JP2013220738A - 自動車の車体前部構造 - Google Patents

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奈歩 藤井
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Abstract

【課題】フロントサイドフレームとロアメンバとの連結構造の性能が溶接性能の影響を受けることがなく、上下オフセットのフルラップ衝突やナローオフセット衝突でも、衝突荷重の伝達、反力発生がフロントサイドフレームとロアメンバとの双方で的確に行われるようにして衝突性能の更なる向上を図ること。
【解決手段】ロアメンバ16が車体側面より見てフロントサイドフレーム18を上下に横切る部位に、フロントサイドフレーム18とロアメンバ16の双方を車幅方向に一直線上に貫通し、且つフロントサイドフレーム18とロアメンバ16とに固定された結合メンバ40を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の車体前部構造に関し、更に詳細にはフロントサイドフレームとロアメンバとが連結構造によって連結された型式の車体前部構造に関する。
従来例1の自動車の車体前部構造として、車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームより車幅方向外側にあって上端をフロントピラーに接続され当該接続部より車体前下方に延在する左右のロアメンバとを有し、左右同士のフロントサイドフレームとロアメンバとが結合メンバによって互いに連結されたものが知られている(例えば、特許文献1、2)。
結合メンバは、フルラップ衝突やオフセット衝突によりフロントサイドフレームとロアメンバとの一方に入力された衝突荷重を他方に伝達し、衝突荷重の伝達、反力発生をフロントサイドフレームとロアメンバとの双方で行われるようにし、衝突性能の向上を図るものである。
結合メンバは、板状のもの、溝形断面形状のものなど種々あり、何れも、端部をフロントサイドフレーム及びロアメンバの外壁に突き合わせ溶接やすみ肉溶接等によって接合されている。
従来例2の自動車の車体前部構造として、丸形パイプによる結合メンバの一端側がフロントサイドフレームの車幅方向に貫通し、貫通状態でフロントサイドフレームにすみ肉溶接され、他端が折曲形成されたブラットによってフロントアッパメンバ(ロアメンバ)の外壁に突き合わせ溶接やすみ肉溶接されることにより、結合メンバによってフロントサイドフレームとロアメンバとを互いに連結したものが知られている(例えば、特許文献3)。
特許第3599327号公報 特開2010−18082号公報 特許第4091499号公報
従来例1の車体前部構造では、結合メンバの端部がフロントサイドフレーム及びロアメンバの外壁に突き合わせ溶接やすみ肉溶接等によって接合されているため、結合メンバによるフロントサイドフレームとロアメンバとの連結構造の性能(機械的強度)が溶接性能の影響を受け、結合メンバとフロントサイドフレーム及びロアメンバとの接合部の引張方向及び剪断方向の結合強度を高めることに限界がある。
従来例2の車体前部構造では、結合メンバとフロントサイドフレームとの結合は、結合メンバがフロントサイドフレームを貫通しているので、この結合部の引張強度及び剪断強度は結合メンバとフロントサイドフレームとの溶接性能の影響を受けないが、結合メンバとロアメンバとの結合は、ロアメンバの外壁に対する突き合わせ溶接やすみ肉溶接によるので、この結合部の引張強度及び剪断強度は結合メンバとフロントサイドフレームとの溶接性能の影響を受け、結合メンバとロアメンバとの接合部の引張方向及び剪断方向の結合強度を高めることに限界がある。
このため、フロントサイドフレームの車体前側に取り付けられるフロントバンバビームの高さ違いの上下オフセットのフルラップ衝突や、フロントサイドフレームより車幅方向外側に衝突するナローオフセット衝突に対して更なる衝突性能の向上を図ることが難しい。
