JP2012122673A - 多室型空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、吸込み空気温度の検出精度を高め、室内空気の温度調節精度を高くすることができる多室型空気調和機を提供する。
【解決手段】同一の室外機に接続される複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフ又は停止の室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する状態の時、サーモスタットオフ又は停止の室内機にも少量の冷媒を流して、冷媒不足を防止する運転法を採用する多室型空気調和機において、複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフの室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する時に、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を手動選択可能な最低風速以上の風速と、手動選択可能な最低風速未満の風速を含んだ2以上の風速で構成された風速パターンで運転する。
【選択図】 図14

Description

本発明は多室型の空気調和機における送風機の制御に関する。
空気調和機は室内空気を熱交換器に循環させて、加熱,冷却,除湿機能などにより調和空気にし、これを室内に吹出すことにより室内を空気調和する。近年、猛暑日の多発などにより生活環境の悪化が進むにつれ、家庭用の空気調和機でも1部屋に1台の設置も珍しくなく、1戸あたりの設置台数が多くなるに従って、室外機を設置する場所を確保することが困難な事例が増え、解決方法として多室型の空気調和機を設置して、室外機の数を減らすことが行われている。
このような、多室型の空気調和機で同一の室外機に接続される複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフ又は停止の室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する状態の時、サーモスタットオフ又は停止の室内機にも少量の冷媒を流して、冷媒不足を防止する運転法を採用した場合、熱交換器に流されている高温冷媒の影響でサーモスタットオフしている室内機の機内の温度が上がる傾向にある。
この影響が、室温検知用に熱交換器の吸込み風路に設けてある吸込み温度センサーに及ぶと吸込み温度センサーの検知温度が吸込み温度より高くなり、室温の調節に支障を来たす場合がある。これを防ぐため、送風機を適宜運転して、吸込み温度センサーの周囲に吸込み空気を送り、熱交換器に流れる高温冷媒の影響を弱めることが行われている。
しかし、送風量が多過ぎると吸込み空気と冷媒との熱交換が促進され、熱交換器に溜まる液冷媒が増え、冷媒不足に陥りやすく、冷媒不足を防ぐために、膨張弁の開度を上げると、熱交換器に流れる冷媒の量が増え、冷媒と吸込み空気との熱交換量が増えて、サーモスタットオフの状態にもかかわらず室温が上がりがちになって、過暖房状態に陥る。
また、送風量が少な過ぎると吸込み温度センサーの検知温度と室温との差が大きくなり過ぎて、良好な室温制御が困難になる弊害が出て、その兼ね合いが重要なポイントとなっていて、これらの課題を解決するため多室型空気調和機の送風機の制御について種々の工夫が凝らされている。この種の従来技術として、特開2005−351551号公報,特開平07−260237号公報,特開2001−336808号公報,特開平08−021668号公報が知られている。
特許文献1はマルチ型空気調和機において、室内送風機を所定時間運転、熱交換器温度が高いほど高速で運転又は所定時間低風量予備運転した後、室内ユニットの室内温度検知手段で室内の空気温度を検知し、その検知結果に基づいて暖房待機状態から通常暖房運転への復帰判断を行う。これにより、室内の空気温度が設定温度より高くなる過暖房などを防止して、室内の空気温度を設定温度に保つことができるマルチ型空気調和機について述べている。
特許文献2は1台の室内ユニットの送風機が室温調節機能等により停止した場合、熱交換器温度と所定値との差及び室内熱交換器温度の時間的変化率を算出し、所定制御ルール及びメンバシップ関数に従い送風機の運転数値をファジィ演算し、該所定値との差が正方向に大きく、該時間的変化率が正方向に大きい程微風となるよう室内送風機を制御し、その逆である程より小さく微風または間欠的微風となるよう制御する。これにより、マルチ型空気調和機で、室内送風機の停止した室内ユニットの熱交換器の温度上昇を抑え、適切な運転制御ができる空気調和機の制御方法およびその装置について述べている。
特許文献3は暖房運転時に、配管温度検出手段により検知された配管温度が所定温度よりも低い場合に、室内ファンの風量を超微風に設定するとともに、室内機に回動自在に設けられた風向変更羽根の角度を閉塞位置に設定するように制御する。これにより、配管温度により風向変更羽根および室内ファンを制御することで、暖房運転開始時やサーモスタットオフ時の吹出温度を高めるとともに、風量を低減させることで冷風感を低減し、快適性を向上させる空気調和機について述べている。
特許文献4はマルチ型空気調和機において、運転休止中の室内機にて、配管温度を検出する温度センサー、又は機内温度を検出する温度センサーにより検出されたいずれかの温度が所定の温度設定値よりも高い場合に、開度制御手段は、室内機に設けられているファンを止めることなく、間欠送風時間比を変更して間欠送風して、電気式膨張弁の開度を閉方向へ変化させて機内の温度を下げるので、運転休止中の室内機から温風の吹出しや、機内の昇温による室温の誤検出を防止できる空気調和装置について述べている。
特開2005−351551号公報 特開平07−260237号公報 特開2001−336808号公報 特開平08−021668号公報
多室型空気調和機のサーモスタットオフ時の送風機制御では、冷媒不足の回避,サーモスタットの適切なタイミングでの復帰,過暖房の抑制を図らなければならないことに加え、これらの要求を低コストで実現する必要がある。
特許文献1では熱交換器の温度に応じて風速を変える記述はあるが、通常の暖房運転時の風速との関連についての記述はない。
特許文献2では熱交換器の温度の変化率を求め、変化率に応じてファジィ演算をしてファン速度を決定しなければならず、マイコンの負担が大きく、高性能のマイコンの使用が必須となる。
特許文献3では冷風の吹出し防止について述べたもので、熱交換器温度が吸込み温度センサーに与える影響やその回避法についての記述はない。
特許文献4では過暖房を回避するため、サーモスタットオフの状態で、熱交換器温度が高い時にファンを停止又は間欠運転して室内への放熱を低減するもので、このような運転の結果として生ずる冷媒の溜まり込みに付いての記述は無い。
