JP2012512881A - 1−[4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル]−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩 - Google Patents

1−[4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル]−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩 Download PDF

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Abstract

本発明は、1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩、この塩を含む医薬組成物、この塩を形成する工程および医療におけるその使用に関する。それに加えて、本発明は、化合物Iのヘミフマル酸塩形の新規な多形形態、ならびにこれらの多形形態を含む医薬組成物、それらを得る工程、および医療におけるそれらの使用にも関する。

Description

本発明は、1−(4−{l−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(以下、化合物Iと称する)の新規塩形、この塩形を含む医薬組成物、この塩形を形成するための工程、および医療におけるその使用に関する。それに加えて、本発明は、化合物Iの新規塩形の本明細書に記載する特定の多形形態、ならびにこれらの多形形態を含む医薬組成物、それらを得るための工程、および医療におけるそれらの使用にも関する。
容易に製造、製剤化、および患者への投与ができる薬剤の形態を同定することは重要である。
さらに、経口薬剤組成物の製造においては、薬剤が患者への投与後に信頼性および再現性のある血漿濃度を提供する形態にあることが重要である。
薬剤物質の化学的安定性、固体状態安定性および「貯蔵寿命」も、特に重要な要因である。薬剤物質、およびそれを含有する組成物は、理想を言えば、有効成分の物理・化学的特性(例えばその化学的組成、密度、吸湿性および溶解性)における有意の変化を示すことなく、かなりの期間にわたって効果的に貯蔵することができるべきである。
それに加えて、可能な限り化学的に純粋な形態にある薬剤を提供し得ることも重要である。
非晶質の薬剤材料は、この点に関して若干の問題を示すことがあることが知られている。例えば、そのような材料は取り扱いおよび製剤化が通常困難であり、不確実な溶解性を示し、且つ不安定で化学的に不純であることがしばしば見出される。
当業者は、それ故、薬剤を安定な結晶形で容易に得ることができれば、上記の問題の多くを解決できることを理解するであろう。したがって、商業的に実現性のある、および薬学的に許容される薬剤組成物の製造においては、可能な場合には必ず、実質的に結晶性で安定な形態にある薬剤を提供することが重要である。しかしながら、この目標が常に達成可能であるとは限らないことは注意すべきである。実際、分子構造にのみ基づいて、そのままかまたは塩の形態かいずれかの化合物の結晶化挙動がどうであるかを予測することは通常可能ではない。これは、経験的にのみ決定することができる。
参照により本明細書に全内容を組み込まれるWO2004/103306は、EDG受容体を阻害することができる一連の化合物を開示する。WO2004/103306は、その中で開示された化合物が、リンパ球により媒介される多数の病態、例えば、移植拒絶、自己免疫状態および癌などの療法において使用するために有用である可能性があることを教示する。可能な状態の全てのリストが、WO2004/103306の13頁9行から14頁3行までに挙げられている。WO2004/103306に開示された1つの具体的な化合物は1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)であり、その構造を下に示す。
しかしながら、WO2004/103306には、化合物Iのいかなる塩または結晶形の開示もない。
第1の態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩が提供される。
さらなる態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
さらなる態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bが提供される。
さらなる態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cが提供される。
さらなる態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
さらなる態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Eが提供される。
さらなる態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cの製造方法であって、
(i)化合物Iのヘミフマル酸塩を含有する溶液を提供するステップ;ならびに
(ii)該溶液を、低下させた温度および/または圧力条件で、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cの結晶の形成が起こるような時間さらすステップ
を含む、前記方法が提供される。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aの代表的XRPD回折図を示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形BのXRPD回折図を示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cの代表的XRPD回折図を示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形DのXRPD回折図を示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aの代表的FT−ラマンスペクトルを示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bの代表的FT−ラマンスペクトルを示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cの代表的FT−ラマンスペクトルを示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dの代表的FT−ラマンスペクトルを示す図である。 化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形EのFT−ラマンスペクトルを示す図である。
化合物Iのヘミフマル酸塩
本発明者らは、化合物Iを、取り扱い、加工し、および患者に投与するために製剤化することを好都合に可能にする多数の有利な薬学的性質(例えば、好適な安定性および低吸湿性を含む)を有するヘミフマル酸塩として得ることができることを今般見出した。
従って、第1の態様において、本発明は化合物Iのヘミフマル酸塩を提供する。
化合物Iのヘミフマル酸塩は、以下の通りさらに説明するように、非晶質形態で存在することができ、または1つもしくは複数の結晶形で存在することもできる。
適切には、化合物Iのヘミフマル酸塩は実質的に結晶性である。「実質的に結晶性」は、本発明者らは、X線粉末回折データにより決定される結晶化度が、好都合には約20%を超え、より好都合には60%を超え、さらにより好都合には約80%を超え、好ましくは約90%を超えることを意味する。
本発明の結晶形は、X線粉末回折(XRPD)により特徴づけることができる。FT−ラマン分光法、示差走査熱量測定法(DSC)および動的蒸気収着などの他の技法も使用することができる。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形A
さらなる態様により、本発明は化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを提供する。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aは、実質的に図1に示したようなX線粉末回折パターンを提供することを特徴とする。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aについて最も目立つX線粉末回折ピークを表1に示す。
本発明により、2θ=20.7°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
本発明により、2θ=6.9°、17.5°、18.1°、または20.7°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
本発明により、2θ=6.9°、17.5°、18.1°、および20.7°付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
本発明により、2θ=6.9°、10.1°、10.6°、12.1°、17.5°、18.1°または20.7°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
本発明により、2θ=6.9°、10.1°、10.6°、12.1°、17.5°、18.1°または20.7°付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
本発明により、上記表1にリストを挙げた値付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
本発明により、図1に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aが提供される。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aは、図5に示したものと実質的に同じFT−ラマンスペクトルを有することによりさらに特徴づけられる。
また本発明により、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aの製造方法であって、
(i)化合物Iのヘミフマル酸塩を含有する溶液を提供するステップ;ならびに
(ii)該溶液を、低下した温度および/または圧力条件で、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aの結晶の形成が起こるような時間さらすステップ
を含む、前記方法が提供される。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形B
さらなる態様により、本発明は化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bを提供する。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bは、実質的に図2に示したようなX線粉末回折パターンを示すことを特徴とする。
結晶形Bは2.7°(2θ)に単一のXRPDピークを有するのみである。
従って、本発明により、2θ=2.7°付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bが提供される。
本発明により、図2に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bが提供される。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bは、図6に示したものと実質的に同じFT−ラマンスペクトルを有することによりさらに特徴づけられる。
化合物1のヘミフマル酸塩の結晶形C
さらなる態様により、本発明は化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cを提供する。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cは、実質的に図3に示したようなX線粉末回折パターンを提供することを特徴とする。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cについて最も目立つX線粉末回折ピークを表2に示す。
本発明により、2θ=7°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cが提供される。
