以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するが、特に断らない限り、遊技とは、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとして説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容された遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、本体枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ36と、第1始動入賞口(第1始動口)37aおよび第2始動入賞口(第2始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置(特別電動役物)41等が設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがないように設定されている。それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることは困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはないのである。なお、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞するためには、後述する電動チューリップ49が開放される必要がある。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。本実施形態では、特図当たりになった場合には、演出表示装置34に同じダミー図柄が3つ揃って停止表示されるように構成されている。
なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部11から出力されるコマンドを受けると、この保留球表示装置34aに所定の保留表示態様が表示される。
また、特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特別図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特別図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、特別図柄の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。勿論、特別図柄表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普通図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普通図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、普通図柄の変動時間である。
電動チューリップ(普通電動役物)49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。なお、電動チューリップ49は、一対の羽根部材が開閉する構造のものに限らず、その他の構造、例えば、板状部材が手前側に倒れることにより第2始動入賞口37bが露呈され、板状部材の上に乗ったパチンコ球が、そのまま板状部材に案内されて第2始動入賞口37bに入賞するような構造のもの(所謂、ベロ式電チュー)を用いることもできる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置(特別電動役物)41は、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。また、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
なお、本実施形態では、アタッカー装置41の開放回数は2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド(R)が用意されており、何れのラウンド数となるかは、特図当たり当選時に決定される特別図柄の種類によって異なるものとなる。これについては、後ほど詳しく説明する。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部11は、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄の当否に係る抽選を行う特別図柄抽選処理部110と、特別図柄の種類を抽選で決定する特別図柄種類決定処理部120と、特別図柄の変動時間を決定する特別図柄変動パターンコマンド決定部130と、所定条件が成立したことに基づいて、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部(遊技状態設定手段)140と、特別図柄抽選処理部110による抽選で特図当たりに当選した場合に、特別図柄種類決定処理部120で決定した特別図柄の種類に応じてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。
さらに、主制御処理部11は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選処理部(普通図柄抽選手段)170と、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動パターンコマンド決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えている。加えて、主制御処理部11は、大当たり遊技の残り回数をカウントする残り回数カウント部(残り回数カウント手段)165と、特別図柄に係る遊技状態を遊技者に有利な状態から不利な状態へと転落させるか否かを抽選で決定する転落抽選処理部(転落抽選手段)150とを備えている。
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜1264の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄に係る抽選を行って当否を判定するための第1特別図柄当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄に係る抽選を行って当否を判定するための第2特別図柄当否抽選部119bとを備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特別図柄に係る抽選手段には、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つのものがある。
第1特別図柄当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aと、この第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が特図当たりであるか否かを、第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aとを備えている。
ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、特図当たりの当選確率が1/23(K1=23)、第1特別図柄低確率判定テーブル117aは、特図当たりの当選確率が1/55(K2=55)に設定されている。つまり、低確率の場合、例えば0〜1264までの乱数のうち23個が特図当たりの乱数であり、高確率の場合、0〜1264までの乱数のうち55個が特図当たりの乱数ということになる。
第2特別図柄当否抽選部119bも第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bと、この第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が特図当たりであるか否かを、第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bとを備えている。
ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、特図当たりの当選確率が1/23(K1=23)、第2特別図柄低確率判定テーブル117bは、特図当たりの当選確率が1/55(K2=55)に設定されている。このように、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとで特図当たりの当選確率は同じである。
