JP2012252085A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コントラストが高く、かつ広視野角のノーマリホワイトモードVA方式の液晶パネルおよび液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶パネルは、VA方式の液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子、および液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子を備える。第1の偏光子と液晶セルとの間には第1の光学素子が配置される。第1の偏光子の吸収軸方向と前記第2の偏光子の吸収軸方向は平行である。第1の偏光子の吸収軸方向と第1の光学素子の遅相軸方向とは平行であるか直交している。前記第1の光学素子は、正面レターデーションが240〜300nmであり、かつ屈折率がnx>nz>nyの関係を満たすことが好ましい。
【選択図】図2A

Description

本発明は、ノーマリホワイトモードのVA方式液晶パネルおよび液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)は、液晶分子の電気光学特性を利用して、文字や画像を表示する装置であり、携帯電話やノートパソコン、液晶テレビ等に広く普及している。LCDには、通常、液晶セルの両側に偏光板が配置された液晶パネルが用いられている。液晶セルは、例えば、一対の基板の間にスペーサーが配置され、一対の基板間の空間に、液晶層が挟持された構成を有する。一方の基板には、液晶分子の電気光学特性を制御するスイッチング素子(例えば、TFT)と、前記スイッチング素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられている。
液晶表示装置は、液晶セル(液晶層)へ電圧を印加して、液晶層内の液晶分子の配列方向を制御することよって、液晶セルを透過する光の偏光状態が種々に変化することを利用して、明表示(白表示)および暗表示(黒表示)を可能としている。一般に、液晶セルに電圧が印加されていない非駆動状態で黒表示を行うものを「ノーマリブラックモード」、液晶セルに電圧が印加された駆動状態で黒表示を行うものを「ノーマリホワイトモード」と称する。
LCDに用いられる液晶セルの駆動モードとして、バーティカル・アラインメント(VA)モードが知られている。VA方式の液晶セルは、非駆動状態において液晶分子が基板面に対してほぼ垂直な配向を有するため、液晶セルに入射する光は、その偏光面をほとんど変化させることなく液晶層を通過する。そのため、VA方式の液晶セルの上下それぞれに、吸収軸方向が直交するように偏光板が配置された場合は、非駆動状態で黒表示が得られる(ノーマリブラックモード)。ノーマリブラックモードのVA方式の液晶パネルは、高いコントラストを有しており、各種の表示装置に広く用いられている。また、各種の光学補償フィルムを用いることで、斜め方向から視認された場合のコントラストを高めて、広視野角化を図ることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方、VA方式の液晶セルの上下それぞれに、吸収軸方向が平行となるように偏光板が配置された場合は、非駆動状態で白表示が得られる(ノーマリホワイトモード)。ノーマリホワイトモードのVA方式の液晶パネルは、ノーマリブラックモードに比して、コントラストが低くなる傾向があるため、これまでほとんど実用化されていなかった。一方で、近年、白輝度の向上による消費電力の低減等の観点から、高透過率液晶パネルへの関心が高まっている。また、後方が透けて見える「透明液晶パネル」も開発されており、例えば20%以上の高い透過率を有する液晶パネルへの注目が集まっている。ノーマリブラックモードのVA方式液晶パネルで、このような高い透過率を達成することは困難であるため、高透過率の液晶パネルとしてノーマリホワイトモードの液晶パネルを採用することが考えられる。しかしながら、ノーマリホワイトモードのVA方式液晶パネルにおける、広視野角化については、これまでほとんど検討がなされていなかった。
特開2004−46065号公報
上記の現状に鑑み、本発明は、斜め方向から視認された場合でもコントラストが高い、広視野角のノーマリホワイトモードVA方式の液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らが検討の結果、ノーマリホワイトモードのVA方式液晶パネルにおいて、所定の位相差特性を有する光学素子を液晶セルと偏光子との間に配置することで、黒表示時、すなわち液晶セルが駆動状態での斜め方向の光漏れが抑制され、広視野角化が可能であることを見出した。
