JP2013170660A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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恭宣 安田
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Abstract

【課題】主たる軸直荷重の入力方向において要求性能を高度に実現しつつ、他の軸直角方向において不要な大型化を防ぐことができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】本体ゴム弾性体18が上下軸方向視で長円形状を有しており、第2の取付部材16における本体ゴム弾性体18への固着部分が上下軸方向視で長円形状とされて、本体ゴム弾性体18の長軸方向での自由長が短軸方向での自由長よりも大きくされている一方、第2の取付部材16に装着されるアウタブラケット78が本体ゴム弾性体18の短軸方向で側方に突出する取付部104を備えており、取付部104が振動源22に取り付けられるようになっていると共に、本体ゴム弾性体18の長軸方向で第1の取付部材14と第2の取付部材16の相対変位量を規制する軸直ストッパ手段が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば自動車のエンジンマウント等に用いられる防振装置に係り、特に内部に封入された流体の流動作用に基づいた防振効果を利用する流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に防振連結乃至は防振支持する防振装置の一種として、内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を利用する流体封入式防振装置が知られており、自動車のエンジンマウント等への適用が検討されている。この流体封入式防振装置は、例えば特開平11−311291号公報(特許文献1)等に示されているように、第1の取付部材と筒状の第2の取付部材とが本体ゴム弾性体によって弾性連結された構造を有している。更に、第2の取付部材によって支持された仕切部材の上下両側に受圧液室と平衡液室が形成されており、それら受圧液室と平衡液室がオリフィス通路によって相互に連通されている。
この特許文献1に記載の流体封入式防振装置では、第1の取付部材が第2の取付部材に対して上方に配置されて、第1の取付部材がパワーユニット等の振動源側に取り付けられると共に、第2の取付部材が車両ボデー等の防振対象部材側に取り付けられるようになっている。それに対して、特許4755147号公報(特許文献2)等では、第1の取付部材が第2の取付部材に対して下方に配置されて、第1の取付部材が防振対象部材側に取り付けられると共に、第2の取付部材が振動源側に取り付けられるようにした倒立タイプの流体封入式防振装置が提案されている。
ところで、例えば流体封入式防振装置をエンジンマウントとして用いると、加減速に伴う荷重が車両の前後方向で入力されること等から、流体封入式防振装置に対する主たる軸直荷重の入力方向が特定される場合がある。
ところが、流体封入式防振装置は、一般的に全周に亘って略一定の特性(防振性能や耐久性等)が発揮されるようになっていることから、例えば、主たる軸直荷重の入力方向で要求される耐久性等を実現しようとすると、他の軸直角方向において必要以上の大径化やばね特性への悪影響等が問題となるおそれがあった。
特開平11−311291号公報 特許4755147号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、主たる軸直荷重の入力方向において要求性能を高度に実現しつつ、他の軸直角方向において不要な大型化を防ぐことができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の態様は、第1の取付部材が上下に延びる筒状とされた第2の取付部材の下方に配置されて、それら第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されており、該第1の取付部材が防振対象部材に取り付けられるようになっていると共に、該第2の取付部材が振動源に取り付けられるようになっている一方、該第2の取付部材によって支持された仕切部材を挟んだ一方の側には壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧液室が形成されていると共に、他方の側には壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡液室が形成されており、それら受圧液室と平衡液室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、前記本体ゴム弾性体が上下軸方向視で長円形状を有しており、前記第2の取付部材における該本体ゴム弾性体への固着部分が上下軸方向視で長円形状とされて、該本体ゴム弾性体の長軸方向での自由長が短軸方向での自由長よりも大きくされている一方、該第2の取付部材に装着されるアウタブラケットが該本体ゴム弾性体の短軸方向で側方に突出する取付部を備えており、該取付部が前記振動源に取り付けられるようになっていると共に、該本体ゴム弾性体の長軸方向で前記第1の取付部材と該第2の取付部材の相対変位量を規制する軸直ストッパ手段が設けられていることを、特徴とする。
このような第1の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置によれば、本体ゴム弾性体および第2の取付部材における本体ゴム弾性体の固着部分が、何れも上下軸方向視で長円形状とされている。これにより、本体ゴム弾性体の自由長が長軸方向で大きく確保されて、長軸方向における耐久性の向上が図られると共に、短軸方向において小型化が図られて、他部材との干渉等が回避される。
