JP2013135662A - 泡持ち良好なビール風味発酵アルコール飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の大豆や、エンドウ豆のようなマメ科植物由来の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、蛋白分解酵素の添加によって充分なアミノ酸を遊離させ、香味良好な発酵アルコール飲料を製造しつつ、かつ、十分な起泡、泡持ち成分を保持して、ビールのような豊かな泡持ちを実現する、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法を提供すること。
【解決手段】麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、該植物蛋白を、エンド型プロテアーゼ全酵素活性に対して、アルカリプロテアーゼ活性が35%以下のエンド型酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を、発酵前溶液に添加して発酵することにより、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、該植物蛋白を、エンド型プロテアーゼ全酵素活性に対して、アルカリプロテアーゼ活性が35%以下のエンド型酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を、発酵前溶液に添加して発酵することにより、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する方法、詳細には、麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の大豆や、エンドウ豆のようなマメ科植物由来の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、アルカリプロテアーゼ活性を特定の構成比とした麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を用いることにより、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する方法に関する。
わが国においては、麦芽を使用したアルコール飲料としてはビールと発泡酒が存在しており、酒税法上、ビールは麦芽の使用量が水を除く全原料の66.7重量%以上とされている。また、発泡酒は、麦芽を原料の一部として用いた雑酒に属し、原料としての麦芽の使用量は水を除く全原料の50重量%以上66.7重量%未満、25重量%以上50重量%未満、及び25重量%未満の3種類に区分されている。
また、昨今は、麦芽及び大麦、小麦のような麦類を原料として使用せず、ビール、発泡酒に類似した香味と泡持ち、泡立ちを有するビール風味の発酵アルコール飲料が開発され、市販されている。ビール風味の発酵アルコール飲料の製造方法は、デンプンに基くグルコースシロップと可溶性蛋白質性材料を別々に調製し、これらの混合物をホップ又はホップエキスと混合し、発酵前溶液を調製して、酵母により発酵させるもので、通常のビール製造方法における製麦工程を排除したものである。
麦芽を主原料とするビールにおいては、主原料である麦芽が、ビールや発泡酒の持つ香味や泡品質(泡持ち、泡立ち)等に大きく寄与している。しかし、発泡酒や、ビール風味発酵アルコール飲料のようなその他の発泡性発酵アルコール飲料においては、麦芽使用比率が低い、或いは、麦芽を使用しないことなどにより、そのまま糖化するだけであると、原料となる麦芽や大麦等に由来する蛋白の分解によるアミノ酸の生成が少なかったり、或いは、無かったりするため、窒素源の不足を来たし、酵母の増殖や発酵性が悪化して、香味の劣化を来すことになり、また、泡品質(泡持ち、泡立ち)も悪くなる。そこで、該発酵アルコール飲料の製造に際しては、それを回避するために、窒素源として、大豆や、エンドウ豆由来のペプチド若しくは蛋白と、蛋白分解酵素を添加して、アミノ酸の生成を図ることが行われている。しかしながら蛋白分解酵素を添加して充分な分解を行い、アミノ酸を遊離させると、蛋白が低分子に分解されてしまうために、発酵アルコール飲料の外観の品質上、重要な要素である、コップに注いだ際の泡立ちや泡持ちが低下してしまう問題がある。したがって、アミノ酸の生成による酵母の増殖や醗酵性の改善と香味の劣化の抑制を図ることはできるが、発酵アルコール飲料の泡立ち、泡持ちが悪化して、バランスのとれない発酵アルコール飲料となる。
そこで、ビール風味発酵アルコール飲料の製造に際しては、従来より、起泡、泡持ち向上物質として、各種のものが用いられている。例えば、特開2005−124591号公報、特開2006−191934号公報には、窒素源として、大豆やエンドウ豆を用いたビール様アルコール飲料の製造に際して、起泡・泡持ち向上物質として、大豆サポニン、ユッカサポニン、キラヤサポニン、茶サポニン高麗人参サポニン等の植物抽出サポニン系物質、卵白ペプタイド、牛血清アルブミン等のタンパク質系物質、キサンタンガム、プルラン、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、ペクチン、アラビアガム、タマリンド種子多糖類、寒天、タラガム、ジェランガム等の増粘剤又はアルギン酸エステルを添加することが開示されている。
特開2005−333981号公報には、窒素源の少なくとも一部として大豆タンパク分解物を用いたビール様発泡アルコール飲料の製造方法において、起泡・泡持ち向上物質として、エンドウ豆から抽出して得たエンドウ蛋白を用いることについて、特開2010−51276号公報には、ビール風味アルコール飲料の製造方法において、サポニンを含有する糖類を糖源として発酵前溶液に添加することにより泡持ち特性を向上することについて、特開2011−147462号公報には、ビール様発泡アルコール飲料等の製造方法において、水溶性大豆多糖類を泡持ち改善に用いることについて、開示されている。
特開2008−136412号公報には、ビール様発泡アルコール飲料等の製造方法において、大豆蛋白のような蛋白質をエンド型プロテアーゼ活性の高い酵素を用いて分解した重量平均分子量10,000〜50,000の蛋白分解物を発酵原料液に添加することにより、泡持ちの良い発泡性アルコール飲料を製造することが開示されており、泡持ちNIBEM値(s)が172の発泡性アルコール飲料を製造することが例示されている。
また、麦芽や麦類を原料として使用しないビール様発泡アルコール飲料や、発泡酒等の製造において、原料中の窒素源を蛋白分解酵素により分解して、アルコール飲料の香味や泡品質(泡持ち、泡立ち)を改善する方法も開示されている。例えば、特開2006−223299号公報には、麦芽や麦類を原料として使用しないビール様発泡アルコール飲料の製造において、エンド型プロテアーゼ又はエンド型プロテアーゼ活性を有する蛋白質分解酵素を原材料の一部として添加して、アルコール飲料の香味や泡品質(泡持ち、泡立ち)を改善する方法が開示されており、特開2008−109861号公報には、発泡酒等の発酵麦芽飲料の製造において、発酵麦芽飲料の製造用麦汁の調製に際して、該麦汁の製造に用いられるプロテアーゼとして、低減化した量のエンドプロテアーゼと増加した量のエキソペプチダーゼからなるプロテアーゼを用い、麦汁中の遊離アミノ酸の増強と起泡性蛋白質の保持等を図る方法について、開示されている。
