JP2013167275A - 車両用駆動装置のケース - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンケースとミッションケースとの接合面で発生する振動をさらに効果的に抑制できる構造を提供するケース構造を提供する。
【解決手段】接合面28、30に振動が伝達されると、突出部32とその突出部32と当接する接合面28との間の摩擦係数μ1が、接合面30と接合面28との間の摩擦係数μ2よりも低いため滑りが生じる。この滑りによって摩擦熱が発生するので、振動エネルギが熱エネルギに変換されて放出される。従って、摩擦によって振動エネルギが低減されるので振動を抑制することができる。また、ボルト本数の増加や加工精度を高めたり、防音カバーやダイナミックダンパを追加する必要もないため、製造コストの増加も抑制される。
【選択図】図4

Description

本発明は、制振構造を有する車両用駆動装置のケースに関するものである。
一般に、車両用駆動装置のケースは、エンジンを収容するエンジンケースと、そのエンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置を収容するミッションケースとを含み、前記エンジンケースの接合面(合わせ面)と前記ミッションケースの接合面(合わせ面)とが密接された状態で、これらの接合面に複数個形成されたボルト穴を貫通するボルトによって一体的に締結されている。例えば特許文献1のパワーユニットの締結構造についても同様に構成されている。
特開2010−265967号公報 特開2006−2800号公報
ところで、このような動力伝達装置のケースにおいて、例えば車両走行中に動力伝達装置で振動が発生すると、その振動がケースに伝達される。ここで、エンジンケースの接合面とミッションケースの接合面との間に、加工ばらつき、熱膨張、組付誤差等に起因して隙間が生じると、その接合面において振動しやすくなる。この振動を低減するためには、例えばエンジンケースとミッションケースとを締結するボルトの本数を増加させることが考えられる。しかしながら、ボルトの本数を増加すると、組付の際に他の装置との干渉が生じる可能性もあり、ボルトの本数を増加するにも限界がある。また、部品点数が増加して製造コストが高くなる問題も生じる。
また、接合面の加工精度を高くして、加工ばらつき、組付誤差を低減したり、ケースの温度変化を抑制できる設計(断熱設計等)とすることでも振動は低減される。さらには、動力伝達装置を構成する歯車等の加工精度を高くして、振動の原因となる噛合伝達誤差を低減したり、防音カバーやダイナミックダンパを設けることでも振動は低減される。しかしながら、ケース接合面や動力伝達装置の歯車等の加工精度を高くする、或いは、防音カバーやダイナミックダンパを設けると、その背反として製造コスト増加や車両重量が増加するという問題が生じる。また、ケースの温度変化を抑制することについても製造コストが増加し、十分な効果が得られない。
これに対して、特許文献1では、前記エンジンケースおよび前記ミッションケースの一方の接合面(合わせ面)に突出部が設けられている。この突出部が設けられることで、各ケースの加工ばらつき、熱膨張による変形、組付誤差等によって、接合面間に隙間が生じても、ボルト締結時に突出部が他方の接合面に当接した状態で保持される。従って、突出部によって接合面が支持されるので、接合面で生じる振動が低減されることとなる。
しかしながら、この特許文献1のように構成することで、振動は低減されるが、必ずしも十分な効果が得られるというわけではなく、代わりに他の周波数域や他の接合面において振動が発生する可能性があった。従って、接合面で発生する振動をさらに低減できるケース構造が必要とされていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンを収容するエンジンケースと、そのエンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置を収容するミッションケースとを含み、前記エンジンケースの接合面と前記ミッションケースの接合面とが密接された状態で、これらの接合面に複数個形成されたボルト穴を貫通するボルトによって一体的に締結されている車両用駆動装置のケースにおいて、接合面で発生する振動をさらに効果的に抑制できる構造を提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンを収容するエンジンケースと、そのエンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置を収容するミッションケースとを、含み、前記エンジンケースの接合面と前記ミッションケースの接合面とが密接された状態で、これらの接合面に複数個形成されたボルト穴を貫通するボルトによって一体的に締結される車両用駆動装置のケースであって、(b)所定の前記ボルト穴間の前記エンジンケースおよび前記ミッションケースの少なくとも一方の接合面には、他方の接合面に向かって突き出す突出部が形成されており、(c)前記突出部とその突出部と密接する前記他方の接合面との間の摩擦係数が、前記突出部が形成されていない前記接合面間の摩擦係数よりも低く設定されていることを特徴とする。
