JP2013182178A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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和善 伊藤
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康隆 内藤
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Abstract

【課題】加熱ベルトによって、その加熱ベルトよりも幅が狭い媒体に画像を定着させる場合に、加熱ベルトに対する熱負荷を低減する。
【解決手段】画像形成装置の制御部は、指示された画像形成に用いる用紙が最大幅用紙であると判断する場合、計測部の端部センサおよび補助部の抵抗発熱体を停止する。そして、制御部は、中央部センサにより計測された温度を読み取り、読み取った温度に応じて電磁誘導部の励磁コイルに供給する高周波電力を制御する。一方、画像形成に用いる用紙が最大幅用紙でないと判断する場合、制御部は、中央部センサにより計測された温度を読み取り、読み取った温度に応じて補助部の抵抗発熱体に供給する電力を制御する。そして、端部センサにより計測された温度を読み取り、読み取った温度に応じて電磁誘導部の励磁コイルに供給する高周波電力を制御する。
【選択図】図9

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
特許文献1には、メインサーミスタが一定温度を維持するようにヒータを通電するとともに、通紙される記録材(媒体)のサイズを検知し、検知したサイズの記録材の通紙領域にサブサーミスタが含まれるか否かに応じて、サブサーミスタの温度を維持するようにヒータを通電する制御に切り替えるか否かを決める画像形成装置について記載されている。
特許文献2には、加熱体の温度を検知して温度制御を行なう第一の温度検出素子を、画像形成装置に供給して使用可能な最小幅の記録材が通過する領域内に配置するとともに、加熱体の温度を検知して温度制御を行なう第二の温度検出素子を、加熱体の長手方向に第一の温度検出素子とは異なる位置であって、画像形成装置に供給して使用可能な最小幅の記録材が通過する領域外に配置した画像形成装置について記載されている。
特開2009−186891号公報 特開2008−185955号公報
本発明は、第1領域を加熱する第1加熱部と、第1領域よりも幅が狭い第2領域を加熱する第2加熱部とを備える定着装置において、第2領域内外の温度差により発生する熱負荷を低減することを目的とする。
本発明の請求項1に係る定着装置は、第1の幅を有する第1領域を加熱して当該第1領域を通過する媒体に形成された画像を定着させる第1加熱部と、前記第1領域に含まれる領域であって前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2領域を加熱して当該第2領域を通過する媒体に形成された画像を定着させる第2加熱部と、前記第1加熱部および前記第2加熱部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記媒体のうち前記第2の幅よりも狭い幅を有する第2媒体に形成された画像を定着させる場合には、前記第1加熱部を制御して前記第1領域を加熱させるとともに、前記第2加熱部を制御して前記第2領域を加熱させることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る定着装置は、請求項1に記載の構成において、前記第1領域に含まれて前記第2領域に含まれない位置の温度を計測する第1計測部と、前記第2領域に含まれる位置の温度を計測する第2計測部とを備え、前記制御部は、前記第1媒体に形成された画像を定着させる場合には、前記第1計測部または前記第2計測部により計測された温度が予め定められた第1の温度になるように前記第1加熱部を制御して当該第1媒体を加熱させ、前記第2媒体に形成された画像を定着させる場合には、前記第1計測部により計測された温度が予め定められた第2の温度になるように前記第1加熱部を制御するとともに、前記第2計測部により計測された温度が前記第2の温度よりも高い温度であって予め定められた第3の温度になるように前記第2加熱部を制御して当該第2媒体を加熱させることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る定着装置は、請求項1または2に記載の構成において、前記第1加熱部は、交流磁界を発生させて当該交流磁界における電磁誘導により前記第1領域を加熱し、前記第2加熱部は、電気を流すことによって発生するジュール熱により前記第2領域を加熱することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る定着装置は、請求項3に記載の構成において、前記第1加熱部は、前記媒体と接して回転し前記第1領域を通過させるように当該媒体を回転して搬送する外周面を有する無端のベルトに対して前記交流磁界を通過させ、当該ベルトに含まれる部材に前記電磁誘導による渦電流を生じさせて、前記第1領域を加熱し、前記第2加熱部は、前記ベルトの内周面側に配置され、前記ベルトを介して前記ジュール熱を前記外周面に伝達させて、前記第2領域を加熱することを特徴とする。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像が形成された媒体を前記第1領域または前記第2領域に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されてくる媒体に画像を定着させる請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置とを具備することを特徴とする。
請求項1、5に係る発明によれば、第1領域を加熱する第1加熱部と、第1領域よりも幅が狭い第2領域を加熱する第2加熱部とを備える定着装置において、第2加熱部によって第2領域を加熱する際に第1加熱部による加熱を行なわない場合に比べて、第2領域内外の温度差により発生する熱負荷を低減することができる。
請求項2に係る発明によれば、第1領域を加熱する第1加熱部と、第1領域よりも幅が狭い第2領域を加熱する第2加熱部とを備える定着装置において、第2加熱部によって第2領域を加熱する際に第1加熱部による加熱を行なわない場合に比べて、第2領域内外の温度差を低減することができる。
