JP5958342B2 - 発光素子用基板および発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子用基板およびこれを用いた発光装置に関する。
従来、発光ダイオード素子等の発光素子を搭載するための配線基板は、絶縁基板の表面あるいは内部に配線導体層が配設された構造からなる。この配線基板の代表的な例として、アルミナセラミックスからなる絶縁基板(以下、アルミナ基板という)がある。このアルミナ基板には、上部に発光素子を収容するための凹部が形成され、その表面および内部には、タングステン、モリブデン等の高融点金属粉末からなる複数個の配線導体層が配設され、該配線導体層が凹部内に収納される発光素子と電気的に接続されるものがある。このような発光素子が搭載される配線基板(以下、発光素子用基板、又は単に基板ということもある)には、さらに、発光素子が発生する熱を速やかに放熱させる、あるいは発光素子が発光する光を可能な限り前方に反射させる等の、電気的な接続以外の目的で金属層が設けられる場合が多い。
また、発光素子用基板として、アルミナ基板以外に、低温焼成化、低誘電率化および高電気伝導性の銅、銀配線が可能なことから、低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co−fired Ceramics。以下、LTCCと示す。)により構成された絶縁基板が提案されている。
上記凹部を有する発光素子用基板は、一般的には、少なくとも凹部の底面を構成する平板状のグリーンシート(セラミックス基体前駆体ともいう)と、凹部の壁部を構成する貫通孔を有するグリーンシート(セラミックス枠体前駆体ともいう)を積層した積層体を焼成することで製造される。この際、配線導体層は、グリーンシート積層体を焼成する前、グリーンシートの積層の前または後に各グリーンシート表面または内部に形成され、グリーンシート焼成時に同時に焼成される。上記したセラミックス基体前駆体およびセラミックス枠体前駆体は、単層で構成されても、複数層で構成されていてもよい。
ここで、このようにして製造される凹部を有する発光素子用基板においては、上記製造過程で焼成収縮による応力集中等が発生し、得られる基板の凹部底面を構成する平板状のセラミックス基体の中央部が反り上がるという問題が発生していた。この反りを有する基板を用いると、基板に発光素子を搭載する際には、発光素子の搭載位置やボンディングワイヤの位置がずれ、断線が生じる、発光素子が傾きをもって搭載され光の指向性に影響する、等の点で問題であった。また、この基板をプリント配線基板等に半田を用いて実装する際には、この基板の裏面側における反りにより、基板と半田の間に部分的に隙間が生じ、断線の原因や放熱の妨げになる等の問題があった。
上記凹部を有する発光素子用基板の反りの問題を解決するために、例えば、特許文献1においては、凹部底面を構成する平板状のセラミックス基体や凹部の壁部を構成する貫通孔を有するセラミックス部材について、両者の界面付近にそれ以外の部分を構成するセラミックス材料と収縮性の異なるセラミックス材料からなる層を形成させる方法をとっている。
また、特許文献2および特許文献3においては、凹部底面を構成する平板状のセラミックス基体について、凹部底面に相当する部分に貫通孔を有する層厚の薄いグリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層して作製することにより、中央部(凹部底面)の反り上がりを抑えつつ、さらに凹みを形成させ、その凹み部分を充填するように上記平板状のセラミックス基体の表面全面または部分的に導体層を形成させることで、凹部底面の平坦化を図っている。
日本特開2007−281108号公報 日本特開2010−186880号公報 日本特開2010−186881号公報
本発明は、上記凹部を有する発光素子用基板の反りの問題を解決するためになされたものであって、基板全体の反り量が低減された凹部を有する発光素子用基板およびこれを用いた光の指向性や電気的な接続等に信頼性の高い発光装置の提供を目的とする。
本発明の発光素子用基板は、第1の無機絶縁材料からなる主面が平坦な板状の基体と、前記基体の上側主面に接合された第2の無機絶縁材料からなる枠体とを有し、前記基体の上側主面の一部を底面とし前記枠体の内壁面を側面として形成される凹部の底面に発光素子の搭載部を有する発光素子用基板であって、前記凹部底面上に、少なくともその一部が凹部底面の外周を跨いで枠体と基体の間に配置され、かつ基体の外縁に達しないように配設された金属層を有し、前記金属層の外縁の形状はn多角形であり、前記金属層のn個の角部が前記凹部底面の外周を跨いで配設され、前記金属層が前記凹部底面の外周を跨いでいる部分の前記凹部底面の外周の合計長が、前記凹部底面の全外周長に対して40%以上であることを特徴とする。
本発明の発光素子用基板において、前記凹部底面の外周は円形が好ましい。前記金属層の外縁の形状は矩形が好ましい。また、前記凹部底面の外周から前記枠体と基体の間の前記金属層の端縁までの距離(L)については、100〜200μmが好ましい。
上記した数値範囲を示す「〜」とは、特段の定めがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用され、以下本明細書において「〜」は、同様の意味をもって使用される。
本発明の発光素子用基板において、前記金属層は、上記のように設けられることで基板全体の反りを低減する機能を有するが、この金属層は、例えば発光素子の電極と電気的に接続される素子接続端子や放熱層、反射層または反射層形成のための下地層を兼ねることができる。この場合、前記金属層は凹部底面の外周を跨いで枠体と基体の間に配置される。なかでも、配設する形状を比較的自由に選択できる反射層として、または反射層形成のための下地層として前記金属層を設けることが好ましい。
さらに、本発明の発光素子用基板においては、前記基体および枠体をそれぞれ構成する前記第1の無機絶縁材料および第2の無機絶縁材料がともにガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体であり、前記金属層を構成する金属が銀を主成分とする金属が好ましい。
また、本発明の発光素子用基板においては、前記第1の無機絶縁材料および第2の無機絶縁材料がともにアルミナセラミックス組成物の焼結体であり、前記金属層を構成する金属がタングステンおよびモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属であるのが好ましい。また、前記したタングステンおよびモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属層上に銀を主成分とする金属の反射層を形成するのが好ましい。
本発明の発光装置は、上記本発明の発光素子用基板と、前記発光素子用基板に搭載される発光素子とを有することを特徴とする。
本発明によれば、凹部を有する発光素子用基板において、基板全体の反り量が低減された発光素子用基板を提供できる。また、本発明によれば、このような発光素子用基板に発光素子を搭載することで、光の指向性や電気的な接続等において信頼性の高い発光装置を提供することができる。
本発明の発光素子用基板の実施形態の一例を示す図面で、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 本発明の発光素子用基板の実施形態の別の一例を示す図面で、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図1に示す発光素子用基板を用いた本発明の発光装置の一例を示す図面で、(a)は平面図であり、(b)断面図である。
以下に、図を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、下記説明に限定して解釈されるものではない。
本発明の発光素子用基板は、第1の無機絶縁材料からなる主面が平坦な板状の基体と、前記基体の上側主面に接合された第2の無機絶縁材料からなる枠体とを有し、前記基体の上側主面の一部を底面とし前記枠体の内壁面を側面として形成される凹部の底面に発光素子の搭載部を有する発光素子用基板であって、前記凹部底面上に、少なくともその一部が凹部底面の外周を跨いで枠体と基体の間に配置され、かつ基体の外縁に達しないように配設された金属層を有することを特徴とする。
