JP2013171648A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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誠 西村
Koji Yoshino
浩二 吉野
Tadashi Sadahira
匡史 貞平
Tomoya Fujinami
知也 藤濤
Daisuke Hosokawa
大介 細川
Tomotaka Nobue
等隆 信江
Yoshiharu Omori
義治 大森
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Abstract

【課題】被加熱物を収納処理する加熱室において可動部材を介在させない簡単な構成で被加熱物の加熱の均一化を安定に促進できて、信頼性、耐久性に優れたマイクロ波加熱装置を提供すること。
【解決手段】マイクロ波発生手段50で発生するマイクロ波を加熱室200へ放射する開口300は、開口の周辺に変形防止手段400を設けて構成される。これにより導波管と接続される限られた領域に開口の間隔を狭めて複数配置することができ、マイクロ波を加熱室200内にバランス良く分散して放射することができる。したがって可動部材を介在させない簡単なマイクロ波の給電構成で被加熱物を均一に加熱させることが可能なマイクロ波加熱装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に関し、特にマイクロ波給電部の構造に特徴を有するマイクロ波加熱装置に関するものである。
マイクロ波により被加熱物を加熱処理するマイクロ波加熱装置の代表的な装置としては、電子レンジがある。電子レンジにおいては、マイクロ波発生手段において発生したマイクロ波が金属製の加熱室の内部に放射され、加熱室内部の被加熱物は放射されたマイクロ波により加熱処理される。
従来の電子レンジにおけるマイクロ波発生手段としては、マグネトロンが用いられている。マグネトロンにより生成されたマイクロ波は、導波管を介して加熱室内部に放射される。加熱室内部におけるマイクロ波の電磁界分布が不均一であると、被加熱物を均一にマイクロ波加熱することができない。
被加熱物を均一に加熱する手段として、被加熱物を載置するテーブルを回転させて被加熱物を回転させる構造、被加熱物を固定してマイクロ波を放射するアンテナを回転させる構造を有するマイクロ波加熱装置が一般的であった。
例えば、従来のマイクロ波加熱装置では、導波管内部に回転アンテナ、アンテナシャフトなどの回転機構が配置されており、アンテナモータによって回転アンテナを回転させながらマグネトロンを駆動することで、加熱室内のマイクロ波分布の不均一さを低減している。
また、特許文献1に記載されているように、マグネトロンの上部に回転可能なアンテナを設け、該回転アンテナの羽根に送風ファンからの冷却風をあてることにより、該送風ファンの風力でアンテナを回転させ、加熱室内のマイクロ波分布を変化させているマイクロ波加熱装置が提案されている。
一方、マイクロ波加熱による被加熱物の不均一加熱の低減と共にコストダウンおよび給電部の省スペース化を図った特許文献2に記載されているように、円偏波を加熱室内部に放射する単一のマイクロ波放射部を有したマイクロ波加熱装置が提案されている。
特開昭62−64093号公報 米国特許第4301347号明細書
しかしながら、前記従来の構成の電子レンジのようなマイクロ波加熱装置では、なるべく簡易的な構造で、被加熱物を効率良く、ムラ無く加熱することが求められているが、これまで提案されていた構造では種々の問題があった。
特に電子レンジは、高出力化の技術開発が進み、国内では定格高周波出力1000Wが商品化されている。電子レンジは、熱伝導によって食品を加熱するのではなく、マイクロ波を用いて直接食品を加熱できる利便性が商品の大きな特徴であるが、不均一加熱が未解
決の中での高出力化は不均一加熱の問題をより顕在化させることになる。
従来のマイクロ波加熱装置が抱える構造上の問題としては、加熱の不均一さを低減するためにテーブルまたはアンテナを回転させる機構を必要としており、このためテーブルやアンテナやこれらを回転させるためのモーターなどの設置スペースを確保しなければならず、電子レンジの構造の制限や小型化を阻害していたことであり、低コスト化の実現や信頼性、耐久性の確保を困難にするものであった。
また特許文献2に記載されているような、円偏波を加熱室内部に放射する単一のマイクロ波放射部を有したマイクロ波加熱装置については、回転機構を有していないという利点はあるもののマイクロ波加熱による十分な均一加熱が実現されておらず、さらに改善の余地があった。以上の課題背景によりマイクロ波加熱による被加熱物の加熱の不均一さの低減と共に、これら機構を不要とするマイクロ波加熱装置が要望されている。
