JP2012233182A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、およびポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の1−ブテン含有量とエチレン含有量、及び特定の融点を有するポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とし、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量領域と高温側融解熱量領域の2つの領域を有し、かつ、該低温側融解熱量領域のDSC曲線の微分曲線中に極大値を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
【選択図】図2
Description
型内発泡成形における生産条件が厳しくなり、成形加工コストも増大する。すなわち、高い剛性を持つポリプロピレン系樹脂とは、一般にコモノマー含量の少ない、融点の高い樹脂となるが、樹脂の融点が高くなるに伴い、良好な成形体を得るために必要となる成形加熱蒸気の圧力は高くなる傾向にある。このため、より高い剛性を求めて、より高い剛性を持つポリプロピレン系樹脂を使用する場合、耐圧仕様の高い成形機や金型を用いる必要があり、設備コストが高くなると共に、ユーティリティコストが高くなるため、成形加工コストが高くなる。
ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体は、その製法上、粒子間の隙間や粒子の亀甲模様が見られるが、外観を重視する製品にはこれらを嫌うものも多い。粒子間の隙間を目立たなくさせるためには、一般に、型内発泡成形時の加熱蒸気圧力を高くし、粒子同士の融着を促進させるなどの方法が取られる。
逆に、薄肉部の表面美麗性を求める為に、低めの成形加熱蒸気圧力で成形すると、肉厚部の融着性が低下してしまう。
しかし、特許文献2記載の技術では、良好な発泡成形体を得るために必要な成形時の加熱蒸気の圧力が0.4〜0.6MPa(ゲージ圧)であると記載されており、前述のように0.4MPa(ゲージ圧)耐圧仕様の成形機では成形できない。また、特許文献2には、成形体の表面美麗性に関しては特段の記載はない。
しかしながら、特許文献3記載の技術では、ホモポリプロピレンや、コモノマー含量の少ないランダムポリプロピレン系樹脂を用いているが、表面美麗性に関して特段の記載は無い。
しかし、これらの技術に関しては、型内発泡成形に必要となる加熱蒸気の圧力は0.4〜0.5MPa(ゲージ圧)と高く、前記特許文献2〜3に記載の技術と同様、特に耐圧性能の高い成形機を用いることによって可能となっている技術である。
しかし、特許文献6記載の技術に関しても、型内発泡成形に必要となる加熱蒸気の圧力は0.4MPa(ゲージ圧)前後であり、他の技術と比較すると、比較的低い成形加熱蒸気圧力であるものの、実施されている例の中で最も低いもので0.36MPa(ゲージ圧)であり、現状よく用いられている0.4MPa(ゲージ圧)耐圧仕様の成形機の仕様ぎりぎりのレベルである。また、表面美麗性に関して特段の記載はない。
しかし、特許文献7記載の実施例を見ると、0.3MPa(ゲージ圧)前後の成形加熱蒸気圧力で得られる型内発泡成形体の剛性は、JIS K6767に準じて、20℃で測定した圧縮歪50%時の圧縮強度が6.2kg/cm2であり、高い剛性を求める用途には十分ではない。
しかしながら、特許文献9の技術においては、基材樹脂の融点が145℃以下であることから、剛性が要求される用途への適用は困難である。また、このような二段発泡粒子が、厚みが異なる部位を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体とした際に、肉厚部の融着性が良好となり、かつ、薄肉部の表面美麗性も優れることについては言及されていない。
[1] プロピレンに共重合されるコモノマーとして、1−ブテンおよびエチレンを含み、1−ブテン含量とエチレン含量の総和が1.0重量%以上、且つ、1−ブテン含量が6.0重量%以下、エチレン含量が3.0重量%以下であり、かつ融点が140℃以上155℃以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子であって、
発泡倍率が20倍以上60倍以下であり、
10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量領域(Ql)と高温側融解熱量領域(Qh)の2つの領域を有し、
高温側融解熱量の比率(Qh/(Ql+Qh)×100)(%)が10%以上30%以下であり、且つ、20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線の微分曲線中に、105℃以上120℃以下の間に極大値を有することを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[2] 基材樹脂としてのポリプロピレン系樹脂の融点が、147℃以上153℃以下であることを特徴とする、[1]記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[3] 少なくとも2回の発泡工程を経て得られることを特徴とする、[1]あるいは[2]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
