JP2012504509A - 製造方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、多数の実質的に平坦な層からボードを形成するための、ａ)実質的に水平面内に層が配置されることを確実なものとするステップと、ｂ)この層に対して接着剤を塗布するステップと、ｃ)この層を保持ステーションへと移動させるステップと、ｄ)この層をこの保持ステーション内で、他の層に当接した状態で水平に保持するステップと、ｅ)形成されるボードの所望の幅と実質的に等しい高さを有する層のスタックが形成されるまでステップａ)ないしｄ)を繰り返すステップとを備える方法に関し、当該方法は、ｆ)上記層が互いに結合するのに十分な時間が経過したならば、上記スタックを上記保持デバイスから移動させるステップによって特徴付けられる。

Description

本発明は製造方法に関する。

特に、本発明は、積層素材からボードを製造する方法に関する。

本発明は、多層ボードを製造するのに好適な製造プロセスに関連付けて説明する。本明細書を通じて、段ボールに関連した本発明の利用について言及するが、本発明の原理は、紙以外の素材およびコルゲーション以外の形態に対しても適用可能であることを理解されたい。

片面段ボールはよく知られており、産業界で、特に、それが保護パッドおよびラッピングとして使用される場合のパッケージングにおいて広く使用されている。それはまた、ボックス、パネル、パレットその他の数多くの構造体の製造時に基本コンポーネントとして使用される。

片面段ボールのシートは、さまざまな厚みおよび強度の多層段ボールを形成するために互いに接合できる。そうしたボール紙が広く使用されている一つの理由は、それが比較的軽量であり、しかもかなりの剛性および強度を有することである。

片面段ボールは、たいてい、ライナーシート上に、通常は中しん(一般にリサイクルペーパー)からなる溝付きシートを接合することによって形成形成される。ライナーシートは、通常は、クラフト紙であるが、他の素材が使用されてもよい。

だが、通常の製造プロセスでは、ボードは、フルートトラフおよびピークが実質的に水平に配置されるようになされる。これは、ボードの表面上に載る重量がコルゲーションあるいはフルートを平らにし、そしてボードを破壊するように作用し得ることを意味する。したがって、より高い強度を実現できるようにボードが使用されることを可能とする製造方法が求められていた。

それが達成可能な一つの方法は、多数のボードの層を持つことであるが、ボードの層を一つに保持することを保証することに関連する大きな問題がある。ボードの壊れやすい性質のために、層は、摩擦フィットあるいはその他の機械的手法によって一つにプレス加工することが全くできない。代わりに、層間での接着剤の塗布の形態で化学的結合が必要とされる。

効果を発揮するために、接着剤は硬化時間を要する。都合の悪いことに、高速生産処理を行うことが望まれる場合、この硬化時間は生産プロセスにおける重大な障害となる。

本発明の目的は、上記問題を解決すること、あるいは少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。

本明細書中で引用された特許あるいは特許出願を含む全ての参考文献は、この引用によって本明細書中に組み込まれる。参考文献が従来技術を構成しない。参考文献の説明は、その著者が主張していることを述べており、出願人は引用された文献の正確さおよび妥当性を変更する権利を有する。いくつかの従来技術刊行物が本明細書中で言及されているが、これらの文献のいずれかが、技術分野の、ニュージーランドの、あるいはその他の国の共通の一般的知識の一部を形成するという承認を、この参考文献が形成するものでないことは明らかである。

「具備する」との用語は、さまざまな権限のもと、排他的あるいは包括的な意味を持つと考えられる。本明細書の目的のために、そして特に断らない限り、「具備する」との用語は、包括的な意味を持つ。すなわち、それが直接指している列挙されたコンポーネントだけでなく、他の言及されていないコンポーネントあるいは要素の包含を意味する。この理論はまた、方法またはプロセスにおける一つ以上のステップに関して「備えた」あるいは「備えている」という用語を使用する場合にも適用される。

本発明のさらなる態様および利点は、単なる実例として提示した以下の説明から明らかとなるであろう。

本発明のある態様によれば、複数の実質的に平坦な層からボードを形成するための方法が提供されるが、これは、
ａ)実質的に水平面内に層が配置されることを確実なものとするステップと、
ｂ)この層に対して接着剤を塗布するステップと、
ｃ)この層を保持ステーションへと移動させるステップと、
ｄ)この層を保持ステーション内で、他の層に当接した状態で水平に保持するステップと、
ｅ)形成されるボードの所望の幅と実質的に等しい高さを有する層のスタックが形成されるまでステップａ)ないしｄ)を繰り返すステップと、を備え、
当該方法は、
ｆ)上記層が互いに結合するのに十分な時間が経過したならば、スタックを保持デバイスから移動させるステップによって特徴付けられる。

