JP2012207552A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一度に多くの尿素水を貯えることにより、尿素水の給水回数を減らして、作業効率を向上する。
【解決手段】 NOx浄化装置19の尿素水噴射ノズル19Fに供給する尿素水を貯える既存の尿素水タンク20とは別個に、尿素水を貯える補助タンク23を設ける。補助タンク23は、連通配管24を通じて尿素水タンク20に連通させ、この連通配管24の途中に切換弁25を設け、補助タンク23と尿素水タンク20との間を連通、遮断する構成としている。従って、尿素水タンク20内の尿素水が少なくなったら、切換弁25を開いて連通配管24を連通させることにより、補助タンク23内の尿素水を連通配管24を介して尿素水タンク20に供給することができ、油圧ショベル1を連続して稼動させることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 NOx浄化装置19の尿素水噴射ノズル19Fに供給する尿素水を貯える既存の尿素水タンク20とは別個に、尿素水を貯える補助タンク23を設ける。補助タンク23は、連通配管24を通じて尿素水タンク20に連通させ、この連通配管24の途中に切換弁25を設け、補助タンク23と尿素水タンク20との間を連通、遮断する構成としている。従って、尿素水タンク20内の尿素水が少なくなったら、切換弁25を開いて連通配管24を連通させることにより、補助タンク23内の尿素水を連通配管24を介して尿素水タンク20に供給することができ、油圧ショベル1を連続して稼動させることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、排気ガス中の窒素酸化物を除去するためのNOx浄化装置と尿素水タンクを搭載した油圧ショベル等の建設機械に関する。
一般に、建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とによって構成されている。
上部旋回体は、支持構造部材を形成する旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載されたエンジンと、前記旋回フレームの左前側に設けられたキャブとを備え、該キャブ内には、オペレータが着座する運転席等が設けられている。
油圧ショベルのエンジンにはディーゼルエンジンが用いられている。このディーゼルエンジンは、窒素酸化物(以下、NOxという)等を多く排出するとされている。そこで、ディーゼルエンジンの排気ガスの後処理装置として、NOxを浄化するためのNOx浄化装置がある。このNOx浄化装置は、例えばエンジンの排気管に設けられ排気ガス中の窒素酸化物を除去する尿素選択還元触媒等から構成されている。また、NOx浄化装置に付随して尿素水タンクが設けられ、該尿素水タンク内には、還元剤としての尿素水(尿素水溶液)が貯えられている。この尿素水タンクは、尿素選択還元触媒よりも上流側位置に設けた尿素水噴射ノズルと接続配管を介して接続されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、油圧ショベルが作業を行う現場では、尿素水を給水するための設備が整っている場合は稀である。このために、尿素水タンクには、尿素水の給水回数を少なくできるように容量の拡大が望まれる。
尿素水は、−11℃以下で凍結してしまい、50℃以上で結晶化してしまうために、通常4℃〜45℃の環境で保存することが望ましい。このため、尿素水タンクの設置場所が制限されたり、尿素水タンクに温度の調整機能を持たせたりする必要がある。さらに、尿素水を給水するときの作業性を考えた場合、外部から手が届く範囲に設置することが望ましい。
然るに、尿素水タンクの容量を拡大するために該尿素水タンクを大型化した場合、良好な温度環境、容易に給水できる環境に尿素水タンクを設置できなくなってしまう。しかも、尿素水タンクを大型化すると、尿素水が凍結したときに、解凍に多大な時間を要したり、これを解凍するために高性能な解凍装置が必要になる。この結果、尿素水タンクを大型化することができないから、尿素水の給水回数が多くなり作業効率が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、一度に多くの尿素水を貯えることができ、尿素水の給水回数を減らして、作業効率を向上できるようにした建設機械を提供することにある。
本発明による建設機械は、自走可能な車体と、該車体の前側に位置して設けられた作業装置と、該作業装置とバランスさせるために前記車体の後側に設けられたカウンタウエイトと、前記車体に搭載されたエンジンと、該エンジンを冷却する冷却水および/または油圧機器を作動する作動油を冷却する熱交換装置と、前記エンジンの排気管に設けられ排気ガス中の窒素酸化物を除去する尿素選択還元触媒を備えたNOx浄化装置と、還元剤である尿素水を貯えるために中空な容器からなる尿素水タンクと、該尿素水タンクと前記エンジンの排気管との間を接続する接続配管とを備えている。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記尿素水タンクとは別個に尿素水を貯える補助タンクを設け、該補助タンクを前記尿素水タンクに連通させる連通配管を設け、該連通配管には前記補助タンクと尿素水タンクとの間を連通、遮断する切換弁を設ける構成としたことにある。
請求項2の発明は、前記車体の前側には、前記エンジンに供給する燃料または前記作動油を貯える貯油タンクを設け、前記補助タンクは、該貯油タンクの周囲に設ける構成としたことにある。
請求項3の発明は、前記補助タンクは、前記作業装置を構成するブームのフート部、前記カウンタウエイト、前記熱交換装置のうち、いずれか一の位置に設ける構成としたことにある。
請求項4の発明は、前記車体には、当該車体の支持構造部材を形成する車体フレームを設け、該車体フレームは、底板と、該底板上に前,後方向に延びて立設され前記作業装置を支持する左縦板、右縦板と、該各縦板の前側に位置して左,右方向に延びて設けられ該各縦板間を連結する前連結板とを備え、前記補助タンクは、前記車体フレームの前連結板の周囲に設ける構成としたことにある。
