JP5966496B2 - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱装置および画像形成装置に関する。
特許文献1には、未定着現像剤を表面に担持した記録材に接触しながら熱定着する加熱ローラのローラ体中に少なくとも結晶化グラファイトシートからなる熱伝導層を設けることが記載されている。
特許文献2には、電磁誘導加熱方式の加熱装置を備えた画像形成装置において、熱伝導が回転体の熱伝導よりも大なる良熱伝導部材を回転体に対しニップ部外で加圧することが記載されている。
特許文献3には、加圧ロールの耐熱弾性材料層の外周に高熱伝導性でかつ柔軟な材料層を設け、その材料層の外周にトナーと親和性のない薄膜を設けること記載されている。
特開2001−117402号公報 特開2001−66933号公報 特開平4−42184号公報
本発明は、媒体を搬送するベルトの熱をその軸方向に沿って拡散させる拡散層を有しない場合に比べて、そのベルトの軸方向の温度差を小さくすることを目的とする。
本発明の請求項1に係る加熱装置は、交流磁界を発生する磁界発生手段と、前記交流磁界が作用して生じる電磁誘導により発熱する第1領域を有するベルトであって、外周面に接する媒体を加熱して搬送する無端のベルトと、前記ベルトの内周面に滑りながら接触して当該ベルトに対し熱を伝える伝熱部であって、熱を蓄える蓄熱層と、前記蓄熱層よりも前記ベルトに近い位置に配置され、前記磁界発生手段と前記蓄熱層とを隔てるように延びる層であって、キュリー温度より低い温度では前記交流磁界の磁束を自身の延びる方向に通す磁路を形成し、前記キュリー温度以上の温度では前記交流磁界の磁束を貫通させて前記蓄熱層に至らせる磁路を形成する感温層と、前記感温層および前記蓄熱層のいずれよりも熱伝導率が高い層であって、前記ベルトの熱を当該ベルトの軸方向に沿って拡散させる拡散層と、前記第1領域に含まれて前記軸方向の長さが当該第1領域よりも短い第2領域に、前記感温層と前記蓄熱層との間において対向する位置に設けられ、当該第2領域を加熱する加熱層と、を有する伝熱部とを備え、前記拡散層は、前記加熱層に接することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る加熱装置は、請求項1に記載の構成において、前記蓄熱層は、前記拡散層よりも熱容量が大きいことを特徴とする。
本発明の請求項に係る加熱装置は、請求項3に記載の構成において、前記加熱層は、電気を流すことによって発生するジュール熱により前記第2領域を加熱することを特徴とする。
本発明の請求項に係る加熱装置は、請求項1からのいずれか1項に記載の構成において、前記拡散層は、炭素を主成分とした材料、グラファイトまたは炭素繊維を含むことを特徴とする。
本発明の請求項に係る画像形成装置は、媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像が形成された媒体を前記第1領域または前記第2領域に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されてくる媒体を加熱する請求項1からのいずれか1項に記載の加熱装置とを具備することを特徴とする。
請求項1、4、5に係る発明によれば、媒体を搬送するベルトの熱をその軸方向に沿って拡散させる拡散層を有しない場合に比べて、そのベルトの軸方向の温度差を小さくすることができる。
請求項2に係る発明によれば、拡散層を蓄熱層よりも小さくすることができる。
請求項に係る発明によれば、磁界発生手段と加熱層とが互いに影響を与えずにそれぞれベルトの加熱を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 加熱部の概要を示す図である。 図2における矢視IIIから加熱部を見た図である。 加熱ベルトの一部を拡大して示す図である。 キュリー点を下回る温度における感温層の作用を説明する図である。 キュリー点以上の温度における感温層の作用を説明する図である。 拡散層を有していない加熱部である加熱部の概要を示す図である。 加熱部の加熱ベルトに生じる温度分布を説明する図である。 第2実施形態に係る加熱部の概要を説明するための図である。 図9における矢視X−Xから加熱部を見た断面図である。 加熱層の外観の一例を示す図である。 拡散層を有していない加熱部の概要を示す図である。 加熱部の加熱ベルトに生じる温度分布を説明する図である。
1.第1実施形態
1−1.構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。同図に示すように、画像形成装置1は、制御部11と、記憶部12と、現像部13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、加熱部15と、搬送部16と、操作部17とを備えている。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に大きな差異はない。以下、現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して「現像部13」とする。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPUがROMや記憶部12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより画像形成装置1の各部を制御する。