本発明は、VA方式の液晶セル、前記液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子、前記液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子、前記第1の偏光子と前記液晶セルとの間に配置された第1の光学素子を備えるノーマリホワイトモードVA方式液晶パネルに関する。さらに、本発明は前記液晶パネルを備える液晶表示装置に関する。
前記第1の偏光子の吸収軸方向と前記第2の偏光子の吸収軸方向とは平行であり、前記第1の偏光子の吸収軸方向と前記第1の光学素子の遅相軸方向とは、平行であるか、または直交する。前記第1の光学素子は、正面レターデーションが240〜300nmであり、かつ屈折率がnx>nz>nyの関係を満たすことが好ましい。ここで、nxおよびnyは、それぞれ、光学素子の面内の遅相軸方向および進相軸方向の屈折率であり、nzは、光学素子の厚み方向の屈折率である。
本発明の液晶パネルは、前記第2の偏光子と前記液晶セルとの間に第2の光学素子が配置されていてもよい。この場合、前記第2の光学素子の厚み方向レターデーションは、−50nm〜50nmであることが好ましい。
本発明の液晶パネルは、ノーマリホワイトモードを採用しているために、パネル透過率が高く、例えば、後方が透けて見える透明ディスプレイ等にも採用し得る。また、本発明の液晶パネルは、液晶セルと偏光子との間に所定の位相差特性を有する光学補償フィルムを備えるため、黒表示時の斜め方向の光漏れが抑制される。そのため、本発明の液晶パネルを用いた液晶表示装置は、斜め方向から視認された場合のコントラストの低下が抑制され、広視野角化が可能である。
本発明の一実施形態による液晶パネルの模式的断面図である。 本発明の一実施形態による液晶パネルにおける、偏光子および光学素子の配置関係を模式的に表す斜視図である。 本発明の一実施形態による液晶パネルにおける、偏光子および光学素子の配置関係を模式的に表す斜視図である。 本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す模式的断面図である。 実施例1の液晶表示装置における、コントラストの測定結果を表すコーン図 比較例1の液晶表示装置における、コントラストの測定結果を表すコーン図である。 比較例3の液晶表示装置における、コントラストの測定結果を表すコーン図である。
[液晶パネルの構成の概略]
図1に、本発明の一実施形態による液晶パネルの概略断面図を示す。本発明の液晶パネル50は、液晶セル10の一方の側に第1の偏光子31を備え、液晶セルの他方の側に第2の偏光子32を備える。第1の偏光子31と液晶セル10との間には第1の光学素子41が配置されている。本発明の液晶パネルを用いた液晶表示装置では、第1の偏光子31側および第2の偏光子32側のいずれか一方が視認側、他方が光源側となる。図1では、第2の偏光子32と液晶セル10との間には第2の光学素子42が配置されているが、第2の偏光子32と液晶セル10との間には、光学素子が配置されていなくともよい。例えば、第2の偏光子32と液晶セル10とが、接着剤層や粘着剤層を介して直接貼り合わせられていてもよい。
なお、本明細書においては、便宜上「視認側」、「光源側」との用語を用いるが、本発明の液晶パネルを備える液晶表示装置は、必ずしも光源を有している必要はない。例えば、透明ディスプレイのように液晶パネルの表裏両面から視認可能な液晶表示装置の場合は、光源を備えていなくてもよいし。液晶パネルの側面から光を入射させる構成であってもよい。
図2Aおよび図2Bは、本発明の実施形態による液晶パネルの概略斜視図である。図2Aおよび図2Bに示すように、第1の偏光子31の吸収軸方向31aと第2の偏光子32の吸収軸方向32aとは平行である。図2Aにおいて、第1の偏光子31の吸収軸方向31aと第1の光学素子41の遅相軸方向41sとは直交している。図2Bにおいて、第1の偏光子31の吸収軸方向31aと第1の光学素子41の遅相軸方向41sとは平行である。
ここで、本明細書において「直交」とは、厳密に角度が90°である場合に限定されず、両者のなす角が概ね85°〜95°の範囲を指し、好ましくは88〜92°、より好ましくは89°〜91°である。「平行」とは、厳密に角度が0°である場合に限定されず、両者のなす角が概ね0±5°の範囲を指し、好ましくは0±2°、より好ましくは0±1°である。また、本明細書において、特に明示がない限り、角度の符号(正負)は限定されず、反時計回り(+)でも時計回り(−)でもよい。
[液晶セル]
液晶セルは、VA方式の液晶セルであり、一対の基板間に液晶層が挟持された構成を有する。図1に示すように、液晶セル10は、一対の基板11,12の間に、スペーサー(不図示)が配置されることにより空間が形成され、前記空間内に液晶層13が挟持されている。一対の基板11,12のうち、一方の基板(アクティブマトリクス基板)には、例えば、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(例えば、TFT)と、このアクティブ素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を伝える信号線とが設けられる。一対の基板11,12のうち、他方の基板には、例えば、カラーフィルターが設けられる。
