JP2012241313A - 外壁構造 - Google Patents

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雅弘 樫田
Kenichi Noda
剣一 野田
Kazutaka Murozono
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Abstract

【課題】壁材が上下方向に突き合わされる場合の外壁材間から屋内への雨水の浸入が抑制され、高い防水性を発揮する外壁構造を提供する。
【解決手段】外壁構造は壁下地2、壁下地2に対して屋外側の位置に設置されている第一の外壁材101及び第二の外壁材102、壁下地2と外壁材101,102との間の位置に設置されている目板材40、及び誘導手段とを備える。第一の外壁材101と第二の外壁材102とは水平方向に隣合うように近接配置される。目板材40が、第一の外壁材101と第二の外壁材102との間の縦目地部を屋内側から覆う位置に配置される。誘導手段が、第一の外壁材101と第二の外壁材102のうち少なくとも一方の上端面上を前記縦目地部から外壁に沿って移動する水の流れを、屋外側或いは目板材と重なる位置において屋内側へと誘導する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の外壁構造に関する。
建物の外壁に複数の外壁材を設置する場合、隣合う外壁材間の隙間から外壁材の裏面側を経て建物駆体への雨水等の浸入が問題となる。このような雨水の浸入抑制のため、従来、種々の提案がされている。
例えば特許文献1では、外壁材の縦目地に断面ハット型のジョイナーを設け、更にこの縦目地にシーリグ材を充填することで、縦目地からの雨水の浸入を防止することが行われていた。更に特許文献1に記載の技術では、ハット型ジョイナーの翼片部の先端が、ハット状中央凸部の高さ方向に矩形に屈曲して延び、屈曲先端部は外壁材に当接されて施工される。この特許文献1では、シーリング材が一部で切れて破損等した場合でも、翼片部と先端部と外壁裏面とで形成される空間に浸入した水が排出されると、されている。
特開2007−70842号公報
しかし、上記のような外壁構造においては、外壁材の上端面上に雨水が浸入し、この雨水が更に外壁材の裏面側へ流れ落ちてしまうことがある。例えば特許文献1に記載の技術では、縦目地から、上下方向に突き合わされている外壁材の間の隙間に雨水が浸入することがあり、シーリング材が劣化していれば雨水は更に浸入しやすくなる。このように浸入した雨水は、外壁材の上端面を目地とは反対側へ向けて流れながら、外壁材の裏面側へと流れ落ちることがある。そうすると、特許文献1のようにハット型ジョイナーが設けられていても、雨水がハット型ジョイナーを通り越してから外壁材の裏面側へと流れ落ちてしまい、これにより建物駆体に雨水が浸入しやすくなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、外壁材が上下方向に突き合わされる場合の外壁材間から建物駆体への雨水の浸入が抑制され、高い防水性を発揮する外壁構造を提供することを目的とする。
本発明に係る外壁構造は、壁下地と、前記壁下地に対して屋外側の位置に設置されている第一の外壁材及び第二の外壁材と、前記壁下地と前記第一の外壁材及び前記第二の外壁材との間の位置に設置されている目板材と、誘導手段とを備え、
前記第一の外壁材と前記第二の外壁材とは、水平方向に隣合うように近接配置されて両者の間に縦目地部が形成され、前記目板材が前記縦目地部を屋内側から覆う位置に配置され、
前記誘導手段が、前記第一の外壁材と前記第二の外壁材のうち少なくとも一方の上端面上を前記縦目地部から外壁に沿って移動する水の流れを、屋外側或いは前記目板材と重なる位置において屋内側へと誘導する。
本発明において、前記目板材の、前記縦目地部よりも前記第一の外壁材寄りの位置と、前記縦目地部よりも前記第二の外壁材寄りの位置の各々に上下方向の凸条が形成され、
前記誘導手段が、前記第一の外壁材と前記第二の外壁材のうち少なくとも一方の上端面上を前記縦目地部から外壁に沿って移動する水の流れを、屋外側或いは前記縦目地部と前記凸条との間の位置において屋内側へと誘導することが好ましい。
本発明に係る外壁構造が、前記複数の外壁材から構成される外壁部を備え、前記外壁部が前記壁下地に対して屋外側の位置に設置され、
前記壁下地と前記外壁部との間に、屋外に連通する通気空間が形成されていることが好ましい。
本発明に係る外壁構造が、前記通気空間と屋外とを接続する連通口を備え、前記通気空間内の壁下地の壁面の面積に対する、前記連通口の開口面積の割合が、65cm/m以上であることが好ましい。
本発明に係る外壁構造が、壁下地に対して外壁材を固定する取付金具を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、外壁材が上下方向に突き合わされる場合の外壁材間から建物駆体への雨水の浸入が抑制され、高い防水性を発揮する外壁構造が実現される。
(a)は本発明の実施形態の一態様における外壁構造での縦胴縁、目板材、及び取付金具の位置関係を示す斜視図、(b)は前記一実施形態における縦胴縁、目板材、取付金具、及び外壁材の位置関係を示す斜視図である。 本発明の実施形態の一態様における外壁構造を示す、一部破断した斜視図である。 本発明の実施形態の一態様における、取付金具を示す斜視図である。 本発明の実施形態の一態様における目板材を示す斜視図である。 本発明の実施形態の一態様における、縦胴縁、目板材、取付金具、及び外壁材の位置関係を示す、概略の断面図である。 本発明の実施形態の一態様における、上下方向に隣合う外壁材同士の接続部分の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態の別の態様に関し、(a)は誘導用部材を示す斜視図、(b)は外壁構造における縦胴縁、目板材、取付金具、外壁材、及び誘導用部材の位置関係を示す斜視図である。 本発明の実施形態の更に別の態様に関し、外壁構造における縦胴縁、目板材、取付金具、及び外壁材の位置関係を示す斜視図である。 本発明の実施形態の更に別の態様に関し、外壁構造における縦胴縁、目板材、取付金具、及び外壁材の位置関係を示す、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 本発明の一実施形態の変形例における、縦胴縁、目板材、取付金具、及び外壁材の位置関係を示す、概略の断面図である。 (a)は前記一実施形態における外壁構造の平面視断面図、(b)は前記一実施形態における外壁構造の側面視断面図である。 前記一実施形態における外壁構造を示す正面図である。 前記一実施形態における外壁構造を示す側面視断面図である。 (a)、(b)及び(c)は、前記一実施形態の変形例を示す正面図である。 (a)、(b)及び(c)は、前記一実施形態の変形例を示す側面視断面図である。
