JP2012145732A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

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啓介 木村
Akinori Isaki
章典 伊崎
Masakazu Mochizuki
政和 望月
Noboru Suzuki
暢 鈴木
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Abstract

【課題】本発明の目的は、正面方向のコントラストに優れた液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】VAモードの液晶セルと、偏光子と、偏光子の一方の面に積層された保護層と、該偏光子の他方の面に積層された位相差層とを備える偏光板とを含み、該偏光板が該液晶セルの両側に該位相差層と該液晶セルとが対向するように配置され、該偏光子のRpvaがそれぞれ0.030≦Rpva≦0.040の関係を満たす、液晶パネルを用いる。ここで、Rpvaは、波長1000nmにおいて、偏光子の面内で屈折率が最大になる方向の屈折率をnx、当該屈折率が最大になる方向に直交する方向の屈折率をnyとしたとき、Rpva=nx−nyで表される。
【選択図】図1

Description

本発明は、正面方向のコントラスト特性に優れた液晶表示装置を提供し得る液晶パネルおよび該液晶パネルを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(以下、LCD)は、液晶分子の電気光学特性を利用して、文字や画像を表示する装置である。LCDは、通常、液晶セルの両側に偏光板が配置された液晶パネルが用いられており、例えば、ノーマリブラック方式では、電圧無印加状態で黒画像を表示することができる。LCDは、正面および斜め方向のコントラスト比が低いという課題がある。
液晶表示装置のコントラストを向上させる方法としては、偏光板のコントラスト、つまり、偏光板の単体透過率と直交透過率との比を向上させる方法がある。例えば、偏光子として用いられるPVA系フィルムの延伸倍率を上げることにより、上記の特性を向上させることが可能となる。しかしながら、延伸倍率を上げるにしたがって、延伸切れ等が発生するため、作業性が悪化し、生産性が低下するおそれがある。
特開2006−23573号公報
本発明の目的は、正面方向のコントラストの向上を実現した液晶表示装置、および該液晶表示装置を提供し得る液晶パネルを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す液晶パネルにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の液晶パネルは、VAモードの液晶セルと、偏光子と、偏光子の一方の面に積層された保護層と、該偏光子の他方の面に積層された位相差層とを備える偏光板とを含み、該偏光板が該液晶セルの両側に該位相差層と該液晶セルとが対向するように配置され、該偏光子のRpvaがそれぞれ0.030≦Rpva≦0.040の関係を満たす。ここで、Rpvaは、波長1000nmにおいて、偏光子の面内で屈折率が最大になる方向の屈折率をnx、当該屈折率が最大になる方向に直交する方向の屈折率をnyとしたとき、Rpva=nx−nyで表される。
好ましい実施形態においては、上記偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである。
好ましい実施形態においては、上記保護層は、セルロースアセテート系樹脂フィルムである。
好ましい実施形態においては、視認側に配置される上記偏光板の保護層は、防眩処理を施されたフィルムである。
好ましい実施形態においては、上記位相差層の屈折率楕円体はnx>ny>nzの関係を有し、かつ、該位相差層の厚み方向の位相差Rth[590]が100nm〜200nmである。
好ましい実施形態においては、上記位相差層がセルロースアセテート系樹脂フィルムまたはシクロオレフィン系樹脂フィルムである。
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、上記液晶パネルを有する。
本発明の液晶パネルは、偏光板に含まれる偏光子のRpvaを0.030≦Rpva≦0.040に設定することにより、偏光子の延伸倍率を上げることなく、偏光特性を向上させ、正面方向のコントラストを向上させることができる。
本発明の好ましい実施形態における液晶パネルの概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。
<用語および記号の定義>
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz):
「nx」は面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内の位相差値:
面内の位相差値(Re[λ])は、23℃で波長λ(nm)におけるフィルムの面内の位相差値をいう。Re[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx−ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差値:
厚み方向の位相差値(Rth[λ])は、23℃で波長λ(nm)におけるフィルムの厚み方向の位相差値をいう。Rth[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=(nx−nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数:
Nz係数は、式;Rth[590]/Re[590]により算出される値である。
(5)本明細書において、「nx=ny」または「ny=nz」と記載するときは、これらが完全に同一である場合だけでなく、実質的に同一である場合を包含する。したがって、例えば、nx=nyと記載する場合は、Re[590]が10nm未満である場合を包含する。
