すフローチャートである。 実施例1のエンジンコントロールモジュールにおいて実行される車体制振制御処理の流れを示すフローチャートである。 車体制振制御の基本作用の説明図であり、走行状況(a)、車軸トルク特性のタイムチャート(b)、ピッチ角速度特性のタイムチャート(c)を示す。 実施例1の車体制振制御で狙っている効果である「操舵応答の向上」と「荷重変動の抑制」と「ロール速度の抑制」の基本原理を示す原理説明図である。 実施例1の車体制振制御のロジック詳細を示すロジック構成図である。 実施例1の車体制振制御装置を搭載した車両で操舵時に実現される効果をあらわすピッチレイト(制御なし)・操舵入力・制御指令値(=駆動トルク指令値)・ピッチレイト(制御後)・ヨーレイト(制御後)・ロールレイト(制御後)の対比特性を示すタイムチャートである。 ドライバ操作による舵角変化の順番と路面外乱による舵角変化の順番の差を示す作用説明図である。 路面外乱があるときの操舵角センサからのセンサ信号と路面外乱センサからのセンサ信号と非ドライバ操舵判定フラグの各特性を示すタイムチャートである。 非ドライバ操舵判定フラグが0→1になったときと1→0になったときの荷重付加用制御ゲインの変化パターンが異なる案A,B,C,Dでの制御ゲイン特性を示すタイムチャートである。 実施例2のトルク指令値算出部に有する路面外乱対応制御部の詳細構成を示すブロック図である。 実施例2の案A,Bによる非ドライバ操舵判定フラグに対する最終制御ゲインの値と変更形態を示すゲイン変更表である。 実施例2の案A,Bによる非ドライバ操舵判定フラグに対する最終制御ゲインの変化を示すタイムチャートである。 実施例3のトルク指令値算出部に有する路面外乱対応制御部の詳細構成を示すブロック図である。 実施例3の案A,Bによる非ドライバ操舵判定フラグに対する入力処理後の舵角の値(基本処理)と変更形態(過渡処理)を示す操舵角入力変更表である。 実施例3の案A,Bによる過渡処理で用いられるレートリミッタの詳細を示す説明図である。 実施例3の案A,Bによる非ドライバ操舵判定フラグに対する実舵角と入力処理後舵角の変化を示すタイムチャートである。 実施例4のトルク指令値算出部に有する路面外乱対応制御部の詳細構成を示すブロック図である。 実施例4の案A,Bによる非ドライバ操舵判定フラグに対する制御ゲインα,βの値と変更形態を示すゲイン変更表である。 実施例4の案A,Bによる非ドライバ操舵判定フラグに対する制御ゲインα,βの変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明の車体制振制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における構成を、[全体システム構成]、[エンジンコントロールモジュールの内部構成]、[車体制振制御装置の入力変換部構成]、[車体制振制御装置の車体振動推定部構成]、[車体制振制御装置のトルク指令値算出部構成]、[路面外乱対応制御部構成]に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の車体制振制御装置が適用されたエンジン車を示す全体システム構成図である。以下、図1に基づき、全体システム構成を説明する。
ここで、「車体制振制御」とは、車両のアクチュエータ(実施例1では「エンジン106」)による駆動トルクを車体の振動に合わせて適切に制御することにより、車体振動を抑制する機能を持つ制御をいう。実施例1の車体制振制御においては、操舵時のヨー応答向上効果、操舵時のリニアリティ向上効果、ロール挙動の抑制効果も併せて得られる。
実施例1の車体制振制御装置が適用されたエンジン車は、図1に示すように、マニュアル変速による後輪駆動車であり、エンジンコントロールモジュール(ECM)101と、エンジン106と、を備えている。
前記エンジンコントロールモジュール101(以下、「ECM101」という。)は、エンジン106の駆動トルク制御を行う。このECM101には、左右前輪102FR,102FL(従動輪)と左右後輪102RR,102RL(駆動輪)に接続された車輪速センサ103FR,103FL,103RR,103RLからの信号と、ステアリングホイール110に接続された操舵角センサ111からの信号と、が入力される。さらに、ブレーキペダルへのドライバ操作量を検出するブレーキストロークセンサ104からの信号と、アクセルペダルへのドライバ操作量を検出するアクセル開度センサ105からの信号と、が入力される。これらの入力信号に応じてエンジン106を駆動するトルク指令値を算出し、トルク指令値をエンジン106へ送る。
前記エンジン106は、ECM101からのトルク指令値に応じた駆動トルクを発生し、発生した駆動トルクは、MT変速機107でドライバのシフト操作に応じて増減速される。MT変速機107で変速された駆動トルクは、シャフト108及びディファレンシャルギア109でさらに変速され、左右後輪102RR,102RLへと伝達され、車両を駆動する。
[エンジンコントロールモジュールの内部構成]
車体制振制御装置は、ECM101内に制御プログラムの形で構成されていて、ECM101内部の制御プログラムをあらわすブロック構成を図2に示す。以下、図2に基づき、ECM101の内部構成を説明する。
前記ECM1101は、図2に示すように、ドライバ要求トルク演算部201と、トルク指令値演算部202と、車体制振制御装置203と、を備えている。
前記ドライバ要求トルク演算部201は、ブレーキストロークセンサ104からのドライバによるブレーキ操作量情報と、アクセル開度センサ105からのドライバによるアクセル操作量情報を入力し、ドライバ要求トルクを演算する。
前記トルク指令値演算部202は、ドライバ要求トルク演算部201からのドライバ要求トルクに車体制振制御装置203からの補正トルク値を加算したトルク指令値と、車載の他システム(例えば、VDCやTCS等)からのトルク要求を入力する。そして、これらの入力情報に基づき、エンジン106への駆動トルク指令値を算出する。
前記車体制振制御装置203は、入力変換部204と、車体振動推定部205と、トルク指令値算出部206と、の3部構成となっている。前記入力変換部204は、走行中に取得される車両からのセンシング情報を車輪入力に変換する。前記車体振動推定部205は、入力変換部204からの各車輪入力と車両モデルを用いて車体のばね上挙動を推定する。前記トルク指令値算出部206は、車体振動推定部205により推定された車体のばね上挙動状態量(バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度)に基づき、車体のばね上挙動を抑制するように補正トルク値を算出する。
[車体制振制御装置の入力変換部構成]
図3〜図6に基づき、3部構成の車体制振制御装置203のうち、入力変換部204の構成を説明する。
前記入力変換部204は、車両からのセンシング情報を、後段の車体振動推定部205で用いる車両モデル307への入力形式(具体的には、車輪に加わるトルクまたは力の次元)に変換する。この入力変換部204は、図3に示すように、駆動トルク変換部301と、ハイパスフィルタ316と、サスストローク算出部302と、上下力変換部303と、車体速度推定部304と、旋回挙動推定部305と、旋回抵抗力算出部306と、を有する。そして、入力変換部204では、車体振動推定部205への入力として、駆動軸端トルクTwと、前輪上下力Ff及び後輪上下力Frと、前輪旋回抵抗力Fcf及び後輪旋回抵抗力Fcrと、を算出する。
〈駆動軸端トルクTwの算出構成〉
前記駆動トルク変換部301では、ドライバ要求トルク演算部201からのドライバ要求トルクにギア比を積算してエンジン端トルクから駆動軸端トルクTwに変換する。ここで、ギア比は、車輪速(駆動輪の左右平均回転数)とエンジン回転数の比より算出する。このギア比は、MT変速機107とディファレンシャルギア109を合わせた総ギア比となる。
〈前後輪上下力Ff,Frの算出構成〉
前記ハイパスフィルタ316では、車輪速センサ103FR,103FL,103RR,103RLからの車輪速信号のうち、低次の定常成分を除去する。このハイパスフィルタ316としては、安定性が高く、かつ、演算負荷が低い低次フィルタが使用される。
前記サスストローク算出部302では、ハイパスフィルタ処理後の車輪速情報に基づいてサスペンションストローク速度及びサスペンションストローク量を算出する。サスペンションがストロークする際には、図4に示すように、タイヤは前後方向にも変位をもち、この関係性は車両のサスペンション・ジオメトリによって決まる。これを図示したものが図5及び図6であり非線形特性を示すのに対し、この関係性を原点付近での傾きを持つ線形特性により近似する。そして、線形近似による前輪と後輪の傾き係数を、それぞれサスジオゲインKgeoF,KgeoRとすると、前後輪の上下変位Zf,Zrは、タイヤの前後位置xtf,xtrに対して次式の関係となる。
Zf=KgeoF・xtf …(1)
Zr=KgeoR・xtr …(2)
ここで、タイヤの前後位置xtf,xtrは、車輪速変動をあらわす車輪速微分値により推定される。例えば、路面外乱である凹凸路の走行時において、タイヤが凸部へ乗り上げると車輪速が減速し、タイヤは車体に対し車両後方向に変位する。一方、タイヤが凸部へ乗り超えると車輪速が加速し、タイヤは車体に対し車両前方向に変位する。よって、車輪速微分値の正負によりタイヤの加減速を判別すると、車輪速微分値の絶対値の大きさによりタイヤの前後位置xtf,xtrを推定できる。
よって、サスジオゲインKgeoF,KgeoRとタイヤの前後位置xtf,xtrが決まると、両者を掛け合わせる上記(1),(2)式により、前後輪の上下変位Zf,Zrが求められる。
そして、上記(1),(2)式を時間微分すると、タイヤの前後速度とタイヤの上下速度の式となるため、この関係を用いてサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量を算出する。
前記上下力変換部303では、サスストローク算出部302で算出したサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量に対し、ばね係数と減衰係数をそれぞれ積算し、その和をとることで、前輪上下力Ffと後輪上下力Frに変換する。
〈前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcrの算出構成〉
前記車体速度推定部304では、車輪速情報のうち、従動輪102FR,102FLの車輪速度平均値を車体速度V(=車速V)として出力する。
前記旋回挙動推定部305では、車体速度推定部304からの車体速度Vと、操舵角センサ111からの操舵角を入力し、操舵角によりタイヤ転舵角δを算出し、周知の線形2輪モデルの式を用いて、ヨーレイトγと車体スリップ角βvを算出する。