本発明により、2θ=21.4°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cが提供される。
本発明により、2θ=7°および21.4°付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cが提供される。
本発明により、2θ=7°、9.5°、12.5°、15.2°および21.4°付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cが提供される。
本発明により、上記表2にリストを挙げた2θ値付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cが提供される。
本発明により、図3に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cが提供される。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cは、図7に示したものと実質的に同じFT−ラマンスペクトルを有することによりさらに特徴づけられる。
また本発明により、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cの製造方法であって、
(i)化合物Iのヘミフマル酸塩を含有する溶液を提供するステップ;ならびに
(ii)該溶液を、低下した温度および/または圧力条件で、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cの結晶の形成が起こるような時間さらすステップ
を含む、前記方法が提供される。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形D
さらなる態様により、本発明は、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dを提供する。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dは、実質的に図4に示したようなX線粉末回折パターンを示すことを特徴とする。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dについて、最も目立つX線粉末回折ピークを表3に示す。
本発明により、2θ=10.7°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
本発明により、2θ=21.5°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
本発明により、2θ=10.7°および21.5°付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
本発明により、2θ=7.1°、10.7°、または21.5°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
本発明により、約2θ=7.1°、10.7°および21.5°付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
本発明により、上記表3に示した値付近に特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
本発明により、図4に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dが提供される。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Dは、図8に示したものと実質的に同じFT−ラマンスペクトルを有することによりさらに特徴づけられる。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形E
さらなる態様により、本発明は化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Eを提供する。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Eは、図9に示したものと実質的に同じFT−ラマンスペクトルを示すことを特徴とする。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形、特に結晶形Aは、特に良好な安定性および低い吸湿性を有することが見出された。
本明細書において定義される用語「安定性」は、化学的安定性および/または固体状態安定性を含む。
「化学的安定性」は、本発明者らは、それぞれの化合物が、単離された形態で、または薬学的に許容される担体、希釈剤または補助剤と混合して提供される剤形の形態で(例えば、錠剤、カプセル剤などの経口投与形態で)、通常の貯蔵条件下で貯蔵することができて、化学的分解または分解の程度が限られることを含む。
「固体状態安定性」は、本発明者らは、それぞれの化合物が、単離された形態で、または薬学的に許容される担体、希釈剤または補助剤と混合して提供される剤形の形態で(例えば、錠剤、カプセルなどの経口投与形態で)、通常の貯蔵条件下で貯蔵することができ、固体状態の変化(例えば結晶化、再結晶、固体状態相転移、水和、脱水、溶媒和または脱溶媒)の程度が重要でないことを含む。
測定条件(設備、試料調製または使用された機械など)に依存する1つまたは複数の測定誤差を有するX線粉末回折パターンが得られることがあることは当技術分野において知られている。特に、X線粉末回折パターンの強度が測定条件および試料調製に依存して変動し得ることは一般的に知られている。例えば、X線粉末回折の当業者は、ピークの相対強度が、例えば、30ミクロンを超えるサイズの粒子および単一でない縦横比により影響される可能性があり、それが試料の分析に影響し得ることを理解するであろう。当業者は、反射の位置が、回折計中における試料の位置の厳密な高さおよび回折計のゼロ点較正により影響され得ることを理解するであろう。試料の表面平面性も小さい効果を有し得る。このため、当業者は、本明細書において提示される回折パターンのデータは絶対的と解釈されるべきでないことを認識するであろう(さらなる情報については、Jenkins、 R & Snyder、 R.L.「Introduction to X−Ray Powder Diffractometry」 John Wiley & Sons、1996年を参照されたい)。従って、本発明の化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形は、添付する図で示されたX線粉末回折パターンと同一のX線粉末回折パターンを示す結晶に限定されず、図に示したものと実質的に同じX線粉末回折パターンを示すいかなる結晶も本発明の範囲内に入ることが理解されるべきである。X線粉末回折の当業者は、X線粉末回折パターンの実質的同一性を判定することができる。
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形に対するX線粉末回折ピークを定義した先行段落において、用語「付近に」は、「2θ=...付近に」という表現で使用され、ピークの厳密な位置(すなわち挙げられた2θ角値)は絶対的な値と解釈されるべきでないことを示す。化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形は、添付図に示したX線粉末回折パターンと「実質的に」同じX線粉末回折パターンを示すことも先行段落において述べられている。この関係における用語「実質的に」の使用も、X線粉末回折パターンの2θ角値が、これらの測定で起こり得る固有の実験的変動の結果として非常に僅かに変化し得ることを意味することが認識されるであろう。したがって、図に示されたピークの図形は絶対的なものと解釈することはできない。
一般的に、X線粉末回折図における回折角の測定誤差は、2θ=約0.2°以下であり、その程度の測定誤差は、本明細書中で記載されるX線粉末回折パターンのデータを検討するときに、考慮に入れるべきである。従って、例えば、結晶形が2θ=15.2°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有すると述べられるなら、その場合、これは、2θ=15.2°プラスまたはマイナス0.2°であると解釈することができる。
同様に、FT−ラマンスペクトル中の個々のピークの強度も関係する試料および測定条件に依存して僅かに変化し得るが、当業者は、2つのFT−ラマンスペクトルが実質的に同じであるかどうかを決定することができるであろう。
調製の工程
本発明のさらなる態様により、化合物Iの遊離塩基とフマル酸とを適当な溶媒の存在下に反応させるステップを含む、化合物Iのヘミフマル酸塩を調製する方法が提供される。
化合物Iの遊離塩基は、WO2004/103306の実施例3に記述された手順にしたがって調製することができる。
任意の適当な溶媒を化合物Iのヘミフマル酸塩を形成するために使用することができるが、溶媒および用いられる実験条件が得られるヘミフマル酸塩の固体状態の形態に影響し得る。
当業者は、塩形成反応を実施するための適当な反応時間および条件を選択することができるであろう。
化合物Iの遊離塩基はフマル酸と一緒に適当な溶媒(添付の実施例中に記載したものなど)中に溶解するのが適当である。あるいは、化合物Iの遊離塩基の溶液は、適当な溶媒に溶解され、フマル酸の溶液(同じかまたは相溶性のいずれかの溶媒中に溶解された)と混合することもできる。化合物Iの遊離塩基とフマル酸との混合を促進するために溶液を攪拌することは適当である。溶液は周囲温度で攪拌してもよいが、該手順はより高い温度で実施することもできる。
本発明の化合物Iのヘミフマル酸塩形は、当業者に周知の技法、例えばデカント、濾過または遠心分離を使用して単離することができる。塩は濾過により回収するのが適当である。
それに加えて、該方法は、化合物Iのヘミフマル酸塩を適当な溶媒で洗浄するステップ、および塩を乾燥するステップをさらに含むことができる。好ましくは、洗浄された塩は真空下に乾燥される。乾燥温度および乾燥時間が溶媒和物の形態にある化合物の固体状態の性質に影響し得る(例えば上昇した温度および/または低下した圧力で起こり得る脱溶媒)ことは当業者により認識されるであろう。
化合物Iのヘミフマル酸塩の特定の結晶形AからEは、添付の実施例中でさらに記載するように、ヘミフマル酸塩を異なった溶媒系から異なった条件で結晶化させることにより、形成することができる。
幾つかの場合、化合物Iのヘミフマル酸塩の特定の結晶形は、化合物Iの遊離塩基とフマル酸とを特化された条件で反応させることにより形成することができる。他の場合には、特定の結晶形は、化合物Iのヘミフマル酸塩を、ある特化された条件で再結晶することにより調製することができる。
本発明は、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cを調製する方法であって、
(i)化合物Iのヘミフマル酸塩を含有する溶液を提供するステップ;ならびに
(ii)該溶液を、低下した温度および/または圧力条件で、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Cの結晶の形成が起こるような時間さらすステップ
を含む、前記方法も提供する。
上記方法において、ステップ(i)の溶液は、ヘミフマル酸塩を適当な溶媒中に溶解することにより提供することができる。適当な溶媒の選択は、当業者の能力の範囲内である。ヘミフマル酸塩の結晶形C調製のために適当な溶媒の例は、アルコール、例えばエタノールである。
ステップ(i)の溶液は、上昇した温度すなわち周囲条件(例えば25℃)を超える温度で提供することができる。上昇した温度は、好ましくは、70℃未満、例えば60℃未満、例えば50℃未満または45℃未満などである。
結晶形AおよびCについて生成した温度溶解度プロファイルから、両方の結晶形がエタノール中50℃より下の温度で同様な溶解度プロファイルを示すことが見られた(結晶形Cは50℃を超える温度でより高い溶解性を示した)。しかしながら、驚くべきことに、上記方法を使用して50℃未満の温度で結晶形Cを高収率(例えば60%、70%、80%、90%、99%を超える)で得ることが可能である。理論に束縛されることを望むものではないが、この驚異的な結果は、結晶形Cが結晶形Aより速い沈殿速度を示すことに基づくと考えられる。
溶液を低下した温度および/または圧力条件にさらすときは、温度、圧力または両方を低下させることができる。好ましい実施形態においては、例えば、温度を低下させてから、次に圧力を低下させることにより、温度および圧力の両方を低下させることができる。