本発明が解決しようとする課題は、結合メンバによるフロントサイドフレームとロアメンバとの連結構造の性能が溶接性能の影響を受けることがなく、上下オフセットのフルラップ衝突やナローオフセット衝突でも、衝突荷重の伝達、反力発生がフロントサイドフレームとロアメンバとの双方で的確に行われるようにして衝突性能の更なる向上を図ることである。
本発明による自動車の車体前部構造は、車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレーム(18)と、前記フロントサイドフレーム(18)より車幅方向外側にあって上端をフロントピラー(10)に接合され当該接合部より車体前下方に延在する左右のロアメンバ(16)と、左右同士の前記フロントサイドフレーム(18)と前記ロアメンバ(16)とを連結する連結構造とを含む自動車の車体前部構造であって、前記ロアメンバ(16)は車体側面より見て前記フロントサイドフレーム(18)を上下に横切って延在し、当該横切り部位において前記フロントサイドフレーム(18)と前記ロアメンバ(16)の双方を車幅方向に一直線上に貫通し、且つ前記フロントサイドフレーム(18)と前記ロアメンバ(16)とに固定された結合メンバ(40)が設けられている。
この構成によれば、結合メンバ(40)が、フロントサイドフレーム(18)及びロアメンバ(16)を車幅方向に貫通することにより、溶接によらずにフロントサイドフレーム(18)及びロアメンバ(16)に対して結合されるから、結合メンバ(40)とフロントサイドフレーム(18)との引張方向(曲げ方向)及び剪断方向の結合と、結合メンバ(40)とロアメンバ(16)との引張方向及び剪断方向の結合とは、溶接性能の影響を受けることなく高い結合強度をもって行われる。
本発明による自動車の車体前部構造は、好ましくは、前記結合メンバ(40)は、前記フロントサイドフレーム(18)と前記ロアメンバ(16)との各々に締結具(46、48、50、52)によって固定されている。
この構成によれば、結合メンバ(40)とフロントサイドフレーム(18)及びロアメンバ(16)との車幅方向の固定が、各々、締結具(46、48、50、52)によって行われるから、車幅方向の固定に関しても溶接性能の影響を受けることがなく、その固定強度に個体差が生じることがない。
本発明による自動車の車体前部構造は、好ましくは、前記ロアメンバ(16)は、上端をフロントピラー(10)に接合された上側メンバ(16U)と、前記上側メンバ(16U)の先端に嵌合長調節可能に嵌合する下側メンバ(16L)とにより構成され、前記下側メンバ(16)に前記結合メンバ(40)の貫通部及び固定部が形成されている。
この構成によれば、結合メンバ(40)がフロントサイドフレーム(18)とロアメンバ(16)の両方を車幅方向に一直線上に貫通する構成でも、上側メンバ(16U)に対する下側メンバ(16L)の嵌合長調節によって、フロントサイドフレーム(18)やロアメンバ(16)の組付誤差や部品誤差に拘わらず心合わせて状態で結合メンバ(40)を適正に取り付けることができる。
本発明による自動車の車体前部構造は、好ましくは、前記フロントサイドフレーム(18)と前記ロアメンバ(16)とは、各々、箱形断面形状をしていて車幅方向内側の側壁と車幅方向外側の側壁とに車幅方向に一直線上に貫通する貫通孔(34、38)が形成されており、前記結合メンバ(40)は、前記フロントサイドフレーム(18)および前記ロアメンバ(16)の貫通孔(34、36)に挿入されるパイプ部(42)と、前記パイプ部(42)の一端に設けられて前記フロントサイドフレーム(18)の車幅方向内側の側壁に接合するフランジ部(44)とを有し、前記フランジ部(44)と前記フロントサイドフレーム(18)の前記側壁とを車幅方向に貫通する第1のボルト(48)によって前記フロントサイドフレーム(18)に固定され、前記パイプ部(42)が前記ロアメンバ(16)を車幅方向に貫通する部分と前記ロアメンバ(16)とを車体前後に貫通する第2のボルト(52)によって前記ロアメンバ(16)に固定されている。