(6)本明細書において「実質的に直交」とは、光学的な2つの軸のなす角度が、90°±2°である場合を包含し、好ましくは90°±1°である。「実質的に平行」とは、光学的な2つの軸のなす角度が、0°±2°である場合を包含し、好ましくは0°±1°である。
<A.液晶パネルの概要>
図1は、本発明の好ましい実施形態による液晶パネルの概略断面図である。図1の実施形態において、液晶パネルは、視認側から偏光板10、液晶セル20、偏光板10’をこの順に備える。偏光板10,10’は、偏光子11,11’の一方の面に保護層12,12’が配置され、該偏光子11,11’の他方の面に位相差層13,13’が配置される。該偏光板10,10’は、任意の接着層(図示せず)を介して、位相差層13,13’が液晶セル20と対向するよう配置され得る。液晶セル20の両側に配置される偏光板10,10’は同一の構成ものであっても、異なる構成のものであってもよい。好ましくは、液晶セル20の視認側に配置される偏光板10に含まれる偏光子11の吸収軸と、液晶セル20のバックライト側に配置される偏光板10’に含まれる偏光子11’の吸収軸とが実質的に直交するように配置され得る。なお、本発明の液晶パネルでは、液晶パネルの内側(位相差層13,13’と液晶セル20との間)には保護層は配置されない。したがって、保護層が有する位相差の影響を受けないため、所望の光学特性を容易に調整することができる。さらに、偏光板の厚みを薄くすることができ、液晶表示装置の薄型化が可能となる。
本発明の液晶パネル100において、偏光子11,11’は、それぞれRpvaの値が0.030≦Rpva≦0.040の関係を満たす。偏光子11、11’が上記の関係を満たすことにより、正面方向におけるコントラストを向上させることができる。本発明の液晶パネル100に用いられる偏光子11,11’は、Rpvaが上記の範囲内であればよく、偏光子11と11’のRpvaが同一であっても、異なっていてもよい。
好ましくは、視認側に配置される偏光板10の保護層12は、防眩処理が施されている。
上記位相差層13は、目的、パネルの構成等に応じて、その遅相軸が偏光子11の吸収軸に対して任意の適切な角度を規定するように配置される。例えば、位相差層13の遅相軸と偏光子11の吸収軸とが実質的に直交するように配置され得る。このような特定の位置関係で偏光子11および位相差層13が配置されることにより、コントラスト比が向上され得る。
上記位相差層13’は、目的、パネルの構成等に応じて、その遅相軸が偏光子11の吸収軸に対して任意の適切な角度を規定するように配置される。例えば、偏光子11および位相差層13’は、その吸収軸と遅相軸とが実質的に平行になるように配置される。言い換えれば、位相差層13と位相差層13’とは、それぞれの遅相軸が実質的に直交するように配置される。このような特定の位置関係で偏光子11および位相差層13が配置されることにより、コントラスト比が向上され得る。
<B.液晶セル>
本発明に用いられる液晶セルとしては、任意の適切なものが採用され得る。上記液晶セルは、好ましくは、一対の基板と、該一対の基板に挟持された表示媒体としての液晶層を有する。一方の基板(アクティブマトリクス基板)には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的には、TFT)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられる。他方の基板(カラーフィルター基板)には、カラーフィルターが設けられる。
上記カラーフィルターは、上記アクティブマトリクス基板に設けてもよい。あるいは、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置の照明手段にRGB3色光源(さらに、多色の光源を含んでいてもよい)が用いられる場合は、上記カラーフィルターは省略され得る。2つの基板の間隔(セルギャップ)は、スペーサーによって制御される。各基板の液晶層を接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜が設けられる。あるいは、例えば、パターニングされた透明電極によって形成されるフリンジ電界を利用して、液晶分子の初期配向が制御される場合には、上記配向膜は省略され得る。
上記液晶セルは、好ましくは、ホメオトロピック配列に配向させた液晶分子を含む。本明細書において、「ホメオトロピック配列」とは、液晶分子の配向ベクトルが、配向処理された基板と液晶分子の相互作用の結果、基板平面に対し、垂直(法線方向に)に配向した状態のものをいう。なお、上記ホメオトロピック配列は、液晶分子の配向ベクトルが、基板法線方向に対し、わずかに傾いている場合、すなわち液晶分子がプレチルトを有する場合も包含される。液晶分子がプレチルトを有する場合は、そのプレチルト角(基板法線からの角度)は、好ましくは5°以下であり、より好ましくは3°以下である。プレチルト角を上記範囲とすることによって、コントラスト比の高い液晶表示装置が得られ得る。
上記液晶分子は、目的に応じて、任意の適切なものが採用され得る。好ましくは、上記液晶分子は、誘電率異方性が負のネマチック液晶である。誘電率異方性が負のネマチック液晶は、例えば、共立出版(株)版「カラー液晶ディスプレイ」p.196 図6.2.10に記載の物が挙げられる。上記ネマチック液晶の23℃における波長589nmの光で測定した複屈折率は、好ましくは0.05〜0.15である。なお、上記複屈折率は、液晶分子を一様に均一に配向させ、異常光屈折率(ne)と常光屈折率(no)を測定し、その差(ne−no)から求めることができる。
上記液晶セルの駆動モードは、バーティカル・アライメント(VA)モードである。該VAモードの液晶セルは、電圧制御複屈折効果を利用し、電界が存在しない状態で、ホメオトロピック配列に配向させた液晶分子を、基板に対して法線方向の電界で応答させる。具体的には、例えば、特開昭62−210423号公報や、特開平4−153621号公報に記載されているように、ノーマリブラック方式の場合、電界が存在しない状態では、液晶分子が基板に対して法線方向に配向しているために、上下の偏光板を直交配置させると、黒表示が得られる。一方、電界が存在する状態では、液晶分子が偏光板の吸収軸に対して、45°方位に倒れるように動作することによって、透過率が大きくなり、白表示が得られる。