溶液を、低下した温度および/または圧力条件にさらすステップに続いて、該工程において形成した結晶形Cの結晶を回収するために、溶液を濾過ステップにかけることができる。
温度を低下させた実施形態において、温度低下は5℃を超えてもよい。温度低下は30℃未満でも、例えば20℃未満でもまたは15℃未満でもよい。一態様において、温度低下は8〜12℃の範囲内、例えば約10℃である。
圧力が低下した実施形態において、圧力は、200ミリバール未満、例えば100ミリバール未満または50ミリバール未満の値に低下させることができる。低下したとき、圧力は通常10ミリバールを超えるであろう。一態様において、圧力は10〜30ミリバールの範囲内の値例えば約20ミリバールに低下される。
ヘミフマル酸塩の温度および/または圧力を低下させるステップの間におよび/または後で溶液中における多形Cの結晶の形成に要する時間は(例えば、溶液から結晶の例えば濾過による単離の前)反応条件に依存するであろう。一般的に、溶液中で一旦形成した結晶形Cの結晶の有意の損失(例えば結晶形Aの結晶への変換による)を避けるために、時間は、4時間未満、例えば3時間未満、2時間未満または90分未満など例えば約1時間であろう。
溶液からの結晶形Cの結晶の収率を最大化するために、ヘミフマル酸塩の温度および/または圧力を低下させるステップの間におよび/または後で溶液中における多形Cの結晶の形成に要する時間は(例えば、溶液から結晶の例えば濾過による単離の前)、通常1分を超え、例えば5分を超えまたは15分を超え、例えば30分を超えるであろう。
結晶形Cの形成を最適化すなわち溶液からのその形成を最大化して、かつ他の形態への変換に基づくその損失を最小化するために、時間は30〜90分までの範囲内、例えば45〜75分、例えば約1時間であってよい。
本発明は、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを調製する方法であって、
(i)化合物Iのヘミフマル酸塩を含有する溶媒を提供するステップ;ならびに
(ii)該液体を、低下した温度および/または圧力条件で、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aの結晶の形成が起こるような時間さらすステップ
を含む、前記方法も提供する。
上記方法において、ステップ(i)の溶液は、ヘミフマル酸塩を適当な溶媒中に溶解することにより提供することができる。適当な溶媒の選択は、当業者の能力の範囲内である。ヘミフマル酸塩の結晶形A調製のために適当な溶媒の例は、アルコール、例えばエタノールである。溶媒は、アルコール(例えばエタノール)と酸(例えばフマル酸)および場合により水との混合物、例えばエタノール、フマル酸および水の混合物、例えば80%:20%のエタノール:水混合物中4.35%の飽和フマル酸溶液であることもできる。
化合物Iのヘミフマル酸塩を含有する液体は、結晶形にある化合物Iのヘミフマル酸塩を溶媒(例えば、上記の溶媒のいずれか)に入れることにより提供することもでき、例えば化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶例えば結晶形Aの結晶を含む溶液を与える。
ステップ(i)の溶液は、上昇した温度すなわち周囲条件(例えば25℃)を超える温度で提供することができる。上昇した温度は、好ましくは70℃未満、例えば60℃未満または55℃未満などである。上昇した温度は、30℃を超え、例えば40℃または45℃を超えることもできる。一態様において、上昇した温度は約50℃である。
ステップ(i)に続いて、溶液が化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶を含む場合、溶液は、溶液温度が上昇した温度を超えるレベル(例えば、溶液中に存在する結晶の80%を超え、例えば90%を超え例えば99%を超える部分、例えば実質的に全部が結晶形Aにあるレベル)に上げられて、次に上昇した温度より下のレベルに(例えば、溶液中に存在する結晶の80%を超え、例えば90%を超え、例えば99%を超える部分、例えば実質的に全部が結晶形Cにある温度に)下げられた後、温度を上昇した温度を超える値に再び上げる温度サイクルを通ってサイクルさせることができる。このサイクル段階が、上記(ii)の段階で溶液を低下した温度および/または圧力条件にさらす段階の前に、結晶が主に要求される結晶形Aにあることを確実にする。それに加えて、結晶の結晶形AからCへの変形および再度の逆戻りも、結晶内の不純物のレベルを低下させるのに役立つ。溶液は、上記のように1回または複数回、例えば2回以上、3回以上または4回以上サイクルさせることができる。溶液は、10回以下、例えば8回以下、例えば6回以下などでサイクルさせることができる。一態様において、溶液は1〜3回例えば2回サイクルされる。
一態様において、温度は、上昇した温度より、約20℃以下だけ、例えば約15℃以下または約10℃以下、例えば約5℃以下だけ高く上げられる。温度は、上昇した温度より、約1℃以上、例えば約2℃以上、例えば3℃以上だけ高く上げることもできる。一態様において、温度は、上昇した温度より、約3〜10℃だけ、例えば約4〜10℃、例えば5〜10℃、例えば約5℃だけ高く上げられる。
一態様において、温度は、上昇した温度より、約20℃以下だけ、例えば約15℃以下または約10℃以下、例えば約5℃以下だけ低く下げられる。温度は、上昇した温度より、約1℃以上だけ、例えば約2℃以上、例えば3℃以上だけ低く下げることができる。一態様において、温度は、上昇した温度より、約3〜10℃、例えば約4〜10℃、例えば5〜10℃、例えば約5℃だけ下げられる。
サイクルの間、温度上昇は、温度下降と同じでも異なってもよく、例えば同じでもよい。一態様において、温度は、上昇した温度より、約20℃以下だけ、例えば約15℃以下、または約10℃以下、例えば約5℃以下、例えば約5℃だけ高く上げられ、次に上昇した温度より、約20℃以下だけ、例えば約15℃以下、または約10℃以下、例えば約5℃以下、例えば約5℃だけ低く下げられる。その代わりに、またはそれに加えて、温度は、上昇した温度より、約3〜10℃だけ、例えば約4〜10℃、例えば5〜10℃、例えば約5℃だけ高く上げられ、次に上昇した温度より前記と同じ温度だけ低く下げられる。
溶液を低下した温度および/または圧力条件にさらすとき、温度、圧力または両方を低下させることができる。好ましい実施形態においては、温度および圧力の両方が低下される。温度は、同時か逐次か(例えば温度を低下させて次に圧力を低下させることによるかまたはその逆で)のいずれかで、または段階的に(例えば、温度を低下させ、圧力を低下させて、次に温度をさらに低下させることにより)低下させることができる。
温度および圧力が段階的に低下される実施形態において、温度は、最初25℃以上の温度に低下させてから、該溶液を低下した圧力条件にさらすことが好ましく、この初期温度も、好ましくは35℃未満例えば約30℃である。次に、溶液を低下した圧力条件にさらすことができる。
溶液を低下した温度および/または圧力条件にさらすステップに続いて、工程中に形成された結晶形Aの結晶を回収するために、溶液を濾過ステップにかけることができる。
温度が低下された実施形態において、温度低下の合計は、5℃を超え、例えば10℃を超え、15℃を超え、20℃を超え、または25℃を超えることができる。温度低下は、40℃未満、例えば30℃未満、例えば20℃未満であることもできる。一態様において、温度低下は、35〜25℃の範囲内、例えば約30℃である。
結晶形Aの量を最大化するために、温度低下は、例えば、10℃/時間以下、例えば8℃/時間以下、6℃/時間以下、または4℃/時間以下の速度で緩やかに起こることが好ましい。温度は、1℃/時間を超え例えば2℃/時間を超える速度で低下させることもできる。
圧力が低下される実施形態において、圧力は、300ミリバール未満、例えば200ミリバール未満または100ミリバール未満の値に低下させることができる。低下されたとき、圧力は、一般的に30ミリバールを超えるであろう。一態様において、圧力は約100ミリバールの値に低下される。圧力低下は、通常、溶媒レベルを例えば5%を超え、例えば10%を超え、例えば15%を超えるだけ低下させるために使用されるであろう。溶媒レベルは、50%未満、例えば40%未満、例えば30%未満または20%未満などだけ低下させることができる。
ヘミフマル酸塩の温度および/または圧力を低下させるステップの間および/または後に(例えば溶液から結晶を、例えば濾過により単離する前に)溶液中の多形体Aの結晶の形成に必要とされる時間は、反応条件に依存するであろう。一般に、結晶形Aの結晶の形成を増進するために、時間は、2時間を超え、例えば3時間を超え、例えば4を超え、または5もしくは6時間を超えることができる。時間は、36時間未満、例えば24時間未満、例えば12または8時間未満であることもできる。
好ましい態様において、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを調製する方法であって、
(i)化合物Iのヘミフマル酸塩を含有する溶媒を提供するステップであって、溶液が上昇した温度で提供され、結晶形にあるヘミフマル酸塩を含有するステップ;ならびに
(ii)該液体を、低下した温度および/または圧力条件で、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aの結晶の形成が起こるような時間さらすステップ
を含み、
ステップ(ii)に先だって、溶液が、溶液温度が上昇した温度を超えるレベルに上げられ、次に上昇した温度より下のレベルに下げられた後、上昇した温度を超える値に温度を再び上げる温度サイクルを通ってサイクルされる、前記方法が提供される。
この態様において、上昇した温度は約50℃であることができる。
この態様において、温度は、上昇した温度を約3〜10℃、例えば約4〜10℃だけ超えて上げ、次に上昇した温度より約3〜10℃、例えば約4〜10℃だけ低く下げることができる。
この態様において、ステップ(ii)の温度低下を段階的に起こすことができる。すなわち温度が低下され、圧力が低下されて、それから温度が再度低下される。温度が最初に25〜35℃、例えば約30℃の値に低下され、その後で圧力が低下されることができる。次に、温度が約20〜25℃、例えば約20℃に低下されることができる。
さらなる実験の詳細は実施例で示す。
医薬製剤および医学的使用
本発明により、化合物Iのヘミフマル酸塩(本明細書において定義したその結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、経口的に、静脈内に、皮下に、バッカルとして、直腸に、皮膚に、鼻腔に、気管に、気管支に、任意の他の非経口的経路により、または吸入により、薬学的に許容される投与形態にある塩、すなわちその結晶形AからEの1つを含む医薬製剤の形態で投与することができる。
従って、典型的には、本発明の化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEの任意の1つを含む)は、経口的にまたは非経口的に(本明細書中で使用される「非経口的に」は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内注射および点滴を含む投与様式を指す)宿主に投与することができる。ヒトなどの大型動物の場合に、化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体と組み合せた組成物として投与する代わりに単独で投与することができる。
治療されるべき障害および患者ならびに投与経路に依存して、化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、用量を変えて投与することができる(下記を参照されたい)。
化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、適当な薬学的剤形に製剤化する前に、さらに加工することができ、例えば、微粉化または粉砕してより小さい粒子にすることもできる。
本発明のさらなる態様により、本明細書において定義した化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)を薬学的に許容される補助剤、希釈剤または担体と混合して含む医薬組成物が提供される。
そのような組成物中で使用される本発明の化合物Iのヘミフマル酸塩の量は、治療されるべき病態および患者、ならびに使用される結晶形(単数または複数)に依存するが、これは本発明によらずに決定することができる。
