JP2012166376A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤塗布工程・乾燥工程・離型フィルム貼り合わせ工程の各製造工程において、離型フィルムを構成する、離型層とポリエステルフィルム基材との経時密着性が良好であり、耐溶剤性が良好である離型フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの片面に塗布層を有し、当該塗布層上にプレス接着率が90%以上の離型層を有する離型フィルムであり、スルホン酸またはスルホン酸塩基を有するポリエステル樹脂の少なくとも1種類以上を前記塗布層中に含有する離型フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は離型フィルムに関するものであり、例えば、粘着剤塗布工程・乾燥工程・離型フィルム貼合わせ工程等を有する製造工程において、特に離型層が製造工程中、容易に脱落しないことが必要とされる用途に対応可能である離型フィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが各種用途に使用されており、例えば、タッチパネル製造工程においては、ハードコ−ト層付きポリエステルフィルムと離型フィルムとが粘着剤層を介して、貼合わされる工程等を有する製造工程から構成されている。加工工程中においては、離型フィルムを構成する、ポリエステルフィルム基材から離型層が容易に脱落しないことが必要とされる場合がある。
例えば、加工工程中、搬送用ガイドロールと離型フィルムとが接触し、擦れるためか、離型層由来の成分が搬送用ロールに付着・堆積する場合があった。そのため、製造ラインを一端停止し、清掃作業を行う等、連続生産性を確保するのが困難な状況にある。
上述の工程汚染問題に対する対応策として、例えば、離型フィルムを構成する、ポリエステルフィルムと離型層との間に接着層を設けることが挙げられる。しかしながら、接着層を構成する材料によっては、接着層上に離型層を塗設する際に、接着層自身が溶剤に対する耐久性に乏しい場合があり、例えば、連続塗布に伴い、接着層を構成する材料成分が容易に溶剤で抽出され、離型層の硬化阻害あるいは所望する離型性が得られない等の不具合を生じる場合があった。また、接着層を構成する材料組成によっては、離型層とポリエステルフィルム基材との密着性に関して、所望するレベルまで、例えば、14日間以上の経時における、塗布膜密着性を維持・確保するのが困難な場合がある
上記問題に鑑み、離型層に対する経時密着性および耐溶剤性が良好なことが必要とされる状況にある
特開平9−141805号公報 特開平9−141806号公報 特許第3471151号公報 特開2010−5807号公報 特開2010−12753号公報 特開2010−15506号公報 特開2010−15507号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、粘着剤塗布工程・乾燥工程・離型フィルム貼り合わせ工程の各製造工程において、離型フィルムを構成する、離型層とポリエステルフィルム基材との経時密着性が良好であり、耐溶剤性が良好である離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成を有する積層ポリエステルフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの片面に塗布層を有し、当該塗布層上にプレス接着率が90%以上の離型層を有する離型フィルムであり、スルホン酸またはスルホン酸塩基を有するポリエステル樹脂の少なくとも1種類以上を前記塗布層中に含有することを特徴とする離型フィルムに存する。
本発明によれば、離型層に対する経時密着性、耐溶剤性が良好である離型フィルムを提供することができ、例えば、タッチパネル製造用、液晶偏光板製造用等の各種光学用として好適である。
本発明において、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましく、1種の芳香族ジカルボン酸と1種の脂肪族グリコールとからなるポリエステルであってもよく、1種以上の他の成分を共重合させた共重合ポリエステルであってもよい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルの成分として用いるジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。またp−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸も用いることができる。
また、本発明における離型フィルムを構成する積層ポリエステルフィルムにおいては、フィルム加工中の熱履歴等により、フィルム中に含有しているオリゴマーがフィルムの表面に析出・結晶化する量を低減するために、多層構造フィルムの最外層に低オリゴマー化したポリエステルを用いることも可能である。ポリエステル中のオリゴマー量を低減する方法としては、例えば、固相重合法等を用いることができる。
本発明の離型フィルムを構成する積層ポリエステルフィルムには、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合する必要がある。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これらの粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜2μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において種々の表面機能層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えるとフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明における離型フィルムを構成する積層ポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明における離型フィルムを構成する積層ポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、25〜250μm、好ましくは38〜188μm、さらに好ましくは50〜125μmの範囲である。
次に本発明における離型フィルムを構成する、積層ポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においてはポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等の延伸方式を採用することができる。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法により積層ポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