上記VAモードの液晶セルは、例えば、特開平11−258605号公報に記載されているように、電極にスリットを形成したものや、表面に突起を形成した基材を用いることによって、マルチドメイン化したものであってもよい。このような液晶セルは、例えば、シャープ(株)製 ASV(Advanced Super View)モード、同社製 CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、富士通(株)製 MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、三星電子(株)製 PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、同社製 EVA(Enhanced Vertical Alignment)モード、三洋電機(株)製 SURVIVAL(Super Ranged Viewing by Vertical Alignment)モード等が挙げられる。
上記液晶セルは、市販の液晶表示装置に搭載されているものをそのまま用いてもよい。VAモードの液晶セルを含む、市販の液晶表示装置としては、例えば、シャープ(株)製 液晶テレビ 商品名「AQUOSシリーズ」、ソニー社製 液晶テレビ 商品名「BRAVIAシリーズ」、SUMSUNG社製 32V型ワイド液晶テレビ 商品名「LN32R51B」、(株)ナナオ製 液晶テレビ 商品名「FORIS SC26XD1」、AU Optronics社製 液晶テレビ 商品名「T460HW01」等が挙げられる。
<C.偏光板>
本発明に用いられる偏光板10,10’は、偏光子11,11’、保護層12,12’および位相差層13,13’を含む。
本発明に用いられる偏光板の透過率は、好ましくは38.3%〜44.3%であり、さらに好ましくは39.2%〜44.2%であり、特に好ましくは41.1%〜44.2%であり、最も好ましくは41.7%〜44.2%である。透過率がこのような範囲であれば、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置を得ることができる。なお、透過率は、平行透過率Tと直交透過率T90の平均として求められる。ここで、平行透過率Tは、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせた平行型積層偏光子の透過率の値であり、直交透過率T90は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせた直交型積層偏光子の透過率の値である。さらに、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。透過率は、例えば、分光光度計V7100を用いて測定することができる。
本発明に用いられる偏光板の偏光度は、好ましくは99%以上であり、さらに好ましくは99.5%以上であり、特に好ましくは99.7%以上であり、最も好ましくは99.8%以上である。偏光度がこのような範囲であれば、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置を得ることができる。
上記偏光度の具体的な測定方法としては、上記偏光板の平行透過率(T)および直交透過率(T90)を測定し、式:偏光度(%)={(T−T90)/(T+T90)}1/2×100より求めることができる。平行透過率Tおよび直交透過率T90については、上記透過率の場合と同様である。上記偏光度は、分光光度計V7100を用いて測定することができる。
<C−1.偏光子>
本発明に用いられる偏光子は、それぞれ0.030≦Rpva≦0.040を満足する。ここで、Rpvaは、波長1000nmにおいて、偏光子の面内で屈折率が最大になる方向の屈折率をnx、当該屈折率が最大になる方向に直交する方向の屈折率をnyとしたとき、Rpva=nx−nyで表される。偏光子11,11’はRpvaが上記の範囲内であればよく、同一の偏光子であっても、異なる偏光子であってもよい。Rpvaは、好ましくは0.030≦Rpva≦0.039であり、さらに好ましくは0.030≦Rpva≦0.035である。これらの特性を満足することにより、本発明に用いられる偏光子は、加湿環境下において優れた寸法安定性および光学的耐久性を有し得る。その結果、本発明に用いられる偏光子は、偏光子の片側のみに保護層を設けた偏光板に用いられる場合でも、寸法変化および光学特性の劣化が起こりにくく、実用上許容可能な寸法安定性および光学的耐久性を実現することができる。したがって、本発明に用いられる液晶パネルは、生産性を低下させることなく薄型化が可能であり、かつ、正面方向のコントラストが向上した液晶表示装置を提供することができる。
本発明に用いられる偏光子は、好ましくはヨウ素または二色性染料等の二色性物質を含有するポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を主成分とする。
本発明に用いられる偏光子のヨウ素含有量は、好ましくは1.8重量%〜5.0重量%であり、さらに好ましくは2.0重量%〜4.0重量%である。ヨウ素含有量を上記の範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率の偏光板が得られ、正面方向のコントラスト比が高い液晶表示装置を得ることができる。
本発明に用いられる偏光子のホウ酸含有量は、ホウ素換算で、好ましくは0.5重量%〜3.0重量%であり、さらに好ましくは1.0重量%〜2.8重量%であり、特に好ましくは1.5重量%〜2.6重量%である。上記のように、本発明によれば、ホウ酸量を増量することなく、加湿環境下において優れた寸法安定性および光学的耐久性を有する偏光子を得ることができる。
本発明に用いられる偏光子は、好ましくは、カリウムをさらに含有し得る。上記カリウム含有量は、好ましくは0.2重量%〜1.0重量%であり、さらに好ましくは0.3重量%〜0.9重量%であり、特に好ましくは0.4重量%〜0.8重量%である。カリウム含有量を上記範囲とすることによって、好ましい範囲の透過率を有し、かつ、偏光度が高い偏光板を得ることができる。