請求項3に係る発明によれば、第1加熱部と第2加熱部とが、互いに影響を与えずにそれぞれ加熱を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、第1加熱部による加熱に用いる無端のベルトの内周面側に第2加熱部を配置しない場合に比較して定着に用いる空間を小さくすることができる。
本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 定着部の概要を示す図である。 図2における矢視III−IIIから定着部を見た図である。 図2における矢視IV−IVから定着部を見た図である。 抵抗発熱体の外観の一例を示す図である。 加熱ベルトの一部を拡大して示す図である。 キュリー点を下回る温度における感温磁性合金の作用を説明する図である。 キュリー点以上の温度における感温磁性合金の作用を説明する図である。 本実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフロー図である。 電磁誘導部により加熱ベルトに生じる温度分布を説明する図である。 補助部の抵抗発熱体により加熱ベルトに生じる温度分布を説明する図である。 電磁誘導部および抵抗発熱体により加熱ベルトに生じる温度分布を説明する図である。
1.実施形態
1−1.構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。同図に示すように、画像形成装置1は、制御部11と、記憶部12と、現像部13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、定着部15と、搬送部16と、操作部17とを備えている。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に大きな差異はない。以下、現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して「現像部13」とする。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPUがROMや記憶部12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより画像形成装置1の各部を制御する。
操作部17は各種の指示を入力するための操作ボタンなどを備えており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部11に供給する。
記憶部12はハードディスクドライブなどの大容量の記憶手段であり、制御部11のCPUに読み込まれるプログラムを記憶する。
搬送部16は、容器と搬送ロールとを有する。容器には、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pが収容される。用紙Pの上述したサイズのうち搬送方向に対して垂直な方向、すなわち幅方向には少なくとも2つ以上の異なるサイズが定められている。ここでは、最大幅用紙P1と、最大幅用紙P1よりも幅の狭い小幅用紙P2の2種類の用紙Pが用いられる。最大幅用紙P1とは、画像形成装置1で取り扱う用紙Pのうち、幅方向のサイズが最大のものである。これら2種類の用紙Pは収容されている容器によって制御部11に区別される。各容器に収容されている用紙Pは、制御部11の指示により搬送ロールによって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路を経由して転写部14へと搬送される。なお、媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシートなどであってもよい。要するに、媒体は、表面に画像を記録し得るものであればよい。
各現像部13は、感光体ドラム31と、帯電器32と、露光装置33と、現像器34と、一次転写ロール35と、ドラムクリーナ36とを備えている。感光体ドラム31は電荷発生層や電荷輸送層を有する像保持体であり、図示しない駆動部により図中の矢線D13の方向に回転させられる。帯電器32は感光体ドラム31の表面を帯電させる。露光装置33はレーザ発光源やポリゴンミラー等(いずれも図示せず)を備え、制御部11の制御の下、画像データに応じたレーザ光を、帯電器32により帯電させられた後の感光体ドラム31に向けて照射する。これにより、各感光体ドラム31には潜像が保持される。なお、上記の画像データは、制御部11が図示しない通信部を介して外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば原画像を読み取る読取装置や画像を示すデータを記憶した記憶装置などである。
現像器34はY,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する。そして現像器34に形成された磁気ブラシの穂先が感光体ドラム31の表面に接触することで、トナーは感光体ドラム31表面で露光装置33により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着し、感光体ドラム31に画像が形成(現像)される。
一次転写ロール35は転写部14の中間転写ベルト41が感光体ドラム31と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト41に画像を転写する。ドラムクリーナ36は、画像の転写後に感光体ドラム31の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、感光体ドラム31表面を除電する。即ち、ドラムクリーナ36は、次の画像形成に備えて、感光体ドラム31から不要なトナーや電荷を除去するものである。
転写部14は、中間転写ベルト41と、二次転写ロール42と、ベルト搬送ロール43と、バックアップロール44とを備えており、現像部13によって形成された画像を、ユーザの操作に応じて決められた紙種の用紙Pに転写する転写部である。中間転写ベルト41は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44はこの中間転写ベルト41を張架する。ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44の少なくとも1つには駆動部(図示せず)が備えられており、中間転写ベルト41を図中の矢印D14方向に移動させる。なお、駆動部を有さないベルト搬送ロール43またはバックアップロール44は、中間転写ベルト41の移動に従動して回転する。中間転写ベルト41が図中の矢印D14方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト41上の画像は、二次転写ロール42とバックアップロール44とに挟まれる領域に移動させられる。