この構成によれば、結合メンバ(40)とフロントサイドフレーム(18)及びロアメンバ(16)との車幅方向の固定が、各々、第1のボルト(48)と第2ボルト(52)によって行われるから、車幅方向の固定に関しても溶接性能の影響を受けることがなく、その固定強度に個体差が生じることがない。
本発明による自動車の車体前部構造は、好ましくは、更に、前記フロントサイドフレーム(18)内にあって両端にて車幅方向内側の前記側壁と車幅方向外側の前記側壁とに当接し、前記パイプ部(42)が貫通する第1の内部カラー(62)が設けられている。
この構成によれば、第1の内部カラー(62)によってパイプ部(42)が貫通する部分のフロントサイドフレーム(18)の強度が増し、パイプ部(42)とフロントサイドフレーム(18)との結合関係がより強固なものになる。
本発明による自動車の車体前部構造は、好ましくは、更に、前記パイプ部(42)内にあってパイプ部(42)内を径方向に延在して両端にてパイプ部内壁に当接し、前記第2のボルト(52)が貫通する第2の内部カラー(66)が設けられている。
この構成によれば、パイプ用内部カラー(66)によってパイプ固定ボルト(52)が貫通する部分のパイプ部(42)の強度が増し、パイプ部(42)とロアメンバ(16)との結合関係がより強固なものになる
本発明による自動車の車体前部構造は、好ましくは、前記フロントサイドフレーム(18)は、箱形断面形をしていて前記結合メンバ(40)の固定部より車体後方において車体前側より後側に向かうに従って車幅方向内側に傾斜した傾斜部(18A)によってオフセット部(18B)を有し、前記当該傾斜部(18A)の内部に車幅方向内側の側壁と車幅方向外側の側壁とに結合されて車体前後方向に延在する内部スチフナ(60)が溶接されている。
この構成によれば、フロントサイドフレーム(18)がオフセット部(18B)を有する屈曲形状であっても車幅方向内側の側壁と車幅方向外側の側壁との間に衝突荷重が内部スチフナ(60)によって車体後方へ直線的に伝達されるようになる。
本発明による自動車の車体前部構造によれば、結合メンバが、フロントサイドフレーム及びロアメンバを車幅方向に貫通することにより、溶接によらずにフロントサイドフレーム及びロアメンバに対して結合されるから、結合メンバとフロントサイドフレームとの引張方向(曲げ方向)及び剪断方向の結合と、結合メンバとロアメンバとの引張方向及び剪断方向の結合とは、溶接性能の影響を受けることなく高い結合強度をもって行われるようになる。
本発明による自動車の車体前部構造の一つの実施形態を示す車体前部の斜視図。 本実施形態による車体前部構造の要部の斜視図。 本実施形態による車体前部構造の要部の平断面図(図2のIII−III断面相当)。 本実施形態による車体前部構造における各種衝突時の荷重入力状態を示す斜視図。 本発明による自動車の車体前部構造の他の実施形態の要部を示す平断面図(図2のIII−III断面相当)。時の衝突荷重の伝達経路を示す平面図。 本発明による自動車の車体前部構造の他の実施形態の要部を示す斜視図。 本発明による自動車の車体前部構造の他の実施形態の要部を示す一部断面平明図。
以下に、本発明による自動車の車体前部構造の実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。なお、車体前部構造は概ね左右対称であり、クロスメンバ等を除く他の車体構成部材は、特にことわりがない限り、左右一対に存在する。各構成部材は、各々所要の強度を有する鋼材等の金属材料により構成されている。各構成部材の接合は、特にことわりがない限り溶接により行われている。
図1に示されているように、自動車の車体前部は、左右のフロントピラー部10と、フロントピラー部10の上端に接合して車体前後方向に延在する左右のルーフサイドレール部12と、フロントピラー部10の下端に接合して車体前後方向に延在する左右のサイドシル部14と、上端をフロントピラー部10の上下中間部に接合され当該接合より車体前下方に延在する左右のロアメンバ16と、車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレーム18を有する。これらはすべて箱形の閉断面形状に構成されている。