しかも、第1の取付部材が防振対象部材に取り付けられると共に、第2の取付部材が振動源に取り付けられる倒立タイプの流体封入式防振装置とされていることにより、流体封入式防振装置の重心位置が下側に偏倚して設定される。それ故、軸直角方向の入力に起因する倒れ方向モーメントが低減されて、耐久性の向上や防振性能の安定化等が実現される。特に、自由長が大きくなることで問題となり易い短軸回りの倒れ方向モーメントが低減されることから、長軸方向での入力に対する耐荷重性等が充分に確保される。
さらに、第1の取付部材と第2の取付部材の長軸方向での相対変位量が、軸直ストッパ手段によって規制されている。これにより、長軸方向において荷重入力に対する本体ゴム弾性体の弾性変形量が制限されて、耐久性の向上がより効果的に実現される。
また、振動源に取り付けられるアウタブラケットの取付部が短軸方向に突出していることから、長軸方向で本体ゴム弾性体の自由長を大きく確保しつつ、振動源への取付方向では大型化が回避されて、本体ゴム弾性体の耐久性を確保するために配設スペースや振動源への取付構造に対して制約が生じることも防止されている。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記アウタブラケットが前記第2の取付部材の下端部に装着されているものである。
第2の態様によれば、アウタブラケットが流体封入式防振装置の下部に配置されることから、アウタブラケットの装着による重心の上方への移動が防止されて、重心位置が下方に設定されることによる耐荷重性の向上等が実現される。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記第2の取付部材には前記本体ゴム弾性体の固着部分よりも下方に突出する係止片が設けられており、前記アウタブラケットが該係止片によるかしめ固定によって該第2の取付部材に装着されているものである。
第3の態様によれば、アウタブラケットがかしめによって第2の取付部材の係止片に固定されることで、アウタブラケットを第2の取付部材の下方に配置することができる。しかも、第2の取付部材とアウタブラケットの重なり合う部分(かしめによる連結部分)の軸方向寸法が圧入等に比して小さくされ得ることから、重心をより下方に設定し易くなって、より優れた耐荷重性等を実現することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか1つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記第1の取付部材にはインナブラケットが装着されており、該第1の取付部材が該インナブラケットを介して前記防振対象部材に取り付けられるようになっていると共に、該インナブラケットには前記第2の取付部材に対して前記本体ゴム弾性体の長軸方向で対向するストッパ部が設けられており、該ストッパ部と該第2の取付部材との当接によって前記軸直ストッパ手段が構成されているものである。
第4の態様によれば、第1の取付部材を防振対象部材に取り付けるためのインナブラケットを利用して、軸直ストッパ手段を構成することができる。なお、インナブラケットは、第2の取付部材に対して直接的に当接するようになっていても良いし、アウタブラケットや緩衝ゴム等を介して間接的に当接するようになっていても良い。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記本体ゴム弾性体には上方に開口する液室形成凹所が形成されており、該液室形成凹所の開口部が前記仕切部材で覆蓋されて前記受圧液室が形成されていると共に、該液室形成凹所の直径が長軸方向で短軸方向よりも大きくなっているものである。
第5の態様によれば、受圧液室の有効ピストン面積が大きく確保されて、振動入力時の圧力変動が効率的に惹起されることから、流体の流動作用等に基づいた防振効果が有利に発揮されて、防振性能の向上が図られる。しかも、本体ゴム弾性体が長円形状とされていることによって、液室形成凹所の直径を異ならせることによる本体ゴム弾性体の部分的な薄肉化等も回避されて、目的とする耐久性や防振性能を実現することができる。
本発明によれば、本体ゴム弾性体および第2の取付部材における本体ゴム弾性体の固着部分が、何れも上下軸方向視で長円形状を呈していることにより、本体ゴム弾性体の長軸方向の自由長が大きく確保されて耐久性の向上が実現されると共に、短軸方向においてコンパクト化が図られて、小さな配設スペースに対しても他部材と干渉することなく配設可能となる。しかも、倒立タイプの流体封入式防振装置であることから、重心位置が下方に設定されて、本体ゴム弾性体の自由長が大きい長軸方向においても倒れ方向モーメントが問題となるのを防ぐことができる。加えて、本体ゴム弾性体の長軸方向での弾性変形量が軸直ストッパ手段によって制限されており、耐久性の更なる向上が図られている。
本発明の第1の実施形態としてのエンジンマウントを示す斜視図。 図1に示されたエンジンマウントの平面図。 図2のIII−III断面図。 図2のIV−IV断面図。 図3のV−V断面図。 本発明の第2の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 図6のVII−VII断面図。 本発明の第3の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜図5には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第1の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10はマウント本体12を備えており、このマウント本体12は第1の取付部材14と第2の取付部材16が本体ゴム弾性体18によって弾性連結された構造を有している。そして、図3に示されているように、第1の取付部材14が防振対象部材としての車両ボデー20に取り付けられると共に、第2の取付部材16が振動源としてのパワーユニット22に取り付けられることにより、パワーユニット22が車両ボデー20によって防振支持されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、車両への装着状態で鉛直上下方向となる図3中の上下方向を言う。また、エンジンマウント10の車両装着状態において、図2における下方が車両の前方である。
