JPWO2005038534A1 - 定着装置 - Google Patents

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雅裕 醒井
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昇 片伯部
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勝 今井
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Abstract

発熱回転体の発熱量を安定化して当該発熱回転体の発熱効率を向上させることができる定着装置。定着装置(200)は、発熱スリーブ(210)、電磁誘導加熱装置(230)、電磁誘導加熱装置(230)により生成された磁場を吸収する磁場吸収部材(233)、発熱スリーブ(210)を挟持回転する定着ローラ(240)及び加圧ローラ(250)を具備する。磁場吸収部材(233)は、発熱スリーブ(210)を挟んで励磁コイル(231)と対向する部位に配設され、電磁誘導加熱装置(230)により生成された磁場を吸収する。発熱スリーブ(210)は、肉厚が10μmから500μmの範囲であり、比抵抗が80×10−6Ωcm以下の非磁性の金属材料で構成される。

Description

本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式の複写機、ファクシミリ及びプリンタ等の画像形成装置における電磁誘導加熱方式の定着装置に関する。
従来、電磁誘導加熱方式(IH(induction heating)方式)の定着装置として、誘導加熱により発熱すると共に回転可能に設けられた導電層を含む薄肉の発熱回転体と、前記発熱回転体の外面に対向して配置され前記発熱回転体を誘導加熱する磁場生成手段からなる誘導加熱源と、前記発熱回転体の内面に当接する回転可能な内部加圧部材と、前記内部加圧部材に対向して前記発熱回転体の外面に当接する回転可能な外部加圧部材とを有する定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、上記特許文献1に開示された定着装置の概略断面図である。図1に示すように、この定着装置は、前記誘導加熱源としての高周波磁界を生じるコイルアセンブリ10と、コイルアセンブリ10による誘導加熱により発熱すると共に回転可能に設けられた前記発熱回転体としての金属スリーブ11と、金属スリーブ11の内面に当接する回転可能な内部加圧部材12と、内部加圧部材12に対向して金属スリーブ11の外面に当接する回転可能な外部加圧部材13とを有している。
図1において、金属スリーブ11は、外部加圧部材13と内部加圧部材12との間に挟持され、外部加圧部材13の回転に伴って従動回転する。
一方、未定着トナー像が転写されている記録材14は、外部加圧部材13と金属スリーブ11との間に形成されたニップ部23に向けて矢印方向から送り込まれる。記録材14は、ニップ部23において、コイルアセンブリ10により加熱された金属スリーブ11の熱と両加圧部材12,13による圧力とが加えられる。これにより、記録材14上に未定着トナー像が加熱定着される。
この定着装置の金属スリーブ11は、肉厚が20μm〜60μmの可撓性を有する薄肉の中空金属導体であり、例えばニッケル、鉄、SUS430などの導電性磁性材料から形成される導電層を含んでいる。
また、この定着装置のコイルアセンブリ10は、図示しないホルダに支持され、金属スリーブ11の外面との間に所定寸法の隙間を隔てて、定着ユニットフレームに固定されており、対向する金属スリーブ11に誘導電流(渦電流)を誘起させて金属スリーブ11をジュール発熱させる。
この定着装置は、金属スリーブ11の外側に配設したコイルアセンブリ10により金属スリーブ11を加熱しているので、コイルアセンブリ10の自己発熱及び金属スリーブ11への熱放射による周辺温度の過昇温を軽減できる。また、この定着装置は、金属スリーブ11を直接加熱して未定着トナー像を記録材14上に加熱定着させているので、例えば、金属スリーブ11を加熱した支持ローラにより間接的に加熱する方式の定着装置に較べて、ウォーミングアップ時における金属スリーブ11の熱損失が少ない。さらに、金属スリーブ11が薄肉であるので、金属スリーブ11自体の熱容量が小さく、金属スリーブ11が所定の定着温度に加熱されるまでの立ち上がり応答性が向上される。
また、導電層を有する薄肉の加熱ベルトと、前記薄肉の加熱ベルトの外部から前記導電層を誘導加熱する磁界発生手段と、前記磁界発生手段に対して前記加熱ベルトの反対側に当該加熱ベルトとギャップを介して強磁性体とを有し、前記加熱ベルトと相対して設けられる加圧部材とのニップ部で、記録媒体上の未定着トナー像を定着する定着装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この定着装置によれば、加熱部材の熱容量が極めて小さくなり、ウオームアップタイムが短縮される。また、加熱ベルトと加圧部材とのニップ部において、十分な加熱及び加圧を行うことができ、良好な定着性を得ることができる。
特開平10−74007号公報 特開平2004−145368号公報
しかしながら、前者の定着装置は、その発熱回転体を一対の加圧部材により挟持回転する構成であるため、発熱回転体の走行安定性が悪く、発熱回転体の回転軌道が変動して前記磁場生成手段と前記発熱回転体との間の発生磁場が変化し易い。このため、この定着装置では、その発熱回転体の発熱量が不安定になり、発熱効率が低下するという不具合がある。