このようにすれば、接合面に振動が伝達されると、前記突出部とその突出部と当接する接合面との間の摩擦係数が低いために滑りが生じる。この滑りによって摩擦熱が発生するので、振動エネルギが熱エネルギに変換されて放出される。従って、摩擦によって振動エネルギが低減されるので振動を抑制することができる。また、上記構造を構成するに際して、ボルト本数の増加や加工精度を高めたり、防音カバーやダイナミックダンパを追加する必要もないため、製造コストの増加も抑制される。
本発明が適用された車両用駆動装置を簡略的に示す図である。 図1のアクスルケースをエンジン側から見た図である。 図1の車両用駆動装置を鉛直上方から見た図である。 ボルト締結時において、図2および図3のアクスルケースの突出部とエンジンケースの接合面とが当接する状態を拡大して簡略的に示した図である。 図1の車両用駆動装置を駆動させた際の周波数と音圧との関係を示す図である。 図2および図3に示す突出部が形成される部位を加振した際の周波数に対するコヒーレンス、位相、イナータンスをそれぞれ示す図である。 本発明の他の実施例である車両用駆動装置のエンジンケースのフランジ部とアクスルケースのフランジ部であって、特に、突出部とアクスルケースの接合面とがボルトによって締結される部位を拡大した図であり、前述の実施例の図4に対応している。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10を簡略的に示す図である。車両用駆動装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に好適に採用されるものであり、内燃機関で構成されるエンジン12と、エンジンの動力を左右の駆動輪14に伝達する車両用動力伝達装置として機能するトランスアクスル16とを、含んで構成されている。なお、本実施例において、車両用駆動装置は、エンジンおよび車両用駆動装置を含むものと定義する。
エンジン12は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。トランスアクスル16は、主に発電機として機能する第1電動機MG1と、主に駆動用モータとして機能する第2電動機MG2、エンジン12からの動力を第1電動機MG1および駆動輪14に分割する動力分配機構として機能する遊星歯車装置17とを含んで構成される、よく知られたハイブリッド形式の動力伝達装置である。また、遊星歯車装置17から回転が伝達される出力歯車の回転は、終減速機19を介して左右の駆動輪14に伝達される。なお、トランスアクスル16の具体的な制御作動については公知であるため、その説明を省略する。
エンジン12を収容するエンジンケース18は、例えばアルミニウムから成り、一方が開口する有底筒状に形成されている。また、トランスアクスルを収容するアクスルケース20も同様にアルミニウム金属から成り、一方が開口する有底筒状の部材である。なお、アクスルケース20は、図1では1つの部材から構成されているが、実際には複数(例えば3つ)のケース部材が図示しないボルトによって互いに締結されることで一体的な構造をとっている。なお、アクスルケース20が、本発明のミッションケースに対応している。
エンジンケース18の開口側(アクスルケース20に接続される側)およびアクスルケース20の開口側(エンジンケース18に接続される側)には、それぞれ外周側に伸びるフランジ部18a、20aが形成されている。この各フランジ部18a、20aには、周方向に複数個のボルト穴22、24が形成されており、ボルト26がこれらボルト穴22およびボルト穴24を貫通した状態で締結される。従って、エンジンケース18の開口端部に形成される接合面28(合わせ面)とアクスルケース20の開口端部に形成される接合面30(合わせ面)とが、ボルト締結力によってに互いに密接させられている。なお、エンジンケース18およびアクスルケース20が一体的に締結されることで、本発明のケースが形成される。
図2は、アクスルケース20をエンジン12側から見た図である。なお、図2において上方側が、車両の鉛直上方側に対応している。図2のアクセルケース20において、斜線が施されている部位がアクスルケース20の開口側に形成される接合面30に対応している。図2からもわかるように、接合面30にはボルト締結用のボルト穴24(24a〜24k)が周方向に複数個形成されている。
ここで、本実施例のアクスルケース20では、図2に示すボルト穴24aとボルト穴24kとを結ぶ間隔(ボルトスパン)が長くなっており、それに応じてボルト穴24aとボルト穴24kとの間に形成されている接合面30aの長さも長く形成されている。また、この接合面30aは、一点鎖線Lで示すボルト穴24aとボルト穴24kとを結ぶ直線に対して外周側に膨らんで(オフセットして)形成されている。また、接合面30は、ボルト穴24aとボルト穴24kとの間の接合面30aに限らずどの面においても平面に形成されており、その断面形状も直線状に形成されている。
