JP2012159184A - ラチェット式テンショナ - Google Patents

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Abstract

【解決課題】ラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止用座金をラチェット収容穴に対して抜け落ちることなく強固かつ簡便に組み付け、エンジン稼働の際にラチェット機構を確実かつ安定して作動させてバタツキ音を低減するとともにプランジャの焼き付きを防止するラチェット式テンショナを提供すること。
【解決手段】ばね制止用座金がラチェット収容穴の後端領域に縮径状態で嵌め込まれてラチェット収容穴の係止用円周溝内で拡径することにより係止されるC型リングと該C型リングからリング中央領域に延びてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止片とを有しているラチェット式テンショナ100。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのカムシャフト等を駆動するタイミングチェーンに緊張力を与えるラチェット式テンショナに関する。
従来、エンジンのカムシャフト等を駆動するタイミングチェーンに用いて、ハウジングに摺動可能に嵌挿されてハウジングとの間で油室を形成するプランジャにスプリングと外部油圧による突出力を作用させてタイミングチェーンに緊張力を与えるようにしたテンショナが知られている。
このような従来のテンショナとして、例えば、図18に示すように、ハウジング512にプランジャ514の摺動方向と直交する方向に摺動可能に嵌挿されてハウジング512との間で副油室520を形成するピストン526と、副油室520に外部油圧を作用させるための油路544と、ピストン526を副油室520に向かって付勢する第2スプリング534を内装して副油室520の反対側においてハウジング512とピストン526により区画形成された大気室528と、大気室528に嵌合されたキャップ530とを有し、この大気室528に大気と連通して副油室520に外部油圧が作用してピストン526が第2スプリング534の付勢力に抗して移動したときにピストン526によって閉塞される大気連通孔532を設け、プランジャ514のハウジング512に囲繞される部分にラック538を刻設し、ピストン526に固定されたロッド524の先端にラック538に噛合可能な複数の噛合歯536を設け、噛合歯536とラック538のプランジャ後退阻止歯面をプランジャ514の進退方向に直角な歯面に形成したテンショナ500が採用されている(特許文献1参照)。
実用新案登録第2559664号公報(実用新案登録請求の範囲、図1)。
前述したような従来のテンショナ500では、複数の噛合歯536を設けたロッド524が大気室528の内部に収容された状態でキャップ530の圧入嵌合により封止されるため、キャップ530の組み付け作業時にキャップ530を強固かつ確実に組み付けなければならない高精度の作業負担を強いられるという問題があるばかりでなく、タイミングチェーンを弛緩させてラチェット式テンショナ、タイミングチェーンの位置決め作業、部品交換作業などの保守メンテナンスを行う際に、ラチェット式テンショナのプランジャ514を任意に押し戻して後退させようとしてもキャップ530を取り外すことができず、ロッド524の噛合歯536とプランジャ514のラック538との噛み合いを解除することができないという保守メンテナンス作業上の厄介な問題があった。
そして、前述したような従来のテンショナ500では、長期に亘るロッド524の噛合歯536とプランジャ514のラック538との噛み合い噛み外れ動作によって、第2スプリング534を着座させているキャップ530が破損したり抜け落ちたりしてラチェット機構が機能しなくなるなどの厄介な問題があった。
また、前述したような従来のテンショナ500では、噛合歯536とラック538のプランジャ後退阻止歯面をプランジャ514の進退方向に直角な歯面で形成しているため、エンジンの温度変化等で発生するチェーン張力過多によって発生するプランジャ514の後退方向の動きも規制してしまい、プランジャ514が焼き付いたり、チェーンが過大な張力のまま走行してチェーンへの負担や騒音が増加するという問題があった。
そのため、チェーン張力過多によって発生するプランジャ514の後退方向の動きの想定される最大値に合わせて、噛合歯536とラック538からなるラチェット機構に所定のバックラッシュ量を設けることが行われているが、このようなバックラッシュ量が大きいほど、エンジン始動時のバタツキ音と称する打音を低減できなくなるという問題があった。
また、このようなエンジン始動時に生じがちな打音の問題を解決するために、オリフィス機構やオイルリザーブ機構を付加したり、プランジャ付勢用ばね518を高荷重対応なばねに変更するなどの対策は可能であるが、そのための部品点数や製造コストが増大するばかりでなくテンショナ自体が大型化するという問題があった。
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止用座金をラチェット収容穴に対して抜け落ちることなく強固かつ簡便に組み付け、エンジン稼働の際にラチェット機構を確実かつ安定して作動させてバタツキ音を低減するとともにプランジャの焼き付きを防止するラチェット式テンショナを提供することである。
まず、請求項1に係る発明は、外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットと該ラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと前記ラチェット収容穴の後端領域に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止用座金とを備えたラチェット式テンショナにおいて、前記ラチェット付勢用ばねが、前記ラチェットの内部に設けたばね収容穴内からラチェットの摺動方向に伸縮自在に一部突出させた状態で挿着されているとともに、前記ばね制止用座金が、前記ラチェット収容穴の後端領域に縮径状態で嵌め込まれてラチェット収容穴の係止用円周溝内で拡径することにより係止されるC型リングと該C型リングからリング中央領域に延びてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止片とを有していることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記ばね制止用座金が、前記C型リングのリング両端を縮径用工具ピンで相互に引き寄せて縮径させる縮径用ピン係合穴をリング両端にそれぞれ有していることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の構成に加えて、 