次に本発明における塗布層の形成について説明する。
本発明における離型フィルムを構成する塗布層とは、易接着性を有する層のことを指す。
本発明において、塗布層を構成するポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを構成成分とする線状ポリエステルと定義する。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ダイマー酸等を例示することができる。これらの成分は二種以上を用いることができる。さらに、これらの成分とともにマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のような不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等のようなヒドロキシカルボン酸を少割合用いることができる。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以下である。
また、グリコール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロー
ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシ)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等を例示することができる。これらは2種以上を用いることができる。かかるポリオール成分の中でもエチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキイド付加物やプロピレンオキサイド付加物、1,4−ブタンジオールが好ましく、さらにエチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物が好ましい。
また、本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層中には、水分散化あるいは水溶性化を容易にするために、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を有するポリエステル樹脂を少なくとも1種類以上を含有することを必須の要件とするものである。
これらのポリエステル樹脂としては、例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−アンモニウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、4−カリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩系またはスルホン酸アミン塩系化合物等が好ましく挙げられる。
本発明の塗布層で使用するポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下、Tgと略記する場合がある)は40℃以上であるのが好ましく、さらに好ましくは60℃以上である。Tgが40℃未満の場合、接着性向上を目的として、塗布層の塗布厚みを厚くした場合、ブロッキングしやすくなる等の不具合を生じる場合がある。
次に、本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層上に離型層を設ける場合、上述の塗布延伸法(インラインコーティング)等のフィルム製造工程内において、ポリエステルフィルム上に設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用しても良く、何れの手法を採用してもよい。塗布延伸法(インラインコーティング)については以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に離型層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に離型層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明における離型フィルムを構成する塗布層上に離型層を設ける場合の事例に関して、以下に説明する。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、GE東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、東レ・ダウコーニング(株)製SRX357、SRX211、SD7220、LTC750A、LTC760A、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452等が例示される。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
また、本発明における離型フィルムを構成する離型層中には離型層とポリエステルフィルムとの塗膜密着性を良好とするために下記一般式(1)で表される有機珪素化合物を併用することが好ましい。
Si(X)(Y)(R …(1)
[上記式中、Xはエポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、ハロアルキル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種を有する有機基、Rは一価炭化水素基であり、かつ炭素数1〜10のものであり、Yは加水分解性基であり、dは1または2の整数、eは2または3の整数、fは0または1の整数であり、d+e+f=4である]
前記一般式(1)で表される有機珪素化合物は、加水分解・縮合反応によりシロキサン結合を形成しうる加水分解性基Yを2個有するもの(D単位源)あるいは3個有するもの(T単位源)を使用することができる。
一般式(1)において、一価炭化水素基Rは、炭素数が1〜10のもので、特にメチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
一般式(1)において、加水分解性基Yとしては、以下のものを例示できる。すなわち、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソプロペノキシ基、アセトキシ基、ブタノキシム基およびアミノ基等である。これらの加水分解性基は、単独あるいは複数種を使用してもよい。メトキシ基あるいはエトキシ基を適用すると、コーティング材に良好な保存安定性を付与でき、また適当な加水分解性があるため、特に好ましい。
本発明において、離型層中に含有する有機珪素化合物の具体例として、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等を例示することができる。
