JP2012503484A - アルファアミラーゼ混合物及びその混合物を使用する方法 - Google Patents

アルファアミラーゼ混合物及びその混合物を使用する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、位置S242においてアミノ酸が置換されたバチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼ(AmyS)とバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとを含むアルファアミラーゼ混合物に関する。本発明は、さらに、デンプンの液化及び糖化、エタノール生産、並びに、甘味料生産のための、アルファアミラーゼ混合物を使用したプロセスに関する。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2008年9月25日に提出された米国仮出願第61/100,092号、及び、2009年9月1日に提出された米国仮出願第61/238,891号に対する優先権を主張する。それぞれの全体が本明細書に組み込まれている。
配列表
配列番号1−20を含む配列表が添付されており、言及することによってそのまま組み込まれている。
本明細書に記載されているのは、ゲオバチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼとバチルス−リケニフォルミス−アルファアミラーゼとの混合物である。本明細書に記載されているアルファアミラーゼ混合物は、デンプンの液化及び糖化、エタノール生産並びに/又は甘味料生産のような多数の用途に適している。
アルファアミラーゼ(アルファ−1,4−グルカン−4−グルカノヒドラーゼ、E.C.3.2.1.1)は、デンプン並びに他の直鎖の及び分岐の1,4−グルコシドオリゴ糖及び多糖の加水分解を触媒する酵素の一群を構成する。
アミラーゼは、デンプン処理の初期段階(液化);コーンの湿式粉砕;アルコール生産;洗剤マトリクス中の清浄剤;繊維産業におけるデンプンのデサイジング;焼き付けの用途;飲料産業;油田の掘削工程;再生紙の脱インキ及び動物飼料において商業的に利用することができる。
アルファアミラーゼは、種々様々な細菌、真菌、植物及び動物の源から単離される。多数の産業上重要なアルファアミラーゼは、バチルス属が一般に増殖インキュベート液中にアミラーゼを分泌する能力が高いことを理由の一部として、バチルス属から分離されている。更に、アルファアミラーゼ又はその変異体の混合物は必要である。この混合物は、少なくとも2つのバクテリア菌株に由来する少なくとも2つのアルファアミラーゼの最良の特性を生かすことができる。
例えば、バチルス−ステアロサーモフィルス(AmyS)から単離されるアルファアミラーゼは、急速な粘度低下特性を理由として燃料エタノールの用途に使用されてきた。燃料エタノール工場には、スラリーがジェットクッキングステップを受ける前に20分〜30分のスラリー時間があり、その20分〜30分間に円滑なパイプ輸送のために粘度を低下させなければならない。しかしながら、特定のアルファアミラーゼ又はその変異体は耐熱性ではなく、したがって、それらのアミラーゼが時間をかけてスラリーの粘度を低下させても、スラリーを最大で90分から120分間にわたって85℃から90℃に維持する場合、第2の液化においてデキストロース当量の勾配及び粘度低下が小さくなってしまう。
したがって、産業において、例えば、商用のデンプン液化プロセス及びエタノール生産プロセスといった様々な生産プロセスに有用なアミラーゼ及びその混合物の同定及び最適化の必要性がある。
低粘度デンプン液化物は現行のエタノール生産プロセスに有用である。アルファアミラーゼ又はその変異体の最適化された混合物を使用して発酵供給原料としてそのような低粘度液化物を生産する方法を発見することができれば、これはその技術に有用な貢献を意味するであろう。更に、2つの異なる細菌種に由来するアルファアミラーゼ又はその変異体の混合物で全粉砕穀粒を処理することによってデンプン液化を改善する方法を発見することができれば、このこともその技術に有用な貢献を意味するであろう。
発酵供給原料の調製におけるさらなる課題は、例えば、バチルス−ステアロサーモフィルスに由来するアルファアミラーゼが、直鎖アミラーゼを加水分解するのにそれほど有効ではなく、結果として酵母発酵条件下において老化した不溶性の残存デンプンが生じることである。酵母発酵インキュベート液中の高濃度の残存デンプンは、エタノールプロセス生産における下流の処理作業に影響する蒸発装置汚染を左右する主要な要因の1つとみなされてきた。したがって、アルファアミラーゼ又はその変異体の最適化された混合物を使用して発酵培養液中の残存不溶性のデンプンを減少させる方法を発見することができれば、このこともその技術に有用な貢献を意味するであろう。
発酵プロセスにおける全粉砕穀粒のための液化プロセスを記載する。このプロセスは、全粉砕穀粒を含む水性スラリーを、少なくとも2つの異なる細菌種に由来し、デンプンを液化するアルファアミラーゼの混合物に接触させるステップを含む。
一実施形態において、本発明は、(i)配列番号2に示されているアミノ酸番号システムを使用した位置S242においてアミノ酸が置換されたバチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼ(AmyS)と、(ii)バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとを含むアルファアミラーゼ混合物を含む。この混合物はフィターゼをさらに含んでいてもよい。
一実施形態において、約40%のS242置換を有するAmySと、約60%のバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとの重量比を使用することができる。このように、各酵素の優れた特性、デンプン液化物の急速な粘度低下及び耐熱性は、それぞれ、アルコールを発酵させる方法において完全に利用することができる。他の好ましい一実施形態において、S242置換を有するAmySとバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとの重量比は、甘味料を作る方法において酵素の特性を完全に利用するために、10:90である。他の実施形態においては、S242置換を有するAmySとバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとの重量比は、5:95、15:85、20:80、25:75、30:70、50:50、60:40、70:30、75:25、80:20、85:15、90:10、又は、これらの中間値であってもよい。
他の一実施形態において、S242置換を有するAmySの約1400AAU/gから約14000AAU/gと、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼの約8000のLU/gから約19000LU/gとの活性比を使用することができる。S242置換を有するAmySとバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとのこの比は、1400AAU/g:14000Lu/g、2000AAU/g:15000Lu/g、2100AAU/g:16000Lu/g、1900AAU/g:17000LU/g又はこれらの中間値であってもよい。他の実施形態においては、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼと、S242置換を有するAmySとの比が、約5.5LU/AAUから約9.5LU/AAUである。バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとS242置換を有するAmySとの活性比は、約0.1LU/AAUから約9.5LU/AAUの範囲内である。例えば、活性比は、0.1LU/AAU、0.2LU/AAU、0.3LU/AAU、0.4LU/AAU、0.5LU/AAU、1.0LU/AAU、1.5LU/AAU、2.0LU/AAU、2.5LU/AAU、3.0LU/AAU、4.0LU/AAU、5.0LU/AAU、5.5LU/AAU、6.0LU/AAU、6.5LU/AAU、7.0LU/AAU、7.5LU/AAU、8.0LU/AAU、8.5LU/AAU、9.0LU/AAU、9.5LU/AAU又はこれらの中間値であってもよい。
AmySは、配列番号1又は配列番号2のポリペプチド配列であって、S242残基が置換されたものを含んでいてもよい。好ましい一実施形態において、AmySは、配列番号4に記載されているアミノ酸配列を含む。この配列は、SPEZYME(登録商標)Xtra(配列番号2)と比較してS242Q置換を有する。本明細書においてこの酵素は、「AmyS S242Q」又は単に「S242Q」のいずれかとして示されている。他の一実施形態において、AmySは、配列番号6、7、8、9、10、11、12、15、16のポリペプチド配列を含むAmyS酵素の1つであって、S242残基が置換されたものから選択されてもよい。
S242置換は、S242A、S242E、S242Q、S242F、S242H又はS242N置換であってもよい。一実施形態において、位置S242におけるアミノ酸置換は、AmySの耐熱性を変化させる。位置S242に置換を有するAmySは、S242置換を有しないAmySと比較して約80℃から約95℃の間のより高い耐熱性を有し得る。
一実施形態において、AmySは、配列番号1のAmySに対して少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記AmySはアルファアミラーゼ活性を有する。AmySは、番号付けに配列番号1を使用したアミノ酸349及び428においてシステインの置換を含んでいてもよい。AmySは、N193及び/又はV416の置換をさらに含んでいてもよい。AmySは、番号付けに配列番号1を使用したアミノ酸179及び180における欠失をさらに含んでいてもよい。
AmyS酵素は、例えば、基質特異性、基質結合、基質開裂パターン、熱安定性、pH/活性プロファイル、pH/安定性特性、酸化に対する安定性、Ca2+依存性、及び/又は、比活性といった、酵素の1つ又はそれ以上特性を変化させるアミノ酸配列であって、野生型AmySと比較して変化したアミノ酸配列を有していてもよい。例えば、その変化によって、野生型AmySと比較して、低下したCa2+依存性、並びに/又は、変化したpH/活性プロファイル及び/若しくは耐熱性を有する酵素を得ることができる。
バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼは精製された野生型酵素であってもよい。バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼは、M15T、H133Y、N188S及びA209Vからなる群より選択される野生型配列の1つ又はそれ以上のアミノ酸置換を有していてもよい。好ましい一実施形態において、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼは、配列番号20に示されているアミノ酸配列を含んでおり、このアミノ酸配列はSPEZYME(登録商標)FREDとしても知られている。一実施形態において、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼは、SPEZYME(登録商標)FRED(配列番号20)に対して少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
本発明は、さらに、本発明の酵素をコードするDNA構築物、その酵素を調製及び精製する方法、及び、例えば、デンプン液化又は甘味料生産といった様々な工業的プロセスにおける酵素の使用に関する。
一態様において、本発明は、アルファアミラーゼ(AA)活性及びフィチン酸加水分解酵素(FTU又はフィターゼ)を使用して可溶性デンプン基質を加水分解するステップであって、AAU:FTUの比が約1:15から約15:1、好ましくは1:10から約10:1であるステップに関する。一実施形態においてはAAU:FTUの比が1:4から3:1である。さらなる実施形態においてはAAU:FTUの比が1:1である。フィターゼは、あらゆる源に由来する野生型酵素であり得る。フィチン酸加水分解酵素は、細菌性又は真菌性のフィターゼであってもよい。真菌性のフィターゼは、アスペルギルス−フィターゼ又はブティアウクセラ−フィターゼであってもよい。いくつかの実施形態において、細菌性のフィターゼは大腸菌に由来する。一実施形態において、フィターゼは、配列番号19のアミノ酸配列を含んでいてもよい。
デンプンを液化する方法であって、デンプンを含む溶液に上記アミラーゼ混合物を加えるステップと、前記デンプンを含む溶液を液化させるステップとを含む方法を提供する。この用途のための好ましいアミラーゼ混合物は、S242置換を有するAmySの(固形分1g当たりのAAUとして)約40%と、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼの(固形分1g当たりのLUとして)約60%との活性比を有する。15:85、20:80、30:70、50:50、60:40、70:30、80:20及び85:15のような他の比率をこの用途に使用することもできる。
デンプン基質は、コーン、マイロ、ライムギ、オオムギ、コムギ、モロコシ又はオートムギから得ることができる。デンプンの他の源は、他の穀類、草、球根及び根を含み、より詳細には、コウベイ、糠、カッサバ、ミレット、ジャガイモ、サツマイモ、及びタピオカを含む。この基質は、乾式又は湿式の製粉プロセスに由来する粒状デンプンのような植物性材料を含んでいてもよい。この方法は、スラリーにさらなる基質を加えるステップ含む第1の及び/又は第2の液化ステップを含んでいてもよい。この方法は、フィチン酸加水分解酵素をさらに含むアミラーゼ混合物を使用するステップを含んでいてもよい。
液化されたデンプンを糖化することによって発酵性糖を得る方法をさらに提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、適切な発酵条件下において発酵性糖を発酵させることによってアルコールのような最終生成物を得るステップをさらに含む。本方法によって生産されるアルコールは、例えばエタノール及びブタノールを含む。
更なる一態様において、本発明は、デンプン変換プロセス及び/又はエタノール発酵プロセスであって、pHを調節するための酸又は塩基の添加を必要としないプロセスに関する。一実施形態は、pH調整を必要としない液化ステップであって、前記液化のpHがpH4.5〜5.4の範囲内であり、液化プロセス中に酸中和物質を加えないステップに関する。他の一実施形態において、液化のpHはpH4.8〜5.8の範囲内であり、液化プロセス中に酸中和物質を加えない。
一実施形態において、この方法は、デンプンゼラチン化温度よりも0℃〜30℃低い温度において粒状デンプンを含む製粉された穀物のスラリーをフィチン酸加水分解酵素及び上記アルファアミラーゼ混合物の両方に接触させるステップと、ゼラチン化温度よりも温度を高くするステップと、ゼラチン化されたデンプンを加水分解するステップと、発酵性基質を得るステップとを含む。
他の一態様において、本発明は、発酵性糖を生産するプロセスであって、(a)製粉されたデンプンを含む材料を、水及び希釈蒸留廃液と混合することによって、デンプンを含み、かつ、20〜50w/w%の固形分(ds)を有するスラリーを得るステップであって、前記希釈蒸留廃液が10〜70v/v%の範囲内であるステップと、(b)デンプンを液化する前に又は液化と同時にスラリーをフィターゼで処理するステップと、(c)デンプンを液化させるステップと、(d)工程(b)の間に及び/又は前記液化ステップと同時に、デンプンに上記アルファアミラーゼ混合物を加えるステップと、(e)前記液化されたデンプンを糖化することによって発酵性糖を得るステップとを含み、前記ステップ(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のいずれにおいてもpHを調節しない方法に関する。いくつかの実施形態においては、発酵性糖を、回収、精製、又は異性化する。他の実施形態においては、液化ステップよりも前にフィターゼを加える。さらなる実施形態においては、にフィターゼと共にアルファアミラーゼ混合物を加える。また別の実施形態においては、液化ステップの間に又は糖化ステップの間に第2の用量のアルファアミラーゼ混合物を加える。
更なる一態様において、本発明は、デンプンを含む材料からアルコールを生産するステップであって、上記のようにデンプン基質を液化及び糖化させることによって発酵性糖を得るステップと、適切な発酵条件下において発酵性糖をさらに発酵させることによってアルコールを得るステップとを含むプロセスに関する。いくつかの実施形態においては、糖化ステップと醗酵工程とを同時に行う。いくつかの実施形態においては、アルコールがエタノール又はブタノールである。
さらなる実施形態においては、低粘度液化物をグルコース及び高フルクトースコーンシロップのような甘味料に変換するために上記アミラーゼ混合物を使用することができる。この用途のための好ましいアミラーゼ混合物は、S242置換を有するAmySの(固形分1g当たりのAAUとして)約15%と、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼの約85%(固形分1g当たりのLUとして)の活性比を有する。5:95、10:90、20:80及びこれらの中間値のような他の比率をこの用途に使用することができる。
甘味料を生産する方法は、上記のようにデンプン基質をアミラーゼ混合物に接触させるステップと、デンプン基質を液化させるステップと、前記基質を高温でインキュベートすることによってグルコースを含む生成物を生産するステップとを含んでいてもよい。インキュベート工程は第2の液化ステップであってもよい。インキュベート工程は、例えば約95℃のように約90℃〜100℃の温度で行うことができる。インキュベートは、生成物が約2〜14デキストロース当量のグルコースを含むようになるのに充分な時間にわたって行うことができる。一実施形態においては、生成物が約10デキストロース当量のグルコースを含む。甘味料を生産するこの方法は、生成物を糖化することによってグルコースリッチ溶液を生産するステップをさらに含んでいてもよい。グルコースリッチ溶液は80%〜99%のグルコースを含んでいてもよい。一実施形態においてはグルコースリッチ溶液が約93%〜96%のグルコースを含む。糖化は、グルコース生成物を、グルコアミラーゼ、又は、グルコアミラーゼとプルラナーゼとを含むOPTIMAX(商標)4060−VHPのような酵素混合物に接触させるステップを含んでいてもよい。