従来の加熱室壁面の一箇所に設けたマイクロ波放射開口に対し被加熱物自体をテーブルに載置して回転させる方式やアンテナを回転させて加熱室のマイクロ波を攪拌させる方式ではなく、回転機構を用いずに均一加熱を実現する場合においては、被加熱物を収容する加熱室に広くマイクロ波を分散して放射することが必要であるが、この場合の加熱室にマイクロ波を放射する開口としては単一ではなく、できるだけ放射量が分散するように複数配置にすることが有効である。さらに放射開口の配置とともに、配置したそれぞれの開口からのマイクロ波の放射量を適正に配分することが有効である。望ましくは開口数を多くしたうえで、それぞれの開口からの放射される電力が小さくなるように制限する構成が被加熱物の加熱の均一化を促進するうえで重要である。逆に開口数を少なくして一つの開口から放射される電力を大きくした場合には加熱の均一化には限界がある。特に加熱室に複数の被加熱物を収納して加熱する場合などにおいては被加熱物が同じ種類であっても、その並べ方によっては均一に加熱することが困難である。
一方、電子レンジなどのマイクロ波加熱装置においては一般的に、マイクロ波発生装置であるマグネトロンから発生するマイクロ波は長方形断面の伝送路でなる導波管を伝送して加熱室に供給される構成である。このような構成においてマイクロ波を加熱室に供給する開口の配置は導波管と加熱室が接続される範囲に限られてしまう。限られた領域に複数の開口を狭い間隔で配置する場合、開口周辺の変形を防止して加熱室壁面の十分な強度を確保することは均一加熱を実現するうえでの課題である。この課題を解決することにより、たとえば接続される導波管のマイクロ波の伝送方向に対して直角(つまり導波管の幅方向)に複数並べて配置することができ、さらにマイクロ波の伝送方向にも複数配置することもでき、これら開口は接近して配置することが可能となるので限られた領域に多くの開口を設けることが可能となり加熱室に収納する被加熱物の加熱の均一化が安定して促進できることになる。
本発明は前記課題を解決するものであり、壁面の強度を十分確保したうえで加熱室の壁面に複数の放射開口を設け複数設けたマイクロ波の放射開口から加熱室内にバランスよくマイクロ波を放射することで、可動部材を介在させない簡単な構成で被加熱物を均一にマイクロ波加熱させることができる信頼性、耐久性の面においても優れたマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と前記加熱室に供給するマイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に伝送する導波管と、前記導波管から前記加熱室にマイクロ波を放射する複数の開口を備え、前記開口の周辺に変形防止手段を
設けたものである。
これにより加熱室内にマイクロ波を放射させる複数の開口は接近して配置することができるので、導波管と接続する限られた領域に設けた複数の開口に分散してマイクロ波をバランスよく放射させることができるため、加熱室内に収納した様々な種類・形状・量からなる被加熱物を安定に均一加熱することができる。
本発明のマイクロ波加熱装置は、加熱室にマイクロ波を供給する複数の開口を備え、開口の周辺に変形防止手段を設けた構成としたものであり、これにより複数の開口は接近して配置することができるので、導波管と接続する限られた領域に設けた複数の開口に分散してマイクロ波をバランスよく放射させることができるため、加熱室内に収納した様々な種類・形状・量からなる被加熱物を安定に均一加熱することができる。したがって被加熱物を収納処理する加熱室において、放射されたマイクロ波を攪拌させるための回転アンテナや被加熱物自体を載置回転させるためのターンテーブルなどの可動部材を介在させることなく被加熱物の加熱の均一化を安定に促進できるので、攪拌のための回転機構やその動力も必要なく、小型シンプルな構成で経済的で信頼性、耐久性に優れたマイクロ波加熱装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の要部断面摸式図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の開口とその周辺部の構成図 本発明の変形防止手段および開口の他の構成例を示す断面模式図 本発明の変形防止手段および開口の他の構成例を示すマイクロ波加熱装置の要部断面模式図 本発明の変形防止手段および開口の他の構成例を示すマイクロ波加熱装置の開口部とその周辺部の構成図 本発明の変形防止手段および開口の他の構成例を示すマイクロ波加熱装置の要部断面模式図 本発明の変形防止手段および開口の他の構成例を示すマイクロ波加熱装置の要部断面模式図 本発明の実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置の開口部とその周辺部の構成図 本発明の実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置の要部断面模式図
