JP2013151192A - 側面衝突検出装置 - Google Patents

Abstract

【課題】応答改善とコストダウンが図れる側面衝突判定装置を提供する。
【解決手段】車両１の側面に加わる衝撃を検出する側面衝突検出装置は、前記車両１のピラー３における車両前後方向（Ｘ軸）の加速度を示す第１加速度信号を出力する第１加速度センサと、前記第１加速度信号に関する第１閾値を記憶する第１閾値記憶手段２３と、前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定する衝突判定手段２２とを備える。
【選択図】図４

Description

本発明は、車両の側面衝突を検出する装置に関する。

従来、側面衝突を検出する技術としては、特許文献１に開示されているように、自動車のサイドドア内部の圧力変化に基づいて検出するものがある。

また、ドア内に設けた加速度センサ又はドア内に設けた圧力センサ、Ｂピラー内に設けた加速度センサ及び車体の床面に設けたフロアセンサの組み合わせにより側面衝突を判定するものもある。

特開２００９−３００３６４号公報

しかしながら、ドア内部にセンサを設けるためには、センサとその設置に関わるコストを要するとともに、他の位置に設けたセンサの信号と合わせて演算処理を行う必要があることから、判定結果の出力に遅延が生ずる虞がある。

本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、応答改善とコストダウンが図れる側面衝突判定装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するためになされた請求項１に記載の発明は、車両の側面に加わる衝撃を検出する側面衝突検出装置において、前記車両のピラーにおける車両前後方向（Ｘ軸）の加速度を示す第１加速度信号を出力する第１加速度センサと、前記第１加速度信号に関する第１閾値を記憶する第１閾値記憶手段と、前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定する衝突判定手段とを備えたことを特徴とする。

この構成によれば、側面衝突の検出装置が、前記車両のピラーにおける車両前後方向（Ｘ軸）の加速度を示す第１加速度信号を出力する第１加速度センサと、前記第１加速度信号に関する第１閾値を記憶する第１閾値記憶手段と、前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定する衝突判定手段とを備え、ドア内のセンサを備えないので、応答改善とコストダウンが図れるという優れた効果を奏する。

請求項２に記載の発明は、前記車両のピラーにおける車両左右方向（Ｙ軸）の加速度を示す第２加速度信号を出力する第２加速度センサと、前記第２加速度信号に関する第２閾値を記憶する第２閾値記憶手段とを更に備え、前記衝突判定手段は、前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果及び前記第２加速度信号と前記第２閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定することを特徴とする。

この構成によれば、前面衝突時に誤って側面衝突保護装置を作動させることがないので、側面衝突検出装置の信頼性が向上する。また、第２閾値を第１閾値が用いられないときの値より低値に設定することができるので、側面衝突検知の応答性を向上させることができる。

請求項３に記載の発明は、前記車両の床面における車両左右方向（Ｙ軸）の加速度を示す第３加速度信号を出力する第３加速度センサと、前記第３加速度信号に関する第３閾値を記憶する第３閾値記憶手段とを更に備え、前記衝突判定手段は、前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果、前記第２加速度信号と前記第２閾値との比較結果及び前記第３加速度信号と前記第３閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定することを特徴とする。

この構成によれば、側面衝突検出装置の信頼性をさらに向上させることができる。

請求項４に記載の発明は、前記第１加速度センサ及び前記第２加速度センサは、Ｘ軸及びＹ軸それぞれの二のセンサか又は、Ｘ軸及びＹ軸用のものが一体となった一のセンサからなることを特徴とする。

この構成によれば、センサの取り付け形態が多様となるので、センサを容易に取り付けることができる。

請求項５に記載の発明は、前記第１加速度センサ及び前記第２加速度センサが、Ｘ軸とＹ軸との間の任意の検出角度となるようピラーに取り付けた一軸の加速度センサからなることを特徴とする。

この構成によれば、一個のセンサで済むため、コストダウンが図れる。

請求項６に記載の発明は、前記ピラーは、Ｂピラーであることを特徴とする。

この構成によれば、極めて効果的に側面衝突を検出することができる。

本発明の側面衝突検出装置に用いる加速度センサの取付け位置を示す車両の側面図である。 側面衝突としてポール試験を行ったときの車両側面とＢピラーの変形状況を示すグラフである。 ＢピラーにＸ軸とＹ軸の加速度センサを設けてそれぞれの加速度信号を記録したグラフである。 本発明の側面衝突判定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の側面衝突判定装置の演算処理方式を示す流れ図である。

図２に示すグラフは、側面衝突としてポール試験を行ったとき、破線で示す車両側面の形状が実線で示すように変形する状況を表している。このとき、ドア２への側面衝突に伴って、ドア２内の車両前後（Ｙ）方向に横架したドアビームがドア２のロック機構を介してＢピラー３を曳くことになるため、Ｂピラー３は、Ｂピラー９で示す位置まで移動する。

