JP2013068329A - バルブシート体 - Google Patents

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Abstract


【課題】油圧緩衝器におけるピストン部やベースバルブ部を構成する際の利用に向くのはもちろんのこと、油圧緩衝器にあって、ピストン速度が1m/secを超えることになっても、その際の減衰力を急激に高くしない。
【解決手段】一方通路1aにおける上流側端を開口させながらリーフバルブ3を離着座させる開放型バルブシート部1cがバルブシート面にリーフバルブ3を着座させて出現させる放射方向の開口から一方通路1aにおける上流側端を開口させる流入部に向けての作動流体の流入を許容すると共に、この流入部を画成する一端面が段差を有しない平坦面1gとされる一方で、上記の一方通路1aより大径とされながら上記の一端面と上記の他端面とに開口する基準孔1iを形成すると共に、この基準孔1iに軸芯部に上記の一方通路に代わる透孔5aを有する内径調整体5を配設し、この内径調整体5の上端と上記の基準孔1iにおける上流側端との間に段差を有する凹陥部1jを形成し、この凹陥部1jの底部に上記の透孔5aを開口させてなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、バルブシート体に関し、特に、油圧緩衝器におけるピストン部を構成するピストン体やベースバルブ部を構成するディスク体への利用に向くバルブシート体の改良に関する。
油圧緩衝器におけるピストン部を構成するピストン体やベースバルブ部を構成するディスク体への利用に向くバルブシート体としては、従来から、種々の提案があるが、その中で、特許文献1に開示の提案にあっては、バルブシート体に形成の通路における下流側端に対向するバルブによって発生する減衰力を安定させる。
すなわち、この特許文献1に開示の提案は、油圧緩衝器におけるピストン部を構成するピストン体についてであるが、このピストン体は、作動流体たる作動油を収容する容器たるシリンダ体内に一方側たるロッド側室と他方側たるピストン側室とを画成する。
そして、このピストン体は、ロッド側室に対向する一端面に開口すると共にピストン側室に対向する他端面に開口する一方通路たる伸側ポートおよび他方通路たる圧側ポートを有してロッド側室とピストン側室との連通を許容し、一端面に圧側ポートの下流側端を開放動作可能に閉塞するリーフバルブを有し、他端面に伸側ポートの下流側端を開放動作可能に閉塞するリーフバルブを有してなる。
また、このピストン体は、たとえば、図4(A)中で上端面となる一端面に、図4(B)に示すように、花十字状に形成されて圧側ポート1bの下流側端を開口させると共にリーフバルブ3(図4(A)参照)を着座させることで閉鎖状態に画成されて圧側ポート1bを介してのピストン側室からの作動油の流出を許容する流出部を形成する閉鎖型バルブシート部1dと、この閉鎖型バルブシート部1dの相隣間に出現して伸側ポート1aの上流側端を開口させると共に上記のリーフバルブ3(図4(A)参照)を着座させることで放射方向に開口を有する開放状態に画成されて上記のロッド側室(符示せず)からの作動油の流入を許容する流入部を形成する開放型バルブシート部1cとを有してなる。
ちなみに、この開放型バルブシート部1cは、図示するところにあって、リーフバルブ3を着座させる天端面たるバルブシート面(符示せず)が平面視でほぼU字状を呈するように形成され、したがって、このバルブシート面に上記のリーフバルブ3を着座させるとき、ピストン体1の外周側に向けて放射方向に開口する上記の開口から伸側ポート1aの上流側端が開口する上記の流入部に向けての作動油の流入を許容する。
そして、この開放型バルブシート部1cにおける流入部を形成するピストン体1における端面は、図4(A)に示すように、段差dを介して連続するいわゆる浅い入り口側部1eといわゆる深い奥側部1fとを有し、この奥側部1fに伸側ポート1aの上流側端を開口させる。
