JP2013183694A - 茶エキスの製造方法および茶エキス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルミニウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂に対して茶抽出液を接触処理する。この接触処理により得られるアルミニウム高含有かつマグネシウム低含有茶エキスを、容器詰茶飲料に配合することで、フロックの発生が長期間防止された、本格的な茶の風味を有する嗜好性の高い容器詰茶飲料を得ることができる。
【選択図】 なし
Description
また、有効量のアルミニウムを茶飲料に添加する方法は、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の無機アルミニウム塩を添加するため、フロックの発生が抑制されても硫酸イオンや塩化物イオン等の無機陰イオンによる異味を生じ、嗜好性の高い茶飲料を提供することは困難である。
このアルミニウムとマグネシウムの交換を利用すると、フロック発生の防止に最適な、アルミニウムを高含有かつマグネシウムを低含有する茶エキスを一段階の処理で得ることが可能であり、得られる茶エキスはストリクチニンが多い玉露や上級煎茶等でもフロックの発生を長期間にわたり防止することを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、本発明の茶エキスの製造では風味に主眼を置いた茶葉の選択が可能となり、本格的な茶の風味を再現した嗜好性の高い容器詰茶飲料を提供することができる。また、アルミニウム形陽イオン交換樹脂への接触処理ではアルミニウムのみが増加するため、無機陰イオンの増加による異味の発生も防ぐことができる。
(1)重量比率(A)/(B)=10〜250
(2)重量比率(C)/(B)≦1
(3)(C)≦15mg/L
本発明の茶エキスの製造に使用する原料茶葉は、茶樹(Camellia sinensis var.sinensisやCamellia sinensis var.assamica、またはこれらの雑種)の生葉や生茎、あるいはこれらを一次原料として製造された茶葉(例えば、煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、釜炒り緑茶等の不発酵茶、不発酵茶に花の香りを移したジャスミン茶等の花茶、白茶等の弱発酵茶、烏龍茶等の半発酵茶、紅茶等の発酵茶、プアール茶等の後発酵茶等)である。また、抽出効率を上げるためにこれらを予め粉砕、破断、細断しても良い。
水蒸気蒸留法は天然原料に水蒸気を吹き込み、水蒸気と共に揮発した香気成分を冷却・液化して留出液として回収する方法であり、常圧水蒸気蒸留、加圧水蒸気蒸留、減圧水蒸気蒸留等の方法を例示することができる。原料茶葉の抽出前および/または抽出時に水蒸気蒸留を行う装置は、水蒸気の注入口と香気成分を含む水蒸気を冷却する冷却部を備えた気密性の高い抽出タンクや抽出塔等を用いれば良く、(株)イズミフードマシナリ製の多機能抽出装置等が例示できる。水蒸気は、飽和水蒸気または過熱水蒸気のいずれを用いても良い。注入する水蒸気の温度や流量、水蒸気の冷却温度、留出液量等は原料茶葉の種類に応じて任意に設定することができ、水蒸気の温度は40〜110℃、流量は原料茶葉1kg当たり0.2〜20kg/hr、冷却温度は−10〜70℃、留出液量は茶葉1kg当たり0.5〜2.5kg等が例示できるが、この範囲に限定されるものではない。
また、水蒸気蒸留法の改良型として気液向流接触蒸留法があり、特公平7−22646等に開示されている方法によって実施することができる。気液向流接触蒸留法を具体的に説明すると、まず、カラム上部に予め調製した原料茶葉のスラリー(粉砕した原料茶葉と水の懸濁液)を投入する。次にスラリーは回転円錐に入り、円錐の回転による遠心力により薄膜状の液層となり、固定円錐に落下して次の回転円錐に移動する。スラリーはこの移動を繰り返してカラム下部に移動する一方、カラム下部より水蒸気を注入することで水蒸気は香気成分を回収しながらカラム上部に移動し、カラム上部より出てきた水蒸気を冷却することで留出液を得ることができる。最終的にカラム下部より出てきたスラリーを固液分離することで茶抽出液を得ることができる。当該方法を行うことができる装置の例としてフレーバーテック社製のスピニングコーンカラムが挙げられる。装置の操作条件に特に制限はないが、一例としてスラリー供給流量300〜1000L/hr、スラリー加熱温度40〜110℃、水蒸気の温度40〜110℃、スラリーに対する蒸発蒸気量1〜10%が挙げられる。水蒸気蒸留により得られる留出液は濃縮して用いることもできる。濃縮方法は、熱負荷の小さい逆浸透膜濃縮、凍結濃縮等が好ましいが、特に限定されるものではない。
茶抽出液の減圧濃縮方法は公知の方法および装置で行えば良く、特に制限されるものではないが、通常−20〜−95kPaの減圧下、30〜90℃の温度で茶抽出液から水分を蒸発させ濃縮した茶抽出液を得る。蒸発した水分を−10〜70℃で冷却し、香気成分を水分と共に凝縮して留出液を得る。また、留出液は濃縮して用いることもできる。濃縮方法は、熱負荷の小さい逆浸透膜濃縮、凍結濃縮等が好ましいが、特に限定されるものではない。