このように形成されるアクスルケース20において、走行時など車両用駆動装置10が動力伝達状態にあるとき、車両用駆動装置10を構成する歯車に形成される噛合伝達誤差等に起因して振動が発生する。この振動がアクスルケース20に入力されると、例えば接合面28、30間の接触不良等によって、接合面28、30において振動およびその振動による騒音が発生することがある。特に、前記接合面30aでは、ボルト穴24aとボルト穴24kとの間のボルトスパンが長いために接合面30aも長くなるため、ボルト26による締結力が作用しにくくなる部位も存在するため振動しやすくなる。また、接合面30aは、ボルト穴24aとボルト穴24kとを結ぶ一点鎖線Lに対して外周側に膨らんで形成されており、この点においてもボルト26による締結力が作用しにくくなるため、振動が発生しやすくなる。さらに、接合面30aの断面形状は、曲面状ではなく平面状に形成されているために、振動特性上不利な構造となっている。
これを解消するため、ボルト穴24aとボルト穴24kとの間隔、すなわちボルトスパンを短くすることが考えられるが、組付の際に他の装置と干渉しやすくなるなど、アクスルケース20の設計上の制約があるために困難となっていた。また、接合面28、30やトランスアクスル16を構成する歯車の加工精度を高くすれば、接合面間に形成される振動の原因となる隙間等も少なくなり、噛合伝達誤差についても低減されるので、振動が低減されることとなるが、加工精度を高くする背反として製造コストが高くなる問題が生じる。また、加工精度を高くしても、接合面間の隙間や噛合伝達誤差を完全に無くすことは不可能であるため、製造コスト増加見合った効果も見込めない。さらに、振動を抑制するために防音カバーやダイナミックダンパを設けることも考えられるが、部品点数が大幅に増加し、車両重量や製造コストも増加するため、最良の方法とはいえなかった。
そこで、本実施例では、アクスルケース20の接合面30であって、特に振動が発生しやすい接合面30aに後述する制振構造が設けられている。以下、その制振構造について説明する。
図2に戻り、アクスルケース20の接合面30aには、接合面30aからエンジンケース18の接合面28に向かって突き出すように、複数個(本実施例では4個)の突出部32が形成されている。図3は、図1の車両用駆動装置10を鉛直上方から見た図に対応している。図3からもわかるように、アクスルケース20のエンジンケース18に接続される側の鉛直上部側には、エンジンケース18の接合面28に向かって突き出す突出部32が設けられている。なお、突出部32の具体的な形状は、半球状、円柱状、角柱状など、接合面28に向かって突き出し、ボルト締結時にエンジンケース18側の接合面28と密接(当接)する形状であれば特に限定されない。なお、本実施例のアクスルケース20のケース上部には、第1電動機MG1に電力を供給するケーブルを接続するコネクタ取付用の開口部34が形成されている。この開口部34にコネクタが接続されるため、組付時において接合面30aにさらにボルト締結部を追加することが困難となっている。
また、突出部32とその突出部32と密接するエンジンケース18の接合面28との間の摩擦係数μ1は、突出部32が形成されていないアクスルケース20の接合面30とエンジンケース18の接合面28との間の摩擦係数μ2よりも低い値に設定されている(μ1<μ2)。例えば突出部32の表面には、研磨加工などの表面処理が施されるなどして摩擦係数μが低くなるように設定されている。従って、突出部32と接合面28との間では、他の接合面28、30間と比べて滑りが生じ易くなっている。
このようにアクスルケース20に突出部32が形成されることによって生じる作動および効果について説明する。図4は、ボルト締結時において、アクスルケース20の突出部32とエンジンケース18の接合面28とが当接する状態を拡大して簡略的に示す図である。図4に示すように、突出部32が形成されるため、ボルト締結されると必ず突出部32と接合面28とが接触(当接)した状態となる。従って、ボルト締結部から離れた部位(接合面)であってもボルト締結力が作用することとなる。また、このような状態で、トランスアクスル16から発生する振動がアクスルケース20に伝達されると、この突出部32が形成される部位にもその振動が伝達される。なお、上述したように、この突出部32が形成される接合面30aは他の接合面30と比べても振動しやすい部位である。これに対して、突出部32と接合面28との間の摩擦係数μ1は、突出部32が形成されない接合面30と接合面28との間の摩擦係数μ2よりも低いため、振動が伝達されると、互いに接触する接触面において滑りが生じ、この滑りによって摩擦熱が発生する。すなわち、振動エネルギが熱エネルギに変換されて放出されることとなり、振動が摩擦によって減衰させられ、振動およびその振動に起因する騒音が低減される。これより、前記突出部32が形成されることで、突出部32および接合面28の滑りを利用して振動および騒音を低減することができる。
