JP2013199259A - 防災シェルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】災害発生時に、逃げ込むことで身体の安全が確保されることは勿論、激流にのまれるなどによって転がり押し流されたとしても、避難者の心理的な不安感を抑止、また、危難が去って安全が確保されたときなどには安全に脱出することができる防災シェルタを提供する。
【解決手段】全体が球形状または円筒形状に構成されて内部に避難空間Mを有するシェルタ本体1は、外側シェル部1aと、この外側シェル部1aとの間に介在部材3を介して円周方向に回転可能に内設される内側シェル部1bとから構成され、外側シェル部1aと内側シェル部1bとのそれぞれの底部に相当する円周部分に重心を設定して適正状態を保つバランス部材11a,11bを配置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震や台風、その他の災害発生時に、人命を安全に確保する防災シェルタに係り、特に、地震による大津波や河川の氾濫による大洪水などの災害に襲われた際の避難に好適で、危難が去って安全が確保されるまでの間、避難するために使用される防災シェルタに関する。
阪神・淡路大震災、新潟中越地震、そして東日本大震災などの大規模の地震では、倒壊した家屋などの下敷き、大津波にのみこまれるなどによって多くの人命が一瞬にして失われている。
ところで、大規模の地震による津波の発生などが確認されたときに重要なことは、津波が到来(到達)するまでの短い時間内でいち早く高台などの避難場所まで移動することである。しかし、高台などの避難場所が近くになく、離れているなどの沿岸地域においては移動が困難、特に、幼稚園児や保育園児などの小さな子供、そして老人などの弱者にとっては避難場所までの移動は困難なものである。また、倒壊した家屋などによって避難路が塞がれるなどによって避難場所までの移動が非常に困難で、危険な状況となる。
そこで、津波や洪水などによる災害発生時に避難空間に逃げ込むことにより避難者の安全を確保し、危難が去って安全が確保されるまでの間、また、救助が来るまでの間、身体の安全を確保する簡易型の防災シェルタなどが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
例えば、特許文献1に記載されている防災シェルタは、内部スペース(避難空間)を有する略球殻形状で、壁部を多層構造材で形成してなる中空構造体に、開閉扉によって水密に閉塞可能とする出入り口を設けるとともに、底部に水タンクからなるバランス用マスを設けた構成としている。これにより、避難者が逃げ込む内部スペースへの浸水を防ぎ、付近が水没したときにはバランス用マスにより横転することなく水上を浮遊するなどによって、避難者の安全を確保することができるようになっている。
特開2004−322939号 実用新案登録第3144746号
ところで、津波や洪水などに襲われた場合、激流にのみこまれるなどによってシェルタが転がりながら押し流される。また、周辺が完全に水没して特許文献1の図5に示されているように、シェルタが水上に完全に浮遊した状態などでは激しい波に打たれることや、崩壊した家屋などの大きな障害物(浮遊物)に衝突するなどの状況によってはシェルタが転がり押し流されることが予測される。
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、シェルタの壁部を多層構造材で一体に形成してなる構造を採用しているため、激流にのみこまれるなどによってシェルタが転がり押し流された場合、その転がりに伴って内部スペースの避難者も転がる(回る、転倒する)こととなり、災害発生に対する恐怖心などに加えて、狭いスペース(避難空間)への避難などによってすでに閉塞感などの心理状態にある避難者に対してさらに追い打ちをかける大きな不安感を与えるなどの問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解消することを課題に創案されたものである。すなわち、地震などの災害発生時に、逃げ込むことで身体の安全が確保されることは勿論、激流にのみこまれるなどによって転がり押し流されたとしても、避難者の心理的な不安感を抑止することができること、また、危難が去って安全が確保されたときなどには安全に脱出することができること、などが本発明の目的である。
前記課題を解決するために、本発明に係る防災シェルタでは少なくとも以下の構成を具備している。
すなわち、本発明では、避難空間を内部に有する防災シェルタであって、
全体が球形状または円筒形状に構成されるシェルタ本体に、密閉状に閉塞される出入り部を設けてなり、前記シェルタ本体は、外側シェル部と、該外側シェル部との間に介在部材を介して円周方向に回転可能に内設される内側シェル部とから構成され、前記外側シェル部と内側シェル部とのそれぞれの底部に相当する円周部分に重心を設定して適正状態に保つバランス部材を備えていることを特徴とする。
ここで、前記介在部材は、前記外側シェル部と前記内側シェル部との間に確保される断熱隙間に転動可能に介在されて、前記内側シェル部をその円周外面側から円周方向に回転可能に支持する多数の球状体からなること、また、前記球状体が、前記外側シェル部の円周内面から囲繞状に立ち上げ形成されて前記断熱隙間に独立した凹み形態にて所要数配置される各球体保持部内に転動可能に内在保持されて、前記内側シェル部をその円周外面側から円周方向に回転可能に支持するように構成したこと、などの構成を採用することが好適なものとなる。
また、前記出入り部は、前記外側シェル部側と前記内側シェル部側にそれぞれ開口されて開閉扉により密閉状に閉塞される外側出入り口と内側出入り口であり、前記外側出入り口と前記内側出入り口は、前記外側シェル部と前記内側シェル部とが適正状態に保たれているときに開口連通するように、前記外側シェル部側と前記内側シェル部側に開口配置されていること、などの構成を採用することが好適なものとなる。
さらに、前記外側シェル部側のバランス部材は、前記シェルタ本体を地上に据え置き設置するための地上設置用の台座に配置され、前記台座は、前記外側シェル部の底部に相当する円周外面部分に取り付けられる内部中空の略箱型状に形成されるとともに水が出入りするための通水孔を備え、前記内側シェル部側のバランス部材は、避難空間の床部を形成するように内側シェル部の円周内面部分に配置されていることが好適なものとなる。
また、本発明では、避難空間を内部に有する防災シェルタであって、
全体が球形状または円筒形状に形成されるシェルタ本体に、密閉状に閉塞される開閉可能な出入り口を設けるとともに、前記避難空間の床部を形成する床構成部材を円周内面に沿わせて円周方向に移動可能に内設してなることを特徴とする。
ここで、前記床構成部材は、前記避難空間の床部となる表面側の平坦面部に対しその裏面側を前記シェルタ本体の円周内面に沿う円弧面部と成し、当該円弧面部に所要数の転動部材を備えて前記シェルタ本体の円周内面に沿って移動可能に内設され、かつ、前記平坦面部から前記シェルタ本体の真円中心を通る対角線上において該シェルタ本体の円周内面に至る長さで円周内面に沿って転動する転動部材を端部に備えた突っ張り部材を備えていること、また、前記シェルタ本体は、底部に相当する円周部分に重心を設定して適正状態を保つバランス部材を備えるとともに地上設置用の台座を備えてなり、前記床構成部材は、前記シェルタ本体の円周内面に沿わせて平坦面部から立ち上げ延設させた座部を備えるとともに、円弧面部の円弧中心部分に重心を設定して適正状態に保つバランス部材を備えていること、などの構成を採用することが好適なものとなる。
また、本発明では、前記シェルタ本体は、全体が球形状に形成されて底部に相当する円周部分に重心を設定して適正状態を保つバランス部材を備えるとともに地上設置用の台座を備え、さらに、適正状態に保たれた避難空間の床部が位置する円周部分に出入り口を開口配置してなり、前記床構成部材は、シェルタ本体の円周内面に沿う円弧面部の円弧中心部分に重心を設定して適正状態に保つバランス部材を備えるとともに、突っ張り部材の軸芯線上に位置する平坦面部の円形中心部から円弧面部側に挿通させてシェルタ本体の円周内面に対し下端側を接離自在に圧接される移動防止兼旋回軸部材を備えていること、などの構成をさらに採用することが好適なものとなる。