なお、特別図柄当否判定用乱数発生部111と第1特別図柄当否抽選部119aとにより特別図柄の当否に係る抽選処理を行う構成が、本発明の「第1特別図柄抽選手段」に相当し、特別図柄当否判定用乱数発生部111と第2特別図柄当否抽選部119bとにより特別図柄の当否に係る抽選処理を行う構成が、本発明の「第2特別図柄抽選手段」に相当する。そして、第1特別図柄当否抽選部119aが行う抽選において第1特別図柄当否判定部113aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して当否を判定する構成が、本発明の「第1特別図柄通常抽選手段」に相当し、第1特別図柄当否判定部113aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して当否を判定する構成が、本発明の「第1特別図柄高確率抽選手段」に相当する。また、第2特別図柄当否抽選部119bが行う抽選において第2特別図柄当否判定部113bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して当否を判定する構成が、本発明の「第2特別図柄通常抽選手段」に相当し、第2特別図柄当否判定部113bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して当否を判定する構成が、本発明の「第2特別図柄高確率抽選手段」に相当する。
そして、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「特図通常遊技状態」に相当し、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「特図高確率遊技状態」に相当する。
なお、これ以降の説明において、便宜上、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
なお、先にも触れたが、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aと第2特別図柄記憶用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数を優先的に読み出して、特図当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている。
次に、特別図柄種類決定処理部120について説明する。上述した特別図柄抽選処理部110が特図当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特別図柄種類決定処理部120は、特別図柄の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特別図柄に関する大当たり/ハズレの決定は特別図柄抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(大当たり遊技のラウンド数および電サポ回数)は特別図柄種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特別図柄種類決定処理部120は、図6に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により特別図柄の種類を決定するための第1特別図柄種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により特別図柄の種類を決定するための第2特別図柄種類抽選部129bとを備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特別図柄の種類の決定は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特別図柄種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aと、この第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照して特別図柄の種類を決定する第1特別図柄種類決定部123aと、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aとを備えている。
第1特別図柄種類決定テーブル125aは、図7(a)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、確変A〜Hまでの8種類の特別図柄が第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納されており、これらの特別図柄の種類に対して特別図柄種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。そして、各特別図柄の種類に割り当てる特別図柄種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、各特別図柄の種類が第1特別図柄種類決定部123aに選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納された8種類の特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜44までのものに対して「確変A」が対応付けられており、当該乱数値が45〜59までのものに対して「確変B」が、当該乱数値が60〜69のものに対して「確変C」が、当該乱数値が70〜84までのものに対して「確変D」が、当該乱数値が85〜89までのものに対して「確変E」が、当該乱数値が90〜94までのものに対して「確変F」が、当該乱数値が95〜97までのものに対して「確変G」が、当該乱数値が98〜99までのものに対して「確変H」が、それぞれ対応付けられている。
この図7(a)から明らかなように、「確変A」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特別図柄種類決定用乱数のうち45個であるから、「確変A」が選択される確率は、45/400x100=45%である。その他の特別図柄の選択確率についても同様にして求められ、その値は図7(a)に記載された通りである。
また、第2特別図柄種類抽選部129bも第1特別図柄種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bと、この第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して特別図柄の種類を決定する第2特別図柄種類決定部123bと、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bとを備えている。
第2特別図柄種類決定テーブル125bは、図7(b)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。この第2特別図柄種類決定テーブル125bでは、特別図柄の種類が、「確変A」〜「確変D」の4種類で構成されており、それぞれの種類が選択される割合は、図7(b)に示す通りである。
なお、特別図柄種類決定用乱数発生部121と第1特別図柄種類抽選部129aとにより特別図柄の種類に係る抽選処理を行う構成が、本発明の「第1特別図柄種類決定手段」に相当し、特別図柄種類決定用乱数発生部121と第2特別図柄種類抽選部129bとにより特別図柄の種類に係る抽選処理を行う構成が、本発明の「第2特別図柄種類決定手段」に相当する。
次に、普通図柄抽選処理部170について説明する。この普通図柄抽選処理部170は、図8に示すように、乱数を発生させる普通図柄当否判定用乱数発生部171と、遊技球がスルーチャッカ21を通過したことを契機に普通図柄に係る抽選を行って当否を判定するための普通図柄当否抽選部177とを備えて構成されている。普通図柄当否判定用乱数発生部171は、特別図柄当否判定用乱数発生部111より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。また、普通図柄当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、普通図柄当否判定用乱数発生部171で発生した普通図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄当否判定用乱数取得部172と、この普通図柄当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普通図柄に係る保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。
