JP2012212176A - 最も精密な光学品質を有するレンズ基材の表面に被覆層を転写する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】好適な実施例では、透明接着組成物は感圧接着剤およびホットメルト接着剤からなる群から選択される。
【選択図】図1
Description
少なくとも1つの幾何学的に定義された面を有するレンズブランクを準備し、
被覆層を担持する内側面と、外側面とを有する支持体、または成形部分を準備し、
レンズブランクの幾何学的に定義された面、または被覆層の上に予備測定された量の硬化型接着組成物を成膜し、
被覆層を硬化型接着組成物に接触させる、または前記硬化型接着組成物をレンズブランクの幾何学的に定義される面に接触させるように、レンズブランクと支持体とを互いに相対的に移動させ、
硬化型組成物が硬化した後の最終接着層の厚みが100マイクロメータ未満になるように、支持体の外側面へ十分な圧力を適用し、
接着組成物の層を硬化させ、
支持体または成形部分を廃棄して、その幾何学的に定義される面に被覆層を接着したレンズブランクを回収する。
(a)少なくとも1つの機能被覆層を担持する主面を有する担体を得る工程と、
(b)少なくとも1つの幾何学的に定義される面を有するレンズ基材を得る工程と、
(c)前記少なくとも1つの機能被覆層、または前記レンズ基材の前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面のいずれかの上に、透明接着組成物を成膜する工程と、
(d)前記透明接着組成物の層が、工程(c)の終了時に処理条件下で流動不可状態になっていない場合は、前記層を流動不可状態にする工程と、
(e)前記透明接着組成物層を、前記レンズ基材の前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面、または前記少なくとも1つの機能被覆層のいずれかに直接接触させるように、前記担体と前記レンズ基材とを互いに相対的に移動させる工程と、
(f)前記透明接着組成物層を、前記少なくとも1つの機能被覆層、または前記レンズ基材の前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面のいずれかと共に加圧する工程と、
(g)場合によっては設けられる、加圧工程(f)の間に熱を加える工程と、
(h)加圧工程(f)を停止する工程と
(i)前記担体を廃棄して、前記透明接着組成物層を介して前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面に接着する前記少なくとも1つの機能被覆層で被覆された前記レンズ基材を回収する工程とを備える方法が提供される。
円環状の面の場合:円環状の面は、2つの主な経線である半径Rおよびr(R>r)を持つ。この円環状の面を定義する曲率半径Rおよびrに各々対応する2つのベースカーブBLRおよびBLr(BLR<BLr)を計算することができる。
BLR=530/R およびBLr=530/r
Rおよびrの単位はmmである。
本発明に用いる担体は球面状であり、ベースカーブBCを有することが好ましい。
上記の円環状面のベースカーブBLRおよびBLrと、担体のベースカーブBCは、以下の関係を満たすことが好ましい。
a) BLr−BLR<3.5の場合は、
0<BC−BLR<3、および|BC−BLr|<1、
好ましくは、
0.2<BC−BLR<2.5、および|BC−BLr|<0.5
b) BLr−BLR>3.5の場合は、
BLR<BC<BLr
研削は、レンズブランクの面に曲率を生成することを目的とする機械的処理工程である。
研削の後に行われる精密研削(ファイニング)は、レンズブランクの研削処理後の面の幾何学的形状を更に変化させるが、処理を施した面にまだかなりの表面粗さを示す、半透明のレンズブランクを生成する。
このようなパラメータRqは以下の工程により求められる。
−プロフィールZ=f(x)の取得、
−形状抽出、
−フィルタリング(直線抽出)、および
−パラメータRqの決定
本発明に用いられるPSAは好ましくは、ポリアクリレートを主体としたPSAおよびスチレンブロック共重合体を主体としたPSAから選択される。
防汚性被覆層の厚みは通常1〜30nm、好ましくは1〜15nm、より好ましくは1〜5nmである。
反射防止被覆層およびその形成方法は当技術分野では周知である。最終光学製品の反射防止性能を改善させるものであれば、いかなる層または積層であってもよい。反射防止被覆層は、好ましくは、SiO、SiO2Si3N4、TiO2、ZrO2、Al2O3、MgF2またはTa2O5、またはそれらの混合物などの誘電体からなる単層膜または多層膜からなる。
1)−場合によってはイオンビームアシストを行う、蒸着
2)−イオンビームによる散布
3)−陰極スパッタリング、あるいは
4)−プラズマアシスト気相化学蒸着