前記ばね制止片が、前記C型リングからラチェット付勢用ばねに向けて持ち上がる細首状連結部を介してC型リングに一体形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の構成に加えて、前記ばね制止片が、前記ラチェット収容穴の後端領域でC型リングのリング両端と重なり合った状態で細首状連結部とC型リングのリング両端とで保持されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記ラチェット付勢用ばねの付勢力が、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記プランジャのラック歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動面とで凹凸状に形成されているとともに、前記ラチェットのラチェット歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面とで凹凸状に形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明の構成に加えて、前記ストップ面の傾斜角が、前記摺動面の傾斜角より小さく形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに係る発明の構成に加えて、前記ラチェットが、ラチェット外径寸法より大きなラチェット全長寸法を備えていることにより、前述したような課題を解決したものである。
そこで、本発明のラチェット式テンショナは、外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと、ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと、ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットと、このラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと、ラチェット収容穴の後端領域に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止用座金とを備えていることにより、エンジン内のタイミングチェーンにラチェット式テンショナのプランジャから緊張力を与えることができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
すなわち、請求項1に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、ラチェット付勢用ばねがラチェットの内部に設けたばね収容穴内からラチェットの摺動方向に伸縮自在に一部突出させた状態で挿着されていることにより、ラチェット付勢用ばねがラチェットのばね収容穴の周壁で確実に包囲保持されて伸縮動作に要する大部分を挿入させた状態となるため、ラチェット付勢用ばねの座屈を防止してハウジング本体のラチェット収容穴に対するラチェットの取り付け形態を簡素化かつ小型化し、しかも、ラチェットがばね収容穴によって空洞化するため、ラチェット自体を軽量化することができる。
また、ばね制止用座金が、ラチェット収容穴の後端領域に縮径状態で嵌め込まれてラチェット収容穴の係止用円周溝内で拡径することにより係止されるC型リングと該C型リングからリング中央領域に延びてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止片とを有していることにより、ラチェットの摺動方向と直交するラチェット収容穴の径方向に拡径されたばね制止用座金のC型リングがラチェット収容穴の係止用円周溝内に位置決め係止されるため、ばね制止用座金に着座したラチェット付勢用ばねがラチェットの摺動により伸縮動作しても、ばね制止用座金がラチェット収容穴の係止用円周溝から外部に抜け落ちることを完全に防止することができるとともに、ばね制止片がラチェット付勢用ばねから受けた衝撃をC型リングに伝播させずに遮断するため、ハウジング本体のラチェット収容穴に対してばね制止用座金を強固に組み付けることができる。
請求項2に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、ばね制止用座金がC型リングのリング両端を縮径用工具ピンで相互に引き寄せて縮径させる縮径用ピン係合穴をリング両端にそれぞれ有していることにより、縮径用ピン係合穴に係合させた縮径用工具ピンでばね制止用座金のC型リングを任意に拡縮させることが可能になるため、ハウジング本体のラチェット収容穴に対するばね制止用座金の組み付け取り外しなどの組み立て分解操作を簡便に達成することができる。
請求項3に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、ばね制止片がC型リングからラチェット付勢用ばねに向けて持ち上がる細首状連結部を介してC型リングに一体形成されていることにより、ばね制止片がC型リングに対して細首状連結部を介して持ち上がっている分だけラチェット付勢用ばねからの繰り返し荷重に対する弾発力を発生するため、ラチェットの出没動作により伸縮変動するラチェット付勢用ばねをばね制止片に対して確実に着座させることができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明が奏する効果に加えて、ばね制止片がラチェット収容穴の後端領域でC型リングのリング両端と重なり合った状態で細首状連結部とC型リングのリング両端とで保持されていることにより、ばね制止片が細首状連結部とC型リングのリング両端との間で両持ち状態になってラチェット付勢用ばねからの繰り返し荷重に対する細首状連結部の曲げ応力が回避されるため、ばね制止用座金がラチェット付勢用ばねからの繰り返し荷重に対して優れた強度と耐久性とを発揮することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、ラチェット付勢用ばねの付勢力が、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されていることによって、エンジン始動時にプランジャを後退させる反力が発生すると、ラチェット付勢用ばねの付勢力がラチェットのラチェット歯に作用してプランジャのラック歯と噛み合うため、バックラッシュが生じたプランジャの後退方向の動きを規制して後退変位を阻止し、タイミングチェーンのバタツキ音を低減することができるばかりでなく、プランジャ付勢用ばねの付勢力が単にプランジャを突出付勢させる付勢力のみで充足されるため、特殊な高荷重対応のプランジャ付勢用ばねやオリフィス機構やオイルリザーブ機構を必要とせず、部品点数や製造コストを低減してテンショナ自体を小型化することができる。