ここで、普通図柄高確率判定テーブル175は、普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普通図柄高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.2、普通図柄低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/30に設定されている。つまり、普通図柄高確率判定テーブル175の方が、普通図柄低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普通図柄高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、普通図柄当否判定用乱数発生部171と普通図柄当否抽選部177とにより普通図柄の当否に係る抽選処理を行う構成が、本発明の「普通図柄抽選手段」に相当する。そして、普通図柄当否抽選部177が行う抽選において普通図柄当否判定部173が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して当否を判定する構成が、本発明の「普通図柄通常抽選手段」に相当し、普通図柄当否判定部173が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して当否を判定する構成が、本発明の「普通図柄高確率抽選手段」に相当する。
そして、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「普図通常遊技状態」に相当し、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「普図高確率遊技状態」に相当する。
なお、これ以降の説明において、便宜上、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。また、この「普図高確」は、電動チューリップ49が頻繁に開閉することによって、有利に遊技が進められるようサポートされた状態であることから、「普図高確」の状態で遊技が行われていることを、単に「電サポ中」と言う場合があることを、ここで予め断っておくことにする。
続いて、図9を参照しながら、特別図柄の種類と大当たりの内容(大当たり遊技のラウンド数および電サポ回数)との関係について説明するが、図9を説明するにあたり、まず、本実施形態に係るパチンコ機の仕様について簡単に説明しておく。本実施形態に用いたパチンコ機は、7回(N=7)の大当たりを1セットで獲得できるタイプのもの、所謂「リミッタ機」である。7回で1セットの仕様とするために、遊技状態設定部140は、「特図低確」のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選から数えて予め定めた7回の特図当たりに当選するまでの間の特別図柄に係る遊技状態を「特図高確」に設定し、7回目の当選に基づいて提供された大当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を「特図低確」に設定している。そうすることにより、「特図低確」において、ひとたび特図当たりに当選すると、その特図当たり後は特別図柄に係る遊技状態が「特図高確」となり、特図当たりに当選する確率が高くなるから、連続的に7回の特図当たりに当選することができる仕様となる。なお、遊技状態設定部140が普通図柄に係る遊技状態の設定も行っているが、これについては後述する。
そして、図9に示すように、特図当たり時の遊技状態として、「低確」、「時短」、「確変」、「内確」、「確変リミッタ時」、「内確リミッタ時」の6つの状態が、本実施形態に係るパチンコ機には設けられている。「低確」とは、特別図柄に係る遊技状態が「特図低確」となっており、普通図柄に係る遊技状態が「普図低確」となっている状態(通常遊技状態)のことである。ここで、遊技状態が「低確」となる場合としては、電源投入時、およびRAMクリア時の初期状態の場合だけでなく、詳しくは後述するが、転落抽選に当選して遊技状態が特図高確から特図低確に転落した場合もあり得る。
「時短」とは、特別図柄に係る遊技状態が「特図低確」となっており、普通図柄に係る遊技状態が「普図高確」となっている状態のことである。「確変」とは、特別図柄に係る遊技状態が「特図高確」となっており、普通図柄に係る遊技状態が「普図高確」となっている状態のことである。
「内確」とは、特別図柄に係る遊技状態が「特図高確」となっており、普通図柄に係る遊技状態が「普図低確」となっている状態のことである。なお、遊技状態が「内確」となる場合としては、初当たり後に「特図高確」となり、その後、リミッタ回数である7回目の特図当たりに当選するまでの間、「特図高確」が維持され、かつ、その間の特図当たり当選後に電サポが付与されずに「普図低確」のままとなっていた場合と、電サポが77回付与されたものの、その77回の遊技で特図当たりに当選しなかったことによりそれ以降「普図低確」に転落した場合の何れかが考えられる。
「確変リミッタ時」とは、特図当たりが7回目(上限回数到達時)であり、特別図柄に係る遊技状態が「特図高確」となっており、普通図柄に係る遊技状態が「普図高確」となっている状態のことである。「内確リミッタ時」とは、特図当たりが7回目(上限回数到達時)であり、特別図柄に係る遊技状態が「特図高確」となっており、普通図柄に係る遊技状態が「普図低確」となっている状態のことである。なお、以下の説明において、遊技状態が「低確」のもとで行われた遊技で当選した特図当たりのことを、「初当たり」と言うことにする。
次いで、特別図柄の種類と大当たりの内容について説明する。図9(a)は、第1特別図柄種類決定部123aが決定した特別図柄の種類に対応する大当たりの内容を決定するために参照されるものであり、同図(b)は、第2特別図柄種類決定部123bが決定した特別図柄の種類に対応する大当たりの内容を決定するために参照されるものである。
図9に示すように、各特別図柄の種類には、「電サポ回数(時短回数)」および「大当たり遊技のラウンド数」を規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。なお、ここで言う大当たりパターンは、本発明の時短回数パターンに相当するものである。
本実施形態の大当たり遊技は、アタッカー装置41が所定回数だけ開閉するラウンド遊技を複数回連続して行う構成となっている。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が開き、露呈した大入賞口42に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから所定時間(例えば30秒)が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。そして、このラウンド遊技の回数を定めたものが、「大当たり遊技のラウンド数」である。具体的には、本実施形態では、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、および8ラウンドの合計4種類の大当たり遊技のラウンド数が予め定められている。
ちなみに、大当たり遊技中に獲得できる賞球数は、2ラウンドで約200個、4ラウンドで約400個、6ラウンドで約600個、8ラウンドで約800個である。よって、8ラウンドの大当たり遊技に対応する特別図柄の種類が決定されるときが、出玉面で最も遊技者にとって有利であると言うことができる。なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特別図柄の種類に応じたラウンド数となるように大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。