前記移動防止兼旋回軸部材は、シェルタ本体の内周面に対する下端側の圧接状態にて突っ張り部材との協同で床構成部材を、シェルタ本体の底部側に円周方向に移動不能に保持し、かつ、水平旋回可能に支持するものである。
本発明の防災シェルタによれば、例えば、津波や洪水などの災害発生時に避難者が逃げ込む避難空間を内部に有する内側シェル部は、外側シェル部に対し円周方向に回転可能に内設されていることで、仮に、激流にのまれることや激しい波に打たれるなどによってシェルタ本体が転がりながら押し流された場合、外側シェル部は回転するものの、内側シェル部は、その回転の影響を直接受けることなく、外側シェル部の内側においてわずかに揺れる程度の動きに抑えられ、しかも、底部のバランス部材によって避難空間の床部を水平とする適正状態に保たれる。つまり、避難空間の水平状態を保つ重心が内側シェル部の底部側に設定されていることで、避難空間に避難した床部上の避難者を通常の姿勢に保つことができる。
これにより、危難が去って安全が確保されるまでの間、また、救助が来るまでの間、避難空間に避難した避難者に対して心理的な安心感のもとで身体の安全を確保することができる。
また、外側シェル部と内側シェル部との間に密閉された断熱隙間が確保され、なおかつ、断熱隙間には内側シェル部を回転可能に支持する介在部材が介在されていることで、冬場や夏場の災害時において外側シェル部(外部)からの伝熱による避難空間の温度の急激な変化を抑える断熱効果(保温効果)が得られる。
また、外側シェル部の内側に内側シェル部を回転可能に支持する介在部材として多数の球状体を用い、該球状体を、外側シェル部の円周内面(全周)に独立させて要所に配置した各球体保持部に内在保持させてなる構成を採用したことで、外側シェル部と内側シェル部との間の断熱隙間を完全に埋め尽くすように球状体を介在させる場合に比べて、球状体の数を大幅に減らして製作コストを抑えることができる。
また、シェルタ本体は、外側シェル部と、避難者が逃げ込む避難空間を有する内側シェル部とからなる二重シェル構造とし、なおかつ、それら両シェル部間の断熱隙間には内側シェル部を回転可能に支持するための介在部材が介在されていることで、仮に、崩壊した家屋などの大きな障害物などに対する衝突によって外側シェル部の一部に破損個所などが生じた場合でも介在部材と内側シェル部によって避難者の安全を確保することができる。
また、外側シェル部および内側シェル部にはそれぞれを適正状態に保つバランス部材が底部部分に備えられ、当該バランス部材によって外側シェル部と内側シェル部とが適正状態に保たれているときに開口連通するように、外側シェル部側と内側シェル部側に両開閉蓋によって密閉状に閉塞される両出入り口をそれぞれ設けてなることで、水上に浮遊しているときなどにおいて、危難が去って安全が確保されて外部に自力で脱出するとき、そして、救助隊員が到達して救助されるときに、両開閉扉を開けて開口連通する両出入り口から脱出することができる。
また、本発明の防災シェルタによれば、例えば、津波や洪水などの災害発生時に逃げ込んだ避難者が突っ張り部材(ポール部材)に掴まった状態で避難する避難空間の床部を形成する床構成部材は、シェルタ本体の円周内面に沿って円周方向に移動可能に内設されていることで、仮に、激流にのまれたときや激しい波に打たれるなどによってシェルタ本体が転がりながら押し流された場合、避難空間の床部はその回転影響を直接受けない。
つまり、シェルタ本体が回転しても床構成部材は、シェルタ本体の円周内面に沿ってわずかに揺れる程度の動きに抑えられ、しかも、バランス部材によって避難空間の床部となる平坦面部を水平とする適正状態に保たれる重心がシェル部本体の円周内面に沿う円弧面部の円弧中心部分に設定されていることで、避難空間に避難した床部上の避難者は通常の姿勢を保つことができる。
これにより、危難が去って安全が確保されるまでの間、また、救助が来るまでの間、避難空間に避難した避難者に対して心理的な安心感のもとで身体の安全を確保することができる。
また、避難空間の床部を形成する床構成部材は座部を備えていることで、危難が去って安全が確保されたときなどに、避難者は座部に座って救助を待つことができる。しかも、床構成部材をシェルタ本体の円周内面に沿わせて円周方向に移動可能に内設させたというシンプルな構造であるが故に、安価で製造提供することができる。
また、本発明の防災シェルタによれば、激流によってシェルタ本体が回転しても避難空間に避難した床部(床構成部材)上の避難者は通常の姿勢を保つことができる前記の効果に加えて、床構成部材は、避難空間の床部となる平坦面部(避難空間の床部)を水平とする適正状態で移動防止兼旋回軸部材と突っ張り部材との協同でシェルタ本体の底部側に円周方向に移動不能に保持され、かつ、水平旋回可能に支持されるように構成されていることで、例えば、避難空間の床部に位置して開口されている出入り口から車椅子使用者を車椅子に乗せた状態で避難空間の床部上に搬入させて速やかに避難させることができる。
つまり、車椅子使用者を出入り口から避難空間の床部上に搬入させたとき、床構成部材が車椅子および使用者の重さなどによってシェルタ本体の円周方向にシーソの如く揺れることがない。また、床構成部材を水平旋回させることで、数人の車椅子使用者を避難空間に順次に搬入避難させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る防災シェルタを示し、(a)は、外側シェル部と内側シェル部とが適正状態に保たれている状態の縦断説明図であり、(b)は、球体保持部の一部を示す説明図である。 図1のII−II線拡大横断面図であり、(a)は、両出入り口の開閉扉が閉じられている状態を示し、(b)は、開閉扉がともに内側(避難空間側)に開いて両出入り口が開口している状態を示す。 同両出入り口に対して開閉扉を密閉状に閉塞する締付け密閉機構の一例を示し、(a)は、ロック状態を示し、(b)は、ロックが解除された状態を示す。 シェルタ本体(外側シェル部)が激流によって転がりながら押し流されている状態を示す縦断説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る防災シェルタを示し、シェルタ本体と床構成部材とが適正状態に保たれている状態の縦断説明図である。 図5のVI−VI線拡大横断面図で、出入り口の開閉扉が閉じられている状態を示す。 シェルタ本体が激流によって転がりながら押し流されている状態を示す縦断説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る防災シェルタの他の実施形態を示す縦断説明図である。 同防災シェルタの横断説明図である。 床構成部材をシェルタ本体の底部側に円周方向に移動不能に、かつ、水平旋回可能に保持させた状態を示す同防災シェルタの縦断説明図である
以下、本発明の実施形態に係る防災シェルタについて、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る防災シェルタA,A1,A2は、屋内、ベランダ、バルコニー、庭先など、その他の設置が可能な陸地に設置されて、例えば、地震が発生した場合には家屋の崩壊に備えて、また、津波の到来(到達)に備えてシェルタ内部の避難空間Mに直ちに逃げ込み避難することで、避難者の安全を確保する。そして、津波や洪水に襲われて周辺が完全に水没したり、海上や河川へと押し流されたときには中空構造であるが故に、十分な浮力を備えていることで水没することなく、水上を浮遊し、避難者の安全を確保する。
≪第1の実施形態に係る防災シェルタの説明≫
図1は、本発明の第1の実施形態に係る防災シェルタが適正状態に保たれている状態を示す縦断説明図であり、図2は、図1のII−II線拡大横断面図である。