本発明の他の態様によれば、本発明に係る方法と共に使用するように構成された保持ステーションであって、層のスタックに横向き圧力を加えるよう構成された少なくとも二つの対向する平坦セクションを含む保持ステーションが提供される。

本発明のさらに他の態様によれば、上記方法に基づいて製造されたボードが提供される。

本発明の好ましい実施形態では、実質的に平坦な層は、片面段ボールである(マルチラミネートあるいは単一型のいずれか)。だが、これは限定と考えるべきではない。本発明の原理は、さまざまなタイプの素材の層に対して適用可能である。たとえば、層は、紙、カード、プラスチック、アルミニウムなどから形成できる。

層は必ずしもコルゲーションを有する必要はなく、そして、ある実施形態では、他の形態のセルを有していても、あるいは実質的に中実であってもよい。だが、本明細書の以下の説明から明らかであるように、段ボールと共に利用されるときに、本発明は特に有利であることに留意されたい。

好ましい実施形態では、層は比較的薄く、かつ、おそらく下方からの支持を要する限定された構造的強度を有する。したがって、実質的に水平面内に配置された層は、本発明において使用される設備の一部によって層が支持されることを可能にする。たとえば、層は、製造プロセスのさまざまな段階へと層を運ぶ役割を果たすコンベアによって支持されてもよい。

接着剤は、さまざま手段で層に対して塗布できる。ある実施形態では、コンベアが、接着剤を塗布するグルーローラーへと層を搬送する。

ボードの水平ポジションは、異なる向きに塗布される場合に垂れることがある接着剤の均一な塗布を助ける。

使用される接着剤の種類は、室温で容易に塗布でき、かつ、同じ温度で比較的速やかに硬化し得るものになると考えられる。接着剤はまた、それを用いてボードが形成される素材にとって好適である必要がある。

好ましい実施形態では、接着剤は、ビニルアセテートコポリマーを含む水性ディスパージョンである。

分散状態のビニルアセテートコポリマーを含む水性接着剤が好ましい。というのは、通常の使用状況では、それは無害な物質であり、したがって自然な換気が実現されるならば安全に使用できるからである。

ビニルアセテートコポリマーを含む水性ディスパージョンは比較的速やかに硬化し、低い粘性、良好な接着性および長い風乾時間を有する。相対的に低い粘性は接着剤が容易に流動することを可能とするために必要であり(たとえばローラーからボードへと転写されるとき)、一方、良好な接着性は表面に素早く付着する能力を提供する。

風乾時間は、通常の温度および圧力のもとで、それが、対向する面を濡らし、そして対向する面の繊維内に浸透するその能力を失う前に接着剤が露出表面を有することができる時間の測定値である。

好ましくは、接着剤はAdhesin(商標)Z9129W、Henkel New Zealand Limitedから供給されるビニルアセテートコポリマーである。出願人は、Adhesin(商標)Z9129Wが、必要な粘性、および本発明と共に使用するのに必要な長い風乾時間を有することを見出した。たとえば、Adhesin(商標)Z9129Wは、２１００〜２２００m.Pa.Sの範囲の粘性と、０.５ないし１分の風乾時間を有する。だが、同様の特性を有するその他の接着剤も使用可能である。

ローラーがボードに接着剤を塗布するために使用される場合、ローラーへと層を運搬しかつそれを横切って移動させる動作は、保持ステーションへとボードを移動させるための効果的な手法である。

保持ステーションはさまざまな形態をとることができるが、好ましい実施形態では、保持ステーションは、その間に収容されたボードのスタックに対して横向きの圧力を加えることができる、単なる一対の対向する平坦なセクション(すなわちパネル)である。たとえば、保持ステーションは、それらがパネル内に降下すると層の側面を押圧するラムに接続された２枚のパネルであってもよい。

