JP2013237411A - スライド装置 - Google Patents

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Sohei Matsuyama
宗平 松山
Rui Tokita
塁 時田
Masayuki Toyama
正之 遠山
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Abstract

【課題】車両用シートのスライド装置を動作させる送りねじ機構に、動作を安定化させるスタビライザーブッシュを適切に設ける。
【解決手段】スライド装置に設けられた送りねじ機構20は、送りねじ21と、ナット23と、ゴムブッシュ25と、スペーサーとなるパイプ26と、を有する。送りねじ21は、アッパレールに軸回転可能に支持された状態として設けられ、ナット23は、送りねじ21に螺合され、ロアレール11にホルダー24を介して一体的に固定される。ゴムブッシュ25は、ナット23とホルダー24との間に介在して設けられ、パイプ26は、ゴムブッシュ25とホルダー24との間に介在して設けられる。ゴムブッシュ25は、ナット23とパイプ26とに一体成形され、パイプ26を介してホルダー24に組み付けられることでパイプ26がスペーサーとなってホルダー24との間に軸方向に隙間T1を有した状態として設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明は、スライド装置に関する。詳しくは、フロア上に設けられるロアレールと、車両用シートに設けられてロアレールにスライド可能に組み付けられるアッパレールと、アッパレールをロアレールに対してスライド動作させる送りねじ機構と、を有するスライド装置に関する。
従来、車両用シートのスライド装置として下記特許文献1に開示されたものが知られている。このスライド装置は、車両用シートとフロアとの間に左右一対で設けられ、フロア上に設けられるロアレールと、車両用シートに設けられてロアレールにスライド可能に組み付けられるアッパレールと、を有する。各アッパレールは、各ロアレールとの間に設けられた電動式の送りねじ機構の駆動により、各ロアレールに対してスライド動作するようになっている。上記送りねじ機構は、各送りねじが各アッパレール上に取り付けられて設けられ、各送りねじに対して螺動する各ナットが各ロアレールに取り付けられた構成となっている。上記各ナットは、各ロアレールにボルト締結される各ホルダーに対して、クッションゴムを介して弾性支持された状態として取り付けられている。
特許第3646384号公報
上記特許文献1に記載の従来技術では、車両本体から伝わる振動や長尺なレール間で生じやすい撓み変形等の作用によりクッションゴムが撓み過ぎると、クッションゴムが潰れきってしまい、クッションゴムによる十分な弾性支持機能が得られないことがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、車両用シートのスライド装置を動作させる送りねじ機構に、動作を安定化させるスタビライザーブッシュを適切に設けることにある。
上記課題を解決するために、本発明のスライド装置は次の手段をとる。
第1の発明は、フロア上に設けられるロアレールと、車両用シートに設けられてロアレールにスライド可能に組み付けられるアッパレールと、アッパレールをロアレールに対してスライド動作させる送りねじ機構と、を有するスライド装置である。送りねじ機構は、送りねじと、ナットと、弾性体と、スペーサーと、を有する。送りねじは、一方のレールのスライド方向に沿って軸方向が延びるように、一方のレールに支持された状態として設けられる。ナットは、送りねじに螺合され、他方のレールに対してホルダーを介して支持された状態として設けられる。弾性体は、ナットとホルダーとの間に介在して設けられる。スペーサーは、弾性体とホルダーとの間に介在して設けられる。送りねじ機構は、上記ナットを送りねじに対して相対的に螺動させる動きによってアッパレールをロアレールに対してスライド動作させる構成とされている。弾性体は、ナットとスペーサーとに一体成形されており、スペーサーを介してホルダーに組み付けられることによりホルダー等の干渉物に対して特定方向に隙間を有した状態として設けられている。
この第1の発明によれば、ナットとホルダーとの間に弾性体を設けることにより、ナットがホルダーに対して弾性的に支持される。これにより、車両本体からスライド装置に伝わる振動や長尺なレール間で生じやすい撓み変形等の作用が上記弾性体の撓み作用により吸収されるようになる。上記弾性体は、ナットとスペーサーとに一体成形されてスペーサーを介してホルダーに組み付けられる構成とされることにより、ホルダーに対して特定方向に隙間が確保された状態として保たれる。したがって、例えば、弾性体が撓みやすい方向に対しては、スペーサーによりホルダー等の干渉物との間に広い隙間をもたせ、弾性体が撓みにくい方向に対しては、干渉物との間の隙間を狭めるなど、弾性体に一体成形されるスペーサーの形状により弾性体と干渉物との間の隙間を狙いとする寸法に設定しやすくすることができる。または、上記隙間を設定することにより、弾性体を圧縮ではなくせん断方向に負荷を受けるように構成し、特定方向に対する荷重を軟らかく受けるように構成することができる。このように、車両用シートのスライド装置を動作させる送りねじ機構に、動作を安定化させるスタビライザーブッシュ(弾性体)を適切に設けることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成となっているものである。スペーサーは、その弾性体の一部から突出する突出部が、ホルダーに対して径方向或いは軸方向の少なくとも一方に突き当てられた状態として固定される構成である。この突き当て方向が、弾性体とホルダーとの間に隙間が形成される特定方向とされている。