[4] [1]〜[3]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、型内発泡成形してなることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[5] 固定型と移動型の金型を用いて得られる型内発泡成形体において、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填した場合にいずれか一方の型のみで形が形成される部位を有することを特徴とする、[4]記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[6] 固定型と移動型の金型を用いて得られる型内発泡成形体において、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填した場合にいずれか一方の型のみで形が形成される部位の形状が、前記部位から最も大きい球を切り出す際に、直径20mm以上100mm以下の球を切り出すことができる形状であることを特徴とする、[5]記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[7]底面と底面周縁立ち壁部からなり、物品収納可能な内部を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、
内部底面に少なくとも1つの立ち壁部を有し、
内部底面立ち壁部の厚みが、底面周縁立ち壁部厚みの1.2倍以上5倍以下であり、
内部底面立ち壁部の高さが、底面の厚みの2倍以上30倍以下であることを特徴とする、[5]あるいは[6]記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[8] 内部底面の立ち壁部が、物品収納可能な内部を区画する為の立ち壁部であることを特徴とする、[7]記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[9] 内部底面の立ち壁部の高さ方向の延長線上に、充填機先端の転写跡が残っていることを特徴とする、[7]あるいは[8]に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
[10] ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、ラゲッジボックスであることを特徴とする、[7]〜[9]の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
低温側融解熱量(Ql)および高温側融解熱量(Qh)の和である全融解熱量(Q)とは、得られるDSC曲線において、低温側融解熱が開始する温度100℃での吸熱量(点A)から、高温側融解が終了する温度での吸熱量(点B)を結ぶ線分ABを引き、線分ABとDSC曲線で囲まれた部分である。
DSC曲線の低温側融解熱量および高温側融解熱量の2つの融解熱量領域の間の最も吸熱量が小さくなる点を点Cとし、点Cから線分ABへ垂直に上げて交わる点をDとした時、線分ADと線分CDとDSC曲線で囲まれた部分が、低温側融解熱量(Ql)であり、線分BDと線分CDとDSC曲線で囲まれた部分が高温側融解熱量(Qh)である。
高温熱量比が10%未満の場合、型内発泡成形で得られる成形体の圧縮強度が低く実用強度が低下する傾向がある。また、高温熱量比が30%を超える場合は、型内発泡成形で得られる発泡体の圧縮強度が高くなるが、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡力が低すぎ、型内発泡成形体全体が融着不良となる、あるいは、融着させるために高い成形圧が必要となる傾向がある。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の発泡倍率が20倍未満では、低温側熱量領域のDSC曲線の微分曲線中に極小値を有するポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることが困難となり、型内発泡体を得る成形圧が高くなる傾向がある。また、発泡倍率が60倍を超えると、型内発泡成形して得られるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の圧縮強度、等の実用機械特性が低下する傾向がある。
(1)一旦、ポリプロプレン系樹脂発泡粒子を得た後、無機ガス(例えば、空気、窒素、二酸化炭素等)を含浸して内圧を付与した後、特定の圧力の水蒸気と接触させるといった、少なくとも2回の発泡工程を経る方法、
(2)グリセリン、ポリエチレングリコール、炭素数が10以上25以下の脂肪酸のグリセリンエステルよりなる群、或いは、メラミン、イソアヌル酸等の吸水性物質、から選ばれる少なくとも1種の親水性化合物を0.05重量%以上2重量%以下含んでなるポリプロピレン系樹脂粒子を、加熱水蒸気中に発泡させる方法、