カプリング剤の調製に用いられるエポキシアルコキシシラン(類)および不飽和アルコキシシラン(類)の量は、好ましくは次式で表される重量比が0.8≦R≦1.2の条件を満たすものである。
kは1〜3の整数であり、好ましくは1に相当する。
R’は、好ましくはOCH3などのアルコキシ基である。
1)アルコキシシラン類の混合
2)好ましくは塩酸などの酸添加による、上記アルコキシシラン類の加水分解
3)上記混合物の攪拌
4)場合によっては有機溶媒を添加
5)1または数種のたとえばアルミニウムアセチルアセトネートなどの触媒の添加
6)攪拌(一般的処理時間:一夜)
耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層組成物は、単に乾燥させてもよく、あるいは次の耐衝撃性プライマー被覆層(透明接着組成物層でありうる)の適用、または本発明の方法の実施の前に、予備硬化させてもよい。耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層組成物の特徴に応じて、熱硬化、UV硬化、またはその両方の組合せを用いることができる。
硬化後の耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層の厚みは、通常、1〜15μm、好ましくは2〜6μm、より好ましくは3〜5μmの範囲である。
耐衝撃性プライマー被覆層は、最終光学製品の耐衝撃性を高めるために一般的に使用されるどのような被覆層であってもよい。また、この被覆層は通常最終光学製品の基材上の耐擦傷性被覆層の接着性も強化する。耐衝撃性プライマー被覆層は、該耐衝撃性プライマー被覆層をもたないこと以外は同一の光学製品と比べて、最終光学製品の耐衝撃性を改善する、被覆層である、と定義される。
(メタ)アクリル系耐衝撃性プライマー被覆層は、例として、米国特許第5,015,523号および第6,503,631号に開示されている。一方、熱可塑性および架橋性のポリウレタン樹脂被覆層は、例として、日本特許第63−141001号および第63−87223号、欧州特許第0404111号および米国特許第5,316,791号に開示されている。
好ましい(メタ)アクリル系耐衝撃性プライマー被覆層組成物としては、たとえば、テトラエチレン グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを主体とした組成物ならびにウレタン(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物を挙げることができる。
耐衝撃性プライマー被覆層組成物は、単に乾燥させてもよく、あるいは光学基材の成形の前に、予備硬化させてもよい。耐衝撃性プライマー被覆層組成物の特徴に応じて、熱硬化、UV硬化、またはその両方の組合せを用いることができる。
機能被覆層の可撓性担体はプロセスの完了時に廃棄することを意図していることを前提とすると、本発明のプロセスの最後に除去できる、剥離剤の層を該担体に最初に被覆してもよい。1つの実施態様では、上記に定義される防汚性トップコート層が、非除去剥離剤層として有利に機能する。
以下に本発明を実施例で説明する。
実施例1〜3では、担体はその凸面に、担体から始まり、防汚性トップコート層、反射防止被覆層、および耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層を含む積層を担持するポリカーボネート(PC)担体(球面状:5.80ベース)である。耐衝撃性プライマー組成物としても機能する透明接着組成物層が耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層上に形成される。被覆層積層および透明接着組成物層のアセンブリを「HMC被覆層」と称する。
HMC被覆層を担持するPC担体を「HMC担体」と称する。
保護および剥離性被覆層の組成物を以下に示す。
HMC被覆層の転写後、この保護および剥離性被覆層は転写されず担体上に残る。
保護被覆層の成膜の後、PC担体に以下の方法で真空によるコーティングを行う。
(A) 標準真空AR処理:真空AR処理は標準的ボックスコーター中で公知の真空蒸着処理を用いて行った。以下は担体上にVARを得るための手順の1例である。
1 基材に保護被覆層を塗布した担体を標準ボックスコーター中に挿入し、チャンバを高真空に引く。
2 熱蒸着技術を用いて、防汚性被覆層(信越化学工業KP801M)を、担体上に厚み2〜15nmの範囲に成膜する。
3 次に、高屈折率および低屈折率材料のサブレイヤの積層からなる誘電体多層AR被覆層を正順の逆で成膜する。次に成膜の詳細を記載する。
低屈折率および高屈折率の交互の層の光学的厚みを次の表に示す(担体表面から、記載されている順に成膜される)。
(B) 上述の4層の反射防止積層の成膜の完了時に、1〜50nmの物理的厚みを有するSiO2の薄層を成膜する。この層は反射防止酸化物の積層と、後にこの被覆担体上に成膜するラッカーのハードコート層との間の接着性を向上させるためのものである。