本発明が解決しようとする課題は、冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、吸込み空気温度の検出精度を高め、室内空気の温度調節精度を高くすることができる多室型空気調和機を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、同一の室外機に接続される複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフ又は停止の室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する状態の時、サーモスタットオフ又は停止の室内機にも(少量の)冷媒を流して、冷媒不足を防止する運転法を採用する多室型空気調和機において、複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフの室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する時に、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を手動選択可能な最低風速以上の風速と、手動選択可能な最低風速未満の風速を含んだ2以上の風速で構成された風速パターンで運転することにより達成される。
請求項2に記載の多室型空気調和機は請求項1の多室型空気調和機において、前記風速パターンには前記2以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含むものである。
請求項3に記載の多室型空気調和機は請求項1の多室型空気調和機において、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を停止させずに設定風速以下の3段階以上の風速で構成された風速パターンで運転するものである。
請求項4に記載の多室型空気調和機は請求項3の多室型空気調和機において、前記風速パターンには前記3以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含むものである。
請求項5に記載の多室型空気調和機は請求項2又は請求項4の多室型空気調和機において、前記繰返しの運転における超低風速の運転時間が前記繰返しの運転の間隔の0.4〜0.7であるものである。
請求項6に記載の多室型空気調和機は請求項1又は請求項3の多室型空気調和機において、前記複数の室内機の暖房運転で、運転中の全ての室内機がサーモスタットオフの状態の時、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機の運転風速を設定風速以下とし、時間と共に手動選択可能な最低風速未満の超低風速に単調減少させるものである。
請求項7に記載の多室型空気調和機は請求項1の多室型空気調和機において、暖房モードで運転を開始した室内機の熱交換器の温度が前記第1の所定温度(T1)より高い第3の所定温度(T3)以上の場合に、仮に運転開始時にサーモスタットオフであっても設定風速以上の風速で所定の時間、送風機を運転し、所定の時間を経過した後に、サーモスタットによる通常の暖房制御に移行するものである。
請求項1に記載の発明によれば、冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、吸込み空気温度の検出精度を高め、室内空気の温度調節精度を高くする多室型空気調和機を提供することができる。
請求項2によれば、冷媒不足を回避して過暖房を確実に抑制し、室内を確実に温度調節する。
請求項3によれば、過暖房を強く抑制し、在室者の違和感を軽くする。
請求項4によれば、過暖房を強く確実に抑制し、在室者の違和感を軽くし、室内を確実に温度調節する。
請求項5によれば、在室者の温熱感覚を維持しつつ、省エネになる。
請求項6によれば、冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、省エネになる。
請求項7によれば、使用者の意図に沿いながら、短時間でサーモスタットが正常な状態に戻る。
実施例の空気調和機の斜視図。 図1の空気調和機の室内機の例1。 図1の空気調和機の室内機の例2。 実施例の空気調和機の冷凍サイクルの例1。 実施例の空気調和機の冷凍サイクルの例2。 空気調和機運転制御フロー要部。 風速設定制御フロー要部。 中熱交温時 風速制御フロー要部。 圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御フロー要部。 サーモスタットオフ時 圧縮機停止中→運転 風速制御フロー要部。 サーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御フロー要部。 圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 当初風速制御フロー要部。 圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 繰返し風速制御フロー要部。 圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御タイムチャート。 サーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御タイムチャート。 サーモスタットオン→オフ 圧縮機運転→停止 風速制御タイムチャート。
始めに、本明細書で暖房運転という場合は、暖房運転モードで空気調和機を運転している状態であり、ヒートポンプサイクルで圧縮機を運転し、室内を加熱する運転と、温度又は湿度調節装置による、低能力運転中又は、圧縮機運転の中断中を含む運転を言うこととする。
以下、本発明の詳細を説明する。先ず、その全体構成について図1〜図3を用いて説明する。図1は実施例の空気調和機の斜視図である。図2は図1の空気調和機の室内機の例1である。図3は図1の空気調和機の室内機の例2である。
図1において、符号1で総括的に示すのは多室型空気調和機であり、室内機2a,2b,2cと室外機6とを接続配管8で繋ぎ、室内を空気調和する。図1に示したのは本発明の多室型空気調和機の一例であり、室内機として壁掛形室内機2a,2bと天井埋込形室内機2cの組合せのものを示している。
以下の説明において、室内機2a,2b,2c用の同一の機能の部分を同じ符号で示し、室内機別に区別する時には同一の符号の後にa,b…を付けて区別する。なお、室内機を区別しない共通の説明の時には符号の後ろのa,b…を省略する。
室内機2a,2b,2cは、筐体本体21の中央部に室内熱交換器33を置き、熱交換器33の気流の下流側に横流ファン方式の送風機311を配置し、露受皿35等を取り付け、筐体本体21の被空調空間に面して化粧パネル25を取り付けている。この化粧パネル25には、室内空気を吸込む空気吸込み口27と、温湿度が調和された空気を吹出す空気吹出し口29とが設けられている。
空気吸込み口27と室内熱交換器33の間に循環空気の塵埃を除去するフィルター231があり、その吸込み面側に自動清掃装置240が設けられ空調調和機が停止した時にフィルター231を自動的に清掃して、フィルターを清潔に維持すると共に、送風性能を回復して、省エネ性能が低下しないようにする。
送風機311からの吹出し気流を送風機311の長さに略等しい幅を持つ吹出し風路290に流し、吹出し口29に配した上下風向板291で気流の上下方向を偏向して室内に吹出すことができるようになっている。