なお、前記発熱回転体の回転軌道の変動は、発熱回転体の肉厚が薄くなるほど大きくなる。これは、前記発熱回転体の肉厚が薄くなると、その真円度の確保が難しくなって走行性が不安定になることによる。従って、前記発熱回転体の回転軌道の変動を少なくするには、この発熱回転体の肉厚を厚くすればよい。しかし、前記発熱回転体の肉厚を厚くするとその熱容量が大きくなるため加熱時の立ち上がり応答性が悪くなる。
また、後者の定着装置は、加熱ベルトと加圧部材とのニップ部において、加熱ベルトが当該ニップ部の形状に倣う構成であるため、加熱ベルトはフレキシブルなベルトである必要があり、可能な限り薄層にすることが要求される。したがって、加熱ベルトを構成する導電層も薄層にせざるを得ないため、十分な発熱効率を得ることができないという不具合がある。
本発明の目的は、発熱回転体の発熱量を安定化して当該発熱回転体の発熱効率を向上させることができる定着装置を提供することである。
本発明の定着装置は、磁場を生成する磁場生成手段に対向して配置され前記磁場生成手段により生成された磁場を吸収する磁場吸収手段と、前記磁場生成手段との間を通過するように、一対の加圧部材により挟持回転され前記磁場生成手段により生成された磁場により誘導加熱されかつ磁界エネルギーを透過する、所定の比抵抗及び肉厚を有する非磁性の金属材料で構成された発熱回転体を配置したものである。
より具体的には、本発明は、磁場を生成する磁場生成手段と、前記磁場生成手段に対向して配置され前記磁場生成手段により生成された磁場を吸収する磁場吸収手段と、前記磁場吸収手段と前記磁場生成手段との間を通過するように一対の加圧部材により挟持回転され前記磁場生成手段により生成された磁場により誘導加熱されかつ磁界エネルギーを透過する発熱回転体と、を具備する定着装置において、前記発熱回転体を、肉厚が10μmから500μmの範囲であり、比抵抗が80×10−6Ωcm以下の非磁性の金属材料で構成する。
本発明によれば、発熱回転体の発熱量を安定化して当該発熱回転体の発熱効率を向上させることができる。
従来の定着装置の構成を示す概略断面図 本発明の一実施の形態に係る定着装置を搭載するのに適した画像形成装置の全体構成を示す概略断面図 上記実施の形態に係る定着装置の構成を示す断面図 上記実施の形態に係る定着装置の作用を説明するための概略断面図 上記実施の形態に係る定着装置の他の構成を示す概略断面図
図2は、本発明の一実施の形態に係る定着装置を搭載するのに適した画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
図2に示すように、画像形成装置100は、電子写真感光体(以下、「感光ドラム」と称する)101、帯電器102、レーザービームスキャナ103、現像器105、給紙装置107、定着装置200及びクリーニング装置113などを具備している。
図2において、感光ドラム101は、矢印の方向に所定の周速度で回転駆動されながら、その表面が帯電器102によってマイナスの所定の暗電位V0に一様に帯電される。
レーザービームスキャナ103は、図示しない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置から入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービーム104を出力し、一様に帯電された感光ドラム101の表面をレーザービーム104によって走査露光する。これにより、感光ドラム101の露光部分の電位絶対値が低下して明電位VLとなり、感光ドラム101の表面に静電潜像が形成される。
現像器105は、回転駆動される現像ローラ106を備えている。現像ローラ106は、感光ドラム101と対向して配置されており、その外周面にはトナーの薄層が形成される。また、現像ローラ106には、その絶対値が感光ドラム101の暗電位V0よりも小さく、明電位VLよりも大きい現像バイアス電圧が印加されている。
これにより、現像ローラ106上のマイナスに帯電したトナーが感光ドラム101の表面の明電位VLの部分にのみ付着し、感光ドラム101の表面に形成された静電潜像が反転現像されて顕像化されて、感光ドラム101上に未定着トナー像111が形成される。
一方、給紙装置107は、給紙ローラ108により所定のタイミングで記録媒体としての記録紙109を一枚ずつ給送する。給紙装置107から給送された記録紙109は、一対のレジストローラ110を経て、感光ドラム101と転写ローラ112とのニップ部に、感光ドラム101の回転と同期した適切なタイミングで送られる。これにより、感光ドラム101上の未定着トナー像111が、転写バイアスが印加された転写ローラ112により記録紙109に転写される。
このようにして未定着トナー像111が形成担持された記録紙109は、記録紙ガイド114により案内されて感光ドラム101から分離された後、定着装置200の定着部位に向けて搬送される。定着装置200は、その定着部位に搬送された記録紙109に未定着トナー像111を加熱定着する。
未定着トナー像111が加熱定着された記録紙109は、定着装置200を通過した後、画像形成装置100の外部に配設された排紙トレイ116上に排出される。
一方、記録紙109が分離された後の感光ドラム101は、その表面の転写残トナー等の残留物がクリーニング装置113によって除去され、繰り返し次の画像形成に供される。
次に、本一実施の形態に係る定着装置について、具体例を挙げてさらに詳細に説明する。図3は、本一実施の形態に係る定着装置の構成を示す断面図である。図3に示すように、定着装置200は、発熱回転体としての発熱スリーブ210、磁場生成手段としての電磁誘導加熱装置230、電磁誘導加熱装置230により生成された磁場を吸収する磁場吸収手段としての磁場吸収部材233、発熱スリーブ210を挟持回転する一対の加圧部材としての定着ローラ240及び加圧ローラ250などを具備している。