それゆえ、ロッド側室からの作動油が伸側ポート1aに流入するときに、この伸側ポート1aで作動油が「縮流」せず、伸側減衰バルブとされるリーフバルブ2で発生される減衰力が安定する。
すなわち、図示しないが、仮に、上記の開放型バルブシート部1cにおける流入部を形成するピストン体1の一端面が浅い入り口側部1eを有せずして奥側部1fの深いレベルと同一に整形される場合には、入り口側部1eを有しない分、ロッド側室からの作動油の流入を許容する言わば開口面積が大きくなる。
そのため、たとえば、ピストン速度が1m/secと速くなる場合には、作動油が高速のままいきなり伸側ポート1aに流入し、伸側ポート1aにあっては、作動油における流れの乱れたる「縮流」が発現され、この「縮流」で、リーフバルブ2を通過する作動油量が安定せず、発生減衰力を不安定にする。
この「縮流」の発生阻止に有効なのが、上記した特許文献1に開示の提案、すなわち、開放型バルブシート部1cの流入部を形成するピストン体1における一端面が段差dを介して連続する浅い入り口側部1eと深い奥側部1fとを有し、言わば開口面積を小さくする入り口側部1eからの高速の作動油を言わば開口面積を大きくする奥側部1fに流出させて、作動油の流速を緩和させることである。
特開2005‐36886(要約,明細書中の段落0018,図1,図2参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案にあっては、基本的には、ピストン速度が1m/secを超えない領域にある限りには、何等不具合がないが、たとえば、その油圧緩衝器が車両に搭載されて利用される実際を勘案すると、些かの不具合が危惧される。
すなわち、上記した特許文献1が開示する提案が効果的とされるのは、たとえば、車両に搭載される油圧緩衝器におけるピストン速度が1m/secを超えないことを想定した結果である。
つまり、舗装された良路走行を前提にする車両が良路を通常に走行する限りには、この車両に搭載された油圧緩衝器において、ピストン速度が1m/secを超えることは容易に想定されないが、車両が高速で悪路を走行したり、あるいは、良路を走行中であっても、車両が高速で縁石を乗り上げたり、スピードブレーカーを乗り越えたりすると、ピストン速度が1m/secを超えて、1.5〜2.0m/secになることがある。
このときには、上記した特許文献1に開示されている提案にあっては、開放型バルブシート部1cの流入部を形成するピストン体1における一端面が段差dを介して連続する浅い入り口側部1eと深い奥側部1fとを有して、高速の作動油が言わば開口面積を小さくする入り口側部1eからの言わば開口面積を大きくする奥側部1fに流出することで、作動油における流速を緩和するが、これが却って高速減衰による車体振動を発現させる不具合になる。
すなわち、高速の作動油が伸側ポート1aに流入するときに、この作動油は、伸側ポート1aの上流側にある浅い入り口側部1eで一旦絞られる態勢になり、したがって、伸側ポート1aによるポート特性の減衰力がそのまま発生せずして、言わばオリフィス特性の減衰力が発生し、ピストン速度が1m/secを超える領域における減衰力を急激に高くすることが危惧される。
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、油圧緩衝器におけるピストン部やベースバルブ部を構成する際の利用に向くのはもちろんのこと、油圧緩衝器にあって、ピストン速度が1m/secを超えることになっても、その際の減衰力を急激に高くせずして、たとえば、その油圧緩衝器を搭載する車両における乗り心地を良好に保ち、その油圧緩衝器の汎用性の向上を期待するのに最適となるバルブシート体を提供することである。