二次転写ロール42は、中間転写ベルト41との電位差によって、中間転写ベルト41上の画像を搬送部16から搬送されてきた用紙Pに転写させる。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部14または搬送部16は、画像が転写された用紙Pを定着部15へと搬送する。なお、現像部13および転写部14は、本発明における媒体に画像を形成する画像形成手段の一例である。
定着部15は、加熱によって用紙Pに転写された画像を定着させる。図2は、定着部15の概要を示す図である。図3は、図2における矢視III−IIIから定着部15を見た図である。図4は、図2における矢視IV−IVから定着部15を見た図である。以下、図において、定着部15の各構成の配置を説明するため、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。また、図に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、y軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。なお、図2に示す定着部15は、図3における矢視II−IIから定着部15を見たものである。また、定着部15を通過する際に、用紙Pは画像が形成された面を+y方向に向けた状態で、z軸方向に搬送される。すなわち、z軸方向は用紙Pの搬送方向であり、x軸方向は用紙Pの幅方向である。
定着部15は、加熱ベルト51と、加圧ロール52と、電磁誘導部53と、磁心54と、計測部55と、押圧パッド56と、ホルダ57と、補助部58とを備えている。図2に示すように加熱ベルト51はx軸方向に平行な軸O1を中心に矢印D51方向に回転する。また、図2に示すように加圧ロール52は、金属製の円筒状の芯材521と、この芯材521の表面に設けられた弾性層522とを備える。芯材521は、軸O1に平行な軸であって軸O1の−y方向に配置された軸である軸O2を中心に矢印D52方向に回転し、これに伴って弾性層522が矢印D52方向に回転する。弾性層522の材質は、例えばシリコーンゴム層や、フッ素ゴム層などである。また、弾性層522は、その表面に表面離型層(フッ素樹脂層)を備えてもよい。
加圧ロール52は、図示しない駆動部により回転しつつ搬送部16により搬送された用紙Pを加熱ベルト51に押し付けることにより、加熱ベルト51による用紙Pの加熱を補助する。加熱ベルト51は、加圧ロール52からの摩擦力によって加圧ロール52に従動回転する。
計測部55、押圧パッド56、ホルダ57、および補助部58は、加熱ベルト51の内周側に配置されている。
ホルダ57は、x軸方向に伸びる棒状の部材であり、図示しない両端部を画像形成装置1の筐体に固定されている。ホルダ57は、例えば、ガラス混入PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)または銅(Cu)等の非磁性金属等を材料に用いて形成されている。これにより、ホルダ57は、他の材料を用いる場合に比べて比較的、誘導磁界に影響を与えにくくなっており、且つ、誘導磁界から影響を受けにくくなっている。ホルダ57は、図2に示す矢印D56方向(−y方向)、すなわち加圧ロール52が配置された方向に向けて押圧パッド56を支持する。
押圧パッド56は、シリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体やPPS、LCP(Liquid Crystal Polymer)等の耐熱樹脂で構成され、加圧ロール52と対向する位置にてホルダ57に支持される。押圧パッド56は、加熱ベルト51を介して加圧ロール52から押圧される状態で配置され、加圧ロール52の方向(−y方向)に向けて加熱ベルト51を内側から押圧する。これにより、加熱ベルト51と加圧ロール52との間にニップ領域R1が形成される。用紙Pは、このニップ領域R1を通過するように搬送される。ニップ領域R1において押圧パッド56は、加圧ロール52の押圧によって軸O1に向かって凹むように変形しており、加熱ベルト51はこの変形した押圧パッド56の形状に沿った形状となる。
補助部58は、感温磁性合金581、抵抗発熱体582、および減衰部材583を、加熱ベルト51の内周面側から軸O1に向かってこの順に重ねて備える。また、補助部58は、感温磁性合金581を支持するバネ部材584を備える。
バネ部材584は、例えば湾曲した金属製の板バネであり、感温磁性合金581をホルダ57に固定するとともに、加熱ベルト51の内周面に押し付けるように支持する。このバネ部材584により、感温磁性合金581は加熱ベルト51が偏心して、その半径方向へ変位したとしても、その変位に対して追従し、加熱ベルト51の内周面に接触状態が維持される。
感温磁性合金581は、キュリー点を持つ金属材料であり、例えば、Ni−Fe系、Ni−Cr−Fe系の整磁合金である。このキュリー点は、加熱ベルト51の設定温度以上、加熱ベルト51の耐熱温度以下の範囲であることがよく、具体的には、例えば170℃〜250℃であることが望ましく、より望ましくは190℃〜230℃である。
感温磁性合金581は、加熱ベルト51の内周面に沿った形状に構成され、加熱ベルト51の内周面に接するとともに電磁誘導部53に加熱ベルト51を介して対向して配置されている。また、感温磁性合金581は、バネ部材584により、ホルダ57とは非接触で加熱ベルト51を円筒形状に維持させつつ、加熱ベルト51の内周面に接して配置されている。感温磁性合金581は、電磁誘導部53から発生する磁界の作用により電磁誘導されて一部発熱する。
感温磁性合金581の厚みは、例えば、0.05〜1.0mm、望ましくは0.3〜0.6mmである。感温磁性合金581の形状は、上記の厚みを有する円筒形状に形成された合金から、或る決められた中心角の範囲(例えば30°〜180°)に相当する部分を切り出した形状等が挙げられるが、特に制限はない。
抵抗発熱体582は、電気を流すことによってジュール熱を発生し、加熱ベルト51を介してそのジュール熱を加熱ベルト51の外周側に伝達させて用紙Pを加熱する抵抗体である。図3および図4に示すように、抵抗発熱体582は、電磁誘導部53、感温磁性合金581および減衰部材583に比べて、軸方向の長さ(幅)が短い。具体的には、図4に示すように、抵抗発熱体582は、位置x3からx6までの範囲に配置されており、その幅はw2である。一方、電磁誘導部53、感温磁性合金581および減衰部材583は、いずれも位置x1からx8までの範囲に配置されており、その幅はw2よりも長いw4である。