操作部17は各種の指示を入力するための操作ボタン等を備えており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部11に供給する。
記憶部12はハードディスクドライブ等の大容量の記憶手段であり、制御部11のCPUに読み込まれるプログラムを記憶する。
搬送部16は、容器と搬送ロールとを有する。容器には、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pが収容される。用紙Pの上述したサイズのうち搬送方向に対して垂直な方向、すなわち幅方向には少なくとも2つ以上の異なるサイズが定められている。ここでは、最大幅用紙P1と、最大幅用紙P1よりも幅の狭い小幅用紙P2の2種類の用紙Pが用いられる。最大幅用紙P1とは、画像形成装置1で取り扱う用紙Pのうち、幅方向のサイズが最大のものである。これら2種類の用紙Pは収容されている容器によって制御部11に区別される。各容器に収容されている用紙Pは、制御部11の指示により搬送ロールによって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路を経由して転写部14へと搬送される。なお、媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシート等であってもよい。要するに、媒体は、表面に画像を記録し得るものであればよい。
各現像部13は、感光体ドラム31と、帯電器32と、露光装置33と、現像器34と、一次転写ロール35と、ドラムクリーナ36とを備えている。感光体ドラム31は電荷発生層や電荷輸送層を有する像保持体であり、図示しない駆動部により図中の矢線D13の方向に回転させられる。帯電器32は感光体ドラム31の表面を帯電させる。露光装置33はレーザ発光源やポリゴンミラー等(いずれも図示せず)を備え、制御部11の制御の下、画像データに応じたレーザ光を、帯電器32により帯電させられた後の感光体ドラム31に向けて照射する。これにより、各感光体ドラム31には潜像が保持される。なお、上記の画像データは、制御部11が図示しない通信部を介して外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば原画像を読み取る読取装置や画像を示すデータを記憶した記憶装置等である。
現像器34はY,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉等の磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する。そして現像器34に形成された磁気ブラシの穂先が感光体ドラム31の表面に接触することで、トナーは感光体ドラム31表面で露光装置33により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着し、感光体ドラム31に画像が形成(現像)される。
一次転写ロール35は転写部14の中間転写ベルト41が感光体ドラム31と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト41に画像を転写する。ドラムクリーナ36は、画像の転写後に感光体ドラム31の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、感光体ドラム31表面を除電する。即ち、ドラムクリーナ36は、次の画像形成に備えて、感光体ドラム31から不要なトナーや電荷を除去するものである。
転写部14は、中間転写ベルト41と、二次転写ロール42と、ベルト搬送ロール43と、バックアップロール44とを備えており、現像部13によって形成された画像を、ユーザの操作に応じて決められた紙種の用紙Pに転写する転写部である。中間転写ベルト41は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44はこの中間転写ベルト41を張架する。ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44の少なくとも1つには駆動部(図示せず)が備えられており、中間転写ベルト41を図中の矢印D14方向に移動させる。なお、駆動部を有さないベルト搬送ロール43またはバックアップロール44は、中間転写ベルト41の移動に従動して回転する。中間転写ベルト41が図中の矢印D14方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト41上の画像は、二次転写ロール42とバックアップロール44とに挟まれる領域に移動させられる。
二次転写ロール42は、中間転写ベルト41との電位差によって、中間転写ベルト41上の画像を搬送部16から搬送されてきた用紙Pに転写させる。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部14または搬送部16は、画像が転写された用紙Pを加熱部15へと搬送する。なお、現像部13および転写部14は、本発明における媒体に画像を形成する画像形成手段の一例である。