図1A〜図1Dは、他の親SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼにおける対応位置を、位置合わせによって見つけることができることを示している。配列番号4がAmyS S242Qであることに留意されたい。AmyS S242A及びAmyS S242Eは、それぞれ、配列番号3及び5に記載されている。 図2は、pHPLT−AmySプラスミドを示している。 図3は、95℃における30分間の熱ストレス後のS242ライブラリ変異体の残存活性パーセントを示している。P、S、W及びYに位置する変異体は存在せず、野性型AmyS「wt」によって置き換えられている。SPEZYME(登録商標)(登録商標)Xtraコントロールは「Z」とラベルされている。他のポジティブコントロールである、Δ179〜180が欠失し、かつ、C末端の29個のアミノ酸が切り捨てられたAmyS(配列番号16)も「$」として示されている。S242AとS242Qは明らかに野性型よりも高い残存活性を示している。 図4A−図4Iは、配列番号1及び14についての対の配列を示している。 図5は、カルシウムが加えられていない野性型及びアミラーゼ変異体についての熱融解曲線及び融点を示している。 図6は、カルシウムを含む野性型及びアミラーゼ変異体の熱融解曲線及び融点を示している。 図7は、3つの時点におけるSPEZYME(登録商標)Xtra及び2つの変異体の活性プロファイルをリコザイムSC(Liquozyme SC)と比較して示している。 図8は、30μgの用量における、アルファアミラーゼリコザイムSC、SPEZYME(登録商標)エチル又はSPEZYME(登録商標)Xtraの作用によるコーン粉の粘度低下を示している。 図9は、30μgの用量における、アルファアミラーゼリコザイムSC若しくはSPEZYME(登録商標)Xtra、又は、2つの変異体(S242AとS242Q)の1つの作用によるコーン粉の粘度低下を示している。 図10は、20μgの用量における、アルファアミラーゼリコザイムSC若しくはSPEZYME(登録商標)Xtra、又は、2つの変異体(S242AとS242Q)の1つの作用によるコーン粉の粘度低下を示している。 図11は、リコザイムSC、SPEZYME(登録商標)Xtra又は2つの変異体(S242A及びS242Q)の1つで処理を行った全粉砕コーンのデキストロース当量の経過を時間経過(0分、30分、60分及び90分)に伴って示している。 図12は、リコザイムSC、SPEZYME(登録商標)Xtra又は2つの変異体(S242AとS242Q)の1つで処理を行った全粉砕コーンのジェット後の粘度を時間経過(0分、30分、60分及び90分)に伴って示している。 図13は、85℃〜90℃のバッチ液化プロセスにおいて、AmyS S242Q(配列番号4)とSPEZYME(登録商標)FREDとの混合物、及び、各酵素で処理を行った各酵素で処理を行った全粉砕コーンのデキストロース当量の経過を時間経過(30分、60分、90分及び120分)に伴って示している。 図14は、85℃〜90℃のバッチ液化プロセスにおいて、AmyS S242Q(配列番号4)とSPEZYME(登録商標)FREDとの混合物、及び、各酵素で処理を行った全粉砕コーンのスラリー粘度を時間経過(30分、60分、90分及び120分)に伴って示している。 図15は、配列番号20に示されているSPEZYME(登録商標)FREDのアミノ酸配列を示している。 図16は、AmyS S242Q(配列番号4)とSPEZYME(登録商標)FREDとの混合物を使用したデンプン基質からのデキストロース当量変化を示している。
親バチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼの変異体と、バチルス−リケニホルミスに由来する耐熱性のアルファアミラーゼとの混合物を提供する。好ましい一実施形態において、アルファアミラーゼ混合物は、固形分1g当たりのAAUとしての活性により、少なくとも約50%のバチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼ変異体酵素を含んでいる。好ましい範囲は、バチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼ変異体酵素の固形分1g当たりのAAUとしての活性によって、約10%から約90%である。特に好ましい実施形態においては、各株の優れた特性、すなわち、デンプン液化物の急速な粘度低下及び耐熱性をそれぞれ生かすことができるように、バチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼの(固形分1g当たりのAAUとして)約10%から約70%と、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼの(固形分1g当たりのLUとして)約30%から約90%との活性比が使用されるであろう。
親バチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼの変異体と、バチルス−リケニホルミスに由来する耐熱性のアルファアミラーゼとの混合物は、固形分濃度、pH、カルシウム含有量、並びに、液化温度及び加熱温度によって例示される、デンプン液化物の処理に関連する他の有利な特性を有するであろう。例えば、特定の実施形態において、固形分濃度は、約32%から約40%であってもよいし、又は、それより高くてもよい。他の一態様において、デンプン液化物のpHは約pH5.5から約pH6.0であってもよい。カルシウム濃度は、加えるカルシウムが最大で約10ppmであってもよい。Tjetは約100℃から約110℃であってもよく、Tholdは約85℃から約95℃であってもよい。これらのプロセスは、例えば、グルコースシロップ、高フルクトースコーンシロップのような甘味料を生産するためのデンプン液化を含んでいてもよい。これらのプロセスは甘味料の生産に特に適用されるが、いくつかの実施形態においてはこれらのプロセスを発酵供給原料の生産に適用することもできる。以下にさらに詳細に検討するように、このように発酵供給原料として生産された液化物を、エタノール又はブタノールを含む有用な最終生成物を生産するために発酵プロセスにおいて使用することができる。
いくつかの態様において、本発明は、遺伝子工学及び分子生物学の分野において使用される慣用的な技術及び方法に頼る。以下の資料Sambrook et al., MOLECULAR CLONING、A LABORATORY MANUAL (2nd Ed., 1989年)、Kreigler, GENE TRANSFER AND EXPRESSION、A LABORATORY MANUAL (1990年) and Ausubel et al., Eds、及び、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (1994年)は、本発明に従った有用な一般的方法論の記載を含む。これらの一般的参考文献は当業者に公知の定義及び方法を提供する。しかしながら、これらが変わってもよいように、本発明は、記載されているあらゆる特定の方法、プロトコル及び試薬に限定されることは意図されていない。本明細書に別の定義がされていない限り、本明細書において使用される技術用語及び科学用語のすべては本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 2D ED., John Wiley and Sons, New York (1994年)、及び、Hale & Markham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991年)は、本発明において使用されている用語の多くの一般的辞書を当業者に提供する。
本明細書に記載されているものと同様の又は類似のあらゆる方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法及び材料を説明する。
ここにおいては以下の定義び実施例を用いて参照のみとして本発明を詳細に説明する。ここにおいて引用されている特許及び刊行物のすべては、そのような特許及び刊行物中に示されている配列のすべてを含めて、言及することによって明示的に組み込まれている。
数値の範囲はその範囲を定義する数値を含む。
別段の定めがない限り、それぞれ、核酸は左から右に5’から3’の方向で記載されており、アミノ酸配列は左から右にアミノからカルボキシ方向で記載されている。
ここで提供されている見出しは、明細書を全体として参照することによって得られる本発明の様々な態様又は実施形態を限定するものではない。
A.定義
ここで用いられているように、「デンプン」という用語は、式(C10を有する(Xは任意の数であり得る)アミロース及びアミロペクチンを含む、植物の複合多糖炭水化物で構成されたあらゆる材料を表す。特に、この用語は、これらに限定されないが、穀類、草、球根及び根、より詳細には、小麦、大麦、コーン、ライ麦、オートミール、ソルガム、マイロ、コウベイ、モロコシ、糠、カッサバ、ミレット、ジャガイモ、サツマイモ及びタピオカを含む任意の植物をベースとした材料に由来するアミラーゼ及び/又はアミロペクチンを表す。
「アルファアミラーゼ(例えばE.C.クラス3.2.1.1)」という用語は、アルファ−1,4−グルコシド結合の加水分解を触媒する酵素を表す。これらの酵素は、1,4−アルファ−連結されたD−グルコース単位を含む多糖類の1,4−アルファ−D−グルコシド結合のエキソ型又はエンド型の加水分解を生じさせるものとしても記載されている。これらの酵素を表現するために用いられる他の用語の1つは「グリコゲナーゼ」である。例示的酵素には、アルファ−1,4−グルカン4−グルカノヒドラーゼ グルカノヒドラーゼが含まれる。
「組み換え」という用語を細胞、核酸、タンパク又はベクターについて用いる場合、その細胞、核酸、タンパク又はベクターが、異種起源の核酸若しくはタンパクの導入又は生来の核酸若しくはタンパクの変化によって修正されているか、又は、その細胞がそのように変化した細胞に由来することを表す。したがって、例えば、組み換え細胞は、天然(非組換え)形態の細胞には見られない遺伝子を発現するか、又は、過剰に発現される、過少に発現される若しくは全く発現されない生来の遺伝子を発現する。
本明細書において「タンパク」及び「ポリペプチド」との用語を区別なく使用する。本明細書においてアミノ酸残基のための慣用的な1文字又は3文字コードを使用する。
「シグナル配列」は、タンパクのN末端部分に結合したアミノ酸の配列であって、細胞外に成熟形態のタンパクの分泌を促進するものを意味する。シグナル配列の定義は機能的なものである。成熟形態の細胞外タンパクには、分泌プロセス中に開裂されるシグナル配列がない。
「遺伝子」は、ポリペプチドの生産に関与するDNA断片を表しており、コード領域の前後の領域並びに各コード断片(エクソン)の間の介在配列(イントロン)を含む。
「核酸」という用語は、DNA、RNA、又は、これらの一本鎖若しくは二本鎖の化学修飾体を包含する。本明細書において「核酸」及び「ポリヌクレオチド」との用語を区別なく使用することができる。遺伝子コードが劣化しているので、特定のアミノ酸をコードするために1つよりも多いコドンを使用してもよい。また、本発明は、特定のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを包含する。
「ベクター」は、1つ以上の細胞種に核酸を導入するために設計されたポリヌクレオチド配列を表す。ベクターには、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子及びカセット等が含まれる。
ここにおいて使用される「発現ベクター」は、適切な宿主においてDNAを発現させることができる適切な制御配列と、作用可能な状態で連結されたDNA配列を含むDNA構築物を意味する。そのような制御配列は、転写を達成するプロモータ、転写を制御する省略可能なオペレーター配列、mRNAの適切なリボソーム結合部位をコードする配列、転写及び翻訳の終了を制御するエンハンサー及び配列を含んでいてもよい。
「プロモータ」は、遺伝子の転写を開始させるためのRNAポリメラーゼの結合に関与する調節配列である。プロモータは、誘導可能なプロモータであってもよいし又は常時発現のプロモータであってもよい。本発明において使用される好ましいプロモータは、トリコデルマリーゼイCBHIである。このプロモータは誘導可能なプロモータである。
「転写調節下で」は、当業界においてよく理解されている用語であり、ポリヌクレオチド配列、通常、DNA配列の転写が、転写の開始に貢献するか又は転写を促進する因子に作用可能な状態で連結されていることに依存していることを表す。
「翻訳調節下で」は、当業界においてよく理解されている用語であり、mRNAが形成された後に生じる調節プロセスを表す。
ここで用いられているように、タンパク及びそれらのタンパクをコードする遺伝子について記載するとき、遺伝子のための用語をイタリック体にする(例えば、amyL(バチルス−リケニフォルミスAA)をコードする遺伝子はamyLとして表される。)。タンパクのための用語は、一般にイタリック体にせず、一般に最初の1文字を大文字化する(例えば、amyL遺伝子によってコードされたタンパクは、AmyL又はamyLとして表される。)。
「由来する(derived)」という用語は、「〜から生じた(originated from)」、「得られた(obtained)」若しくは「〜から入手可能な(obtainable from)」並びに「〜から単離された(isolated from)」という用語を包含する。
「作用可能な状態で連結された(operably linked)」との用語は、複数の因子が機能的に関連することを可能にするように配置された並置を表す。例えば、プロモータがコード配列の転写をコントロールする場合、プロモータはコード配列に作用可能な状態で連結されている。
「選択マーカー」という用語は、導入された核酸又はベクターを含む宿主の選択が容易になるように宿主において発現することができる遺伝子を意味する。選択マーカーの例は、限定されないが、抗菌剤(例えば、ヒグロマイシン、ブレオマイシン又はクロラムフェニコール)、及び/又は、栄養的優位のような代謝的優位を宿主細胞に与える遺伝子を含む。
他の配列と特定のパーセント(例えば80%、85%、90%、95%又は99%)の配列同一性を有するポリヌクレオチド又はポリペプチドは、位置合わせをしたときに、2つの配列を比較したときに、塩基又はアミノ酸残基のパーセンテージが同じであることを意味する。この位置合わせ並びに相同性及び同一性パーセントは、例えば、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F. M. Ausubel et al. (eds) 1987, Supplement 30, section 7.7.18)に記載されているもののような、当業界で知られたあらゆる適切なソフトウェアプログラムを使用して決定することができる。好ましいプログラムには、Vector NTI Advance(商標) 9.0 (Invitrogen社、Carlsbad、カリフォルニア州)、GCG Pileup, FASTA (Pearson et al. (1988) Proc. Natl, Acad. Sci USA 85:2444-2448)、及び、BLAST (BLAST Manual, Altschul et al., Natl Cent. Biotechnol. Inf., Natl Lib. Med. (NCIB NLM NIH), Bethesda, Md., and Altschul et al., (1997) NAR 25:3389-3402)プログラムが含まれる。他の好ましい配列プログラムの1つは、ALIGN Plus (Scientific and Educational Software、ペンシルベニア州)であり、好ましくはデフォルトパラメータを使用する。用途が見いだされる他の配列ソフトウェアプログラムは、Sequence Software Package Version 6.0において利用可能なTFASTA Data Searching Program(Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison、ウィスコンシン州)である。
当業者は、例証されているamyS配列(例えば、WO06/002643の配列番号5)との相同性が高くないとハイブリダイズしない条件(stringent hybridization conditions)下においてハイブリダイズする能力によって、本発明によって包含される配列が定義されることを理解するであろう。温度及び溶液イオン強度の適切な条件下において一本鎖形態の核酸が他の核酸にアニールすることができるとき、その核酸は他の核酸配列にハイブリダイズすることができる。ハイブリダイズ及び洗浄の条件は、当業界で広く知られている(例えば、Sambrook (1989) supra、特にチャプター9及び11を参照されたい)。いくつかの実施形態において、相同性が高くないとハイブリダイズしない条件は65℃のTm及び0.1×SSC、0.1%SDSに相当する。
「宿主株」又は「宿主細胞」は、本発明の変異体アルファアミラーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター又はDNA構築物のための適切な宿主を意味する。具体的に、宿主株は細菌細胞であることが好ましい。本発明の好ましい一実施形態において、「宿主細胞」は、その細胞と、微生物株及び特にバチルス種の細胞から作られた原形質体との両方を意味する。
「インキュベート」という用語は、液体又は固形の培地において適切な条件下で微生物細胞の群を育成することを表す。一実施形態において、インキュベートは、粒状デンプンを含むデンプン基質から最終生成物への(一般的には容器又は反応器内における)発酵による生物学的変換を表す。発酵は、より単純な有機化合物を生産するための微生物による有機物質の酵素的かつ嫌気的な分解である。発酵は嫌気条件下において生じるが、酸素の存在下においても発酵が生じるので、この用語が厳密な嫌気条件のみに限定されることは意図されていない。
「接触させる」という用語は、酵素が基質を最終生成物に変換することを可能にするのに充分な程度に各基質の近くに各酵素を配置することを表す。当業者は、酵素の混合溶液を各基質と混合することによって接触を生じさせることができることを理解するであろう。
「酵素的変換」という用語は、一般に酵素作用による基質の変形を表す。本明細書で使用されるこの用語は、酵素作用によるデンプン基質の変形も表す。
本明細書において用いられているように、「糖化」という用語は、デンプンからグルコース又は他の低分子多糖類への酵素変換を表す。
「ゼラチン化」という用語は、煮沸によるデンプン分子の可溶化によって粘性懸濁液を作ることを意味する。
「液化」という用語は、ゼラチン化されたデンプンが加水分解されることによって低分子量の可溶性デキストリンが与えられる、デンプン変換における段階を表す。
「重合度(DP)」という用語は、与えられた糖類におけるアンヒドログルコピラノース単位の数(n)を表す。DP1の例は、グルコース及びフルクトースのような単糖類である。DP2の例は、マルトース及びスクロースのような二糖類である。DP>3は、3よりも大きい重合度を有するポリマーを表す。