(3)複数のポリプロピレン系樹脂をブレンドしたポリプロピレン系樹脂粒子を原料として、加熱水蒸気中に発泡する方法、等が挙げられる。
ただし、1−ブテンおよびエチレン以外のコモノマーを含んでいてもよく、このような共重合可能なコモノマーとしては、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2または4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられる。
これらは、単独で使用されてもよいし、併用されてもよい。
エチレン含量が3.0重量%を超えると、発泡成形体の剛性(圧縮強度)が低くなり、自動車部材等での実用剛性に耐えなくなる傾向がある。
また、基材樹脂の融点としては、高い剛性を確保しつつ、低い成形圧を達成する観点からは、146℃以上154℃以下がより好ましく、147℃以上153℃以下が最も好ましい。
ポリプロピレン系樹脂粒子を製造する方法としては、押出機を用いる方法があげられる。
具体的には、例えば、ポリプロピレン系樹脂に予め、必要に応じて親水性化合物や発泡核剤、その他の添加剤をブレンドし、ブレンド物を押出機に投入して溶融混練し、ダイスより押出し、冷却した後、カッターにて細断することにより、粒子形状とすることができる。
密閉容器内に、ポリプロピレン系樹脂粒子を二酸化炭素などの発泡剤と共に水系分散媒に分散させ、ポリプロピレン系樹脂粒子の軟化温度以上の温度まで加熱、加圧した後、密閉容器の内圧よりも低い圧力域に放出する発泡工程を経て得るという、水分散系でポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する方法があげられる。
(1)密閉圧力容器内に、ポリプロピレン系樹脂粒子および水系分散媒、必要に応じて分散剤等を仕込んだ後、必要に応じて、密閉容器内を真空引きした後、1MPa(ゲージ圧)以上2MPa以下(ゲージ圧)の発泡剤を導入し、ポリプロピレン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱する。加熱することによって、密閉容器内の圧力が約2MPa(ゲージ圧)以上5MPa以下(ゲージ圧)まで上がる。必要に応じて、発泡温度付近にて、さらに発泡剤を追加して所望の発泡圧力に調整、さらに温度調整を行った後、密閉容器の内圧よりも低い圧力域に放出することにより、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
(2)密閉容器にポリプロピレン系樹脂粒子、水系分散媒、必要に応じて分散剤等を仕込んだ後、必要に応じて密閉容器内を真空引きした後、ポリプロピレン系樹脂の軟化温度以上の温度まで加熱しながら、発泡剤を導入してもよい。
(3)密閉容器にポリプロピレン系樹脂粒子、水系分散媒、必要に応じて分散剤等を仕込んだ後、発泡温度付近まで加熱し、さらに発泡剤を導入し、発泡温度とし、密閉容器の内圧よりも低い圧力域に放出してポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることもできる。
また、融解終了温度Tfとは、2回目の昇温時の融解ピークの高温側のすそが、高温側でベースラインの位置に戻る時の温度である。
分散剤として、例えば、第三リン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、クレー等の無機系分散剤が例示できる。これらは、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
このような場合には、一段発泡粒子に、無機ガス(例えば、空気、窒素、二酸化炭素、等)を含浸して内圧を付与した後、特定の圧力の水蒸気と接触させることにより、一段発泡粒子よりも発泡倍率が向上した発泡粒子であって、20℃/分の昇温速度のDSC曲線の微分曲線において、105℃以上120℃以下に、極大値を有する本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得ることができる。
そして、型内発泡成形体内部の融着性を向上させる為には、水蒸気圧力を高める(水蒸気温度を高める)必要があった。
例えば、固定型と移動型の金型を用いた型内発泡成形体において、いずれか一方の型のみで形が形成される部位を有する形状のものでは、当該部位は、型内発泡成形時に、他の部位に比べて水蒸気の通りが低いことから、融着性が低下する傾向にある。
なお、「固定型と移動型の金型を用いた型内発泡成形体において、発泡粒子を金型内に充填した場合にいずれか一方の型のみで形が形成される部位」を、以降「融着困難部位」と略して記載する。
融着性が低下しやすい別の型内発泡成形体形状としては、例えば、肉厚部と薄肉部が混在する型内発泡成形体が挙げられる。肉厚部と薄肉部が混在する型内発泡成形体では、表面美麗性を優先させると、薄肉部内部の融着性は確保できたとしても、肉厚部内部の融着性が著しく低下したものとなり、逆に、肉厚部内部の融着性を優先して水蒸気圧力を高めると、薄肉部には過剰の水蒸気圧となり、発泡粒子内の空気分圧は減少し、薄肉部表面にヒケや収縮によるしわが発生し、表面美麗性が低下したものとなる。即ち、融着性と表面美麗性のバランスがとりにくい傾向がある。