一方、WO2006/068191号公報には、麦芽エキスの少ないビール風味のアルコール飲料の製造において、大豆蛋白を、アミノペプチダーゼ活性が10〜5000unitであるAspergillus 属由来の酸性乃至中性酵素で加水分解した大豆ペプチドを添加して酵母発酵をすることにより、ビールと同じ旨味、コクを有するアルコール飲料を製造することについて開示されている。
以上のとおり、ビール風味発酵アルコール飲料のようなその他の発泡性発酵アルコール飲料においては、麦芽や麦類を使用しないことなどにより、香味や、泡品質(泡持ち、泡立ち)の劣化を来すことにより、窒素源の添加や、各種起泡・泡持ち向上物質の添加が行われているが、植物蛋白の添加による窒素源の補充と蛋白分解酵素の添加により生成される香味成分としてのアミノ酸と、泡立ち・泡持ち成分としての高分子ペプチドとは、トレード−オフの関係にあり、一方の成分を増大すれば、一方の成分が減少することになり、両者をバランス良く両立させることは、香味と泡立ち・泡持ちの良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する上で、重要な課題となる。
本発明の課題は、泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する方法を提供すること、特に、麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の大豆や、エンドウ豆のようなマメ科植物由来の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、蛋白分解酵素の添加によって充分なアミノ酸を遊離させ、香味良好な発酵アルコール飲料を製造しつつ、かつ、十分な起泡、泡持ち成分を保持して、ビールのような豊かな泡持ちを実現する、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、該植物蛋白を、エンド型プロテアーゼ全酵素活性に対して、アルカリプロテアーゼ活性が特定の酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を、発酵前溶液に添加して発酵することにより、発酵に必要なアミノ酸及び香味成分として必要なアミノ酸が充分確保でき、かつ、泡立ち、泡持ち成分である高分子ペプチドを保持して、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、該植物蛋白を、エンド型プロテアーゼ全酵素活性に対して、アルカリプロテアーゼ活性が35%以下のエンド型酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を、発酵前溶液に添加して発酵することにより、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する方法からなる。
本発明において、ビール風味発酵アルコール飲料の製造における窒素源の酵素分解について鋭意検討する中で、麹菌のプロテアーゼ酵素剤を用い、該酵素剤の構成酵素活性と、生成するアミノ酸やペプチドの生成について検討する中で、麹菌のプロテアーゼ酵素剤中のアルカリプロテアーゼ活性が、製品の泡立ち、泡持成分である重量平均分子量10、000〜45、000付近のペプチドの生成に重要な影響を及ぼすことを見出し、麹菌のプロテアーゼ酵素剤のうち、エンド型活性であるアルカリプロテアーゼ(ALP)が少ないプロテアーゼ酵素剤を用いることにより、製品の泡持ちの良いビール風味発酵アルコール飲料を製造することが可能であることを見出した。
そして、麹菌のプロテアーゼ酵素剤のうち、エンド型活性であるアルカリプロテアーゼ(ALP)が少なく、エキソ型活性であるロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、ジペプチジル−アミノペプチダーゼ(DAP)、及び/又はカルボキシペプチダーゼ(ACP)が多い事を特徴とする酵素剤を用いることにより、原料として大豆蛋白のような植物蛋白を用いた場合に、発酵に必要なアミノ酸が充分確保できるとともに、泡立ち、泡持ちを良好にすることが可能であるという知見を得た。なお、麹菌のエンド型プロテアーゼはいくつかの分子種が存在する事が麹菌ゲノムプロジェクト等でも明らかになっており、その中のどれが泡持ちに負の効果を示し、どれが負の効果を示さないかは従来、全く知見がなかったものである。
また、特許文献4に記載の通り、未発酵の状態で泡持ちが良好であったとしても、酵母発酵を行う過程で、等電点沈殿や、その他の理由により沈殿してしまう場合があり、ビール風味発酵アルコール飲料製品の泡持ちを良好に保っているかどうかは、酵母発酵を行った後に壜や缶に充填した飲料製品を評価して初めて明らかになったものであり、従来、全く知見がなかったものである。
本発明のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法においては、蛋白分解酵素として、麹菌のプロテアーゼ酵素剤を用いる。該プロテアーゼ酵素剤を用いる利点として、以下の点が挙げられる。
(1)麹菌のプロテアーゼ酵素剤を用いて、原料に含まれる大豆などの蛋白を有効に分解して、発酵や香味成分として必要なアミノ酸を生成することが可能である。
(2)麹菌のプロテアーゼ酵素剤には、エキソ型蛋白分解酵素として、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)やジペプチジル−アミノペプチダーゼ(DAP)などのアミノ末端からアミノ酸やジペプチドを遊離する酵素、及び/又はカルボキシペプチダーゼなどのカルボキシ末端からアミノ酸を遊離する酵素が多いことから、発酵や香味成分として十分なアミノ酸を生成することができる。
(3)麹菌のプロテアーゼ酵素剤には、エンド型蛋白分解酵素として、アルカリプロテアーゼ(ALP:別名:オリツィン)が少ないプロテアーゼ酵素剤を得ることができ、かつ適度な量の中性メタルプロテアーゼ(I、II)を含み、蛋白質を分断して適度にペプチドの末端を提供し、エキソ型酵素によるアミノ酸生成を助けることが可能である。
(4)上記酵素活性の構成により、泡立ち、泡持ちに寄与する蛋白を分解せずに保持し、かつ適度にペプチドを生成する事によってアミノ酸生成を助長することができ、更に、泡立ち、泡持ちに寄与する蛋白は、発酵貯蔵工程において、低温保存によって沈殿除去されることなく、製品中に移行して製品の泡立ち、泡持ちを実現することが可能であること。
(1)麹菌のプロテアーゼ酵素剤を用いて、原料に含まれる大豆などの蛋白を有効に分解して、発酵や香味成分として必要なアミノ酸を生成することが可能である。
(2)麹菌のプロテアーゼ酵素剤には、エキソ型蛋白分解酵素として、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)やジペプチジル−アミノペプチダーゼ(DAP)などのアミノ末端からアミノ酸やジペプチドを遊離する酵素、及び/又はカルボキシペプチダーゼなどのカルボキシ末端からアミノ酸を遊離する酵素が多いことから、発酵や香味成分として十分なアミノ酸を生成することができる。