上記PVA系樹脂は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるビニルエステル系重合体をケン化することによって得ることができる。上記PVA系樹脂のケン化度は、好ましくは95.0モル%〜99.9モル%である。上記ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。ケン化度が上記の範囲であるPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光子が得られ得る。
上記PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切な値が選択され得る。上記平均重合度は、好ましくは1200〜3600である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
本発明に用いられる偏光子の厚みは特に制限されず、目的に応じて適切な厚みが採用され得る。当該厚みは、代表的には、1μm〜80μm程度である。
<C−2.保護層>
上記保護層12,12’としては、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。好ましくは、上記保護層12,12’は、セルロースアセテート系フィルムを含む。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
上記保護層は、保護層の偏光子の透過軸に対して平行な方向の線膨張係数αが該偏光子の透過軸方向の線膨張係数よりも小さいことが好ましい。このような保護層を用いることにより、クラック耐久性が向上し得る。1つの実施形態においては、保護層の線膨張係数αは、4.5×10−5/℃以下であることが好ましく、−5.0×10−5/℃〜4.5×10−5/℃であることがより好ましく、−4.5×10−5/℃〜4.0×10−5/℃であることがさらに好ましい。
上記保護層は、TD方向の線膨張係数およびMD方向の線膨張係数のうち、少なくとも一方の線膨張係数が偏光子の透過軸方向の線膨張係数よりも小さければよく、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。このようなフィルムを、偏光子の透過軸に対して平行な方向の線膨張係数が偏光子の透過軸方向の線膨張係数よりも小さくなるよう配置すればよい。当該フィルムの主成分となる材料の具体例は、上記の通りである。好ましくは、上記フィルムは、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂またはポリイミド系樹脂を主成分とするフィルムであり、より好ましくはトリアセチルセルロース樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂またはポリイミド樹脂を主成分とするフィルムである。好ましくは、上記保護層は、延伸フィルムである。
また、上記保護層は、粒子を含む透明樹脂層であってもよい。該粒子を含む透明樹脂層は、透明バインダー樹脂および粒子を含む。該透明バインダー樹脂としては、任意の適切な樹脂を用いることができる。具体的には、上記の保護層として用いられるフィルムの主成分として例示した樹脂が用いられ得る。該粒子としては、任意の適切な粒子を用いることができ、無機粒子であってもよく、樹脂粒子であってもよい。該粒子の平均粒子径は、0.05μm〜2.0μmであることが好ましい。
上記保護層(外側保護層)12,12’は、その表面に任意の適切な表面処理が施されてもよい。例えば、上記保護層として、表面処理が施された市販の高分子フィルムをそのまま用いることができる。あるいは、市販の高分子フィルムに任意の表面処理を施して用いることもできる。表面処理としては、防眩処理、拡散処理(アンチグレア処理)、反射防止処理(アンチリフレクション処理)、ハードコート処理、帯電防止処理等が挙げられる。視認側に配置される偏光板10の保護層12は、好ましくは防眩処理が施されている。視認側に配置される保護層12に、防眩処理が施されていることにより、正面方向のコントラストをより向上させることができる。防眩処理方法としては任意の適切な方法を用いることができる。例えばエンボス加工、サンドブラスト加工やエッチング加工等の適宜な方式で表面に微細凹凸構造を付与することなどにより、表面反射光が拡散する適宜な方式で形成することができる。
<C−3.位相差層>
本発明に用いられる位相差層13,13’は、偏光子11,11’の液晶セル20と対向する面に配置される。該位相差層13,13’は、好ましくは屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を示し、かつ、位相差層13,13’の厚み方向の位相差Rth[590]が100nm〜200nmである。上記の位相差層を用いることにより、液晶セルを光学的に補償することができ、薄型で低コストの液晶パネルが得られるという利点がある。位相差フィルム13,13’は、同一の位相差層が用いられてもよく、異なる位相差層が用いられてもよい。
上記位相差層のRe[590]は好ましくは10nm以上であり、より好ましくは20nm〜80nmであり、さらに好ましくは30nm〜70nmであり、特に好ましくは40nm〜70nmである。Re[590]を上記範囲とすることによって、正面方向のコントラスト比の高い、優れた表示特性を示す液晶表示装置を得ることができる。
上記位相差層の厚み方向の位相差Rth[590]は、好ましくは100nm〜200nmであり、さらに好ましくは110nm〜150nmであり、より好ましくは120nm〜140nmである。Rth[590]を上記範囲とすることによって、正面方向のコントラスト比の高い、優れた表示特性を示す液晶表示装置を得ることができる。
上記位相差層の屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を示す場合、Rth[590]はRe[590]よりも大きい。すなわち、上記位相差層のNz係数は1より大きい。上記Nz係数は、好ましくは1.1を超え8以下であり、さらに好ましくは2〜7であり、特に好ましくは2〜6である。Nz係数を上記範囲とすることによって、正面方向のコントラスト比の高い、優れた表示特性を示す液晶表示装置を得ることができる。