カラーフィルターは、アクティブマトリクス基板側に設けられてもよい。または、例えば、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置の照明手段として、RGBの3色光源(さらに、多色の光源を含んでもよい)が用いられる場合には、カラーフィルターは、省略されてもよい。一対の基板の間隔(セルギャップ)は、例えば、スペーサーによって制御される。セルギャップは、例えば、1.0〜7.0μmの範囲である。各基板11,12の液晶層13に接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜が設けられる。または、例えば、パターニングされた透明基板によって形成されるフリンジ電界を利用して、液晶分子の配向が制御される場合には、配向膜は、省略されてもよい。
液晶セル中の液晶分子は、液晶層に電圧が印加されていない非駆動時において、基板面の法線方向に配列しており、液晶層に電圧が印加されると、基板と平行方向に配列する。本発明に用いられるVA方式の液晶セルは、マルチドメイン方式を採用するものであってもよい。マルチドメイン方式の液晶セルは、各画素が複数のドメインに分割されており、ドメインごとに電圧印加時の配列方向が異なるように構成されている。例えば、各画素が4つのドメインに分割されている場合、液晶セルの長手方向を基準として反時計回りに45度、135度、225度、315度の4方向に液晶分子が倒されるように、各ドメインが構成される。このように、液晶セルに、異なる方向を向いて並んだ液晶分子を存在させることで、特定の方向にのみ視野が限られることがなく、広視野角化が実現される。
液晶セルは、電圧が印加された駆動状態、すなわち液晶パネルが黒表示時の波長590nmにおける平均正面レターデーションが190nm〜390nmであることが好ましい。液晶セルの駆動状態における平均正面レターデーションが前記範囲であれば、液晶層の複屈折によって、光源側の偏光子を透過して液晶セルに入射した直線偏光の偏光面が約90°回転され、電圧印加時の黒表示が可能となる。なお、液晶セルの平均正面レターデーションとは、各画素における正面レターデーションの平均値を指すが、マルチドメイン方式の液晶セルでは、各画素内の各ドメインにおけるレターデーションの平均値を指す。液晶セルのレターデーションは、例えば、液晶分子の複屈折や液晶セルの一対の基板間距離(セルギャップ)を調整することにより、適宜に設定され得る。
[偏光子]
第1の偏光子31および第2の偏光子32は、任意の偏光状態を有する入射光を直線偏光として出射するものであれば特に限定されず、各種のものを使用できる。このような偏光子としては、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
[光学素子]
第1の光学素子41は、可視光の波長λの1/2の正面レターデーションを有することが好ましい。正面レターデーションReは、光学素子の面内の遅相軸方向の屈折率nxと進相軸方向の屈折率nyとの差(nx−ny)と、光学素子の厚みdとの積(nx−ny)×dで表される。なお、レターデーションが「1/2波長」、あるいは「λ/2」との記載は、厳密に波長の半分である必要はなく、例えば、波長λ=590nmにおけるレターデーションReが240〜300nmの範囲であればよい。第1の光学素子は、波長λ=590nmにおけるレターデーションReが、255nm~285nmであることが好ましい。
第1の光学素子は、屈折率がnx>nz>nyの関係を満たすことが好ましい。換言すると、第1の光学素子および第2の光学素子は、(nz−nz)/(nx−ny)で表されるNz係数が、0を超え1未満であることが好ましい。なお、nxおよびnyは、それぞれフィルム面内の遅相軸方向および進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルム法線方向の屈折率である。
第1の光学素子のNz係数が大きくなると、黒表示時の斜め方向における輝度が大きくなる傾向がある。一方、第1の光学素子のNz係数が小さくなると、白表示時の輝度が小さくなる傾向がある。
nx>nz>nyの関係を満たす光学素子は、例えば、特開平5−157911号公報や特開2007−93936号公報等に開示されているような、収縮フィルムの応力によって、厚み方向に分子を配向させる延伸方法等により得られる。延伸を行う際の延伸温度や延伸倍率は、フィルムの組成等に応じて適宜決定し得る。また、光学素子は1枚のフィルムから構成されている必要はなく、2枚以上のフィルムが積層されたものであってもよい。また、光学素子として、液晶性化合物の配向層等を用いることもできる。2枚以上のフィルムが積層された光学素子としては、一軸延伸フィルム(典型的にはNz係数が1のポジティブAプレート)と、ポジティブCプレートとが積層されたもの等が挙げられる。また、Nzを調整することに加えて、レターデーションの波長分散等を調整する観点から2枚以上のフィルムを積層した光学素子を用いることもできる。
