JP2018050572A - ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料に良好な後味の質を付与する方法 - Google Patents

ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料に良好な後味の質を付与する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原料中に未発芽麦類及び/又は麦エキスを含みながら、良好な後味の質を有するビールテイスト飲料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】原料として未発芽麦類及び/又は麦エキスを用い、麦汁を得る工程においてプロテアーゼを添加することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料に良好な後味の質を付与する方法に関する。
原料として麦芽に加えて未発芽大麦などの未発芽麦類を用いた、発泡酒、リキュールなどのビールテイスト飲料が知られている(特許文献1)。
特開2016−111964号公報
しかしながら、原料として未発芽麦類又は麦エキスを用いたビールテイスト飲料は、後味の質(後味がしっかりしたものであり、かつ渋味が少ないものであること)が不十分であることが、本発明者らにより新たな課題として見いだされた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、原料中に未発芽麦類及び/又は麦エキスを含みながら、良好な後味の質を有するビールテイスト飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、原料として未発芽麦類及び/又は麦エキスを用い、麦汁を得る工程においてプロテアーゼを添加することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法を提供する。本発明の製造方法よれば、良好な後味の質を有するビールテイスト飲料を得ることができる。
上記製造方法は、原料中の未発芽麦類及び麦エキスの比率が1質量%以上であることが好ましい。これにより、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
上記製造方法は、プロテアーゼの添加量が原料の総量に対して0.001〜0.5質量%であることが好ましい。これにより、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
上記製造方法は、麦汁を得る工程において更に多糖分解酵素を添加することを含むことが好ましい。これにより、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
上記製造方法で得られるビールテイスト飲料中の4−ビニルグアヤコールの濃度は0.3ppm以上であることが好ましい。これにより、ビールテイスト飲料の香りがより良好なものとなる。
本発明はまた、麦汁を得る工程においてプロテアーゼを添加することを含む、未発芽麦類及び/又は麦エキスを原料とするビールテイスト飲料に良好な後味の質を付与する方法を提供する。
本発明によれば、原料中に未発芽麦類及び/又は麦エキスを含みながら、良好な後味の質を有するビールテイスト飲料を得ることができる。また、本発明によれば、良好な濃醇さを有するビールテイスト飲料を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「原料」とは、酒税法(平成二八年三月三一日法律第一六号)に基づいて決定されたビールテイスト飲料の製造に用いられる全原料のうち、水及びホップ以外のものを意味する。
本明細書において「約」とは、±5%の範囲内の数値を示す。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、原料として未発芽麦類及び/又は麦エキスを用い、麦汁を得る工程においてプロテアーゼを添加することを含む。
本明細書において、ビールテイスト飲料とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。ビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるビールテイストアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
ビールテイストアルコール飲料としては、例えば、酒税法(平成二八年三月三一日法律第一六号)上のビール、発泡酒、その他の発泡性酒類、リキュールに分類されるものが挙げられる。
ビールテイストアルコール飲料のアルコール度数の下限は、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、4v/v%以上、5v/v%以上であってもよい。また、ビールテイストアルコール飲料のアルコール度数の上限は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6v/v%以下、5v/v%以下、4v/v%以下、3v/v%以下であってもよい。
ノンアルコールビールテイスト飲料は、実質的にアルコールを含有しないビールテイスト飲料である。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール度数は、1v/v%未満であればよく、0.5v/v%以下であってよく、0.1v/v%以下であってよく、0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、発泡性であってもよく、非発泡性であってもよい。本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、発泡性であることが好ましい。本明細書において発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度であってもよく、0.235MPa(2.4kg/cm)程度であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、原料として未発芽麦類及び/又は麦エキスを用いる。未発芽麦類としては、例えば、未発芽大麦、未発芽小麦、未発芽ライ麦、未発芽カラス麦、未発芽オート麦、未発芽ハト麦、未発芽エン麦が挙げられる。これらの中でも、未発芽大麦、未発芽小麦、未発芽ライ麦、未発芽オート麦が好ましく、未発芽大麦がより好ましい。麦エキスは、未発芽麦類から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られるエキスである。