本発明の一実施形態では、建物の外壁構造は、壁下地2と、壁下地2に対して屋外側の位置に設置されている複数の外壁材10と、壁下地2と外壁材10との間の位置に設置されている目板材40とを備える。更に本実施形態では、建物の外壁構造は、取付金具50を備える。
更に本実施形態では、建物の外壁構造は誘導手段を備える。誘導手段は、水平方向に隣合う外壁材のうち少なくとも一方の上端面上における外壁材同士の間の縦目地部から外壁に沿って移動する水の流れを、屋外側或いは目板材40と重なる位置において屋内側へと誘導する手段である。本実施形態における一態様では、後述するとおり取付金具50が誘導片56を備え、この誘導片56が誘導手段を構成する。
図1及び図2に、本実施形態による外壁構造を示す。外壁材10は平板矩形状の板材などで構成される。外壁材10の材質は特に制限されず、セメントを主成分とする窯業系材料から形成されることがその一例として挙げられる。
外壁材10の上端には受け部31が形成され、下端には重ね部32が形成されている。受け部31は外壁材10の上端において、屋内側に偏向した位置から上方に突出している。重ね部32は外壁材10の下端において、屋外側に偏向した位置から下方に突出している。このような受け部31及び重ね部32が形成されていることで、後述するとおり外壁材10の上下あいじゃくり接続が可能となっている。更に外壁材10の下端には、重ね部32よりも屋内側の位置で下方に開口する凹溝33が形成されている。外壁材10の両側の側端面は平坦に形成されている。
図3に示すように、取付金具50の略中央部には下向き係止片51が形成されている。下向き係止片51は、取付金具50の略中央部から屋外側に向けて突出する突出片511と、この突出片511の先端から下方に向けて突出する係止爪512とを備えている。取付金具50には二つの上向き係止片52が、下向き係止片51を挟むように、外壁に沿った水平方向に並んで形成されている。二つの上向き係止片52の各々は、屋外側へ突出する突出片521と、この突出片521の先端から上方へ突出する係止爪522とを備える。取付金具50には、上向き係止片52及び下向き係止片51よりも上方に、取付孔53が形成されている。更に、取付金具50の両側部には屋外側へ向けて突出する支持部54が形成されている。
更に、本実施の形態における一態様では、支持部54の屋内側面には、上下方向の溝(収容溝55)が形成されている。この収容溝55の上端は上方に開放されていると共に下端は下方に開放されている。両方の支持部54の各々からは誘導片56が、屋外側へ向けて突出している。誘導片56は支持部54の屋外側面の一部が屋外側へ向けて切り起こされることで形成されている。突出片511、突出片521、及び誘導片56は、外壁に沿ってほぼ水平方向に並ぶように形成されている。
この取付金具50は、例えば厚み0.8〜1.2mm程度の金属板に曲げ加工等が施されることで作製される。金属板としては、耐食性の高い亜鉛アルミニウムマグネシウム合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等が挙げられる。
図4及び図5に示すように、目板材40は、上下方向に長い板状の部材である。
目板材40の材質は特に制限されず、金属板材、樹脂、アルミ押出成形品等の適宜の材質から形成されてよいが、特に金属板材から形成されることが好ましい。
目板材40には上下方向に長く且つ屋外側へ突出する複数の凸条41が形成されている。目板材40の中央部分には凸条41が形成されていない領域(中央領域42)があり、この中央領域42の、外壁に沿った水平方向の両側の各々に2条の凸条41(411,412)が形成されている。中央領域42の中央部には上下方向に長く且つ屋外側へ突出する目地ガイド43が形成され、それ以外は中央領域42は平坦に形成されている。中央領域42の両側の各々では、2条の凸条411,412が間隔をあけて並行に設けられている。目板材40の、外壁に沿った水平方向の両側の各々における、複数の凸条411,412の更に外側には、凸条41が形成されていない平坦な領域(側部領域44)が形成されている。
凸条41及び目地ガイド43は、例えば目板材40が屈曲されることで屋外側に向けて***した部分で構成される。尚、凸条41及び目地ガイド43が適宜のパッキン材から形成されてもよい。凸条41の形状は本実施形態のような断面三角形状などが挙げられるが、特に制限はない。尚、中央領域42の両側の各々における凸条41の数は、2条以上であることが好ましい。目地ガイド43の形状は、断面矩形状などが挙げられるが、特に制限はない。
図2に示すように壁下地2は外壁の下地である。本実施形態では、壁下地2は複数の柱17と、柱17に取り付けられている面材によって構成されている。面材は、隣合う柱17間の隙間を閉塞する部材である。面材としては適宜の板材などの構造用面材20などが挙げられる。本実施形態では、面材として、構造用面材20と防水シート14とが併用され、柱17に対してその屋外側に構造用面材20が設置され、更にこの板材などの構造用面材20に対してその屋外側に防水シート14が設置されている。これにより、雨水などの水が防水シート14よりも屋内側に浸入することが抑制される。
壁下地2には縦胴縁11が取り付けられている。本実施形態において、縦胴縁11は、壁下地2に対して目板材40及び外壁材10を取り付けるために用いられる上下方向に長い部材である。縦胴縁11は、壁下地2よりも屋外側で、面材を介して柱に重ねられている。縦胴縁11は、例えば釘、ビスなどの固定具が縦胴縁11を貫通して柱17まで打ち込まれることで、壁下地2に取り付けられている。
図1及び図2に示すように、目板材40は縦胴縁11の屋外側の面に重なるように取り付けられる。本実施形態では、目板材40はビス、釘などの固定具13、並びに取付金具50によって、縦胴縁11に取り付けられている。取付金具50は、目板材40の屋外側の面で、側部領域44と重なるように配置される。更に、取付金具50における、目板材40側の収容溝55と、目板材40における最も取付金具50側の凸条412とが重なるように配置され、このため収容溝55の内側に凸条412が収められる。同時に、凸条412と屋内−屋外方向に重なる位置に誘導片56が配置される。本実施形態では、この状態で、固定具13が取付金具50から目板材40を貫通して縦胴縁11まで打ち込まれることで、目板材40が縦胴縁11に固定されると共に、同時に取付金具50が縦胴縁11に取り付けられる。