この第2の発明によれば、弾性体の一部から突出するスペーサーの突出部をホルダーに対して突き当てる方向を、隙間の形成方向(特定方向)とすることにより、弾性体とホルダーとの間に、より適切に狙いとする隙間寸法を設定することができる。
第3の発明は、上述した第2の発明において、次の構成となっているものである。弾性体は、ナットの外周と軸方向の両面とをそれぞれ被膜する包囲形状とされている。スペーサーは、弾性体に対して軸方向に貫通して挿通され、弾性体から軸方向の双方に突出した状態として設けられる棒状部材とされている。上記棒状部材とされたスペーサーは、その軸方向に突出した各端部がホルダーに対してそれぞれ軸方向に突き当てられた状態として固定されることにより、弾性体とホルダーとの間に軸方向の隙間が形成されると共に、ナットに掛かる回転方向の負荷により弾性体が回転方向にねじ曲げられる撓み変形が、弾性体の内部に挿通された棒状部材により回転方向に支えられて抑止されるようになっている。
この第3の発明によれば、弾性体に対して軸方向に貫通して設けられるスペーサーにより、弾性体とホルダーとの間に軸方向の隙間が適切に確保されると共に、弾性体がナットに掛かる回転方向の負荷によって回転方向にねじ曲げられる撓み変形が、回転方向に支えられて抑止されるようになる。すなわち、弾性体に上記ねじ曲げられるようなせん断方向の負荷が掛けられると、弾性体単体では撓みやすく弱い弾性支持力しか発揮できないが、上記スペーサーによる回転方向の支えができることで、このようなせん断方向に受けるべき負荷を圧縮方向の負荷として受けることができ、強い弾性支持力が発揮されるようになる。このように、上記弾性体に軸方向に貫通して設けられるスペーサーにより、弾性体の軸方向、半径方向、及び回転方向の各方向に対する弾性支持力を適切に高めることができる。
第4の発明は、上述した第1から第3のいずれかの発明において、スペーサーが弾性体よりも硬質な部材により形成されているものである。
この第4の発明によれば、スペーサーによる弾性体の位置保持をより適切に行うことができる。
実施例1の車両用シートの概略構成を示した斜視図である。 スライド装置の分解斜視図である。 スライド装置の組み付け状態を示した斜視図である。 スライド装置の正面図である。 送りねじ機構の分解斜視図である。 送りねじ機構の組み付け状態を示した斜視図である。 図6のVII-VII線断面図である。 実施例2のスライド装置の分解斜視図である。 送りねじ機構の分解斜視図である。 送りねじ機構の組み付け状態を示した斜視図である。 図10のXI-XI線断面図である。 実施例3のスライド装置の要部拡大斜視図である。 図12のXIII-XIII線断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のスライド装置10の構成について、図1〜図7を用いて説明する。本実施例のスライド装置10は、図1に示すように、車両用シート1とフロアFとの間に左右一対で設けられており、車両用シート1のフロアFに対する位置を前後方向に調節できるようにする構成となっている。ここで、車両用シート1は、自動車の運転席シートとして配設されており、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えて構成されている。シートバック2は、その左右両サイドの下端部が、シートクッション3の左右両サイドの後端部に連結されて支持されている。シートクッション3は、その底面部が、前述した左右一対のスライド装置10を介して、フロアF上に前後スライド可能な状態に連結されて支持されている。
上述した各スライド装置10は、それらの間に配設された電動モータMの駆動により、車両用シート1をフロアFに対して前後方向にスライドさせたり、スライドさせた位置で固定したりするようになっている。以下、各スライド装置10の具体的な構成について図2〜図7を用いて詳しく説明する。なお、各スライド装置10は、互いに左右対称な構成となっており、実質的な構成は同じものとなっているため、以下では、これらを代表して、図1(図3)の紙面向かって右側(着座乗員から見て左側)に示されるスライド装置10の構成を中心に説明することとする。図2に示すように、スライド装置10は、ロアレール11と、アッパレール12と、複数の鋼球13(図4参照)と、送りねじ機構20と、から構成されている。ここで、ロアレール11が本発明の「他方のレール」に相当し、アッパレール12が本発明の「一方のレール」に相当する。
ロアレール11は、車両前後方向に長尺な1枚の鋼板材を短手方向に所々に折り曲げ加工して形成したものであり、フロアF上にボルト締結されて一体的に固定された状態として設けられている。上記ロアレール11は、その横断面形状が長手方向に略一様となるレール形状に形成されている。具体的には、図4に示すように、ロアレール11は、フロアF上に上方側に面を向けて設置される底面部11Aと、底面部11Aの左右両側部から上方側に延びて互いに内向する側に逆U字状に曲げ返される形とされた左右一対のロア側ひれ部11B,11Cと、を有する横断面形状に形成されている。
図2に示すように、アッパレール12は、上述したロアレール11と同様に、車両前後方向に長尺な1枚の鋼板材を短手方向に所々に折り曲げ加工して形成したものである。上記アッパレール12は、上述したロアレール11の長手方向のどちらか一方側の開口端部からロアレール11内に差し込まれることにより、ロアレール11に対して長手方向にスライド可能な状態に組み付けられるようになっている。具体的には、図4に示すように、アッパレール12は、上記ロアレール11の左右のロア側ひれ部11B,11Cの間の隙間11Fを通って高さ方向に形状が延びる左右一対の縦面部12Aと、これら縦面部12Aの上端部間に架け渡される形の上面部12Bと、各縦面部12Aの下端部から互いに相反する外向きにU字状に反り上がるように曲げ返されて延びる形とされた左右一対のアッパ側ひれ部12C,12Dと、を有する横断面形状に形成されている。