第1の光学素子の材料は特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリプロピオニルセルロース、ジプロピオニルセルロース等のセルロース脂肪酸エステル、あるいは、セルロースエーテル等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、環状ポリオレフィン系(ポリノルボルネン系)樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
[液晶パネル]
これまで述べたように、本発明の液晶パネルは、第1の偏光子31、第1の光学素子41、液晶セル10、および第2の偏光子31を所定角度で配置することによって得られる。その製造過程においては、上記部材を順次別個に積層する方式にても形成することができるし、予めいくつかの部材を積層したものを用いることもできる。また、その積層順序も特に制限されない。
第1の偏光子31および第1の光学素子41を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、第1の光学素子41は、その表面に接着剤層または粘着剤層を設け、第1の偏光子31と液晶セル10に貼り合わせられる。このように、各光学素子の隙間を接着剤層等で満たすことによって、液晶表示装置に組み込んだ際に、各光学素子の光学軸の関係がずれることを防止し得るとともに、各光学素子の層間の界面で生じる反射や屈折の悪影響を少なくすることができる。また、第1の偏光子と第1の光学素子とが、他の光学素子を介さずに直接貼り合わされる場合は、第1の光学素子が第1の偏光子の透明保護層としての機能を兼用することができるため、部材数を低減することができる。
第1の光学素子と第1の偏光子との間には、例えば第1の偏光子の保護層としての他の光学素子が配置されていてもよい。この場合、第1の光学素子と第1の偏光子との間に配置される光学素子は、実質的に光学等方性を有することが好ましい。
第2の偏光子32を配置する方法としては、目的に応じて任意の適切な方法が採用され得る。第2の偏光子32は、そのまま接着剤層接または粘着剤層を介して液晶セル10に貼り合わせられていてもよいが、図1に示すように、第2の偏光子32の液晶セル10側の表面には、第2の光学素子42が配置されていることが好ましい。第2の偏光子32が、第2の光学素子42を介して液晶セル10に貼り合わせられることで、第2の光学素子42は、偏光子の保護層として作用し得る。この場合、第2の光学素子は、実質的に光学的に等方性を有することが好ましい。
上記のように、本発明の液晶パネルでは、第1の偏光子と第2の偏光子との間に配置される光学素子のうち、液晶セル10および第1の光学素子以外の光学素子は実質的に光学等方性であることが好ましい。このような構成とすることで、液晶セルの駆動時(黒表示時)の斜め方向の光漏れが抑制され、斜め方向のコントラストが高いノーマリホワイトモードのVA方式液晶パネルが得られる。
従来より、ノーマリブラックモードVA方式の液晶パネルにおいては、黒表示時(非駆動時)において、液晶セル内を斜め方向に伝搬する光に対する液晶分子の複屈折を打ち消すために、nx≧ny>nzの三次元屈折率を満たす二軸プレートや、厚み方向のレターデーションが大きいネガティブCプレートを用いることが提案されていた。これに対して、本発明のノーマリホワイトモードVA方式液晶パネルでは、従来のノーマリブラックモードの場合とは逆に、nx>nz>nyの三次元屈折率を満たす光学素子を用いることによって、黒表示時の斜め方向の光漏れが抑制されている。
本発明の液晶パネルは、上記以外の光学層やその他の部材を含むこともできる。その例としては、第1の偏光子および第2の偏光子の液晶セル側と反対側の面に設けられる透明保護層が挙げられる。また、このような透明保護層には、さらに反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等の表面処理層等が設けられていてもよい。その他、光源側の偏光子よりもさらに視認側に、輝度向上フィルムを設けることも好ましい構成である。輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。
各光学部材の積層はそのまま重ね置くだけでもよいが、接着剤層や粘着剤層を介して貼り合わせられることが好ましい。接着剤又は粘着剤層を形成する接着剤又は粘着剤としては、任意の適切な接着剤又は粘着剤が採用され得る。例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム系、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。