第1の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室に供給するマイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に伝送する導波管と、前記導波管から前記加熱室にマイクロ波を放射する複数の開口を備え、前記開口の周辺に変形防止手段を設けたものであり、これにより加熱室内にマイクロ波を放射させる複数の開口は接近して配置することができるので、導波管と接続する限られた領域に設けた複数の開口に分散してマイクロ波をバランスよく放射させることができるため、加熱室内に収納した様々な種類・形状・量からなる被加熱物を安定に均一加熱することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の変形防止手段は開口を取り囲むように加熱室の内側に向かって凸状に構成したものであり、これにより加熱室壁面の開口周辺の変形を防止しつつマイクロ波を放射させる複数の開口は接近して配置することができる。さらに加熱室で発生する水が開口から導波管内部へ浸入することを防止する構成を兼ねて実現することが
できるので信頼性、耐久性の面でも優れた装置を提供できる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の加熱室は金属板の壁面で構成され、変形防止手段は開口を構成する壁面と一体にプレス加工にて形成されたものであり、これにより加熱室や導波管の壁面を構成する金属板の厚みを厚くすることなく、また特別に補強部材を設ける必要もなく壁面を構成する金属板で一体にして確実に変形を防止することができる。
第4の発明は、特に第1の発明の開口を構成する金属板の端面は、変形防止手段を設けて加熱室内部に向けて構成したものであり、これにより開口を構成する金属板の端面は電界強度の強い導波管の内部に向かないように構成することができるので開口の形状を問わず電界集中によるスパークの発生を防止することができる。
第5の発明は、特に第1の発明の変形防止手段はマイクロ波伝送路の反射電力を調整する導波管の内壁に設けたインピーダンス整合用素子であり、これにより開口の周辺に設けた整合素子により兼ねて変形を防止することができる。
第6の発明は、特に第1の発明の変形防止手段は加熱室に放射されたマイクロ波を乱反射させる加熱室内に向かって凸面状の乱反射体であり、これにより開口の周辺に設けた乱反射体により兼ねて変形を防止することができる。
第7の発明は、特に第1乃至第6のいずれか1つの発明の開口は、円偏波を放射する開口形状を含むものであり、これによりクロス開口からは回転電界のマイクロ波を放射することにより可動部の無い構成において加熱室内のマイクロ波分布を時間的に変化させることができ、被加熱物へ回転電界のマイクロ波を直接入射させて加熱の均一化を促進させることができる。
弟8の発明は、特に第1乃至第7のいずれか1つの発明における各開口から放射可能なマイクロ波の放射量は、全開口を合わせて放射される最大放射量に関連して決定されるものであり、これにより加熱室へのマイクロ波の放射量を確保しつつ、一つの開口からの最大放射量がそれぞれ決定されることにより、加熱室に放射されるマイクロ波の量が特定の開口に大きく偏ることを防止することができるので加熱室内に収納した様々な種類・形状・量からなる被加熱物を安定に均一加熱することができる。また複数の開口を導波管の伝送方向に並べて配置しマイクロ波の伝送にともなって放射開口から順次加熱室内にマイクロ波が放射される構成においても配置における伝送量の偏りを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の要部断面模式図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の開口部とその周辺の構成図である。
図1、図2において本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する金属材料で閉じられた空間から構成した加熱室200、加熱室200に供給するマイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段50、マイクロ波発生手段50が発生するマイクロ波を伝送する導波管100を備える。導波管100の一端側にはマイクロ波発生手段50が装着されている。