(3)麹菌のプロテアーゼ酵素剤には、エンド型蛋白分解酵素として、アルカリプロテアーゼ(ALP:別名:オリツィン)が少ないプロテアーゼ酵素剤を得ることができ、かつ適度な量の中性メタルプロテアーゼ(I、II)を含み、蛋白質を分断して適度にペプチドの末端を提供し、エキソ型酵素によるアミノ酸生成を助けることが可能である。
(4)上記酵素活性の構成により、泡立ち、泡持ちに寄与する蛋白を分解せずに保持し、かつ適度にペプチドを生成する事によってアミノ酸生成を助長することができ、更に、泡立ち、泡持ちに寄与する蛋白は、発酵貯蔵工程において、低温保存によって沈殿除去されることなく、製品中に移行して製品の泡立ち、泡持ちを実現することが可能であること。
本発明のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法においては、窒素源として用いられる麦芽或いは麦類以外の植物蛋白原料としては、大豆から抽出された大豆蛋白、或いは、エンドウ豆から抽出されたエンドウ蛋白のようなマメ科植物由来の植物抽出蛋白が用いられる。また、本発明において用いられる麹菌由来のプロテアーゼにおいて、麹菌由来のプロテアーゼのエンド型酵素活性を構成するアルカリプロテアーゼ以外のエンド型プロテアーゼとしては、中性メタルプロテアーゼI(NPI)、及び、中性メタルプロテアーゼII(NPII)を挙げることができる。更に、本発明において用いられる麹菌由来のプロテアーゼとしては、エキソ型プロテアーゼ活性が高く、エンド型プロテアーゼ活性が低いプロテアーゼを挙げることができる。
本発明のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において用いられる麹菌由来のプロテアーゼにおいて、エキソ型プロテアーゼとして、アミノペプチダーゼ(LAP)、及び、カルボキシペプチダーゼ(CP)を挙げることができる。また、本発明のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、麹菌由来のプロテアーゼを用いて植物蛋白分解し、植物蛋白分解物を調製するために用いる麹菌由来のプロテアーゼ製剤としては、ロイシンアミノペプチダーゼの活性が1500U/g以上、であり、かつ、ジペプチジルアミノペプチダーゼの活性が2U/g以上であり、及び/又はカルボキシペプチダーゼ活性が400U/g以上であるプロテアーゼである麹菌由来のプロテアーゼ製剤、望ましくは、ロイシンアミノペプチダーゼの活性が2000U/g以上、であり、かつ、ジペプチジルアミノペプチダーゼの活性が4U/g以上であり、及び/又はカルボキシペプチダーゼ活性が600U/g以上であるプロテアーゼである麹菌由来のプロテアーゼ製剤を挙げることができる。
本発明のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、麹菌由来のプロテアーゼを用いて植物蛋白分解し、植物蛋白分解物を調製するために用いる麹菌由来のプロテアーゼ製剤のエキソ型が高いことを示す指標として、エキソ比率(全プロテアーゼ活性に占めるエキソ活性の比率)、若しくは全エキソ活性を算出した場合、エキソ比率が7%以上であり、望ましくは10%以上である、若しくは全エキソ活性(LAP、DAP、及びCP活性の合計値)が1900U/g以上であり、望ましくは2600U/g以上である麹菌由来のプロテアーゼ製剤を挙げることができる。
本発明の製造方法により製造されるビール風味発酵アルコール飲料は、NIBEM法による泡持ち時間がNIBEM法測定値で180以上である良好な製品の泡持ちと香味とを有するビール風味発酵アルコール飲料からなる。
すなわち具体的には本発明は、(1)麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、該植物蛋白を、エンド型プロテアーゼ全酵素活性に対して、アルカリプロテアーゼ活性が35%以下のエンド型酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を、発酵前溶液に添加して発酵することを特徴とする、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(2)麹菌由来のプロテアーゼのエンド型プロテアーゼ酵素活性において、該エンド型プロテアーゼを構成するアルカリプロテアーゼ以外のエンド型プロテアーゼが、中性メタルプロテアーゼであることを特徴とする前記(1)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(3)麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼ活性が高く、エンド型プロテアーゼ活性が低いプロテアーゼであることを特徴とする前記(1)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(4)麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼとして、アミノペプチダーゼ及び/又はカルボキシペプチダーゼを含むプロテアーゼであることを特徴とする、前記(3)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(5)麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が全プロテアーゼ活性の総計の7%以上、かつ、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が1900U以上のプロテアーゼであることを特徴とする前記(3)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法からなる。
また、本発明は、(6)麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が全プロテアーゼ活性の総計の10%以上、かつ、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が2600U以上のプロテアーゼであることを特徴とする上記(3)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(7)麹菌由来のプロテアーゼが、ロイシンアミノペプチダーゼの活性が1500U/g以上であり、かつ、ジペプチジルアミノペプチダーゼの活性が2U/g以上であり、及び/又はカルボキシペプチダーゼ活性が400U/g以上であるプロテアーゼであることを特徴とする、上記(1)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(8)麹菌由来のプロテアーゼが、ロイシンアミノペプチダーゼの活性が2000U/g以上であり、かつ、ジペプチジルアミノペプチダーゼの活性が4U/g以上であり、及び/又はカルボキシペプチダーゼ活性が600U/g以上であるプロテアーゼであることを特徴とする、上記(1)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(9)麦類以外の植物蛋白が、マメ科植物由来の植物抽出蛋白であること特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(10)マメ科植物由来の植物抽出蛋白が、大豆から抽出された大豆蛋白、或いは、エンドウ豆から抽出さたエンドウ蛋白であることを特徴とする上記(9)に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法や、(11)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法により製造されるNIBEM法泡持ち時間が180以上である良好な製品の泡持ちと香味とを有するビール風味発酵アルコール飲料からなる。