上記位相差層の厚みは、好ましくは0.5μm〜200μmである。
上記位相差層を形成する材料としては、位相差層が上記の特性を有するものであれば、任意の適切な材料を用いることができる。上記位相差層は、好ましくはセルロース系樹脂またはノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂を含む位相差フィルムである。
〔セルロース系樹脂〕
上記セルロース系樹脂は、任意の適切なものが採用され得る。上記セルロース系樹脂は、好ましくは、セルロースの水酸基の一部又は全部がアセチル基、プロピオニル基及び/又はブチル基で置換された、セルロース有機酸エステル又はセルロース混合有機酸エステルである。上記セルロース有機酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等が挙げられる。上記セルロース混合有機酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。上記セルロース系樹脂は、例えば、特開2001−188128号公報[0040]〜[0041]に記載の方法により得ることができる。
上記セルロースアセテートのアセチル置換度は、好ましくは2.0〜3.0であり、さらに好ましくは2.5〜3.0である。上記セルロースプロピオネートのプロピオニル置換度は、好ましくは2.0〜3.0であり、さらに好ましくは2.5〜3.0である。上記セルロース系樹脂が、セルロースの水酸基の一部がアセチル基で置換され一部がプロピオニル基で置換された混合有機酸エステルである場合、そのアセチル置換度とプロピオニル置換度の合計は、好ましくは2.0〜3.0であり、さらに好ましくは2.5〜3.0である。この場合、アセチル置換度は好ましくは0.1〜2.9であり、プロピオニル置換度は好ましくは0.1〜2.9である。
本明細書において、アセチル置換度(又はプロピオニル置換度)とは、セルロース骨格における2、3、6位の炭素についた水酸基をアセチル基(又はプロピオニル基)で置換した数を示す。セルロース骨格における2、3、6位の炭素のどれかにアセチル基(又はプロピオニル基)が偏ってもよく、それぞれの炭素に平均的に存在してもよい。上記アセチル置換度は、ASTM−D817−91(セルロースアセテート等の試験法)によって求めることができる。また、上記プロピオニル置換度は、ASTM−D817−96(セルロースアセテート等の試験法)によって求めることができる。
上記セルロース系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(ポリスチレン標準)で測定した値が、好ましくは20,000〜1,000,000である。上記セルロース系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜185℃である。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により求めることができる。上記の樹脂であれば、優れた熱安定性を有し、機械的強度に優れたフィルムが得られ得る。
上記セルロース系樹脂を含有する位相差フィルムは、任意の適切な成形加工法によって得ることができる。好ましくは、上記セルロース系樹脂を含有する位相差フィルムは、ソルベントキャスティング法によって、シート状に成形されたフィルムを、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、又は縦横逐次二軸延伸法により、延伸して作製される。上記フィルムを延伸する温度(延伸温度)は、好ましくは120℃〜200℃である。また、上記フィルムを延伸する倍率(延伸倍率)は、好ましくは1を超え3倍以下である。
上記位相差フィルムは、市販のフィルムをそのまま用いることができる。あるいは、市販のフィルムに延伸処理及び/又は収縮処理などの2次的加工を施したものを用いることができる。市販のセルロース系樹脂を含有する高分子フィルムとしては、例えば、富士写真フィルム(株)製 フジタックシリーズ(商品名;ZRF80S,TD80UF,TDY−80UL)、コニカミノルタオプト(株)製 商品名「KC8UX2M」等が挙げられる。
〔シクロオレフィン系樹脂〕
上記シクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系樹脂を好適に用いることができる。ノルボルネン系樹脂は、光弾性係数の絶対値(C[590])が小さいため、光学的なムラの小さい液晶表示装置を得ることができる。上記ノルボルネン系樹脂のC[590]は、好ましくは1×10−12〜20×10−12であり、さらに好ましくは1×10−12〜10×10−12である。本明細書において「ノルボルネン系樹脂」とは、出発原料(モノマー)の一部または全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる(共)重合体をいう。上記「(共)重合体」は、ホモポリマーまたは共重合体(コポリマー)を表す。
上記ノルボルネン系樹脂は、出発原料としてノルボルネン環(ノルボルナン環に二重結合を有するもの)を有するノルボルネン系モノマーが用いられる。上記ノルボルネン系樹脂は、(共)重合体の状態では、構成単位にノルボルナン環を有していても、有していなくてもよい。(共)重合体の状態では、構成単位にノルボルナン環を有するノルボルネン系樹脂は、例えば、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン等が挙げられる。(共)重合体の状態で構成単位にノルボルナン環を有さないノルボルネン系樹脂は、例えば、開裂により5員環となるモノマーを用いて得られる(共)重合体である。上記開裂により5員環となるモノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−フェニルノルボルネン等やそれらの誘導体等が挙げられる。上記ノルボルネン系樹脂が共重合体である場合、その分子の配列状態は、特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
