図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球、又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2と、を備える。この前面ドア2正面の左右には、それぞれ、複数の色に発光可能な台枠ランプ120L,120Rが設けられている。
これら台枠ランプ120L,120Rは、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)など、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色などの複数の色に発光可能であれば既存の発光素子でよい。
また、前面ドア2の正面の略中央には、縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c、及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。
これらの表示ラインは、後述のBETスイッチ11を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。表示ラインが有効化されたことは、後述のBETランプ9の点灯により示される。
ここで、表示ライン8a〜8eは、役の成否に関わる。具体的には、所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄がいずれかの有効ライン(有効化された表示ライン)に対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が成立することとなる。
また、表示窓4L,4C,4Rの周囲には、それぞれ、複数の色に発光可能な左リール表示窓枠ランプ121L、中央リール表示窓枠ランプ121C、及び右リール表示窓枠ランプ121Rが設けられている。これらのリール表示窓枠ランプ121L,121C,121Rについても、台枠ランプ120L,120Rと同様に、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)など、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色などの複数の色に発光可能であれば既存の発光素子でよい。
前面ドア2の裏面には、複数のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rには、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれており、各リール3L,3C,3Rの図柄は、表示窓4L,4C,4Rを通して、遊技機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L,3C,3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4L,4C,4Rの上方には、液晶表示部5a及びスピーカ9L,9Rが設けられる。液晶表示部5aは、表示窓4L,4C,4Rよりも大きな表示面を備え、画像表示による演出を行う。また、スピーカ9L,9Rは、効果音や音声などの音による演出を行う。
表示窓4L,4C,4Rの左側には、BETランプ9が設けられる。BETランプ9は、一のゲーム(単位遊技)を行うために必要な枚数のメダルが投入され、全て(5本)の表示ラインが有効化されたときに点灯する。本実施例では、一のゲームを行うために必要なメダルの枚数は、遊技の状況に応じて異なる。遊技者がメダルを獲得しやすいボーナスが作動していない通常の状態では、一のゲームを行うために3枚のメダルを必要とする。これに対し、ボーナスが作動している状態では、一のゲームを行うために2枚のメダルを必要とする。
表示窓4L,4C,4Rの下方には、略水平面の台座部10が形成されている。この台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22及び特殊ボタン13が設けられ、左側にはBETスイッチ11が設けられる。
BETスイッチ11を押下操作することで、一のゲーム用に供される枚数(すなわち、ボーナスが作動していない状態では3枚で、ボーナスが作動している状態では2枚)のメダルが投入され、上述のとおり、所定の表示ラインが有効化される。BETスイッチ11の操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
一方、特殊ボタン13を押下操作することで、後に図19、図20、及び図21を参照して説明するように、液晶表示部5aで行われる演出が変化する場合がある。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の回動操作によりリール3L,3C,3Rを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、本実施例では、単位遊技は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
また、本実施例では、全てのリール3L,3C,3Rが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの押下操作)を「第1停止操作」、「第1停止操作」の後に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。
前面ドア2下部の正面には、メダルが払出されるメダル払出口15と、払出されたメダルを貯留するメダル受け部16と、が設けられている。また、前面ドア2下部の正面のうち、停止ボタン7L,7C,7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル20が取り付けられている。
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“0”〜“20”のコードナンバーが付され、ROM32(図3参照)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄91)”、“BAR(図柄92)”、“スイカ(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“青チェリー(図柄95)”、“赤チェリー(図柄96)”、“黄チェリー(図柄97)”、“リプレイ(図柄98)”、及び“ブランク(図柄99)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
ここで、本実施例の役には、BB1(ビッグボーナス1)、BB2(ビッグボーナス2)、スイカ、ベル、青チェリー、赤チェリー、黄チェリー、及びリプレイが設けられている。
BB1及びBB2は、第1種特別役物に係る役物連続作動装置である。「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」とは、第1種特別役物を連続して作動させることができる装置で、特定の図柄組合せが表示された場合に作動し、予め定められた場合に作動を終了するものをいう。
「第1種特別役物」とは、規定数ごとの入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、予め定められた場合に12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。
「入賞」とは、メダルを獲得するために必要な、予め定められた図柄の組合せが表示されることをいう。
なお、以下では、BB1及びBB2を総称して、「ボーナス」という。また、青チェリー、赤チェリー、及び黄チェリーを総称して、「チェリー」という。また、スイカ、チェリー、ベルを総称して、「小役」という。
役(役データ)は、基本的に、遊技者に付与される利益と図柄組合せとが予め対応付けられた制御情報であり、リール3L,3C,3Rの停止制御、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与などに用いられる。
また、本実施例の遊技状態には、いわゆる「出玉率」(遊技を行うために投入されたメダルの枚数に対して、遊技者に払出されるメダルの枚数)の期待値が1よりも大きいRB遊技状態と、「出玉率」の期待値が1よりも小さい一般遊技状態と、がある。遊技状態は、基本的に、内部当籤役の決定に用いる内部抽籤テーブルの種類により区別できる。具体的には、遊技状態は、内部当籤する可能性のある役の種類、内部当籤する確率などにより区別できる。
RB遊技状態は、第1種特別役物が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
RB遊技状態は、RB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。RB作動中フラグは、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。RB作動中フラグがオンに更新される条件は、BB作動中フラグがオンに更新されることである。「BB作動中フラグ」は、BB1作動中フラグ及びBB2作動中フラグの総称である。つまり、「BB作動中フラグがオンに更新されること」とは、BB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグのいずれかの作動中フラグがオンに更新されることをいう。
また、RB作動中フラグがオフに更新される条件は、遊技可能回数カウンタが0になること、入賞可能回数カウンタが0になること、又はBB作動中フラグがオフに更新されることである。「遊技可能回数カウンタ」とは、RB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数をいい、本実施例では12回と規定されている。「入賞可能回数カウンタ」とは、RB遊技状態において入賞可能な回数をいい、本実施例では8回と規定されている。
BB1作動中フラグは、BB1の成立により発生する有利な状態であるか否かを識別するための情報であり、BB2作動中フラグは、BB2の成立により発生する有利な状態であるか否かを識別するための情報である。これらBB作動中フラグがオンに更新される条件は、BBが成立することである。BB作動中フラグがオフに更新される条件は、払出されたメダルの枚数が払出可能枚数を超えることである。「払出可能枚数」とは、BB作動中フラグがオンに更新されてからBB作動中フラグがオフに更新されるまでの遊技(ゲーム)において払出すことが可能なメダルの枚数をいい、本実施例では465枚と規定されている。
ここで、BB作動中フラグがオンに更新されてからオフに更新されるまでのBB作動中フラグとRB作動中フラグとの関係について説明する。BBが成立した場合に、BB作動中フラグがオンに更新される。このBB作動中フラグがオンに更新されたことを契機に、RB作動中フラグがオンに更新される。そして、遊技可能回数カウンタ又は入賞回数カウンタのいずれかが0になると、RB作動中フラグがオフに更新される。BB作動中フラグがオンであれば、再びRB作動中フラグがオンに更新される。
BB作動中フラグがオフに更新される条件を充足した場合に、BB作動中フラグがオフに更新されるが、このBB作動中フラグがオフに更新されたことを契機にRB作動中フラグがオフに更新される。したがって、BB作動中フラグがオンであるときは、RB作動中フラグがオンに更新される。すなわち、BB成立後は、BB作動中フラグがオフに更新されるまでRB遊技状態となる。
一般遊技状態は、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがいずれもオフである場合の遊技状態である。一般遊技状態は、いわゆるリプレイタイム(以下、「RT」という)が作動するRT作動中と、このRTが作動しないRT非作動中と、で構成される。RTは、BBの作動が終了することを条件に、1500回の単位遊技の間、作動する。
また、一般遊技状態は、ボーナスを持越役とするフラグ間と、持越役としない非フラグ間と、で構成される。「持越役」とは、対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容される役をいい、フラグ間では、ボーナスに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容される。また、フラグ間では、ボーナスに内部当籤することがなく、非フラグ間では、ボーナスに内部当籤することがあるため、同じ一般遊技状態であっても、フラグ間と非フラグ間とは、それぞれ異なる遊技状態である。本実施例では、RTは、非フラグ間からフラグ間に切り換えられることを条件に終了する。