また、ラチェット付勢用ばねの付勢力がエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていることにより、エンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力が発生すると、ラチェット付勢用ばねの付勢力がラチェットのラチェット歯に作用してラチェットのラチェット歯とプランジャのラック歯とが噛み外れ、ラチェット付勢用ばねの付勢力がラチェットの摺動方向の分力よりも相対的に大きくなるまでプランジャを後退させるため、エンジンの温度変化などでプランジャが過剰に前進してバックストップによる過荷重が発生してもプランジャの後退方向の動きを規制せず後退変位を許容してプランジャの焼き付きを防止することができるばかりでなく、このラチェット付勢用ばねの付勢力を調整することによりエンジン始動後のチェーン張力過多による噛み外れのタイミングが調整可能になるため、プランジャの焼き付きを確実に防止することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、プランジャのラック歯がラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面とプランジャ後退側に傾斜する摺動面とで凹凸状に形成されているとともに、ラチェットのラチェット歯がラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面とプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面とで凹凸状に形成されていることにより、エンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力が発生すると、この反力がプランジャ側のストップ面を介してラチェットのストップ対向面に分力として作用し、このラチェットのストップ対向面に作用した分力がラチェットの摺動方向の更に小さな分力としてラチェットのラチェット歯をプランジャのラック歯と噛み外れるように作用し、プランジャのラック歯がラチェットのストップ対向面を経て摺動対向面を滑動して1歯分戻すため、エンジン始動後のチェーン張力過多時にラチェットのラチェット歯とプランジャのラック歯に生じがちな歯欠けなどの摩損を防止しつつプランジャの後退方向の動きを規制せず後退変位を円滑に許容することができるとともにラチェット付勢用ばねに対する過度の衝撃も回避して優れた耐久性を発揮することができる。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明が奏する効果に加えて、ストップ面の傾斜角が摺動面の傾斜角より小さく形成されていることにより、エンジン始動時にプランジャを後退させる反力が発生してもプランジャのラック歯とラチェットのラチェット歯との噛み外れを阻止するため、エンジン始動時にバックラッシュが生じたプランジャの後退方向の動きを規制して後退変位を阻止することができる。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに係る発明が奏する効果に加えて、ラチェットがラチェット外径寸法より大きなラチェット全長寸法を備えていることにより、ラチェットに過剰な荷重が負荷された場合であってもラチェット収容穴内の摺動方向に対して生じがちなラチェットの傾きを抑制してラチェットの偏摩耗を防止するため、プランジャとラチェットからなるラチェット機構をより円滑に作動させることができる。
本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100の使用態様図。 図1に示すラチェット式テンショナ100を要部拡大図。 ラック歯とラチェット歯の拡大図。 ラチェットとラチェット付勢用ばねとばね制止用座金との分解図。 ばね制止用座金の組み付け直前の状態を示す説明図。 ばね制止用座金の組み付け時の状態を示す説明図。 ばね制止用座金の組み付け直後の状態を示す説明図。 エンジン始動時のプランジャ突出動作に伴う噛み合い状態を示す図。 エンジン始動時のプランジャ後退動作に伴う噛み合い状態を示す図。 チェーン張力過多によるプランジャ後退開始時の噛み合い状態を示す図。 チェーン張力過多によるプランジャ後退動作中の噛み外れ状態を示す図。 チェーン張力過多によるプランジャ後退終了時の噛み合い状態を示す図。 本発明の第2実施例であるラチェット式テンショナ200の要部拡大図。 ラチェットとラチェット付勢用ばねとばね制止用座金との分解図。 ばね制止用座金の組み付け直前の状態を示す説明図。 ばね制止用座金の組み付け時の状態を示す説明図。 ばね制止用座金の組み付け直後の状態を示す説明図。 従来のラチェット式テンショナ500の断面図。
本発明のラチェット式テンショナは、外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体とこのハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットとこのラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと前記ラチェット収容穴の後端領域に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止用座金とを備え、ラチェット付勢用ばねがラチェットの内部に設けたばね収容穴内からラチェットの摺動方向に伸縮自在に一部突出させた状態で挿着されているとともに、ばね制止用座金がラチェット収容穴の後端領域に縮径状態で嵌め込まれてラチェット収容穴の係止用円周溝内で拡径することにより係止されるC型リングと該C型リングからリング中央領域に延びてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止片とを有し、ラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止用座金をラチェット収容穴に対して抜け落ちることなく強固かつ簡便に組み付け、エンジン稼働の際にラチェット機構を確実かつ安定して作動させてバタツキ音を低減するとともにプランジャの焼き付きを防止するものであれば、その具体的な態様は、如何なるものであっても構わない。
たとえば、本発明のラチェット式テンショナにおけるハウジング本体の基本的な形態については、オイルポンプから供給される圧油をハウジング本体に形成した油供給路に直接的に導入するもの、あるいは、オイルポンプから供給される圧油をハウジング本体に形成した油供給路に導入する前にハウジング本体の背面部分に一旦貯溜する油リザーバー部を凹設したもののいずれであっても何ら構わない。
また、本発明のラチェット式テンショナの場合、高圧油室内から油供給路へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニットがプランジャ収容穴の底部に組み込まれているもの、あるいは、逆止弁ユニットがプランジャ収容穴の底部に組み込まれていないものの、いずれであっても良い。