イ)ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を無機ガス、例えば空気や窒素、二酸化炭素等で加圧処理してポリプロピレン系樹脂発泡粒子内に無機ガスを含浸させ所定のポリプロピレン系樹脂発泡粒子内圧を付与した後、金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法、
ロ)ポリプロピレン系樹脂発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の回復力を利用して、水蒸気で加熱融着させる方法、
ハ)特に前処理することなくポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法、などの方法が利用し得る。
一方、図4における底面周縁立ち壁部は、底面の内部ではなく周縁部の立ち壁部であり、「融着困難部位」とは異なり、固定型と移動型の金型を用いた型内発泡成形体において、発泡粒子を金型内に充填した場合に、両方の型により形を形成することのできる部位である。
図4における、底面、底面周縁立ち壁部、内部底面立ち壁部の厚みは、それぞれ、図4に示した通りである。
一組の対向する2面は、平行であってもなくても良い。また、ここでいう「面」は、平面であっても、曲面であっても良い。
上記「最短距離」とは、少なくとも一方の面が平面の場合、他方の面のある一点から該平面上に垂線を伸ばした際の接点までの距離とする。
一方、部位形状が円形、略円形や楕円形の場合、閉じた1面であって実際には2面は存在しないが、円形や略円形の場合は直径を最短距離とし、楕円形の場合は短軸の長さ(短径)をもって最短距離とする。
なお、一つの部位において厚みは一定であっても良く、一定でなくても良い。
なお、一つの立ち壁部において、高さは一定であっても良く、一定でなくても良い。
内部底面立ち壁部の高さは、図4では、底面周縁立ち壁部の高さと同一であるが、異なっていても良い。
さらに、内部底面立ち壁部の数に関しても、図4では1つであるが、複数であっても良い。
(1)図5に示すような固定型<右上がり斜線部として示す。>と移動型<右下がり斜線部として示す>からなる金型に充填機を通してポリプロピレン系樹脂発泡粒子(格子部)を充填する工程(以降、「充填工程」と称す。)。
(2)蒸気弁Aとドレン弁Aを開け、蒸気弁Bとドレン弁Bを開けて、蒸気弁A、Bから水蒸気を流すことにより、金型チャンバー内に存在する空気を追い出すと共に、金型全体を加熱する工程(以降、「予備加熱工程」と称す。)。
(3)蒸気弁Aとドレン弁Bを開け、蒸気弁Bとドレン弁Aは閉じておき、蒸気弁Aから水蒸気を流すことにより、金型内に充填されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の間に存在する空気を追い出すと共に加熱する工程(以降、「一方加熱工程」と称す。)。
(4)次いで、蒸気弁Bとドレン弁Aを開け、蒸気弁Aとドレン弁Bは閉じておき、蒸気弁Bから水蒸気を流すことにより、金型内に充填されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の間に存在する空気を更に追い出すと共に、加熱する工程(以降、「逆一方加熱工程」と称す。)。
(5)蒸気弁AとBを開け、ドレン弁AとBを閉じて、蒸気弁AとBから水蒸気を流すことにより、金型内に充填されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子表面が軟化する迄、充分温度を上昇させて、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子同士を最終的に融着せしめ、一定形状のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体とする工程(以降、「両面加熱工程」と称す。)。
(6)金型を冷却した後、金型を開き、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体を取り出す工程(以降、「冷却・取り出し工程」と称す。)。
直径20mm未満の球しか切り出せない形状であれば、本発明の効果の発現が、従来技術に対して顕著ではなく、また、直径100mmを超える球を切り出すことのできる形状の場合は、当該部位について、融着性の良好な型内発泡成形を行うことが困難な傾向がある。
底面と底面周縁立ち壁部からなり物品収納可能な内部を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、
内部底面に少なくとも1つの立ち壁部を有し、
内部底面の立ち壁部の厚みが底面周縁立ち壁部厚みの1.2倍以上5倍以下であり、