非経口的注射用の本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される無菌の水性または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルションならびに使用直前に無菌注射用溶液剤または分散液剤に再構成するための無菌粉末を適当に含む。適当な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例として、水、エタノール、ポリオール(グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)および適当なそれらの混合物、植物油(オリーブ油など)およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適当な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用により、分散液の場合には要求される粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの補助剤を含むこともできる。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤および抗黴剤、例えば、パラベン、クロロブタノールまたはフェノールソルビン酸の含有により確実にすることができる。例えば糖類または塩化ナトリウムなどの等張化剤を含むことも望ましいことがある。注射用薬学的形態の長期化された吸収は、吸収を遅延させる作用剤(例えばアルミニウムモノステアレートおよびゼラチン)の含有によりもたらすことができる。
幾つかの場合に、薬剤の効果を延長するために、薬剤の皮下または筋肉注射からの吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性の低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用により達成することができる。そのとき、薬剤の吸収速度は、その溶解速度に依存し、それはまた、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬剤形態の遅延吸収は、薬剤を油ビヒクル中に溶解または懸濁することにより達成される。
注射用デポ形態は、生分解性ポリマー、例えばポリラクチド−ポリグリコシド中に、薬剤のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより、適当に作製される。薬剤のポリマーに対する比および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬剤放出速度は制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポ注射用剤形は、生体組織適合性のリポソームまたはマイクロエマルション中に薬剤を包括することにより調製することもできる。注射用剤形は、例えば、細菌捕捉フィルタを通して濾過することにより、または無菌水または他の無菌注射用培地中に使用直前に溶解または分散することができる無菌固体組成物の形態にある滅菌剤を組み込むことにより無菌にすることができる。
経口投与用の固体剤形には、カプセル、錠剤、ピル、散剤および顆粒剤が含まれる。そのような固体剤形において、化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、典型的には、少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容される賦形剤または担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムおよび/または:a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などの充填剤または増量剤;b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴムなどの結合剤;c)グリセリンなどの加湿剤;d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;e)パラフィンなどの溶解遅延剤;f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;g)セチルアルコールおよびグリセリンモノステアレートなどの湿潤剤;h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤の1種もしくは複数種およびそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤およびピルの場合、該投与形態は、緩衝剤も含むことができる。同様なタイプの固体組成物は、例えばラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟質および硬質の充填されたゼラチンカプセル剤中の充填剤としても使用することができる。
経口剤形は、溶解助剤を含有するのが適当である。溶解助剤は、それが薬学的に許容される限り、その本体に関して限定されない。例として、非イオン性表面活性剤、例えば、スクロース脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばソルビタントリオレエート)、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、メトキシポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、およびアルキルアミンオキシドなど;胆汁酸およびその塩(例えばケノデオキシコール酸、コール酸、デオキシコール酸、デヒドロコール酸およびその塩、およびグリシンまたはそのタウリン複合体);イオン性表面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルホスホン酸塩、リン酸エーテル、塩基性アミノ酸の脂肪酸塩;トリエタノールアミン石鹸、およびアルキル第四級アンモニウム塩など;およびベタインおよびアミノカルボン酸塩などの両性表面活性剤が挙げられる。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ピル、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティングおよび製剤化の分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよび外皮を用いて調製することができる。それらは、場合により、乳白剤を含有し、有効成分(単数または複数)だけをまたはそれを優先的に、腸管の一部分で、および/または遅延した方式で放出するような組成物であることもできる。包埋組成物の例としてポリマー性物質およびワックスが挙げられる。
化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、マイクロカプセル化された形態であることもでき、適当なら、上記賦形剤の1種または複数種を用いる。
化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、微細に分割された形態にあることもでき、例えばミクロン程度に微粉化することができる。
経口投与用の液体投与形態には、薬学的に許容されるエマルション剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)に加えて、液体投与形態は、水または他の溶媒などの当技術分野において普通に使用される不活性な希釈剤、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルおよびそれらの混合物などを含有することができる。経口組成物は、不活性希釈剤だけでなく、補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、着香剤および香料なども含むことができる。有効な化合物に加えて、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカントおよびそれらの混合物などを含有することができる。
直腸内または膣内投与用の組成物は、好ましくは、本発明の化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)とカカオ脂、ポリエチレングリコールなどの適当な非刺激性賦形剤もしくは担体とを混合することにより調製することができる坐剤、または室温では固体であるが、体温で液体であり、それ故直腸内または膣内腔で融解して有効化合物を放出する坐剤ワックスである。
化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、リポソームの形態で投与することもできる。当技術分野において知られているように、リポソームは、一般に、リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体中に分散した単層または多層の水和された液晶により形成される。リポソームを形成し得る任意の無毒性の、生理学的に許容され且つ代謝性の脂質を使用することができる。リポソーム形態にある本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、防腐剤、賦形剤等を含有することができる。好ましい脂質は、天然および合成両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レクチン)である。リポソームを形成する方法は当技術分野において知られている:例えば、Prescott編、Methods in Cell Biology、XIV巻、Academic Press、New York、N.Y.(1976年)、p33頁以下。
有利なことに、本発明の化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEのいずれか1つを含む)は、経口で有効であることができて、活性は急速に発現し且つ低毒性である。
本発明の医薬組成物における化合物Iのヘミフマル酸塩の実際的投薬量レベルは、特定の患者、組成物、および投与様式について所望の治療的応答を得るために効果的な薬剤の量を得るように、変えることができる。選択される投薬量レベルは化合物の活性、投与経路、治療される病態の重症度および治療される患者の状態および既往歴に依存するであろう。しかしながら、所望の治療効果を得るために必要とされるより低いレベルで化合物の用量を開始して、所望の効果が得られるまで投薬量を徐々に増加することは、当技術分野の範囲内である。
WO2004/103306は実施例3(29頁、1から15行に)に本発明の化合物Iを開示しており、それは、8頁19行から11頁28行までに好ましい化合物のリストの1つとして言及されてもいる。さらに、WO2004/103306は、そこに記載された化合物がEDG受容体の効果的な阻害剤であり、したがって、EDG受容体活性の変化が疾患の病理または症状に寄与する、リンパ球相互作用と関連する疾患を治療するために有用な作用剤であることも教示する。
したがって、化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEを含む)は、それ故、リンパ球相互作用により媒介される疾患または障害、例えば、移植において、細胞、組織または器官の同種または異種移植の急性または慢性拒絶または移植片の遅延した機能、移植片対宿主病;自己免疫疾患、例えば関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型もしくはII型糖尿病およびそれに関連する障害、静脈炎、悪性貧血、シェーグレン症候群、ブドウ膜炎、乾癬、グレーブス眼症、円形脱毛症その他;アレルギー性疾患、例えばアレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎/結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎;場合により基礎的異常反応を伴う炎症性疾患、例えば炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎、内因性喘息、炎症性肺損傷、炎症性肝臓損傷、炎症性糸球体損傷、動脈硬化、変形性関節症、刺激性接触皮膚炎およびさらなる湿疹様皮膚炎、脂漏性皮膚炎、免疫学的に媒介される障害の皮膚症状、炎症性眼疾患、角結膜炎、炎症性筋障害;心筋炎または肝炎;虚血/再灌流損傷、例えば心筋梗塞、脳卒中、腸虚血、腎臓不全または出血ショック、外傷性ショック;T細胞リンパ腫またはT細胞白血病;感染性疾患、例えば毒性のショック(例えばスーパー抗原誘発)、敗血症ショック、成人呼吸窮迫症候群、またはウイルス感染、例えばAIDS、ウイルス性肝炎、慢性の細菌感染;筋肉疾患、例えば多発性筋炎;または老年認知症などの療法において有用である。細胞、組織または固形器官移植の例として、例えば膵島、幹細胞、骨髄、角膜組織、神経組織、心臓、肺、心肺合併、腎臓、肝臓、腸、膵、気管または食道が挙げられる。上記用途に必要とされる投薬量は、いうまでもなく投与様式、治療すべき特定の状態および所望の効果に依存して変化するであろう。