電磁誘導部53によって加熱される領域(以下、第1領域という)は、上述した位置x1からx8までの範囲である。したがって、この第1領域は、本発明における第1領域の一例である。
また、抵抗発熱体582によって加熱される領域(以下、第2領域という)は、上述した位置x3からx6までの範囲である。したがって、この第2領域は、本発明における第1領域に含まれる領域であって、第1領域の幅w4(本発明における第1の幅に相当する)よりも狭い幅w2(本発明における第2の幅に相当する)を有する領域の一例である。
上述した小幅用紙P2の幅はw2よりも短いw1であり、小幅用紙P2は転写部14または搬送部16によって転写部14から搬送され、位置x3からx6までの範囲(第2領域)の内側である位置x4からx5までの範囲を通過する。したがって、小幅用紙P2は、定着部15を通過するとき、抵抗発熱体582の幅方向の範囲、つまり第2領域に含まれ、はみ出すことがない。なお、小幅用紙P2は、本発明における第2の幅よりも狭い幅を有する第2媒体の一例である。
また、最大幅用紙P1の幅はw2よりも長くw4よりも短いw3であり、最大幅用紙P1は転写部14または搬送部16によって転写部14から搬送され、位置x1からx8までの範囲(第1領域)の内側であって、位置x3からx6までの範囲の外側である、位置x2からx7までの範囲を通過する。したがって、最大幅用紙P1は、定着部15を通過するとき電磁誘導部53、感温磁性合金581および減衰部材583の幅方向の範囲、つまり第1領域に含まれ、これをはみ出すことがないが、必ず抵抗発熱体582の幅方向の範囲(第2領域)をはみ出す。なお、最大幅用紙P1は、本発明における第1の幅よりも狭く第2の幅よりも広い幅を有する第1媒体の一例である。なお、転写部14または搬送部16は、本発明における、画像形成手段により画像が形成された媒体を第1領域または第2領域に搬送する搬送手段の一例である。
図5は、抵抗発熱体582の外観の一例を示す図である。図5に示すように、抵抗発熱体582は、2つの電極582a、582cと、この2つの電極の間を蛇行するように繋いだ抵抗部材582bと、抵抗部材582bを両面から挟む2枚のフィルム582dとを有する。例えば、抵抗部材582bは薄さ30μmのステンレススチールであり、2枚のフィルム582dはそれぞれ薄さが50μmのポリイミドである。2つの電極582a、582cに電圧をかけることによって、抵抗部材582bが発熱する。
減衰部材583は、アルミニウム(Al)などの非磁性体で構成され、図示しない支持部材によってホルダ57に固定されている。電磁誘導部53によって生成され、加熱ベルト51および感温磁性合金581を通過した交流磁界が、減衰部材583を通過すると、電磁誘導が生じて減衰部材583の内部に渦電流が流れる。特に、感温磁性合金581の温度がキュリー点以上の温度になると、感温磁性合金581が非磁性体となるため、減衰部材583に交流磁界が通過しやすくなる。なお、キュリー点以上の温度において加熱ベルト51への加熱を止めるために、減衰部材583には、加熱ベルト51で発生する渦電流をキャンセルするような渦電流を発生する材料を選択することが望ましい。
電磁誘導部53は、制御部11の指示に応じて図示しない励磁回路から定められた周波数の交流電流が供給される励磁コイルを備えている。この周波数は、例えば、一般的な汎用電源により生成される交流電流の周波数であり、例えば20kHz以上100kHz以下の周波数である。この交流電流の電流量は、制御部11によって制御される。励磁コイルは、相互に絶縁された銅線材を束ねたリッツ線が、楕円形状または長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて形成されているコイルである。励磁コイルに励磁回路から上記の交流電流が供給されることにより、電磁誘導部53の周囲には、上記のリッツ線を中心とする交流磁界が生成される。上記の電流量が大きいほど、生成される交流磁界の強度が大きくなる。
加熱ベルト51は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成される。電磁誘導部53の励磁コイルに交流電流が供給されるとその周囲に高周波磁界が発生し、これが回転する加熱ベルト51に含まれる部材に作用してその部材を発熱させることで、加熱ベルト51に接して第1領域を通過する用紙Pが加熱される。その結果、電磁誘導部53は、供給される電力に応じた熱量により加熱ベルト51を介して、媒体を加熱し、媒体に転写された画像をその媒体に定着させる。したがって、電磁誘導部53は、本発明における第1加熱部の一例である。
また、抵抗発熱体582は、加熱ベルト51の内周面側に配置され、電気を流すことによって発生するジュール熱を、加熱ベルト51を介して加熱ベルト51の外周側に伝達させて用紙Pを加熱する。ここで抵抗発熱体582の幅方向の範囲は、上述した第2領域であるから、加熱ベルト51の外周側のうち、抵抗発熱体582からジュール熱を伝達される領域も第2領域と同じである。したがって、抵抗発熱体582は、本発明における第2加熱部の一例である。
図6は、加熱ベルト51の一部を拡大して示す図である。加熱ベルト51は、基材層511と、導電発熱層512と、弾性層513と、表面離型層514とを有する。基材層511は、耐熱性のシート状部材で形成され、導電発熱層512を支持するとともに、加熱ベルト51全体としての機械的強度を形成する。また、基材層511は、磁界を通過させる物性(比透磁率、固有抵抗)を持った材質および厚さで形成されている。基材層511は、磁界の作用により発熱しない、または導電発熱層512よりも発熱しにくくなっている。基材層511は、例えば、厚さ30μm以上200μm以下(望ましくは50μm以上150μm以下、より望ましくは100μm以上150μm以下)の非磁性ステンレススチール、軟質磁性材料(例えばパーマロイ、センダスト(登録商標)等)、又は硬質磁性材料(Fe−Ni−CoやFe−Cr−Co合金)等の非磁性金属や、厚さ50μm以上200μm以下のポリイミドベルト等の樹脂材料を用いて形成されている。