図3において、発熱スリーブ210は、その上部が後述するコイルガイド234に沿って円弧状に湾曲するように、定着ローラ240に懸架されている。このように、発熱スリーブ210の上部をコイルガイド234に沿って円弧状に湾曲させることで、発熱スリーブ210の走行性を安定させることができるようになる。定着ローラ240は、本体側板201に短軸202により揺動自在に取り付けられた揺動板203に回転自在に軸支されている。加圧ローラ250は、定着装置200の本体側板201の下部側に回転自在に軸支されている。
揺動板203は、コイルバネ204の緊縮習性により、短軸202を中心として時計方向に揺動する。定着ローラ240は、この揺動板203の揺動に伴って変位し、発熱スリーブ210を挟んで加圧ローラ250に圧接している。
加圧ローラ250は、図示しない駆動源により矢印方向に回転駆動される。定着ローラ240は、加圧ローラ250の回転により発熱スリーブ210を挟持しながら従動回転する。これにより、発熱スリーブ210が、定着ローラ240と加圧ローラ250とに挟持されて矢印方向に回転される。この発熱スリーブ210の挟持回転により、発熱スリーブ210と加圧ローラ250との間に未定着トナー像111を記録紙109上に加熱定着するためのニップ部が形成される。
電磁誘導加熱装置230は、前記IH方式の磁場生成手段からなり、図3に示すように、発熱スリーブ210のコイルガイド234に沿って円弧状に湾曲された部位の外周面に沿って配設した励磁コイル231と、励磁コイル231を覆うフェライトで構成したコア232と、を備えている。励磁コイル231は、細い線を束ねたリッツ線を用いて形成されており、発熱スリーブ210の外周面を覆うように、断面形状が半円形に形成されている。
磁場吸収部材233は、発熱スリーブ210を挟んで励磁コイル231と対向する部位に配設されており、電磁誘導加熱装置230により生成された磁場を吸収する。
電磁誘導加熱装置230の励磁コイル231には、図示しない励磁回路から所定周波数(20kHz〜60kHz)の励磁電流が印加される。これより、コア232と磁場吸収部材233との間に交流磁界が生成され、発熱スリーブ210の表面に渦電流が発生して発熱スリーブ210が発熱する。
コア232は、励磁コイル231の中心と背面の一部に設けられている。コア232及び磁場吸収部材233の材料としては、フェライトの他、パーマロイ等の高透磁率の材料を用いることができる。
この定着装置200は、図3に示すように、未定着トナー像111が転写された記録紙109を、未定着トナー像111の担持面を発熱スリーブ210に接触させるように矢印方向から搬送することにより、記録紙109上に未定着トナー像111を加熱定着することができる。
なお、発熱スリーブ210の裏面には、サーミスタからなる温度センサ260が接触するように設けられている。この温度センサ260により発熱スリーブ210の温度が検出される。温度センサ260の出力は、図示しない制御装置に与えられている。制御装置は、温度センサ260の出力に基づいて、最適な画像定着温度となるように、前記励磁回路を介して励磁コイル231に供給する電力を制御し、これにより発熱スリーブ210の発熱量を制御している。
また、記録紙109の搬送方向下流側の、発熱スリーブ210の定着ローラ240に懸架された部分には、加熱定着を終えた記録紙109を排紙トレイ116に向けてガイドする排紙ガイド270が設けられている。
さらに、電磁誘導加熱装置230には、励磁コイル231及びコア232と一体に、保持部材としてのコイルガイド234が設けられている。このコイルガイド234は、PEEK材やPPSなどの耐熱温度の高い樹脂で構成されている。このコイルガイド234は、発熱スリーブ210から放射される熱が発熱スリーブ210と励磁コイル231との間の空間に籠もって、励磁コイル231が損傷を受けるのを回避することができる。
なお、図3に示したコア232は、その断面形状が半円形になっているが、このコア232は必ずしも励磁コイル231の形状に沿った形状とする必要はなく、その断面形状は、例えば、略Πの字状であってもよい。
発熱スリーブ210の発熱部材としては、非磁性材料が望ましい。このような非磁性材料としては、例えばステンレス、アルミ、銅などの比抵抗が80×10−6Ωcm(ステンレス)以下の材料を挙げることができる。本一実施の形態に係る定着装置200おいては、発熱スリーブ210の発熱部材として、非磁性のステンレス(SUS304)を用いた。
なお、発熱スリーブ210の発熱部材としては、その厚さ及び前記励磁電流の周波数等の条件次第では、例えば、ニッケル、コバルト、鉄などの磁性材料を用いることもできる。
また、発熱スリーブ210の肉厚は、10〜500μm程度が望ましい。本一実施の形態においては、発熱スリーブ210の肉厚を200μmとした。
また、発熱スリーブ210としては、表面に導電層を有するものが望ましい。この導電層の材料としては、例えば、銅、銀、アルミなどが好ましく、特に比抵抗が10×10−6Ωcm以下の良導電材料が好ましい。この導電層は、発熱スリーブ210の表面であれば、外周面もしくは内周面のどちらに設けてもよい。導電層の厚みは、5〜15μm程度が望ましい。本一実施の形態においては、発熱スリーブ210の表面に厚さ10±2μmの銅メッキからなる導電層を設けた。
また、発熱スリーブ210を加熱する前記高周波電源の励磁電流の周波数は、20kHz〜100kHzの範囲が望ましい。本一実施の形態に係る定着装置200おいては、前記励磁電流の周波数を20kHz〜60kHzとした。
定着ローラ240は、表面が低硬度(ここでは、JISA30度)、直径30mmの低熱伝導性の弾力性を有する発泡体であるシリコーンゴムによって構成されている。