有機珪素化合物の含有量としては、硬化型シリコーン樹脂100重量部に対して0.5〜5.0重量部であるのがよく、好ましくは0.5〜2.0重量部である。当該範囲が0.5重量部未満の場合、所望する密着性を確保するのが困難な場合があり、一方、5.0重量部を越える場合、貼り合わせる相手方樹脂層に対する接着性が強すぎて、本来剥離する必要がある場面において、容易に剥離できない等の不具合を生じる場合がある。
本発明において、離型フィルムを構成する離型層中には、加水分解・縮合反応促進を目的として、触媒を併用することが可能である。触媒の具体例としては、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸などの有機酸類、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸などの無機酸類、トリエチルアミンなどの塩基性化合物類、テトラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジオレート、ジフェニル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、ジブチル錫ベンジルマレート等などの有機金属塩類、KF、NH4 Fなどのフッ素元素含有化合物などを挙げることができる。上記触媒は単独で使用しても良くあるいは2種類以上を併用しても良い。その中でも、特に塗膜耐久性が良好となる点で有機金属塩類が好ましい。
本発明において、積層ポリエステルフィルムの塗布層上に離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、積層ポリエステルフィルムの塗布層上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、120〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、公知の装置,エネルギー源を用いることができる。離型層の塗工量は塗工性の面から、通常、0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.005〜0.1g/mの範囲である。塗工量が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/mを超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
また、離型フィルムを構成する積層ポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
次に本発明における離型フィルムを構成する、塗布層の形成は、塗布液をフィルムにコーティングすることにより設けられ、フィルム製造工程内で行うインラインコーティングにより設けられても、また、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよい。
本発明において、離型フィルムを構成する塗布層中には、離型層塗設時の塗布層への溶剤に対する耐久性あるいは熱的ダメージにより、塗布層由来の成分の溶出防止を図ることを目的として、本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋剤を併用することができる。具体的には、メチロール化またはアルキロール化した尿素、メラミン、グアナミン、オキサゾリン、エポキシ化合物、アクリルアミド、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤、ポリカルボジイミド等が例示される。
本発明のフィルムの塗布層を構成する架橋剤の含有量に関しては、塗布層付きのポリエステルフィルム再生時の着色を考慮し、塗布層中の配合比率で10重量%以下とするのがよい。
本発明におけるオキサゾリン架橋剤としては、分子内にオキサゾリン環を持つ化合物であり、オキサゾリン環を有するモノマーや、オキサゾリン化合物を原料モノマーの1つとして合成されるポリマーも含まれる。
本発明におけるイソシアネート化合物としては、分子内にイソシアネート基を持つ化合物を指し、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートや、これらの重合体、誘導体等が挙げられる。
本発明におけるエポキシ化合物としては、例えば、分子内にエポキシ基を含む化合物、そのプレポリマーおよび硬化物が挙げられる。代表的な例は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの縮合物である。特に、低分子ポリオールのエピクロロヒドリンとの反応物は、水溶性に優れたエポキシ樹脂を与える。
架橋剤の中でも、特に本発明の用途上、ポリエステルフィルムへの塗布性、塗布層自身の耐久密着性が良好となる点で、メラミン架橋剤が好ましい。メラミン架橋剤としては、特に限定されるものではないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全エーテル化した化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
また、メラミン架橋剤は、単量体、あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。上記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを好ましく使用することができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミンなどを用いることができる。その中でもメチロール化メラミンが最も好ましい。さらに、メラミン架橋剤の熱硬化促進を目的として、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を併用することもできる。
これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。さらにインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性または水分散性を有することが好ましい。
さらに塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、粒子を含有するのが好ましい。具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
各塗布層中における粒子の配合量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、一方、10重量%を超えると、フィルムの透明性が低下する場合がある。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、各塗布層中には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料等が含有されてもよい。