上記した目的を達成するため、この発明によるバルブシート体の構成を、基本的には、作動流体を収容する容器内に収装されて一方側と他方側とを画成し、上記の一方側に対向する一端面に開口すると共に上記の他方側に対向する他端面に開口して上記の一方側と上記の他方側との連通を許容する一方通路および他方通路を有し、この一方通路および他方通路の各下流側端を開放可能に閉塞するリーフバルブを有するピストン部におけるピストン体あるいはベースバルブ部におけるディスク体を構成するバルブシート体であって、上記の一端面に上記の他方通路の下流側端を開口させると共に上記のリーフバルブを着座させることで閉鎖状態に画成されて上記の他方通路を介しての上記の他方側からの作動流体の流出を許容する流出部を形成する閉鎖型バルブシート部を有し、この閉鎖型バルブシート部の相隣間に出現して上記の一方通路の上流側端を開口させると共に上記のリーフバルブを着座させることで放射方向に出現する開口を有して画成され上記の一方側からの作動流体の流入を許容する流入部を形成する開放型バルブシート部を有してなるバルブシート体において、上記の開放型バルブシート部における流入部を画成する上記の一端面が段差を有しない平坦面とされる一方で、上記の一方通路より大径とされながら上記の一端面と上記の他端面とに開口する基準孔を形成すると共に、この基準孔に軸芯部に上記の一方通路に代わる透孔を有する内径調整体を配設し、この内径調整体の上端と上記の基準孔における上流側端との間に段差を有する凹陥部を形成し、この凹陥部の底部に上記の透孔を開口させてなることを特徴とする。
それゆえ、この発明にあっては、開放型バルブシート部における流入部にあって、この流入部を画成する端面が段差を有しない平坦面とされるから、この流入部が段差を有するがゆえに作動流体における流量を絞る事態が発現されることに比較して、この流入部に流入する作動流体における流量が絞られる事態が発現されず、高減衰力の発生を危惧しなくて済む。
そして、この発明にあっては、上記の一方通路より大径とされながら上記の一端面と上記の他端面とに開口する基準孔を形成すると共に、この基準孔に軸芯部に上記の一方通路に代わる透孔を有する内径調整体を配設し、この内径調整体の上端と上記の基準孔における上流側端との間に段差を有する凹陥部を形成し、この凹陥部の底部に上記の透孔を開口させてなるから、開放型バルブシート部における流入部に流入した作動油が一方通路に流入するとき、作動油がその流速を保ったまま一方通路に流入するのではなく、凹陥部を介して透孔に流入するから、一方通路における作動油の流速が緩和され、したがって、この流速が緩和された作動流体が流入する一方通路に縮流が発現されず、一方通路の下流側端を開閉可能に閉塞するリーフバルブによる減衰力発生を安定させる。
その結果、このバルブシート体にあっては、ピストン速度が1m/secを超えない領域にある場合はもちろんのこと、ピストン速度が1m/secを超える領域になっても、所望の減衰力発生を可能にし、たとえば、このバルブシート体を利用する油圧緩衝器を搭載した車両における乗り心地が適正に維持される。
さらに、基準孔に配設される内径調整体については、基本的に、軸芯部に透孔を有すれば良く、ポート特性の発生を妨げない限りにおいて長さが自由に選択できる。
この発明の一実施形態によるピストン体を示し、(A)は、半截縦断面図、(B)は、半截平面図である。 この発明の他の実施形態によるピストン体を示す半截縦断面図である。 この発明のさらに別の参考例に係わるピストン体を図2と同様に示す図である。 従来例のピストン体を図1と同様に示す図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるバルブシート体は、図示する実施形態では、詳しくは図示しないが、前記した特許文献1に開示の提案と同様に、油圧緩衝器における作動流体たる作動油を収容する容器たるシリンダ体内に摺動可能に収装のピストン部におけるピストン体1を構成する。
このとき、ピストン体1は、シリンダ体内に出没可能に挿通されるロッド体4における先端部に保持されてこのシリンダ体内に図1(A)中で上方側となる一方側たるロッド側室(符示せず)と、同じく図1(A)中で下方側となる他方側たるピストン側室(符示せず)とを画成する。
