JP2013257464A - 磁性1成分現像用トナー - Google Patents

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昌志 玉垣
Akinori Koyama
明紀 小山
Toshiki Takemori
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Masamichi Sugawara
正倫 菅原
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Abstract

【課題】長期間にわたって低画像濃度で連続して画像形成する場合や、低温低湿環境、及び高温高湿環境で画像形成する場合に、画像濃度が所望する値より低くなることや、かぶり等の画像不良が形成画像に発生することを抑制でき、且つ、低温低湿環境での層乱れの発生を抑制できる、磁性1成分現像用トナーを提供すること。
【解決手段】少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している磁性1成分現像用トナーであって、外添剤として含まれるシリカは、疎水性シリカ(X)と、正帯電性極性基及びフッ素含有負帯電極性基の両極性基を表面に有する湿式シリカである正帯電性の弱帯電シリカ(Y)と、を含み、トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)と、磁性1成分現像用トナー中のシリカの遊離率(b)とが所定の範囲内である、磁性1成分現像用トナーを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁性1成分現像用トナーに関する。
一般に電子写真法では、感光体ドラムの表面をコロナ放電等により帯電させた後、レーザー等により露光して静電潜像を形成する。形成した静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、形成したトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには、熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤等を混合した後、混練、粉砕、分級工程を経て得られる、平均粒径5〜10μmのトナー粒子(トナー母粒子)が用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーに好適な帯電性能を付与したり、感光体ドラムからのトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末がトナー母粒子に外添されている。
しかし、これらの無機微粉末は一般的に負に帯電する傾向があり、特にシリカは強い負帯電性を示す。そこで、これらの無機微粉末を正帯電性トナーに用いる場合、その表面に正帯電性の極性基が導入された無機微粉末が使用されている。
このような、正帯電性の極性基を有する無機微粉末を含むトナーとしては、例えば、正帯電性極性基と疎水基を表面に有する乾式シリカ微粉末と、正帯電性極性基及びフッ素含有極性基を含有する湿式シリカ微粉末と、が外添されたトナー(特許文献1)が提案されている。特許文献1に記載のトナーは、トナーの帯電の安定性、耐刷時の画像濃度の安定性に優れている。
特開平11−143111号公報
しかし、特許文献1に記載のトナーは、低画像濃度の画像を長時間にわたって連続して形成する場合に、現像器内でトナーが撹拌され続けることによって、現像器内でトナーが強いストレスを受ける。その為、トナーの帯電量が不安定になりやすく、当該トナーを用いた形成画像にかぶりが発生しやすいという問題がある。また、特許文献1に記載のトナーは、低温低湿環境でトナー同士が電気的に凝集しやすい。その為、低温低湿環境下で、現像スリーブ上に形成されるトナー薄層の厚さの乱れ(層乱れ)が生じやすく、層乱れに伴う画像不良が発生しやすいという問題がある。さらに、特許文献1のトナーは、高温高湿環境下で、必ずしも、所望する濃度の画像を形成できないという問題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、長期間にわたって低画像濃度で連続して画像形成する場合や、低温低湿環境、及び高温高湿環境で画像形成する場合に、画像濃度が所望する値より低くなることや、かぶり等の画像不良が形成画像に発生することを抑制でき、且つ、低温低湿環境での層乱れの発生を抑制できる、磁性1成分現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している磁性1成分現像用トナーであって、外添剤が、それぞれ特定の処理が施された疎水性シリカ(X)と、弱帯電シリカ(Y)と、を含み、トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)と、磁性1成分現像用トナー中のシリカの遊離率(b)とが所定の範囲内である、磁性1成分現像用トナーを用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している、磁性1成分現像用トナーであって、
前記外添剤は、少なくとも一次粒子が凝集体を形成するシリカを含み、
前記シリカは、疎水性シリカ(X)と、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電性極性基の両極性基を表面に有する湿式シリカである正帯電性の弱帯電シリカ(Y)と、を含み、
前記トナー母粒子表面上の前記シリカの平均凝集数(a)が、5〜15個であり、
前記磁性1成分現像用トナー中の遊離シリカを気流式分級機により分級して測定される前記磁性1成分現像用トナーにおける前記シリカの遊離率(b)が、5〜10%である、磁性1成分現像用トナーに関する。
本発明によれば、長期間にわたって低画像濃度で連続して画像形成する場合や、低温低湿環境、及び高温高湿環境で画像形成する場合に、画像濃度が所望する値より低くなることや、かぶり等の画像不良が形成画像に発生することを抑制でき、且つ、低温低湿環境での層乱れの発生を抑制できる、磁性1成分現像用トナーを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の磁性1成分現像用トナー(以下、単にトナーともいう)は、少なくとも結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に、外添剤としてシリカが付着している。外添剤であるシリカは、疎水性シリカ(X)と、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電性極性基の両極性基を表面に有する湿式シリカである正帯電性の弱帯電シリカ(Y)と、を含む。また、トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)と、所定の方法により測定されるシリカの遊離率(b)とが、それぞれ所定の範囲内である。トナー母粒子は、結着樹脂と、磁性粉とに加え、所望により、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤等を含有してもよい。
