JP2012158745A - インクジェット印刷インク用重合性化合物及びインク組成物 - Google Patents

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梓平 元藤
Shintaro Higuchi
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Abstract

【課題】 ノズルからの吐出性及び活性光線照射による速硬化性に優れる高速印刷可能なインクジェット印刷インク用重合性化合物及びインク組成物を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるインクジェット印刷インク用重合性化合物(A);並びに該重合性化合物(A)、光重合開始剤(C)、着色剤(D)及び必要により他の重合性化合物(B)を含有するインクジェット印刷用インク組成物。
【化1】
Figure 2012158745

[式中、R1及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R2は分岐骨格を有する炭素数7〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線照射によりインク硬化物を形成するインクジェット印刷インク用重合性化合物及びインク組成物に関する。
活性光線照射によりインク硬化物を形成するいわゆるUV印刷は、その作業性(速硬化性)の観点から、コーティング剤や塗料、印刷インキ等適用範囲が広がりつつある。
一般に光硬化性インクは、光重合開始剤、重合性化合物(モノマー、オリゴマー又はポリマー)、用途に応じ着色剤及び添加剤からなる。着色剤は大別して顔料及び染料からなり、塗膜を着色するために配合される。速硬化性は、重合性化合物により左右され、その性能を向上させるための組成が多数提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の組成物は速硬化する点においては改良されているが、インク組成物としての粘度が高く、インクジェット印刷に使用した場合にノズルからの吐出が困難、又はノズル詰まりが発生する等吐出性が悪いという問題がある。
特開2006−28404号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ノズルからの吐出性及び活性光線照射による速硬化性に優れる高速印刷可能なインクジェット印刷インク用重合性化合物及びインク組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるインクジェット印刷インク用重合性化合物(A);並びに該重合性化合物(A)、光重合開始剤(C)、着色剤(D)及び必要により他の重合性化合物(B)を含有するインクジェット印刷用インク組成物;である。
Figure 2012158745
[式中、R1及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R2は分岐骨格を有する炭素数7〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。]
本発明のインクジェット印刷インク用重合性化合物(A)を用いたインク組成物を使用することにより、インクジェット印刷用のノズルからの吐出性が良好で、かつ高速印刷が可能となる。
本発明のインクジェット印刷インク用重合性化合物(A)は、前記一般式(1)で表される。
前記一般式(1)におけるR1及びR3は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
また、R2は分岐骨格を有する炭素数7〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。
2として硬化速度の観点から好ましいのは、下記一般式(2)〜(4)で表される置換基であり、更に好ましいのは下記化学式(5)〜(34)で表される置換基である。
Figure 2012158745
一般式(2)〜(4)におけるR4〜R21は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜14の1価の脂肪族炭化水素基であり、かつR4〜R7の炭素数の合計は5〜18であり、R8〜R13の炭素数の合計は4〜17であり、R14〜R21の炭素数の合計は3〜16である。
Figure 2012158745
化学式(5)〜(34)における*は、それが付された結合により置換基が前記一般式(1)における酸素原子と結合することを表す。
重合性化合物(A)の25℃での粘度は、ノズルからの吐出性の観点から、100mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは50mPa・s以下である。
本発明における粘度は、粘度測定装置[FUNGILAB社製「ビスコエリートB型」]を用いて測定される。
活性光線照射による速硬化性を向上させるために使用される従来の化合物は、粘度が著しく高く、ノズルからの吐出性が不十分であるという問題があるが、本発明の重合性化合物(A)は、分子中に分岐骨格を有することにより、低粘度と速硬化性の両立を実現している。
重合性化合物(A)の粘度は、R1〜R3の種類を適宜選択することにより調整することができる。
本発明の重合性化合物(A)は、例えば以下の方法で製造できる。
蒸留装置付きの反応容器に、アクリル酸、前記R2の両末端が水酸基である化合物、触媒(p−トルエンスルホン酸等)及び溶剤(トルエン等)を仕込み、120℃まで加熱して、生成する水を蒸留除去しながら、120±10℃に保ちつつ、24時間反応させる。冷却後、分液、溶媒の減圧留去等の後処理を行なう。続いてビニルエーテル(t−ブチルビニルエーテル等)、触媒(トリフルオロ酢酸パラジウム(II)等)及び助触媒(4,7−ジフェニルフェナントロリン等)を加え、75℃で10時間反応させ、分液、濾過、未反応物の蒸留除去等の後処理を行なうことにより重合性化合物(A)が得られる。
本発明のインクジェット印刷用インク組成物は、本発明の重合性化合物(A)、光重合開始剤(C)及び着色剤(D)を含有する。
インクジェット印刷用インク組成物においては、重合性化合物(A)として1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、重合性化合物として重合性化合物(A)のみを用いてもよいし、(A)と他の重合性化合物(B)の1種以上とを併用してもよい。
他の重合性化合物(B)としては、後述の光重合開始剤(C)によって重合反応を開始する化合物であれば、特に制限無く公知のものを使用することができる。
