JP2013022731A - 積層体、分離方法、及び製造方法 - Google Patents

積層体、分離方法、及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造プロセス中は強固に接着されており、製造プロセス後には容易に分離することが可能な積層体、分離方法、及び製造方法を提供する。
【解決手段】光透過性のサポートプレート12、サポートプレート12によって支持される、有機物を含む有機物材料層11と、サポートプレート12と有機物材料層11との間に設けられており、サポートプレート12を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層16とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層体、当該積層体の分離方法、当該積層体の製造方法、及び当該積層体を用いた各種装置の製造方法に関する。
特許文献1には、支持体上に固定されたシリコンウェハなどの被研削基材を支持体から剥離するための積層体が記載されている。
また、特許文献2には、被研削基材が支持体上に固定された、光熱変換層を含有する積層体を形成するための光熱変換層前駆体が記載されている。
特開2004−64040号公報(2004年2月26日) 特開2009−155652号公報(2009年7月16日公開)
近年、モバイルパソコン、スマートフォン、電子ペーパー等のポータブルデバイスの普及に伴い、軽くかつ割れないディスプレイのニーズが高まっている。ディスプレイには、従来、ガラス基板が使用されていたが、軽量でかつ割れにくいディスプレイのニーズに応じて、ガラス基板の代わりにフィルム基板が用いられている。
ディスプレイの製造プロセスにおいても、基板を自動搬送するが、フィルム基板は従来のガラス基板よりも薄いため、ガラス基板と同様にフィルム基板を自動搬送するのは困難である。このため、フィルム基板を用いた製造プロセスにおいては、フィルム基板にガラス等のサポートプレートを貼り合わせた積層体を予め作成し、積層体の状態でフィルム基板を自動搬送する。
製造プロセス中は、サポートプレートに貼り合わされたフィルム基板を自動搬送しながら、フィルム基板上に電気回路、表示素子等の構造物を実装する。そして、製造プロセス後に、フィルム基板をサポートプレートから分離する。したがって、製造プロセス中は、フィルム基板とサポートプレートとが強固に接着していることが好ましいが、製造プロセス後には、サポートプレートからフィルム基板を円滑に分離できることが好ましい。
フィルム基板とサポートプレートとを強固に接着した場合、接着材料によっては、フィルム基板上に実装した構造物を破損させることなく、フィルム基板からサポートプレートを分離することは困難である。したがって、製造プロセス中にはフィルム基板とサポートプレートとの強固な接着を実現しつつ、製造プロセス後にはフィルム基板上に実装した素子を破損させることなく分離するという、非常に困難な仮止め技術の開発が求められている。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造プロセス中は強固に接着され、製造プロセス後には容易に分離することが可能な、基板とサポートプレートとの積層体を提供すると共に、当該積層体の分離方法、当該積層体の製造方法、及び当該積層体を用いた各種装置の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る積層体は、光透過性の支持体と、上記支持体によって支持される、有機物を含む有機物材料層と、上記支持体と上記有機物材料層との間に設けられており、上記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層とを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る分離方法は、上記積層体における上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離方法であって、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程を包含していることを特徴としている。
さらに、本発明に係る積層体の製造方法は、上記積層体を製造する方法であって、上記分離層上に上記有機物材料層を形成する有機物材料層形成工程を包含し、上記有機物材料層形成工程においては、上記分離層上に接着層を介して上記有機物からなる層を貼り合わせること、又は上記分離層上に上記有機物を含む溶液を塗布して乾燥させることによって、有機物材料層を形成することを特徴としている。
また、本発明に係るディスプレイフィルムの製造方法は、上記積層体を準備する準備工程と、上記積層体における上記有機物材料層上に、ディスプレイ素子を実装する実装工程と、上記ディスプレイ素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程と、上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程とを包含することを特徴としている。
さらに、本発明に係る太陽電池の製造方法は、上記積層体を準備する準備工程と、上記積層体における上記有機物材料層上に、太陽電池素子を実装する実装工程と、上記太陽電池素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程と、上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程とを包含することを特徴としている。
また、本発明に係るセンサの製造方法は、上記積層体を準備する準備工程と、上記積層体における上記有機物材料層上に、センサ素子を実装する実装工程と、上記センサ素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程と、上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程とを包含することを特徴としている。
さらに、本発明に係る発光装置の製造方法は、上記積層体を準備する準備工程と、上記積層体における上記有機物材料層上に、発光素子を実装する実装工程と、上記発光素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して上記分離層を変質させる光照射工程と、上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程とを包含することを特徴としている。
また、本発明に係る画像スキャナの製造方法は、上記積層体を準備する準備工程と、上記積層体における上記有機物材料層上に、スキャナ素子を実装する実装工程と、上記スキャナ素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して上記分離層を変質させる光照射工程と、上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程とを包含することを特徴としている。
本発明に係る積層体は、光透過性の支持体と、上記支持体によって支持される、有機物を含む有機物材料層と、上記支持体と上記有機物材料層との間に設けられており、上記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層とを備えているので、製造プロセス中は強固に接着された支持体と有機物材料層とを、製造プロセス後には容易に分離することが可能である。
本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法、及びサポートプレートの分離方法を示す図である。 サポートプレートの分離工程を示す図である。
〔積層体〕
本発明に係る積層体の一実施形態について、図1及び2を参照して以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法、及びサポートプレートの分離方法を示す図であり、図2は、サポートプレートの分離工程を示す図である。図1及び2に示すように、積層体1は、サポートプレート(支持体)12と、サポートプレートによって支持される有機物材料層11と、サポートプレート12と有機物材料層11との間に設けられた分離層16とを備えている。また、積層体1は、有機物材料層11とサポートプレート12との間に接着層14を備えていてもよい。
積層体1は、有機物材料層11、接着層14、分離層16、及びサポートプレート12を、この順に積層してなり、有機物材料層11は接着層14及び分離層16を介してサポートプレート12に仮止めされている。
(有機物材料層11)
有機物材料層11は、有機物を含む、可撓性を有するフレキシブルな層であり、フィルム基板、フレキシブル基板等として使用されるものである。有機物材料層11は、ガラス基板等と比較して可撓性が高く、軽量でかつ割れにくいため、ディスプレイ、太陽電池、照明装置、圧力センサ、画像スキャナ等のフィルム材料として好適に用いられ得る。