さらに、化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEを含む)は、癌の化学療法において、特に固形腫瘍、例えば乳癌の化学療法のために、または抗血管形成剤として、有用な可能性がある。
それに加えて、化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEを含む)は、種々の末梢神経障害、特に急性または慢性脱髄神経障害の療法において有用であり得る。化合物Iのヘミフマル酸塩は、それ故、ギラン−バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄多発神経根筋障害(CIDP)、伝導ブロックの伴う多巣性運動ニューロパチー(MMN)、および異常蛋白性脱髄末梢神経障害(PDN)の1つまたは複数の療法において有用であり得る。特に、神経障害はCIPDである。化合物の有効性は患者間で変わり得る。
化合物Iのヘミフマル酸塩(その結晶形AからEを含む)は、多発性硬化症、ブドウ膜炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、感染性疾患(例えばウイルス感染)、特に慢性炎症性脱髄多発神経根筋障害(CIDP)および多発性筋炎を治療するために有用である可能性がある。
化合物の治療的使用は、対象が罹患する危険性のある末梢神経障害の重症度を予防、制御または軽減するための予防的使用、ならびに既存疾患の重症度を制御または軽減するための治療を含むことができる。化合物は、症状の発症前に投与することができ、それは症状発症後に投与することもできる。それは、末梢神経障害を罹患する危険性がある対象に投与することもできる。
化合物Iのヘミフマル酸塩を使用することができる治療は、それ故、末梢神経障害を有する、有する疑いのある、または有する危険性のある患者の病態および/または快適さを改善し、維持すること、または悪化を遅らせることができる。
用語「療法」は、末梢神経障害の1つまたは複数の症状を緩和するための、またはそのような疾患の進行を遅らせるための治療を含む。該用語は、そのような疾患を治癒させて、対象を機能状態にもたらし、および/または対象を機能状態に保ち、または再発時期を延期するための治療も含む。
必要とされる投薬量は、いうまでもなく、投与様式、治療されるべき特定の状態および所望の効果に依存して変化するであろう。一般的に、満足な結果は、全身的に単回または複数回の用量で投与することができる、患者体重1kg当たり約0.01から500mgの間の毎日の投薬量で得られることが示される。投薬量レベルは、1日当たり約0.1から約250mg/kg、例えば1日当たり約0.5から約100mg/kgであってよい。適当な投薬量レベルは、1日当たり約0.01から250mg/kg、1日当たり約0.05から100mg/kg、または1日当たり約0.1から50mg/kgであってよい。この範囲内で、投薬量は、1日当たり0.05から0.5、0.5から5、または5から50mg/kgであってよい。経口投与のために、組成物は、1.0から1000ミリグラムの有効成分、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0または1000.0ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。化合物は、1日当たり1から4回、好ましくは1日当たり1回または2回の投与計画で投与することができる。投薬計画は最適治療応答を提供するように調節することができる。
前述のことにより、本発明は、
1.01 例えば上記の様なリンパ球により媒介される障害または疾患を、そのような治療が必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.02 器官もしくは組織移植拒絶、移植片対宿主病、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、炎症性疾患もしくは状態、または筋肉疾患を、そのような治療が必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.03 例えば上記のような急性もしくは慢性移植拒絶またはT細胞に媒介される炎症性もしくは自己免疫疾患を、そのような治療が必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.04 無秩序な血管形成、例えばスフィンゴシン−I−ホスフェート(SIP)媒介血管形成を、それが必要な対象において阻害または制御する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.05 新血管形成過程により媒介されるまたは無秩序な血管形成に関連する疾患を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.06 癌を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.07 末梢神経障害を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.08 ギラン−バレー症候群、慢性炎症性脱髄多発神経根筋障害(CIPD)、伝導ブロックを伴う多巣性運動ニューロパチー、および異常蛋白性脱髄末梢神経障害から選択される末梢神経障害を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.09 慢性炎症性脱髄多発神経根筋障害(CIPD)を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.10 多発性硬化症を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.11 ブドウ膜炎を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.12 炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.13 炎症性腸疾患を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.14 クローン病を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.15 潰瘍性大腸炎を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.16 感染性疾患(例えば細菌のまたはウイルス感染)を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.17 ウイルス感染を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
1.18 多発性筋炎を、それが必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に治療的有効量の化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを投与することを含む方法;
2.医薬として使用するための化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つであって、
2.1 上記段落1.01から1.18までにおいて定義された方法のいずれかにおいて医薬として使用するための、または本明細書において前に言及した病態のいずれか1つの治療のための、化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つ;
3.例えば、上記段落1.01から1.18までにおいて定義された方法のいずれかにおいて医薬として使用するための、または本明細書において前に言及した病態のいずれか1つの治療のための医薬組成物であって、化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つを、そのための薬学的に許容される希釈剤または担体とともに含む組成物;
4.上記段落1.01から1.18までにおいて定義された方法のいずれかにおいて医薬として使用するための、または本明細書において前に言及した病態のいずれか1つの治療のための医薬組成物の調製において使用するための、化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つ;
をさらに提供する。
本発明は、本明細書において前にまたは上記段落1.01から1.18までにおいて言及した病態のいずれか1つの治療に使用するための医薬の製造における、化合物Iのヘミフマル酸塩、または本明細書において定義したその結晶形AからEの任意の1つの使用にも関する。
組合せ療法
化合物Iのヘミフマル酸塩は、唯一の有効成分として、または他の薬剤、例えば、同種もしくは異種移植の急性もしくは慢性拒絶または炎症性もしくは自己免疫障害の治療または予防のための免疫抑制剤もしくは免疫調節性剤または他の抗炎症剤、または化学療法剤、例えば悪性細胞抗増殖剤とともに、それに対する補助剤として投与することができる。例えば、化合物Iのヘミフマル酸塩は、カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリンAまたはFK506;mTOR阻害剤、例えばラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、CCI779、ABT578またはAP23573;免疫抑制の性質を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981、その他;コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;メトトレキセート;レフルノミド;ミゾリビン;ミコフェノール酸;ミコフェノラートモフェチル;15−デオキシスペルグアリンまたは免疫抑制同族体、それらのアナログまたは誘導体;免疫抑制モノクローナル抗体、例えば白血球受容体、例えばMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD58、CD80、CD86またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;他の免疫調節化合物、例えば、CTLA4またはその変異体の細胞外ドメインの少なくとも一部、例えば非CTLA4タンパク質配列、例えばCTLA4Ig(例えば、ATCC568629と命名された)またはその変異体、例えばLEA29Yに結合したCTLA4またはその変異体の少なくとも細胞外部分を有する組換え結合分子;接着分子阻害剤、例えばLF A−Iアンタゴニスト、ICAM−IもしくはICAM−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストもしくはVLA−4アンタゴニスト;または化学療法剤と組み合せて使用することができる。
用語「化学療法剤」は、任意の化学療法剤を意味し、それは、
i.アロマターゼ阻害剤、
ii.抗エステロゲン、抗雄性ホルモン(特に、前立腺癌の場合)またはゴナドレリンアゴニスト、
iii.トポイソメラーゼI阻害剤またはトポイソメラーゼII阻害剤、
iv.微小管作用剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤またはプラチン化合物、
v.タンパク質または脂質キナーゼ活性またはタンパク質または脂質ホスファターゼ活性を標的とする/減少させる化合物、さらに抗血管形成化合物または細胞分化過程を誘発する化合物、
vi.ブラジキニンI受容体またはアンジオテンシンIIアンタゴニスト、