「最終生成物」又は「所望の最終生成物」という用語は、デンプン基質から酵素的に変換されるあらゆる炭素源に由来する分子生成物を表す。
本明細書において用いられているように、「酵素単位」という用語は、試験条件下において所定時間当たりに所定量の生成物を生産する酵素の量を表す。いくつかの実施形態において、酵素単位は、試験条件下において毎分1マイクロモルの生成物を生産する酵素の量を表す。例えば、一実施形態において、「グルコアミラーゼ活性単位」(GAU)という用語は、60℃及びpH4.2の試験条件下において可溶性デンプン基質(固形分4%)から毎時1gのグルコースを生産するのに必要な酵素の量として定義される。
アルファアミラーゼ活性(AAU)は、分光測光法で測定されるヨウ素染色能力の低下速度において反映されるように、デンプン加水分解の速度によって決定される。細菌性アルファアミラーゼ活性の1AAUは、標準化された条件下において1分当たりに10mgのデンプンを加水分解するのに必要な酵素の量である。
アルファアミラーゼ活性は、可溶性デンプン単位(SSU)としても決定することができ、pH4.5、50℃における一定量の酵素サンプルによる可溶性ジャガイモデンプン基質(固形分4%)の加水分解の程度に基づいている。還元糖含有量は、in Miller, G. L.(1959) Anal.Chem. 31:426 - 428に記載されているようなDNS方法を使用して測定される。
Liquefon Units(LU)におけるアルファアミラーゼ活性は、US特許第5,958,739号に記載されている方法によって測定される。簡潔に説明すると、この試験方法は、化学的にブロックされた非還元性の糖鎖末端を有するp−ニトロフェニルマルトヘプトシドを基質として使用する。p−ニトロフェニル放出の速度は、アルファアミラーゼ活性に比例し、その放出は410nmにおいてモニターされる。活性は標準プロトコルに対して計算される。
本明細書において用いられているように、「乾燥固形分含量(ds)」という用語は、乾燥重量を基準とした%によるスラリーの全固形分を表す。「スラリー」という用語は、不溶性固体を含む水溶性混合物を表す。
「残余デンプン」という用語は、基質を含むデンプンの発酵の後に組成物に残された(溶性又は不溶性の)残存するデンプンを表す。
本明細書において用いられているように、「再利用するステップ」は、マッシュ成分のリサイクルを表し、そのマッシュ成分は、残余デンプン、酵素、及び/又は、デンプンを含む基質を発酵させるための微生物を含んでいる可能性がある。
「マッシュ」という用語は、アルコールのような発酵生成物を生産するために使用される発酵性炭素源(炭水化物)の水中混合物を表す。いくつかの実施形態においては、「ビール」の用語と「マッシュ」の用語とが相互に交換して用いられる。
「蒸留廃液」という用語は、発酵していない固体と水との混合物を意味する。この混合物は、発酵したマッシュからアルコールを除去した後の残りである。
「蒸留乾燥穀物(DDG)」及び「可溶物含有蒸留乾燥穀物(DDGS)」という用語は、穀物発酵の有用な副産物を表す。
本明細書において用いられているように、「エタノール生産性微生物」は、糖又はオリゴ糖をエタノールに変換する能力を有する微生物を表す。エタノール生産性微生物は、単独で又は共になって糖をエタノールに変換する一又はそれ以上酵素を発現する能力によってエタノール生産性である。
本明細書において用いられているように、「エタノール生産者」又は「エタノール生産微生物」という用語は、ヘキソース又はペントースからエタノールを生産することができるあらゆる生物又は細胞を表す。一般に、エタノール生産細胞は、アルコール脱水素酵素及びピルビン酸デカルボキシラーゼを含む。エタノール生産微生物の例には、酵母のような真菌性微生物が含まれる。好ましい酵母には、サッカロミケスの株、特にサッカロミセスセレビシエが含まれる。
ポリヌクレオチド又はタンパクに関する「外因性」という用語は、宿主細胞において自然には生じないポリヌクレオチド又はタンパクを表す。いくつかの実施形態においては、タンパクが商業的に重要な産業用のタンパクである。この用語が、天然に存在する遺伝子、変化した遺伝子及び/又は合成遺伝子によってコードされるタンパクを包含することが意図されている。
ポリヌクレオチド又はタンパクに関する「内因性」という用語は、宿主細胞において自然に生じるポリヌクレオチド又はタンパクを表す。
「回収された」、「単離された」及び「分離された」という用語は、ここで用いられているように、自然に付随する少なくとも1つの成分から除去された化合物、タンパク、細胞、核酸又はアミノ酸を表す。
本明細書において用いられているように、細胞について用いられている「トランスフォームされた(transformed)」、「安定にトランスフォームされた(stably transformed)」及び「トランスジェニック(transgenic)」という用語は、細胞が、その細胞のゲノム内に組み込まれたもの又は複数世代を通じて保持されるエピソーム性プラスミドとして非生来の(例えば、外因性の)核酸配列を有することを意味する。
本明細書において用いられているように、「発現」という用語は、遺伝子の核酸配列に基づいてポリペプチドが生産されるプロセスを表す。このプロセスは転写及び翻訳の両方を含む。
核酸配列を細胞内に挿入するという文脈における「導入された」という用語は、「トランスフェクション」、又は、「トランスフォーム」若しくは「トランスダクション」を意味し、真核生物又は原核細胞中への核酸配列の組み込みへの言及を含む。ここで、前記核酸配列は、細胞(例えば、染色体、プラスミド、色素体又はミトコンドリアDNA)のゲノムに組み込まれてもよいし、独立したレプリコンに変換されるか又は瞬間的に発現(例えば、トランスフェクトされたmRNA)されてもよい。
本明細書において用いられているように、「比活性」という用語は、特定条件下において単位時間当たりに酵素製剤によって生成物に変換される基質のモル数として定義される酵素単位を意味する。比活性はタンパクの単位(U)/mgとして表現される。
「産出量」という用語は、本発明の方法を使用して生産された最終生成物又は所望の最終生成物の量を表す。いくつかの好ましい実施形態においては、当業界において知られた方法を用いて生産されるよりも産出量が多い。いくつかの実施形態においてはこの用語が最終生成物の体積を表し、また、他の実施形態においてはこの用語が最終生成物の濃度を表す。
「ATCC」は、マナッサス、バージニア州、20108(ATCC)にある米国インキュベート菌保存施設を表す。
「NRRL」は、Agricultural Research Service Culture Collection, National Center for Agricultural Utilization Research(USDA Northern Regional Research Laboratoryとして以前に知られている)、Peoria,IIIを表す。
別段の定めがない限り、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、複数の言及を含む。
ここで用いられているように、「含む(comprising)」という用語及びその同根語は、包括的な意味、すなわち、「含む(including)」という用語及びそれに対応する同根語と同等に使用されている。
命名法
本明細書及び特許請求の範囲においてアミノ酸残基のための慣用的な1文字のコード及び3文字のコードを使用する。参照し易くするために、以下の命名法を用いて本発明のアルファアミラーゼ変異体を記載する。
本来のアミノ酸:位置:置換したアミノ酸
この命名法に従って、例えば、位置242におけるアラニンによるセリンの置換は以下のように示される。
Ser242Ala又はS242A
位置30におけるアラニンの欠失は以下のように示される。
Ala30又はA30又はΔA30
リジンのようなさらなるアミノ酸残基の挿入は以下のように示される。
Ala30AlaLys又はA30AK
アミノ酸残基30−33のようなアミノ酸残基の連続的範囲の欠失は、(30−33)又はΔ(A30−N33)として示される。
特定のアルファアミラーゼが他のアルファアミラーゼと比べて「欠失」を含んでおり、そのような位置において挿入がなされている場合は、以下のように示される。
36Asp又は36D
これは位置36におけるアスパラギン酸の挿入を表す。
複数の変異はプラス記号によって分離される。
Ala30Asp+Glu34Ser又はA30N+E34S
これは、位置30及び位置34においてアラニン及びグルタミン酸がそれぞれアスパラギン及びセリンに変異していることを表す。
1つ又はそれ以上のアミノ酸残基が所定の位置に選択的に挿入されてもよい場合は、
A30N,E又は
A30N or A30E
として示される。
更に、いかなる特定の変異も提案されることなく、本明細書において変異に適した位置が同定されている場合、その位置のアミノ酸残基に代えてあらゆるアミノ酸残基を用いることができることは理解されるであろう。したがって、例えば、位置30におけるアラニンの変異が言及されているが、その変異が特定されていない場合は、そのアラニンを欠損していてもよいし、又は、そのアラニンが他のあらゆるアミノ酸、すなわち、R、N、D、A、C、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、Vのいずれか1つで置換されていてもよいことが理解されるであろう。
更に、「A30X」は、A30R、A30N、A30D、A30C、A30Q、A30E、A30G、A30H、A30I、A30L、A30K、A30M、A30F、A30P、A30S、A30T、A30W、A30Y若しくはA30V、
又は、簡潔に、
A30R,N,D,C,Q,E,G,H,I,L,K,M,F,P,S,T,W,Y,Vのいずれかの置換を意味する。
番号付けに使用した親酵素が、置換として提案されたそのアミノ酸残基をその位置に既に有している場合は、以下の命名法を使用する。
例えば、N又はVのいずれかが野性型に存在している場合は、「X30N」又は「X30N,V」である。
したがって、これは、他の対応する親酵素が位置30において「Asn」又は「Val」に置換されていることを意味する。
アミノ酸残基の特性
帯電したアミノ酸:Asp, Glu, Arg, Lys, His
負に帯電したアミノ酸(最初の最も陰性の残基を有する):Asp, Glu
正に帯電したアミノ酸(最初の最も陽性の残基を有する):Arg, Lys, His
中性のアミノ酸:GIy, Ala, VaI, Leu, He, Phe, Tyr, Trp, Met, Cys, Asn, GIn, Ser, Thr, Pro
疎水性のアミノ酸残基(最後に一覧されている最も疎水性の残基を有する):GIy, Ala, VaI, Pro, Met, Leu, He, Tyr, Phe, Trp
親水性アミノ酸(最後に一覧されている最も親水性の残基を有する):Thr, Ser, Cys, GIn, Asn
アルファ−アミラーゼ
アミラーゼ混合物は、AmySアルファアミラーゼとバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとを含む。AmyS酵素は、配列番号1又は配列番号2のポリペプチド配列であって、S242残基が置換されたものを含んでいてもよい。好ましい一実施形態において、AmySは、「AmyS S242Q」又は「S242Q」としても知られている、配列番号4に記載されているアミノ酸配列を含む。このアミノ酸配列は、SPEZYME(登録商標)Xtra(配列番号2)と比較してS242Q置換を有する。他の一実施形態において、AmySは、配列番号6、7、8、9、10、11、12、15及び16のポリペプチド配列を含むAmyS酵素であって、前記S242残基が置換されたものの1つから選択されてもよい。
S242置換は、S242A、S242E、S242Q、S242F、S242H又はS242N置換であってもよい。一実施形態において、位置S242におけるアミノ酸置換はAmySの耐熱性を変化させる。位置S242に置換を有するAmySは、S242置換を有しないAmySと比較してより高い約80℃から約95℃の間の耐熱性を有する場合がある。
一実施形態において、AmySは、配列番号1のAmySに対して少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記AmySがアルファアミラーゼ活性を有する。AmySは、配列番号1を使用した番号付けにおいてアミノ酸349及び428にシステインの置換を含んでいてもよい。また、AmySは、N193及び/又はV416の置換を含んでいてもよい。また、AmySは、配列番号1を使用した番号付けにおいてアミノ酸179及び180の欠失を含んでいてもよい。
AmyS酵素は、酵素の1つ又はそれ以上の特性、例えば、基質特異性、基質結合、基質開裂パターン、熱安定性、pH/活性プロファイル、pH/安定性特性、酸化に対する安定性、Ca2+依存性及び/又は比活性を変化させる、野生型のAmySと比較して変化したアミノ酸配列を有していてもよい。例えば、その変化は、野生型のAmySと比較して、低下したCa2+依存性、変化したpH/活性プロファイル及び/又は耐熱性を有する酵素を生じさせる可能性がある。
バチルス種によって生産される多数のアルファアミラーゼは、アミノ酸レベルにおいて高度に相同(同一)である。
多数の公知のバチルス−アルファアミラーゼの同一性は以下の表1にみられる。
表1
Figure 2012503484
例えば、配列番号7に示されているアミノ酸配列を含むバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼ(LAT)は、配列番号9に示されているアミノ酸配列を含むバチルス−アミロリクエファシエンス−アルファアミラーゼと約81%相同であり、また、配列番号1に示されているアミノ酸配列を含むジオバチルス−ステアロサーモフィラス−アルファアミラーゼ(BSG)と約65%相同であることがわかった。さらに相同性の高いアルファ−アミラーゼには、WO95/26397に記載されているSP690及びSP722と、配列番号6に示されており、Tsukamoto et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 151(1988), pp. 25-31に記載されているバチルス−スパイクに由来する#707アルファアミラーゼとが含まれる。
KSM AP1378アルファアミラーゼはWO97/00324(KAO株式会社)に示されている。
さらに相同性の高いアルファアミラーゼには、EP0252666.(ATCC27811)に記載されているバチルス−リケニホルミス株によって生産されるアルファアミラーゼと、WO91/00353及びWO94/18314において同定されたアルファアミラーゼとが含まれる。他の商用のSPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼは、以下の商品名:SPEZYME(登録商標)(登録商標)AAや、Ultraphlow(Danisco US社、Genencor divisionから入手可能)や、Keistase(商標)(Daiwaから入手可能)や、Liquezyme SC(Novozymes、デンマークから入手可能)で販売される製品に含まれている。
これらのアルファアミラーゼにみられる実質的相同性により、これらは、同じクラスのアルファアミラーゼ、すなわち、「SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼ」のクラスに属すると考えられている。
従って、本文脈において、「SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼ」という用語は、アルファアミラーゼ、具体的にはバチルス−アルファ−アミラーゼ、特にゲオバチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼを示すように意図されており、そのアルファアミラーゼは、アミノ酸レベルにおいて本明細書の配列番号2に示されているアミノ酸配列を有するアルファアミラーゼとの実質的な同一性を示す。SPEZYME(登録商標)Xtra(配列番号2)は、Danisco US社、GenencorDivisionから市販されている。その文献においてゲオバチルス−ステアロサーモフィルスは、バチルス−ステアロテルモフィルスと呼称されており、これらの2つは本明細書において区別なく使用される。
言い換えれば、本明細書の配列番号1、6、7、8、9、10、11、12、15及び16に示されているアミノ酸配列を有するすべてのアルファアミラーゼは、「SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼ」の1つであると考えられる。他のSPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼは、i)配列番号1、6、7、8、9、10、11、12、15及び16に示されている前記アミノ酸配列の少なくとも1つと少なくとも60%、例えば、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は、少なくとも99%の相同性(同一性)を示すアルファアミラーゼであるか、及び/又は、WO06/002643及び本明細書の配列番号:9(BAN)、5(BSG)、3(SP722)、1(SP690)、7(LAT)、11(AA560)(それぞれ、コード配列は、配列番号1、6、7、8、9、10、11、12、15及び16に示されているアミノ酸配列をコードする)から明らかな上記に特定されたアルファアミラーゼをコードするDNA配列にハイブリダイズするDNA配列によってコードされる。
バチルス−リケニフォルミスに由来する他の有用なアルファアミラーゼアミラーゼは、SPEZYME(登録商標)FRED(配列番号20)(Danisco US社、Genencor Divisionから入手可能)である。このアルファアミラーゼは、本明細書においてSPEZYME(登録商標)FRED又は「Fred」(配列番号20)と呼称される。
相同性(同一性)
相同性は、第2の配列からの第1の配列の由来を示す2つの配列間の同一性の程度として決定することができる。相同性は、GCGプログラムパッケージ(上述)において提供されるGAPのような当業界で知られたコンピュータプログラムによって適切に決定することができる。したがって、ギャップGCGv8は、同一性のためのデフォルトスコアリングマトリックス及び以下のデフォルトパラメータ:核酸配列比較のためにそれぞれ5.0のギャップクリエイションペナルティ及び3.0のギャップエクステンションペナルティ、並びに、タンパク配列比較のためにそれぞれ3.0のギャップクリエイションペナルティ及び0.1のギャップエクステンションペナルティと共に使用することができる。GAPは、位置合わせ及び同一性の算出のためにNeedleman and Wunsch, (1970), J.Mol.Biol. 48:443-453の方法を使用する。