以下、本発明の磁性1成分現像用トナーについて、結着樹脂、磁性粉、着色剤、電荷制御剤、離型剤、トナー母粒子の製造方法、外添剤、及び外添処理について順に説明する。
[結着樹脂]
トナー母粒子に含まれる結着樹脂は、従来からトナー用の結着樹脂として用いられている樹脂であれば特に制限されない。結着樹脂の具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂といった熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、着色剤のトナー中での分散性、トナーの帯電性、用紙に対する定着性の面から、スチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましい。以下、本実施形態で用いるスチレンアクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレンが挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、2価又は3価以上のアルコール成分と2価又は3価以上のカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体としたものを用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。
結着樹脂としては、定着性が良好であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂を単独で使用するだけでなく、熱可塑性樹脂に架橋剤や熱硬化性樹脂を添加したものを用いることも可能である。結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、トナーの定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等を向上させることができる。
熱可塑性樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、トナーの保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部にトナーが付着しやすい。また、結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着しにくい傾向がある。
なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、以下のようにして結着樹脂のガラス転移点を測定する。測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、吸熱曲線を測定することで結着樹脂のガラス転移点を求める。測定試料としての結着樹脂10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用する。測定温度範囲25℃から200℃、昇温速度10℃/min、常温常湿下で測定して得られた結着樹脂の吸熱曲線より結着樹脂のガラス転移点を求めることができる。
結着樹脂の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的には、トナー全量を100質量部とした場合に、35〜55質量部が好ましく、40〜50質量部がより好ましい。
[磁性粉]
本発明の磁性1成分現像用トナーは、磁性トナーであるため、結着樹脂中に磁性粉を必須に含有する。トナーに配合する磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイトのような鉄酸化物;コバルト、ニッケルのような強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の粒子径は、0.1〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。このような粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉は、結着樹脂中での分散性を改良する目的等で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤等の表面処理剤により表面処理されたものを使用できる。
磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、35〜60質量部が好ましく、40〜60質量部がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、長期間にわたり低画像濃度で連続して印刷する場合に画像濃度が所望する値より低くなったり、トナーの定着性が極度に低下したりする場合がある。磁性粉の使用量が過少である場合、形成画像にかぶりが発生しやすかったり、長期間にわたり低画像濃度で連続して印刷する場合に画像濃度が所望する値より低くなったりする場合がある。また、トナーを2成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
[着色剤]
本発明の磁性1成分現像用トナーは、磁性粉を必須の成分として含むため、通常黒色である。このため、トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明の磁性1成分現像剤を用いて形成した形成画像をより好ましい黒色の色相に調整する目的で、着色剤として、公知の染料又は顔料を含んでいてもよい。具体的には、顔料としてはカーボンブラック等が挙げられ、染料としてはアシッドバイオレット等が挙げられる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な着色剤の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、1〜10質量部が好ましく、3〜7質量部がより好ましい。
[離型剤]
本発明の磁性1成分現像用トナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましい。ワックスの具体例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックスが挙げられる。これらの離形剤は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、1〜10質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、オフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によってトナーの保存安定性が低下する場合がある。