さらに、前述した逆止弁ユニットを備えたラチェット式テンショナの場合、その具体的なユニット形態は、プランジャ収容穴の底部に組み込まれて高圧油室内の圧油の油供給路への逆流を阻止するものであれば、如何なる形態のものであっても良く、例えば、油供給路に連通して高圧油室側へ圧油を供給するボールシートとこのボールシートの弁座に対向するチェックボールとこのチェックボールをボールシートに押圧付勢するボール付勢用ばねとチェックボールの移動量を規制する鐘状リテーナとを備えたものであっても何ら構わない。
そして、本発明のラチェット式テンショナに用いられるラチェット付勢用ばねの付勢力については、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていれば如何なる絶対値の付勢力であっても良く、プランジャのラック歯とラチェットのラチェット歯との間の摩擦係数も考慮した付勢力に設定されるのがより好ましい。
また、本実施例で用いるラチェットに形成するラチェット歯の具体的な形態については、等ピッチの歯間隔および同一の歯丈を備えた2枚以上のラチェット歯を備えたものであれば、プランジャ側面のラック歯に向けて均等に噛み合い荷重を分散して噛み合うことができるので、より好ましい。
以下、本発明の一実施例であるラチェット式テンショナ100を図1乃至図17に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施例であるラチェット式テンショナ100の使用態様図であり、図2は、図1に示すラチェット式テンショナ100を拡大した断面図であり、図3は、ラック歯とラチェット歯の拡大図であり、図4は、ラチェットとラチェット付勢用ばねとばね制止用座金との分解図であり、図5は、ばね制止用座金の組み付け直前の状態を示す説明図であり、図6は、ばね制止用座金の組み付け時の状態を示す説明図であり、図7は、ばね制止用座金の組み付け直後の状態を示す説明図であり、図8は、エンジン始動時のプランジャ突出動作に伴う噛み合い状態を示す図であり、図9は、エンジン始動時のプランジャ後退動作に伴う噛み合い状態を示す図であり、図10は、チェーン張力過多によるプランジャ後退開始時の噛み合い状態を示す図であり、図11は、チェーン張力過多によるプランジャ後退動作中の噛み外れ状態を示す図であり、図12は、チェーン張力過多によるプランジャ後退終了時の噛み合い状態を示す図であり、図13は、本発明の第2実施例であるラチェット式テンショナ200の要部拡大図であり、図14は、ラチェットとラチェット付勢用ばねとばね制止用座金との分解図であり、図15であり、ばね制止用座金の組み付け直前の状態を示す説明図であり、図16は、ばね制止用座金の組み付け時の状態を示す説明図であり、図17は、ばね制止用座金の組み付け直後の状態を示す説明図である。
まず、図1に示すように、本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100は、エンジンのクランクシャフトで回転される駆動側スプロケットS1とカムシャフトに固定されている被駆動側スプロケットS2の間に掛け廻されているタイミングチェーンCの弛み側でエンジン本体に取り付けられて、そのハウジング本体110の前面からプランジャ120が出没自在に突出しており、プランジャ120がエンジン本体側に揺動自在に支持されている可動レバーLの揺動端近傍の背面を押圧することにより、可動レバーLを介してタイミングチェーンCの弛み側に張力を付与している。
なお、タイミングチェーンCの張り側にはタイミングチェーンCの走行を案内する固定ガイドGがエンジン本体側に取り付けられている。
そして、駆動側スプロケットS1が矢印の方向に回転すると、タイミングチェーンCが矢印の方向に走行し、次いで、このタイミングチェーンCの走行によって被駆動側スプロケットS2が矢印の方向に回動し、駆動側スプロケットS1の回動が被駆動側スプロケットS2に伝達するようになっている。
そこで、図2および図3に示すように、本実施例のラチェット式テンショナ100は、エンジンブロック側から供給された外部圧油を導入する油供給路111を形成したハウジング本体110と、このハウジング本体110に形成したプランジャ収容穴112から走行チェーン(図示せず)に向けて摺動自在に突出する円柱状のプランジャ120と、前記ハウジング本体110のプランジャ収容穴112とプランジャ120の中空部121との間に形成される高圧油室Rに収納されてプランジャ120の突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばね130と、プランジャ収容穴112の底部に組み込まれて高圧油室R内から油供給路111へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニット140と、前記ハウジング本体110に形成した円筒状のラチェット収容穴113に嵌挿されてプランジャ120の進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェット150と、このラチェット150のプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯151をプランジャ側面に刻設したラック歯122に向けて噛み合うように付勢するラチェット付勢用ばね160と、前記ラチェット収容穴113の後端領域に嵌め込まれてラチェット付勢用ばね160を着座させるばね制止用座金170とを備えている。
(逆止弁ユニット140の具体的なユニット構造について)
前述した逆止弁ユニット140の具体的なユニット構造については、プランジャ収容穴112の底部に組み込まれて高圧油室R内から油供給路111へ圧油の逆流を阻止するものであれば、公知の如何なるものであっても差し支えないが、本実施例では、前述したハウジング本体110の油供給路111に繋がる油路141aを有するボールシート141と、このボールシート141の弁座141bに着座するチェックボール142と、このチェックボール142をボールシート141に押圧付勢するボール付勢用ばね143と、このボール付勢用ばね143を支持し且つチェックボール142の移動量を規制する鐘状リテーナ144とから構成された逆止弁ユニット140が採用されている。
(ラチェット150およびラチェット付勢用ばね160の具体的な構造について)
前述したラチェット150は、図4に示すように、ラチェット外径寸法Dより大きなラチェット全長寸法Wを備え、これによって、ラチェット150に過剰な荷重が負荷された場合であっても、ラチェット収容穴113内の摺動方向に対して生じがちなラチェット150の傾きを抑制してラチェット150の偏摩耗を防止し、プランジャ120とラチェット150からなるラチェット機構をより円滑に作動させるようになっている。
また、本実施例におけるラチェット150は、プランジャ側面に刻設したラック歯122に向けて均等に噛み合い荷重を分散して噛み合うため、図3および図4に示すように、ラック歯122と等ピッチの歯間隔および同一の歯丈を備えた3枚のラチェット歯151がプランジャ側先端領域に設けられている。
