JP2014005520A - 浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転動疲労寿命に優れた浸炭軸受鋼鋼材を効率よく溶製する。
【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.10〜2.0%、P:0.050%以下、S:0.008%以下、Cr:0.4〜2.0%、Al:0.010〜0.050%、N:0.010〜0.025%およびO:0.0015%以下を含有し、残部はFeおよび不純物の化学組成からなる浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法である。工程1:フラックス吹込み処理、工程2:スラグ精錬処理、工程3:溶鋼還流処理の順に取鍋精錬処理を行うことにより、硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成が、CaS:1.0%以上、MgS:0〜20%、かつ、CaS、MgSおよびMnSの3成分の合計が95%以上になるように硫化物系介在物を制御する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ベアリング等の機械構造部品に用いられる転動疲労寿命に優れた浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法に関し、より具体的には、酸化物系介在物を小径化するとともに硫化物系介在物の組成を所定範囲内に制御することができる、転動疲労寿命に優れた浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法に関する。
浸炭軸受鋼鋼材は「玉軸受」、「コロ軸受」等の転がり軸受に用いられており、近年のエンジンの高出力化および周辺部品の小型化のニーズによって、より一層長い転動疲労寿命が必要とされている。
この要求に対し、鋼材面からの対策としては、一般的に軸受の剥離の原因となるようなAlに代表される非金属介在物(以下、単に「介在物」ということがある。)の量を極力低減させ、転動疲労寿命の向上を図ることが行われてきた。
しかしながら、例えば、非特許文献1に記載されているように、近年の製鋼技術の進歩により酸化物系介在物が小径化した結果、相対的に硫化物系介在物のサイズが大きくなる場合があるため、酸化物系介在物のみだけでなく、硫化物系介在物に起因して転動疲労寿命のばらつきが大きくなることがある。そこで、酸化物系介在物を小径化するとともに硫化物系介在物を制御した浸炭軸受鋼鋼材の溶製が必要となってきている。
従来から、転動疲労寿命に優れた浸炭軸受鋼鋼材を溶製するために、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.30〜1.80%、S:0.001%〜0.15%、Cr:0.4〜2.0%、Ti:0.05〜0.2%を含有し、Al:0.04%以下、N:0.0050%以下、P:0.025%以下、O:0.0025%以下に制限し、さらに、Mg:0.003%以下、Zr:0.01%以下、Ca:0.005%以下の1種または2種以上を含有し、必要に応じてさらに、特定量のNb、Mo、Ni、V、Bのいずれか1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、AlNの析出量を0.01%以下に制限し、円相当径が20μm超、アスペクト比が3超で硫化物の密度d(個/mm)と、Sの含有量[S](質量%)とが、d≦1700[S]+20を満足することを特徴とする「冷間加工性、切削性、浸炭焼入れ後の疲労特性に優れた肌焼き鋼」およびその製造方法が開示されているが、製鋼段階においての明確な溶製方法が明記されていない。
特許第4528363号
長尾実佐樹ら:Sanyo Technical Report Vol.12(2005)No.1、p.38 村上敬宜:金属疲労 微小欠陥と介在物の影響(1993)、[養賢堂]
そこで、本発明は、酸化物系介在物を小径化するとともに硫化物系介在物の組成を所定範囲内に制御することにより、介在物サイズを小さくコントロールして転動疲労寿命に優れた浸炭軸受鋼鋼材を溶製することを目的とする。
転動部材において欠陥が生じる主な形態には、鋼中に存在する介在物に繰返し荷重が加わり、応力集中によって生じた亀裂が繰り返し荷重によって徐々に進展し、最終的に剥離に至ることが挙げられる。
そのため、本発明者らは、転動疲労寿命に及ぼす介在物の影響を調査した。その結果、非特許文献2に示されているように、転動疲労寿命向上のためには、極値統計処理によって予測される最大介在物径である√AREAmax(以下、「予測√AREAmax」ということがある。)を小さくすることが有効であり、その中でも鋼材の長手方向に認められる介在物の長さを短くすることが重要であることを確認した。
そこで、さらに、介在物の転動疲労に及ぼす影響を詳細に調査し、その結果下記(a)および(b)の知見を得ることができた。
(a)硫化物の組成を制御することによって、すなわち硫化物中にCaSを1%以上含有するように組成を制御することによって介在物の長さを短くすることができ、このために転動疲労寿命が著しく向上する。
(b)転動疲労寿命は、鋼材の長手方向縦断面100mm中の30箇所で測定した最大酸化物および最大硫化物の平均組成と相関を有する。
そこで、そのような酸化物、硫化物に必要な種類および組成と、そのように酸化物、硫化物の組成をコントロールするための製造条件について具体的に調査検討した。
従来は、一般的に浸炭軸受鋼鋼材の製造プロセスとしては、転炉あるいは電気炉で溶製した溶鋼を出鋼時にAlで脱酸し、フラックスを添加して溶鋼と撹拌して非金属介在物の組成等を制御し、併せてその除去を図った後、さらにRH(Ruhrstahl Heraeus)真空脱ガス処理装置でガス成分を除去するとともに非金属介在物を除去するという溶製方法が多く行われてきた。