[電荷制御剤]
本発明の磁性1成分現像用トナーは、結着樹脂中に電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、トナーの帯電レベルや、トナーを所定の帯電レベルに短時間で帯電可能か否かの指標となる帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。トナーを正帯電させて現像を行う場合、正帯電性の電荷制御剤が使用され、トナーを負帯電させて現像を行う場合、負帯電性の電荷制御剤が使用される。
電荷制御剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来よりトナーに使用されている電荷制御剤から適宜選択できる。正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンのようなアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、及びアジンディープブラック3RLのようなアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体のようなニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZのようなニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの正帯電性の電荷制御剤の中では、より迅速な帯電の立ち上がり性が得られる点で、ニグロシン化合物が特に好ましい。これらの正帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
官能基として4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂も正帯電性の電荷制御剤として使用できる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
正帯電性の電荷制御剤として使用できる樹脂の中では、トナーの帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系共重合樹脂に関して、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドのようなヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤の具体例としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物が挙げられる。有機金属錯体、及びキレート化合物としては、アルミニウムアセチルアセトナートや鉄(II)アセチルアセトナートのようなアセチルアセトン金属錯体、及び、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロムのようなサリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩がより好ましい。これらの負帯電性の電荷制御剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御剤の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、3.0〜7.0質量部が特に好ましい。電荷制御剤の使用量が過少である場合、所定の極性にトナーを安定して帯電させ難いため、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなったり、形成画像の画像濃度を長期にわたって維持することが困難になったりする場合がある。また、このような場合、電荷制御剤がトナー中に均一に分散し難いため、形成画像にかぶりが生じやすかったり、トナー成分による潜像担持部の汚染が起こりやすくなったりする。電荷制御剤の使用量が過多である場合、耐環境性の悪化による、高温高湿下でのトナーの帯電不良に起因する画像不良が形成画像に生じやすくなったり、トナー成分による潜像担持部の汚染等が起こりやすくなったりする。
[トナー母粒子の製造方法]
結着樹脂に、磁性粉と、着色剤、離型剤、電荷制御剤等の任意成分とを配合してトナー母粒子を製造する方法は、結着樹脂中にこれらの成分を良好に分散できる限り特に限定されない。トナー母粒子の好適な製造方法の具体例としては、結着樹脂と、磁性粉との混合物と、必要に応じて、着色剤、離型剤、電荷制御剤等の任意成分とを混合機等により混合した後、一軸又は二軸押出機等の混練機により結着樹脂と結着樹脂に配合される成分とを溶融混練し、冷却された混練物を粉砕・分級する方法が挙げられる。トナー母粒子の平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5〜10μmが好ましい。
[外添剤]
本発明の磁性1成分現像用トナーは、トナー母粒子の表面に外添剤が付着されたものである。外添在は、シリカを含み、シリカは、疎水性シリカ(X)と、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電極性基の両極性基を表面に有する湿式シリカである正帯電性の弱帯電シリカ(Y)と、を含む。外添剤中の、疎水性シリカ(X)と、前記弱帯電シリカ(Y)との質量比(Y/X)は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、0.1〜1.5が好ましく、0.2〜1.0がより好ましく、0.3〜0.6が特に好ましい。
このような比率で疎水性シリカ(X)と弱帯電シリカ(Y)とを含む外添剤を用いて、トナー母粒子を外添処理することにより、低画像濃度の画像を長期間にわたって連続して形成する場合や、低温低湿環境、及び高温高湿環境で画像形成する場合に、画像濃度が所望する値より低くなることや、形成画像にかぶり等の画像不良が発生することを抑制できる。且つ、低温低湿環境において、現像剤担持体(現像スリーブ)上に形成されるトナー層に層乱れが発生することを抑制できるトナーを得やすい。
以下、シリカと、シリカとして含まれる、疎水性シリカ(X)、弱帯電シリカ(Y)、並びに、疎水性シリカ(X)、及び弱帯電シリカ(Y)以外の他のシリカと、シリカ以外の他の外添剤と、外添剤の使用量とについて順に説明する。
〔疎水性シリカ(X)〕
疎水性シリカ(X)は、シリカを疎水化処理剤で表面処理することで得られる。疎水化処理されたシリカを用いる場合、高温高湿条件下での帯電量の低下が抑制され、流動性に優れるトナーを得やすい。疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤を用いることができる。疎水化効果を補う為に、シランカップリング剤と、シランカップリング剤以外の疎水化処理剤とを併用できる。シランカップリング剤以外の疎水化処理剤としては、疎水化効果、及びトナーの流動性の改良効果に優れることから、ヘキサメチルジシラザンを用いるのが好ましい。