加熱部15は、用紙Pを加熱することによって用紙P上に転写された画像を定着させる加熱装置である。図2は、加熱部15の概要を示す図である。以下、図において、加熱部15の各構成の配置を説明するため、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。また、図に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、y軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。なお、図2に示す加熱部15は、図3における矢視II−IIから加熱部15を見た断面図である。また、加熱部15を通過する際に、用紙Pは画像が形成された面を+y方向に向けた状態で、z軸方向に搬送される。すなわち、z軸方向は用紙Pの搬送方向であり、x軸方向は用紙Pの幅方向である。
加熱部15は、加熱ベルト51と、加圧ロール52と、電磁誘導部53と、磁心54と、押圧パッド56と、ホルダ57と、伝熱部58と、遮蔽部材59とを備えている。図2に示すように加熱ベルト51はx軸方向に平行な軸O1を中心に矢印D51方向に回転する。また、図2に示すように加圧ロール52は、金属製の円筒状の芯材521と、この芯材521の表面に設けられた弾性層522とを備える。芯材521は、軸O1に平行な軸であって軸O1の−y方向に配置された軸である軸O2を中心に矢印D52方向に回転し、これに伴って弾性層522が矢印D52方向に回転する。弾性層522の材質は、例えばシリコーンゴム層や、フッ素ゴム層等である。また、弾性層522は、その表面に表面離型層(フッ素樹脂層)を備えてもよい。
加圧ロール52は、図示しない駆動部により回転しつつ搬送部16により搬送された用紙Pを加熱ベルト51に押し付けることにより、加熱ベルト51による用紙Pの加熱を補助する。加熱ベルト51は、加圧ロール52からの摩擦力によって加圧ロール52に従動回転する。
押圧パッド56、ホルダ57、および伝熱部58は、加熱ベルト51の内周側に配置されている。
ホルダ57は、フレーム571と、支持部材572と、固定部材573と、弾性部材574とを備える。フレーム571は、x軸方向に伸びる部材であり、x軸方向の図示しない両端部を画像形成装置1の筐体に固定されている。フレーム571は、例えば、ガラス混入PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂や、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)または銅(Cu)等の非磁性金属等を材料に用いて形成しても良いが、本実施例のように遮蔽部材59を設ける構成においては剛性が高い鉄系の部材を用いても良い。これにより、フレーム571は、誘導磁界に影響を与え難くなっており、且つ、誘導磁界から影響を受け難くなっている。フレーム571は、図2に示す矢印D56方向(−y方向)、すなわち加圧ロール52が配置された方向に向けて押圧パッド56を支持する。
押圧パッド56を支持するフレーム571は、押圧パッド56が加圧ロール52からの押圧力を受けた状態での撓み量が一定量以下となるように、剛性の高い材料で構成される。それにより、ニップ領域R1におけるx軸方向の圧力(ニップ圧)の均一性を維持している。支持部材572と固定部材573とは、いずれもビスなどによる連結具によってフレーム571に取付けられている。
遮蔽部材59は、電磁誘導部53とフレーム571との間に配置され、電磁誘導部53から発生する磁路がフレーム571の側に漏洩し難くする。図2に示すように遮蔽部材59の一方の端部591は、フレーム571に取付けられた固定部材573により固定されている。また固定部材573は、伝熱部58の端部うち、加熱ベルト51の回転方向において上流側の端部も固定する。一方、遮蔽部材59の他方の端部592は、伝熱部58の端部のうち、上記回転方向において下流側の端部と結合されている。そして弾性部材574は、遮蔽部材59の端部592と支持部材572との間に配置される。
この構成において、遮蔽部材59がアルミニウム等により形成され、弾性を有するため遮蔽部材59の端部592は端部591を支点として+y方向および−y方向に移動する。また弾性部材574は、図2で見て右方向、すなわち+y方向の力を発生する。そしてこの力により遮蔽部材59の端部592側が+y方向に押される。
押圧パッド56は、LCP(Liquid Crystal Polymer)等の耐熱性樹脂で構成され、加圧ロール52と対向する位置でホルダ57のフレーム571に支持される。押圧パッド56は、加熱ベルト51を介して加圧ロール52から押圧される状態で配置され、加圧ロール52の方向(−y方向)に向けて加熱ベルト51を内周面側から押圧する。これにより、加熱ベルト51と加圧ロール52との間にニップ領域R1が形成される。用紙Pは、このニップ領域R1を通過するように搬送される。ニップ領域R1において押圧パッド56は、加圧ロール52の押圧によって軸O1に向かって凹むように変形しており、加熱ベルト51はこの変形した押圧パッド56の形状に沿った形状となる。なお、押圧パッド56は、シリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成されていてもよい。
伝熱部58は、感温層581、拡散層582、および蓄熱層583を、加熱ベルト51の内周面側から軸O1に向かってこの順に重ねて備える。伝熱部58は、ホルダ57、遮蔽部材59を含む支持機構によって軸O1を中心とした径方向に付勢されており、これによって、加熱ベルト51の内周面との接触状態が維持されている。
感温層581は、キュリー点を持つ金属材料を含む層であり、例えば、Ni−Fe系、Ni−Cr−Fe系の整磁合金である。このキュリー点は、加熱ベルト51の設定温度以上、加熱ベルト51の耐熱温度以下の範囲であることがよく、具体的には、例えば170℃以上250℃以下であることが望ましく、より望ましくは190℃以上230℃以下である。