vii.シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ビスホスホネート、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ヘパラナーゼ阻害剤(硫酸ヘパラン分解を防止)、例えばPI−88、生物学的応答改良剤、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンγ、ユビキチン化阻害剤、または抗アポトーシス経路を遮断する阻害剤、
viii.Rasの発癌性イソ型の阻害剤、例えばH−Ras、K−RasもしくはN−Ras、またはファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばL−744,832もしくはDK8G557、
ix.テロメラーゼ阻害剤、例えばテロメスタチン、
x.プロテアーゼ阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤、例えばベングアミドまたはそれらの誘導体、またはプロテオソーム阻害剤、例えばPS−341、および/または
xi.mTOR阻害剤
を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「アロマターゼ阻害剤」は、エストロゲン産生、すなわち基質のアンドロテンジオンおよびテストステロンのそれぞれエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。該用語はステロイド、特にアタメスタン、エキセメスタンおよびホンネスタンおよび、特に、非ステロイド、特にアミノグルテチミド、ログレトイミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを含むが、これらに限定されない。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組合せは、ホルモン受容体陽性の腫瘍、例えば***腫瘍の治療に特に有用である。
本明細書中で使用される用語「抗エストロゲン」は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの効果に拮抗する化合物に関する。該用語は、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェン塩酸塩を含むが、これらに限定されない。抗エストロゲンである化学療法剤を含む本発明の組合せは、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば***腫瘍の治療に特に有用である。
本明細書中で使用される用語「抗雄性ホルモン」は、雄性ホルモンの生物学的効果を阻害することができる任意の物質に関し、ビカルトアミドを含むが、これに限定されない。
本明細書中で使用される用語「ゴナドレリンアゴニスト」は、アバレリキス、ゴセレリンおよびゴセレリン酢酸塩を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「トポイソメラーゼI阻害剤」は、トポテカン、イリノテカン、9−ニトロカムプトテシンおよび高分子カンプトテシン複合体PNU−166148(WO99/17804中の化合物A1)を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「トポイソメラーゼII阻害剤」は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシンなどのアントラサイクリン、アントラキノンのミトキサントロンおよびロソキサントロン、ならびにポドフィロトキシンエトポシドおよびテニポシドを含むが、これらに限定されない。
用語「微小管活性剤」は、タキサン、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、特にビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン特にビンクリスチン硫酸塩、およびビノレルビン、ディスコデルモリドおよびエポチロンおよびそれらの誘導体、例えばエポチロンBまたはそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない微小管安定化および微小管不安定化剤に関する。
本明細書中で使用される用語「アルキル化剤」は、ブスルファン、クロランブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソ尿素(BCNUまたはグリアデル(商標))を含むが、これらに限定されない。
用語「抗新生物代謝拮抗剤」は、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、シタラビン、フルダラビン、チオグアニン、メトトレキセートおよびエダトレキセートを含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「プラチン化合物」は、カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンを含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「タンパク質または脂質キナーゼ活性またはさらに抗血管形成化合物を標的とする/減少させる化合物」は、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤および/またはセリンおよび/もしくはトレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤、例えば、受容体チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロ二量体としてEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の上皮成長因子ファミリー、受容体チロシンキナーゼ(VEGFR)の血管内皮増殖因子ファミリー、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)、インスリン様成長因子受容体1(IGF−IR)、Trk受容体チロシンキナーゼファミリー、Axl受容体チロシンキナーゼファミリー、Ret受容体チロシンキナーゼ、KitISCFR受容体チロシンキナーゼ、c−Ablファミリーのメンバーおよびそれらの遺伝子融合生成物(例えばBCR−Abl)、タンパク質キナーゼC(PKC)のメンバーおよびセリン/トレオニンキナーゼのRafファミリー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDKまたはPI(3)キナーゼファミリー、またはPI(3)−キナーゼ関連キナーゼファミリーのメンバー、および/または例えばタンパク質もしくは脂質キナーゼ阻害に無関係なそれらの活性のための他の機構を有するサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)および抗血管形成化合物のメンバーの活性を標的とする、低下させる、または阻害する化合物を含むが、これらに限定されない。
VEGFR活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物は、特に、VEGF受容体チロシンキナーゼを阻害する、VEGF受容体を阻害する、またはVEGFに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特にWO98/35958中に一般的におよび具体的に開示されたこれらの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えば、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたは薬学的に許容されるそれらの塩、例えばWO00127820中のコハク酸塩、例えばN−アリール(チオ)アントラニル酸アミド誘導体、例えば2−[(4−ピリジル)メチル]アミノ−N−[3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ベンズアミドまたは2−[(1−オキシド−4−ピリジル)メチル]アミノ−N−[3−トリフルオロメチルフェニル]ベンズアミド、またはWO00/09495、WO00/159509、WO98/11223、WO00/27819およびEP0769947で開示されたもの;M.PrewettらによりCancer Research 59巻(1999年)5209〜5218頁に、F.YuanらによりProc.Natl.Acad.Sci.USA、93巻、14765〜14770頁、1996年12月に、Z.ZhuらによりCancer Res.58巻、1998年、3209〜3214頁で、およびJ.MordentiらによりToxicologic Pathology、27巻、1号、14〜21頁、1999年に;WO00/37502およびWO94/10202に記載されたもの;M.S.O’Reillyらにより、Cell 79、1994、315〜328に記載されたAngiostatin(商標);M.S.O’Reillyらにより、Cell 88巻、1997年、277〜285頁に記載されたEndostatin(商標);アントランル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;または抗VEGF抗体もしくは抗VEGF受容体抗体、例えばRhuMabである。
抗体に関しては、所望の生物学的活性を示す限り、完全モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの完全抗体および抗体断片から形成された多特異的抗体が意味される。
上皮成長因子受容体ファミリーの活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物は、特に、EGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害する、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する、またはErbBおよびVEGF受容体キナーゼに対して二重の阻害効果を有する化合物、タンパク質または抗体であり、ならびに特に、WO97/02266に一般的におよび具体的に記載されたこれらの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えば実施例39の化合物、またはEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5,747,498、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983、および特に、WO96/30347(例えばCP358774として知られる化合物)、WO96/33980(例えば化合物ZD1839)およびWO95103283(例えば化合物ZM105180)またはPCT/EP02/08780に記載されたこれらの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばトラスツズマブ(Herpetin(登録商標))、セツキシマブ、イレッサ、OSI−774、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3もしくはE7.6.3である。
PDGFRの活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物は、特にPDGF受容体を阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブである。
c−Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合生成物の活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物は、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、PDl80970、AG957、またはNSC680410である。
タンパク質キナーゼC、Raf、MEK、SRC、JAK、FAKおよびPDKファミリーメンバー、またはPI(3)キナーゼまたはPI(3)キナーゼ関連ファミリーメンバー、および/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物は、特にEP0296110で開示されたこれらのスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリンであり、さらなる化合物の例として、例えばUCN−Ol、サフィンゴール、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリホシン、イルモホシン、RO 318220およびRO 320432、GO 6976、Isis 3521、またはLY333531/LY379196が挙げられる。