しかし、その溶製方法では酸化物系介在物を微細なサイズにコントロールできていても、硫化物系介在物まで制御することは格別意識されてこなかった。
硫化物系介在物を制御するためには、何らかの精錬操作の新たな工夫を必要とする。ただし、溶鋼上に形成させたスラグと溶鋼とを反応させる処理が酸化物系介在物の減少および微細化に効果的であることを考えると、その処理の効果を失わないように、硫化物系介在物を制御できる処理を考えることが得策である。
そのような処理として、転炉または電気炉より取鍋に出鋼した溶鋼に対して、フラックスを添加して溶鋼と撹拌する処理の前に、バブリングランスを介して溶鋼中に撹拌ガスと精錬フラックスを吹込む処理を挿入することが考えられる。
このバブリングランスを介して溶鋼中にフラックスを吹込む処理では、吹き込まれたフラックスが直接溶鋼中Sと反応し、硫化物を生成する。したがって、従来の添加されたフラックスが溶鋼上にスラグを形成し、そのスラグが溶鋼中成分および懸濁介在物と反応する際と比べて、溶鋼中に形成される介在物の組成や性状が異なることが期待できる。そのため、フラックス吹込み処理とフラックスを添加して溶鋼と撹拌する処理とを適切に組み合わせることにより、その両処理を経た溶鋼中の介在物組成や性状を、所望する範囲内に制御できるようになることが期待できる。
そこで、転動疲労寿命を向上させるための前記した硫化物の組成制御(すなわち、硫化物中にCaSを1%以上含有するように組成を制御すること)に関連する他の介在物構成成分の必要組成範囲を検討し、そのフラックス吹込み工程を、必要とする介在物組成に制御することができ、かつ、フラックスが浮上して溶鋼上のスラグの一部となった後にも、そのスラグにより酸化物系介在物を微細なサイズにコントロールする効果を失わないようにできる、適切なフラックス組成と量並びに適切な吹込み条件を検討した。
その後、適切な条件でフラックスおよびスラグと溶鋼とを撹拌するスラグ精錬処理を行い、さらに溶鋼環流型脱ガス装置にて介在物を除去する溶鋼環流処理を施せばよい。
本発明は、上記の着想に基づきバブリングランスを介して溶鋼中にフラックスを吹込む処理を中心に、その後のスラグ精錬を行う工程と溶鋼環流型脱ガス装置で溶鋼環流処理を行う工程とを組み合わせて検討し完成させたもので、その要旨は以下に示す浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法である。
(1)質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.10〜2.0%、P:0.050%以下、S:0.008%以下、Cr:0.4〜2.0%、Al:0.010〜0.050%、N:0.010〜0.025%およびO:0.0015%以下を含有し、残部はFeおよび不純物の化学組成からなる浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法であって、
次の工程1〜工程3の順に取鍋精錬処理を行うことにより、
酸化物系介在物を小径化したうえで硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成が、質量%で、CaS:1.0%以上、MgS:0〜20%、かつ、CaS、MgSおよびMnSの3成分の合計が95%以上になるように硫化物系介在物を制御することを特徴とする浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法;
工程1:転炉または電気炉から取鍋に出鋼した溶鋼中に、バブリングランスを介して、質量%で、CaO:40〜70%、Al:30%以下を含有するCaO系精錬フラックスを、該CaO系精錬フラックス中のCa量が、Ca純分として溶鋼1t当たり1.0〜2.6kgの範囲で吹き込む工程。
工程2:工程2の処理終了時の溶鋼上スラグ組成が、質量%で、CaO:35〜65%、Al:10〜35%、SiO:10%以下(0%を含まない)、MgO:0〜15%、CaF:0〜30%、CaO/SiO:6.0以上およびCaO/Al:1.8〜3.5であって、かつ、そのスラグ量が、溶鋼1トン当たり5〜15kgになるように精錬剤を添加し、溶鋼および溶鋼上スラグをその添加した精錬剤とともに撹拌する工程。
工程3:溶鋼環流型真空脱ガス処理装置を用いて、溶鋼成分調整後に溶鋼を還流させる処理を10分間以上行う工程。
(2)Feの一部に代えて、質量%で、Mo:1.0%以下およびNi:2.0%以下のうち1種以上を含有する、上記(1)に記載の浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法。
(3)制御される硫化物系介在物は、工程1〜工程3の順に取鍋精錬処理を施した後に溶鋼を連続鋳造し、その後分塊圧延および棒鋼圧延して製造した棒鋼を対象として
該鋼材の長手方向縦断面100mm中の30箇所で測定した最大硫化物であることを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載された浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法。
(4)制御される硫化物系介在物は、工程1〜工程3の順に取鍋精錬処理を施した後に溶鋼を連続鋳造し、その後分塊圧延および棒鋼圧延して製造した棒鋼を対象として、
該鋼材の長手方向縦断面100mm中の最大硫化物径である√AREAmaxの測定を30箇所において行い、極値統計処理を用いて算出される30000mm中における硫化物の予測最大径である予測√AREAmaxが60μm以下であり、かつ前記30箇所の最大硫化物の平均アスペクト比が5.0以下であるものとすることを特徴とする、上記(1)〜上記(3)のいずれか1つに記載の浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法。