前記旋回抵抗力算出部306では、旋回挙動推定部305からヨーレイトγと車体スリップ角βv及びタイヤ転舵角δを入力し、ドライバ操舵による前輪旋回抵抗力Fcfと後輪旋回抵抗力Fcrを演算する。すなわち、ヨーレイトγと車体スリップ角βv及びタイヤ転舵角δに基づき、下記の式を用いて、タイヤ横滑り角である前後輪のタイヤスリップ角βf,βrを算出する。
前輪タイヤスリップ角βfと後輪タイヤスリップ角βrは、
βf=βv+lf・γ/V−δ
βr=βv−lr・γ/V
の式により計算される。但し、lf及びlrは、車体重心から前後車軸までの距離である。
そして、前後輪のタイヤスリップ角βf,βrと前後輪のコーナリングパワーCpf,Cprの積により、前後輪のタイヤ横力Fyf,Fyrを算出する。さらに、前後輪のタイヤスリップ角βf,βrと前後輪のタイヤ横力Fyf,Fyrの積により、前輪旋回抵抗力Fcfと後輪旋回抵抗力Fcrを算出する。
[車体制振制御装置の車体振動推定部構成]
図3及び図7に基づき、3部構成の車体制振制御装置203のうち、車体振動推定部205の構成を説明する。
前記車体振動推定部205は、図7に示すように、車両モデル307(「振動モデル」ともいう。)を有する。この車両モデル307は、本システムが搭載される実車(車体、前輪サスペンション、後輪サスペンション等)をモデル化して得られる車体上下振動の運動方程式と車体ピッチング振動の運動方程式によりあらわしている。そして、入力変換部204で算出した「駆動軸端トルクTw」、「前後輪上下力Ff,Fr」、「前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcr」を車両モデル307に入力する。これにより、車体のばね上挙動状態量(バウンス速度・バウンス量・ピッチ速度・ピッチ角度)の車両モデル307による推定値を算出する。
[車体制振制御装置のトルク指令値算出部構成]
図3、図8及び図9に基づき、3部構成の車体制振制御装置203のうち、トルク指令値算出部206の構成を説明する。
前記トルク指令値算出部206は、図3に示すように、補正トルク値の生成処理構成として、第1レギュレータ部308と、第2レギュレータ部309と、第3レギュレータ部310と、第1チューニングゲイン設定部317と、第2チューニングゲイン設定部318と、第3チューニングゲイン設定部319と、加算器320と、路面外乱対応制御部321と、を備えている。そして、補正トルク値のアクチュエータ適合処理構成として、リミット処理部311と、バンドパスフィルタ312と、非線形ゲイン増幅部313と、リミット処理部314と、エンジントルク変換部315と、を備えている。
〈補正トルク値の生成処理構成〉
前記第1レギュレータ部308は、制御対象である「トルク入力によるばね上挙動」に対し、ばね上挙動を最小に抑えるレギュレータゲインF1,F2を与える。この第1レギュレータ部308は、「トルク入力によるばね上挙動」に対して、図8に示すように、Trq-dZvゲインF1(バウンス速度ゲイン)と、Trq-dSpゲインF2(ピッチ速度ゲイン)と、を与える。これらのレギュレータゲインF1,F2は、図9に示すように、荷重の安定化に寄与するもので、Trq-dZvゲインF1はバウンス速度を抑制し、Trq-dSpゲインF2はピッチ速度を抑制する。
前記第2レギュレータ部309は、制御対象である「外乱によるばね上挙動」に対し、ばね上挙動を最小に抑えるレギュレータゲインF3〜F6を与える。この第2レギュレータ部309は、「外乱によるばね上挙動」に対して、図8に示すように、Ws-SFゲインF3(前後バランスゲイン)と、Ws-dSFゲインF4(前後バランス変化速度ゲイン)と、Ws-dZvゲインF5(バウンス速度ゲイン)と、Ws-dSpゲインF6(ピッチ速度ゲイン)と、を与える。これらのレギュレータゲインF3〜F6は、図9に示すように、荷重の安定化に寄与するもので、Ws-SFゲインF3は前後荷重変化を抑制し、Ws-dSFゲインF4は前後荷重変化速度を抑制し、Ws-dZvゲインF5はバウンス速度を抑制し、Ws-dSpゲインF6はピッチ速度を抑制する。
前記第3レギュレータ部310は、制御対象である「操舵によるばね上挙動」に対し、操舵による挙動応答性を向上させるレギュレータゲインF7,F8を与える。この第3レギュレータ部310は、「操舵によるばね上挙動」に対して、図8に示すように、Str-dWfゲインF7(前輪荷重変化速度ゲイン)と、Str-dWrゲインF8(後輪荷重変化速度ゲイン)と、を与える。これらのレギュレータゲインF7,F8は、図9に示すように、荷重の付加に寄与するもので、Str-dWfゲインF7は前輪荷重を上乗せし、Str-dWrゲインF8は後輪荷重変動を抑制する。
前記第1チューニングゲイン設定部317は、第1レギュレータ部308からの出力に対し重み付け調整を行うため、図8に示すように、Trq-dZvゲインF1に対しチューニングゲインK1を設定し、Trq-dSpゲインF2に対しチューニングゲインK2を設定する。この第1チューニングゲインK1,K2は、振動を抑制する正方向の値で、かつ、違和感を与えない前後G変動範囲に含まれる一定値である。そして、第1チューニングゲインK1,K2は、予め設定した初期値に対し、車両状態や走行状態やドライバ選択等に応じて補正を可能としている。
前記第2チューニングゲイン設定部318は、第2レギュレータ部309からの出力に対し重み付け調整を行うため、図8に示すように、Ws-SFゲインF3に対しチューニングゲインK3を設定し、Ws-dSFゲインF4に対しチューニングゲインK4を設定し、Ws-dZvゲインF5に対しチューニングゲインK5を設定し、Ws-dSpゲインF6に対しチューニングゲインK6を設定する。この第2チューニングゲインK3〜K6は、第1チューニングゲインK1,K2と同様、振動を抑制する正方向の値で、かつ、違和感を与えない前後G変動範囲に含まれる一定値である。そして、第2チューニングゲインK3〜K6は、予め設定した初期値に対し、車両状態や走行状態やドライバ選択等に応じて補正を可能としている。
前記第3チューニングゲイン設定部319は、第3レギュレータ部310からの出力に対し重み付け調整を行うため、図8に示すように、Str-dWfゲインF7に対しチューニングゲインK7を設定し、Str-dWrゲインF8に対しチューニングゲインK8を設定する。この第3チューニングゲインK7,K8は、第1,第2チューニングゲインK1〜K6と異なり、振動を助長する負方向の値で、かつ、違和感を与えない前後G変動範囲に含まれる一定値に設定される。そして、第3チューニングゲインK7,K8は、予め設定した初期値に対し、車両状態や走行状態やドライバ選択等に応じて補正を可能としている。
前記加算器320は、車体振動推定部205で算出された車体のばね上挙動状態量(バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度)について、制御対象とする挙動毎にレギュレータ処理を行い、これらに第1,2,3チューニングゲインK1〜K8を積算し、その総和をとり、制御に必要な補正トルク値を算出する。この補正トルク値は、第1チューニングゲインK1,K2による補正トルク値Aと、第2チューニングゲインK3〜K6による補正トルク値Bと、第3チューニングゲインK7,K8による補正トルク値Cと、を加算した値になる。
前記路面外乱対応制御部321は、操舵角センサ111からの操舵角の変化がドライバ操作によるものなのか、路面外乱によるものなのかを判定する。そして、操舵角の変化がわだち等の路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように、第3チューニングゲインK7,K8を変更する。詳しくは、後述する。
〈補正トルク値のアクチュエータ適合処理構成〉
前記リミット処理部311は、加算器320からの補正トルク値に対して、駆動系共振対策として、補正トルク値の絶対値の最大値制限処理を行い、ドライバが前後G変動として感じない範囲のトルクに制限する。
前記バンドパスフィルタ312は、リミット処理部311と同様に駆動系共振対策として、車体のばね上振動成分を抽出すると共に、ばね上共振を抑制するように駆動系共振周波数成分の除去を行う。その理由は、実際の車両、特に、エンジン車などにおいては、駆動トルクに不用意に振動成分を付加すると、駆動系共振と干渉して違和感となる振動が発生することがあることによる。加えて、エンジン車などは、駆動トルク指令に対する応答性の悪さや不感帯があるため、期待した制御効果を十分に得ることができないおそれがあるために必要となる。
前記非線形ゲイン増幅部313は、バンドパスフィルタ312から出力される補正トルク値に対し、アクチュエータ(エンジン106)の応答性対策として、補正トルク値の正負切り替わり領域付近(=アクチュエータの不感帯領域)での補正トルク値の増幅を行う。
前記リミット処理部314は、非線形ゲイン増幅部313から出力される増幅処理後の補正トルク値に対し、最終的なリミット処理を行う。
前記エンジントルク変換部315は、リミット処理部314からのリミット処理後の補正トルク値を、ギア比に応じたエンジン端トルク値に変換し、これを最終の補正トルク値として出力する。
[路面外乱対応制御部構成]
図10〜図13に基づき、路面外乱対応制御部321による路面外乱対応制御部構成を説明する。
前記路面外乱対応制御部321は、図10に示すように、路面外乱判定部321a(路面外乱判定部)と、第3チューニングゲイン変更処理部321b(制御ゲイン変更処理部)と、を有する。
前記路面外乱判定部321aは、操舵角センサ111からの操舵角の変化がドライバ操作によるものなのか、わだち等の路面外乱によるものなのかを判定する。この路面外乱判定部321aは、操舵角センサ111からのセンサ値以外に、ドライバ操作によらず路面から操舵系に入力される路面外乱に感応してセンサ値が立ち上がり変化する路面外乱センサとしてのEPS操舵トルクセンサ112、EPSモータ回転角センサ113からのセンサ値を入力する。そして、路面外乱判定部321aは、路面外乱センサ112,113からのセンサ値の立ち上がりタイミングが操舵角センサ111からのセンサ値の立ち上がりタイミングより早いという非ドライバ操舵判定条件を満たすとき、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定する。
前記EPS操舵トルクセンサ112は、電動パワーステアリング(EPS)のトーションバーの捩れから転舵トルクを検出する。前記EPSモータ回転角センサ113は、電動パワーステアリング(EPS)の転舵角速度を検出する。ここで、路面外乱センサとしては、各センサ112,113のいずれか、或いは、組み合わせが必要である。さらに、操舵角の変化が路面外乱によるものであるとの判定中、非ドライバ操舵判定条件を満たさなくなってから所定時間を継続すると、操舵角の変化がドライバ操作によるものであるとの判定に移行する。