また、前述したラチェット付勢用ばね160は、図4に示すように、ラチェット150内へ摺動方向に沿って同心円状に挿着され、これによって、ラチェット付勢用ばね160がラチェット150のばね収容穴153内にほぼ挿入された状態となり、ラチェット付勢用ばね160をラチェット150の外周面に外嵌した場合に比較して、ラチェット収容穴113に対するラチェット150の取り付け形態が簡素化かつ小型化されている。
そして、ラチェット付勢用ばね160の付勢力については、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力で発生するラチェット150の摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャ120を後退させる反力で発生するラチェット150の摺動方向の分力より小さく設定されている。
これにより、エンジン始動時にプランジャ120の後退変位を抑制してタイミングチェーンのバタツキ音を低減するとともにエンジン始動後のチェーン張力過多によってプランジャ120の後退変位を許容してプランジャ120の焼き付きを防止し、特殊な高荷重対応のプランジャ付勢用ばね160やオリフィス機構やオイルリザーブ機構を必要とせず、部品点数や製造コストを低減してテンショナ自体を小型化している。
そこで、本実施例のラチェット式テンショナ100において最も特徴とするばね制止用座金170について、図4乃至図7に基づいて説明する。
(ばね制止用座金170の具体的な構造について)
すなわち、ばね制止用座金170は、図4に示すように、ラチェット収容穴113の後端領域に縮径状態で嵌め込まれてラチェット収容穴113の係止用円周溝113a内で拡径することにより係止されるC型リング171とこのC型リング171からリング中央領域に延びてラチェット付勢用ばね160を着座させるばね制止片172とを有している。
これにより、ラチェット150の摺動方向と直交するラチェット収容穴113の径方向に拡径されたばね制止用座金のC型リング171が、ラチェット収容穴113の係止用円周溝113a内に位置決め係止され、ばね制止片172が、ラチェット付勢用ばね160から受けた衝撃をC型リング171に伝播させずに遮断している。
さらに、ばね制止用座金170は、C型リング171のリング両端を縮径用工具ピンTで相互に引き寄せて縮径させる縮径用ピン係合穴174をリング両端にそれぞれ有していることにより、ばね制止用座金170の組み付け時などに縮径用ピン係合穴174に係合させた縮径用工具ピンTでばね制止用座金170のC型リング171を任意に拡縮させることが可能になっている。
(ばね制止用座金170の組み付けについて)
ここで、図5の(a)は、ばね制止用座金170の組み付け直前のC型リング171が拡径した状態を示したものであり、図5の(b)は、ラチェット収容穴113の後端領域に嵌め込む直前の状態を示したものである。図6の(a)は、ばね制止用座金170の組み付け時にC型リング171が縮径した状態を示したものであり、図6の(b)は、ラチェット収容穴113の後端領域に嵌め込む途中の状態を示したものである。図7の(a)は、ばね制止用座金170の組み付け着後にC型リング171が拡径した状態を示したものであり、図7の(b)は、ラチェット収容穴113の後端領域に嵌め込んだ状態を示したものである。
したがって、本実施例のラチェット式テンショナ100におけるばね制止用座金170は、図5に示すばね制止用座金170のC型リング171が拡径した状態から組み付けを開始し、図6に示すように、C型リング171の縮径用ピン係合穴174に係合させた縮径用工具ピンTでC型リング171のリング両端を相互に引き寄せて縮径させた状態でラチェット収容穴153の係止用円周溝153a内に嵌め込んだ後、図7に示すように、C型リング171のリング両端をラチェット収容穴153の係止用円周溝153a内で拡径させて係合させることにより、ラチェット収容穴113の後端領域に確実に嵌め込まれる。
なお、保守メンテナンス時にばね制止用座金170を取り外す際には、上述した手順を逆に操作すれば良いことは言うまでもない。
(ララチェット式テンショナ100のチェット機能について)
本実施例のラチェット式テンショナ100におけるプランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151とラチェット付勢用ばね160との相互関係、すなわち、これらが奏するチェット機能について、図3および図8乃至図12に基づいて更に詳しく説明する。
まず、図8で示すように、エンジン始動時およびエンジン始動後の通常運転時においてプランジャ120が突出する際、常に、f1>Fsとなり、プランジャ120は、ラチェット150を押し戻しながら前進する。
ここで、本実施例で用いたラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsは、図9で示すようなエンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1で発生するラチェット150の摺動方向の分力f1より大きく設定されているとともに、図10で示すようなエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2で発生するラチェット150の摺動方向の分力f2より小さく設定されている。
これにより、図8に示すようなエンジン始動時のプランジャ突出動作中は、常に、f1>Fsとなり、プランジャ120は、レバー(図示せず)に追従して前進する。そして、図9に示すようなエンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1が発生すると、前述したラチェット150の摺動方向の分力f1よりも大きいラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsがラチェット150のラチェット歯151に作用してプランジャ120のラック歯122と噛み合って、バックラッシュが生じたプランジャ120の後退方向の動きを規制して後退変位を阻止する。
さらに、図10に示すようなエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2が発生すると、前述したラチェット150の摺動方向の分力f2がラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsよりも大きくなり、図11に示すようにラチェット150のラチェット歯151とプランジャ120のラック歯122とが噛み外れ、ラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsがラチェットの摺動方向の分力f2よりも相対的に大きくなるまでプランジャ120をラック歯122の1歯分もしくは数歯分だけ後退させるため、エンジン始動後のチェーン張力過多によってバックラッシュが生じたプランジャ120の後退方向の動きを規制せず図12に示すような後退変位を許容するようになっている。