有機物材料層11に含まれる有機物は、ポリマーである。有機物材料層11は、上述した有機物を含む有機物材料を予めフィルム状に形成したものを用いてもよいし、分離層16上に有機物材料の液体等を塗布してフィルム状に固化したものを用いてもよい。有機物材料層11に含まれる有機物は、有機物材料層11の用途に応じて適宜選択することができる。また、有機物材料層11の層厚も、有機物材料層11の用途に応じて適宜選択することができる。
また、フィルム状で用いるポリマーの例としては、ポリエステル(例えば、PET又はポリエチレンナフタレート)、ポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、高密度又は低密度のポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエチレンスルフィド及び環状オレフィンポリマー(例えば、トーパス・アドバンスト・ポリマーズ(Topas Advanced Polymers)製トーパス(TOPAS)(登録商標)及びゼオン・ケミカルズ(Zeon Chemicals,L.P.)製ゼオノール(ZEONOR)(登録商標))のような熱可塑性フィルムセルロース誘導体、並びにポリイミド、ポリイミドベンゾキサゾール及びポリベンゾキサゾールのような熱硬化性フィルムを含む可撓性プラスチック材料が挙げられる。
また、有機物材料の液体等を塗布してフィルム状に固化する場合のその材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(例えば、VICTREX(登録商標))及びポリエーテルイミド(PEI)(例えば、Ultem(登録商標))が挙げられる。
(サポートプレート12)
サポートプレート12は、有機物材料層11を支持する支持体であり、光透過性を有している。これは、積層体1の外側から光を照射したときに、当該光がサポートプレート12を通過して分離層16に到達することを目的としている。したがって、サポートプレート12は、必ずしも全ての光を透過させる必要はなく、分離層16に吸収されるべき(所望の波長を有している)光を透過させることができればよい。
また、サポートプレート12は、有機物材料層11を支持する構成である。よってサポートプレート12は、有機物材料層11への素子等の実装、有機物材料層11の搬送等の場合に、有機物材料層11の破損又は変形を防ぐために必要な強度を有していればよい。
以上のような観点から、サポートプレート12としては、ガラス、シリコン、アクリルからなるもの等が挙げられるが、上述の目的を果たし得る構成であれば、サポートプレート12として採用し得る。サポートプレート12がシリコン板である場合には、波長が2μm以上の赤外線を透過させることができる。
(分離層16)
分離層16は、サポートプレート12を介して照射される光を吸収することによって変質する。本明細書において、分離層16が「変質する」とは、分離層16をわずかな外力を受けて破壊され得る状態、又は分離層16と接する層との接着力が低下した状態にさせる現象を意味する。また、分離層16の変質は、吸収した光のエネルギーによる(発熱性又は非発熱性の)分解、架橋、立体配置の変化又は官能基の解離(そして、これらにともなう分離層の硬化、脱ガス、収縮又は膨張)等であり得る。分離層16の変質は、分離層16を構成する材料による光の吸収の結果として生じる。よって、分離層16の変質の種類は、分離層16を構成する材料の種類に応じて変化し得る。
分離層16は、サポートプレート12における、接着層14を介して有機物材料層11が貼り合わされる側の表面に設けられている。すなわち、分離層16は、サポートプレート12と接着層14との間に設けられている。そのため、サポートプレート12を介して分離層16に照射された光が有機物材料層11に到達することを防ぐことができる。有機物材料層11における接着層14と接する面に、たとえば、保護すべき微細構造などが形成されている場合に、このような微細構造が光の照射によって悪影響を受けることを防ぐことができる。
分離層16の厚さは、例えば、0.1〜50μmであることがより好ましく、0.1〜10μmの厚さであることがさらに好ましい。分離層16の厚さが0.1〜50μmの範囲内に収まっていれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射によって、分離層16を所望のように変質させることができる。
なお、積層体1において、分離層16とサポートプレート12との間に他の層がさらに形成されていてもよい。この場合、他の層は光を透過する材料から構成されていればよい。これによって、分離層16への光の入射を妨げることなく、積層体1に好ましい性質などを付与する層を、適宜追加することができる。分離層16を構成している材料の種類によって、用い得る光の波長が異なる。よって、他の層を構成する材料は、すべての光を透過させる必要はなく、分離層16を構成する材料を変質させ得る波長の光を透過させることができる材料から適宜選択し得る。
また、接着層14を構成する材料として光吸収性の構造を有する材料を選択することによって、接着層14及び分離層16を同一層として形成することも可能である。さらに、分離層16は、光を吸収する構造を有する材料のみから形成されていることが好ましいが、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、光を吸収する構造を有していない材料を添加して、分離層16を形成してもよい。また、分離層16における接着層14に対向する側の面が平坦である(凹凸が形成されていない)ことが好ましく、これにより、分離層16の形成が容易に行なえ、且つ貼り付けにおいても均一に貼り付けることが可能となる。
分離層16は、以下に示すような分離層16を構成する材料を予めフィルム状に形成したものをサポートプレート12に貼り合わせて用いてもよいし、サポートプレート12上に分離層16を構成する材料を塗布してフィルム状に固化したものを用いてもよい。サポートプレート12上に分離層16を構成する材料を塗布する方法は、分離層16を構成する材料の種類に応じて、従来公知の方法から適宜選択することができる。
分離層16は、レーザから照射される光を吸収することによって変質するものであってもよい。すなわち、分離層16を変質させるために分離層16に照射される光は、レーザから照射されたものであってもよい。分離層16に照射する光を発射するレーザの例としては、YAGレーザ、リビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光等が挙げられる。分離層16に照射する光を発射するレーザは、分離層16を構成している材料に応じて適宜選択することが可能であり、分離層16を構成する材料を変質させ得る波長の光を照射するレーザを選択すればよい。
<光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体>
分離層16は、光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体を含有していてもよい。当該重合体は、光の照射を受けて変質する。当該重合体の変質は、上記構造が照射された光を吸収することによって生じる。分離層16は、重合体の変質の結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート12を持ち上げるなど)ことによって、分離層16が破壊されて、サポートプレート12と有機物材料層11とを容易に分離することができる。
光吸収性を有している上記構造は、光を吸収して、繰返し単位として当該構造を含んでいる重合体を変質させる化学構造である。当該構造は、例えば、置換もしくは非置換のベンゼン環、縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含んでいる原子団である。より詳細には、当該構造は、カルド構造、又は上記重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造、ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造(ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造もしくはジフェニルアミン構造であり得る。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在する場合、当該構造は以下の式によって表され得る。
Figure 2013022731
式中、Rはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ハロゲン、水酸基、ケトン基、スルホキシド基、スルホン基又はN(R)(R)であり(ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)、Zは、存在しないか、又はCO−、−SO−、−SO−もしくは−NH−であり、nは0又は1〜5の整数である。
また、上記重合体は、例えば、以下の式のうち、(a)〜(d)のいずれかによって表される繰返し単位を含んでいるか、(e)によって表されるか、又は(f)の構造をその主鎖に含んでいる。
Figure 2013022731