〔液晶表示装置〕
図3は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。この液晶表示装置100は、液晶パネル50と、液晶パネル50の光源側に配置された光源80として、直下方式のバックライトユニットを備える。液晶パネル50は、第1の偏光子側が視認側、光源側のいずれとなるように配置されていてもよい。直下方式のバックライトユニットは、発光部81、拡散板82、およびプリズムシート83を備える。図3では、バックライトユニットとして、直下方式が採用された場合を示しているが、光源は、サイドライト方式のバックライトユニット等であってもよい。サイドライト方式のバックライトユニットは、前記の直下方式の構成に加え、さらに導光板やライトリフレクタ等を備える。
本発明の液晶表示装置は、必ずしも光源を有する透過型の液晶表示装置である必要はなく、反射型の液晶表示装置や、透過型と反射型の両方の性質を併せ持つ、半透過型液晶表示装置であってもよい。また、本発明の液晶表示装置は、液晶パネルがノーマリホワイトモードを採用しているために、高いパネル透過率を実現し得る。そのため、後方が透けて見える透明ディスプレイとして用いることもできる。
本発明の実施例について比較例と併せて説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。各実施例および各比較例における各種特性および物性の測定および評価は、下記の方法により実施した。
[評価方法]
(輝度およびコントラスト)
低輝度分光放射計(トプコン社製 商品名「SR−UL2」)を用いて、白表示時および黒表示時の輝度を測定し、白輝度/黒輝度からコントラストを算出した。測定は、暗室において、液晶パネル表面から1mの距離で行った。
(レターデーションReおよびNz係数)
波長590nmにおけるレターデーションおよびNz係数は、王子計測機器製の商品名「KOBRA21−ADH」を用いて、正面方向、および遅相軸方向を中心としてフィルムを40°傾斜させた際のレターデーション値から、装置付属のプログラムを用いて算出した。なお、平均屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製、製品名「DR−M4」)を用いて測定した値を用いた。厚みは、アンリツ製、デジタルマイクロメーター「KC−351C型」を用いて測定した値を用いた。
[実施例1]
(偏光子の作製)
厚み75μmのポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする高分子フィルム(クラレ(株)製、商品名「VF−PS#7500」)を下記[1]〜[5]の条件の5浴に、フィルム長手方向に張力を付与しながら浸漬し、最終的な延伸倍率がフィルム元長に対し、6.2倍になるように延伸した。この延伸フィルムを40℃の空気循環式オーブン内で1分間乾燥させて、偏光子を作製した。
<条件>
[1]膨潤浴:30℃の純水
[2]染色浴:水100重量部に対し、0.032重量部のヨウ素と、0.2重量部のヨウ化カリウムとを含む、30℃の水溶液。
[3]第1の架橋浴:3重量%のヨウ化カリウムと、3重量%のホウ酸とを含む、40℃の水溶液。
[4]第2の架橋浴:5重量%のヨウ化カリウムと、4重量%のホウ酸とを含む、60℃の水溶液。
[5]水洗浴:3重量%のヨウ化カリウムを含む、25℃の水溶液。
(光学素子の作製)
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製、商品名「アートンFLZU130D0」)の両側に、厚み60μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ(株)製 商品名「トレファン BO2570A−3」)をアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機でフィルム長手方向を保持して、空気循環式オーブン内で加熱下にて延伸し、二軸延伸ポリプロピレンフィルムをアクリル系粘着剤層と共に剥離して、位相差フィルムを作製した。この位相差フィルムは、波長590nmにおける正面レターデーションが270nm、Nz係数が0.5であった。この位相差フィルムを「光学素子A」とする。
(偏光板の作製)
上記偏光子の一方の面に厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製、商品名「フジタック 80UL」)をポリビニルアルコール系接着剤を介して貼り合わせた。次に、偏光子の他方の面に、上記光学素子Aを、偏光子の吸収軸方向と光学素子Aの遅相軸方向とが直交するようにポリビニルアルコール系接着剤を介して貼り合わせて、偏光子の一方の面に保護層としてのトリアセチルセルロースフィルム、他方の面に偏光子の保護層としての機能を兼ね備える第1の光学素子としての光学素子Aが貼り合わせられた偏光板を得た。この偏光板を偏光板Aとする。