請求項5の発明は、前記車体の前側には、オペレータが搭乗するキャブを設け、該キャブの後側には、建設機械に用いる物品を収容するユーティリティ室を設け、前記補助タンクは、該ユーティリティ室に設ける構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、尿素水タンク内の尿素水が少なくなったら、切換弁を開いて連通配管を連通させることにより、補助タンク内の尿素水を連通配管を介して尿素水タンクに供給することができる。
ここで、尿素水タンクと別個に設けた補助タンクは、小さなスペースでも設置することができるから、大気温度に近い良好な温度環境を選んで設置することができる。これにより、補助タンクは、尿素水の温度を調整するための装置を省略することができる。また、補助タンクは、容易に尿素水を給水できるように、外部から手が届く範囲に設置することもできる。一方、尿素水タンクは、補助タンクと同様に、大気温度に近い良好な温度環境、容易に尿素水を給水できる環境に置くことができる。
この結果、車体には、尿素水タンクと補助タンクの両方のタンクを設置することができ、一度に多くの尿素水を貯えることができるから、尿素水の給水回数を減らすことができ、建設機械の作業効率を向上することができる。
しかも、尿素水タンクと補助タンクの2個のタンクで尿素水を貯えているから、各タンク内で尿素水が凍結した場合には、メインの尿素水タンク内の尿素水を解凍するだけで、この尿素水を接続配管を介してエンジンの排気管に供給することができる。従って、補助タンクには、解凍装置、これに関係する各種センサ等を設ける必要がないから、該補助タンクを安価な中空容器として製造することができる。
さらに、補助タンクと尿素水タンクとを連通する連通配管には、切換弁を設けているから、例えば補助タンクを尿素水タンクよりも高い位置に配置した場合でも、切換弁を閉じて連通配管を遮断することにより、補助タンクから尿素水が流れ込んで尿素水タンクが溢れるような事態を防止することができる。これにより、補助タンクを設置することができるスペースを広げることができる。
請求項2の発明によれば、貯油タンクの周囲は、大気温度に近い良好な温度環境であり、この貯油タンクの周囲のスペースを利用して補助タンクを設けることができる。
請求項3の発明によれば、作業装置を構成するブームのフート部、カウンタウエイト、熱交換装置は、いずれも大気温度に近い良好な温度環境であり、これらのスペースを利用して補助タンクを設けることができる。
請求項4の発明によれば、前連結板が設けられた車体フレームの前側位置は、大気温度に近い良好な温度環境であり、この前連結板の周囲のスペースを利用して補助タンクを設けることができる。
請求項5の発明によれば、キャブの後側に設けたユーティリティ室は、大気温度に近い良好な温度環境であり、このユーティリティ室のスペースを利用して補助タンクを設けることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、クローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示している。この第1の実施の形態では、補助タンクは、貯油タンクの周囲に配置する構成とした場合を例示している。
図1において、1は土砂の掘削作業等に用いられる建設機械としての油圧ショベルである。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。
作業装置4は、後述の旋回フレーム5を構成する左,右の縦板5B,5Cの前側に位置するブーム取付部5B1,5C1に俯仰動可能に取付けられたブーム4Aと、該ブーム4Aの先端部に俯仰動可能に取付けられたアームと、該アームの先端部に回動可能に取付けられたバケット等の作業具(いずれも図示せず)とにより大略構成されている。
さらに、作業装置4には、ブーム4Aを俯仰動するためのブームシリンダ4Bが設けられ、該ブームシリンダ4Bは、基端側が左,右の縦板5B,5Cの最前部に位置するシリンダ取付部5B2,5C2等に回動可能に取付けられ、先端側がブーム4Aの中間位置に取付けられている。同様に、ブーム4Aとアームとの間にはアームシリンダが設けられ、アームと作業具との間にはバケットシリンダ(いずれも図示せず)が設けられている。ブーム4Aは、鋼板を四角形状に組立てることにより角筒体として形成され、基端側のフート部4A1が左,右の縦板5B,5Cに取付けられている。
上部旋回体3は、図2に示すように、後述の旋回フレーム5、キャブ6、カウンタウエイト7、エンジン8、熱交換装置10、作動油タンク12、燃料タンク13、物品収容箱14、ユーティリティ室15、排気ガス後処理装置17、尿素水タンク20、接続配管21、補助タンク23、連通配管24、切換弁25等により大略構成されている。
5は上部旋回体3の支持構造部材を形成する旋回フレームである。この旋回フレーム5は、図2、図3に示す如く、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板5Aと、該底板5A上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延びた左縦板5B,右縦板5Cと、該各縦板5B,5C間の前側に位置して左,右方向に延びて設けられ該各縦板5B,5C間を連結する前連結板5Dと、前記各縦板5B,5Cの左,右方向の外側に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた左サイドフレーム5E,右サイドフレーム5Fと、該右サイドフレーム5Fの前端部から左側に延びた右前フレーム5Gと、前記底板5A、縦板5B,5Cから左,右方向に張出し、その先端部に左,右のサイドフレーム5E,5Fを支持する複数本の張出しビーム5Hと、右前フレーム5Gと張出しビーム5Hとの間、各張出しビーム5H間を覆うアンダカバー5Jとにより大略構成されている。