ここで導波管100は、マイクロ波加熱装置で使用されるマイクロ波の周波数や出力に対応して一対の幅面と一対の高さ面に囲まれた長方形断面の伝送路で構成されている。一般的な矩形導波管では、伝送路の幅の寸法aと高さ寸法bは、伝送する波長λから、λ/2<a<λ、b<λ/2の範囲で形状を選ぶことでTE10モードと呼ばれる形態で伝送される。マイクロ波発生手段50が2450MHzの周波数で発振する場合には波長λが約120mmなので、幅寸法aは70〜110mm、高さ寸法bは15〜40mmなどで選定される。具体的には本実施例において幅100mm、高さ30mmに設定されている。
さらに導波管100を接合する加熱室200の底面壁に開口300が複数構成されており、マイクロ波発生手段50で発生するマイクロ波は複数の開口300から加熱室200内に直接放射される。また、加熱室200における複数の開口300を配置した底面壁の上方には被加熱物を載置する低誘電損失材料のガラス板で構成した載置板500を備える。この載置板500と開口300を配置した底面壁とは20mm〜30mmの隙間をもって配置され底壁面から載置板500の外形に向かって広がる傾斜面が設けてある。
開口300の配置に関しては、マイクロ波発生手段50で発生し導波管100を伝送するマイクロ波の周波数帯の中心周波数(たとえば、2460MHz)における導波管100内の管内波長λgに基づき配置している。複数の開口300は円偏波を放射させる開口である。
円偏波とは、移動通信および衛星通信の分野で広く用いられている技術であり、身近な使用例としては、ETC(Electronic Toll Collection System)「ノンストップ自動料金収受システム」などが挙げられる。円偏波は、電界の偏波面が電波の進行方向に対して時間に応じて回転するマイクロ波であり、円偏波を形成すると電界の方向が時間に応じて変化し続けるので、開口から放射されるマイクロ波の放射角度も変化し続けるという特徴を有している。
これにより、従来のマイクロ波加熱装置に用いられている直線偏波によるマイクロ波加熱と比較して、広範囲にわたってマイクロ波が分散放射されて、被加熱物を均一にマイクロ波加熱することができるようになる。特に、円偏波の周方向に対して均一加熱の傾向が強い。なお、円偏波は回転方向から右旋偏波(CW:clockwise)と左旋偏波(CCW:counter clockwise)の2種類に分類されるが、加熱性能に違いはない。
具体的には図2に示すように導波管100におけるマイクロ波の伝送方向に対して所定角度(たとえば略45度と略135度)の開口を組合せたクロス開口形状としている。これにより導波管100内をマイクロ波が終端に向かって伝送するときに導波管の幅の中心に対して偏心して設けたクロス開口から放射されるマイクロ波は電界方向が刻々変化する円偏波を放射するので被加熱物へ回転電界のマイクロ波を直接入射させて加熱の均一化をさらに促進することができる。
開口の長さ(導波管におけるマイクロ波の伝送方向に対して所定角度にて開口した開口の長手方向の長さ)は、導波管を伝送する周波数帯の中心周波数(たとえば2460MHz)の自由空間での伝搬波長λの1/4以上、たとえば45mmにしている。
ひとつの開口からの放射できる最大エネルギーは開口の形状寸法により調整できるものであるが、望ましくは配置されるすべての開口をあわせて加熱室に放射できる全エネルギーが、各開口毎に放射できる最大エネルギーの合算となるように設定することであり、特定の開口にエネルギーが偏って放射することを確実に抑制することができる。本実施の形
態において開口300は導波管100におけるマイクロ波の伝送方向に5個と導波管100の幅(伝送方向とは直角)方向に2個の合計10個が配置されており、各開口から放射可能なマイクロ波の放射量は、全開口を合わせて放射される最大放射量に関連して決定されるものであり、ひとつの開口から放射されるエネルギーはマイクロ波発生手段50から伝送されて加熱室200内に放射されるマイクロ波のエネルギーの約10〜20%のエネルギーを放射する開口寸法に設定されている。