上記ノルボルネン系樹脂としては、例えば、(A)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂、(B)ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させた樹脂などが挙げられる。上記ノルボルネン系モノマーの開環共重合体は、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類、および/または非共役ジエン類との開環共重合体を水素添加した樹脂を包含する。上記ノルボルネン系モノマーを付加共重合させた樹脂は、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類および/または非共役ジエン類との付加型共重合させた樹脂を包含する。
上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂は、ノルボルネン系モノマー等をメタセシス反応させて、開環(共)重合体を得、さらに、当該開環(共)重合体を水素添加して得ることができる。具体的には、例えば、特開平11−116780号公報の段落[0059]〜[0060]に記載の方法、特開2001−350017号公報の段落[0035]〜[0037]に記載の方法等が挙げられる。上記ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させた樹脂は、例えば、特開昭61−292601号公報の実施例1に記載の方法により得ることができる。
上記ノルボルネン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(ポリスチレン標準)で測定した値が、好ましくは、20,000〜500,000である。上記ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃〜170℃である。上記の樹脂であれば、優れた熱安定性を有し、延伸性に優れたフィルムが得られ得る。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により算出される値である。
上記ノルボルネン系樹脂を含む位相差フィルムは、任意の適切な成形加工法によって得ることができる。好ましくは、上記ノルボルネン系樹脂を含む位相差フィルムは、ソルベントキャスティング法または溶融押出法によって、シート状に成形された高分子フィルムを、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、または縦横逐次二軸延伸法により、延伸して作製される。上記高分子フィルムを延伸する温度(延伸温度)は、好ましくは120℃〜200℃である。また、上記高分子フィルムを延伸する倍率(延伸倍率)は、好ましくは1を超え3倍以下である。
上記位相差フィルムは、任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、及び増粘剤等が挙げられる。上記添加剤の含有量は、好ましくは、上記ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、0を超え10重量部以下である。
偏光板10,10’における偏光子11,11’と保護層12,12’および偏光子11,11’と位相差層13,13’とは、任意の適切な接着層を介して、積層させることができる。本明細書において、「接着層」とは、隣り合う光学部材の面と面とを接合し、実用上十分な接着力と接着時間で一体化させるものをいう。上記接着層を形成する材料としては、例えば、接着剤、粘着剤、アンカーコート剤が挙げられる。上記接着層は、被着体の表面にアンカーコート層が形成され、その上に接着剤層が形成されたような、多層構造であってもよい。また、肉眼的に認知できないような薄い層(ヘアーラインともいう)であってもよい。
上記接着層の厚みは、目的に応じて、任意の適切な値に設定され得る。上記接着層の厚みは、好ましくは0.01μm〜50μmである。接着層の厚みを上記の範囲とすることによって、接合される偏光子に浮きや剥がれが生じず、実用上十分な接着力と接着時間が得られ得る。
上記接着層を形成する材料としては、被着体の種類や目的に応じて、任意の適切なものが選択され得る。上記偏光子が、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする場合、上記接着層を形成する材料としては、好ましくは、水溶性接着剤である。上記水溶性接着剤としては、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水溶性接着剤である。上記接着層は、市販の接着剤をそのまま用いることもできる。あるいは、市販の接着剤に溶剤や添加剤を混合して用いることもできる。市販のポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする接着剤としては、例えば、日本合成化学工業(株)製 ゴーセノールシリーズ(商品名「NH−18S、GH−18S、T−300等」)、同社製 ゴーセファイマーシリーズ(商品名「Z−100、Z−200、Z−210等」)等が挙げられる。
<D.接着層>
好ましい実施形態においては、上記偏光板10,10’は、接着層を介して液晶パネルを構成する他の部材に貼着される。上記接着層を形成する材料としては、被着体の種類や用途に応じて、適切な接着剤および/またはアンカーコート剤が選択され得る。接着剤の具体例としては、形状による分類によれば、溶剤形接着剤、エマルジョン形接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合形接着剤、無溶剤形接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト形接着剤などが挙げられる。化学構造による分類によれば、合成樹脂接着剤、ゴム系接着剤、および天然物接着剤が挙げられる。なお、上記接着剤は、加圧接触で感知しうる接着力を常温で示す粘弾性物質(粘着剤ともいう)を包含する。