そして、このピストン体1は、図1に示すように、図1(A)中で上端面となる一端面と同じく図1(A)中で下端面となる他端面とにそれぞれ開口して上記のロッド側室とピストン側室との連通を許容する一方通路たる伸側ポート1aおよび他方通路たる圧側ポート1b(図1中の(B)参照)を有する。
伸側ポート1aは、図1(A)中で下端となる下流側端を図中に仮想線図で示すリーフバルブ2で開閉可能に閉塞し、圧側ポート1bは、図1(B)中に示す下流側端を図1(A)中に仮想線図で示すリーフバルブ3で開閉可能に閉塞する。
ちなみに、図示するところにあって、リーフバルブ2は、伸側減衰バルブとされ、リーフバルブ3は、圧側バルブとされ、伸側減衰バルブは、シリンダ体内をピストン部が上昇する伸側作動時における作動油の通過時に所定の伸側減衰力を発生し、圧側バルブは、シリンダ体内をピストン部が下降する圧側作動時における作動油の通過を許容してロッド側室に作動油を収容させる。
そして、各リーフバルブ2,3は、環状に形成されて内周端固定で外周端自由の態様に配設され、それぞれの外周端部の撓み時に後述するバルブシート面との間に出現する隙間を作動油が通過することを許容する。
また、リーフバルブ2が伸側減衰バルブとして機能するとき、リーフバルブ3は、逆止弁として機能し、リーフバルブ3が圧側バルブとして機能するとき、リーフバルブ2は、逆止弁として機能する。
一方、ピストン体1は、図1(A)中で上端面となる一端面に、図1(B)に示すように、花十字状に形成されて圧側ポート1bの下流側端を開口させると共にリーフバルブ3を着座させることで閉鎖状態に画成されて圧側ポート1bを介してのピストン側室からの作動油の流出を許容する流出部を形成する閉鎖型バルブシート部1dを有してなる。
また、このピストン体1は、この閉鎖型バルブシート部1dの相隣する間に挟まれるように出現して伸側ポート1aの上流側端を開口させると共に上記のリーフバルブ3を着座させることで放射方向に開口を有する開放状態に画成されて上記のロッド側室(符示せず)からの作動油の流入を許容する流入部を形成する開放型バルブシート部1cを有してなる。
そして、閉鎖型バルブシート部1dおよび開放型バルブシート部1cは、上記したように、その天端面たるバルブシート面に上記のリーフバルブ3を内周端固定で外周端自由の態様に着座させる。
このとき、上記の開放型バルブシート部1cがこの発明の具現化に関与するもので、この開放型バルブシート部1cは、図示するところにあって、リーフバルブ3を着座させる天端面たるバルブシート面(符示せず)が平面視でほぼU字状を呈するように形成され、したがって、このバルブシート面に上記のリーフバルブ3を着座させるとき、ピストン体1の外周側に向けて放射方向に開口する(図1(B)参照)上記の開口を介してロッド側室からの作動油が伸側ポート1aの上流側端を開口させる上記の流入部へ流入することを許容する。
すなわち、この開放型バルブシート部1cは、図1(A)中に矢印aで示すように、ロッド側室からの作動油が放射方向の開口を介して伸側ポート1aにおける上流側端を開口させる流入部に向けて流入し引き続き伸側ポート1aに流入することを許容する。
そして、この開放型バルブシート部1cにおける流入部は、ピストン体1における一端面で、すなわち、段差dを有しない平坦面で画成され、この平坦面を基準面1gにして、この基準面1gに伸側ポート1aにおける上流側端を開口させる。
このとき、この基準面1gは、上方に配在されてこの流入部を画成するリーフバルブ3の下端面との間隔を狭くしない、すなわち、前記した図4(A)に示す奥側部1fにおけるリーフバルブ3の下端面に対する間隔と言わば同じ間隔を有する。
つまり、図4(A)中に示す入り口側部1eは、段差dを介して連続する奥側部1fに比較して、リーフバルブ3の下端面に対する間隔を狭くする、すなわち、奥側部1fに比較して、段差d分浅くなる部位とされ、したがって、ロッド側室からの高速の作動油がこの流入部に流入するとき、一旦開口面積が絞られることになり、それゆえ、ピストン速度が1m/secを超えるとき、高減衰力発生することは、前述した通りである。