より詳細には、第1の取付部材14は、鉄やアルミニウム合金等の金属材料で形成された高剛性の部材であって、略円形ブロック形状を有していると共に、下端部には外周側に突出するフランジ部24が一体形成されている。更に、第1の取付部材14には、中心軸上を延びて下面に開口するねじ孔26が形成されている。
また、第1の取付部材14の上方には、中間スリーブ28が配設されている。中間スリーブ28は、第1の取付部材14と同様の高剛性の部材であって、大径の略円筒形状を有している。
そして、第1の取付部材14が中間スリーブ28の下方に同一中心軸上で配置されて、それら第1の取付部材14と中間スリーブ28が本体ゴム弾性体18によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体18は、逆向きの略錐台形状を有しており、小径側の端部(下端部)に第1の取付部材14が加硫接着されていると共に、大径側の端部(上端部)の外周面に中間スリーブ28が加硫接着されている。本実施形態の本体ゴム弾性体18は、第1の取付部材14と中間スリーブ28を備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、本体ゴム弾性体18には、液室形成凹所としての大径凹所30が形成されている。大径凹所30は、略すり鉢形状を有する凹所であって、本体ゴム弾性体18の大径側の端面(上端面)に開口している。
また、本体ゴム弾性体18の一体加硫成形品には、可撓性膜32が取り付けられている。可撓性膜32は、薄肉のゴム弾性体であって、上下に充分な弛みを有している。更に、可撓性膜32の外周側には、筒状のシールゴム層34が一体形成されており、このシールゴム層34がアウタ筒部材36に加硫接着されている。
アウタ筒部材36は、中間スリーブ28と同様に高剛性の部材とされており、全体として薄肉大径の略円筒形状を有している。更に、アウタ筒部材36の軸方向中間部分には、環状の段差部38が設けられており、段差部38を挟んで上方が小径筒部40とされていると共に、下方が大径筒部とされている。
更にまた、大径筒部42の下端からは、フランジ状の位置決め部44が外周側に突出しており、その位置決め部44の外周端部から係止片46が下方に向かって延び出している。なお、位置決め部44は、周上の一部において外周側への突出寸法が小さくされており、当該部位において係止片46が形成されていない。換言すれば、係止片46は、周方向で一周に満たない長さで形成されており、周上の一部に切欠部48を有している。
そして、アウタ筒部材36の小径筒部40の内周面を覆うようにシールゴム層34が固着されており、アウタ筒部材36の上方の開口部が可撓性膜32によって覆蓋されている。
また、アウタ筒部材36の大径筒部42は、中間スリーブ28に外挿された後、八方絞り等の縮径加工が施されることによって、中間スリーブ28に外嵌固定されている。これにより、本実施形態の第2の取付部材16が、中間スリーブ28とアウタ筒部材36とを含んで構成されている。なお、第2の取付部材16において、アウタ筒部材36の係止片46は、本体ゴム弾性体18への固着部分である中間スリーブ28よりも下方に突出している。
さらに、可撓性膜32が本体ゴム弾性体18に対して上方に離隔して対向配置されて、それら本体ゴム弾性体18と可撓性膜32の軸方向対向面間には、外部空間に対して密閉されて非圧縮性流体を封入された流体室50が形成されている。なお、流体室50に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではなく、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液等が何れも好適に採用される。更に、後述する流体の流動作用に基づいた防振効果を効率的に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体が望ましい。
また、流体室50には、仕切部材52が配設されている。仕切部材52は、厚肉の板形状とされており、仕切部材本体54と蓋部材56とを含んで構成されている。
仕切部材本体54は、合成樹脂や金属等で形成された硬質の部材であって、全体として厚肉板状とされていると共に、外周部分が内周部分に比して厚肉とされて下方に突出している。また、薄肉とされた内周部分には、上方に開口する収容凹所57が形成されている。更に、厚肉とされた外周部分には、周方向螺旋状に2周弱の長さで延びる周溝58が、外周面に開口して形成されている。
蓋部材56は、仕切部材本体54と同様に硬質の部材であって、薄肉板状とされていると共に、本実施形態では、内周部分が外周部分よりも厚肉とされて下方に突出している。
そして、蓋部材56は、仕切部材本体54の上面に重ね合わされている。これにより、収容凹所57の開口部が蓋部材56で覆蓋されて、仕切部材本体54と蓋部材56の間に収容空所60が形成されている。また、収容空所60には可動膜62が収容配置されている。可動膜62は、板状のゴム弾性体であって、外周端部には厚さ方向両側に突出する厚肉挟持部64が設けられている。この可動膜62は、収容空所60に配設されて、厚肉挟持部64が仕切部材本体54と蓋部材56との軸方向対向面間で挟持されていると共に、内周部分が厚さ方向の微小な弾性変形を許容されている。