筐体本体21には、送風機311,室内熱交換器33,露受皿35等の基本的な内部構造体が取り付けられる。そして、これらの基本的な内部構造体は、筐体本体21,化粧パネル25からなる筐体20に内包され室内機2を構成する。また、化粧パネル25には、運転状況を表示する表示部と、別体のリモコン5との赤外線信号を授受する送受信部396とが配置されている。
吸込パネル251は、化粧パネル25に設けた回動軸を支点として開閉アーム83をアーム駆動装置81で駆動することにより回動され、空気調和機の運転時に空気吸込み口27を開くように構成されている。これにより、運転時には空気吸込み口27から室内機2内に室内空気が吸引される。
化粧パネル25の下面に形成される空気吹出し口29は、奥の吹出し風路290に連通している。上下風向板291は、閉鎖状態で、吹出し風路290をほぼ隠蔽する。この上下風向板291は、両端部に設けた回動軸を支点にして、リモコン5からの指示に応じて、駆動モータにより空気調和機の運転時に所要の角度回動して空気吹出し口29を開き、その状態に保持する。
室内機2は、内部に図示しない制御部10を備え、この制御部10にマイコンが設けられる。このマイコンは、室内温度センサー,室内湿度センサー等の各種のセンサーからの信号を受けると共に、送受信部396を介して、リモコン5との赤外線信号を授受する。マイコンは、これらの信号に基づいて、室内送風機311,吸込パネル駆動モータ,上下風向板駆動モータ等を制御すると共に、室外機6との通信を司り、室内機2を統括して制御する。
空気調和機の運転停止時には、図2,図3に破線で示す如くに、吸込パネル251は空気吸込み口27を閉じるように、また、上下風向板291は空気吹出し口29を閉じるように制御される。なお、リモコン5から指示することにより、空気調和機の運転中に上下風向板291を周期的に揺動させ、室内の広範囲に周期的に吹出し空気を送ることもできる。
露受皿35は、室内熱交換器33の下端部下方に配置され、冷房運転時や除湿運転時に室内熱交換器33に結露する凝縮水を受けるために設けられている。受けて集められた凝縮水はドレン配管37を通して室外に排出される。
次に、多室型空気調和機の冷凍サイクルについて図4,図5を用いて簡単に説明する。図4は実施例の空気調和機の冷凍サイクルの例1である。図5は実施例の空気調和機の冷凍サイクルの例2である。
図4は一台の室外機に室内機二台を接続した例であり、符号70で総括的に示すのは冷暖房用多室型空気調和機の冷凍サイクルである。
図において、75は圧縮機、72は冷媒流路切換弁、73は室外熱交換器、74は冷暖房絞り装置、78は細配管接続バルブ、33は室内熱交換器、79は太配管接続バルブ、171は吸込み温度センサーである。
圧縮機75で圧縮された冷媒は冷媒流路切換弁72で流路を切換えられ、暖房時は太配管接続バルブ79,室内熱交換器33,細配管接続バルブ78,冷暖房絞り装置74,室外熱交換器73,冷媒流路切換弁72の順に流れて圧縮機75に戻り室内を暖房する。冷房時は冷媒流路切換弁72で流路を切換えられ、暖房時と逆の向きに冷媒が流れて室内を冷房する。また、室内熱交換器33を二分して直列につなぎ、間に図示しない除湿用絞り装置を介在させることで除湿運転を行うこともできる。
この多室型空気調和機の動作を暖房を例にとって説明する。
この多室型空気調和機を運転する時には、先ず、一台の室内機、例えば室内機2a、のリモコン5aで暖房運転の指示を行う。リモコン5aからの指示は赤外線で室内機2aの送受信部396aに送られ、室内機2aの制御部10aに達し、制御部10aは室内温度の設定と吸込み温度センサー171aからの温度情報に基づいて、必要な冷凍能力を演算し、室外機6に必要な圧縮機能力を要求圧縮機能力として伝達する。
要求圧縮機能力の伝達を受けた室外機6は図示しない室外機制御部で他の室内機からの要求圧縮機能力も考慮して、圧縮機75,室外送風機(図示せず)の回転数,冷暖房絞り装置74aの絞り量等を制御して、室内機2aの要求に応え、要求のあった室内を暖房する。
要求のあった室内が暖まり、室内機2aの吸込み温度センサー171aからの温度情報で室温が設定温度に達したと判断された場合、制御部10aは、温度調節装置(以下、略してサーモスタットと言う)が作動したとして、要求圧縮機能力をゼロにし、室外機6に伝達する。
室内機2aから要求圧縮機能力ゼロの伝達を受けた室外機6は、他の室内機からの要求圧縮機能力もない場合は、圧縮機の運転を停める。また、他の室内機からの要求圧縮機能力がある場合は、その分の能力に見合うように、圧縮機75,室外送風機(図示せず)の回転数等を減速する。
この時、要求圧縮機能力ゼロの室内機2a用の冷暖房絞り装置74aを完全に遮断すると、高圧冷媒が室内機2aの冷媒回路に液状で溜まり込み、冷凍サイクルが冷媒不足の状態に陥る。これを防ぐため、室内機2a用の冷暖房絞り装置74aを完全に遮断することを避け、少し、開いて室内機2aの冷媒回路にも冷媒が少し流れるようにして、この回路に液状冷媒が溜まり込むのを防止する必要がある。
このため、室内機2aの熱交換器33aには高温冷媒が少し流れるので、室内送風機311を停止にし、室内での熱交換を極力抑制する。しかし、室内送風機311を完全に停止にすると、室内機の構造によっては室内機の内部が熱交換器33aに流れる高温冷媒で暖められ、室内機内部に設けられた吸込み温度センサー171aの温度が、室内の温度と乖離し、サーモスタットが正常に働かなくなる恐れがある。このため、後述するような制御を採用し、これを回避する。
図5は一台の室外機に室内機四台を接続した例であり、符号70で総括的に示すのは冷暖房用多室型空気調和機の冷凍サイクルである。
この場合も、室内機は、室内機二台を接続した例と同様に運転され、室外機も暖房しようとする室内機の要求圧縮機能力と他の室内機の要求圧縮機能力との関係に基づいて、前述と同様に運転される。
このように、暖房の場合は、上記のように運転され、暖房の要求のあった室内を適切な暖房能力で暖房する。
更に、冷房や除湿の場合も、室外機6は暖房と逆の冷凍サイクルで、冷房又は除湿しようとする室内機の要求圧縮機能力と他の室内機の要求圧縮機能力との関係に基づいて、前述と同様に運転される。
サーモスタットが動作した時の制御は、その室内機用の冷暖房絞り装置74を遮断する。これは、暖房と違い室内熱交換器33は低圧に保たれ、遮断された冷媒回路の冷媒はガス状に維持され、冷凍サイクルが冷媒不足に陥る恐れがないためである。これにより、サーモスタット作動時も室内送風機311の運転を継続してもなんら支障はない。
次に、多室型空気調和機に好適な送風機の制御について図6〜図16を用いて説明する。
本明細書では、多室型空気調和機の通常の運転制御についての説明は割愛し、多室型空気調和機の送風機の制御に重点を置いて説明する。混乱を防ぎ、理解しやすくするため、以下の(A)〜(E)の5通りの場合について、順を追って説明する。
(A)暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,中熱交温,圧縮機はオン継続,その後圧縮機オフ,その後サーモスタットオン
(B)暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,中熱交温,圧縮機はオフ、その後圧縮機オン,その後サーモスタットオン
(C)暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,低熱交温,その後サーモスタットオン