上記アッパレール12は、そのU字状に曲げ返された左右のアッパ側ひれ部12C,12Dが、上述したロアレール11の逆U字状に曲げ返された左右のロア側ひれ部11B,11Cの形状内にそれぞれ掛かり合うように、ロアレール11内に差し込まれるようになっている。このように差し込まれることで、アッパレール12は、ロアレール11に対して、上述した左右のアッパ側ひれ部12C,12Dとロア側ひれ部11B,11Cとの掛かり構造によって、ロアレール11の底面部11Aにより下方側から支持されると共に、上方側に外れ止め(剥離防止)された状態として組み付けられている。
なお、本実施例では、上述したアッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12C,12Dの両外側の底部と、ロアレール11の底面部11Aの両外側の角部と、の間に、それぞれ転動体となる複数の鋼球13が介在して設けられている。また、アッパレール12の左右のアッパ側ひれ部12C,12Dの各上部と、ロアレール11の左右のロア側ひれ部11B,11Cの両内側の上角部と、の間にも、それぞれ転動体となる複数の鋼球13が介在して設けられている。これら鋼球13の配設により、アッパレール12は、ロアレール11に対して、上下左右等の各横断面方向にガタ付きを起こすことなく、前後方向にスムーズにスライドすることができるように支えられた状態とされている。
図2に示すように、送りねじ機構20は、丸棒状の送りねじ21と、送りねじ21に電動モータMからの駆動力を伝達するギヤユニット22と、送りねじ21に螺合されて金属製の2枚のホルダー24に取り付けられて支持される金属製のナット23と、ナット23を各ホルダー24に対して弾性支持するように介在するゴムブッシュ25と、ゴムブッシュ25と各ホルダー24との間に介在する金属製筒状の4本のパイプ26と、から構成されている。ここで、ナット23が本発明の「ナット」に相当し、ゴムブッシュ25が本発明の「弾性体」に相当し、パイプ26が本発明の「スペーサー」に相当する。
送りねじ21は、アッパレール12のレール長(前後長)よりは短いが、アッパレール12のレール長に近いねじ軸長さを有して形成されている。上記送りねじ21は、アッパレール12のスライド方向に沿って軸方向が延びるように向けられた状態として、その両端部がL字ブラケット21A,21Bによって軸回転可能に支持された状態として、アッパレール12の上面部12Bの底部に取り付けられた状態とされている。
具体的には、上記送りねじ21は、その前側もしくは後側の端部を、後述するナット23に通して螺合させた後、各L字ブラケット21A,21Bに組み付けられてアッパレール12の上面部12Bの底部に取り付けられた状態とされている。各L字ブラケット21A,21Bは、アッパレール12の上面部12Bの底部にそれぞれボルト締結されて一体的に固定されている。上記連結により、送りねじ21は、アッパレール12のレール形状内に収まる位置に配置されて、アッパレール12により上方側から見えないように被覆された状態として、アッパレール12に取り付けられた状態とされている。
ギヤユニット22は、ウォーム22Aと、ウォームホイール22Bと、ギヤボックス22Cと、から成る。ウォーム22Aは、駆動軸Maを介して電動モータMに動力伝達可能な状態に連結される。ウォームホイール22Bは、ウォーム22Aに対して動力伝達可能な状態に噛合して組み付けられる。ギヤボックス22Cは、ウォーム22Aとウォームホイール22Bとを噛合させた状態に保持する。上述したウォーム22Aとウォームホイール22Bとは、互いの軸方向が直交する向きに配置された状態とされている。ウォーム22Aは、スライド装置10の左右方向に軸方向が向けられた状態とされており、ウォームホイール22Bは、ウォーム22Aの下部に噛合した状態として組み付けられており、スライド装置10のスライド方向(送りねじ21の軸方向)に軸方向が向けられた状態とされている。上記ウォームホイール22Bは、更に、前述した送りねじ21の前端部に一体的に軸連結されており、ウォーム22Aの軸回転により伝達された回動力を送りねじ21に伝達して送りねじ21を軸回転させるようになっている。
ギヤボックス22Cは、アッパレール12の前端上部に部分的に空けられた空所に嵌め込まれるかたちで、アッパレール12に一体的に接合されて組み付けられている。詳しくは、図3に示すように、上記ギヤボックス22Cは、上述した駆動軸Maが挿通されるウォーム22Aの中心部が、ロアレール11のロア側ひれ部11B,11Cの上面高さよりも高い位置で保持されるようにアッパレール12の上部箇所に組み付けられた状態とされている。上記ロアレール11のロア側ひれ部11B,11Cより高い位置に配置されたウォーム22Aに対して、駆動軸Maがアッパレール12の図2に示す左側(シート内側)の側部から挿通されて一体的に軸連結されることで、電動モータMの駆動力が駆動軸Maを介してウォーム22Aへと伝達されるようになる。
図5〜図6に示すように、ナット23は、外周形状が四角形となる角柱状の形となっており、その外周面全体と軸方向の中心孔を残す各面とが、ナット23よりもひとまわり大きな円筒型のゴムブッシュ25によって外周側と軸方向の両側とからそれぞれ被膜されて包囲された構成となっている。上記ゴムブッシュ25は、ナット23に一体成形されて形成されており、その円筒形状の中心部にナット23が埋設されて互いの軸心が同一な状態とされている。