上記パネルは、極めて僅かだけ、上端において外側に、そして下端におい内側に傾いていてもよい。これは、最も下方の層が、その上に配置される後続の層のためのストッパーおよびサポートとして堅固に保持されることを意味する。これは、好ましい実施形態では、保持ステーションに対するベースが存在しないからである。さらなる層が保持ステーション内のボードのスタックに付加されるとき、角度を減少させることができ、この結果、上側ボードの取り込みを可能としながら、さらに大きな圧力を下側のボードに加えることができる。

ある実施形態では、重力の僅かなアシストは、接着剤によってボードを互いに緊密に結合させるために、層が互いに対して十分に確実に押し付けられるのに十分であろう。

だが、好ましい実施形態では、層を互いに対して保持するための付加的な圧力が付与される。ある実施形態では、これは、上方から降下するよう構成され、かつ、それがパネルによって保持された後に各層の上に下向きの力を加えるプレートの形態であってもよい。これによって、層は、その下方の下側層に対して押し付けられる。したがって、それが保持ステーションに入る前に接着剤が層の下面に塗布される場合、押圧プレートは、接着剤が下方の層のクリーンな上面に対して延び広がることを確実なものとする。

さらに、層の下面にのみ接着剤を塗布したことによって、押圧プレートは接着材自体と接することはなく、したがって非常にクリーンな処理が実現される。

押圧プレートはさまざまな手段によって作動させることができるが、好ましい実施形態では、これは、押圧ラムを介した圧力の均一な印加による。

層は、それらが、形成される最終的なボードの所望の幅と実質的に等しい高さを有する層のスタックを形成してしまうまで、保持ステーションへと供給される。

これは、個々の層が互いに結合するための時間が経過すると、スタック全体は保持ステーションからリリースされ、そして垂直フルート段ボールの多重シートのベースを形成できるからである。

これは、さまざまな手法を用いて実現可能である。ある実施形態では、保持ステーションを出て行くスタックは中実立方体であり、これは、続いて、垂直フルート段ボールを形成するために垂直方向に裁断される。

だが、好ましい実施形態では、水平に配置された層は、グルーローラーを通過する前に、押し付けボックスに入る前に、ストリップへと裁断される。これは、上述したようにスタック全体を裁断するよりも著しく容易に実施できる作業である。代わりに、薄い層は、出願人によるニュージーランド特許出願第570795号において説明したようなブレードを用いて容易に裁断できる。

層が保持ステーションに入る前に裁断される場合、保持ステーションのパネルの動作および位置決めは、切片が互いに整列することが保証されるように注意深く制御される必要があることは明らかである。

この製造方法は従来技術の数多くの問題を解決することもまた明らかである。

第一に、接着剤が乾燥する間、層を保持することは依然として必要条件であるが、多数のボードが一度に形成されているので、これは、さほどの障害ではない。

さらに、垂直フルートを有するボードを形成するための効果的な再配向によって非常に強度の高いボードが得られる。これは、荷重支持面は、従来のボードのようにコルゲーションのクレストにではなく、フルートの側面に対する端部であるからである。これによって、ボードに対してかなり大きな強度が付与される。

ただ二つのサイドパネルを有する非常に簡素な保持ステーションの設置は、製造および操業のために非常にコスト効率が良い。

垂直フルートボードとして保持ステーションから現れる前に、裁断され、接着され、続いて垂直に押圧される層の水平供給の組み合わせは、極めて流線形の効率のよい処理である。

本発明のさらなる態様は、単なる例として、そして図面を参照して提示した以下の説明から明らかとなるであろう。

本発明に基づくボード製造方法の概略図である。 保持ステーションの作用を示す図である。

図１に関して、本発明の一実施形態に基づく、概して矢印(１)で示すボード製造方法が示されている。

このボード製造方法は、五つのセクションＡからＥを有するものとして示されている。

セクションＡにおいては、マルチラミネート片面段段ボール(すなわち層)のシート(２)が、裁断セクションであるセクションＢへとコンベア(図示せず)上を輸送される。ボード(２)は、ブレード(図示せず)によってストリップ(３)へと裁断される。各ストリップの幅は、製造方法(１)によって最終的に生産されるボード(４)の最終的厚みと等しい。

ストリップ(３)は、続いて、グルーローラー(５および６)を備えるセクションＣへコンベアによって供給される。ローラー(５および６)は、ストリップ(３)の下面(７)に接着剤を塗布する。