すなわち、図11に示すように、ステップS601において、操舵角センサ111、EPS操舵トルクセンサ112、EPSモータ回転角センサ113からのセンサ信号を取得する。次のステップS602では、EPS操舵トルクセンサ112とEPSモータ回転角センサ113のいずれかのセンサ値の立ち上がりタイミングが、操舵角センサ111のセンサ値の立ち上がりタイミングより早いか否かを判断する。ステップS602でのYESと判断されると、ステップS604へ進み、非ドライバ操舵フラグが、非ドライバ操舵フラグ=1(路面外乱による操舵)に書き換えられ、エンドへ進む。一方、ステップS602でのNOと判断されたときは、ステップS603へ進み、ステップS602でのNOの判断が所定時間継続したか否かが判断される。ステップS603でNOと判断されている間は、ステップS604へ進み、非ドライバ操舵フラグ=1が維持される。そして、ステップS603でYESと判断されると、ステップS605へ進み、非ドライバ操舵フラグが、非ドライバ操舵フラグ=0(ドライバ操作による操舵)に書き換えられ、エンドへ進む。ここで、ステップS603の所定時間は、わだち等の路面外乱によるハンドル取られが発生してから終了するまでに要する所要時間を測定し、測定した時間データに基づき決められる。
前記第3チューニングゲイン変更処理部321bは、路面外乱判定部321aにより操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように第3チューニングゲインK7,K8(荷重付加用制御ゲイン)を変更する。このとき、荷重安定化挙動制御系の第1,第2チューニングゲインK1〜K6を変更することなく、荷重付加挙動制御系のみの第3チューニングゲインK7,K8を変更する。
ここで、車体制振制御の制御対象である荷重安定化挙動制御系は、トルク入力から第1チューニングゲイン設定部317に至る制御系と、車輪速入力から第2チューニングゲイン設定部318に至る制御系と、の2つの制御系であり、制駆動トルクの変化や路面からの外乱上下力に対する輪荷重の変動を抑制する。また、車体制振制御の制御対象である荷重付加挙動制御系は、操舵角度入力から第3チューニングゲイン設定部319に至る制御系であり、操舵角を検出する操舵角センサ111からの操舵角の変化に対する操舵応答をアシストするように前輪荷重を付加する(図9)。
そして、第3チューニングゲインK7,K8の変更の形態としては、下記の4通りの何れか1つとする(図12)。
変更案A:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき-0.4から即ゼロに変化させる。非ドライバ操舵フラグが1→0のとき0から-0.4に徐々に復帰させる。
変更案B:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき-0.4から即符号反転させる。非ドライバ操舵フラグが1→0のとき+0.4から-0.4に徐々に復帰させる。
変更案C:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき-0.4から徐々にゼロに変化させる。非ドライバ操舵フラグが1→0のとき0から-0.4に徐々に復帰させる。
変更案D:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき-0.4から徐々に符号反転させる。非ドライバ操舵フラグが1→0のとき+0.4から-0.4に徐々に復帰させる。
なお、案A〜Dでは、徐々に復帰させているが、何れの形態においても、即復帰としても勿論良い。また、徐々に変化させたり復帰させたりする変化時間は一定で、線形により変化させる。例えば、500ms(指令値の通信周期50回分)あるいは300ms(ばね上共振周波数約1.5Hzの半周期)とする。
ここで、変更案Aの場合を一例として第3チューニングゲイン変更処理を説明すると、図13に示すように、ステップS701において、非ドライバ操舵フラグ=1であるか否かを判断する。ステップS701でYESと判断されると、ステップS703へ進み、荷重付加用制御ゲインをゼロにし、エンドへ進む。ステップS701でNOと判断されると、ステップS702へ進み、最後にステップS701が成立してからの経過時間が所定時間以内であるか否かを判断する。ステップS702でYESと判断されると、ステップS704へ進み、荷重付加用制御ゲインを、荷重付加用制御ゲイン=(0−0.4)×(最後のS701が成立してから経過時間/所定時間)の式により取得し、エンドへ進む。ステップS702でNOと判断されると、ステップS705へ進み、荷重付加用制御ゲインを、荷重付加用制御ゲイン=-0.4とし、エンドへ進む。なお、図13での荷重付加用制御ゲインとは、第3チューニングゲインK7,K8のことである。また、ステップS702の所定時間は、徐々に変化させたり復帰させたりするのに設定した変化時間(例えば、500ms、300ms等)である。
次に、作用を説明する。
実施例1の車体制振制御装置における作用を、[車体制振制御処理作用]、[車体制振制御により発揮される走行性能向上作用]、[路面外乱判定作用]、[非ドライバ操舵時のチューニングゲイン変更作用]に分けて説明する。
[車体制振制御処理作用]
図14は、実施例1のエンジンコントロールモジュール101にて実行される車体制振制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図14に基づき、車体制振制御処理作用を説明する。
車体制振制御処理を開始すると、ステップS1401では、ドライバ要求トルク演算部201にてドライバ要求トルクが演算される。次のステップS1402では、駆動トルク変換部301にてドライバ要求トルクにギア比を積算してエンジン端トルクから駆動軸端トルクTwに単位変換される。次のステップS1403では、ハイパスフィルタ316にて車輪速センサ103FR,103FL,103RR,103RLの車輪速信号から低次の定常成分を除去するフィルタ処理が行われる。次のステップS1404では、サスストローク算出部302にてハイパスフィルタ処理後の車輪速情報と前後輪のタイヤ変位線形特性(サスジオゲインKgeoF,KgeoR)に基づいてサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量が算出される。次のステップS1405では、上下力変換部303にてサスペンションストローク速度とサスペンションストローク量が前後輪上下力Ff,Frに変換される。次のステップS1406では、操舵角センサ111により操舵角が検出される。次のステップS1407では、車体速度推定部304にて車体速度Vが算出される。次のステップS1408では、旋回挙動推定部305にてヨーレイトγと車体スリップ角βv(=車体横滑り角)が算出される。次のステップS1409では、旋回抵抗力算出部306にて前後輪のタイヤスリップ角βf,βr(タイヤ横滑り角)が算出される。次のステップS1410では、旋回抵抗力算出部306にて前後輪のタイヤ横力Fyf,Fyrが算出される。次のステップS1411では、旋回抵抗力算出部306にて前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcrが算出される。以上の処理は、入力変換部204においてなされる。
次のステップS1412では、車体振動推定部205にて、駆動軸端トルクTw,前後輪上下力Ff,Fr,前後輪旋回抵抗力Fcf,Fcrを車両モデル307に入力することで、車体のばね上挙動状態量(バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度)が算出される。次のステップS1413では、非ドライバ操舵判定フラグに基づき第3チューニングゲインK7,K8が変更される。次のステップS1414では、第1チューニングゲイン設定部317にてドライバ要求トルクによる振動を抑制する補正トルク値Aが算出される。次のステップS1415では、第2チューニングゲイン設定部318にて外乱による振動を抑制する補正トルク値Bが算出される。次のステップS1416では、第3チューニングゲイン設定部319にて操舵による前後荷重変動を増幅する補正トルク値Cが算出される。次のステップS1417では、加算器320にて補正トルク値Aと補正トルク値Bと補正トルク値Cの和による補正トルク値が出力される。
次のステップS1418では、リミット処理部311にて補正トルク値に対し駆動系共振対策のリミット処理が施される。次のステップS1419では、バンドパスフィルタ312にて補正トルク値に対し駆動系共振成分を除去するフィルタ処理が施される。次のステップS1420では、非線形ゲイン増幅部313にて正負切り替わり領域付近で補正トルク値を増幅する非線形ゲイン処理が行われる。次のステップS1421では、リミット処理部314にて増幅処理後の補正トルク値に対して最終的なリミット処理が行われる。次のステップS1422では、エンジントルク変換部315にて駆動軸端の補正トルク値がエンジン端補正トルク値に単位変換され、これが最終の補正トルク値として出力される。
上記ステップS1401からステップS1422へと進む車体制振制御処理は、所定の制御周期毎に繰り返される。
[車体制振制御により発揮される走行性能向上作用]
上記車体制振制御処理を実行することにより、具体的にどのようなメカニズムにより車体のばね上挙動がコントロールされるかの理解を助ける基本作用を、図15に基づき説明する。
車体制振制御は、トルク変動や外乱による車体挙動の変化速度を、エンジントルクの補正で抑制し、荷重の安定化と旋回性能の向上を狙う制御である。そこで、具体的な走行状況として、図15(a)に示すように、停車から発進加速した後、定速状態に入り、その後、減速して停車する場合を例にとる。
停車から発進加速すると、駆動トルクが急増することで、後輪の輪荷重が増加し、前輪の輪荷重が減少するという荷重移動が生じ、車体挙動としては、車体前方側が持ち上がるノーズアップとなる。このとき、図15(a),(b)に示すように、駆動輪である後輪への駆動トルクをダウンさせると、減速時のように車体前方側が沈み込むノーズダウンの挙動を発生させ、荷重移動によるノーズアップと、トルクダウンによるノーズダウンが相殺し、車体挙動が安定する。