さらなる抗血管形成化合物は、例えばサリドマイド(THALOMID)およびTNP−470である。
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とする、低下させるまたは阻害する化合物は、例えば、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTENまたはCDC25の阻害剤、例えばオカダ酸またはそれらの誘導体である。
細胞分化過程を誘発する化合物は、例えば、レチノイン酸、α−、γ−またはδ−トコフェロールまたはα−、γ−またはδ−トコトリエノールである。
本明細書中で使用されるシクロオキシゲナーゼ阻害剤という用語は、例えば、セレコキシブ(Cerebrex(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」は、MS−275、SAHA、ピロキサミド、FR−901228またはバルプロ酸を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「ビスホスホネート」は、エトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、プアミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤」は、コラーゲンペプチドミメティックおよび非ペプチドミメティック阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチドミメティック阻害剤のバチマスタトおよびその経口的に生体利用可能なアナログのマリマスタト、プリノマスタト、BMS−279251、BAY12−9566、TAA211またはAAJ996を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される用語「mTOR阻害剤」は、ラパマイシン(シロリムス)またはそれらの誘導体、例えば32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(S)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンおよび、より好ましくは、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンを含むが、これらに限定されない。ラパマイシン誘導体のさらなる例として、例えば、USP5,362,718に開示されたCCI779または40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシンまたは薬学的に許容されるそれらの塩、例えばWO99/15530に開示されたABT578または40−(テトラゾリル)−ラパマイシン、特に40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン、または例えばWO98/02441およびWOO/14387に開示されたラパログ、例えばAP23573が挙げられる。
化合物Iのヘミフマル酸塩が、他の免疫抑制療法、免疫調節療法、抗炎症療法または化学療法剤療法と併用して投与される場合、共投与される免疫抑制剤、免疫調節、抗炎症性、または化学療法化合物の投薬量は、いうまでもなく、使用される併用薬剤のタイプ、例えばそれがステロイドであるかまたはカルシニューリン阻害剤であるかに応じて、使用される特定の薬剤、治療される状態等に応じて変化するであろう。
末梢神経障害の治療のために、化合物Iのヘミフマル酸塩は、末梢神経障害、例えば脱髄末梢神経障害を治療するために有用なさらなる治療剤とともに投与することができる。例として、第2の治療剤は、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンA、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキセート、レフルノミド、ミゾリビン、ミコフェノラートモフェチル、または15−デオキシスペルグアリン)、ステロイド(例えば、プレドニゾンまたはヒドロコルチゾン)、免疫グロブリン、または1型インターフェロンであってよい。化合物Iのヘミフマル酸塩および第2の作用剤は、同時にまたは順次に投与することができる。
前述のことに基づき、本発明は、なおもさらなる態様を提供する。すなわち、
5.治療的に有効で無毒性の量の化合物Iのヘミフマル酸塩および少なくとも第2の薬剤物質、例えば上記のように例えば免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤または化学療法剤の、例えば同時にまたは順次の共投与を含む、上で定義された方法。
6.a)本明細書で開示した化合物Iのヘミフマル酸塩である第1の作用剤、およびb)少なくとも1種の共作用剤、例えば上で開示した免疫抑制剤、免疫調節剤、抗炎症剤または化学療法剤を含む薬学的組合せ、例えばキット。
キットは、その投与のための使用説明書を含むことができる。
本明細書において使用される用語「共投与」または「組合せ投与」等は、選択された治療剤の一人の患者への投与を包含することを意味し、作用剤が必ずしも同じ投与経路によりまたは同時に投与されない治療投薬計画を含むことを意図する。
本明細書中で使用される用語「薬学的組合せ」は、2種以上の有効成分の混合または組合せから生じる製品を意味し、有効成分の固定された組合せおよび固定されない組合せの両方を含む。用語「固定された組合せ」は、有効成分、例えば化合物Iのヘミフマル酸塩および共作用剤が、両方とも同時に単一の単位または調剤の形態で患者に投与されることを意味する。用語「固定されない組合せ」は、有効成分、例えば化合物Iのヘミフマル酸塩および共作用剤が、患者に分離した調剤として、並行して、同時にまたは特別の時間制限はなく順次にのいずれかで両方とも投与されることを意味し、そのような投与が患者の体内に治療的に有効なレベルの2種の化合物を提供する。後者は、カクテル療法、例えば3種以上の有効成分の投与にも適用される。
本発明が例示されるが、以下の実施例により、および添付した図への参照で限定されることは決してない。
一般的手順
X線粉末回折
X線粉末回折分析(XRPD)は、標準的方法、例えば、Giacovazzo、C.ら(1995年)、Fundamentals of Crystallography、Oxford University Press;Jenkins、R.およびSnyder、R.L.(1996年)、Introduction to X−Ray Powder Diffractometry、John Wiley & Sons、New York;Bunn、C.W.(1948年)、Chemical Crystallography、Clarendon Press、London;またはKlug、H.P.& Alexander、L.E.(1974年)、X−ray Diffraction Procedures、John Wiley and Sons、New Yorkに開示された方法にしたがって調製された試料に対して実施した。X線分析は、Bruker D8 Advance Powder X線回折計を使用して実施した。試料は粉末として分析し、検体保持器上に粉末として置いた。
XRPD回折角(2θ)は±0.2°(2θ)の範囲内で変動し得る。
以下の実施例の幾つかにおいて、同じ結晶形が異なる工程により調製される。そのような場合、各工程は「本質的に」同じXRPD回折パターンを有する同じ結晶形を生じたので、同じ代表的特性づけデータと照合した。換言すれば、同じ結晶形が調製されたことが、関連するパターン(実験誤差を許容して)から明らかであった。
示差走査熱量測定法
示差走査熱量測定法(DSC)は、標準的方法、例えば、Hohne、G.W.H.ら(1996年)、Differential Scanning Calorimetry、Springer、Berlinに記載された方法にしたがって、Perkin Elmer DSC7装置を使用して実施した。
動的蒸気収着
動的蒸気収着測定は、DVS−I水蒸気収着分析装置(Surface Measurement Systems Ltd.)またはProjekt Messtechnik SPS11−100nを使用して行った。試料を放置して50%r.h.で平衡させてから、予め設定した湿度プログラム(50−0−95−50%r.h.、5%Δr.h.時間−1および数回の等湿度平衡化期間で走査する)を開始した。
フーリエ変換ラマン分光法
FT−ラマン分光法測定は、Bruker RFS100で実施する。
出発原料の調製
本明細書においては、特に断りのない限り、化合物Iの遊離塩基形は、WO2004/103306の実施例3に記載されたようにして調製することができる。
略号
EtOH エタノール
NaBH(OAc) トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
MEK 2−ブタノン
2PrOH 2−プロパノール
THF テトラヒドロフラン
1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の調製
30gの化合物Iを、WO2004/103306の実施例3の方法を使用して調製した。
次に、本発明のヘミフマル酸塩は、200gの無水エタノール(>99.9%)中の30.0gの化合物Iおよび20gのフマル酸(濃度5%)の懸濁液を室温(25℃)で反応させることにより調製した。
次に、遊離塩基溶液と比較したヘミフマル酸塩溶液の安定性を、両方の溶液を上昇した温度(40℃、50℃および60℃)条件に1週間さらすことにより試験した。
ヘミフマル酸塩は、試験した全ての条件で優る安定性を示した。
1−(4−{l−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の結晶形Aの調製
方法1
4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンズアルデヒド(4.32g)およびアゼチジン−3−カルボン酸(1.42g)を、75mlのメタノール中に懸濁して23〜27℃の温度で15〜30分間攪拌した。NaBH(OAc)(3.81g)を、分割して23〜27℃で1〜2時間かけて加えた。反応が完結したら、メタノールを留去した。50mLの酢酸エチルをさらに加えて、次に留去した。次のステップで、50mLの酢酸エチル、2.55mLのメタノールおよび25mLの水を蒸溜残査に加え、混合物を、透明な2相が得られるまで攪拌した。2N NaOHの添加によりpHをpH6に調節して、2相を分離した。有機相を10mlの水で抽出してもとの体積の50%に濃縮した。次に、無水エタノールを加えてもとの体積に戻した。これらの濃縮/蒸溜および無水エタノール添加のステップを2回繰り返した。次に、チャーコール(0.43g)およびCellflock(0.43g)を加えて、混合物を30分間25℃の温度で攪拌してから濾過した。次に、濾液を約50gに濃縮して、0.87gのフマル酸を固体として45℃の温度で加えた。全てのものが溶解したとき、溶液に60mgの1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸、(E)−ブタ−2−エン二酸の結晶核を入れた。結晶化は、40〜45℃の温度で1時間の攪拌に続いて、20〜25℃に1〜2時間以内に冷却し、20〜25℃でさらに15〜20時間攪拌することにより完結した。生じた生成物を濾過により回収して洗浄すると、4.9gの1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸、(E)−ブタ−2−エン二酸が白色粉末として得られた。
方法2
化合物Iの遊離塩基(400mg)およびフマル酸(89mg)を2mLのEtOH中に加えた。混合物を50℃に2時間加熱して、次に一定速度で攪拌しながら室温に冷却した。それを冷蔵庫中で72時間冷やしてから、真空濾過して白色固体を回収した。
方法3
化合物Iの遊離塩基(100mg)および1.5mLの0.125mMフマル酸を1mLのEtOHに加えた。該溶液を40℃に加熱し、放置して蒸発乾固させた。アセトニトリル(2mL)を加えて混合物を攪拌した。定性濾紙を使用して真空濾過により白色固体を回収した。
方法4