本明細書において、主面が平坦な板状の基体とは、上側、下側の主面がともに目視レベルで平板形状と認識できるレベルの平坦面を有する基体をいい、以下、「略平板状の基体」とは、上下の主面がこのような平坦面からなる基体のことをいう。また、以下同様に、略を付けた表記は、特に断わらない限り目視レベルでそのように認識できるレベルのことをいう。
本発明によれば、凹部を有しその底面に発光素子を搭載する無機絶縁材料からなる発光素子用基板において、凹部底面上で、少なくともその一部が凹部底面の外周を跨いで、凹部壁面を構成する枠体と凹部底面を構成する基体の間に配置され、かつ基体の外縁に達しないように配設された金属層を有することで、発光素子用基板の反り量、具体的には、中央に反り上がる反りの割合を低減することを可能としている。これにより、凹部底面は平坦化され、発光素子を搭載する際の発光素子の位置ずれや傾きが低減し、光の指向性が設計と異なるという問題や、ボンディングワイヤの位置ずれによる断線の発生を抑制できる。また、この発光素子用基板をプリント配線基板等に半田を用いて実装する際に、基板の反りが原因で発生していた断線や放熱性の悪化等の問題も低減できる。
本発明の発光素子用基板においては、通常、凹部底面に設けられる、素子接続端子や放熱層、反射層または反射層形成のための下地層等を配設する際に、その一部が凹部底面の外周を跨ぐように設けることができれば、上記基板全体の反りを低減するための金属層をこれらと別に設ける必要はない。すなわち、本発明においては、通常、反りを低減するための金属層は、その一部が凹部底面の外周を跨ぐように配設された上記素子接続端子、放熱層、反射層または反射層形成のための下地層等で構成される。なかでも、配設する形状を比較的自由に選択できる反射層または反射層形成のための下地層として上記金属層を設けることが好ましい。
本発明において基板の反りを低減するために凹部底面に配設される金属膜は、上記反射層を構成する層として金属層が用いられる場合には、当該反射層の金属層が、本発明における金属層であっても良く、また上記下地層を構成する層として金属層が用いられる場合には、当該下地層の金属層が、本発明における金属層であっても良い。
また、上記基体および枠体をそれぞれ構成する第1の無機絶縁材料および第2の無機絶縁材料として、具体的には、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体(以下、LTCC(低温同時焼結セラミック)と記すことがある。)等のセラミックスが挙げられる。これらセラミックスはそれぞれ焼成温度が異なるため、通常、基体と枠体は同種のセラミックスからなる。本発明においては、上記第1および第2の無機絶縁材料として、製造の容易性、易加工性、経済性等の観点からLTCCが好ましい。なお、第1および第2の無機絶縁材料は、同種のセラミックスからなる限りにおいては、例えば、LTCCにおいて基体に高い抗折強度が得られるガラスセラミックス組成物を適用し、枠体に拡散反射性を重視したガラスセラミックス組成物を適用するというように、基体および枠体の要求特性に応じてガラス粉末やセラミックス粉末の原料組成は異なっていてもよい。
ここで、上記無機絶縁材料としてLTCCを選択した場合には、低温焼成が可能なことから上記金属層として銀を主成分とする金属層(例えば、銀を95質量%以上含有する金属層または合金層を指す。)を用い、これを反射層として発光素子用基板を設計することが好ましい。また、上記無機絶縁材料としてアルミナセラミックス等の高温同時焼成セラミックスを選択した場合、高温焼成が必要なことから上記金属層としては、タングステンおよびモリブデンからなる群から選ばれる高融点金属の少なくとも1種を主成分とする高融点金属からなる金属層が選ばれる。基板の反りを低減するために形成されるこれら高融点金属層では反射層としての機能が十分でないため、通常、焼成後に高融点金属層上に銀等の反射性の良好な金属を用いた反射層を形成する。このような高融点金属層を採用する場合には、高融点金属層は、下地層としても機能するように設計される。
本発明の発光素子用基板における実施形態の一例として、第1および第2の無機絶縁材料がそれぞれLTCCからなる基体と枠体で構成され、金属層が反射層として設計された発光素子用基板について以下に説明する。
図1において(a)は、本発明の実施形態である発光素子を1個搭載するための発光素子用基板1の一例を示す平面図、(b)は、(a)のX−X線断面図である。
発光素子用基板1は、これを主として構成する略平板状の、かつ上から見た形状が略正方形の基体2を有する。基体2は発光素子用基板とした際に発光素子を搭載する上側の面を主面21として有し、本例においてはその反対側の面を裏面23とする。基体2の厚さ、大きさ等は特に制限されず、通常の発光素子用配線基板と同様とすることができる。発光素子用基板1は、さらに、基体2の主面21の中央の略円形部分を底面24とする凹部4を構成するように基体の主面21の周縁部に接合された枠体3を有する。なお、この凹部4の側面25は、枠体3の内側の壁面で構成されている。発光素子用基板1においては、凹部底面24の略中央部が発光素子の搭載される搭載部22となっている。
ここで、凹部4の側面25は、その底面24に対して略垂直に設けられている。つまり枠体3は、上下で開口部が同じ形状となるように成形され、基体主面21の周縁部に接合されている。枠体3の形状は必要に応じて、例えば、上側の開口部が大きく下側の開口部が小さい側面がテーパー状に成形されたものであってもよい。
上記凹部4の側面25と発光素子搭載部22の端縁との間の距離の具体的な数値は、搭載される発光素子の出力や、大きさ(サイズ)、さらに、必要に応じて、例えば、後述の封止層に含有させる蛍光体の種類やその含有量、変換効率等にもよるが、例えば、発光素子が発光する光が最も効率的に光取り出し方向に発光される距離を指標として用いてもよい。
また、上記凹部4の側面25の高さ、すなわち凹部4の底面24から枠体3の最高位までの距離(すなわち、枠体3の高さ)は、搭載される発光素子からの光を光取り出し方向に十分反射できる高さであれば、特に制限されない。具体的には、発光装置の設計、例えば、搭載される発光素子の出力や、上記発光素子搭載部の端縁からの距離等にもよるが、発光装置を搭載する製品の形状や波長変換のための蛍光体を含有した封止材を効率よく充填する等の観点から、発光素子が搭載されたときの発光素子の最高部の高さより100〜500μm高くすることが好ましい。なお、枠体3の高さは発光素子の最高部の高さに450μmを加えた高さ以下がより好ましく、400μmを加えた高さ以下がさらに好ましい。
本例において基体2および枠体3は、ともにLTCCで構成される。基体2を構成するLTCC材料については、発光素子の搭載時、その後の使用時における損傷等を抑制する観点から、例えば、このLTCC材料により形成された基体2および枠体3の抗折強度は250MPa以上が好ましい。枠体3を構成するLTCC材料は、基体2との密着性を考慮すると、基体2を構成する材料と同じものが好ましい。
また、発光装置の要求特性に応じて、上記LTCC材料として、拡散反射性を有するLTCC材料でもよい。拡散反射性を有するLTCCとしては、発光装置において光取り出し効率の向上が見られるものであれば、特に制限されない。好ましくは、銀反射膜に相当する光取り出し効率が得られるものが用いられる。なお、拡散反射性を評価する指標として、JIS K 7105により測定されるヘイズ値が用いられるが、その値は95%以上が好ましく、98%以上がより好ましい。
なお、このような基体2および枠体3を構成するガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体の原料組成、焼結条件等については、後述の通りである。
発光素子用基板1においては、基体2の主面21の一部で構成される凹部底面24上に、発光素子が有する一対の電極とそれぞれ電気的に接続される素子接続端子5が、この発光素子搭載部22の外側となる周辺部、具体的には両側に対向するようにして略長方形状に一対設けられている。