以上をまとめると、ボーナスの作動が終了するとRTが作動し、通常は、その後、非フラグ間からフラグ間に切り換えられ、RTが終了する。そして、表示役としてボーナスが成立すると、ボーナスが作動し、RB遊技状態に切り換えられる。そして、ボーナスの作動が終了すると、再びRTが作動する。
なお、RTの作動が1500ゲーム行われる間に1度もフラグ間に移行しない場合には、RT非作動中の一般遊技状態となる。また、遊技機1の電源メインスイッチをオンにして、ゲーム開始時の初期化が行われた場合も、RT非作動中の一般遊技状態となる。
RT作動中であるか否かは、RT作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。RT作動中フラグは、RTが作動しているか否かを識別するための情報である。RT作動中フラグがオンに更新される条件は、ボーナスの作動が終了することであり、RT作動中フラグがオフに更新される条件は、上述の非フラグ間からフラグ間に切り替えられること、1500回の単位遊技が行われること、及び後述するチェリーに入賞すること(表示役がチェリーであること)である。
図3は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示部5a、スピーカ9L,9R、LED類101、及びランプ類102を制御する副制御回路72と、を含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラム(後述の図23〜図34)に従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37と、が接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)するごとに行われる乱数サンプリングの判定に用いられる内部抽籤テーブル(図6〜図8参照)、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル(図13参照)などが格納されている。また、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)などが格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報などを入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納され、後に図14、図15を参照して説明する種々の格納領域などが設けられている。RAM33には、例えば、内部当籤役、持越役の情報などが格納される。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ9と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出のための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rと、がある。
さらに、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、及びBETランプ9を駆動制御するランプ駆動回路45がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれ、CPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、BETスイッチ11、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、及び払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、開始指令信号(ゲームの開始を指令する信号)を出力する。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止指令信号(図柄の変動表示の停止を指令する信号)を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図3の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲(乱数範囲)に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM32内に格納されている内部抽籤テーブルなどに基づいて、内部当籤役などが決定される。内部当籤役(内部当籤役データ)は、基本的に、停止制御の態様を識別したり、表示役となりうる役(入賞させることが可能な役)を識別したりするための情報である。したがって、内部当籤役は、その内部当籤役に対応する停止制御の態様、表示役などを介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられているといえる。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上述のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄配置テーブル(図4参照)が、ROM32内に格納されている。この図柄配置テーブルでは、上述のリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバーに対応して設けられた図柄を示す図柄コードと、が対応づけられている。
さらに、ROM32内には、図柄組合せテーブル(図10参照)が格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役の成立(入賞など)となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす入賞判定コード(成立判定コード)と、が対応づけられている。図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
以上のような構成により、まず、CPU31は、遊技者がスタートレバー6を操作したタイミングで乱数サンプリングを行い、この乱数サンプリングの結果に基づいて内部抽籤処理を行って、内部当籤役を決定する。次に、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングに基づいて、リール3L,3C,3Rをそれぞれ停止させる。
内部抽籤処理で決定した内部当籤役の入賞を示す停止態様(すなわち入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に送信して、ホッパー40から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図4を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、リール3L,3C,3Rの図柄位置(コードナンバー)に対応するリール外周面上に描かれた図柄の情報を備えている。図柄配置テーブル及び図柄組合せテーブルに基づいて、各有効ラインに沿って並ぶ図柄の組合せを把握することができる。
図5を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応する内部抽籤テーブルの種別の情報及び抽籤回数の情報を備えている。ここで、遊技状態が一般遊技状態である場合には、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図6参照)が選択され、抽籤回数として8が決定される(図25のステップS31参照)。一方、遊技状態がRB遊技状態である場合には、RB遊技状態用内部抽籤テーブル(図7参照)が選択され、抽籤回数として5が決定される(図25のステップS31参照)。
「抽籤回数」は、内部当籤役を決定するために必要な処理をする回数である。具体的には、乱数値が所定の範囲(後に図6〜図8を参照して説明する、当籤番号に対応する下限値及び上限値により規定される数値範囲)内にあるか否かを判別する回数である。ただし、遊技状態が一般遊技状態であっても、フラグ間である場合には、8と決定された抽籤回数が6に更新される(図25のステップS34参照)。また、遊技状態が一般遊技状態であっても、RT作動中であれば、一般遊技状態用内部抽籤テーブルに代えてRT作動中用内部抽籤テーブル(図8参照)が選択される(図25のステップS32)。
図6〜図8を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
図6は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示し、遊技状態が一般遊技状態でかつRT非作動中である場合に参照される。図7は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを示し、遊技状態がRB遊技状態である場合に参照される。図8は、RT作動中用内部抽籤テーブルを示し、遊技状態が一般遊技状態でかつRT作動中である場合に参照される。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に対応する下限値及び上限値により規定される数値範囲の情報を備えている。図6〜図8の内部抽籤テーブルでは、設定値が1である場合に対応する情報を示しているが、実際には、設定値の各々に対応する情報を備えている。設定値は、遊技者の有利さの度合いを区別するための指標であり、本実施例では、設定値として設定1と、この設定1よりも有利な設定4と、この設定4よりも有利な設定6と、この設定6よりも有利な設定Hと、の4段階が設けられている。なお、後に図9を参照して説明するように、当籤番号は役に対応しているので、内部抽籤テーブルは、予め定められた複数の役の各々に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲の情報を有しているといえる。
内部抽籤テーブルに基づく当籤番号の決定(抽籤)では、遊技状態ごとに定められた抽籤回数と同じ当籤番号から降順に、当籤番号が0になるまで、乱数値が当籤番号に対応する下限値及び上限値により規定される数値範囲内にあるか否かを判断する。乱数値が数値範囲内にある場合、この数値範囲に対応する当籤番号に当籤となる。また、当籤番号に対応する下限値及び上限値により規定される数値範囲内にあるか否かを判別する回数は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図5)で定められた抽籤回数と同じである。
なお、当籤番号が0になるまで乱数値が一度も下限値及び上限値により規定される数値範囲内になかった場合、当籤番号は0となり、内部当籤役はハズレとなる。内部当籤役のハズレは、内部抽籤で遊技者の利益と対応付けられた役に当籤しなかったことを示す。また、本実施例におけるハズレは、遊技価値と対応付けられた役ではない。また、内部当籤役としてのハズレに対応する図柄組合せは、予め設けられた複数の役に対応する図柄組合せとは別の任意の図柄組合せであるとも考えることができるが、本実施例では、ハズレに対応する図柄組合せは設けられていないものとする。
また、当籤番号から降順に、当籤番号が0になるまで、当籤しているか否かを判別するとともに、複数の役の各々に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲が重複するように設定されていることから、内部当籤役として複数の役が決定されることがある。当籤した当籤番号、遊技状態、設定値、及び内部当籤役決定テーブル(図9参照)に基づいて、内部当籤役が決定される。
例えば、図6に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照する場合について説明する。0〜65535の範囲から抽出した乱数値が20000である場合、初めに、当籤番号8について乱数値R(20000)−下限値L(21535)を計算する。この計算結果は0以下になる。したがって、乱数値が当籤番号8に対応する数値範囲内(L≦R≦U)にないので、抽出した乱数値が20000である場合、当籤番号8に不当籤となる。
次に、当籤番号7について乱数値R(20000)−下限値L(19935)を計算する。この計算結果は0以上になる。次に、乱数値R(20000)−上限値U(20013)を計算する。この計算結果は0以下になる。したがって、乱数値が当籤番号7に対応する数値範囲内(L≦R≦U)にあるので、抽出した乱数値が20000である場合、当籤番号7に当籤となる。当籤番号7に当籤となる場合には、内部当籤役決定テーブルに基づいて、当籤番号7に対応するBB1が内部当籤役となる。