ここで、左,右の縦板5B,5Cは、前側寄りの上部にブーム取付部5B1,5C1が設けられ、最前部にシリンダ取付部5B2,5C2が設けられている。前連結板5Dは、前側がシリンダ取付部5B2,5C2の近傍で底板5Aに固着され、後側がブーム取付部5B1,5C1に向けて斜め上側に延びている。前連結板5Dは、各縦板5B,5C間を連結することにより、該各縦板5B,5Cが倒れないように支持する補強板を構成している。また、前連結板5Dには各縦板5B,5Cに設けられたシリンダ取付部5B2,5C2と対をなす2個のシリンダ取付部5D1,5D1が設けられている。
6は左縦板5Bの左側に位置して旋回フレーム5上に搭載されたキャブ(図1参照)である。このキャブ6は、オペレータが搭乗するもので、その内部にはオペレータが着座する運転席、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー等(いずれも図示せず)が配設されている。
7は旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト7は、作業装置4との重量バランスをとるものである。カウンタウエイト7は、前面が平坦面となり、後面が湾曲するように突出した中空容器として形成され、その内部には、鉄スクラップ、コンクリート等の重量物が充填されている。また、カウンタウエイト7の前側には、後述のエンジン8等が配設されている。
8は旋回フレーム5の後側に設けられたエンジン(図2参照)で、該エンジン8は、ディーゼルエンジンとして構成され、旋回フレーム5に横置き状態で搭載されている。このエンジン8の左側には、左側から外気を吸込んで後述の熱交換装置10に供給するための冷却ファン8Aが設けられている。さらに、エンジン8の前側には、排気ガスを排出するための排気管9が設けられている。
ここで、ディーゼルエンジン8は、高効率で耐久性に優れているが、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質が排気ガスと一緒に排出されてしまう。そこで、排気管9に取付けられる後述の排気ガス後処理装置17は、図4に示すように、粒子状物質を除去するPM捕集装置18と、窒素酸化物(NOx)を除去するNOx浄化装置19とを備えている。
10はエンジン8の左側に冷却ファン8Aに対面して設けられた熱交換装置で、該熱交換装置10は、エンジン冷却水を冷却するラジエータ、作動油を冷却するオイルクーラ、エンジン8が吸込む空気を冷却するインタクーラ等により構成されている。また、11はエンジン8の右側に取付けられた油圧ポンプで、該油圧ポンプ11は、エンジン8によって駆動されることにより、作動油タンク12からの作動油を圧油として吐出するものである。
12はエンジン8(油圧ポンプ11)の前側に位置して旋回フレーム5の右側に設けられた貯油タンクとしての作動油タンクを示している。この作動油タンク12は、上,下方向に延びる直方体状の耐圧タンクとして形成されている。
13は作動油タンク12の前側に隣接するように旋回フレーム5の右側に設けられた貯油タンクとしての燃料タンクを示している。この燃料タンク13は、エンジン8に供給する燃料を貯えるもので、上,下方向に延びる直方体状の容器として形成されている。
14は旋回フレーム5の右前部に設けられた物品収容箱である(図1参照)。この物品収容箱14内には、後述の尿素水タンク20と補助タンク23とが収容されている。物品収容箱14は、下側が開口したボックス状の箱体を旋回フレーム5上に取付けることにより形成されている。また、物品収容箱14は、上面から前面にかけて円弧状に湾曲している。
15はキャブ6の後側に位置して旋回フレーム5上に設けられたユーティリティ室を示している。このユーティリティ室15内には、メンテナンス用の工具、グリースガン、消耗部品、油圧機器等を収容することができる。ユーティリティ室15は、キャブ6の後面に対面するように左,右方向に延びて立設された前仕切板15Aと、熱交換装置10の前側に位置して左,右方向に延びて立設された後仕切板15Bと、後述する建屋カバー16の上面カバー部16B等によって画成されている。
16はエンジン8、熱交換装置10、後述の排気ガス後処理装置17等を覆う建屋カバーで、該建屋カバー16は、キャブ6とカウンタウエイト7との間に位置して旋回フレーム5上に設けられている。そして、建屋カバー16は、熱交換装置10、ユーティリティ室15等の左側を覆う左側面カバー部(図示せず)と、油圧ポンプ11等の右側を覆う右側面カバー部16Aと、各側面カバー部16Aの上側に位置してエンジン8、ユーティリティ室15等の上側を覆う上面カバー部16Bとにより大略構成されている。また、上面カバー部16B上には、エンジン8等のメンテナンス作業を行うときに開閉されるエンジンカバー部16Cが設けられている。
次に、第1の実施の形態の特徴部分となるNOx浄化装置19等を備えた排気ガス後処理装置17の構成について、図2、図4等を参照しつつ述べる。
17はエンジン8の排気管9に接続して設けられた排気ガス後処理装置である。この排気ガス後処理装置17は、排気ガス中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して除去するPM捕集装置18と、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を還元剤となる尿素水(尿素水溶液)を用いて浄化する後述のNOx浄化装置19を備えるものである。そして、排気ガス後処理装置17は、PM捕集装置18とNOx浄化装置19とにより大略構成されている。
18はエンジン8の排気管9の出口側に接続して設けられたPM捕集装置(粒子状物質除去装置)である。このPM捕集装置18は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集して除去するものである。PM捕集装置18は、円筒状容器として形成された筒状ケース18Aと、該筒状ケース18A内に収容されたPM捕集フィルタ18Bとにより大略構成されている。このPM捕集フィルタ18Bは、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、捕集した粒子状物質を燃焼させて除去するものである。