アルミニウム塩としては、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等の無機、有機のアルミニウム塩を使用することができる。また、これらアルミニウム塩は水和物を使用しても何ら差支えない。これらアルミニウム塩の内、硫酸カリウムアルミニウム(焼ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(焼アンモニウムミョウバン)とこれらの水和物である硫酸カリウムアルミニウム・12水(ミョウバンまたはカリミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム・12水(アンモニウムミョウバン)は食品添加物として認可されているため好適である。
また、原料茶葉の抽出前および/または抽出時に水蒸気蒸留を行って得られる留出液の一部または全量、あるいは茶抽出液を減圧濃縮して得られる留出液の一部または全量を陽イオン交換処理液に混合することで、より香りの良い嗜好性の高い茶エキスを得ることができる。
殺菌の条件は食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる方法を選択すれば良いが、例えば、容器として耐熱容器(ガラス瓶、金属缶等)を使用する場合にはレトルト殺菌を行えばよい。また、容器として非耐熱性容器(PETボトル、紙容器等)を用いる場合は、例えば、茶調合液を予めプレート式熱交換機等で高温短時間殺菌後、所定温度まで冷却し、熱時充填するか30〜50℃で無菌充填を行うことで製造することができる。
茶固形分は20℃における糖用屈折計示度(Brix)で表され、RX−5000α((株)アタゴ製)にて分析した。
タンニンの定量は日本食品分析センター編、「五訂日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、p252に記載の酒石酸鉄法に従って行った。定量用標準物質には没食子酸エチル(東京化成工業(株)製)を用いた。
アルミニウムおよびマグネシウムの定量は誘導結合プラズマ発光分光分析法により次の条件で行った。定量用標準物質にはアルミニウム標準液(関東化学(株)製)およびマグネシウム標準液(関東化学(株)製)を用いた。
装置:CIROS CCD−M((株)リガク製)
プラズマ電力:1400W
ポンプ流量:1mL/min
プラズマガス流量:アルゴン,13L/min
補助ガス流量:アルゴン,1L/min
ネブライザーガス流量:アルゴン,1L/min
分析線:396.152nm(アルミニウム),279.079nm(マグネシウム)
加熱殺菌前の茶飲料中のストリクチニンおよびテオガリンの定量は高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析法により次の条件で行った。定量用標準物質にはストリクチニン(三井農林(株)製)およびテオガリン(三井農林(株)製)を用いた。
装置:Alliance HPLCシステム
カラム:Mightysil RP−18GP(4.6×150mm,粒子径5μm,関東化学(株)製)
カラム温度:40℃
移動相:A液0.05%リン酸水:アセトニトリル=1000:25(体積比),B液0.05%リン酸水:メタノール:アセトニトリル=400:200:10(体積比)
グラジエント条件:0〜3分,B0%→3〜25分,B0〜100%→25〜26分,B100〜0%→26〜30分,B0%
流速:1mL/min
検出:UV275nm
茶飲料用にブレンドした玉露茶葉A100gを55℃のイオン交換水2000gに投入した。10分間の撹拌抽出後、生産用ろ紙(No.28,アドバンテック(株)製)でろ過を行い、玉露抽出液(抽出液1)を1476g得た。4.0mLのカリウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンRCP160Mをカリウム形に調製)を充填したカラムに、室温にてSV(空間速度:h-1)50で300gの抽出液1を通液し、比較品1となる玉露エキスを得た。また、6.3mLのアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンRCP160Mをアルミニウム形に調製)を充填したカラムに、室温にてSV32で300gの抽出液1を通液し、発明品1となる玉露エキスを得た。
カリウム形強酸性陽イオン交換樹脂とアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂は以下のように調製した。50mLの水素形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンRCP160M,三菱化学(株)製)を充填したカラムに、室温にてSV10で1M塩化カリウム水溶液500mLを通液後、イオン交換水500mLで洗浄してカリウム形強酸性陽イオン交換樹脂を調製した。35mLの水素形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンRCP160M,三菱化学(株)製)を充填したカラムに、室温にてSV86で0.1M硫酸カリウムアルミニウム水溶液3Lを通液後、イオン交換水3Lで洗浄してアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂を調製した。以下の試験に用いたアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂も同様の方法で調製した。