本発明は、泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する方法を提供する。特に、麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の大豆や、エンドウ豆のようなマメ科植物由来の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、蛋白分解酵素の添加によって充分なアミノ酸を遊離させ、香味良好な発酵アルコール飲料を製造しつつ、かつ、十分な起泡、泡持ち成分を保持して、ビールのような豊かな泡持ちを実現する、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法を提供する。
本発明は、麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、該植物蛋白を、エンド型プロテアーゼ全酵素活性に対して、アルカリプロテアーゼ活性が35%以下のエンド型酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を、発酵前溶液に添加して発酵することにより、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する方法からなる。
麹菌としては、Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)、Aspergillus sojae
(アスペルギルス・ソーエ)、Aspergillus niger(アスペルギルス・ニガー)、Aspergillus kawachii(アスペルギルス・カワチ)、Aspergillus awamori(アスペルギルス・アワモリ)、Aspergillus saitoi(アスペルギルス・サイトイ)等が挙げられる。その中でもAspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)、或いはその近縁であり、ほぼ同等の酵素を生産するAspergillus sojae(アスペルギルス・ソーエ)由来のものが特によい。
その他同等の酵素(エンド型プロテアーゼ、及びアミノペプチダーゼ、X−プロリル−ジペプチジル−アミノペプチダーゼ、又はカルボキシペプチダーゼ)を生産するものであれば、麹菌だけでなく、Penicillium、Acremonium、Rhizopus、Mucorや、Monascusのようなその他の糸状菌などに由来するものでもよい。
(アスペルギルス・ソーエ)、Aspergillus niger(アスペルギルス・ニガー)、Aspergillus kawachii(アスペルギルス・カワチ)、Aspergillus awamori(アスペルギルス・アワモリ)、Aspergillus saitoi(アスペルギルス・サイトイ)等が挙げられる。その中でもAspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)、或いはその近縁であり、ほぼ同等の酵素を生産するAspergillus sojae(アスペルギルス・ソーエ)由来のものが特によい。
その他同等の酵素(エンド型プロテアーゼ、及びアミノペプチダーゼ、X−プロリル−ジペプチジル−アミノペプチダーゼ、又はカルボキシペプチダーゼ)を生産するものであれば、麹菌だけでなく、Penicillium、Acremonium、Rhizopus、Mucorや、Monascusのようなその他の糸状菌などに由来するものでもよい。
本発明の窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いたビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、植物蛋白を本発明における酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を用いる点を除いて、発酵アルコール飲料の製造に用いる炭素源等の原料や、酵素剤、及び、各種添加剤において、通常、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において用いられる発酵原料を用いることができ、発酵方法自体も、通常、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において用いられる発酵方法を用いることができる。
本発明のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法に用いられる植物蛋白としては、大豆から抽出された大豆蛋白や、エンドウ豆から抽出されたエンドウ蛋白のようなマメ科植物由来の植物抽出蛋白を挙げることができるが、トウモロコシから抽出された蛋白を用いることができる。
本発明のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において用いられる麹菌由来のプロテアーゼは、市販の酵素剤の中から、本発明で特定するエンド型プロテアーゼ活性の構成比を有するものを選定することにより用いることができるが、市販の酵素のエンド型プロテアーゼ活性の構成比を、アルカリプロテアーゼの酵素活性についての構成比を変更することにより、本発明で特定するエンド型プロテアーゼ活性の構成比となるものを調製して用いることができる。プロテアーゼの使用量は、工程条件(蛋白分解の時間や温度など)や蛋白溶液、発酵前液及び最終製品の成分設計値(例えば、良好な発酵に必要な資化性窒素の量や最終製品の窒素成分の量など)を考慮して設定すればよく、例えば、植物蛋白1kgあたり5.0〜50g、望ましくは10〜30gを使用することができる。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<市販プロテアーゼ製剤の活性分別定量>
市販の麹菌由来プロテアーゼ酵素剤について、エンド型、エキソ型活性の違いに着目し、4種類の市販酵素剤A、B、C、Dについて酵素活性を分別定量した。分別定量する対象の酵素としては、アルカリプロテアーゼ(略称:ALP)、中性メタルプロテアーゼI(略称:NPI)、中性メタルプロテーゼII(略称:NPII)、ロイシンアミノペプチダーゼ(略称:LAP)、ジペプチジルアミノペプチダーゼ(略称:DAP)、酸性カルボキシペプチダーゼ(略称:CP)とした。それぞれの活性測定方法は以下の通り。