19はPM捕集装置18の下流側に接続して設けられたNOx浄化装置である。このNOx浄化装置19は、尿素水を利用して排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するものである。また、NOx浄化装置19は、筒状容器として形成された筒状ケース19Aと、該筒状ケース19Aの入口側をPM捕集装置18の出口側に接続する中間配管19Bと、前記筒状ケース19Aの出口側から上側に延びた尾管19Cと、前記筒状ケース19A内に収容された尿素選択還元触媒19Dと、該尿素選択還元触媒19Dの下流側に設けられた酸化触媒19Eと、前記尿素選択還元触媒19Dの上流側となる中間配管19Bに設けられた尿素水噴射ノズル19Fとにより大略構成されている。また、尿素水噴射ノズル19Fは、後述の接続配管21、供給ポンプ22を介して尿素水タンク20に接続されている。
ここで、NOx浄化装置19は、尿素水噴射ノズル19Fにより排気ガス中に尿素水を噴射し、尿素選択還元触媒19Dにより尿素水から生成されたアンモニアを用いて排気ガス中のNOxを還元反応させ、水と窒素に分解し、さらに、酸化触媒19Eでは、NOxを還元した後に残った残留アンモニアを酸化することにより、水と窒素に分離することができる。
次に、NOx浄化装置19に還元剤である尿素水を貯え、供給するための系統について説明する。
20はNOx浄化装置19と接続して設けられた尿素水タンクで、該尿素水タンク20は、尿素水噴射ノズル19Fから排気管9に噴射するための尿素水を貯えるものである。また、尿素水タンク20は、燃料タンク13の前側、即ち、物品収容箱14内に収容されている。尿素水タンク20は、その具体的な形状を例示すれば、上,下方向と前,後方向に延びた左,右方向に扁平なボックス状の密閉容器として形成され、上部には給水用の給水口20Aが設けられている。一方、尿素水タンク20の下部には、後述の接続配管21と連通配管24が接続されている。
ここで、尿素水は、−11℃以下で凍結してしまい、一方、50℃以上で結晶化してしまうから、尿素水タンク20の設置場所としては、大気温度に近い温度条件、例えば4℃〜45℃となる場所が望ましい。そこで、第1の実施の形態では、尿素水タンク20を燃料タンク13の前側に位置する物品収容箱14内に配置している。従って、尿素水タンク20は、大気温度に近い温度条件の場所であれば、ユーティリティ室15等に配置してもよいものである。また、尿素水は寒冷地で凍結したり、大気温度が高い場所では結晶化することが考えられるため、尿素水タンク20には、温度センサ、解凍装置、冷却装置等(いずれも図示せず)が装備されている。さらに、物品収容箱14は外部から容易に手が届く場所であり、尿素水タンク20に尿素水を簡単な作業で給水すことができる。
21は尿素水タンク20と尿素水噴射ノズル19Fとを接続して設けられた接続配管である。この接続配管21には、尿素水タンク20側寄りに位置して供給ポンプ22が設けられている。これにより、尿素水タンク20内の尿素水は、接続配管21を介して尿素水噴射ノズル19Fに加圧状態で供給することができる。
23は尿素水タンク20と別個に設けられた補助タンクを示している。この補助タンク23は、内部に尿素水を貯えることにより、尿素水タンク20と協働して尿素水を貯えるための容量を拡大するものである。補助タンク23は、燃料タンク13の周囲、例えば燃料タンク13の前側に位置する物品収容箱14内に、尿素水タンク20と一緒に収容されている。補助タンク23は、尿素水タンク20とほぼ同様に、上,下方向と前,後方向に延びた左,右方向に扁平なボックス状の密閉容器として形成され、上部には給水用の給水口23Aが設けられている。一方、補助タンク23の下部には、後述の連通配管24が接続されている。
ここで、補助タンク23は、尿素水タンク20内の尿素水が無くなったときのために、予備の尿素水を貯えるタンクである。従って、補助タンク23内に貯えた尿素水は、油圧ショベル1を運転するときに直ちに必要になるものではない。即ち、補助タンク23内の尿素水は、凍結したとしても運転中に徐々に溶ければよいものである。このことから、補助タンク23は、温度センサ、解凍装置等を装備する必要がなく、安価な密閉容器として形成することができる。
補助タンク23は、尿素水タンク20の左側に並ぶように物品収容箱14内に配置しているから、外部から容易に手を伸ばすことができ、尿素水タンク20と一緒に尿素水を簡単な作業で給水すことができる。
24は補助タンク23を尿素水タンク20に連通させる連通配管である。該連通配管24は、一端部が補助タンク23の下部位置に接続され、他端部が尿素水タンク20の下部位置に接続されている。これにより、連通配管24は、補助タンク23内に貯えられた尿素水を尿素水タンク20に流通させることができる。
25は連通配管24の途中に設けられた切換弁である。この切換弁25は、手動または制御信号によって開弁,閉弁することにより、連通配管24を介して補助タンク23と尿素水タンク20との間を連通,遮断するものである。そして、切換弁25は、開弁することにより、補助タンク23内の尿素水を尿素水タンク20に供給することができる。一方、閉弁した状態では、補助タンク23内の尿素水が尿素水タンク20側に流れるのを阻止することができる。
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
オペレータは、キャブ6に搭乗し、エンジン8を始動して油圧ポンプ11を駆動する。そして、走行用のレバー等を操作することにより、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、作業用のレバーを操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
エンジン8の運転時には、排気管9から有害物質である粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)等が排気ガスの一部として排出される。このときに、PM捕集装置18は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)をPM捕集フィルタ18Bによって捕集し、捕集した粒子状物質を燃焼させて除去することができる。