そして、このことからして、この発明では、伸側ポート1aの上流側端を開口させる流入部における基準面1gが上記の奥側部1fと同一レベルになる、すなわち、この基準面1gとリーフバルブ3の下端面との間隔を上記の奥側部1fとリーフバルブ3の下端面との間隔と同じにするように設定されている。
それゆえ、このピストン体1を形成するに際しては、開放型バルブシート部1cの流入部を画成するピストン体1における一端面に、上記した段差dおよびこの段差dを介して連続する入り口側部1eと奥側部1fとを形成しない平坦面とするから、たとえば、型を利用した成形の際の型抜きを良くし、また、ピストン体1を焼結処理する場合の基準面1gの仕上がりを良くする。
そして、上記の基準面1gを有する開放型バルブシート部1cにおける流入部は、段差dを有しないから、ロッド側室からの高速の作動油がこの流入部に流入するときに、この流入部を形成する基準面1g上で一旦絞られる事態にならず、したがって、爾後に伸側ポート1aによるポート特性の減衰力発生が実現可能とされ、ピストン速度が1m/secを超える領域における減衰力を急激に高くする言わばオリフィス特性の減衰力を発生させない。
ここで、上記の基準面1gと上方のリーフバルブ3の下端面との間隔を言わば大きくするについて、図示するところでは、前記した図4(A)に示す奥側部1fのレベルに合わせるとしたが、これに代えて、図示しないが、ピストン体1におけるボス部1h(図1(A)参照)をいわゆる嵩上げしても実現可能と言い得る。
しかし、このピストン体1におけるボス部1hを嵩上げすることで、基準面1gとリーフバルブ3の下端面との間隔を大きくする場合には、ピストン体1における図1(A)中で上下方向となる軸線方向の長さを大きくし、したがって、ピストン部の軸線方向の長さを大きくしてシリンダ体内における有効ストロークの減少を招いたりする不具合を発生させる。
それゆえ、このことからすると、基準面1gとリーフバルブ3の下端面との間隔を言わば大きくするについては、上記したように、前記した図4(A)に示す奥側部1fのレベルに合わせるのが良く、この場合には、言わば汎用されているピストン体1と同一寸法にしてこの発明が意図するところを具現化できる。
つぎに、伸側ポート1aについてであるが、この発明にあっては、ピストン体1がこのピストン体1に形成されてこのピストン体1の一端面と他端面とに開口する孔、すなわち、伸側ポート1aに比較すると大径となる基準孔1iを有し、この基準孔1iに伸側ポート1aを改めて形成する。
つまり、前記した図4に示す言わば従来の伸側ポート1aおよび圧側ポート1bは、ピストン体1に直接形成されるが、このとき、圧側ポート1bは、言わば大径に形成されるから、径寸法の管理は容易であるが、伸側ポート1aについては、ポート特性の発生から精緻な径寸法の管理が要求される。
そして、この伸側ポート1aについて、観察すると、具体的には、0.2mm単位で径寸法が変わり、しかも、六段階くらいの多段階に変化するから、ピストン体1の在庫管理も簡単でない。
それに対して、この発明では、ピストン体1が爾後に伸側ポート1aを形成させる基準孔1iを有するとするから、この基準孔1iの形成に際しては、これが伸側ポート1aに比較して言わば大径に形成されることを鑑みると、上記した従来の伸側ポート1aをピストン1に直接形成する場合に比較して、いわゆる孔の形成を極めて容易にすると共に、ピストン体1に対してする孔開け作業は、言わば一回で済む。
また、凡そこの種のピストン体1は、焼結処理されるが、従来であれば、伸側ポート1aをピストン体1に形成する前に焼結処理がなされ、したがって、伸側ポート1aの開穿作業が容易でなくなることを勘案すると、この発明のピストン体1にあっては、言わば大径の基準孔1iを形成した後にピストン体1に対する焼結処理をなし得ることになり、言わば硬いピストン体1に伸側ポート1aを形成する不具合の招来を回避できる。