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、原料中の未発芽麦類及び/又は麦エキスの比率が1質量%以上、3質量%以上、5%質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、50質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、原料中の未発芽麦類及び/又は麦エキスの比率が95質量%以下、90質量%以下、又は80質量%以下であってよい。原料中の未発芽麦類及び/又は麦エキスの比率が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、原料が未発芽麦類及び/又は麦エキス以外の麦原料を含んでもよい。このような麦原料としては、麦芽、モルトエキス等が挙げられる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。未発芽麦類及び/又は麦エキス以外の麦原料は、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法において、未発芽麦類及び/又は麦エキス以外の麦原料は麦芽を含むことが好ましい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、原料中の麦原料の比率が10質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、50質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよい。原料中の麦原料の比率が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法において原料が麦芽を含む場合、原料中の麦芽の比率が1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、50質量%以上、66質量%以上67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよく、66.6質量%以下、50質量%未満、又は25質量%未満であってよい。原料中の麦芽の比率が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、原料が麦原料以外のものを含んでもよい。麦原料以外の原料は、例えば、トウモロコシ、米類、コウリャン等の穀類;馬鈴薯、サツマイモ等のイモ類;大豆、エンドウ等の豆類等の植物原料であってよく、スターチ、グリッツ、液糖等の糖質原料(糖類)であってもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、より濃醇な味わいを担保する観点から、原料として麦原料以外の植物原料を用いないことが好ましい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、甘みのべとつきを抑える観点から、原料として糖質原料(糖類)を用いないことが好ましい。さらに、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、より濃醇な味わいを担保する観点、甘みのべとつきを抑える観点から、原料として麦原料以外の植物原料及び糖質原料(糖類)を用いないことが好ましい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、少なくとも麦汁を得る工程を含む製造方法により得ることができる。麦汁を得る工程では、未発芽麦類及び/又は麦エキスを含む麦原料、水、プロテアーゼ、及び必要に応じて麦原料以外の原料、添加剤を混合して麦原料を糖化し、糖化液を濾過して麦汁を得てもよく、糖化液を濾過して得られた麦汁に、必要に応じて、更にホップの添加、煮沸、冷却等を行ってもよい。
本実施形態に係る製造方法において添加するプロテアーゼは、タンパク質分解酵素とも称され、タンパク質のペプチド結合を加水分解する酵素である。プロテアーゼは、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
プロテアーゼの添加量は、使用する酵素の種類、酵素活性、原料の種類等に応じて適宜調節することができる。プロテアーゼの添加量は、例えば、原料の総量に対して0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、又は0.3質量%以上であってよく、0.5質量%以下、0.4質量%以下、0.3質量%以下、又は0.1質量%以下であってよい。また、プロテアーゼの添加量は、例えば、未発芽麦類及び麦エキスの総量に対して0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、又は0.3質量%以上であってよく、5.0質量%以下、3.0質量%以下、1.0質量%以下、0.5質量%以下、0.4質量%以下、0.3質量%以下、又は0.1質量%以下であってよい。プロテアーゼの添加量が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、麦汁を得る工程において更に多糖分解酵素を添加することを含んでもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法において用いられる多糖分解酵素としては、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、プルラナーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ(β−グルカナーゼを含む)、ヘミセルラーゼが挙げられる。多糖分解酵素は、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
多糖分解酵素の添加量は、使用する酵素の種類、酵素活性、原料の種類等に応じて適宜調節することができる。多糖分解酵素の添加量は、例えば、原料の総量に対して0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、又は0.3質量%以上であってよく、5.0質量%以下、3.0質量%以下、1.0質量%以下、0.5質量%以下、0.4質量%以下、0.3質量%以下、又は0.1質量%以下であってよい。多糖分解酵素の添加量が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。
麦汁を得る工程で用いる添加剤としては、着色料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等の添加剤が挙げられる。本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、より純粋なビールテイスト飲料の味わいを実現する観点から、高甘味度甘味料を用いないことが好ましい。
麦汁を得る工程で添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