一方、NOx浄化装置19は、尿素水タンク20内の尿素水を、供給ポンプ22を用いて接続配管21から尿素水噴射ノズル19Fに圧送供給する。これにより、NOx浄化装置19は、中間配管19Bを通る排気ガス中に尿素水噴射ノズル19Fから尿素水を噴射してアンモニアを生成する。これにより、尿素選択還元触媒19Dでは、窒素酸化物を水と窒素に還元し、酸化触媒19Eでは、NOxを還元した後に残った残留アンモニアを酸化して水と窒素に分離すことにより、窒素酸化物(NOx)の排出量を低減することができる。
ところで、尿素水タンク20内の尿素水が無くなり、尿素水の給水も受けることが困難な場合には、切換弁25を開弁し、補助タンク23内の尿素水を連通配管24を通じて尿素水タンク20内に供給する。これにより、油圧ショベル1を連続して稼動させることができる。
また、尿素水タンク20と補助タンク23に尿素水を給水(補給)する場合には、物品収容箱14を開くことにより、それぞれの給水口20A,23Aに容易に手を伸ばすことができ、簡単に給水することができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、NOx浄化装置19の尿素水噴射ノズル19Fに供給する尿素水を貯える既存の尿素水タンク20とは別個に、尿素水を貯える補助タンク23を設ける。この補助タンク23は、連通配管24を通じて尿素水タンク20に連通させ、該連通配管24の途中に切換弁25を設け、前記補助タンク23と尿素水タンク20との間を連通、遮断する構成としている。
従って、尿素水タンク20内の尿素水が少なくなったら、切換弁25を開いて連通配管24を連通させることにより、補助タンク23内の尿素水を連通配管24を介して尿素水タンク20に供給することができ、油圧ショベル1を連続して稼動させることができる。
ここで、尿素水タンク20と別個に設けた補助タンク23は、尿素水タンク20を単に大型化した場合に比較し、小さなスペースでも設置することができるから、大気温度に近い良好な温度環境、具体的には、燃料タンク13の前側に位置する物品収容箱14内のスペースを利用して設置することができる。これにより、補助タンク23は、尿素水の温度を調整するための装置を省略することができる。また、物品収容箱14内に配置した補助タンク23は、容易に尿素水を給水することもできる。
この結果、上部旋回体3には、尿素水タンク20と補助タンク23の両方のタンクを設置することができ、一度に多くの尿素水を貯えることができるから、尿素水の給水回数を減らすことができ、油圧ショベル1の作業効率を向上することができる。
しかも、尿素水タンク20と補助タンク23との2個のタンクで尿素水を貯えているから、各タンク20,23内で尿素水が凍結した場合には、メインタンクとなる尿素水タンク20内の尿素水を解凍するだけで、この尿素水を接続配管21を介してエンジン8側のNOx浄化装置19に供給することができる。従って、補助タンク23には、解凍装置、これに関係する各種センサ等を設ける必要がないから、該補助タンク23を安価な中空容器として製造することができる。
さらに、補助タンク23と尿素水タンク20とを連通する連通配管24には、切換弁25を設けているから、該切換弁25を閉じて連通配管24を遮断することができる。従って、例えば補助タンク23を、尿素水タンク20よりも高い位置に配置した場合でも、補助タンク23から尿素水タンク20に尿素水が流れ込んで溢れるような事態を防止することができる。これにより、補助タンク23を設置することができるスペースを上側に広げることができる。
次に、図5および図6は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、補助タンクは、車体フレームの前連結板の周囲に設ける構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は尿素水タンク20と別個に設けられた第2の実施の形態による補助タンクを示している。この補助タンク31は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、尿素水タンク20と協働して尿素水を貯えるための容量を拡大するものである。しかし、第2の実施の形態による補助タンク31は、設置された場所が第1の実施の形態による補助タンク23と相違している。
即ち、補助タンク31は、旋回フレーム5の前側に位置して左,右の縦板5B,5C間を連結した前連結板5Dに設けられている。補助タンク31は、直方体状の密閉容器として形成され、前連結板5Dの裏面にベルト32を用いて取付けられている。この前連結板5Dの位置は、外部に露出しており、大気温度に近い良好な温度条件となっている。
また、尿素水タンク20側となる補助タンク31の右側面には、前連結板5Dの裏面に取付けられた状態で上部となる位置に給水用の延長給水口31Aが設けられている。一方、補助タンク31の下部となる位置には、後述の連通配管33が接続されている。延長給水口31Aは、尿素水を容易に給水できるように、前連結板5Dの後側から上側に突出する位置まで延びている。
ここで、補助タンク31は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、予備の尿素水を貯えるだけのタンクであるから、温度センサ、解凍装置等を装備する必要がなく、安価な密閉容器として形成することができる。しかも、補助タンク31は、その延長給水口31Aを前連結板5Dの後側まで延ばしているから、尿素水を簡単な作業で給水すことができる。
33は補助タンク31を尿素水タンク20に連通させる連通配管である。該連通配管33は、一端部が補助タンク31の下部位置に接続され、他端部が尿素水タンク20の下部位置に接続されている。これにより、連通配管33は、補助タンク31内に貯えられた尿素水を尿素水タンク20に流通させることができる。