上述のように、乱数値R(20000)−下限値Lの計算と、乱数値R(20000)−上限値Uの計算と、を当籤番号が6から0になるまで繰り返すことで、当籤番号6〜0の各々に当籤しているか否かを判別する。抽出した乱数値が20000である場合には、当籤番号4に当籤となり、それ以外の当籤番号について不当籤となる。したがって、抽出した乱数値が20000である場合には、当籤番号4及び7で当籤となり、これらの当籤番号に対応する赤チェリー及びBB1が内部当籤役となる。
ここで、内部抽籤テーブルについて、より詳細に検討する。図6の一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照すると、当籤番号4に対応する数値範囲は、当籤番号7に対応する数値範囲を含む。したがって、赤チェリーが内部当籤役として決定されるとき、この赤チェリーに加えてBB1が内部当籤役として決定される場合がある。なお、図8のRT作動中用内部抽籤テーブルでも同様の構成をとっており、赤チェリーが内部当籤役として決定されるとき、この赤チェリーに加えてBB1が内部当籤役として決定される場合がある。
また、図6の一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照すると、当籤番号5に対応する数値範囲は、当籤番号8に対応する数値範囲を含む。したがって、黄チェリーが内部当籤役として決定されるとき、この黄チェリーに加えてBB2が内部当籤役として決定される場合がある。なお、図8のRT作動中用内部抽籤テーブルでも同様の構成をとっており、黄チェリーが内部当籤役として決定されるとき、この黄チェリーに加えてBB2が内部当籤役として決定される場合がある。
なお、フラグ間では、抽籤回数が6に変更される。これにより、フラグ間では、当籤番号7及び8に当籤する場合がない。したがって、フラグ間では、BB1及びBB2が内部当籤役として決定される場合はない。
また、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと、RT作動中用内部抽籤テーブルと、を比較すると、RT作動中用内部抽籤テーブルを使用するときは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを使用するときに比べ、当籤番号6に対応する数値範囲が広い(すなわち、リプレイが内部当籤役として決定される確率が高い)。したがって、RT作動中では、RT非作動中に比べて高い確率で、メダルを投入することなく単位遊技を進められるという利益を得ることができる。
図9を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、当籤番号に対応する内部当籤役の情報(データ)を備えている。内部当籤役のデータは2進数で表されている。当籤番号に対応して示されている内部当籤役1及び内部当籤役2は、内部当籤役を識別するための情報であり、各々1バイトのデータである。特に、内部当籤役2は、持越役に関わる。
例えば、当籤番号が0の場合には、内部当籤役のデータとして00000000(内部当籤役1)及び00000000(内部当籤役2)が決定される。このデータに対応する内部当籤役は、ハズレである。当籤番号が1の場合には、内部当籤役のデータとして00000001(内部当籤役1)及び00000000(内部当籤役2)が決定される。このデータに対応する内部当籤役は、ベルである。当籤番号が2の場合には、内部当籤役のデータとして00000010(内部当籤役1)及び00000000(内部当籤役2)が決定される。このデータに対応する内部当籤役は、スイカである。当籤番号が3〜8の場合についても同様である。
以上のようにして決定された内部抽籤役1のデータ及び内部抽籤役2のデータは、内部当籤役1格納領域(図14の(1)参照)及び内部当籤役2格納領域(図14の(2)参照)に格納される。
図10を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルは、一の有効ラインにより結ばれる3つの図柄停止位置の各々に停止表示された図柄の組合せに対応する表示役と、表示役に対応する払出枚数の情報と、を備えている。この図柄組合せテーブルは、全リール3L,3C,3Rが停止した後、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて払出枚数を決定する場合に参照される。
有効ラインに沿って“ベル−ベル−ベル”が並ぶと、表示役がベルになり、10枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“スイカ−スイカ−スイカ“が並ぶと、表示役がスイカになり、5枚のメダルが払出される。
有効ラインに沿って“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が並ぶと、表示役がリプレイになり、メダルの自動投入が行われる。
5本の有効ラインのうち、センターライン8cに沿って“青チェリー−ANY−ANY”が並ぶと、表示役が青チェリー(中)になり、4枚のメダルが払出される。一方、5本の有効ラインのうち、センターライン8cを除く有効ラインに沿って“青チェリー−ANY−ANY”が並ぶと、表示役が青チェリー(角)になる。このとき、2本の有効ライン(トップライン8bとクロスダウンライン8e又はボトムライン8dとクロスアップライン8aのいずれか)で“青チェリー(角)−ANY−ANY”の図柄組合せが成立している。したがって、表示役が青チェリー(角)である場合、表示役が青チェリー(中)の場合の払出枚数の2倍の枚数のメダル、すなわち8枚のメダルが払出される。内部当籤役が赤チェリー及び黄チェリーの場合についても同様である。
有効ラインに沿って“赤7−赤7−赤7”が並ぶと、表示役がBB1になり、BB作動中フラグがオンになることによりBBが作動する。このとき、遊技状態がRB遊技状態に移行する。有効ラインに沿って“BAR−BAR−BAR”が並ぶと、表示役がBB2になり、表示役がBB1の場合と同様に、BBが作動する。
図11を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、主にボーナスが作動するときに必要な情報を備えているが、RTが作動するときに必要な情報も備えている。具体的には、表示役ごとに、作動中フラグ、RT遊技数カウンタ、ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ、及び入賞可能回数カウンタの情報を備えている。このボーナス作動時テーブルは、例えば、後述の図33のステップS132の処理において参照される。
「作動中フラグ」は、作動している遊技状態(現在の遊技状態)を識別するための情報である。本実施例の作動中フラグには、RB遊技状態が作動しているか否かを識別するためのRB作動中フラグと、BBが作動しているか否かを識別するためのBB作動中フラグと、RTが作動しているか否かを識別するためのRT作動中フラグと、がある。
BB作動中フラグは、BB1が表示役として成立した場合にオンに更新されるBB1作動中フラグと、BB2が表示役として成立した場合にオンに更新されるBB2作動中フラグと、により構成されている。
「RT遊技数カウンタ」とは、RTが作動する残りの単位遊技の回数をいう。本実施例では、BBの終了によりRTが作動するとき、RT遊技数カウンタに「1500」がセットされる。この値は、単位遊技ごとに1ずつ減算される。
「ボーナス終了枚数カウンタ」とは、ボーナスが作動しているときに払出すことが可能な残りのメダルの枚数をいう。本実施例では、ボーナスが作動するとき、ボーナス終了枚数カウンタに「465」がセットされる。この値は、払出されたメダルの枚数だけ単位遊技ごとに減算される。
「遊技可能回数カウンタ」とは、RB遊技状態において行うことが可能な残りの単位遊技の回数をいう。本実施例では、RBが作動するとき、遊技可能回数カウンタに「12」がセットされる。この値は、単位遊技ごとに1ずつ減算される。
「入賞可能回数カウンタ」とは、RB遊技状態において入賞可能な回数、より詳しくは、RB遊技状態において小役に対応する図柄の組合せが表示されることが可能な残りの単位遊技の回数をいう。本実施例では、RBが作動するとき、入賞可能回数カウンタに「8」がセットされる。この値は、入賞するたびに1ずつ減算される。
図12を参照して、停止テーブル決定テーブルについて説明する。
停止テーブル決定テーブルには、内部当籤役に応じた停止テーブルの種別が規定されている。すなわち、内部当籤役1格納領域、及び内部当籤役2格納領域に格納されるデータに応じた停止テーブルの種別が規定されている。本実施例では、内部当籤役は、1種類に限るものではなく、複数種類の場合も含まれる。
停止テーブルは、リール3L,3C,3Rの停止制御の態様を規定する情報を備えている。具体的には、遊技者による停止ボタン7L,7C,7Rの操作タイミングに対応するリール3L,3C,3Rの停止態様の情報(例えば、図柄の停止位置の情報、後述の滑りコマ数の情報など)を備えている。各停止テーブルは、基本的に、対応する内部当籤役を表示役として成立可能に構成されている。
例えば、内部当籤役1格納領域に00000100が格納され、内部当籤役2格納領域に00000000が格納されている場合、内部当籤役は、青チェリーであり、この内部当籤役に対応する停止テーブルは、青チェリー用停止テーブル(図13参照)である。青チェリー用停止テーブルは、青チェリーを表示役として成立可能に構成されている。
なお、内部当籤役が停止テーブル決定テーブルに規定する内部当籤役のいずれにも該当しない場合、対応する停止テーブルはハズレ用停止テーブルである。このハズレ用停止テーブルは、図柄組合せテーブル(図10参照)に規定した図柄組合せとは異なる図柄組合せが有効ライン上に表示されるように構成されている。
図13を参照して、停止テーブルについて説明する。この停止テーブルは、停止ボタン7L,7C,7Rの押下操作を条件に、この押下操作に対応するリール3L,3C,3Rを停止制御するときに用いられる。
図13は、青チェリー用停止テーブルを示し、内部当籤役が青チェリーである場合に参照される。なお、図示は省略するが、停止テーブルは、内部当籤役のそれぞれについて設けられている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの停止開始位置に対応する滑りコマ数の情報が規定されている。「停止開始位置」とは、停止操作が行われたときにセンターライン8c上にある図柄の位置をいう。より詳しくは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが押下操作された場合に、図柄の中心が中段の図柄停止位置の上方にあり、その中心が中段の図柄停止位置に最も近い図柄の位置をいう。
「滑りコマ数」とは、停止ボタン7L,7C,7Rが操作された後、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間に表示窓4L,4C,4R内を移動した図柄の数をいう。例えば、図13に示す青チェリー用停止テーブルでは、左リール3Lの停止開始位置「3」に対応する滑りコマ数は「4」である。図4を参照すると、左リール3Lのコードナンバー「3」に対応する図柄は“スイカ(図柄93)”であり、コードナンバー「7」に対応する図柄は“ベル(図柄94)”である。したがって、本実施例では、コードナンバー「3」の“スイカ(図柄93)”がセンターライン8cの位置に到達したときに左の停止ボタン7Lが操作された場合、左の表示窓4Lの中段の図柄停止位置に“ベル(図柄94)”を停止表示するように左リール3Lを停止制御することができる。
なお、本実施例では、停止ボタン7L,7C,7Rが操作されてから、対応するリール3L,3C,3Rが停止するまでの間に表示窓内を移動することが可能な図柄の数(最大滑りコマ数)が4と規定されている。
図13を参照して、青チェリーが内部当籤役として決定された場合の表示窓4L,4C,4Rでの表示態様について説明する。
図10を参照すると、左のリール3Lでは、青チェリーに対応する図柄組合せを構成する図柄は“青チェリー”である。そこで、図4を参照すると、左のリール3Lでは、“青チェリー”に対応するコードナンバーは「19」の一箇所である。そのため、コードナンバー「19」に対応する図柄の図柄停止位置についてみると、左のリール3Lでの停止開始位置が「15」〜「19」である場合には、“青チェリー”が左の表示窓4Lの中段の図柄停止位置に停止する。また、左のリール3Lでの停止開始位置が「14」又は「20」である場合には、“青チェリー”が左の表示窓4Lの上段又は下段の図柄停止位置に停止する。これに対し、左のリールでの停止開始位置が「0」〜「13」である場合には、たとえ青チェリーが内部当籤役として決定されていても、“青チェリー”が左の表示窓4Lの図柄停止位置に停止する場合はない。したがって、表示役として青チェリーを成立させるためには、青チェリーが内部当籤役として決定されることに加え、停止ボタン7Lを適切に操作することが求められる。