したがって、プランジャ付勢用ばね130の付勢力は、ラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsよりも大きいが、プランジャ120を突出付勢させる付勢力であれば良く、このような範囲でラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsを調整することによってエンジン始動後のチェーン張力過多による噛み外れのタイミングを調整することも可能である。
さらに、詳細に説明すると、本実施例のラチェット式テンショナ100は、図3に示すように、プランジャ120のラック歯122がラチェット150の摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面122aとラチェット150の摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動面122bとで凹凸状に形成されているとともに、ラチェット150のラチェット歯151がラチェット150の摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面151aとラチェット150の摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面151bとで凹凸状に形成されている。
これにより、図10に示すように、エンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2が発生すると、この反力F2がプランジャ側のストップ面122aを介してラチェット150のストップ対向面151aに分力fhとして作用し、このラチェット150のストップ対向面151aに作用した分力fhがラチェット150の摺動方向の更に小さな分力f2としてラチェット150のラチェット歯151をプランジャ120のラック歯122と噛み外れるように作用し、図11乃至図12に示すように、プランジャ120のラック歯122がラチェット150のストップ対向面151aを経て摺動対向面151bを滑動して1歯分もしくは数歯分戻すようになっている。
そして、前述したプランジャ120に形成されたストップ面122aの傾斜角θは、摺動対向面122bの傾斜角αより小さく設定されている。
これにより、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1が発生してもプランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との噛み外れを阻止するようになっている。
したがって、前述したように、エンジンの温度変化などでプランジャ120が過剰に前進してバックストップによる過荷重が発生しても、図11に示すようなエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2で発生するラチェット150の摺動方向の分力f2とラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsと大小関係は、
f2=F2×cosθ×sinθ×μ
f2>Fs
となる。
なお、ここで言うμとは、プランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との間の摩擦係数である。
また、前述したエンジン始動時にバックラッシュが生じたプランジャ120の後退方向の動きを規制して後退変位を阻止する際に、図9に示すようなエンジン始動時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F1で発生するラチェット150の摺動方向の分力f1とラチェット付勢用ばね160の付勢力Fsと大小関係は、
f1=F1×cosθ×sinθ×μ
f1<Fs
となる。
なお、ここで言うμとは、プランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との間の摩擦係数である。
つぎに、本実施例のラチェット式テンショナ100が最も特徴とするエンジン始動後のチェーン張力過多時におけるプランジャ120のラック歯122とラチェット150のラチェット歯151との噛み外れ動作について、図10乃至図12に基づいて、以下に説明する。
なお、図10乃至図12のプランジャ先端側に示す仮想線は、エンジン始動後にチェーン張力過多が発生した時、すなわち、図10に示す状態のプランジャ120の先端位置を示している。また、図11乃至図12のラチェット近傍側に示す仮想線は、エンジン始動後にチェーン張力過多が発生した時、すなわち、図8に示す状態のラチェット150の位置を示している。
まず、エンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャ120を後退させる反力F2が発生すると、図10に示すように、この反力F2がプランジャ側のストップ面122aを介してラチェット150のストップ対向面151aに分力fhとして作用し、このラチェット150のストップ対向面151aに作用した分力fhがラチェット150の摺動方向の更に小さな分力f2として作用する。
そして、前述したラチェット150の摺動方向の分力f2が作用すると、図11に示すように、プランジャ側のストップ面122aがラチェット側のストップ対向面151aを滑動しながらプランジャ120が後退し始めて、プランジャ120のラック歯122がラチェット150のラチェット歯151と外れていく。
次いで、プランジャ120のラック歯122がラチェット150のラチェット歯151と外れると同時に、プランジャ側の摺動面122bがラチェット側の摺動対向面151bを滑動し始めながらプランジャ120が後退し続けていく。
さらに、プランジャ側の摺動面122bがラチェット側の摺動対向面151bを滑動し始めながらプランジャ120が後退し続けると、図12に示すように、プランジャ側の後続する新たなストップ面122aがラチェット側のストップ対向面151aに当接して後退変位を許容し、プランジャ120がラック歯122の1歯分もしくは数歯分を戻すことにより、エンジンの温度変化などで発生するプランジャ120の過剰な飛び出しによる過荷重を解除するようになっている。
このようにして得られた本発明の第1実施例のラチェット式テンショナ100は、ラチェット付勢用ばね160がラチェット150のばね収容穴153内からラチェット150の摺動方向に伸縮自在に一部突出させた状態で挿着されていることにより、ラチェット付勢用ばね160の座屈を防止してハウジング本体110のラチェット収容穴113に対するラチェット150の取り付け形態を簡素化かつ小型化し、ラチェット150がばね収容穴153によって空洞化するため、ラチェット150自体を軽量化することができる。