防災シェルタAは、図1に示すように、全体を真円とする球形状に形成されて、内部に避難空間Mを有するシェルタ本体1に、密閉状(水密状)に閉塞される出入り部2を設けた形態を成している。
≪シェルタ本体の説明≫
シェルタ本体1は、図1に示すように、球形状の外側シェル部1aと内側シェル部1bとからなる二重シェル構造に構成されている。そして、シェルタ本体1は、外側シェル部1aの円周内面と内側シェル部1bの円周外面との間に介在される介在部材3を介して内側シェル部1bを外側シェル部1a内に円周方向に回転可能に内設させてなる。換言すれば、内側シェル部1bに対し外側シェル部1aが円周の全ての方向に回転するように、内側シェル部1bを外側シェル部1a内に内設させてなる。
これにより、津波や洪水などの災害発生時に激流などによってシェルタ本体1が転がりながら押し流されたとき、後記する図4に示すように、外側シェル部1aは内側シェル部1bに対し円周の全ての方向に回転するものの、内側シェル部1bは外側シェル部1aの回転影響を直接受けることなく、揺れる程度の動きに抑えられて回転しない。つまり、外側シェル部1aに対して内側シェル部1bの適正状態(水平状態)が保たれ、避難空間Mに避難した避難者は通常の姿勢を保つことができる。
≪外側シェル部および内側シェル部の説明≫
外側シェル部1aおよび内側シェル部1bは、災害時の衝撃などによって安易に破損するおそれのない剛性を有する例えば、ガラス繊維またはナイロンやビニロン繊維などを補強材として加えてなる繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastic)などの強化プラスチックによって所定の球径を有する中空球形状に形成されている。
そして、内側シェル部1bの球径(外径)は、外側シェル部1aの球径(内径)よりも小さく形成することで、外側シェル部1aの円周内面と内側シェル部1bの円周外面との間に密閉された断熱隙間Nが確保され、当該断熱隙間Nに介在部材3を介在させて内側シェル部1bを外側シェル部1aの内側に球形円周の全ての方向に回転可能に支持内設し得るようにしている。
また、外側シェル部1aおよび内側シェル部1bは、球形円周の所定位置に後記する外側出入り口2aと内側出入り口2bをそれぞれ設けて、避難者が内側シェル部1bの避難空間Mに逃げ込み避難、危難が去って安全が確保されたときには避難空間Mから脱出し得るようにしている。
なお、図示を省略しているが、内側出入り口2bの開口位置に対応させた内側シェル部1bの円周高さ位置(避難空間Mの床部mから高さ位置)に強化プラスチックや強化ガラスなどからなる円形などの覗き窓を1乃至等間隔をおいた数カ所に備えて、外側シェル部1aが後記するバランス部材11aによって適正状態に戻されたときなどにおいて外側出入り口2aの位置存在を避難空間M内から覗き窓を通して確認できるようにするとよい。つまり、内側出入り口2bと外側出入り口2aとの位置合わせ確認用の覗き窓を内側シェル部1bに備えるとよい。
≪出入り部の説明≫
避難空間Mへの出入り部2は、図1および図2に示すように、外側シェル部1a側に開口されて開閉扉4aによって密閉状に閉塞される外側出入り口2aと、内側シェル部1b側に開口されて開閉扉4bによって密閉状に閉塞される内側出入り口2bとから形成されている。
外側出入り口2aと内側出入り口2bは、後記するバランス部材11a,11bによって適正状態(水平状態)に保たれた状態(図1の状態)にある外側シェル部1aと内側シェル部1bの球形円周の同一位置で、シェルタ本体1が水上に浮遊したときに水が浸水するおそれがない球形円周の高さ位置において円形状に開口されている。
そして、外側出入り口1aの開口大きさは、内側出入り口1bの開口大きさよりも小さめに形成されて、図2の(b)に示すように、外側出入り口1aを密閉状に閉塞する開閉扉4aが内側シェル部1bの内側出入り口2bに開口縁などと干渉することなく、開閉扉4bとともに内側(避難空間M側)に開くようにしている。
なお、図示を省略しているが、両開閉扉4a,4bをともに外側に、または、開閉扉4aのみを外側に開く形態とすることができる。また、両出入り口1a,1bを角形や多角形などの適宜の開口形状にて開口することできる。
そして、外側出入り口2aと内側出入り口2bのそれぞれの内向き開口段部面には、図2に示すように、Oリング5がそれぞれ取り付けられており、後記する締付け密閉機構7による両開閉扉4a,4bの円周縁の圧接によって外側出入り口2aと内側出入り口2bが密閉状(水密)に閉塞されるようにしている。Oリング5は、水密性と耐久性などに優れた素材からなるシール部材である。
両出入り口2a,2bを密閉状に閉塞する両開閉扉4a,4bは、強化プラスチックなどによって両出入り口2a,2bの開口円周縁に沿う大きさを有する円形状に形成されている。この両開閉扉4a,4bは、図2に示すように、ヒンジ部材6を軸として横開き開閉自在と成して、締付け密閉機構7の閉じ回転操作(締付け操作)によるOリング5への圧接(図2(a)および図3(a)の状態)によって両出入り口2a,2bを密閉状に閉塞するようになっている。
そして、両開閉扉4a,4bは、図1および図2に示すように、透明または半透明の強化プラスチックや強化ガラスなどからなる耐圧性および耐水性を有する窓8a,8bをそれぞれ備えている。
≪締付け密閉機構の説明≫
図3は、締付け密閉機構の一例を示す。ここでは、図2を適宜参照しながら説明する。
締付け密閉機構7は、図2および図3に示すように、両開閉扉4a,4b側に取り付けられる回転ハンドル7aと、両出入り口2a,2b側に取り付けられる締付け留め具7bとからなる。そして、回転ハンドル7a側の爪先から根元に向けて徐々に上るスロープ状に形成されている掛止片部9が、回転ハンドル7aの閉じ回転操作により締付け留め具7bの掛止部に対して漸次掛止されるように摺接挿入されることで(図2(b)の状態から(a)の状態)、両開閉扉4a,4bをそれぞれのヒンジ部材6を軸としてOリング5側へと締め付け圧接させた状態で両出入り口2a,2bを密閉状に閉塞し得るようにしている。
なお、回転ハンドル7aの閉じ回転操作により両開閉扉4a,4bを閉じると、回転ハンドル7aが開き方向に不用意に回転しないように自動的にロックがかかるようになっている。
≪介在部材の説明≫
外側シェル部1aの内側に内側シェル部1bを球形円周の全ての方向に回転可能に支持する介在部材3は、断熱隙間Nに転動可能に介在させる多数の球状体3aから形成されている。
この球状体3aは、その素材として金属材や合成樹脂材などを挙げることができるが、本実施形態では、シェルタ本体1の重さをより軽くするなどによって設置場所などへ搬入するなどの持ち運び取扱い性や浮力を最大限に引き上げるなどを考慮し、金属材よりも軽く所定の硬度を有する合成樹脂材を用いて、断熱隙間Nが確保される外側シェル部1aと内側シェル部1bとの間(間隔)に相当する球径に形成してなる。
そして、本実施形態では、図1に示すように、外側シェル部1aの円周内面から囲繞状に立ち上げ形成されて断熱隙間Nに独立した凹み形態にて所要数配置した各球体保持部10内に複数(例えば、図1の(b)に示すように、21個)の球状体3aを転動可能に内在保持されて、内側シェル部1bをその円周外面側から球形円周の全ての方向に回転可能に支持するように形成してなる。換言すれば、内側シェル部1bに対し外側シェル部1aが球形円周の全ての方向に回転し得るようにしている。
球体保持部10は、内側シェル部1bの円周外面に面する側を解放させた形態にて断熱隙間Nに円周方向等間隔をおいた例えば、千鳥状や碁盤目状の配置にて独立状に形成されて、図1に示すように、複数の球状体3aを転動可能に収容保持し得るようになっている。
これにより、内側シェル部1bは、各球体保持部10に収容保持されている複数の球状体3aによって外側シェル部1aに対しその内側に球形円周の全ての方向に回転可能に支持されて、避難空間Mに避難した避難者の安全を確保する。