発進後、定速状態に入る定常状態では、車体挙動が安定しているため、駆動トルクを補正する制御は行わない。その後、ブレーキ操作等を行って減速停車する場合には、駆動トルクが急減することで、後輪の輪荷重が減少し、前輪の輪荷重が増加するという荷重移動が生じ、車体挙動としては、車体前方側が沈み込むノーズダウンとなる。このとき、図15(a),(b)に示すように、駆動輪である後輪への駆動トルクをアップさせると、加速時のように車体前方側が持ち上がるノーズアップの挙動を発生させ、荷重移動によるノーズダウンと、トルクアップによるノーズアップが相殺し、車体挙動が安定する。
よって、車体のピッチ角速度の変化をみると、図15(c)に示すように、“制振なし”の点線特性に比べ、“制振あり”の実線特性が車体のピッチ角速度の変化が小さく抑えられることになる。
以下、車体制振制御を行うことにより発揮される走行性能向上作用を、〈性能向上を狙うシーンと効果〉、〈車体制振制御ロジック〉、〈効果確認作用〉に分けて説明する。
〈性能向上を狙うシーンと効果〉
車体制振制御により性能向上を狙うシーンと効果は、
(a)車線変更時やS字路等のシーンで、穏やかなロールとリニアリティの良さにより、安定感のあるリニアな旋回性能を得ること。
(b)高速巡航時等のシーンで、修正操舵の少なさやピッチダンピングの良さにより、車両の安定した巡航性能を得ること。
にある。上記(a)の効果を達成するには、「操舵応答の向上」と「ロール速度の抑制」が必要であり、上記(b)の効果を達成するには、「荷重変動の抑制」が必要である。
前記「操舵応答の向上」は、図16に示すように、操舵時、減速=トルクダウンを行うと、前輪荷重が増加し、前輪タイヤのコーナリングパワーCpが増大し、タイヤ横力が増大することで、操舵応答が向上する。すなわち、コーナリングパワーCpは、輪荷重が大きいほど大きくなるという荷重依存性を持つため、操舵時に輪荷重を増加させることで、「操舵応答の向上」が実現される。
前記「荷重変動の抑制」は、図16に示すように、例えば、ノーズアップ挙動が発生した場合には、減速=トルクダウンを行うと、車体振動と逆位相の運動(ノーズダウン)が発生し、荷重変動の相殺により、荷重変動が抑制される。一方、ノーズダウン挙動が発生した場合には、加速=トルクアップを行うと、車体振動と逆位相の運動(ノーズアップ)が発生し、荷重変動の相殺により、荷重変動が抑制される。そして、ドライバ入力により振動(荷重変動)が発生した場合も路面外乱により振動(荷重変動)が発生した場合も、荷重変動が抑制される。すなわち、トルク変動と路面外乱により推定したピッチ挙動とは逆位相の駆動トルクで、「荷重変動の抑制」が実現される。
前記「ロール速度の抑制」は、図16に示すように、上記した「操舵応答の向上」と「荷重変動の抑制」によりヨーレイトのリニアリティが向上する。したがって、ヨーレイトに比例して穏やかな横G変化となり、ロールレイトのピーク値が小さくなって、ロール速度が抑制される。すなわち、「操舵応答の向上」と「荷重変動の抑制」が組み合わされる結果として「ロール速度の抑制」が実現される。
〈車体制振制御ロジック〉
上記本制御が狙いとする効果(a),(b)を達成する車体制振制御ロジックを、図17に基づき説明する。
車体制振制御ロジックは、図17に示すように、ドライバ要求トルク(=駆動軸端トルクTw)、前輪上下力Ff、後輪上下力Fr、前輪旋回抵抗力Fcf、後輪旋回抵抗力Fcrを、車両モデル307に入力する。これにより、車体のばね上挙動状態量であるバウンス速度・バウンス量・ピッチ速度・ピッチ角度を算出する。
そして、車体のばね上挙動状態量のそれぞれに、図17に示すように、バウンス速度・バウンス量・ピッチ速度・ピッチ角度を適正化するレギュレータゲインF1〜F8を掛け合わせ、さらに、調整代となるチューニングゲインK1〜K8を掛け合わせる。
上記処理により制御対象である「トルク入力によるばね上挙動」と「外乱によるばね上挙動」と「操舵によるばね上挙動」のそれぞれについて補正トルク値A,B,Cを得る。そして、各補正トルク値A,B,Cを合算することで、最終の補正トルク値(=図17の制御トルク)とし、ドライバ要求トルクに制御トルクを加算した駆動トルクを得る駆動トルク指令値を、実車のエンジン106に出力する。
ここで、各補正トルク値A,B,Cのうち、補正トルク値Cは、操舵時において、前輪荷重を上乗せするように駆動トルクを補正し、左右前輪102FR,102FLに積極的に輪荷重を乗らせるための補正トルク値である。
したがって、操舵時には、補正トルク値Cにより、前輪荷重が増加するよう積極的にノーズダウン挙動を助長することでヨー応答を向上させ、同時に補正トルク値A,Bにより余計な振動成分は抑制することでリニアリティが確保される。すなわち、ロールレイトを抑制するという本制御が狙いとする効果(a)が、補正トルク値A,Bに補正トルク値Cが加わることで実現される。
一方、上記各補正トルク値A,B,Cのうち、補正トルク値A,Bは、直進路走行中において、駆動トルクの変動や路面外乱にかかわらず、前後荷重変動を安定化し、車体振動を抑制するために補正トルク値である。したがって、直線路の巡航時には、トルク変動と路面外乱によるピッチ挙動やバウンス挙動や前後荷重変化を推定し、補正トルク値A,Bにより、推定したピッチ挙動やバウンス挙動や前後荷重変化とは逆位相の駆動トルクが与えられることで、ピッチ挙動やバウンス挙動や前後荷重変化が抑制される。すなわち、車両の安定した巡航性能を得るという本制御が狙いとする効果(b)が、補正トルク値A,Bにより実現される。
〈効果確認作用〉
直進走行から操舵したときの対比特性(制御有りが実線特性、制御無しが点線特性)を時系列であらわした図18に基づき、上記本制御が狙いとする効果(a),(b)が実現されることの確認作用を説明する。
車体制振制御では、図18の矢印Jに示すように、(車体振動を抑制する指令トルク)+(操舵応答をコントロールする指令トルク)による制御指令値(=駆動トルク指令値)が出力される。
このため、時刻t1までの直進走行域では、図18の矢印Eに示すように、制御無しに比べ、ピッチレイトが抑制され、車両の安定した走行性能により、乗心地の向上が実現されていることが分かる。
そして、時刻t1以降の操舵過渡領域においては、図18の矢印Fに示すように、ピッチレイトの変化が抑制されていて、適切な荷重移動が実現されていることが分かる。操舵過渡領域のうち、旋回初期においては、図18の矢印Gに示すように、制御無しに比べてヨーレイトが早期に立ち上がり、初期応答性が向上していることが分かる。さらに、操舵過渡領域のうち、旋回後期においては、図18の矢印Hに示すように、制御無しに比べてヨーレイトが緩やかに変化し、旋回巻き込みが抑制されていることが分かる。
そして、操舵過渡領域(旋回初期〜旋回後期)においては、ピッチレイトの変化を抑制する制御と、ヨーレイトの変化を抑制する制御と、を同時に行うことで、横Gの急変が抑えられるため、図18の矢印Iに示すように、制御無しに比べてロールレイトが抑制されていることが分かる。
[路面外乱判定作用]
上記本制御が狙いとする効果(a)を実現するには、ドライバの意図ではない路面外乱による舵角変化を除外するため、ドライバ操作による舵角変化と路面外乱による舵角変化を切り分けて精度良く判定する工夫が必要である。以下、図11、図19及び図20に基づき、これを反映する路面外乱判定作用を説明する。
まず、操舵角が変化する状況としては、
(a)タイヤに角度を持たせるため、ドライバがハンドルを回転させる
(b)路面外乱(わだち等)によりタイヤが角度を持った結果、ハンドルが回転する
という状況が想定される。
上記(a)のドライバ操作による舵角変化の場合、図19(a)に示すように、動きが発生する順番が、(1)ハンドル回転→(2)タイヤ転舵となる。
上記(b)の路面外乱による舵角変化の場合、図19(b)に示すように、動きが発生する順番が、(1)タイヤ転舵→(2)ハンドル回転となる。
すなわち、ドライバ操作による舵角変化の場合は、ハンドル回転が、タイヤ転舵の発生に先行するが、路面外乱による舵角変化の場合は、タイヤ転舵の発生から遅れてハンドル回転が発生する。このタイヤ転舵の発生から遅れてハンドル回転が発生する点に着目し、本発明では、路面外乱による舵角変化を判定するようにした。
すなわち、走行中にわだち等の路面外乱により操舵角が変化した場合、EPS操舵トルクセンサ112とEPSモータ回転角センサ113のいずれかのセンサ値の立ち上がりタイミングが、操舵角センサ111のセンサ値の立ち上がりタイミングより早くなる。このため、図11のフローチャートにおいて、ステップS601→ステップS602→ステップS604へと進み、ステップS604では、非ドライバ操舵フラグ=1(路面外乱による操舵)に書き換えられる。そして、ステップS602の条件不成立状態となっても所定時間が経過するまでは、図11のフローチャートにおいて、ステップS601→ステップS602→ステップS603→ステップS604へと進み、非ドライバ操舵フラグ=1が維持される。さらに、ステップS602の条件不成立状態となって所定時間が経過すると、図11のフローチャートにおいて、ステップS601→ステップS602→ステップS603→ステップS605へと進み、非ドライバ操舵フラグ=0(ドライバ操作による操舵)に書き換えられる。
この路面外乱により操舵角が変化する状況をタイムチャートによりあらわすと、図20に示すように、EPS操舵トルクセンサ112とEPSモータ回転角センサ113のいずれかが検出した操舵角速度又は操舵角が時刻t1'のタイミングで立ち上がる。この時刻t1'においては、操舵角センサ111が検出した操舵角速度又は操舵角の立ち上がりが無い。そして、時刻t1'から遅れ時間Δtを経過した時刻t1が、操舵角センサ111が検出した操舵角速度又は操舵角の立ち上がりタイミングになり、ステップS602の条件が成立し、非ドライバ操舵フラグが0→1に書き換えられる。さらに、ステップS602の条件が不成立となってから所定時間が経過した時刻t2にて、非ドライバ操舵フラグが1→0に書き換えられる。
上記のように、実施例1では、路面外乱センサ112,113からのセンサ値の立ち上がりタイミングが舵角センサ111からのセンサ値の立ち上がりタイミングより早いという非ドライバ操舵判定条件を満たすとき、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定する構成を採用した。
このように、ドライバ操作による舵角変化と路面外乱による舵角変化では動きが発生する順番が変わることに着目して路面外乱を判定することで、操舵角の変化が路面外乱によるものであると精度良く判定される。
[非ドライバ操舵時のチューニングゲイン変更作用]
上記本制御が狙いとする効果(a)を荷重付加挙動制御系にて実現するには、ドライバ操作による操舵角変化に対しては操舵応答を向上させるものの、路面外乱による操舵角変化に対しては操舵応答を抑制することが必要である。以下、図12、図13及び図21に基づき、これを反映する非ドライバ操舵時のチューニングゲイン変更作用を説明する。