Ｂピラー３のこの移動により、車両の左右（Ｙ）方向の加速度とともに、車両の前後（Ｘ）方向の加速度も発生する。

図３に示すグラフは、図１に示すように、Ｂピラー３のセンサ４、５に示す位置に、Ｘ軸及びＹ軸それぞれのセンサ４，５を配設して３２ｋｍ／ｈで斜めポール試験を行った結果の記録である。

図３のグラフによれば、ＯＮ要件である斜めポール３２ｋｍ／ｈ―Ｙ軸（１０，１２）は、両者ともにＯＦＦ要件であるバリヤ２５ｋｍ／ｈ―Ｙ軸（１４）よりも発生する加速度値が小さいためＯＮしない。

これに対し、斜めポール３２ｋｍ／ｈ―Ｘ軸（１１，１３）とバリヤ２５ｋｍ／ｈ―Ｘ軸（１５）とを比較するとＯＮ要件の方が大きくなっている。特に、Ａで示す部分においては、Ｂピラーの移動によりＸ軸方向における加速度の発生が顕著であることを示す。但し、そのＸ軸方向の加速度値は、Ｙ軸方向の加速度値よりも小さいことは明らかである。

このように、従来、ピラーにおけるＸ軸方向の加速度は側面衝突判定に用いられなかったが、本発明によればピラーにおけるＸ軸方向の加速度に基づいて側面衝突判定を効果的に実施することができる。なお、Ｘ軸センサを設けるピラーは、Ｂピラー３であることが好ましいが、ＡピラーやＣピラーにＸ軸方向の加速度センサ６，７を設けて本発明を実施することも可能である。

次に、図４に示すブロック図に基づいて本発明の構成を説明する。

制御装置１８は、マイクロプロセッサとその周辺素子で構成されるＥＣＵであり、入出力部２１、衝突判定手段２２及び記憶手段２３を有する。

入出力部２１は、Ｂピラー３において車両１の前後方向（Ｘ軸）の加速度を検出する加速度センサ４の加速度信号と、Ｂピラー３において車両１の左右方向（Ｙ軸）の加速度を検出する加速度センサ５の加速度信号と、床面において車両１の左右方向（Ｙ軸）の加速度を検出する加速度センサ８の加速度信号とを入力する。

センサ４及びセンサ５は、それぞれ別個のセンサであって互いに近傍となるよう配設されるが、双方が一体に形成されたものを一箇所に配設するようにしてもよい。

衝突判定手段２２は、各センサ４，５，８（６，７）から入力した車両１の前後方向（Ｘ軸）の加速度信号、車両１の左右方向（Ｙ軸）の加速度信号及び車両１の床面の左右方向（Ｙ軸）の加速度信号を、記憶手段２３に格納記憶されたそれぞれの加速度信号の閾値と比較演算して衝突判定を行う。

図５の流れ図に基づいて衝突判定方法を具体的に説明する。側面衝突が発生した時（Ｓ１）、車両１の床面に配設された車両左右方向（Ｙ軸）の加速度を示す加速度センサ８の第３加速度信号は、記憶手段２３に記憶された第３閾値と衝突判定手段２２で比較演算され、衝突判定手段２２は第３加速度信号が第３閾値を超えたか否かを判断する（Ｓ２）。その結果、第３加速度信号が第３閾値を超えなければ入出力部２１から駆動回路２３への信号は出力されず、乗員保護装置２０は作動しない（Ｓ６）。第３加速度信号が第３閾値を超えたときには、車両１のピラー３に配設された車両前後方向（Ｘ軸）の加速度を示す加速度センサ４の第１加速度信号は、記憶手段２３に記憶された第１閾値１６と衝突判定手段２２で比較演算され、衝突判定手段２２は第１加速度信号が第１閾値１６を超えたか否かを判断する（Ｓ３）。その結果、第１加速度信号が第１閾値１６を超えなければ入出力部２１から駆動回路１９への信号は出力されず、乗員保護装置２０は作動しない（Ｓ６）。第１加速度信号が第１閾値１６を超えたときには、車両１のピラー３に配設された車両左右方向（Ｙ軸）の加速度を示す加速度センサ５の第２加速度信号は、記憶手段２３に記憶された第２閾値１７と衝突判定手段２２で比較演算され、衝突判定手段２２は加速度信号が第２閾値１７を超えたか否かを判断する（Ｓ４）。その結果、第２加速度信号が第２閾値１７を超えなければ入出力部２１から駆動回路１９への信号は出力されず、乗員保護装置２０は作動しない（Ｓ６）。第２加速度信号が第２閾値１７を超えたときには、入出力部２１から駆動回路１９へ判定信号が出力され、駆動回路１９はサイドエアバッグ等の乗員保護装置２０を展開させる（Ｓ５）。