左右のルーフサイドレール部12には車幅方向に延在するフロントルーフメンバ20の左右の端部が接合されている。左右のフロントピラー部10の上下中間部には車幅方向に延在するダッシュボードアッパメンバ22の左右の端部が接合されている。フロントルーフメンバ20と左右のルーフサイドレール部12とダッシュボードアッパメンバ22とによりフロントウィンドの開口が画定される。
フロントサイドフレーム18は、車体下部メンバであり、ダッシュボードアッパメンバ22の下部に設けられているダッシュボードロアメンバ24の下方を潜って後端を図示省略の左右のフロアフレームの前端に接合され、前端に左右のバンパビームエクステンション部材26を取り付けられている。左右のバンパビームエクステンション部材26には車幅方向に延在するバンパビーム28の左右の端部が接合されている。
バンパビームエクステンション部材26は前部衝突時のクラッシュメンバであり、フロントサイドフレーム18やバンパビーム28より低剛性、低強度で、所定値以上の前部衝突荷重を受けると圧縮変形(圧壊)するものである。
ロアメンバ16はフロントサイドフレーム18より車幅方向外側にあってフロントタイハウスやサイドフェンダの骨格をなすものである。ロアメンバ16は、フロントピラー部10に接合されるものと、これより車体前方且つ下方に延在するものとの接合体により構成されることがあり、前者をアッパメンバ、後者をロアメンバと呼ばれることがあるが、本明細書では、その全体を総括してロアメンバと呼ぶ。ロアメンバ16の車幅方向内側には左右のフロントダンパハウジング30が接合されている。
ロアメンバ16は車体側面より見てフロントサイドフレーム18の前端近傍を上下に横切って延在している。これにより、ロアメンバ16の下端(先端)はフロントサイドフレーム18の前端側の配置位置より下方に位置している。左右のロアメンバ16の下端には車幅方向に延在するフロントバルクヘッドロアクロスメンバ32の左右の端部が接合されている。
本実施形態による車体前部構造の要部を、図2〜図4を参照して説明する。
ロアメンバ16とフロントサイドフレーム18は、各々、略コ字断面(溝形断面)のチャンネル部材16A、18Aと、チャンネル部材16A、18Aの溝開口を閉じるようにチャンネル部材16A、18Aに接合された平板状のプレート部材16B、18Bとによって箱形断面形状(閉断面形状)をなしている。
ロアメンバ16のプレート部材16Bは車幅方向内側にあり、フロントサイドフレーム18のプレート部材18Bは車幅方向外側にあり、車体側面より見てロアメンバ16がフロントサイドフレーム18を上下に横切る横切り部位においては、これらプレート部材16B、18Bが車幅方向に所定間隔をおいて平行に相対向する側面部(側壁)をなしている。
フロントサイドフレーム18がロアメンバ16を横切る部位には貫通孔34が形成されている。ロアメンバ16がフロントサイドフレーム18を横切る部位には貫通孔36が形成されている。貫通孔34は、フロントサイドフレーム18のチャンネル部材18Aの底部、つまりフロントサイドフレーム18の車幅方向内側の側壁と、プレート部材18B、つまりフロントサイドフレーム18の車幅方向外側の側壁とに貫通形成されている。貫通孔36は、ロアメンバ16のチャンネル部材16Aの底部、ロアメンバ16の車幅方向外側の側壁と、プレート部材16B、つまりロアメンバ16の車幅方向内側の側壁と貫通形成されている。これら貫通孔34、36は、すべて車幅方向に一直線上にある。貫通孔34、36はボルト通し孔のための丸孔である。貫通孔34、36の各々の周縁には孔部補強のためにバーニング加工による立ち上がり部38が形成されていることが好ましい。
貫通孔34、36には一本の結合メンバ40が挿入されている。結合メンバ40は、すべての貫通孔34、36に挿入されてフロントサイドフレーム18とロアメンバ16の双方を車幅方向に一直線上に貫通する円筒形状のパイプ部42と、パイプ部42の車幅方向内側の端部にへら絞り加工等によって一体成形されたフランジ部44とを有する。