そして、この発明にあっては、伸側ポート1aが上記の基準孔1iに軽圧入される内径調整体、すなわち、筒状体5で形成されるとし、この筒状体5は、軸芯部に伸側ポート1aに代わる透孔5aを有して、たとえば、膨潤性に富む樹脂材からなる。
この筒状体5が膨潤性に富む樹脂材からなることで、上記の基準孔1iに軽圧入された筒状体5が作動油に接触するとき、この筒状体5が作動油を浸潤させて膨張し、その外周を基準孔1iの内周に密接させて、基準孔1iに圧入状態に維持される。
そしてまた、この筒状体5は、外径を同一にして軸芯部に形成される透孔5aの径を上記した六段階くらいの多段階に変化させるとし、その際の透孔5aにおける径の違いを、たとえば、利用される樹脂材に現れる着色差に頼るとする。
ちなみに、上記の筒状体5の軸芯部に透孔5aを形成する際には、多くの場合に型成形かドリル利用が選択されるだろうが、いずれにしても、伸側ポート1aを直接ピストン体1に形成する場合に比較して、部品の製作コストの低減化を可能にし、また、ピストン体1自体についても、言わば一種類用意されれば良く、ピストン体1の在庫管理を簡単にする。
一方、以上のように形成される筒状体5であるが、これが基準孔1iに配設される場合には、その上端が前記した開放型バルブシート部1cにおける流入部を形成するピストン体1の端面たる基準面1gより段差dを有して後退した位置、すなわち、図1(A)中では、下がった位置とされる。
これによって、上記の基準面1gには、伸側ポート1aより大径となる基準孔1iの口端が露呈し、伸側ポート1aの上流側端との間に上記の段差dに基づく深さの円形の凹陥部1j(図1(A)参照)を出現させる。
それゆえ、上記の開放型バルブシート部1cにおける流入部に流入した作動油が伸側ポート1aに流入するとき、作動油がその流速を保ったまま伸側ポート1aに流入するのではなく、段差dを有する凹陥部1jを介して伸側ポート1aに流入するから、伸側ポート1aにおける作動油の流速が緩和され、伸側ポート1aにおいて、前記した「縮流」が発現されず、この伸側ポート1aの下流側端を開閉可能に閉塞するリーフバルブ2による発生減衰力を安定させる。
以上のように、この発明にあっては、開放型バルブシート部1cにおける流入部にあって、この流入部に開口する伸側ポート1aにおける上流側端がこの伸側ポート1aにおける下流側の径より大径に拡径されると共に、この大径に拡径された開口端と下流側となる伸側ポート1aにおける開口端との間に段差dを有する凹陥部1jが設けられるから、ロッド側室から高速のままこの流入部に流入する作動流体における流速が凹陥部1jで緩和されてから伸側ポート1aにおける言わば下流側に流入する。
そして、作動流体が流速を緩和された状態で伸側ポート1aにおける下流側に流入するから、この伸側ポート1aにおける下流側で作動油が縮流せず、この伸側ポート1aの下流側端を開閉可能に閉塞するリーフバルブ2で発生される減衰力を安定させる。
また、上記の拡径された上流側端を開口させる開放型バルブシート部1cにおける流入部には、図4に示すような段差dを有しないから、この流入部に段差dが形成されることで、ロッド側室からこの流入部に流入する高速の作動油における流速が絞られる事態が発現されない。
そして、ロッド側室からこの開放型バルブシート部1cにおける流入部に流入する高速の作動油における流速がこの流入部で絞られないから、この流入部に上流側端を開口させる伸側ポート1aによる設定の減衰力発生を妨げない。
その結果、ピストン速度が1m/secを超えない領域にある場合はもちろんのこと、ピストン速度が1m/secを超える領域になっても、所望の減衰力発生を可能にし、たとえば、このピストン体1を利用する油圧緩衝器を搭載した車両における乗り心地が適正に維持される。
以上からすれば、上記したピストン体1における基準孔1iに配設される筒状体5については、基本的に、軸芯部に伸側ポート1aに代わる透孔5aを有すれば良く、ポート特性の発生を妨げない限りにおいて、長さが自由に選択され、また、図1(A)中で下端部となる下流側端部の形状については、図2に示すように、ラッパ状に拡開されてなるなど、リーフバルブ2の所定の作動を妨げない限りに自由に形成されて良い。