ハードコート層の組成物は以下のとおりである。
カプリング剤は以下の成分を含む予備濃縮液である。
3M SCOTCHR n°600 透明テープを用い、ISTM 02010に準拠したクロスハッチ接着性試験に従って乾燥接着剤を測定する。25マスを形成する。接着性は以下のように評価される。
5.8および6.4ベースを有する射出成形により作製した0.5mmのPC担体の凸面を上述のHMC被覆層でコーティングする。
これはボシュロム(Bausch & Lomb Co)社製のレンズメータであり、光源、移動および回転可能なターゲット、標準レンズ、望遠鏡、眼鏡レンズを標準レンズ前眼部主焦点に保持する手段、ターゲット位置の回転および移動手段、および機械的に同軸にする装置からなる軸対象光学系である。眼鏡レンズを測定位置の中心に合わせ、ターゲットを眼鏡レンズの焦点位置において標準レンズで撮像する位置に位置決めする。この位置において眼鏡レンズによってターゲットが望遠鏡の焦点板上に撮像され、望遠鏡の接眼レンズを通して見ることができる。B&Lベルトメータを用いて、レンズの検査およびレンズ上の光学歪または変形の有無を識別することができる。
上述のHMC担体、すなわち、HMAポリウレタンラテックス材料(Baxenden社のW−234)を含有する耐衝撃性プライマー層および接着被覆層組成物を含むHMC被覆層を担持するPC担体を用いる。このHMAラテックスは、60℃より高温に加熱されると粘着性になる。この粘着挙動は加熱と冷却により反復させることができる。
本発明に係るHMAの代わりに、5滴(0.15g以下)のUVアクリル接着溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順を行った。次に、同様の担体とレンズのアセンブリを40秒間UV硬化させた。その後、担体を除去し、HMC層をレンズ表面に転写した。得られたレンズは実施例1と同じ被覆性能を有する。その性能範囲は、Z80.1規格(+/−0.13ジオプトリ)の範囲である。しかしながら、B&Lベルトメータで確認すると、レンズに何らかの光学的歪または光学的変形が見られた。これはレンズの裏側の液体接着層が均一でないことに起因する。レンズ表面全体で見られたアクリル接着層の被覆層の最大厚みは9.80μmである。レンズ表面全体で見られた被覆層の最小厚みは1.57μmである。図4はこの実施例で得られた回収済みのレンズ基材の接着層における厚みのバラツキを示すマップである。図からわかるように、レンズの区域によっては厚みのバラツキが大きいところがある。B&Lベルトメータで確認すると、この方法により作成された3つのレンズは同じく数例の光学的歪/波を有している。
UV架橋可能なPSA組成物を用いたこと以外は実施例1と同様の手順を用いた。PSA # US02008(Rahn Inc社製)をMEK (30/70 w/w)中で希釈し、HMC担体(5.80ベース)にスピンコートした。その結果得られる層を、不活性雰囲気下でUV放射に30秒間露出した。露出後の層を乾燥したが、触るとまだ粘性があった。担体上のHMC被覆層をポリカーボネートレンズの裏面(−2.00D、裏面カーブ5.0)に図1A〜1Cに関連して記載した方法で転写した。外部空気圧力(14psi〜0.98バール)を30秒間担体/レンズアセンブリに適用した。その際、UVまたは熱は適用しなかった。圧力を解放した後、レンズの裏面から担体を取外し、被覆層の積層およびPSA層はレンズ上に残した。
2.1gのEscorez 5380樹脂(エクソンモービル社製)と、0.9gのVector 4100ブロック共重合体を20gのトルエンに加え、両方が完全に溶解するまでよく攪拌した。これが初期PSA溶液であり、13%の固体物を含有していた。次に、5gの初期溶液を5gのトルエンで希釈して、その結果6.5%の固体物を有する溶液とし、最終PSA溶液を得た。この後、この溶液を5.8ベースのHMCを予めコーティングした担体の凸面に、スピンコートした。その際のスピンコート条件は以下のとおりである。
低速:500rpm、2秒間
高速:2000rpm、5秒間
PSA層のPSAコーティング後、トルエンの臭気が検知できなくなるまで担体を空気乾燥させた。担体の凸側を、5.0ベースの裏面カーブを有する−2.00Dポリカーボネートレンズの凹側の上に配置し、16psiの膜圧を適用しそれを1分間維持したことと、熱を加えないこと以外は実施例1と同様の手順を用いてBST積層プロセスを実施した。担体を除去した後、HMC積層をレンズの裏面に転写した。この転写中にはAR破損はない。得られたレンズは非常に良好な光学性能を有し、B&Lベルトメータではどんな光学歪も見られなかった。
真空下で転写プロセスを用いて観察される接着剤の厚みをシミュレートする目的で、いくつかのORMARレンズをW−234ラテックス(HMA)でコーティングし、加熱し、次に、米国特許第4,242,162号に記載される真空モジュールを用いて、その表面をポリオレフィンフィルム(被覆層なし)で加圧した。