かくの如き構造とされた仕切部材52は、流体室50に配設されている。即ち、仕切部材52は、第2の取付部材16の小径筒部40に挿入されており、小径筒部40が縮径されることで第2の取付部材16によって支持されて、略軸直角方向に広がっている。
また、仕切部材52の配設によって流体室50は、仕切部材52を挟んで上下に二分されている。これにより、仕切部材52を挟んだ下方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体18で構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される受圧液室66が形成されている。一方、仕切部材52を挟んだ上方には、壁部の一部が可撓性膜32で構成されて、容積変化が容易に許容される平衡液室68が形成されている。換言すれば、大径凹所30の開口部が仕切部材52で覆われることによって、本体ゴム弾性体18と仕切部材52の間に受圧液室66が形成されていると共に、小径筒部40の下側開口部が仕切部材52で覆われることによって、可撓性膜32と仕切部材52の間に平衡液室68が形成されている。なお、受圧液室66および平衡液室68には、非圧縮性流体が封入されている。
また、仕切部材52の外周面がシールゴム層34を介して第2の取付部材16に密着されることで、周溝58の外周開口部が第2の取付部材16によって流体密に覆蓋されて、周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。このトンネル状流路の一方の端部が第1連通孔69を通じて受圧液室66に連通されると共に、他方の端部が第2の連通孔(図示せず)を通じて平衡液室68に連通されることにより、受圧液室66と平衡液室68を相互に連通するオリフィス通路70が形成されている。なお、オリフィス通路70は、通路断面積(A)と通路長(L)との比(A/L)を調節することで、流動流体の共振周波数(チューニング周波数)が設定されており、本実施形態ではエンジンシェイク等に相当する10Hz程度の低周波数に設定されている。
また、収容空所60の下壁部に第1透孔72が貫通形成されて、可動膜62の下面に受圧液室66の液圧が及ぼされていると共に、収容空所60の上壁部に第2透孔74が貫通形成されて、可動膜62の上面に平衡液室68の液圧が及ぼされている。これにより、受圧液室66と平衡液室68の相対的な圧力差に基づいて可動膜62が厚さ方向に弾性変形されるようになっており、受圧液室66の液圧が平衡液室68に伝達されて、平衡液室68の容積変化によって受圧液室66の内圧変動が吸収されるようになっている。
このような構造とされたマウント本体12には、インナブラケット76とアウタブラケット78が取り付けられている。
インナブラケット76は、金属等で形成された高剛性の部材であって、第1の取付部材14に固定される連結プレート80と、連結プレート80によって支持される一対のストッパ部82,82と、一対のストッパ部82,82によって支持されるバウンド当接部84とを、備えている。
連結プレート80は、上下軸方向視で略長方形の板形状を呈する高剛性の部材であって、長手方向(図4中、左右方向)の中央部分と両端部分にそれぞれボルト孔86が貫通形成されている。なお、本実施形態の連結プレート80は、長手方向の中央部分が両端部分よりも上方に位置する段付き形状とされている。
一対のストッパ部82,82は、連結プレート80の長手方向で対向して配置されて、連結プレート80の長手方向端部に固定されている。このストッパ部82は、連結プレート80の上面に重ね合わされて溶接等の手段で固着される下端支持部88と、下端支持部88における一対のストッパ部82,82の対向方向内側端部から上方に向かって突出する軸直当接部90と、軸直当接部90の上端から対向方向内側に向かって突出するリバウンド当接部92とを、一体で備えている。更に、ストッパ部82には、幅方向(図2中、左右方向)の両端部分においてストッパ部82の厚さ方向外側(下端支持部88、軸直当接部90、リバウンド当接部の各厚さ方向外側)に突出する補強リブ94が一体形成されており、それぞれ板形状とされた軸直当接部90とリバウンド当接部92において剛性の向上が図られている。なお、下端支持部88には、ボルト孔96が上下に貫通して形成されて、連結プレート80のボルト孔86と位置決めされている。
バウンド当接部84は、全体として略軸直角方向で連結プレート80の長手方向に延びる板状とされており、長手方向の両端部分が一対のストッパ部82,82の幅方向一方の端面に重ね合わされて溶接等の手段で固着されている。また、バウンド当接部84は、長手方向の両端部分が厚さ方向で屈曲されて下方に延び出すことで補強されて、耐荷重性の向上が図られている。なお、本実施形態のバウンド当接部84は、長手方向の中央に向かって次第に幅方向(図3中、左右方向)の寸法が大きくなっている。
そして、インナブラケット76は、連結プレート80の長手方向中央のボルト孔86に挿通される固定ボルト98が第1の取付部材14のねじ孔26に螺着されることで、第1の取付部材14に対して固定されている。なお、ストッパ部82およびバウンド当接部84は、予め連結プレート80に固定されていても良いし、連結プレート80を第1の取付部材14に取り付けた後で連結プレート80に固定されても良い。