他の重合性化合物(B)としては、ラジカル重合性化合物(B1)とイオン重合性化合物(B2)が挙げられる。これらの内、硬化速度の観点でラジカル重合性化合物(B1)が好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(B11)、(A)以外の炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(B12)、炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(B13)、(A)以外の炭素数3〜20のビニルエーテル化合物(B14)及びその他のラジカル重合性化合物(B15)等が挙げられる。ラジカル重合性物質(B1)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、必要により、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類等の重合禁止剤を併用してもよい。尚、上記及び以下において、「アクリレート」と「メタクリレート」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」と「メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
炭素数3〜35の(メタ)アクリルアミド化合物(B11)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
炭素数4〜35の(メタ)アクリレート化合物(B12)としては、例えば以下の単官能〜六官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
尚、上記「単官能〜六官能の(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリロイル基の数が1〜6個の(メタ)アクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシルカルビトール(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノビニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキサイドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下、EOと記載)変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下、POと記載)変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート及びEO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートとしては、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
炭素数6〜35の芳香族ビニル化合物(B13)としては、ビニルチオフェン、ビニルフラン、ビニルピリジン、スチレン、メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン及び4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
炭素数3〜35のビニルエーテル化合物(B14)としては、例えば以下の単官能又は多官能ビニルエーテルが挙げられる。
尚、上記「単官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が1個の、「多官能ビニルエーテル」とはビニル基の数が2個以上の、それぞれビニルエーテル化合物を意味する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが挙げられる。
多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル及びPO付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルが挙げられる。
その他のラジカル重合性化合物(B15)としては、ビニルエステル化合物(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等)、アリルエステル化合物(酢酸アリル等)、ハロゲン含有単量体(塩化ビニリデン及び塩化ビニル等)及びオレフィン化合物(エチレン及びプロピレン等)等が挙げられる。
これらの内、硬化速度の観点から(メタ)アクリルアミド化合物(B11)及び(メタ)アクリレート化合物(B12)が好ましく、特に(メタ)アクリレート化合物(B12)が好ましい。
イオン重合性化合物(B2)としては、炭素数3〜20のエポキシ化合物(B21)及び炭素数4〜20のオキセタン化合物(B22)等が挙げられる。
炭素数3〜20のエポキシ化合物(B21)としては、例えば以下の単官能又は多官能エポキシ化合物が挙げられる。
尚、上記「単官能エポキシ化合物」とはエポキシ基の数が1個の、「多官能エポキシ化合物」とはエポキシ基の数が2個以上の、それぞれエポキシ化合物を意味する。
単官能エポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert―ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−ビニルシクロヘキセンオキサイドが挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン及び1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタンが挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、硬化速度に優れるという観点から、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、脂環式エポキシドが特に好ましい。
炭素数4〜20のオキセタン化合物(B22)としては、オキセタン環を1個〜6個有する化合物等が挙げられる。
オキセタン環を1個有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
オキセタン環を2〜6個有する化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びEO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
これらの内、オキセタン環を1〜2個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することにより、インクジェット印刷用インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが更に容易となり、また硬化後のインクの被記録媒体との密着性を更に高くすることができる。
他の重合性化合物(B)を併用する場合、重合性化合物(A)と他の重合性化合物(B)の比率[(A):(B)]は特に限定されないが、1:10〜10:1であることが好ましい。
また、(A)と(B)を併用した場合の混合物の25℃での粘度は、ノズルからの吐出性の観点から、100mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは50mPa・s以下である。