本発明において「硫化物系介在物」は、鋼中の介在物粒が実質的にCaS、MgS、MnS等のS含有化合物のみで構成されているもののほか、質量比率で50%以上がCaS、MgS、MnS等のS含有化合物で構成されているものの、同じ介在物粒の一部にCaO、Al等の酸化物やTiNに代表される窒化物が併存しているものも該当する。
また「硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成」を計算する際、鋼中の介在物粒の一部に酸化物や窒化物が併存している場合には、CaS、MgS、MnS等のS含有化合物のみの部分を分析対象とする。なお、S含有化合物は、CaS、MgS、MnSの3種類のみであることも多く、残部はFeS等であるが、鋼中に存在する介在物のFeS濃度を正確に分析することは難しい。そこで、本発明では「硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成が、CaS、MgSおよびMnSの3成分の合計で95質量%以上」である介在物を、組成制御する対象の介在物として定めた。
なお、各元素、酸化物および硫化物の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
本発明により、酸化物系介在物を小径化するとともに硫化物系介在物の組成を所定範囲内に制御することにより、介在物サイズを小さくコントロールして転動疲労寿命に優れた浸炭軸受鋼鋼材を、効率よく溶製することが可能になる。
浸炭焼入れ−焼戻しのヒートパターンの一例を示す図であり、(a)は油焼入れのヒートパターンであり、(b)は焼戻しのヒートパターンである。
以下、本発明を実施するための形態を各要件について詳しく説明する。なお、各元素、酸化物および硫化物の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)鋼材の化学組成
C:0.05〜0.30%
Cは、本発明の鋼材の強度を左右する重要な元素である。浸炭焼入れしたときの部品の芯部強度(部品の生地の強度)を確保するためには、0.05%以上のCを含有させる必要がある。一方、0.30%を超えるCを含有させると靱性および被削性が低下する。したがって、Cの含有量を0.05〜0.30%とした。Cの含有量は0.15%以上とすることが好ましく、0.18%以上とすれば一層好ましい。また、Cの含有量は0.25%以下とすることが好ましく、0.23%以下とすれば一層好ましい。
Si:0.05〜1.0%
Siは、焼入れ性および焼戻し軟化抵抗を高める効果が大きく、また、転動疲労強度の向上にも効果を有する元素である。しかしながら、Siの含有量が0.05%未満では前記の効果が不十分である。一方、Siの含有量が1.0%を超えると、転動疲労強度を高める効果が飽和するだけでなく、靱性および被削性の低下が顕著になる。したがって、Siの含有量を0.05〜1.0%とした。Siの含有量は0.10%以上とすることが好ましく、0.15%以上とすれば一層好ましい。また、Siの含有量は0.70%以下とすることが好ましく、0.35%以下とすれば一層好ましい。
Mn:0.10〜2.0%
Mnは、鋼に固溶して鋼の転動疲労強度を高め、鋼の焼入れ性を高める元素である。Mnはさらに、鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。これらの効果を得るためには、0.10%以上のMnを含有させる必要がある。しかし、Mnの含有量が過剰になると焼入れ後の表面硬さが高くなりすぎて、靱性および被削性が低下する。このため、上限を設け、Mnの含有量を0.10〜2.0%とした。焼入れ性および強度を向上させたい場合、Mnの含有量は0.60%以上とすることが好ましい。なお、Mnの含有量は0.90%以下とすることが好ましい。
P:0.050%以下
Pは、鋼中に不純物として混入する元素である。Pを過剰に含有すると、熱間加工性の低下を招く。このため、上限を設け、Pの含有量を0.05%以下とした。好ましいP含
有量は0.035%以下であり、さらに好ましくは0.025%以下である。
S:0.008%以下
Sは、硫化物を形成する元素であり、その含有量が0.008%を上回ると硫化物中のCa濃度が低下し、延伸した粗大な硫化物を形成しやすくなって、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Sの含有量を0.008%以下とした。Sの含有量は0.005%以下とすることが好ましい。
Cr:0.4〜2.0%
Crは、鋼の焼入れ性、焼入れ焼戻し後の強度および靱性を向上させるのに有効な元素である。これらの効果を得るためには、0.4%以上のCr含有量が必要である。しかしながら、Crを2.0%を超えて含有させると、かえって靱性が低下し、さらには被削性も低下する。したがって、Crの含有量を0.4〜2.0%とした。Crの含有量は0.6%以上とすることが好ましく、また1.5%以下とすることが好ましい。
Al:0.010〜0.050%
Alは、精錬工程で脱酸を行うために使用する元素であり、また、AlNを形成して結晶粒を微細化する効果を有する元素である。しかし、Alの含有量が0.010%未満では上記効果が不十分である。一方、0.050%を超えてAlを含有させた場合、粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Alの含有量を0.010〜0.050%とした。Alの含有量は、0.020%以上とすることが好ましく、また0.040%以下とすることが好ましい。
N:0.010〜0.025%
Nは、Alと結合してAlNを生成し、結晶粒を微細化する働きをする。しかし、Nの含有量が0.010%未満では上記効果が不十分である。一方、0.025%を超えてNを含有させた場合、かえって鋼の強度を低下させる。したがって、Nの含有量を0.010〜0.025%とした。なお、N含有量の上限は0.020%とすることが好ましい。
O:0.0015%以下