例えば、荷重付加挙動制御系において、舵角センサからのみ舵角情報を取得し、ドライバによる操舵であるのか、路面外乱(わだち等)に起因するハンドル取られによる操舵であるのか、を判別しないものを比較例とする。
この比較例の場合、ドライバ意図の有無にかかわらす、操舵角の変化に対して荷重付加挙動制御系が前輪荷重を増加させるように制御動作をし、車両の操舵応答性を向上させる。このため、路面外乱(わだち等)に起因するハンドル取られにより操舵角が変化する場合、ドライバの意図ではないのに曲がりやすくアシストすることで、ドライバに違和感を与えるおそれがあった。
これに対し、実施例1では、路面外乱判定部321aにおいて、操舵角センサ111からの操舵角の変化がドライバ操作(非ドライバ操舵フラグ=0)によるものなのか、わだち等の路面外乱(非ドライバ操舵フラグ=1)によるものなのかが判定される。そして、第3チューニングゲイン変更処理部321bにおいて、路面外乱判定部321aから非ドライバ操舵フラグ=1を入力すると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように第3チューニングゲインK7,K8が変更される。すなわち、図13のフローチャートにおいて、ステップS701→ステップS703へと進み、荷重付加用制御ゲイン(=第3チューニングゲインK7,K8)がゼロとされる。したがって、ドライバの意図でない路面外乱(わだち等)による操舵に対しては、曲がりやすくするアシストが抑えられる。
このように、ドライバが意図しない路面外乱による操舵角の変化に対しては操舵応答のアシストを抑制するように荷重付加用制御ゲイン(=第3チューニングゲインK7,K8)を変更することで、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、ドライバに与える違和感が防止される。
そして、非ドライバ操舵フラグが“1”となった後、非ドライバ操舵条件を成立しなくなった状態が所定時間継続することで、非ドライバ操舵フラグが“0”に書き換えられると、所定時間を経過するまでは、図13のフローチャートにおいて、ステップS701→ステップS702→ステップS704へと進む流れが繰り返され、荷重付加用制御ゲイン(=第3チューニングゲインK7,K8)が徐々に復帰の方向に戻される。そして、所定時間を経過すると、図13のフローチャートにおいて、ステップS701→ステップS702→ステップS705へと進み、荷重付加用制御ゲイン(=第3チューニングゲインK7,K8)が元の値(-0.4)に復帰される。
実施例1では、車体制振制御の制御対象として、荷重付加挙動制御系に加え、制駆動トルクの変化や路面からの外乱上下力に対する輪荷重の変動を抑制する荷重安定化挙動制御系を有する。そして、チューニングゲインの変更処理においては、非ドライバ操舵フラグ=1のとき、荷重安定化挙動制御系の第1,第2チューニングゲインK1〜K6を変更することなく、荷重付加挙動制御系のみの第3チューニングゲインK7,K8を変更する構成を採用した。
したがって、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、荷重安定化挙動制御系によるばね上挙動の制振効果をそのまま残しながら、ドライバに与える違和感のみが防止される。
実施例1では、チューニングゲインの変更処理において、非ドライバ操舵フラグ=1のとき、荷重付加挙動制御系の第3チューニングゲイン設定部319の第3チューニングゲインK7,K8を変更する構成を採用した。
すなわち、路面外乱による操舵角変化に対して操舵応答を抑制するには、荷重付加挙動制御系の入力から出力に至るルートのどこかで制御ゲインを変更することで達成される。これに対し、実施例1では、トルク指令値算出部206に、荷重安定化挙動制御系からの補正トルク値の重み付けを設定する第1チューニングゲイン設定部317及び第2チューニングゲイン設定部318と、荷重付加挙動制御系からの補正トルク値の重み付けを設定する第3チューニングゲイン設定部319を備える。
したがって、荷重付加挙動制御系に予め有する第3チューニングゲイン設定部319を制御ゲイン変更構成として利用することで、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されたとき、新たに制御ゲイン変更構成を付加することのない簡単な構成にて、荷重付加挙動制御系の制御ゲインが変更される。
実施例1では、図12に示すように、第3チューニングゲインK7,K8の変更の形態としては、変更案A,B,C,Dの4通りの何れか1つとされる。これをタイムチャートで表したのが図21であり、以下、変更形態の違いによるメリットを説明する。
変更案Aでは、非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、矢印Pに示すように、第3チューニングゲインK7,K8を-0.4から即変化させるようにしている。このように、変更案A(変更案Bも同様)で即変化させることで、スポット的な路面外乱による操舵に対応し、荷重付加挙動制御の制御ゲインを応答良く変更可能であるというメリットを持つ。
変更案Aでは、非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、矢印Qに示すように、第3チューニングゲインK7,K8を-0.4からゼロに変化させるようにしている。このように、変更案A(変更案Cも同様)でゼロに変化させることで、路面外乱による操舵については、操舵応答を向上させないというメリットを持つ。
変更案Bでは、非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、矢印Rに示すように、第3チューニングゲインK7,K8を-0.4から+0.4に符号反転させるようにしている。このように、変更案B(変更案Dも同様)で符号反転させることで、路面外乱による操舵により生じるピッチ、バウンスを抑制するメリットを持つ。
変更案Cでは、非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、矢印Sに示すように、第3チューニングゲインK7,K8を-0.4から徐々に変化させるようにしている。このように、変更案C(変更案Dも同様)で徐々に変化させることで、ドライバが性能変化に対し違和感を持ちにくくなるというメリットを持つ。
変更案Dでは、非ドライバ操舵フラグが1→0のとき、矢印Tに示すように、第3チューニングゲインK7,K8を+0.4から-0.4に徐々に復帰させるようにしている。このように、変更案D(変更案A,B,Cも同様)で徐々に復帰させることで、ドライバが性能変化に対し違和感を持ちにくくなるというメリットを持つ。
なお、案A〜Dの形態において、即復帰としても良く、この場合は、スポット的な路面外乱による操舵に対応し、荷重付加挙動制御の制御ゲイン(第3チューニングゲインK7,K8)を応答良く復帰可能であるというメリットを持つ。
次に、効果を説明する。
実施例1の車体制振制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 走行中に取得される車両からのセンシング情報を車輪入力に変換する入力変換部204と、前記車輪入力と車両モデル307を用いて車体のばね上挙動を推定する車体振動推定部205と、前記ばね上挙動の推定結果に基づき駆動トルクの補正を行うトルク指令値算出部206と、を備え、駆動トルクの補正により車体制振制御を行う車体制振制御装置において、
前記車体制振制御の制御対象として、操舵角センサ111からの操舵角の変化に対する操舵応答をアシストするように前輪荷重を付加する荷重付加挙動制御系を有し、
前記荷重付加挙動制御系に、
前記操舵角センサ111からの操舵角の変化がドライバ操作によるものなのか、路面外乱によるものなのかを判定する路面外乱判定部321aと、
前記路面外乱判定部321aにより前記操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように制御ゲインを変更する制御ゲイン変更処理部(第3チューニングゲイン変更処理部321b)と、
を設けた(図10)。
このように、ドライバが意図しない路面外乱による操舵角の変化に対しては操舵応答のアシストを抑制するように制御ゲインを変更することで、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、ドライバに与える違和感を防止することができる。
(2) ドライバ操作によらず路面から操舵系に入力される路面外乱に感応してセンサ値が立ち上がり変化する路面外乱センサ112,113を備え、
前記路面外乱判定部321aは、前記路面外乱センサ112,113からのセンサ値の立ち上がりタイミングが前記舵角センサ111からのセンサ値の立ち上がりタイミングより早いという非ドライバ操舵判定条件を満たすとき、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定する(図11)。
このように、ドライバ操作による舵角変化と路面外乱による舵角変化では動きが発生する順番が変わることに着目して路面外乱を判定することで、(1)の効果に加え、操舵角の変化が路面外乱によるものであると精度良く判定することができる。
(3) 前記制御ゲイン変更処理部(第3チューニングゲイン変更処理部321b)は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、操舵応答のアシストを抑制する制御ゲインに即変更する(図21)。
このため、(2)の効果に加え、スポット的な路面外乱による操舵に対応し、荷重付加挙動制御の制御ゲインを応答良く変更することができる。
(4) 前記制御ゲイン変更処理部(第3チューニングゲイン変更処理部321b)は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、操舵応答のアシストを抑制する方向に制御ゲインを徐々に変更する(図21)。
このため、(2)の効果に加え、荷重付加挙動制御による操舵応答が低下する性能変化に対し、ドライバへ与える違和感を抑制することができる。
(5) 前記路面外乱判定部321aは、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであるとの判定中、非ドライバ操舵判定条件を満たさなくなってから所定時間を継続すると、前記操舵角の変化がドライバ操作によるものであるとの判定に移行する(図13)。
このため、(2)〜(4)の効果に加え、わだち等の路面外乱を受けてから操舵角の変化によりハンドルが取られる状況が終わったと想定されるまで待機した後、操舵応答性を向上させる荷重付加挙動制御に復帰することができる。