フランジ部44はフロントサイドフレーム18の車幅方向内側の側壁、つまり、チャンネル部材18Aの底部外側面に接合している。フランジ部44およびチャンネル部材18Aにはボルト通し孔44A、18Cが車幅方向に貫通形成されている。チャンネル部材18Aの底部内側面のボルト通し孔18Cに整合する位置にはナット46が溶接されている。
ボルト通し孔44A、18Cにはフランジ固定ボルト(第1のボルト)48が挿入されている。フランジ固定ボルト48はナット46に螺合している。このフランジ固定ボルト48の締結によりフランジ部44がフロントサイドフレーム18に固定されている。なお、フランジ固定ボルト48は、図示実施例では、パイプ部42を挟んだ前後2箇所に設けられているが、パイプ部42を挟んだ上下2箇所に設けられても、その双方に設けられてもよい。
ロアメンバ16のチャンネル部材16Aの車体前後方向の前壁及び後壁とパイプ部42がロアメンバ16を車幅方向に貫通する部分には、ボルト通し孔16C、16D、42Aが車体前後方向に貫通形成されている。チャンネル部材16Aの後壁外側面のボルト通し孔16Dに整合する位置にはナット50が溶接されている。ボルト通し孔16C、16D、42Aにはパイプ固定ボルト(第2のボルト)52が挿入されている。パイプ固定ボルト52はナット50に螺合している。このパイプ固定ボルト52の締結によりパイプ部42がロアメンバ16に固定されている。なお、パイプ固定ボルト52は、図示実施例では、パイプ部42の軸線方向2箇に設けられているが、パイプ固定ボルト52の個数は2個に限られることはない。
このようにして結合メンバ40はフロントサイドフレーム18とロアメンバ16の双方を車幅方向に一直線上に貫通してフロントサイドフレーム18とロアメンバ16とを互いに剛固に連結している。
上述の連結構造によれば、結合メンバ40は、フロントサイドフレーム18及びロアメンバ16を車幅方向に貫通することにより、溶接によらずにフロントサイドフレーム18及びロアメンバ16に対して結合される。これにより、結合メンバ40とフロントサイドフレーム18との引張方向(曲げ方向)及び剪断方向の結合と、結合メンバ40とロアメンバ16との引張方向及び剪断方向の結合とは、溶接性能の影響を受けることなく、つまり個体差を生じることなく高い結合強度をもって行われる。
これにより、結合メンバ40によるフロントサイドフレーム18とロアメンバ16との間の衝突荷重の伝達が良好に行われ、上下オフセットのフルラップ衝突やナローオフセット衝突でも、車体後方への衝突荷重の伝達、反力発生がフロントサイドフレーム18とロアメンバ16との双方で的確に行われるようになる。これにより前部衝突性能が向上する。
図4に示されているように、バンパビームの地上高が自車と同一の相手車両との衝突によって衝突荷重F1がバンパビーム28に入力されると、バンパビームエクステンション部材26が潰れ、フロントサイドフレーム18の前端に入力された衝突荷重はフロントサイドフレーム18を変形させつつ車体後方へ後退させる。この際、結合メンバ40がフロントサイドフレーム18及びロアメンバ16を車幅方向に貫通していて溶接によらない結合でるから、結合メンバ40がフロントサイドフレーム18やロアメンバ16から剥離することがなく、フロントサイドフレーム18の変形に従って、結合メンバ40が引張荷重(曲げ荷重)を受けつつ結合メンバ40を荷重伝達経路としてロアメンバ16が追従する。これにより、衝突荷重F1に対してフロントサイドフレーム18とロアメンバ16との両部材によって全体として十分な反力を発生できる。
また、図4に示されているように、バンパビームの地上高が自車より高い相手車両との衝突によって衝突荷重F2がロアメンバ16に入力されると、結合メンバ40に引張荷重(曲げ荷重)が作用する。この際、結合メンバ40がフロントサイドフレーム18及びロアメンバ16を車幅方向に貫通していて溶接によらない結合であるから、結合メンバ40がフロントサイドフレーム18やロアメンバ16から剥離することがなく、フロントサイドフレーム18とロアメンバ16との連結状態が維持され、ロアメンバ16の変形にフロントサイドフレーム18が追従する。これにより、衝突荷重F2に対してもフロントサイドフレーム18とロアメンバ16との両部材によって全体として十分な反力を発生できる。この動作はナローオフセット衝突時も同様である。