Oは、酸化物を生成する元素であるため、極力その含有量を低下させる必要がある。Oの含有量が多くなって、特に0.0015%を上回ると、粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Oの含有量を0.0015%以下とした。Oの含有量は0.0010%以下であることが好ましい。なお、Oの含有量はできる限り少なくすることが好ましいが、製鋼でのコストを考慮すると、その下限は0.0005%程度となる。
本発明の浸炭軸受鋼鋼材の化学組成の一つは、上記元素のほか、残部がFeと不純物からなるものである。
なお、残部としての「Feおよび不純物」における「不純物」とは、鋼材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入するものを指す。
本発明の浸炭軸受鋼鋼材の化学組成の他の一つは、Feの一部に代えて、MoおよびNiのうちの1種以上の元素を含有するものである。
以下、任意元素であるMoおよびNiの作用効果と、含有量の限定理由について説明する。
Mo:1.0%以下
Moは、鋼の焼入れ性を高めて、転動疲労強度を高める効果を有する。また、Moには、浸炭後の焼入れ処理において、不完全焼入れ層を抑制する効果もある。このため、Moを含有させてもよい。しかしながら、Moの含有量が過剰になると、鋼の被削性が低下し、さらに、鋼の製造コストも高くなる。したがって、含有させる場合のMoの量に上限を設け、1.0%以下とした。含有させる場合のMoの量は、0.50%以下であることが好ましく、0.30%以下であればさらに好ましい。
一方、前記したMoの効果を安定して得るためには、Moの含有量は0.02%以上であることが好ましく、0.05%以上であれば一層好ましい。Moの含有量は、0.10%以上であれば極めて好ましい。
Ni:2.0%以下
Niは、転動疲労強度を高める効果を有する。Niには、焼入れ性および靱性を向上させる効果もある。このため、Niを含有させてもよい。しかしながら、Niの含有量が2.0%を超えても上記効果は飽和するので、鋼の製造コストが嵩むばかりである。したがって、含有させる場合のNiの量に上限を設け、2.0%以下とした。含有させる場合のNiの量は、1.8%以下であることが好ましい。
一方、前記したNiの効果を安定して得るためには、Niの含有量は0.20%以上であることが好ましく、0.40%以上であれば一層好ましい。
上記のMoおよびNiは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種の複合で含有させることができる。これらの元素を複合して含有させる場合の合計量は、各元素の含有量がそれぞれの上限値である場合の3.0%であってもよいが、2.1%以下であることが好ましい。
(B)硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成
本発明の浸炭軸受鋼鋼材は、上記した化学組成範囲を満たした上で、硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成が「CaS:1.0質量%以上、MgS:0〜20質量%、かつ、CaS、MgSおよびMnSの3成分の合計が95質量%以上」という条件を満たすことにより、延伸した粗大な硫化物の生成が抑制され、優れた転動疲労寿命を確保することが可能になる。
CaS:1.0質量%以上
CaSは、脱硫反応によって生成する硫化物である。CaS濃度が1.0%以上になると、延伸した粗大な硫化物の生成を抑制する効果が得られる。硫化物としてCaSだけが存在しても、つまり、CaS濃度が100%であっても構わない。したがって、硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成におけるCaS濃度を、1.0質量%以上とした。
MgS:0〜20%
精錬段階にて鋼中にMgが取込まれ、硫化物系介在物中にMgSが混入する場合がある。MgS濃度が20%を上回るような条件では、鋼中に別に存在している酸化物系介在物中のMgO濃度が増加し、点列状の粗大な酸化物の生成を招くため、MgS濃度は20%以下に制限する。なお、硫化物系介在物中にMgSは存在していなくても構わない。したがって、硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成におけるMgS濃度を、0〜20%とした。
なお、CaS濃度が1.0%以上になると、延伸した粗大な硫化物の生成が抑制される。このため、S含有化合物としてのCaS、MgSおよびMnSの3成分のうちの残部としてのMnSの濃度は、CaSとMnSの2種類しか存在しない場合には、CaS濃度が1.0%の場合の99.0%であってもよい。また、CaS、MgSとMnSの3種類とも存在する場合には、CaS濃度が1.0%で、MgO濃度が0%に近い値の場合の99.0%に近い値であってもよい。
S含有化合物の平均組成は、例えば以下のように求められる。先ず、前記した化学組成を有する溶鋼を連続鋳造して得た鋳片を分塊圧延し、さらに棒鋼圧延して直径120〜70mm程度の棒鋼を製造する。この鋳片から棒鋼までの圧下比は、後述するように10以上とすることが好ましい。この棒鋼の長手方向が素形材の厚みとなるように、直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材をスライスして採取した。その素形材の長手方向縦断面100mm中の最大硫化物径である√AREAmaxの測定を30箇所において行い、その介在物の組成を、エネルギー分散型X線分光法によって測定する。その介在物を構成する平均組成を算術平均により求める。
本発明では、転動疲労寿命は、素形材の長手方向縦断面100mm中の最大硫化物径である√AREAmaxの測定を30箇所において行い、極値統計処理を用いて算出される30000mm中における硫化物の予測最大径である予測√AREAmaxのサイズ、最大硫化物の平均アスペクト比と相関を有するとの知見に基づき、硫化物の予測最大径である予測√AREAmaxのサイズ、最大硫化物の平均アスペクト比を制御することが、さらに好ましい。