そして、ばね制止用座金170がラチェット収容穴113の後端領域に縮径状態で嵌め込まれたC型リング171とこのC型リング171からリング中央領域に延びたばね制止片172とを有していることにより、ばね制止用座金170に着座したラチェット付勢用ばね160がラチェット150の摺動により伸縮動作しても、ばね制止用座金170がラチェット収容穴113の係止用円周溝113aから外部に抜け落ちることを完全に防止するとともに、ハウジング本体110のラチェット収容穴113に対してばね制止用座金170を強固に組み付け、しかも、ばね制止用座金170がC型リング171のリング両端に縮径用ピン係合穴174をそれぞれ有していることにより、ハウジング本体110のラチェット収容穴113に対するばね制止用座金170の組み付け取り外しなどの組み立て分解操作を簡便に達成することができる。
さらに、本第1実施例では、プランジャ120のラック歯122がプランジャ前進側に傾斜するストップ面122aとプランジャ後退側に傾斜する摺動面122bとで凹凸状に形成されているとともにラチェット150のラチェット歯151がプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面151aとプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面151bとで凹凸状に形成され、しかも、ストップ対向面151aの傾斜角θが摺動対向面151bの傾斜角αより小さく形成されていることにより、エンジン始動後のチェーン張力過多時にラチェット150のラチェット歯151とプランジャ120のラック歯122に生じがちな歯欠けなどの摩損を防止しつつプランジャ120の後退方向の動きを規制せず後退変位を円滑に許容できるとともにラチェット付勢用ばね160に対する過度の衝撃も回避して優れた耐久性を発揮することができるなど、その効果は甚大である。
つぎに、本発明の第2実施例であるラチェット式テンショナについて、図13乃至図17に基づいて説明する。
本発明の第2実施例であるラチェット式テンショナは、上述した第1実施例であるラチェット式テンショナ100と比較すると、上述したばね制止用座金170の具体的な形態が異なっており、その余の装置構成については何ら変わるところがないため、本発明の第2実施例で用いたばね制止用座金270の具体的な形態のみ、図13乃至図17に基づいて詳しく説明する。
なお、本発明の第2実施例であるばね制止用座金270以外の装置構成については、上述した第1実施例であるラチェット式テンショナ100における同一の部材に付した100番台の符号を200番台の符号に読み換えることにより、その重複する説明を省略する。
そこで、前述したばね制止用座金270は、図13に示すように、ラチェット収容穴213の後端領域に縮径状態で嵌め込まれてラチェット収容穴213の係止用円周溝213a内で拡径することにより係止されるC型リング271とこのC型リング271からリング中央領域に延びてラチェット付勢用ばね260を着座させるばね制止片272とを有している。
これにより、ラチェット250の摺動方向と直交するラチェット収容穴213の径方向に拡径されたばね制止用座金のC型リング271が、ラチェット収容穴213の係止用円周溝213a内に位置決め係止され、ばね制止片272が、ラチェット付勢用ばね260から受けた衝撃をC型リング271に伝播させずに遮断している。
そして、上述したばね制止用座金270は、C型リング271からラチェット付勢用ばね260に向けて持ち上がる細首状連結部273を介してC型リング271に一体形成されている。
これにより、ばね制止片272がC型リング271に対して細首状連結部273を介して持ち上がっている分だけラチェット付勢用ばね260からの繰り返し荷重に対する弾発力を発生するようになっている。
さらに、ばね制止片271は、ラチェット収容穴213の後端領域でC型リング271のリング両端と重なり合った状態で細首状連結部273とC型リング271のリング両端とで保持されている。
これにより、ばね制止片271が細首状連結部273とC型リング271のリング両端との間で両持ち状態になってラチェット付勢用ばね260からの繰り返し荷重に対する細首状連結部273の曲げ応力が回避されるようになっている。
また、前述したばね制止用座金270は、C型リング271のリング両端を縮径用工具ピンTで相互に引き寄せて縮径させる縮径用ピン係合穴274をリング両端にそれぞれ有している。
これにより、ばね制止用座金270の組み付け時などに縮径用ピン係合穴274に係合させた縮径用工具ピンTでばね制止用座金270のC型リング271を任意に拡縮させることが可能になっている。
このようにして得られた本発明の第2実施例のラチェット式テンショナ200は、ラチェット付勢用ばね260がラチェット250のばね収容穴253内からラチェット250の摺動方向に伸縮自在に一部突出させた状態で挿着されていることにより、ラチェット付勢用ばね260の座屈を防止してハウジング本体210のラチェット収容穴213に対するラチェット250の取り付け形態を簡素化かつ小型化し、ラチェット250がばね収容穴253によって空洞化するため、ラチェット250自体を軽量化することができる。
そして、ばね制止用座金270がラチェット収容穴213の後端領域に縮径状態で嵌め込まれたC型リング271とこのC型リング271からリング中央領域に延びたばね制止片272とを有していることにより、ばね制止用座金270に着座したラチェット付勢用ばね260がラチェット150の摺動により伸縮動作しても、ばね制止用座金270がラチェット収容穴213の係止用円周溝213aから外部に抜け落ちることを完全に防止するとともに、ハウジング本体210のラチェット収容穴213に対してばね制止用座金170を強固に組み付け、しかも、ばね制止用座金270がC型リング271のリング両端に縮径用ピン係合穴274をそれぞれ有していることにより、ハウジング本体210のラチェット収容穴213に対するばね制止用座金270の組み付け取り外しなどの組み立て分解操作を簡便に達成することができる。
また、上述したばね制止用座金270は、C型リング271からラチェット付勢用ばね260に向けて持ち上がる細首状連結部273を介してC型リング271に一体形成されていることにより、ラチェット250の出没動作により伸縮変動するラチェット付勢用ばね260をばね制止片272に対して確実に着座させることができるばかりでなく、ばね制止片271がラチェット収容穴213の後端領域でC型リング271のリング両端と重なり合った状態で細首状連結部273とC型リング271のリング両端とで保持されていることにより、ばね制止用座金270がラチェット付勢用ばね260からの繰り返し荷重に対して優れた強度と耐久性とを発揮することができる。