加圧ローラ250は、硬度JISA65度のシリコーンゴムによって構成されている。この加圧ローラ250の材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂や他のゴムを用いてもよい。また、加圧ローラ250の表面には、耐摩耗性や離型性を高めるために、PFA、PTFE、FEP等の樹脂あるいはゴムを、単独あるいは混合して被覆することが望ましい。また、加圧ローラ250は、熱伝導性の小さい材料によって構成されることが望ましい。
このような構成の発熱スリーブ210は、その磁界エネルギーの透過率が、89%〜99%であった。従って、本一実施の形態に係る定着装置200は、前記励磁回路により図4に破線で示すように磁路が形成され、発熱スリーブ210が磁界エネルギーを透過する構成となる。従って、この定着装置200においては、発熱スリーブ210の回転軌道が変動しても発生磁場の変化が少なく、発熱スリーブ210の発熱量の変化が少なくなり、発熱効率を向上させることができる。
特に、上記した特開平10−74007号公報に係る定着装置においては、発熱回転体の回転軌道が変動して前記磁場生成手段と前記発熱回転体との間の発生磁場が変化し易いことに起因して、その発熱回転体の発熱量が不安定になって発熱回転体の回転方向に発熱ムラが発生する事態が生ずる。これに対し、本一実施の形態に係る定着装置においては、発熱スリーブ210の回転軌道が変動しても発生磁場の変化が少なく、発熱スリーブ210の発熱量の変化を少なくすることができるので、発熱スリーブ210の回転方向での発熱ムラを小さくすることができる。
また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の比抵抗が80×10−6Ωcm以下であるので、発熱スリーブ210の回転軌道が変動しても電流が流れやすくなる。つまり、比抵抗が80×10−6Ωcmよりも高い非磁性材料で構成した発熱スリーブ210は、その磁界エネルギーから熱エネルギーへの変換率は高くなるが、電流が流れにくくなるため、結果的に熱効率が低下して発熱し難くなる。
ここで、発熱スリーブ210を固有抵抗が72μΩcmの非磁性のステンレス材(SUS304)で構成した場合には、磁束が遮蔽されずに発熱スリーブ210を透過するので、厚さが0.2mmのものでも発熱が極めて小さい。また、この発熱スリーブ210は、機械的強度も高く懸架するのに必要な強度を確保することができるので、薄肉化して熱容量をさらに小さくすることができ、加熱時の立ち上がり応答性をさらに向上させることができる。
また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の肉厚が10μmから500μmの範囲であるので、発熱スリーブ210の熱容量を小さくすることができ、発熱スリーブ210の加熱時の立ち上がり応答性をさらに向上させることができる。
また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の表面に導電層を有しているので、電流が流れやすくなり発熱スリーブ210の熱効率を向上させることができる。つまり、発熱スリーブ210は、肉厚を小さくしたり非磁性の金属材料で構成したりすると磁界エネルギーを透過しても電流が流れにくくなるが、その表面側に導電層を設けることによって渦電流を流れやすくすることができる。なお、前記導電層を非磁性材料でさらに表面処理しても同様な効果が得られる。
特に、本一実施の形態に係る定着装置200においては、発熱スリーブ210に設けた導電層の厚みを10±2μmに設定することで、十分に発熱効率を向上させている。これに対し、上記した特開2004−145368号公報に係る定着装置においては、加熱ベルトと加圧部材とのニップ部を確保する観点から加熱ベルトの柔軟性を維持するために、加熱ベルトを構成する導電層の厚みを5μm程度に設定している。このため、本一実施の形態に係る定着装置200ほど渦電流を流れやすくすることはできず、結果的に発熱効率が本一実施の形態に係る定着装置200よりも低くなる。また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の表面に設けた導電層の比抵抗が10×10−6Ωcm以下であるので、発熱スリーブ210に電流がより流れやすくなり発熱スリーブ210の熱効率をさらに向上させることができる。
このように構成した本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の磁界エネルギーの透過率を67%から99%の範囲まで向上させることができ、発熱スリーブ210の回転軌道の変動による発生磁場の変化をより少なくすることができる。
なお、本一実施の形態に係る定着装置200においては、発熱スリーブ210を定着ローラ240と加圧ローラ250とで挟持回転させ、かつコイルガイド234に沿わせるように湾曲させた構成としたが、例えば、図5に示すように、発熱スリーブ210を円筒状に形成しコイルガイド234に対して隙間が生じるように定着ガイド板401と加圧ローラ250とで挟持回転させるように構成してもよい。この構成によれば、定着装置の小型化を図ることができる。
本明細書は、2003年10月21日出願の特願2003−361051に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
以上説明したように、本発明に係る定着装置は、発熱回転体の回転軌道が変動しても発生磁場の変化が少なく、発熱回転体の発熱量の変化も少なくなり、発熱回転体の発熱効率を向上させることができるので、電子写真方式あるいは静電記録方式の複写機、ファクシミリ及びプリンタ等の定着装置として有用である。