内部底面の立ち壁部の高さが、底面の厚みの2倍以上25倍以下であるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体において、肉厚部の融着性向上および薄肉部の表面美麗性の両立という顕著な効果が発現される。そのため、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、該形状を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の成形に用いることがより好ましい。
形状の更に好ましい態様としては、内部底面の立ち壁部の厚みが底面周縁立ち壁部厚みの1.5倍以上4倍以下であり、内部底面立ち壁部の高さが、底面の厚みの5倍以上25倍以下である。
これらの中でも、比較的広い面積の底面周縁立ち壁部や底面と、肉厚の内部底面立ち壁部を有するラゲッジボックスにおいて、顕著な効果を奏する為、好適に使用することができる。すなわち、ラゲッジボックスにおける広い面積を有する底面周縁立ち壁部や底面は、表面のヒケやしわが目立ちやすいものであるが、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる場合は、肉厚の内部底面立ち壁部の融着性が優れると共に、広い面積の底面周縁立ち壁部や底面の表面美麗性も優れたものとなる。
●ポリプロピレン系樹脂:表1に示すポリプロピレン系樹脂[プライムポリマー(株)製]
●ポリエチレングリコール:ライオン(株)製、平均分子量300
●メラミン:日産化学(株)製
●タルク:林化成(株)製、タルカンパウダーPK−S
ポリプロピレン系樹脂(約1g)に、キシレン50gを加えて120℃で加熱溶解し、高温遠心分離(国産遠心機製、H175)を用いて、12000rpm×30分の条件にて、不溶分と可溶分に分別した。得られた可溶分を冷却後、遠心分離(12000rpm×30分)により、不溶分を得た。
得られた不溶分50mgに、オルトジクロロベンゼン−d4を0.4g加え、100℃で加熱溶融させて、13C−MNR[VARIAN社製、INOVA AS600]を用いて98℃にて測定を行い、プロピレン、ブテン、エチレンの共重合組成の定量を行った。
得られた発泡粒子3g以上10g以下程度を取り、60℃で6時間乾燥した後、23℃、湿度50%の室内で状態調節し、重量w(g)を測定後、水没法にて体積v(cm3)を測定し、発泡粒子の真比重ρb=w/vを求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度ρrとの比から発泡倍率K=ρr/ρbを求めた。
なお、以下に示す実施例および比較例においては、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度ρrは、いずれも0.90g/cm3である。
融点の測定は、示差走査熱量計DSC[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、得られたポリプロピレン系樹脂粒子5〜6mgを、10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温して樹脂粒子を融解し、その後10℃/minの降温速度で220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度として求められる値である。
高温側融解熱量の比率の測定は、示差走査熱量計DSC[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られるDSC曲線(図1参照)から、算出した。
DSC曲線の微分曲線の極大値の算出は、示差走査熱量計DSC[セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、得られたポリプロピレン系樹脂発泡粒子5〜6mgを20℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する際に得られるDSC曲線を微分処理した曲線(図2参照)において、その極大値になる時点の温度を読み取った。
ポリプロピレン発泡成形機[ダイセン株式会社製、KD345]を用い、固定型と移動型からなる縦400mm×横300mm×厚み60mmのブロック金型に、耐圧容器内にて加圧空気を含浸させ、発泡粒子内圧を予め0.2MPa(絶対圧)になるように調整した二段発泡粒子を充填し、まず0.1MPa(ゲージ圧)の水蒸気で金型内の空気を追い出し、その後、所定の成形圧力の加熱蒸気を用いて10秒間加熱成形(両面加熱)させることにより、ポリプロピレン系樹脂発泡成形体を得た。この際、成形圧力を0.01MPaごとに変化させて融着不良のポリプロピレン系樹脂発泡成形体から、融着良好なポリプロピレン系樹脂発泡成形体を作製した。
得られた発泡成形体を割って、各粒子が取れずに融着している成形体が得られる最も低い成形圧力を、最低成形加熱蒸気圧力とした。
ブロック金型を用いて最低成形加熱蒸気圧力にて型内発泡成形して得られた型内発泡成形体の表面について、以下の基準にて、表面性を評価した。
○:しわや粒間(ポリプロピレン系樹脂発泡粒子間の粒間)がほとんどなく、表面凹凸も目立たず、美麗である。
△:しわや粒間があり、表面凹凸がやや目立つ。
×:しわや粒間あるいは、ヒケがあり、外観が明らかに不良である。