34は連通配管33の途中に設けられた切換弁である。この切換弁34は、開弁,閉弁することにより、連通配管33を介して補助タンク31と尿素水タンク20との間を連通,遮断するものである。これにより、切換弁34を開弁して連通配管33を遮断した状態では、補助タンク31内の尿素水が尿素水タンク20側に流れるのを阻止できるから、補助タンク31を、尿素水タンク20よりも高い位置に配置した場合でも、該補助タンク31から尿素水タンク20に尿素水が流れ込んで溢れるような事態を防止することができる。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、補助タンク31を旋回フレーム5の前連結板5Dの裏面側のスペースを利用して設けることができる。また、補助タンク31は、尿素水タンク20よりも高い位置に配置しているが、連通配管33には切換弁34を設けているから、この切換弁34を閉弁することにより、尿素水タンク20から尿素水が溢れるのを防止することができる。
次に、図7は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、補助タンクは、作業装置のブームのフート部に設ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は尿素水タンク20と別個に設けられた第3の実施の形態による補助タンクを示している。この補助タンク41は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、尿素水タンク20と協働して尿素水を貯えるための容量を拡大するものである。しかし、第3の実施の形態による補助タンク41は、設置された場所が第1の実施の形態による補助タンク23と相違している。
即ち、補助タンク41は、作業装置4を構成するブーム4Aのフート部4A1に設けられている。補助タンク41は、直方体状の密閉容器として形成され、フート部4A1の上面部4A2にベルト42を用いて取付けられている。このフート部4A1の位置は、外部に露出しており、大気温度に近い良好な温度条件となっている。なお、補助タンク41は、ブーム4Aと一緒に俯仰動するが、この補助タンク41は、予備の尿素水を貯えているだけであるから、内部で尿素水が波立っても問題はない。
また、補助タンク41には、ブーム4Aに取付けられた状態で上部となる位置に、給水用の給水口41Aが設けられている。一方、補助タンク41の下部となる位置には、後述の連通配管43が接続されている。
ここで、補助タンク41は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、予備の尿素水を貯えるだけのタンクであるから、温度センサ、解凍装置等を装備する必要がなく、安価な密閉容器として形成することができる。しかも、補助タンク41は、建屋カバー16上に乗ることにより、給水口41Aから尿素水を給水すことができる。
43は補助タンク41を尿素水タンク20に連通させる連通配管である。該連通配管43は、一端部が補助タンク41の下部位置に接続され、他端部が尿素水タンク20に接続されている。これにより、連通配管43は、補助タンク41内に貯えられた尿素水を尿素水タンク20に流通させることができる。
44は連通配管43の尿素水タンク20側寄りに設けられた切換弁である。この切換弁44は、開弁,閉弁することにより、連通配管43を介して補助タンク41と尿素水タンク20との間を連通,遮断するものである。これにより、切換弁44を開弁して連通配管43を遮断した状態では、補助タンク41内の尿素水が尿素水タンク20側に流れるのを阻止できるから、補助タンク41を、尿素水タンク20よりも高い位置に配置した場合でも、該補助タンク41から尿素水タンク20に尿素水が流れ込んで溢れるような事態を防止することができる。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態では、補助タンク41を作業装置4を構成するブーム4Aのフート部4A1の上面部4A2のスペースを利用して設けることができる。また、補助タンク41は、尿素水タンク20よりも高い位置に配置しているが、連通配管43には切換弁44を設けているから、この切換弁44を閉弁することにより、尿素水タンク20から尿素水が溢れるのを防止することができる。
次に、図8は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、補助タンクは、カウンタウエイトに設ける構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は旋回フレーム5の後端部に取付けられた第4の実施の形態によるカウンタウエイトである。このカウンタウエイト51は、第1の実施の形態によるカウンタウエイト7とほぼ同様に、作業装置4との重量バランスをとるもので、前面が平坦面となり、後面が湾曲するように突出した中空容器として形成され、その内部には、鉄スクラップ、コンクリート等の重量物が充填されている。
しかし、第4の実施の形態によるカウンタウエイト51は、右前側に位置して凹陥部51Aが設けられている点で、第1の実施の形態によるカウンタウエイト7と相違している。この凹陥部51Aは、カウンタウエイト51の上面部および前面部を切欠いてステップ状に窪ませることにより、左,右方向に長尺な直方体状の収容空間を備えている。凹陥部51Aの位置は、外部に露出しており、大気温度に近い良好な温度条件となっている。
ここで、カウンタウエイト51に凹陥部51Aを形成した場合、この凹陥部51Aの分だけカウンタウエイト51の容積が小さくなる。しかし、カウンタウエイト51に充填する重量物の比重を高める(例えば鉄スクラップの比率を高める)ことにより、適正な重量を得ることができる。
52は尿素水タンク20と別個に設けられた第4の実施の形態による補助タンクを示している。この補助タンク52は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、尿素水タンク20と協働して尿素水を貯えるための容量を拡大するものである。しかし、第4の実施の形態による補助タンク52は、設置された場所が第1の実施の形態による補助タンク23と相違している。