図14の(1)〜(5)を参照して、内部当籤役1、内部当籤役2、持越役、作動中フラグ、及び遊技状態の格納領域(記憶領域)について説明する。これらの格納領域は、主制御回路71及び副制御回路72の両方に設けられている。
図14の(1)は、内部当籤役1格納領域を示す。ビット0は、ベルに対応する格納領域である。ビット1は、スイカに対応する格納領域である。ビット2は、青チェリーに対応する格納領域である。ビット3は、赤チェリーに対応する格納領域である。ビット4は、黄チェリーに対応する格納領域である。ビット5は、リプレイに対応する格納領域である。ビット6及びビット7は、未使用の格納領域である。
図14の(2)は、内部当籤役2格納領域を示す。ビット0は、BB1に対応する格納領域である。ビット1は、BB2に対応する格納領域である。ビット2〜ビット7は、未使用の格納領域である。
なお、表示役のデータが格納される表示役格納領域(表示役1格納領域及び表示役2格納領域)についての図示は省略するが、内部当籤役格納領域(内部当籤役1格納領域及び内部当籤役2格納領域)と同様のデータ構造を有している。
図14の(3)は、持越役格納領域を示す。ビット0は、BB1に対応する格納領域である。ビット1は、BB2に対応する格納領域である。ビット2〜ビット7は、未使用の格納領域である。本実施例では、持越役がある場合(フラグ間である場合)には、持越役格納領域のうち、持越役として成立した役に対応するビットに1が格納される。
図14の(4)は、作動中フラグ格納領域を示す。ビット0は、BB1作動中フラグに対応する格納領域である。ビット1は、BB2作動中フラグに対応する格納領域である。ビット2は、RB作動中フラグに対応する格納領域である。ビット3は、RT作動中フラグに対応する格納領域である。ビット4〜ビット7は、未使用の格納領域である。
図14の(5)は、遊技状態格納領域を示す。ビット0は、RB遊技状態に対応する格納領域である。ビット1は、一般遊技状態のうちフラグ間に対応する格納領域である。ビット2は、一般遊技状態のうち非フラグ間に対応する格納領域である。ビット3〜ビット7は、未使用の格納領域である。
図15を参照して、図柄格納領域について説明する。
図柄格納領域には、表示窓4L,4C,4Rにより表示される各リール3L,3C,3Rの図柄の種別を示すデータが格納される。本実施例では、有効ラインとしてトップライン8b、センターライン8c、ボトムライン8d、クロスアップライン8a、及びクロスダウンライン8eの5種類を設けているため、これらの有効ラインに表示される図柄の種別を示すデータが格納される。例えば、トップライン8bであれば、各表示窓4L,4C,4R内の上段に対応する図柄の種別が図柄格納領域に格納されることとなる。そして、図柄格納領域に格納されるデータと、図柄組合せテーブルと、に基づいて、表示役などの決定が行われる。
図16に示す副制御回路72のブロック図を参照して、副制御回路72の構成について説明する。
副制御回路72は、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bと、から構成されている。この画像制御回路(gSub)72a及び音・ランプ制御回路(mSub)72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aが主制御回路71へコマンド、情報などを入力することはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bが画像制御回路(gSub)72aへコマンド、情報などを入力することはない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM(CROM(キャラクタROM))88、及びビデオRAM89で構成される。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に格納された制御プログラムに従って、各種の処理を行う。
この画像制御マイコン81には、特殊スイッチ13Sが接続されている。特殊スイッチ13Sは、特殊ボタン13(図1参照)の押下操作を検出し、検出信号を出力する。画像制御マイコン81は、所定の開始条件が成立してから(図37のステップS170参照)、所定の終了条件が成立するまで(図37のステップS172参照)の期間に、上述の検出信号が出力された回数を計数し、計数した回数に基づき、プログラムROM83内に格納された制御プログラムに従って、各種の処理を行う。
なお、画像制御回路(gSub)72aは、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器、及びサンプリング回路を備えていないが、画像制御マイコン81の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンドなどを受信する。プログラムROM83は、画像制御マイコン81で実行する制御プログラム(図35〜図39参照)、各種テーブル(図18、図22の(1)、(2)参照)などを格納する。
ワークRAM84は、画像制御マイコン81が上述の制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。ワークRAM84には、種々の情報が格納される。例えば、後述の演出識別子、フレーム識別子などの情報が格納される。
カレンダIC85は、日付データを記憶する。画像制御マイコン81には、操作部17(図3)が接続されており、本実施例では、この操作部17を遊技場の従業員などが操作することにより、日付の設定などが行われるようになっている。画像制御マイコン81は、操作部17から送信される入力信号に基づいて、設定された日付情報をカレンダIC85に記憶する。カレンダIC85に記憶された日付情報は、バックアップされることとなる。
また、上述のワークRAM84及びカレンダIC85は、バックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報などの消去が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出内容に応じた画像を生成し、液晶表示部5aに出力する。
制御RAM87は、画像制御IC86内に含まれている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対して、情報などの書き込みや読み出しを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、カラーパレットテーブルと、が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、を所定のタイミングごとに更新する。
画像制御IC86には、画像制御マイコン81、液晶表示部5a、画像ROM88、及びビデオRAM89が接続されている。なお、画像ROM88が画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。画像ROM88は、画像を生成するための画像データ、ドットデータなどを格納する。ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合の一時記憶手段として構成される。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示部5aに転送終了するごとに、画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路(gSub)72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御も行うこととなっている。画像制御マイコン81は、決定された演出に基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路(mSub)72bでは、主に、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみを行うこととなる(後述する音量調節制御を除く)。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン111、シリアルポート112、プログラムROM113、ワークRAM114、音源IC115、パワーアンプ116、及び音源ROM117で構成される。
音・ランプ制御マイコン111は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン111に備えられたCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM113内に格納された制御プログラムに従って、音・ランプの出力処理を行う。この音・ランプ制御マイコン111には、LED類101及びランプ類102が接続されている。ランプ類102には、台枠ランプ120L,120R及びリール表示窓枠ランプ121L,121C,121Rが含まれる。音・ランプ制御マイコン111は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、LED類101及びランプ類102に信号を送信する。これにより、LED類101及びランプ類102が演出に応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート112は、画像制御回路(gSub)72aから送信されるコマンドなどを受信する。プログラムROM113は、音・ランプ制御マイコン111で実行する制御プログラムなどを格納する。ワークRAM114は、音・ランプ制御マイコン111が上述の制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。
音源IC115は、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づいて音源を生成し、パワーアンプ116に出力する。パワーアンプ116は増幅器であり、このパワーアンプ116にはスピーカ9L,9Rが接続されている。パワーアンプ116は、音源IC115から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ9L,9Rから出力させる。音源ROM117は、音源を生成するための音源データ(フレーズなど)などを格納する。
また、音・ランプ制御マイコン111には、音量調節部103が接続されており、本実施例では、この音量調節部103を遊技場の従業員などが操作することにより、スピーカ9L,9Rから出力される音量の調節が行われるようになっている。音・ランプ制御マイコン111は、音量調節部103から送信される信号に基づいて、スピーカ9L,9Rから出力される音を入力された音量に調節する音量調節制御を行う。
図17を参照して、ジャンプテーブルについて説明する。
ジャンプテーブルは、主制御回路71により送信されたコマンド(情報或いは指令)を副制御回路72が受信した場合に、受信したコマンドの種類に応じて行う処理の情報を備えている。具体的には、主制御回路71により送信されるコマンドの「識別子」に対応して実行する14種類の処理の情報が格納されている。主制御回路71は、“4バイト”〜“8バイト”で構成されるデータ(情報)を一のコマンドとして副制御回路72へ送信するが、「先頭データ」は、その“1バイト目”のデータを示す。
初期化コマンドを受信した場合の識別子は01Hであり、この識別子「01H」に対応する処理は、初期化コマンド処理である。初期化コマンド処理は、ワークRAM84などを初期化する処理である。デモ表示コマンドを受信した場合の識別子は02Hであり、この識別子「02H」に対応する処理は、デモ表示コマンド処理である。デモ表示コマンド処理は、遊技機が客待ちの状況であることを報知する画像を液晶表示部5aに表示する処理である。
遊技メダル投入コマンドを受信した場合の識別子は03Hであり、この識別子「03H」に対応する処理は、遊技メダル投入コマンド処理である。遊技メダル投入コマンド処理は、BET操作を契機として行われる処理である。遊技開始コマンドを受信した場合の識別子は04Hであり、この識別子「04H」に対応する処理は、遊技開始コマンド処理である。遊技開始コマンド処理は、スタートレバー6が操作されることを契機として行われる処理である。