さらに、インナブラケット76のマウント本体12への装着状態において、一対のストッパ部82,82は、軸直当接部90が第2の取付部材16の係止片46に対して外周側に所定距離を隔てて配置されていると共に、リバウンド当接部92が第2の取付部材16の位置決め部44に対して上方に所定距離を隔てて配置されている。そして、第1の取付部材14と第2の取付部材16の軸直角方向一方向での相対変位量を制限する軸直ストッパ手段が、ストッパ部82,82の軸直当接部90と第2の取付部材16の係止片46との当接によって構成されている。更に、第1の取付部材14と第2の取付部材16の軸方向離隔側への相対変位量を制限するリバウンドストッパ手段が、ストッパ部82,82のリバウンド当接部92と第2の取付部材16の位置決め部44との当接によって構成されている。また、本実施形態では、上記ストッパ手段を構成する係止片46の外周面と位置決め部44の上面が緩衝ゴム100で覆われており、ストッパ部82と第2の取付部材16が緩衝的に当接するようになっている。なお、緩衝ゴムは、ストッパ手段における当接面間に設けられていれば良く、ストッパ部82側に固着されていても良い。
アウタブラケット78は、インナブラケット76と同様に高剛性の部材であって、第2の取付部材16に取り付けられる装着部102と、装着部102の周上の一部から側方に突出する取付部104とを、備えている。
装着部102は、周方向に連続する環状とされており、係止片46の内径寸法よりも小さい外径寸法と、中間スリーブ28の内径寸法よりも小さい内径寸法を有している。また、装着部102の周上の一部には、周方向に延びる緩衝ゴム106が下面に固着されている。
取付部104は、装着部102の周上の一部において上方に突出してから側方に延び出すブロック状とされている。また、取付部104には、上下方向に延びる複数のボルト孔107が貫通形成されていると共に、1つのボルト孔107の周囲には上方に突出する円筒状乃至は円環状の固定用突部108が形成されて、その上面によってボルト又はナットの座面が構成されている。更に、取付部104には、下方に向かって突出する位置決めピン109が設けられている。
そして、アウタブラケット78は、装着部102が係止片46に挿入されて位置決め部44に下方から当接されると共に、係止片46の下端部が内周側に屈曲されて装着部102の下面に重ね合わされることで、第2の取付部材16の下端部にかしめ固定されている。アウタブラケット78の装着部102が、係止片46の内周側に配置されて、係止片46の内周面と位置決め部44の下面に当接されることによって、軸直ストッパ手段およびリバウンドストッパ手段の耐荷重性が装着部102の剛性を利用して充分に確保されており、軸直ストッパ手段およびリバウンドストッパ手段が装着部102を含んで構成されている。
アウタブラケット78のマウント本体12への装着状態において、取付部104は係止片46の切欠部48を通じて側方に突出しており、取付部104における緩衝ゴム106の固着部分が、インナブラケット76のバウンド当接部84に対して上方に離隔して対向配置されている。これにより、第1の取付部材14と第2の取付部材16の軸方向接近側への相対変位量を制限するバウンドストッパ手段が、取付部104とバウンド当接部84との当接によって実現されている。
ここにおいて、マウント本体12は上下軸方向視で長円形状を呈している。より詳細には、本体ゴム弾性体18の外周面形状が上下軸方向視で長円形状とされていると共に、大径凹所30が長円形状を有していることによって、本体ゴム弾性体18の内周面形状も上下軸方向視で長円形状とされている。なお、大径凹所30の直径は、本体ゴム弾性体18の長軸方向において短軸方向よりも大きくされており、大径凹所30が上下軸方向視において本体ゴム弾性体18の外形に略対応する長円形状とされている。また、「長円形状」とは、全体が曲線で構成された楕円形状の他、直線部分を有するオーバル形状(小判形状)等を含む。
さらに、第2の取付部材16は、本体ゴム弾性体18の固着部分を含んだ全体が、上下軸方向視で長円形状とされており、本体ゴム弾性体18の長軸方向と第2の取付部材16の長軸方向が一致している。なお、本実施形態の第2の取付部材16は、本体ゴム弾性体18への固着部分である大径筒部42と、本体ゴム弾性体18への固着部分を外れた小径筒部40とが、何れも上下軸方向視で長円形状とされているが、本体ゴム弾性体18の外周面に固着された部分(中間スリーブ28および大径筒部42)が長円形状とされていれば、他の部分(小径筒部40)の上下軸方向視での形状は特に限定されず、真円形状等であっても良い。
更にまた、第2の取付部材16の下側開口部に対して全周に亘って固着される可撓性膜32や、第2の取付部材16の小径筒部40に内挿されて嵌着される仕切部材52も、上下軸方向視で長円形状とされている。なお、本実施形態では、仕切部材52に設けられた収容空所60や可動膜62、第1,第2透孔72,74等も、何れも上下軸方向視で長円形状とされている。また、第2の取付部材16の小径筒部40が上下軸方向視で長円以外の形状(真円形状等)とされている場合には、可撓性膜32や仕切部材52等も上下軸方向視で小径筒部40に対応する形状とされる。
一方、第1の取付部材14は、中心軸周りの回転体形状とされており、全周に亘って直径が略一定とされている。これにより、第1の取付部材14と第2の取付部材16との距離が周上で変化しており、本体ゴム弾性体18の長軸方向での自由長:L2 (図4)が、本体ゴム弾性体18の短軸方向での自由長:L1 (図3)よりも大きくされている。
そして、図4に示されているように、インナブラケット76の一対のストッパ部82,82が第2の取付部材16の係止片46に対して本体ゴム弾性体18の長軸方向で対向して配置されている。これにより、第1の取付部材14と第2の取付部材16の相対変位量を規制する軸直ストッパ手段のストッパ作用が、本体ゴム弾性体18の長軸方向で発揮されるようになっている。それ故、本体ゴム弾性体18の自由長が大きくなることで弾性変形量が大きくなり易い長軸方向において、本体ゴム弾性体18の変形量が制限されて耐久性の向上が図られる。
また、アウタブラケット78の取付部104は、本体ゴム弾性体18の短軸方向で側方に突出している。これにより、エンジンマウント10の重心により近い位置でパワーユニット22を支持することができて、パワーユニット22の分担支持荷重や軸方向の振動荷重によるモーメントが低減されて、耐荷重性や防振性能の向上が図られ得る。
