JP2013255997A - 両面離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 異方導電性フィルム製造用として、適度な剥離性・経時での剥離安定性・帯電防止性・移行性が良好な両面離型フィルムを提供する。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面に離型層(A)が積層され、他方に塗布層、離型層(B)が順次積層された両面離型フィルムであり、水酸化カリウムを溶解した1−ブタノール溶液中に当該両面離型フィルムを浸漬し、50℃で1時間熱処理後に発生する水素ガス量が80ppm以下であり、何れか一方のフィルム表面の表面抵抗率(R)が1×1012(Ω)以下であり、離型層(A)および(B)のプレス接着率がいずれも90%以上であり、下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする両面離型フィルム。
15>γmax(B)−γmax(A)≧5 …(1)
40≧γmax(B)>γmax(A)≧27 …(2)
(γmax(A)は離型層(A)表面の最大表面張力、γmax(B)は離型層(B)表面の最大表面張力)
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、回路基板における、導電部分との結合に使用される異方導電性フィルム製造用として好適に利用することのできる両面離型フィルムに関するものである。
従来、絶縁性接着剤中に導電性微粒子を分散させたフィルム、いわゆる異方導電性フィルム(以下、ACFと略記する場合がある)が、液晶ディスプレイとICチップもしくはTCP(Tape Carrier Package)との接続、FPC(Flexible Printed Circuit)とTCPとの接続等に使用されている。
近年、携帯電話等の電子部品の小型化、高密度化に伴い、ICチップを直接ディスプレイ回路またはプリント基板に搭載する、いわゆるフリップチップ実装にも応用されている。
異方導電性フィルムの特徴としては、電子部品と回路基板との間に異方導電性フィルムを設け、加熱・加圧することによって、両者の電極同士が電気的に接続されると共に、隣接電極間の絶縁性を付与して、電子部品と回路基板とが接着固定される使用方法にある。 また、異方導電性フィルムの製造方法は、通常、電気絶縁性の接着剤に導電性微粒子を分散させた塗布液を剥離性基材(例えば、ポリエステルフィルムの両面に離型層が設けられた両面離型フィルム)の離型面上に塗布、乾燥した後、ロール状に巻いた(この時、非塗工面、すなわち裏面がACFの保護フィルムを兼ねることになる)後、所定の製品幅にスリットする工程等から構成される。
両面離型フィルム使用上の問題点として、両面離型フィルムから異方導電性フィルムを引き出す際に、ACFが離型フィルム側に転着あるいは離型フィルムより剥離する、あるいは離型フィルム剥離時に、ACFが離型フィルムと一緒に回路基板から剥離する等の不具合を生じる場合がある。
異方導電性フィルムにおいては、例えば、特許文献1に記載されているように、フッ素系離型フィルム上に製膜するのが一般的であった。しかしながら、両面離型フィルムの各離型層とACFとの接着強度差が小さいため、ACF引き出し時に背面転着が発生しやすい場合があった。そのため、例えば、特許文献2に記載例があるように、ACF塗工面側におけるACFに対する接着強度が他面より大きくなるように設計された両面離型フィルムが一般的に使用される傾向にある。
また、異方導電性フィルムと共に両面離型フィルムをリール状に貼り合わされた状態で長期間保管される場合があり、経時後、異方導電性フィルム引き出し時に剥離困難になる等の不具合を生じる場合があった。そのため、両面離型フィルムにおいては、加工直後における剥離力だけではなく、経時における剥離力変動が極力小さいことが必要とされる状況にある。
さらに異方導電性フィルム製造工程中において、両面離型フィルムから異方導電性フィルムを剥離する際に、帯電起因の異物付着あるいは異物巻き込み等の不具合を生じる場合がある。
さらに、両面離型フィルムの離型層と異方導電性フィルムとが、ロール状あるいはリール状の形態で長期間保管される場合、離型層からの移行成分の転着により、本来、異方導電性フィルムが有する接着力が十分に発現できない場合がある。
上述のとおり、例えば、異方導電性フィルム製造用として、両面離型フィルムを用いる場合には、適度な剥離性・経時での剥離安定性・帯電防止性・移行性が良好である両面離型フィルムが必要とされる状況にある。
特開平5−154857号公報 実開平4−87118号公報 特開2000−67647号公報 特開2000−100249号公報 特開2000−129157号公報 特開2004−146261号公報 特開2005−63904号公報 特開2006−236759号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、特に異方導電性フィルム製造用として用いた場合、適度な剥離性・経時での剥離安定性・帯電防止性・移行性が良好である両面離型フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる両面離型フィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの片面に離型層(A)が積層され、他方に塗布層、離型層(B)が順次積層された両面離型フィルムであり、水酸化カリウムを溶解した1−ブタノール溶液中に当該両面離型フィルムを浸漬し、50℃で1時間熱処理した後に発生する水素ガス量が80ppm以下であり、何れか一方のフィルム表面の表面抵抗率(R)が1×1012(Ω)以下であり、離型層(A)および離型層(B)のプレス接着率がいずれも90%以上であり、下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする両面離型フィルムに存する。
15>γmax(B)−γmax(A)≧5 …(1)
40≧γmax(B)>γmax(A)≧27 …(2)
(上記式中、γmax(A)は離型層(A)表面の最大表面張力(dyne/cm)、γmax(B)は離型層(B)表面の最大表面張力(dyne/cm)を表す)
本発明によれば、特に異方導電性フィルム製造用として用いた場合、適度な剥離性・経時での剥離安定性・帯電防止性・移行性が良好である両面離型フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