アルミニウム含量を指標に選定した下級煎茶葉A50gを80℃の0.18重量%クエン酸水溶液1500gに投入した。50分間の撹拌抽出後、生産用ろ紙(No.28,アドバンテック(株)製)でろ過を行い、煎茶抽出液を1325g得た。240mLの活性炭(太閤SG−K,フタムラ化学(株)製)を充填したカラムに煎茶抽出液1260gを通液し、比較品2となる煎茶エキスを得た。
多機能抽出装置((株)イズミフードマシナリ製)の抽出タンクに、玉露茶葉B4kgを投入した。−87.5kPaの減圧下、水蒸気温度55℃、水蒸気流量20kg/hr、水蒸気の冷却温度2℃で20分間水蒸気蒸留を行い、留出液4.5kgを得た。水蒸気蒸留後の茶葉に55℃の水60kgとアスコルビン酸ナトリウム12gを投入し、20分間の撹拌抽出後、150メッシュろ過を行い、玉露抽出液(抽出液2)を40kg得た。530mLのアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンPK208、三菱化学(株)製をアルミニウム形に調製)を充填したカラムに、室温でSV38にて20kgの抽出液2を通液後、得られた陽イオン交換処理液をロータリーエバポレーターで濃縮し、濃縮陽イオン交換処理液を2.9kg得た。この濃縮用イオン交換処理液2.7kgに留出液2.9kgと水0.9kgを加え、110℃で30秒間UHT殺菌を行い、発明品2となる玉露エキスを得た。
水720kgに茶飲料用にブレンドした玉露茶葉B80kgを投入後、湿式粉砕して10重量%の玉露スラリーを調製した。玉露スラリーを55℃に加熱し、気液向流接触蒸留装置(フレーバーテック社製)に605L/hrの流量速度で供給した。同時に気液向流接触蒸留装置の下部から、水蒸気温度55℃、スラリーに対する蒸発水蒸気量4%で水蒸気を供給し、留出液5.5kgを得た。また、排出されたスラリーをスクリュープレスで固液分離し、玉露抽出液(抽出液3)を240kg得た。1620mLのアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンRCP160M、三菱化学(株)製をアルミニウム形に調製)を充填したカラムに、室温でSV10にて12kgの抽出液3を通液後、得られた陽イオン交換処理液をロータリーエバポレーターで濃縮して濃縮陽イオン交換処理液を2.8kg得た。この濃縮陽イオン交換処理液2.7kgに留出液2.9kgと水0.9kgを加え、110℃で30秒間UHT殺菌を行い、発明品3となる玉露エキスを得た。また、1200mLのアルミニウム形弱酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンWK10、三菱化学(株)製をアルミニウム形に調製)を充填したカラムに、室温でSV15にて12kgの抽出液3を通液後、ロータリーエバポレーターで濃縮して玉露濃縮液を2.7kg得た。2.6kgの玉露濃縮液に留出液2.9kgと水1.0kgを加え、110℃で30秒間UHT殺菌を行い、発明品4となる玉露エキスを得た。
アルミニウム形弱酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンWK10)は以下のように調製した。1200mLの水素形弱酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンWK10,三菱化学(株)製)を充填したカラムに、室温にてSV13で1M塩化アルミニウム水溶液15Lを通液後、イオン交換水15Lで洗浄してアルミニウム形弱酸性陽イオン交換樹脂を調製した。
茶飲料用にブレンドした上級煎茶葉B30gを60℃のイオン交換水480gに投入した。20分間の撹拌抽出後、生産用ろ紙(No.28,アドバンテック(株)製)でろ過を行い、煎茶抽出液(抽出液4)を352g得た。100gの抽出液4をロータリーエバポレーター(加熱温度50℃、−90kPa、冷却温度−5℃)で濃縮し、留出液が25g得られたところで留出液を回収し、さらに濃縮を行って濃縮した抽出液25gを得た。10.8mLのアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK104,三菱化学(株)製をアルミニウム形に調製)を充填したカラムに、40℃にてSV12で濃縮した抽出液25gを通液し、得られた陽イオン交換処理液に留出液25gを加えて発明品5となる煎茶エキスを得た。また、25gの発明品5を凍結乾燥して発明品6となる煎茶エキス粉末を得た。
茶飲料用にブレンドしたジャスミン茶葉50gを70℃のイオン交換水1200gに投入した。5分間の撹拌抽出後、生産用ろ紙(No.28,アドバンテック(株)製)でろ過を行い、ジャスミン茶抽出液(抽出液5)を1118g得た。5.2mLのアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンPK208,三菱化学(株)製をアルミニウム形に調製)を充填したカラムに、室温にてSV31で400gの抽出液5を通液し、発明品7となるジャスミン茶エキスを得た。
