JP2013249395A - 硬化性組成物及びその硬化成形品、その硬化皮膜が形成されてなる物品並びに該硬化性組成物の硬化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(I)下式(1)の光重合性基及び加水分解性基含有有機ケイ素化合物、
[Xはアルコキシ基、R1はアルキル基、nは1〜3、mは1〜10、R2は下記
(Aは2〜6価の有機基、R3は水素原子又はメチル基、kは1〜5。)で示される構造基。](II)光重合開始剤、(III)加水分解縮合触媒を含有する硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
〔1〕
(I)下記一般式(1)で表される光重合性基及び加水分解性基含有有機ケイ素化合物、
で示される構造基である。]
(II)光重合開始剤、
(III)加水分解縮合触媒
を含有することを特徴とする硬化性組成物。
〔2〕
式(1)で表される有機ケイ素化合物が、下記一般式(3)〜(7)
からなる群より選択されるいずれか1種、又はその2種以上の組み合わせであることを特徴とする〔1〕記載の硬化性組成物。
〔3〕
更に、多官能(メタ)アクリル化合物を含むことを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の硬化性組成物。
〔4〕
更に、(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔5〕
上記(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、パーフルオロアルキル基又はポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド)構造含有基を含む化合物であることを特徴とする〔4〕記載の硬化性組成物。
〔6〕
上記(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、ポリジメチルシロキサン構造基を含む化合物であることを特徴とする〔4〕記載の硬化性組成物。
〔7〕
更に、金属酸化物微粒子を1種以上含むことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化して得られる成形品。
〔9〕
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の硬化性組成物からなるコーティング剤。
〔10〕
〔9〕記載のコーティング剤の硬化皮膜が形成されてなる物品。
〔11〕
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の硬化性組成物に対し活性光線を照射し、光重合性基の重合を行った後に、空気中に水分を有する雰囲気下にて加水分解性シリル基の加水分解並びにそれに続く縮合を行うことを特徴とする硬化性組成物の硬化方法。
〔12〕
〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の硬化性組成物に対し空気中に水分を有する雰囲気下にて加水分解性シリル基の加水分解並びにそれに続く縮合を行った後に、活性光線を照射し、光重合性基の重合を行うことを特徴とする硬化性組成物の硬化方法。
更には、光及び加水分解縮合による段階的な硬化機構を備えることで、各硬化段階により生じる硬化収縮を効率よく緩和することができ、最終硬化物の内部応力を低下させることが可能となる。
本発明の硬化性組成物は、下記(I)〜(III)成分を必須成分とする。
(I)一般式(1)で表される光重合性基及び加水分解性基含有有機ケイ素化合物
(II)光重合開始剤
(III)加水分解縮合触媒
で示される構造基である。]
C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6−、
F(C(CF3)FCF2O)6C(CF3)FC(=O)NHC3H6−
が挙げられる。
添加量としては(I)成分中ケイ素原子1molに対して0.1〜20mol%であることが好ましく、より好ましくは1〜5mol%である。
具体的には、主鎖に少なくとも1つのジメチルシロキサン単位を有し、少なくとも1つの末端に加水分解性基を有する有機ケイ素化合物が例示される。加水分解性基としてはアルコキシ基が好ましい。
添加量としては(I)成分中ケイ素原子1molに対して0.1〜10mol%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3mol%である。
(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の配合量は、(I)成分100質量部に対して0〜300質量部が好ましく、より好ましくは1〜100質量部である。(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の配合量が多すぎると光硬化時の機械的強度が不足する場合がある。
前記シリカ微粒子の中でも、活性エネルギー線反応性基を有する加水分解性シラン化合物によって表面修飾されたものが好ましく用いられる。このような反応性シリカ微粒子は、ハードコートを硬化させる際の活性エネルギー線照射によって、架橋反応を起こし、ポリマーマトリックス中に固定される。
形成された皮膜の膜厚は、0.1〜50μm、特に0.5〜30μmの範囲にあることが好ましい。膜厚が薄すぎると耐磨耗性が低下する場合があり、また厚すぎると耐磨耗性等が飽和し、所望特性を付与するに当たるコストが不要に高くなってしまう場合がある。
〔成形体特性〕
ガラス転移温度
動的熱機械分析法、昇温速度5℃/分、チャック間距離10mm
線膨張係数
熱機械分析法、昇温速度5℃/分、圧縮荷重0.1N
全光線透過率
JIS K 7361−1準拠、試料厚み0.2mm
複屈折
分光エリプソメトリー、試料厚み0.2mm
耐マジックインキ性
硬化皮膜に市販の油性マジックインキで線を描き、ウエスで拭き取ったときの拭き取り性を目視で観察した。
○:拭き取り性あり
×:拭き取り性なし
防汚性
水接触角とトリオレイン酸接触角を、接触角計(CA−X150型、協和界面科学製)を用いて測定した(接触角が大きいものほど防汚性に優れる)。
耐磨耗性(耐擦傷性)