本実施形態に係るアルコールビールテイスト飲料の製造方法は、上記麦汁を得る工程で得られた麦汁(発酵前液)にビール酵母を添加して発酵させて発酵後液を得る発酵工程を含んでもよい。また、本実施形態に係るアルコールビールテイスト飲料の製造方法は、上記発酵工程で得られた発酵後液に対して濾過、加熱(殺菌)、アルコールの添加、カーボネーション等を行う発酵後工程を含んでもよい。
発酵後工程で添加するアルコールとしては、例えば、スピリッツを用いることができ、中でも大麦スピリッツが好ましい。
本実施形態に係るノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法は、上記発酵工程を含まなくてもよい。また、本実施形態に係るノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法は、上記発酵工程において、発酵期間を短くしてアルコールの生成を抑制することを含んでもよく、上記発酵工程で得られた発酵後液を蒸留又は希釈することによりアルコールを除去又は低減させることを含んでもよい。さらに、本実施形態に係るノンアルコールビールテイスト飲料の製造方法は、上記麦汁を得る工程で得られた麦汁又は実質的にアルコールを含有しない発酵後液に対して、濾過、加熱(殺菌)、カーボネーション等を行う工程を含んでもよい。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料中の食物繊維含有量は、1.0g/100ml未満、0.7g/100ml未満、0.5g/100ml未満、0.3g/100ml未満、又は0.2g/100ml未満であってよい。食物繊維含有量は、高速液体クロマトグラフ法又はプロスキー法で測定することができる。食物繊維含有量は、原料の種類及び使用量等によって調節することができる。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、植物原料由来の食物繊維のほか、別途添加した食物繊維を含んでいてもよい。このような食物繊維としては、例えば難消化性デキストリンが挙げられる。本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、後味の質がより良好なものとなる観点から、食物繊維を用いないことが好ましい。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料のタンパク質含有量は、0.31g/100ml超、0.35g/100ml以上、0.40g/100ml以上、0.45g/100ml以上、0.50g/100ml以上、0.55g/100ml以上、又は0.60g/100ml以上であってもよい。また、本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料のタンパク質含有量は、3.00g/100ml以下、2.50g/100ml以下、2.30g/100ml以下、2.00g/100ml以下、1.80g/100ml以下、1.50g/100ml以下、1.30g/100ml以下、1.00g/100ml以下、0.90g/100ml以下、0.85g/100ml以下、0.80g/100ml以下、0.75g/100ml以下、又は0.70g/100ml以下であってもよい。タンパク質含有量が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。タンパク質含有量は、酵素添加量、原料の種類及び使用量等によって調整することができる。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、酵素及び植物原料由来のタンパク質のほか、原料として別途用いたタンパク質を含んでいてもよい。このようなタンパク質としては、例えば小麦タンパク、大豆タンパク、エンドウタンパク等、又はそれらの分解物等が挙げられる。本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、ビールテイスト飲料の香りを良好なものとする観点から、原料としてコラーゲンを用いないことが好ましい。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料の糖質含有量は、2.5g/100ml以下、2.3g/100ml以下、2.0g/100ml以下、1.8g/100ml以下、1.7g/100ml、又は1.6g/100ml以下であってもよい。また、本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料の糖質含有量は、0.1g/100ml以上、0.2g/100ml以上、0.3g/100ml以上、0.4g/100ml以上、0.5g/100ml以上、1.0g/100ml以上、1.2g/100ml以上、又は1.3g/100ml以上であってもよい。糖質含有量が上記範囲であると、甘みのべとつきがより抑えられる。糖質含有量は、酵素添加量、原料の種類及び使用量等によって調整することができる。なお、本明細書において糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分を除いたものをいう。ビールテイスト飲料中の糖質含有量は、当該ビールテイスト飲料の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を控除することにより算定される。タンパク質、脂質、灰分、水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。アルコール分の量は、水分量とともに測定することができる。具体的には、タンパク質の量は改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法又はプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法又は硫酸添加灰化法で測定し、水分及びアルコール分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定することができる。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料中のエキス分は、1.0w/v%以上、1.3w/v%以上、1.5w/v%以上、1.8w/v%以上、2.0w/v%以上、又は2.2w/v%以上であってよい。また、本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料中のエキス分は、4.0w/v%以下、3.0w/v%以下、又は2.5w/v%以下であってよい。エキス分が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の後味の質がより良好なものとなる。本明細書においてエキス分とは、糖分(炭水化物)、タンパク質、アミノ酸、苦味質、不揮発性有機酸、ミネラル、ポリフェノール、色素成分等からなる不揮発性固形分をいう。エキス分は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.4 真正(性)エキス」に記載の方法によって測定することができる。