また、上記ゴムブッシュ25内には、その円周方向の4箇所の位置に、金属製筒状のパイプ26がそれぞれ軸方向に貫通して挿通された状態として設けられている。これらパイプ26は、ゴムブッシュ25内におけるナット23の外周側箇所に円周方向に均等配置されて設けられている。詳しくは、各パイプ26は、これらの円周方向の配置点を順に繋いで形成される四角形が、ナット23の外周面により描かれる四角形に対して、円周方向に45度ずれた配置となる箇所にそれぞれ設けられている。これにより、各パイプ26は、外周面が四角形とされたナット23の各外周面と半径方向に対向する位置にそれぞれ配置された状態とされている。上述した各パイプ26は、その軸長がゴムブッシュ25の軸長よりも長く、ゴムブッシュ25に対して軸方向の両側にそれぞれ同じ寸法(図7に示す隙間T1の寸法)ずつ突出した状態として、ゴムブッシュ25に一体成形された状態とされている。
上述したゴムブッシュ25は、その軸方向の各端面から突出する各パイプ26の端部を、それぞれ、L字板により形成された2枚のホルダー24の各縦面部に突き当てて締結することにより、各ホルダー24に対して一体的に取り付けられている。具体的には、各ホルダー24の縦面部には、その中央箇所に、送りねじ21を軸方向に貫通して挿通させられるようにする正円状の中心孔24Aと、中心孔24Aの周囲4箇所に、各パイプ26の端部をあてがえて締結ボルト27Aを差し込んで締結させられるようにする小径のボルト差孔24Bと、が形成されている。
各中心孔24Aは、図7に示すように、送りねじ21の軸径よりもひとまわり大きな形状となっており、各ホルダー24にゴムブッシュ25が取り付けられた状態において、ナット23の中心孔と同軸上の位置に並び、送りねじ21を各ホルダー24に貫通させるようにナット23の中心孔内に軸方向に挿入して螺合させられるようになっている。各ボルト差孔24Bは、上述した各パイプ26の筒孔(内径)と同じ大きさの正円孔形状に形成されている。
上述した各ホルダー24の各ボルト差孔24Bが形成された箇所に対し、各パイプ26の端部をそれぞれ軸方向に突き当てて、各ボルト差孔24Bと各パイプ26の筒孔とを互いに連通させた状態にして、これらに貫通させるように長尺状の締結ボルト27Aをそれぞれ一方側のホルダー24の外側から軸方向に差し込んで、他方側のホルダー24の外側に突き出た先の各端部をそれぞれ締結ナット27Bにより締結することにより、各パイプ26が各ホルダー24の間にそれぞれ軸方向に突き当てられた状態となって一体的に締結されて固定された状態となる。
上記の締結により、軟質なゴムブッシュ25が金属製筒状の硬質な4本のパイプ26を介して各ホルダー24に一体的に取り付けられた状態となる。これにより、ゴムブッシュ25内に包囲されたナット23が、ゴムブッシュ25を介してホルダー24に弾性支持された状態に取り付けられた状態となる。上記ゴムブッシュ25が取り付けられた各ホルダー24は、図6〜図7に示すように、それらの底面部をロアレール11の底面部11A上にそれぞれボルト締結して固定することによりロアレール11に一体的に固定された状態となる。これにより、上記ナット23が各ホルダー24を介してロアレール11に一体的(弾性的)に支持された状態に取り付けられた状態となる。
上記取り付けられた状態では、ゴムブッシュ25から軸方向の双方に突出する各パイプ26の端部が各ホルダー24に軸方向に突き当てられていることにより、ゴムブッシュ25と各ホルダー24との間には、それぞれ、各パイプ26の突出した長さ分の軸方向の隙間T1が形成される。これらの隙間T1により、ゴムブッシュ25は、送りねじ21と各ホルダー24(ロアレール11)との間に軸方向にずらされるように作用する負荷を、送りねじ21と軸方向に一体のナット23と、各ホルダー24(ロアレール11)と軸方向に一体の各パイプ26と、の間で軸方向にずらされるせん断方向の負荷として受けられるようになる。したがって、このようなせん断方向に掛けられる負荷に対しては、ゴムブッシュ25は撓みやすいため、上記の負荷を軟らかく受け止められるようになる。
また、上記の負荷によりゴムブッシュ25が一定以上撓み、ゴムブッシュ25とどちらか一方のホルダー24との間の隙間T1が詰められた状態となると、同側においてナット23の軸方向の面を被膜しているゴムブッシュ25の被膜部分がホルダー24に押し当てられた状態となる。したがって、上記ゴムブッシュ25が一定以上撓んだ後は、上記ゴムブッシュ25のナット23の軸方向の面を被膜する部分が、ナット23とホルダー24との間に介在して押し潰される方向(圧縮方向)の負荷を受けられる状態となる。よって、このような圧縮方向に掛けられる負荷に対しては、ゴムブッシュ25は撓みにくいため、上記の負荷を高い弾性支持力で受け止めて、ゴムブッシュ25の撓み変形を一定範囲内に抑えられるようになる。
また、上記取り付けにより、ゴムブッシュ25は、送りねじ21と各ホルダー24(ロアレール11)との間に半径方向にずらされるように作用する負荷を、送りねじ21と半径方向に一体のナット23と、各ホルダー24(ロアレール11)と半径方向に一体の各パイプ26と、の間で半径方向に押し潰す圧縮方向の負荷として受けられるようになる。したがって、このような圧縮方向に掛けられる負荷に対しては、ゴムブッシュ25は撓みにくいため、上記の負荷を高い弾性支持力で受け止めて、ゴムブッシュ25の撓み変形を一定範囲内に抑えられるようになる。