好ましくは、上記接着層を形成する材料は、アクリル系重合体をベースポリマーとする感圧性接着剤(アクリル系粘着剤ともいう)である。透明性、接着性、耐候性、および耐熱性に優れるからである。上記アクリル系粘着剤層の厚みは、被着体の材質や用途に応じて、適宜、調整され得るが、通常、5μm〜50μmである。
<E.液晶パネルの製造方法>
本発明に用いられる液晶パネルは、例えば、液晶セルに上記の構成要素(位相差層、偏光子、保護層)を順次積層することにより作製され得る。また、例えば、偏光子と保護層と位相差層とが積層された積層体を作製し、次いで、当該積層体を液晶セルに貼り合せることにより作製されてもよい。上記積層体を貼り合せる場合、積層体に含まれる位相差層が液晶セルと対向するように貼り合せられ得る。あるいは、液晶セルに位相差層を積層した後、偏光子と保護層との積層体を偏光子と位相差層とが対向するよう貼り合せてもよい。
従来のPVA系樹脂を用いた偏光子は寸法安定性に劣るため、片側のみに保護層が設けられた偏光板では、偏光子の寸法変化が起こりやすく、例えば、偏光板にカールが生じる。そのため、液晶セル等の他の部材との積層が困難となり、生産性に劣る。しかしながら、本発明の液晶パネルに用いられる偏光子は、特に加湿環境下での寸法安定性に優れるため、上記偏光板のように、保護層が片側にしか積層されていない形態であっても、偏光子の寸法変化に由来するカールの発生を抑制することができる。これにより、従来は困難であった片側にのみ保護層を有する偏光板を、連続的に積層することが可能となり、生産性が向上する。また、液晶パネルに含まれる保護層の枚数を減らすことにより、保護層が有する光学特性に起因する表示特性への影響を抑えることができ、かつ、液晶表示装置の薄型化に寄与し得る。
上記の液晶パネルの各構成要素の積層方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。代表的には、任意の適切な接着層(図示せず)を介して積層される。接着層を形成する材料としては上記D項に記載の材料を用いることができる。
<F.液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上記液晶パネルを含む。図2は、本発明の好ましい実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。なお、見やすくするために、図2の各構成部材の縦、横および厚みの比率は、実際とは異なっていることに留意されたい。この液晶表示装置200は、液晶パネル100と、液晶パネル100の一方の側に配置されたバックライトユニット80とを備える。なお、図示例では、バックライトユニットとして、直下方式が採用された場合を示しているが、これは例えば、サイドライト方式のものであってもよい。
直下方式が採用される場合、上記バックライトユニット80は、好ましくは、光源81と、反射フィルム82と、拡散板83と、プリズムシート84と、輝度向上フィルム85とを備える。サイドライト方式が採用される場合、好ましくは、バックライトユニットは、上記の構成に加え、さらに導光板と、ライトリフレクターとを備える。なお、図2に例示した光学部材は、本発明の効果が奏する限りにおいて、液晶表示装置の照明方式や液晶セルの駆動モードなど、用途に応じてその一部が省略され得るか、または、他の光学部材に代替され得る。
上記液晶表示装置は、液晶パネルの背面から光を照射して画面を見る、透過型であっても良いし、液晶パネルの視認側から光を照射して画面を見る、反射型であっても良い。あるいは、上記液晶表示装置は、透過型と反射型の両方の性質を併せ持つ、半透過型であっても良い。
本発明の液晶表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器、携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯情報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ,テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器等である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
(1)Rpva
実施例および比較例で用いた偏光子について、王子計測社製の近赤外位相差測定装置KOBRA−31X100/IR(波長1000nm、23℃)を用いて測定した。
(2)偏光板のコントラスト
実施例および比較例で用いた偏光板について、日本分光社製のV7100を用いて光学特性(平行透過率および直交透過率)を測定した。測定した偏光板の光学特性の結果を用いて、以下の式にて、偏光板のコントラストを算出した。
CRpol=T/T90
CRpol:偏光板コントラスト、T:偏光板の平行透過率、T90:偏光板の直交透過率
(3)パネルコントラスト
各実施例または比較例で得られた液晶パネルを、液晶テレビ(シャープ(株)製の「LC−32DE5」)のバックライトユニットに組み込み、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について、トプコン製のSR−UL1Rにてコントラストを算出した。
[参考例1]
重合度2400、ケン化度99.7モル%、厚さ75μmのPVA系樹脂フィルムを用意した。当該フィルムを、30℃のヨウ素水溶液中で染色しながらフィルム搬送方向に3倍に延伸し、次いで、60℃の4重量%ホウ酸、5重量%のヨウ化カリウム水溶液中で、総延伸倍率が元長の6倍となるように延伸した。さらに、延伸したフィルムを30℃の2重量%のヨウ化カリウム水溶液中に数秒浸漬することで洗浄した。得られた延伸フィルムを90℃で乾燥し、偏光子(1)を得た。得られた偏光子(1)のRpvaは、0.035であった。
[参考例2]
80℃で乾燥を行ったこと以外は参考例1と同様にして偏光子(2)を得た。得られた偏光子(2)のRpvaは、0.038であった。
[参考例3]
70℃で乾燥を行ったこと以外は参考例1と同様にして偏光子(3)を得た。得られた偏光子(3)のRpvaは、0.039であった。
[参考例4]