光重合開始剤(C)としては、例えばラジカル重合開始剤(C1)及びカチオン重合開始剤(C2)が挙げられる。光重合開始剤(C)は、光の作用、又は増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基の内の少なくともいずれか1種を生成する化合物である。光重合開始剤(C)としては、照射される活性光線、例えば、400〜200nmの紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線、又はイオンビーム等に感度を有するものを適宜選択して使用することができる。
ラジカル重合開始剤(C1)としては、例えば、従来知られているアシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(C11)、α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C12)、ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(C13)、α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C14)、ベンゾイン誘導体系重合開始剤(C15)、オキシムエステル誘導体系重合開始剤(C16)、チタノセン誘導体系重合開始剤(C17)、有機過酸化物系重合開始剤(C18)、アゾ化合物系重合開始剤(C19)及びその他の重合性開始剤(C110)等の公知の化合物が挙げられる。(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アシルホスフィンオキサイド誘導体系重合開始剤(C11)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(LUCIRIN TPO)]及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(IRGACURE 819)]等が挙げられる。
α−アミノアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C12)としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 907)]、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン[BASF社製(IRGACURE 369)]及び1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン[BASF社製(IRGACURE 379)]等が挙げられる。
ベンジルケタール誘導体系重合開始剤(C13)としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 651)]等が挙げられる。
α−ヒドロキシアセトフェノン誘導体系重合開始剤(C14)としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン[BASF社製(IRGACURE 184)]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[BASF社製(DAROCUR 1173)]、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 2959)]及び2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン[BASF社製(IRGACURE 127)]等が挙げられる。
ベンゾイン誘導体系重合開始剤(C15)としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
オキシムエステル誘導体系重合開始剤(C16)としては、1,2−オクタンジオン−1−(4−[フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)][BASF社製(IRGACURE OXE 01)]及びエタノン−1−(9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)[BASF社製(IRGACURE OXE 02)]等が挙げられる。
チタノセン誘導体系重合開始剤(C17)としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム[BASF社製(IRGACURE 784)]等が挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤(C18)としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5,−ジメチル−2,5,−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ化合物系重合開始剤(C19)としては、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
その他の重合性開始剤(C110)としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等が挙げられる。
カチオン重合開始剤(C2)としては、例えば、スルホニウム塩誘導体(C21)及びヨードニウム塩誘導体(C22)等の公知の化合物を用いることができる。
スルホニウム塩誘導体(C21)としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート[サンアプロ(株)製「CPI−100P]及び[p−(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスファート等が挙げられる。
ヨードニウム塩誘導体(C22)としては、ヨードニウム(4−メチルフェニル){4−(2−メチルプロピル)フェニル}−ヘキサフルオロフォスフェート[BASF社製(DAROCUR 250)]、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]ヘキサフルオロフォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−t−ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート、ヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]フォスフェート及びヨードニウム[ビス(4−メトキシフェニル)][テトラキス(パーフルフェニル)]ボレート及び下記化学式(41)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2012158745
光重合開始剤(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤(D)としては、従来、塗料及びインキ等に使用されている無機顔料及び有機顔料等の顔料並びに染料が使用できる。
無機顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、アルミナ、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト及びチタンブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシニンブルー、ハロゲン化銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、イソシンドリノン系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ペリノン系及びペリレン系等の多環式又は複素環式化合物が挙げられる。