ブロック金型を用いて得られた発泡成形体から縦50mm×横50mm×厚み25mmのテストピースを切り出し、NDZ−Z0504に準拠し、引張圧縮試験機[ミネベア製、TGシリーズ]を用いて、10mm/minの速度で圧縮した際の50%圧縮時の圧縮応力を測定した。
なお、50%圧縮時の圧縮応力は、型内発泡成形体の剛性の尺度である。
圧縮強度測定前のテストピースの重量W(g)を測定し、テストピースの縦、横、厚み寸法をノギスで測定し体積V(cm3)を算出し、成形体密度をW/Vにて求める。但し、単位がg/Lとなるように換算した。
箱形金型を用いて得られた発泡成形体の、内部底面立ち壁部厚み方向の中央にカッターで深さ5mmの切り込みを入れ、その後、手で内部底面立ち壁部を裂き、破断面を目視観察して、発泡粒子界面ではなく、発泡粒子内部が破断している割合を求めて、以下の基準にて、融着性を判定した。
○:発泡粒子内部破断の割合が80%以上。
△:発泡粒子内部破断の割合が60%以上80%未満。
×:発泡粒子内部破断の割合が60%未満(融着度合いが低いため、破断面に現れる発泡粒子界面割合が40%超)。
箱形金型を用いて得られた発泡成形体の、底面周縁立ち壁部外面の表面美麗性を、以下の基準にて判定した。
○:底面周縁立ち壁部外面にヒケおよび/またはしわが見られない。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子間(粒間)も目立たず美麗である。
△:底面周縁立ち壁部外面にヒケおよび/またはしわが少し見られる。ポリプロピレン系樹脂発泡粒子間(粒間)は目立たず美麗である。
×:底面周縁立ち壁部外面にヒケやしわが顕著に見られる。あるいはポリプロピレン系樹脂発泡粒子間(粒間)が目立つ。
<ポリプロピレン系樹脂粒子の作製>
1−ブテン含量3.8重量%、エチレン含量0.5重量%のポリプロピレン系樹脂[プライムポリマー(株)製]100部に対して、親水性化合物としてのポリエチレングリコール0.5重量部、発泡核剤としてのタルク0.2重量部を添加・混合した。得られた混合物を、2軸押出機[(株)オーエヌ機械製、TEX40]を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した後、得られたストランドを水冷後、切断して、ポリプロピレン系樹脂粒子(1.2mg/粒)を製造した。
<一段発泡粒子の作製>
内容量10Lの耐圧容器中に、得られた樹脂粒子100重量部、分散剤としてのパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム2重量部および分散助剤としてのn−パラフィンスルホン酸ソーダ0.05重量部を含む水系分散媒300重量部、ならびに発泡剤として炭酸ガス7.5重量部を仕込み、攪拌しながら、表1に示す発泡温度まで昇温し、10分間保持した後、炭酸ガスを追加圧入して、表1に示す発泡圧力に調整し、30分間保持した。
その後、炭酸ガスを圧入しながら容器内温、圧力を一定に保持しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて、水系分散媒を開孔径3.6mmφのオリフィス板を通して、大気圧下に放出することによってポリプロピレン系樹脂発泡粒子(一段発泡粒子)を得た。得られた一段発泡粒子に関して、発泡倍率、高温側融解熱量の比率の算出、DSC曲線の微分曲線の極大値の有無の読み取りを行った。その結果を、表1に示す。
<ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(二段発泡粒子)の作製>
得られた一段発泡粒子を80℃にて6時間乾燥させた後、耐圧容器内にて、加圧空気を含浸させて、内圧を0.37MPa(絶対圧)にした後、0.08MPa(ゲージ圧)の水蒸気と接触させることにより、二段発泡させた。
得られた二段発泡粒子に関して、発泡倍率、高温側融解熱量の比率の算出、DSC曲線の微分曲線の極大値の有無、極大値の温度の読み取りを行った。その結果を、表1に示す。
<型内発泡成形体の作製>
(最低成形加熱蒸気圧力の測定)に示した条件にて型内発泡成形体を作製し、最低成形加熱蒸気圧力を評価した。
さらに、最低成形加熱蒸気圧力で得られた成形体を、75℃で16時間乾燥した後、23℃で24時間養生し、成形体の表面性評価、圧縮強度を測定した。その結果を、表1に示す。
1−ブテン含量、エチレン含量を変更したポリオレフィン系樹脂[プライムポリマー(株)製]を用い、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作をして、ポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
<樹脂粒子の作製>時の親水性化合物をメラミン0.2重量部に変更し、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作をして、ポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
実施例1のポリプロピレン系樹脂粒子を用い、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
実施例5では、二段発泡粒子の高温熱量比が12%、実施例6では、二段発泡粒子の高温熱量比が28%であった。