シリコーンオイルもまた、シリカの疎水化処理剤として使用できる。シリコーンオイルの種類は、所望の疎水化効果が得られる限り、特に限定されず、従来から疎水化処理剤として用いられている種々のシリコーンオイルを使用できる。シリコーンオイルとしては、直鎖シロキサン構造を有するものが好ましく、非反応性シリコーンオイル、反応性シリコーンオイルの何れとも使用できる。シリコーンオイルの具体例としては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロロフェニルシリコーンオイル、アルキルシリコーンオイル、クロロシリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、アセトキシ基含有シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルが挙げられる。
シリカを疎水化処理する方法としては、シリカを高速で撹拌しながら、疎水化処理剤であるアミノシラン、シリコーンオイル等を滴下又は噴霧する方法、撹拌されている疎水化処理剤の有機溶剤溶液中にシリカを添加する方法が挙げられる。疎水化処理後に加熱することにより疎水化処理されたシリカが得られる。疎水化処理剤を滴下又は噴霧する場合、疎水化処理剤は、そのまま、又は、有機溶剤等により希釈して用いることができる。
〔弱帯電シリカ(Y)〕
弱帯電シリカ(Y)は、正帯電性を有し、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電性極性基の両極性基を表面に有する湿式シリカである。湿式シリカは、アルコキシシランの加水分解によってシリカ微粒子を湿式で合成するゾルゲル法や、水ガラスの加水分解によってシリカ微粒子を湿式で合成するコロイダル法等によって製造される。
湿式シリカに正帯電性極性基と、フッ素含有負帯電性極性基とを導入する方法は特に限定されない。湿式シリカに正帯電性極性基と、フッ素含有負帯電性極性基とを導入する、好適な方法としては、正帯電性極性基を有する正帯電性表面処理剤、及びフッ素含有負帯電性極性基を有する負帯電性表面処理剤により湿式シリカの表面を処理する方法が挙げられる。
(正帯電性表面処理剤)
正帯電性表面処理剤の種類は、正帯電性極性基を有する物質であって、湿式シリカの表面に正帯電性極性基を導入することができれば特に限定されない。正帯電性表面処理剤の好適な例としては、アミノ基等の正帯電性極性基を有するカップリング剤が挙げられる。
正帯電性表面処理剤の中では、湿式シリカ表面のシラノール基と反応しやすく、湿式シリカ表面に正帯電性極性基を導入しやすい点でカップリング剤が好ましい。正帯電性表面処理剤として使用できるカップリング剤の具体例としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、又はアルミネートカップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤の中では、シランカップリング剤が特に好ましい。正帯電性極性基を有するシランカップリング剤の好適な例としては、下式(1)で表されるアミノシランカップリング剤が挙げられる。
−NH−R−(NH−R−SiR (3−a)・・・(1)
(式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R及びRは、それぞれ炭素数1〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のアルコキシ基、又は塩素原子であり、mは0〜2の整数であり、aは0〜2の整数である。)
式(1)について、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基が好ましい。R及びRは、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。Rは、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましい。
式(1)で表される化合物の中でも好適な化合物としては、HN(CHNH(CHSi(OCH、HN(CHNH(CHSi(CH)(OCH、HN(CHNH(CHSi(OCH、HN(CHNH(CHNH(CHSi(OCH、HN(CHSi(OCH、及びCNH(CHSi(OCHが挙げられる。
(負帯電性表面処理剤)
負帯電性表面処理剤の種類は、フッ素含有負帯電性極性基を有する物質であって、湿式シリカの表面にフッ素含有負帯電極性基を導入することができれば特に限定されない。このような負帯電性表面処理剤の好適な例としては、フルオロアルキル基等の正帯電性極性基を有するカップリング剤が挙げられる。
負帯電性表面処理剤の中では、湿式シリカ表面のシラノール基と反応しやすく、湿式シリカ表面にフッ素含有負帯電性極性基を導入しやすい点でカップリング剤が好ましい。負帯電性表面処理剤として使用できるカップリング剤の具体例としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、又はアルミネートカップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤の中では、シランカップリング剤が特に好ましい。フッ素含有負帯電性極性基を有するシランカップリング剤の好適な例としては、下式(2)で表されるフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤が挙げられる。
−(A−R−SiR (3−b)・・・(2)
(式(2)中、Rは、炭素数1〜20のフルオロアルキルであり、Rは炭素数1〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のアルコキシ基、又は塩素原子であり、Aは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−SONH−、又は−NH−SO−であり、nは0又は1であり、bは0〜2の整数である。)
式(2)について、Rは炭素数1〜15のフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のフルオロアルキル基が好ましい。Rは、アルキル基の水素原子が部分的にフッ素原子で置換されたフルオロアルキル基でもよく、アルキル基の水素原子が完全にフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基であってもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキレン基であるのが好ましい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。Rは、炭素数1〜4のアルコキシ基又は塩素原子が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基又は塩素原子がより好ましい。