ストリップ(３)は、概して矢印(８)で示す保持ステーションの形態であるセクションＤへと供給される。セクションＤは図２により詳しく示されている。

パネル(９および１０)の上端には、保持ステーション(８)内へのストリップ(３)のガイドを助けるテーパー(１４および１５)が存在することに留意されたい。

ストリップ(３)は保持ステーション(８)内に降下させられ、そして２枚のサイドパネル(９および１０)間で保持される。このパネルはラム(図示せず)に接続されるが、これは、ストリップ(３)の側面に押し付け作用を及ぼす。パネル(９および１０)間のストリップ(３)は互いに完全に整列していることが分かる。

ストリップの層が保持ステーション(８)に入った後、押圧ラム(１１および１２)がプレート(１３)を押し下げ、これによって、ストリップ(３)は、下方のストリップと密着状態となる。

概して矢印(１６)で示す層のスタックは、
ａ)十分なストリップがステーション内に供給され、この結果、ストリップのスタックが、生産されるボード(４)の長さと等しい高さとなり、そして
ｂ)接着剤がストリップを接合してしまうと、
離間するように移動するパネル(９および１０)の作用によって保持ステーション(８)から落下する。

他の実施形態では、スタック(１６)は保持ステーション(８)から上方に持ち上げられる。この実施形態では、接着剤は層の上面に塗布される。

完成したボード(４)は、続いて、そこから取り出される。

本発明の態様を単なる例として説明してきたが、特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対して変更および付加をなし得ることに留意されたい。

２ マルチラミネート片面段段ボールのシート
３ ストリップ
４ ボード
５,６ グルーローラー
７ ストリップの下面
８ 保持ステーション
９,１０ パネル
１１,１２ 押圧ラム
１３ プレート
１４,１５ テーパー
１６ スタック

Claims (15)

1. 複数の実質的に平坦な層からボードを形成するための方法であって、
   ａ)実質的に水平面内に層が配置されることを確実なものとするステップと、
   ｂ)前記層に対して接着剤を塗布するステップと、
   ｃ)前記層を保持ステーションへと移動させるステップと、
   ｄ)前記層を、前記保持ステーション内で、他の層に当接した状態で水平に保持するステップと、
   ｅ)形成される前記ボードの所望の幅と実質的に等しい高さを有する層のスタックが形成されるまでステップａ)ないしｄ)を繰り返すステップと、を備え、
   ｆ)前記層が互いに結合するのに十分な時間が経過したならば、前記スタックを前記保持デバイスから移動させるステップをさらに具備することを特徴とする方法。
2. 前記層は片面段ボールであることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 前記層は水平面内で支持されることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の方法。
4. コンベアによって提供される前記水平面内に前記層のための前記サポートが設けられることを特徴とする請求項３に記載の方法。
5. 前記接着剤はグルーローラーによって塗布されることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載の方法。
6. 前記接着剤は水性であり、かつ、分散状態のビニルアセテートコポリマーを含むことを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれか１項に記載の方法。
7. 前記接着剤は、前記層の下面に対して塗布されることを特徴とする請求項１ないし請求項６のいずれか１項に記載の方法。
8. 前記平坦な層は、ステップａ)に先立って、ストリップへと裁断されることを特徴とする請求項１ないし請求項７のいずれか１項に記載の方法。
9. 請求項１ないし請求項８のいずれか１項に記載の方法に基づいて製造されたボード。
10. 請求項１ないし請求項８のいずれか１項に記載の方法と共に使用するように構成された保持ステーションであって、
    前記層のスタックに横向き圧力を加えるよう構成された少なくとも二つの対向する平坦セクションを含むことを特徴とする保持ステーション。
11. 前記横向き圧力は、前記平坦なセクションに当接するラムによって提供されることを特徴とする請求項１０に記載の保持ステーション。
12. それが前記保持ステーション内で前記平坦なセクションによって保持された後に各層の上に下向きの力を加えるために、前記平坦なセクションの上方から降下するよう構成されたプレートを含むことを特徴とする請求項１０または請求項１１に記載の保持ステーション。
13. 実質的に、図面を参照して本明細書中で説明され、かつ、図面に示されたような方法。
14. 実質的に、図面を参照して本明細書中で説明され、かつ、図面に示されたようなボード。
15. 実質的に、図面を参照して本明細書中で説明され、かつ、図面に示されたような保持ステーション。