実施例1のポリプロピレン系樹脂粒子を用い、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。
その結果を、表1に示す。
<二段発泡粒子の作製>時の二段発泡条件を表1記載の条件として二段発泡粒子を得た後、二段発泡粒子に更に加圧空気を含浸させて、内圧を0.35MPa(絶対圧)にし、0.03MPa(ゲージ圧)の水蒸気と接触させることにより、三段発泡粒子を得た。
また、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作をして、ポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、三段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
1−ブテン含量、エチレン含量および融点を変更したポリオレフィン系樹脂[プライムポリマー(株)製]を用い、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、ポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
実施例1のポリプロピレン系樹脂粒子を用いて、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
ここで、比較例1は、得られた二段発泡粒子の高温熱量比が8%、比較例2は高温熱量比が33%であった。
実施例1のポリプロピレン系樹脂粒子を用い、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
得られた二段発泡粒子のDSC曲線の微分曲線の極大値温度は126℃であった。なお、二段発泡粒子は、粒子間で凝集したアグロメ状態になり、成形できなかった。
実施例1のポリプロピレン系樹脂粒子を用い、発泡剤をiso−ブタンに変更して、表1に示す作製条件にて、発泡倍率30倍の一段発泡粒子を得た以外は、実施例1と同様の操作により、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
なお、得られた一段発泡粒子のDSC測定の微分曲線には、極大値が存在しなかった。
1−ブテン含量7.0重量%、エチレン含量3.0重量%のポリプロピレン系樹脂[プライムポリマー(株)製]を用い、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、ポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
ホモポリプロピレン樹脂(1−ブテン含量0重量%、エチレン含量0重量%)[プライムポリマー(株)製]を用い、表1に示したように各種条件を変更した以外は、実施例1と同様の操作により、ポリプロピレン系樹脂粒子、一段発泡粒子、二段発泡粒子、型内発泡成形体を得て、評価した。その結果を、表1に示す。
実施例1で作製した二段発泡粒子を用いて、次のようにして、肉厚部と薄肉部を有する型内発泡成形体評価を行った。ポリプロピレン発泡成形機[東洋機械金属株式会社製、P−300]を用い、以下に示す形状寸法を有する成形体が得られる箱形金型を用いる型内発泡成形により、図4に示す内部底面立ち壁部を有する箱型の型内発泡成形体を得た。この際、予め二段発泡粒子内部の空気圧力が0.30MPa(絶対圧)になるように調整しておき、これを金型に充填し、まず0.1MPaの水蒸気で金型内の空気を追い出し、その後、表2記載の蒸気圧力の加熱蒸気を用いて10秒間加熱成形(両面加熱)させることにより、該型内発泡成形体を得た。
ここで、得られる型内発泡成形体の箱型形状外寸は、縦350mm×横400mm×高さ150mmであり、底面の厚みおよび底面周縁立ち壁部の厚みは全て均一で15mmである。内部底面立ち壁部は、箱型の型内発泡成形体長手方向の底部中央に位置し、内部容積を均等に二分している。内部底面立ち壁部の厚みは50mmであり、内部底面立ち壁部の高さは底面周縁立ち壁部の高さと同じ135mm(=外寸高さ150mm−底面厚み15mm)である。
得られた型内発泡成形体に関して、内部底面立ち壁部の融着性と、底面周縁立ち壁部外面の表面美麗性を評価した。評価結果を表2に示す。
表2あるいは表3に記載のポリプロピレン系樹脂粒子、発泡粒子や各種条件とした以外は、実施例13と同様にして、箱型の型内発泡成形体を得て、評価した。
結果を、表2あるいは表3に示す。
内部底面立ち壁部の厚みを18mmとし、成形加熱蒸気圧力を0.26MPa(ゲージ圧)とした以外は、実施例13と同様の操作により、箱型の型内発泡成形体を得て、評価した。結果を表2に示す。
内部底面立ち壁部の幅を50mmとし、内部底面立ち壁部高さを底面周縁立ち壁部の高さより低い75mmとし、成形加熱蒸気圧力を0.26MPa(ゲージ圧)とした以外は、実施例13と同様の操作により、箱型の型内発泡成形体を得て、評価した。結果を表2に示す。
箱型形状外寸の高さを390mm、内部底面立ち壁部の厚みを50mmとし、内部底面立ち壁部高さを底面周縁立ち壁部の高さと同じ375mm(=外寸高さ390mm−底面厚み15mm)