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式の複写機、ファクシミリ及びプリンタ等の画像形成装置における電磁誘導加熱方式の定着装置に関する。
従来、電磁誘導加熱方式(IH(induction heating)方式)の定着装置として、誘導加熱により発熱すると共に回転可能に設けられた導電層を含む薄肉の発熱回転体と、前記発熱回転体の外面に対向して配置され前記発熱回転体を誘導加熱する磁場生成手段からなる誘導加熱源と、前記発熱回転体の内面に当接する回転可能な内部加圧部材と、前記内部加圧部材に対向して前記発熱回転体の外面に当接する回転可能な外部加圧部材とを有する定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、上記特許文献1に開示された定着装置の概略断面図である。図1に示すように、この定着装置は、前記誘導加熱源としての高周波磁界を生じるコイルアセンブリ10と、コイルアセンブリ10による誘導加熱により発熱すると共に回転可能に設けられた前記発熱回転体としての金属スリーブ11と、金属スリーブ11の内面に当接する回転可能な内部加圧部材12と、内部加圧部材12に対向して金属スリーブ11の外面に当接する回転可能な外部加圧部材13とを有している。
図1において、金属スリーブ11は、外部加圧部材13と内部加圧部材12との間に挟持され、外部加圧部材13の回転に伴って従動回転する。
一方、未定着トナー像が転写されている記録材14は、外部加圧部材13と金属スリーブ11との間に形成されたニップ部23に向けて矢印方向から送り込まれる。記録材14は、ニップ部23において、コイルアセンブリ10により加熱された金属スリーブ11の熱と両加圧部材12,13による圧力とが加えられる。これにより、記録材14上に未定着トナー像が加熱定着される。
この定着装置の金属スリーブ11は、肉厚が20μm〜60μmの可撓性を有する薄肉の中空金属導体であり、例えばニッケル、鉄、SUS430などの導電性磁性材料から形成される導電層を含んでいる。
また、この定着装置のコイルアセンブリ10は、図示しないホルダに支持され、金属スリーブ11の外面との間に所定寸法の隙間を隔てて、定着ユニットフレームに固定されており、対向する金属スリーブ11に誘導電流(渦電流)を誘起させて金属スリーブ11をジュール発熱させる。
この定着装置は、金属スリーブ11の外側に配設したコイルアセンブリ10により金属スリーブ11を加熱しているので、コイルアセンブリ10の自己発熱及び金属スリーブ11への熱放射による周辺温度の過昇温を軽減できる。また、この定着装置は、金属スリーブ11を直接加熱して未定着トナー像を記録材14上に加熱定着させているので、例えば、金属スリーブ11を加熱した支持ローラにより間接的に加熱する方式の定着装置に較べて、ウォーミングアップ時における金属スリーブ11の熱損失が少ない。さらに、金属スリーブ11が薄肉であるので、金属スリーブ11自体の熱容量が小さく、金属スリーブ11が所定の定着温度に加熱されるまでの立ち上がり応答性が向上される。
また、導電層を有する薄肉の加熱ベルトと、前記薄肉の加熱ベルトの外部から前記導電
層を誘導加熱する磁界発生手段と、前記磁界発生手段に対して前記加熱ベルトの反対側に当該加熱ベルトとギャップを介して強磁性体とを有し、前記加熱ベルトと相対して設けられる加圧部材とのニップ部で、記録媒体上の未定着トナー像を定着する定着装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この定着装置によれば、加熱部材の熱容量が極めて小さくなり、ウオームアップタイムが短縮される。また、加熱ベルトと加圧部材とのニップ部において、十分な加熱及び加圧を行うことができ、良好な定着性を得ることができる。
特開平10−74007号公報 特開2004−145368号公報
しかしながら、前者の定着装置は、その発熱回転体を一対の加圧部材により挟持回転する構成であるため、発熱回転体の走行安定性が悪く、発熱回転体の回転軌道が変動して前記磁場生成手段と前記発熱回転体との間の発生磁場が変化し易い。このため、この定着装置では、その発熱回転体の発熱量が不安定になり、発熱効率が低下するという不具合がある。
なお、前記発熱回転体の回転軌道の変動は、発熱回転体の肉厚が薄くなるほど大きくなる。これは、前記発熱回転体の肉厚が薄くなると、その真円度の確保が難しくなって走行性が不安定になることによる。従って、前記発熱回転体の回転軌道の変動を少なくするには、この発熱回転体の肉厚を厚くすればよい。しかし、前記発熱回転体の肉厚を厚くするとその熱容量が大きくなるため加熱時の立ち上がり応答性が悪くなる。
また、後者の定着装置は、加熱ベルトと加圧部材とのニップ部において、加熱ベルトが当該ニップ部の形状に倣う構成であるため、加熱ベルトはフレキシブルなベルトである必要があり、可能な限り薄層にすることが要求される。したがって、加熱ベルトを構成する導電層も薄層にせざるを得ないため、十分な発熱効率を得ることができないという不具合がある。
本発明の目的は、発熱回転体の発熱量を安定化して当該発熱回転体の発熱効率を向上させることができる定着装置を提供することである。
本発明の定着装置は、磁場を生成する磁場生成手段に対向して配置され前記磁場生成手段により生成された磁場を吸収する磁場吸収手段と、前記磁場生成手段との間を通過するように、一対の加圧部材により挟持回転され前記磁場生成手段により生成された磁場により誘導加熱されかつ磁界エネルギーを透過する、所定の比抵抗及び肉厚を有する非磁性の金属材料で構成された発熱回転体を配置したものである。