本発明における、第1および第2離型フィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、例えば、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明において、ポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合する必要がある。配合する粒子の種類は、隠蔽性および易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を併用してもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらに、ポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは 0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、 フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明の両面離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、12〜250μm、好ましくは25〜125μm、さらに好ましくは25〜100μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
さらに上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明における離型フィルムを構成する塗布層は、帯電防止性、オリゴマー析出防止性を良好とするために、塗布層にカチオンポリマーを用いることが好ましい。
本発明で使用するカチオンポリマーは、4級化された窒素を含むユニットを繰り返し単位として含有するポリマーが好適であるが、特に下記式(I)または(II)式で示される主鎖にピロリジニウム環を有するユニットを主たる繰り返し単位として含有するカチオンポリマーであることが、優れた帯電防止性能が得られる点で好ましい。またこれらはカチオンポリマーの配合量を減らしても、帯電防止性能の低下が少ないため、代わりに接着性を有する成分の配合量を増やし、塗布層の接着性を向上させることができる点で有利である。
Figure 2013255997
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上記(I)式あるいは(II)式の構造において、R1、R2は、炭素数が1〜4のアルキル基もしくは水素であることが好ましく、これらは同一基でもよいし異なっていてもよい。またR1、R2のアルキル基は、ヒドロキシル基、アミド基、アミノ基、エーテル基で置換されていてもよい。さらに、R1とR2とが化学的に結合していて、環構造を有するものであってもよい。また(I)式あるいは(II)式のX−は、ハロゲンイオン、硝酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、モノメチル硫酸イオン、モノエチル硫酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオンである。
上述の主鎖にピロリジニウム環を有するユニットを主たる繰り返し単位として含有するカチオンポリマーの中でも、特に(I)式の構造で、X−が塩素イオンである場合には、帯電防止性能が優れると同時に、帯電防止性能の湿度依存性が小さく、低湿度下でも帯電防止性能の低下が少なくなる点で好ましい。また、帯電性易接着にハロゲンイオンを使用できない場合においては、塩素イオンの代わりにメタンスルホン酸あるいはモノメチル硫酸イオンを使用することで、塩素イオンの場合に近い帯電防止性能を得ることができる。 (I)式のユニットを繰り返し単位とするポリマーは、次の(III)式で示されるジアリルアンモニウム塩を単量体として、水を主とする媒体中で、ラジカル重合で閉環させながら重合することで得られる。また、(II)式のユニットを繰り返し単位とするポリマーは、(III)式の単量体を、二酸化硫黄を媒体とする系で環化重合させることにより得られる。
Figure 2013255997
また、(I)式または(II)式に示すユニットを繰り返し単位とするポリマーは、単一のユニットから構成されるホモポリマーである場合が、より良好な帯電防止性能を得ることができるが、後述するように、カチオンポリマーを含む塗布液をポリエステルフィルムに塗布した後に、さらにポリエステルフィルムを延伸する場合に、塗布層の透明性を改善するために、(I)式または(II)式で示されるユニットの0.1〜50モル%が、共重合可能な他の成分で置き換えられてもよい。
共重合成分として用いる単量体成分としては、(III)式のジアリルアンモニウム塩と
共重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を1種あるいは2種以上を選ぶことができる。
具体例として、アクリル酸およびその塩、メタクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、マレイン酸およびその塩あるいは無水マレイン酸、フマル酸およびその塩あるいは無水フマル酸、モノアリルアミンおよびその4級化物、アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルジアルキルアミンおよびその4級化物、(メタ)アクリロイルオキシプロピルジアルキルアミンおよびその4級化物、(メタ)アクリロイルアミノエチルジアルキルアミンおよびその4級化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジアルキルアミンおよびその4級化物などが例示される。
塗布層中におけるカチオンポリマーは、上記(I)または(II)式で示される主鎖にピロリジニウム環を繰り返し単位として含有するカチオンポリマーの代わりに、例えば(IV)式または(V)式で示されるユニットを繰り返し単位とするカチオンポリマーであってもよい。
Figure 2013255997
Figure 2013255997