即ち、直方体状の密閉容器として形成された補助タンク52は、カウンタウエイト51の凹陥部51Aに設けられている。この凹陥部51Aの位置は、外部に露出しており、大気温度に近い良好な温度条件となっている。また、補助タンク52の上側には、給水用の給水口52Aが設けられている。一方、補助タンク52の下側には、後述の連通配管53が接続されている。
ここで、補助タンク52は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、予備の尿素水を貯えるだけのタンクであるから、温度センサ、解凍装置等を装備する必要がなく、安価な密閉容器として形成することができる。しかも、補助タンク52は、建屋カバー16上に乗ることにより、給水口52Aから尿素水を給水すことができる。
53は補助タンク52を尿素水タンク20に連通させる連通配管である。該連通配管53は、一端部が補助タンク52の下部位置に接続され、他端部が尿素水タンク20に接続されている。これにより、連通配管53は、補助タンク52内に貯えられた尿素水を尿素水タンク20に流通させることができる。
54は連通配管53の尿素水タンク20側寄りに設けられた切換弁である。この切換弁54は、開弁,閉弁することにより、連通配管53を介して補助タンク52と尿素水タンク20との間を連通,遮断するものである。これにより、切換弁54を開弁して連通配管53を遮断した状態では、補助タンク52内の尿素水が尿素水タンク20側に流れるのを阻止できるから、補助タンク52を、尿素水タンク20よりも高い位置に配置した場合でも、該補助タンク52から尿素水タンク20に尿素水が流れ込んで溢れるような事態を防止することができる。
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態では、カウンタウエイト51を利用して補助タンク52を設けることができる。また、補助タンク52は、尿素水タンク20よりも高い位置に配置しているが、連通配管53には切換弁54を設けているから、この切換弁54を閉弁することにより、尿素水タンク20から尿素水が溢れるのを防止することができる。
次に、図9は本発明の第5の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、補助タンクは、熱交換装置の周囲に設ける構成としたことにある。なお、第5の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
61は尿素水タンク20と別個に設けられた第5の実施の形態による補助タンクを示している。この補助タンク61は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、尿素水タンク20と協働して尿素水を貯えるための容量を拡大するものである。しかし、第5の実施の形態による補助タンク61は、設置された場所が第1の実施の形態による補助タンク23と相違している。
即ち、直方体状の密閉容器として形成された補助タンク61は、熱交換装置10の周囲で、冷却ファン8Aによって外部から吸込まれる大気に当たる位置、例えば、熱交換装置10を挟んでエンジン8と反対側に位置して旋回フレーム5上に設けられている。従って、熱交換装置10の周囲は、冷えた冷却風が当たることで大気温度に近い良好な温度条件となっている。補助タンク61の上側には、給水用の給水口61Aが設けられ、下側には後述の連通配管62が接続されている。
ここで、補助タンク61は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、予備の尿素水を貯えるだけのタンクであるから、温度センサ、解凍装置等を装備する必要がなく、安価な密閉容器として形成することができる。しかも、補助タンク61は、建屋カバー16の左側面カバー部を開くことにより、給水口61Aから尿素水を給水すことができる。
62は補助タンク61を尿素水タンク20に連通させる連通配管である。該連通配管62は、一端部が補助タンク61の下部位置に接続され、他端部が尿素水タンク20に接続されている。これにより、連通配管62は、補助タンク61内に貯えられた尿素水を尿素水タンク20に流通させることができる。
63は連通配管62の尿素水タンク20側寄りに設けられた切換弁である。この切換弁63は、開弁,閉弁することにより、連通配管62を介して補助タンク61と尿素水タンク20との間を連通,遮断するものである。
かくして、このように構成された第5の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第5の実施の形態では、冷えた冷却風が当たる熱交換装置10の左側に補助タンク61を設けることができ、尿素水の温度上昇を抑えることができる。
次に、図10は本発明の第6の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、補助タンクは、キャブの後側のユーティリティ室に設ける構成としたことにある。なお、第6の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
71は尿素水タンク20と別個に設けられた第6の実施の形態による補助タンクを示している。この補助タンク71は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、尿素水タンク20と協働して尿素水を貯えるための容量を拡大するものである。しかし、第6の実施の形態による補助タンク71は、設置された場所が第1の実施の形態による補助タンク23と相違している。
即ち、直方体状の密閉容器として形成された補助タンク71は、キャブ6の後側に位置するユーティリティ室15内に設けられている。このユーティリティ室15内は、大気温度に近い良好な温度条件となっている。補助タンク71の上側には、給水用の給水口71Aが設けられ、下側には後述の連通配管72が接続されている。
ここで、補助タンク71は、第1の実施の形態による補助タンク23とほぼ同様に、予備の尿素水を貯えるだけのタンクであるから、温度センサ、解凍装置等を装備する必要がなく、安価な密閉容器として形成することができる。しかも、補助タンク71は、建屋カバー16の左側面カバー部を開くことにより、給水口71Aから尿素水を給水すことができる。