一つの目板材40における中央領域42の両側の各々において、複数個の取付金具50が上下に並んで取り付けられる。目板材40は、壁下地2に取り付けられる複数の縦胴縁11のうち、隣合う外壁材10間の水平方向の突き合わせ部分と重なる位置にある縦胴縁11に取り付けられる。複数の縦胴縁11のうち、目板材40が取り付けられない縦胴縁11にも、必要に応じて取付金具50が取り付けられる。目板材40の取り付けにあたって、取付金具50が用いられる場合、固定具13は目板材40における側部領域44に打ち込まれてもよい。この場合、後述するとおり雨水等は側部領域44までは浸入しにくいため、固定具が打ち込まれている部分からの建物駆体への雨水の浸入が抑制される。
この壁下地2、目板材40、及び取付金具50の屋外側に、複数の外壁材10が設置される。複数の外壁材10の集合によって外壁部1が構成される。複数の外壁材10は、水平方向及び上下方向に並ぶように設置される。水平方向に隣合う外壁材10同士は互いの端面が対向するように配置される。一方、上下方向に隣合う外壁材10同士は、上側の外壁材10の下端の重ね部32と、下側の外壁材10の上端の受け部31とが嵌合することで、あいじゃくり接続されている。
外壁材10は、図6に示すように取付金具50によって壁下地2に取り付けられている。すなわち、外壁材10の下端の重ね部32及び凹溝33に取付金具50の上向き係止片52が嵌合し、外壁材10の上端の受け部31に取付金具50の下向き係止片51が嵌合することで、外壁材10が固定されている。この場合、一つの取付金具50の上向き係止片52と下向き係止片51とが、上下に隣合う外壁材10同士の間に介在することで、一つの取付金具50によって上側の外壁材10の下端と下側の外壁材10の上端とが同時に固定される。外壁部1における最も下側に設置されている外壁材10の下端は、上向き係止片52を備えると共に下向き係止片51を備えない取付金具50(スタータ金具12(図11(b)参照)によって固定される。外壁材10の設置にあたっては、例えばまずスタータ金具12が設置され、続いて外壁の下側から外壁材10と取付金具50とが順次繰り返して設置されることで、外壁材10が設置される。外壁材1の上端が取付金具50で固定されるにあたり、取付金具50の誘導片56が外壁材10の受け部31の上端面上に配置される。
このような外壁部1における、水平方向に隣合う二つの外壁材10(便宜上、第一の外壁材101及び第二の外壁材102という)の間の突き合わせ部分は、屋内側から目板材40によって覆われる位置に配置される。第一の外壁材101と第二の外壁材102との突き合わせ部分と重なる位置には、目板材40における凸条41が形成されていない中央領域42が配置される。更に、第一の外壁材101と第二の外壁材102との突き合わせ部分において、両者の間には目地ガイド43が介在する。このため、第一の外壁材101と第二の外壁材102との突き合わせ部分に目地(縦目地部)が形成される。また、このように縦目地部と重なる位置に中央領域42が配置されるため、縦目地部よりも第一の外壁材101寄りの位置と、縦目地部よりも第二の外壁材102寄りの位置の各々に、少なくとも2条の上下方向の凸条41が配置される。縦目地部よりも第一の外壁材101寄りに位置する凸条41の稜線は、第一の外壁材101の屋内側表面に接触し或いは近接し、縦目地部部分よりも第二の外壁材102寄りに位置する凸条41の稜線は、第二の外壁材102の屋内側表面に接触し或いは近接する。
さらに、縦目地部部分の両側近傍において、第一の外壁材及び第二の外壁材の各々における受け部31の上端面上に、取付金具50の誘導片56が配置される。この誘導片56は、上記のとおり、凸条412と屋内−屋外方向に重なる位置に配置される。
外壁に沿った水平方向に隣合う外壁材10間の縦目地部には、シーリング材は充填されない。すなわち、本実施形態に係る外壁構造は、ノンシーリング工法により構成される。
このように構成される外壁構造では、外壁部1が風雨に曝されると、シーリングがされていない水平方向に隣合う外壁材10間に形成される目地から雨水が浸入することがある。
しかし、目地は屋内側で目板材40によって覆われているため、この目板材40によって屋内側への雨水の浸入は抑制される。更に、この雨水の水平方向の移動(横走り)は凸条41によって阻まれるため目板材40の外側へ移動することが抑制されると共に、この雨水は下方に流れるように誘導される。このため屋内への雨水の浸入が抑制される。下方に流れる雨水は外壁部1の下端(本実施形態では後述する第一の連通口401)から外部へ排出される。
本実施形態では、縦目地部よりも第一の外壁材101寄りの位置と、縦目地部よりも第二の外壁材102寄りの位置の各々に、少なくとも2条の上下方向の凸条41が形成されているため、目地から浸入した雨水が水平方向に移動して一つの凸条41を乗り越えたとしても、もう一つの凸条41によって水平方向移動が阻止される。このため、屋内への雨水の浸入が著しく抑制される。
更に、雨水が目地から外壁部1の上端面上に浸入し、この上端面上を外壁に沿って水平方向に流れても、この水の流れは、本態様では誘導片56によって阻害されるため、この水が外壁材10に沿って屋内側及び屋外側の少なくとも一方に流れる。水が屋外側に流れれば外壁材10の屋内側への水の浸入が阻止される。また水が屋内側に流れても、誘導片56は凸条412と重なる位置に配置されているため、誘導片56で阻止された水は外壁材と目板材との間において、凸条412よりも内側(縦目地部寄り)の位置で屋内側に流入する。このため、この屋内側へ流入した水の水平方向の移動は凸条412によって阻止されて下方へ流れ、外壁部1の下端(本実施形態では後述する第一の連通口401)から外部へ排出される。
このように本実施形態では、外壁材10の上端面に水が流入しても、この水が誘導されて屋外へ排出されるため、屋内への水の浸入が抑制される。
また、本実施形態では、目地にシーリングがされていないにもかかわらず、目地から屋内への雨水の浸入が抑制される。また目地にシーリングがされていないため、シーリング材を削減することが可能であり、このため施工コストや施工の手間の削減が可能となる。更に、シーリング材の経年劣化を考慮する必要がなくなり、このため、経年劣化したシーリング材を除去して新たなシーリング材を充填するために要する多大な手間が削減される。