また、突出部32の形状、個数、設けられる部位の位置等を適宜調整することで、振動を効果的に減衰することもできる。具体的には、車両用駆動装置10の共振周波数付近において、突出部32と接合面28とが面圧がかかった状態で滑るように調整することで、振動エネルギが摩擦によって熱エネルギに効率よく変換され、振動が効果的に減衰される。
図5は、車両用駆動装置10を駆動させた際の周波数[Hz]と音圧[dB]との関係を示している。なお、横軸は周波数を示し、縦軸は所定の部位に設置した音圧計によって検出された音圧を示している。図5の二点鎖線で示す比較例2が突出部32が形成されていない場合の音圧を示している。比較例2では、周波数が比較的高い領域において音圧の最も高くなるピークが見られ、広い周波数帯で音圧の高い状態が維持されている。一点鎖線で示す比較例1は、突出部が形成されるものの、摩擦係数μは他の部位と同じ値とされた場合の音圧に対応している。図5に示すように、突出部が形成されることで、比較例1のピークが見られる周波数帯において、音圧が低減されている。従って、突出部が形成されるだけであっても、ボルト26による締結力を接合面30a全体に作用させることができるため、振動が低減される。
太実線が本願発明に対応している。太実線で示すように、広い周波数帯において比較例1、2と比較して音圧が低減されており、特に、比較例2の音圧のピークが生じる周波数帯においてその低減量が顕著となっている。これは、その周波数帯において、突出部32と接合面28との間で滑りが生じて振動エネルギが摩擦によって熱エネルギに変換されているものと考えられる。
図6は、突出部32が形成される接合面30aを加振試験した際の周波数に対するコヒーレンス、位相、イナータンスをそれぞれ示している。図6の実線で示すように、所定の周波数帯においてコヒーレンスが落ち込んでいる。これは、突出部32と接合面28とが摩擦することで減衰しているものと考えられる。また、実線で示すイナータンスについても所定の周波数帯において落ち込みが見られる。これについても突出部32と接合面28とが摩擦することで減衰しているものと考えられる。このように、突出部32と接合面28とが摩擦することで、振動が抑制される効果が確認された。
上述のように、本実施例によれば、接合面28、30に振動が伝達されると、突出部32とその突出部32と当接する接合面28との間の摩擦係数μ1が、接合面30と接合面28との間の摩擦係数μ2よりも低いため滑りが生じる。この滑りによって摩擦熱が発生するので、振動エネルギが熱エネルギに変換されて放出される。従って、摩擦によって振動エネルギが低減されるので振動を抑制することができる。また、上記構造を構成するに際して、ボルト本数の増加や加工精度を高めたり、防音カバーやダイナミックダンパを追加する必要もないため、製造コストの増加も抑制される。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、本発明の他の実施例である車両用駆動装置40の一部であるエンジンケース42のフランジ部42aとアクスルケース46(ミッションケース)のフランジ部46aであって、特に、突出部32とアクスルケース46の接合面48とがボルト26によって締結される部位を拡大した図であり、前述の実施例の図4に対応している。前述の実施例では、突出部32と接合面28との間の摩擦係数μ1を研磨加工など施すことで低下させていたが、本実施例では、突出部32と接合面48の間に、例えばアルミニウム合金等から成る、薄板状の薄板50が挟み込まれている。なお、薄板50と突出部32との間の摩擦係数μは、エンジンケース42の接合面48とアクスルケース46の接合面49との間の摩擦係数μ2よりも低く設定されている。
このように、薄板50が挟み込まされることでも、振動が伝達された際には薄板50と突出部32との間で滑りが生じることで、振動エネルギが熱エネルギに変換されて放出されることとなる。従って、前述の実施例と同様の効果を得ることができる。また、本実施例においても、車両用駆動装置40の共振周波数付近において、突出部32と薄板50とが面圧がかかった状態で滑るように薄板50の形状、材質、枚数等が適宜調整される。
上述のように、本実施例においても、突出部32と接合面48との間に薄板50を挟み込むことで、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、トランスアクスル16は、第1電動機MG1と、第2電動機MG2と、遊星歯車装置17とを、含んで構成されるハイブリッド形式の駆動装置であったが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば複数組の遊星歯車装置の回転要素が係合装置によって選択的に連結されることにより複数のギヤ段(変速段)が択一的に達成される例えば前進4段、前進5段、前進6段、さらにはそれ以上の変速段を有する遊星歯車式自動変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤ段を2軸間に備えてそれら複数対の変速ギヤ段のいずれかを同期装置を用いて変速アクチュエータが択一的に動力伝達状態とする同期噛合型平行2軸式変速機、同期噛合型平行2軸式変速機であるが入力軸を2系統備えて各系統の入力軸にクラッチがそれぞれつながり更にそれぞれ偶数段と奇数段へと繋がっている形式の変速機である所謂DCT(Dual