また、「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことである。より詳細に言えば、遊技状態が「普図高確」の状態において特別図柄抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことであり、本発明における「時短回数」に相当するものである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、0回(Na=0)、20回、および77回(Nb=77)の3種類が設けられている。なお、設定された電サポ回数に到達する前に特図当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特別図柄の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
このように、大当たりパターンは、2,4,6,8ラウンドの何れかのラウンド数と、0,20,77回の何れかの電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特別図柄の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われることとなる。なお、特別図柄の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の特別図柄の種類(特図A)と大当たりパターンとの対応関係については、次のようになっている。
「確変A」は、特図当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、および「内確リミッタ時」の場合に電サポ回数が0回となり、「時短」および「確変」の場合に電サポ回数が77回となり、「確変リミッタ時」の場合に電サポ回数が20回となり、大当たり遊技でのラウンド数が2ラウンドとなる大当たりパターンに対応している。「確変B」は、ラウンド数が4ラウンドと規定されている以外は、「確変A」と同じである。「確変C」は、ラウンド数が6ラウンドと規定されている以外は、「確変A」と同じである。なお、ここで言う「確変A」、「確変B」、および「確変C」は、何れも、本発明の「第1図柄」に相当するものである。
「確変D」は、特図当たり時の遊技状態が「内確」の場合に電サポ回数が0回となり、「低確」、「時短」および「確変」の場合に電サポ回数が77回となり、「確変リミッタ時」および「内確リミッタ時」の場合に電サポ回数が20回となり、大当たり遊技でのラウンド数が2ラウンドとなる大当たりパターンに対応している。「確変E」は、ラウンド数が4ラウンドと規定されている以外は、「確変D」と同じである。「確変F」は、ラウンド数が6ラウンドと規定されている以外は、「確変D」と同じである。「確変G」は、ラウンド数が8ラウンドと規定されている以外は、「確変D」と同じである。なお、ここで言う「確変D」、「確変E」、「確変F」、および「確変G」は、何れも、本発明の「第2図柄」に相当するものである。
「確変H」は、特図当たり時の遊技状態が、「低確」、「時短」、「確変」、および「内確」の場合に電サポ回数が77回となり、「確変リミッタ時」および「内確リミッタ時」の場合に電サポ回数が20回となり、大当たり遊技でのラウンド数が8ラウンドとなる大当たりパターンに対応している。なお、ここで言う「確変H」は、本発明の「第3図柄」に相当するものである。
ここで、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の特別図柄の種類(特図A)と大当たりパターンとの対応関係について見ると、図9(a)に示すように、「低確」で特図当たりに当選した場合、即ち、初当たり時の場合において、確変A〜Cの何れかが選択された場合には電サポが付与されず、確変D〜Hの何れかが選択された場合には電サポが77回付与されることが分かる。そして、図7(a)から、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合に、確変A〜Cのそれぞれが選択される確率を合計すると、その確率は70%となる。つまり、初当たり時に電サポが0回となる確率が70%、言い換えると、電サポが77回付与される確率は30%であるということになる。
これに対して、「内確」で特図当たりに当選した場合において、確変A〜Gの何れかが選択された場合には電サポが付与されず、確変Hが選択された場合には電サポが77回付与されることが分かる。そして、図7(a)から、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合に、確変A〜Gのそれぞれが選択される確率を合計すると、その確率は98%となる。つまり、「内確」の状態で特図当たりに当選した場合に、電サポが77回付与される確率は僅か2%しかないということになる。このことから、遊技状態が「内確」のときより「低確」のときの方が、電サポが77回付与される確率が高いということになる。
なお、図7(a)から明らかなように、第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照した場合、確変A〜Cの選択確率の合計は70%、確変D〜Gの選択確率の合計は28%、確変Hの選択確率は2%であることから、本実施形態では、確変A〜Cが選択される確率が最も高く、確変D〜Gが選択される確率がその次に高く、確変Hが選択される確率が最も低いという設定である。
次に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の特別図柄の種類(特図B)と大当たりパターンとの対応関係については、次のようになっている。
「確変A」は、特図当たり時の遊技状態が「低確」、「時短」、「確変」、および「内確」の場合に電サポ回数が77回となり、「確変リミッタ時」および「内確リミッタ時」の場合に電サポ回数が20回となり、大当たり遊技でのラウンド数が2ラウンドとなる大当たりパターンに対応している。「確変B」は、ラウンド数が4ラウンドと規定されている以外は、「確変A」と同じである。「確変C」は、ラウンド数が6ラウンドと規定されている以外は、「確変A」と同じである。「確変D」は、ラウンド数が8ラウンドと規定されている以外は、「確変A」と同じである。なお、ここで言う「確変A」、「確変B」、「確変C」、および「確変D」は、何れも、本発明の「第4図柄」に相当するものである。
そして、遊技状態設定部140は、大当たり遊技後の電サポ回数を、上記した特別図柄の種類に対応づけられた大当たりパターンに基づいて設定している。このように構成されているので、本実施形態例に係るパチンコ機は、7回1セットの大当たりであるにも拘らず、1セットの内容は様々なものとなるのである。
次に、転落抽選処理部150について、図10を参照しながら説明する。転落抽選処理部150は、図10に示すように、「特図高確」から「特図低確」に転落させるか否かの決定に用いる転落判定用の乱数を発生させるための転落判定用乱数発生部151と、遊技開始のタイミングで、転落判定用乱数発生部151にて発生した転落判定用の乱数の中から1つの乱数を取得する転落判定用乱数取得部152と、この転落判定用乱数取得部152が取得した乱数から、転落判定テーブル154を参照して、次遊技での特別図柄に係る遊技状態を「特図高確」から「特図低確」に転落させるか否かを決定する転落判定部153とを備えて構成されている。
転落判定用乱数発生部151は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜89まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
転落判定用乱数取得部152は、特別図柄に係る遊技状態が「特図高確」である場合に限り、遊技開始の都度、転落判定用乱数発生部151で発生した乱数値を1つ取得する。転落判定テーブル154には、転落判定用の乱数の値のそれぞれに対して、当選(転落する)か否かが定められている。そして、転落判定テーブル154に規定されている0〜89の乱数値のうち、0〜2までの3個の乱数値は当選(転落する)と定められ、3〜89までの87個の乱数値は非当選(転落しない)と定められている。つまり、本実施形態において、転落抽選に当選する確率は3/90=1/30(K3=30)に設定されているのである。そして、転落判定部153は、「特図高確」での遊技開始時(特別図柄の変動開始時より僅かに前のタイミング)に、毎回、転落判定用乱数取得部152が取得した乱数値の当否を判定している。
ここで、前述したように、「特図低確」時の特別図柄の当否に係る抽選で当選する確率は1/55、「特図高確」時の特別図柄の当否に係る抽選で当選する確率は1/23、転落抽選に当選する確率は1/30であることから、「特図高確」にて遊技を行っている場合には、特図当たりに当選する確率の方が、「特図低確」に転落する確率より若干高いものの、特図当たりに当選するより先に、転落抽選に当選してしまうこともままあるということが言える。