凸条41によって雨水の移動が十分に阻止されるためには、凸条41の屋外側への突出寸法は2mm以上であることが好ましい。凸条41の突出寸法の上限は特に制限されないが、外壁材10の施工性や施工後の外壁の外観の向上、特に窓枠などの開口部材の良好な納まりのためには、10mm以下であることが好ましい。また、凸条41と外壁材10との間で雨水が移動することが抑制されるためには、凸条41の稜線と外壁材10の屋内側表面との間の隙間寸法は0〜1.5mmの範囲であることが好ましく、0〜1.0mmの範囲であれば更に好ましい。
目地ガイド43の屋外側への突出寸法は凸条41の突出寸法よりも大きく、且つ外壁材10の厚み寸法よりも小さい。また、目地ガイド43の最小値は特に制限されず、外壁材10を施工する際の横方向の位置決め、施工後の外壁材10の伸縮に伴うズレの抑制などが可能な程度の幅寸法に設定されればよい。例えば、目地ガイド43の幅寸法は、目地ガイド43を構成する材料厚み(折り返して成形される材料、例えば鋼板などであれば材料厚みの略2倍)以上に形成される。また、目地ガイド43と第一の外壁材101との間、並びに目地ガイド43と第二の外壁材102との間に形成される隙間の幅は、屋内への雨水の浸入が十分に抑制されるためには、10mm以下であることが好ましく、2mm以下であれば更に好ましい。
目地から浸入した雨水が下方へ流れ落ちるためのスペースを十分に確保するためには、目地ガイド43とこの目地ガイド43の直ぐ隣に配置されている凸条411との間隔は6mm以上であることが好ましい。また、目地における外壁材10の端面とこの端面の直ぐ外側に配置されている凸条411との間隔(オーバーハング)は、2mm以上であることが好ましい。また、中央領域42の両側の各々において、隣合う凸条411,412間の間隔は3〜10mmの範囲であることが好ましい。
また、本実施形態では、目板材40に目地ガイド43が形成されているため、この目地ガイド43に合わせて外壁材10が設置されることで外壁材10の設置位置の位置合わせが容易となり、また目地幅を一定の幅に設定することが容易になる。更に設置後の外壁材10の位置ずれが抑制される。また、水平方向に隣合う外壁材10の間に一定の幅の隙間(目地)が形成されるにもかかわらず、この隙間に目地ガイド43が介在することで目地からの水の浸入が抑制される。
尚、本実施形態では、誘導片56は凸条412と重なる位置に配置されているが、誘導片56の位置はこの位置には限られない。誘導片56によって水の流れが屋内側又は屋外側へ誘導される際に目板材40と重なる位置において屋内側又は屋外側へと誘導されるのであれば、屋内側へと誘導される場合であっても目地板40によって水の屋内への浸入は抑制されるのであり、その限りにおいて誘導片56は適宜の位置に配置される。
但し、本実施形態では誘導片56は水の流れを凸条412よりも目地側(縦目地部側)寄りの位置で屋内側又は屋外側へ誘導するため、上述のとおり凸条412によって水平方向の水の移動が阻止されることで、屋内への水の浸入が更に抑制される。このように、縦目地部と凸条412との間の位置において水を屋内側又は屋外側へと誘導する誘導手段が採用されることが好ましい。
また、誘導手段の構成は上記のような取付金具50が備える誘導片56には限られない。すなわち、水平方向に隣合う外壁材のうち少なくとも一方の上端面上における外壁材同士の縦目地部から外壁に沿って水平方向に向かう水の流れを、屋外側或いは目板材と重なる位置において屋内側へと誘導する手段であれば、適宜の構造を有する誘導手段が採用され得る。取付金具50が備える誘導片56以外の誘導手段の態様の例を、図7、図8、図9にそれぞれ示す。
図7に示す態様では、外壁構造は誘導片61を備える誘導用部材60を備えている。この誘導用部材60は、取付金具50とは別部材である。この誘導片61の厚み(上下方向寸法)は0.2〜1.5の範囲であることが好ましい。誘導用部材60は、更に誘導片61の屋内側端縁と屋外側端縁の各々から下方を突出する支持片62を備える。二つの支持片62,62間の幅は、外壁材10の受け部31の屋内−屋外方向の寸法と同じか、それよりもやや小さい。
誘導用部材60は、縦目地部の両側近傍において、第一の外壁材及び第二の外壁材の各々における受け部31に、縦目地部と凸条412との間に位置するよう取り付けられる。この誘導用部材60の二つの支持片62が外壁材10の受け部31を挟み込むことで、誘導用部材60が受け部31に安定して固定される。
また、図7に示す態様では、取付金具50の支持部54には誘導片56及び収容溝56は形成されていない。また、取付金具50は、目板材40の屋外側の面で、凸条411,412と重ならずに側部領域44と重なるように配置される。
それ以外は、本態様には、取付金具50が備える誘導片56によって誘導手段が構成される場合と変わるところはない。
このように誘導部材60の誘導片61によって誘導手段を構成すると、取付金具50における誘導片56によって誘導手段を構成する場合と同様に、雨水が目地から外壁部1の上端面上に浸入し、この上端面上を外壁に沿って水平方向に流れても、この水の流れは誘導片61によって阻害されるため、この水が外壁材10に沿って屋内側及び屋外側の少なくとも一方に流れる。水が屋外側に流れれば外壁材10の屋内側への水の浸入が阻止される。また水が屋内側に流れても、誘導片61は縦目地部と凸条412との間に位置するよう取り付けられているため、誘導片61で阻止された水は外壁材10と目板材40との間において、凸条412よりも内側(縦目地部寄り)の位置で屋外側に流入する。このため、この屋外側へ流入した水の水平方向の移動は凸条412によって阻止されて下方へ流れ、外壁部1の下端(本実施形態では後述する第一の連通口401)から外部へ排出される。
本態様では、誘導片61は縦目地部と凸条412との間に位置するよう取り付けられているが、誘導片61の位置はこの位置には限られない。誘導片61によって水の流れが屋内側へ誘導される際に目板材40と重なる位置において屋内側へと誘導されるのであれば、目地板40によって水の屋内への浸入は抑制されるのであり、その限りにおいて誘導片61は適宜の位置に配置される。但し、本態様では誘導片61は水の流れを凸条412よりも目地側(縦目地部側)寄りの位置で屋内側へ誘導するため、上述のとおり凸条412によって水平方向の水の移動が阻止されることで、屋内への水の浸入が更に抑制される。このように、縦目地部と凸条412との間の位置において水を屋内側へと誘導する誘導手段が採用されることが好ましい。