(D)暖房運転開始時サーモスタットオフ,高熱交温,その後サーモスタットオン
(E)暖房運転開始時サーモスタットオフ,中・低熱交温,その後サーモスタットオン
≪送風機の制御≫
(A)暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,中熱交温,圧縮機はオン継続、その後圧縮機オフ,その後サーモスタットオン
先ず、暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフまでの制御について図6〜図7を用いて説明する。
最初に、空気調和機の運転制御について図6を用いて説明する。図6は空気調和機運転制御フロー要部である。
先ず、図6のステップS100で室内機の電源を投入し、ステップS101で初期設定をして、ステップS105でリモコンの操作をチェックし、操作が合った場合はステップS110で運転モードの変更をチェックし、運転モードの変更があればステップS111で運転モードを設定し、ステップS120で変更が停止でなければ、ステップS125で運転モードをチェックする。
運転モードが暖房運転モードであれば、ステップS126で運転開始からのサーモスタットオンの履歴を表すサーモスタット履歴フラグをオフ、圧縮機停止から圧縮機運転開始後所定時間までオフになる圧縮機履歴フラグをオン、送風機を強制運転する所定の時間を計時する熱交タイマーをリセットし、ステップS127で設定した運転モードに必要な初期設定をし、ステップS130で設定室温や風速や風向板位置などの運転内容を設定し、ステップS131で機内に配置された各種センサーやタイマーなどのデータを取得し、ステップS135で暖房運転モードである場合はステップS136で風速を設定してステップS137で暖房運転を開始する。
次に、ステップS136の風速設定制御について図6,図7を用いて説明する。図7は風速設定制御フロー要部である。
図6のステップS136から図7のステップS200に飛んで、ステップS205でサーモスタット履歴フラグをチェックし、サーモスタット履歴フラグは図6のステップS126でオフになっているのでステップS215に進み、サーモスタットをチェックし、この場合、暖房開始直後でサーモスタットオンの前提になっているのでステップS247に進み、サーモスタットオフ時の制御に使用する各種タイマーをリセットする。
次いで、ステップS250でサーモスタット履歴フラグをオン、当初3分フラグをオン、圧縮機履歴フラグをオンにし、ステップS251で風速をサーモスタットオンの時の制御風速にしてステップS280を介して図6のステップS137に戻る。
ステップS137で暖房運転して、ステップS105に戻り、リモコンが操作されていれば、その指示に従い、ステップS110,S115,S130で運転内容などを設定し直し、ステップS131に進み、ステップS105でリモコンが操作されていなければ、直接ステップS131に進み、ステップS135からステップS136に進んで、再度、風速設定制御に入る。
ステップS136から図7のステップS205に飛び、サーモスタット履歴フラグをチェックする。サーモスタット履歴フラグは前回と違って、ステップS250でオンになっているので、ステップS210に進み、熱交タイマーがスタートしているか否かをチェックし、この場合、熱交タイマーのスタートのステップは通っていないので、ステップS225に進む。
ステップS225でサーモスタットの状態をチェックし、サーモスタットは前提により、オンになっているので、ステップS247に進み、以下前述と同様に、ステップS250,S251,S280,S137,S105,S131,S135,S136,S205,S210,S225,S247の制御を繰返す。このように、室内機はサーモスタットオンの状態の制御をステップS225でサーモスタットがオフになるまで繰返す。
続いて、サーモスタットオンからオフに変わり、熱交換器の温度は中熱交温で、圧縮機はオン継続、その後圧縮機オフ,その後サーモスタットオンまでの制御について図7〜図9,図11〜図15を用いて説明する。
図7のステップS225でサーモスタットの状態がオフに変わった場合は、ステップS230でサーモスタット履歴フラグをチェックし、サーモスタット履歴フラグはオンのままなので、ステップS235に進み、熱交温度が中熱交温の状態のT1以上か否かチェックする。前提により、熱交換器温度はT1以上であるので、ステップS242に進み、中熱交温時 風速制御に入る。
次に、ステップS242の中熱交温時 風速制御について図8を用いて説明する。図8は中熱交温時 風速制御フロー要部である。
図7のステップS242から図8のステップS300に飛び、ステップS305で圧縮機が運転中か否かをチェックし、前提により、圧縮機は運転を継続しているので、ステップS310に進み、圧縮機履歴フラグをチェックする。圧縮機履歴フラグはステップS250でオンになっているのでステップS311で圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御に入る。
次に、ステップS311の圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御について図9を用いて説明する。図9は圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御フロー要部である。
ステップS311から図9のステップS400に飛び、ステップS405で当初3分フラグの状態をチェックし、この場合、当初3分フラグはステップS250でオンになっているので、ステップS406に進み、圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 当初風速制御に入る。
次に、ステップS406の圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 当初風速制御について図6〜図9,図12,図14を用いて説明する。図12は圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 当初風速制御フロー要部である。図14は圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御タイムチャートである。
ステップS406から図12のステップS700に飛び、ステップS705で3mタイマーがスタートしているか否かをチェックし、この場合、3mタイマーはスタートしていないので、ステップS706で3mタイマー、ON微風タイマーをスタートし、ステップS710で3mタイマーのタイムアップをチェックし、まだタイムアップしていないのでステップS715に進む。
この3mタイマーは風速が変化してから吸込み温度センサーの検知温度が安定するまでの間は運転状態の過度の変更を避けるために設けた時間であり、実施例では3分にした。
ステップS715でON微風タイマーのタイムアップをチェックし、未だタイムアップしていなければ、ステップS720,S721で使用者が設定した風速が自動,強風,弱風,微風の場合は風速を微風に設定し、使用者が設定した風速が、設定できる最低風速である「静か」であればステップS722で「静か」に設定する。