また、図4に示されているように、路上のポール等に自車の結合メンバ40によるフロントサイドフレーム18とロアメンバ16との連結部が衝突すると、当該連結部に衝突荷重F3に入力される。この際、結合メンバ40がフロントサイドフレーム18及びロアメンバ16を車幅方向に貫通していて溶接によらない結合であるから、結合メンバ40がフロントサイドフレーム18やロアメンバ16から剥離することがなく、結合メンバ40の変形にフロントサイドフレーム18とロアメンバ16とが追従する。これにより、衝突荷重F3に対してもフロントサイドフレーム18とロアメンバ16との両部材によって全体として十分な反力を発生できる。この動作はナローオフセット衝突時も同様である。
本実施形態では、結合メンバ40とフロントサイドフレーム18及びロアメンバ16との車幅方向の固定が、各々、フランジ固定ボルト48、パイプ固定ボルト52とナット46、50とによるボルト締結によって行われているから、この車幅方向の固定に関しても溶接性能の影響を受けることがなく、その固定強度に個体差が生じることがない。
フロントサイドフレーム18にパイプ部42が貫通する貫通孔34、36が形成されていることにより、当該部分が前部衝突時のフロントサイドフレーム18の折れ点となる。貫通孔34、36が形成されている部分がフロントサイドフレーム18の折れ点となるももの、フロントサイドフレーム18は結合メンバ40によってロアメンバ16に強固に結合されているから、この結合関係が崩れることがなく、フロントサイドフレーム18とロアメンバ16の両方をエネルギ吸収メンバとして有効に作用させることができる。
本発明による自動車の車体前部構造の他の実施形態を、図5を参照して説明する。なお、図5において、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施形態では、パイプ部42が貫通する部分のフロントサイドフレーム18内にフレーム用内部カラー(第1の内部カラー)62が設けられている。フレーム用内部カラー62は、一端にフランジ部62Aを有する円筒体により構成され、両端が車幅方向内側の側壁(チャンネル部材18Aの底部)と車幅方向外側の側壁(プレート部材18B)とに当接し、内部をパイプ部42が車幅方向に貫通している。フランジ部62Aはチャンネル部材18Aの底部内側に重合しており、フランジ部62Aにボルト通し孔62Bが貫通形成されていると共にナット46が溶接されている。この場合、フレーム固定ボルト48は3個のボルト通し孔44A、18C、62Bに挿入されてナット46に螺合する。フレーム用内部カラー62は、チャンネル部材18Aあるいはプレート部材18Bに溶接等によって固定されていてよい。
フレーム用内部カラー62が設けられたことにより、パイプ部42が貫通する部分のフロントサイドフレーム18の強度が増し、パイプ部42とフロントサイドフレーム18との結合関係がより強固なものになる。また、フレーム用内部カラー62が設けられたことにより、パイプ部42のフロントサイドフレーム18に対する挿入が容易になる。
また、この実施形態では、パイプ固定ボルト52が貫通する部分のパイプ部42内にパイプ用内部カラー66が設けられている。パイプ用内部カラー66は、円筒体により構成され、パイプ部42内を径方向(車体前後方向)に延在して両端にてパイプ部42の内壁に当接し、内部をパイプ固定ボルト52が貫通している。パイプ用内部カラー66はパイプ部42内に溶接等によって固定されていてよい。
パイプ用内部カラー66が設けられたことにより、パイプ固定ボルト52が貫通する部分のパイプ部42の強度(耐圧縮性)が増し、パイプ部42とロアメンバ16との結合強度がより強固なものになる。また、パイプ用内部カラー66が設けられたことにより、パイプ固定ボルト52のパイプ部42に対する挿入が容易になる。