SPEZYME(登録商標)Xtra(配列番号2)と、例えば、他のアルファアミラーゼとの間の構造的位置合わせは、他のSPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼにおける同等の/対応する位置を同定するために使用することができる。この構造的位置合わせを得るための方法は、ギャップペナルティのデフォルト値、すなわち、3.0のギャップクリエイションペナルティ及び0.1のギャップエクステンションペナルティを使用して、GCGパッケージからのPile Up programmeを使用することである。構造的位置合わせの他の方法には、疎水性クラスター分析(Gaboriaud et al., (1987), FEBS LETTERS 224,第149-155頁)及びリバーススレッディング(Huber, T;Torda, AE, PROTEIN SCIENCE Vol. 7, No. 1 第142-149頁 (1998)が含まれる。
ハイブリダイゼーション
上記SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼの特性決定において使用されるオリゴヌクレオチドプローブは、そのアルファアミラーゼの完全な又は部分的なヌクレオチド又はアミノ酸配列をベースとして適切に調製することができる。
ハイブリダイゼーション試験を行うのに適した条件は、5倍のSSCに予め浸漬すること、及び、20%のホルムアミド、5倍のデンハルト溶液、50mM リン酸ナトリウムpH6.8、及び、50mgの超音波で処理された変性コウシ胸腺DNAの溶液中において40℃で1時間予めハイブリダイズし、その後に、100mM ATPを追加した同じ溶液中で40℃で18時間ハイブリダイゼーションを行い、その後に、2倍のSSC、0.2%のSDSの中において40℃で30分間(低い厳格性)、好ましくは50℃(中程度の厳格性)、より好ましくは65℃(高い厳格性)、さらに好ましくは75℃(非常に高い厳格性)フィルタを3回洗浄することを含む。ハイブリダイゼーション方法に関するさらなる詳細は、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor, 1989に見つけることができる。
本文脈において、「〜から由来した(derived from)」は、その生命体の種によって生産され又は生産可能なアルファアミラーゼを示すだけでなく、そのような種から単離されて前記DNA配列で変形された宿主生物において生産されるDNA配列によってコードされたアルファアミラーゼを示すように意図されている。最後に、この用語は、合成及び/又はcDNA起原のDNA配列によってコードされ、アルファアミラーゼの識別する特性を有するアルファアミラーゼを示すように意図されている。この用語は、親アルファ―アミラーゼは、天然に存在するアルファアミラーゼの変異体、すなわち、天然に存在するアルファアミラーゼの1つ又はそれ以上のアミノ酸残基の変異(挿入、置換、欠失)の結果である変異体であってもよいことを示すようにも意図されている。
変化した特性
以下のセクションは、本明細書に記載されている変異体に存在する変異と、特性の望ましい変化(親SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼの特性との比較)であって、その変異から生じ得る変化との関係について記載する。
上述したように、本発明は、変化した特性を有するSPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼに関する。
特に意図された特性の変化を受けることに関して特に意図されている親SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼは、上述されている親SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼ、及び、親ハイブリッドSPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼである。
ゲオバチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼ(配列番号2)は出発点として用いられるが、例えば、SP722、BLA、BAN、AA560、SP690、KSM AP1378、#707、及び、他のバチルス−アルファアミラーゼにおける対応位置は、開示されているものとして、また、特に意図されているものとして理解しなければならない。
一態様において、本発明は、上記のように変化した特性を有する変異体に関する。
第1の態様において、親ジオバチルス−ステアロサーモフィラス−アルファアミラーゼの変異体は、(配列番号1のアミノ酸を用いた番号付けにおいて)1つ又はそれ以上の位置にP17, D19, T21, N28, S51, G72, V74, A82, Q86, Q89, A93, G95, Q97, W115, D117, P123, S124, D125, N127, I130,G132, Q135, P145, G146, G148, S153,Y159, W166, S169, K171, W187, P209, N224, S242, G256, D269, N271, T278, N281, G302, A304, R308, T321, Q358, P378, S382, K383, T398, H405, T417, E418, P420, G421, P432, W437, G446, G454, S457, T459, T461, S464, G474, R483からなる群より選択される変異を含み、
(a)前記変異は、独立して、
(i)前記位置を占有するアミノ酸の下流へのアミノ酸の挿入、
(ii)前記位置を占有するアミノ酸の欠失、又は、
(iii)異なるアミノ酸による前記位置を占有するアミノ酸の置換であり、
(b)前記変異体がアルファアミラーゼ活性を有し、(c)各位置が、配列番号2に示されているアミノ酸配列を有する親ジオバチルス−ステアロサーモフィラスアルファアミラーゼのアミノ酸配列の位置に対応している。
特に本明細書において意図されているものは、S242A、S242Q、S242N及びS242Eである。
さらに、残基R179、G180、1181、G182、K183は、カルシウム−ナトリウム結合領域における変異の影響を調査するために選択され、P245は、アルファ−ヘリックスの中央のプロリンが異常であることを理由として選択された。
他の親SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼにおける対応位置は、上記の位置合わせによってみつけることができ、図4の配列に示されている。したがって、第2の態様において、親SPEZYME(登録商標)Xtra様アルファアミラーゼの変異体が(配列番号1のアミノ酸を用いた番号付けにおいて)上記に列挙されている位置の1つ又はそれ以上に変異を含むことがここにおいて意図されている。
安定性
本明細書に記載されている変異体の文脈において、安定性の変化、特に高い温度(すなわち、70℃〜120℃)及び/又は極端なpH(すなわち、低いpH又は高いpH、すなわち、それぞれpH4〜6又はpH8〜11)において、特に、60ppm未満の遊離(すなわち、解放されている、従って、溶液中において)カルシウム濃度において、特に改善された安定性(すなわち、より高い又はより低い)を達成するために重要な変異(アミノ酸置換及び欠失を含む)は、「変化した特性」のセクションにおいて一覧されている変異のあらゆるものを含む。安定性を、以下の「方法」セクションに記載されているように決定することができる。
Ca2+安定性
変化したCa2+安定性は、Ca2+枯渇における酵素の安定性が改善されたこと、すなわち、より高い又はより低い安定性を意味する。本明細書に記載されている変異体の文脈において、Ca2+安定性の変化、特に、高いpH(すなわち、pH8〜10.5)において、特に、改善されたCa2+安定性、すなわち、より高い又はより低い安定性を達成するために重要な変異(アミノ酸置換及び欠失を含む)は、「変化した特性」のセクションに一覧されている変異のあらゆるものを含む。
比活性
更なる一態様において、変化した比活性、特に、10℃〜60℃、好ましくは20℃〜50℃、特に30℃〜40℃の温度において、特に、向上した又は低下した比活性を示す変異体を得ることに関して重要な変異(アミノ酸置換と欠失を含む)は、「変化した特性」セクションに一覧されている変異のあらゆるものを含む。比活性を、以下の「方法」セクションに記載されているように決定することができる。
酸化安定性
記載されている変異体は、親アルファアミラーゼと比較して、変化した酸化安定性、特により高い酸化安定性を有することができる。向上した酸化安定性は、例えば、界面活性剤成分において有利であり、また、低下した酸化安定性はデンプン液化のための組成物において有利である。以下の「方法」セクションに記載されているように酸化安定性を決定することができる。
変化したpH特性
変化したpH特性、特に、特に高いpH(すなわちpH8〜10.5)又は低いpH(すなわち、pH4〜6)において向上した活性を有する変異体を得ることに関して重要な位置及び変異は、活性部位残基の近くに位置するアミノ残基の変異を含む。
好ましい特定の変異/置換は、セクション「変化した特性」において一覧されているその位置に関するものである。適切な分析は以下の「方法」セクションに記載されている。
洗浄能力
特に高いpH(すなわち、pH8.5〜11)において改善された洗浄能力を有する変異体を得ることについて重要な位置及び変異は、その位置について「変化した特性」セクションに一覧されている特定の変異/置換を含む。洗浄能力を、以下の「方法」セクションに記載されているように試験することができる。
本発明の変異体における一般的変異
本明細書に記載されている変異体は、一実施形態において、上に説明されているものに加えて1つ又はそれ以上の変異を含む。従って、アルファアミラーゼ変異体の一部分に存在する1つ又はそれ以上のプロリン(Pro)残基が非プロリン残基によって変異又は置換されていることは有利である可能性があり、前記非プロリン残基は、可能な、天然に存在する非プロリン残基のいずれであってもよく、好ましくは、アラニン、グリシン、セリン、トレオニン、バリン又はロイシンである。
同様に、一実施形態において、親アルファアミラーゼに存在する1つ又はそれ以上のシステイン残基は、セリン、アラニン、トレオニン、グリシン、バリン又はロイシンのような非システイン残基で置換されていてもよい。
上述されている変異の2個以上を組み込んだ変異体が本発明に包含されることは理解されるであろう。
更に、(配列番号7を使用した番号付けにおける)以下の位置:M15, V128, Al Il, H133, W138, T149, M197, N188, A209, A210, H405, T412の1つ又はそれ以上における変異、特に以下の単独の、二重若しくは三重の、又は、複数の変異:M15X、特にM15T,L; V128X、特にV128E; H133X、特にH133Y; N188X、特にN188S,T,P; M197X、特にM197T,L; A209X、特にA209V; M197T/W138F; M197T/138Y; M15T/H133Y/N188S; M15N128E/H133Y/N188S; E119C/S130C; D124C/R127C; H133Y/T149I; G475R, H133Y/S187D; H133Y/A209Vを導入することが有利である可能性がある。
配列番号7に示されているアミノ酸配列を有する親アルファアミラーゼの場合、酸化安定性を向上させる目的で削除又は置換することができる適切なアミノ酸残基には、単一のシステイン残基(C363)、及び、配列番号2の位置M8、M9、M96、M200、M206、M284、M307、M311、M316及びM438に位置するメチオニン残基が含まれる。
アルファアミラーゼ変異体の熱安定性をその親アルファアミラーゼよりも向上させることに関して、配列番号2に示されているアミノ酸配列における以下のアミノ酸残基の少なくとも1個、また、好ましくは、2個又は3個を欠損させることが特に好ましいと考えられる。そのアミノ酸残基は、F178、R179、G180、I181、G182及びK183である。
この種の特に興味深いペア欠損は、R179+G180及びI181+G182(それぞれ、配列番号16又は配列番号15)(又は、本開示の文脈において親アルファアミラーゼの要件を満たす他のアルファアミラーゼにおけるこれらのペア欠失の均等物)である。
他の対象残基には、配列番号2に示されているアミノ酸配列におけるN193F及びV416Gが含まれる。
アルファアミラーゼ変異体を調製する方法
遺伝子に変異を導入するいくつかの方法は当業界において公知である。アルファアミラーゼをコードするDNA配列のクローニングについての簡単な検討の後に、アルファアミラーゼをコードする配列の特定部位において変異を生じさせるための方法を検討する。
アルファアミラーゼをコードするDNA配列のクローニング
親アルファアミラーゼをコードするDNA配列は、当業界において周知の様々な方法を使用して、そのアルファアミラーゼを生産するあらゆる細胞又は微生物から単離することができる。最初に、研究対象のアルファアミラーゼを生産する生物から、染色体DNA又はメッセンジャーRNAを使用して、ゲノムDNA及び/又はcDNAライブラリを構築すべきである。その後、アルファアミラーゼのアミノ酸配列がわかっていれば、相同な標識されたオリゴヌクレオチドプローブを合成し、その生命体から調製されたゲノムライブラリから、アルファアミラーゼをコードするクローンを同定するためにそのプローブを使用することができる。代替的に、より低い厳格性のハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を用いて、既知のアルファアミラーゼ遺伝子に対して相同な配列を含む標識されたオリゴヌクレオチドプローブを、アルファアミラーゼをコードするクローンを識別するためのプローブとして使用することができる。
アルファアミラーゼをコードするクローンを識別するためのさらに別の方法は、プラスミドのような発現ベクターにゲノムDNAの断片を挿入するステップと、得られたゲノムDNAライブラリによってアルファアミラーゼ陰性細菌をトランスフォームするステップと、次に、アルファアミラーゼのための基質を含む寒天の上にトランスフォームされた細菌を被覆させることによってアルファアミラーゼを発現するクローンが同定されるようにするステップとを含む。
代替的に、この酵素をコードするDNA配列は、例えば、S. L. Beaucage及びM. H. Caruthers (1981)によって記載されている亜りん酸アミダイト法、又は、Matthes et al.(1984)によって記載されている方法のような確立された標準的方法によって合成的に調製することができる。亜りん酸アミダイト法において、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成装置において合成され、精製され、アニーリングされ、連結され、適切なベクターの中にクローニングされる。
最後に、そのDNA配列は、混合ゲノム由来物と合成由来物、混合合成由来物とcDNA由来物、又は、混合ゲノム由来物とcDNA由来物からなるものであってもよく、標準的技術に従って、合成由来物、ゲノム由来物、又は、cDNA由来物の断片(必要に応じて全DNA配列の様々な部分に対応する断片)を連結することによって調製される。例えば、米国特許第4,683,202号又はR.K.Saikiら(1988)に記載されているように、特異的プライマーを使用したポリメラーゼチェーン反応(PCR)によってDNA配列を調製することもできる。
部位特異的変異誘発
アルファアミラーゼをコードするDNA配列が単離されており、変異のための望ましい部位が同定されていれば、合成オリゴヌクレオチドを使用して変異を導入することができる。これらのオリゴヌクレオチドは望ましい変異部位に隣接するヌクレオチド配列を含んでおり、変異ヌクレオチドがオリゴヌクレオチド合成中に挿入される。特定の一方法において、アルファアミラーゼ遺伝子を運ぶベクターにおいて、アルファアミラーゼをコードする配列に架かるDNAの一本鎖ギャップを作成する。その後、一本鎖DNAの相同部分の中に望ましい変異を有する合成ヌクレオチドをアニーリングする。その後、DNAポリメラーゼI(クレノー断片)を用いて残りのギャップを埋めて、T4リガーゼを用いてその構築物を連結する。この方法の特定の例はMorinagaら(1984)に記載されている。米国特許第4,760,025号は、カセットの小さな変異を実施することによって複数の変異をコードするオリゴヌクレオチドの導入を開示している。しかしながら、様々な長さの多数のオリゴヌクレオチドを導入することができるので、Morinagaの方法によってさらに種々様々な変異をいつでも導入することができる。
アルファアミラーゼをコードするDNA配列へ変異を導入する他の方法は、Nelson and Long(1989)に記載されている。この方法は、PCR反応におけるプライマーの1つとして化学的に合成されたDNA鎖を使用することによって導入された望ましい変異を含むPCR断片の3つのステップによる生成を含む。変異を運ぶDNA断片は、PCR生成された断片から、制限酵素を用いた開裂によって単離され、発現プラスミドの中に再挿入され得る。
本発明の変異体を提供するための別の方法には、例えば、WO95/22625(Affymax Technologies N.V.)若しくはWO96/00343(Novo Nordisk A/S)に記載されている遺伝子シャフリング、又は、例えば、問題になっている置換及び/又は欠失といった変異を含むハイブリッド酵素を得ることができる他の対応する技術が含まれる。
アルファアミラーゼ変異体の発現
本発明に従って、上記方法によって又は当業界において周知のあらゆる他の方法によって生産される変異体をコードするDNA配列は、プロモータ、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナル、及び、選択的に、抑制遺伝子、又は、様々なアクチベータ遺伝子をコードする制御配列を典型的に含む発現ベクターを使用して、酵素の形態で発現され得る。
本発明のアルファアミラーゼ変異体をコードするDNA配列を運ぶ組み換え発現ベクターは、いかなるベクターであってもよく、そのベクターは、簡便に、組み換えDNA処置に供されてもよい。また、ベクターの選択は、多くの場合においてそのベクターを導入する宿主細胞に応じて変わるであろう。したがって、ベクターは、例えば、プラスミド、バクテリオファージ、染色体外因子、ミニクロモソーム、又は、人工染色体のような、自律的に複製するベクター、すなわち、染色体外の存在物として存在するベクターであって、その複製が染色体の複製に依存しないベクターであってもよい。代替的に、ベクターは、宿主細胞へ導入されたときに、宿主細胞ゲノムに組み込まれて、そのベクターが組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