なお、上記の半径方向に作用する負荷が、各パイプ26の配置間領域に斜めに掛けられる場合においても、ゴムブッシュ25には圧縮方向の負荷が掛けられて、上記の負荷を高い弾性支持力で受け止めて、ゴムブッシュ25の撓み変形を一定範囲内に抑えられるようになっている。すなわち、ゴムブッシュ25は、送りねじ21と各ホルダー24(ロアレール11)との間に上記斜めの半径方向にずらされるように作用する負荷を受けると、送りねじ21と半径方向に一体のナット23が各パイプ26の配置間領域に押し込まれるように力を受け、押し込まれたナット23の外周の2面が、対向する各パイプ26に向かって押圧力をかけて、これらの間でゴムブッシュ25が半径方向に押し潰される圧縮方向の負荷が掛けられるからである。
また、上記取り付けにより、ゴムブッシュ25は、送りねじ21の駆動回転によりナット23と各ホルダー24(ロアレール11)との間に円周方向にずらされるように作用する負荷を、ナット23と、各ホルダー24(ロアレール11)と半径方向に一体の各パイプ26と、の間で半径方向に押し潰す圧縮方向の負荷として受けられるようになっている。すなわち、ゴムブッシュ25は、送りねじ21の駆動回転により円周方向に力を受けたナット23と各ホルダー24(ロアレール11)との間に円周方向の負荷が掛かると、外周面が四角形状のナット23の各外周面がゴムブッシュ25をそれぞれ円周方向に斜めに押圧し、これらの外周側に位置する各パイプ26との間でゴムブッシュ25が押し潰される圧縮方向の負荷が掛けられるからである。したがって、このような圧縮方向に掛けられる負荷に対しては、ゴムブッシュ25は撓みにくいため、上記の負荷を高い弾性支持力で受け止めて、ゴムブッシュ25の撓み変形を一定範囲内に抑えられるようになる。
ここで、ゴムブッシュ25が上記のように円周方向の力に対して高い弾性支持力を発揮できる構成となっていると、その弾発力(反発力)により、ナット23が送りねじ21に噛み込んでしまうことが危惧される。しかし、ナット23と送りねじ21は共に金属製であるため、互いに噛み込みにくくなっており、上記のような問題は起こらないようになっている。以上が、ナット23のロアレール11に対する取付構造となっている。
図3に示すように、上記構成の各スライド装置10は、電動モータMの駆動が止められた状態では、そのブレーキ力により、各アッパレール12の各ロアレール11に対するスライドが止められた状態として保持されている。各スライド装置10は、上記電動モータMが図示しないスイッチの操作によって正転・逆転操作されることにより、その駆動力が各駆動軸Maを介して各送りねじ21に伝えられ、各送りねじ21が各ナット23に対して軸回転する動きに伴って、各アッパレール12が各ロアレール11に対して前方向或いは後ろ方向にスライドするように移動操作されるようになっている。
上記各アッパレール12が各ロアレール11に対して前後方向にスライドすることのできる可動範囲は、各ナット23が各送りねじ21に対して螺動できる範囲となっている。具体的には、各送りねじ21が、各アッパレール12のレール長に近いねじ軸長さを有して形成されていることにより、各ナット23が各送りねじ21上を広い軸方向範囲に亘って螺動することができるようになっており、各アッパレール12は、それらの前端が各ロアレール11の前端を前側に超える位置や、それらの後端が各ロアレール11の後端を後ろ側に超える位置へと、広い範囲に亘って前後方向にスライドすることができるようになっている。
各アッパレール12が各ロアレール11から前側や後ろ側に突き出る位置までスライドして、各ロアレール11の底面部11Aが外部に露呈しても、各送りねじ21が各アッパレール12の下部に取り付けられているため、これら送りねじ21を始めとする各送りねじ機構20の構成部材は、各ロアレール11上には露呈しないようになっている。したがって、各ロアレール11の外部に露呈した部分を着座者が土足で踏むなどして、各ロアレール11内に土や埃等の異物が入り込んでも、各送りねじ機構20の動作機能する部分には異物は付着しないため、各送りねじ機構20の動作に不具合が生じることがない。
このように、本実施例のスライド装置10によれば、ナット23とホルダー24との間に弾性体となるゴムブッシュ25を設けることにより、ナット23がホルダー24に対して弾性的に支持されることとなる。これにより、車両本体からスライド装置10に伝わる振動や長尺なレール11,12間で生じやすい撓み変形等の作用が上記ゴムブッシュ25の撓み作用によって吸収されるようになる。上記ゴムブッシュ25は、ナット23と各パイプ26(スペーサー)とに一体成形されて各パイプ26を介して各ホルダー24に組み付けられる構成とされることにより、各ホルダー24に対して特定方向(軸方向や径方向)に予定した隙間(本実施例では軸方向の隙間T1)が確保された状態として保たれる。
したがって、例えば、本実施例では特に説明してはいないが、ゴムブッシュ25が撓みやすい方向に対しては、各パイプ26によりアッパレール12等の干渉物との干渉を避けるように干渉物との間に広い隙間をもたせ、ゴムブッシュ25が撓みにくい方向に対しては、アッパレール12等の干渉物との間の隙間を狭めるなど、ゴムブッシュ25に一体成形される各パイプ26の形状によりゴムブッシュ25と干渉物との間の隙間を狙いとする寸法に設定しやすくすることができる。または、本実施例で示したように、ゴムブッシュ25と各ホルダー24との間に軸方向の隙間T1を設定することにより、ゴムブッシュ25を圧縮ではなくせん断方向に負荷を受けるように構成し、特定方向(軸方向)に対する荷重を軟らかく受けるように構成することができる。このように、車両用シート1のスライド装置10を動作させる送りねじ機構20に、動作を安定化させるスタビライザーブッシュ(ゴムブッシュ25)を適切に設けることができる。
また、ゴムブッシュ25の一部から突出する各パイプ26の突出部をホルダー24に対して突き当てる方向を、隙間T1の形成方向(特定方向:本実施例では軸方向)とすることにより、ゴムブッシュ25と各ホルダー24との間に、より適切に狙いとする隙間寸法を設定することができる。