導電発熱層512は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)または銅(Cu)等の非磁性金属やこれらの金属合金を材料に用いて、厚さが2μm以上20μm以下(望ましくは5μm以上10μm以下)となるように形成されている。これらの材料は、比透磁率が概ね1の常磁性体であり、固有抵抗が2.7×10−8Ω・m以下のものである。導電発熱層512の厚さ方向に電磁誘導部53が生成した交流磁界が通過すると、電磁誘導が生じて導電発熱層512の内部に渦電流が流れる。導電発熱層512は、この渦電流が流れることにより、熱を発生する。このように、導電発熱層512は、電磁誘導部53が生成する交流磁界によって加熱される。以下では、このように交流磁界における電磁誘導により導電発熱層512を有する加熱ベルト51が熱を発する、すなわち加熱されることを、「電磁誘導加熱」という。
弾性層513は、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなど、圧力を加えられると変形し、加えられた圧力がなくなると元の形状に戻る材料を用いて形成されている。例えば、弾性層513は、硬度が10°以上30°以下(JIS−A)のシリコーンゴムを材料に用いて、厚みが100μm以上600μm以下となるように形成されている。二次転写ロール42により用紙Pに転写された画像は、粉体である各色トナーが積層して形成されているため、微細な出っ張りや窪みがある。弾性層513は、この画像の出っ張りや窪みに合わせて変形するようになっている。弾性層513がこのように変形しなければ、画像において加熱ベルト51と接触する部分としない部分とで供給される熱量にばらつきが生じてしまい、その画像が定着される度合いにムラが生じてしまう。弾性層513が上記のとおり変形することで、このムラが低減される。
表面離型層514は、用紙に形成された画像(トナー)と直接接触するため、トナーに対する離型性が高いほど望ましい。表面離型層514は、トナーに対する離型性が比較的高いものとして、例えば、PFA(Tetrafluoroetylene- Perfluoroalkylvinylether Copolymer:テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(polytetrafluoroethylene:ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等を材料に用いて形成されている。また、表面離型層514の厚みが小さいほど、摩耗により層が薄くなって離型層としての機能を果たせなくなるまでに要する期間が短くなる、すなわち加熱ベルト51の寿命が短くなる。一方、この厚みが大きいほど、加熱ベルト51の熱容量が大きくなり、加熱ベルト51が決められた温度となるまで加熱するために要する時間が長くなる。表面離型層514は、これらの寿命および時間が定められた範囲に収まるものとして、厚みが1μm以上50μm以下となるように形成されている。
図2に示す磁心54は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、パーマロイ等を材料に形成された円弧形状の強磁性体である。これらの材料は、透磁率が比較的高い酸化物や合金材質である。磁心54は、励磁コイルの周囲に生成された交流磁界の磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心54から加熱ベルト51を透過して磁心54に戻る磁力線の通路(磁路)を形成する。磁心54が磁路を形成することにより、上記の交流磁界の磁力線が、加熱ベルト51のうち磁心54と対向する部分に集中することになる。軸O1から見て磁心54の外側には図示しないシールドが設けられている。このシールドは、磁界を遮蔽して外部への漏洩を抑制する。
図7は、キュリー点を下回る温度における感温磁性合金581の作用を説明する図である。キュリー点を下回る温度において、感温磁性合金581は強磁性体であるため、電磁誘導部53によって生成され、加熱ベルト51を通過した交流磁界は、この感温磁性合金581の形状に沿ってその内部を通過する。したがって、図7に示すように、電磁誘導部53および加熱ベルト51の周囲を取り囲み、磁心54および感温磁性合金581に沿った形状の磁路L0が形成される。感温磁性合金581がその形状に沿って磁路L0を形成するため、加熱ベルト51を通過する磁束密度は比較的高くなり、加熱ベルト51の発熱量も多くなる。また、感温磁性合金581から交流磁界が脱出しづらいため、感温磁性合金581における発熱量も比較的多くなる。
一方、図8は、キュリー点以上の温度における感温磁性合金581の作用を説明する図である。キュリー点以上の温度において、感温磁性合金581は非磁性体となる。そのため、電磁誘導部53によって生成され、加熱ベルト51を通過した交流磁界は、この感温磁性合金581を通過し、抵抗発熱体582や減衰部材583に到達する。減衰部材583は、非磁性体であり上記の交流磁界を通過させるため、図8に示すように、電磁誘導部53、加熱ベルト51、感温磁性合金581、抵抗発熱体582、および減衰部材583の周囲を取り囲む形状の磁路L1が形成される。磁路L1が減衰部材583を通過すると、通過する部分で渦電流が生じるため、減衰部材583はわずかに発熱する。減衰部材583は、その渦電流によって発生する反磁界により元々の磁界を打ち消し加熱ベルトの発熱を抑える。
ところで、減衰部材583は、感温磁性合金581とともに抵抗発熱体582を挟んでいるが感温磁性合金581とは直接、接触していない。
図2に示す計測部55は、加熱ベルト51の内側に配置され、加熱ベルト51の温度を計測する。計測部55は、例えばサーミスタなどを有し、これにより生じる熱起電力の電圧を計測することで、加熱ベルト51の温度を計測する。計測された温度は制御部11に伝えられる。図4に示すように計測部55は、中央部センサ551と端部センサ552とを有する。中央部センサ551は、加熱ベルト51のうち、用紙Pの幅方向の中央に相当する部分の温度を計測する。端部センサ552は、加熱ベルト51のうち、小幅用紙P2が通過する領域よりも幅方向の外側であって、最大幅用紙P1が通過する領域に含まれる部分の温度を計測する。すなわち、中央部センサ551は、最大幅用紙P1および小幅用紙P2のいずれが通過しても、それら各用紙Pの通過する部分(すなわち、通紙部分)の温度を計測し、端部センサ552は、小幅用紙P2にとっては非通紙部分であって最大幅用紙P1にとっては通紙部分である部分の温度を計測する。なお、中央部センサ551は、本発明における第2計測部の一例であり、端部センサ552は、本発明における第1計測部の一例である。