72は補助タンク71を尿素水タンク20に連通させる連通配管である。該連通配管72は、一端部が補助タンク71の下部位置に接続され、他端部が尿素水タンク20に接続されている。これにより、連通配管72は、補助タンク71内に貯えられた尿素水を尿素水タンク20に流通させることができる。
73は連通配管72の尿素水タンク20側寄りに設けられた切換弁である。この切換弁73は、開弁,閉弁することにより、連通配管72を介して補助タンク71と尿素水タンク20との間を連通,遮断するものである。
かくして、このように構成された第6の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第6の実施の形態では、ユーティリティ室15内のスペースを利用することで、補助タンク71を容易に設けることができる。
なお、第1の実施の形態では、尿素水タンク20を燃料タンク13の前側に位置する物品収容箱14内に配置した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、尿素水タンク20は、大気温度に近い温度条件の場所であれば、カウンタウエイト7、熱交換装置10の周囲、ユーティリティ室15等に配置する構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用できるものである。
また、第2の実施の形態では、補助タンク31をベルト32を用いて旋回フレーム5の前連結板5Dに取付ける構成とした場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば補助タンク31をボルト等の締結部材を用いて直接的に前連結板5Dに取付ける構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用できるものである。
さらに、各実施の形態では、建設機械として、クローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、ホイール式の油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、ホイールローダ、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用することができる。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
4A ブーム
4A1 フート部
5 旋回フレーム(車体フレーム)
5A 底板
5B,5C 縦板
5D 前連結板
6 キャブ
7,51 カウンタウエイト
8 エンジン
9 排気管
10 熱交換装置
12 作動油タンク(貯油タンク)
13 燃料タンク(貯油タンク)
14 物品収容箱
15 ユーティリティ室
19 NOx浄化装置
20 尿素水タンク
21 接続配管
23,31,41,52,61,71 補助タンク
24,33,43,53,62,72 連通配管
25,34,44,54,63,73 切換弁
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
4A ブーム
4A1 フート部
5 旋回フレーム(車体フレーム)
5A 底板
5B,5C 縦板
5D 前連結板
6 キャブ
7,51 カウンタウエイト
8 エンジン
9 排気管
10 熱交換装置
12 作動油タンク(貯油タンク)
13 燃料タンク(貯油タンク)
14 物品収容箱
15 ユーティリティ室
19 NOx浄化装置
20 尿素水タンク
21 接続配管
23,31,41,52,61,71 補助タンク
24,33,43,53,62,72 連通配管
25,34,44,54,63,73 切換弁
Claims (5)
- 自走可能な車体と、該車体の前側に位置して設けられた作業装置と、該作業装置とバランスさせるために前記車体の後側に設けられたカウンタウエイトと、前記車体に搭載されたエンジンと、該エンジンを冷却する冷却水および/または油圧機器を作動する作動油を冷却する熱交換装置と、前記エンジンの排気管に設けられ排気ガス中の窒素酸化物を除去する尿素選択還元触媒を備えたNOx浄化装置と、還元剤である尿素水を貯えるために中空な容器からなる尿素水タンクと、該尿素水タンクと前記エンジンの排気管との間を接続する接続配管とを備えてなる建設機械において、
前記尿素水タンクとは別個に尿素水を貯える補助タンクを設け、該補助タンクを前記尿素水タンクに連通させる連通配管を設け、該連通配管には前記補助タンクと尿素水タンクとの間を連通、遮断する切換弁を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。 - 前記車体の前側には、前記エンジンに供給する燃料または前記作動油を貯える貯油タンクを設け、前記補助タンクは、該貯油タンクの周囲に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記補助タンクは、前記作業装置を構成するブームのフート部、前記カウンタウエイト、前記熱交換装置のうち、いずれか一の位置に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記車体には、当該車体の支持構造部材を形成する車体フレームを設け、
該車体フレームは、底板と、該底板上に前,後方向に延びて立設され前記作業装置を支持する左縦板、右縦板と、該各縦板の前側に位置して左,右方向に延びて設けられ該各縦板間を連結する前連結板とを備え、
前記補助タンクは、前記車体フレームの前連結板の周囲に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。 - 前記車体の前側には、オペレータが搭乗するキャブを設け、該キャブの後側には、建設機械に用いる物品を収容するユーティリティ室を設け、前記補助タンクは、該ユーティリティ室に設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140318 |