また、ゴムブッシュ25は、ナット23の外周と軸方向の両面とをそれぞれ被膜する包囲形状とされている。各パイプ26は、ゴムブッシュ25に対して軸方向に貫通して挿通され、ゴムブッシュ25から軸方向の双方に突出した状態として設けられる棒状部材とされている。上記棒状部材とされた各パイプ26は、その軸方向に突出した各端部が各ホルダー24に対してそれぞれ軸方向に突き当てられた状態として固定されることにより、ゴムブッシュ25と各ホルダー24との間に軸方向の隙間T1が形成されると共に、ナット23に掛かる回転方向の負荷によりゴムブッシュ25が回転方向にねじ曲げられる撓み変形が、ゴムブッシュ25の内部に挿通された各パイプ26により回転方向に支えられて抑止されるようになる。
このように、ゴムブッシュ25に対して軸方向に貫通して設けられる各パイプ26により、ゴムブッシュ25と各ホルダー24との間に軸方向の隙間T1が適切に確保されると共に、ゴムブッシュ25がナット23に掛かる回転方向の負荷によって回転方向にねじ曲げられる撓み変形が、回転方向に支えられて抑止されるようになる。すなわち、ゴムブッシュ25に上記ねじ曲げられるようなせん断方向の負荷が掛けられると、ゴムブッシュ25単体では撓みやすく弱い弾性支持力しか発揮できないが、上記各パイプ26による回転方向の支えができることで、このようなせん断方向にかかるべき負荷を圧縮方向の負荷として受けることができ、強い弾性支持力が発揮されるようになる。このように、上記ゴムブッシュ25に軸方向に貫通して設けられる各パイプ26により、ゴムブッシュ25の軸方向、半径方向、及び回転方向の各方向に対する弾性支持力を適切に高めることができる。また、各パイプ26がゴムブッシュ25よりも硬質な部材により形成されていることにより、各パイプ26によるゴムブッシュ25の位置保持や負荷の受け止めをより適切に行うことができる。
なお、上記パイプ26の設定数や設定箇所を変えることにより、ゴムブッシュ25の軸方向、半径方向、及び回転方向の各弾性支持力を種々に変更することができる。例えば、パイプ26を、ゴムブッシュ25における左右2箇所にのみ設定する水平方向配置とすることにより、ゴムブッシュ25を高さ方向に撓ませやすくすることができる。すなわち、高さ方向に掛かる荷重によってゴムブッシュ25にせん断方向の負荷が主として掛かるようにすることができる。したがって、前後方向に長尺な各レール11,12間で生じやすい、高さ方向の相対変位量を、ゴムブッシュ25の高さ方向の撓み変形によって吸収させやすくすることができる。
また、パイプ26を、ゴムブッシュ25における上下2箇所にのみ設定する垂直方向配置とすることにより、ゴムブッシュ25を水平方向に撓ませやすくすることができる。すなわち、水平方向に掛かる荷重によってゴムブッシュ25にせん断方向の負荷が主として掛かるようにすることができる。したがって、各レール11,12間で生じる水平方向の相対変位量を、ゴムブッシュ25の水平方向の撓み変形によって吸収させやすくすることができる。このように、パイプ26の設定数や設定箇所の適宜選択により、ゴムブッシュ25の狙いとする方向に対しての撓みやすさを適宜簡便に調節することができる。パイプ26の設定数を増やすことによりゴムブッシュ25の弾性支持力を高められることは言うまでもない。
続いて、実施例2のスライド装置10の構成について、図8〜図11を用いて説明する。なお、本実施例では、実施例1で説明したスライド装置10と実質的な構成及び作用が同じとなる箇所については、これらと同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所について詳しく説明することとする。本実施例のスライド装置10は、図8〜図10に示すように、内部にナット23が一体に加硫接着された円筒型のゴムブッシュ25を取り付ける金属製のホルダー24が、ゴムブッシュ25を下方側から圧入して一体的に嵌合させられるように構成された半円筒型の容器形状となっている。ここで、ナット23が本発明の「ナット」に相当し、ゴムブッシュ25が本発明の「弾性体」に相当する。
また、本実施例では、ナット23は、外周形状が正円形状となる円柱型の形となっており、その外周面全体と軸方向の中心孔を残す各面とが、ナット23よりもひとまわり大きな円筒型のゴムブッシュ25によって外周側と軸方向の両側とからそれぞれ被膜されて包囲された構成となっている。上記ゴムブッシュ25は、ナット23に一体に加硫接着されており、その円筒形状の中心部にナット23が埋設されて互いの軸心が同一な状態とされている。
上記ゴムブッシュ25には、その軸方向の両端部に、中央に送りねじ21を通せる大きさの孔の空いた金属製の円板形状のカバー28が一体的に接合されている。ここで、各カバー28がそれぞれ本発明の「スペーサー」に相当する。上記各カバー28は、図11に示すように、ゴムブッシュ25(及びナット23)と互いの軸心が同一となるようにゴムブッシュ25の軸方向の各面にあてがえられて加硫接着により一体的に面接合された状態とされている。これら各カバー28の円板形状の外径は、ゴムブッシュ25の円筒形状の外径よりも大きく、かつ、上述した半円筒型のホルダー24の内径とほぼ同径であり、ホルダー24内に「しまりばめ」の寸法関係で圧入により内側面に強く押し付けられた状態として一体的に強嵌合される構成となっている。詳しくは、上述した各カバー28の外周部は、互いに内向する軸方向側にフランジ状に円筒型の面が張り出した形状となっており、ホルダー24の内周面に広く面当接した状態としてあてがえられるようになっている。