式中、lは1以上の整数であり、mは0又は1〜2の整数であり、Xは、(a)〜(e)において上記の“化1”に示した式のいずれかであり、(f)において上記の“化1”に示した式のいずれかであるか、又は存在せず、Y及びYはそれぞれ独立して、−CO−又はSO−である。lは好ましくは10以下の整数である。
上記の“化1”に示されるベンゼン環、縮合環及び複素環の例としては、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、アントラキノン、置換アントラキノン、アクリジン、置換アクリジン、アゾベンゼン、置換アゾベンゼン、フルオリム、置換フルオリム、フルオリモン、置換フルオリモン、カルバゾール、置換カルバゾール、N−アルキルカルバゾール、ジベンゾフラン、置換ジベンゾフラン、フェナンスレン、置換フェナンスレン、ピレン及び置換ピレンが挙げられる。例示した置換基が置換を有している場合、その置換基は、例えば、アルキル、アリール、ハロゲン原子、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルアミノ及びアリールアミノから選択される。
上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,6‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2‐ヒドロキシフェニル)スルホン、及びビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。
上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシドなどが挙げられる。
上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−C(=O)−である場合の例としては、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,5,6’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,6‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、4‐アミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジエチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐4’‐メトキシ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノン、及び4‐ジメチルアミノ‐3’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在している場合、上記構造を含んでいる繰返し単位の、上記重合体に占める割合は、分離層16の光の透過率が0.001〜10%になる範囲にある。当該割合がこのような範囲に収まるように重合体が調製されていれば、分離層16が十分に光を吸収して、確実かつ迅速に変質し得る。すなわち、積層体1からのサポートプレート12の除去が容易であり、当該除去に必要な光の照射時間を短縮させることができる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な光の波長は、100〜2000nmであることがより好ましい。この範囲のうち、上記構造が吸収可能な光の波長は、より短波長側であり、例えば、100〜500nmである。例えば、上記構造は、好ましくは約300〜370nmの波長を有している紫外光を吸収することによって、当該構造を含んでいる重合体を変質させ得る。
上記構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長:254nm〜436nm)、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマレーザ(波長:193nm)、F2エキシマレーザ(波長:157nm)、XeClレーザ(308nm)、XeFレーザ(波長:351nm)もしくは固体UVレーザ(波長:355nm)から発せられる光、又はg線(波長:436nm)、h線(波長:405nm)もしくはi線(波長:365nm)などである。
上述した分離層16は、繰り返し単位として上記構造を含んでいる重合体を含有しているが、分離層16はさらに、上記重合体以外の成分を含み得る。当該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート12の剥離性を向上し得る成分などが挙げられる。これらの成分は、上記構造による光の吸収、及び重合体の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
<無機物>
分離層16は、無機物からなっていてもよい。分離層16は、無機物によって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート12を持ち上げる等)ことによって、分離層16が破壊されて、サポートプレート12と有機物材料層11とを容易に分離することができる。
上記無機物は、光を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、金属、金属化合物及びカーボンからなる群より選択される1種類以上の無機物を好適に用いることができる。金属化合物とは、金属原子を含む化合物を指し、例えば、金属酸化物、金属窒化物であり得る。このような無機物の例示としては、これに限定されるものではないが、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、SiO、SiN、Si、TiN、及びカーボンからなる群より選ばれる1種類以上の無機物が挙げられる。なお、カーボンとは炭素の同素体も含まれ得る概念であり、例えば、ダイヤモンド、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ等であり得る。
上記無機物は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層16に用いた無機物が吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、上記無機物を好適に変質させ得る。
無機物からなる分離層16に照射する光としては、上記無機物が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、リビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。
無機物からなる分離層16は、例えばスパッタ、化学蒸着(CVD)、メッキ、プラズマCVD、スピンコート等の公知の技術により、サポートプレート12上に形成され得る。無機物からなる分離層16の厚さは特に限定されず、使用する光を十分に吸収し得る膜厚であればよいが、例えば、0.1〜10μmの膜厚とすることがより好ましい。また、分離層16を構成する無機物からなる無機膜(例えば、金属膜)の両面又は片面に予め接着剤を塗布し、サポートプレート12及び有機物材料層11に貼り付けてもよい。
なお、分離層16として金属膜を使用する場合には、分離層16の膜質、レーザ光源の種類、レーザ出力等の条件によっては、レーザの反射や膜への帯電等が起こり得る。そのため、反射防止膜や帯電防止膜を分離層16の上下又はどちらか一方に設けることで、それらの対策をとることが好ましい。
<赤外線吸収性の構造を有する化合物>
分離層16は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていてもよい。当該化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。分離層16は、化合物の変質の結果として、赤外線の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(たとえば、サポートプレートを持ち上げるなど)ことによって、分離層16が破壊されて、サポートプレート12と有機物材料層11とを容易に分離することができる。