エキス分は、酵素添加量、原料の種類及び使用量等によって調節することができる。本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法においては、酵母エキス特有の香りをビールテイスト飲料に持ち込まない観点から、原料として酵母エキスを用いないことが好ましい。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、4−ビニルグアヤコール(4−ビニル−2−メトキシフェノール;4−VG)を含んでいてもよい。ビールテイスト飲料が4−ビニルグアヤコールを含む場合、その濃度は0.3ppm以上であることが好ましく、0.8ppm以上であることがより好ましい。4−ビニルグアヤコールの濃度は、固相マイクロ抽出(SPME)法に基づき、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)を用いて測定することができる。なお、定量は標準添加法によって実施することが好ましい。4−ビニルグアヤコールの濃度は、原料の種類及び使用量等によって調節することができる。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、酢酸イソアミルを含んでいてもよい。ビールテイスト飲料が酢酸イソアミルを含む場合、その濃度は4.0ppm以上であることが好ましい。酢酸イソアミルの濃度が上記範囲であると、ビールテイスト飲料の香りがより良好なものとなる。酢酸イソアミルの濃度は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.22 低沸点香気成分」に記載の方法によって測定することができる。酢酸イソアミルの濃度は、酵素添加量、原料の種類及び使用量等によって調節することができる。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
本実施形態に係る製造方法で得られたビールテイスト飲料は、良好な後味の質を有するという効果を奏する。したがって、本発明の一実施形態として、麦汁を得る工程においてプロテアーゼを添加することを含む、未発芽麦類及び/又は麦エキスを原料とするビールテイスト飲料に良好な後味の質を付与する方法が提供される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔製造例:ビールテイスト飲料の製造〕
(ビールテイスト飲料(A液)の製造)
粉砕した麦原料(粉砕未発芽大麦の比率約50質量%、残部は麦芽)、水、原料の総量に対して0.298質量%の多糖分解酵素を含む原料を仕込槽に投入し、常法に従って糖化液を製造した。得られた糖化液を濾過して麦汁を得た。得られた麦汁にホップを添加して煮沸し、沈殿物を分離、除去した後、冷却した。得られた発酵前液(冷麦汁)にビール酵母を添加し、所定期間発酵させ、アルコール度数約5v/v%のビールテイスト飲料(A液)を製造した。
(ビールテイスト飲料(B液)の製造)
粉砕した麦原料(粉砕未発芽大麦の比率約50質量%、残部は麦芽)、水、原料の総量に対して0.298質量%の多糖分解酵素、原料の総量に対して0.068質量%のプロテアーゼを含む原料を仕込槽に投入し、常法に従って糖化液を製造した。得られた糖化液を濾過して麦汁を得た。得られた麦汁にホップを添加して煮沸し、沈殿物を分離、除去した後、冷却した。得られた発酵前液(冷麦汁)にビール酵母を添加し、所定期間発酵させ、アルコール度数約5v/v%のビールテイスト飲料(B液)を製造した。
(ビールテイスト飲料(C液)の製造)
麦汁を得る工程で、原料の総量に対して0.078質量%のプロテアーゼを投入したこと以外はビールテイスト飲料(B液)の製造と同様の条件で、アルコール度数約5v/v%のビールテイスト飲料(C液)を製造した。
(ビールテイスト飲料(D液)の製造)
粉砕した麦原料(粉砕未発芽大麦の比率約75質量%、残部は麦芽)、水、原料の総量に対して0.415質量%の多糖分解酵素を含む原料を仕込槽に投入し、常法に従って糖化液を製造した。得られた糖化液を濾過して麦汁を得た。得られた麦汁にホップを添加して煮沸し、沈殿物を分離、除去した後、冷却した。得られた発酵前液(冷麦汁)にビール酵母を添加し、所定期間発酵させ、アルコール度数約5v/v%のビールテイスト飲料(D液)を製造した。
(ビールテイスト飲料(E液)の製造)
麦汁を得る工程で、原料の総量に対して0.095質量%のタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を更に投入したこと以外はビールテイスト飲料(D液)の製造と同様の条件で、アルコール度数約5v/v%のビールテイスト飲料(E液)を製造した。
〔試験例:ビールテイスト飲料の評価〕
(官能評価)
製造例で得られた各ビールテイスト飲料について、訓練された4名のパネルにより官能評価を行った。官能評価は、後味の質(後味がしっかりしたものであり、かつ渋味が少ないものであること)と濃醇さの評価項目について、5段階(5:良好〜1:不十分)で行い、その平均値を評価スコアとした。なお、評価スコアが2を超えるサンプルは、実用上の問題なく、良好な後味の質、又は濃醇さを有しているものと評価される。結果を表1に示す。なお、C液における4−ビニルグアヤコールの濃度は、0.8ppmであった。
Figure 2018050572
麦汁を得る工程でプロテアーゼを添加しなかったA液及びD液は後味の質及び濃醇さがともに不十分であったのに対し、プロテアーゼを添加したB液、C液及びE液は良好な後味の質を有し、濃醇さも良好であった。

Claims (6)

  1. 原料として未発芽麦類及び/又は麦エキスを用い、麦汁を得る工程においてプロテアーゼを添加することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  2. 原料中の未発芽麦類及び麦エキスの比率が1質量%以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  3. プロテアーゼの添加量が原料の総量に対して0.001〜0.5質量%である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  4. 麦汁を得る工程において更に多糖分解酵素を添加することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  5. ビールテイスト飲料の4−ビニルグアヤコールの濃度が0.3ppm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
  6. 麦汁を得る工程においてプロテアーゼを添加することを含む、未発芽麦類及び/又は麦エキスを原料とするビールテイスト飲料に良好な後味の質を付与する方法。
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