次に、残り回数カウント部165は、リミッタ回数の上限である7回にセットされたカウンタの値を、特図当たりに当選する毎に1ずつデクリメントすることにより、大当たり遊技の残り回数を計数している。そして、残り回数カウント部165は、転落抽選処理部150による転落抽選に当選した場合には、現在のカウンタ値をリセットしてリミッタ上限の7回に再セットしている。この構成により、例えば、初当たり時には、残り回数カウント部165は、カウンタ値を7から1減算して6とし、3回目の特図当たり時には、残り回数カウント部165は、カウンタ値を4とする。そして、4回目の特図当たりより先に転落抽選に当選した場合には、残り回数カウント部165は、カウンタ値を7に戻すことになる。
次に、特別図柄の変動時間を決定するための処理について説明する。特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、図11に示すように、特別図柄に係る変動パターンコマンド(変動時間)の決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特別図柄変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて特別図柄に係る変動パターンコマンド(変動時間)を決定するための第1特別図柄変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンド(変動時間)を決定するための第2特別図柄変動パターン抽選部130bとを備えて構成されている。
特別図柄変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜199まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して特別図柄に係る変動パターンコマンドを決定する第1特別図柄変動パターン決定部135aと、特別図柄が変動中の場合に、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aとを備えて構成されている。なお、第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
第2特別図柄変動パターン抽選部130bも第1特別図柄変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して特別図柄に係る変動パターンコマンドを決定する第2特別図柄変動パターン決定部135bと、特別図柄が変動中の場合に、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bとを備えて構成されている。なお、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特別図柄変動パターン抽選部130aおよび第2特別図柄変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図12に示すように、変動パターンテーブル(通常時)134a、変動パターンテーブル(電サポ時)134b、および変動パターンテーブル(内確時)134cの合計3つのテーブルを備えている。これらの各テーブルは、さらに、特図当たり時に参照される小テーブル、および、ハズレの場合であって保留記憶数(保留球乱数の記憶個数)が0個または1個の場合、2個の場合、3個の場合、4個の場合にそれぞれ参照される小テーブルを備えて構成されている。そして、各小テーブルは、特別図柄変動パターン用の乱数と変動パターンコマンド(変動時間とリーチの有無が少なくとも規定されたコマンド)との関係が対応付けられた構成を成しており、当該乱数を取得すれば、その乱数値から、今回の遊技における特別図柄の変動時間およびリーチの有無が決まるようになっている。
各変動パターンテーブル134a〜cは、特有の変動時間となるよう設定されている。そこで、以下、各テーブルの変動時間の特徴について、図13を用いて説明することにする。
変動パターンテーブル(通常時)134aは、保留記憶数(保留球乱数の記憶個数)に応じて特図Aの主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個または1個の場合、特図Aの主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図Aの主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が3個の場合、特図Aの主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図Aの主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。一方、特図Bの主要変動時間は、保留記憶数を問わず4秒に設定されている。また、この変動パターンテーブル(通常時)134aは、リーチとなる確率が1/15に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が20秒〜150秒に設定されている。
なお、この変動パターンテーブル(通常時)134aは、遊技状態が「特図低確」かつ「普図低確」の場合に参照される。
変動パターンテーブル(電サポ時)134bは、特図A(第1始動入賞口37aに入賞した場合)の主要変動時間(リーチなし変動時間)が、保留記憶数を問わず2秒に設定されている。一方、特図B(第2始動入賞口37bに入賞した場合)の主要変動時間(リーチなし変動時間)は、保留記憶数が0個または1個の場合に7秒、保留記憶数が2個〜4個の場合に何れも2秒に設定されている。そのため、変動パターンテーブル(電サポ時)134bが参照される場合は、変動パターンテーブル(通常時)134aが参照される場合に比べて、1回の遊技に要する時間が相対的に短くなる。また、この変動パターンテーブル(電サポ時)134bは、リーチとなる確率が1/30に設定され、さらに、リーチ時の変動時間(リーチあり変動時間)が20秒〜80秒に設定されている。
なお、この変動パターンテーブル(電サポ時)134bは、遊技状態が、「特図低確」かつ「普図高確」の場合、あるいは、「特図高確」かつ「普図高確」の場合に参照される。即ち、変動パターンテーブル(電サポ時)134bは、電サポ中の場合に限って参照されるテーブルである。
また、変動パターンテーブル(内確時)134cは、変動パターンテーブル(通常時)134aと同じ構成となっているので、詳しい説明は省略する。なお、この変動パターンテーブル(内確時)134cは、遊技状態が「特図高確」かつ「普図低確」の場合に参照されるようになっているが、変動時間の構成が変動パターンテーブル(通常時)134aと同じであるため、遊技者は、変動時間から遊技状態が「特図高確」かつ「普図低確」の状態であるのか、あるいは、「特図低確」かつ「普図低確」の状態であるのかを識別することはできない。別言すれば、リミッタ回数が7回全て残っている状態であるのか、それとも、一部しか残っていない状態であるのかを、変動時間から予測することはできないようになっているのである。
次に、普通図柄の変動時間の決定について説明する。普通図柄変動パターンコマンド決定部190は、図14に示すように、普通図柄変動パターンコマンドの決定に用いる普通図柄変動パターン用乱数を発生させる普通図柄変動パターン用乱数発生部191と、普通図柄に係る変動パターンコマンドを決定するための普通図柄変動パターン抽選部196と、を備えて構成されている。
普通図柄変動パターン抽選部196は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普通図柄変動パターン用乱数発生部191にて発生した普通図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する普通図柄変動パターン用乱数取得部192と、この普通図柄変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数から、普通図柄変動パターンコマンドテーブル194を参照して普通図柄に係る変動パターンコマンドを決定する普通図柄変動パターン決定部195と、普通図柄が変動中の場合に、普通図柄変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数を上限4個まで記憶する普通図柄変動パターン用乱数記憶部193とを備えて構成されている。なお、普通図柄変動パターンコマンド決定部190は、スルーチャッカ21を遊技球が1個通過すると、その通過につき1つの普通図柄変動パターン用乱数を取得する。