図8に示す態様では、外壁材10の上端部に形成されている溝(誘導溝63)によって、誘導手段が構成されている。誘導溝63は、上方、屋内側方向、及び屋外側方向に開放されている溝である。この誘導溝63は、目地(縦目地部)の両側近傍において、第一の外壁材及び第二の外壁材の各々における受け部31に形成されている。本態様では、誘導溝63は、凸条412よりも目地(縦目地部)側寄りの位置に形成される。
また、図8に示す態様では、取付金具50の支持部54には誘導片56及び収容溝55は形成されていない。また、取付金具50は、目板材40の屋外側の面で、凸条411,412と重ならずに側部領域44と重なるように、またはそれより外側に配置される。
それ以外は、本態様には、取付金具50が備える誘導片56によって誘導手段が構成される場合と変わるところはない。
このように誘導溝63によって誘導手段を構成すると、雨水が目地から外壁部1の上端面上に浸入し、この上端面上を外壁に沿って水平方向に流れても、この水は誘導溝63に落ち込み、更に外壁材10に沿って屋内側及び屋外側の少なくとも一方に流れる。水が屋外側に流れれば外壁材10の屋内側への水の浸入が阻止される。また水が屋内側に流れても、誘導片61は凸条412より目地側寄りの位置に形成されているため、誘導溝63で阻止された水は外壁材10と目板材40との間において、凸条412よりも内側(縦目地部寄り)の位置で屋外側に流入する。このため、この屋外側へ流入した水の水平方向の移動は凸条412によって阻止されて下方へ流れ、外壁部1の下端(本実施形態では後述する第一の連通口401)から外部へ排出される。
誘導溝63の寸法は、上記のように誘導溝63によって外壁材10の上面における水の流れが十分に阻止され、更にこの水が誘導溝63から屋内側と屋外側の少なくとも一方に十分に誘導されるように、適宜設定される。
本態様では、誘導溝63は凸条412よりも目地側の位置に形成されているが、誘導溝63の位置はこの位置には限られない。誘導溝63によって水の流れが屋内側へ誘導される際に目板材40と重なる位置において屋内側へと誘導されるのであれば、目地板40によって水の屋内への浸入は抑制されるのであり、その限りにおいて誘導溝63は適宜の位置に形成される。但し、本態様では誘導溝63は水の流れを凸条412よりも目地側(縦目地部側)寄りの位置で屋内側へ誘導するため、上述のとおり凸条412によって水平方向の水の移動が阻止されることで、屋内への水の浸入が更に抑制される。このように、縦目地部と凸条412との間の位置において水を屋内側へと誘導する誘導手段が採用されることが好ましい。
図9に示す態様では、外壁材10の上端面に形成されている、屋外側へ向けて下り傾斜する傾斜面(誘導面64)によって、誘導手段が構成されている。本態様において、誘導面64は、外壁材10の上端の受け部31の、上面全体に亘って形成されている。
また、図9に示す態様では、取付金具50の支持部54には誘導片56及び収容溝56は形成されていない。また、取付金具50は、目板材40の屋外側の面で、凸条411,412と重ならずに側部領域44と重なるように、またはそれより外側に配置される。
それ以外は、本態様には、取付金具50が備える誘導片56によって誘導手段が構成される場合と変わるところはない。
このように誘導面64によって誘導手段を構成すると、雨水が目地から外壁部1の上端面上に浸入し、この上端面上を外壁に沿って水平方向に流れても、この水の流れは誘導面64の傾斜によって屋外側へ誘導される。
また、外壁部1の上端面上における水の流れは、取付金具によって阻止される。この取付金具は上記のように目板材に重ねて取り付けられている。このため、外壁部1の上端面上を流れる水が誘導面64の傾斜に逆らって屋内側へ向かうとしても、この水は目板材40と重なる位置において屋内側へと誘導される。このため、目地板40によって水の屋内への浸入は抑制される。
外壁材の上端面上を流れる水を誘導面64によって屋外側へ効果的に誘導するためには、誘導面64の水平方向に対する屋外側への傾斜角度θは、5°以上であることが好ましい。
本態様では、誘導面64は外壁材10の上端の全体に亘って形成されているが、誘導面64が外壁材10の上端の一部にのみ形成されていてもよい。例えば誘導面64が、外壁材10の上端における、縦目地部から取付金具50の配置位置まで亘る範囲のみに形成されていてもよい。
また、誘導面64が外壁材10の上端における、縦目地部から凸条412の配置位置まで亘る範囲にのみ形成されていてもよい。この場合、取付金具50の配置位置において外壁材10の上端に傾斜が形成されないので、取付金具50からの荷重がかかる位置において受け部31の強度が十分に高く維持されて受け部31の欠け等の破損が抑制されると共に、外壁材10の上端の傾斜に対応して取付金具50の形状を変更するような必要がなくなる。
誘導手段の構成は、上記態様には限られない。また上記開示されている複数の誘導手段のうちの二以上が組み合わされてもよい。
また、目板材40は目地ガイド43を備えなくてもよい。図10に、目地ガイド43を備えない目板材40、及びこの目板材40を備える外壁構造の概略構成を示す。この外壁構造は、目板材40が目地ガイド43を備えない以外は、上記実施形態と同じ構成を有する。このような目板材40が用いられる場合でも、目地ガイド43による機能が発揮されない以外は、目地からの屋内への雨水の浸入が十分に抑制される。目地ガイド43が形成されない場合の、目板材の好ましい寸法は、目地ガイド43が形成される場合と同じである。更に、目地ガイド43が形成されない場合は、屋内への雨水の浸入が十分に抑制されるためには、第一の外壁材101と第二の外壁材102との間の隙間で形成される目地の幅は12mm以下であることが好ましい。
本実施形態では、前記壁下地2と前記外壁部1との間に、屋外に連通する通気空間3が形成されており、このため、屋内への雨水の浸入が更に抑制される。以下、この点につき詳述する。
図11〜図13に、本実施形態による外壁構造における通気空間3を示す。尚、図11(a)に示すように、柱17よりも屋内側には、適宜の内壁材で構成される内壁部19が設置されている。面材2と内壁部19とに挟まれた空間には断熱材18が配設されている。内壁部19の屋外側には、図示の形態のように防湿シート14aが設けられてもよい。防湿シート14aが設けられることで、屋内への湿気の侵入が抑制される。
本実施形態において、通気空間3は、外壁部1と壁下地2との間に形成されている空間である。通気空間3の厚み(屋内−屋外方向寸法)は、縦胴縁11の厚みと取付金具50の突出幅により確保されている。すなわち、縦胴縁11及び取付金具50がスペーサとなって通気空間3が形成されている。
本実施形態では、外壁材10が取付金具50によって壁下地2に対して取り付けられることで、通気空間3が容易に形成される。