本発明でいう鋼材の「長手方向縦断面」とは、鋼材の圧延方向または鍛錬軸に平行に切断した面をいう。また、本発明でいう酸化物および硫化物の「アスペクト比」とはそれぞれ酸化物および硫化物の長径(L)と短径(W)の比、すなわちL/Wをいう。
(C)精錬条件
前述した硫化物組成は、次に述べる製造方法によって所定の範囲内に制御する。
先ず、転炉または電気炉で酸化精錬を行った後、転炉または電気炉からの出鋼時にAlを添加して脱酸処理を行い、その後さらに除滓処理を実施してから、工程1〜工程3の取鍋精錬処理を順次行う。
(1)工程1(フラックス吹込み処理)
取鍋内の溶鋼を粉体吹込み装置まで搬送した後、溶鋼にバブリングランスを介してArガスとともに精錬フラックスを吹込み、溶鋼を撹拌する。このフラックス吹込み工程で、CaO系精錬フラックスを、該CaO系精錬フラックス中のCa量が、Ca純分として溶鋼1tあたり1.0〜2.6kgの範囲で吹き込む。
ここで、「CaO系精錬フラックス」は、CaOを40〜70質量%、Alを30質量%以下含み、最大粒径1.0mm以下の粉末のものを使用する。このようなフラックスを用いることで、吹き込まれたフラックスが溶鋼中で速やかに溶融し、その浮上中に溶鋼中Sと反応してS含有介在物を生成し易くなるからである。また、その吹込み量は、CaO系精錬フラックス中のCa量が、Ca純分として溶鋼1tあたり1.0kg未満では、溶鋼中Sの脱硫用としても、溶鋼中介在物のCaSを中心とする組成の制御用としても不十分である。一方、CaO系精錬フラックス中のCa量が、Ca純分として溶鋼1tあたり2.6kgを超える量は、溶鋼中介在物のCaSを中心とする組成の制御用としては多過ぎ、むしろ生成するスラグが溶融し難くなるため処理時間がかかる上に、フラックス吹込みによる精錬コストも嵩んでしまうので不適当といえる。
なお、吹きこむ撹拌ガス流量は、(1)式から求まる撹拌動力密度εが180W/t以上370W/t以下とすることが好ましい。フラックス吹込みによる精錬効果を十分に上げるためには、180W/t程度以上の撹拌強度(撹拌動力密度)が一般に好ましいからである。一方、大きな撹拌動力密度εで操業すると、撹拌が激しいために溶鋼が取鍋から溢れることがあり、取鍋のフリボードを下げて操業しなければならず生産性低下となる場合があり得る。そこで、撹拌動力密度εを370W/t程度以下に制限しておくことが、操業面から好ましい。
ε=(0.006183×Q×T)/W×ln[1+(9.8×ρ×H)/P+{1−(T/T)}]・・・(1)
ε:ガス撹拌に伴う溶鋼1t当たりの撹拌動力密度(W/t)
Q:吹込みガス流量(L(Normal)/min)
T:溶鋼温度(K)
W:溶鋼量(t)
ρ:溶鋼の密度(7000kg/m
H:ガス吹込み深さ(m)
P:雰囲気圧力(N/m
:吹込みガス温度(K)
また、フラックス吹込み時間は、溶鋼脱硫および介在物組成制御の効果と、溶鋼温度低下抑制の観点から5分間程度が適当である。
(2)工程2(スラグ精錬処理)
工程1を終了後、CaO:35〜65%、Al:10〜35%、SiO:10%以下(0%を含まない)、MgO:0〜15%、CaF:0〜30%、CaO/SiO:6以上およびCaO/Al:1.8〜3.5を含有するスラグが、溶鋼1トン当たり5〜15kgの範囲で生成されるように、精錬剤を適宜調整して添加し、溶鋼中に浸漬した上吹きランスや取鍋底からArガスを吹き込んで、溶鋼および溶鋼上のスラグを該添加した精錬剤とともに撹拌して精錬処理する。
この撹拌を行うスラグ精錬処理には、アーク式加熱装置付き取鍋精錬装置(LF(Ladle Furnace)、VAD(Vacuum Arc Degassing)等)を用いることが好ましく、中でもアーク式加熱装置付き真空溶鋼撹拌装置(以下、「VAD」という。)を用いて、溶鋼を加熱するとともに溶鋼および溶鋼上のスラグ等を強撹拌することが最も好ましい。
この上記成分のスラグ組成は、工程1でも行った溶鋼の脱酸および脱硫をさらに促進し、かつ、そこで生成させた硫化物の組成制御を維持しつつ促進する目的であるから、それに適した条件を選定したものである。
この工程2で添加する精錬剤は、工程1で添加した精錬用フラックスとも合計して、工程2終了後に上記した組成範囲のスラグが溶鋼上に5〜15kg/t生成されるように、CaOやAlを主要構成成分とする生石灰や前記した精錬用フラックス等を適宜選定して、溶鋼上方から添加すればよい。CaFは使用しなくてもよいが、使用すれば添加した精錬剤の滓化が促進され、スラグ精錬処理効果が高まることは当然である。
(3)工程3(溶鋼環流処理)
工程2を終了後、RH(溶鋼環流型真空脱ガス処理装置)を用いて、溶鋼の脱ガスおよび介在物量低減を図る溶鋼環流処理を行う。RHでの処理時間は、溶鋼成分を微調整するための合金鉄等の添加完了後に溶鋼を還流させる処理の時間が10分間以上必要であり、それを15分間以上行うことが溶鋼中介在物の存在量を十分低減するために好ましい。
ただし、溶鋼環流処理時間を長くすると溶鋼温度が低下するため、この後に行う連続鋳造に支障のない温度を確保する観点から、この処理時間は30分間程度に留めることが適当と言える。RHでの処理時間は、溶鋼成分の微調整処理を含めるとおよそ30〜40分間となる。
(4)連続鋳造および圧延等
その後、連続鋳造して横断面が300mm×400mm程度の鋳片にし、さらに、鋳片を分塊圧延および棒鋼圧延で、圧下比が10以上の熱間圧延を実施することが好ましい。圧下比とは鋳片の断面積を最終の圧下によって得られた圧延軸受鋼鋼材の断面積で除した値を示す。圧下比を10以上とすることによって、複数からなる群にて存在する介在物間の距離を大きくし、一体として判断される介在物が低減されるからである。
(5)介在物調査
鋼材の長手方向縦断面における硫化物の予測√AREAmaxおよび最大硫化物の平均アスペクト比:
「玉軸受」、「コロ軸受」等の転がり軸受の素材として用いるために、本発明の浸炭軸受鋼鋼材は、鋼材の長手方向縦断面100mm中の最大硫化物径である√AREAmaxの測定を30箇所において行い、極値統計処理を用いて算出される30000mm中における酸化物の予測最大径である予測√AREAmaxが50μm以下であり、硫化物の予測最大径である予測√AREAmaxが60μm以下で、かつ前記30箇所の最大硫化物の平均アスペクト比がそれぞれ5.0以下であることが好ましい。
なお、「極値統計処理」による介在物の予測√AREAmaxの評価は、例えば次に示すような手順で行えばよい。
〈1〉棒鋼の長手方向に平行である断面を研磨した後、その研磨面を被検面積として、検査基準面積S0(mm)を決める。
〈2〉上記S0中で最大の√AREAを有する介在物を選び、その√AREAmax(μm)を測定する。
〈3〉上述した測定を、重複しない場所でn回繰り返して行う。
〈4〉測定した√AREAmaxを小さい順に並べ直し、それを√AREAmax,j(j=1〜n)とする。
〈5〉それぞれのjについて下記の基準化変数yjを計算する。
yj=−ln[−ln{j/(n+1)}]。
〈6〉極値統計用紙の座標横軸に√AREAmax、縦軸に基準化変数yをとって、j=1〜nについてプロットし、最小二乗法により近似直線を求める。
〈7〉評価したい面積をS(mm)、T=(S+S0)/S0として下記の式(2)からyの値を求め、上記の近似曲線を用いて、前記yの値における√AREAmaxを求めれば、これがその評価面積における介在物の予測√AREAmaxである。
y=−ln[−ln{(T−1)/T}]。・・・(2)
上記の方法で、鋼材の長手方向縦断面100mm中の最大硫化物について、√AREAmaxの測定を30箇所において行い、極値統計処理を行った際、30000mm中に予測される硫化物の最大径である予測√AREAmaxが60μmを上回ると、延伸した粗大な硫化物によって転動疲労寿命が低下する。なお、硫化物の好ましい予測√AREAmaxは50μm以下である。また、硫化物の予測最大径√AREAmaxは小さければ小さい方が好ましい。
硫化物径である介在物径√AREAの測定方法に関しては、非特許文献1に記載の光学顕微鏡による測定方法に基づいて測定する。すなわち、まず、光学顕微鏡により、観察している介在物が酸化物か硫化物かを判定する。そして、介在物の長径(L)は、単体または複数からなる群にて存在する介在物の端と端を結んだ最大の長さとし、その長径の方向と平行な線で挟んだ介在物の最大幅を短径(W)とする。また、群にて存在する介在物の場合には、2つ介在物間の距離と小さい方の介在物の√AREAの値とを比較し、小さい方の介在物の√AREAの値が2つの介在物間の距離よりも大きな場合には2つの介在物は一体と判断し、一方、小さい方の介在物の√AREAの値が2つの介在物間の距離よりも小さな場合には2つの介在物は別々の独立した介在物と判断する。
上記30箇所において測定を行った最大硫化物の平均アスペクト比が5.0を超えると、延伸した粗大な硫化物によって、転動疲労寿命が低下する。したがって、上記30箇所において測定を行った最大硫化物の平均アスペクト比を、5.0以下とすることが好ましい。なお、上記の最大硫化物の平均アスペクト比は、4.0以下であることがさらに好ましい。上記の最大硫化物の平均アスペクト比は、1に近ければ近い方がよい。
なお、硫化物に関しては、以下の方法で各硫化物の濃度を算出する。
まず、エネルギー分散型分光器(EDS)によって、硫化物中のCa、Mg、MnおよびSの含有量を「mol%」で定量する。ついで、[Ca]、[Mg]、[Mn]からそれぞれ、CaS、MgSおよびMnSの濃度を求める。
上記のようにして求めた30個それぞれの試料におけるCaS、MgSおよびMnSの濃度から、最大硫化物の質量%での平均組成を算出する。
先ず、高炉から出銑された溶銑を溶銑予備処理にて脱硫し、70t転炉にて脱りんおよび脱炭処理した後、取鍋に出鋼した。取鍋に出鋼する際にはAlを添加して溶鋼を脱酸し、合金元素を添加し、その後取鍋内の溶鋼上にあるスラグを除去してから保温用のフラックスを添加した。
次に、取鍋精錬処理として、工程1:フラックス吹込み処理、工程2:スラグ精錬処理、工程3:溶鋼環流処理を順次行った後、連続鋳造、分塊圧延、棒鋼圧延を行って、質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.10〜2.0%、P:0.050%以下、S:0.008%以下、Cr:0.4〜2.0%、Al:0.010〜0.050%、N:0.010〜0.025%およびO:0.0015%以下を含有し、残部はFeおよび不純物の化学組成からなる浸炭軸受鋼鋼材の化学組成を満足する鋼材(棒鋼)を製造した。
このとき、比較例として、工程1:フラックス吹込み処理を省略した処理も行った。表1に、本発明と比較例の鋼材の成分をまとめて示す。
Figure 2014005520
表1に記載した鋼は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある浸炭軸受鋼鋼材であり、比較例として挙げた鋼10と鋼11は、本発明に規定するSが0.008%以下の範囲から外れている。
(1)工程1:フラックス吹込み処理
取鍋内の溶鋼を粉体吹込み装置まで搬送した後、溶鋼にバブリングランスを介してArガスとともにCaO系精錬フラックスを吹込み、溶鋼を撹拌した。
ここで、「CaO系精錬フラックス」は、CaOを45〜55質量%、Alを30質量%以下含み、最大粒径が1.0mm以下の粉末のものを使用した。
表2に、本発明と比較例のフラックス吹込み処理条件を纏めて示す。
Figure 2014005520
本発明の実施例である鋼1〜鋼9の処理では、CaO系精錬フラックスを、該CaO系精錬フラックス中のCa量が、Ca純分として溶鋼1tあたり1.0〜2.6kgの範囲で、5分間かけて吹き込んだ。このうち、鋼1〜鋼8の処理では、(1)式から求まる撹拌動力密度が180W/t以上370W/t以下の条件で吹き込み、鋼9の処理ではそれが380W/tの条件で吹き込んだ。