リール停止コマンドを受信した場合の識別子は05Hであり、この識別子「05H」に対応する処理は、リール停止コマンド処理である。リール停止コマンド処理は、停止ボタン7L,7C,7Rのうちのいずれかが操作されたことを契機として行われる処理である。全リール停止コマンドを受信した場合の識別子は06Hであり、この識別子「06H」に対応する処理は、全リール停止コマンド処理である。全リール停止コマンド処理は、第3停止操作が行われることを契機として行われる処理である。
表示役成立コマンドを受信した場合の識別子は07Hであり、この識別子「07H」に対応する処理は、表示役成立コマンド処理である。表示役成立コマンド処理は、表示役の成否などに基づいて行われる処理である。払出終了コマンドを受信した場合の識別子は08Hであり、この識別子「08H」に対応する処理は、払出終了コマンド処理である。払出終了コマンド処理は、メダルの払出に基づいて行われる処理である。
遊技状態変更コマンドを受信した場合の識別子は09Hであり、この識別子「09H」に対応する処理は、遊技状態変更コマンド処理である。遊技状態変更コマンド処理は、例えば、ボーナスの入賞を契機として、遊技状態の情報をRB遊技状態を示すものに変更するための処理である。BB終了時遊技動作コマンドを受信した場合の識別子は0AHであり、この識別子「0AH」に対応する処理は、BB終了時遊技動作コマンド処理である。BB終了時遊技動作コマンド処理は、ボーナスの終了時において、遊技状態の情報を一般遊技状態を示すものに変更するための処理である。
エラーコマンドを受信した場合の識別子は0BHであり、この識別子「0BH」に対応する処理は、エラーコマンド処理である。エラーコマンド処理は、ホッパー40内のメダルが空になるなどの不具合が生じた場合に、その不具合を報知する画像を液晶表示部5aに表示するための処理である。
演出指示要求コマンドを受信した場合の識別子は0CHであり、この識別子「0CH」に対応する処理は、演出指示要求コマンド処理である。演出指示要求コマンド処理は、液晶表示部5a、LED類101、ランプ類102、スピーカ9L,9Rなどで画像表示や光、音による演出を実行するための処理である。ボーナス開始コマンドを受信した場合の識別子は0DHであり、この識別子「0DH」に対応する処理は、ボーナス開始コマンド処理である。ボーナス開始コマンド処理は、ボーナスが作動するタイミングの報知を実行するための処理である。
ナビポイント獲得遊技開始コマンドを受信した場合の識別子は0EHであり、この識別子「0EH」に対応する処理は、ナビポイント獲得遊技開始コマンド処理である。ナビポイント獲得遊技開始コマンド処理は、後述のナビポイント獲得遊技を開始するための処理である。
図18を参照して、ナビポイント増加テーブルについて説明する。
このナビポイント増加テーブルは、ナビポイント獲得遊技において、遊技者により特殊ボタン13が押下操作された回数に応じて規定されたナビポイントの情報を備えている。
「ナビポイント」とは、報知演出選択テーブル(図22の(1)、(2)参照)を参照する際に使用する情報である。このナビポイントは、ナビポイント獲得遊技により獲得可能なポイントであり、獲得したナビポイントは、ワークRAM84の所定領域に格納されるポイントカウンタに積算される。
RT作動中であり、かつ、ナビポイントが1以上(ポイントカウンタが1以上)である場合には、報知演出選択テーブル2(図22の(2)参照)が参照される。一方、RT非作動中である場合と、RT作動中であっても、ナビポイントが0(ポイントカウンタが0)である場合と、には、報知演出選択テーブル1(図22の(1)参照)が参照される。なお、報知演出選択テーブル2が参照される場合、報知演出選択テーブル1が参照される場合には得られない利点を有するが、このことについては後述する。
「ナビポイント獲得遊技」とは、ナビポイントを獲得可能な遊技をいい、ボーナスの作動が終了してから最初の単位遊技が開始されるまでの期間に行われる遊技である。
図18を参照すると、「操作回数カウンタ」が100以上であれば、獲得するナビポイントは「20」であり、「操作回数カウンタ」が100未満であれば、獲得するナビポイントは「0」である。「操作回数カウンタ」とは、ナビポイント獲得遊技において、所定期間(本実施例は、10秒間)に、遊技者により特殊ボタン13が押下操作された回数をいう。本実施例では、上述の所定期間を開始するとき、「操作回数カウンタ」に「0」がセットされる。この値は、上述の所定期間に、遊技者により特殊ボタン13が押下操作されるたびに1ずつ加算される。
図19〜図21を参照して、ナビポイント獲得遊技について説明する。
図19は、ナビポイント獲得遊技が開始された状態を示す図である。液晶表示部5aには、地面201と、この地面201から図19中上方向に延びる樹木202と、この樹木202によじ登ろうとしているサル204と、が表示されている。この樹木202には、地面201から所定距離だけ離れた位置にゴールマーク203が表示されている。図19では、サル204の脚が地面201に接触している。
液晶表示部5aに、図19に示す画像が表示された後、特殊ボタン13を連打するように遊技者に促す画像が表示される。この画像表示と同時に、特殊ボタン13が押下操作された回数の計数が開始される。そして、遊技者により特殊ボタン13が押下操作されるごとに、操作回数カウンタに1が加算されるとともに、液晶表示部5aに表示されるサル204が樹木202を所定距離だけよじ登る。
図20は、操作回数カウンタが50の場合において、液晶表示部5aに表示される画像を示す図である。図20では、サル204の脚が地面から離れているが、サル204の手がゴールマーク203に接触しており、サル204がゴールマーク203に到達していない状態となっている。
図21は、操作回数カウンタが100の場合において、液晶表示部5aに表示される画像を示す図である。図21では、サル204の手がゴールマーク203に接触しており、サル204がゴールマーク203に到達した状態となっている。
なお、操作回数カウンタが101以上になると、サル204は、樹木202をよじ登るのを停止する。すなわち、サル204は、遊技者により特殊ボタン13が押下操作された回数が100回になると、ゴールマーク203に到達し、ゴールマーク203に到達した後には、遊技者により特殊ボタン13が押下操作されても、樹木202をよじ登らない。
上述のように、特殊ボタン13を連打するように遊技者に促す画像が表示されてから、10秒が経過すると、特殊ボタン13を連打するのを終了するように遊技者に促す画像が表示される。この画像表示と同時に、特殊ボタン13が押下操作された回数の計数が終了される。この時点で、図21に示したように、サル204がゴールマーク203に到達していれば、ナビポイント増加テーブルに基づいて、獲得できるナビポイントが20となる。一方、サル204がゴールマーク203に到達していなければ、ナビポイント増加テーブルに基づいて、獲得できるナビポイントが0ポイントとなる。
以上のようにして獲得したナビポイントは、上述のように、ワークRAM84の所定領域に格納されるポイントカウンタに積算される。
図22の(1)、(2)を参照して、報知演出選択テーブルについて説明する。
報知演出選択テーブルは、決定された内部当籤役を、遊技者に対して報知するために行う報知演出において、この報知演出の種類を乱数抽籤で決定するために必要な情報を備えている。
具体的には、これら報知演出選択テーブルは、内部当籤役のそれぞれ(ハズレ、ベル、スイカなど)に対して規定された複数の報知演出番号(1,2,3,4,5,…)についての抽籤値の情報を備えている。この報知演出番号は、液晶表示部5aで表示される演出画像の内容を直接的又は間接的に規定する報知演出分類名称に対応している。
図22の(1)は、報知演出選択テーブル1を示し、RT非作動中の一般遊技状態、又はRT作動中であって、ナビポイントがない場合(ポイントカウンタが0である場合)に参照される。
ここで、例えば、報知演出番号として「1」が選択されると、報知演出分類名称として「演出なし」が選択される。この場合、遊技者の利益に関連する有意な演出は行われない。
報知演出番号として「2」が選択されると、報知演出分類名称として「小役告知表示」が選択される。この場合、内部当籤役として決定された小役の種類を告知する演出が行われる。この「小役告知表示」では、例えば、この小役の種類に対応する図柄の色を含む画像が液晶表示部5aに表示される。具体的には、内部当籤役として決定された小役がベルであれば、液晶表示部5aに表示される主人公キャラクタ301(図40参照)の服の色が黄色となる。また、内部当籤役として決定された小役がスイカであれば、液晶表示部5aに表示される主人公キャラクタ301の服の色が緑色をとなる。これにより、遊技者に対し、内部当籤役として小役が決定されたことと、決定された子役の種類と、を把握させることができる。
報知演出番号として「3」が選択されると、報知演出分類名称として「青チェリー告知表示」が選択される。また、報知演出番号として「4」が選択されると、報知演出分類名称として「赤チェリー告知表示」が選択され、報知演出番号として「5」が選択されると、報知演出分類名称として「黄チェリー告知表示」が選択される。
上述の場合、内部当籤役として決定されたチェリーの種類を告知する演出が行われる。これらのチェリー告知表示では、例えば、チェリーの種類に対応する図柄の色を含む画像が液晶表示部5aに表示される。具体的には、内部当籤役として決定されたチェリーが青チェリーであれば、液晶表示部5aに打ち上げられる花火を示す演出画像240(図40参照)の色が青色となる。また、内部当籤役として決定されたチェリーが赤チェリーであれば、液晶表示部5に打ち上げられる花火の色が赤色となる。これにより、遊技者に対し、内部当籤役としてチェリーが決定されたことと、決定されたチェリーの種類と、を把握させることができる。
ここで、内部当籤役ごとに、報知演出番号に応じて規定された「抽籤値」とは、抽出した乱数値から減算する値をいう。報知演出番号が「1」の場合から昇順に、各報知演出番号に対応する抽籤値を抽出された乱数値から減算し、その減算した値が負である場合、その抽籤値に対応する報知演出番号が選択される。そのため、抽籤値は、互いに重複することのない数値範囲の情報であるといえる。本実施例では、一の報知演出番号が選択されると、この報知演出番号がワークRAM84の所定領域に格納される。
例えば、図22の(1)に示す報知演出選択テーブル1を参照する場合について説明する。内部当籤役が「ベル」であり、かつ、0〜32767の範囲から抽出した乱数値が25000である場合、初めに、報知演出番号1について乱数値S(25000)−抽籤値T(22766)を計算する。この計算結果Uは2234となり、0以上となる。次に、報知演出番号2について計算結果U(2234)−抽籤値T(5000)を計算する。この計算結果Vは-2766となり、0以下となる。したがって、内部当籤役が「ベル」であり、かつ、抽出した乱数値が25000である場合、報知演出番号は「2」となる。
図22の(2)は、報知演出選択テーブル2を示し、RT作動中の一般遊技状態であって、ナビポイントがある場合(ポイントカウンタが1以上である場合)に参照される。
報知演出選択テーブル2において、内部当籤役がハズレ、ベル、スイカ、リプレイ、BB1、又はBB2である場合の抽籤値は、報知演出選択テーブル1と同一である。これに対し、内部当籤役が青チェリー、赤チェリー、黄チェリー、赤チェリー+BB1、又は黄チェリー+BB2である場合の抽籤値は、報知演出選択テーブル1と異なる。すなわち、報知演出選択テーブル2において、内部当籤役にチェリーが含まれる場合の抽籤値は、報知演出選択テーブル1と異なる。
具体的には、報知演出選択テーブル1では、内部当籤役にチェリーが含まれる場合には、各報知演出番号に対応する抽籤値のうち報知演出番号「1」に対応するものが最も大きいので、報知演出番号「1」が最も選択されやすい。これに対して、報知演出選択テーブル2では、内部当籤役にチェリーが決定された場合には、各報知演出番号に対応する抽籤値のうち報知演出番号「3」〜「5」に対応するものが最も大きいので、報知演出番号「3」〜「5」のいずれかが最も選択されやすい。
すなわち、報知演出選択テーブル1が参照される場合、遊技者は、液晶表示部5aによる演出からは、内部当籤役としてチェリーが決定されていることをあまり把握できない。これに対して、報知演出選択テーブル2が参照される場合、遊技者は、液晶表示部5aによる演出から、内部当籤役としてチェリーが決定されていることを高い確率で把握できる。