基体2の裏面23には、外部回路と電気的に接続される一対の外部接続端子6が設けられ、基体2の内部に、上記素子接続端子5と外部接続端子6とを電気的に接続する貫通導体7が一対設けられている。素子接続端子5、外部接続端子6および貫通導体7については、これらが発光素子→素子接続端子5→貫通導体7→外部接続端子6→外部回路との経路により電気的に接続される限りは、その配設される位置や形状は図1に示されるものに限定されず、適宜調整できる。
これら素子接続端子5、外部接続端子6および貫通導体7(以下、これらをまとめて「配線導体」ということもある。)の構成材料は、通常、発光素子用基板に用いられる配線導体と同様の構成材料であれば特に制限なく使用できる。これら配線導体の構成材料として、具体的には、銅、銀、金等を主成分とする金属材料が挙げられる。このような金属材料のなかでも、銀、銀と白金からなる金属材料、または銀とパラジウムからなる金属材料が好ましく用いられる。
なお、素子接続端子5や外部接続端子6においては、これらの金属材料からなる、好ましくは厚さ5〜15μmの金属層上に、この層を酸化や硫化から保護しかつ導電性を有する導電性保護層(図示せず)が、その端縁を含む全体を覆うように形成された構成が好ましい。導電性保護層としては上記金属層を保護する機能を有する導電性材料で構成されていれば、特に制限されない。具体的には、ニッケルメッキ、クロムメッキ、銀メッキ、ニッケル/銀メッキ、金メッキ、ニッケル/金メッキ等からなる導電性保護層が挙げられる。
本発明においては、これらのうちでも、上記素子接続端子5および外部接続端子6を被覆保護する導電性保護層として、例えば、後述する発光素子の電極との接続に用いるボンディングワイヤやその他接続材料との良好な接合が得られる等の点から、少なくとも最外層に金メッキ層を有する金属メッキ層を用いることが好ましい。導電性保護層は、金メッキ層のみで形成されていてもよいが、ニッケルメッキの上に金メッキを施したニッケル/金メッキ層として形成されていることがより好ましい。この場合、導電性保護層の膜厚としては、ニッケルメッキ層が2〜20μm、金メッキ層が0.1〜1.0μmが好ましい。
本発明の発光素子用基板において反りを低減するために配設される金属層、本例では反射層の機能を兼ねる金属層8は、凹部4の底面24上に、該底面24の上記一対の素子接続端子5が配設された部分とその周囲近傍を除く領域を含み、さらにその端縁が凹部底面24の外周Aを跨いで枠体3と基体2の間に配置され、かつ基体2の外縁に達しないように配設されている。ここで、上記素子接続端子5が配設された部分とその周囲近傍を除く領域とは、具体的には、素子接続端子5と金属層8が電気的に絶縁され、さらに、積層時や印刷時の位置ズレなどの製造面での不具合により、絶縁性の悪化や、素子接続端子5の導電性の阻害などが発生しないように考慮した領域であり、好ましくは素子接続端子5の端縁から100μm以上外側の領域であり、より好ましくは上記端縁から150μm以上外側の領域である。
図1に示すように発光素子用基板1において、金属層8は、凹部4の底面24の外周と中心を同じにした相似形状(略円形状)で、底面24の外周の全てを跨いでいる。ここでは略円形の端縁に形成されている。凹部4の底面24の外周から金属層8の端縁までの距離Lは、発光素子用基板の反りが十分に低減され、かつ枠体3と基体2の接合が十分な密着強度を持ってなされるように適宜選択される。さらに、発光素子用基板1を製造する際の、金属層8の配設位置のずれ(印刷ずれ)や枠体3と基体2の積層ずれ等を勘案すると、凹部4の底面24の外周から金属層8の端縁までの距離Lは、100〜200μmが好ましく、130〜170μmがより好ましい。
なお、図1に示す発光素子用基板1において、上記金属層8はその端縁が凹部4の底面24の外周の全てを跨いで基体2と枠体3の間に及ぶように形成されているが、後述の図2に示す例のように、必要に応じて、金属層8はその端縁が底面24の外周の一部を跨ぐように形成されていてもよい。また、本例において金属層8は反射層として配設されているために、凹部4の底面24上に可能な限り大面積で配設されているが、光反射性能に配慮せずに金属層の配設が可能な場合には、本発明の効果を損なわない範囲で、金属層8の形状は適宜変更できる。
金属層8は、発光素子用基板1の反りを低減させる観点から、基体2より焼成収縮が早く、焼成中に凸形状に変形する応力を抑制する性質を有するものであれば特に制限されない。しかし、図1に示す発光素子用基板1において、金属層8は反射層としての機能を兼ね備えることから、金属層8を構成する金属材料としては、LTCC基板と同時焼成が可能であり光反射性にも優れる銀を主成分として含む金属材料(例えば、銀を95質量%以上含有する金属材料)が好ましい。銀を主成分として含む金属材料として、具体的には、銀、銀と白金からなる金属材料、または銀とパラジウムからなる金属材料が挙げられる。銀と白金からなる金属材料、または銀とパラジウムからなる金属材料として、具体的には、金属材料全量に対する白金またはパラジウムの割合が5質量%以下の金属材料が挙げられる。これらのうちでも銀のみで構成される金属層8が本発明においては高い反射率を得られる点から好ましい。
金属層8の膜厚については、5〜15μmが好ましく、8〜12μmがより好ましい。金属層8の膜厚が5μm未満では十分な強度や光反射性が得られないおそれがあり、また、15μmを超えると経済的に不利であるとともに製造過程で基体2や枠体3との熱膨張差による変形が起こり、基板の反りの減少を十分に達成できなくなるおそれがある。
また、図1に示す発光素子用基板1は、金属層8を絶縁保護するオーバーコートガラス層9を有する。オーバーコートガラス層9は、凹部4の底面24上に形成された金属層8の、基体2と枠体3の間に及ぶ部分を除いて、金属層8の端縁を含む全体を覆うように形成されている。ここで、凹部底面24上に設けられた素子接続端子5と金属層8の絶縁性が確保されている限りにおいてオーバーコートガラス層9の端縁は、素子接続端子5に接していてもよいが、積層時や印刷時の位置ズレなどの製造面での不具合の発生を考慮して、両者間の距離は75μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましい。
金属層8の端縁がオーバーコートガラス層9で被覆されている部分においては、金属層8の端縁とオーバーコートガラス層9の端縁の間の距離は、金属層8が外部の劣化要因から十分に保護される範囲でできる限り短い距離とすることが好ましい。具体的には、10〜50μmが好ましく、20〜30μmがより好ましい。この距離が10μm未満では、金属層8の露出により、金属層8を構成する金属材料、特に好ましく用いられる銀を主成分として含む金属材料の酸化や硫化等が発生して光反射性が低下するおそれがあり、50μmを超えると結果として金属層8の配設される領域の面積が減少することで光反射性が低下する。
オーバーコートガラス層9の膜厚は、発光装置の設計にもよるが、十分な絶縁保護の機能を確保し、かつ製造コスト、基体との熱膨張差による変形等を考慮すると、5〜50μmが好ましい。また、オーバーコートガラス層9の表面は、少なくとも発光素子搭載部22において、十分な放熱性を得るために表面平滑性を有することが好ましい。この表面平滑性として具体的には、十分な放熱性を確保しつつ、かつ製造上の容易性の観点から、表面粗さRaとして、0.03μm以下が好ましく、0.01μm以下がより好ましい。なお、オーバーコートガラス層を構成するガラスの原料組成は、後述の製造方法において説明する。
なお、図1に示す発光素子用基板1において、オーバーコートガラス層9は、基体2と枠体3の間に形成された金属層8を被覆していないが、本発明の効果が損われない限りにおいて必要に応じて、基体2と枠体3の間に形成された金属層8を被覆するように形成されてもよい。
図1には示されていないが、発光素子用基板1には、熱抵抗を低減するために基体2の内部に基体2の主面21と直交する方向にサーマルビアを埋設したり、主面21に平行する方向に放熱層を配設したりしてもよい。サーマルビアは、例えば搭載部22より小さい柱状であり、搭載部22の直下に複数設けられる。サーマルビアを設ける場合には、基体2の主面21に達しないように、裏面23から主面21の近傍にかけて設けることが好ましい。このような配置とすることで、主面21、特に搭載部22の平坦度を向上させることができ、熱抵抗を低減し、また発光素子を搭載したときの傾きも抑制できる。