ベクターにおいて、そのDNA配列は、作用可能な状態で適切なプロモータ配列に連結されるべきである。プロモータは、最適な宿主細胞において転写活性を示すあらゆるDNA配列であってもよく、宿主細胞に対して相同又は非相同なタンパクをコードする遺伝子に由来していてもよい。特に細菌宿主において、本発明のアルファアミラーゼ変異体をコードするDNA配列の転写を誘導するのに適したプロモータの例には、大腸菌のLacオペロンのプロモータ、ストレプトマイセス−セリカラー−アガラーゼ遺伝子dagAプロモータ、バチルス−リケニフォルミス−アルファアミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモータ、ゲオバチルス−ステアロサーモフィルス−マルトース生成型アミラーゼ遺伝子(amyM)のプロモータ、バチルス−アミロリケファシエンス−アルファアミラーゼ(amyQ)のプロモータ、並びに、バチルス−サチリスxy1A遺伝子及びxy1B遺伝子のプロモータなどが含まれる。真菌宿主における転写に関して、有用なプロモータの例は、アスペルギルスオリザエTAKAアミラーゼ、リゾムコールミーハエ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスぺルギルスニガー中性アルファアミラーゼ、アスぺルギルスニガー酸安定アルファアミラーゼ、アスぺルギルスニガーグルコアミラーゼ、リゾムコールミーハエリパーゼ、アスペルギルスオリザエ−アルカリプロテアーゼ、アスペルギルスオリザエ−トリオースリン酸イソメラーゼ、又は、アスペルギルスニデュランス−アセタミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。
本発明の発現ベクターは、さらに、適切な転写終止配列、及び、真核生物において、本発明のアルファアミラーゼ変異体をコードするDNA配列に作用可能な状態で連結されたポリアデニル化配列を含んでいてもよい。終止配列とポリアデニル化配列とは、前記適切なプロモータと由来が同一であってもよい。
ベクターは、ベクターがその宿主細胞において複製することを可能にするDNA配列をさらに含んでいてもよい。そのような配列の例は、プラスミドpUC19、プラスミドpACYC177、プラスミドpUB110、プラスミドpE194、プラスミドpAMBl及びプラスミドpIJ702の複製起点である。
ベクターは、例えば、バチルスサブチリス若しくはバチルスリケニホルミスに由来するdal遺伝子のように、その遺伝子の生成物が宿主細胞の欠陥を補完する遺伝子、又は、アンピシリン抵抗性、カナマイシン抵抗性、クロラムフェニコール抵抗性若しくはテトラサイクリン抵抗性のような抗生物質耐性を与えるような選択可能なマーカーをさらに含んでいてもよい。更に、ベクターは、ヒグロマイシン抵抗性を生じさせるマーカーである、amdS、argB、niaD及びsCのようなアスペルギルス選択マーカーを含んでいてもよいし、又は、例えば、WO91/17243に記載されているような同時トランスフォームによって選択を実行することもできる。
例えば、特定の細菌を宿主細胞として使用する場合に細胞内発現がいくつかの点において有利であることもあるが、一般的には発現が細胞外であることが好ましい。一般的に、ここで言及されているバチルスアルファアミラーゼは、発現されたプロテアーゼの培地中への分泌を可能にする予備領域(preregion)を含む。各予備領域をコードするDNA配列の置換によって簡便に達成される場合は、必要に応じて、異なる予備領域又はシグナル配列によってこの予備領域を置換してもよい。
アルファアミラーゼ変異体、プロモータ、ターミネータ、及び、他の因子をそれぞれコードする本発明のDNA構築物を連結させるために使用される手順、及び、複製に必要な情報を含む適切なベクターにこれらを挿入するために使用される手順は、当業者に周知である(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor, 1989を参照されたい)。
上記に定義されているような本発明のDNA構築物又は発現ベクターを含む本発明の細胞は、本発明のアルファアミラーゼ変異体の組み換え体製造における宿主細胞として好適に使用される。この細胞は、変異体をコードする本発明のDNA構築物によって、簡便にはDNA構築物(1つ又はそれ以上のコピー)を宿主染色体中に組み込むことによってトランスフォームされたものであってもよい。DNA配列が細胞内でより安定に維持されるので、一般的には組み込みが有利であると考えられる。宿主染色体中へのDNA構築物の組み込みは、例えば、相同的組み換え又は非相同的組み換えによる慣用的方法によって行うことができる。代替的に、様々な種類の宿主細胞に関連して上述されているように発現ベクターを用いて細胞をトランスフォームすることもできる。
本発明の細胞は、哺乳動物又は昆虫のような高等生物の細胞であってもよいが、例えば、細菌性又は真菌性の細胞(酵母を含む)のような微生物細胞であることが好ましい。
適切な細菌の例は、バチルスサチリス、バチルスリケニフォルミス、バチルスレンタス、バチルスブレビス、ゲオバチルスステアロサーモフィルス、バチルスアルカロフィルス、バチルスアミロリケファシエンス、バチルスコアグランス、バチルスシルクランス、バチルスラウタス、バチルスメガテリウム、バチルススリンギエンシス、又は、ストレプトマイセスリビダンス若しくはストレプトマイセスミュリナスのようなグラム陽性菌、又は、大腸菌のようなグラム陰性菌である。細菌のトランスフォームは、例えば、原形質体トランスフォームによって又は受容細胞を用いることによってそれ自体は公知の方法で達成することができる。酵母生物は、例えば、サッカロマイセス−セレヴィシエのようなサッカロミケス又はシゾサッカロミセスの種から好適に選択される。
糸状菌は、例えば、アスペルギルスオリザエ、アスペルギルスニガーのようなアスペルギルスの種に属するものであることが有益である。真菌性細胞は、原形質体形成及び原形質体のトランスフォームと、その後の細胞壁の再生とを含むプロセスによってそれ自体は公知の方法でトランスフォームされたものであってもよい。アスペルギルス宿主細胞のトランスフォームに適した手順はEP238023に記載されている。
さらなる態様において、本発明は、本発明のアルファアミラーゼ変異体を生産する方法であって、変異体の生産に貢献する条件下で上記宿主細胞をインキュベートするステップと、細胞及び/又は培地から変異体を回収するステップとを含む方法に関する。
細胞をインキュベートするために使用される媒体は、対象の宿主細胞をインキュベートすること、及び、本発明のアルファアミラーゼ変異体の発現を得ることに適したあらゆる従来の媒体であってもよい。適切な媒体は、商業的供給業者から入手可能であり、又は、公表されている配合に従って(例えば、米国インキュベート菌保存施設のカタログに記載されているように)調製することもできる。
宿主細胞から分泌されたアルファアミラーゼ変異体は、遠心分離又は濾過によって媒体から細胞を分離するステップと、硫酸アンモニウムのような塩によって媒体のタンパク成分を沈殿させ、その後に、イオン交換クロマトグラフィ及び親和性クロマトグラフィのようなクロマトグラフィ手順を使用するステップとを含む、広く知られた手順によって培地から簡便に回収することができる。
フィターゼ
本発明に有用なフィターゼには、インキュベートステップ及び液化ステップの定められた条件下でフィチン酸を加水分解することができる酵素が含まれる。いくつかの実施形態において、フィターゼは、イノシトール6リン酸(フィチン酸)から少なくとも1つの無機リン酸塩を遊離させることができる。フィターゼは、加水分解が始まるフィチン分子上のリン酸エステル基の特定位置の優先傾向に従って(例えば、3−フィターゼ(EC3.1.3.8)、又は6−フィターゼ(EC3.1.3.26)のように)グループ化することができる。フィターゼの典型例は、ミオ−イノシトール−ヘキサキスフォスフェート−3−フォスフォヒドロラーゼである。
フィターゼは、真菌性生物及び細菌性生物のような微生物から得ることができる。これらの微生物のいくつかには、例えば、アスペルギルス(例えば、アスぺルギルスニガー、アスペルギルステレウス、アスペルギルスフィカム及びアスペルギルスフミガーツス)、ミセリオフトラ(ミセリオフトラサーモフィリア)、タラロミセス(タラロミセスサーモフィラス)、トリコデルマ種(トリコデルマリーゼイ)、及び、サーモミセス(WO99/49740)が含まれる。フィターゼは、例えば、ペニシリウムホルデイ(ATCC第22053号)、ペニシリウムピセウム(ATCC第10519号)、又は、ペニシリウムブレヴィコンパクタム(ATCC第48944号)のようなペニシリウム種から入手可能である。例えば、米国特許第6,475,762号を参照されたい。フィターゼは、バチルス(例えば、バチルスサブチリス、シュードモナス、ペニオフォラ、大腸菌、シトロバクター、エンテロバクター及びブティアウクセラ(WO2006/043178参照))からも入手可能である。
NATUPHOS(BASF)、RONOZYME P(Novozymes A/S)、PHZYME(Danisco A/S、Diversa)及びFINASE(AB Enzymes)のような商品のフィターゼが入手可能である。微生物のフィターゼ活性を決定する方法及びフィターゼ単位の定義は、Engelenら(1994) J. of AOAC International, 77: 760-764によって公表されている。フィターゼは、野生型のフィターゼ又はその変異体若しくは断片であってもよい。
一実施形態において、本発明に有用なフィターゼは、細菌ブチオキシエラ(Buttiauxiella)種に由来するフィターゼである。ブチオキシエラ種には、B.アグレスティス(agrestis)、B.ブレネラエ(brennerae)、B.フェラギターゼ(ferragutiase)、B.ガビニアエ(gaviniae)、B.イザルディ(izardii)、B.ノアキアエ(noackiae)、及び、B.ウォームボルディアエ(warmboldiae)が含まれる。ブチオキシエラ種株は、DSMZ、the German National Resource Center for Biological Material (Inhoffenstrabe 7B, 38124 Braunschweig, Germany)から入手することができる。登録番号NCIMB41248の下で供託されたブチオキシエラ種株Pl−29は、フィターゼを得ることができ、本発明に従って使用することができる特に有用な株の例である。いくつかの実施形態において、フィターゼは、BP野性型、WO06/043178に示されている変異体(BP−11など)、又は、2007年3月6日に提出されたUS特許出願第11/714,487号に示されているような変異体である。例えば、BP野性型及びその変異体は、WO06/043178の表1に示されている。この番号付けは、公表されているPCT出願の配列番号3を参照している。
好ましい一実施形態において、本発明において有用なフィターゼは、表2に示されている配列番号19(BP−17)に記載されているアミノ酸配列及びその変異体に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%及び少なくとも99%の配列同一性を有するものである。より好ましくは、フィターゼは、配列番号19に記載されているアミノ酸配列又はその変異体に対して少なくとも95%から99%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態において、フィターゼは、配列番号19のアミノ酸配列を含んでいるか又は配列番号19のアミノ酸配列からなる。
表2
Figure 2012503484
BP−17フィターゼとして知られるブティアウクセラに由来するフィターゼの成熟タンパクの配列(配列番号19)
NDTPASGYQV EKVVILSRHG VRAPTKMTQT MRDVTPNTWP EWPVKLGYIT
PRGEHLISLM GGFYRQKFQQ QGILSQGSCP TPNSIYVWAD VDQRTLKTGE
AFLAGLAPQC GLTIHHQQNL EKADPLFHPV KAGTCSMDKT QVQQAVEKEA
QTPIDNLNQH YIPFLALMNT TLNFSTSAWC QKHSADKSCD LGLSMPSKLS
IKDNGNKVAL DGAIGLSSTL AEIFLLEYAQ GMPQAAWGNI HSEQEWASLL
KLHNVQFDLM ARTPYIARHN GTPLLQAISN ALNPNATESK LPDISPDNKI
LFIAGHDTNI ANIAGMLNMR WTLPGQPDNT PPGGALVFER LADKSGKQYV
SVSMVYQTLE QLRSQTPLSL NQPAGSVQLK IPGCNDQTAE GYCPLSTFTR
VVSQSVEPGC QLQ
いくつかの実施形態において、インキュベート及び/又は液化プロセスにおいて使用されるフィターゼの量(用量)は、約0.001〜50FTU/固形分1gの範囲内(例えば、約0.01〜25FTU/固形分1g、約0.01〜15FTU/固形分1g、約0.01〜10FTU/固形分1g、約0.05〜15FTU/固形分1g、及び、約0.05〜5.0FTU/固形分1gの範囲内)である。
産業上の利用
本明細書に示されているアルファアミラーゼ混合物は、様々な産業上の利用を可能にする有益な性質を有している。具体的には、アミラーゼ混合物は、デンプン処理、詳しくはデンプン変換、特にデンプンの液化に使用することができる(例えば、米国特許第3,912,590号、欧州特許出願第252730号及び第63909号、WO99/19467及びWO96/28567を参照されたい。すべての文献は言及することによって組み込まれている。)。グルコアミラーゼ、プルラナーゼ及び/又は他のアルファアミラーゼをさらに含むアミラーゼ混合物も意図されている。
さらに、このアミラーゼ混合物は、デンプン又は全穀粒から、甘味料、及び、エタノール又はブタノールのようなアルコールを生産するのに特に有用である(例えば、米国特許第5,231,017号を参照されたい。この文献は言及することによって組み込まれている。)。
このアミラーゼ混合物は、紡織繊維、生地及び衣服のデサイジング(例えば、言及することによって組み込まれているWO95/21247、米国特許第4,643,736号、EP119,920を参照されたい。)、ビールの製造若しくは醸造、パルプ及び紙の生産においても有用である。
デンプン変換
例えば、言及することにより組み込まれている、米国特許第3,912,590号と欧州特許公報第252,730号及び第63,909号には、液化工程及び糖化工程のような従来のデンプン変換工程が記載されている。
一実施形態において、デンプンを糖又は脂肪代替物のようなより低い分子量の炭水化物成分に分解するデンプン変換工程は、脱分岐させる工程を含む。
デンプンから糖への変換
デンプンを糖に変換する場合にはデンプンが解重合される。代表的な解重合工程は、前処理工程と、2つ又は3つの連続的生産工程、すなわち、液化プロセス、糖化プロセス、及び、所望の最終生成物に応じて選択的な異性化工程とで構成される。
天然デンプンの前処理
天然のデンプンは、室温で水に溶解しない微細な顆粒からなる。水溶性のデンプンスラリーを加熱すると、顆粒が膨張して最終的に破裂し、デンプン分子が溶液中に分散する。この「ゼラチン化」プロセス中に粘度が劇的に上昇する。典型的な工業プロセスにおいては固形分レベルが30%〜40%であるので、処理できるようにデンプンを希釈又は「液化」しなければならない。今日、この粘度の低下のほとんどが酵素の分解によって得られている。
液化
液化ステップ中に長鎖のデンプンがアルファアミラーゼによってより短い分岐した単位及びより短い直鎖の単位に分解される。生成物は、グルコース(a/k/DP1)だけでなく、マルトデキストリン及び他の短鎖オリゴ糖(DP2+)を含み得る。液化プロセスは、105℃〜110℃で5〜10分間、その後に95℃で1〜2時間実行される。pHは5.5から6.2の間である。これらの条件下において最適な酵素安定性を保証するために、1mM カルシウムを加える(40ppmの遊離カルシウムイオン)。この処理の後に、液化されたデンプンは、10〜15の「デキストロース当量」(DE)を有するであろう。
糖化
液化プロセスの後に、可溶性のデキストリン及び短鎖オリゴ糖は、グルコアミラーゼ(例えば、OPTIDEX(登録商標)L−400)と、イソアミラーゼ(米国特許第4,335,208号)又はプルラナーゼのような脱分枝酵素とを加えることによって、グルコース及びマルトースのような発酵性糖に変換される。この工程の前に、液化用アルファアミラーゼを不活性化する高い温度(95℃超)を維持しながらpHを4.5よりも低い値に下げて、脱分枝酵素によって適切に加水分解することができない「パノース前駆体」と呼ばれる短いオリゴ糖の形成を抑制する。
温度を60℃に下げてグルコアミラーゼ及び脱分枝酵素を加える。糖化プロセスを24〜72時間にわたって継続する。
通常、液化ステップの後にアルファアミラーゼを変性させる場合は、糖化生成物の約0.2〜0.5%が分岐した三糖類Glc pα1−6Glcpα1−4Glc(パノース)である。これはプルラナーゼによって分解され得ない。液化ステップに由来する活性(すなわち、変成していない)アミラーゼが糖化中に存在すれば、このレベルは1〜2%にも達し得る。このレベルは糖化産出量を著しく低下させるので、非常に望ましくない。
異性化
所望の最終の糖分生成物が例えば高フルクトースシロップである場合には、デキストロースシロップをフルクトースに変換することができる。糖化工程の後に、pHを6〜8の範囲内の値、好ましくはpH7.5に上昇させ、また、イオン交換によってカルシウムを除去する。その後、例えば、(Gensweet(登録商標)IGI−HFのような)固定化されたグルコースイソメラーゼを使用して、デキストロースシロップを高フルクトースシロップに変換する。
エタノール生産
一般的に、全穀粒からのアルコール(エタノール)生産は、4つの主要なステップ:
製粉
液化
糖化
発酵
に分けることができる。
製粉
穀物の構造を開いてさらなる処理を可能にするためにその穀物を粉末化する。使用される2つのプロセスは湿式製粉又は乾式製粉である。乾式製粉においては、全穀粒を粉末化して、それをプロセスの残りの部分において使用する。湿式製粉は、原料と粉末とを(デンプン粒とタンパクとを)非常によく分離することができ、多少の例外はあるが、シロップの並列的生産が存在する位置に適用される。
デンプン含有材料のスラリーの調製
粉末化デンプン含有材料を水及びリサイクルされた希釈蒸留廃液と混合することによって水性スラリーを得る。このスラリーは、15〜55%重量対重量(w/w)の固形分(例えば、20〜50%、25〜50%、25〜45%、25〜40%及び20〜35%の固形分)を含むであろう。いくつかの実施形態において、リサイクルされた希釈蒸留廃液は、10〜70%v/v(v/v)の範囲内(例えば、10〜60%、10〜50%、10〜40%、10〜30%、10〜20%、20〜60%、20〜50%、20〜40%及び20〜30%)であろう。