とし、成形加熱蒸気圧力を0.30MPa(ゲージ圧)とした以外は、実施例13と同様の操作により、箱型の型内発泡成形体を得て、評価した。結果を表2に示す。
型内発泡成形体の箱型形状外寸を縦350mm×横400mm×高さ310mmとし、底面の厚みおよび底面周縁立ち壁部の厚みは全て均一で10mmとした。また、内部底面立ち壁部の厚みは60mmであり、内部底面立ち壁部高さは底面周縁立ち壁部の高さと同じの300mm(=外寸高さ310mm−底面厚み10mm)とし、成形加熱蒸気圧力を0.30MPa(ゲージ圧)とした以外は、実施例13と同様の操作により、箱型の型内発泡成形体を得て、評価した。結果を表2に示す。
表3に記載のポリプロピレン系樹脂粒子、発泡粒子や各種条件とした以外は、実施例22と同様(内部底面立ち壁部の厚みを18mm)の操作により、箱型の型内発泡成形体を得て、評価した。結果を表3に示す。
Claims (10)
- プロピレンに共重合されるコモノマーとして、1−ブテンおよびエチレンを含み、1−ブテン含量とエチレン含量の総和が1.0重量%以上、且つ、1−ブテン含量が6.0重量%以下、エチレン含量が3.0重量%以下であり、かつ、融点が140℃以上155℃以下であるポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子であって、
発泡倍率20倍以上60倍以下、
10℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線において、低温側融解熱量領域(Ql)と高温側融解熱量領域(Qh)の2つの領域を有し、
高温側融解熱量の比率(Qh/(Ql+Qh)×100)(%)が10%以上30%以下であり、且つ、20℃/分の昇温速度にて40℃から220℃まで昇温する示差走査熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線の微分曲線中に、105℃以上120℃以下の間に極大値を有することを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子。 - 基材樹脂としてのポリプロピレン系樹脂の融点が147℃以上153℃以下であることを特徴とする、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 少なくとも2回の発泡工程を経て得られることを特徴とする、請求項1あるいは2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、型内発泡成形してなることを特徴とする、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
- 固定型と移動型の金型を用いて得られる型内発泡成形体において、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填した場合にいずれか一方の型のみで形が形成される部位を有することを特徴とする、請求項4記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
- 固定型と移動型の金型を用いて得られる型内発泡成形体において、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を金型内に充填した場合にいずれか一方の型のみで形が形成される部位の形状が、前記部位から最も大きく球を切り出す際に、直径20mm以上100mm以下の球を切り出すことのできる形状であることを特徴とする、請求項5記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
- 底面と底面周縁立ち壁部からなり、物品収納可能な内部を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体であって、
内部底面に少なくとも1つの立ち壁部を有し、
内部底面の立ち壁部の厚みが底面周縁立ち壁部厚みの1.2倍以上5倍以下であり、
内部底面の立ち壁部の高さが、底面の厚みの2倍以上30倍以下であることを特徴とする、請求項5または6記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。 - 内部底面立ち壁部が、物品収納可能な内部を区画する為の立ち壁部であることを特徴とする請求項7記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
- 内部底面の立ち壁部の高さ方向の延長線上に、充填機先端の転写跡が残っていることを特徴とする、請求項7または8記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
- ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体が、ラゲッジボックスであることを特徴とする、請求項7〜9の何れか一項記載のポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
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