つまり、激流などによってシェルタ本体1が激しく転がり押し流された場合、外側シェル部1aは内側シェル部1bに対し球形円周の全ての方向に回転するものの、内側シェル部1bはその影響を直接受けることなく、わずかに揺れる程度に抑えられた適正状態(避難空間Mの床部mが水平状態)に保たれることで、避難者に対して心理的な安心感を与えることができる。
なお、図示を省略しているが、球体保持部10内に収容保持されている球状体3aが飛び出さないように、4個の球状体3aを転動可能に一緒に押えることができる例えば、ラッパ状の押え部を必要に応じて備えることができる。この押え部は、球体保持部10と同様に、外側シェル部1aの円周内面から4個の球状体3aの間を通って内側シェル部1bの円周外面側に突出するように突設されて、突端ラッパ部にて4個の球状体3aを転動可能に押える形態を成している。
また、シェルタ本体1は、図1に示すように、外側シェル部1aと内側シェル部1bとのそれぞれの底部に相当する円周部分に重心を設定するためのバランス部材11a,11bを備えている。これにより、外側シェル部1a側と内側シェル部1b側とは適正状態(水平状態)にそれぞれ保たれるようになっている。
≪バランス部材の説明≫
バランス部材11a,11bは、外側シェル部1aと内側シェル部1bとの底部に相当する円周部分に重心を設定して適正状態に保つ。つまり、底部に相当する円周部分に重力を作用させて、外側シェル部1aと内側シェル部1bをそれぞれ適正状態に保つ役目を果たす錘である。
詳しく述べると、シェルタ本体1が災害時に激流によって押し流されて外側シェル部1aが転がりながら海上や河川などの水上に浮遊したとき、外側シェル部1aはバランス部材11aが配置されている底部側を下にした適正状態(水平状態)に戻されるとともに、その適正状態が安定よく保たれる。そして、避難者が逃げ込み避難する避難空間Mを有する内側シェル部1bは、外側シェル部1aが転がりながら押し流されているとき、そして水上に押し流されて浮遊したとき、いずれの状況においても常にバランス部材11bが配置されている底部側(避難空間Mの床部m側)を下にした適正状態(水平状態)に保たれる。つまりは、避難空間Mの床部mを水平とする適正状態がバランス部材11bによって保たれるようになっている。
このバランス部材11a,11bは、外側シェル部1aの底部用、内側シェル部1bの底部用としてそれぞれに対応させた形態に形成されて、ボルト止めやその他の固着手法によって取り付け配置される。
すなわち、外側シェル部1a側に取り付けられるバランス部材11aは、シェルタ本体1を地上に据え置き状態で設置するために、図1に示すように、外側シェル部1aの底部側裏面に取り付けられる地上設置用の台座12内に取り付け配置される平板形状に形成されている。
一方、内側シェル部1b側に取り付けられるバランス部材11bは、避難空間Mの平坦な床部mを形成する表面平坦側に対して裏面側を内側シェル部1bの円周内面に沿わせた円弧面として避難空間Mの床部m側となる円周内面に取り付け配置される断面視で略三日月形状に形成されている。
また、図1に二点鎖線で示すように、避難空間Mの床部mから所定高さにて後記するポール部材13を取り囲むように座部14を備えることができる。これにより、例えば、激流に押し流れるなどの危難から解放されて、外側シェル部1aが適正状態に戻り安全が確保された場合、避難者が座って救助を待つことができるなど、避難者に安心感を与えるなどの効果を期待することができる。
≪台座の説明≫
台座12は、シェル本体1が地上に据え置き状態で設置されるとき、シェルタ本体1(外側シェル部1a)を適正状態(水平状態)に支持する台であり、強化プラスチックなどによって、図1に示すように、外側シェル部1aの底部側裏面を所望の面積にて支える内部中空の略箱型状に形成されるとともに、水上に浮遊したときに水が流入するための通水孔15を備えている。この通水孔15は、台座12の底部からバランス部材11aを貫通して台座12の内部に連通するように開口される大径孔部15aと、台座12の周面壁部において数カ所に開口される小径孔部15bであり、シェルタ本体1が水上に浮遊したときに水が台座12内に流入するようにしている。
これにより、台座12は、シェルタ本体1が水上に浮遊したときなどにおいて、内部のバランス部材11aとともにバランス水の内部流入によって外側シェル部1aを本質的に適正状態(水平状態)に保つ役目を果たす。つまり、津波や洪水などによってシェルタ本体1が押し流されて外側シェル部1aが回転しながら海上などに浮遊したとき、通水孔15から台座12内に流入した海水などはバランス水としての役目を果たしてバランス部材11aとともに外側シェル部1aの底部側を下に向けた適正状態(水平状態)に外側シェル部1aを戻し、その適正状態を安定よく保つ重力を外側シェル部1aの底部側に効果的に作用させることができる。
このように構成することで、台座12内に配置されるバランス部材11aとしては、外側シェル部1aが回転しながら海上などに浮遊したときに、外側シェル部1aを適正状態に速やかに戻し、その適正状態を海上などにおいて安定よく保つために必要とする本来の重さよりも軽めの錘を用いることができる。換言すれば、外側シェル部1a(シェルタ本体1)を本来の重さよりも軽く製作して運搬などにおける取扱い性を図ることができる。
また、シェルタ本体1は、図1に示すように、避難空間Mの床部mから当該避難空間Mの真円軸芯(円形軸芯)を通る対角線上に位置する天井側(内側シェル部1bの円周内面部分)に至るようにポール部材13を備えている。
ポール部材13は、津波や洪水などの激流などによってシェルタ本体1が転がりながら押し流されているときなどにおいて、避難者が掴まることで、避難者に安心感を与えるためのものである。
このポール部材13は、合成樹脂材や金属材などの強靭な素材によって形成されて、その下端側が避難空間Mの床部mを形成するバランス部材11aに直接取り付けられ、上端側が、図1に示すように、取付け部材16を介して避難空間Mの天井側に取り付けられる。
取付け部材16は、適宜大きさを有する平板状に形成されてポール部材13の上端に溶着や融着、その他の固着手段によって取り付けられるポール取付け部16aと、このポール取付け部16aの3乃至4カ所を避難空間Mの天井に連結する柱状の連結部16bとからなり、ポール部材13の上端側を3点または4点支持にて避難空間Mの天井に取り付け連結する形態を成している。
また、このようにしてポール部材13の上端側が取り付けられる避難空間Mの天井部分には、空気の取り入れが行われる換気口17が備えられている。
≪換気口の説明≫
換気口17は、外側シェル部1aと内側シェル部1bとを貫通させて外部から避難空間Mに空気を取り入れるためのものであるが、図1に示すように、外側シェル部1a側から内側シェル部1bの円周外面に向けて当接するように突設させた筒部17aを備えて、内側シェル部1b側に開口されている連通孔18と連通することで、避難空間Mに空気が取り入れられるようになっている。
換気口17を形成する筒部17aの連通孔18に連通する端部は、図1に示すように、内側シェル部1bの円周外面に沿って密接状態にて摺動するように円周突状に形成されていて、断熱隙間Nの密閉性を図りながら、連通孔18との連通によって空気の取り入れが行われるようになっている。
また、図1に示すように、筒部17a内には弁部材19が内設されていて、激流などによってシェルタ本体1が転がりながら押し流されているとき、また、一時的に水中に没入状態にあるときなどにおいて、水などの侵入を防ぐように弁部材19が自動的に閉弁し、換気口17が密閉状に封止されるようになっている。
なお、図示を省略しているが、筒部17aを内側シェル部1bの円周外面から外側シェル部1aの円周内面に向けて突設させて、外側シェル部1a側に開口されている連通孔に連通する形態とすることができる。
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている第1の実施形態に係る防災シェルタAについて簡単に説明する。