(6) 前記制御ゲイン変更処理部(第3チューニングゲイン変更処理部321b)は、前記操舵角の変化がドライバ操作によるものであるとの判定に移行すると、操舵応答をアシストする制御ゲインに即復帰する(図21)。
このため、(5)の効果に加え、スポット的な路面外乱による操舵に対応し、荷重付加挙動制御の制御ゲインを応答良く復帰することができる。
(7) 前記制御ゲイン変更処理部(第3チューニングゲイン変更処理部321b)は、前記操舵角の変化がドライバ操作によるものであるとの判定に移行すると、操舵応答をアシストする制御ゲインに徐々に復帰する(図21)。
このため、(5)の効果に加え、荷重付加挙動制御による操舵応答が復帰する性能変化に対し、ドライバへ与える違和感を抑制することができる。
(8) 前記車体制振制御の制御対象として、前記荷重付加挙動制御系に加え、制駆動トルクの変化や路面からの外乱上下力に対する輪荷重の変動を抑制する荷重安定化挙動制御系を有し、
前記制御ゲイン変更処理部(第3チューニングゲイン変更処理部321b)は、前記路面外乱判定部321aにより前記操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、前記荷重安定化挙動制御系の制御ゲインを変更することなく、前記荷重付加挙動制御系のみの制御ゲインを変更する(図3)。
このため、(1)〜(7)の効果に加え、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、荷重安定化挙動制御系によるばね上挙動の制振効果をそのまま残しながら、ドライバに与える違和感のみを防止することができる。
(9) 前記トルク指令値算出部206に、前記荷重安定化挙動制御系からの補正トルク値の重み付けを設定する荷重安定化チューニングゲイン設定部(第1チューニングゲイン設定部317、第2チューニングゲイン設定部318)と、前記荷重付加挙動制御系からの補正トルク値の重み付けを設定する荷重付加チューニングゲイン設定部(第3チューニングゲイン設定部319)を備え、
前記制御ゲイン変更処理部(第3チューニングゲイン変更処理部321b)は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、前記荷重付加チューニングゲイン設定部(第3チューニングゲイン設定部319)のチューニングゲイン(第3チューニングゲインK7,K8)を、操舵応答のアシストを抑制するように変更する(図3)。
このように、荷重付加挙動制御系に予め有する第3チューニングゲイン設定部319を制御ゲイン変更構成として利用することで、(8)の効果に加え、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されたとき、新たに制御ゲイン変更構成を付加することのない簡単な構成にて、荷重付加挙動制御系の制御ゲインを変更することができる。
実施例2は、第1〜第3チューニングゲイン設定部317,318,319の後段に設けた最終制御ゲイン設定部を、制御ゲイン変更構成とする例である。
まず、構成を説明する。
実施例2の路面外乱対応制御部321は、図22に示すように、路面外乱判定部321a(路面外乱判定部)と、最終制御ゲイン変更処理部321c(制御ゲイン変更処理部)と、を有する。なお、路面外乱判定部321aは、実施例1と同様の構成である。
前記最終制御ゲイン変更処理部321cは、路面外乱判定部321aにより操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように、最終制御ゲインを変更する。
そして、最終制御ゲインの変更の形態としては、下記の2通りの何れか1つとする(図23)。
変更案A:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき1.0から即ゼロに変化させる。非ドライバ操舵フラグが1→0のとき0から1.0に徐々に復帰させる。
変更案B:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき1.0から徐々にゼロに変化させる。非ドライバ操舵フラグが1→0のとき0から1.0に徐々に復帰させる。
なお、案A,Bでは、徐々に復帰させているが、何れの形態においても、即復帰としても勿論良い。また、徐々に変化させたり復帰させたりする変化時間は一定で、線形により変化させる。例えば、500ms(指令値の通信周期50回分)あるいは300ms(ばね上共振周波数約1.5Hzの半周期)とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示及び説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2では、図23に示すように、最終制御ゲインの変更の形態としては、変更案A,Bの2通りの何れか1つとされる。これをタイムチャートで表したのが図24であり、以下、変更形態の違いによるメリットを説明する。
変更案Aでは、非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、矢印Pに示すように、最終制御ゲインを1.0から即変化させるようにしている。このように、変更案Aで即変化させることで、スポット的な路面外乱による操舵に対応し、最終制御ゲインを応答良く変更可能であるというメリットを持つ。
変更案Aでは、非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、矢印Qに示すように、最終制御ゲインを1.0からゼロに変化させるようにしている。このように、変更案A(変更案Bも同様)でゼロに変化させることで、路面外乱による操舵については、操舵応答を向上させないというメリットを持つ。なお、非ドライバ操舵フラグ=1のときには、最終制御ゲインをゼロにすることで補正トルク値が算出されず、荷重付加挙動制御系のみならず、荷重安定化挙動制御系によるばね上挙動の制振制御も行われない。
変更案Bでは、非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、矢印Sに示すように、最終制御ゲインを1.0から徐々にゼロに変化させるようにしている。このように、変更案Bで徐々にゼロに変化させることで、ドライバが性能変化に対し違和感を持ちにくくなるというメリットを持つ。
変更案Bでは、非ドライバ操舵フラグが1→0のとき、矢印Tに示すように、最終制御ゲインをゼロから1.0に徐々に復帰させるようにしている。このように、変更案B(変更案Aも同様)で徐々に1.0に復帰させることで、ドライバが性能変化に対し違和感を持ちにくくなるというメリットを持つ。
なお、案A,Bの形態において、即復帰としても良く、この場合は、スポット的な路面外乱による操舵に対応し、最終制御ゲインを応答良く復帰可能であるというメリットを持つ。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車体制振制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記車体制振制御の制御対象として、前記荷重付加挙動制御系に加え、制駆動トルクの変化や路面からの外乱上下力に対する輪荷重の変動を抑制する荷重安定化挙動制御系を有し、
前記トルク指令値算出部206に、前記荷重安定化挙動制御系と前記荷重付加挙動制御系の補正トルク合計値の最終制御ゲインを設定する最終制御ゲイン設定部322を備え、
前記制御ゲイン変更処理部(最終制御ゲイン変更処理部321c)は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、前記最終制御ゲイン設定部322の最終制御ゲインを、操舵応答のアシストを抑制するように変更する(図22)。
このように、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、車体制振制御自体を中止する方向に最終制御ゲインの変更を行うことで、実施例1の(1)〜(7)の効果に加え、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、ドライバに与える違和感を防止することができる。
実施例3は、入力変換部204に設けた操舵角入力変更処理部を、制御ゲイン変更構成とする例である。
まず、構成を説明する。
実施例3の路面外乱対応制御部321は、図25に示すように、路面外乱判定部321a(路面外乱判定部)を有する。そして、入力変換部204に、ローパスフィルタ323と、操舵角入力変更処理部324(制御ゲイン変更処理部)と、を有する。なお、路面外乱判定部321aは、実施例1と同様の構成である。
前記ローパスフィルタ323は、操舵角センサ111からのセンサ信号からドライバにとって操作不能な高周波数成分を除去するもので、一般的なローパスフィルタが用いられる。
前記操舵角入力変更処理部324は、路面外乱判定部321aにより操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように、ローパスフィルタ323からのセンサ入力を操舵角制御入力に変更処理する。
そして、操舵角入力情報の変更処理としては、下記の2通りの何れか1つとする(図26)。
〈基本処理〉
変更案A:非ドライバ操舵フラグ=0(ドライバ操舵)のとき、入力舵角(=センサ入力)とし、非ドライバ操舵フラグ=1(非ドライバ操舵)のとき、ゼロ(固定)とする。
変更案B:非ドライバ操舵フラグが0(ドライバ操舵)のとき、入力舵角(=センサ入力)とし、非ドライバ操舵フラグ=1(非ドライバ操舵)のとき、前回値保持とする。
〈過渡処理〉
変更案A:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、入力舵角→即、ゼロ固定とし、非ドライバ操舵フラグが1→0のとき、ゼロ→徐々に入力舵角に復帰(レートリミッタあり)とする。
変更案B:非ドライバ操舵フラグが0→1のとき、入力舵角→即、前回値保持とし、非ドライバ操舵フラグが1→0のとき、前回値→徐々に入力舵角に復帰(レートリミッタあり)とする。
ここで、レートリミッタの詳細を説明する(図27)。
a) レートリミッタ加算方向
入力値(実舵角)−前回値(入力処理後舵角)>変化率リミッタ値の場合は、
舵角今回値=舵角前回値+変化率リミッタ
の式を用いる。
b) レートリミッタ減算方向
入力値(実舵角)−前回値(入力処理後舵角)<変化率リミッタ値×(−1)の場合は、
舵角今回値=舵角前回値−変化率リミッタ
の式を用いる。