通気空間3の厚み(屋内−屋外方向寸法)は、例えば、20〜23mmに設定される。通気空間3の厚みがこの範囲になることにより通気が確実に確保される。具体的には、縦胴縁11の厚さが18mm、取付金具50の突出幅(働き幅)が5mmであれば、厚み23mmの通気空間3が形成される。
外壁構造の下部には土台部(土台)8が設けられている。土台部8の上側には、柱17などを取り付けるための基礎となる長尺の基台柱(根太)16が横方向に亘って設けられている。図示の形態では、基台柱16の上側に、基台柱16と垂直に縦方向に柱17が配設され、面材は基台柱16と柱17とを覆うようにしてこれらの屋外側表面に配設されている。土台部8の上側における面材の屋外側表面には、外壁に沿った水平方向に長い土台水切り9が設けられている。土台水切り9は、壁下地2の屋外側表面に重ねて配置される固定片9aと、固定片9aの下端から屋外側に向かってわずかに下り傾斜しながら突出する水切り片9bと、水切り片9bの屋外側端部から下方に突出する水切り先端片9cとを備える。固定片9aが壁下地2にビスなどの固定具で固定されるなどして、土台水切り9が設置される。水切り片9bは外壁部1の下端よりも下方に配置されることで、通気空間3と上下に対向する。外壁部1の下端と水切り片9bの屋外側端部との間には、外壁に沿った水平方向に長い開口が形成されており、この開口が、通気空間3と屋外とを接続する連通口4(第一の連通口401)となる。
このような土台水切り9が設けられているため、通気空間3を流れ落ちる雨水、例えば目板材40の凸条41によって遮蔽されて下方へ誘導される雨水が、第一の連通口401から排出される際には、雨水が土台水切り9の水切り片9b上に落下する。更に雨水は土台水切り9の表面をつたって外部に排出され、このとき水は所定の位置に落下する。また、土台水切り9によって通気空間3の下方が閉塞されるので、下から巻き上がる風雨が通気空間3に吹き込まれにくくなり、このため通気空間3内への風力の浸入が抑制される。
更に、外壁構造の上部においては、外壁部1の上端と軒天部(軒天井)7との間に隙間が形成されており、この隙間が通気空間3と屋外とを接続する連通口4(第二の連通口402)となる。また、第二の連通口402よりも屋外側には通気見切り縁15が設けられている。通気見切り縁15は外壁部1から屋外側に所定の距離をおいて配置されることで、第二の連通口402を遮蔽する。通気見切り縁15の下面は開放されており、このため、第二の連通口402を介して通気空間3と外部とが連通する。このような通気見切り縁15により、第二の連通口402が外観上目立たなくなり、また、この通気見切り縁15によって第二の連通口402から通気空間3内への風雨の浸入が抑制される。
このようにして通気空間3が連通口4を介して外部と連通しているため、図13の矢印で示すように外気が通気空間3に侵入して通り抜けやすくなる。すなわち、例えば外気が第一の連通口401から通気空間3内に侵入し、侵入した外気が通気空間3内を上昇し、更に第二の連通口402を通って外部に排出される。このとき、通気見切り縁15が軒天部7の下側に設けられていれば、外気の流れ方向を軒天部7から遠ざけることができ、外気をスムーズに流すことができる。また、外気が湿気を含んでいる場合であっても、外気が直接軒天部7にあたりにくくなる。
このように建物の外部(屋外)と通気空間3とを連通する連通口4が形成されていると、通気空間3と外部との圧力差が小さくなり、このため外壁部1における目地などから屋内への風雨の浸入が抑制される。これにより、更に防水性の高い外壁構造が実現される。連通口4は、例えば壁下地2が部分的に外壁材10で覆われていない箇所などで形成される。
連通口4が形成されていない場合には、例えば外壁部1に風が吹き当てられることで外壁部1の屋外側の圧力が高くなると、隣合う外壁材10間の目地などから屋内側へ外気が流入することで雨水等が流れ込みやすくなる。しかし、本実施形態では連通口4が形成されることで通気空間3と屋外との間の圧力差が小さくなるため、屋外から屋内へ外気や雨水等が流れ込みにくくなる。連通口4から外気や雨水等が流入するとしても、その量は僅かであり、しかも例えば本実施形態では第一の連通口401から速やかに外部に排出される。また多少の水分が壁下地2に付着した程度であれば、屋内への水分の浸入は防水シート14によって十分に抑制される。
このように本実施形態では、外壁部1に風が吹き当てられるなどしても、目地からの雨水の浸入が十分に抑制される。
屋内への雨水等の流入が十分に抑制されるためには、通気空間3と屋外との圧力差は、外壁部1へ吹き当てられる風の風速が20m/sec以下の条件下で50Pa以下となることが好ましい。この場合の外壁部1へ吹き当てられる風は、正面風(壁面に垂直な風)と斜面風(上斜め45°から壁面に向かって吹き降ろす風)の少なくとも一方であればよいが、両方の場合に共に前記圧力差が50Pa以下となることが好ましい。このような外壁構造の性能評価をおこなうための建物に対する散水加圧試験は、JIS A1414「建築構成材(パネル)およびその構造部分の性能試験、6.5 水密試験」に準じて行われ得る。
屋内への雨水等の流入が十分に抑制されるためには、通気空間3内の壁下地2の壁面の面積に対する、連通口4の開口面積の割合が、65cm/m以上であることが好ましい。すなわち、壁面1m当たりの連通口4の開口面積が65cm以上であることが好ましい。ここでいう壁面とは、建物の壁を構成する面のことであり、壁下地2の屋外側の面で構成される、壁面は、概ね土台部8よりも上側でかつ軒天部7よりも下側の面状の部分である。壁面には、窓や換気口などの開口部30の領域は含まれない。通気空間3に連通する連通口4が複数ある場合には、この複数の連通口4の開口面積の合計量の割合が65cm/m以上であることが好ましい。すなわち、本実施形態では、通気空間3に連通する第一の連通口401と第二の連通口402の開口面積の合計量の割合が65cm/m以上であることが好ましい。尚、連通口4は壁面の一部分に集中して設けたり、あるいは、壁面に分散させて設けたりしてもよい。したがって、壁面の面積をSmとした場合に連通口4の面積の合計が65×Scm以上となっていればよい。連通口4の開口面積の割合がこれより小さいと圧力差を小さくすることができなくなるおそれがある。この連通口4の開口面積の割合の上限には特に制限がない。水仕舞いが十分になされることで連通口4からの雨水等の流入が十分に抑制されていれば、連通口4の開口面積の割合は大きいほどよい。なお、連通口4の開口面積の割合が110cm/mまでの範囲では、連通口4の開口面積の割合が増大するに従って差圧が小さくなることが実験により確認されている。