上記(IV)式あるいは(V)式の構造において、R3、R8はそれぞれ水素またはメチル基であり、R4、R9は、それぞれが炭素数2〜6のアルキル基であることが好ましく、またR5、R6、R7、R10、R11、R12はメチル基あるいはヒドロキシエチル基もしくは水素であり、これらは同一基でもよいし異なっていてもよい。さらに(IV)式あるいは(V)式のX−は、ハロゲンイオン、硝酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、モノメチル硫酸イオン、モノエチル硫酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオンである。
(IV)式あるいは(V)式で示されるユニットを繰り返し単位とするカチオンポリマーは、例えば、それぞれのユニットが対応するアクリル酸モノマーまたはメタクリル酸モノマーを、水を主とする媒体中でラジカル重合することで得ることができるが、これに限定されるわけではない。
本発明で用いる、塗布層中に含有するカチオンポリマーの平均分子量(数平均分子量)は、通常、1000〜500000、さらには5000〜100000の範囲であることが好ましい。当該平均分子量が1000未満であると、フィルム巻取り時に、フィルム同士が重なり合う面にカチオンポリマーが転着、あるいはブロッキングする等の不具合を生じるようになる。一方、平均分子量が500000を超える場合には、塗布液の粘度が高くなり、フィルム面に均一に塗布することが困難となる場合がある。
本発明における塗布層中には塗布層のさらなる耐久性向上を目的として、本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋剤を併用する必要がある。具体例として、メチロール化またはアルキロール化した尿素、メラミン、グアナミン、オキサゾリン、エポキシ化合物、アクリルアミド、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネートカップリング剤、ポリカルボジイミド等が挙げられる。
架橋剤の中でも、特に本発明の用途上、塗布性、耐久密着性が良好となる点で、メラミン架橋剤が好ましい。メラミン架橋剤としては、特に限定されるものではないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全エーテル化した化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
また、メラミン架橋剤は、単量体、あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。上記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを好ましく使用することができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン、メチロール基型メラミン、メチロール基型メチル化メラミン、完全アルキル型メチル化メラミンなどを用いることができる。その中でもメチロール化メラミンが最も好ましい。さらに、メラミン架橋剤の熱硬化促進を目的として、例えば、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を併用することもできる。
本発明におけるオキサゾリン架橋剤としては、分子内にオキサゾリン環を持つ化合物であり、オキサゾリン環を有するモノマーや、オキサゾリン化合物を原料モノマーの1つとして合成されるポリマーも含まれる。
本発明におけるイソシアネート化合物としては、分子内にイソシアネート基を持つ化合物を指し、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートや、これらの重合体、誘導体等が挙げられる。
本発明におけるエポキシ化合物としては、例えば、分子内にエポキシ基を含む化合物、そのプレポリマーおよび硬化物が挙げられる。代表的な例は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの縮合物である。特に、低分子ポリオールのエピクロロヒドリンとの反応物は、水溶性に優れたエポキシ樹脂を与える。
これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。さらにインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性または水分散性を有することが好ましい。
本発明におけるする、塗布層中に含有される架橋剤の配合量は、通常、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲である。当該範囲を外れる場合、各塗布層の耐久密着性が不十分な場合がある。
本発明においては塗布層中に本発明の主旨を損なわない範囲において、バインダーポリマーを併用することも可能である。
本発明において使用する「バインダーポリマー」とは高分子化合物安全性評価フロースキーム(昭和60年11月 化学物質審議会主催)に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が1000以上の高分子化合物で、かつ造膜性を有するものと定義する。
バインダーポリマーの具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリウレタン樹脂、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。
さらに塗布層の固着性、滑り性改良を目的として、粒子を含有するのが好ましい。具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウム塩等が挙げられる。
塗布層中における粒子の配合量は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。かかる配合量が0.5重量%未満では、耐ブロッキング性が不十分となる場合があり、一方、10重量%を超えると、離型性に影響を及ぼす場合がある。
また、本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層中には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤発泡剤、染料等が含有されてもよい。
本発明における塗布層が塗布延伸法(インラインコーティング)によりポリエステルフィルム上に設けられる場合、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固型分濃度を0.1重量%〜50重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にてポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。