更に、パイプ固定ボルト52が貫通する部分のロアメンバ16内にロアメンバ用内部カラー64が設けられている。パイプ用内部カラー64は、円筒体により構成され、ロアメンバ16内を車体前後方向に延在して両端にてロアメンバ16の前部内壁とパイプ部42の前部外壁及びロアメンバ16の後部内壁とパイプ部42の後部外壁とに当接し、内部をパイプ固定ボルト52が貫通している。パイプ固定ボルト52はロアメンバ16に溶接等によって固定されていよい。
パイプ用内部カラー64が設けられたことにより、パイプ固定ボルト52が貫通する部分のロアメンバ16の強度(耐圧縮性)が増し、パイプ部42とロアメンバ16との結合強度がより強固なものになる。また、パイプ用内部カラー64が設けられたことにより、パイプ固定ボルト52のロアメンバ16に対する挿入が容易になる。
本発明による自動車の車体前部構造の他の実施形態を、図6を参照して説明する。なお、図5において、図2に対応する部分は、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施形態では、ロアメンバ16は、チャンネル部材16Aとプレート部材16Bとによって箱形断面形状に形成され、上端をフロントピラー10(図1参照)に接合された上側メンバ16Uと、押出成形等によって四角中空形状に形成され、上側メンバ16の先端開口に嵌合長調節可能に嵌合する下側メンバ16Lとに構成されている。上側メンバ16Uと下側メンバ16Lとは溶接によって一体化される。下側メンバ16Lには結合メンバ40が貫通する貫通孔36が形成され、下側メンバ16Lに結合メンバ40が貫通固定される構造になっている。つまり、下側メンバ16Lに結合メンバ40の貫通部及び固定部が形成されている。
この実施形態によれば、上側メンバ16Uと下側メンバ16Lとを溶接する以前に、上側メンバ16に対する下側メンバ16Lの嵌合長調節によって、フロントサイドフレーム18の貫通孔34と下側メンバ16Lの貫通孔36との心合わせを行いつつ結合メンバ40をフロントサイドフレーム18の貫通孔34と下側メンバ16Lの貫通孔36とに挿入し、結合メンバ40をフロントサイドフレーム18と下側メンバ16Lとにボルト締結によって固定したのちに上側メンバ16Uと下側メンバ16Lとを溶接する。
これにより、フロントサイドフレーム18や上側メンバ16Uの組付誤差、部品寸法誤差があっても、フロントサイドフレーム18の貫通孔34と下側メンバ16Lの貫通孔36とを車幅方向に一直線上に整合させて結合メンバ40にこじりを生じさせることなく、結合メンバ40をフロントサイドフレーム18と上側メンバ16Uの双方に貫通させることができる。
本発明による自動車の車体前部構造の他の実施形態を、図7を参照して説明する。なお、図7において、図1〜図3に対応する部分は、図1〜図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施形態では、横置きエンジンの配置スペースとフロントタイヤの配置スペースとを確保するために、箱形断面形のフロントサイドフレーム18は、結合メンバ40の固定部より車体後方において車体前側より後側に向かうに従って車幅方向内側に傾斜した傾斜部18Aによってオフセット部18Bが形成されている。
傾斜部18A及びその前後近傍の内部には、車幅方向内側の側壁と車幅方向外側の側壁とに溶接されて車体前後方向に延在する内部スチフナ60が設けられている。
内部スチフナ60が設けられていることにより、フロントサイドフレーム18が屈曲形状であっても車幅方向内側の側壁と車幅方向外側の側壁との間に衝突荷重が車体後方へ直線的に伝達されるようになる。これにより、フロントサイドフレーム18が車体前方よ車体後方に向けて車幅方向外側から車幅方向内側にオフセットしていても衝突荷重の車体後方への伝達、分散が良好に行われ、衝突性能が向上する。