このON微風タイマーはサーモスタットがオフに伴い、風速が設定風速から超微風に大きく変化するのを一旦、中間の風速にして在室者に与える違和感を軽減するために設けた時間であり、実施例では15秒にした。
ステップS715でON微風タイマーがタイムアップしていれば、ステップS716で使用者が設定できる最低風速より風速の小さい超微風に設定する。上記した風速の設定後、ステップS780を介して、図9のステップS480に戻り、更に、図8のステップS380を介して図7のステップS280に戻り、更にまた、図6のステップS137に戻って、暖房運転を行う。
次の制御サイクルでは、図12のステップS705で3mタイマーは既にスタートしているので、直接ステップS710に進み、前述と同様の制御を行い、この状態は、図12のステップS710で3mタイマーのタイムアップまで続く。
このように、サーモスタットがオフしても圧縮機が運転中の場合は、図14のタイムチャートのようにサーモスタットオフからON微風タイマーのタイムアップまでは、上限風速を微風とした風速設定が行われ、ON微風タイマーのタイムアップから3mタイマーのタイムアップまでは、超微風の風速設定が行われる。
図12のステップS710で3mタイマーがタイムアップするとステップS711で当初3分フラグがオフになり、次の制御サイクルで図9のステップS405の当初3分フラグのチェックから、ステップS407の圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 繰返し風速制御に入る。
次に、ステップS407の圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 繰返し風速制御について図6〜図9,図13,図14を用いて説明する。図13は圧縮機運転中 サーモスタットオフ時 繰返し風速制御フロー要部である。
ステップS407から図13のステップS800に飛び、ステップS805で出力タイマーがスタートしているか否かをチェックし、この場合、出力タイマーはスタートしていないので、ステップS806で出力タイマーをスタートし、ステップS810で出力タイマーのタイムアップをチェックし、まだタイムアップしていないのでステップS815に進む。
この出力タイマーはサーモスタットがオフに伴い、風速を複数段に変えて制御する時に、最低風速以上で運転をする時間を計時するために設けた時間であり、風速が超低風速から最低風速以上になった時に、吸込み温度センサーの検知温度と室温の差が許容範囲に入るまでに要する時間と、サーモスタットがオフの間に室内の温度分布の均一性が損なわれるのを回復するために要する時間とで決まり、概ね2分〜5分の値になる。実施例では3分とした。
ステップS815,S816で使用者が設定した風速が自動,強風,弱風の場合は風速を弱風に設定し、使用者が設定した風速が微風又は設定できる最低風速である「静か」であればステップS817で使用者が設定した風速と同じ微風又は「静か」に設定する。上記した風速の設定後、ステップS880を介して、図9のステップS480に戻り、更に、図8のステップS380を介して図7のステップS280に戻り、更にまた、図6のステップS137に戻って、暖房運転を行う。
次の制御サイクルでは、図13のステップS805で出力タイマーは既にスタートしているので、直接ステップS810に進み、前述と同様の制御を行い、この状態は、図13のステップS810で出力タイマーのタイムアップまで続く。
図13のステップS810で出力タイマーがタイムアップすると、ステップS820で30sタイマーがスタートしているか否かをチェックし、この場合、30sタイマーはスタートしていないので、ステップS821で30sタイマーをスタートし、ステップS825で30sタイマーのタイムアップをチェックし、まだタイムアップしていないのでステップS826に進む。
この30sタイマーは前述したON微風タイマーと同様の目的のもので、最低風速以上の風速から超微風に変化するのを一旦、中間の風速にして在室者に与える違和感を軽減するために設けた時間であり、実施例では30秒にした。
ステップS826で使用者が設定できる最低風速である「静か」に設定し、前述の同様の経過をたどって暖房運転を行う。
次の制御サイクルでは、図13のステップS820で30sタイマーは既にスタートしているので、直接ステップS825に進み、前述と同様の制御を行い、この状態は、図13のステップS825で30sタイマーのタイムアップまで続く。
図13のステップS825で30sタイマーがタイムアップすると、ステップS830で超微風タイマーがスタートしているか否かをチェックし、この場合、超微風タイマーはスタートしていないので、ステップS831で超微風タイマーをスタートし、ステップS835で超微風タイマーのタイムアップをチェックし、まだタイムアップしていないのでステップS837に進み、風速を超微風に設定する。
この超微風タイマーはサーモスタットがオフに伴い、風速を複数段に変えて制御する時に、超低風速で運転をする時間を計時するために設けた時間であり、上限弱風の風速で運転した時に熱交換器に溜まってきた冷媒を室外機に戻すために要する時間であり、繰返し間隔の0.4〜0.7にすることで良好な結果を得ることができる。実施例では繰返し間隔の0.42倍の2分30秒にした。
上記した風速の設定後、前述の同様の経過をたどって暖房運転を行う。
次の制御サイクルでは、図13のステップS830で超微風タイマーは既にスタートしているので、直接ステップS835に進み、前述と同様の制御を行い、この状態は、図13のステップS835で超微風タイマーのタイムアップまで続く。
ステップS835で超微風タイマーがタイムアップすると、ステップS836で出力タイマー,30sタイマー,超微風タイマーをリセットし、風速は超微風を維持する。上記のタイマーがリセットされたので、以降の制御サイクルではステップS805,S820,S830で各タイマーが再びスタートして、風速を時間と共に上限風速を弱風、「静か」、超微風に変えて、これを繰返す制御となる。
このように、サーモスタットがオフしても圧縮機が運転中の場合は、図14のタイムチャートの繰返し間隔のところに示すように、前述した当初風速制御に引き続き、出力タイマーのタイムアップまでは、上限風速を弱風とした風速設定が行われ、出力タイマーのタイムアップから30sタイマーのタイムアップまでは、「静か」の風速設定が行われ、30sタイマーのタイムアップから超微風タイマーのタイムアップまでは、超微風の風速設定が行われる。
ここで、出力タイマー,30sタイマー,超微風タイマーの時間の合計が繰返し間隔t1になり、実施例では3分+30秒+2分30秒=6分となる。
この繰返しは、図8のステップS305で圧縮機がオフするか、図7のステップS225でサーモスタットがオンするまで続き、ステップS305で圧縮機がオフした場合はステップS313でサーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御に移る。