化合物Iの遊離塩基(100mg)およびフマル酸(22.4mg)を2mLのアセトニトリルに加えた。該溶液を終夜攪拌し、混合物を濾過して白色固体沈殿を回収した。
方法5−スラリー法
化合物Iの遊離塩基(400mg)およびフマル酸(89mg)を10mLのアセトニトリルに加えた。該溶液を超音波処理して40℃で30分間加熱し、それから室温に冷却した。アセトニトリルをさらに2mL添加して、溶液をさらに2時間攪拌した。次に、溶液を冷蔵庫に移して72時間置き、真空濾過により白色固体を回収した。
方法6
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形A(33.9mg)を3mlのMEK中に70℃で溶解した。それから直ちに、透明で僅かに黄色を帯びた溶液を冷蔵庫中で貯蔵した。冷蔵庫中に2日貯蔵した後、白色沈殿をP4ガラスフィルタで濾過することにより回収し、試料を通して空気を約3分間吸引した。
方法7
化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形A(34.6mg)を5mlのアセトン中に50℃で溶解し、生じた無色透明な溶液を直ちに冷蔵庫中で貯蔵した。1日貯蔵した後、白色沈殿をP4ガラスフィルタで濾過し、試料を通して空気を約3分間吸引した。
方法8
80:20のエタノール:水混合物中に4.35%飽和溶液として存在するフマル酸を、二分して、4.35%飽和溶液として50℃の導入温度で反応容器に加える。最初に、フマル酸の10%を加えて、次に溶液に結晶形A(上記方法1〜7により得られる)の結晶核を50℃の温度で入れ、その後第2部分のフマル酸(90%の量)を50℃の導入温度で2時間かけて加える。
次に、白色沈殿の懸濁液を55℃に加熱して、多形結晶形Aを安定化するために45℃に2回冷却する。
次に、30℃のジャケット温度に5時間かけてゆっくり冷却することにより、結晶化が完了する。次に、懸濁液を、30℃のジャケット温度および100ミリバールの圧力で蒸溜することにより減少させて、2時間で懸濁液量の20%を除去し、次に20℃の内部温度で1時間冷却する。最後に、ヘミフマル酸塩の結晶形Aが濾過により単離され、ALANPで洗浄した後、40℃のジャケット温度で真空下に終夜乾燥する。
結晶形Aの分析
XRPD分析は、上記方法1から8の生成物が1−(4−{l−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)のヘミフマル酸塩の結晶形Aであり、上記表1のリストに挙げたピークおよび図1に示した代表的図形と同じかまたは本質的に同じXRPD図形を有することを示した。方法1から8により生成した結晶形Aは、図5に示した代表的図形と同じかまたは本質的に同じFT−ラマンスペクトルも示す。
動的蒸気収着測定は、結晶形Aが低い吸湿性を有することを示した。
結晶形Aは、2〜3ミリグラムのこの形態に10トンの圧力を5分間かけることにより、圧力安定性についても試験した。最初のおよび試験後の試料をラマン顕微鏡下で分析して、形態に変化は認められなかった。
1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の結晶形Bの調製
49.7mgの化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを10mlのEtOHに溶解して、無色透明な溶液を0.2μmのPTFEフィルタを通して濾過し、周囲条件で放置して、直径9cmの結晶化皿から蒸発させた。2日後に無色の残渣が観察され、皿から掻き出した。結果として微細白色粉末が得られ、分析した。
結晶形Bの分析
XRPD分析は、生成物が1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)のヘミフマル酸塩の結晶形Bであり、2.7°(2θ)に単一ピークおよび図2に示したXRPD図形を有することを示した。結晶形Bは図6に示したFT−ラマンスペクトルを有することも見出された。
1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の結晶形Cの調製
方法1
103.9mgの化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを2mlのアセトン/水(1:1)中に70℃で溶解して、無色透明な溶液を直ちに冷蔵庫中に貯蔵した。1日貯蔵した後、白色沈殿をP4ガラスフィルタで濾過し、試料を通して空気を約3分間吸引した。
方法2
35.0mgの化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを1mlの2PrOH中に75℃で溶解して、形成された無色透明な溶液を直ちに冷蔵庫中に貯蔵した。1日貯蔵した後、白色沈殿をP4ガラスフィルタで濾過し、試料を通して空気を約3分間吸引した。生じた微細白色粉末をFT−ラマン分光法およびXRPDにより分析した。
方法3
無水200gエタノール(>99.9%)中30.0gの溶液化合物Iおよび20gのフマル酸(濃度5%)の懸濁液を40℃のジャケット温度に加熱する。200rpmのスターラの速度で温度を40℃に1時間保つ。その後、溶液を30℃に冷却して、エタノール溶液を20ミリバールで、溶液から沈殿が出るまで蒸溜する。直ちに懸濁液を濾過して結晶を回収し、次に40℃および10ミリバールで8時間乾燥する。80%の収率が得られる(すなわち5.5g)。
結晶形Cの分析
上記方法1および2により得られた白色固体について行われたXRPD分析は、生成物が1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の結晶形Cであり、上記表2のリストに挙げたピークおよび図3に示した代表的図形と同じかまたは本質的に同じXRPD図形を有することを示した。結晶形Cは、図7に示した代表的図形と同じかまたは実質的に同じFT−ラマンスペクトルを有することも見出された。動的蒸気収着測定は、結晶形Cが引湿性ではないことを示した。
1−(4−{1−[(E−)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の結晶形Dの調製
100.6mgの化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを4.5mlのTHF中に溶解して、無色透明の溶液を得た。水を貧溶媒として加え(5.1ml:8.2ml)、一種のエマルションを得た。混合物を20分間攪拌し、2.5mlの水を加えて、溶液を冷蔵庫中で貯蔵した。2日後、白色沈殿が形成されており、それをP4ガラスフィルタで単離した。溶液は、完全には濾過されなかった。試料を通して空気を約2分間吸引して、白色固体をFT−ラマン分光法およびXRPDにより分析した。6日後に、試料をさらに15分間真空下で乾燥し、FT−ラマン分光法およびXRPDで再び分析した。
結晶形Dの分析
白色沈殿について実施されたXRPD分析は、生成物が1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の結晶形Dであり、上記表2中のリストに挙げたピークおよび図4に示したXRPD図形を有することを示した。結晶形Dは、図8に示した代表的図形と同じかまたは本質的に同じFT−ラマンスペクトルを有することも見出された。
1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸(化合物I)ヘミフマル酸塩の結晶形Eの調製
100.8mgの化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Aを1mlのTHF/水(1:1)中に懸濁し、0.2μmのPTFEフィルタで濾過して、透明で僅かに黄色を帯びた溶液を得た。1mlのn−ヘキサンを貧溶媒として加えると、白色沈殿が出現した。次に混合物をさらに5分間攪拌し、次に0.45μmのPTFE遠心フィルタを通して濾過すると、固体は全てフィルタを通過した。懸濁液を0.45μmのPTFE遠心フィルタでより短い時間で再濾過して上清をデカントし、白色粉末を単離するに任せた。湿ったケーキをFT−ラマン分光法により分析すると、化合物Iのヘミフマル酸塩の結晶形Bのパターンを示した。
次に、固体を、FT−ラマン試料固定器中に周囲条件で放置して乾燥させた。その後、試料をFT−ラマン分光法により分析すると、結晶形Eのスペクトルを示し、それを図9に示す。

Claims (17)

  1. 1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩。
  2. 前記塩は、実質的に結晶性である、請求項1に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩。
  3. 1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形A。
  4. 前記結晶形は、2θ=20.7°付近に少なくとも1つの特徴的ピークのあるX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項3に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形A。
  5. 前記結晶形は、特徴的ピークが2θ=6.9°、17.5°、18.1°、20.4°、または20.7°付近にあるX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形A。
  6. 前記結晶形は、図1に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形A。
  7. 1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形B。
  8. 前記結晶形は、図2に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項7に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形B。
  9. 1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形C。
  10. 前記結晶形は、図3に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項9に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形C。
  11. 1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形D。
  12. 前記結晶形は、図4に示したX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項11に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形D。
  13. 1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩の結晶形E。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩を、薬学的に許容される補助剤、希釈剤または担体と混合して含む医薬組成物。
  15. 医薬として使用するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩。
  16. リンパ球により媒介される障害または疾患を、そのような治療が必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に有効量の、請求項1から13のいずれか一項に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩を投与することを含む方法。
  17. 器官または組織移植拒絶、移植片対宿主病、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、炎症性疾患または状態、筋肉疾患を、そのような治療が必要な対象において予防または治療する方法であって、前記対象に有効量の、請求項1から13のいずれか一項に記載の1−(4−{1−[(E)−4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ]−エチル}−2−エチル−ベンジル)−アゼチジン−3−カルボン酸ヘミフマル酸塩を投与することを含む方法。
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