感温層581は、加熱ベルト51の内周面に沿った形状に構成され、加熱ベルト51の内周面に接するとともに電磁誘導部53に加熱ベルト51を介して対向して配置されている。また、感温層581は、遮蔽部材59によりホルダ57とは非接触で加熱ベルト51を円筒形状に維持させつつ、加熱ベルト51の内周面に接して配置されている。感温層581は回転する加熱ベルト51の内周面に滑りながら接触してこの加熱ベルト51に対し熱を伝える。感温層581は、電磁誘導部53から発生する交流磁界の作用により電磁誘導されて発熱する。
感温層581の厚みは、例えば、0.05mm以上1.0mm以下、望ましくは0.3mm以上0.6mm以下である。感温層581の形状は、上記の厚みを有する円筒形状に形成された合金から、或る決められた中心角の範囲(例えば30°以上180°以下)に相当する部分を切り出した形状等が挙げられるが、特に制限はない。
蓄熱層583は、アルミニウム(Al)等の非磁性体で構成され、図示しない支持部材によってホルダ57に固定されている。蓄熱層583は、加熱ベルト51や拡散層582に比べて熱容量が大きい。蓄熱層583は、加熱ベルト51や感温層581で発生した熱を蓄える。
拡散層582は、炭素を主成分とした材料、グラファイトまたは炭素繊維を含む層であり、感温層581と蓄熱層583に挟まれている。ここで「主成分」とは、組成成分含有率で50重量%以上であることをいう。拡散層582は、グラファイト等を含むため感温層581や蓄熱層583に比べて熱伝導率が高く、軸O1を中心とした径方向の熱伝導によって感温層581と蓄熱層583との間の熱の授受を仲介する。また拡散層582は、軸O1に沿った方向(軸方向)にも熱を拡散させて感温層581および蓄熱層583の軸方向の温度差を小さくする。
伝熱部58は遮蔽部材59の端部592で結合されているため、弾性部材574により発生した力は伝熱部58を加熱ベルト51に押圧する力として作用する。この結果、感温層581は加熱ベルト51に押し付けられる状態となる。例えば、駆動部(移動機構)によって加圧ロール52が加熱ベルト51と接触、離間を繰り返す構成であるとしても、感温層581は加熱ベルト51に押し付けられたままの状態を保つ。そのため加熱ベルト51の形状の変化はわずかとなり、略円形形状を保つ。すなわち、弾性部材574は、加熱ベルト51の変形を抑制する。その結果、加熱ベルト51と感温層581との接触状態は変化し難いので、感温層581の端部によって加熱ベルト51の内面が損傷する可能性は抑制される。
さらに、拡散層582および蓄熱層583も感温層581とともに弾性部材574によって押圧される方向に移動するので、感温層581、拡散層582および蓄熱層583の相互の接触状態にも変化が生じ難い。そのため磁路形成の状態に変化が生じ難く、蓄熱層583による熱拡散効果にも変化が生じ難い。そのため、加圧ロール52が加熱ベルト51から離れている状態でも、加熱ベルト51に接触している状態でも、加熱ベルト51、感温層581、拡散層582、蓄熱層583相互の接触状態が保たれる。その結果、定着動作を行うため加圧ロール52が接触位置に戻った際にも、感温層581で発生した熱の加熱ベルト51への供給の状態に変化が生じ難く、定着動作は速やかに開始される。
さらに、加熱ベルト51、感温層581、拡散層582および蓄熱層583の相互の接触状態が保たれることにより、熱が外部に拡散し難くなり、定着動作を行っていないときでも加熱ベルト51、感温層581、拡散層582および蓄熱層583の温度変化が生じ難い。そのためこの点でも定着動作は速やかに開始され、電力は節約される。
なお弾性部材574は、特に限定されることはなく、板ばね、コイルスプリング等が使用可能である。ただし、組み立てが容易であり、設計の自由度が高いという観点からコイルスプリングを使用することが好ましい。また弾性部材574の取付け位置については感温層581および蓄熱層583を加熱ベルト51に押圧することができる位置であれば特に限定されることはない。ただし加圧ロール52が加熱ベルト51から離れているときに加熱ベルト51の形状に変化が生じやすいのは、加熱ベルト51の回転方向における下流側である。また、上述した感温層581の下流側の端部による加熱ベルト51の破損防止の観点から、弾性部材574は、感温層581の端部またはこの端部に隣接する箇所であって加熱ベルト51の回転方向に対し下流側に配設することが好ましい。
また上述した例では、遮蔽部材59の一方の端部591は、固定されているとしたが、本実施の形態では、接着、溶接、ネジ止め等により完全に固定する場合に限らず、例えば、はめ込み等により自由度を持たして、固定する場合も含む。そしてこの場合、組み立てが容易になりやすい。
電磁誘導部53は、制御部11の指示に応じて図示しない励磁回路から定められた周波数の交流電流が供給される励磁コイルを備えている。この周波数は、例えば、一般的な汎用電源により生成される交流電流の周波数であり、例えば20kHz以上100kHz以下の周波数である。この交流電流の電流量は、制御部11によって制御される。励磁コイルは、相互に絶縁された銅線材を束ねたリッツ線が、楕円形状または長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて形成されているコイルである。励磁コイルに励磁回路から上記の交流電流が供給されることにより、電磁誘導部53の周囲には、上記のリッツ線を中心とする交流磁界が発生する。上記の電流量が大きいほど、生成される交流磁界の強度が大きくなる。なお、電磁誘導部53は、本発明における磁界発生手段の一例である。