赤外線吸収性を有している構造又は赤外線吸収性を有している構造を含む化合物としては、たとえば、アルカン、アルケン(ビニル、トランス、シス、ビニリデン、三置換、四置換、共役、クムレン、環式)、アルキン(一置換、二置換)、単環式芳香族(ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコール及びフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合、飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタール、ケタール、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ビニルエーテル、オキシラン環エーテル、過酸化物エーテル、ケトン、ジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンのエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体、カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル、酢酸エステル、共役エステル、非共役エステル、芳香族エステル、ラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物、芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム、第一級アミン(脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、カルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステル、チオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、ニトロソアミン、硝酸エステル、亜硝酸エステル、ニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタン及びチオフェノール及びチオール酸などの硫黄化合物、チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル、炭素−ハロゲン結合、Si−A結合(Aは、H、C、O又はハロゲン)、P−A結合(Aは、H、C又はO)、又はTi−O結合であり得る。
上記炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、たとえば、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF−、−CF、−CH=CF、−CF=CF、フッ化アリール、及び塩化アリールなどが挙げられる。
上記Si−A結合を含む構造としては、SiH、SiH、SiH、Si−CH、Si−CH−、Si−C、SiO脂肪族、Si−OCH、Si−OCHCH、Si−OC、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF、及びSiFなどが挙げられる。Si−A結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格及びシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。
上記P−A結合を含む構造としては、PH、PH、P−CH、P−CH−、P−C、A −P−O(Aは脂肪族又は芳香族)、(AO)−P−O(Aはアルキル)、P−OCH、P−OCHCH、P−OC、P−O−P、P−OH、及びO=P−OHなどが挙げられる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。たとえば、上記構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1μm〜20μmの範囲内であり、2μm〜15μmの範囲内をより好適に吸収できる。さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合及びTi−O結合である場合には、9μm〜11μmの範囲内であり得る。なお、各構造が吸収できる赤外線の波長は当業者であれば容易に理解することができる。たとえば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物のスペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁〜第151頁の記載を参照することができる。
分離層16の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、上述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶媒に溶解でき、固化されて固層を形成できるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、分離層16における化合物を効果的に変質させ、サポートプレート12と有機物材料層11との分離を容易にするには、分離層16における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、分離層16に赤外線を照射した際の赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、分離層16における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。
一例を挙げて説明すれば、シロキサン骨格を有する化合物としては、たとえば、下記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂、あるいは下記式(1)で表される繰り返し単位及びアクリル系化合物由来の繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 2013022731
(式(2)中、Rは、水素、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基である)
中でも、シロキサン骨格を有する化合物としては、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位の共重合体であるtert−ブチルスチレン(TBST)−ジメチルシロキサン共重合体がより好ましく、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位を1:1で含む、TBST−ジメチルシロキサン共重合体がさらに好ましい。
Figure 2013022731
また、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、たとえば、下記式(4)で表される繰り返し単位及び下記式(5)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 2013022731
(式(4)中、Rは、水素又は炭素数1以上、10以下のアルキル基であり、式(5)中、Rは、炭素数1以上、10以下のアルキル基、又はフェニル基である)
シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、このほかにも、特許文献3:特開2007−258663号公報(2007年10月4日公開)、特許文献4:特開2010−120901号公報(2010年6月3日公開)、特許文献5:特開2009−263316号公報(2009年11月12日公開)及び特許文献6:特開2009−263596号公報(2009年11月12日公開)において開示されている各シルセスキオキサン樹脂を好適に利用できる。
中でも、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、下記式(6)で表される繰り返し単位及び下記式(7)で表される繰り返し単位の共重合体がより好ましく、下記式(6)で表される繰り返し単位及び下記式(7)で表される繰り返し単位を7:3で含む共重合体がさらに好ましい。
Figure 2013022731
シルセスキオキサン骨格を有する重合体としては、ランダム構造、ラダー構造、及び籠型構造があり得るが、何れの構造であってもよい。
また、Ti−O結合を含む化合物としては、たとえば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、及びチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレートなどのアルコキシチタン、(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、及びプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などのキレートチタン、(iii)i−CO−[−Ti(O−i−C−O−]n −i−C、及びn−CO−[−Ti(O−n−C−O−]−n−Cなどのチタンポリマー、(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、及び(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタンなどのアシレートチタン、(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタンなどの水溶性チタン化合物などが挙げられる。
中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC[OCN(COH))が好ましい。
上述した分離層16は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有しているが、分離層16はさらに、上記化合物以外の成分を含み得る。当該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート12の剥離性を向上し得る成分などが挙げられる。これらの成分は、上記構造による赤外線の吸収、及び化合物の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