たとえば最大出力1000Wの装置で10個の開口を配置した場合について、ひとつの開口からの最大出力を均等配分して100Wに制限することに支障はない。この場合、装置の最大出力で加熱する場合には各開口から放射されるエネルギーは均等となる。またこの装置を500Wの出力で加熱する場合でも、ひとつの開口から放射されるエネルギーは制限されるので100Wを越えることがなく、被加熱物を開口配置に対して偏って配置して加熱される場合にも加熱ムラを抑制することができる。さらにこのことは配置する開口の数を多くしてひとつの開口から放射されるエネルギーを小さく制限していくことが加熱の均一化を促進するうえで有効である。また開口の配置間隔を上記した管内波長λgの略1/4としたことで隣接する開口からの放射の位相差により互いの干渉を防止するものである。
開口300周辺には変形防止手段400が設けられていて、導波管100を接続する領域の加熱室200の壁面に開口300を複数配置する構成において開口形状の保持とその周辺の変形を防止する構成となっている。なお開口300からの放射量は本実施例においては加熱室200の対称性から各開口均等に配分した構成であるが、たとえば前後左右非対称な形状の加熱室などにおいては、これに対応して開口サイズを変えて放射量を配分しても良い。
以下、マイクロ波加熱装置の動作と作用について説明を行う。載置板500に被加熱物が載置され使用者により加熱開始指示が行われると、マイクロ波加熱装置は、マイクロ波発生手段であるマイクロ波発生手段50が動作し導波管100内にマイクロ波を発生し伝送されて複数の開口300から加熱室200に直接放射されて被加熱物が加熱される。載置板500に載置された被加熱物は複数の開口300から放射されるマイクロ波によって加熱されるものであるが、設けた開口の一つからの放射量を抑制し、複数の開口から放射させることができる。つまり、回転アンテナなどを介在させることなく被加熱物の種類や大きさ配置に対応して被加熱物の加熱の均一化を高いレベルで促進するためには、マイクロ波の放射は開口ごとにできるだけ分散することが有効である。
一方、電子レンジなどでは加熱室を構成する金属壁面は強度や加工性、製品重量の制約などの観点から一般的に厚さ0.5mm程度の薄板で構成されている。従来の回転駆動させるアンテナ軸を導波管の開口に挿入した方式のように、マイクロ波を同軸で導出する構成や開口が単一の構成では、開口配置における強度的な影響は複数の開口を設ける場合に比べて小さかった。これに対して複数の開口を加熱室に配置しようとすると開口を構成する壁面の強度の低下や開口形状の変形を招くことから開口の形状や配置が制限されてしまい、十分な加熱の均一化を促進することが困難であった。さらに複数の開口を近接して配置する構成における課題としては機械的応力以外にも熱応力がある。これはマイクロ波により開口間の金属壁面を流れる高周波電流によるものであるが、開口それぞれの間のすきまが狭くなることは高周波電流が開口周辺に集中し熱変形するものであるが、変形防止手段を設けることにより開口それぞれの間の円面距離が長くなるので高周波電流集中による熱変形を防止する効果がある。
本発明のマイクロ波加熱装置においてはマイクロ波の分散放射を実現しつつ変形防止手段400の効果により加熱に必要な放射量を確保するために限られた領域に開口を近接し
て配置することが可能である。さらに複数の開口を配置して加熱室壁面の強度を低下させることがない。
図1、図2に示すように変形防止手段400は開口300のクロス開口形状の周辺に沿って、開口300を取り囲むように加熱室200の内側に向かって凸状に設けられている。これにより加熱室で発生する水が開口から導波管内部へ浸入することを兼ねて防止する効果がある。また変形防止手段400は開口300を構成する金属板と一体にプレス加工で構成できるものであり本実施の形態においては金属板の端面が加熱室200内に向かうようにバーリング加工により構成している。これにより加熱室や導波管の壁面を構成する金属板の厚みを厚くすることなく、また特別に補強部材を設ける必要もなく壁面を構成する金属板で一体にして確実に変形を防止することができる。さらに金属板端面が電界強度の高い導波管の伝送路に向かない構成にすることにより金属端面の突起部に電界が集中することで発生するスパークを防止する効果がある。
なお変形防止手段の形状としては本実施例に限らず図3の(A)から(D)に示すような構成でもよい。図3(A)に示す変形防止手段420は金属板をカール加工したものであり(B)に示す変形防止手段430は金属板をヘミング加工したものであり(C)に示す変形防止手段440はビード加工したものであり(D)に示す変形防止手段450は絞り(もしくは段押し)した面に開口を設けたものであり同様の効果が得られるものである。
またなお、図4、図5に示す変形防止手段410のように複数の開口にまたがって周囲に設けてもよいし、開口形状に沿って設けてもよいし、これ以外にも開口間隔が狭くなる範囲に部分的に設ける構成でも良い。