磁心54は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、パーマロイ等を材料に形成された円弧形状の強磁性体である。これらの材料は、透磁率が比較的高い酸化物や合金材質である。磁心54は、電磁誘導部53の励磁コイルの周囲に生成された交流磁界の磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心54から加熱ベルト51を透過して磁心54に戻る磁力線の通路(磁路)を形成する。磁心54が磁路を形成することにより、上記の交流磁界の磁力線が、加熱ベルト51のうち磁心54と対向する部分に集中することになる。軸O1から見て磁心54の外側には図示しないシールドが設けられている。このシールドは、交流磁界を遮蔽して外部への漏洩を抑制する。
図3は、図2における矢視IIIから加熱部15を見た図である。図3に示すように加熱部15は、x軸方向に間隔をあけて並べられた複数の磁心54を有している。各磁心54は互いに接触していない。磁心54のこの配置は、磁心54を通過する磁束をx軸方向に分散させるためである。例えば、磁心54をx軸方向に連続した一枚の板部材で構成した場合、磁心54を通過する磁束は中央に集中してしまい、加熱ベルト51を貫通する磁束密度がx軸方向の中央部に偏ってしまう。これを防ぐために、磁心54は複数用意され、互いに接触しないようにx軸方向に間隔をあけて並べられる。なお、磁束がベルトなど層状の部材を「貫通」するとは、磁束がこれら層状の部材における厚みの方向に通り抜けることである。
加熱ベルト51は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成される。電磁誘導部53の励磁コイルに交流電流が供給されるとその周囲に高周波交流磁界が発生し、これが回転する加熱ベルト51に含まれる部材に作用してその部材を発熱させることで、加熱ベルト51に接して加熱ベルト51の外周面に接する用紙Pが加熱される。その結果、電磁誘導部53は、供給される電力に応じた熱量により加熱ベルト51を介して、媒体を加熱し、媒体に転写された画像をその媒体に定着させる。
図4は、加熱ベルト51の一部を拡大して示す図である。加熱ベルト51は、基材層511と、導電発熱層512と、弾性層513と、表面離型層514とを有する。基材層511は、耐熱性のシート状部材で形成され、導電発熱層512を支持するとともに、加熱ベルト51全体としての機械的強度を形成する。また、基材層511は、交流磁界を貫通させる物性(比透磁率、固有抵抗)を持った材質および厚さで形成されている。基材層511は、交流磁界の作用により発熱しない、または導電発熱層512よりも発熱しにくくなっている。基材層511は、例えば、厚さ30μm以上200μm以下(望ましくは50μm以上150μm以下、より望ましくは100μm以上150μm以下)の非磁性ステンレススチール、軟質磁性材料(例えばパーマロイ、センダスト(登録商標)等)、又は硬質磁性材料(Fe−Ni−CoやFe−Cr−Co合金)等の非磁性金属や、厚さ50μm以上200μm以下のポリイミドベルト等の樹脂材料を用いて形成されている。
導電発熱層512は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)または銅(Cu)等の非磁性金属やこれらの金属合金を材料に用いて、厚さが2μm以上20μm以下(望ましくは5μm以上10μm以下)となるように形成されている。これらの材料は、比透磁率が概ね1の常磁性体であり、固有抵抗が2.7×10−8Ω・m以下のものである。導電発熱層512の厚さ方向に電磁誘導部53が生成した交流磁界が貫通すると、電磁誘導が生じて導電発熱層512の内部に渦電流が流れる。導電発熱層512は、この渦電流が流れることにより、熱を発生する。このように、導電発熱層512は、電磁誘導部53が生成する交流磁界によって加熱される。以下では、このように交流磁界における電磁誘導により導電発熱層512を有する加熱ベルト51が熱を発する、すなわち加熱されることを、「電磁誘導加熱」という。
弾性層513は、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等、圧力を加えられると変形し、加えられた圧力がなくなると元の形状に戻る材料を用いて形成されている。例えば、弾性層513は、硬度が10°以上30°以下(JIS−A)のシリコーンゴムを材料に用いて、厚みが100μm以上600μm以下となるように形成されている。二次転写ロール42により用紙Pに転写された画像は、粉体である各色トナーが積層して形成されているため、微細な出っ張りや窪みがある。弾性層513は、この画像の出っ張りや窪みに合わせて変形するようになっている。弾性層513がこのように変形しなければ、画像において加熱ベルト51と接触する部分としない部分とで供給される熱量にばらつきが生じてしまい、その画像が定着される度合いにムラが生じてしまう。弾性層513が上記のとおり変形することで、このムラが低減される。