次に、本発明の発光素子用基板における実施形態の別の一例として、金属層が形成された領域が異なる以外は、上記図1で示される発光素子用基板と全く同様に設計された発光素子用基板について説明する。
図2は、本発明の実施形態である発光素子を1個搭載するための発光素子用基板1の上記図1に示された発光素子用基板1とは別の一例の発光素子用基板1を示す平面図(a)、およびそのX−X線断面図(b)である。
上述の通り、図2に示される発光素子用基板1では、金属層8が形成された領域以外は、上記図1に示される発光素子用基板1と同様である。したがって、以下、金属層8についてのみ説明する。
図2に示される発光素子用基板1において、金属層8は発光素子用基板の反りを低減するとともに反射層の機能を兼ねて設けられている。金属層8は、凹部4の底面24上に、該底面24の上記一対の素子接続端子5が配設された部分とその周囲近傍を除く領域を含み、さらに金属層8の端縁が部分的に凹部底面24の外周Aを跨いで枠体3と基体2の間に配置され、かつ基体2の外縁に達しないように略正方形状に配設されている。なお、上記素子接続端子5の周囲近傍を除く領域とは、上記図1に示す発光素子用基板1で説明した領域と同様である。
金属層8の外縁の形状は基体2を上から見た形状と中心を同じにした概ね相似の形状(略正方形)であり、金属層8の外縁を構成する各辺と基体2の外縁を構成する各辺はそれぞれ平行の関係になるように位置している。かつ、図2に示すように金属層8は、凹部4の底面24における略円形状の外周Aの4か所において、所定の長さで外周を跨いで、その端縁が枠体3と基体2の間に及ぶように形成されている。
ここで、金属層8が凹部4の底面24の外周Aを跨いでいる割合は、全外周長(b)に対する、上記金属層8が跨いでいる4か所の外周の長さ(図2において、a1、a2、a3、a4で示される)の合計の百分率((a1+a2+a3+a4)/b×100)として、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。なお、特に好ましくは、図1に示されるように100%(すなわち、全てを)跨いでいる場合である。
金属層8の形状は、金属層8が凹部4の底面24の外周を跨いでいる割合が上記範囲になるような形状であれば特に制限されない。上記のように金属層8の形状を略正方形とすることで、積層ずれや印刷ずれを細かく考慮することなく、金属層8が外周を跨ぐ割合を上記範囲とすることができる点で好ましい。一方、略正方形の形状で、底面24の外周を跨いでいる割合が100%となるように金属層8を形成すると、反りの低減の点では、図1に示す略円形状の金属層を形成した場合と同様の効果が得られるが、基体2と枠体3との間に存在する金属層の面積が増え、基体2と枠体3との間の密着性にとっては好ましくない。
このように金属層8を設計するにあたっては、発光素子用基板そのものや製造上求められる特性、例えば、基体2と枠体3との密着性、発光素子用基板1の反り、製造容易性等に応じて、金属層の形状、底面24の外周を跨いで形成される割合、基体2と枠体3との間に形成される金属層の面積等を、適宜調整する。具体的には多角形の金属層の形状としても良い。なお、略正方形以外のn多角形の場合、全外周長(b)に対する、上記金属層8が跨いでいる箇所の外周の長さの合計の百分率は、その多角形の辺の数に応じて計算される。例えば、n多角形の場合、当該n多角形の全外周長(b)に対する、上記金属層が跨いでいるn多角形の外周の各辺の長さの合計(すなわち、外周の各辺をc1、c2、c3、c4、……、cnとしたとき、c1+c2+c3+c4……+cnの合計)の百分率(c1+c2+c3+c4……+cn)/b×100)として、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。
以上、本発明の発光素子用基板の実施形態について説明したが、例えば、上記図1に示す発光素子用基板1を用いて、その搭載部22に発光ダイオード素子等の発光素子11を搭載することで、例えば、図3に示す発光装置10を作製できる。
図3に示すように、本発明の発光装置10は、発光素子用基板1が有する凹部4の底面24の略中央に位置する搭載部22にシリコーンダイボンド剤等のダイボンド剤により発光ダイオード素子等の発光素子11が搭載され、その図示しない1対の電極がボンディングワイヤ12によって、1対の素子接続端子5のそれぞれに接続された構成である。発光装置10は、さらに、凹部4の底面24に上記のように配設された発光素子11やボンディングワイヤ12を覆いながら、凹部4を充填するように封止層13が設けられることにより構成されている。なお、封止層13を構成する材料(封止材)には、必要に応じて、発光装置の封止層に通常用いられる蛍光体が含有されていてもよい。
このような本発明の発光装置10は、凹部を有しその底面に発光素子を搭載する発光素子用基板であって、基板自体の反りの割合が低減された本発明の発光素子用基板1により、発光素子の位置ずれや傾きが低減し、光の指向性が設計と異なる等の問題や、ボンディングワイヤの位置ずれによる断線の発生等の問題が抑制された発光装置である。また、この発光装置10をさらにプリント配線基板等に半田を用いて実装する際に、基板の反りが原因で発生していた断線や放熱性の悪化等の問題も低減できる。このような本発明の発光装置は、例えば携帯電話やパソコンや平面テレビの液晶ディスプレイ等のバックライト、自動車用あるいは装飾用の照明、一般照明、その他の光源として好適に使用できる。
以上、本発明の発光素子用基板およびこれを用いた発光装置における実施形態について例を挙げて説明したが、本発明の発光素子用基板および発光装置はこれらに限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて、その構成を適宜変更できる。
以下、本発明の発光素子用基板の製造方法について、図1に示される発光素子用基板1を例にして説明する。図1に示される発光素子用基板1は、例えば、以下の(A)グリーンシート作製工程、(B)ペースト層形成工程、(C)積層工程、(D)焼成工程を含む製造方法により製造できる。なお、製造に用いる部材については、完成品の部材と同一の符号を付して説明するものである。例えば、基体と基体用グリーンシートとは、同じ2の符号をもって表記し、また、素子接続用端子と素子接続用端子導体ペースト層とは、同じ5の符号をもって表記しており、他も同様である。
(A)グリーンシート作製工程
(A)工程は、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物(LTCC組成物)を用いて発光素子用基板の基体を構成する基体用グリーンシート2および枠体を構成する枠体用グリーンシート3を作製する工程である。具体的には、基体用グリーンシート2および枠体用グリーンシート3は、以下に説明するガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物にバインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加して調製されたスラリーを、ドクターブレード法等により、焼成後の形状・膜厚が上記所望の範囲内となるような所定の形状、膜厚のシート状に成形し、乾燥させることで作製できる。
基体用グリーンシート2については、上記で得られたシート状成形物が、(B)ペースト層形成工程を経て(C)工程での積層に供される。枠体用グリーンシート3については、上記で得られたシート状成形物の中央部に、この工程で、通常の方法により凹部4の底面24の形(例えば、円形)に貫通孔を形成し、得られたものが(C)工程での積層に供される。
(ガラスセラミックス組成物およびスラリーの調製)
上記ガラスセラミックス組成物に用いるガラス粉末は、必ずしも限定されないものの、ガラス転移点(Tg)が550℃以上700℃以下が好ましい。ガラス転移点(Tg)が550℃未満の場合、脱脂が困難となるおそれがあり、700℃を超える場合、収縮開始温度が高くなり、寸法精度が低下するおそれがある。