このように、実施例の多室型空気調和機は、同一の室外機に接続される複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフ又は停止の室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する状態の時、サーモスタットオフ又は停止の室内機にも少量の冷媒を流して、冷媒不足を防止する運転法を採用し、複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフの室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する時に、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を手動選択可能な最低風速以上の風速と、手動選択可能な最低風速未満の風速を含んだ2以上の風速で構成された風速パターンで運転する。
これにより、サーモスタットオフしている室内機の熱交換器の温度が高く、吸込み温度センサーに与える影響が大き過ぎる場合は、送風機を運転して、吸込み温度センサーの周囲に室内空気を送って、吸込み温度センサーの検知温度が室内温度と大きく乖離しないようにする。
この時、風速を2以上の段階に区分し、その中の少なくとも1段階は、使用者がリモコンなどで設定できる最低風速以上の風速としている。使用者がリモコンなどで設定できる最低風速は、その風速で空気調和機が支障なく運転可能であることが求められ、サーモスタットの作動や復帰の特性も、少なくとも実用上の障害になることはないように定められている。
このように、サーモスタットオフの時の送風の風速パターンに最低風速以上の風速で運転している時が含まれるので、所要の時間この風速で運転することでサーモスタットの作動,復帰は問題なく行われ、サーモスタットの復帰が遅すぎて、過暖房になる恐れがない。
また、この時、風速の少なくとも1段階は、使用者がリモコンで設定できる最低風速未満の風速としている。これにより、冷媒と吸込み空気との熱交換量が減り、冷媒不足に陥る恐れがなく、しかも、低速ながら吸込み温度センサーの周囲に常に吸込み空気が流れることで、熱交換器に流れる高温冷媒の影響を小さくできる。
また、上記のように、低速ながら吸込み温度センサーの周囲に常に吸込み空気が流れることで、吸込み温度センサーは周囲部を含めて吸込み空気にさらされているので、上述の最低風速以上の風速で運転し、吸込み空気温度がサーモスタットの復帰温度に達したか否かを見極めるための上記所要時間を短くすることができ、その分、熱交換量も低減され、過暖房が抑えられる。
このため、冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、吸込み空気温度の検出精度を高め、室内空気の温度調節精度を高くする多室型空気調和機を提供することができる。
また、実施例の多室型空気調和機は、前記風速パターンには前記2以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含む。
これにより、サーモスタットの作動と復帰が確実に行われる最低風速以上の風速と、冷媒の溜まり込みを抑制すべく若干開けてある膨張弁の開度にあわせて、室内熱交換器出口の温度が暖房運転時より高くなるように定めた超低風速との組合せで、繰返し運転するので、吸込み温度が下がった時には最低風速以上の風速で運転した時にサーモスタットが確実に復帰し、過暖房にならない。
また、最低風速以上の風速で運転した時には、冷媒の溜まり込みが少し生じるが、この溜まり込みも超低風速運転の時に解消されるので、冷媒の少しの溜まり込みと溜まり込みの解消が繰返され、冷凍サイクルの運転に支障をもたらす多量の冷媒の溜まり込みは回避される。実施例では上記の超低風速を最低風速の1/3以上で、定格風速の1/2以下に設定し、良好な結果を得た。
このため、冷媒不足を回避して過暖房を確実に抑制し、室内を確実に温度調節する多室型空気調和機を提供することができる。
また、実施例の多室型空気調和機は、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を停止させずに設定風速以下の3段階以上の風速で構成された風速パターンで運転する。
一般に、送風機の回転数を変える場合、減速するときは、負荷がブレーキの役目を果たすため、速やかに減速できる。しかし、増速するときは負荷に抗してより大きい力を出力しなければならないので、送風機を駆動するドライバの制限電流や、その電源回路の電流容量に従って、時間をかけてゆっくり増速する必要がある。
実施例の多室型空気調和機では、最低風速より高い設定風速での運転が入るので、吸込み温度センサーの検知温が速やかに吸込み温度に近づき、過暖房になり易い設定風速での運転時間が短くなり、過暖房を起こしにくくなる。また、設定風速から超低風速に一気に送風機の速度を変えることは上述のように容易であるが、風速の変化が急すぎて、使用者に違和感を抱かせ、室内の穏やかさを乱す恐れがある。
このため、設定風速から超低風速への減速時には途中に中間風速で運転する時間を設け、風速の急変が起こらないようにし、使用者に違和感を抱かせない。他方、増速するときは、上述のように、電源の電流容量やドライバの制限電流に従ってゆっくり加速することで、風速の急変を回避し、在室者の違和感を軽くして穏やかな空調を行うことができる。
このため、過暖房を強く抑制し、在室者の違和感を軽くする多室型空気調和機を提供することができる。
また、実施例の多室型空気調和機は、前記風速パターンには前記3以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含む。
これにより、サーモスタットの作動と復帰がより確実に行われ、過暖房にならず、また、冷凍サイクルの運転に支障をもたらす多量の冷媒の溜まり込みも回避される。
このため、過暖房を強く確実に抑制し、在室者の違和感を軽くし、室内を確実に温度調節する多室型空気調和機を提供することができる。
また、実施例の多室型空気調和機は、前記繰返しの運転における超低風速の運転時間が前記繰返しの運転の間隔の0.4〜0.7である。
これにより、繰返し運転中の上限弱風の風速で運転した時に熱交換器に溜まってきた冷媒を室外機に戻すことができ冷媒不足を改善できる。超低風速の運転時間が繰返しの運転の間隔の0.4より小さくなると熱交換器に溜まった冷媒を室外機に戻す能力が不足して、繰返しの度に徐々に熱交換器に溜まる冷媒が増え、終には冷媒不足の状態に陥る恐れが大きくなる。
また、超低風速の運転時間が繰返しの運転の間隔の0.7を超えると、熱交換器温度の影響で吸込み温度センサーの検知温度と室温との乖離が大きくなり、上限弱風運転時間内に吸込み温度センサーと室温との差が許容範囲に入らず、サーモスタットオンの遅れが大きくなって、室温の変動が大きくなり、また、超低風速運転の間の室内の温度分布の不均一性がひどくなり、上限弱風運転時間内に均一性を回復することができなくなって、空調の品質が悪化してしまう。
このため、在室者の温熱感覚を維持しつつ、省エネになる多室型空気調和機を提供することができる。
次に、ステップS313のサーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御について図11,図15を用いて説明する。図11はサーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御フロー要部である。図15はサーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御タイムチャートである。