また、本発明の要旨を越えない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤としては、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の脂肪族または脂環族アルコール類、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、n−ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。有機溶剤は一種類のみでもよく、適宜、二種類以上を使用してもよい。
本発明における塗布層の塗布量(乾燥後)は通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.005〜0.1g/mの範囲である。塗布量が0.005g/m未満の場合には、塗布厚みの均一性が不十分な場合があり、熱処理後、塗布層表面から析出するオリゴマー量が多くなる場合がある。一方、1g/mを超えて塗布する場合には、滑り性低下等の不具合を生じる場合がある。
次に本発明における離型層の形成について説明する。
本発明における両面離型フィルムを構成する離型層とは、離型性を有する層のことを指す。
本発明における離型層は上述の塗布延伸法(インラインコーティング)により、ポリエステルフィルム上に設けられることも可能である。塗布延伸法(インラインコーティング)については以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に離型層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に離型層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
また、本発明における両面離型フィルムを構成する離型層は離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、本発明の主旨を損なわない範囲において、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、東レ・ダウコ−ニング(株)製SRX357、SRX211、SD7220、SD7292、LTC750A、LTC760A、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452、DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210等が例示される。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、120〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来から公知の装置,エネルギー源を用いることができる。離型層の塗工量(乾燥後)は塗工性の面から、通常、0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/m、さらに好ましくは0.01〜0.2g/m範囲である。塗工量(乾燥後)が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/mを超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
かくして得られた両面離型フィルムにおいては各離型層の離型性を良好とするために
離型層表面の最大表面張力は下記式(1)および(2)を同時に満足することを必須の要件とするものである。
15>γmax(B)−γmax(A)≧5 …(1)
40≧γmax(B)>γmax(A)≧27 …(2)
(上記式中、γmax(A)は離型層(A)表面の最大表面張力(dyne/cm)、γmax(B)は離型層(B)表面の最大表面張力(dyne/cm)を表す)
本発明における両面離型フィルムにおいては、上記式(1)、(2)の内、何れか一方が上述の範囲を外れる場合には、本来剥離する必要のない場面において、両面離型フィルムから異方導電性フィルムが容易に剥離する、または本来剥離する必要のある場面において、両面離型フィルムから異方導電性フィルムは剥離困難になる等の不具合を生じるようになる。本発明における両面離型フィルムにおいては、上記式(1)、(2)の範囲を同時に満足することにより、適度な離型性を付与することが可能となる。
さらに、本発明における両面離型フィルムは、加工工程中における剥離帯電、あるいは異物付着等を抑制するために両面離型フィルムのいずれか一方の離型層表面における表面抵抗率(R)が1×1012(Ω)以下である必要があり、好ましくは1×1011(Ω)以下がよい。表面抵抗率(R)が上記範囲を外れる場合、両面離型フィルムより、異方導電フィルムを剥離させる際に剥離帯電起因の異物付着等の不具合を生じるようになる。 本発明における両面離型フィルムの全光線透過率(TL)は、光学的評価を伴う検査工程に対応する、あるいは識別が必要とされる製造工程に対応することを想定した場合、70%以下を満足するのが好ましく、さらに好ましくは60%以下がよい。TLが70%を越える場合には、光学的評価を伴う検査工程に対応困難になる場合がある。
本発明における両面離型フィルムにおいては、例えば、異方導電性フィルムのように、リール状製品の形態にて、長期間、異方導電性フィルムと離型フィルムとが接触した状態で保管される場合、離型層に関しては、従来よりもさらに経時における剥離力の変動が極力小さいことが必要とされる状況にあった。
かかる要求特性に対する対応策として、本発明における両面離型フィルムにおいては、離型フィルムをアルカリ溶媒で処理した後、熱処理を施した後に発生する水素ガス量を80ppm以下におさえる必要があり、好ましくは70ppm以下である。当該水素ガス発生量が80ppmを越える場合、離型層と貼り合わせている異方導電性フィルムを離型層(B)から剥離させる際に剥離困難になる等の不具合を生じるようになる。さらに、本発明においては、上記水素ガス発生量を所定範囲に抑えることで、経時での変動を極力小さくすることが可能となる。