上記偏光子の一方の面に厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製、商品名「フジタックTP80UL」、正面レターデーション:0nm、厚み方向レターデーション:50nm)をポリビニルアルコール系接着剤を介して貼り合わせた。次に、偏光子の他方の面に、正面および厚み方向のレターデーションがいずれも実質的に0である変性メチルメタクリレート系樹脂フィルム(東洋鋼板製 商品名「ファインキャストフィルム RZ−30NA−S」、以下「光学素子X」)を、ポリビニルアルコール系接着剤を介して貼り合わせて、偏光子の一方の面に保護層としてのトリアセチルセルロースフィルム、他方の面に偏光子の光学等方性の保護層である光学素子Xが貼り合わせられた偏光板を得た。この偏光板を偏光板Xとする。
(液晶表示装置の作製)
マルチドメイン方式のVA液晶セルを準備した。この液晶セルの駆動時(白表示時)の平均正面レターデーションを、微小面積複屈折計(王子計測機器製 KOBRA−CCD、測定波長:590nm)にて測定したところ、270nmであった。
この液晶セルの視認側に上記偏光板Aを、光源側に上記偏光板Xを、それぞれ、光学素子Aおよび光学素子X側が液晶セルと対向し、かつ2枚の偏光板の吸収軸方向が平行となるように)、アクリル系粘着剤(厚み:20μm)を介して、貼り合わせて、液晶パネルを得た。ここの液晶パネルを、バックライトユニットと結合することにより、液晶表示装置を作製した。
[比較例4]
実施例1の液晶表示装置の作成において、偏光板Aに代えて偏光板Xを用い、液晶セルの両面に偏光板Xが貼り合わせられた液晶パネルを得た。この液晶パネルを、バックライトユニットと結合することにより、液晶表示装置を作製した。
[比較例5]
上記偏光子の両方の面に厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製、商品名「フジタックTP80UL」、正面レターデーション:0nm、厚み方向レターデーション:50nm)をポリビニルアルコール系接着剤を介して貼り合わせた。この偏光板を、「偏光板Y」とする。上記液晶セルの上下に偏光板Yを貼り合わせて、液晶パネルを作製し、この液晶パネルを、バックライトユニットと結合することにより、液晶表示装置を作製した。
[評価結果]
上記、各実施例、比較例および参考例の液晶表示装置の構成、正面方向の白輝度およびコントラストを表1に示す。また、コントラストの視野角分布(コーン図)を、図4〜6に示す。
表1に示すように、参考例のノーマリブラックモードの液晶表示装置は、コントラストが高い反面、パネル透過率が低いために白輝度が低い。これに対して、ノーマリホワイトモードの液晶表示装置は、参考例の液晶表示装置よりも白輝度が約15%上昇している。
また、各実施例と比較例の液晶表示装置は、正面コントラストは同等であるが、第1の光学素子としてnx>nz>nyの屈折率特性を有する位相差フィルムを用いた実施例では、比較例に比して斜め方向のコントラストが向上しており、広視野角の液晶表示装置が得られることがわかる。
10 液晶セル
11,12 基板
13 液晶層
31,32 偏光子
31a,32a 吸収軸方向
41 光学素子
41s 遅相軸方向
42 光学素子
50 液晶パネル
80 光源
81 発光部
82 拡散板
83 プリズムシート
100 液晶表示装置

Claims (3)

  1. VA方式の液晶セル、前記液晶セルの一方の側に配置された第1の偏光子、前記液晶セルの他方の側に配置された第2の偏光子、および前記第1の偏光子と前記液晶セルとの間に配置された第1の光学素子を備え、
    前記第1の偏光子の吸収軸方向と前記第2の偏光子の吸収軸方向とのなす角度が0±10°であり、
    前記第1の偏光子の吸収軸方向と前記第1の光学素子の遅相軸方向とのなす角度が0°±5°または90°±5°であり、
    前記第1の光学素子は、正面レターデーションが240〜300nmであり、かつ屈折率がnx>nz>nyの関係を満たす、ノーマリホワイトモードVA方式液晶パネル;
    ただし、nxおよびnyは、光学素子の遅相軸方向および進相軸方向の屈折率であり、nzは、光学素子の厚み方向の屈折率である。
  2. 前記第2の偏光子と前記液晶セルとの間に第2の光学素子が配置され、前記第2の光学素子の厚み方向レターデーションが−50nm〜50nmである、請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の液晶パネルを備える液晶表示装置。
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