より具体的には、本発明は、磁場を生成する磁場生成手段と、前記磁場生成手段に対向して配置され前記磁場生成手段により生成された磁場を吸収する磁場吸収手段と、前記磁場吸収手段と前記磁場生成手段との間を通過するように一対の加圧部材により挟持回転され前記磁場生成手段により生成された磁場により誘導加熱されかつ磁界エネルギーを透過する発熱回転体と、を具備する定着装置において、前記発熱回転体を、肉厚が10μmから500μmの範囲であり、比抵抗が80×10−6Ωcm以下の非磁性の金属材料で構成する。
本発明によれば、発熱回転体の発熱量を安定化して当該発熱回転体の発熱効率を向上させることができる。
図2は、本発明の一実施の形態に係る定着装置を搭載するのに適した画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
図2に示すように、画像形成装置100は、電子写真感光体(以下、「感光ドラム」と称する)101、帯電器102、レーザービームスキャナ103、現像器105、給紙装置107、定着装置200及びクリーニング装置113などを具備している。
図2において、感光ドラム101は、矢印の方向に所定の周速度で回転駆動されながら、その表面が帯電器102によってマイナスの所定の暗電位V0に一様に帯電される。
レーザービームスキャナ103は、図示しない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置から入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービーム104を出力し、一様に帯電された感光ドラム101の表面をレーザービーム104によって走査露光する。これにより、感光ドラム101の露光部分の電位絶対値が低下して明電位VLとなり、感光ドラム101の表面に静電潜像が形成される。
現像器105は、回転駆動される現像ローラ106を備えている。現像ローラ106は、感光ドラム101と対向して配置されており、その外周面にはトナーの薄層が形成される。また、現像ローラ106には、その絶対値が感光ドラム101の暗電位V0よりも小さく、明電位VLよりも大きい現像バイアス電圧が印加されている。
これにより、現像ローラ106上のマイナスに帯電したトナーが感光ドラム101の表面の明電位VLの部分にのみ付着し、感光ドラム101の表面に形成された静電潜像が反転現像されて顕像化されて、感光ドラム101上に未定着トナー像111が形成される。
一方、給紙装置107は、給紙ローラ108により所定のタイミングで記録媒体としての記録紙109を一枚ずつ給送する。給紙装置107から給送された記録紙109は、一対のレジストローラ110を経て、感光ドラム101と転写ローラ112とのニップ部に、感光ドラム101の回転と同期した適切なタイミングで送られる。これにより、感光ドラム101上の未定着トナー像111が、転写バイアスが印加された転写ローラ112により記録紙109に転写される。
このようにして未定着トナー像111が形成担持された記録紙109は、記録紙ガイド114により案内されて感光ドラム101から分離された後、定着装置200の定着部位に向けて搬送される。定着装置200は、その定着部位に搬送された記録紙109に未定着トナー像111を加熱定着する。
未定着トナー像111が加熱定着された記録紙109は、定着装置200を通過した後、画像形成装置100の外部に配設された排紙トレイ116上に排出される。
一方、記録紙109が分離された後の感光ドラム101は、その表面の転写残トナー等の残留物がクリーニング装置113によって除去され、繰り返し次の画像形成に供される。
次に、本一実施の形態に係る定着装置について、具体例を挙げてさらに詳細に説明する。図3は、本一実施の形態に係る定着装置の構成を示す断面図である。図3に示すように、定着装置200は、発熱回転体としての発熱スリーブ210、磁場生成手段としての電磁誘導加熱装置230、電磁誘導加熱装置230により生成された磁場を吸収する磁場吸収手段としての磁場吸収部材233、発熱スリーブ210を挟持回転する一対の加圧部材としての定着ローラ240及び加圧ローラ250などを具備している。
図3において、発熱スリーブ210は、その上部が後述するコイルガイド234に沿って円弧状に湾曲するように、定着ローラ240に懸架されている。このように、発熱スリーブ210の上部をコイルガイド234に沿って円弧状に湾曲させることで、発熱スリーブ210の走行性を安定させることができるようになる。定着ローラ240は、本体側板201に短軸202により揺動自在に取り付けられた揺動板203に回転自在に軸支されている。加圧ローラ250は、定着装置200の本体側板201の下部側に回転自在に軸支されている。
揺動板203は、コイルバネ204の緊縮習性により、短軸202を中心として時計方向に揺動する。定着ローラ240は、この揺動板203の揺動に伴って変位し、発熱スリーブ210を挟んで加圧ローラ250に圧接している。
加圧ローラ250は、図示しない駆動源により矢印方向に回転駆動される。定着ローラ240は、加圧ローラ250の回転により発熱スリーブ210を挟持しながら従動回転する。これにより、発熱スリーブ210が、定着ローラ240と加圧ローラ250とに挟持されて矢印方向に回転される。この発熱スリーブ210の挟持回転により、発熱スリーブ210と加圧ローラ250との間に未定着トナー像111を記録紙109上に加熱定着するためのニップ部が形成される。
電磁誘導加熱装置230は、前記IH方式の磁場生成手段からなり、図3に示すように、発熱スリーブ210のコイルガイド234に沿って円弧状に湾曲された部位の外周面に沿って配設した励磁コイル231と、励磁コイル231を覆うフェライトで構成したコア232と、を備えている。励磁コイル231は、細い線を束ねたリッツ線を用いて形成されており、発熱スリーブ210の外周面を覆うように、断面形状が半円形に形成されている。