染料の具体例として、イエロー染料としては、カップリング成分として、フェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類若しくは開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分として、開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、ベンジリデン染料及びモノメチンオキソノール染料等のメチン染料、ナフトキノン染料及びアントラキノン染料等のキノン系染料等、キノフタロン染料、ニトロ、ニトロソ染料、アクリジン染料並びにアクリジノン染料等が挙げられる。
マゼンタ染料としては、カップリング成分として、フェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類若しくはヘテロ環(ピロール、イミダゾール、チオフェン及びチアゾール誘導体等)を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分として、ピラゾロン類又はピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料及びオキソノール染料等のメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、ナフトキノン、アントラキノン及びアントラピリドン等のキノン系染料並びにジオキサジン染料等の縮合多環系染料等が挙げられる。
シアン染料としては、インドアニリン染料及びインドフェノール染料等のアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料及びメロシアニン染料等のポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、カップリング成分として、フェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジノン若しくはピロロトリアジノン誘導体を有するアリール又はヘテリルアゾ染料並びにインジゴ・チオインジゴ染料が挙げられる。
着色剤(D)の粒子径は、塗膜の鮮映性の観点から、平均粒子径として0.01μm〜2.0μmが好ましく、0.01μm〜1.0μmが更に好ましい。
本発明のインクジェット印刷用インク組成物における重合性化合物(A)の含有量は、吐出性及び硬化物の物性の観点から、インク組成物の重量に基づき、好ましくは5〜95重量%、更に好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは15〜85重量%である。
本発明のインクジェット印刷用インク組成物における光重合開始剤(C)の含有量は、硬化物の物性の観点から、インク組成物の重量に基づき、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは0.7〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。
本発明のインクジェット印刷用インク組成物における着色剤(D)の含有量は、インク組成物の重量に基づき、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
また、本発明のインクジェット印刷用インク組成物における他の重合性化合物(B)の含有量は、硬化物の物性の観点から、インク組成物の重量に基づき、好ましくは0〜70重量%、更に好ましくは3〜65重量%、特に好ましくは5〜60重量%である。
本発明のインクジェット印刷用インク組成物は、必要により顔料分散剤、溶剤、増感剤及び密着性付与剤(シランカップリング剤等)等を含有することができる。
顔料分散剤を使用することにより顔料の分散性が向上し、本発明のインクジェット印刷用インク組成物の保存安定性を向上させることができる。
顔料分散剤としては、ビックケミー社製顔料分散剤(Anti−Terra−U、Disperbyk−101,103、106、110、161、162、164、166、167、168,170、174、182、184又は2020等)、味の素ファインテクノ社製顔料分散剤(アジスパーPB711、PB821、PB814、PN411及びPA111等)及びルーブリゾール社製顔料分散剤(ソルスパーズ5000、12000、32000、33000及び39000等)が挙げられる。これらの顔料分散剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。顔料分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、インクジェット印刷用インク組成物中に0〜10重量%の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは0.2〜8重量%である。
溶剤としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エステル類(エチルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン及びメシチレン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ゲラニオール、リナロール及びシトロネロール等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン及び1,8−シネオール等)が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
インクジェット印刷用インク組成物における溶剤の含有量は、0〜93重量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜90重量%、特に好ましくは5〜80重量%である。
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン等が挙げられる。増感剤の含有量は、インクジェット印刷用インク組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
密着性付与剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム及びアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。密着性付与剤の含有量は、インクジェット印刷用インク組成物に対して0〜20重量%が好ましく、更に好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは5〜10重量%である。
本発明のインクジェット印刷用インク組成物は、更に、使用目的に合わせて、無機微粒子、分散剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を含有することができる。