なお、詳しくは後述するが、RT作動中に表示役としてチェリーが成立すると、RT作動中フラグがオフに更新される(図33のステップS137参照)。上述のように、RT作動中では、RT非作動中に比べ、内部当籤役としてリプレイに当籤する確率が高くなり、その結果、メダルを投入することなく単位遊技を進められるという利益を高い確率で得ることができる。そのため、遊技者は、RT作動中では、RT作動中フラグをオフに更新させないために、表示役としてチェリーを成立させないように停止操作を行う必要がある。
ここで、上述のように、ナビポイントがある場合には、報知演出選択テーブル2が参照され、内部当籤役としてチェリーが決定されていることを示す演出が行われる。その結果、遊技者は、RT作動中に表示役としてチェリーが成立するのを回避するように停止操作を行うことができるので、報知演出選択テーブル1が参照される場合と比べて高い確率で、RT作動中フラグがオフに更新されることを回避することができ、メダルを投入することなく単位遊技を進められるという利益を得ることができる。
図23及び図24に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、ゲーム開始時(遊技開始時)の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化などを行う。続いて、ゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容を消去し(ステップS2)、ステップS3に移る。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定などを行う。
ステップS3では、ボーナス作動監視処理を行い、ステップS4に移る。この処理では、BB作動中フラグがオンである場合には、RB遊技状態が終了しても続けてRB遊技状態となるように、RB作動中フラグをオンに更新する処理を行う。ステップS4では、メダル投入・スタートチェック処理を行い、ステップS5に移る。この処理では、スタートスイッチ6S、メダルセンサ22S、又はBETスイッチ11からの入力に基づいて、BET数の更新などの処理を行う。
ステップS5では、遊技メダル投入コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS6に移る。ステップS6では、抽籤用の乱数を抽出し、ステップS7に移る。この処理で抽出した乱数は、後述する内部抽籤処理において使用される。ステップS7では、遊技状態監視処理を行い、ステップS8に移る。この処理では、遊技状態移行条件が満たされているか否かを判別し、遊技状態移行条件が満たされていると判別される場合には遊技状態を移行し、遊技状態移行条件が満たされていると判別されない場合には現在の遊技状態を維持する。
ステップS8では、後に図25及び図26を参照して説明する内部抽籤処理を行い、ステップS9に移る。ステップS9では、後に図28を参照して説明するRT遊技数カウンタ(メイン)更新処理を行い、ステップS10に移る。このRT遊技数カウンタ(メイン)は、主制御回路71のRAM33の所定領域に設けられている。なお、本実施例の遊技機1は、RT遊技数カウンタ(サブ)も備える。このRT遊技数カウンタ(サブ)は、副制御回路72のワークRAM84の所定領域に設けられている。
ステップS10では、遊技開始コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS11に移る。この遊技開始コマンドには、遊技状態、内部当籤役などの情報が含まれる。特に内部当籤役の情報には、内部当籤役1格納領域のデータ及び内部当籤役2格納領域のデータが含まれる。ステップS11では、後に図29を参照して説明するリール停止初期設定処理を行い、ステップS12に移る。
ステップS12では、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS14に移り、NOのときは、ステップS13に移る。ステップS13では、ウェイト処理を行い、ステップS14に移る。この処理では、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、所定秒(“4.1秒”など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
ステップS14では、ゲーム監視用タイマをセットし、ステップS15に移る。このゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマが含まれる。ステップS15では、全リールの回転開始を要求し、ステップS16に移る。
ステップS16では、リール停止許可コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS17に移る。ステップS17では、後に図30を参照して説明する停止制御処理を行い、図24のステップS18に移る。
図24のステップS18では、後に図31を参照して説明する表示役検索処理を行い、ステップS19に移る。この処理では、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)を識別するためのフラグをセットする処理を行う。ステップS19では、エラーチェック処理を行い、ステップS20に移る。ステップS20では、表示役成立コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS21に移る。この表示役成立コマンドには、成立した表示役の情報が含まれる。
ステップS21では、メダル払出処理を行い、ステップS22に移る。ステップS22では、払出枚数に基づいてボーナス終了枚数カウンタを更新し、ステップS23に移る。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であることを条件に、このボーナス終了枚数カウンタから払出枚数に応じた値を減算する処理が行われる。
ステップS23では、払出終了コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS24に移る。ステップS24では、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグのいずれかがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS25に移り、NOのときは、ステップS26に移る。
ステップS25では、後に図32を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行い、ステップS27に移る。この処理では、RB遊技状態におけるゲーム回数(遊技回数)が遊技可能回数(例えば、12回)を超えたか否か、RB遊技状態における役の成立回数が入賞可能回数(例えば、8回)を超えたか否か、及びボーナス終了枚数カウンタが0以下になったか否かを判別し、少なくとも一つの条件を満たすと判別した場合には、ボーナスを終了させる。
ステップS26では、後に図33を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い、ステップS27に移る。この処理では、表示役がBB1又はBB2であることを条件に、対応する作動中フラグをオンにし、ボーナスを作動する。このとき、遊技状態はRB遊技状態に移行される。ステップS27では、リプレイ作動チェック処理を行い、図23のステップS2に移る。この処理では、表示役がリプレイであることを条件に、今回のゲームのために投入された投入枚数と同数を自動投入カウンタにセット(自動投入)する。自動投入カウンタは、RAM33の所定領域に設けられている。
図25及び図26を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図5)を参照し、内部抽籤テーブルの種別及び抽籤回数を決定する(ステップS31)。具体的には、一般遊技状態である場合には、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図6)を決定し、抽籤回数として8を決定する。一方、RB遊技状態である場合には、内部抽籤テーブルとしてRB遊技状態用内部抽籤テーブル(図7)を決定し、抽籤回数として5を決定する。続いて、後に図27を参照して説明する内部抽籤テーブル変更処理を行い(ステップS32)、ステップS33に移る。この処理では、一般遊技状態でかつRT作動中である場合に、内部抽籤テーブルを、ステップS31で決定した内部抽籤テーブルを、一般遊技状態用内部抽籤テーブルからRT作動中用内部抽籤テーブル(図8)に変更する。
ステップS33では、持越役格納領域(図14の(3))に格納されたデータ(情報)が“0”か否か(持越役の有無)を判別する。この判別がYESのときは、ステップS35に移り、NOのときは、ステップS34に移る。これにより、持越役の有無を判別することができる。より詳しくは、ステップS33の処理でYESと判別される場合には、持越役がないと判別でき、NOと判別される場合には、持越役があると判別できる。ステップS34では、CPU31は、抽籤回数を“6”に変更(更新)し、ステップS35に移る。
ステップS35では、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットし、ステップS36に移る。上述のステップS31及びステップS35により、当籤番号として、一般遊技状態でかつ持越役がない場合には“8”、一般遊技状態でかつ持越役がある場合には“6”、RB遊技状態の場合には“6”がセットされることになる。ステップS36では、ステップS31及びステップS32で決定した内部抽籤テーブルを参照し、ステップS6で抽出した乱数値と、当籤番号及び設定に応じた下限値(L)及び上限値(U)と、を比較し、ステップS37に移る。ステップS37では、上述の乱数値が下限値以上かつ上限値以下であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS38に移り、NOのときは、ステップS41に移る。
ステップS38では、内部当籤役決定テーブル(図9)を参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役1のデータ及び内部当籤役2のデータを決定するとともに、この当籤番号を所定の領域に格納し、ステップS39に移る。ステップS39では、ステップS38で決定した内部当籤役1のデータを内部当籤役1格納領域に格納し、ステップS40に移る。ステップS40では、ステップS38で決定した内部当籤役2のデータを内部当籤役2格納領域に格納し、ステップS41に移る。
ステップS41では、抽籤回数を1減算し、ステップS42に移る。ステップS42では、抽籤回数が0か否かを判別する。この判別がYESのときは、図26のステップS43に移り、NOのときは、ステップS35に移る。
図26のステップS43では、内部当籤役2格納領域と持越役格納領域との論理和を持越役格納領域に格納し、ステップS44に移る。この処理により、内部当籤役がBBの場合に、このBBを持越役とし、持越役格納領域にBBに対応するデータを格納することができる。具体的には、内部当籤役がBB1の場合には、持越役格納領域に00000001を格納することができ、内部当籤役がBB2の場合には、持越役格納領域に00000010を格納することができる。ステップS44では、内部当籤役2格納領域と持越役格納領域との論理和を内部当籤役2格納領域に格納し、ステップS45に移る。この処理により、BBを持越役としている場合に、内部当籤役2格納領域に持越役としてのBBに対応するデータを格納することができる。具体的には、BB1を持越役としている場合には、内部当籤役2格納領域に00000001を格納することができ、BB2を持越役としている場合には、内部当籤役2格納領域に00000010を格納することができる。
ステップS45では、ボーナスに内部当籤しているか否かを判別する。この処理では、内部当籤役2格納領域が0以外であるか否かを判別する処理を行う。この判別がYESのときは、ステップS46に移り、NOのときは、図23のステップS9に移る。ステップS46では、RT作動中フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS47に移り、NOのときは図23のステップS9に移る。
ステップS47では、RT作動中フラグをオフに更新し、ステップS48に移る。ステップS48では、RAM33の所定領域に設けられたRT遊技数カウンタ(メイン)を0に更新し、図23のステップS9に移る。