本発明における両面離型フィルムにおいて、前記水素ガス発生量を80ppm以下に抑制するための具体的手法として、例えば、離型層の剥離調整を目的として、剥離コントロール剤を併用する場合、架橋剤由来のSi−H基量が少ないタイプのものを選択する、主剤に使用するシリコ−ン樹脂中に含まれるSi−H基量が少ないタイプを選択する、硬化反応促進のため、触媒添加量を増量する等の手法が例示される。
従来、当業者においては剥離力を重剥離化させる手法として、汎用的に使用されるのは架橋剤由来のSi−H基を増量する目的で、架橋剤量を多量に添加する手法等が挙げられる。しかしながら、当該手法は架橋剤由来のSi−H基量が経時で吸湿等の影響により減少するに伴い、剥離変動が大きくなる傾向にある。そのため、本発明のように電気絶縁性の接着剤に導電性微粒子を分散させた塗布液を塗布、乾燥した後、長期間、両面離型フィルムの離型層と異方導電性フィルムとが貼り合わされた状態で保管した場合、両面離型フィルムから異方導電性フィルムを引き出す際に剥離困難になる等の不具合を生じるようになる。
本発明者は、かかる不具合を改善するために予め、両面離型フィルムにおいて、水酸化カリウム5重量%を溶解した1−ブタノール溶液と離型層中における架橋剤に由来するSi−H基との反応を利用して、反応後に発生する水素ガス量を定量評価することで剥離安定性に関する評価指標とし、剥離変動に対する抑制効果の有無を判定できる利点を有する。
さらに、本発明において、重剥離化を目的として使用する、重剥離コントロール剤においては、経時での剥離安定性を確保するために、M単位、D単位、Q単位構造を有するものを使用するのが好ましい。
通常、シロキサン構造は、下記一般式(A)に示すように四とおりのシロキサン構造単位に分類される。
[Rm SiO(4−m)/2] ・・・(A)
(上記式中、Rは珪素原子に直接結合した、炭素原子を有する非置換または置換炭化水素基であり、かつラジカル重合性のない炭化水素基、mは0〜3の整数を表す)
上記(A)式において、m=0(四官能性:Q単位)、m=1(三官能性:T単位)、m=2(ニ官能性:D単位)、m=3(一官能性:M単位)を表す。
本発明における両面離型フィルムにおいては、経時での剥離安定性を確保するため、レジン構造を有する、主として、重剥離化作用を発現するQ単位構造と、剥離性を発現するD単位構造とをバランスさせた重剥離コントロール剤を使用するのが、本発明の用途上、好ましい。例えば、D単位構造を含まず、M単位、Q単位のみから構成される重剥離コントロール剤を用いた場合には、経時での剥離変動が往々にして、大きくなる傾向にある。 本発明において、両面離型フィルムを構成する離型層(B)において、離型層を構成する硬化型シリコ−ン樹脂と剥離コントロール剤との配合比率は硬化型シリコーン樹脂100部に対して、10〜80部である必要がある。当該範囲に関して、好ましくは20部〜80部の範囲がよい。当該範囲を外れる場合には、離型層塗布膜形成後、所望する重剥離力レベルに到達できない、あるいは前記水素ガス発生量が所定範囲を外れ、経時での剥離変動が大きくなるようになる。
本発明における両面離型フィルムの離型層(A),離型層(B)においては貼り合わせる相手方基材である異方導電性フィルムへの離型層由来の成分の転着を抑制するために、プレス接着率は共に90%以上である必要がある。何れか一方の離型層のプレス接着率が90%未満の場合、異方導電性フィルム自体の接着力が低下する等の不具合を生じるようになる。
本発明における両面離型フィルムの離型層(B)面上に塗布される異方導電性フィルム構成材料としては、絶縁性樹脂、硬化剤および導電性微粒子を含有することを必須の要件とするものであり、他の材料については、本発明の主旨を損なわない範囲において、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、熱可塑性樹脂、レベリング剤、顔料、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー等が含有されていてもよい。
絶縁性樹脂および硬化剤としては、例えば、熱硬化型、光硬化型、熱硬化および光硬化の併用型などが挙げられる。
前記熱硬化型としては、アミン系硬化剤とエポキシ樹脂との組合せ、スルホニウム塩硬
化剤とエポキシ樹脂との組合せ、有機過酸化物とラジカル重合性樹脂との組合せ等が例示
される。アミン系硬化剤の具体例としては、例えば、イミダゾール硬化剤(例えば、旭化成社製、商品名:ノバキュア3941HP)、トリエチルアミン等のアルキルアミン、ピリジン等が例示される。また、外殻に絶縁性樹脂層を設けた、マイクロカプセル型のアミン系硬化剤であってもよい。
スルホニウム塩硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。
有機過酸化物系硬化剤としては、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ブチルパーオキサイド、ベンジルパーオキサイド等が例示される。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、およびそれらの変性エポキシ樹脂等が例示される。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性樹脂の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート等が例示される。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、前記アクリル樹脂としては、前記アクリレートをメタクリレートにしたものが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光硬化型としては、波長領域150nm〜700nmで活性なカチオン種またはラジカル種を発生させる硬化剤と、前記エポキシ樹脂または前記エポキシ樹脂との組み合わせ、などが挙げられる。
導電性粒子としては、例えば、半田、ニッケル、金等の金属粒子;金属(ニッケル、金、アルミニウム、銅等)で被覆(メッキ)された、樹脂粒子、ガラス粒子あるいはセラミック粒子などが挙げられる。導電性粒子の粒径としては、体積平均粒径で2μm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは2μm〜5μmの範囲がよい。体積平均粒径が2μm未満の場合には、分級処理が困難になる等の不具合が発生する場合がある。一方、10μmを超えると、接合端子のファインピッチ化に伴う、当該接合端子の狭小化への対応が困難となる場合がある。また、導電性粒子の比重としては、1.5〜3.0が好ましい。前記比重が、1.5未満であると、前記被処理面上での前記導電性粒子の位置安定性を確保することが困難になる場合がある。一方、導電性粒子の比重が3.0を超える場合には、前記導電性粒子を単層配列させるためには、より高い静電電位の付与が必要となる場合がある。