表面離型層514は、用紙に形成された画像(トナー)と直接接触するため、トナーに対する離型性が高いほど望ましい。表面離型層514は、トナーに対する離型性が比較的高いものとして、例えば、PFA(Tetrafluoroetylene- Perfluoroalkylvinylether Copolymer:テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(polytetrafluoroethylene:ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等を材料に用いて形成されている。また、表面離型層514の厚みが小さいほど、摩耗により層が薄くなって離型層としての機能を果たせなくなるまでに要する期間が短くなる、すなわち加熱ベルト51の寿命が短くなる。一方、この厚みが大きいほど、加熱ベルト51の表面層が硬くなり、弾性層513の効果が弱くなり、上述のように画像にムラが発生してしまう。表面離型層514は、これらの寿命および定着画像が定められた範囲に収まるものとして、厚みが1μm以上50μm以下となるように形成されている。
1−2.作用
図5は、キュリー点を下回る(より低い)温度における感温層581の作用を説明する図である。キュリー点を下回る温度において、感温層581は強磁性体であるため、電磁誘導部53によって生成され、加熱ベルト51を貫通した交流磁界は、この感温層581の形状に沿ってその内部を通過する。つまり、この交流磁界の磁束は、感温層581の延びる方向に通って磁路を形成する。したがって、図5に示すように、電磁誘導部53および加熱ベルト51の周囲を取り囲み、磁心54および感温層581に沿った形状の磁路L0が形成される。感温層581がその形状に沿って磁路L0を形成するため、加熱ベルト51を貫通する磁束密度は比較的高くなり、加熱ベルト51の発熱量も多くなる。また、感温層581から交流磁界が脱出しづらいため、感温層581における発熱量も比較的多くなる。
一方、図6は、キュリー点以上の温度における感温層581の作用を説明する図である。キュリー点以上の温度において、感温層581は非磁性体となる。そのため、電磁誘導部53によって生成され、加熱ベルト51を貫通した交流磁界は、この感温層581を貫通し、拡散層582や蓄熱層583に到達する。つまり、この交流磁界の磁束は、感温層581を貫通して蓄熱層583に至る磁路を形成する。蓄熱層583は、非磁性体であり上記の交流磁界を貫通させない厚さに設定されており、図6に示すように、電磁誘導部53、加熱ベルト51、感温層581、および拡散層582の周囲を取り囲み、蓄熱層583に沿った形状の磁路L1が形成される。蓄熱層583に流れる電流は感温層581を通過する磁束を打ち消す方向に作用するため、加熱ベルト51を貫通する磁束密度は低くなる。そのため、キュリー点以上の温度のときの加熱ベルト51の昇温速度は、キュリー点を下回る温度のときに比べて減少する。
すなわち、感温層581は、蓄熱層583よりも加熱ベルト51に近い位置に配置され、キュリー温度より低い温度では加熱ベルト51から交流磁界を侵入させ、キュリー温度以上の温度では交流磁界の磁束を貫通させる。
次にこの構成によって加熱ベルト51に生じる温度分布について説明する。加熱部15に対する比較例として加熱部15aを説明する。図7は、拡散層582を有していない加熱部である加熱部15aの概要を示す図である。加熱部15aが加熱部15と異なる点は、拡散層582を有しておらず、感温層581aと蓄熱層583aとが接している点である。加熱部15aのその他の構成は、加熱部15において符号の添字「a」のない構成と共通するものである。
図8は、加熱部15の加熱ベルト51および加熱部15aの加熱ベルト51aに生じる温度分布を説明する図である。図3に示したように、磁心54(磁心54a)がx軸方向(用紙Pの幅方向)に間隔をあけて並べられているので、加熱ベルト51(加熱ベルト51a)を貫通する磁束は、磁心54(磁心54a)に対向する位置で密になり、磁心54(磁心54a)同士の間に対向する位置で疎になる。そのため、加熱ベルト51(加熱ベルト51a)で発熱する箇所は、磁束が密になっている部分に集中し、軸方向に温度ムラが生じる。軸方向に温度ムラが生じた加熱ベルト51は、その温度ムラに応じて加熱ムラが発生するので、定着画像にグロスのムラが生じることがある。
一方、拡散層582を有している伝熱部58は、拡散層582を有していない伝熱部58aに比べて、加熱ベルト51から伝えられた熱を幅方向に拡散する。そのため、図8に示すように、幅方向の各位置における温度差は、加熱ベルト51の方が加熱ベルト51aよりも小さくなる。したがって、拡散層582を加熱部15の伝熱部58に備えることで、画像形成に与えられる影響は抑制される。
2.第2実施形態
2−1.構成
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置1b(図示せず)について説明する。画像形成装置1bが第1実施形態に係る画像形成装置1と異なる点は、加熱部15に替えて加熱部15bを備える点であり、他の構成は共通する。第2実施形態に係る加熱部15bが第1実施形態に係る加熱部15と異なる点は、加熱部15bに含まれる伝熱部58bが加熱層584を有している点である。図9は、第2実施形態に係る加熱部15bの概要を説明するための図である。加熱層584を除く加熱部15bの各構成は、加熱部15において符号の添字「b」のない構成と共通するものである。図9に示すように、伝熱部58bは、拡散層582bと蓄熱層583bとの間に挟まれた加熱層584を有する。加熱層584は、電気を流すことによってジュール熱を発生し、拡散層582b、感温層581b、および加熱ベルト51bを介してそのジュール熱を加熱ベルト51bの外周側に伝達させて用紙Pを加熱する抵抗体である。