図27を参照して、内部抽籤テーブル変更処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS51)。この判別がYESのときは、ステップS52に移り、NOのときは、図25のステップS33に移る。ステップS52では、内部抽籤テーブルをRT作動中用内部抽籤テーブルに変更し、図25のステップS33に移る。
図28を参照して、RT遊技数カウンタ(メイン)更新処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT遊技数カウンタ(メイン)が1以上であるか否かを判別する(ステップS61)。この判別がYESのときは、ステップS62に移り、NOのときは、図23のステップS10に移る。ステップS62では、RT遊技数カウンタ(メイン)を1減算し、ステップS63に移る。
ステップS63では、RT遊技数カウンタ(メイン)が0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS64に移り、NOのときは、図23のステップS10に移る。ステップS64では、RT作動中フラグをオフに更新し、ステップS65に移る。ステップS65では、RT遊技数カウンタ(メイン)を0に更新し、図23のステップS10に移る。
図29を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。
初めに、CPU31は、RAM33の所定領域に格納されている内部抽籤結果情報をセットし(ステップS71)、ステップS72に移る。続いて、ステップS72では、内部当籤役がハズレ又はボーナスのいずれかであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS73に移り、NOのときは、ステップS75に移る。
ステップS73では、フラグ間であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS74に移り、NOのときは、ステップS75に移る。ステップS74では、内部当たりフラグに応じた内部抽籤結果情報をセットし、ステップS75に移る。ステップS75では、内部抽籤結果情報に応じた停止テーブルをセットし、ステップS76に移る。ステップS76では、表示役予想格納処理を行い、図23のステップS12に移る。
図30を参照して、停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押下操作されたか否か、すなわち回転しているリールに対応する停止ボタンが押下操作されたか否かを判別する(ステップS81)。この判別がYESのときは、ステップS86に移り、NOのときは、ステップS82に移る。
ステップS82では、自動停止タイマが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS83に移り、NOのときは、ステップS81に移る。ステップS83では、より右側の回転中のリールを停止制御の対象とし、ステップS84に移る。この処理により、複数のリールが回転中の場合、右側のリールから自動停止する。
ステップS84では、第3停止操作であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS85に移り、NOのときは、ステップS86に移る。ステップS85では、自動第3停止処理を行い、ステップS86に移る。
ステップS86では、図柄カウンタ及びストップボタンの種別に基づいて、図29のステップS75でセットした停止テーブルから滑りコマ数を抽出し、ステップS87に移る。図柄カウンタは、リール3L,3C,3Rが回転している場合に、回転するリール3L,3C,3Rの図柄位置を特定するためのカウンタである。図柄カウンタの値に対応する図柄位置に基づいて、センターライン8cに位置している図柄のコードナンバーを識別できる。すなわち、停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたときの図柄カウンタと停止開始位置とは等価となるので、CPU31は、停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rと停止開始位置とから滑りコマ数を抽出する。
ステップS87では、抽出された滑りコマ数と、表示役予想格納処理において決定された滑りコマ数先の表示役と、を比較して、内部当籤役に基づいた停止が可能な滑りコマ数であるか否かを決定し、ステップS88に移る。ステップS88では、リール停止コマンドを副制御回路72に送信し、ステップS89に移る。
ステップS89では、決定された滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転するのを待ち、ステップS90に移る。ステップS90では、リールの回転停止を要求し、ステップS91に移る。
ステップS91では、押下操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する。具体的には、リール3L,3C,3Rのうち回転しているものがあるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS92に移り、NOのときは、図24のステップS18に移る。ステップS92では、表示役予想格納処理を行い、図24のステップS18に移る。
図31を参照して、表示役検索処理について説明する。この処理は、図柄格納領域及び図柄組合せテーブルに基づいて、表示役の予想又は表示役の決定をするために行われる。
初めに、CPU31は、図柄格納領域の先頭アドレスをセットし、有効ラインカウンタを取得し(ステップS101)、ステップS102に移る。この処理では、有効ラインカウンタの初期値として3がセットされる。続いて、ステップS102では、図柄格納領域(図15)の先頭アドレスを取得し、ステップS103に移る。
ステップS103では、3つの図柄格納領域に格納されている図柄の組合せと比較し、ステップS104に移る。ステップS104では、表示役検索回数が「0」であるか否かを判別する。この判別がYESときは、ステップS105に移り、NOのときは、ステップS106に移る。ステップS105では、表示役に基づいて払出枚数を決定し、払出枚数カウンタを更新し、ステップS106に移る。具体的には、表示役に対応する払出枚数の値を、RAM33の所定領域に設けられた払出枚数カウンタに格納する。払出枚数カウンタは、図24のステップS21のメダル払出処理において払出されるメダルの枚数を計数するためのカウンタである。
ステップS106では、図柄組合せテーブルのアドレスを更新し、ステップS107に移る。ステップS107では、更新したアドレスに対応するデータがエンドコードであるか否か(すなわち、エンドコードを検出したか否か)を判別する。この判別がYESのときは、ステップS108に移り、NOのときは、ステップS103に移る。
ステップS108では、有効ラインカウンタの値が0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図24のステップS19に移り、NOのときは、ステップS109に移る。ステップS109では、有効ラインカウンタの値を1減算し、図柄格納領域のアドレスを更新し、ステップS102に移る。
このように、CPU31は、エンドコードを検出することにより、現在の有効ラインカウンタの値に対応する表示ラインに応じる3つの図柄格納領域に格納されている図柄の組合せと、図柄組合せテーブルに格納される全ての図柄の組合せと、の比較(ステップS103)を行ったと判別し、次の有効ラインカウンタの値に対応する表示ラインに応じる3つの図柄格納領域に格納されている図柄の組合せと、図柄組合せテーブルに格納される全ての図柄の組合せと、の比較を行う。そして、CPU31は、全ての有効ラインで上述の比較を行ったと判別すると、この表示役検索処理を終了する。
図32を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS111)。この判別がYESのときは、ステップS112に移り、NOのときは、ステップS118に移る。ステップS112では、遊技可能回数カウンタを1減算し、ステップS113に移る。
ステップS113では、入賞が成立したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS114に移り、NOのときは、ステップS115に移る。ステップS114では、入賞可能回数カウンタを1減算し、ステップS115に移る。
ステップS115では、遊技可能回数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS117に移り、NOのときは、ステップS116に移る。ステップS116では、入賞可能回数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS117に移り、NOのときは、ステップS118に移る。
ステップS117では、RB終了時処理を行い、ステップS118に移る。この処理では、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアなどを行う。ステップS118では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図24のステップS27に移り、NOのときは、ステップS119に移る。ステップS119では、BB終了時処理を行い、ステップS120に移る。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタのクリアなどを行う。ステップS120では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグをオフにし、BB終了時遊技動作コマンドを副制御回路72に送信するとともに、RT遊技数カウンタ(メイン)を1500にセットし、ステップS121に移る。
ステップS121では、ナビポイント獲得遊技開始コマンドを副制御回路72に送信し、図24のステップS27に移る。
図33を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役がBB1又はBB2であるか否かを判別する(ステップS131)。この判別がYESのときは、ステップS132に移り、NOのときは、ステップS135に移る。ステップS132では、ボーナス作動時テーブル(図11)に基づいてBB作動時処理を行い、ステップS133に移る。この処理では、BB作動中フラグをオンに更新し、ボーナス終了枚数カウンタを465にセットする処理を行う。
ステップS133では、持越役格納領域をクリアし、ステップS134に移る。ステップS134では、ボーナス開始コマンドを副制御回路72に送信し、図24のステップS27に移る。
ステップS135では、表示役がチェリーであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS136に移り、NOのときは、図24のステップS27に移る。ステップS136では、RT作動中フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS137に移り、NOのときは、図24のステップS27に移る。
ステップS137では、RT作動中フラグをオフに更新し、ステップS138に移る。ステップS138では、RT遊技数カウンタ(メイン)を0に更新し、図24のステップS27に移る。
図34を参照して、メインCPU(CPU31)の制御による定期割込処理について説明する。この定期割込処理は、1.1173msごとに行われる。
初めに、CPU31は、入力ポートチェック処理を行い(ステップS141)、ステップS142に移る。この処理では、スタートレバー6の押下操作によるスタートスイッチ6Sからの入力などの有無を確認する。続いて、ステップS142では、通信データ送信処理を行い、ステップS143に移る。
ステップS143では、リール制御処理を行い、ステップS144に移る。この処理では、制御対象のリールを示す情報をリール識別子として設定し、そのリールの駆動を制御する処理を行う。ステップS144では、7SEG駆動処理を行い、ステップS145に移る。ステップS145では、ランプ駆動処理を行い、ステップS146に移る。ステップS146では、タイマ管理処理を行い、定期割込処理を終了する。
図35〜図39に示すフローチャートを参照して、副制御回路72の制御動作について説明する。
図35を参照して、サブ制御処理について説明する。