普通図柄変動パターン用乱数発生部191は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜4まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
普通図柄変動パターンコマンドテーブル194には、図15に示すように、普通図柄の変動時間が長い普図変動テーブルA(194−1)と短い普図変動テーブルB(194−2)の2つの普図変動テーブルが記憶されている。それぞれのテーブルは、普通図柄変動パターン用乱数と普通図柄変動パターンNo.とが予め対応づけられた構成となっている。そのため、普通図柄変動パターン用乱数が決まると、それぞれのテーブルを参照すれば、その変動パターン用乱数に対応する変動パターンNo.(普通図柄に係る変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する普通図柄の変動時間が決まるようになっている。
本実施形態では、普図変動テーブルA(194−1)を参照すると何れの普通図柄変動パターン用乱数の値であっても、普通図柄の変動時間は8秒となり、普図変動テーブルB(194−2)を参照すると何れの普通図柄変動パターン用乱数の値であっても、普通図柄の変動時間は0.5秒となっている。普図変動テーブルAは、遊技状態が「普図低確」の場合に参照され、普図変動テーブルBは、遊技状態が「普図高確」の場合に参照されるようになっている。よって、電サポ中は、普通図柄の変動時間が0.5秒となる。
このように普通図柄の変動時間が遊技状態に応じて異なるようになっているから、本実施形態の「普図高確」の状態では、普通図柄が0.5秒間変動した後に電動チューリップ49が開閉するといった現象が繰り返し発生することになる。一方、「普図低確」の状態では普通図柄の変動時間が8秒と長いうえ、普通図柄の当選確率が低確率な状態であるため、なかなか電動チューリップ49は開放されない。
なお、電動チューリップ49の開閉パターンは、「普図低確」時と「普図高確」時とで異なるパターンに設定されている。具体的には、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御しており、「普図高確」中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間2.9秒で2回開放するよう制御しているのに対して、「普図低確」中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、「普図高確」中は、上述したように、普通図柄抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が2.9秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ49内に遊技球を入賞させることができる。
このように構成された主制御処理部11は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第1特別図柄変動パターン抽選部130aで決定された特別図柄変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第1特別図柄当否抽選部119aによる抽選に当選した場合には第1特別図柄種類抽選部129aで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。同様に、主制御処理部11は、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第2特別図柄変動パターン抽選部130bで決定された特別図柄変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第2特別図柄当否抽選部119bによる抽選に当選した場合には第2特別図柄種類抽選部129bで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。
また、スルーチャッカ21を遊技球が通過した場合には、普通図柄変動パターン抽選部196で決定された普通図柄変動パターンコマンドおよび普通図柄当否抽選部177の抽選結果に係るコマンドを普通図柄表示制御部12fに送信している。
ここまで、主に主制御処理部11が行う遊技処理について説明したが、ここからは、主制御処理部11から指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行う装置である。
特別図柄表示制御部12bは、特別図柄変動パターンコマンド決定部130が決定した特別図柄変動パターンコマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動表示させ、特別図柄抽選処理部110の当否結果に応じた態様で停止表示するよう表示の制御を行っている。なお、特別図柄表示装置17に表示する特別図柄の停止図柄(停止態様)は、特別図柄種類決定処理部120にて決定された特別図柄の種類に対応したものとなっている。
一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄変動パターンコマンド決定部190が決定した普通図柄変動パターンコマンドに基づき、普通図柄表示装置22に普通図柄を所定の時間だけ変動表示させ、普通図柄抽選処理部170の当否結果に応じた態様で停止表示するよう表示の制御を行っている。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、演出制御処理部12aについて、図16を参照しながら詳しく説明する。演出制御処理部12aは、処理部として、各種演出態様の中から特別図柄に係る変動パターンコマンドに基づいて今回の遊技に用いる演出態様を決定する演出態様決定部210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、を備えて構成されている。また、演出制御処理部12aは、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、複数種類の演出態様が記憶された演出パターンテーブル261が格納されている。
演出パターンテーブル261には、通常・内確共通テーブル261aと電サポ時テーブル261bとが用意されており、普通図柄に係る遊技状態が「普図低確」のときには、通常・内確共通テーブル261aが参照され、「普図高確」のときには、電サポ時テーブル261bが参照されるようになっている。通常・内確共通テーブル261aには、図13に示す変動時間のうち、変動パターンテーブル通常時(134a)と変動パターンテーブル内確時(134c)において定められている変動時間(主要変動時間およびリーチ時変動時間)に応じた演出態様が複数種類記憶されている。つまり、決められた変動時間で1つの演出が終了するように、変動時間毎に演出態様(演出パターン)が予め用意されているのである。同様に、電サポ時テーブル261bには、図13に示す変動時間のうち、変動パターンテーブル電サポ時(134b)において定められている変動時間(主要変動時間およびリーチ時変動時間)に応じた演出態様が複数種類記憶されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に、当該遊技に係る変動パターンコマンドと、今回の遊技での普通図柄に係る遊技状態が「普図低確」と「普図高確」の何れであるかの情報とに基づいて、演出パターンテーブル261の中のテーブル261a,bの何れかを参照しながら、今回用いる演出態様を決定する。そして、演出表示制御部220は、演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するための制御を行っている。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図17を参照して説明するが、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bのどちらの始動入賞口に遊技球が入賞しても遊技に関する処理は同じであるため、以下では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合について説明することとする。なお、本実施形態において、1回の遊技とは、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞したことを契機として行われる遊技のことである。