<フルオロカーボン>
分離層16は、フルオロカーボンからなっていてもよい。分離層16は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート12を持ち上げるなど)ことによって、分離層16が破壊されて、サポートプレート12と有機物材料層11とを容易に分離することができる。
また、一つの観点からいえば、分離層16を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD法によって好適に成膜され得る。なお、フルオロカーボンは、CxFy(パーフルオロカーボン)及びCxHyFz(x、y及びzは整数)を含み、これらに限定されないが、例えば、CHF、CH、C、C、CF、C、C等で有り得る。また、分離層16を構成するために用いるフルオロカーボンに対して、必要に応じて窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス、酸素、アルカン、アルケンなどの炭化水素、及び、二酸化炭素、水素を添加してもよい。また、これらのガスを複数混合して用いてもよい(フルオロカーボン、水素、窒素の混合ガス等)。また、分離層16は、単一種のフルオロカーボンから構成されていてもよいし、2種類以上のフルオロカーボンから構成されていてもよい。
フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層16に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。なお、分離層16における光の吸収率は80%以上であることが好ましい。
分離層16に照射する光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、リビーレーザ、ガラスレーザ、YVO4レーザ、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレー
ザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の範囲のものを用いることができる。
<赤外線吸収物質>
分離層16は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。分離層16は、赤外線吸収物質を含有して構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート12を持ち上げる等)ことによって、分離層16が破壊されて、サポートプレート12と有機物材料層11とを容易に分離することができる。
赤外線吸収物質は、赤外線を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子を好適に用いることができる。赤外線吸収物質は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層16に用いた赤外線吸収物質が吸収する範囲の波長の光を分離層16に照射することにより、赤外線吸収物質を好適に変質させ得る。
(接着層14)
接着層14は、有機物材料層11をサポートプレート12に接着固定すると同時に、有機物材料層11の表面を覆って保護する構成である。よって、接着層は、有機物材料層11の加工又は搬送の際に、サポートプレート12に対する有機物材料層11の固定、及び有機物材料層11の保護すべき面の被覆を維持する接着性及び強度を有している必要がある。一方で、サポートプレート12に対する有機物材料層11の固定が不要になったときに、有機物材料層11から容易に剥離又は除去され得る必要がある。
したがって、接着層14は、通常は強固な接着性を有しており、何らかの処理によって接着性が低下するか、又は特定の溶剤に対する可溶性を有する接着剤によって構成される。接着剤として、例えばアクリル系、ノボラック系、ナフトキサン系、炭化水素系、ポリイミド系等の、当該分野において公知の種々の接着剤が、本発明に係る接着層14を構成する接着剤として使用可能である。以下では、本実施の形態における接着層14が含有する樹脂の組成について説明する。
接着層14が含有する樹脂としては、接着性を備えたものであればよく、例えば、炭化水素樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、マレイミド系樹脂等、又はこれらを組み合わせたものなどが挙げられる。
<炭化水素樹脂>
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、ならびに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
樹脂(A)としては、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を重合してなる樹脂であってもよい。具体的には、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を付加(共)重合させた樹脂などが挙げられる。
樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエンなどの三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、シクロペンタジエン三量体などの五環体、テトラシクロペンタジエンなどの七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)置換体、アルケニル(ビニルなど)置換体、アルキリデン(エチリデンなど)置換体、アリール(フェニル、トリル、ナフチルなど)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。
樹脂(A)を構成する単量体成分は、上述したシクロオレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、例えば、アルケンモノマーを含有することが好ましい。アルケンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、α−オレフィンなどが挙げられる。アルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解、熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。
なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィン系モノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制するうえで好ましい。
単量体成分を重合する際の重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。
樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス社製の「TOPAS」、三井化学社製の「APEL」、日本ゼオン社製の「ZEONOR」及び「ZEONEX」、JSR社製の「ARTON」などが挙げられる。
樹脂(A)のガラス転移点(Tg)は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移点が60℃以上であると、接着剤積層体が高温環境に曝されたときに接着剤層の軟化をさらに抑制することができる。
樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン・インデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂が好ましい。
樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることが好ましい。樹脂(B)の軟化点が80℃以上であると、接着剤積層体が高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。一方、樹脂(B)の軟化点が160℃以下であると、接着剤積層体を剥離する際の剥離速度が良好なものとなる。
樹脂(B)の分子量は特に限定されないが、300〜3000であることが好ましい。樹脂(B)の分子量が300以上であると、耐熱性が充分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の分子量が3000以下であると、接着剤積層体を剥離する際の剥離速度が良好なものとなる。なお、本実施形態における樹脂(B)の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
なお、樹脂として、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性及び剥離速度が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)であることが、剥離速度、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。