最大幅用紙P1に形成された画像を定着させる場合、制御部11は、中央部センサ551(第2計測部)によって計測された加熱ベルト51の温度が予め設定された第1の温度に近づくように電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力を制御する。一方、小幅用紙P2に形成された画像を定着させる場合、制御部11は、端部センサ552(第1計測部)によって計測された加熱ベルト51の温度が予め設定された第2の温度に近づくように電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力を制御するとともに、中央部センサ551(第2計測部)によって計測された加熱ベルト51の温度が第2の温度よりも高い温度であって予め設定された第3の温度に近づくように、補助部58の抵抗発熱体582に供給する電力を制御する。
上述の予め設定された温度に近づくように制御された加熱ベルト51は、中間転写ベルト41を経てニップ領域R1に搬送された用紙Pを加熱する定着処理を行なう。定着部15による定着処理を経た用紙Pは、搬送部16により画像形成装置1の上部に設けられた用紙置き場に排出される。
1−2.動作
図9は、本実施形態に係る画像形成装置1の動作を示すフロー図である。画像形成装置1の制御部11は、操作部17を介してユーザから画像形成の指示を受けたか否かを判断する(ステップS1)。そして、画像形成の指示を受けていないと判断する間(ステップS1;NO)にわたり、制御部11は、この判断を継続する。画像形成の指示を受けたと判断したとき(ステップS1;YES)、制御部11は、画像形成装置1の各部を制御して画像形成の処理を開始する(ステップS2)。
次に、制御部11は、指示された画像形成に用いる用紙Pが最大幅用紙P1であるか否かを判断する(ステップS3)。画像形成に用いる用紙Pが最大幅用紙P1であると判断する場合(ステップS3;YES)、制御部11は、計測部55の端部センサ552および補助部58の抵抗発熱体582を停止する(ステップS4)。そして、制御部11は、中央部センサ551により計測された温度を読み取り(ステップS5)、読み取った温度に応じて電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力を制御する(ステップS6)。制御部11は、画像形成が終了したか否かを判定し(ステップS7)、終了していないと判定する場合には(ステップS7;NO)、処理をステップS5に戻す。画像形成が終了したと判定する場合(ステップS7;YES)、制御部11は、処理を終了する。
一方、上述したステップS3において、画像形成に用いる用紙Pが最大幅用紙P1でないと判断する場合(ステップS3;NO)、制御部11は、中央部センサ551により計測された温度を読み取り(ステップS8)、読み取った温度に応じて補助部58の抵抗発熱体582に供給する電力を制御する(ステップS9)。そして、端部センサ552により計測された温度を読み取り(ステップS10)、読み取った温度に応じて電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力を制御する(ステップS11)。制御部11は、画像形成が終了したか否かを判定し(ステップS12)、終了していないと判定する場合には(ステップS12;NO)、処理をステップS8に戻す。画像形成が終了したと判定する場合(ステップS12;YES)、制御部11は、処理を終了する。
以上の動作により、加熱ベルト51に生じる温度分布について説明する。図10は、電磁誘導部53により加熱ベルト51に生じる温度分布を説明する図である。電磁誘導部53は、幅方向にw4の長さを有している。そのため、電磁誘導部53によって発熱する加熱ベルト51は、最大幅用紙P1および小幅用紙P2のいずれが定着部15を通過する場合であっても、それら各用紙Pの幅方向の全領域を加熱する。制御部11は、図10(a)に示すように、電磁誘導部53を制御してニップ領域R1の上流に位置する加熱ベルト51を温度T1に昇温させる。ここで温度T1は、本発明における予め定められた第1の温度の一例であり、用紙Pの画像を定着させるのに必要な温度である。図10(a)に示す領域R101は、位置x1または位置x8という加熱ベルト51において端部に当たる位置であるため、温度T1と温度T0の温度差であるΔTaが幅方向に生じていても、加熱ベルト51に負荷がかかり難い。また、仮に負荷がかかって加熱ベルト51にクラックなどが生じたとしても、領域R101には用紙Pが通過しないので、画像形成に与える影響は抑制される。
このニップ領域R1を最大幅用紙P1が通過すると、最大幅用紙P1は位置x2からx7までの範囲を通過するので、加熱ベルト51のうちその範囲に相当する部分の熱を奪う。その結果、加熱ベルト51のうち最大幅用紙P1が通過した位置x2から位置x7までの範囲は温度T2となる。すなわち、加熱ベルト51の温度分布は、ニップ領域R1の下流において、図10(b)に示すようになる。図10(b)に示す領域R102は、電磁誘導部53の範囲であって最大幅用紙P1の幅方向の外側に相当する部分である。この領域R102では、最大幅用紙P1が直接、熱を奪わないため最大幅用紙P1が通過した部分に比べて温度が高いが、温度の高い部分は幅方向において比較的狭い領域である。そのため、図10(b)に矢印で示したように熱が幅方向に拡散することによって、加熱ベルト51の温度は均一化する。
ここで、仮に電磁誘導部53のみの制御により加熱ベルト51を温度T1に昇温させ、小幅用紙P2を通紙したとすると、加熱ベルト51の温度分布は、図10(c)に示すようになる。図10(c)に示す領域R103は、図10(b)に示した領域R102に比べると幅方向に広い。したがって、図10(b)に示した領域R102に比べて図10(c)に示す領域R103に残留している熱は幅方向に拡散しづらい。そのため、小幅用紙P2への画像形成が連続すると、領域R103において加熱ベルト51が蓄熱し、加熱ベルト51を部分的に加熱することとなる。部分的に加熱された加熱ベルト51は、軸方向に温度勾配が生じ、その温度勾配に応じて軸方向の各位置における熱膨張に差ができて、加熱ベルト51に歪やクラックが生じることがある。また、用紙Pが部分的に過剰に加熱されるので、トナーの定着不良が生じることがある。さらに、定着に用いられない余分な熱が加熱ベルト51の領域R103に発生するので、エネルギーを浪費することにもなる。