本発明のインクジェット印刷用インク組成物は、光重合開始剤(C)の選択により、300〜700nmの活性光線の照射で光硬化できるため、一般的に使用されている高圧水銀灯の他、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ及びハイパワーメタルハライドランプ等(UV・EB硬化技術の最新動向、ラドテック研究会編、シーエムシー出版、138頁、2006)が使用できる。また、LED光源を使用した照射装置も好適に使用できる。活性光線の照射時及び/又は照射後に硬化速度を加速させる目的で、加熱を行ってもよい。加熱温度は、通常、30℃〜200℃であり、好ましくは35℃〜150℃、更に好ましくは40℃〜120℃である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
尚、以下において、粘度は粘度測定装置[FUNGILAB社製「ビスコエリートB型」]を用いて測定した。
[本発明の重合性化合物(A)の製造]
実施例1
[化学式(35)及び(36)で表される重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物の合成]
Figure 2012158745
蒸留装置付きの反応容器に1,2−ヘプタンジオール[東京化成(株)製]264部、アクリル酸[和光純薬(株)製]144部、トルエン1000部及びp−トルエンスルホン酸1水和物[東京化成(株)製]20部を仕込み、120℃まで加熱して、生成する水を蒸留除去しながら、120±10℃に保ちつつ、24時間反応させた。冷却後、濃度1Mの水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、水で3回洗浄し、トルエンを減圧留去することで無色液体の中間体342部(収率92%)を得た。
反応容器に上記中間体318部、t−ブチルビニルエーテル[東京化成(株)製]1000部、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)[東京化成(株)製]1部及び4,7−フェニルフェナントロリン[東京化成(株)製]1部を仕込み、75℃で10時間反応させた。不溶物を濾過し、未反応のt−ブチルビニルエーテルと生成したt−ブタノールを減圧留去し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、目的とする重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物276部(収率65%)を得た。(A−1)及び(A−2)の混合物は無色液体で、その粘度は8mPa・s(25℃)であった。
実施例2
[化学式(37)で表される重合性化合物(A−3)の合成]
Figure 2012158745
「1,2−ヘプタンジオール 264部」を「2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール[東京化成(株)製]264部」に代える以外は実施例1と同様にして、目的とする重合性化合物(A−3)361部(収率85%)を得た。(A−3)は無色液体で、その粘度は4mPa・s(25℃)であった。
実施例3
[化学式(38)及び(39)で表される重合性化合物(A−4)及び(A−5)の混合物の合成]
Figure 2012158745
「1,2−ヘプタンジオール 264部」を「2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[東京化成(株)製]292部」に代える以外は実施例1と同様にして、目的とする重合性化合物(A−4)及び(A−5)の混合物325部(収率74%)を得た。(A−4)及び(A−5)の混合物は無色液体で、その粘度は5mPa・s(25℃)であった。
実施例4
[化学式(40)で表される重合性化合物(A−6)の合成]
Figure 2012158745
「1,2−ヘプタンジオール 264部」を「2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール[東京化成(株)製]292部」に代える以外は実施例1と同様にして、目的とする重合性化合物(A−6)233部(収率53%)を得た。(A−6)は無色液体で、その粘度は4mPa・s(25℃)であった。
実施例5(インク組成物の調製)
<高濃度顔料分散液の調製>
酸化チタン[石原産業社製「タイペークR−930」](D−1)50部、顔料分散剤[ルーブリゾール社製「ソルスパーズ32000」]5部及びN,N−ジエチルアクリルアミド[興人(株)製「DEAA」](B−1)45部からなる混合物を、ボールミルを用いて3時間混練することにより顔料濃度50%の顔料分散液(P−1)を調製した。
<顔料を含有するインク組成物の調製>
前記顔料分散液(P−1)40部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[BASF社製(LUCIRIN TPO)](C−1)3部、増感剤としてジエチルチオキサントン[日本化薬(株)製「カヤキュアDETX−S」]3部及び実施例1で得られた重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物54部をボールミルを用いて25℃で3時間混練して、本発明のインクジェット印刷用インク組成物(Q−1)を製造した。
実施例6〜8(インク組成物の調製)
「実施例1で得られた重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物」を「実施例2で得られた重合性化合物(A−3)」、「実施例3で得られた重合性化合物(A−4)及び(A−5)の混合物」又は「実施例4で得られた重合性化合物(A−6)」に代える以外は実施例5と同様にして、本発明のインクジェット印刷用インク組成物(Q−2)〜(Q−4)を製造した。
製造例1
[カチオン重合開始剤(C−2){化学式(41)で表される化合物}の合成]
Figure 2012158745
トルエン[東京化成(株)製]6.5部、イソプロピルベンゼン[東京化成(株)製]8.1部、ヨウ化カリウム[東京化成(株)製]5.35部及び無水酢酸20部を酢酸70部に溶解させ、10℃まで冷却し、温度を10±2℃に保ちながら、濃硫酸12部と酢酸15部の混合溶液を1時間かけて滴下した。25℃まで昇温し、24時間攪拌した。その後、反応溶液にジエチルエーテル50部を加え、水で3回洗浄し、ジエチルエーテルを減圧留去した。残渣にカリウム{トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート}118部を水100部に溶解させた水溶液を加え、25℃で20時間攪拌した。その後、反応溶液に酢酸エチル500部を加え、水で3回洗浄し、有機溶剤を減圧留去することで目的とするカチオン重合開始剤(C−2)(淡黄色固体)5.0部を得た。
実施例9(インク組成物の調製)
「2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(C−1)3部」を「2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(C−1)2.7部及び前記カチオン重合開始剤(C−2)0.3部」に代える以外は実施例5と同様にして、本発明のインクジェット印刷用インク組成物(Q−5)を製造した。