また、800℃以上930℃以下で焼成したときに結晶が析出することが好ましい。結晶が析出しない場合、十分な機械的強度を得ることができないおそれがある。さらに、DTA(示差熱分析)により測定される結晶化ピーク温度(Tc)が880℃以下が好ましい。結晶化ピーク温度(Tc)が880℃を超える場合、寸法精度が低下するおそれがある。
このようなガラス粉末のガラス組成としては、例えば、下記酸化物換算表示で、SiOを57mol%以上65mol%以下、Bを13mol%以上18mol%以下、CaOを9mol%以上23mol%以下、Alを3mol%以上8mol%以下、KOおよびNaOから選ばれる少なくとも一方を合計で0.5mol%以上6mol%以下含有するものが好ましい。これにより、得られる基体や枠体の表面の平坦度を向上させることが容易となる。
ここで、SiOは、ガラスのネットワークフォーマとなる。SiOの含有量が57mol%未満の場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。一方、SiOの含有量が65mol%を超える場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれある。SiOの含有量は、好ましくは58mol%以上、より好ましくは59mol%以上、特に好ましくは60mol%以上である。また、SiOの含有量は、好ましくは64mol%以下、より好ましくは63mol%以下である。
は、ガラスのネットワークフォーマとなる。Bの含有量が13mol%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。一方、Bの含有量が18mol%を超える場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。Bの含有量は、好ましくは14mol%以上、より好ましくは15mol%以上である。また、Bの含有量は、好ましくは17mol%以下、より好ましくは16mol%以下である。
Alは、ガラスの安定性、化学的耐久性、および強度を高めるために添加される。Alの含有量が3mol%未満の場合、ガラスが不安定となるおそれがある。一方、Alの含有量が8mol%を超える場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。Alの含有量は、好ましくは4mol%以上、より好ましくは5mol%以上である。また、Alの含有量は、好ましくは7mol%以下、より好ましくは6mol%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めると共に、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)を低下させるために添加される。CaOの含有量が9mol%未満の場合、ガラス溶融温度が過度に高くなるおそれがある。一方、CaOの含有量が23mol%を超える場合、ガラスが不安定となるおそれがある。CaOの含有量は、好ましくは12mol%以上、より好ましくは13mol%以上、特に好ましくは14mol%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22mol%以下、より好ましくは21mol%以下、特に好ましくは20mol%以下である。
O、NaOは、ガラス転移点(Tg)を低下させるために添加される。KOおよびNaOの合計した含有量が0.5mol%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。一方、KOおよびNaOの合計した含有量が6mol%を超える場合、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気的絶縁性も低下するおそれがある。KOおよびNaOの合計した含有量は、0.8mol%以上5mol%以下が好ましい。
なお、ガラス粉末は、必ずしも上記成分のみからなるものに限定されず、ガラス転移点(Tg)等の諸特性を満たす範囲で他の成分を含有できる。他の成分を含有する場合、その合計した含有量は10mol%以下が好ましい。
ガラス粉末は、上記したようなガラス組成となるように、ガラス原料を溶融法によってガラスを製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕することにより得る。湿式粉砕法の場合、溶媒としては水が好ましい。粉砕は、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて行う。
ガラス粉末の50%粒径(D50)は0.5μm以上2μm以下が好ましい。ガラス粉末の50%粒径が0.5μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく、取り扱いが困難となると共に、均一に分散させることが困難となる。一方、ガラス粉末の50%粒径が2μmを超える場合、ガラス軟化温度の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径の調整は、例えば粉砕後に必要に応じて分級することにより行う。なお、本明細書において、粒径はレーザ回折散乱法による粒子径測定装置により得られる値をいう。
一方、セラミックス粉末としては、従来からLTCC基板の製造に用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えばアルミナ粉末、ジルコニア粉末、またはアルミナ粉末とジルコニア粉末との混合物を好適に用いることができる。また、本発明において必要に応じて用いられる、拡散反射性を有するLTCCを作製する場合には、上記セラミックス粉末として、アルミナ粉末とジルコニア粉末との混合物が好ましく用いられる。アルミナ粉末とジルコニア粉末の混合物としては、アルミナ粉末:ジルコニア粉末の混合割合が質量比で90:10〜60:40の混合物が好ましい。セラミックス粉末の50%粒径(D50)は、上記いずれの場合も、例えば0.5μm以上4μm以下が好ましい。
このようなガラス粉末とセラミックス粉末とを、例えばガラス粉末が30質量%以上50質量%以下、セラミックス粉末が50質量%以上70質量%以下となるように配合、混合することによりガラスセラミックス組成物を得る。
このガラスセラミックス組成物に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加することによりスラリーを得る。バインダーとしては、例えばポリビニルブチラール、アクリル樹脂等を好適に用いる。可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等を用いる。また、溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノール等の有機溶剤を好適に用いる。
(B)ペースト層形成工程
(B)工程では、上記で得られた基体用グリーンシート2に、以下の(B−1)配線導体用ペースト層形成工程、(B−2)金属層用ペースト層形成工程、(B−3)オーバーコートガラスペースト層形成工程の順で各ペースト層を形成する。
(B−1)配線導体用ペースト層形成工程
基体用グリーンシート2には、まず、導体ペーストを用いて配線導体用ペースト層(素子接続端子用ペースト層5、外部接続端子用ペースト層6、および貫通導体用ペースト層7)を形成する。具体的には、基体用グリーンシート2の上記所定位置に一対の貫通導体7を配設するための、主面21から裏面23に貫通する一対の貫通孔を作製し、この貫通孔を充填するように貫通導体用ペースト層7を形成する。また、主面21に貫通導体用ペースト層7を覆うように略長方形状に素子接続端子用ペースト層5を形成するとともに、裏面23に貫通導体用ペースト層7と電気的に接続する外部接続端子用ペースト層6を形成する。
配線導体用ペースト層の形成に用いる導体ペーストとしては、例えば銅、銀、金等を主成分とする金属粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを使用できる。なお、上記金属粉末としては、銀からなる金属粉末、銀と白金からなる金属粉末、または銀とパラジウムからなる金属粉末が好ましく用いられる。