図4は、激流によってシェルタ本体が転がりながら押し流されている状態を示す縦断説明図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
防災シェルタAは、地震、津波、洪水などの災害発生に備えて、屋内、ベランダ、バルコニー、庭先などの設置が可能な陸地に設置しておく。この設置状態で、災害発生時に直ぐに避難空間Mへと逃げ込むことができるように、両開閉扉4a,4bを図2の(b)に示すように、開けた状態にしておくことが好ましい。
そして、例えば、地震が発生した場合には、避難空間Mに直ちに逃げ込み避難し、両開閉扉4a,4bを閉じ、締付け密閉機構7によって両開閉扉4a,4bを両出入り口2a,2bに圧接させて両出入り口2a,2bを密閉状に閉塞し、家屋の崩壊や津波の到来などに備える。
万が一、家屋の崩壊や津波が到来した場合には、ポール部材13に掴まって身体を安定させる。そして、図4に示すように、津波による激流によってシェルタ本体1が転がりながら押し流された場合には、内側シェル部1bは外側シェル部1aの内側に球状体3a(介在部材3)によって回転可能に支持されていることで、外側シェル部1aのみが激流の方向に応じて内側シェル部1bに対し球形円周の全ての方向に回転し、避難空間M(内側シェル部1b)は回転することなく、バランス部材11bと避難者総数の体重によって適正状態(水平状態)が保たれる。これにより、避難者は横転、回転することなく、通常の姿勢を保つことができるために、避難者に回転などによる心理的な不安感を与えることがない。
また、シェルタ本体1が海上などへ押し流された場合には、シェルタ本体1は水没することなく、浮遊することで、危難が去って安全が確保されるまでの間、また、救助が来るまでの間、避難者の安全が確保される。
このとき、外側シェル部1aは、バランス部材11aとこのバランス部材11aが配置されている台座12内への海水などの通水によって適正状態(水平状態)に戻され、内側シェル部1bとともに適正状態に保たれる。これにより、換気口17の弁部材19が開弁状態となり、内側シェル部1b側の連通孔18との連通によって避難空間Mに新鮮な空気が取り込まれる。
また、外側シェル部1aと内側シェル部1bとの間には空気層などからなる密閉された断熱隙間Nが確保されているために、外側シェル部1a(外部)からの伝熱による避難空間Mの温度の急激な変化が抑えられる。
また、外側シェル部1aと内側シェル部1bが適正状態(水平状態)に保たれることで、図1および図2の(a)に示すように、外側シェル部1aと内側シェル部1bとの開閉扉4a,4bで密閉状に閉塞されている外側出入り口2aと内側出入り口2bとの開口が位置する。これにより、危難が去って安全が確保されて自力で脱出するとき、そして、救助隊員が到達して救助されるときに、図2の(b)に示すように、両開閉扉4a,4bを開けて開口連通する両出入り口2a,2bから脱出することができる。
[第2の実施形態に係る防災シェルタの説明]
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る防災シェルタA1について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る防災シェルタを示す縦断説明図であり、図6は、図5のVI−VI線拡大横断面図である。
なお、この第2の実施形態では、前記した第1の実施形態で詳述の構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付することで、重複説明は省略する。
この第2の実施形態に係る防災シェルタA1は、図5に示すように、全体を真円とする球形状に形成されて内部に避難空間Mを有するシェルタ本体20に、密閉状(水密状)に閉塞される出入り口21を設けた形態を成している。そして、防災シェルタA1は、避難空間Mの床部mを形成する床構成部材22をシェルタ本体20の円周内面に沿わせて球形円周の全ての方向に移動可能に内設してなる。
これにより、津波や洪水などの災害発生時に激流などによってシェルタ本体20が回転しながら押し流されたとき、後記する図7に示すように、シェルタ本体20は球形円周の全ての方向に回転するものの、その影響を直接受けることなく避難空間Mの床部m(床構成部材22)は揺れる程度の動きに抑えられて回転しない。つまり、激流などによって回転しながら押し流されるシェルタ本体20に対し床部mの水平状態(適正状態)が保たれ、避難空間Mに避難した床部m上の避難者は通常の姿勢を保つことができる。
≪シェルタ本体の説明≫
シェルタ本体20は、前記の第1の実施形態と同様に、災害時の衝撃などによって安易に破損するおそれのない剛性を有する強化プラスチックによって所定大きさで全体を真円とする球形状に形成されている。
そして、シェルタ本体20は、底部に相当する円周外面部分に、前記実施例詳述の台座12を備えて、地上に適正状態で据え置き設置されるように成し、また、台座12内にバランス部材11aを配置して、水上に浮遊したときに、バランス部材11aが配置されている底部側に作用する重力によって適正状態(水平状態)に戻され、かつ、その適正状態が安定よく保たれるようになっている。
≪出入り口の説明≫
避難空間Mへの出入り口21は、シェルタ本体20が水上に浮遊したときに水が浸水するおそれがない円周高さ位置において略円形状に開口されて、図5および図6に示すように、内外の両開閉扉23a,23bによる二重閉塞構造にて閉塞されるように形成されている。
そして、出入り口21の外向き突出状の開口端面には、前記実施例詳述のOリング5が取り付けられており、前記実施例詳述の締付け密閉機構7の回転ハンドル7aの閉じ回転操作による開閉扉23aの圧接によって出入り口21が密閉状(水密状)に閉塞されるようにしている。
外側開閉扉23aは、強化プラスチックなどによって出入り口21の外向き突出状の開口円周縁を覆う大きさを有する断面形状に形成されている。そして、外側開閉扉23aは、前記実施例詳述の窓8aを備えて、図6に示すように、ヒンジ部材6を軸とする横開き開閉自在にて外側に開くように出入り口の21に取り付けられる。
内側開閉扉23bは、避難空間Mの床部mを形成する床構成部材22がシェルタ本体20の円周内面に沿って円周自由方向に移動する。つまり、激流などによってシェルタ本体20が転がりながら押し流されたとき、床構成部材22がシェルタ本体20とともに回転することなく、該シェルタ本体20の円周内面に沿って球形円周の全ての方向に移動し得るように、当該円周内面と面一状態にて出入り口21の開口内側を閉塞するための補助扉である。
この内側開閉扉23bは、強化プラスチックなどによって出入り口21の内側開口円周縁に沿う大きさを有する円形状に形成されている。そして、この内側開閉扉23bは、前記実施例詳述の窓8bを備えて、図6に示すように、ヒンジ部材24を軸とする横開き開閉にて内側(避難空間M側)に開くように出入り口21に取り付けられる。
また、内側開閉扉23bは、出入り口21の内向き開口段部面に備えられているプッシュ開閉式の留め金具25によって出入り口21の閉塞状態が保持されるようになっている。つまり、留め金具25は磁力を備え、内側開閉扉23bをプッシュする毎に磁力によるロックとそのロック解除とが繰り返されるようになっている。
なお、図示を省略しているが、留め金具25による内側開閉扉23bの閉塞状態が、床構成部材22の円周自由方向への移動(転動部材26,29)によって押されて開くおそれがあるなどの場合には、必要に応じて、面ファスナ(登録商標:マジックテープ)などを用いて内側から止めるようにすることもできる。
≪床構成部材の説明≫
避難空間Mの床部mを形成する床構成部材22は、強化プラスチックやその他の強靭で軽量な材料を用いて形成されている。この床構成部材22は、図5に示すように、避難空間Mの床部mとなる表面側を平坦でかつ平面視で真円形状に形成された平坦面部22aとし、その裏面側をシェルタ本体20の円周内面に沿わせた円弧面部22bとし、さらに、シェルタ本体20の円周内面に沿わせて平坦面部22aから立ち上げ延設させた座部22cを備えた形態を成している。