以上、本発明を、その好適形態実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。結合メンバ40のフロントサイドフレーム18及びロアメンバ16との固定は、ボルト締結によらずに、クリップのようなの他の締結具に行われても、溶接により行われてもよい。結合メンバ40のフランジ部44はパイプ部42と一体の塑性加工によるものでなく別体の溶接によって設けられてもよい。パイプ部42は円筒体に限られることなく、多角形筒体であってもよい。
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である
10 フロントピラー部
16 ロアメンバ
18 フロントサイドフレーム
26 バンパビームエクステンション部材
28 バンパビーム
30 フロントダンパハウジング
34 貫通孔
36 貫通孔
40 結合メンバ
42 パイプ部
44 フランジ部
46 ナット
48 フランジ固定ボルト
50 ナット
52 パイプ固定ボルト
60 内部スチフナ

Claims (7)

  1. 車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレームと、前記フロントサイドフレームより車幅方向外側にあって上端をフロントピラーに接合され当該接合部より車体前下方に延在する左右のロアメンバと、左右同士の前記フロントサイドフレームと前記ロアメンバとを連結する連結構造とを含む自動車の車体前部構造であって、
    前記ロアメンバは車体側面より見て前記フロントサイドフレームを上下に横切って延在し、
    当該横切り部位において前記フロントサイドフレームと前記ロアメンバの双方を車幅方向に一直線上に貫通し、且つ前記フロントサイドフレームと前記ロアメンバとに固定された結合メンバが設けられている車体前部構造。
  2. 前記結合メンバは、前記フロントサイドフレームと前記ロアメンバとの各々に締結具によって固定されている請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記ロアメンバは、上端をフロントピラーに接合された上側メンバと、前記上側メンバの先端に嵌合長調節可能に嵌合する下側メンバとにより構成され、前記下側メンバに前記結合メンバの貫通部及び固定部が形成されている請求項1また2に記載の車体前部構造。
  4. 前記フロントサイドフレームと前記ロアメンバとは、各々、箱形断面形状をしていて車幅方向内側の側壁と車幅方向外側の側壁とに車幅方向に一直線上に貫通する貫通孔が形成されており、
    前記結合メンバは、前記フロントサイドフレームおよび前記ロアメンバの貫通孔に挿入されるパイプ部と、前記パイプ部の一端に設けられて前記フロントサイドフレームの車幅方向内側の側壁に接合するフランジ部とを有し、前記フランジ部と前記フロントサイドフレームの前記側壁とを車幅方向に貫通する第1のボルトによって前記フロントサイドフレームに固定され、前記パイプ部が前記ロアメンバを車幅方向に貫通する部分と前記ロアメンバとを車体前後に貫通する第2のボルトによって前記ロアメンバに固定されている請求項1から3の何れか一項に記載の車体前部構造。
  5. 前記フロントサイドフレーム内にあって両端にて車幅方向内側の前記側壁と車幅方向外側の前記側壁とに当接し、前記パイプ部が貫通する第1の内部カラーが設けられている請求項4に記載の車体前部構造。
  6. 前記パイプ部内にあってパイプ部内を径方向に延在して両端にてパイプ部内壁に当接し、前記第2のボルトが貫通する第2の内部カラーが設けられている請求項4または5に記載の車体前部構造。
  7. 前記フロントサイドフレームは、箱形断面形をしていて前記結合メンバの固定部より車体後方において車体前側より後側に向かうに従って車幅方向内側に傾斜した傾斜部によってオフセット部を有し、前記当該傾斜部の内部に車幅方向内側の側壁と車幅方向外側の側壁とに結合されて車体前後方向に延在する内部スチフナが設けられている請求項1から6の何れか一項に記載の車体前部構造。
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