本実施形態のように通気空間3の下端と連通する第一の連通口401が形成されていると、通気空間3に雨水等が浸入しても、この雨水等が第一の連通口401から排出されやすくなる。また、このような第一の連通口401が形成されると、風雨が壁下地2に直接あたる割合が低減する。そのため、連通口4が複数形成される場合には、通気空間3の下端と連通する第一の連通口401の開口面積が、他の連通口4の開口面積よりも大きいことが好ましい。
特にこの第一の連通口401の開口面積は、間口(壁面の横方向の長さ)1mあたり150cm以上であることが好ましい。この場合、屋外と通気空間3の間における空気の移動が確実におこなわれるようになる。そのためには、第一の連通口401の上下方向の長さ(隙間幅)が10〜30mm程度、例えば、18mmであることが好ましい。また、第一の連通口401の上下方向の長さが縦胴縁11の厚みよりも大きいことも好ましい。
第一の連通口401の開口面積は、通気空間3の水平方向での最小断面積の50%よりも大きいことが好ましい。通気空間3の水平方向での最小断面積を基準にするのは、この値が通気空間3内での空気の流れやすさを大きく律するからである。このように第一の連通口401の開口面積は、通気空間3の水平方向での最小断面積の50%より大きければ、第一の連通口401によって通気空間3内の空気の流通が妨げられにくくなり、このため、屋外と通気空間3内との圧力差が更に小さくなる。通気空間3の水平方向での最小断面積とは、外壁材10と壁下地2との間の、縦胴縁11と取付金具50とを除いた領域の面積のことである。ただし、取付金具50は断面積が他に比べて十分小さいので計算上無視してもよい。したがって、通気空間3の水平方向での最小断面積は、通気空間3の幅(外壁材10と壁下地2との間の距離)と、壁面の横方向の長さとを掛け合わせ、壁面に配された縦胴縁11の断面積を減じて得られる値とみなしてよい。
第二の連通口402の開口面積の合計は、壁面1mに対して6.0cm以下であることが好ましい。第二の連通口402の開口面積がこれよりも大きくなると、通気見切り縁15が大きくなりすぎるおそれがある。
図11(a)に示すように、建物の外壁においては、一の壁面(例えば図面において下側の壁面)と、他の壁面(例えば図面において右側又は左側の壁面)とによってコーナー部5が形成されるが、外壁構造にあっては、コーナー部5において一の壁面に設けられた通気空間3と他の壁面に設けられた通気空間3とを分断する通気分断部6が設けられていることが好ましい。本形態においては、長尺に形成された気密パッキン6aを縦方向に亘って配置することによって通気分断部6が形成されている。このように通気分断部6によって、壁面毎に通気空間3を区画することにより、一の壁面における通気空間3から他の壁面における通気空間3へ空気が流れるのを防ぐことができ、通気空間3と外部との圧力差を小さくすることができるものである。
通気空間3と外部との圧力差を小さくするためには、壁下地2には隙間が形成されないことが理想的である。但し、実際の外壁の施工においては、面材と開口部30との接合部分など、具体的にはサッシ(窓枠)や換気扇といった設備の取り付け部などにおいて、わずかな隙間が形成されてしまうことがある。そこで、通気空間3と外部との圧力差を小さくするためには、壁下地2の隙間をできるだけ少なくし、その壁面に対する合計面積が9cm/m以下になるようにすることが好ましい。隙間の壁面に対する合計面積が9cm/mよりも大きいと通気空間3から屋内側へ空気が移動して通気空間3と外部との圧力差を小さくすることができなくなるおそれがある。隙間の合計面積は、開口部30などを設けずに合板などの面材で隙間なく壁一面を覆うことができれば、理論的には0cm/mとなるが、現場の施工においては3cm/m以下であることが現実的である。
開口部30など、屋内外を貫通する開口が設けられる場合は、壁下地2における開口部30の周囲に気密テープを貼着することが好ましい。それにより、気密性を確保することが可能になる。面材を構成する板材などの構造用面材20同士の突合せ部分にも隙間ができることがあるが、この突合せ部分には、板材などの構造用面材20間を架け渡して防水シート14を貼着するようにすれば、気密性を高めることができる。
壁下地2にはエアコン等により、外壁の施工後に、開口が設けられることがある。そこで、外壁施工時における壁面に対する隙間の開口面積の合計は5cm/m以下であることが好ましい。隙間の開口面積をこの範囲にすることにより、気密性を確保することがより可能となる。
図14に、壁面の高さの高い外壁構造の形態を示す。このような形態は、二階建て又は三階建て以上の建物に用いられるものである。壁面の高さが高くなると、壁面の面積も必然的に大きくなるため、それに従い連通口4の開口面積も大きくする必要がある。
図14(a)では、土台部8の上側に面積の大きい連通口4を形成し、軒天部7の下側に面積の小さい連通口4を形成している。このような設計では、開口面積を上記に示す範囲にしようとした場合、土台部8での連通口4による開口が大きくなりすぎるおそれがあり、例えば、一階建てであれば開口幅18mmにて設計される連通口4が二階建てでは開口幅36mmになり、風雨が入り込んだり外観が悪くなったりするおそれがある。
そこで、図14(b)では、土台部8の上側と、階高の途中(上階部と下階部の境界部分など)とに、面積の大きい連通口4を形成し、軒天部7の下側に面積の小さい連通口4を形成している。このとき、それぞれの連通口4、4間の距離は3m以内であることが好ましい。この形態では、連通口4による開口が所定の箇所に分散されるため、それぞれの開口面積を小さくすることができる。
また、図14(c)では、土台部8の上側に面積の大きい連通口4を形成するとともに、軒天部7の下側に面積の小さい連通口4を形成し、さらに上下に隣り合う外壁材10、10間(いわゆる横目地部)に横方向に延伸する隙間として連通口4を形成するようにしている。この場合、連通口4の開口がさらに分散されて、開口をより目立たなくすることができる。
図15に、階高の途中に連通口4が形成された構造の一例を示す。図15(a)及び(b)は、図14(b)の形態に対応するものであり、階高水切り22によって外壁部1が分断されており、この階高水切り22の上下両側に連通口4が設けられている。階高水切り22を用いることにより階高の途中で水切りを行うことができ、また開口を目立たなくすることができる。そして、図示の階高水切り22においては、垂下する階高水切り先端片22aが、階高水切り22の下側に設けられた連通口4の開口前面を覆っているので、階高水切り22の下側の連通口4に直接風雨が吹き込むようなことを防ぐことができる。