このような構造とされたエンジンマウント10は、本体ゴム弾性体18の長軸方向が車両前後方向と略一致するように配置されて、第1の取付部材14がインナブラケット76を介して車両ボデー20に取り付けられると共に、第2の取付部材16がアウタブラケット78を介してパワーユニット22に取り付けられる。より具体的には、インナブラケット76の連結プレート80の両端および下端支持部88が車両ボデー20にボルトで固定されると共に、アウタブラケット78の取付部104がパワーユニット22にボルトで固定される。これにより、エンジンマウント10が車両ボデー20とパワーユニット22の間に介装されて、それら車両ボデー20とパワーユニット22が防振連結されている。
そして、上記の如き車両装着状態において、エンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が入力されると、オリフィス通路70を通じて両液室66,68間で流体が流動して、流体の共振作用等の流動作用に基づいた防振効果(振動減衰効果)が発揮される。
一方、アイドリング振動や走行こもり音等に相当する中乃至高周波数の小振幅振動が入力されると、可動膜62の積極的な微小変形によって受圧液室66の液圧が平衡液室68に伝達されて、可撓性膜32の変形によって伝達された液圧が吸収される。これにより、受圧液室66の実質的な密閉による高動ばね化が回避されて、目的とする防振効果(振動絶縁効果)を有効に得ることができる。
また、自動車の加速時や減速時には、軸直角方向の荷重が入力される。そこにおいて、エンジンマウント10では、本体ゴム弾性体18が上下軸方向視で長円形状とされて、長軸方向において本体ゴム弾性体18の自由長が大きく設定されていると共に、長軸方向が加減速による荷重の入力方向(車両の前後方向)と略一致している。これにより、加減速による荷重が繰り返し入力される車両前後方向において、本体ゴム弾性体18の耐久性が充分に確保される。
しかも、第1の取付部材14と第2の取付部材16の車両前後方向での相対変位量が軸直ストッパ手段によって規制されており、本体ゴム弾性体18の長軸方向での弾性変形量が制限されている。それ故、自由長が大きく設定されて弾性変形量が大きくなり易い長軸方向において、本体ゴム弾性体18の過大な変形が防止されて、耐久性の向上が図られる。
さらに、マウント本体12が倒立タイプとされており、質量の大きいインナブラケット76やアウタブラケット78が比較的に低い位置に配置されていることから、エンジンマウント10の重心位置が下方に設定される。それ故、長軸方向において本体ゴム弾性体18の自由長を大きく確保することで不充分になり易い短軸回りでの倒れ剛性が充分に確保されて、優れた耐荷重性を実現することができる。
しかも、アウタブラケット78が第2の取付部材16の下端部に固定されていることから、エンジンマウント10の重心位置がより下方に設定されて、耐荷重性の向上等が実現される。
また、車両前後方向に比して入力荷重が小さい車両左右方向が、本体ゴム弾性体18の短軸方向と略一致しており、入力荷重に応じた耐久性を確保しつつ、車両左右方向でのコンパクト化が実現されている。しかも、アウタブラケット78の取付部104が短軸方向に突出していることによって、パワーユニット22の分担支持荷重や軸方向振動荷重の入力位置をエンジンマウント10の重心に対してより近くに設定することができる。それ故、それら荷重の入力によって作用するモーメントが低減されて、倒れ剛性等の耐荷重性や防振性能等を安定して得ることができる。
また、エンジンマウント10では、本体ゴム弾性体18に形成された大径凹所30が、上下軸方向視において本体ゴム弾性体18の外形と略相似の長円形状を有している。これにより、本体ゴム弾性体18の部分的な薄肉化や大径化を要することなく、受圧液室66の有効ピストン面積が大きく確保されて、振動入力時に受圧液室66の内圧変動が効率的に惹起される。それ故、流体の流動作用等に基づいた防振効果が効率的に発揮されて、防振性能の向上が図られる。
図6,図7には、本発明の第2の実施形態としてのエンジンマウント110が示されている。エンジンマウント110は、マウント本体112にインナブラケット76とアウタブラケット114とを取り付けた構造とされている。なお、以下の説明において、第1の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
マウント本体112は、第1の取付部材14と第2の取付部材116が本体ゴム弾性体18によって弾性連結された構造を有している。第2の取付部材116は、薄肉大径の略長円筒形状を有していると共に、軸方向中間部分に段差部118を備えており、段差部118を挟んで上方が小径筒部120とされていると共に下方が大径筒部122とされている。
そして、第1の取付部材14が第2の取付部材116の下方に同一中心軸上で配置されて、それら第1の取付部材14と第2の取付部材116が本体ゴム弾性体18によって弾性連結されている。なお、本体ゴム弾性体18は、その大径側の外周面が第2の取付部材116の大径筒部122に加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体18の大径側端部からは、一体形成された薄肉筒状のシールゴム層124が上方に向かって突出しており、第2の取付部材116の小径筒部120の内周面が略全体亘ってシールゴム層124で被覆されている。
また、第2の取付部材116には可撓性膜126が取り付けられている。可撓性膜126は、薄肉の略長円板形状を有していると共に、軸方向上下に充分な弛みを備えている。また、可撓性膜126の外周端部は、固定部材128に固着されている。固定部材128は、筒状乃至はリング状の部材であって、その中心孔を塞ぐように可撓性膜126が固着されている。そして、固定部材128が第2の取付部材116の小径筒部120の上側開口部に挿入配置された後、小径筒部120に縮径加工が施されることで、可撓性膜126が第2の取付部材116の上側開口部を閉塞するように配設されている。