熱可塑性樹脂の具体例として、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等が例示される。
レベリング剤の具体例としては、アクリルオリゴマー等のアクリル重合系樹脂、ジメチルシリコーン、メチルシリコーン等のシリコーン類等が例示される。
顔料の具体例としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料等が例示される。
シランカップリング剤の具体例としては、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
無機フィラーの具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、ガラス粉、石英粉などが例示される。
有機フィラーの具体例としては、ウレタンパウダー、アクリルパウダー、シリコーンパウダー等が例示される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)両面離型フィルムの剥離力(F1・F2)測定
試料フィルムの各離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(4)離型層の最大表面張力(γmax(A)、γmax(B))測定
エタノールに対しエチレングリコールを適宜割合で配合し、表面張力が20〜40dyne/cmの範囲にある数種の標準液を調整する。この表面張力はデュヌイの輪環引上げ法により測定する。次いで、この標準液を試料フィルムの離型層上に滴下して標準液と離型層との接触角(θ)を測定する。次に得られた接触角(θ)からcosθ値を算出し、このcosθ値と上記方法により測定された表面張力とのプロット(Zismanプロット)を作成し、その直線の傾きをbとする。また、このZismanプロットの直線とcosθ=1で示される直線との交点における表面張力の値をγC (臨界表面張力)とする。かくして得られたb、γC を用い下記式(I)からγmaxを求めた。
γmax =1/b+γC /2 ……式(I)
(上記式(I)において、bは上記のZismanプロットより求まる定数、γC は上記の方法で求まる臨界表面張力を示す。)
(5)両面離型フィルムの表面抵抗率(R)測定
試料フィルムにおいて、各離型層が設けられたフィルム面の表面抵抗率(R)を測定し、下記判定基準により判定を行った。測定条件は23℃、50%RHの雰囲気下にて。
横河・ヒューレット・パッカード社の内側電極50mm径、外側電極70mm径の同心円電極である16008A(商品名)を23℃、50%RHの雰囲気下で試料に設置し、100Vの電圧を印加し、同社の高抵抗計である4329A(商品名)で試料の表面抵抗率を測定した。
《判定基準》
◎:R(Ω)が1×1010以下(実用可能なレベルであり、特に良好)
○:R(Ω)が1×1011以下(実用可能なレベル)
×:R(Ω)が1×1011を超える(実用困難なレベル)
(6)離型面のプレス接着率評価
《プレス接着力》
75μmポリエステルフィルム(三菱樹脂製ダイアホイル(T100タイプ))/測定試料フィルム/75μmポリエステルフィルム(三菱樹脂製ダイアホイル(T100タイプ))の構成とし、温度60℃、圧力1MPa、時間120分の条件でプレス処理を行う。プレス処理後、75μmポリエステルフィルムの、測定試料フィルム離型層面に接していた側の面に、日東製No.31テープを貼り付け、剥離力(A)を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
《基礎接着力》
プレス処理に用いたのと同じ75μmポリエステルフィルムに、日東製No.31テープを貼り付け、剥離力(A)と同様の要領にて剥離力(B)を測定し、下記式に基づいてプレス接着率を求める。なお、測定は20±2℃、65±5%RHにて行う。
(7)熱処理後、両面離型フィルムから発生する水素(H)ガス量の定量
あらかじめ試料フィルム40cm分を切り出し、秤量する。測定に使用する分量を5mm角に再度切り出し、ガスクロマトグラフィー専用のバイアル瓶(20mL)に試料フィルムを充填する。38μmの離型フィルムで約0.213g)
次に水酸化カリウム5重量%を溶解した1−ブタノール溶液(1−ブタノール19gに水酸化カリウム1gを添加して作製)3mlをピペッターで分取し、試料フィルム全量が水酸化カリウム5重量%を含んだ、1−ブタノール溶液に浸漬するように添加する。その後、速やかにクリンパーを用いて、バイアル瓶(20mL)を密栓し、ヒーティングブロック(型式:HF21、ヤマト科学製)を用いて、50℃、1時間熱処理する。その後、下記ガスクロマトグラフィー測定装置を用いて、試料フィルムから発生する水素(H)ガス量を定量分析し、下記判定基準により判定を行った。
《ガスクロマトグラフィー測定条件》
装置:EAGanalyzer(SENSORTEC Co,Ltd)
測定条件:
Pressure Gauge Low:0.05MPa
High:0.05MPa
カラム温度:50℃
カラム流量:30.0sccm
シリンジ注入量:1cc
測定時間:5min
《判定基準》
○:70ppm未満(実用可能なレベルであり、特に良好)
△:70ppm以上80ppm以下(実用可能なレベル)
×:80ppmを越える(実用困難なレベル)
(8)離型面の中心線表面粗さ(Ra)
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わす。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫ |f(x)|dx
(9)異方導電性フィルム形成後の剥離特性評価(実用特性代用評価)
試料フィルムの離型層(B)上に下記材料組成から構成されるバインダーペーストを塗布厚み(乾燥後)が40μmになるように塗布、80℃で1分間熱処理した後に異方導電性フィルム付き両面離型フィルム(38μm×250mm幅×100m長、3インチ紙芯面一仕様)を得た。常温×1日後および40℃×85%RH×7日後に、両面離型フィルムから異方導電性フィルムを引き出す際の剥離性に関して下記判定基準を用いて判定を行った。