図8のステップS305で圧縮機がオフした場合、ステップS313でサーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御に移り、ステップS313から図11のステップS600に飛び、ステップS605でOF微風タイマーがスタートしているか否かをチェックし、この場合、OF微風タイマーはスタートしていないので、ステップS606でOF微風タイマーをスタートし、ステップS611で圧縮機履歴フラグをオフにする。
このOF微風タイマーは前述したON微風タイマーと同様の目的のもので、前述の繰返し風速制御中の上限弱風の風速から超微風に変化するのを一旦、中間の風速にして在室者に与える違和感を軽減するために設けた時間であり、実施例では15秒にした。
ステップS615でOF微風タイマーのタイムアップをチェックし、未だタイムアップしていなければ、ステップS620,S621で使用者が設定した風速が自動,強風,弱風,微風の場合は風速を微風に設定し、使用者が設定した風速が、設定できる最低風速である「静か」であればステップS622で「静か」に設定する。
ステップS615でOF微風タイマーがタイムアップしていれば、ステップS616で使用者が設定できる最低風速より風速の小さい超微風に設定する。上記した風速の設定後、ステップS680を介して、図8のステップS380に戻り、更に、図7のステップ280に戻り、更にまた、図6のステップS137に戻って、暖房運転を行う。
次の制御サイクルでは、図11のステップS605でOF微風タイマーは既にスタートしているので、直接ステップS611に進み、前述と同様の制御を行い、この状態は、図11のステップS615でOF微風タイマーのタイムアップまで続く。
このように、サーモスタットがオフの状態で圧縮機が運転中から停止に変わった場合は、図15のタイムチャートのように圧縮機停止からOF微風タイマーのタイムアップまでは、上限風速を微風とした風速設定が行われ、OF微風タイマーのタイムアップからは超微風の風速設定が行われる。
この状態は、図7のステップS225でサーモスタットがオンするまで続き、サーモスタットがオンすると、ステップS247から始まる前述のサーモスタットオンの制御が繰返される。
このように、実施例の多室型空気調和機は、前記複数の室内機の暖房運転で、運転中の全ての室内機がサーモスタットオフの状態の時、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機の運転風速を設定風速以下とし、時間と共に手動選択可能な最低風速未満の超低風速に単調減少させる。
これにより、圧縮機が停止しているので、熱交換器には高温冷媒が流れず、機内の熱が徐々に放散され、吸込み温度センサーに対する熱交換器からの熱影響も弱まる一方になる。このため、吸込み温度センサーの検知温度と吸込み空気の温度の差は小さくなり、風速も徐々に弱くしても支障は起きず、送風機の省エネを計ることができ、また、設定風速から超低風速への風速の急変を防止することもできる。
このため、冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、省エネになる多室型空気調和機を提供することができる。
(B)暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,中熱交温,圧縮機もオフ,その後圧縮機オン,その後サーモスタットオン
次に、暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,中熱交温,圧縮機もオフ,その後圧縮機オン,その後サーモスタットオン の場合の制御について図8,図10,図11,図16を用いて説明する。図10はサーモスタットオフ時 圧縮機停止中→運転 風速制御フロー要部である。図16はサーモスタットオン→オフ 圧縮機運転→停止 風速制御タイムチャートである。
この場合、暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,中熱交温 までの制御は前述の(A)と同じである。
図7のステップS242から図8のステップS300に飛び、ステップS305で圧縮機が運転中か否かをチェックし、前提により、圧縮機は停止しているので、ステップS313に進み、サーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御に入る。ステップS313から図11のステップS600に飛び、前述と同様に風速の設定が為され、暖房運転が行われる。
このように、サーモスタットがオフと同時に圧縮機が停止に変わった場合は、図16のタイムチャートのように圧縮機停止からOF微風タイマーのタイムアップまでは、上限風速を微風とした風速設定が行われ、OF微風タイマーのタイムアップからは超微風の風速設定が行われる。この状態は、図8のステップS305で圧縮機が運転を再開するか、図7のステップS225でサーモスタットがオンするまで続く。
サーモスタットオフの状態のまま、圧縮機が運転を再開した場合は、図8のステップS305からステップS310に進み、圧縮機履歴フラグが図11のステップS611でオフになっているので、ステップS310からステップS312のサーモスタットオフ時 圧縮機停止中→運転 風速制御に入る。ステップS312から図10のステップS500に飛び、ステップS505で圧縮機タイマーがスタートしているか否かチェックする。
この圧縮機タイマーは圧縮機が運転を開始してから所定の時間はサーモスタットがオフしている室内機の運転状態を固定して、冷凍サイクルの素早い安定を図るために設けた時間であり、実施例では3分にした。
この場合、圧縮機タイマーはまだスタートしていないので、ステップS506で圧縮機タイマーをスタートし、ステップS510で圧縮機タイマーのタイムアップをチェックし、タイムアップしていない場合はステップS515で風速を超微風に設定し、ステップS580から図8のステップS380、図7のステップS280、図6のステップS137に戻り、暖房運転が行われる。
この状態は図10のステップS510で圧縮機タイマーがタイムアップするまで続き、タイムアップした場合はステップS511で圧縮機タイマーをリセットし、ステップS512で圧縮機履歴フラグをオン、当初3分フラグをオフにする。
次の制御サイクルでは、図8のステップS310でチェックされる圧縮機履歴フラグが図10のステップS512でオンになっているのでステップS310からステップS311の圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御に入り、図9のステップS400に飛び、ステップS405で当初3分フラグをチェックし、このフラグは図10のステップS512でオフになっているので、ステップS407に進み、前述と同様の図13の繰返し風速制御に入り、これを繰返す。
この状態は、図7のステップS225でサーモスタットがオンするまで続き、サーモスタットがオンすると、ステップS247から始まる前述のサーモスタットオンの制御サイクルが繰返される。
(C)暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフ,低熱交温,その後サーモスタットオン
次に、(12)サーモスタットオフ後,低熱交温,その後サーモスタットオン・(C)までの制御について図7を用いて説明する。