市販の麹菌由来プロテアーゼ酵素剤について、エンド型、エキソ型活性の違いに着目し、4種類の市販酵素剤A、B、C、Dについて酵素活性を分別定量した。分別定量する対象の酵素としては、アルカリプロテアーゼ(略称:ALP)、中性メタルプロテアーゼI(略称:NPI)、中性メタルプロテーゼII(略称:NPII)、ロイシンアミノペプチダーゼ(略称:LAP)、ジペプチジルアミノペプチダーゼ(略称:DAP)、酸性カルボキシペプチダーゼ(略称:CP)とした。それぞれの活性測定方法は以下の通り。
<エンド型プロテアーゼ活性測定(アゾカゼイン法)>
酵素の全エンド活性は次に示すアゾカゼイン法にて測定した:4%アゾカゼイン(シグマ社製)溶液2.9ml、1.5M酢酸緩衝液(pH5.5)2.9mlを入れ、混合し基質溶液とする。酵素はイオン交換水にて適宜希釈する。基質溶液400μl、酵素希釈液600μlを氷上で冷却しておいたエッペンドルフチューブに入れ、フタをして攪拌した後、40℃、30分間反応を行う。反応は5%TCA溶液を1000μl添加して攪拌する事により停止する。室温で5分放置後、再びよく攪拌した後、1500rpm、10分間遠心分離する。
酵素の全エンド活性は次に示すアゾカゼイン法にて測定した:4%アゾカゼイン(シグマ社製)溶液2.9ml、1.5M酢酸緩衝液(pH5.5)2.9mlを入れ、混合し基質溶液とする。酵素はイオン交換水にて適宜希釈する。基質溶液400μl、酵素希釈液600μlを氷上で冷却しておいたエッペンドルフチューブに入れ、フタをして攪拌した後、40℃、30分間反応を行う。反応は5%TCA溶液を1000μl添加して攪拌する事により停止する。室温で5分放置後、再びよく攪拌した後、1500rpm、10分間遠心分離する。
その上清を吸光度計にて、366nmの吸光度を測定する。酵素活性は本測定条件下で吸光度を1.0上昇させる酵素反応液に添加した酵素液の酵素濃度を1Unit/mlと定義する。例えば、10mlの酵素液の原液を用いて、本反応系で反応を行い、吸光度が1.0であった場合、この酵素液の1mlあたりのエンドプロテアーゼ活性は1.0Unit/mlであり、エンドプロテアーゼ活性の総量は次の様に計算される。1.0Unit/ml×10ml=10Unit
各エンド活性(NPI、NPII、ALP活性)に関しては、次に示した条件で測定を行った:ALP活性→NPI、NPIIのインヒビターとして、5mM EDTAを添加し、
アゾカゼイン法で測定したときの酵素活性をALP活性とした。NPII活性→60℃、20分間熱処理を行い、ALP活性およびNPI活性を失活させ、アゾカゼイン法で測定したときの酵素活性をNPII活性とした。NPI活性→全活性から上記の条件で測定したALP活性とNPII活性の値を引いたものをNPI活性とした。
アゾカゼイン法で測定したときの酵素活性をALP活性とした。NPII活性→60℃、20分間熱処理を行い、ALP活性およびNPI活性を失活させ、アゾカゼイン法で測定したときの酵素活性をNPII活性とした。NPI活性→全活性から上記の条件で測定したALP活性とNPII活性の値を引いたものをNPI活性とした。
<エキソ型プロテアーゼ活性測定>
エキソ型プロテアーゼの活性としては次のようにして測定した。
エキソ型プロテアーゼの活性としては次のようにして測定した。
(ロイシン-アミノペプチダーゼ(LAP)活性測定)
36mgのL-Leucine-p-nitiroanilide HClを2.5mlのジメチルスルホオキシド(DMSO)に溶解したのち、50mM 燐酸緩衝液(pH7.0)にて100mlにメスアップした。酵素はイオン交換水にて適宜希釈する。基質溶液80μl、酵素希釈液20μlを氷上で冷却しておいたエッペンドルフチューブに入れ、フタをして攪拌した後、40℃、5分間反応を行なう。反応は1.5M酢酸溶液200μlを添加して攪拌する事により停止する。その上清を吸光度計にて、405nmの吸光度を測定する。p-nitroanilineで作成した検量線をもとに酵素活性を計算する。酵素活性は1分間に1μmolのp-nitroanilineを遊離する酵素量を1Unitと定義する。
36mgのL-Leucine-p-nitiroanilide HClを2.5mlのジメチルスルホオキシド(DMSO)に溶解したのち、50mM 燐酸緩衝液(pH7.0)にて100mlにメスアップした。酵素はイオン交換水にて適宜希釈する。基質溶液80μl、酵素希釈液20μlを氷上で冷却しておいたエッペンドルフチューブに入れ、フタをして攪拌した後、40℃、5分間反応を行なう。反応は1.5M酢酸溶液200μlを添加して攪拌する事により停止する。その上清を吸光度計にて、405nmの吸光度を測定する。p-nitroanilineで作成した検量線をもとに酵素活性を計算する。酵素活性は1分間に1μmolのp-nitroanilineを遊離する酵素量を1Unitと定義する。
(X−プロリル−ジペプチジル−アミノペプチダーゼ(DAP)活性測定)
5mgのGly−Pro−MCAを1.6mlのDMSOに溶解し、10mM溶液を作成したのち、小分けして凍結保存しておく。使用時にこれを100mMトリスHCl緩衝液(pH7.5)にて希釈し0.111mM溶液を作成し、基質溶液とする。酵素はイオン交換水にて適宜希釈する。基質溶液72μl、酵素希釈液8μlを氷上で冷却しておいたエッペンドルフチューブに入れ、フタをして攪拌した後、30℃、15分間反応を行なう。反応は1.5M酢酸溶液160μlを添加して攪拌する事により完全に停止する。そのうちの150μlをマイクロプレートに移し、蛍光マイクロプレートリーダーにて蛍光(Ex370nm、Em440nm)を測定する。AMC(7-Amino-4-methylcoumarin)で作成した検量線をもとに酵素活性を計算する。酵素活性は1分間に1μmolのAMCを遊離する酵素量を1Unitと定義する。
5mgのGly−Pro−MCAを1.6mlのDMSOに溶解し、10mM溶液を作成したのち、小分けして凍結保存しておく。使用時にこれを100mMトリスHCl緩衝液(pH7.5)にて希釈し0.111mM溶液を作成し、基質溶液とする。酵素はイオン交換水にて適宜希釈する。基質溶液72μl、酵素希釈液8μlを氷上で冷却しておいたエッペンドルフチューブに入れ、フタをして攪拌した後、30℃、15分間反応を行なう。反応は1.5M酢酸溶液160μlを添加して攪拌する事により完全に停止する。そのうちの150μlをマイクロプレートに移し、蛍光マイクロプレートリーダーにて蛍光(Ex370nm、Em440nm)を測定する。AMC(7-Amino-4-methylcoumarin)で作成した検量線をもとに酵素活性を計算する。酵素活性は1分間に1μmolのAMCを遊離する酵素量を1Unitと定義する。
(酸性カルボキシペプチダーゼ(CP)活性測定)
0.25mM H−Glu−Tyr−Glu 1mlに対し、0.2M酢酸緩衝液pH4.0にて希釈した酵素溶液0.2mlを混合し、37℃、60分間反応した後、5分間煮沸によって反応停止した。その後、OPA(o−フタルアルデヒド)試薬を3ml添加し、3分後に340nmの吸光度を測定した。これにより酵素反応によるGluの遊離量を求めた。なお、5分間煮沸により失活させた酵素希釈液を上記と同様の処理を行った後にOPA試薬で発色させ、この吸光度を酵素反応液の吸光度からブランクとして差引き、L−Glu標準液で作成した検量線にて酵素活性を求めた。酵素活性は1分間に1μmolのGluを遊離する酵素量を1Unitと定義する。