またなお、図6、図7に示すように変形防止手段460は加熱室200内に放射されるマイクロ波を乱反射させるために開口360の周辺に配置した加熱室200内に向かって凸球面状の乱反射体と兼ねて構成したものであり、これにより開口の周辺に設けた乱反射体によるマイクロ波放射の拡散効果と兼ねて変形を防止することができる。また変形防止手段460(乱反射体)は開口360の周辺に配置することで変形防止の作用とともに効果的にマイクロ波を拡散し、かつ載置板500の下側に配置することは被加熱物を加熱室200内に収納するうえでも邪魔になったり見栄えを損ねることもない。
(実施の形態2)
次に図8、図9を用いて本発明の他の実施の形態のマイクロ波加熱装置について説明する。図8は、本発明の実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置の要部断面模式図であり図9は本発明の実施の形態2におけるマイクロ波加熱装置の開口部とその周辺の構成図である。
図8、図9が実施の形態1と相違する構成は、変形防止手段の構成にある。図7に示す変形防止手段470は導波管100の伝送路内に突出して設けたものである。すなわち図8に示すように、導波管100におけるマイクロ波の伝送方向に複数列配置された開口に対応してマイクロ波伝送路におけるマイクロ波発生手段50方向への反射電力を調整する導波管の内壁に設けたインピーダンス整合用素子と兼ねて変形防止手段470を設けたものである。クロス開口の端が4方向から近接して機械的応力や熱応力の大きくなる領域に変形防止手段470を設けて変形を防止することができ、インピーダンス整合用素子の作用で伝送方向に複数の開口を配置してもそれぞれの開口からの放射されるマイクロ波のエネルギーを均一に配分することが可能となる。これにより加熱室内に収納した様々な種類・形状・量からなる被加熱物を安定に均一加熱することができる。
以上のように、本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物へのマイクロ波の均一照射が実現でき、さらにはマイクロ波を供給するための特別な可動部を設ける必要がないので信頼性、耐久性の面においても優れたものである。食品の加熱加工や殺菌などを行うマイクロ波加熱装置などに有効に利用することができる。
50 マイクロ波発生手段
100 導波管
200 加熱室
300 開口
400 変形防止手段

Claims (8)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、
    前記加熱室に供給するマイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段と、
    前記マイクロ波発生手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に伝送する導波管と、
    前記導波管から前記加熱室にマイクロ波を放射する複数の開口を備え、
    前記開口の周辺に変形防止手段を設けたマイクロ波加熱装置。
  2. 変形防止手段は開口を取り囲むように加熱室の内側に向かって凸状に構成した請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 加熱室は金属板の壁面で構成され、変形防止手段は開口を構成する壁面と一体にプレス加工法にて形成された請求項1または2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 開口を構成する金属板の端面は、変形防止手段を設けて加熱室内部に向けて構成した請求項3に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 変形防止手段はマイクロ波伝送路の反射電力を調整する導波管の内壁に設けたインピーダンス整合用素子である請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 変形防止手段は加熱室に放射されたマイクロ波を反射させる加熱室内に向かって凸面状の乱反射体である請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 開口は、円偏波を放射する開口形状を含む請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  8. 各開口から放射可能なマイクロ波の放射量は、全開口を合わせて放射される最大放射量に関連して決定される請求項1から7のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
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