磁場吸収部材233は、発熱スリーブ210を挟んで励磁コイル231と対向する部位に配設されており、電磁誘導加熱装置230により生成された磁場を吸収する。
電磁誘導加熱装置230の励磁コイル231には、図示しない励磁回路から所定周波数(20kHz〜60kHz)の励磁電流が印加される。これより、コア232と磁場吸収部材233との間に交流磁界が生成され、発熱スリーブ210の表面に渦電流が発生して発熱スリーブ210が発熱する。
コア232は、励磁コイル231の中心と背面の一部に設けられている。コア232及
び磁場吸収部材233の材料としては、フェライトの他、パーマロイ等の高透磁率の材料を用いることができる。
この定着装置200は、図3に示すように、未定着トナー像111が転写された記録紙109を、未定着トナー像111の担持面を発熱スリーブ210に接触させるように矢印方向から搬送することにより、記録紙109上に未定着トナー像111を加熱定着することができる。
なお、発熱スリーブ210の裏面には、サーミスタからなる温度センサ260が接触するように設けられている。この温度センサ260により発熱スリーブ210の温度が検出される。温度センサ260の出力は、図示しない制御装置に与えられている。制御装置は、温度センサ260の出力に基づいて、最適な画像定着温度となるように、前記励磁回路を介して励磁コイル231に供給する電力を制御し、これにより発熱スリーブ210の発熱量を制御している。
また、記録紙109の搬送方向下流側の、発熱スリーブ210の定着ローラ240に懸架された部分には、加熱定着を終えた記録紙109を排紙トレイ116に向けてガイドする排紙ガイド270が設けられている。
さらに、電磁誘導加熱装置230には、励磁コイル231及びコア232と一体に、保持部材としてのコイルガイド234が設けられている。このコイルガイド234は、PEEK材やPPSなどの耐熱温度の高い樹脂で構成されている。このコイルガイド234は、発熱スリーブ210から放射される熱が発熱スリーブ210と励磁コイル231との間の空間に籠もって、励磁コイル231が損傷を受けるのを回避することができる。
なお、図3に示したコア232は、その断面形状が半円形になっているが、このコア232は必ずしも励磁コイル231の形状に沿った形状とする必要はなく、その断面形状は、例えば、略Πの字状であってもよい。
発熱スリーブ210の発熱部材としては、非磁性材料が望ましい。このような非磁性材料としては、例えばステンレス、アルミ、銅などの比抵抗が80×10−6Ωcm(ステンレス)以下の材料を挙げることができる。本一実施の形態に係る定着装置200おいては、発熱スリーブ210の発熱部材として、非磁性のステンレス(SUS304)を用いた。
なお、発熱スリーブ210の発熱部材としては、その厚さ及び前記励磁電流の周波数等の条件次第では、例えば、ニッケル、コバルト、鉄などの磁性材料を用いることもできる。
また、発熱スリーブ210の肉厚は、10〜500μm程度が望ましい。本一実施の形態においては、発熱スリーブ210の肉厚を200μmとした。
また、発熱スリーブ210としては、表面に導電層を有するものが望ましい。この導電層の材料としては、例えば、銅、銀、アルミなどが好ましく、特に比抵抗が10×10−6Ωcm以下の良導電材料が好ましい。この導電層は、発熱スリーブ210の表面であれば、外周面もしくは内周面のどちらに設けてもよい。導電層の厚みは、5〜15μm程度が望ましい。本一実施の形態においては、発熱スリーブ210の表面に厚さ10±2μmの銅メッキからなる導電層を設けた。
また、発熱スリーブ210を加熱する前記高周波電源の励磁電流の周波数は、20kH
z〜100kHzの範囲が望ましい。本一実施の形態に係る定着装置200おいては、前記励磁電流の周波数を20kHz〜60kHzとした。
定着ローラ240は、表面が低硬度(ここでは、JISA30度)、直径30mmの低熱伝導性の弾力性を有する発泡体であるシリコーンゴムによって構成されている。
加圧ローラ250は、硬度JISA65度のシリコーンゴムによって構成されている。この加圧ローラ250の材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂や他のゴムを用いてもよい。また、加圧ローラ250の表面には、耐摩耗性や離型性を高めるために、PFA、PTFE、FEP等の樹脂あるいはゴムを、単独あるいは混合して被覆することが望ましい。また、加圧ローラ250は、熱伝導性の小さい材料によって構成されることが望ましい。
このような構成の発熱スリーブ210は、その磁界エネルギーの透過率が、89%〜99%であった。従って、本一実施の形態に係る定着装置200は、前記励磁回路により図4に破線で示すように磁路が形成され、発熱スリーブ210が磁界エネルギーを透過する構成となる。従って、この定着装置200においては、発熱スリーブ210の回転軌道が変動しても発生磁場の変化が少なく、発熱スリーブ210の発熱量の変化が少なくなり、発熱効率を向上させることができる。
特に、上記した特開平10−74007号公報に係る定着装置においては、発熱回転体の回転軌道が変動して前記磁場生成手段と前記発熱回転体との間の発生磁場が変化し易いことに起因して、その発熱回転体の発熱量が不安定になって発熱回転体の回転方向に発熱ムラが発生する事態が生ずる。これに対し、本一実施の形態に係る定着装置においては、発熱スリーブ210の回転軌道が変動しても発生磁場の変化が少なく、発熱スリーブ210の発熱量の変化を少なくすることができるので、発熱スリーブ210の回転方向での発熱ムラを小さくすることができる。