一方、比較例である鋼10と鋼11の処理では、実施例と同じフラックスを、CaO系精錬フラックスをCaO系精錬フラックス中のCa量が、Ca純分として溶鋼1tあたり0.9kg、0.8kgと、本発明の規定範囲である1.0kg以上を満たさない量を、 (1)式から求まる撹拌動力密度がそれぞれ170W/t、400W/tの条件で、5分間かけて吹きこんだ。
その結果、鋼10ではフラックス吹込み量が少なく、かつ、撹拌動力密度も低くしたために、鋼材中のSが0.013%と高め外れになる一因となった。また、後述するように、介在物中のCaS濃度が0.3%と低く外れて、転動疲労寿命が低くなる原因となった。
鋼11ではフラックス吹込み量は少なくしたものの、撹拌動力密度は本発明の規定範囲より大きく設定したが、やはり鋼材中のSが0.011%と高め外れの一因となり、かつ、介在物中のCaS濃度が0.6%と低く外れて、転動疲労寿命が低くなる原因となった。したがって、フラックス吹込み量が不足している場合、撹拌動力密度を高くしても介在物組成を改善する効果を上げることができないと分かった。
ところで、本発明の実施例である鋼9の処理と比較例である鋼11の処理では、吹き込み時の撹拌動力密度をそれぞれ380W/tおよび400W/tと高くしたところ、吹き込み中に溶鋼が溢れるトラブルが発生した。他の実施例である鋼1から鋼8の処理では、撹拌動力密度が180W/t以上370W/t以下の条件で吹き込んで、溶鋼が溢れるトラブルもなく、後述するように所期の効果をあげることができていたことから、撹拌動力密度は370W/t程度以下が通常好適であると考えられる。
なお、比較例として記載した鋼12〜14の処理は、フラックス吹込みを行わずに、従来のVAD処理とRH処理だけを行って製造した例である。
フラックス吹込み処理を行わなくても、表1に記載したように本発明で規定する化学成分を満たす鋼の溶製は可能であるが、後述するように介在物中のCaS濃度が1%未満の例が発生して、転送疲労寿命が十分改善されないことがあるので、別途注意を必要とする。
(2)工程2:スラグ精錬処理
その後、VADを用いてスラグメタル反応を伴うスラグ精錬処理を行い、溶鋼組成および介在物組成を調整するとともに、溶鋼温度を調整した。この時、追加する精錬剤として生石灰および工程1で吹き込んだ精錬用フラックスをCaO/Al質量比で2〜3程度になるように調整したものと、CaF源としての蛍石とを合計して6〜14kg/t添加した。VADではおよそ40分間処理し、その間に溶鋼温度はおよそ1600℃から1650℃で推移させた。
表3に、本発明と比較例のVAD処理条件を、処理後のスラグ組成と共に纏めて示す。
Figure 2014005520
実施例、比較例を通じて、比較例である鋼13の処理でCaO/SiO質量比が4.8とやや低めに外れていたほかは、所定のスラグ成分範囲に制御されていた。
(3)工程3:溶鋼環流処理
さらにRH(溶鋼環流型真空脱ガス処理装置)を用いて、溶鋼の脱ガスおよび介在物量低減を図る溶鋼環流処理を行った。RHでの処理時間は、溶鋼成分を微調整するための合金鉄等の添加完了後に溶鋼環流処理を15〜20分間行い、溶鋼温度調整や成分微調整のための処理を含めて、全部でおよそ30分間であった。この時、溶鋼温度はおよそ1550℃から1600℃で推移させた。
(4)連続鋳造、分塊圧延、棒鋼圧延
その後、連続鋳造法により鋳込み、300mm×400mmサイズの鋳片を得た。
上記のようにして得た鋳片を均熱炉で1250℃に保持した後、1100℃〜1050℃の温度域で分塊圧延して160mm×160mmの鋼片とし、さらにその鋼片を1200℃に加熱した後、1200℃に加熱した後、1100〜1020℃の温度域で棒鋼圧延して直径120〜70mmの棒鋼を製造した。
(5)介在物調査
前記した棒鋼から介在物を調査するため、長手方向縦断面に対して表面と中心の中間位置であるR/2部(「R」は棒鋼の半径を表す。)から、10mm×10mmのミクロ試料を30個作製した。上記のようにして採取したミクロ試料100mm中に存在する介在物について、まず、酸化物であるのか硫化物であるのかを調査した。
次いで、硫化物の介在物について、最大の介在物の長径と短径を測定し、√AREAmax=(長径×短径)1/2として、各鋼の30個それぞれについて√AREAmaxを求めた。
また、測定した介在物の長径(L)を短径(W)で除してアスペクト比を求め、酸化物と硫化物のそれぞれについて、30個の最大介在物のアスペクト比を算術平均して、平均のアスペクト比を求めた。
介在物の長径は、単体または複数からなる群にて存在する介在物の端と端を結んだ最大の辺とし、その長径の辺と平行な線で挟んだ介在物の最大幅を短径とした。また、群にて存在する介在物では、隣接する2つの介在物間の距離と小さい方の介在物径√AREAとを比較し、小さい方の介在物径√AREAの値が隣接する2つの介在物間の距離よりも大きな場合には両者は一体と判断し、また小さい方の介在物径√AREAの値が隣接する2つの介在物間の距離より小さな場合には両者が別々の介在物と判断した。
そして、前述の〈1〉〜〈6〉に従い、横軸に√AREAmax、縦軸に基準化変数yをとって極値統計用紙に測定した30個のデータをプロットし、最小二乗法によって近似直線を求めた。
そして、極値統計処理を行い、30000mm中に存在する硫化物の介在物について、最大介在物の√AREAmaxを予測した。
また、測定した30箇所の最大硫化物の平均組成は、前述の方法で調査した。
すなわち、硫化物については、エネルギー分散型分光器(EDS)によって、硫化物中のCa、Mg、Mn、Sの含有量を「mol%」で定量し、前述の方法でCaS、MgSおよびMnSの濃度を求め、30個それぞれの試料におけるCaS、MgSおよびMnSの濃度から、最大酸化物の質量%での平均組成を算出した。
(6)転動疲労試験
前記した化学組成を有する溶鋼を連続鋳造して得た鋳片を分塊圧延し、さらに棒鋼圧延して直径120〜70mm程度の棒鋼の長手方向が素形材の厚みとなるように、直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材をスライスして採取した。