したがって、ゴムブッシュ25は、上記各カバー28を介したホルダー24への組み付けにより、ホルダー24との間に各カバー28がゴムブッシュ25から半径方向に張り出す(突出する)長さ分の隙間T2が半径方向に形成された状態としてホルダー24に取り付けられた状態となる。この隙間T2は、上記各カバー28がホルダー24内に嵌合されて組み付けられる高精度な位置決め固定構造により、ゴムブッシュ25が半円筒型のホルダー24によって囲われる円周方向の全域に亘って確保されるようになっている。上記ゴムブッシュ25が取り付けられたホルダー24は、図10〜図11に示すように、それらの底面部をロアレール11の底面部11A上にそれぞれボルト締結して固定することによりロアレール11に一体的に固定された状態となる。これにより、上記ナット23がホルダー24を介してロアレール11に一体的(弾性的)に支持された状態に取り付けられた状態となる。
上記取り付けられた状態では、ゴムブッシュ25から半径方向の外側に突出する各カバー28の周縁部が、ホルダー24の内周面に突き当てられていることにより、ゴムブッシュ25とホルダー24との間には、各カバー28の突出した長さ分の隙間T2が形成されている。この隙間T2により、ゴムブッシュ25は、送りねじ21とホルダー24(ロアレール11)との間に半径方向にずらされるように作用する負荷を、送りねじ21と半径方向に一体のナット23と、ホルダー24(ロアレール11)と半径方向に一体の各カバー28と、の間で半径方向にずらされるせん断方向の負荷として受けられるようになっている。したがって、このようなせん断方向に掛けられる負荷に対しては、ゴムブッシュ25は撓みやすいため、上記の負荷を軟らかく受け止められるようになる。
また、上記取り付けにより、ゴムブッシュ25は、送りねじ21とホルダー24(ロアレール11)との間に軸方向にずらされるように作用する負荷を、送りねじ21と軸方向に一体のナット23と、ホルダー24(ロアレール11)と軸方向に一体の各カバー28と、の間で軸方向に押し潰す圧縮方向の負荷として受けられるようになっている。したがって、このような圧縮方向に掛けられる負荷に対しては、ゴムブッシュ25は撓みにくいため、上記の負荷を高い弾性支持力で受け止めて、ゴムブッシュ25の撓み変形を一定範囲内に抑えられるようになる。
このように、本実施例のスライド装置10によれば、ゴムブッシュ25は、ナット23と各カバー28(スペーサー)とに一体に加硫接着されて各カバー28を介してホルダー24に組み付けられる構成とされることにより、ホルダー24に対して特定方向(半径方向)に予定した隙間T2が確保された状態として保たれる。また、上記のように容器型(半円筒型)のホルダー24内にゴムブッシュ25を一体に接着させた状態に組み付けるような組み付け性の悪い構造に対して、ゴムブッシュ25に予めカバー28を一体に接着しておき、各カバー28をホルダー24内に圧入嵌合させて組み付ける構成とすることにより、簡単な組み付け作業によって高精度な位置決めが行える構成とすることができる。
なお、上記各カバー28をホルダー24内に押し込んで組み付けるだけでは、これらの結合力が十分に得られない場合には、各カバー28とホルダー24との間に軸方向に嵌まり合う凹凸の嵌合形状を設けてもよい。これにより、各カバー28をホルダー24内に押し込んで互いの凹凸形状を嵌合させた状態に組み付けることにより、両者を径方向にも回転方向にも強固に結合した状態にすることができる。もしくは、ホルダー24の一部に貫通孔を設けておき、各カバー28を組み込んだ後に、貫通孔を通じて両者を接着させて両者の結合力を高めるようにしてもよい。
続いて、実施例3のスライド装置10の構成について、図12〜図13を用いて説明する。本実施例のスライド装置10は、実施例2で説明したゴムブッシュ25(弾性体)の形状が、円柱形状のナット23の軸方向の中心孔を残す各面のみを被膜する構成となっているものである。それ以外の構成は、実施例2で説明した構成と同じである。ゴムブッシュ25をこのような形状としたものであっても、ゴムブッシュ25を、各カバー28(スペーサー)を介してホルダー24に組み付ける構成とすることで、ホルダー24に対して特定方向(半径方向)に予定した隙間T2を確保することのできる構成とすることができる。そして、容器型(半円筒型)のホルダー24内にゴムブッシュ25を一体接着させた状態に組み付けるような組み付け性の悪い構造に対して、ゴムブッシュ25に予めカバー28を一体に接着(加硫接着)しておき、各カバー28をホルダー24内に圧入嵌合させて組み付ける構成とすることで、簡単な組み付け作業によって高精度な位置決めが行える構成とすることができる。
以上、本発明の実施形態を3つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。例えば、スライド装置10は、車両用シートとフロアとの間に、幅広なものが1つ、もしくは所定幅のものが3つ以上並べられて配設されるものであってもよい。また、上記各実施例では、本発明の「送りねじ」が設けられる「一方のレール」をアッパレール12とし、本発明の「ナット」が設けられる「他方のレール」をロアレール11としたものを例示したが、それぞれ組み付けられるレールが逆であってもよい。
また、上記各実施例では、本発明の「弾性体」に相当するものとしてゴムブッシュ25を例示したが、弾性体として周知な他の樹脂材やエラストマー等の弾性部材を適用してもよい。また、本発明の「スペーサー」は、上記各実施例で示した形状のものに限定されず、弾性体とホルダーとの間に介在して設けられることで、弾性体とホルダーとの間に特定方向の隙間を形成するものであれば、種々の形態のものを適用することができるものである。また、上記各実施例では、本発明の「スペーサー」が「ホルダー」に突き当てられる方向が「隙間」の形成される「特定方向」とされたものを例示したが、「スペーサー」を突き当てる方向とは垂直な方向を、「隙間」の形成される「特定方向」とする構成であってもよい。また、上記各実施例では、ナットが金属製とされたものを例示したが、樹脂製であってもよい。スペーサーやホルダーも同様である。但し、ナットやスペーサーやホルダーに適用される材料は、弾性体よりも硬質である方が良い。