図10は、図9における矢視X−Xから加熱部15bを見た断面図である。なお、図9に示す加熱部15bは、図10における矢視IX−IXから加熱部15bを見た断面図である。加熱層584は、画像形成装置1bにおいて用いられる用紙Pのうち、幅が短いものを効率的に加熱するために、電磁誘導部53b、感温層581b、拡散層582b、および蓄熱層583bに比べて、軸方向の長さ(幅)が短く形成されている。具体的には、図10に示すように、加熱層584の幅はw0である。一方、電磁誘導部53b、感温層581b、拡散層582b、および蓄熱層583bの幅はいずれもw0よりも長いw1である。そして軸方向における加熱層584の範囲は、電磁誘導部53bの範囲に含まれている。以下、加熱ベルト51bのうち上述した電磁誘導部53bに対向する領域を第1領域とよび、加熱層584に対向する領域を第2領域とよぶ。したがって、第1領域は、電磁誘導部53bによって発生する電磁誘導により発熱する領域である。また、第2領域は、第1領域に含まれる領域であってその幅w1(第1の幅)よりも狭い幅w0(第2の幅)を有する。
図10に示した領域R0は、加熱層584に対向する領域であるため第2領域である。ここで上述した最大幅用紙P1の幅はw1であるとし、小幅用紙P2の幅はw0であるとする。小幅用紙P2に形成された画像を定着する場合、図10に示した領域R0は小幅用紙P2がニップ領域R1bを通過する領域(以下、通紙領域という)となり、領域R0の両側にそれぞれ存在する領域R2は通紙領域以外の領域(以下、非通紙領域という)となる。電磁誘導部53bの幅はw1であるため、電磁誘導部53bによって加熱ベルト51bを加熱すると、領域R0と領域R2の両方、つまり第1領域の全体が加熱されることになる。この場合、非通紙領域の熱が小幅用紙P2によって奪われないため領域R2の熱が加熱ベルト51bに蓄積されていく。一方、加熱層584によって加熱ベルト51bを加熱すると領域R0(つまり第2領域)が加熱され、領域R2(つまり第1領域から第2領域を除いた領域)は加熱されない。したがって、電磁誘導部53bの電磁誘導加熱と加熱層584の抵抗発熱体からの熱伝導加熱とを組み合わせると、電磁誘導加熱のみの場合に比べて非通紙領域に蓄積される熱が抑制させられる。
図11は、加熱層584の外観の一例を示す図である。図11に示すように、加熱層584は、2つの電極584a、584cと、この2つの電極の間を蛇行するように繋いだ抵抗部材584bと、抵抗部材584bを両面から挟む2枚のフィルム584dとを有する。例えば、抵抗部材584bは薄さ30μmのステンレススチールであり、2枚のフィルム584dはそれぞれ薄さが50μmのポリイミドである。2つの電極584a、584cに電圧をかけることによって、抵抗部材584bが発熱する。
2−2.作用
上述した構成により、加熱ベルト51bに生じる温度分布について説明する。加熱部15bに対する比較例として加熱部15cを説明する。図12は、拡散層582を有していない加熱部である加熱部15cの概要を示す図である。加熱部15cが加熱部15bと異なる点は、拡散層582bを有しておらず、感温層581cと加熱層584とが接している点である。加熱部15cのその他の構成は、加熱部15bにおいて符号の添字「c」が添字「b」に置き換わった構成と共通するものである。なお、ここでは、図7に示した加熱部15aも比較例として用いる。加熱部15aが加熱部15bと異なる点は、拡散層582bに加えて加熱層584も有しておらず、感温層581aと蓄熱層583aとが接している点である。
図13は、加熱部15aの加熱ベルト51a、加熱部15bの加熱ベルト51b、および加熱部15cの加熱ベルト51cに生じる温度分布を説明する図である。図13に示した温度分布は、幅w0の小幅用紙P2が通過したニップ領域R1b(R1a,R1c)における加熱ベルト51b(51a,51c)の温度分布である。
加熱部15aは伝熱部58に加熱層584を有していないので、加熱ベルト51aは電磁誘導部53aから発生する交流磁界の作用によってのみ加熱される。したがって、幅がw0の小幅用紙P2に形成された画像を定着する場合であっても通紙領域である領域R0と非通紙領域である領域R2の両方を加熱しなければならない。
一方、加熱部15bや加熱部15cは加熱層584を有しているので、加熱ベルト51bや加熱ベルト51cは、電磁誘導加熱と抵抗発熱体からの熱伝導加熱とを組み合わせてそれぞれ加熱される。したがって、幅がw0の小幅用紙P2に形成された画像を定着する場合に、加熱層584による加熱ベルト51bの加熱の割合を大きくすることで非通紙領域である領域R2の温度上昇が抑えられる。
さらに、加熱部15bは加熱部15cに備えられていない拡散層582bを有している。加熱ベルト51bと感温層581bとは接触しており、伝導伝熱によって熱のやり取りをしている。感温層581bの熱は拡散層582bに沿って軸方向を含めた様々な方向に拡散する。したがって図13に示すように軸方向の温度ムラは、拡散層582bによる熱の拡散を享受する加熱ベルト51bの方が、加熱ベルト51cよりも抑えられる。
3.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
3−1.加熱層