<アクリル−スチレン系樹脂>
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の鎖状又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
<マレイミド系樹脂>
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−te
rt−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドなどのアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
たとえば、下記式(8)で表される繰り返し単位及び下記式(9)で表される繰り返し単位の共重合体であるシクロオレフィンコポリマーを接着成分の樹脂として用いることができる。
Figure 2013022731
(式(9)中、nは0又は1〜3の整数である。)
なお、このようなシクロオレフィンコポリマーとしては、APL 8008T、APL
8009T、及びAPL 6013T(全て三井化学社製)などを使用できる。
なお、光硬化性樹脂(たとえば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着層14を形成することが好ましい。これは、光硬化性樹脂が、接着層14の剥離又は除去の後に、有機物材料層11の微小な凹凸の周辺に残渣として残ってしまう場合があり得るからである。特に、特定の溶剤に溶解する接着剤が接着層14を構成する材料として好ましい。これは、有機物材料層11に物理的な力を加えることなく、接着層14を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着層14の除去に際して、強度が低下した有機物材料層11からでさえ、有機物材料層11を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着層14を除去することができる。
上述した分離層、接着層を形成する際の希釈溶剤として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数3から15の分岐状の炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
〔積層体の分離方法〕
本発明に係る分離方法は、積層体1における有機物材料層11からサポートプレート12を分離する分離方法であって、サポートプレート12を介して分離層16に光を照射して、分離層16を変質させる光照射工程を包含している。本発明に係る分離方法の一実施形態について、図1及び2を参照して以下に説明する。
図1に示すように、有機物材料層11に素子等の各種構造物を実装する等の有機物材料層11の加工が終わった後に、サポートプレート12側の面から積層体1にレーザからの光が照射される(光照射工程)(図1の(4)レーザ照射)。レーザからの光の照射を受けると(図2の(1)レーザ照射)、分離層16は変質を起こす(図2の(2)分離層の変質)。ここでは、変質は、分離層16に含まれている化合物の分解であるとして説明する。
つぎに有機物材料層11からサポートプレート12を剥離する(図1の(5)剥がし工程)。変質した分離層16は、その強度が著しく低下している。したがって、たとえば、わずかな外力を加えてサポートプレート12を引き上げることによって、分離層16が容易に破壊されて、サポートプレート12が積層体1から剥離される(図2の(3)サポートプレート剥離)。
残された接着層14に溶剤を噴霧して、有機物材料層11上の接着層14を除去する(図1の(6)洗浄)。ここで、サポートプレート12の剥離後に接着層14に分離層16の残りが付着している場合がある。少量の分離層16の残りが付着しているだけであれば、上述のように接着層14を溶解させる溶剤を噴霧すればよい。しかし、その前に分離層16の材料を溶解させる溶剤を噴霧してもよい。
以上のように、積層体1は、上述のような分離層16を備えているので、光の照射によって、有機物材料層11からサポートプレート12を容易に剥離することができる。
なお、光の照射は、必ずしも分離層16の全領域に対してなされる必要はない。光が照射された領域と照射されていない領域とが混在していても、分離層16全体としての強度が十分に低下していれば、わずかな外力を加えてサポートプレートを引き上げることによって、分離層16が容易に破壊されて、サポートプレート12を積層体1から剥離することができる。
光を照射する領域と照射しない領域との比率及び位置関係は、分離層16を形成する化合物の種類、分離層の厚さ、照射する光の強度等によって異なるが、当業者であれば、過度の試験を要することなく、適宜条件を設定できる。このように、分離層16の一部にのみ光を照射する場合であってもサポートプレートを分離することができるため、積層体1あたりにかかる光の総照射時間を短くでき、その結果、分離処理に要する時間を短縮することができる。
〔積層体の製造方法〕
本発明に係る積層体の製造方法は、上述した積層体を製造する方法であって、分離層16上に有機物材料層11を形成する有機物材料層形成工程を包含し、有機物材料層形成工程においては、分離層16上に接着層14を介して有機物からなる層を貼り合わせること、又は分離層16上に有機物を含む溶液を塗布して乾燥させることによって、有機物材料層11を形成する。本発明に係る積層体の製造方法の一実施形態について、図1及び2を参照して以下に説明する。
図1に示すように、まず、所望の材料により形成された有機物材料層11のうち、後の工程において素子等の構造物を搭載する面に対向する面に対して接着剤13をスピン塗布する(図1の(1)接着剤塗布)。接着剤13は、たとえば、溶剤に溶解させた状態で有機物材料層11に塗布される。そして、温度を上昇させつつ段階的にベークすることによって接着剤13が固化されて接着層14が形成される。
一方で、サポートプレート12の一方の面に、分離層16を形成する。本実施形態においては、分離層16を形成する材料として、光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体を含有した分離層材料15を用いた。このような分離層材料15を溶剤に溶解させてスピン塗布する(図1の(2)分離層形成)。そして、溶剤を蒸発させることによって、固化されて分離層16が形成される。
次いで、有機物材料層11の一方の面に形成された接着層14と、サポートプレート12の一方の面に形成された分離層16とが面接触するように、サポートプレート12を有機物材料層11に貼り付ける(図1の(3)分離層付サポートプレート貼り付け)。ここでは、接着層14に分離層16を接触させて、200℃の真空中において加圧することによって、接着層14と分離層16との貼り付けが行われる。
以上のようにして、図2に示すように、有機物材料層11、接着層14、分離層16、及びサポートプレート12が、この順に積層された積層体1を製造することができる。
また、有機物材料層11を構成する材料を分離層16上に塗布し、接着層14を介することなく、有機物材料層11を分離層16上に形成してもよい。なお、当該材料には接着性の材料を含有させてもよい。
また、サポートプレート12上に形成された分離層16上に、接着層14及び有機物材料層11を構成する材料をそれぞれ順に塗布及び乾燥させることによって、積層体1を製造してもよい。
なお、有機物材料層11の状態(表面の凹凸、強度など)、接着層14の材料、分離層16の材料、及びサポートプレート12の材料などにしたがって、接着層14及び分離層16の形成手法、接着層14と分離層16との貼り付け手法は、従来公知の種々の手法から、好適なものが適宜選択される。
〔各種装置の製造方法〕
(ディスプレイフィルム)
本発明に係るディスプレイフィルムの製造方法は、上述した積層体1を準備する準備工程と、積層体1における有機物材料層11上に、ディスプレイ素子を実装する実装工程と、上記ディスプレイ素子が実装された積層体1において、サポートプレート12を介して分離層16に光を照射して、分離層16を変質させる光照射工程と、有機物材料層11からサポートプレート12を分離する分離工程とを包含する。したがって、ディスプレイフィルムに適した、例えばポリイミド等を含む材料により形成した有機物材料層11を含む積層体1を用いることによって、より容易にディスプレイフィルムを製造することができる。
すなわち、有機物材料層11上にディスプレイ素子を実装するプロセス中は、有機物材料層11がサポートプレート12に強固に接着されているので、有機物材料層11の処理及び搬送が容易である。一方で、プロセス後には、有機物材料層11とサポートプレート12とを容易に分離することができる。したがって、有機物材料層11上に実装したディスプレイ素子を破損させることなく、容易にディスプレイフィルムを製造することができる。なお、本明細書中において、ディスプレイ素子とは、ディスプレイフィルムに実装される各種素子又は構造物を意図しており、表示素子のみならず、トランジスタ、有機EL材料、カラーフィルタ、液晶、電子ペーパー向け材料等も含まれる。