素子接続端子用ペースト層5、外部接続端子用ペースト層6、および貫通導体用ペースト層7の形成方法としては、スクリーン印刷法により上記導体ペーストを塗布、充填する方法が挙げられる。形成される素子接続端子用ペースト層5および外部接続端子用ペースト層6の膜厚は、最終的に得られる素子接続端子および外部接続端子の膜厚が上記所定の膜厚となるように調整される。
(B−2)金属層用ペースト層形成工程
上記基体用グリーンシート2の主面21上の、素子接続端子用ペースト層5が形成された部分およびその周囲近傍を除く、上記所定位置に金属層用ペースト層8を形成する。金属層用ペースト層8は、焼成後にその外側の端縁が凹部4の底面24の外周より外側に、好ましくは片側で100〜200μm外側に、より好ましくは130〜170μm外側に、位置するように凹部4の底面24の外周と相似形状で形成される。金属層用ペースト層8の膜厚は、最終的に得られる金属層の膜厚が上記所定の膜厚となるように調整される。
ここで、図2に示す発光素子用基板が図1に示す発光素子用基板と異なるのは金属層用ペースト層8の外側の端縁の形状のみである。図2に示す発光素子用基板においては、金属層用ペースト層8の外側の端縁は、基体用グリーンシート2の主面21の形状と相似形状の略正方形であって、焼成後に、少なくともその端縁の一部が凹部4の底面24の外周を跨ぐように、好ましくは底面24の全外周のうちの合計長さで40%以上を、より好ましくは60%以上を、金属層用ペースト層8が跨ぐように形成される。図2に示す発光素子用基板は、金属層用ペースト層を形成する際の形状以外は、図1に示す発光素子用基板と全て同様にして作製できる。
金属層用ペーストとしては、上に説明した銀を主成分として含む金属材料をエチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを使用できる。
(B−3)オーバーコートガラスペースト層形成工程
次いで、基体用グリーンシート2の主面21上に、凹部4の底面24となる部分に形成されている金属層用ペースト層8の端縁を含む全体を覆いかつ素子接続端子用ペースト層5が形成された部分およびその周囲近傍を除くように、オーバーコートガラスペースト層9を形成する。
オーバーコートガラスペーストは、ガラス粉末(オーバーコートガラス層用ガラス粉末)に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを使用できる。形成されるオーバーコートガラスペースト層9の膜厚は、最終的に得られるオーバーコートガラス層9の膜厚が上記所望の膜厚となるように調整される。
オーバーコートガラス層用のガラス粉末としては、以下の(D)焼成工程における焼成により、膜状のガラスを得られるものであればよく、その50%粒径(D50)は0.5μm以上2μm以下が好ましい。また、オーバーコートガラス層9の表面粗さRaの調整は、例えばこのオーバーコートガラス層用のガラス粉末の粒度を調整することにより行える。すなわち、オーバーコートガラス層用ガラス粉末として、焼成時に十分に溶融し、流動性に優れる、上記50%粒径(D50)の範囲で、表面粗さRaを上記好ましい範囲に調整できる。
(C)積層工程
上記(B)工程で得られた、各種ペースト層が形成された基体用グリーンシート2上に、上記(A)工程で作製した枠体用グリーンシート3を積層して、未焼結の発光素子用基板1を得る。
(D)焼成工程
上記(C)工程後、得られた未焼結の発光素子用基板1について、必要に応じてバインダー等を除去するための脱脂を行い、ガラスセラミックス組成物等を焼結させるための焼成(焼成温度:800〜930℃)を行う。
脱脂は、例えば500℃以上600℃以下の温度で1時間以上10時間以下保持することにより行える。脱脂温度が500℃未満もしくは脱脂時間が1時間未満の場合、バインダー等を十分に除去できないおそれがある。一方、脱脂温度は600℃程度、脱脂時間は10時間程度とすれば、十分にバインダー等を除去でき、これを超えるとかえって生産性等が低下するおそれがある。
また、焼成は、基体2および枠体3の緻密な構造の獲得と生産性を考慮して、800℃〜930℃の温度範囲で適宜時間を調整することで行える。具体的には、850℃以上900℃以下の温度で20分以上60分以下保持することが好ましく、特に860℃以上880℃以下の温度で行うことが好ましい。焼成温度が800℃未満では、基体2および枠体3が緻密な構造として得られないおそれがある。一方、焼成温度は930℃を超えると基体が変形するなど生産性等が低下するおそれがある。また、上記配線導体用の導体ペーストや金属層用ペーストとして、銀を主成分とする金属粉末を含有する金属ペーストを用いた場合、焼成温度が880℃を超えると、過度に軟化するために所定の形状を維持できなくなるおそれがある。
このようにして、未焼結の発光素子用基板1が焼成され発光素子用基板1が得られるが、焼成後、必要に応じて素子接続端子5および外部接続端子6の全体を被覆するように、上に説明した、ニッケルメッキ、クロムメッキ、銀メッキ、ニッケル/銀メッキ、金メッキ、ニッケル/金メッキ等の通常、発光素子用基板において導体保護用に用いられる導電性保護層をそれぞれ配設できる。これらのうちでも、ニッケル/金メッキが好ましく用いられ、例えば、ニッケルメッキ層はスルファミン酸ニッケル浴等を使用して、金メッキ層はシアン化金カリウム浴等を使用して、それぞれ電解メッキによって形成できる。
以上、本発明の発光素子用基板の実施形態の一例について、その製造方法を説明したが、基体用グリーンシート2、枠体用グリーンシート3等は、必ずしも単一のグリーンシートからなる必要はなく、複数枚のグリーンシートを積層したものであってもよい。また、各部の形成順序等についても、発光素子用基板の製造が可能な限度において適宜変更できる。
なお、本発明の発光素子用基板は、通常、多数個が一度に製造できるように連結基板または大寸法の基板を作製し、これを分割する工程を得て個々の発光素子用基板を作製する方法により作製されてもよい。その場合、分割のタイミングは、上記焼成後であれば、発光素子を搭載する前でもよいし、発光素子搭載後、プリント配線基板等に半田固定・実装される前でもよい。
無機絶縁材料としてLTCCを用いた本発明の発光素子用基板、その製造方法、および発光装置について上に説明したが、以下に無機絶縁材料としてアルミナセラミックスを用いた場合の、本発明の発光素子用基板の実施形態について構成と製造方法を簡単に説明する。
例えば、図1に示すLTCCを用いた発光素子用基板1と同様の発光素子用基板を、アルミナセラミックスを用いて作製する場合、既に説明した通り、発光素子用基板全体の反りを低減させるために設ける上記金属層としては、その一部が基体と枠体の間に配設される。このことから、アルミナセラミックスとの同時焼成が必須となるため、タングステンおよびモリブデンからなる群から選ばれる高融点金属の少なくとも1種を主成分とする高融点金属からなるものが選ばれる。ここにおいて、上記した高融点金属の少なくとも1種を主成分とする高融点金属からなる金属層は、かかる高融点金属(ここにおいて高融点金属は、前記した高融点金属の合金も含む)を、90%以上含む金属層を指す。
ここで、図1に示す発光素子用基板1において、金属層8は、低温焼成が可能な銀を主成分とする金属材料からなり、反射層としての機能を果たしているが、一方、アルミナセラミックス用いた発光素子用基板の場合、銀を主成分とする金属材料の層と組み合わせて用いる上記したタングステン、モリブデン等からなる金属層は光反射性を十分に有しないことから、この場合の金属層は、通常、焼成後にその上に銀等の反射性の良好な金属を用いた反射層を形成するための下地層としての役割が果たされるように設計される。