ASTMD 1044に準拠し、テーバー磨耗試験機(磨耗輪CS−10F使用)を用いて硬化皮膜(試料厚み5μm)の磨耗試験(500gf荷重100回転)を行い、磨耗試験前後の硬化皮膜の濁度を、濁度計(NHD2000、日本電色工業製)を用いて測定し、〔磨耗試験後の濁度−磨耗試験前の濁度〕の値をΔHazeとした(ΔHazeは15以下の場合に耐擦傷性、耐磨耗性は良好である。)。
硬化収縮性
収縮によるフィルム全体の反り(カール)の度合いについて、10cm×10cm×0.2mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に硬化皮膜を厚さ5μmで形成し、水平面にフィルム中心点で固定した際のフィルム端部の水平面からの距離で評価した(数値が大きいほど収縮が大きい)。
出発原料として、下記式(13)で示されるアクリル基含有トリメトキシシランを699.9質量部(0.96mol)、HFPO3Si(OMe)3[HFPO3:C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6−]を19.3質量部(0.03mol)、1,19−ビス(トリメトキシシリルエチル)−ペルメチルデカシロキサンを0.9質量部(0.0009mol)、イソプロピルアルコールを1,259.8質量部反応器中に配合し、均一になったところで20質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液15.3質量部、水95.5質量部(水 合計6.0mol)を添加し、30℃で12時間撹拌した。その後、メチルイソブチルケトン900質量部を投入し、水洗にて発生したメタノール並びにイソプロピルアルコールの除去、反応液を中性とした後、減圧下にてメチルイソブチルケトンを一部留去した。得られた反応物は揮発分60.0質量%のメチルイソブチルケトン溶液であり、重量平均分子量21,000であった。この反応物は、赤外吸収光分析、核磁気共鳴分析の結果から加水分解縮合が理想どおり進行し、シロキサン単位式[RSEMe2SiO1/2]0.0018[Me2SiO2/2]0.0072[RSESiO3/2]0.0018[MA4SiO3/2]0.96[HFPO3SiO3/2]0.03[OH]0.06[RSE:2−シリルエチル、MA4:式(13)由来のアクリル基含有構造基、HFPO3:C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6−]を有する光反応性基含有オルガノポリシロキサン樹脂であることを確認した。
表1に示す配合により硬化性組成物を得た。
次に、ロールコーターを用いて硬化性組成物を厚さ0.2mmとなるようにキャストし、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、所定の厚みとしたシート状の半硬化成形体を得た。その後、50℃、70%RHの環境下にて1時間保管することで完全硬化させた成形体を得た。成形体の特性値をまとめて表2に示した。
フッ素化合物:下式で示されるパーフルオロポリエーテル構造基を有する有機ケイ素化合物
C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6Si(OMe)3
シリコーン化合物:1,19−ビス(トリメトキシシリルエチル)−ペルメチルデカシロキサン
シリコーン樹脂:参考例1で得られた光反応性基含有オルガノポリシロキサン樹脂
DCP−A:ジシクロペンタジエニルジアクリレート(共栄社化学(株)製ライトアクリレートDCP−A)
UAOL:ウレタンアクリレートオリゴマー(共栄社化学(株)製UF−8001)
D1173:光重合開始剤ダロキュアー1173(チバスペシャルティケミカルズ社製)
TBT:加水分解縮合触媒テトラブトキシチタン
配合組成を表3に示す割合にて混合し、透明な硬化性組成物を得た。
次に、バーコーター(No.5)を用いてポリカーボネート板に硬化性組成物を厚さ5μmとなるように塗布し、50℃の乾燥機で10分乾燥させた後に、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)半硬化させた後、50℃、70%RHの環境下にて1時間保管することで完全硬化させた硬化皮膜を得た。硬化皮膜の特性値をまとめて表4に示した。
HDODA:ヘキサンジオールジアクリレート
他は上記と同じ。
Claims (12)
- 更に、多官能(メタ)アクリル化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性組成物。
- 更に、(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性組成物。
- 上記(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、パーフルオロアルキル基又はポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド)構造含有基を含む化合物であることを特徴とする請求項4記載の硬化性組成物。
- 上記(I)成分を除く加水分解性シリル基を有する有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、ポリジメチルシロキサン構造基を含む化合物であることを特徴とする請求項4記載の硬化性組成物。
- 更に、金属酸化物微粒子を1種以上含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の硬化性組成物を硬化して得られる成形品。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の硬化性組成物からなるコーティング剤。
- 請求項9記載のコーティング剤の硬化皮膜が形成されてなる物品。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の硬化性組成物に対し活性光線を照射し、光重合性基の重合を行った後に、空気中に水分を有する雰囲気下にて加水分解性シリル基の加水分解並びにそれに続く縮合を行うことを特徴とする硬化性組成物の硬化方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の硬化性組成物に対し空気中に水分を有する雰囲気下にて加水分解性シリル基の加水分解並びにそれに続く縮合を行った後に、活性光線を照射し、光重合性基の重合を行うことを特徴とする硬化性組成物の硬化方法。
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