のみならず、この発明が意図するところは、ピストン速度が1m/secを超える領域になるときの高減衰力の発生回避と、ピストン速度が1m/secを超えない領域にあるときのリーフバルブ2による安定した減衰力発生を可能にすることにある。
そして、その具現化の手段として、開放型バルブシート部1cにおける流入部を画成するピストン体1における端面たる基準面1gが段差dを有せずして、作動油の滞りのない流れを可能にし、また、伸側ポート1aの上流側端に段差dを有する凹陥部1jを設けることで作動油の流速を緩和するとの観点からすれば、図3の参考例に示すように、段差を有しない平坦面たる基準面1gを有する一方で、前記した筒状体5を有せずしても、伸側ポート1aの上流側端に段差dを生じさせる凹陥部1jを有することで、前記した高減衰力の発生回避とリーフバルブ2による安定した減衰力発生を可能にし得る。
前記したところは、この発明によるバルブシート体がピストン体1からなるとしたが、この発明が意図するところからすると、図示しないが、バルブシート体がディスク体、すなわち、油圧緩衝器におけるシリンダ体のボトム端部内に固定的に収装されてシリンダ体内たるピストン側室とシリンダ体外たるリザーバとを画成するベースバルブ部を構成するディスク体からなるとしても良い。
そして、同じく図示しないが、この場合には、ロッド体4に代えてセンターロッドがディスク体の軸芯部を貫通し、一方通路がこのディスク体に形成されて下流側端に圧側減衰バルブを離着座させる圧側ポートとされる。
車両に搭載されて車輪に入力される路面振動を吸収する油圧緩衝器におけるピストン部やベースバルブ部を構成する際の利用に向く。
1 バルブシート体たるピストン体
1a 一方通路たる伸側ポート
1b 他方通路たる圧側ポート
1c 開放型バルブシート部
1d 閉鎖型バルブシート部
1g 平坦面たる基準面
1i 基準孔
1j 凹陥部
2,3 リーフバルブ
4 ロッド体
5 内径調整体たる筒状体
5a 伸側ポートに代わる透孔

Claims (3)

  1. 作動流体を収容する容器内に収装されて一方側と他方側とを画成し、上記の一方側に対向する一端面に開口すると共に上記の他方側に対向する他端面に開口して上記の一方側と上記の他方側との連通を許容する一方通路および他方通路を有し、この一方通路および他方通路の各下流側端を開放可能に閉塞するリーフバルブを有するピストン部におけるピストン体あるいはベースバルブ部におけるディスク体を構成するバルブシート体であって、上記の一端面に上記の他方通路の下流側端を開口させると共に上記のリーフバルブを着座させることで閉鎖状態に画成されて上記の他方通路を介しての上記の他方側からの作動流体の流出を許容する流出部を形成する閉鎖型バルブシート部を有し、この閉鎖型バルブシート部の相隣間に出現して上記の一方通路の上流側端を開口させると共に上記のリーフバルブを着座させることで放射方向に出現する開口を有して画成され上記の一方側からの作動流体の流入を許容する流入部を形成する開放型バルブシート部を有してなるバルブシート体において、上記の開放型バルブシート部における流入部を画成する上記の一端面が段差を有しない平坦面とされる一方で、上記の一方通路より大径とされながら上記の一端面と上記の他端面とに開口する基準孔を形成すると共に、この基準孔に軸芯部に上記の一方通路に代わる透孔を有する内径調整体を配設し、この内径調整体の上端と上記の基準孔における上流側端との間に段差を有する凹陥部を形成し、この凹陥部の底部に上記の透孔を開口させてなるバルブシート体。
  2. 上記の内径調整体が膨潤性に富む合成樹脂材からなる適宜肉厚の筒状体とされ、この筒状体が任意に着色されてなる請求項1に記載のバルブシート体。
  3. 上記一方通路の下流側端部の形状はラッパ状に拡開されて形成されている請求項1又は2に記載のバルブシート体。
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