したがって、アルミナセラミックスを用いた発光素子用基板の構成としては、例えば、図1に示す発光素子用基板1に比し、オーバーコートガラス層9と金属層8の間に銀等の反射層を形成し、さらに各部材の構成材料、具体的には、無機絶縁材料、金属材料等をそれぞれアルミナセラミックス、高融点金属等に換える以外は、図1に示す発光素子用基板1の構成と同様にできる。なお、タングステン、モリブデン等からなる金属層の上層に銀等の反射性の良好な金属を用いた反射層(銀反射層)を形成する場合には、銀反射層は凹部4の底面24の外周を跨いで基体2と枠体3の間に及んで形成されることはない。また、オーバーコートガラス層9は、必要に応じて形成されるものであり、発光素子用基板の設計によっては形成されない場合もある。
また、このようなアルミナセラミックスを用いた発光素子用基板は、例えば、以下のようにして製造できる。
(A’)グリーンシート作製工程
ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物(LTCC用組成物)に換えて、アルミナを主成分としたアルミナセラミックス用組成物を用いて、上記(A)グリーンシート作製工程と同様の工程を経て、基体用グリーンシート2および枠体用グリーンシート3を得る。なお、アルミナを主成分としたアルミナセラミックス用組成物としては、アルミナセラミックスを作製する際に通常用いるのと同様のアルミナセラミックス用組成物が特に制限なく使用できる。
(B’)配線導体用ペースト層および金属層用ペースト層形成工程
アルミナセラミックスを用いた発光素子用基板の場合、配線導体層や反り低減させるための金属層(反射層の下地層として機能する)等の金属層を構成する金属材料としては、上記の通りタングステンやモリブデン等の高融点金属を主成分とする金属材料を用いる。すなわち、上記で用いた銀を主成分とする導体用ペーストおよび金属層用ペーストに換えて、タングステンやモリブデン等の高融点金属を主成分とした、高耐熱の配線導体用ペーストおよび金属層用ペーストを作製して、上記(B)配線導体用ペースト層および金属層用ペースト層形成工程と同様の工程を経る。このようにして、上記(A’)工程で得られた基体用グリーンシート2に配線導体用ペースト層および金属層用ペースト層を形成する。
(C’)積層工程
上記(C)積層と同様の工程を経て、未焼結の発光素子用基板1を得る。
(D’)焼成工程
上記(C’)工程後、得られた未焼結の発光素子用基板1について、必要に応じてバインダー等を除去するための脱脂を行い、アルミナセラミックス用組成物等を焼結させるため焼成(焼成温度:1400〜1700℃)を行う。脱脂は、例えば、200℃以上500℃以下の温度で約1時間以上10時間以下保持する条件が好ましい。焼成は、例えば、1400℃以上1700℃以下の温度で数時間保持する条件が好ましい。ただし、加熱時、特に焼成時に導体を酸化させないために、還元雰囲気(例えば、水素雰囲気)中もしくは、不活性ガス雰囲気中もしくは、真空中となる、非酸化性雰囲気を保った加熱をしなければならない。
このようにして、未焼結の発光素子用基板1が焼成され発光素子用基板1が得られるが、反射層の下地層として形成された金属層8の表面に、反射性のよい銀等を主成分とする反射層を、スクリーン印刷法、スパッタ蒸着法やインクジェット塗布法等の方法を組み合わせることによって形成する。さらに、この反射層の全体を被覆するようにして、必要に応じて、例えば、上記LTCCを用いた発光素子用基板1と同様のオーバーコートガラス層9を形成する。また、素子接続端子5および外部接続端子6に対しても、必要に応じて、その全体を被覆するように、上記LTCCを用いた発光素子用基板1と同様の導電性保護層を配設できる。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下に説明する方法で、図1に示す発光素子用基板と同様の構造の発光素子用基板を作製した。なお、上記同様、焼成の前後で部材に用いる符号は同じものを用いた。
まず、発光素子用基板1の基体2および枠体3を作製するための基体用グリーンシート2、枠体用グリーンシート3を作製した。各グリーンシートは、下記酸化物換算で、SiOが60.4mol%、Bが15.6mol%、Alが6mol%、CaOが15mol%、KOが1mol%、NaOが2mol%の組成のガラスとなるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、この溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕してガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
このガラス粉末が35質量%、アルミナ粉末(昭和電工社製、商品名:AL−45H)が40質量%、ジルコニア粉末(第一稀元素化学工業社製、商品名:HSY−3F−J)が25質量%となるように配合し、混合することによりガラスセラミックス組成物を製造した。このガラスセラミックス組成物50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名:BYK180)0.5gを配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させたグリーンシートを積層して、略平板状であって焼成後の厚さが0.5mmとなる基体用グリーンシート2、枠外の形状が基体用グリーンシート2と同様であり、枠内の形状が焼成後において直径4.2mmの略円形状あって、枠高さが0.5mmである枠体用グリーンシート3を製造した。なお、本実施例においては、発光素子用基板1を多数個取りの連結基板として製造し、後述の焼成後に、1個ずつに分割して、5mm×5mmの外寸の略正方形の発光素子用基板1とした。以下の記載は、多数個取り連結基板のうちの、分割後、1個の発光素子用基板1となる一区画について説明するものである。
一方、導電性粉末(銀粉末、大研化学工業社製、商品名:S550)、ビヒクルとしてのエチルセルロースを質量比85:15の割合で配合し、固形分が85質量%となるように溶剤としてのαテレピネオールに分散した後、磁器乳鉢中で1時間混練を行い、さらに三本ロールにて3回分散を行って配線導体用ペーストを製造した。
また、金属層用ペーストは、銀粉末(大研化学工業社製、商品名:S400−2)と、ビヒクルとしてのエチルセルロースとを質量比90:10の割合で配合し、固形分が87質量%となるように溶剤としてのαテレピネオールに分散した後、磁器乳鉢中で1時間混練し、さらに三本ロールにて3回分散して製造した。
基体用グリーンシート2の一対の貫通導体7に相当する部分に孔空け機を用いて直径0.3mmの貫通孔を形成し、スクリーン印刷法により上記で得られた配線導体用ペーストを充填して貫通導体用ペースト層7を形成するとともに、裏面23に一対の外部接続端子用ペースト層6を形成した。さらに、基体用グリーンシート2の主面21上には、貫通導体用ペースト層7を覆うように略長方形状に一対の素子接続端子用ペースト層5をスクリーン印刷法により形成して配線導体ペースト層付き基体用グリーンシート2を得た。
次いで、上記基体用グリーンシート2の主面21上の、素子接続端子用ペースト層5の端縁から外側に150μmの範囲を除くようにして、中心が凹部4の底面24の中心と同じとなり、焼成後に直径が4.5mmとなる円形の範囲に上記で得られた金属層用ペーストをスクリーン印刷して金属層用ペースト層8を形成した。なお、金属層用ペースト層8の膜厚は、最終的に得られる金属層の膜厚が10μmとなるように調整した。
さらに、上記基体用グリーンシート2の主面21上の、素子接続端子用ペースト層5の端縁から外側に100μmの範囲を除くようにして、金属層用ペースト層8の素子接続端子用ペースト層5の周辺の端縁を含み、形成される範囲が凹部4の底面24と同じとなる(すなわち、焼成後に直径が4.2mmとなる)円形の範囲に以下のオーバーコートガラスペーストをスクリーン印刷してオーバーコートガラスペースト層9を形成した。なお、オーバーコートガラスペースト層9の膜厚は、最終的に得られるオーバーコートガラス層の膜厚が30μmとなるように調整した。また、焼成後のオーバーコートガラス層9の表面粗さRaは、東京精密社製サーフコム1400Dによる測定から0.006μmであった。