0.25mM H−Glu−Tyr−Glu 1mlに対し、0.2M酢酸緩衝液pH4.0にて希釈した酵素溶液0.2mlを混合し、37℃、60分間反応した後、5分間煮沸によって反応停止した。その後、OPA(o−フタルアルデヒド)試薬を3ml添加し、3分後に340nmの吸光度を測定した。これにより酵素反応によるGluの遊離量を求めた。なお、5分間煮沸により失活させた酵素希釈液を上記と同様の処理を行った後にOPA試薬で発色させ、この吸光度を酵素反応液の吸光度からブランクとして差引き、L−Glu標準液で作成した検量線にて酵素活性を求めた。酵素活性は1分間に1μmolのGluを遊離する酵素量を1Unitと定義する。
酵素剤AからDのそれぞれの酵素活性組成の測定結果は下記の表1(各プロテアーゼ製剤のエンド活性)に示す。上記のプロテアーゼ活性測定法により、各酵素のエンド活性を調べた結果を表2(各プロテアーゼ製剤のエンド活性構成比率)に示す。全エンド活性に占めるALP活性の比率は酵素剤A=14%、酵素剤B=35%、酵素剤C=61%と異なっていることが確認された。
また、エキソ型が高い事を示す指標として、全活性に占めるエキソ活性の比率(エキソ比率)、および全エキソ活性を算出し、その結果を下記の表3に示した。エキソ比率は比較的よくアミノ酸生成量と一致しており、エキソ比率は酵素剤A=12.2%、酵素剤B=10.4%、酵素剤C=4.5%となっていることが確認された。また、全エキソ活性(LAP、DAP、及びCPの合計)が高い酵素剤Aでは3449.5U/g、酵素剤Bでは2695U/g、酵素剤Cでは1404.9U/gであった。
また、これら酵素剤を同じ量だけ添加して大豆蛋白を分解した際のアミノ酸生成量を比較すると、酵素剤Dを100%とした場合、A、B、Cは以下の表4(各プロテアーゼ製剤のアミノ酸生成量)に示すとおり、Dより高かった事から、アミノ酸生成活性の高い酵素剤A、B、Cを以後の試験に用いる事とした。
<市販酵素剤のクロマト分離とプロテアーゼ蛋白の同定>
実施例1で用いた酵素剤A、B、Cについて、クロマト分離を行い、酵素蛋白の同定を行った。クロマト分離は、TSK-gel DEAE5PWカラムを用い、イニシャルbufferとして25mM TrisHCl pH7.0、溶出Bufferとして25mM TrisHCl 0.3M NaCl pH7.0を用いた。グラジェントプログラムは以下の通り。
素通り:イニシャルbuffer 2カラムボリューム(CV)。
リニアグラジェント:溶出buffer 0%〜100% 2.5CV。
0.3M洗浄:溶出buffer 100% 1.5CV。
流速:1ml/min。
温度:4℃。
フラクションサイズ:素通りは2ml/tube、溶出は1ml/tube。
アプライ量:10%酵素液(イニシャルbufferで透析)1ml。
実施例1で用いた酵素剤A、B、Cについて、クロマト分離を行い、酵素蛋白の同定を行った。クロマト分離は、TSK-gel DEAE5PWカラムを用い、イニシャルbufferとして25mM TrisHCl pH7.0、溶出Bufferとして25mM TrisHCl 0.3M NaCl pH7.0を用いた。グラジェントプログラムは以下の通り。
素通り:イニシャルbuffer 2カラムボリューム(CV)。
リニアグラジェント:溶出buffer 0%〜100% 2.5CV。
0.3M洗浄:溶出buffer 100% 1.5CV。
流速:1ml/min。
温度:4℃。
フラクションサイズ:素通りは2ml/tube、溶出は1ml/tube。
アプライ量:10%酵素液(イニシャルbufferで透析)1ml。
得られた分画液は、Biolabs社製のエンドH処理キットであるEndo Hf(製品番号P0703L)を用いて、メーカーのプロトコールに従い、エンドH処理を行ってN結合糖鎖を除去した。
これを4−12%NuPAGE Novex Bis-Tris Mini Gels、および泳動BufferとしてMESを用いて、電気泳動を行った。電気泳動で得られたバンドを切り出し、ペプチド・マス・フィンガープリント法で蛋白の同定を行い、プロテオーム解析を行った。その結果、表5(プロテアーゼ製剤のプロテオーム解析結果)、及び、図1、2、3に示すとおり、バンドが同定された。同定されたバンドの目視による相対的な強度を+の数で表すと、以下の通りとなった。
これを4−12%NuPAGE Novex Bis-Tris Mini Gels、および泳動BufferとしてMESを用いて、電気泳動を行った。電気泳動で得られたバンドを切り出し、ペプチド・マス・フィンガープリント法で蛋白の同定を行い、プロテオーム解析を行った。その結果、表5(プロテアーゼ製剤のプロテオーム解析結果)、及び、図1、2、3に示すとおり、バンドが同定された。同定されたバンドの目視による相対的な強度を+の数で表すと、以下の通りとなった。
このクロマト条件では、アルカリプロテアーゼ蛋白は素通り画分に現れるが、一例として、酵素剤A、B、Cの素通り画分を並べて電気泳動したものを図4に示す。このように酵素剤A、B、Cの順にアルカリプロテアーゼのバンドが強くなっており、Aはほとんどアルカリプロテアーゼのバンドが現れない事が確認された。このように、プロテオーム解析によるバンドの同定、強度と酵素分別活性測定の結果はほとんど一致している事が確認された。
<大豆蛋白分解液の起泡性>
ラボにて、市販酵素剤A、B、Cを用いて、大豆蛋白を酵素分解し、蛋白分解液の起泡性を簡易な方法で比較した。
ラボにて、市販酵素剤A、B、Cを用いて、大豆蛋白を酵素分解し、蛋白分解液の起泡性を簡易な方法で比較した。
[大豆蛋白分解条件]
大豆蛋白6gを、各酵素剤の推奨使用温度のお湯200mlに溶解し、蛋白分解酵素を0.12g(サンプル量に対し2重量%)添加する。2時間攪拌後、90℃10分熱処理をして酵素を失活させる。20℃まで氷冷したのち、遠心分離を行い、この上清を大豆蛋白分解液とした。
大豆蛋白6gを、各酵素剤の推奨使用温度のお湯200mlに溶解し、蛋白分解酵素を0.12g(サンプル量に対し2重量%)添加する。2時間攪拌後、90℃10分熱処理をして酵素を失活させる。20℃まで氷冷したのち、遠心分離を行い、この上清を大豆蛋白分解液とした。
[泡持ち簡易測定法]
15mlのスピッツ管に大豆蛋白分解液サンプル1mlを採取する。エタノール0.25ml添加し、水にて5mlにフィルアップした(アルコール5%とした)。上記、サンプルの入ったスピッツ管をラックに固定し、上下に激しく50回攪拌したのち、静置し、泡持ちを目視で比較した。
15mlのスピッツ管に大豆蛋白分解液サンプル1mlを採取する。エタノール0.25ml添加し、水にて5mlにフィルアップした(アルコール5%とした)。上記、サンプルの入ったスピッツ管をラックに固定し、上下に激しく50回攪拌したのち、静置し、泡持ちを目視で比較した。
その結果、アルカリプロテアーゼ活性の低い順に泡持ちが良くなっていることが確認された(図5)。続いて、この蛋白分解液の分解度をゲル濾過およびSDS−PAGEを行い、蛋白の分解度を確認した。ゲル濾過(図6)の結果から、市販酵素剤AやBで分解したサンプルは分子量12400〜45000付近のピークが市販酵素剤Cに比べ多いことが明らかとなった。また、SDS−PAGE(図7)の結果からも、市販酵素剤Cに比べ、市販酵素剤A、またはBのほうが3.5〜30kDa付近のバンドが多いことが確認でき、市販酵素剤Cに比べ高分子の蛋白が残存していることが確認できた。