(太陽電池)
本発明に係る太陽電池の製造方法は、上述した積層体1を準備する準備工程と、積層体1における有機物材料層11上に、太陽電池素子を実装する実装工程と、上記太陽電池素子が実装された積層体1において、サポートプレート12を介して分離層16に光を照射して、分離層16を変質させる光照射工程と、有機物材料層11からサポートプレート12を分離する分離工程とを包含する。したがって、太陽電池に適した材料により形成した有機物材料層11を含む積層体1を用いることによって、より容易に太陽電池を製造することができる。
すなわち、有機物材料層11上に太陽電池素子を実装するプロセス中は、有機物材料層11がサポートプレート12に強固に接着されているので、有機物材料層11の処理及び搬送が容易である。一方で、プロセス後には、有機物材料層11とサポートプレート12とを容易に分離することができる。したがって、有機物材料層11上に実装した太陽電池素子を破損させることなく、容易に太陽電池を製造することができる。なお、本明細書中において、太陽電池素子とは、太陽電池に実装される各種素子又は構造物を意図しており、光電変換素子等が含まれる。
(センサ)
本発明に係るセンサの製造方法は、上述した積層体1を準備する準備工程と、積層体1における有機物材料層11上に、センサ素子を実装する実装工程と、上記センサ素子が実装された積層体1において、サポートプレート12を介して分離層16に光を照射して、分離層16を変質させる光照射工程と、有機物材料層11からサポートプレート12を分離する分離工程とを包含する。したがって、センサに適した材料により形成した有機物材料層11を含む積層体1を用いることによって、より容易にセンサを製造することができる。
すなわち、有機物材料層11上にセンサ素子を実装するプロセス中は、有機物材料層11がサポートプレート12に強固に接着されているので、有機物材料層11の処理及び搬送が容易である。一方で、プロセス後には、有機物材料層11とサポートプレート12とを容易に分離することができる。したがって、有機物材料層11上に実装したセンサ素子を破損させることなく、容易にセンサを製造することができる。なお、本明細書中において、センサ素子とは、センサに実装される各種素子又は構造物を意図しており、例えば、製造するセンサが圧力センサの場合には、圧電変換素子等が含まれる。
(発光装置)
本発明に係る発光装置の製造方法は、上述した積層体1を準備する準備工程と、積層体1における有機物材料層11上に、発光素子を実装する実装工程と、上記発光素子が実装された積層体1において、サポートプレート12を介して分離層16に光を照射して、分離層16を変質させる光照射工程と、有機物材料層11からサポートプレート12を分離する分離工程とを包含する。したがって、発光装置に適した材料により形成した有機物材料層11を含む積層体1を用いることによって、より容易に発光装置を製造することができる。
すなわち、有機物材料層11上に発光素子を実装するプロセス中は、有機物材料層11がサポートプレート12に強固に接着されているので、有機物材料層11の処理及び搬送が容易である。一方で、プロセス後には、有機物材料層11とサポートプレート12とを容易に分離することができる。したがって、有機物材料層11上に実装した発光素子を破損させることなく、容易に発光装置を製造することができる。なお、本明細書中において、発光素子とは、発光装置に実装される各種素子又は構造物を意図しており、例えば、LED,半導体レーザ、有機EL等の素子が挙げられる。
(画像スキャナ)
本発明に係る画像スキャナの製造方法は、上述した積層体1を準備する準備工程と、積層体1における有機物材料層11上に、スキャナ素子を実装する実装工程と、上記スキャナ素子が実装された積層体1において、サポートプレート12を介して分離層16に光を照射して、分離層16を変質させる光照射工程と、有機物材料層11からサポートプレート12を分離する分離工程とを包含する。したがって、画像スキャナに適した材料により形成した有機物材料層11を含む積層体1を用いることによって、より容易に画像スキャナを製造することができる。
すなわち、有機物材料層11上にスキャナ素子を実装するプロセス中は、有機物材料層11がサポートプレート12に強固に接着されているので、有機物材料層11の処理及び搬送が容易である。一方で、プロセス後には、有機物材料層11とサポートプレート12とを容易に分離することができる。したがって、有機物材料層11上に実装したスキャナ素子を破損させることなく、容易に画像スキャナを製造することができる。なお、本明細書中において、スキャナ素子とは、画像スキャナに実装される各種素子又は構造物を意図しており、電光変換素子等が含まれる。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
〔実施例1〕
積層体を以下のように作製し、分離性の評価を行った。
(分離層の製膜)
プラズマCVD装置において、厚さ0.7mmの板状の非可撓性のサポートプレート上に、CHFガスを用いて、フルオロカーボンの膜を成膜した。これにより、厚さ1μmの分離層をサポートプレート上に形成した。
(積層体の作製)
次に、有機物材料層として、50μmの厚さのポリイミドフィルム(製品名:カプトンHタイプ、東レ・デュポン社製)を準備し、当該ポリイミドフィルム上に、接着層がベーク後に10μmの厚さになる量の炭化水素系の接着剤を塗布した。そして、90℃,160℃及び220℃のそれぞれにおいて、段階的に10〜20分間ずつベークしてポリイミドフィルム上に接着層を形成した。分離層及び接着層を、200℃において、互いに向かい合わせにして貼り合わせることによって、積層体を作製した。
(分離性の評価)
上述したように作製した積層体に、以下の処理を施した上で、サポートプレートを有機物材料層から分離し得るか否かについて評価した。
上述のようにして得られた積層体を、ディスプレイフィルムの製造プロセスの熱履歴を想定して、窒素ガス中において250℃にて1時間キュアリングした。その後、532nmの波長を有するグリーンレーザを、積層体のサポートプレート側から分離層に向けて照射した。具体的には、ビーム形状が60μm、照射ピッチが120μm、平均出力が0.6W、送り速度が3000mm/secである532nmのレーザを、30kHz及び50kHzのパルス周波数で積層体上の2箇所に照射した。レーザのスキャン回数は1回であった。
その結果、分離層はレーザ照射を受けて変質し、サポートプレートを単に持ち上げるだけで、サポートプレートは有機物材料層から容易に分離した。また、サポートプレートを分離した後、サポートプレート及び接着層の表面を目視で観察したところ、接着層上にフルオロカーボンが変質した黒色の粉体が若干みられた以外には、残渣はなかった。
以上のように、積層体の分離層をフルオロカーボンによって形成することにより、当該分離層をレーザ照射によって変質させて、非常に容易に有機物材料層をサポートプレートから分離することができた。
〔実施例2〜5〕
実施例2〜5のそれぞれについて、分離層を構成する材料、分離層の膜厚、分離層の製膜方法、分離工程において使用する光源の波長、及び光照射条件を以下の表に示した。表に示した以外の点については、上述した実施例1と同様として積層体を作製した。この積層体に実施例1と同様に、サポートプレート側からレーザ照射した、その結果、分離層は変質し、非常に容易に有機物材料層をサポートプレートから分離することができた。
実施例1〜5の積層体の構成、処理条件、及び分離性の評価結果を表1に示す。
Figure 2013022731
なお、実施例2の樹脂1として、下記の式によって表せられるシロキサン骨格を有するtert−ブチルスチレン(Mw=8000、m:n=1:1)を用いた。
Figure 2013022731
また、実施例3の樹脂2として、下記の式によって表せられるカルド構造を繰り返し単位に有している樹脂(Mw=4000、Mw/Mn=3.3)を用いた。
Figure 2013022731
実施例5の樹脂3の組成は以下の通りである。
Figure 2013022731
上記組成中の樹脂(A−1)を以下のとおり合成した。
まず、500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量235)235g、テトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを仕込み、これに25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全溶解させた。この際、溶液は次第に透明粘稠になったが、そのまま撹拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱撹拌を続けた。酸価が目標値に達するまで12時間を要した。その後、室温まで冷却し、無色透明で固体状の、下記式(a−4)で表されるビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
Figure 2013022731