上述した実施形態において、加熱層584は、電気を流すことによってジュール熱を発生し、加熱ベルト51を介してそのジュール熱を加熱ベルト51の外周側に接触した用紙Pに伝えていたが、用紙Pを加熱する加熱層はこれに限られない。例えば、加熱層として、内部に設けたパイプの内側に液相の熱媒体を循環させる熱交換器型のヒータを用いてもよい。要するに、加熱層は、第1領域に含まれる領域であって第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2領域を加熱してこの第2領域を通過する媒体に形成された画像を定着させるものであればよい。
3−2.拡散層
上述した実施形態において、拡散層582は、炭素を主成分とした材料、グラファイトまたは炭素繊維を含む層であったが、これらの材質を含まない層であってもよい。要するに拡散層582は、感温層581および蓄熱層583のいずれよりも熱伝導率が高い層であって、加熱ベルト51の熱をその軸方向に沿って拡散させる層であればよい。
3−3.感温層
感温層581は、熱を蓄える蓄熱層として機能してもよい。また、伝熱部58は、感温層581を有していなくてもよい。この場合、拡散層582は蓄熱層583の外周側および内周側のいずれに配置されていてもよい。拡散層582、加熱層584および蓄熱層583のうち、最も外周側に配置された層が加熱ベルト51の内周面に滑りながら接触してこの加熱ベルト51に対し熱を伝えればよい。
3−4.保護層
伝熱部58の面のうち、加熱ベルト51に接触する面には、摩耗等から保護する保護層を設けることが好ましい。この保護層には、加熱ベルト51を滑りやすくさせる材質が含まれていることが好ましく、例えばPFA、PTFE、シリコーン共重合体、またはこれらの複合材料等が用いられる。
3−5.媒体
上述した第2実施形態において、媒体としての用紙Pには、幅がw0の小幅用紙P2と、幅がw1の最大幅用紙P1との2種類が用いられていたが、画像形成装置が扱う媒体は2種類に限られず、3種類以上であってもよい。画像形成装置は、媒体の種類が3種類以上ある場合、その媒体の幅に応じた数の加熱層を備えていてもよい。そして或る加熱層が加熱する領域は、その加熱層に対応付けられた媒体が通過し得るものであればよい。
1…画像形成装置、11…制御部、12…記憶部、13…現像部、14…転写部、15,15a,15b,15c…加熱部、16…搬送部、17…操作部、31…感光体ドラム、32…帯電器、33…露光装置、34…現像器、35…一次転写ロール、36…ドラムクリーナ、41…中間転写ベルト、42…二次転写ロール、43…ベルト搬送ロール、44…バックアップロール、49…ベルトクリーナ、51,51a,51b,51c…加熱ベルト、511…基材層、512…導電発熱層、513…弾性層、514…表面離型層、52…加圧ロール、521…芯材、522…弾性層、53,53a,53b,53c…電磁誘導部、54,54a,54b,54c…磁心、56…押圧パッド、57…ホルダ、571…フレーム、572…支持部材、573…固定部材、574…弾性部材、58,58a,58b…伝熱部、581,581a,581b,581c…感温層、582,582b…拡散層、583,583a,583b…蓄熱層、584…加熱層、584a,584c…電極、584b…抵抗部材、584d…フィルム、59…遮蔽部材、591…端部、592…端部。

Claims (5)

  1. 交流磁界を発生する磁界発生手段と、
    前記交流磁界が作用して生じる電磁誘導により発熱する第1領域を有するベルトであって、外周面に接する媒体を加熱して搬送する無端のベルトと、
    前記ベルトの内周面に滑りながら接触して当該ベルトに対し熱を伝える伝熱部であって、熱を蓄える蓄熱層と、前記蓄熱層よりも前記ベルトに近い位置に配置され、前記磁界発生手段と前記蓄熱層とを隔てるように延びる層であって、キュリー温度より低い温度では前記交流磁界の磁束を自身の延びる方向に通す磁路を形成し、前記キュリー温度以上の温度では前記交流磁界の磁束を貫通させて前記蓄熱層に至らせる磁路を形成する感温層と、前記感温層および前記蓄熱層のいずれよりも熱伝導率が高い層であって、前記ベルトの熱を当該ベルトの軸方向に沿って拡散させる拡散層と、前記第1領域に含まれて前記軸方向の長さが当該第1領域よりも短い第2領域に、前記感温層と前記蓄熱層との間において対向する位置に設けられ、当該第2領域を加熱する加熱層と、を有する伝熱部と
    を備え
    前記拡散層は、前記加熱層に接す
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記蓄熱層は、前記拡散層よりも熱容量が大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 記加熱層は、電気を流すことによって発生するジュール熱により前記第2領域を加熱する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 記拡散層は、炭素を主成分とした材料、グラファイトまたは炭素繊維を含む
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の加熱装置。
  5. 体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像が形成された媒体を前記第1領域または前記第2領域に搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送されてくる媒体を加熱する請求項1からのいずれか1項に記載の加熱装置と
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
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