式(2)で表される化合物の中でも好適な化合物としては、CF(CHSiCl、CF(CFSiCl、CF(CF(CHSiCl、CF(CF(CHSiCl、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(CH)Cl、CF(CHSi(OCH、CF(CHSiCH(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CFCONH(CHSi(OCH、CF(CFCOO(CHSi(OCH、CF(CF(CHSi(OCH、CF(CF(CHSiCH(OCH、CF(CFSONH(CHSi(OC、及びCF(CF(CHSi(OCHが挙げられる。
以上のような正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電性極性基を有するカップリング剤を用いてシリカ表面を処理する方法は種々あるが、上記のシリカの疎水化処理と同様の乾式処理法により湿式シリカの表面に正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電性極性基を導入することができる。具体的には、まず、カップリング剤をテトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、又はアセトン等の溶剤を用いて混合希釈しカップリング剤の希釈液を得る。シリカをブレンダー等で強制的に撹拌しつつカップリング剤の希釈液を滴下又は噴霧し、充分混合する。次に得られた混合物をバット等に移してオーブンに入れ加熱し、乾燥させる。その後再びブレンダーで撹拌し、充分に解砕することで、湿式シリカに、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯性極性基を導入することができる。
また、このような乾式処理法の他に、湿式処理法により、湿式シリカに、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電性極性基を導入することができる。湿式処理法としては、例えば、シリカをカップリング剤が溶解する有機溶剤液に浸漬し、乾燥して導入する方法や、シリカを水中に分散してスラリー状にしたうえでカップリング剤の水溶液を滴下する。その後、シリカを沈降させて加熱乾燥し、解砕してシリカに導入する方法等が挙げられる。
弱帯電シリカを、湿式シリカを正帯電性表面処理剤と負帯電性表面処理剤とにより処理して調製する場合、処理に用いる正帯電性表面処理剤の量(p)と負帯電性表面処理剤の量(n)とのモル比(p/n)は1.0〜2.0であるのが好ましく、1.2〜1.8であるのがより好ましい。湿式シリカを正帯電性表面処理剤と負帯電性表面処理剤とにより処理した後に得られた弱帯電シリカ(Y)の帯電量は、45〜65μC/gが好ましい。
〔疎水性シリカ(X)、及び弱帯電シリカ(Y)以外の他のシリカ〕
シリカは、疎水性シリカ(X)、及び弱帯電シリカ(Y)以外の他のシリカを含んでいてもよい。疎水性シリカ(X)、及び弱帯電シリカ(Y)以外の他のシリカとしては、例えば、何ら表面処理を施していない親水性シリカや、強帯電性シリカ等が挙げられる。外添剤として用いられるシリカの、疎水性シリカ(X)、及び弱帯電シリカ(Y)の含有量は、シリカ全質量に対して、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、100%であるのが特に好ましい。
〔シリカ以外の他の外添剤〕
本発明の目的を阻害しない範囲で、トナーの流動性、保存安定性、クリーニング性等を改良する目的で、シリカと共にシリカ以外の他の外添剤をトナー母粒子の表面に付着させてもよい。
シリカ以外の他の外添剤としては、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適なシリカの他の外添剤の具体例としては、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。
シリカ以外の他の外添剤の平均一次粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、典型的には0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。
シリカ以外の他の外添剤として酸化チタンを用いる場合、その体積固有の抵抗値は、その表面に酸化スズ及び酸化アンチモンからなる被覆層を形成し、被覆層の厚さや、酸化スズと酸化アンチモンとの比率を変えることにより調整できる。また、シリカの他の無機微粒子は、シリカと同様に疎水化処理したものを用いることができる。
〔外添剤の使用量〕
トナー母粒子の表面に外添するシリカの使用量は、トナー100質量部に対して、0.8〜1.5質量部が好ましい。シリカの使用量が過少である場合、トナーの疎水性が低下し、高温高湿環境下にて、空気中の水分子の影響をトナーが受けやすくなりやすい。このため、トナーの帯電量が極端に低くなりやすく、形成画像に画像劣化を招くおそれがあると共に、トナーの流動性が低下しやすい。また、シリカの使用量が過多である場合、トナーが過度に帯電しやすくなり、画像濃度が所望の値よりも低くなるおそれがある。
また、シリカと共に、シリカ以外の他の外添剤を外添する場合には、トナー全質量に対して、シリカ以外の他の外添剤の使用量は、0.5〜5.0質量部が好ましい。シリカ以外の他の外添剤の使用量が過少である場合、高温高湿環境下で、静電潜像が乱れる「像流れ」と呼ばれる現象が発生しやすく、シリカ以外の他の外添剤の使用量が過多である場合、トナーの流動性が悪化しやすくなり、画像濃度が所望の値よりも下回ったり、トナーの耐久性が悪化したりする場合がある。
本発明のトナーに用いるシリカは、一次粒子が凝集体を形成している。シリカの一次粒子径は、特に限定されないが、0.01〜0.10μmが好ましい。
[外添処理]
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることにより、磁性1成分現像用トナーが製造される。外添剤をトナー母粒子の表面に付着させる方法は、外添されたシリカが下記条件(1)及び(2)を満たす限り特に限定されず、従来知られる方法から適宜選択できる。
(1)トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)が、5〜15個である。
(2)トナー中の遊離シリカを気流式分級機により分級して測定されるトナーにおけるシリカの遊離率(b)が、5〜10%である。
具体的には、外添剤の粒子がトナー母粒子に埋め込まれないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機によって、外添剤による処理が行われる。以下、シリカの平均凝集数(a)の測定方法、シリカの遊離率(b)の測定方法、及び外添処理条件について説明する。
本願の特許請求の範囲、及び明細書では、シリカの平均凝集数(a)は、以下の方法により測定される。
<シリカの平均凝集数(a)の測定方法>