ただし、前回レートリミッタ処理が実施され、前回と今回とでレートリミッタ処理の加減算方向が異なる場合は実施しない。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示及び説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例3では、図28に示すように、非ドライバ操舵判定フラグが、時刻t1にて1→0となり、時刻t2にて0→1となり、時刻t3にて1→0となったとき、実舵角に対して入力処理後舵角を得る操舵角入力情報の変更処理としては、変更案A,Bの2通りの何れか1つとされる。以下、変更案A,Bの2通りの操舵角入力変更処理を説明する。
変更案Aでの操舵角入力変更処理は、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t1にて1→0になると、レートリミッタ処理が開始され、時刻t1から時刻t2までの非ドライバ操舵判定フラグ=0の間は、舵角今回値−前回値<変化率リミッタとなるまでレートリミッタ処理が継続される。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t2にて0→1になると、入力処理後舵角はゼロとされ、非ドライバ操舵判定フラグが1である時刻t2〜t3の間は、入力処理後舵角がゼロに保持される。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t3にて1になると、レートリミッタ処理が開始されるが、前回と今回のレートリミッタ処理の加減算方向が異なる場合は実施しない。これは、操舵方向に反してアシストするのを防ぐためである。
変更案Bでの操舵角入力変更処理は、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t1にて1→0になると、レートリミッタ処理が開始され、時刻t1から時刻t2までの非ドライバ操舵判定フラグ=0の間は、舵角今回値−前回値<変化率リミッタとなるまでレートリミッタ処理が継続される。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t2にて0→1になると、入力処理後舵角は前回値とされ、非ドライバ操舵判定フラグが1である時刻t2〜t3の間は、入力処理後舵角が前回値に保持される。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t3にて1になると、レートリミッタ処理が開始されるが、前回と今回のレートリミッタ処理の加減算方向が異なる場合は、変更案Aと同様の理由により実施しない。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3の車体制振制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
(11) 前記入力変換部204に、前記制御ゲイン変更処理部として、前記操舵角センサ111からのセンサ入力を操舵角制御入力に変更処理する操舵角入力変更処理部324を備え、
前記操舵角入力変更処理部324は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、前記操舵角制御入力を、操舵応答のアシストを抑制するように変更する(図25)。
このように、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、操舵角制御入力の変更処理を行うことで、実施例1の(1)〜(8)の効果に加え、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、荷重安定化挙動制御系によるばね上挙動の制振効果をそのまま残しながら、ドライバに与える違和感のみを防止することができる。
実施例4は、荷重付加挙動制御系を、操舵角センサ制御系列と路面外乱センサ制御系列により構成し、2つの制御系列の制御ゲインの重み付けを変更する例である。
まず、構成を説明する。
実施例4の荷重付加挙動制御系は、図29に示すように、操舵角センサ111から入力情報に基づく操舵角センサ制御系列に、路面外乱センサ112,113からの入力情報に基づく路面外乱センサ制御系列を加えた構成としている。操舵角センサ制御系列は、操舵角センサ111、旋回抵抗力算出部306、第3レギュレータ部310、第3チューニングゲイン設定部319を有する。路面外乱センサ制御系列は、路面外乱センサ112,113、旋回抵抗力算出部306'、第3レギュレータ部310'、第3チューニングゲイン設定部319'を有する。
そして、実施例4の路面外乱対応制御部321は、図29に示すように、路面外乱判定部321a(路面外乱判定部)と、チューニングゲイン重み付け変更処理部321d(制御ゲイン変更処理部)と、を有する。なお、路面外乱判定部321aは、実施例1と同様の構成である。
前記チューニングゲイン重み付け変更処理部321dは、路面外乱判定部321aにより操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように、第3チューニングゲイン設定部319の制御ゲインαと、第3チューニングゲイン設定部319'の制御ゲインβと、の重み付けを変更する。
そして、制御ゲインα,βの変更の形態としては、下記の2通りの何れか1つとする(図30)。
変更案A:非ドライバ操舵フラグ=0(ドライバ操舵)のときは、制御ゲインα=-0.4(即変化)とし、制御ゲインβ=0(即変化)とする。非ドライバ操舵フラグ=1(非ドライバ操舵)のときは、制御ゲインα=0(即変化)とし、制御ゲインβ=0.4(即変化)とする。
変更案B:非ドライバ操舵フラグ=0(ドライバ操舵)のときは、制御ゲインα=-0.4(徐々に変化)とし、制御ゲインβ=0(徐々に変化)とする。非ドライバ操舵フラグ=1(非ドライバ操舵)のときは、制御ゲインα=0(徐々に変化)とし、制御ゲインβ=0.4(徐々に変化)とする。
なお、案Bでの徐々に変化させる変化時間は一定で、線形により変化させる。例えば、500ms(指令値の通信周期50回分)あるいは300ms(ばね上共振周波数約1.5Hzの半周期)とする。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示及び説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例4では、図31に示すように、非ドライバ操舵判定フラグが、時刻t1にて1→0となり、時刻t2にて0→1となり、時刻t3にて1→0となったとき、制御ゲインα,βの重み付け変更としては、変更案A,Bの2通りの何れか1つとされる。以下、変更案A,Bの2通りの制御ゲインα,βの重み付け変更処理を説明する。
変更案Aでの制御ゲインα,βの重み付け変更処理は、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t1にて1→0になると、即、制御ゲインαが0→-0.4とされ、制御ゲインβが0.4→0とされ、時刻t2まで制御ゲインα=-0.4で制御ゲインβ=0が継続される。つまり、実施例1〜3と同様に、ドライバによる操舵である時刻t1〜t2の間は、前輪荷重を付加すべく負のゲインとされる。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t2にて0→1になると、即、制御ゲインαが-0.4→0とされ、制御ゲインβが0→0.4とされ、時刻t3まで制御ゲインα=0で制御ゲインβ=0.4が継続される。つまり、路面外乱による操舵である時刻t2〜t3の間は、前輪荷重を安定すべく正のゲインとされる。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t3にて1→0になると、即、制御ゲインαが0→-0.4とされ、制御ゲインβが0.4→0とされ、時刻t2まで制御ゲインα=-0.4で制御ゲインβ=0が継続される。
変更案Bでの制御ゲインα,βの重み付け変更処理は、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t1にて1→0になると、制御ゲインαが0から徐々に-0.4とされ、制御ゲインβが0.4から徐々に0とされる。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t2にて0→1になると、制御ゲインαが-0.4から徐々に0とされ、制御ゲインβが0から徐々に0.4とされる。そして、非ドライバ操舵判定フラグが時刻t3にて1→0になると、制御ゲインαが0から徐々に-0.4とされ、制御ゲインβが0.4から徐々に0とされる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例4の車体制振制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
(11) 前記荷重付加挙動制御系として、前記操舵角センサ111からのセンシング情報に基づく操舵角センサ制御系列に、前記路面外乱センサ112,113からのセンシング情報に基づく路面外乱センサ制御系列を加え、
前記制御ゲイン変更処理部(チューニングゲイン重み付け変更処理部321d)は、前記路面外乱判定部321aにより前記操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように、前記操舵角センサ制御系列と前記路面外乱センサ制御系列の制御ゲインα,βを変更する(図29)。
このように、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、2つの制御ゲインα,βの重み付け変更処理を行うことで、実施例1の(1)〜(8)の効果に加え、路面外乱によりハンドルが取られる走行シーンにおいて、荷重安定化挙動制御系によるばね上挙動の制振効果をそのまま残しながら、路面外乱に対するばね上挙動の安定性確保と、ドライバに与える違和感防止と、の両立を達成することができる。
以上、本発明の車体制振制御装置を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜4では、路面外乱判定部321aとして、路面外乱センサ112,113からのセンサ値の立ち上がりタイミングが舵角センサ111からのセンサ値の立ち上がりタイミングより早いという非ドライバ操舵判定条件を満たすとき、操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定する例を示した。しかし、路面外乱判定部としては、人間に操作不能な高周波数による操舵角変動であるという条件を、操舵角の変化が路面外乱によるものであるとの判定条件の一つとして加える例としても良い。