《異方導電性フィルム形成用バインダー組成物》
フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製商品名YP50):50重量部
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコート828):60重量部
イミダゾール系硬化剤(旭化成株式会社製商品名HX3941HP):70重量部
シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製商品名A187):3.2重量部
無機粒子(平均粒径1μmのSiO2粒子(株式会社龍森製の二酸化ケイ素)):120重量部
上記バインダー組成物をトルエンに溶解して固形分50%の絶縁性接着剤樹脂(バインダー溶液)を調製した。次にバインダー溶液100重量部に、導電性粒子として、平均粒径5.0μmのジビニルベンゼン粒子にニッケル−金めっきを施したものを7重量部(12.3重量%)加えてバインダーペーストとした。
《判定基準》
○:1日後および7日後、共にスムーズに剥離でき、剥離性良好(実用上、問題ないレベル)
△:7日後、剥離が若干重く感じられる(実用上、問題になる場合があるレベル)
×:7日後、剥離困難。剥離性不良(実用上、問題あるレベル)
(10)総合評価(実用特性代用評価)
実施例および比較例において製造した、両面離型フィルムを用いて、剥離性・経時での剥離性・帯電防止性・移行性の各評価項目につき、下記判定基準により総合評価を行った。
《判定基準》
○:剥離性・経時での剥離性・帯電防止性・移行性の全てが○(実用上、問題ないレベル)
△:剥離性・経時での剥離性・帯電防止性・移行性の内、少なくとも一つが△(実用上、問題になる場合があるレベル)
×:剥離性・経時での剥離性・帯電防止性・移行性の内、少なくとも一つが×(実用上、問題あるレベル)
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエステルA)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチレングリコールスラリーエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエステルA1を得た。
製造例2(ポリエステルB)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチレングリコールスラリーエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、平均粒径3.4μmのシリカ粒子を0.2部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエステルBを得た。
製造例3(ポリエステルC)
製造例2において平均粒径3.4μmのシリカ粒子を0.2部添加する代わりに平均粒径0.3μmの酸化チタン粒子を6部添加する以外は製造例1と同様にしてポリエステルCを得た。
製造例4(ポリエステルD)
製造例2において平均粒径3.4μmのシリカ粒子を0.2部添加する代わりに平均粒径0.3μmの酸化チタン粒子を18部添加する以外は製造例1と同様にしてポリエステルDを得た。
製造例5(ポリエステルフィルムF1の製造)
ポリエステルA、Cをそれぞれ50%、50%の割合でブレンドした原料を表層原料とし、ポリエステルA、Cをそれぞれ、50%、50%の原料を中間層の原料として、2台のベント付き押出機に供給し、各々285℃で溶融した後、2種3層の構成で40℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に3.3倍延伸した後、下記塗布層組成をバーコート方式により塗布した後、テンター内で、120℃で乾燥・予熱を行い、3.8倍の横延伸を施した後、220℃で熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、厚み(乾燥後)が0.08g/m2の塗布層が設けられた、厚み構成(μm)が4/30/4であるポリエステルフィルムF1を得た。得られたポリエステルフィルムF1の特性を表1に示す。
なお、上記塗布層を構成する化合物は以下のとおりである。
<塗布層>
・カチオンポリマー:(a1)
ジアリルジメチルアンモニウムクロライドを用いた4級アンモニウム塩含有カチオンポ
リマー(段落番号0029に記載の(1式)のピロリジニウム環含有ポリマー) 平均分子量約30000
・バインダーポリマー:(b)
水性アクリル樹脂(日本カーバイド工業社製 酸価6mgKOH/gのニカゾール)
・架橋剤:(c1)
メトキシメチロールメラミン(大日本インキ化学工業社製:ベッカミンJ101)
・微粒子:(d1)コロイダルシリカ微粒子 (平均粒径0.015μm)
・添加剤:(e)ジグリセリン骨格へのポリエチレンオキサイド付加物(平均分子量450)
<塗布層配合例>
・カチオンポリマー:(a1):37重量%
・バインダーポリマー:(b):30重量%
・架橋剤:(c1):25重量%
・微粒子:(d1):3重量%
・添加剤:(e):5重量%
上記塗布配合液をイオン交換水にて10重量%に調製した。
製造例6(ポリエステルフィルムF2の製造)
製造例5で塗布層を設けない以外は製造例5と同様にして製造し、ポリエステルフィルムF2を得た。得られたポリエステルフィルムF2の特性を表1に示す。
製造例7(ポリエステルフィルムF3の製造)
製造例5において、ポリエステルCの代わりにポリエステルDを用いる以外は同様にして製造し、ポリエステルフィルムF3を得た。得られたポリエステルフィルムF3の特性を表1に示す。
製造例8(ポリエステルフィルムF4の製造)
製造例5において、ポリエステルCの代わりにポリエステルBを用いる以外は同様にして製造し、ポリエステルフィルムF4を得た。得られたポリエステルフィルムF4の特性を表1に示す。
実施例1:
<両面離型フィルムの製造>