ラテックス被覆層の厚みを、レンズ全体にわたって詳細に観察し、SMR計器を用いて光学的に測定した。
表7〜9は、ポリオレフィンフィルムによる加圧工程の前後に測定した4箇所のラテックスの厚みの値(単位μm)を示す。これらの表から、スピンコートの速度に関係なく、レンズ全体の上記の4箇所における厚みが均一であることと、転写プロセスをシミュレートした後の厚みの変化が最小であることがわかる。特に注目する点は、レンズの中心部と周辺部で同様の結果が得られることである。
(A)試料の準備:レンズ試料を、図5に示すように4つの小部分に切出し、顕微鏡で容易に見ることができるようにエポキシ樹脂でブロック/固定した。NWES(北西東南)すべてのCX側が北向きになるように配置した。円盤状になるように試料の回りに液体エポシキを注ぎ、その後、断面部から測定するように、互いに近接させ、平行になるように留意した。各エポキシパック(円盤)の北側に印を付けた。各研磨工程の後、試料を完全に洗浄した。
この実施例では、PSAの使用について記載する。最初に支持フィルム(以下、「ライナー」と称する)上に成膜したPSA層を、ライナーから担体のHMC積層上に転写する。
次にこのHMC積層を担体からレンズの表面上に転写する。
まず最初に、PSA転写プロセス時に担体を支持する支持要素を、図6に概略を示す以下の手順に従って鋳造する。
この手順では、第1の担体1を用いる。
担体1を囲む環状壁2の周辺部を固定して、底面を担体1の裏面の凹側によって区切られ縁部を担体の周辺から上方に突出する環状壁2によって区切られた鋳造成形型を作製する。
重合性組成物としてSilguardR(10重量%の重合触媒を含有するシリコーン組成物)を含有する鋳造組成物3を上述の鋳造成形型に注入し、60℃で24時間加熱して重合させる。
担体1および環状壁2を取除いた後に、凸状の支持要素4を得る。この支持要素4の凸面側は担体1の裏面を逆に複製したものである。
凸状支持要素4は本実施例の次の工程で用いられる。この支持要素によって、後述するHMC被覆担体20(図7)のPSA層の転写時の変形を防ぐ。
凸状の表面にHMC反転積層を有する4.5ベースのHMC担体20(直径74mm)を準備する。
HMC積層の表面に圧縮空気を吹付ける。HMC担体20を、上述のように形成された支持要素4の上に、その裏面の凹側を支持要素4の表面の凸側に載せるようにして配置する。上述したように、支持要素4はHMC担体20の裏面側を逆に複製したものなので、担体の表面の凸側に圧力を加えても担体の変形は起きない。
次に、支持要素4の上に配置されたHMC担体20を図7の装置の適合装置1の支持板7上に配置する。
取外し可能な加熱器(図示省略)をフィルム支持要素(8)の上に配置する。
この加熱器は、加熱空気の対流を用いることにより、PSAフィルムの温度を145℃に上昇させることができる。
この温度に達すると、フィルム支持要素8/着脱式加熱器/フィルム30を含むアセンブリ全体を適合装置1の上に配置し、ブロック手段9によってその周辺をブロックする。
本実施態様では、真空は用いない。
垂直軸yyに沿って垂直に摺動可能な卵形状(曲半径およそ43mm、硬度54ショア硬さ00)の中空のシリコンパッド11を、下方向に移動させ、フィルム30に接触させる。
次に、第2の工程において、HMC担体20と支持要素4とが載置されているプランジャ2を作動させることによって、HMC担体20を速度3mm/秒で垂直に上方に移動する。
フィルム/PSA層/HMC担体の間で完全な適合接触(conformal contact)に到達すると、この垂直移動が停止する。
PSAフィルムの中心の位置が+10mm(yy軸上で測定する、PSAの中心の初期位置からの距離)であり、80Nのフィルム上にかかる圧力に対応する時にこの完全適合接触に到達する。
次にパッド11を速度14mm/秒で垂直に上方に移動させる。
ライナー/PSA/HMC/担体をこの順に備えるHMC担体20を装置1から取り外す。
ライナーを担体の周辺において切断する。
上述の工程2において得られた保護ライナーを用いてPSAを接着し、その保護ライナーを除去した、4.5ベースのHMC担体を、裏面カーブが3.90である、+1.75PCレンズの裏面側につけ、膜圧1.26バール(18psi)下で2分間、小型加圧装置中で積層させる。その後、圧力を解放し、担体をレンズから取り除き、HMC層をレンズの裏面側に完全に転写する。PSA接着層があることにより、この転写プロセスにはUVまたは熱処理が必要ない。転写プロセス全体が非常に短時間で完了する。
Claims (25)
- 少なくとも1つの被覆層を、レンズ基材の少なくとも1つの幾何学的に定義される面上に転写する方法であって、
(a)少なくとも1つの機能被覆層を担持する主面を有する担体を得る工程と、
(b)少なくとも1つの幾何学的に定義される面を有するレンズ基材を得る工程と、