塗布延伸法(インラインコーティング)の場合、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固型分濃度を0.1重量%〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。
また、本発明の要旨を越えない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族または脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
本発明における離型フィルムを構成する塗布層の塗布量(乾燥後)は通常、0.005〜0.1g/m、好ましくは0.005〜0.05g/m、さらに好ましくは0.005〜0.01g/mの範囲である。塗布量が0.005g/m未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、離型層塗設時、塗布層が溶剤により、溶出する場合がある。一方、0.1g/mを超えて塗布する場合には、塗布面状が悪化する等の不具合を生じる場合がある。
本発明における離型フィルムの剥離力は、好ましくは60mN/cm以下、さらに好ましくは20mN/cm以下の範囲である。剥離力が60mN/cmをこえる場合、剥離力が重くなりすぎて、本来剥離させる必要がある場面においても容易に剥離できない場合がある。一方、下限に関しては、粘着剤層に対する剥離性を考慮して、10mN/cmが好ましい。
本発明における離型フィルムを構成する離型層のプレス接着率は90%以上であることを必須の要件とする。プレス接着率で90%未満の場合、搬送用ロールへの離型層由来の成分の転着等による不具合を生じるようになる。
本発明において、離型層のプレス接着率については、離型層由来の成分の移行性評価という観点だけではなく、プレス処理を通して、塗布層の影響を受けることなく、離型層が本来有する性能を発現していることを確認することも目的としている。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない 限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定方法
ポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定方法
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)離型フィルムの剥離力(F)測定
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.31B」)を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:剥離力が25mN/cmを超える
×:剥離力が25mN/cm以下
(4)離型フィルムの耐溶剤性評価(実用特性代用評価)
試料フィルムにおいて、スポイドを用いて、トルエン溶剤を1cc滴下した後、離型層表面状態について、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:離型層表面の外観変化なく、良好(実用上、問題ないレベル)
×:離型層表面の外観変化あり(実用上、問題あるレベル)
(5)離型フィルムの塗膜密着性評価(実用特性代用評価)
試料フィルムにおいて、塗布層表面にあらかじめ、下記離型剤組成から構成される離型層を塗布した後、60℃×90%RH雰囲気下で30日間、恒温恒湿槽内に放置する。次に試料フィルムを取り出し、室温で1時間放置した後、離型層表面を触手にて5回擦った後、離型層の脱落程度を下記判定基準により、判定を行った。
(離型剤組成)
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−3: 信越化学製) 10部
シラン化合物(KBM303:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:4) 1500部
《判定基準》
○:離型層の脱落が確認されなかった(実用上、問題ないレベル)
△:離型層のスミアは確認されたが、脱落はしていなかった(実用上、問題になる場合があるレベル)
×:離型層の脱落が確認された(実用上、問題あるレベル)
(6)プレス接着率評価
《プレス接着力》
75μmポリエステルフィルム/測定試料フィルム/75μmポリエステルフィルムの構成とし、温度60℃、圧力1MPa、時間120分の条件でプレス処理を行う。プレス処理後、75μmポリエステルフィルムの、測定試料フィルム離型層面に接していた側の面に、日東製No.31テープを貼り付け、剥離力(A)を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
《基礎接着力》
プレス処理に用いたと同じ75μmポリエステルフィルムに、日東製No.31テープ
を貼り付け、剥離力(A)と同様の要領にて剥離力(B)を測定し、下記式に基づいてプ
レス接着率を求める。なお、測定は20±2℃、65±5%RHにて行う。
プレス接着率(%)=(プレス接着力/基礎接着力)×100
(7)総合評価
離型フィルムを構成する離型層の剥離性・密着性・耐溶剤性・プレス接着率評価につき、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
◎:離型層の剥離性・密着性・耐溶剤性・プレス接着率評価ともに○以上で、かつ密着性評価が◎で特に良好(実用上、特に問題ないレベル)
○:離型層の剥離性・密着性・耐溶剤性・プレス接着率評価ともに○で良好(実用上、特に問題ないレベル)
△:離型層の剥離性・密着性・耐溶剤性・プレス接着率評価の何れか一方の評価が△(実用上、問題になる場合があるレベル)
×・・・離型層の剥離性・密着性・耐溶剤性・プレス接着率評価の何れか一方の 評価が×(実用上、問題になるレベル)
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(I)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(I)の極限粘度は0.63であった。
<ポリエステル(II)の製造方法>
ポリエステル(I)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径1.6μmのシリカ粒子を0.3部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(I)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル (II)を得た。得られたポリエステル(II)は、極限粘度0.65であった。