粉末化デンプン含有材料を水及び希釈蒸留廃液と混合したら、スラリーにおいてpHを調節しない。さらに、フィターゼ及び選択的にアルファアミラーゼをスラリーに加えた後にもpHを調節しない。好ましい一実施形態において、スラリーのpHは、pH4.5から6.0未満の範囲(例えば、pH4.5〜5.8、pH4.5〜5.6、pH4.8〜5.8、pH5.0〜5.8、pH5.0〜5.4及びpH5.2〜5.5)であろう。スラリーのpHは、スラリーに加えた希釈蒸留廃液の量及び希釈蒸留廃液を含む材料の種類に応じて、pH4.5から5.2であってもよい。例えば、希釈蒸留廃液のpHは、pH3.8からpH4.5であってもよい。さらなる具体例として、以下の表3は、全粉砕コーンスラリー(32%固形分)に加える希釈蒸留廃液の量の増加に伴って生じる、155Fで2時間撹拌した後のpH変化を図示している。
表3
Figure 2012503484
エタノール生産中に、ビールのpHを充分に低下させて蒸留前に微生物汚染のリスクを低減するために、酸を加えることができることに言及すべきである。
いくつかの実施形態においては、スラリーに、アルファアミラーゼ混合物の他に、フィターゼをさらに加える。いくつかの実施形態においてはフィターゼ及びアルファアミラーゼ混合物をスラリーに連続的に加え、他の実施形態においてはフィターゼ及びアルファアミラーゼ混合物を同時に加える。いくつかの実施形態において、アルファアミラーゼ混合物と選択的にフィターゼとを含むスラリーを、5分〜8時間(例えば、5分〜6時間、5分〜4時間、5分〜2時間、15分〜4時間)の時間にわたってインキュベート(前処理)する。他の実施形態においては、スラリーを、40〜115℃(例えば、45〜80℃、50〜70℃、50〜75℃、60〜110℃、60〜95℃、70〜110℃及び70〜85℃)の範囲内の温度でインキュベートする。
他の実施形態においては、スラリーを、デンプン含有材料のデンプンゼラチン化温度よりも低い0〜30℃(例えば、0〜25℃、0〜20℃、0〜15℃、0〜10℃及び0〜5℃)の温度でインキュベートする。いくつかの実施形態において、この温度は、68℃未満、65℃未満、62℃未満、60℃未満、及び、55℃未満であろう。いくつかの実施形態において、この温度は、45℃超、50℃超、55℃超、及び、60℃超であろう。いくつかの実施形態において、デンプンゼラチン化温度よりも低い温度における、アルファアミラーゼ混合物と選択的にフィターゼとを含むスラリーのインキュベートは、第1の(1°)液化と呼ばれる。
一実施形態においては粉末化デンプン含有材料がコーン又はマイロである。スラリーは25〜40%の固形分を含み、pHは4.8〜5.2の範囲内であり、スラリーを、60〜75℃の温度範囲で5分から2時間にわたってアルファアミラーゼ混合物と、選択的にさらにフィターゼとインキュベートする。
さらなる液化ステップにおいて、インキュベート又は前処理されたデンプンを含む材料を、2分〜6時間(例えば、2分〜4時間)、約4.0〜5.5のpHにおいて、好ましくは1時間〜2時間、デンプン含有材料のデンプンゼラチン化温度よりも高い0〜45℃の上昇させた温度(例えば、70℃〜120℃、70℃〜110℃、及び、70℃〜90℃)に暴露させる。従来の高温ジェットクッキングシステムによって、例えば、1〜15分間の短時間でその温度を上昇させることができる。その後、そのデンプンを、75℃〜95℃(例えば、80℃〜90℃及び80℃〜85℃)の温度において15〜150分間(例えば30〜120分間)にわたってさらに加水分解してもよい。好ましい一実施形態において、これらの工程中にpHを調節せず、液化されたマッシュのpHは、pH4.0〜pH5.8の範囲内(例えば、pH4.5〜5.8、pH4.8〜5.4、及び、pH5.0〜5.2)である。いくつかの実施形態においては耐熱性アルファアミラーゼ混合物の第2用量を第2の液化ステップに加えるが、他の実施形態においてはアルファアミラーゼ混合物を追加しない。
本発明のインキュベート工程及び液化工程の後に、当業界において周知の糖化工程及び醗酵工程を実行することができる。
液化
液化プロセスにおいて、デンプン粒子は、大部分が4を超える重合度のマルトデキストリンに加水分解されることによって可溶性される。この加水分解は、酸処理によって、又は、アルファアミラーゼによって酵素的に実行することができる。酸加水分解は限られた基準で使用される。原料は、粉末化された全穀粉又はデンプン処理からの副流であってもよい。
酵素による液化は、一般的には3工程ホットスラリープロセスとして実行する。スラリーを60〜95℃、好ましくは80〜85℃に加熱し、酵素を加える。その後、スラリーを95〜140℃、好ましくは105〜125℃でジェットクッキングし、60〜95℃に冷まし、最終加水分解を得るためにさらなる酵素を加える。この液化プロセスは、pH4.5〜6.5、一般的にはpH5〜6において実行する。粉末化及び液化された穀物はマッシュとしても知られている。
発酵
一般的にはサッカロミケス種に由来する酵母をマッシュに加え、発酵を24〜96時間、一般的には35〜60時間継続する。温度は、26〜34℃、一般的には約32℃であり、pHは、pH3〜6、好ましくはpH4〜5前後である。
最も広く使用されるプロセスは、同時的な糖化及び発酵(Simultaneous Saccharification and Fermentation、SSF)プロセスであり、このプロセスは、糖化のための保持段階がなく、酵母と酵素とを一緒に加えることを意味することに留意されたい。SSFを行う場合、発酵の直前に、50℃よりも高い温度において予備糖化ステップを導入することが一般的である。
糖化及び発酵
液化デンプン含有材料をグルコアミラーゼのような糖化酵素の存在下において糖化させる。糖化プロセスは、12時間〜120時間(例えば、12〜90時間、12〜60時間、及び、12〜48時間)にわたって継続することができる。しかしながら、30〜65℃の温度範囲、一般的には60℃前後において約30分〜2時間(例えば、30〜90分)の予備糖化ステップを行い、その後に、同時的な糖化及び発酵(SSF)と呼ばれる発酵の間に完全な糖化を行うことが一般的である。pHは、通常4.2〜4.8であり、好ましくはpH4.5である。
全粉砕穀粒を含む穀類、及び、コーンスターチを含むデンプン(例えば、デキストリン、単糖類、特にグルコース)から得られた発酵性糖は、酵素糖化から生産される。これらの発酵性糖をさらに精製して及び/又は有用な砂糖製品に変換してもよい。さらに、全粉砕穀粒から得られた糖は、アルコール(例えば、エタノール及びブタノール)、有機酸(例えば、コハク酸、クエン酸及び乳酸)、糖アルコール(例えばグリセロール)、アスコルビン酸中間体(例えば、グルコン酸塩、2−ケト−D−グルコン酸塩、2,5−ジケト−D−グルコン酸塩及び2−ケト−L−グロン酸)、アミノ酸(例えば、リジン、グルタミン酸、及び、例えばグルタミン酸ナトリウムのようなグルタミン酸塩)、タンパク(例えば、抗体及びその断片)のような最終生成物を生産する微生物発酵過程における発酵供給原料として使用可能である。
好ましい一実施形態において、液化工程中に得られた発酵性糖は、アルコール、特にエタノールを生産するために使用される。エタノール生産においては、一般的にSSFプロセスが用いられており、糖化酵素及び発酵生物(例えば酵母)を一緒に加えて、30℃〜40℃の温度で実行する。
発酵において使用する生物は所望の最終生成物に応じて変わるであろう。一般的に、エタノールが所望の最終生成物であれば、発酵生物として酵母を使用する。いくつかの好ましい実施形態において、エタノールを生産する微生物は、酵母、特に、サッカロミセスセレビシエ(米国特許第4,316,956号)の株のようなサッカロミセスである。種々のサッカロミセスセレビシエを市販によって入手することができ、また、これらは、限定されないが、FALI(Fleischmann's Yeast)、SUPERSTART(Alltech)、FERMIOL(DSM Specialties)、レッドスター(Lesaffre)及びエンジェルアルコール酵母(Angel Yeast社、中国)を含む。この方法において使用されるスターター酵母の量は、適切な時間内に商業的に意味のある量のエタノールを生産する(例えば、25〜40%の固形分を有する基質から72時間未満に少なくとも10%のエタノールを生産する)のに有効な量である。酵母細胞は、一般的に、培養液1ml当たり10〜1012個、好ましくは10〜1010個の生存酵母密度の量で供給される。この発酵は、発酵微生物(例えば酵母)栄養素に加えて、フィターゼを含むがフィターゼには限定されない選択的なさらなる酵素を含むであろう。発酵における酵母の使用は周知であり、また、THE ALCOHOL TEXTBOOK, K. JACQUES ET AL., EDS.1999, NOTTINGHAM UNIVERSITY PRESS, UKを参照する。
さらなる実施形態において、発酵最終生成物は、当業界において知られている適切な発酵微生物の使用によって、限定されるものではないが、グリセロール、1,3−プロパンジオール、グルコン酸塩、2−ケト−D−グルコン酸塩、2,5−ジケト−D−グルコン酸塩、2−ケト−L−グロン酸、コハク酸、乳酸、アミノ酸及びこれらの誘導体を含み得る。より具体的には、乳酸が所望の最終生成物である場合にはラクトバシラス種(ラクトバシラスカゼイ)を使用することができ、グリセロール又は1,3−プロパンジオールが所望の最終生成物である場合には大腸菌を使用することができ、また、2−ケト−D−グルコン酸塩、2,5−ジケト−D−グルコン酸塩及び2−ケト−L−グロン酸が所望の最終生成物である場合にはパントエア−シトレアを発酵微生物として使用することができる。上記に列挙されたリストは単なる例であり、当業者は、所望の最終生成物を得るために適切に使用することができる多数の発酵微生物を知っているであろう。
蒸留
選択的に、発酵後に、例えば蒸留及びその後の選択的な1つ又はそれ以上の工程によってアルコール(例えば、エタノール又はブタノール)を抽出することができる。
いくつかの実施形態において、本発明に包含される方法によって生産されるエタノール又はブタノールの生産量は、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%(v/v)及び少なくとも23%(v/v)であろう。本発明のプロセスによって得られるエタノールは、例えば、燃料エタノール、飲用エタノール、すなわち、飲用ニュートラルスピリッツ、又は、工業用エタノールとして使用可能である。
副産物
発酵に由来する穀物副産物は、一般的には液体形態又は乾燥形態のいずれかにおいて飼料として用いられる。デンプンを湿式製粉すると、非デンプン副産物は、粗タンパク質、油及び繊維、例えばコーングルテン粉末を含む。デンプンを乾式製粉すると、その副産物は、蒸留乾燥穀物(DDG)及び可溶物含有蒸留乾燥穀物(DDGS)のような動物飼料副生物を含み得る。しかし、穀類を乾式製粉し、液化及び糖化の前にスラリーに混合すると、穀物は副産物として残らない。
アルコールの液化、糖化、発酵、蒸留及び回収を実行する方法についてのさらなる詳細は、当業者に周知である。
本発明のプロセスによれば、糖化及び発酵を同時に又は別々に実行することができる。
グルコアミラーゼ及びプルラナーゼ
有用なグルコアミラーゼは、アスペルギルスニガーから生成されたもの(例えば、Boel et al. (1984)、「Glucoamylases Gl and G2 from Aspergillus niger are synthesized from two different but closely related mRNAs」、EMBO J. 3 (5)、第1097-1102頁に記載されているG1又はG2アスペルギルスニガーAMG、又は、その変異体、特に、WO00/04136又はWO01/04273に記載されている変異体や、WO99/28448に記載されているタラロミセスエメルソニイ(Talaromyces emersonii)AMGや、トリコデルマリーゼイグルコアミラーゼ(WO06/060062参照)を含む。
また、一実施形態において、本発明の組成物は、プルラナーゼ、例えばバチルス−プルラナーゼを含む。例えば、WO99/45124を参照されたい。
方法
アルファアミラーゼ変異体の発酵及び精製
適切な発現プラスミドを内部に有するバチルスサブチリス菌株を以下のように発酵及び精製することができる。その菌株を、−80℃の保存された10μg/mlカナマイシンを含むLB寒天プレートの上に筋状に付して37℃で一晩培養する。コロニーを、500mlの震動フラスコ内の10μg/mlのクロラムフェニコールを加えた100mlのPS−I媒体(下記)に移す。37℃、270rpmで5日間振ることによって培養する。
PS−I媒体の組成
パールシュガー 100g/l
ダイズ粉末 40g/l
NaHPO,12HO 10g/l
プルロニック(Pluronic)(商標)PE6100 0.1g/l
CaCO 5g/l
20〜25分間4500rpmで遠心分離することによって培養液から細胞及び細胞破片を除去する。その後に、その上澄みをろ過することによって完全に透明な溶液を得る。その濾液を濃縮してUF−フィルタ(10000カットオフ膜)で浄化し、バッファをpH5.5、20mM 酢酸に変更する。UF濾液をS−セファロースF.F.に塗布し、同じバッファ中における0.2MのNaClによるステップ溶出によって溶出を実行する。この溶出液を、10mM トリスpH9.0に対して透析し、Q−セファロースF.F.に塗布し、6カラム体積にわたる0〜0.3MのNaClからの直線的濃度勾配によって溶出させた。活性(フェイドバス(Phadebas)アッセイによって測定した)を含む画分を貯めて、pHをpH7.5に調節し、さらに、残っている色を0.5%重量/体積の活性炭を用いた5分間の処理によって除去した。
比活性測定
比活性は、フェイドバス(登録商標)アッセイ(Pharmacia)を使用して、酵素1g当たりの活性として決定した。製造業者の指示書は以下のようである(下記「アルファアミラーゼ活性の分析」も参照されたい)。
安定性測定
以下の方法を使用してアミラーゼ安定性を測定することができる。適切な条件下で酵素をインキュベートする。サンプルを、例えば、0分、5分後、10分後、15分後及び30分後の様々な時点で取得し、分析バッファ(50mM ブリットンバッファ(Britton buffer)、pH7.3)で25倍に希釈(取得したすべてのサンプルについて同様に希釈)し、さらに、活性を、標準条件37℃、pH7.3においてフェイドバスアッセイ(Pharmacia)を使用して測定する。
アルファアミラーゼ活性についての分析
1.フェイドバスアッセイ
基質としてフェイドバス(登録商標)タブレットを用いた方法によってアルファアミラーゼ活性を決定する。フェイドバスタブレット(Pharmacia Diagnosticによって供給されるPhadebas(登録商標)Amylase Test)は、架橋された青色の不溶性デンプンポリマーを含んでおり、そのポリマーは、ウシ血清アルブミン及び緩衝物質と混合されてタブレット化されている。
それぞれの単一の測定について、50mM ブリットン−ロビンソンバッファ5ml(50mM酢酸、50mMリン酸、50mMホウ酸、0.1mM CaCl、NaOHによって対象の値に調節されたpH)を含むチューブに1個の錠剤を懸濁させる。試験対象の温度の水槽中で試験を行う。試験を行うアルファアミラーゼを50mM ブリットン−ロビンソンバッファのx mlで希釈する。このアルファアミラーゼ溶液の1mlを50mM ブリットン−ロビンソンバッファ5mlに加える。デンプンがアルファアミラーゼによって加水分解されて青色の可溶性断片を与える。分光測光法によって620nmにおいて測定された得られた青い溶液の吸収度がアルファアミラーゼ活性の機能である。
10分間又は15分間のインキュベート(試験時間)の後に620nmにおいて測定した吸収度が、620nmにおいて0.2〜2.0の吸収度単位の範囲内であることが重要である。この吸収度範囲内では、活性と吸収度との間に線形性が存在する(ランベルト−ベールの法則)。したがって、この基準に適合するように酵素の希釈度を調節しなければならない。特定の条件集合(温度、pH、反応時間、バッファ条件)においては、所定のアルファアミラーゼの1mgが特定量の基質を加水分解して、青色が生成されるであろう。その色強度を620nmにおいて測定する。測定された吸収度は、所定の条件集合における試験対象のアルファアミラーゼの比活性(純粋なアルファアミラーゼタンパク1mg当たりの活性)に正比例する。
2.代替的方法
PNP−G基質を用いた方法によってアルファアミラーゼ活性を決定する。p−ニトロフェニル−α,D−マルトヘプタオシドの略語であるPNP−Gは、エンドアミラーゼによって開裂されるブロックされた糖である。開裂に続いて、キットに含まれているアルファグルコシダーゼは、その基質を消化して、黄色を有し従ってλ=405nm(400−420nm)における可視光吸光度測定によって測定することができる遊離のPNP分子を放つ。PNP−G基質及びアルファグルコシダーゼを含むキットは、Boehringer−Mannheim(カタログNo.1054635)によって製造されている。
試薬溶液を作るために、製造業者によって推奨されているように、10mlの基質/緩衝液を、50mlの酵素/緩衝液に加える。20μlのサンプルを96ウェルのマイクロタイタープレートに移し、25℃でインキュベートすることによってこの分析を実行する。25℃に予め平衡化した200マイクロリットルの試薬溶液を加える。この溶液を混合して1分間予備インキュベートし、吸収度をELISAリーダにおいて光学密度405nmにおいて30秒ごとに4分間測定する。
時間依存的吸収曲線の傾斜は、所定の条件集合下において試験対象のアルファアミラーゼの活性に正比例する。
フィターゼ活性(FTU)の測定
フィターゼ活性(FTU)を無機リン酸塩の放出によって測定する。無機リン酸塩は、酸性のモリブデン酸塩/バナジン酸塩試薬と共に、黄色の複合体を形成する。その黄色の複合体を分光光度計において415nmの波長で測定し、また、放出された無機リン酸塩の量をリン酸塩標準曲線で定量する。フィターゼの1単位(FTU)は、欧州標準(CEN/TC 327,2005−TC327WI 003270XX)で与えられる反応条件下においてフィチンから1分あたりに1μモルの無機リン酸塩を放出させる酵素の量である。
フィチン酸含有量の定量
フィチン酸含有量:5%スラリー(乾燥サンプルである場合)のpHをpH10に調整することによってサンプルからフィチン酸を抽出し、次に、イオン交換カラムを用いてHPLC法によってそのフィチン酸を測定した。NaOH勾配システムを用いてカラムからフィチン酸を溶出させた。その後、フィチン酸標準物と比較することによってその液体中のフィチン酸含有量を算出した。