60℃で乾燥を行い、総延伸倍率を元長の4.8倍としたこと以外は参考例1と同様にして偏光子(4)を得た。得られた偏光子(4)のRpvaは、0.042であった。
[参考例5]
50℃で乾燥を行い、総延伸倍率を元長の5.3倍としたこと以外は参考例1と同様にして、偏光子(5)を得た。得られた偏光子(5)のRpvaは、0.043であった。
[参考例6]
40℃で乾燥を行い、総延伸倍率を元長の6.2倍としたこと以外は参考例1と同様にして、偏光子(6)を得た。得られた偏光子(6)のRpvaは、0.046であった。
[実施例1]
参考例1で得られた偏光子(1)の一方の面に、PVA系接着剤を用いて、得られた偏光子の片側に保護フィルムを貼り合わせ、もう一方の側に位相差フィルム(屈折率楕円体:nx>ny>nz、Rth[590]:120nm)を貼り合せて積層体を得た。上記貼り合わせの際、偏光子(1)の吸収軸と位相差層の遅相軸とが実質的に直交するように配置した。この積層体を40℃で2分間乾燥し、次いで、位相差フィルムの外側に粘着剤を積層して偏光板を得た。
市販の液晶テレビ(シャープ(株)製の「LC−32DE5」、垂直配向モード)から液晶パネルを取り出し、偏光板、位相差フィルム等のすべての光学部材を取り除き、液晶セルを得た。この液晶セルの両側のガラス基板のそれぞれの表面を洗浄して粘着剤を取り除き、次いで、上記偏光板を上記偏光板に含まれる位相差層が該液晶セルと対向するよう、当該液晶セルの両側に貼り付けた。偏光板は、バックライト側の偏光板の吸収軸が液晶セルの水平方向に直交するように、かつ、視認側の偏光板の吸収軸が液晶セルの水平方向と平行になるようにして貼り付けた。液晶パネルに用いた偏光子のRpva、液晶パネルに用いられた偏光板のコントラストおよび得られた液晶パネルのコントラストを表1に示す。
Figure 2012145732
[実施例2]
参考例2で得られた偏光子(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶パネル2を作製した。液晶パネルに用いた偏光子のRpva、液晶パネルに用いられた偏光板のコントラストおよび得られた液晶パネルのコントラストを表1に示す。
[実施例3]
参考例3で得られた偏光子(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶パネル3を作製した。液晶パネルに用いた偏光子のRpva、液晶パネルに用いられた偏光板のコントラストおよび得られた液晶パネルのコントラストを表1に示す。
[比較例1]
参考例4で得られた偏光子(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶パネル4を得た。液晶パネルに用いた偏光子のRpva、液晶パネルに用いられた偏光板のコントラストおよび得られた液晶パネルのコントラストを表1に示す。
[比較例2]
参考例5で得られた偏光子(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶パネル5を作製した。液晶パネルに用いた偏光子のRpva、液晶パネルに用いられた偏光板のコントラストおよび得られた液晶パネルのコントラストを表1に示す。
[比較例3]
参考例6で得られた偏光子(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶パネル6を得た。液晶パネルに用いた偏光子のRpva、液晶パネルに用いられた偏光板のコントラストおよび得られた液晶パネルのコントラストを表1に示す。
[評価]
pvaが0.040以下である偏光子を用いた本発明の実施例1〜3の液晶パネルは、Rpvaが0.040を超える偏光子を用いた比較例1〜3の液晶パネルに比べて、高いコントラストを示した。
以上のように、本発明の液晶パネルは、液晶表示装置に用いた場合に、高い正面方向のコントラスト比を示すため、例えば、液晶テレビやパソコンモニター、携帯電話の表示特性の向上に極めて有用である。
10,10’ 偏光板
11,11’ 偏光子
12,12’ 保護層
13,13’ 位相差層
20 液晶セル
80 バックライトユニット
81 光源
82 反射フィルム
83 拡散板
84 プリズムシート
85 輝度向上フィルム
100 液晶パネル

Claims (7)

  1. VAモードの液晶セルと、
    偏光子と、偏光子の一方の面に積層された保護層と、該偏光子の他方の面に積層された位相差層とを備える偏光板とを含み、
    該偏光板が該液晶セルの両側に該位相差層と該液晶セルとが対向するように配置され、
    該偏光子のRpvaがそれぞれ0.030≦Rpva≦0.040の関係を満たす、液晶パネル:
    ここで、Rpvaは、波長1000nmにおいて、偏光子の面内で屈折率が最大になる方向の屈折率をnx、当該屈折率が最大になる方向に直交する方向の屈折率をnyとしたとき、Rpva=nx−nyで表される。
  2. 前記偏光子が、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである、請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記保護層が、セルロースアセテート系樹脂フィルムである、請求項1または2に記載の液晶パネル。
  4. 視認側に配置される前記偏光板の保護層が防眩処理を施されたフィルムである、請求項1から3のいずれかに記載の液晶パネル。
  5. 前記位相差層の屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を有し、かつ、
    該位相差層の厚み方向の位相差Rth[590]が100nm〜200nmである、請求項1から4のいずれかに記載の液晶パネル。
  6. 前記位相差層がセルロースアセテート系樹脂フィルムまたはシクロオレフィン系樹脂フィルムである、請求項1から5のいずれかに記載の液晶パネル。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の液晶パネルを備える、液晶表示装置。
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