(c)前記少なくとも1つの機能被覆層、または前記レンズ基材の前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面のいずれかの上に、透明接着組成物を成膜する工程と、
(d)前記透明接着組成物の層が、工程(c)の終了時に処理条件下で流動不可状態になっていない場合は、前記層を流動不可状態にする工程と、
(e)前記透明接着組成物層を、前記レンズ基材の前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面、または前記少なくとも1つの機能被覆層のいずれかに直接接触させるように、前記担体と前記レンズ基材とを互いに対して相対的に移動させる工程と、
(f)前記透明接着組成物層を、前記少なくとも1つの機能被覆層、または前記レンズ基材の前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面のいずれかと共に加圧する工程と、
(g)場合によっては設けられる、加圧工程(f)の間に熱を加える工程と、
(h)加圧工程(f)を停止する工程と、
(i)前記担体を廃棄して、前記透明接着組成物層を介して前記少なくとも1つの幾何学的に定義される面に接着する前記少なくとも1つの機能被覆層で被覆された前記レンズ基材を回収する工程とを含む方法。 - 前記回収した被覆レンズ基材において、前記透明接着組成物層は均一の厚みである請求項1に記載の方法。
- 前記透明接着組成物層の厚みは、0.5〜20μmの範囲である請求項2に記載の方法。
- 前記透明接着組成物は、感圧接着剤(PSA)およびホットメルト接着剤(HMA)からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記PSAは、ポリアクリレートを主体としたPSAおよびスチレンブロック共重合体を主体としたPSAから選択される請求項4に記載の方法。
- 前記ホットメルト接着剤は乾燥ポリ(メタ)アクリルラテックス、ポリウレタンラテックス、ポリエステルラテックス、およびそれらの混合物から選択される請求項4に記載の方法。
- 前記透明接着組成物層はスピンコート法を用いて成膜される請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの機能被覆層は、防汚性トップコート層、反射防止被覆層、耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層、および耐衝撃性被覆層からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記担体の前記主面は複数の機能被覆層の積層を担持する請求項1に記載の方法。
- 前記複数の機能被覆層の積層は、前記担体主面から始まって、防汚性トップコート層、反射防止被覆層、耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層、および、場合によっては設けられる耐衝撃性プライマー被覆層を含む請求項9に記載の方法。
- 前記耐衝撃性プライマー被覆層は前記透明接着組成物層である請求項10に記載の方法。
- 前記透明接着組成物層は耐衝撃性被覆層として機能する請求項1に記載の方法。
- 前記担体は可撓性担体である請求項1に記載の方法。
- 前記可撓性担体は熱可塑性材料で作製される請求項13に記載の方法。
- 前記熱可塑性材料はポリカーボネートである請求項14に記載の方法。
- 前記可撓性担体の厚みは0.2〜5mmである請求項13に記載の方法。
- 加圧工程(f)は前記担体に空気圧力を適用することによって行う請求項1に記載の方法。
- 加圧工程(f)は真空を適用することによって行う請求項1に記載の方法。
- 前記透明接着組成物は、感圧接着剤であり、加圧工程(f)の間、熱を適用しない請求項1に記載の方法。
- 前記透明接着組成物はホットメルト接着組成物であり、加圧工程(f)の間、熱を適用する請求項1に記載の方法。
- 適用される熱の範囲は50〜120℃である請求項20に記載の方法。
- 熱は3〜30分間適用される請求項20に記載の方法。
- 前記担体は球面形状を有し、前記レンズ基材の幾何学的に定義される面は、球面状、円環状、または累進状の面である請求項13に記載の方法。
- 前記レンズ基材は、ポリカーボネート、熱可塑性または熱硬化性のポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリエポキシド、ポリエピスルフィド、ポリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)共重合体、それらの共重合体、およびそれらの配合物から作製される請求項1に記載の方法。
- 前記幾何学的に定義される面はコロナ放電処理によって前処理される請求項24に記載の方法。
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