本発明を以下の実施例においてさらに詳細に説明する。実施例は、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲をいかようにも限定するように意図されていない。添付図面は、本発明の明細書及び説明の不可欠な部分とみなされるように意図されている。引用されているすべての参考文献は、本明細書に記載されているもののすべてに特に言及することによって組み込まれている。以下の実施例は、説明のために提供されているが、特許請求の範囲に記載されている発明を限定しない。
実施例
以下の開示及び実験セクションにおいては、以下の略語:wt%(重量パーセント);℃(摂氏温度);HO(水);dHO(脱イオン水);dIHO(脱イオン水、ミリQ濾過);g又はgm(グラム);μg(マイクログラム);mg(ミリグラム);kg(キログラム);μl(マイクロリットル);mL及びml(ミリリットル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);M(モル);mM(ミリモル);μM(マイクロモル);U(ユニット);MW(分子量);SEC(秒);min(s)(分/分);hr(s)(時間/時間);DO(溶解酸素);W/V(重量対体積);W/W(重量対重量);V/V(v/v);IKA(IKA Works社、2635 North Chase Parkway SE、Wilmington、NC)Ncm(ニュートンセンチメートル)及びETOH(エタノール)、eq(均等物);N(通常);ds又はDS(乾燥固形分含量)、AAU(アルファアミラーゼ単位)、LU(Liquefon単位)、SAPU(分光光度の酸プロテアーゼ単位、ここで、1SAPUは、この分析の条件下においてカゼイン基質から1分あたり1マイクロモルのチロシンを放出させるプロテアーゼ酵素活性の量である。)、及び、GAU(グルコアミラーゼ単位、pH4.2及び60℃において1時間あたりに可溶性デンプン基質から得られるグルコースとして算出される1gの還元糖を生産する酵素の量として定義される)を適用する。
実施例1−変異体の構築
部位特異的手法を用いてAmySの成熟配列の位置S242における変異体を構築した。
変異誘発のためのテンプレートは、New England Biolabs(マサチューセッツ)から得たdam−メチラーゼを用いてメチル化したpHPLT−AmyS(図2参照)であった。Operon(Hunts ville、アラバマ州)において、反応における連結のための5’リン酸エステルを含む相補的な順方向配列と逆方向配列とを用いて、縮重プライマー(以下に与えられているS242F(順方向)及びS242R(逆方向))を合成して10μMに希釈した。親アルファアミラーゼの配列を配列番号2として本明細書に添付する。ライブラリを、ターゲット位置においてNN(G/C)でランダム化したオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、Stratagene Quik−change(商標)マルチサイトキット(Stratagene、La Jolla、カリフォルニア州)を用いて作成した。19個の可能なすべてのオプションで選択したアミノ酸(すなわち、S242)をランダムに置換した。
変異誘発のためのS242プライマー:
S242 F:5’ [リン酸エステル]GTCAAGCATATTAAGTTCNNSTTTTTTCCTGATTGGTTG 3’配列番号17
S242 R:5’ [リン酸エステル]CAACCAATCAGGAAAAAASNNGAACTTAATATGCTTGAC 3’配列番号:18
以下のように反応を実行した。
Quik−Change反応:
この反応は、18μlの無菌蒸留HO、キットから得た2.5μlの10×バッファ、キットから得た1μLのデオキシリボヌクレオチド3リン酸(dNTPs)、(10μMストックの)1.25μlの順方向プライマー、(10μMストックの)1.25μlの逆方向プライマー、テンプレートとして1μlのpHPLT−AmySプラスミドDNA(〜70ng)、及び、キットから得た酵素混合物の1μlの合計26.5μlで構成されていた。
サイクル条件:
サイクル条件は、95℃で1分間に1回、次に、95℃で1分、55℃で1分、65℃で10分の間に25サイクルであった。
1マイクロリットルのDpnI(10U/μl)をマルチサイトQuik−change反応混合液に加え、37℃で18時間インキュベートし、次に、0.5μlをさらに3時間にわたってさらに加えた。
1マイクロリットルのDpnIで消化した反応物を、Templiphi増幅キット(Amersham Biosciences、Piscataway、ニュージャージ州)を用いたローリングサークル増幅のためのテンプレートとして使用し、Amershamプロトコルに従って反応を実行した。1マイクロリットルのローリングサークルDNAを、100μlのバチルス−サチリス受容細胞(2個のプロテアーゼを削除したバチルスサブチリス株(ΔaprE、ΔnprE、amyE::xylRPxylAcomK-phleo)の中に導入して37℃で1時間振動させた。次に、すべての形質転換体を、LA+10ppm Neo+1%不溶性デンプンプレート(25μlのプレート、別のプレートにおいて75μl)被覆させて、37℃で一晩インキュベートした。96個の形質転換体をマイクロタイタープレートの中の150μlのLB+10ppm Neoに分けて37℃で一晩培養した。一晩培養したプレートを、96ピン複製ツールを用いて多量のLA+10ppm Neo+1%不溶性デンプンのプレートに分けて、コロニーPCR及び配列決定のためにQuintara Biosciences(Berkeley、カリフォルニア州)に提出した。
変異体配列を決定した後に、その変異体を、125μlのLB+10ppm Neoを含む96ウェルのマイクロタイタープレートに分けて、その変異体をコントロールと共に4個で1セットの形式で配置した。配置したそのマイクロタイタープレートを、37℃、250rpmで6時間培養した。このマイクロタイター培養プレートを、タンパク発現のための150μlのMBD溶媒(G. Vogtentanzら、A Bacillus subtilis fusion protein system to produce soybean Bowman-Birk protease inhibitor, Prot. Expr. & Purif.,55 (2007)40-52)を含み、かつ、タンパク発現のために5mM CaClが追加された新しいマイクロタイタープレート(Enzyscreen、Leiden、オランダから入手したマイクロタイタープレート及びプレート蓋)に、複製ツール(Enzyscreen、Leiden、オランダ)を用いて接種するために使用した。発現プレートを37℃、250rpm、湿度70%で64時間培養した。次に、発現培養液をマイクロフィルタプレート(0.22μm、Millipore Billerica、マサチューセッツ州)によってろ過し、向上した耐熱性について検査した(実施例3参照)。
実施例2−変異体の発現、精製及び特性評価
実施例1のマイクロタイタープレートから筋状のコロニーを作成し、10ppmのネオマイシンを含むデンプンプレートに接触させた。このプレートを37℃で一晩培養した。また、単一のコロニーを採取し、溶媒(下記参照)及び20ppmのネオマイシンを含む振盪フラスコ(25mLの溶媒を含む250mL)に接種するために使用した。これらを37℃、275rpmで約8時間(吸光度(600nm)が2.0に達するまで)培養した。その後、その培養液を、50%のグリセロールと2:1比率で混合し、個々にラベルした培養バイアル瓶に入れて−80℃で冷凍した。その後に、選択したアミラーゼをこれらのグリセロールストックから生産した。
1%(w/v)のソイトーン(Soytone)を含む最小限のMOPS培地(Neidhardtら、Bacteriol.(1974) 119(3):736-747)の中で37℃で60時間培養した500mLの振盪フラスコにおいてアミラーゼのための発酵を実行した。疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いて培養液から酵素を精製した。簡潔に説明すると、この培養液を、10倍に濃縮し、その後に、1Mの硫酸アンモニウムと共に、50mM MES、2mM CaCl、pH6.8を用いて希釈し、無菌のグラスファイバーフィルタを用いてろ過した。サンプルを、同じバッファで予め平衡にしたフェニルセファロースFF高密度カラム(20 x 95mm、Amersham、GE Healthcare Bio-Sciences、スウェーデン)に装填した。非アミラーゼタンパクを、硫酸アンモニウムを含まない10カラム体積の同じバッファで洗い流し、その後に5カラム体積の水で洗い流した。最後に、対象の酵素を、40%のプロピレングリコールを含む50mM MES、2mM CaCl、pH6.8を用いて溶出させた。
標準的な定量SDSページゲル濃度測定法又はメガザイム(Megazyme)(Wicklow、アイルランド)から得た標準的なアミラーゼアッセイキットを使用した活性アッセイのいずれかによってタンパク濃度を測定した。精製されたアミラーゼ(バチルス707アミラーゼ;配列番号6)を使用して作成した標準曲線を用いてアッセイを変換した。
実施例3−変化した特性の測定:熱ストレス
この実施例は、ここに記載されている変異体が親アルファアミラーゼと比較して変化した特性を有し得ることを示している。ジオバチルス−ステアロサーモフィラス−アルファアミラーゼ(AmyS)変異体の高生産性熱安定性による選抜を行った。
開始時の野生型酵素が、熱ストレス後に、ストレスを受けていないときの約40%の活性を示す(すなわち、熱ストレス後の活性/熱ストレス前の活性が約0.4である)ように、熱ストレス条件を調査及び選択した。変異体のライブラリを4通りに選別し、熱ストレスの後に、開始時の野性型酵素の平均残存活性よりも標準偏差の少なくとも2倍以上高い残存活性を示したものを潜在的な成功として認定した。
発現プレートの培養液上清中において、アミラーゼ発現は約100ppmであった。加湿した振盪装置(250rpm及び相対湿度70%)において、37℃で60〜65時間培養した後に、その培養液上清を、ろ板を用いて浄化することによって細胞形質成分を除去した。浄化した上澄みを、50mM NaOAc/2.6mM CaCl/0.002%トゥイーン20を含むpH5.8のバッファの中に、10倍に希釈して、約10ppmの最終濃度にした。上澄みの第1の分割量を0.02ppmにさらに希釈し、酵素変異体の活性を、蛍光標識したコーンデンプン基質を用いて後述するように測定した。上澄みの第2の分割量を、50mM NaOAc/2.6mM CaCl/0.002%トゥイーン20(pH5.8)の中で0.02ppmに希釈する前に、サーモサイクラー内で95℃で30分間の熱ストレスに供し、同じ蛍光基質及び後述するアッセイを用いて残存活性について分析した。
アミラーゼ活性は、製造業者(Invitrogen、San Diego、カリフォルニア州)によって記載されているとおりにアミラーゼEnzCheckアッセイを用いて測定した。このアッセイにおけるアミラーゼの最終濃度は約0.02ppmであった。アッセイバッファは、50mM NaOAc/2.6 mM CaCl/0.002%トゥイーン20(pH5.8)であった。基質は、BODIPY蛍光染料を結合させた100μg/mLのDQ(商標)コーン由来デンプン(Invitrogen、Eugene、オレゴン州)であった。アミラーゼ活性を示す蛍光の増大をSpectomax M2(Molecular Devices、Sunnyvale、カリフォルニア州)を用いて測定した。動的形式で記録する装置を用いて室温において反応を5分間モニターした。励起波長は485nmであった。515nmの遮断フィルターを用いて、520nmにおいて排出をモニターした。
野性型AmyS(Xtra)は、95℃において30分間の熱ストレスに供された後に33%〜43%の残存活性を示した。AmyS変異体S242A及びS242Qは、同じ熱ストレス条件の後に、それぞれ、55%〜65%及び70%〜80%の残存活性を保持した。図3及び表4を参照されたい。これらの残存活性測定は、野性型アルファアミラーゼよりも2つの変異体が耐熱性に優れていることを示している。表4には、各変異体サンプルの残存活性パーセントが一覧されている。取り消されている位置文字によって示されているように、いくつかの変異体はライブラリから欠損していた。その変異体の場所には、「WT」という文字で示されているように、野性型(SPEZYME(登録商標)Xtra)を使用した。各プレートは、コントロールとしてSPEZYME(登録商標)Ethyl(「$」と標識されている)及びSPEZYME(登録商標)Xtra(「Z」と標識されている)を含む。
表4
Figure 2012503484
実施例4−変化した特性の測定:DSC
疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いてSPEZYME(登録商標)Xtra、S242A及びS242Qから振盪フラスコ培養液(実施例2参照)を精製した。40%のプロピレングリコール及び2mM CaClを含む50mM MES、pH6.8を用いて、タンパクを、精製された形態でカラムから溶出させた。
超高感度スキャニング高生産性マイクロ熱量計、VP-Cap DSC(MicroCal社、Northampton、マサチューセッツ州)を用いて過剰熱容量関数を測定した。DSC測定のための標準的手順及びその技術の理論は、以前に公表されている(Freire, E. (1995) Differential Scanning Calorimetry Methods. MoI. Biol 41、191-218)。0.5mg/mlの野性型バチルス−ステアロテルモフィルス−アルファアミラーゼ又は変異体S242S及びS242Qの約500μLを(2mM塩化カルシウムの存在下及び非存在下において)30℃〜120℃の温度範囲にわたって調べた。その後、プロセスの可逆性をチェックするために同じサンプルを再スキャンした。アルファアミラーゼについては熱によるアンフォールディングプロセスが不可逆的であった。使用したバッファは、10mM酢酸ナトリウム、pH5.5であった。凝集によって生じ得るあらゆる人工産物を最小限にするために200℃/時間のスキャンレートを使用した。DSC曲線の熱の中央点(Tm)を熱安定性の標識として用いた。表5は、試験を行ったアミラーゼタンパクについての熱融解点を示している。野性型及びアミラーゼ変異体についての熱融解曲線及び融点は、図5に示されている。
2mM塩化カルシウムの非存在下及び存在下におけるアミラーゼ変異体S242A及びS242Qについての熱によるアンフォールディングは、野性型についてのそれと比較すると、変異体については融解点の相当な上昇を示している。添加される塩化カルシウムの非存在下においては、野性型アミラーゼが100.8℃の熱融解点を有するのに対し、S242A及びS242QについてのTmがそれぞれ106.5℃及び110.1℃である。したがって、AによるS242の置換は、Tmを5.7℃上昇させ、また、QによるS242の置換は、Tmを9.3℃上昇させる。2mM塩化カルシウムの存在下においては、特徴付けられた野性型アミラーゼが106.8℃の熱融解点を有するのに対して、S242A及びS242QについてのTmは、それぞれ111.8℃及び113.8℃である。
したがって、2mM塩化カルシウムの存在下においては、3つのタンパクすべてが上昇したTm値を示した。野性型及びS242A変異体についてのTmの上昇は、それぞれ、6℃及び5.3℃であった。S242Q変異体についてのTmの上昇は3.7℃であった。これは、S242Q変異体が、カルシウムによってあまり安定化されないか、又は、安定性についてカルシウムにあまり依存しないことを示唆している。塩化カルシウムの存在下においては、野性型と比較して、S242A及びS242QのTmの上昇は、それぞれ、5℃及び3℃であった。これは、変異体の熱力学的特性がSPEZYME(登録商標)Xtraのものとは異なることを示唆しており、応用研究におけるその強化された能力と一致している(実施例5参照)。
表5
Figure 2012503484
実施例5−活性プロファイル
この実施例は、試験された変異体が、親アルファアミラーゼだけでなく業界標準と比べても異なる活性プロファイルを有することを示す。精製したサンプル又はプレートサンプルについてタンパク定量を行った。すべての試験変異体及び標準的アルファアミラーゼを同じタンパク濃度で投与した。
pH5.6リンゴ酸バッファを用いてプレートの変異体又は精製した変異体のいずれかを約20ppmに希釈した。基質は、同じpH5.6の50mMリンゴ酸バッファに15%のコーンデンプンが含まれるものからなっていた。400マイクロリットルのデンプン懸濁液を70℃まで2.5分間にわたって平衡化した。その後、平衡化したデンプン(最終タンパクコーン、約0.36ppm)に希釈した7μlの酵素を素早く加えた。その後、反応混合物を、あらかじめ加熱した85℃の振動加熱ブロックに入れて300rpmで混合した。あらかじめ決められた時間間隔で、50μlの125mM NaOHを用いて反応を停止させた。その後、反応チューブを遠心分離し、HPAEC−PADによってDPプロフィールについて分析するために、その上澄みを10mM NaOHの中へ10倍に希釈した。
反応を4分間、10分間及び20分間に設定した。DP2からHPLC稼働終了時までの合計面積を合計し、その面積を総タンパク及び反応時間で割った。
4分間の反応は、酵素がどれくらい速く基質を分解し始めるかの指標を与え、10分間の反応は、酵素の熱活性の指標を与え、20分間の反応は、酵素の熱安定性の指標を与える。結果を図6及び図7に提供する。
実施例6−粘度計における液化
この実施例は、野生型の親とは異なる残存活性を有する実施例3のS242A及びS242Q変異体が、親アルファアミラーゼとは異なる能力をも有することを示す。実施例2の変異体アルファアミラーゼを精製し、その用途における試験の前に総タンパク及び比活性の特性について分析した。
アルファアミラーゼの作用によるコーンフラワーの粘度低下を、HAAKE Viscotester 550装置を用いてモニターした。基質スラリーを、30%コーン粉固形分を用いてバッチモードにより毎日新しく作成した。硫酸を用いてpHを5.8に調整した。50gのスラリー(15gの固形分)を定量し、攪拌しながら10分間予備培養して70℃に暖める。アルファアミラーゼを加えるときに、75の回転速度で回転させながら、温度を70℃から85℃に急速に上昇させる。スラリー及び酵素混合物の温度が85℃に達したら、その温度を一定に維持し、粘度をさらに30分にわたってモニターする。稼働中を通じて粘度を測定し、μNmとして報告する。野生型のAmyS、S242A及びS242Qのすべてを同じタンパク濃度で投与した(20μg又は30μg/50gのコーンフラワースラリー)。