なお、図示を省略しているが、床構成部材22は、中空状を成し、当該中空内部に必要に応じて空気を封人するなどによって浮力を備えている。つまり、シェルタ本体20とともに防災シェルタA1の浮力を最大限に引き上げるための浮力を床構成部材22に備えている。これにより、災害時に水上へと押し流されたときに確実に浮遊し、避難者の安全を確保する。
また、座部22cの座面部分を開閉蓋構造と成して、非常食、飲料水、懐中電灯、簡易トイレ、その他の災害備品を内部空間に備蓄しておけるようにすることができる。
そして、床構成部材22は、円弧面部22bをシェルタ本体20の球径(内径)よりも小さく形成することで、図5に示すように、シェルタ本体20の円周内面を転動させる所要数の転動部材26を円弧面部22bに備えている。転動部材26は、球状体であり、ホルダ(軸受部)27によって回転可能に把持された形態を成している。
この転動部材26は、座部22cを一体に備える床構成部材22の円弧面部22bに等間隔をおいた千鳥状や碁盤目状などの形態によって配置されて、床構成部材22がシェルタ本体20の円周内面に沿って円周の全ての方向に滑らかに移動し得るようにしている。換言すれば、床構成部材22に対しシェルタ本体20が円周の全ての方向に回転し得るようにしている。
また、床構成部材22には、図5に示すように、前記実施例詳述のバランス部材11bが配置されている。これにより、避難空間Mの床部mとなる平坦面部22aを水平に保つための重心が円弧面部22bの円弧中心部分に設定されて、床構成部材22が適正状態(水平状態)に保たれるようにしている。
そして、本実施形態では、床構成部材22がシェルタ本体20の円周内面に沿って移動し得るように、図5に示すように、床部mとなる平坦面部22aの平坦中心部からシェルタ本体20の円形軸芯を通る対角線上においてシェルタ本体20の円周内面に至る長さで、当該円周内面に沿って転動する転動部材29を端部に備えた突っ張り部材28を備えている。
≪突っ張り部材の説明≫
突っ張り部材28は、合成樹脂材や金属材などの強靭な材料によって形成されている。この突っ張り部材28は、前記実施例詳述のポール部材13を兼ねると同時に、床構成部材22がシェルタ本体20の円周内面から離れず、当該円周内面に沿って円滑に移動するように床構成部材22を円周内面側に突っ張り状態で押し付け支持するものである。
この突っ張り部材28の端部(上端)に取り付けられてシェルタ本体20の円周内面に沿って転動する転動部材29は、前記転動部材26と同様に、球状体であり、ホルダ(軸受部)30によって回転可能に把持収容された形態を成している。
なお、転動部材29は、図5に示すように、突っ張り部材28の太さに相当する球径を有して、シェルタ本体20の円周内面に沿う床構成部材22の移動に伴い当該円周内面を転動するものである。また、図示を省略しているが、転動部材29を直接、または、ホルダ(軸受部)30を介して転動部材29を、シェルタ本体20の円周内面方向に常時付勢するようにスプリングなどの弾発手段を備えることができる。
また、本実施形態では、シェルタ本体20を屋内、ベランダ、バルコニー、庭先などの設置が可能な陸地に設置しておくときなどにおいて、床構成部材2の移動(動き)を止めておくためのストッパー部材31を備えている。
ストッパー部材31は、図5に示すように、床構成部材22の平坦面部22a(避難空間Mの床部m)からシェルタ本体20の円周内面へと貫通するように床構成部材22に取り付け配置される。
そして、ストッパー部材31は、上下動自在な操作杆部31aを下方へと押動させることで、操作杆部31aの下端に取り付けられているゴム製の止め部31bをシェルタ本内20の円周内面に圧接させることで床構成部材22の動きを止めるように形成されている。
なお、具体的な機構については図示を省略しているが、ストッパー部材31は、下方に押動された状態(図5の拡大図実線の状態)から操作杆部31aを右または左方向に回す操作が行われることで、下方位置におけるロック状態が解除されてリターンスプリングによって上方へと自動的に戻されて当該上方位置(図5の拡大図二点鎖線の状態)に保持されるようになっている。
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている第2の実施形態に係る防災シェルタA1について簡単に説明する。
図7は、シェルタ本体が激流によって転がりながら押し流されている状態を示す縦断説明図である。ここでは、図6を適宜参照しながら説明する。
前記の実施例詳述のように、災害発生に備えて、屋内、ベランダ、バルコニー、庭先などの設置が可能な場所への設置状態では、災害発生時に直ぐに避難空間Mへと逃げ込むことができるように、図6に二点鎖線で示すように、両開閉扉23a,23bを開けた状態にしておく。また、ストッパー部材31によって床構成部材22をシェルタ本体20の円周内面に固定しておくとよい。
そして、地震が発生した場合には、避難空間Mに直ちに逃げ込み避難し、締付け密閉機構7によって開閉扉23aを出入り口21に圧接させて、該出入り口21の外側開口側を密閉状に閉塞するとともに、開閉扉23bによって出入り口21の内側開口側をシェルタ本体20の円周内面と面一にて閉塞し、家屋の崩壊や津波の到来などに備える。
万が一、家屋の崩壊や津波が到来した場合には、床部m(床構成部材22)をシェルタ本体20の内側に固定しているストッパー部材31の固定を解除し、突っ張り部材28に掴まって床部mに身体を安定させる。そして、図7に示すように、津波による激流によってシェルタ本体20が転がりながら押し流された場合には、床部m(床構成部材22)はシェルタ本体20の内側に沿って転動部材26(球状体)と突っ張り部材28および転動部材29とによって移動可能に支持内設されていることで、シェルタ本体20のみが回転し、避難空間Mの床部mは回転することなく、バランス部材11bと避難者総数の体重によって適正状態(水平状態)が保たれる。これにより、避難者は横転、回転することなく、通常の姿勢を保つことができることで、避難者に対して心理的に安心感のもとで身体の安全を確保することができる。
[他の実施形態に係る防災シェルタの説明]
つぎに、他の実施形態に係る防災シェルタA2について説明する。
図8は、他の実施形態に係る防災シェルタを示す縦断説明図であり、図9は、同横断説明図である。
この実施形態に係る防災シェルタA2は、前記の第2の実施例詳述の防災シェルタA1に対し、座部22cを取り除いた床構成部材22を、後記の図10に示すように、シェルタ本体20の底部側に平坦面部22a(避難空間Mの床部m)を水平とする適正状態(水平状態)に保ち、円周方向に移動不能で、かつ、水平旋回可能な状態で保持し得るように構成してなるものである。その他の構成要素においては第2の実施例詳述と基本的にほぼ同じであり、同じ構成要素に同じ符号を付することで重複説明は省略する。
すなわち、シェルタ本体20の円周内面に沿わせた平面視で真円形状に形成されている床構成部材22は、図8に示すように、突っ張り部材28の軸芯線上に位置する平坦面部22aの円形中心部からシェルタ本体20の円周内面に面する円弧面部22b側に向けて挿通させて、下端側を円周内面に接離自在に圧接させる移動防止兼旋回軸部材40を備えている。
これにより、シェルタ本体20の底部側において適正状態に保たれている床構成部材22を、移動防止兼旋回軸部材40と突っ張り部材28との協同でシェルタ本体20の底部側に円周方向に移動不能で、かつ、水平旋回し得るように構成してなる。
≪移動防止兼旋回軸部材の説明≫
移動防止兼旋回軸部材40は、合成樹脂材や金属材などの強靭な材料からなる棒材やパイプ材などによって形成されている。この移動防止兼旋回軸部材40は、床構成部材22の平坦面部22aの円形中心部から円弧面部22b側に向けて開口されている挿通孔41に上下動自在に組み込まれてその上端側が上下ロック装置42に連結支持されている。これにより、シェルタ本体20の円周内面に押し付け圧接される下降限、円周内面から離脱される上昇限にロック状態で保持されるようになっている。