実施例1〜4では、路面外乱判定部321aとして、非ドライバ操舵判定条件を満たさなくなってから所定時間が経過すると、非ドライバ操舵判定フラグを1から0に書き換える例を示した。しかし、路面外乱判定部としては、非ドライバ操舵判定条件を満たさなくなると、直ちに非ドライバ操舵判定フラグを1から0に書き換えるような例としても良い。この場合、路面外乱でハンドルを取られた直後、ドライバによる修正操舵が入ったときには、非ドライバ操舵判定条件を満たさなくなるため、修正操舵に対する操舵応答性を向上させることが可能となる。
実施例1〜4では、車体振動推定部205で推定される車体のばね上挙動として、バウンス速度、バウンス量、ピッチ速度、ピッチ角度であらわされる状態量を用いる例を示した。しかし、車体振動推定部で推定される車体のばね上挙動としては、ピッチ挙動、バウンス挙動のいずれか、または、これらの複合挙動を状態量として用いる例としても良い。
実施例1〜4では、制御指令値を出力するアクチュエータとして、エンジン106を用いる例を示した。しかし、アクチュエータとしては、動力源としてのモータ、無段変速機、摩擦クラッチ、等のように、駆動系に設けられ、駆動輪へ伝達される駆動トルクを外部からの指令により制御できるものであれば良い。
実施例1〜4では、車体振動推定部205として、車両モデル307を用いて車体のばね上挙動を推定する例を示した。しかし、車体振動推定部としては、車両モデルに相当する1つ又は複数の運動方程式を用いて推定するような例としても良い。
実施例1〜4では、変速機として、手動により変速ギア段を変更するMT変速機107の例を示した。しかし、変速機としては、自動で変速ギア段や変速比を変更する自動変速機の例としても良い。
実施例1〜4では、本発明の車体制振制御装置を、エンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の車体制振制御装置は、ハイブリッド車や電気自動車などに対しても勿論適用することができる。さらに、ハイブリッド車の場合、アクチュエータ(動力源)が異なるエンジン走行モードとモータ走行モードで、車体制振制御装置のトルク指令値算出部における応答性能を切り替えるようにしても良い。
101 エンジンコントロールモジュール(ECM)
102FR,102FL 左右前輪(従動輪)
102RR,102RL 左右後輪(駆動輪)
103FR,103FL,103RR,103RL 車輪速センサ
104 ブレーキストロークセンサ
105 アクセル開度センサ
106 エンジン
107 MT変速機
108 シャフト
109 ディファレンシャルギア
110 ステアリングホイール
111 操舵角センサ
112 EPS操舵トルクセンサ(路面外乱センサ)
113 EPSモータ回転角センサ(路面外乱センサ)
201 ドライバ要求トルク演算部
202 トルク指令値演算部
203 車体制振制御装置
204 入力変換部
205 車体振動推定部
206 トルク指令値算出部
317 第1チューニングゲイン設定部(荷重安定化チューニングゲイン設定部)
318 第2チューニングゲイン設定部(荷重安定化チューニングゲイン設定部)
319 第3チューニングゲイン設定部(荷重付加チューニングゲイン設定部)
320 加算器
321 路面外乱対応制御部
321a 路面外乱判定部
321b 第3チューニングゲイン変更処理部(制御ゲイン変更処理部)
321c 最終制御ゲイン変更処理部(制御ゲイン変更処理部)
321d チューニングゲイン重み付け変更処理部(制御ゲイン変更処理部)
322 最終制御ゲイン設定部
323 ローパスフィルタ
324 操舵角入力変更処理部(制御ゲイン変更処理部)

Claims (12)

  1. 走行中に取得される車両からのセンシング情報を車輪入力に変換する入力変換部と、前記車輪入力と車両モデルを用いて車体のばね上挙動を推定する車体振動推定部と、前記ばね上挙動の推定結果に基づき駆動トルクの補正を行うトルク指令値算出部と、を備え、駆動トルクの補正により車体制振制御を行う車体制振制御装置において、
    前記車体制振制御の制御対象として、操舵角センサからの操舵角の変化に対する操舵応答をアシストするように前輪荷重を付加する荷重付加挙動制御系を有し、
    前記荷重付加挙動制御系に、
    前記操舵角センサからの操舵角の変化がドライバ操作によるものなのか、路面外乱によるものなのかを判定する路面外乱判定部と、
    前記路面外乱判定部により前記操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように制御ゲインを変更する制御ゲイン変更処理部と、
    を設けたことを特徴とする車体制振制御装置。
  2. 請求項1に記載された車体制振制御装置において、
    ドライバ操作によらず路面から操舵系に入力される路面外乱に感応してセンサ値が立ち上がり変化する路面外乱センサを備え、
    前記路面外乱判定部は、前記路面外乱センサからのセンサ値の立ち上がりタイミングが前記舵角センサからのセンサ値の立ち上がりタイミングより早いという非ドライバ操舵判定条件を満たすとき、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  3. 請求項2に記載された車体制振制御装置において、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、操舵応答のアシストを抑制する制御ゲインに即変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  4. 請求項2に記載された車体制振制御装置において、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、操舵応答のアシストを抑制する方向に制御ゲインを徐々に変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  5. 請求項2から4までの何れか1項に記載された車体制振制御装置において、
    前記路面外乱判定部は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであるとの判定中、非ドライバ操舵判定条件を満たさなくなってから所定時間を継続すると、前記操舵角の変化がドライバ操作によるものであるとの判定に移行する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  6. 請求項5に記載された車体制振制御装置において、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記操舵角の変化がドライバ操作によるものであるとの判定に移行すると、操舵応答をアシストする制御ゲインに即復帰する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  7. 請求項5に記載された車体制振制御装置において、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記操舵角の変化がドライバ操作によるものであるとの判定に移行すると、操舵応答をアシストする制御ゲインに徐々に復帰する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  8. 請求項1から7までの何れか1項に記載された車体制振制御装置において、
    前記車体制振制御の制御対象として、前記荷重付加挙動制御系に加え、制駆動トルクの変化や路面からの外乱上下力に対する輪荷重の変動を抑制する荷重安定化挙動制御系を有し、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記路面外乱判定部により前記操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、前記荷重安定化挙動制御系の制御ゲインを変更することなく、前記荷重付加挙動制御系のみの制御ゲインを変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  9. 請求項8に記載された車体制振制御装置において、
    前記トルク指令値算出部に、前記荷重安定化挙動制御系からの補正トルク値の重み付けを設定する荷重安定化チューニングゲイン設定部と、前記荷重付加挙動制御系からの補正トルク値の重み付けを設定する荷重付加チューニングゲイン設定部を備え、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、前記荷重付加チューニングゲイン設定部のチューニングゲインを、操舵応答のアシストを抑制するように変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  10. 請求項1から7までの何れか1項に記載された車体制振制御装置において、
    前記車体制振制御の制御対象として、前記荷重付加挙動制御系に加え、制駆動トルクの変化や路面からの外乱上下力に対する輪荷重の変動を抑制する荷重安定化挙動制御系を有し、
    前記トルク指令値算出部に、前記荷重安定化挙動制御系と前記荷重付加挙動制御系の補正トルク合計値の最終制御ゲインを設定する最終制御ゲイン設定部を備え、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、前記最終制御ゲイン設定部の最終制御ゲインを、操舵応答のアシストを抑制するように変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  11. 請求項1から8までの何れか1項に記載された車体制振制御装置において、
    前記入力変換部に、前記制御ゲイン変更処理部として、前記操舵角センサからのセンサ入力を操舵角制御入力に変更処理する操舵角入力変更処理部を備え、
    前記操舵角入力変更処理部は、前記操舵角の変化が路面外乱によるものであると判定されると、前記操舵角制御入力を、操舵応答のアシストを抑制するように変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
  12. 請求項1から8までの何れか1項に記載された車体制振制御装置において、
    前記荷重付加挙動制御系として、前記操舵角センサからのセンシング情報に基づく操舵角センサ制御系列に、前記路面外乱センサからのセンシング情報に基づく路面外乱センサ制御系列を加え、
    前記制御ゲイン変更処理部は、前記路面外乱判定部により前記操舵角の変化が路面外乱によるものと判定されると、操舵角の変化に対する操舵応答のアシストを抑制するように、前記操舵角センサ制御系列と前記路面外乱センサ制御系列の制御ゲインを変更する
    ことを特徴とする車体制振制御装置。
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