以上、図５に基づいて本発明の側面衝突検出方式の一例を説明したが、図５におけるＳ２、Ｓ３及びＳ４の各ステップの処理順序は図示の通りではなく、他のいかなる順序による処理であってもよい。また、Ｓ２、Ｓ３及びＳ４が同時に実行処理され、全ての判断結果がＹＥＳの場合にＳ５のステップに進むようにしてもよい。

なお、一軸の加速度センサをＸ軸とＹ軸との間の任意の検出角度となるようピラーに取付ける場合がある。そのとき、入出力部２１には加速度センサ４，５のいずれか一方のみが接続される形態となる。そして、衝突判定部２２は、一軸の加速度センサの信号を加速度センサの取付け角度に基づいてＸ軸成分とＹ軸成分とに分解する演算処理を行って、第１加速度信号と第２加速度信号とを求めることができる。すなわち、第１加速度センサ及び第２加速度センサは、Ｘ軸とＹ軸との間の任意の検出角度となるようピラーに取り付けた一軸の加速度センサからなると言える。

以上詳述したことから明らかなように、本実施形態の側面衝突検出装置によれば、側面衝突の検出装置が、車両１のピラー３における車両前後方向（Ｘ軸）の加速度を示す第１加速度信号を出力する第１加速度センサ４と、前記第１加速度信号に関する第１閾値を記憶する第１閾値記憶手段２３と、前記第１加速度信号と前記第１閾値１６との比較結果に基づいて側面衝突を判定する衝突判定手段２２とを備え、ドア２内にセンサを備えないので、応答改善とコストダウンが図れるという優れた効果を奏する。また、車両１のピラー３における車両左右方向（Ｙ軸）の加速度を示す第２加速度信号を出力する第２加速度センサ５と、前記第２加速度信号に関する第２閾値１７を記憶する第２閾値記憶手段２３とを備え、前記第２加速度信号と前記第２閾値１７との比較結果に基づいて側面衝突を検知することも含めて側面衝突を判定する場合は、図３に示すように、第２閾値１７を、車両前後方向（Ｘ軸）の加速度を検出せずに車両左右方向（Ｙ軸）のみで側面衝突を検知する場合のＹ閾値（比較例）よりも低値に設定することができるので、側面衝突に対する応答性を向上させることができるという優れた効果を奏する。

なお、本発明は、当業者の知識に基づいて様々な変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものを含む。また、前記変更等を加えた実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りいずれも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。

１ 車両
３，９ Ｂピラー
４〜８ 加速度センサ
１６ 第１閾値
１７ 第２閾値
１８ 制御装置
１９ 駆動回路
２０ 乗員保護装置
２１ 入出力部
２２ 衝突判定手段
２３ 記憶手段

Claims (6)

1. 車両の側面に加わる衝撃を検出する側面衝突検出装置において、
   前記車両のピラーにおける車両前後方向（Ｘ軸）の加速度を示す第１加速度信号を出力する第１加速度センサと、
   前記第１加速度信号に関する第１閾値を記憶する第１閾値記憶手段と、
   前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定する衝突判定手段と、
   を備えたことを特徴とする側面衝突検出装置。
2. 前記車両のピラーにおける車両左右方向（Ｙ軸）の加速度を示す第２加速度信号を出力する第２加速度センサと、
   前記第２加速度信号に関する第２閾値を記憶する第２閾値記憶手段と、
   を更に備え、
   前記衝突判定手段は、前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果及び前記第２加速度信号と前記第２閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定することを特徴とする請求項１に記載の側面衝突検出装置。
3. 前記車両の床面における車両左右方向（Ｙ軸）の加速度を示す第３加速度信号を出力する第３加速度センサと、
   前記第３加速度信号に関する第３閾値を記憶する第３閾値記憶手段と、
   を更に備え、
   前記衝突判定手段は、前記第１加速度信号と前記第１閾値との比較結果、前記第２加速度信号と前記第２閾値との比較結果及び前記第３加速度信号と前記第３閾値との比較結果に基づいて側面衝突を判定することを特徴とする請求項２に記載の側面衝突検出装置。
4. 前記第１加速度センサ及び前記第２加速度センサは、Ｘ軸及びＹ軸それぞれの二のセンサか又は、Ｘ軸及びＹ軸用のものが一体となった一のセンサからなることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の側面衝突検出装置。
5. 前記第１加速度センサ及び前記第２加速度センサは、Ｘ軸とＹ軸との間の任意の検出角度となるよう前記ピラーに取り付けた一軸の加速度センサからなることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の側面衝突検出装置。
6. 前記ピラーは、Ｂピラーであることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載の側面衝突検出装置。

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