また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の比抵抗が80×10−6Ωcm以下であるので、発熱スリーブ210の回転軌道が変動しても電流が流れやすくなる。つまり、比抵抗が80×10−6Ωcmよりも高い非磁性材料で構成した発熱スリーブ210は、その磁界エネルギーから熱エネルギーへの変換率は高くなるが、電流が流れにくくなるため、結果的に熱効率が低下して発熱し難くなる。
ここで、発熱スリーブ210を固有抵抗が72μΩcmの非磁性のステンレス材(SUS304)で構成した場合には、磁束が遮蔽されずに発熱スリーブ210を透過するので、厚さが0.2mmのものでも発熱が極めて小さい。また、この発熱スリーブ210は、機械的強度も高く懸架するのに必要な強度を確保することができるので、薄肉化して熱容量をさらに小さくすることができ、加熱時の立ち上がり応答性をさらに向上させることができる。
また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の肉厚が10μmから500μmの範囲であるので、発熱スリーブ210の熱容量を小さくすることができ、発熱スリーブ210の加熱時の立ち上がり応答性をさらに向上させることができる。
また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の表面に導電層を有しているので、電流が流れやすくなり発熱スリーブ210の熱効率を向上させることができる。つまり、発熱スリーブ210は、肉厚を小さくしたり非磁性の金属材料で構成したりすると磁界エネルギーを透過しても電流が流れにくくなるが、その表面側に導電層を設けることによって渦電流を流れやすくすることができる。なお、前記導電層を非磁性材
料でさらに表面処理しても同様な効果が得られる。
特に、本一実施の形態に係る定着装置200においては、発熱スリーブ210に設けた導電層の厚みを10±2μmに設定することで、十分に発熱効率を向上させている。これに対し、上記した特開2004−145368号公報に係る定着装置においては、加熱ベルトと加圧部材とのニップ部を確保する観点から加熱ベルトの柔軟性を維持するために、加熱ベルトを構成する導電層の厚みを5μm程度に設定している。このため、本一実施の形態に係る定着装置200ほど渦電流を流れやすくすることはできず、結果的に発熱効率が本一実施の形態に係る定着装置200よりも低くなる。また、本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の表面に設けた導電層の比抵抗が10×10−6Ωcm以下であるので、発熱スリーブ210に電流がより流れやすくなり発熱スリーブ210の熱効率をさらに向上させることができる。
このように構成した本一実施の形態に係る定着装置200は、発熱スリーブ210の磁界エネルギーの透過率を67%から99%の範囲まで向上させることができ、発熱スリーブ210の回転軌道の変動による発生磁場の変化をより少なくすることができる。
なお、本一実施の形態に係る定着装置200においては、発熱スリーブ210を定着ローラ240と加圧ローラ250とで挟持回転させ、かつコイルガイド234に沿わせるように湾曲させた構成としたが、例えば、図5に示すように、発熱スリーブ210を円筒状に形成しコイルガイド234に対して隙間が生じるように定着ガイド板401と加圧ローラ250とで挟持回転させるように構成してもよい。この構成によれば、定着装置の小型化を図ることができる。
本明細書は、2003年10月21日出願の特願2003−361051に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
以上説明したように、本発明に係る定着装置は、発熱回転体の回転軌道が変動しても発生磁場の変化が少なく、発熱回転体の発熱量の変化も少なくなり、発熱回転体の発熱効率を向上させることができるので、電子写真方式あるいは静電記録方式の複写機、ファクシミリ及びプリンタ等の定着装置として有用である。
従来の定着装置の構成を示す概略断面図 本発明の一実施の形態に係る定着装置を搭載するのに適した画像形成装置の全体構成を示す概略断面図 上記実施の形態に係る定着装置の構成を示す断面図 上記実施の形態に係る定着装置の作用を説明するための概略断面図 上記実施の形態に係る定着装置の他の構成を示す概略断面図

Claims (6)

  1. 磁場を生成する磁場生成手段と、前記磁場生成手段に対向して配置され前記磁場生成手段により生成された磁場を吸収する磁場吸収手段と、前記磁場吸収手段と前記磁場生成手段との間を通過するように一対の加圧部材により挟持回転され前記磁場生成手段により生成された磁場により誘導加熱されかつ磁界エネルギーを透過する発熱回転体と、を具備する定着装置において、前記発熱回転体は、肉厚が10μmから500μmの範囲であり、比抵抗が80×10−6Ωcm以下の非磁性の金属材料である定着装置。
  2. 前記発熱回転体は、表面側に導電層を有している請求項1記載の定着装置。
  3. 前記導電層は、比抵抗が10×10−6Ωcm以下の金属材料である請求項2記載の定着装置。
  4. 前記磁場発生手段は、励磁コイルと、前記励磁コイルに所定電力を供給する高周波電源を有する励磁回路と、を備え、前記高周波電源の周波数は、20kHzから100kHzの範囲である請求項1記載の定着装置。
  5. 前記発熱回転体は、磁界エネルギーの透過率が89%以上である請求項1記載の定着装置。
  6. 請求項1記載の定着装置を具備する画像形成装置。
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