図11は、補助部58の抵抗発熱体582により加熱ベルト51に生じる温度分布を説明する図である。補助部58の抵抗発熱体582に電力を供給すると抵抗発熱体582にジュール熱が発生する。これにより、抵抗発熱体582に接触する感温磁性合金581を介してこの抵抗発熱体582に生じた熱が加熱ベルト51に伝えられ、加熱ベルト51のうち抵抗発熱体582に対向する部分の温度が上昇する。例えば、制御部11は、図11(a)に示すように、抵抗発熱体582に供給する電力を制御してニップ領域R1の上流に位置する加熱ベルト51を温度T1に昇温させる。そして、図11(a)に示した温度分布を有する加熱ベルト51によって、小幅用紙P2に形成された画像を定着させると、ニップ領域R1の下流において加熱ベルト51の温度分布は、図11(b)に示すようになる。図11(b)に示す領域R112では、小幅用紙P2が直接、熱を奪わないため小幅用紙P2が通過した部分に比べて温度が高いが、温度の高い部分は幅方向において比較的狭い領域である。そのため、図11(b)に矢印で示したように熱が幅方向に拡散することによって、加熱ベルト51の温度は均一化する。
しかしながら、図11(a)に示す領域R111は、位置x3または位置x6に近い領域であり、小幅用紙P2にとって通紙部分外であるとしても最大幅用紙P1にとっては通紙部分である。そして、その部分においてΔTaの温度差が或る閾値を超えていると加熱ベルト51に歪が生じたり、クラックなどが生じたりすることがあり、形成される画像を乱す原因となる。
図12は、電磁誘導部53、および補助部58の抵抗発熱体582により加熱ベルト51に生じる温度分布を説明する図である。画像形成装置1の制御部11は、画像形成に小幅用紙P2を用いる場合、定着部15の加熱ベルト51を図12に示す温度分布になるように制御する。つまり、制御部11の制御の下、電磁誘導部53は位置x1からx8までの範囲において加熱ベルト51に渦電流を発生させて発熱させるとともに、補助部58の抵抗発熱体582を発熱させて加熱ベルト51の位置x3からx6までの範囲を伝導伝熱により加熱する。ここで、加熱ベルト51のうち位置x1からx3および位置x6からx8までの2つの範囲は、いずれも電磁誘導部53によって発生する交流磁界によってのみ加熱される範囲であり、その目標とする温度は温度T3に定められている。また、加熱ベルト51のうち位置x3からx6までの範囲は、上記の交流磁界に加えて抵抗発熱体582による伝導伝熱によって加熱される範囲であり、その目標とする温度は温度T1に定められている。温度T3は、温度T0よりも高い温度であり、温度T1よりも低い温度である。したがって、温度T3は、本発明における第2の温度の一例であり、この場合における温度T1は、本発明における第3の温度の一例である。
これにより、図12(a)に示す領域R121では、温度T1と温度T3の温度差であるΔTcが生じるが、これは上述した温度差ΔTaよりも小さい温度差であるため、加熱ベルト51に歪やクラックが生じる可能性は図11(a)に示した場合に比べて低い。また、図12(a)に示す領域R122では、温度T3と温度T0の温度差であるΔTdが生じるが、これも上述した温度差ΔTaよりも小さい温度差である。また、領域R122は、加熱ベルト51において端部に当たる位置であるため、加熱ベルト51に負荷がかかり難く、仮に負荷がかかってクラックなどが生じたとしても、用紙Pが通過しないので、画像形成に与える影響は抑制される。
そして、図12(a)に示した温度分布を有する加熱ベルト51によって、小幅用紙P2に形成された画像を定着させると、ニップ領域R1の下流において加熱ベルト51の温度分布は、図12(b)に示すようになる。図12(b)に示す領域R123では、小幅用紙P2が直接、熱を奪わないため小幅用紙P2が通過した部分に比べて温度が高いが、温度の高い部分は幅方向において比較的狭い領域である。そのため、図12(b)に矢印で示したように熱が幅方向に拡散することによって、加熱ベルト51の温度は均一化する。
このように、画像形成装置1は、小幅用紙P2に画像を定着させる場合に、電磁誘導部53による電磁誘導加熱と、補助部58の抵抗発熱体582による伝導伝熱とを併用して、加熱ベルト51の軸方向(すなわち、用紙Pの幅方向)に生じる温度分布を階段状に調整するので、加熱ベルト51に対する熱負荷が低減される。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.第1加熱部
上述した実施形態において、電磁誘導部53は、高周波磁界(交流磁界)を発生させて、これを回転する加熱ベルト51に含まれる部材に作用させてその部材を発熱させることで、加熱ベルト51に接して第1領域を通過する用紙Pを加熱していたが、第1領域を通過する用紙Pを加熱する第1加熱部は電磁誘導部53に限られない。例えば、第1加熱部としてハロゲンヒータや抵抗発熱体が第1領域を加熱し、第1領域を通過する用紙Pに形成された画像を定着してもよい。要するに、第1加熱部は、第1の幅を有する第1領域を加熱してその第1領域を通過する媒体に形成された画像を定着させるものであればよい。
2−2.第2加熱部
上述した実施形態において、抵抗発熱体582は、加熱ベルト51の内周面側に配置され、電気を流すことによってジュール熱を発生し、加熱ベルト51を介してそのジュール熱を加熱ベルト51の外周側における第2領域に伝達させて用紙Pを加熱していたが、第2領域を通過する用紙Pを加熱する第2加熱部は抵抗発熱体582に限られない。例えば、第2加熱部として加熱ベルト51の外周面側に配置された抵抗発熱体を用いてもよいし、ハロゲンヒータや電磁誘導ヒータが第2領域を加熱し、第2領域を通過する用紙Pに形成された画像を定着してもよい。要するに、第2加熱部は、第1領域に含まれる領域であって第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2領域を加熱してこの第2領域を通過する媒体に形成された画像を定着させるものであればよい。
2−3.計測に応じた制御
上述した実施形態において、最大幅用紙P1に形成された画像を定着させる場合、制御部11は、中央部センサ551によって計測された加熱ベルト51の温度が予め設定された第1の温度に近づくように電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力を制御していた。また、小幅用紙P2に形成された画像を定着させる場合、制御部11は、端部センサ552によって計測された加熱ベルト51の温度が予め設定された第2の温度に近づくように電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力を制御するとともに、中央部センサ551によって計測された加熱ベルト51の温度が第2の温度よりも高い温度であって予め設定された第3の温度に近づくように、補助部58の抵抗発熱体582に供給する電力を制御していた。しかし、制御部11は、この計測部55による計測に応じた制御を行なわなくてもよい。例えば、制御部11は、最大幅用紙P1に形成された画像を定着させる場合と、小幅用紙P2に形成された画像を定着させる場合とで、それぞれ予め定められた熱量を加熱するように電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力や、抵抗発熱体582に供給する電力を制御してもよい。要するに、制御部11は、媒体のうち第1の幅よりも狭く第2の幅よりも広い幅を有する第1媒体に形成された画像を定着させる場合には、第1加熱部を制御して第1領域を加熱させ、媒体のうち第2の幅よりも狭い幅を有する第2媒体に形成された画像を定着させる場合には、第1加熱部を制御して第1領域を加熱させるとともに、第2加熱部を制御して第2領域を加熱させるものであればよい。