<パイロットプラントでの製造試験>
ラボスケールで行った蛋白分解液で泡持ちに差が認められたことから、続いてパイロットプラントでの試験を行った。酵素剤を市販酵素剤A、B、若しくはCに変え、それ以外は全く同じ条件として蛋白分解を行い、定法に従って仕込液を調製し、酵母発酵させ濾過、壜詰め製品を製造した。さらに製品の泡持ち時間を測定した。製品の泡持ち時間はHaffmans社のFoam stability testerを用いて測定した(NIBEM30mm法)。試験醸造品の製品分析値を表6(パイロットプラントでの試験醸造の分析値)に示す。仕込液の分析結果から、発酵に必要なアミノ酸に関しては、いずれの酵素剤も十分に確保できていることが確認された。発酵に関しても、いずれの条件においても良好に行われ、問題は認められなかった。製品の泡持ち時間に関しては、予想通りアルカリプロテアーゼ活性が低い酵素剤を使用した方が泡持ちが良好になる傾向が観察された。このことから、酵母発酵を経た製品においてもプロテアーゼ製剤におけるアルカリプロテアーゼ活性が泡持ちに大きく寄与していることが確認された。
ラボスケールで行った蛋白分解液で泡持ちに差が認められたことから、続いてパイロットプラントでの試験を行った。酵素剤を市販酵素剤A、B、若しくはCに変え、それ以外は全く同じ条件として蛋白分解を行い、定法に従って仕込液を調製し、酵母発酵させ濾過、壜詰め製品を製造した。さらに製品の泡持ち時間を測定した。製品の泡持ち時間はHaffmans社のFoam stability testerを用いて測定した(NIBEM30mm法)。試験醸造品の製品分析値を表6(パイロットプラントでの試験醸造の分析値)に示す。仕込液の分析結果から、発酵に必要なアミノ酸に関しては、いずれの酵素剤も十分に確保できていることが確認された。発酵に関しても、いずれの条件においても良好に行われ、問題は認められなかった。製品の泡持ち時間に関しては、予想通りアルカリプロテアーゼ活性が低い酵素剤を使用した方が泡持ちが良好になる傾向が観察された。このことから、酵母発酵を経た製品においてもプロテアーゼ製剤におけるアルカリプロテアーゼ活性が泡持ちに大きく寄与していることが確認された。
<各種精製プロテアーゼ分子種を用いた添加試験>
市販の酵素剤を用いたパイロットプラントでの試験により、アルカリプロテアーゼ活性が大豆蛋白の起泡性に大きく関与していることが示唆された。このことを証明することを目的として、精製した酵素(各エンド活性をもつ酵素)を用いて、再構築試験を実施した。
市販の酵素剤を用いたパイロットプラントでの試験により、アルカリプロテアーゼ活性が大豆蛋白の起泡性に大きく関与していることが示唆された。このことを証明することを目的として、精製した酵素(各エンド活性をもつ酵素)を用いて、再構築試験を実施した。
[各種酵素の大量精製]
(酵素剤の透析)
市販酵素剤Bを25mMトリスHCl(pH7.0)に30%(W/V)となるよう溶解し、50倍量の同緩衝液に対し、3時間×2回透析を行ない脱塩した。
(DEAEトヨパールクロマトグラフィー):トーソー社のDEAEトヨパールクロマトグラフィー650Mカラム(ファルマシア社BPGカラムφ10cm×20cm)を用いて定法に従いクロマトを行なった。緩衝液系は25mMトリスHCL(pH7.0)0M及び0.3M NaClを用いた。
(酵素剤の透析)
市販酵素剤Bを25mMトリスHCl(pH7.0)に30%(W/V)となるよう溶解し、50倍量の同緩衝液に対し、3時間×2回透析を行ない脱塩した。
(DEAEトヨパールクロマトグラフィー):トーソー社のDEAEトヨパールクロマトグラフィー650Mカラム(ファルマシア社BPGカラムφ10cm×20cm)を用いて定法に従いクロマトを行なった。緩衝液系は25mMトリスHCL(pH7.0)0M及び0.3M NaClを用いた。
(Phenyl トヨパールクロマトグラフィー)
トーソー社のPhenyl トヨパールクロマトグラフィー650Mカラム(ファルマシア社B
PGカラムφ10cm×20cm)を用いて定法に従いクロマトを行なった。緩衝液系は25mMトリスHCl(pH7.0)0.75M及び0M硫安を用いた。
トーソー社のPhenyl トヨパールクロマトグラフィー650Mカラム(ファルマシア社B
PGカラムφ10cm×20cm)を用いて定法に従いクロマトを行なった。緩衝液系は25mMトリスHCl(pH7.0)0.75M及び0M硫安を用いた。
(ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー)
バイオラッド社のハイドロキシアパタイト充填剤CHT−IIをバイオスケールカラム(φ1×8cm)に充填したハイドロキシアパタイトカラムを用いて、イニシャル緩衝液(10mMリン酸K pH7.2)、溶出緩衝液(400mMリン酸Na pH6.8)にてリニアグラジェントによってクロマトを行った(図8)。
バイオラッド社のハイドロキシアパタイト充填剤CHT−IIをバイオスケールカラム(φ1×8cm)に充填したハイドロキシアパタイトカラムを用いて、イニシャル緩衝液(10mMリン酸K pH7.2)、溶出緩衝液(400mMリン酸Na pH6.8)にてリニアグラジェントによってクロマトを行った(図8)。
(精製酵素)
市販酵素剤の精製の結果、市販酵素剤よりエンドプロテアーゼ3種、エキソペプチダーゼ2種を得た。エンドプロテアーゼ3種は、それぞれアルカリプロテアーゼ、中性メタルプロテアーゼI、中性メタルプロテアーゼIIである事をペプチド・マス・フィンガープリント法で同定した。エキソ型2種は、ロイシン−アミノペプチダーゼ(LAP)、X−プロリル−ジペプチジル−アミノペプチダーゼ(DAP)であった。それぞれ、精製した酵素は電気泳動でシングルバンド、もしくはメインバンドレベルまで精製されていた。
市販酵素剤の精製の結果、市販酵素剤よりエンドプロテアーゼ3種、エキソペプチダーゼ2種を得た。エンドプロテアーゼ3種は、それぞれアルカリプロテアーゼ、中性メタルプロテアーゼI、中性メタルプロテアーゼIIである事をペプチド・マス・フィンガープリント法で同定した。エキソ型2種は、ロイシン−アミノペプチダーゼ(LAP)、X−プロリル−ジペプチジル−アミノペプチダーゼ(DAP)であった。それぞれ、精製した酵素は電気泳動でシングルバンド、もしくはメインバンドレベルまで精製されていた。
(大豆蛋白の分解試験)
方法は大豆蛋白90mgを水3mlに溶解し、市販酵素剤Aを1.8mg(サンプル量に対し2重量%)添加した。さらに、上記精製酵素のうち、アルカリプロテアーゼ又は中性メタルプロテアーゼIIを表7(精製酵素添加条件)に示した条件になるように追添加した(市販酵素剤A、B、或いはCに含まれるアルカリプロテアーゼおよび中性メタルプロテアーゼIIの活性値を基準として計算し、添加した)。大豆蛋白水溶液は酵素添加後、酵素剤の推奨使用温度にあわせ、2時間反応した後、95℃、10分の熱処理をかけ、酵素を失活させた。この蛋白分解液の気泡性を実験例3に示した泡持ち簡測定法で確認した。また、SDS−PAGEにより大豆蛋白の分解度を確認した。