さらに、本第2実施例では、プランジャ220のラック歯222がプランジャ前進側に傾斜するストップ面222aとプランジャ後退側に傾斜する摺動面222bとで凹凸状に形成されているとともにラチェット250のラチェット歯251がプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面251aとプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面251bとで凹凸状に形成され、しかも、ストップ対向面251aの傾斜角θが摺動対向面251bの傾斜角αより大きく形成されていることにより、エンジン始動後のチェーン張力過多時にラチェット250のラチェット歯251とプランジャ220のラック歯222に生じがちな歯欠けなどの摩損を防止しつつプランジャ220の後退方向の動きを規制せず後退変位を円滑に許容できるとともにラチェット付勢用ばね260に対する過度の衝撃も回避して優れた耐久性を発揮することができるなど、その効果は甚大である。
100 、200 ・・・ ラチェット式テンショナ
110 、210 ・・・ ハウジング本体
111 、211 ・・・ 油供給路
112 、212 ・・・ プランジャ収容穴
113 、213 ・・・ ラチェット収容穴
113a、213a・・・
係止用円周溝
114 、214
・・・ ピン挿入穴
120 、220 ・・・ プランジャ
121 、221 ・・・ 中空部
122 、222 ・・・ ラック歯
122a・・・ ストップ面
122b・・・ 摺動面
130 、230 ・・・ プランジャ付勢用ばね
140 、240 ・・・ 逆止弁ユニット
141 、241 ・・・ ボールシート
141a、241a・・・ 油路
141b、241b・・・ 弁座
142 、242 ・・・ チェックボール
143 、243 ・・・ ボール付勢用ばね
144 、244 ・・・ 鐘状リテーナ
150 、250 ・・・ ラチェット
151 、251 ・・・ ラチェット歯
151a・・・ ストップ対向面
151b・・・ 摺動対向面
153 、253 ・・・ ばね収容穴
160 、260 ・・・ ラチェット付勢用ばね
170 、270 ・・・ ばね制止用座金
171 、271 ・・・ C型リング
172 、272 ・・・ ばね制止片
273 ・・・ 細首状連結部
174、274 ・・・ 縮径用ピン係合穴
S1 ・・・ 駆動側スプロケット
S2 ・・・ 被駆動側スプロケット
C ・・・ タイミングチェーン
L ・・・ 可動レバー
G ・・・ 固定ガイド
P ・・・ ピストン部高圧油室
R ・・・ 高圧油室
D ・・・ ラチェット外径寸法
W ・・・ ラチェット全長寸法
Fs ・・・ ラチェット付勢用ばねの付勢力
F1 ・・・ エンジン始動時にプランジャを後退させる反力
F2 ・・・ エンジン始動後のチェーン張力過多時にプランジャを後退させる反力
f1 ・・・ 反力F1で発生するラチェットの摺動方向の分力
f2 ・・・ 反力F2で発生するラチェットの摺動方向の分力
fh ・・・ 反力F2でプランジャのストップ面に作用する分力
θ ・・・ プランジャに形成されたストップ面の傾斜角
α ・・・ プランジャに形成された摺動面の傾斜角
T ・・・ 縮径用工具ピン
500 ・・・ 従来のラチェット式テンショナ
512 ・・・ ハウジング
514 ・・・ プランジャ
516 ・・・ 油室
518 ・・・ スプリング
520 ・・・ 副油室
524 ・・・ ロッド
526 ・・・ ピストン
528 ・・・ 大気室
530 ・・・ キャップ
532 ・・・ 大気連通孔
534 ・・・ 第2スプリング
536 ・・・ 噛合歯
538 ・・・ ラック
544 ・・・ 油路
548 ・・・ 油路
550 ・・・ 油溜り

Claims (8)

  1. 外部圧油の油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記ハウジング本体のラチェット収容穴に嵌挿されてプランジャの進退方向と直交する方向に摺動する円柱状のラチェットと該ラチェットのプランジャ側先端領域に設けたラチェット歯をプランジャ側面のラック歯に向けて付勢するラチェット付勢用ばねと前記ラチェット収容穴の後端領域に嵌め込まれてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止用座金とを備えたラチェット式テンショナにおいて、
    前記ラチェット付勢用ばねが、前記ラチェットの内部に設けたばね収容穴内からラチェットの摺動方向に伸縮自在に一部突出させた状態で挿着されているとともに、
    前記ばね制止用座金が、前記ラチェット収容穴の後端領域に縮径状態で嵌め込まれてラチェット収容穴の係止用円周溝内で拡径することにより係止されるC型リングと該C型リングからリング中央領域に延びてラチェット付勢用ばねを着座させるばね制止片とを有していることを特徴とするラチェット式テンショナ。
  2. 前記ばね制止用座金が、前記C型リングのリング両端を縮径用工具ピンで相互に引き寄せて縮径させる縮径用ピン係合穴をリング両端にそれぞれ有していることを特徴とする請求項1に記載のラチェット式テンショナ。
  3. 前記ばね制止片が、前記C型リングからラチェット付勢用ばねに向けて持ち上がる細首状連結部を介してC型リングに一体形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラチェット式テンショナ。
  4. 前記ばね制止片が、前記ラチェット収容穴の後端領域でC型リングのリング両端と重なり合った状態で細首状連結部とC型リングのリング両端とで保持されていることを特徴とする請求項3に記載のラチェット式テンショナ。
  5. 前記ラチェット付勢用ばねの付勢力が、エンジン始動時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より大きく設定されているとともにエンジン始動後のチェーン張力過多時に走行チェーン側からプランジャを後退させる反力で発生するラチェットの摺動方向の分力より小さく設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
  6. 前記プランジャのラック歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動面とで凹凸状に形成されているとともに、
    前記ラチェットのラチェット歯が、前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ前進側に傾斜するストップ対向面と前記ラチェットの摺動方向に対してプランジャ後退側に傾斜する摺動対向面とで凹凸状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
  7. 前記ストップ面の傾斜角が、前記摺動面の傾斜角より小さく形成されていることを特徴とする請求6記載のラチェット式テンショナ。
  8. 前記ラチェットが、ラチェット外径寸法より大きなラチェット全長寸法を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のラチェット式テンショナ。
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