茶飲料用にブレンドした烏龍茶葉80gを80℃のイオン交換水2400gに投入した。5分間の撹拌抽出後、生産用ろ紙(No.28,アドバンテック(株)製)でろ過を行い、烏龍茶抽出液(抽出液6)を2151g得た。7.0mLのアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンRCP160M,三菱化学(株)製をアルミニウム形に調製)を充填したカラムに、室温にてSV54で750gの抽出液6を通液し、耐熱性ガラス容器にホットパック充填して密閉後、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って、発明品8となる烏龍茶エキスを得た。
茶飲料用にブレンドした紅茶葉50gを90℃のイオン交換水1500gに投入した。7.5分間の撹拌抽出後、生産用ろ紙(No.28,アドバンテック(株)製)でろ過を行い、紅茶抽出液(抽出液7)を1266g得た。10.0mLのアルミニウム形強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンRCP160M,三菱化学(株)製をアルミニウム形に調製)を充填したカラムに室温にてSV33で500gの抽出液7を通液し、発明品9となる紅茶エキスを得た。
比較品1はカリウム形陽イオン交換樹脂に接触処理させてマグネシウムを減少させた茶エキスである。比較品2は、アルミニウム含量が高い下級煎茶をクエン酸水で抽出し、さらに活性炭によりタンニン除去処理を行ってアルミニウム含量を高めた茶エキスである。
実施例1で調製した抽出液1、発明品1、比較品1、比較品2を表2に記載の配合比率(タンニン比)で混合し、L−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウム、水を加えて、終濃度でタンニン700mg/L、L−アスコルビン酸300mg/L、pH6.4の玉露飲料調合液を得た(比較例5のみ硫酸カリウムアルミニウムを添加することによりアルミニウム含量を増加させた)。ここで、タンニン比とは、終濃度であるタンニン700mg/Lのうち、抽出液由来のタンニンと茶エキス由来のタンニンの比率であり、各タンニン比に合わせて、抽出液および茶エキスを混合した。耐熱性ガラス容器に調合液を70gずつ充填して密封し、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って玉露飲料を調製した。玉露飲料を55℃の恒温機内に保存し、経日的に目視観察してフロックの発生日を確認した(試験期間60日間)。60日間フロックの発生が見られなかったものを「発生無し」とした。また、パネリスト5名による茶飲料の官能評価を行った。本発明でいう風味とは、異味のない、茶の味と香りが本来有している本格的な風味である。風味の評価点は3(良い)、2(やや良い)、1(悪い)とし、平均評価点が、2.4以上を◎、1.7〜2.3を○、1.6以下を×とした。総合評価は、フロックの発生が認められずかつ官能評価が◎のものを◎、フロックの発生が認められずかつ官能評価が○のものを○、フロックの発生が認められたもの、または官能評価において×のものを×とした。
玉露茶葉B100gを55℃のイオン交換水3000gに投入した。10分間の撹拌抽出後、生産用ろ紙(No.28,アドバンテック(株)製)でろ過を行い、玉露抽出液(抽出液8)を2410g得た。実施例1で調製した発明品2〜4および抽出液8を表3に記載の配合比率(タンニン比)で混合し、L−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウム、水を加えて、終濃度でタンニン700mg/L、L−アスコルビン酸300mg/L、pH6.8の緑茶飲料調合液を得た。耐熱性ガラス容器に調合液を70gずつ充填して密封し、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って玉露飲料を調製した。玉露飲料を55℃の恒温機内に保存し、経日的に目視観察してフロックの発生日を確認した(試験期間60日)。また、パネリスト5名による茶飲料の官能評価を行った。官能評価及び総合評価は玉露飲料(1)と同様に行った。
実施例1で調製した抽出液4、発明品5、発明品6を表4に記載の配合比率(タンニン比)で混合し、L−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウム、水を加えて、終濃度でタンニン700mg/L、L−アスコルビン酸300mg/L、pH6.8の緑茶飲料調合液を得た。耐熱性ガラス容器に調合液を70gずつ充填して密封し、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って緑茶飲料を調製した。緑茶飲料を55℃の恒温機内に保存し、経日的に目視観察してフロックの発生日を確認した(試験期間60日)。また、パネリスト5名による茶飲料の官能評価を行った。官能評価及び総合評価は玉露飲料(1)と同様に行った。