初めに電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、画像制御マイコン81は、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、プログラムROM83に記憶されたサブ制御処理を順次行うように構成されている。
初めに、画像制御マイコン81は、入力監視処理を行い(ステップS151)、ステップS152に移る。この処理では、コマンドバッファ(主制御回路71から送信されたコマンドを格納する記憶領域)にデータがあるか否かを判別することにより、コマンドを受信したか否かを判別する処理を行う。続いて、ステップS152では、後に図36及び図37を参照して説明するコマンド入力処理を行い、ステップS153に移る。
ステップS153では、音・ランプ制御回路(mSub)72bへコマンドを出力するためのコマンド出力処理を行い、ステップS154に移る。ステップS154では、後に図39を参照して説明する画像描画処理を行い、ステップS155に移る。ステップS155では、VDPカウンタが2以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS156に移り、NOのときは、ステップS151に移る。
ステップS156では、VDPカウンタに0をセットし、ステップS157に移る。ステップS157では、画像制御IC86にバンク切替コマンドを送信し、この画像制御IC86に対して画像データ領域の入替えを行わせ、ステップS151に移る。
図36及び図37を参照して、コマンド入力処理について説明する。
初めに、画像制御マイコン81は、未処理コマンドがあるか否かを判別する(ステップS161)。この判別がYESのときは、ステップS162に移り、NOのときは、図35のステップS153に移る。ステップS162では、遊技データ格納アドレスをセットし、ステップS163に移る。
ステップS163では、未処理コマンドの識別子が04Hであるか、すなわち未処理コマンドが遊技開始コマンドであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS164に移り、NOのときは、ステップS165に移る。ステップS164では、後に図38を参照して説明する報知演出関連処理を行い、図37のステップS175に移る。
ステップS165では、未処理コマンドの識別子が07Hであるか、すなわち未処理コマンドが表示役成立コマンドであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS166に移り、NOのときは、ステップS167に移る。ステップS166では、RT終了判別処理を行い、図37のステップS175に移る。具体的には、表示役がチェリーであれば、RT遊技数カウンタ(サブ)を0に更新する。
ステップS167では、未処理コマンドの識別子が0AHであるか、すなわち未処理コマンドがBB終了時遊技動作コマンドであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS168に移り、NOのときは、図37のステップS169に移る。ステップS168では、RT遊技数カウンタ(サブ)に1500をセットし、図37のステップS175に移る。
図37のステップS169では、未処理コマンドの識別子が0EHであるか、すなわち未処理コマンドがナビポイント獲得遊技開始コマンドであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS170に移り、NOのときは、ステップS174に移る。
ステップS170では、特殊ボタン13が押下操作された回数の計数を開始し、ステップS171に移る。これにより、以降、画像制御マイコン81は、特殊スイッチ13Sから検出信号を受信するごとに、ワークRAM84の所定領域に格納された操作回数カウンタに1を積算する。
ステップS171では、ステップS170の処理が行われてから“10秒”が経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS172に移り、NOのときは、ステップS171を繰り返す。
ステップS172では、特殊ボタン13が押下操作された回数の計数を終了し、ステップS173に移る。これにより、以降、画像制御マイコン81は、特殊スイッチ13Sから検出信号を受信しても、操作回数カウンタに1を積算しない。
ステップS173では、計数結果に応じたナビポイントをポイントカウンタに積算し、ステップS175に移る。具体的には、操作回数カウンタに基づいて、ステップS170の処理が行われてからステップS172が行われるまでの10秒間に、特殊ボタン13が押下操作された回数を検出する。そして、ナビポイント増加テーブル(図18)を参照して、検出した回数に応じて規定されたナビポイントをポイントカウンタに積算する。
ステップS174では、受信したコマンドに応じた処理を行い、ステップS175に移る。ステップS175では、未処理コマンドを処理済みにセットし、図35のステップS153に移る。
図38を参照して、報知演出関連処理について説明する。
初めに、画像制御マイコン81は、RT遊技数カウンタ(サブ)が1以上であるか否かを判別する(ステップS181)。この判別がYESのときは、ステップS182に移り、NOのときは、ステップS189に移る。ステップS182では、内部当籤役がボーナスであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS183に移り、NOのときは、ステップS184に移る。
ステップS183では、RT遊技数カウンタ(サブ)を0に更新し、ステップS184に移る。ステップS184では、RT遊技数カウンタ(サブ)を1減算し、ステップS185に移る。ステップS185では、ポイントカウンタが1以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS186に移り、NOのときは、ステップS189に移る。
ステップS186では、報知演出選択テーブル2(図22の(2))に従い、内部当籤役などに応じた報知演出番号を、乱数抽籤により決定し、この決定された報知演出番号をセットし、ステップS187に移る。ステップS187では、報知演出番号が「3」〜「5」のいずれかであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS188に移り、NOのときは、ステップS190に移る。ステップS188では、ポイントカウンタを1減算し、ステップS191に移る。
ステップS189では、報知演出選択テーブル1(図22の(1))に従い、内部当籤役などに応じた報知演出番号を、乱数抽籤により決定し、この決定された報知演出番号をセットし、ステップS190に移る。
ステップS190では、セットされた報知演出番号に対応する演出データをセットし、図37のステップS175に移る。これにより、報知演出番号に対応する報知演出が行われることとなる。
図39を参照して、画像描画処理について説明する。
初めに、画像制御マイコン81は、上述の報知演出関連処理(図38)などで決定された各種演出データを取得し(ステップS201)、ステップS202に移る。続いて、ステップS202では、取得した各種演出データをVDPに送信し、液晶表示部5aに遊技演出画像を表示し、図35のステップS155に移る。
次に、図40を参照して、RT作動中について説明する。
図40は、RT作動中であり、かつ、ナビポイントが1以上(ポイントカウンタが1以上)である場合に、内部当籤役として赤チェリーが決定され、報知演出番号として4が選択された場合の表示例である。
液晶表示部5aの略中央には主人公キャラクタ301が表示され、主人公キャラクタ301の右方には女性キャラクタ303が表示され、主人公キャラクタ301の左方には親方キャラクタ304が表示されている。また、主人公キャラクタ301の上方には、赤色の花火を示す演出画像240が表示されている。この表示例によると、主人公キャラクタ301が赤色の花火を打ち上げる様子を確認できる。
ここで、図22の報知演出選択テーブルを参照すると、報知演出番号4に対応する報知演出分類名称は赤チェリー告知表示である。チェリー告知表示は、上述のように、主人公キャラクタ301が打ち上げる花火の色でチェリーの種別を告知する。したがって、図40によると、遊技者は、内部当籤役として赤チェリーが決定されていることを把握でき、表示役として赤チェリーを成立させるように停止操作を行うこともでき、また、表示役として赤チェリーを成立させないように停止操作を行うこともできる。
上述のように、RT作動中に表示役としてチェリーが成立すると、RT作動中フラグがオフに更新される。RT作動中では、RT非作動中に比べ、内部当籤役としてリプレイに当籤する確率が高くなり、その結果、メダルを投入することなく単位遊技を進められるという利益を高い確率で得ることができる。そのため、遊技者は、RT作動中においては、RT作動中フラグをオフに更新させないために、表示役としてチェリーを成立させないように停止操作を行う必要がある。したがって、報知演出番号として4が選択され、図40のような表示例が表示されることにより、表示役としてチェリーを成立させないように停止操作を行うことができる。
ここで、図22の報知演出選択テーブルを参照すると、RT作動中であり、かつ、ポイントカウンタが1以上である場合(報知演出選択テーブル2が選択される場合)では、内部当籤役としてチェリーが決定された場合に、各報知演出番号に対応する抽籤値のうち報知演出番号「3」〜「5」に対応するものが最も大きいので、報知演出番号として「3」〜「5」のいずれかが最も選択されやすい。これに対し、RT作動中であり、かつ、ポイントカウンタが0である場合(報知演出選択テーブル1が選択される場合)では、内部当籤役としてチェリーが決定されても、各報知演出番号に対応する抽籤値のうち報知演出番号「1」に対応するものが最も大きいので、報知演出番号として「3」〜「5」のいずれかが選択される確率は低い。
そのため、RT作動中においては、ポイントカウンタが1以上である場合は、ポイントカウンタが0である場合と比べて高い確率で、表示役としてチェリーを成立させないように停止操作を行うことができ、その結果、メダルを投入することなく単位遊技を進められるという利益を得ることができる。
また、ポイントカウンタは、ナビポイント獲得遊技において、遊技者により特殊ボタン13が押下操作された回数に応じて変化する。このため、遊技者は、多くのナビポイントを獲得するために、特殊ボタン13を押下操作する回数を増やす工夫することになるので、遊技が単調になるのを防止できる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
上述の実施例では、ナビポイント獲得遊技において、液晶表示部5aを用いたが、液晶表示部5aに加えてスピーカ9L,9Rを用いて、画像による演出に加えて音による演出を行うことが好ましい。
また、上述の実施例では、ナビポイント増加テーブルとして、図18のテーブルを参照したが、これに限らない。図18のナビポイント増加テーブルでは、ナビポイントを全て正の数としたが、例えば、操作回数カウンタが10未満であれば、獲得するナビポイントを「−10」とするなど、獲得するナビポイントとして負の数を規定してもよい。
また、上述の実施例では、役に対応する数値範囲を連続した値とする内部抽籤テーブルを設けているが、これに限られるものではない。例えば、役に対応する数値範囲を連続しない複数の値を含むものとする内部抽籤テーブルを設けるようにしてもよい。
また、上述の実施例では、遊技機1は、第1種特別役物(RB)を備えることとしたが、第2種特別役物及びこの第2種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置を備えることもできる。第2種特別役物とは、内部抽籤の結果に関わらず入賞に係る条件装置を作動させることとなる役物で、予め定められた場合に作動し、1回の遊技の結果が得られた場合に作動を終了するものをいう。この第2種特別役物には、いわゆるチャレンジゲーム(CG)及び/又はシングルチャレンジゲーム(SCG)を挙げることができる。また、第2種特別役物を連続して作動させる役物連続作動装置には、いわゆるチャレンジボーナス(CB)を挙げることができる。
また、上述の実施例のような遊技機1の他、パロットなどの他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、前述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用や携帯端末用(携帯電話機用、携帯型ゲーム機用など)として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。