方法は大豆蛋白90mgを水3mlに溶解し、市販酵素剤Aを1.8mg(サンプル量に対し2重量%)添加した。さらに、上記精製酵素のうち、アルカリプロテアーゼ又は中性メタルプロテアーゼIIを表7(精製酵素添加条件)に示した条件になるように追添加した(市販酵素剤A、B、或いはCに含まれるアルカリプロテアーゼおよび中性メタルプロテアーゼIIの活性値を基準として計算し、添加した)。大豆蛋白水溶液は酵素添加後、酵素剤の推奨使用温度にあわせ、2時間反応した後、95℃、10分の熱処理をかけ、酵素を失活させた。この蛋白分解液の気泡性を実験例3に示した泡持ち簡測定法で確認した。また、SDS−PAGEにより大豆蛋白の分解度を確認した。
<エンドウ蛋白分解液の起泡性>
ラボにて、市販酵素剤A、B、Cを用いて、エンドウ蛋白を酵素分解し、蛋白分解液の起泡性を簡易な方法で比較した。試験区は以下に示す通り。
ラボにて、市販酵素剤A、B、Cを用いて、エンドウ蛋白を酵素分解し、蛋白分解液の起泡性を簡易な方法で比較した。試験区は以下に示す通り。
[エンドウ蛋白分解条件]
エンドウ蛋白6gを、各酵素剤の推奨使用温度のお湯200mlに溶解し、蛋白分解酵素を0.12g(サンプル量に対し2重量%)添加する。2時間攪拌後、90℃10分熱処理をして酵素を失活させる。20℃まで氷冷したのち、遠心分離を行い、この上清をエンドウ蛋白分解液とした。
エンドウ蛋白6gを、各酵素剤の推奨使用温度のお湯200mlに溶解し、蛋白分解酵素を0.12g(サンプル量に対し2重量%)添加する。2時間攪拌後、90℃10分熱処理をして酵素を失活させる。20℃まで氷冷したのち、遠心分離を行い、この上清をエンドウ蛋白分解液とした。
[泡持ち簡易測定法]
15mlのスピッツ管にエンドウ蛋白分解液サンプル1mlを採取する。エタノール0.25ml添加し、水にて5mlにフィルアップした。(アルコール5%とした)。上記、サンプルの入ったスピッツ管をラックに固定し、上下に激しく50回攪拌したのち、静置し、泡持ちを目視で比較した。
15mlのスピッツ管にエンドウ蛋白分解液サンプル1mlを採取する。エタノール0.25ml添加し、水にて5mlにフィルアップした。(アルコール5%とした)。上記、サンプルの入ったスピッツ管をラックに固定し、上下に激しく50回攪拌したのち、静置し、泡持ちを目視で比較した。
その結果、アルカリプロテアーゼ活性の低い順に泡持ちが良くなっていることが確認された(図11)。続いて、この蛋白分解液のSDS−PAGEを行い、蛋白の分解度を確認した。SDS−PAGE(図12)の結果から、市販酵素剤Cに比べ、市販酵素剤A、又は、Bのほうが3.5〜30kDa付近のバンドが多いことが確認でき、市販酵素剤Cに比べ高分子の蛋白が残存していることが確認できた。
本発明は、泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料を製造する方法を提供する。特に、麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の大豆や、エンドウ豆のようなマメ科植物由来の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、蛋白分解酵素の添加によって充分なアミノ酸を遊離させ、香味良好な発酵アルコール飲料を製造しつつ、かつ、十分な起泡、泡持ち成分を保持して、ビールのような豊かな泡持ちを実現する、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法を提供する。
Claims (11)
- 麦芽及び麦類を使用せず、窒素源として麦芽或いは麦類以外の植物蛋白を用いた、ビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、該植物蛋白を、エンド型プロテアーゼ全酵素活性に対して、アルカリプロテアーゼ活性が35%以下のエンド型酵素活性の構成比を有する麹菌由来のプロテアーゼを用いて分解した植物蛋白分解物を、発酵前溶液に添加して発酵することを特徴とする、製品の泡持ちと香味の良好なビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麹菌由来のプロテアーゼのエンド型プロテアーゼ酵素活性において、該エンド型プロテアーゼを構成するアルカリプロテアーゼ以外のエンド型プロテアーゼが、中性メタルプロテアーゼであることを特徴とする請求項1に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼ活性が高く、エンド型プロテアーゼ活性が低いプロテアーゼであることを特徴とする請求項1に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼとして、アミノペプチダーゼ及び/又はカルボキシペプチダーゼを含むプロテアーゼであることを特徴とする、請求項3に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が全プロテアーゼ活性の総計の7%以上、かつ、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が1900U以上のプロテアーゼであることを特徴とする請求項3に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麹菌由来のプロテアーゼが、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が全プロテアーゼ活性の総計の10%以上、かつ、エキソ型プロテアーゼ活性の総計が2600U以上のプロテアーゼであることを特徴とする請求項3に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麹菌由来のプロテアーゼが、ロイシンアミノペプチダーゼの活性が1500U/g以上であり、かつ、ジペプチジルアミノペプチダーゼの活性が2U/g以上であり、及び/又はカルボキシペプチダーゼ活性が400U/g以上であるプロテアーゼであることを特徴とする、請求項1に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麹菌由来のプロテアーゼが、ロイシンアミノペプチダーゼの活性が2000U/g以上であり、かつ、ジペプチジルアミノペプチダーゼの活性が4U/g以上であり、及び/又はカルボキシペプチダーゼ活性が600U/g以上であるプロテアーゼであることを特徴とする、請求項1に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 麦類以外の植物蛋白が、マメ科植物由来の植物抽出蛋白であること特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- マメ科植物由来の植物抽出蛋白が、大豆から抽出された大豆蛋白、或いは、エンドウ豆から抽出されたエンドウ蛋白であることを特徴とする請求項9に記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のビール風味発酵アルコール飲料の製造方法により製造されるNIBEM法泡持ち時間が180以上である良好な製品の泡持ちと香味とを有するビール風味発酵アルコール飲料。
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