上下ロック装置42は、挿通孔41の軸芯上に位置する床構成部材22の平坦面部222aに装置ボックス43を介して収納状に取り付け設置されて、昇降杆部42aの下端側に移動防止兼旋回軸部材40の上端側をボルト止めやその他の連結手段によって連結支持するようになっている。
この上下ロック装置42は、昇降杆部42aを下降限まで下げてその下降限にロック保持する役目を成すロックペダル42bと、ロックペダル42bによるロック状態を解除して昇降杆部42aを上昇限まで上げてその上昇限にロック保持する役目を成すアンロックペダル42cとの独立させた2つのペダルを備えている。
これにより、ロックペダル42bを下方に踏みつけることで、移動防止兼旋回軸部材40を押し下げてその下端側をシェルタ本体20の円周内面に圧接させ、アンロックペダル42cを下方へ踏みつけることで、ロックペダル42bによる下降限ロック状態を解除して移動防止兼旋回軸部材40をシェルタ本体20の円周内面から離脱させて上昇限に戻す。
なお、具体的な機構説明図については図示を省略しているが、アンロックペダル42cによってロックペダル42bによる下降限ロック状態が解除された昇降杆部42aは、スプリングなどの戻し部材によって上昇限へと戻されて同上昇限にロック保持されるようになっている。
また、移動防止兼旋回軸部材40は、図8の(c)に示すように、下端側に圧接部材44を首振り回転自在に取り付けている。これにより、シェルタ本体20の円周内面に対し移動防止兼旋回軸部材40の下端側を滑りの無い確実なグリップ力にて圧接されて、シェルタ本体20の軸芯を通る対角線上に位置して同軸上に取り付けられている突っ張り部材28との協同で床構成部材22を、シェルタ本体20の底部側に円周方向に移動不能で、かつ、水平旋回可能に保持するようにしてなる。
なお、図8の(c)に示すように、圧接部材44のシェルタ本体20の円周内面に対する圧接面側に滑り止め効果の高いゴム材45を取り付けて、シェルタ本体20の円周内面に対する滑り止めを強化して定着性を向上させるようにすることが好ましい。
また、本実施形態では、内外の両開閉蓋23a,23bによって密閉状(水密状)に閉塞される出入り口21を、図8の(a)に示すように、避難空間Mの床部m(適正状態に保たれている床構成部材22の平坦面部22a)に位置させたシェルタ本体20の円周部分に開口配置している。
これにより、防災シェルタA2が地上に設置されている状態(シェルタ本体20、床構成部材22が適正状態に保たれている状態)において、出入り口21の開口下辺縁の高さに合わせたスロープを有する搬入台Cを用いることで(後記の図10参照)、車椅子使用者を車椅子に乗せたままで避難空間Mの床部m上に搬入させて避難させることができる。
≪出入り口の説明≫
出入り口21は、車椅子使用者を乗せた車椅子を避難空間Mに搬入し得る程度の開口高さと幅を有する大きさにて開口されて、前記第2の実施例詳述のように、内外の両開閉扉23a,23bによる二重閉塞構造にて閉塞されるように形成されている。
また、本実施形態では、図示を省略しているが、突っ張り部材28を中心とする避難空間Mの床部m(床構成部材22の平坦面部22)に、数台の車椅子の搬入位置に合わせてベルトタイプなどの車椅子固定装置が装備されていて、搬入させた各車椅子を床構成部材22に固定するようにしている。これにより、激流にのまれてシェルタ本体20が転がりながら押し流されるときの床構成部材22の揺れなどによって車椅子が不用意に動かないようにしている。また、避難用の車椅子としては、使用者を固定する2点式などのシートベルトを装備している車椅子を使用することが好ましい。
また、本実施形態においては、図示を省略しているが、シェルタ本体20の円周内面に沿わせて転動させる転動部材29が取り付けられる突っ張り部材28の端部(上端)から三方または四方に等間隔をおいて分岐させた端部材を設けて、当該各端部材に転動部材29をそれぞれ取り付けてシェルタ本体20の円周内面に対して3点または4点支持構造にて転動させるように構成することが好ましい。
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている他の実施形態に係る防災シェルタA2について簡単に説明する。
図10は、床構成部材をシェルタ本体の円周方向に移動不能に、かつ、水平旋回可能に保持させた状態を示す防災シェルタの縦断説明図である。ここでは、図8および図9を適宜参照しながら説明する。
前記の実施例詳述のように、災害発生に備えて、屋内、ベランダ、バルコニー、庭先などの設置が可能な場所への設置状態では、災害発生時に直ぐに避難空間Mへと避難することができるように、両開閉扉23a,23bを開けた状態にしておく。また、図10に示すように、上下ロック装置42のロックペダル42bによって移動防止兼旋回軸部材40を押し下げて圧接部材44をシェルタ本体22の円周内面に押し付け圧接させることで、移動防止兼水平旋回部材40と突っ張り部材28との協同で床構成部材22を、シェルタ本体20の底部側に円周方向に移動不能に、かつ、水平旋回可能に保持させておく。また、出入り口21には車椅子用の搬入台Cを準備しておく。
そして、地震が発生した場合には、車椅子使用者を車椅子に乗せたまま搬入台Cから避難空間Mに直ちに搬入避難させる。このとき、数人の車椅子使用者を避難させる場合には、一人目を搬入させた後に、図9に示す矢印X方向(紙面反時計方向)に床構成部材22を水平旋回させてつぎに避難させる車椅子使用者の避難スペースを出入り口21側に確保することを繰り返しながら数人の車椅子使用者を避難空間Mに順次に搬入避難させる。また、避難させた車椅子使用者を車椅子に備え付けられている2点式などのシートベルトによって車椅子に固定するとともに、車椅子を避難空間Mの床部m(床構成部材22の平坦面部22a)に装備されている図示省略のベルトタイプなどの車椅子固定装置によって床構成部材22に固定し、出入り口21を内外の両開閉扉23a,23bによって閉塞して、家屋の崩壊や津波の到来などに備える。
万が一、家屋の崩壊や津波が到来した場合には、上下ロック装置42のアンロックペダル42cによって移動防止兼旋回軸部材40の下降限ロック状態を解除して移動防止兼旋回軸部材40を上昇限に戻して圧接部材44をシェルタ本体20の円周内面から離脱させ(図8の状態)、車椅子使用者とともに避難した付添い人(健常者)は突っ張り部材28に掴まって床部mに身体を安定させる。
そして、前記実施例詳述の図7に示すように、津波による激流によってシェルタ本体20が転がりながら押し流された場合、避難空間Mの床部m(床構成部材22)はシェルタ本体20の内側に沿って転動部材26と突っ張り部材28および転動部材29とによって移動可能に支持内設されていることで、シェルタ本体20のみが回転し、避難空間Mの床部mは回転することなく適正状態(水平状態)に保たれる。これにより、車椅子使用者や付添い人(健常者)は横転、回転することなく、通常の姿勢を保つことができることで、付添い人は勿論のこと、車椅子使用者に対しても心理的に安心感のもとで身体の安全を確保することをする。
以上、本発明の実施形態の具体例を詳細に説明したが、前記詳述の実施形態は例示にすぎなく、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術事項には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更などしたものであっても含まれるものである。
例えば、防災シェルタAにおいて、内側シェル部1bを外側シェル部1aの内側に回転可能に支持する多数の球状体3aを、外側シェル部1aの底部側広域において転動可能に介在させた形態に構成することができる。