実施例1で調製した抽出液5と発明品7を表5に記載の配合比率(タンニン比)で混合し、L−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウム、水を加えて、終濃度でタンニン500mg/L、L−アスコルビン酸300mg/L、pH6.1のジャスミン茶飲料調合液を得た。耐熱性ガラス容器に調合液を70gずつ充填して密封し、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行ってジャスミン茶飲料を調製した。ジャスミン茶飲料を55℃の恒温機内に保存し、経日的に目視観察してフロックの発生日を確認した(試験期間60日)。また、パネリスト5名による茶飲料の官能評価を行った。官能評価及び総合評価は玉露飲料(1)と同様に行った。
実施例1で調製した抽出液6と発明品8を表6に記載の配合比率(タンニン比)で混合し、L−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウム、水を加えて、終濃度でタンニン600mg/L、L−アスコルビン酸300mg/L、pH6.4の烏龍茶飲料調合液を得た。耐熱性ガラス容器に調合液を70gずつ充填して密封し、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って烏龍茶飲料を調製した。烏龍茶飲料を55℃の恒温機内に保存し、経日的に目視観察してフロックの発生日を確認した(試験期間60日)。また、パネリスト5名による茶飲料の官能評価を行った。官能評価及び総合評価は玉露飲料(1)と同様に行った。
実施例1で調製した抽出液7と発明品9を表7に記載の配合比率(タンニン比)で混合し、L−アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウム、水を加えて、終濃度でタンニン550mg/L、L−アスコルビン酸300mg/L、pH5.3の紅茶飲料調合液を得た。耐熱性ガラス容器に調合液を70gずつ充填して密封し、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って紅茶飲料を調製した。紅茶飲料を55℃の恒温機内に保存し、経日的に目視観察してフロックの発生日を確認した(試験期間60日)。また、パネリスト5名による茶飲料の官能評価を行った。官能評価及び総合評価は玉露飲料(1)と同様に行った。
Claims (11)
- アルミニウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂に、茶抽出液を接触させる工程を有する茶エキスの製造方法。
- 前記陽イオン交換樹脂が強酸性陽イオン交換樹脂である、請求項1に記載の茶エキスの製造方法。
- 前記茶エキスが、茶固形分に対するアルミニウム含量が0.2重量%以上、マグネシウム含量が0.07重量%以下の茶エキスである請求項1または2に記載の茶エキスの製造方法。
- 次の工程1〜3を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の茶エキスの製造方法。
工程1:原料茶葉の抽出前および/または抽出時に水蒸気蒸留を行って留出液を回収し、原料茶葉の抽出により茶抽出液を得る工程。
工程2:前記工程1で得られた茶抽出液、または該抽出液を減圧濃縮により濃縮した茶抽出液を、アルミニウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂に接触させて陽イオン交換処理液を得る工程。
工程3:前記工程1で得られた留出液と工程2で得られた陽イオン交換処理液を混合する工程。 - 次の工程a〜cを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の茶エキスの製造方法。
工程a:茶抽出液の減圧濃縮により、留出液と濃縮した茶抽出液とを得る工程。
工程b:前記工程aで得られた濃縮した茶抽出液を、アルミニウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂に接触させて陽イオン交換処理液を得る工程。
工程c:前記工程aで得られた留出液と工程bで得られた陽イオン交換処理液を混合する工程。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により得られる茶エキス。
- 請求項6に記載の茶エキスを配合することにより、飲料中の次の成分、(A)タンニン、(B)アルミニウムおよび(C)マグネシウムを次の(1)、(2)および(3)の範囲に調整することを特徴とする容器詰茶飲料の製造方法。
(1)重量比率(A)/(B)=10〜250
(2)重量比率(C)/(B)≦1
(3)(C)≦15mg/L - 請求項7に記載の製造方法により得られる容器詰茶飲料。
- 請求項6に記載の茶エキスを配合することにより、飲料中の次の成分、(A)タンニン、(B)アルミニウムおよび(C)マグネシウムを次の(1)、(2)および(3)の範囲に調整することを特徴とする容器詰茶飲料のフロック発生抑制方法。
(1)重量比率(A)/(B)=10〜250
(2)重量比率(C)/(B)≦1
(3)(C)≦15mg/L - 請求項6に記載の茶エキスを有効成分とする容器詰茶飲料のフロック発生抑制剤。
- アルミニウムイオンを結合させた陽イオン交換樹脂に、茶抽出液を接触させることを特徴とする茶抽出液のアルミニウム増加およびマグネシウム減少方法。
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