上記直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材を、図1に示すヒートパターンで「浸炭焼入れ−焼戻し」した後、素形材の表面をラッピング加工して転動疲労試験片を作製して、転動疲労寿命に供した。図1の「Cp」は、「炭素ポテンシャル」を、また、「O.Q.」は「油焼入れ」を表す。焼戻し後の冷却は大気中放冷とし、図1では「A.C.」と表記した。
転動疲労試験は、スラスト型の転動疲労試験機を用いて、最大接触面圧5230MPa、繰り返し速度1800cpm(cycle per minute)の条件で、試験数を10として行った。
表4に、転動疲労試験の詳細条件を示す。
Figure 2014005520
転動疲労試験結果はワイブル分布確率紙上にプロットし、10%破損確率を示すL10寿命を「転動疲労寿命」として、転動疲労特性を評価した。
表5に転動疲労特性評価および硫化物の予測√AREAmax、平均L/W、硫化物の平均組成結果を纏めて示す。表5に記載した「硫化物平均組成」は、硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成の意味であり、そのMnS濃度はCaS、MgSおよびMnSの3成分の合計が95%以上であるものに関し、便宜的に「100−(CaS濃度+MgS濃度)」を記載してある。
なお、表5には、硫化物の予測√AREAmax、平均L/Wと同様な手法で求めた、酸化物の予測√AREAmax、平均L/Wの値も、参考用に示した。
Figure 2014005520
本発明の実施例である鋼1〜鋼9は、いずれも介在物中で硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成が、CaS:1.0質量%以上、MgS:0〜20質量%、かつ、CaS、MgSおよびMnSの3成分の合計が95質量%以上に制御されていて、転動疲労寿命も18.4×10以上と良好であった。
一方、比較例のうち、工程1の要件を満たさなかった鋼10および鋼11に関しては、既に説明したように各鋼において介在物組成の制御が不十分になった結果、硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成が、CaS:1.0質量%以上とならず、転動疲労寿命が2.5×10以下に留まった。
また、比較例のうち、工程1を行わなかった鋼12〜鋼14では、今回の調査ではいずれも介在物の組成を所定範囲に制御することができていなかった。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.10〜2.0%、P:0.050%以下、S:0.008%以下、Cr:0.4〜2.0%、Al:0.010〜0.050%、N:0.010〜0.025%およびO:0.0015%以下を含有し、残部はFeおよび不純物の化学組成からなる浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法であって、
    下記工程1〜工程3の順に取鍋精錬処理を行うことにより、
    硫化物系介在物を構成するS含有化合物の平均組成が、質量%で、CaS:1.0%以上、MgS:0〜20%、かつ、CaS、MgSおよびMnSの3成分の合計が95%以上になるように、硫化物系介在物を制御することを特徴とする浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法。
    工程1:転炉または電気炉から取鍋に出鋼した溶鋼中に、バブリングランスを介して、質量%で、CaO:40〜70%、Al:30%以下を含有するCaO系精錬フラックスを、該CaO系精錬フラックス中のCa量が、Ca純分として溶鋼1t当たり1.0〜2.6kgの範囲で吹き込む工程。
    工程2:工程2の処理終了時の溶鋼上スラグ組成が、質量%で、CaO:35〜65%、Al:10〜35%、SiO:10%以下(0%を含まない)、MgO:0〜15%、CaF:0〜30%、CaO/SiO:6.0以上およびCaO/Al:1.8〜3.5であって、かつ、そのスラグ量が、溶鋼1トン当たり5〜15kgになるように精錬剤を添加し、溶鋼および溶鋼上スラグをその添加した精錬剤とともに撹拌する工程。
    工程3:溶鋼環流型真空脱ガス処理装置を用いて、溶鋼成分調整後に溶鋼を還流させる処理を10分間以上行う工程。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、Mo:1.0%以下およびNi:2.0%以下のうちの1種以上を含有する、請求項1に記載の浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法。
  3. 制御される硫化物系介在物は、工程1〜工程3の順に取鍋精錬処理を施した後に溶鋼を連続鋳造し、その後分塊圧延および棒鋼圧延して製造した棒鋼を対象として、
    該鋼材の長手方向縦断面100mm中の30箇所で測定した最大硫化物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法。
  4. 制御される硫化物系介在物は、工程1〜工程3の順に取鍋精錬処理を施した後に溶鋼を連続鋳造し、その後分塊圧延および棒鋼圧延して製造した棒鋼を対象として、
    該鋼材の長手方向縦断面100mm中の最大硫化物径である√AREAmaxの測定を30箇所において行い、極値統計処理を用いて算出される30000mm中における硫化物の予測最大径である予測√AREAmaxが60μm以下であり、かつ前記30箇所の最大硫化物の平均アスペクト比が5.0以下であるものとすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の浸炭軸受鋼鋼材の溶製方法。
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