このような構造とされたマウント本体112には、アウタブラケット114が取り付けられている。アウタブラケット114は、装着部130と取付部104を一体で備えており、装着部130が長円筒状とされて、その上端部から取付部104が短軸方向外側に突出している。
そして、アウタブラケット114は、第2の取付部材116の大径筒部122が装着部130に圧入されることによって、第2の取付部材116に対して固定されている。かかるアウタブラケット114の装着状態において、装着部130がインナブラケット76のストッパ部82に対して軸直角方向(車両前後方向)および軸方向(車両上下方向)でそれぞれ所定距離を隔てて対向配置されている。そして、装着部130を介して第2の取付部材116がストッパ部82の軸直当接部90に当接することで本実施形態の軸直ストッパ手段が構成されている。更に、装着部130を介して第2の取付部材116がストッパ部82のリバウンド当接部92に当接することで本実施形態のリバウンドストッパ手段が構成されている。なお、本実施形態では、緩衝ゴム100がアウタブラケット114の装着部130に取り付けられており、装着部130の上面と外周面が緩衝ゴム100で覆われている。
このような本実施形態に係るエンジンマウント110の構造からも明らかなように、第2の取付部材は必ずしも本体ゴムアウタ(中間スリーブ28)とダイヤフラムアウタ(アウタ筒部材36)とを組み合わせた構造に限定されるものではなく、単一の部材(例えば第2の取付部材116)とされていても良い。
さらに、アウタブラケットの第2の取付部材に対する装着方法は、第1の実施形態に示されたかしめ固定に限定されず、本実施形態に示されているような圧入固定や、内外挿後の縮径による嵌着(絞り固定)等も採用され得る。
図8には、本発明の第3の実施形態としてのエンジンマウント140が示されている。エンジンマウント140は、マウント本体142にインナブラケット144とアウタブラケット146が取り付けられた構造を有している。
マウント本体142は、第1の取付部材148と第2の取付部材150が本体ゴム弾性体18によって弾性連結された構造を有している。第1の取付部材148は、中実の略円柱形状を有していると共に、軸方向中間部分には外周側に突出する当接突部152を備えている。
第2の取付部材150は、第2の実施形態の第2の取付部材116と略同様の構造を有していると共に、下端部には外周側に突出するフランジ状の位置決め部154と、位置決め部154の外周端部から下方に突出する長円筒状の係止片156とが一体形成されている。
そして、第1の取付部材148が第2の取付部材150の下方に配置されて、それら第1の取付部材148と第2の取付部材150が本体ゴム弾性体18によって弾性連結されている。なお、本実施形態では、本体ゴム弾性体18から下方に突出する緩衝ゴム158が一体形成されて、第1の取付部材148の当接突部152の外周面および下面が緩衝ゴム158によって覆われている。
また、マウント本体142には、インナブラケット144とアウタブラケット146が取り付けられている。インナブラケット144は、車両前後方向で長手とされた矩形板形状を有しており、長手方向の中央部分と両端部分にそれぞれボルト孔160が形成されて中央のボルト孔160によって第1の取付部材148に取り付けられると共に、両端のボルト孔160,160によって車両ボデー20(図示せず)に取り付けられるようになっている。また、インナブラケット144の上面には、長手方向の中間部分に緩衝ゴム162が固着されている。
アウタブラケット146は、第2の取付部材150に固定される装着部164と、装着部164から下方に延び出すストッパ部166と、装着部164から側方(車両左方向)に突出する図示しない取付部104とを、一体で備えている。装着部164は、長円筒状とされており、周方向に延びる係止溝168が外周面に開口して形成されている。ストッパ部166は、例えば装着部164の周上の半周程度に亘って設けられており、下方に向かって突出する湾曲板状の前後当接部170と、前後当接部170の下端から内周側に突出する板状の上下当接部172とを、一体で備えている。
そして、アウタブラケット146は、装着部164が第2の取付部材150の係止片156に挿入された後、係止片156の下端部が係止溝168内に入り込むように内周側に折り曲げられることにより、第2の取付部材150に対して固定されている。このようなアウタブラケット146の装着状態によれば、アウタブラケット146が第2の取付部材150から下方に延び出して配置されることから、更なる低重心化が図られる。
また、アウタブラケット146の装着状態において、前後当接部170が第1の取付部材148の当接突部152に対して車両前後方向に所定の距離を隔てて対向配置されている。これにより、当接突部152と前後当接部170とによって、本実施形態の軸直ストッパ手段が構成されている。また、上下当接部172が当接突部152とインナブラケット144との軸方向対向面間に配置されて、それら当接突部152とインナブラケット144の何れに対しても軸方向で所定の距離を隔てて対向配置されている。これにより、当接突部152と上下当接部172とによって、本実施形態のリバウンドストッパ手段が構成されていると共に、インナブラケット144と上下当接部172とによって、本実施形態のバウンドストッパ手段が構成されている。このように、エンジンマウント140では、ストッパ手段がエンジンマウント140の下部に設けられていることから、ストッパ荷重に対する耐荷重性や、低重心化等が効果的に実現される。なお、軸直ストッパ手段、リバウンドストッパ手段、バウンドストッパ手段の何れにおいて、当接面間には緩衝ゴム158,162が介在していることから、当接時の衝撃が緩和されるようになっている。