まず、フィールドエミッション走査電子顕微鏡(JSM−7401F(日本電子株式会社製))を用いて、0.5kVの加圧電圧にて、30,000倍以上の倍率にてトナー母粒子の写真を撮影する。次いで、撮影した電子顕微鏡写真を画像解析ソフトウェア(WinROOF(三谷商事株式会社製))により解析し、好ましくは、トナー母粒子表面に付着しているシリカ凝集体30個以上について、凝集体を形成する1次粒子の数を測定する。次いで、測定対象とした凝集体に含まれる1次粒子の数を用いて、平均凝集数を求める。
シリカの平均凝集数(a)は、トナー母粒子を外添剤により処理する際の処理条件を変更することにより調整することができる。例えば、低速混合では、外添剤処理の時間が長いほど、平均凝集数(a)が小さくなる傾向がある。また、外添剤の使用量が少ないほど、平均凝集数(a)が小さくなる傾向がある。
トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)が過少である場合、低温低湿環境で、層乱れに伴う画像不良が形成画像に発生しやすい。一方、トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)が過多である場合、低温低湿環境で画像形成する際に、所望の濃度を有する画像が得にくい。
本願の特許請求の範囲、及び明細書では、シリカの遊離率(b)は、以下の方法により測定されたものである。
<シリカの遊離率(b)測定方法>
シリカの遊離率(b)は、気流式分級機(DSX−2(日本ニューマチック工業株式会社製))を用いて、下記の条件にて、トナーから遊離シリカを分級し、分級前のトナーと、遊離シリカを分離されたトナーとのSiの蛍光X線強度を測定し、下式に従って求められる。蛍光X線分析装置としては、例えば、ZSX100e(株式会社リガク製)を用いることができる。
(遊離シリカ分離条件)
サンプル供給速度:100g/分
供給部インジェクション圧力:0.2MPa
アジャストリング:80mm
ルーバー高さ:10mm
ルーバークリアランス:5mm
ディスタンスリング:0mm
センターネーブル:60mm
Uダンパー:45°
サイクロンダンパー:30°
ブロワートータル静圧:−1400mmAq(−13.73kPa)
≪シリカの遊離率(b)算出式≫
(遊離シリカの分離前のトナーのSiの蛍光X線強度−遊離シリカの分離後のトナーのSiの蛍光X線強度)÷遊離シリカの分離前のトナーのSiの蛍光X線強度×100
シリカの遊離率(b)が低過ぎる場合、長期間にわたって低画像濃度で連続して画像形成したり、高温高湿環境で画像形成したりする際に、トナー同士が凝集しやすい。また、シリカの遊離率(b)が低過ぎる場合、低温低湿環境で画像形成する際に、トナーの帯電量が安定しにくい。このため、長期間にわたって低画像濃度で連続して画像形成したり、高温高湿環境で画像形成したりする場合に、画像濃度が所望する値より低くなりやすい。
一方、シリカの遊離率(b)が高過ぎる場合、低温低湿環境で画像形成する際に、遊離したシリカによって、現像器(現像スリーブ)が汚染されやすくなる。このため、低温低湿環境で画像形成する場合に、形成画像にかぶり等の画像不良が発生しやすくなる。
〔外添処理条件〕
シリカの平均凝集数(a)、及びシリカの遊離率(b)は、外添処理に用いる混合機の条件を調整することにより調整することができる。例えば、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機の撹拌装置に用いられる撹拌翼の回転数を上げることにより、シリカの平均凝集数(a)を少なくすることができ、シリカの遊離率(b)を下げることができる。また、処理時間を長くすることにより、シリカの平均凝集数(a)を少なくすることができ、シリカの遊離率(b)を下げることができる。また、撹拌装置の容器内温度を上げることによりシリカの平均凝集数(a)を多くすることができ、シリカの遊離率(b)を下げることができる。
以上説明した、本発明の磁性1成分現像用トナーによれば、長期間にわたって低画像濃度で連続して画像形成する場合や、低温低湿環境、及び高温高湿環境で画像形成する場合に、画像濃度が所望する値より低くなることや、かぶり等の画像不良の発生を抑制でき、且つ、低温低湿環境での層乱れの発生を抑制できる。このため、本発明の磁性1成分現像用トナーは、種々の画像形成装置で好適に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例で結着樹脂として使用したポリエステル樹脂を、下記の製造例1に従い製造した。また、実施例及び比較例で用いた弱帯電シリカ(Y)を、下記の製造例2に従い製造した。
〔製造例1〕
(ポリエステル樹脂の製造)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に仕込んだ。窒素雰囲気下で235℃まで昇温し、同温度で8時間反応を行った後、8.3kPaに減圧して同温度で1時間反応を行った。次いで、反応生成物を180℃まで冷却した後、無水トリメリット酸を添加してポリエステル樹脂の酸価を約10mgKOH/gに調整した。その後、10℃/時間の速度で210℃まで昇温し、同温度で反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。
〔製造例2〕
(弱帯電シリカ(Y)の製造)
トルエン100ml中に、7,7,8,8,9,9,9−ヘプタフルオロノニルトリメトキシシラン5gと、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン5gとを溶解させた溶液に、コロイダルシリカ(NipsilE−200(日本シリカ工業株式会社製))100gを浸漬させて、混合液を撹拌した。次いで、混合液を120℃で24時間加熱して、混合液から溶媒を除去し、乾燥されたシリカの凝集物を得た。得られたシリカの凝集物を、ピンミル(コロプレックス160Z(槙野産業株式会社製))を用いて解砕して、平均一次粒子径が24nmの弱帯電シリカ(Y)を得た。平均一次粒子径の測定は、下記方法に従って測定した。
<平均一次粒子径測定方法>
フィールドエミッション走査電子顕微鏡(JSM−7401F、日本電子株式会社製)を用いて、0.5Kvの加圧電圧にて、倍率100,000倍のシリカの写真を撮影した。撮影した電子顕微鏡写真を画像解析ソフトウェア(WinROOF(三谷商事株式会社製))により解析し、シリカ粒子100個について、一次粒子径を測定した。次いで、各一次粒子の一次粒子径と、測定対象とした一次粒子の数を用いて、平均一次粒子径を求めた。
得られた弱帯電シリカ(Y)の下記測定方法により測定される帯電量は、55μC/gであった。
<帯電量の測定方法>
平均粒子径80μmのノンコートフェライトキャリア(F−80(パウダーテック株式会社製))10gと測定試料0.3gとを20mlのポリ容器に投入し、3次元混合装置(TURBULA MIXER(Willy A. Bachofen AG Maschinenfabrik社製))を用いて60分間撹拌した後、試料の帯電量を吸引式帯電量測定装置(210HS−2A(TRek社製))にて測定した。