実施例1:
ポリエステル(I)、(II)をそれぞれ90%、10%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(I)を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出しし、冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、下記塗布剤組成からなる塗布層を塗工量(乾燥後)が所定量となるように、フィルム片面に塗布した後に、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、厚さ38μm(表層5μm、中間層28μm)の塗布層が設けられた積層フィルムを得た。なお、塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ポリエステル樹脂(A1) Tg=63℃
酸成分:テレフタル酸 50モル%
イソフタル酸 48モル%
5−Naスルホイソフタル酸 2モル%
ジオール成分:エチレングリコール 50モル%
ネオペンチルグリコール 50モル%
・ポリエステル樹脂(A2) Tg=45℃
酸成分:テレフタル酸 55モル%
イソフタル酸 40モル%
5−Naスルホイソフタル酸 5モル%
ジオール成分:エチレングリコール 60モル%
1,4ブタンジオ−ル 40モル%
・ポリエステル樹脂(A3) Tg=25℃
酸成分:テレフタル酸 60モル%
イソフタル酸 30モル%
5−Naスルホイソフタル酸 10モル%
ジオール成分:エチレングリコール 50モル%
ジエチレングリコール 50モル%
・ポリエステル樹脂(A4) Tg=55℃
酸成分:テレフタル酸 20モル%
イソフタル酸 60モル%
5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル-3シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸 20モル%
ジオール成分:ネオペンチルグリコール 50モル%
ジエチレングリコール 50モル%
・粒子(B):コロイダルシリカ
日産化学製:スノーテックス「YL」平均粒径70nm
・架橋剤(C1):オキサゾリン
日本触媒製エポクロス「WS700)
・架橋剤(C2):メラミン架橋剤
アルキロールメラミン/尿素共重合の架橋性樹脂 DIC社製ベッカミン「J101」」
・架橋剤(C3):ウレタン樹脂
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを400部、ネオペンチルグリコールを10.4部、イソホロンジイソシアネート58.4部、ジメチロールブタン酸が74.3部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られるウレタン樹脂の水分散体
・アクリル樹脂(D):Tg=64℃
メチルメタクリレート 50重量%
メチルアクリレート 35重量%
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10重量%
イソブチルアクリレート 5重量%
得られた積層ポリエステルフィルムの塗布層上にオフラインにより、下記に示す離型剤組成からなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、180℃で10秒間熱処理した後、離型フィルムを得た。
(離型剤組成)
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−3: 信越化学製) 1部
シラン化合物(KBM303:信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
実施例2:
実施例1において、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
(離型剤組成)
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−3: 信越化学製) 1部
シラン化合物(KBM303:信越化学製) 0.2部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
実施例3:
実施例1において、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
(離型剤組成)
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−3: 信越化学製) 1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
実施例4:
実施例1において、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
(離型剤組成)
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−3: 信越化学製) 1部
シラン化合物(KBM303:信越化学製) 10部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
実施例5〜12:
実施例1において、塗布層を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
比較例1:
実施例1において、塗布層を設けない以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。塗布層の密着性評価において、60℃×90%RH×72時間処理後で、既に離型層の脱落が確認された。
比較例2:
実施例1において、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を下記表2に示す。
(離型剤組成)
硬化型シリコーン樹脂(KS−774:信越化学製) 100部
硬化剤(PL−3:信越化学製) 1部
ポリエーテル変性シリコーンオイル(KF−351:信越化学製) 3部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1) 1500部
Figure 2012166376
Figure 2012166376
本発明は、例えば、タッチパネル製造用、液晶偏光板製造用等の光学用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの片面に塗布層を有し、当該塗布層上にプレス接着率が90%以上の離型層を有する離型フィルムであり、スルホン酸またはスルホン酸塩基を有するポリエステル樹脂の少なくとも1種類以上を前記塗布層中に含有することを特徴とする離型フィルム。
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