図17に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数を第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに、特別図柄種類決定用乱数を第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aに、特別図柄変動パターン用乱数を第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶して(ステップS4)、ステップS3の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技が開始するまで待機する。
一方、特別図柄が変動中でない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5に進んで特図当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄当否判定用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS6に進んで、特別図柄種類決定処理を行う。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第1特別図柄種類決定部124aが、ステップS2で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、図7を参照して、「確変A」〜「確変H」の中から1つの特別図柄の種類を、このステップS6で決定する。
なお、図示しないが、本実施形態では、ステップS5でハズレと判定された場合であっても、ステップS6において、一旦、特別図柄種類決定処理が行われて特別図柄の種類に係るコマンドが決定されるが、ステップS5でハズレと判定されたことをもって、その決定に係る特別図柄の種類に関するコマンドは破棄されるようにプログラムが組まれている。よって、ステップS5でハズレの場合、演出制御処理部12aに出力される遊技のコマンドに特別図柄の種類に係るコマンドが含まれることはない。勿論、ステップS5でハズレの場合には、ステップS6の処理をジャンプする構成としても構わない。
次いで、ステップS7で特別図柄変動パターンコマンド決定処理を行う。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第1特別図柄変動パターン決定部135aは、変動パターンテーブル134a〜cの何れかを参照して変動パターンコマンド(変動時間)を決定する。
次いで、ステップS8にて、必要に応じて転落抽選判定処理を行う。なお、この転落抽選処理の詳細については、後ほど詳しく説明する。次いで、ステップS9にて、演出態様決定処理を行う。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、演出パターンテーブル261a,bの何れかを参照して、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。
次いで、ステップS10で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS9で決定された演出パターンを表示する。次いで、ステップS11で特別図柄の変動が停止され、それと同期して、演出表示装置34上では所定の演出図柄が停止表示される。
次いで、停止した特別図柄が特図当たりの組合せで確定している場合(ステップS12でYes)は、大当たり遊技制御部160は、特別図柄の種類に応じた所定のラウンド数だけアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS13)。次いで、ステップS14にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を設定する。このとき、ステップS8における転落抽選判定処理で「特図低確」に転落させることが決定されている場合(転落フラグがセットされている場合)には、ステップS14において遊技状態設定部140は、次の遊技における遊技状態を「特図低確」に設定する。
このステップS14で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS12でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS14に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
次に、ステップS8において実行される転落抽選判定処理の詳細について、図18を参照しながら説明する。転落抽選判定処理では、まず、転落抽選処理部150が、今回の遊技での遊技状態が「特図高確」であるか否かを判断する(ステップS21)。ステップS21でYesと判断されると、次のステップS22に進み、転落判定用乱数取得部152は、転落判定用乱数発生部151で発生した転落判定用の乱数を1つ取得する。次いで、ステップS23にて、転落判定部153は、ステップS22で取得した転落判定用の乱数が転落に当選するものであるか否かを、転落判定テーブル154を参照して判断する。転落抽選に当選した場合(ステップS24でYes)には、ステップS25に進み、転落抽選処理部150は、次遊技において「特図低確」に転落させることを決定し、転落フラグをセットする。そして、転落抽選判定処理は終了する。なお、ステップS21でNoの場合、および、ステップS24でNoの場合には、転落抽選判定処理は終了する。
以上のように構成されたパチンコ機で遊技を行った場合に、どのような状況が想定されるかについて、具体例をいくつか挙げて説明する。図19および図20は、想定される状況を時系列に沿って示したものである。まず、本実施形態に係るパチンコ機では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bが左右に離れて設けられており、電動チューリップ49が開閉しない限り第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させることができない。そのため、「特図低確」かつ「普図低確」の状態では、遊技者は、ぶっこみを狙って遊技球を打ち出すことになり、遊技球は、第1始動入賞口37aに入賞し、それを契機とする第1特別図柄当否抽選部119aによる抽選が行われる。
そして、特図当たり当選時の特別図柄の種類に応じて電サポ回数の有無が決まり(図9参照)、大当たり遊技後の遊技回数が電サポ回数に到達するまでは、電サポ中となるので、遊技者は、右打ちにより第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させるように遊技を進めるので、その入賞を契機とする第2特別図柄当否抽選部119bによる抽選が行われるようになる。そして、電サポが終了した場合には、再び、ぶっこみ狙いとなる。これを踏まえて、想定される各ケースについて、以下説明する。
「ケース1」:
ぶっこみ狙いで遊技が行われ、初当たり時に第1特別図柄種類抽選部129aが決定した特別図柄の種類が「確変D」〜「確変H」の何れかとなる(こうなる確率は30%)。そうすると、1回目の大当たり遊技終了後に電サポが77回付与される。転落抽選(当選確率1/30)に当選することなく、なんとか77回以内に2回目の特図当たりに当選する。電サポ中は右打ちするので、特別図柄の種類を問わず、必ず電サポが77回付与される(図9(b)参照)。これが7回目の特図当たり当選まで繰り返して行わると、7回目の特図当たり後に電サポが20回付与される。
このケース1では、遊技者は、転落抽選処理部150が行う転落抽選に当選しないことが要求されるが、見事、転落しないで遊技を進めることができれば、初当たりから7回の大当たり遊技を1セットで獲得することができ、多くの賞球を得ることができる。
「ケース2」:
ぶっこみ狙いで遊技が行われ、初当たり時に第1特別図柄種類抽選部129aが決定した特別図柄の種類が「確変D」〜「確変H」の何れかとなる(こうなる確率は30%)。そうすると、1回目の大当たり遊技終了後に電サポが77回付与される。転落抽選(当選確率1/30)に当選することなく、なんとか77回以内に2回目の特図当たりに当選する。電サポ中は右打ちするので、特別図柄の種類を問わず、必ず電サポが77回付与される(図9(b)参照)。ところが、3回目の特図当たりに基づく大当たり遊技後の20回目の遊技において、転落抽選に当選した(この確率は1/30)ために、遊技状態が「特図高確」から「特図低確」となる。このとき、残り回数カウント部165のカウンタ値はリセットされて7回になっている。これからしばらくは電サポが残っているので、普通図柄に係る遊技状態はまだ「普図高確」である。そして、大当たり遊技後から77回目の遊技が行われると、電サポも終了となるので、遊技状態が「特図低確」かつ「普図低確」の状態となる。電サポが終了となるので、遊技者は右打ちからぶっこみ狙いに遊技球の打ち出しを調整して、再び遊技に挑むことになる。
ケース2では、そこから、見事に初当たりに当選し、その後、ケース1と同様に7連荘の大当たり遊技を獲得した例が示されている。このケース2では、本来であれば7回のリミッタに到達するまで、「特図高確」での遊技が行えるはずであったが、3回目の特図当たり後に転落抽選に当選したために、「特図高確」での遊技が行えなくなってしまったことになる。しかしながら、このような場合であっても、遊技者自らの技量と運によって、転落後に再び初当たりを獲得して、それを含めて7連荘の大当たり遊技を自ら上乗せさせることができるのである。
「ケース3」:
ぶっこみ狙いで遊技が行われ、初当たり時に第1特別図柄種類抽選部129aが決定した特別図柄の種類が「確変A」〜「確変C」の何れかとなる(こうなる確率は70%)。そうすると、1回目の大当たり遊技終了後に電サポが付与されない(電サポが0回)。これにより、初当たり後は「特図高確」かつ「普図低確」の状態、即ち、「内確」の状態となるため、2回目以降の大当たり遊技後に電サポが付与される確率は、特別図柄の種類が「確変H」となる2%しかない。つまり、初当たり時に電サポが0回となった場合には、2回目以降に電サポが付与される確率が低いため、たとえ初当たりから数えて7回の大当たり遊技を獲得できたとしても、大当たり遊技間に多くの遊技球をロスしてしまうため、遊技者にとって有利な状況とは言えない。
ところが、本実施形態では転落抽選処理部150が、「特図高確」のときに、毎遊技、転落抽選を行っているため、初当たり時に電サポが0回の場合、むしろ、転落抽選に当選して遊技状態を「特図低確」に転落させれば、その次の特図当たりは初当たり扱いとなるため、電サポが付与される確率は30%になる。つまり、7回の大当たり遊技を消化するよりも、「特図低確」に転落してリミッタ回数を振り出しに戻した方が、電サポが付与される確率が高くなるので、遊技者に有利である。そして、本実施形態では、転落抽選によって、遊技状態を「特図高確」から「特図低確」に転落させることができるから、遊技者自らの技量と運で不利な局面を打破することができることとなる。
このことがケース3では示されており、詳しく説明すると、初当たりが電サポなしであったため、初当たり〜5回目の特図当たりまで電サポのない状態が続き、せっかく大当たり遊技で賞球を獲得できたのにも拘らず、大当たり遊技間で遊技球を消費していた。ところが、5回目の大当たり遊技後の10回目の遊技で転落抽選に当選(当選確率1/30)したため、遊技状態が「特図低確」かつ「普図低確」となり、リミッタの残り回数がリセットされる。その後、遊技者が自力で電サポ有りの初当たりに当選することにより、ケース1と同様の賞球を獲得できたということが示されている。このケース3のように、本実施形態に係るパチンコ機Pは、転落抽選に当選することで、不利な状況を自力で有利な状況へ変えることができるといったゲーム性を実現することができるのである。
「ケース4」:
ぶっこみ狙いで遊技が行われ、初当たり時に第1特別図柄種類抽選部129aが決定した特別図柄の種類が「確変D」〜「確変H」の何れかとなる(こうなる確率は30%)。そうすると、1回目の大当たり遊技終了後に電サポが77回付与される。転落抽選(当選確率1/30)に当選することなく、なんとか77回以内に2回目の特図当たりに当選する。電サポ中は右打ちするので、特別図柄の種類を問わず、必ず電サポが77回付与される(図9(b)参照)。ところが、3回目の特図当たりに基づく大当たり遊技後の電サポ中に、運悪く特図当たりに当選することができなかったので、遊技者は、3回目の大当たり遊技後に電サポ回数と同じ77回の遊技を行った後で遊技を止めてしまった。
このとき、島設備に設けられた遊技履歴表示器には、特図当たりが3回である旨の表示がなされている。これを見た別の遊技者は、本パチンコ機Pが7回1セットのリミッタ機であることから、現在の遊技状態が「特図高確」となっており、あと4回の大当たり遊技を獲得できる状況であることを予測することができる。しかしながら、遊技履歴表示器には、たいてい大当たり後の遊技回数が表示されており、ケース4ではその遊技回数が77回と表示されているため、現在の遊技状態が、電サポがない「普図低確」の状態、即ち、「内確」(図9(a)参照)であることを遊技者は知ることができる。
この状況では、遊技状態が「特図高確」であるため、特図当たりの当選確率は「特図低確」に比べて高いため有利であるものの、「内確」時に電サポ付きの特図当たりに当選するためには、特別図柄の種類が「確変H」とならなければならず、この確率は、前述したように2%である(図7(a)参照)。そうすると、本実施形態に係るパチンコ機Pは、「特図低確」時の特図当たりの当選確率は1/55であり、「特図高確」時の特図当たりの当選確率は1/23に設定されているということと、「低確」の状態で初当たりとなった場合の電サポ付与確率は30%であるのに対し、「内確」の状態で特図当たりに当選した場合の電サポ付与確率は2%しかないということを比較考量すると、果たしてこの状態から遊技を開始するのが好ましいのかどうかの判断が分かれるところである。そして、好ましいと思わなければ、遊技者は、4回の大当たり遊技が残っているパチンコ機をわざわざ打つことをしない。これでは、パチンコ機の稼動が低下してしまうため、ホールにとっては好ましくない状況である。
しかしながら、本実施形態に係るパチンコ機Pは、転落抽選処理部150による転落抽選が行われるようにしているから、別の遊技者が「内確」の状態から遊技を始めても、自ら遊技状態を「特図低確」に転落させることにより、遊技状態を「特図低確」かつ「普図低確」の状態にすることができる。これにより、初当たり時に30%の確率で電サポが付与されるから、いつ遊技を開始しても、遊技者自らの技量と運で、有利な状況を作り出すことができるのである。
そして、ケース4では、7回1セットのうち3回目の大当たり遊技の後で遊技を止めたが、そこから、別の遊技者が自らの力で転落抽選に当選し、7連荘の大当たり遊技を獲得できた例が示されている。このように、本実施形態に係るパチンコ機Pは、リミッタ機であるにも拘らず、どのタイミングで遊技を開始したとしても、遊技者自らの技量と運で有利な状況を作り出し、7連荘の大当たり遊技を獲得することが可能なのである。
以上、説明したように、本実施形態に係るパチンコ機によれば、転落抽選処理部150による抽選に当選することで遊技状態を「特図低確」に転落させることができ、その転落によって、残り回数カウント部165のカウンタ値が7回に戻るため、リミッタ機において、遊技を開始したときの大当たり遊技の残り回数(リミッタの残り回数)に関係なく、いつ遊技を開始しても同じような利益を遊技者が獲得することが可能となるのである。
また、上記の実施の形態例では、K1=23、K2=55、K3=30、Na=0、Nb=77に設定しているので、特図高確かつ普図高確の下で行われる1回から77回までの間の時短回数内の遊技の途中(例えば、20回目)に、転落抽選に当選して特図低確に移行した場合において、残りの時短回数が77−20=57≧55となる(図19(b)に示すケース2の場合を参照のこと)。このことは、確率論的に言うと、残りの時短回数以内に、特図当たりに1回当選する計算となる。よって、特図低確に転落した場合であっても、時短回数以内にもう一度特図当たりを引き戻すことができるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができる。また、K1<K3<K2となっているので、特図当たりに当選する確率と転落抽選に当選する確率とのバランスが良好に保たれ、遊技者を遊技に惹き付けることができる。
なお、上記した実施の形態例では、Na=0回、Nb=77回と設定したが、Naの値は、Nbの値より小さい回数であれば、例えばNa=10回とするなど任意の回数に設定することができる。