〔実施例1〜6、及び比較例1〜9〕
(トナー母粒子の調製)
結着樹脂(製造例1で得たポリエステル樹脂)45質量部、離型剤(カルナバワックス(株式会社加藤洋行製))5質量部、正帯電性電荷制御剤(FCA−207P(藤倉化成株式会社製))5質量部、及びマグネタイト(TN−15(三井金属鉱業株式会社製))45質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した。得られた混合物を2軸押出機にて溶融混練した後に、溶融混練物を冷却し、溶融混練物をハンマーミルにて粗粉砕して、粗粉砕物を得た。粗粉砕物を機械式粉砕機にてさらに微粉砕して、微粉砕物を得た。得られた微粉砕物を気流式分級機により分級し、体積平均粒径8.0μmのトナー母粒子を得た。
(トナーの調製)
トナー母粒子100質量部と、表1又は2に記載の量及び種類の疎水性シリカ(X)と、表1又は表2に記載の量の製造例2で得た弱帯電シリカ(Y)と、酸化チタン(ST−100(チタン工業株式会社製))1.0質量部とを、表1又は2に記載の処理条件にてヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス工業株式会社製))により混合して、外添処理を行い、実施例1〜6、及び比較例1〜9のトナーを得た。
なお、実施例1〜6、及び比較例1〜9では、疎水性シリカ(X)として、以下の疎水性シリカX−1、及びX−2を用いた。
疎水性シリカ(X−1):RA−200(日本アエロジル株式会社製)、平均一次粒子径14nm、帯電量150μC/g
疎水性シリカ(X−2):NA−50(日本アエロジル株式会社製)、平均一次粒子径30nm、帯電量135μC/g
実施例1〜6、及び比較例1〜9のトナーのシリカの平均凝集数(a)、及びシリカの遊離率(b)を下記方法に従って測定した。実施例1〜6、及び比較例1〜9のトナーのシリカの平均凝集数(a)、及びシリカの遊離率(b)を表1及び2に記す。
<シリカの平均凝集数(a)の測定方法>
フィールドエミッション走査電子顕微鏡(JSM−7401F(日本電子株式会社製))を用いて、0.5kVの加圧電圧にて、30,000倍以上の倍率にてトナー母粒子の写真を撮影した。次いで、撮影した電子顕微鏡写真を画像解析ソフトウェア(WinROOF(三谷商事株式会社製))により解析し、トナー母粒子表面に付着しているシリカ凝集体30個について、凝集体を形成する1次粒子の数を測定した。次いで、測定対象とした凝集体に含まれる1次粒子の数を用いて、平均凝集数を求めた。
<シリカの遊離率(b)測定方法>
シリカの遊離率(b)は、気流式分級機(DSX−2(日本ニューマチック工業株式会社製))を用いて、下記の条件にて、トナーから遊離シリカを分級し、分級前のトナーと、遊離シリカを分離されたトナーとのSiの蛍光X線強度を測定し、下式に従って求めた。蛍光X線分析装置は、ZSX100e(株式会社リガク製)を用いた。
(遊離シリカ分離条件)
サンプル供給速度:100g/分
供給部インジェクション圧力:0.2MPa
アジャストリング:80mm
ルーバー高さ:10mm
ルーバークリアランス:5mm
ディスタンスリング:0mm
センターネーブル:60mm
Uダンパー:45°
サイクロンダンパー:30°
ブロワートータル静圧:−1400mmAq(−13.73kPa)
≪シリカの遊離率(b)算出式≫
(遊離シリカの分離前のトナーのSiの蛍光X線強度−遊離シリカの分離後のトナーのSiの蛍光X線強度)÷遊離シリカの分離前のトナーのSiの蛍光X線強度×100
Figure 2013257464
Figure 2013257464
(※)比較例2では、ヘンシェルミキサーの温度調整は行わなかった。
〔評価〕
実施例1〜6、及び比較例1〜9のトナーについて、初期及び連続画像形成後、高温高湿環境、低温低湿環境での下記評価を行った。なお、評価機はページプリンター(FS−4020DN(京セラミタ株式会社製)、アモルファスシリコンドラム:膜厚14μm)を用いた。
(初期及び連続画像形成後)
下記方法に従って、初期及び連続画像形成後のトナー帯電量、画像濃度、及びかぶり濃度を評価した。評価結果を表3及び4に記す。
<帯電量>
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて初期のトナーの帯電量を測定した。次いで、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて印字率0.1%で10万枚連続して画像形成を行い、連続画像形成後のトナーの帯電量を測定した。帯電量の測定は帯電量測定装置(Q/M Meter 210HS(TRek社製))により行った。
<画像濃度>
評価機により、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて、被記録媒体に画像評価パターンを形成して初期画像を得た。その後、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて印字率0.1%で10万枚連続印字した後に、被記録媒体に画像評価パターンを形成して連続画像形成後の画像を得た。初期画像、及び連続画像形成後の画像評価パターン中のソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。画像濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):1.15以上。
×(不合格):1.15未満。
<かぶり濃度>
画像濃度評価で得た、初期画像、及び連続画像形成後の画像評価パターンが形成された被記録媒体の非画像部の画像濃度を反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。かぶり濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):0.010以下。
×(不合格):0.010超。
(高温高湿時)
下記方法に従って、高温高湿環境(30℃、80%RH)下にて形成した画像について画像濃度、及びかぶり濃度を評価した。評価結果を表3及び4に記す。
<画像濃度>
評価機により、高温高湿環境(30℃、80%RH)にて、被記録媒体に画像評価パターンを形成して初期画像を得た。初期画像の画像評価パターン中のソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。画像濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):1.15以上。
×(不合格):1.15未満。
<かぶり濃度>
画像濃度評価で得た、初期画像の画像評価パターンが形成された被記録媒体の非画像部の画像濃度を反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。かぶり濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):0.010以下。