このような本実施形態に係るエンジンマウント140からも明らかなように、軸直ストッパ手段やリバウンドストッパ手段は、必ずしもインナブラケットを利用して構成されたものに限定されない。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、マウント本体12の構造はあくまでも例示であって、流体封入式防振装置であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、チューニング周波数の異なる複数のオリフィス通路が設けられていても良いし、それらオリフィス通路の連通と遮断が空気圧式や電磁式等の弁体によって切り替えられるようになっていても良い。
また、一対のストッパ部82,82は、例えばマウント本体12の上方を長軸方向で跨ぐように延びる連結部により上端部分を相互に連結されて、1つの部材として一体で形成されていても良い。
本発明に係る流体封入式防振装置は、エンジンマウントとしてのみ用いられるものではなく、ボデーマウントやサブフレームマウント、デフマウント等としても採用され得る。また、本発明の適用範囲は、自動車用に限定されず、例えば自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両等に用いられる流体封入式防振装置にも好適に適用可能である。
10,110,140:エンジンマウント(流体封入式防振装置)、14,148:第1の取付部材、16,116,150:第2の取付部材、18:本体ゴム弾性体、20:車両ボデー(防振対象部材)、22:パワーユニット(振動源)、30:大径凹所、32,126:可撓性膜、46,156:係止片、52:仕切部材、66:受圧液室、68:平衡液室、70:オリフィス通路、76:インナブラケット、78,114,82:ストッパ部、146:アウタブラケット、104:取付部、90:軸直当接部(軸直ストッパ手段)、100:緩衝ゴム(軸直ストッパ手段)、102,130:装着部(軸直ストッパ手段)、122:大径筒部(軸直ストッパ手段)、152:当接突部(軸直ストッパ手段)、158:緩衝ゴム(軸直ストッパ手段)、170:前後当接部(軸直ストッパ手段)

Claims (5)

  1. 第1の取付部材が上下に延びる筒状とされた第2の取付部材の下方に配置されて、それら第1の取付部材と第2の取付部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されており、該第1の取付部材が防振対象部材に取り付けられるようになっていると共に、該第2の取付部材が振動源に取り付けられるようになっている一方、該第2の取付部材によって支持された仕切部材を挟んだ一方の側には壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧液室が形成されていると共に、他方の側には壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡液室が形成されており、それら受圧液室と平衡液室を相互に連通するオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、
    前記本体ゴム弾性体が上下軸方向視で長円形状を有しており、前記第2の取付部材における該本体ゴム弾性体への固着部分が上下軸方向視で長円形状とされて、該本体ゴム弾性体の長軸方向での自由長が短軸方向での自由長よりも大きくされている一方、
    該第2の取付部材に装着されるアウタブラケットが該本体ゴム弾性体の短軸方向で側方に突出する取付部を備えており、該取付部が前記振動源に取り付けられるようになっていると共に、該本体ゴム弾性体の長軸方向で前記第1の取付部材と該第2の取付部材の相対変位量を規制する軸直ストッパ手段が設けられていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記アウタブラケットが前記第2の取付部材の下端部に装着されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記第2の取付部材には前記本体ゴム弾性体の固着部分よりも下方に突出する係止片が設けられており、前記アウタブラケットが該係止片によるかしめ固定によって該第2の取付部材に装着されている請求項2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記第1の取付部材にはインナブラケットが装着されており、該第1の取付部材が該インナブラケットを介して前記防振対象部材に取り付けられるようになっていると共に、該インナブラケットには前記第2の取付部材に対して前記本体ゴム弾性体の長軸方向で対向するストッパ部が設けられており、該ストッパ部と該第2の取付部材との当接によって前記軸直ストッパ手段が構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記本体ゴム弾性体には上方に開口する液室形成凹所が形成されており、該液室形成凹所の開口部が前記仕切部材で覆蓋されて前記受圧液室が形成されていると共に、該液室形成凹所の直径が長軸方向で短軸方向よりも大きくなっている請求項1〜4の何れか1項に記載の流体封入式防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016065586A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 住友理工株式会社 防振装置
CN106985652A (zh) * 2017-02-16 2017-07-28 浙江吉利汽车研究院有限公司 一种悬置结构及车辆

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