次いで、このようにして得られた上記のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート307.0gに、3−メトキシブチルアセテート600gを加えて溶解した後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物80.5g及び臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合し、90℃で6時間反応させ、カルド構造を繰り返し単位に有している樹脂(A−1)を得た。酸無水物基の消失はIRスペクトルにより確認した。
また、実施例5の混合溶媒として、3−メトシキブチルアセテート/シクロヘキサンノン=2/1を用いた。
〔実施例6〕
(分離層の作製)
実施例1と同様の処理を実施し、サポートプレート上に分離層を形成した。
(有機物材料溶液の作製)
ポリエーテルイミド(製品名:ウルテム、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン社製)を固形分濃度が20wt%となるようにN−メチルピロリドンに溶解し、有機物材料溶液を得た。
(積層体の作製)
サポートプレート上に形成された分離層上に、乾燥後に有機物材料層が30μmの厚さになるように、上記有機物材料溶液を塗布した。そして、90℃,160℃及び220℃のそれぞれにおいて、段階的に10〜20分間ずつベークして、積層体を作製した。
(分離性の評価)
作製した積層体に、実施例1と同様にレーザを照射し、分離層を変質させた。その結果、非常に容易に有機物材料層をサポートプレートから分離することができた。また、サポートプレートを分離した後、サポートプレート及び有機物材料層の表面を目視で観察したところ、有機物材料層上にフルオロカーボンが変質した黒色の粉体が若干みられた以外には、残渣はなかった。
〔実施例7〕
(分離層の作製)
実施例1と同様の処理を実施し、サポートプレート上に分離層を形成した。
(有機物材料溶液の作製)
ポリビニルブチラール(製品名エスレックB BM2、積水化学社製)を、固形分濃度が20wt%となるようにシクロヘキサノンに溶解し、有機物材料溶液を得た。
(積層体の作製)
サポートプレート上に形成された分離層上に、乾燥後に有機物材料層が30μmの厚さになるように、上記有機物材料溶液を塗布した。そして、160℃で10分間ベークして積層体を作製した。
(分離性評価)
作製した積層体に、実施例1と同様にレーザを照射し、分離層を変質させた。その結果、非常に容易に有機物材料層をサポートプレートから分離することができた。また、サポートプレートを分離した後、サポートプレート及び有機物材料層の表面を目視で観察したところ、有機物材料層上にフルオロカーボンが変質した黒色の粉体が若干みられた以外には、残渣はなかった。
〔比較例〕
実施例1と同様に作製した積層体に対して、レーザを照射することなく、物理的に剥離することを試みたが、サポートプレートと有機物材料層とを分離することができなかった。
本発明によれば、様々な製品の製造時に使用される仮止めした積層体を提供することができる。
1 積層体
11 有機物材料層
12 サポートプレート
14 接着層
16 分離層

Claims (18)

  1. 光透過性の支持体と、
    上記支持体によって支持される、有機物を含む有機物材料層と、
    上記支持体と上記有機物材料層との間に設けられており、上記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層と
    を備えていることを特徴とする積層体。
  2. 上記有機物材料層と上記分離層との間に、接着層をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 上記有機物は、ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 上記支持体は、ガラス又はシリコンからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 上記分離層は、レーザから照射される光を吸収することによって変質するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 上記分離層は、光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 上記分離層は、無機物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 上記分離層は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 上記分離層は、フルオロカーボンからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 上記分離層は、赤外線吸収物質を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 上記赤外線吸収物質は、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子からなることを特徴とする請求項10に記載の積層体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体における上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離方法であって、
    上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程を包含していることを特徴とする分離方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体を製造する方法であって、
    上記分離層上に上記有機物材料層を形成する有機物材料層形成工程を包含し、
    上記有機物材料層形成工程においては、
    上記分離層上に接着層を介して上記有機物からなる層を貼り合わせること、又は
    上記分離層上に上記有機物を含む溶液を塗布して乾燥させること
    によって、有機物材料層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体を準備する準備工程と、
    上記積層体における上記有機物材料層上に、ディスプレイ素子を実装する実装工程と、
    上記ディスプレイ素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程と、
    上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程と
    を包含することを特徴とするディスプレイフィルムの製造方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体を準備する準備工程と、
    上記積層体における上記有機物材料層上に、太陽電池素子を実装する実装工程と、
    上記太陽電池素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程と、
    上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程と
    を包含することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体を準備する準備工程と、
    上記積層体における上記有機物材料層上に、センサ素子を実装する実装工程と、
    上記センサ素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して、上記分離層を変質させる光照射工程と、
    上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程と
    を包含することを特徴とするセンサの製造方法。
  17. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体を準備する準備工程と、
    上記積層体における上記有機物材料層上に、発光素子を実装する実装工程と、
    上記発光素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して上記分離層を変質させる光照射工程と、
    上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程と
    を包含することを特徴とする発光装置の製造方法。
  18. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体を準備する準備工程と、
    上記積層体における上記有機物材料層上に、スキャナ素子を実装する実装工程と、
    上記スキャナ素子が実装された積層体において、上記支持体を介して上記分離層に光を照射して上記分離層を変質させる光照射工程と、
    上記有機物材料層から上記支持体を分離する分離工程と
    を包含することを特徴とする画像スキャナの製造方法。
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