×(不合格):0.010超。
(低温低湿時)
下記方法に従って、低温低湿環境(10℃、20%RH)下にて形成した画像について画像濃度、及びかぶり濃度を評価した。また現像器の現像ローラ上のトナー層に層乱れが発生しているかどうかを評価した。評価結果を表3及び4に記す。評価結果を表3及び4に記す。
<画像濃度>
評価機により、低温低湿環境(10℃、20%RH)にて、被記録媒体に画像評価パターンを形成して初期画像を得た。初期画像の画像評価パターン中のソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。画像濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):1.15以上。
×(不合格):1.15未満。
<かぶり濃度>
画像濃度評価で得た、初期画像の画像評価パターンが形成された被記録媒体の非画像部の画像濃度を反射濃度計(RD914、グレタグマクベス社製)により測定した。かぶり濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):0.010以下。
×(不合格):0.010超。
<層乱れ>
トナーと評価機とを、低温低湿環境(10℃、20%RH)にて、12時間静置した。次いで、評価機の現像器にトナー150gを充填して10分間エージングした。エージング後、白紙の被記録媒体を出力し、出力された被記録媒体を観察して層乱れの発生の有無を評価した。層乱れが生じている場合、現像スリーブ上にトナー層が厚い部分が形成せれており、この場合、トナー層の厚い部分に起因して、現像スリーブの周期でかぶりが被記録媒体上に形成される。層乱れの発生を以下の基準により評価した。
○(合格):かぶりが被記録媒体上に形成されていない。
×(不合格):かぶりが被記録媒体上に形成されている。
Figure 2013257464
Figure 2013257464
実施例1〜6によれば、トナーが、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有し、トナー母粒子の表面に外添剤としてシリカが付着している、磁性1成分現像用トナーであって、疎水性シリカ(X)と、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電性極性基の両極性基を表面に有する湿式シリカである正帯電性の弱帯電シリカ(Y)と、を含み、トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)が、5〜15個であり、トナー中のシリカの遊離率(b)が、5〜10%であるシリカを外添剤として含む場合、当該トナーを用いて長期間にわたって低画像濃度で連続して画像形成する場合や、低温低湿環境、及び高温高湿環境で画像形成する場合に、画像濃度が所望する値より低くなることや、かぶり等の画像不良が形成画像に発生するのを抑制でき、且つ、低温低湿環境において、現像器の現像剤担持体上のトナー層に層乱れが発生するのを抑制できることが分かる。
これに対し、トナー中のシリカの遊離率(b)が高過ぎる比較例1及び2のトナーを用いると、低温低湿環境で画像形成する場合に、形成画像にかぶり等の画像不良が発生しやすいことが分かる。一方、トナー中のシリカの遊離率(b)が低すぎる比較例3〜5のトナーを用いると、長期間にわたって低画像濃度で連続して画像を形成したり、高温高湿環境で画像を形成したりする場合に、所望する画像濃度の画像を形成しにくいことが分かる。
また、トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)が過少である比較例3、5、7、9のトナーを用いると、層乱れに伴う画像不良が発生する場合があることが分かる。一方、トナー母粒子表面上のシリカの平均凝集数(a)が過多である比較例8のトナーを用いると、低温低湿環境で画像形成する際に、所望する画像濃度の画像を形成しにくいことが分かる。
また、弱帯電シリカ(Y)を用いていない比較例9のトナーを用いると、長期間にわたって低画像濃度で連続して画像を形成する場合に、形成画像にかぶり等の画像不良が発生しやすいことが分かる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、結着樹脂と、磁性粉とを含有するトナー母粒子の表面に外添剤が付着している、磁性1成分現像用トナーであって、
    前記外添剤は、少なくとも一次粒子が凝集体を形成するシリカを含み、
    前記シリカは、疎水性シリカ(X)と、正帯電性極性基、及びフッ素含有負帯電極性基の両極性基を表面に有する湿式シリカである正帯電性の弱帯電シリカ(Y)と、を含み、
    前記トナー母粒子表面上の前記シリカの平均凝集数(a)が、5〜15個であり、
    前記磁性1成分現像用トナー中の遊離シリカを気流式分級機により分級して測定される前記磁性1成分現像用トナーにおける前記シリカの遊離率(b)が、5〜10%である、磁性1成分現像用トナー。
  2. 前記トナー母粒子が、さらに磁性粉を含有する、請求項1に記載の磁性1成分現像用トナー。
  3. 前記疎水性シリカ(X)と、前記弱帯電シリカ(Y)との質量比(Y/X)が0.2〜0.6である、請求項1又は2に記載の磁性1成分現像用トナー。
  4. 前記弱帯電シリカが、下式(1)で表される正帯電表面処理剤による処理により正帯電性極性基を導入されたものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の磁性1成分現像用トナー。
    −NH−R−(NH−R−SiR (3−a)・・・(1)
    (式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R及びRは、それぞれ炭素数1〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のアルコキシ基、又は塩素原子であり、mは0〜2の整数であり、aは0〜2の整数である。)
  5. 前記弱帯電シリカが、下式(2)で表される負帯電表面処理剤による処理によりフッ素含有負帯電極性基を導入されたものである、請求項1〜4の何れか1項に記載の磁性1成分現像用トナー。
    −(A−R−SiR (3−b)・・・(2)
    (式(2)中、Rは、炭素数1〜20のフルオロアルキルであり、Rは炭素数1〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のアルコキシ基、又は塩素原子であり、Aは、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−SONH−、又は−NH−SO−であり、nは0又は1であり、bは0〜2の整数である。)
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