また、制御部11は、幅用紙P1に形成された画像を定着させる場合、中央部センサ551(第2計測部)ではなく、端部センサ552(第1計測部)によって計測された加熱ベルト51の温度が予め設定された第1の温度に近づくように電磁誘導部53の励磁コイルに供給する高周波電力を制御してもよい。つまり、制御部11は、第1媒体に形成された画像を定着させる場合に、第1計測部または第2計測部により計測された温度が予め定められた第1の温度になるように第1加熱部を制御して第1媒体を加熱させればよい。
2−4.媒体
上述した実施形態において、媒体としての用紙Pには、最大幅用紙P1と、最大幅用紙P1よりも幅の狭い小幅用紙P2の2種類が用いられていたが、画像形成装置1が扱う媒体は2種類に限られず、3種類以上であってもよい。画像形成装置1は、媒体の種類が3種類以上ある場合、その媒体の幅に応じた数の加熱部を備えていてもよい。そして或る加熱部が加熱する領域は、その加熱部に対応付けられた媒体が通過し得るものであればよい。そして、最大幅用紙P1以外の用紙Pを加熱する際に、制御部11は、その用紙Pに対応付けられた加熱部に加えて、それ以外の加熱部をともに制御することで、第1領域に発生する温度差を調節し、その温度差によって発生する熱負荷を低減させればよい。
2−5.プログラム
画像形成装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなど通信回線を経由して制御部11にダウンロードさせてもよい。なお、上記の制御部11によって例示した制御部としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサなどが用いられる。
1…画像形成装置、11…制御部、12…記憶部、13…現像部、14…転写部、15…定着部、16…搬送部、17…操作部、31…感光体ドラム、32…帯電器、33…露光装置、34…現像器、35…一次転写ロール、36…ドラムクリーナ、41…中間転写ベルト、42…二次転写ロール、43…ベルト搬送ロール、44…バックアップロール、49…ベルトクリーナ、51…加熱ベルト、52…加圧ロール、521…芯材、522…弾性層、53…電磁誘導部、54…磁心、55…計測部、551…中央部センサ、552…端部センサ、56…押圧パッド、57…ホルダ、58…補助部、581…感温磁性合金、582…抵抗発熱体、582a,582c…電極、582b…抵抗部材、582d…フィルム、583…減衰部材、584…バネ部材、P…用紙、P1…最大幅用紙、P2…小幅用紙、R1…ニップ領域

Claims (5)

  1. 第1の幅を有する第1領域を加熱して当該第1領域を通過する媒体に形成された画像を定着させる第1加熱部と、
    前記第1領域に含まれる領域であって前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2領域を加熱して当該第2領域を通過する媒体に形成された画像を定着させる第2加熱部と、
    前記第1加熱部および前記第2加熱部を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記媒体のうち前記第2の幅よりも狭い幅を有する第2媒体に形成された画像を定着させる場合には、前記第1加熱部を制御して前記第1領域を加熱させるとともに、前記第2加熱部を制御して前記第2領域を加熱させる
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1領域に含まれて前記第2領域に含まれない位置の温度を計測する第1計測部と、
    前記第2領域に含まれる位置の温度を計測する第2計測部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1媒体に形成された画像を定着させる場合には、前記第1計測部または前記第2計測部により計測された温度が予め定められた第1の温度になるように前記第1加熱部を制御して当該第1媒体を加熱させ、
    前記第2媒体に形成された画像を定着させる場合には、前記第1計測部により計測された温度が予め定められた第2の温度になるように前記第1加熱部を制御するとともに、前記第2計測部により計測された温度が前記第2の温度よりも高い温度であって予め定められた第3の温度になるように前記第2加熱部を制御して当該第2媒体を加熱させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1加熱部は、交流磁界を発生させて当該交流磁界における電磁誘導により前記第1領域を加熱し、
    前記第2加熱部は、電気を流すことによって発生するジュール熱により前記第2領域を加熱する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記第1加熱部は、前記媒体と接して回転し前記第1領域を通過させるように当該媒体を回転して搬送する外周面を有する無端のベルトに対して前記交流磁界を通過させ、当該ベルトに含まれる部材に前記電磁誘導による渦電流を生じさせて、前記第1領域を加熱し、
    前記第2加熱部は、前記ベルトの内周面側に配置され、前記ベルトを介して前記ジュール熱を前記外周面に伝達させて、前記第2領域を加熱する
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像が形成された媒体を前記第1領域または前記第2領域に搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送されてくる媒体に画像を定着させる請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置と
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
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