Clutch Transmission)、動力伝達部材として機能する伝動ベルトが有効径が可変である一対の可変プーリに巻き掛けられ変速比が無段階に連続的に変化させられる所謂ベルト式無段変速機、或いは、共通の軸心まわりに回転させられる一対のコーンとその軸心と交差する回転中心回転可能な複数個のローラがそれら一対のコーンの間で狭圧されそのローラの回転中心と軸心との交差角が変化させられることによって変速比が可変とされた所謂トラクション型無段変速比などを含んで構成されていても構わない。
また、前述の実施例では、突出部32は何れも同じ形状とされているが、必ずしも同一形状とする必要はなく、車両用駆動装置10の周波数特性等に応じて適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例では、突出部32は略等間隔で配置されているが、必ずしも等間隔に配置する必要はなく、車両用駆動装置10の周波数特性等に応じて適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例では、突出部32は4個設けられているが、吐出部32は1個以上形成されていれば特に限定されない。この吐出部32の個数についても、車両用駆動装置10の周波数特性等に応じて適宜変更することができる。
また、前述の実施例では、突出部32と当接する接合面28は平面形状とされているが、接合面28の形状についても適宜変更しても構わない。例えば接合面28に凹部を設けるなどして、突出部32と接触させる位置および接触させない位置を任意に調整しても構わない。また、車両用駆動装置10の周波数特性等に応じて、接合面28に突出部32と係合する凹部を設けるなど、適宜凹凸形状を設定しても構わない。
また、前述の実施例では、アクスルケース20側に突出部32が形成されているが、エンジンケース18側に突出部32が形成されても構わない。
また、前述の実施例では、アクスルケース20側に突出部32が形成されているが、アクスルケース20の接合面30とエンジンケース18の接合面28との合わせ面が凸状になるなど、接合面30および接合面28の合わせ面形状を任意に変化させても構わない。
また、前述の実施例では、低摩擦材料である薄板50は、突出部32と接合面48との間に挟み込まれているが、組付性を考慮して、薄板50をエンジンケース42側に貼り着けても構わない。例えばエンジンケース42側にアルミテープを貼り着けるなどして薄板50を構成することができる。
また、前述の実施例では、薄板50は薄板状に形成されているが、この形状についても必ずしも平面に限定されず、車両用駆動装置10の周波数特性等に応じて適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例では、薄板50は一枚とされているが、複数枚の薄板50を挟み込んで、部材同士を摩擦させる構造であっても構わない。薄板50間で摩擦する場合であっても、その間で摩擦による摩擦熱が発生するので、振動エネルギが熱エネルギに変換されて、前述の実施例と同様の効果が得られる。この場合において、薄板50は互いに異なる材質であっても構わない。
また、前述の実施例のトランスアクスル16はFF形式の動力伝達装置であったが、本発明は、必ずしもFF形式に限定されず、例えばFR形式など他の形式の動力伝達装置であっても適用できる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、40:車両用駆動装置
12:エンジン
14:駆動輪
16:トランスアクスル(動力伝達装置)
18、42:エンジンケース
20、46:アクスルケース(ミッションケース)
22:ボルト穴
24:ボルト穴
26:ボルト
28:接合面(エンジンケース側)
30:接合面(ミッションケース側)
32:突出部
48:接合面
49:接合面
50:薄板

Claims (1)

  1. エンジンを収容するエンジンケースと、該エンジンの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置を収容するミッションケースとを、含み、前記エンジンケースの接合面と前記ミッションケースの接合面とが密接された状態で、これらの接合面に複数個形成されたボルト穴を貫通するボルトによって一体的に締結される車両用駆動装置のケースであって、
    所定の前記ボルト穴間の前記エンジンケースおよび前記ミッションケースの少なくとも一方の接合面には、他方の接合面に向かって突き出す突出部が形成されており、
    前記突出部と該突出部と密接する前記他方の接合面との間の摩擦係数が、前記突出部が形成されていない前記接合面間の摩擦係数よりも低く設定されていることを特徴とする車両用駆動装置のケース。
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