また、スライド装置が車両用シートとフロアとの間に複数設けられるものにおいて、送りねじ機構は、全てのスライド装置に設けられていなくてもよい。但し、スライド装置を動作させる駆動力が、車両用シートとフロアとの間に左右均等に作用するように構成された方が、スライド動作に突っ掛かりがなくなり、スライド動作をスムーズに行わせることができる。また、スライド装置は、車両用シートをフロアに対してシート幅方向にスライドさせるように配設されていてもよい。また、アッパレールとロアレールのレール長の長さ関係は、どちらが長く形成されていても構わない。
また、上記実施例では、スライド装置10において、アッパレール12をロアレール11に対して円滑にスライドさせられるように、両者の間に転動体となる鋼球13を介在させた構成を例示したが、転動体としてローラを用いても良く、また、転動体に代えて摺動性が良好な樹脂シューを介在させたものであってもよい。また、送りねじ機構の送り動作は、手動操作により行われるものであってもよい。
また、上記各実施例では、送りねじを軸回転駆動させる構成とし、ナットを固定支持した構成としたものを例示したが、送りねじを固定支持し、ナットを軸回転駆動させる構成としてもよい。具体的には、ナットを軸回転駆動させる構成としては、弾性体を介してナットを支持するホルダー自体を、例えばギヤ機構等の動力伝達機構を介して軸回転駆動させるようにしてナットを軸回転駆動させる構成が挙げられる。
また、上記実施例1では、本発明の「スペーサー」に相当する各パイプ26の各端部を、各ホルダー24に対して、締結ボルト27Aと締結ナット27Bとによって締結して結合した構成を例示したが、各ホルダー24の各パイプ26の端部があてがえられる部分に凹みを形成して、各パイプ26をこれらホルダー24に形成した凹み内に嵌合させることで、これらを前述した隙間T1(図7参照)を確保した状態に結合する構成としたものであってもよい。
1 車両用シート
2 シートバック
3 シートクッション
10 スライド装置
11 ロアレール(他方のレール)
11A 底面部
11B ロア側ひれ部
11C ロア側ひれ部
11F 隙間
12 アッパレール(一方のレール)
12A 縦面部
12B 上面部
12C アッパ側ひれ部
12D アッパ側ひれ部
13 鋼球
20 送りねじ機構
21 送りねじ
21A L字ブラケット
21B L字ブラケット
22 ギヤユニット
22A ウォーム
22B ウォームホイール
22C ギヤボックス
23 ナット(ナット)
24 ホルダー
24A 中心孔
24B ボルト差孔
25 ゴムブッシュ(弾性体)
26 パイプ(スペーサー)
27A 締結ボルト
27B 締結ナット
28 カバー(スペーサー)
M 電動モータ
Ma 駆動軸
F フロア
T1 隙間
T2 隙間

Claims (4)

  1. フロア上に設けられるロアレールと、車両用シートに設けられて前記ロアレールにスライド可能に組み付けられるアッパレールと、該アッパレールを前記ロアレールに対してスライド動作させる送りねじ機構と、を有するスライド装置であって、
    前記送りねじ機構は、
    一方のレールのスライド方向に沿って軸方向が延びるように前記一方のレールに支持された状態として設けられる送りねじと、
    該送りねじに螺合され、他方のレールに対してホルダーを介して支持された状態として設けられるナットと、
    該ナットと前記ホルダーとの間に介在して設けられる弾性体と、
    該弾性体と前記ホルダーとの間に介在して設けられるスペーサーと、
    を有し、前記ナットを前記送りねじに対して相対的に螺動させる動きによって前記アッパレールを前記ロアレールに対してスライド動作させる構成とされ、
    前記弾性体は、前記ナットと前記スペーサーとに一体成形されており、前記スペーサーを介して前記ホルダーに組み付けられることにより前記ホルダー等の干渉物に対して特定方向に隙間を有した状態として設けられていることを特徴とするスライド装置。
  2. 請求項1に記載のスライド装置であって、
    前記スペーサーは、その前記弾性体の一部から突出する突出部が、前記ホルダーに対して径方向或いは軸方向の少なくとも一方に突き当てられた状態として固定される構成であり、当該突き当て方向が前記弾性体と前記ホルダーとの間に前記隙間が形成される前記特定方向とされていることを特徴とするスライド装置。
  3. 請求項2に記載のスライド装置であって、
    前記弾性体は、前記ナットの外周と軸方向の両面とをそれぞれ被膜する包囲形状とされ、前記スペーサーは、前記弾性体に対して軸方向に貫通して挿通されて当該弾性体から軸方向の双方に突出した状態として設けられる棒状部材とされ、当該棒状部材の軸方向に突出した各端部が前記ホルダーに対してそれぞれ軸方向に突き当てられた状態として固定されることにより、前記弾性体と前記ホルダーとの間に軸方向の前記隙間が形成されると共に、前記ナットに掛かる回転方向の負荷により前記弾性体が回転方向にねじ曲げられる撓み変形が前記弾性体の内部に挿通された前記棒状部材により回転方向に支えられて抑止されるようになっていることを特徴とするスライド装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のスライド装置であって、
    前記スペーサーが前記弾性体よりも硬質な部材により形成されていることを特徴とするスライド装置。
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