ここで、オーバーコートガラスペーストの調製に用いたオーバーコートガラス層用ガラス粉末は以下のようにして製造した。まず、下記酸化物換算で、SiOが81.6mol%、Bが16.6mol%、KOが1.8mol%の組成のガラスになるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、この溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより8〜60時間粉砕してオーバーコートガラス層用ガラス粉末とした。
このオーバーコートガラス層用ガラス粉末が60質量%、樹脂成分(エチルセルロースとαテレピネオールとを質量比で85:15の割合で含有するもの)が40質量%となるように配合した後、磁器乳鉢中で1時間混練し、さらに三本ロールにて3回分散してオーバーコートガラスペーストを調製した。
上記で得られた、各種ペースト層付き基体用グリーンシート2の主面21上に、上記で得られた枠体用グリーンシート3を積層して未焼結の多数個取り連結基板を得た。上記で得られた未焼成の多数個取り連結基板に、未焼結の発光素子用基板1の各区画が焼成後に5mm×5mmの外寸となるような分割用のカットラインを入れた後、550℃で5時間保持して脱脂を行い、さらに870℃で30分間保持して焼成を行って多数個取り連結基板を製造した。得られた多数個取り連結基板をカットラインに沿って分割して発光素子用基板1を製造した。
得られた発光素子用基板1における、枠体3の内壁面を側面25とし、基体主面21の一部を底面24とする凹部4は、底面24の形状については直径が4.2mmの円形状であった。また、金属層8は、底面24の外周の全長(100%)を跨ぐように基体2と枠体3の間に、ほぼ均等に150μmが入り込むように形成されていた。なお、凹部4の側面25は底面24に対して略垂直に形成され、枠体の内壁面におけるヘイズ値をヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)で測定したところ、100%であった。
得られた発光素子用基板1について、反りを東京精密社製サーフコム1400Dにより測定したところ、発光素子用基板1の裏面23の最も低い位置(両端)と最も高い位置(略中央部)の高さの差は、10μmであった。また、得られた発光素子用基板1について、基体2と枠体3の接合強度をマルチボンドテスターSS−30WD(西進商事社製)により測定したところ、>40N/mm(基体2と枠体3界面に剥離なし)であった。結果を表1に示す。
[実施例2〜4]
図2に示す発光素子用基板と同様の略正方形状の金属層8を有する以外は、全て上記実施例1における発光素子用基板と同様の発光素子用基板1を作製した。
実施例2においては、金属層8の形成された部分の外側の形状は、焼成後に3.5mm角となる略正方形状であった。また、実施例2の発光素子用基板1おいては、金属層8が凹部4の底面24の外周を跨いでいる率は、全外周長に対して43%であった。上記実施例1と同様にして、発光素子用基板1の反りと、基体2と枠体3の接合強度を測定した。結果を表1に示す。
実施例2において、金属層8の大きさを表1に示す大きさに変える以外は実施例2と全く同様にして実施例3、実施例4の発光素子用基板1を作製した。実施例3、実施例4においては、金属層8が凹部4の底面24の外周を跨いでいる率は、全外周長に対して、それぞれ53%および70%であった。これらの発光素子用基板1について、上記実施例1と同様にして、発光素子用基板1の反りと、基体2と枠体3の接合強度を測定した。結果を表1に示す。
[比較例]
上記実施例1において、金属層8を凹部4の底面24と全く同様の直径4.2mmの円形状に形成し、金属層8が底面24の外周を全く跨がないように形成した以外は、実施例1と全く同様にして比較例の発光素子用基板1を作製した。得られた発光素子用基板1について上記実施例1と同様にして、発光素子用基板1の反りと、基体2と枠体3の接合強度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005958342
本発明によれば、凹部を有しその底面に発光素子を搭載する発光素子用基板において、基板自体の反りの割合を低減することが可能となる。本発明の発光装置は、このように反りが低減された本発明の発光素子用基板により、発光素子の位置ずれや傾きが低減し、光の指向性が設計と異なる等の問題や、ボンディングワイヤの位置ずれによる断線の発生等の問題が抑制された発光装置である。また、この発光装置をさらにプリント配線基板等に半田を用いて実装する際に、基板の反りが原因で発生していた断線や放熱性の悪化等の問題も低減できる。このような本発明の発光装置は、例えば携帯電話やパソコンや平面テレビの液晶ディスプレイ等のバックライト、自動車用あるいは装飾用の照明、一般照明、その他の光源として好適に使用できる。
なお、2010年10月27日に出願された日本特許出願2010−241077号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
1…発光素子用基板、2…基体(基板用グリーンシート)、3…枠体(枠体用グリーンシート)、4…凹部、5…素子接続端子(素子接続端子用ペースト層)、6…外部接続端子(外部接続端子用ペースト層)、7…貫通導体(貫通導体用ペースト層)、8…金属層(金属層用ペースト層)、9…オーバーコートガラス層(オーバーコートガラスペースト層)、10…発光装置、11…発光素子、12…ボンディングワイヤ、13…封止層21…基体の主面、22…発光素子搭載部、23…基体の裏面、24…凹部の底面、25…凹部の側面

Claims (9)

  1. 第1の無機絶縁材料からなる主面が平坦な板状の基体と、前記基体の上側主面に接合された第2の無機絶縁材料からなる枠体とを有し、前記基体の上側主面の一部を底面とし前記枠体の内壁面を側面として形成される凹部の底面に発光素子の搭載部を有する発光素子用基板であって、
    前記凹部底面上に、少なくともその一部が凹部底面の外周を跨いで枠体と基体の間に配置され、かつ基体の外縁に達しないように配設された金属層を有し、
    前記金属層の外縁の形状はn多角形であり、前記金属層のn個の角部が前記凹部底面の外周を跨いで配設され、前記金属層が前記凹部底面の外周を跨いでいる部分の前記凹部底面の外周の合計長が、前記凹部底面の全外周長に対して40%以上である発光素子用基板。
  2. 前記凹部底面の外周は円形である請求項1に記載の発光素子用基板。
  3. 前記金属層の外縁の形状は矩形である請求項1または2に記載の発光素子用基板。
  4. 前記凹部底面の外周から前記枠体と基体の間の前記金属層の端縁までの距離(L)が、100〜200μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光素子用基板。
  5. 前記金属層が反射層または反射層形成のための下地層である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光素子用基板。
  6. 前記第1の無機絶縁材料および第2の無機絶縁材料がともにガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体であり、前記金属層を構成する金属が銀を主成分とする金属である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光素子用基板。
  7. 前記第1の無機絶縁材料および第2の無機絶縁材料がともにアルミナセラミックス組成物の焼結体であり、前記金属層を構成する金属がタングステンおよびモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光素子用基板。
  8. 前記したタングステンおよびモリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属層上に銀を主成分とする金属の反射層を形成した請求項7に記載の発光素子用基板。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光素子用基板と、
    前記発光素子用基板に搭載される発光素子と
    を有することを特徴とする発光装置。
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