製造例5で得られたポリエステルフィルムF1の塗布層上にオフラインにて、下記離型層組成Bを塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるように、リバースグラビアコート方式により、塗布した後、120℃、30秒間熱処理した。次に反対のフィルム面に離型層(A層組成)を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるように、オフラインにて、リバースグラビアコート方式により塗布した後、120℃、30秒間熱処理して、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):40部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1) 1500部
実施例2:
実施例1において、離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):60部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1):1500部
実施例3:
実施例1において、離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):80部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1):1500部
実施例4:
実施例1において、ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF3に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
実施例5:
実施例1において、離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製):1部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):80部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):1部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1):1500部
実施例6:
実施例1において、ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF3に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
比較例1:
実施例1において、離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):40部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):40部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1):1500部
比較例2:
実施例1において、離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):100部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1):1500部
比較例3:
実施例1において、ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF2に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
比較例4:
実施例1において、離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂
(LTC303E:東レ・ダウコーニング製):100部
硬化剤(SRX212:東レ・ダウコーニング製):2部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(BY24−4980:東レ・ダウコーニング製):40部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1);1500部
比較例5:
実施例1において、離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
(離型層(A層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
硬化剤(PL−50T: 信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1):1500部
(離型層(B層組成))
硬化型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製):100部
重剥離コントロール剤(SD7292 :東レ・ダウコーニング(株
製):40部
硬化剤(PL−50T:信越化学製):2部
MEK/トルエン混合溶剤(混合比率は1:1):1400部
上記実施例、比較例で得られた両面離型フィルムの特性を表2に示す。なお、本発明における実施例、比較例で使用した重剥離コントロール剤の特徴を以下に示す。
・BY24−4980(東レ・ダウコーニング社製)
M単位/D単位/Q単位=0.16/0.28/0.56(モル比)*1
・SD7292(東レ・ダウコーニング社製)
M単位/Q単位=0.32/0.68(モル比)
*1:29Si−NMR分析によるピーク値を用いて、モル比を算出した。
Figure 2013255997
Figure 2013255997
本発明の両面離型フィルムは、例えば、異方導電性フィルム製造用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの片面に離型層(A)が積層され、他方に塗布層、離型層(B)が順次積層された両面離型フィルムであり、水酸化カリウムを溶解した1−ブタノール溶液中に当該両面離型フィルムを浸漬し、50℃で1時間熱処理した後に発生する水素ガス量が80ppm以下であり、何れか一方のフィルム表面の表面抵抗率(R)が1×1012(Ω)以下であり、離型層(A)および離型層(B)のプレス接着率がいずれも90%以上であり、下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする両面離型フィルム。
    15>γmax(B)−γmax(A)≧5 …(1)
    40≧γmax(B)>γmax(A)≧27 …(2)
    (上記式中、γmax(A)は離型層(A)表面の最大表面張力(dyne/cm)、γmax(B)は離型層(B)表面の最大表面張力(dyne/cm)を表す)
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