つまり、図1に示すように、外側シェル部1aおよび内側シェル部1bが適正状態に保たれた状態において避難空間Mのバランス部材11bからなる床部mの裏側を含めたその周辺の円周広域範囲に多数の球状体3aを介在させた形態に構成することがきる。この場合、他の部分の球状体3aによる内側シェル部1bの回転支持においては少数の球状体3aを収容保持させる大きさの球体保持部10を立ち上げ形成して、外側シェル部1aの内側(断熱隙間N)に配置する程度でよい。
また、防災シェルタAにおいて、各球体保持部10の回りに空いている断熱隙間Nに断熱材を装填するなどによって、断熱効果をより効果的に高めることができる。また、介在部材3として、球状体3aに代えて、潤滑性の高い素材から板状や凸凹状などに形成された潤滑部材、或いはゲル状の潤滑部材などを断熱隙間Nに介在して、外側シェル部1aの内側に内側シェル部1bを回転可能に支持させることができる。
また、球状体3aに代えて、第2の実施例詳述の転動部材26や転動部材29などを適用させて外側シェル部1aの内側に内側シェル部1bを円周の全ての方向に回転し得るように支持させることができる。
また、防災シェルタAにおいて、外側シェル部1aを四角形や多角形などの任意の形状に形成して、その内部に軸部材を用いて内側シェル部1bを回転可能に支持させた形態とすることができる。
また、防災シェルタAにおいて、防災シェルタA1と同様に、避難空間Mの床部mにストッパー部材31を備えて、地上に設置させた状態などにおいて内側シェル部1bが外側シェル部1aの円周方向に回転しないように止めておく形態とすることもできる。
また、球状体3aを適度の弾性を有する合成樹脂材などから中空状に形成して、内部に空気を封入したり、多少の弾性と硬さを有するゲル材を充填するなどによって、内側シェル部1bを外側シェル部1aの内側に対し回転可能に支持するための適度の硬度を備え、一方、シェルタ本体1が激流などによって転がりながら押し流されたときなどにおいて、倒壊した家屋などの障害物に衝突した際の外部(外側シェル部1a)からの衝撃を吸収緩和するようにすることもできる。
また、防災シェルタA,A1において、シェルタ本体1,20は、球形状の形態に限らず、縦断面視で真円の、例えば、ドラム缶のような円筒形状の形態に構成することができる。この場合、出入り部2または出入り口21は、前記実施例詳述のように円周面部ではなく、平坦な両側端面の一方または双方に備えることができる。そして、このようにシェルタ本体1,20を円筒形状の形態に構成した場合には避難空間Mを筒方向に広く確保することができるなどによって、座部などの他にベッドなどをも装備することができる。
また、シェルタ本体20においては、分割タイプとして、分割面を突き合わせ接合することにより球形状に構成することができる。例えば、等分2分割や4分割などに形成した分割タイプとして、分割面に備えた接合鍔部間にシール材を介在し、ボルト・ナットにより接合鍔部同士を突合せ接合することで、球形状に構成するようにすることができる。このように分割形態とすることで、トラックなどによる輸送においてコンパクトに運ぶことができる。
A,A1,A2 防災シェルタ
M 避難空間
m 床部
N 断熱隙間
1,20 シェルタ本体
1a 外側シェル部
1b 内側シェル部
2 出入り部
2a,2b 出入り口
3 介在部材
3a 球状体
4a,4b 開閉扉
5 Oリング
6 ヒンジ部材
7 締付け密閉機構
11a,11b バランス部材
12 台座
13 ポール部材
15 通水孔
21 出入り口
22 床構成部材
23a,23b 開閉扉
26,29 転動部材
28 突っ張り部材
40 移動防止兼旋回軸部材

Claims (9)

  1. 避難空間を内部に有する防災シェルタであって、
    球形状または円筒形状に形成されるシェルタ本体に、密閉状に閉塞される出入り部を設けてなり、
    前記シェルタ本体は、外側シェル部と、
    該外側シェル部との間に介在部材を介して円周方向に回転可能に内設される内側シェル部と、から構成され、
    前記外側シェル部と内側シェル部とのそれぞれの底部に相当する円周部分に、重心を設定して適正状態に保つバランス部材を備えていることを特徴とする防災シェルタ。
  2. 前記介在部材は、前記外側シェル部の円周内面と前記内側シェル部の円周外面との間に確保される断熱隙間に転動可能に介在されて、前記外側シェル部に対し前記内側シェル部をその円周外面側から円周方向に回転可能に支持する多数の球状体からなることを特徴とする請求項1に記載の防災シェルタ。
  3. 前記球状体は、前記外側シェル部の円周内面から囲繞状に立ち上げられて前記断熱隙間に独立した凹み形態にて所要数配置される各球体保持部内に転動可能に複数保持されて、前記内側シェル部をその円周外面側から円周方向に回転可能に支持するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の防災シェルタ。
  4. 前記出入り部は、前記外側シェル部側と前記内側シェル部側にそれぞれ設けられて開閉扉により密閉状に閉塞される外側出入り口と内側出入り口からなり、
    前記外側出入り口と前記内側出入り口は、前記外側シェル部と前記内側シェル部とが適正状態に保たれているときに開口連通するように、前記外側シェル部側と前記内側シェル部側の円周部分にそれぞれ開口配置されていることを特徴とする請求項1に記載の防災シェルタ。
  5. 前記外側シェル部側のバランス部材は、前記シェルタ本体の地上設置用の台座に配置され、
    前記台座は、前記外側シェル部の底部に相当する円周外面部分に取り付けられる内部中空の略箱型状に形成されているとともに水が出入りするための通水孔を備え、
    前記内側シェル部側のバランス部材は、避難空間の床部を形成するように前記内側シェル部の円周内面部分に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防災シェルタ。
  6. 避難空間を内部に有する防災シェルタであって、
    球形状または円筒形状に形成されるシェルタ本体に、開閉蓋により密閉状に閉塞される出入り口を設けるとともに、前記避難空間の床部を形成する床構成部材を円周内面に沿わせて円周方向に移動可能に内設してなることを特徴とする防災シェルタ。
  7. 前記床構成部材は、前記避難空間の床部となる表面側の平坦面部に対しその裏面側を前記シェルタ本体の円周内面に沿う円弧面部と成し、当該円弧面部に複数の転動部材を備えて前記シェルタ本体の円周内面に沿って移動可能に内設され、
    かつ、前記平坦面部から前記シェルタ本体の真円中心を通る対角線上において該シェルタ本体の円周内面に至る長さで円周内面に沿って転動する転動部材を端部に備えた突っ張り部材を備えていることを特徴とする請求項6に記載の防災シェルタ。
  8. 前記シェルタ本体は、底部に相当する円周部分に重心を設定して適正状態を保つバランス部材を備えるとともに地上設置用の台座を備えてなり、
    前記床構成部材は、前記シェルタ本体の円周内面に沿わせて平坦面部から立ち上げ延設させた座部を備えるとともに、円弧面部の円弧中心部分に重心を設定して適正状態に保つバランス部材を備えていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の防災シェルタ。
  9. 前記シェルタ本体は、球形状に形成されて底部に相当する円周部分に重心を設定して適正状態を保つバランス部材を備えるとともに地上設置用の台座を備え、さらに、適正状態に保たれている状態において避難空間の床部が位置する円周部分に出入り口を開口配置してなり、
    前記床構成部材は、円弧面部の円弧中心部分に重心を設定して適正状態に保つバランス部材を備えるとともに、突っ張り部材の軸芯線上に位置する平坦面部の円形中心部から円弧面部側に挿通されてシェルタ本体の円周内面に対し下端側を接離自在に圧接させる移動防止兼旋回軸部材を備えていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の防災シェルタ。
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