粘度計適用試験は、両方のAmyS変異体、S242A及びS242Qが、標準のアルファアミラーゼ−リコザイムSC、エチル及びXtraよりも優れた能力を有するという結果になった。両方の変異体は、Xtraの低いピーク粘度特性と、リコザイムSC及びEthylの低い最終粘度とを示す。20μgの全タンパク量というより低い濃度で投与されるとき、これらの変異体のより低いピーク粘度の差は、リコザイムSCと比較してさらに大きくなる。図8、図9及び図10を参照されたい。
実施例7−ジェットクッキング装置における液化
水対希釈蒸留廃液の70:30の比率を用いて、全粉砕トウモロコシを32%(固形分トウモロコシ)のスラリーにした。10N NaOHを用いてスラリーのpHをpH5.8に調整した。ジャケットケトル内で水と蒸気を用いてスラリーを70℃(158°F)に加熱した。液化酵素(SPEZYME(登録商標)Xtra、Liquozyme SC又はS242Q)を加え、スラリーを約10分間にわたって85℃(185°F)に加熱した。85℃でさらに10分間インキュベートした後に、大規模なパイロットプラントジェット(ヒドロサーマル社、Waukesha、ウィスコンシン州のM103ヒドロヒーターを装備したもの)を用いて、スラリーに、3分間の保持時間で107℃(225°F)で維持されたジェットクッキング装置を通過させた。蒸気噴流から液化物を回収し、85℃の水槽内に置いた。蒸気噴流後に液化酵素の第2の投与量を加えた。液化物を連続的に撹拌して85℃で90分間維持した。0分、30分、60分及び90分にサンプルを回収した。蒸気噴流後に、デキストロース当量(Schoorls法を使用する。この方法は要求に応じて利用可能である。)について、及び、粘度(ブロックフィールド形粘度計(イリノイ州、Melrose ParkのLab-line Instruments社)スピンドル3、20rpmにおいて)について、すべてのサンプルを試験した。蒸気噴流前及び蒸気噴流後の液化酵素の投薬は、以下の図において「X+Y」として示されている。ここで、Xは、蒸気噴流前に加えられた酵素単位の数を意味し、Yは、液化物がジェットクッキング装置を通過した後に液化物に加えられた単位の数を意味する。結果は図11及び12に示されている。
実施例8−アルファアミラーゼAmyS S242QとSPEZYME(登録商標)FREDとの混合物を使用したバッチ液化
Lader's feed mill(Tiffany、ウィスコンシン州)の全粉砕トウモロコシを使用した。SPEZYME(登録商標)FREDラボスタンダード(活性17,662AAU/g)及びAmyS S242Qラボスタンダード(活性14,234AAU/g)を使用した。
32%固形分で30%v/vの希釈蒸留廃液(United Ethanol、Milton、ウィスコンシン州から入手したもの)を含む水を用いて、全粉砕コーン(700g)の3つの同じスラリーを調製した。6N NaOHを使用してサンプルをpH5.8に調整した。スラリーを85℃の水槽中で混合しながら保持し、AmyS S242Q(4AAU/g コーン固形分)、Fred(20LU/g コーン固形分)、及び、AmyS S242QとFredとの混合物(2.8AAU/g コーン固形分及び6LU/g コーン固形分)を各スラリーにそれぞれ加えた。スラリー温度が85℃に達した時に時間測定を開始した。デキストロース当量(Schoorlsによる)、°Brix及び粘度(ブルックフィールドによる)について試験を行うために、30分、60分、90分及び120分にサンプルを得た。デキストロース当量経過及び粘度データを図13及び図14にまとめる。
図13及び図14に示されているように、AmyS S242Q/Fred混合物は、30分でスラリー粘度を1923cPにまで充分に低下させた。さらに、AmyS S242Q/Fred混合物を含むサンプルは、高いデキストロース当量経過勾配を120分間維持し、優れた熱安定性を示した。粘度低下に関して、図14は、単独のAmyS S242Qが30分間に粘度を1584cPに急速に低下させるのに対し、単独のFredが30分後のサンプリングにおいて12000cPの非常に高い粘度のままであったことを示している。単独のFredは90分間の液化時間によって粘度を2000cP未満に低下させたが、上述したように、この時間の長さは現在実施されているエタノール生産に有用ではないだろう。
まとめると、AmyS S242Q/Fred混合物で処理された粉砕コーンスラリーは、効率的なエタノール生産に必要とされる基本特性、すなわち、スラリー粘度を(約30分以内に)2000cP未満に急速に低下させることを実証する。これは、エタノール工場に適しており、また、120分間の液化時間の全体にわたって高いデキストロース当量経過勾配であり、耐熱性を実証している。したがって、これらの活性レベルにおいて、AmyS S242QとFredとの組み合わせは、別々のいずれかの酵素よりも顕著に優れた特性を有する。
実施例9−アルファアミラーゼAmyS S242QとSPEZYME(登録商標)FREDとの混合物を使用したグルコースシロップの生産
デンプン基質からグルコースシロップを調製した。乾燥したコーンデンプンを逆浸透水(R.O.)中に懸濁することによって、38%の固形分コーンデンプンを含むスラリーとして基質を調製した。必要に応じてSO又は炭酸ナトリウムを使用することによってpHを5.8に調整した。このスラリーに、5LUのSPEZYME(登録商標)FRED及び0.6AAUのAmyS S242Qを加えた。ヒドロヒーターブランド蒸気噴射タイプジェットクッキング装置(Hydro Heater Brand steam injection type jet cooker)を用いて、108℃において5分間の滞留保持時間でスラリーを液化させた。この第1の液化の後に、液化されたスラリーを、大気圧に暴露させ、120分間又は10デキストロース当量が達成されるまで95℃で保持した。デキストロース当量の変化は図16に示されている。HClを用いてpHを3.5に調製して95℃で20分間にわたって保持することによってアルファアミラーゼ活性を停止させた。
液化させたデンプンを60℃に冷まし、20%炭酸ナトリウム溶液を用いてpHを4.5に調製した。糖化は、OPTIMAX(商標)4060ブランドを用いてpH4.5において、その液化されたデンプンを処理すること、及び、乾燥物の0.16GAU/gの投与量で酵素混合物を糖化することによって実行した。時間に伴うグルコース生産は表6に示されている。
表6
Figure 2012503484
最終糖化グルコースシロップは、100mlを2500rpmで10分間遠心分離することによって沈降について試験した。このシロップは1.5%未満の沈降物を含んでいた。遠心ペレットの2つの塊を回収し、逆浸透水を用いて5mlに再懸濁した。この溶液を水槽中で約10℃に冷まし、0.5mlの0.02N ヨウ素溶液を加えた。色が変化せず、ヨウ素染色に対して陰性であると判断した。
上記明細書において言及されている刊行物及び特許のすべては、ここで言及することによって組み込まれている。記載されている本発明の方法及びシステムの様々な修正及び変形は、本発明の範囲及び精神から外れることなく当業者に明らかであろう。本発明は特に好ましい実施形態に関して説明されているが、特許請求の範囲に記載されている発明がそのような特定の実施形態に不当に限定されるべきでないことは理解されるであろう。実際に、本発明を実行するための記載されている態様の様々な修正であって、当業者に明らかなものは、特許請求の範囲内であるように意図されている。

Claims (41)

  1. (i)配列番号2に示されているアミノ酸番号システムにおいて、位置S242のアミノ酸が置換されたバチルス−ステアロサーモフィルス−アルファアミラーゼ(AmyS)と、
    (ii)バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼと、
    を含むことを特徴とするアルファアミラーゼ混合物。
  2. フィターゼをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  3. 前記混合物が、S242置換を有するAmySの約40%と、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼの約60%との重量比で構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  4. S242置換を有するAmySとバチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼとの重量比が10:90であることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  5. S242置換を有するAmySの約1400AAU/gから約14000AAU/gと、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼの約8000LU/gから約19000のLU/gとの活性比をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  6. 前記AmySが配列番号1又は配列番号2のポリペプチド配列で構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  7. 前記AmySが配列番号4のポリペプチド配列で構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  8. 前記AmySが、配列番号6、7、8、9、10、11、12、15及び16のポリペプチド配列で構成されるAmyS酵素の1つから選択されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  9. 前記S242置換が、S242A、S242E、S242Q、S242F、S242H又はS242N置換であることを特徴とする請求項1、6、7又は8のいずれか1項に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  10. 位置S242に置換を有するAmySが、S242の置換を有しないAmySと比較して、約80℃から約95℃の間のより高い耐熱性を有することを特徴とする請求項1、6、7又は8のいずれか1項に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  11. 前記AmySが、配列番号1のAmySに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列で構成され、前記AmySがアルファアミラーゼ活性を有することを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  12. 前記バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼが、精製された野生型酵素で構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  13. 前記バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼが、M15T、H133Y、N188S及びA209Vからなる群より選択された野生型配列の1個又はそれ以上のアミノ酸を置換したもので構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  14. 前記バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼが、配列番号20に示されているアミノ酸配列で構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  15. 前記バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼが、配列番号20に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列で構成されることを特徴とする請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物。
  16. デンプンを液化する方法であって、
    デンプンを含む溶液に請求項1に記載のアミラーゼ混合物を加えるステップと、
    スラリーを形成するためにデンプンを含む溶液を液化させるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  17. 前記アミラーゼ混合物が、S242置換を有するAmySの(AAU/g固形分として)約40%と、バチルス−リケニホルミス−アルファアミラーゼの(LU/g固形分として)約60%との活性比を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記デンプンが、植物性材料、コーン、マイロ、ライムギ、オオムギ、コムギ、モロコシ、オートミール、コウベイ、糠、カッサバ、ミレット、ジャガイモ、サツマイモ又はタピオカから得られることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. 前記デンプンが乾式又は湿式の製粉プロセスから得られる粒状デンプンであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. さらなる基質を前記スラリーに加えるステップを含む第1の液化ステップ及び/又は第2の液化ステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  21. フィチン酸加水分解酵素を加えるステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  22. 前記液化されたデンプンを糖化して発酵性糖を得るステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  23. 適切な発酵条件下で前記発酵性糖を発酵させてアルコール最終生成物を得るステップをさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記アルコール最終生成物がエタノール又はブタノールであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記液化のpHがpH4.5〜5.4の範囲内であり、前記液化ステップに酸中和物質を加えないことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  26. 前記液化のpHがpH4.8〜5.8の範囲内であり、前記液化ステップに酸中和物質を加えないことを特徴とする請求項16に記載の方法。
  27. 発酵性基質を得る方法であって、
    デンプンゼラチン化温度よりも低い0〜30℃の温度において、粒状デンプンを含む製粉された穀物のスラリーを、フィチン酸加水分解酵素及び請求項1に記載のアルファアミラーゼの混合物の両方に接触させるステップと、
    前記温度をゼラチン化温度よりも高くするステップと、
    ゼラチン化されたデンプンを加水分解するステップと、
    発酵性基質を得るステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  28. 発酵性糖を生産する方法であって、
    (a)製粉されたデンプンを含む材料を、水及び希釈蒸留廃液と混合することによって、デンプンを含み、かつ、20〜50w/w%の固形分(ds)を有するスラリーを得るステップであって、前記希釈蒸留廃液が10〜70v/v%の範囲内であるステップと、
    (b)前記デンプンを液化する前に又は液化と同時にスラリーをフィターゼで処理するステップと、
    (c)デンプンを液化させるステップと、
    (d)工程(b)の間に及び/又は前記液化ステップと同時に、前記デンプンに請求項1に記載のアルファアミラーゼ混合物を加えるステップと、
    (e)前記液化されたデンプンを糖化することによって発酵性糖を得るステップとを含み、
    前記ステップ(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のいずれにおいてもpHを調整しないことを特徴とする方法。
  29. 前記発酵性糖を回収、精製又は異性化することを特徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 前記液化ステップよりも前にフィターゼを加えることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  31. 前記アルファアミラーゼ混合物をフィターゼと共に加えることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  32. 前記液化ステップの間に又は前記糖化ステップの間にアルファアミラーゼ混合物の第2の用量を加えることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  33. グルコースを生産する方法であって、
    デンプン基質を請求項1に記載のアミラーゼ混合物に接触させるステップと、
    前記デンプン基質を液化させるステップと、
    前記基質を高温でインキュベートしてグルコースを含む生成物を生産するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  34. 前記インキュベートが第2の液化ステップであることを特徴とする請求項33に記載の方法。
  35. 前記インキュベートを約90〜100℃の温度で行うことを特徴とする請求項33に記載の方法。
  36. 前記生成物が約2〜14のデキストロース当量のグルコースを含むようになるのに充分な時間にわたって前記インキュベートを行うことを特徴とする請求項33に記載の方法。
  37. 前記生成物が約10のデキストロース当量のグルコースを含むようになるのに充分な時間にわたって前記インキュベートを行うことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. 前記生成物を糖化することによってグルコースリッチ溶液を生産するステップをさらに含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
  39. 前記グルコースリッチ溶液が80%〜99%のグルコースを含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
  40. 前記グルコースリッチ溶液が約93%〜96%のグルコースを含むことを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 前記糖化は、グルコース生成物を、グルコアミラーゼ、又は、グルコアミラーゼとプルラナーゼとを含む酵素混合物と接触させるステップを含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
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