図15(a)では、階高水切り22は縦胴縁11の屋外側の表面に取り付けられている。また、図15(b)では、階高水切り22は壁下地2の表面に取り付けられており、外壁部1及び縦胴縁11が上下方向で分断されている。この形態では、各階毎に縦胴縁11と外壁部1とを形成することが可能となる。図15(a)及び(b)においては、下階部と上階部との境界に屋根部21が形成される場合、連通口4をこの屋根に隣接して形成すると開口がより目立たなくなるので好ましい。
図15(c)は、図14(c)の形態に対応するものであり、外壁材10、10間の隙間により連通口4が形成されている。外壁材10、10間の隙間を連通口4にする場合、開口を分散してより目立たなくすることができる。外壁材10、10間の隙間の幅Lは、適宜に設計することができ、例えば1〜5mm程度、具体的には3mmなどにすることができる。連通口4の開口面積の合計量が上記の範囲を満たすためには、外壁材10、10間の隙間の幅Lは1.5mm以上であることが好ましい。
縦胴縁11は通気空間3内に配置されるため空気の移動を妨げるおそれがある。したがって、空気の流れをスムーズにするために、連通口4は縦胴縁11の長手方向と垂直な方向に形成されること、すなわち縦胴縁11と連通口4とが略直交して形成されることが好ましい。例えば上述したように、壁面の下端部(土台部8の上側)と壁面の上端部(軒天部7の下側)に連通口4を設けることができ、さらに上下の外壁材10の隙間にも連通口4を設けることができる。これにより、縦胴縁11と垂直な方向である横方向に直線状の連通口4を形成することができる。
なお、上記の実施の形態では、外壁部1の下端部で開口する第一の連通口401と、外壁部1の上端部で開口する第二の連通口402の両方が形成された形態を主に示したが、第一の連通口401と第二の連通口402のいずれか一方が形成されていてもよい。あるいは、第一の連通口401と第二の連通口402をいずれも形成せずに、外壁材10間の隙間などに連通口4を形成し、これにより連通口4の必要な開口面積を確保してもよい。
通気空間内の壁下地の壁面の面積に対する、前記連通口の開口面積の割合が、65cm/m以上である場合に、通気空間3と外部空間との圧力差が特に低くなることについて検証したので、その結果を示す。
図11〜図13に示すような外壁構造の試験体(家屋)を用い、通気空間3に発生する差圧(外部空間との圧力差)を測定した。試験体には、厚み18mmの縦胴縁11、突出幅5mmの取付金具50を使用し、通気空間3の厚みを23mmとした。矩形状の外壁材10を横張りして外壁部1を形成した。また、壁面を通気分断部6(気密パッキン6a)によって面毎に区画分けした。壁面内では区画分けしなかった。また、壁下地2には合板による構造面材を用い、軒天部7の下側には通気見切り縁15を配設した。壁下地2の開口面積は、実際の隙間が9cm/mであり、抵抗を計算した有効開口面積が5cm/mであった。壁面の寸法は、縦2.4m×横5.4m(面積:13.0m)とした。開口部30は設けなかった。連通口4の位置は、土台部8の上側と、軒天部7の下側(見切部)と、外壁材10、10間の隙間(基材部)とし、連通口4の形状は、横方向に延伸する直線状とした。その他の仕様は、表1の通りである。
試験体の壁面に対して、風速5m/sec(想定風速20m/secの評価を、設備の制約上、風速5m/secにて計測し、下記換算式により換算することにより行う)にて、正面風(壁面に対し垂直方向の風、水平方向に対する角度0°)、又は、斜面風(壁面に対し斜め方向から吹く風、水平方向に対する角度45°)を当てて、通気空間3と外部との圧力差を壁面の多数箇所において測定し、その最大値に着目した。なお、想定風速20m/secにおける圧力差で評価するために、換算式P=V×1/2×ρ (P:風圧力、V:風速、ρ:空気密度)を用いて圧力差を求めた。圧力の測定は、バラトロン(日本エム・ケー・エス(株)、220DD−00001A2B)を用い、測定箇所1点につき30秒間300点を平均することにより行った。なお、想定風速20m/secにお
いて、発生差圧が50Pa以下になるためには差圧係数ΔCpが約0.21以下になる必要がある。結果を表1に示す。
表1に示すように、連通口4の開口面積が大きい方が、発生差圧ΔPが小さくなることが確認された。
Figure 2012241313
1 外壁部
101 第一の外壁材
102 第二の外壁材
2 壁下地
3 通気空間
4 連通口
40 目板材
41 凸条
50 取付金具

Claims (5)

  1. 壁下地と、前記壁下地に対して屋外側の位置に設置されている第一の外壁材及び第二の外壁材と、前記壁下地と前記第一の外壁材及び前記第二の外壁材との間の位置に設置されている目板材と、誘導手段とを備え、
    前記第一の外壁材と前記第二の外壁材とは、水平方向に隣合うように近接配置されて両者の間に縦目地部が形成され、
    前記目板材が、前記縦目地部を屋内側から覆う位置に配置され、
    前記誘導手段が、前記第一の外壁材と前記第二の外壁材のうち少なくとも一方の上端面上を前記縦目地部から外壁に沿って移動する水の流れを、屋外側或いは前記目板材と重なる位置において屋内側へと誘導する外壁構造。
  2. 前記目板材の、前記縦目地部よりも前記第一の外壁材寄りの位置と、前記縦目地部よりも前記第二の外壁材寄りの位置の各々に上下方向の凸条が形成され、
    前記誘導手段が、前記第一の外壁材と前記第二の外壁材のうち少なくとも一方の上端面上を前記縦目地部から外壁に沿って移動する水の流れを、屋外側或いは前記縦目地部と前記凸条との間の位置において屋内側へと誘導する請求項1に記載の外壁構造。
  3. 前記複数の外壁材から構成される外壁部を備え、前記外壁部が前記壁下地に対して屋外側の位置に設置され、
    前記壁下地と前記外壁部との間に、屋外に連通する通気空間が形成されている請求項1又は2に記載の外壁構造。
  4. 前記通気空間と屋外とを接続する連通口を備え、前記通気空間内の壁下地の壁面の面積に対する、前記連通口の開口面積の割合が、65cm/m以上である請求項3に記載の外壁構造。
  5. 壁下地に対して外壁材を固定する取付金具を更に備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の外壁構造。
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