実施例10(インク組成物の調製)
<高濃度顔料分散液の調製>
「N,N−ジエチルアクリルアミド(B−1)45部を「ステアリルアクリレート[大阪有機化学(株)製「STA」](B−2)45部」に代える以外は実施例5と同様にして、顔料濃度50%の顔料分散液(P−2)を調製した。
<顔料を含有するインク組成物の調製>
前記顔料分散液(P−2)40部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(C−1)3部、ジエチルチオキサントン3部及び実施例1で得られた重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物54部をボールミルを用いて25℃で3時間混練して、本発明のインクジェット印刷用インク組成物(Q−6)を製造した。
実施例11(インク組成物の調製)
<顔料を含有するインク組成物の調製>
酸化チタン(D−1)20部、顔料分散剤[ルーブリゾール社製「ソルスパーズ32000」]2部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(C−1)3部、ジエチルチオキサントン3部及び実施例1で得られた重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物72部をボールミルを用いて25℃で3時間混練して、本発明のインクジェット印刷用インク組成物(Q−7)を製造した。
実施例12(インク組成物の調製)
<高濃度顔料分散液の調製>
「N,N−ジエチルアクリルアミド(B−1)45部」を「N,N−ジエチルアクリルアミド(B−1)135部」に代える以外は実施例5と同様にして、顔料濃度26%の顔料分散液(P−3)を調製した。
<顔料を含有するインク組成物の調製>
前記顔料分散液(P−3)76部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(C−1)3部、ジエチルチオキサントン3部及び実施例1で得られた重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物18部をボールミルを用いて25℃で3時間混練して、本発明のインクジェット印刷用インク組成物(Q−8)を製造した。
比較例1[速硬化性だが高粘度の系(ラジカル重合系)]
「実施例1で得られた重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物」を「ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマーDA−600」;粘度7000mPa・s(25℃)]」に代える以外は実施例5と同様にして、比較用のインクジェット印刷用インク組成物(Q’−1)を製造した。
比較例2[低粘度であるが硬化速度が遅い系(ラジカル重合系)]
「実施例1で得られた重合性化合物(A−1)及び(A−2)の混合物」を「トリプロピレングリコールジアクリレート[三洋化成工業(株)製「ネオマーPA−305」;粘度15mPa・s(25℃)]」に代える以外は実施例5と同様にして、比較用のインクジェット印刷用インク組成物(Q’−2)を製造した。
[塗膜硬化性評価]
実施例5〜12及び比較例1〜2で得た各インクジェット印刷用インク組成物を、表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように塗布した。露光については下記2種の照射装置を用いて実施した。
(1)ベルトコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製「ECS−151U」)を使用して露光を行った。露光量は365nmとして150mJ/cm2であった。
(2)スポット式LED照射装置(フォセオン・テクノロジー社製「RX FireFlex」)を使用して露光を行なった。露光量は150mJ/cm2であった。
硬化後塗膜の光照射直後及び光照射5分後の硬化性を、指触及び爪で強く引っ掻くことにより、以下の評価基準で評価した結果を表1に示す。
◎:表面にタックがなく爪で傷つかない。
○:表面にタックはないが、爪で傷つく。
△:表面にタックがあり、爪で傷つく。
×:未硬化。
[吐出性評価]
実施例5〜12及び比較例1〜2で得た各インクジェット印刷用インク組成物を、吐出性評価装置(マイクロジェット(株)製「インクジェット吐出実験キット;IJHC−10」)を用いて吐出性を以下の基準により評価した結果を表1に示す。
○:ノズルつまり無し。
×:ノズルつまり有り。
Figure 2012158745
表1の結果から、本発明のインクジェット印刷用インク組成物は、優れた吐出性と速硬化性を有することがわかる。
本発明のインク組成物は、低粘度、かつ活性光線照射による速硬化性に優れ、高速印刷可能であるため、各種コーティング剤、インキ(UV印刷インキ及びUVインクジェット印刷インキ等)又は塗料用の材料として極めて有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるインクジェット印刷インク用重合性化合物(A)。
    Figure 2012158745
    [式中、R1及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R2は分岐骨格を有する炭素数7〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。]
  2. 前記一般式(1)におけるR2が下記一般式(2)〜(4)で表される置換基からなる群から選ばれる置換基である請求項1記載の重合性化合物。
    Figure 2012158745
    [式中、R4〜R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜14の1価の脂肪族炭化水素基であり、かつR4〜R7の炭素数の合計は5〜18であり、R8〜R13の炭素数の合計は4〜17であり、R14〜R21の炭素数の合計は3〜16である。]
  3. 前記一般式(1)におけるR2が、下記化学式(5)〜(34)で表される置換基からなる群から選ばれる置換基である請求項1又は2記載の重合性化合物。
    Figure 2012158745
    [上記化学式における*は、それが付された結合により置換基が前記一般式(1)における酸素原子と結合することを表す。]
  4. 25℃での粘度が100mPa・s以下である請求項1〜3のいずれか記載の重合性化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の重合性化合物(A)、光重合開始剤(C)、着色剤(D)及び必要により他の重合性化合物(B)を含有するインクジェット印刷用インク組成物。
  6. 重合性化合物(A)の含有量が5〜95重量%、光重合開始剤(C)の含有量が0.5〜10重量%、着色剤(D)の含有量が1〜40重量%及び他の重合性化合物(B)の含有量が0〜70重量%である請求項5記載のインク組成物。
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