この場合、暖房運転開始時サーモスタットオン,その後サーモスタットオフまでの制御は前述と同じである。
図7のステップS225でサーモスタットの状態がオフに変わった場合は、ステップS230でサーモスタット履歴フラグをチェックし、サーモスタット履歴フラグはオンのままなので、ステップS235に進み、熱交温度が中熱交温の状態のT1以上か否かチェックする。前提により、熱交換器温度は低熱交温の状態であるので、ステップS240からステップS241に進み、送風機を停止にする。
この状態は、ステップS225でサーモスタットがオンするまで続き、サーモスタットがオンすると、ステップS247から始まる前述のサーモスタットオンの制御サイクルが繰返される。また、サーモスタットオフのままの繰返しの途中のステップS235で熱交換器の温度が中熱交温まで上がるとステップS242で前述の中熱交温時 風速制御に移る。
この時、圧縮機が運転していれば、図8のステップS311の圧縮機運転中 サーモスタットオン→オフ 風速制御かステップS312のサーモスタットオフ時 圧縮機停止中→運転 風速制御が前述のように行われ、圧縮機が運転していなければ、ステップS313のサーモスタットオフ時 圧縮機運転中→停止 風速制御が前述のように行われる。
(D)暖房運転開始時サーモスタットオフ,高熱交温,その後サーモスタットオン
次に、室内機の暖房を開始してサーモスタットオフであった場合の制御について図7を用いて説明する。
この場合、図6のステップS136までの制御は前述と同じである。ステップS136から図7のステップS200に飛び、ステップS205でサーモスタット履歴フラグをチェックし、このフラグは運転モードが暖房運転モードに切換わった当初である運転開始時にはオフにしてあるので、ステップS215に進み、サーモスタットがオフか否かをチェックする。
前提により、サーモスタットはオフであるので、ステップS216に進み、熱交タイマーをリセットし、ステップS245で熱交温度をチェックする。
この熱交タイマーは暖房運転を開始して直ぐに熱交換器が高温でサーモスタットがオフである状態は、室内機内に熱が篭って、吸込み温度センサーの検知温度が室温と大きく乖離している状態であると考えられ、使用者の意図は暖房の開始であり、熱交換器の温度は高いので冷風が吹出す恐れはないので、即送風機を運転して室内を暖房し、あわせて吸込み温度センサーの検知温度と室温との差を小さくする必要があるので、あたかもサーモスタットがオンしているかのように、送風機を制御し、所定時間後に通常のサーモスタットの制御に戻すために設けたものであり、実施例では3分にした。
前提により、熱交の温度は高熱交温の状態であるT3より高いので、ステップS245からステップS246に進み、熱交タイマーをスタートし、サーモスタットオフ時に送風機の制御に使用する各種タイマーをステップS247でリセットし、次いで、ステップS250でサーモスタット履歴フラグをオン、当初3分フラグをオン、圧縮機履歴フラグをオンにし、ステップS251で風速をサーモスタットオンの時の制御風速にしてステップS280を介して図6のステップS137に戻る。
次回の制御では、サーモスタット履歴フラグがステップS250でオンになっているので、ステップS205からステップS210に進み、熱交タイマーがスタートしているか否かをチェックし、熱交タイマーはスタートしているのでステップS220に進み熱交タイマーのタイムアップをチェックし、タイムアップしていなければステップS247に進む。
以降、ステップS247,S250,S251,S280,S137,S105,S131,S135,S136,S200,S205,S210,S220,S247の制御サイクルであたかもサーモスタットオンであるかのような制御を繰返す。この制御サイクルはステップS220で熱交タイマーがタイムアップするまで続き、タイムアップすると、ステップS225でサーモスタットの状態をチェックする。
上記のようにあたかもサーモスタットオンであるかのような制御は、室内機が停止中に圧縮機が運転され、冷媒不足を解消するための少量の冷媒が停止中の室内機にも流れていることで、熱交換器の温度が高くなって、室内機内に熱がこもり、吸込み温度センサーがその熱の影響を受けて、室内の温度と乖離して、室温が低いにもかかわらず、サーモスタットがオフの状態であるのを、解消するために、限定した時間(熱交タイマーのタイムアップまでの時間)だけ行うものである。
ステップS225でサーモスタットオンの場合は、ステップS247に進み、(A)で前述した通常のサーモスタットオンの暖房運転に入る。また、ステップS225でサーモスタットオフの場合はステップS230,S235と進み、この限定した時間を過ぎているので、もはや、吸込み温度センサーの検知温度と室温の差は許容値以内に戻り正常な状態であるとして、前述の(A),(B)又は(C)の制御に戻す。
このように、実施例の多室型空気調和機は、暖房モードで運転を開始した室内機の熱交換器の温度が前記第1の所定温度(T1)より高い第3の所定温度(T3)以上の場合に、仮に運転開始時にサーモスタットオフであっても設定風速以上の風速で所定の時間、送風機を運転し、所定の時間を経過した後に、サーモスタットによる通常の暖房制御に移行する。
一般に、他の部屋が暖房中で圧縮機が運転されている状態で、自室の暖房を停止している時のように、熱交換器に冷媒不足解消のために少量の冷媒が流れ、送風機を運転しない状態が長く続くと、室内機の内部に熱交換器に流れる高温冷媒からの熱が篭り、送風機が回っていないため、吸込み温度センサーがこの影響を強く受け、検知温度が高くなって、サーモスタットがオフしている状態になることが往々にしてある。
実施例の多室型空気調和機では、熱交換器の温度が充分温まっているので、熱交換器の温度が温風の吹出しに支障のない温まった状態であって、送風機が回転しても冷風が吹出ることはなく、使用者の暖房開始の意図にも合致するので、送風機を超低速運転で回して、徐々に機内の熱を排出して、熱の篭りを解消するよりも、送風機を即運転する。
このように、暖房モードで運転を開始した時の熱交換器の温度が充分暖かい第3の所定温度(T3)以上の温度なっている場合、サーモスタットがオフであっても、送風機を運転し、温風を室内に供給する。これにより、室内は暖房を開始し、使用者の満足度を高めることができる。
また、所定時間が過ぎたときには、サーモスタットのオンオフによる本来の制御に戻るので、室温が高くなり過ぎることはない。このように、停止時に熱交換器が高温になってサーモスタットが誤作動でオフしているときでも、使用者の意図に沿いながら、短時間でサーモスタットを正常な状態に戻すことができる。
このため、使用者の意図に沿いながら、短時間でサーモスタットが正常な状態に戻る多室型空気調和機を提供することができる。
(E)暖房運転開始時サーモスタットオフ,中・低熱交温,その後サーモスタットオン
この場合、図6のステップS136から図7のステップS200に飛び、ステップS205,S215,S216を通り、ステップS245で熱交温度をチェックするまでは(D)の制御と同じである。前提により、熱交温度は中低熱交温の状態であるT3未満であるので、ステップS245からステップS252に進み、風速を超微風に設定してステップS280から図6のステップS137に戻り、暖房運転を行う。
以降、ステップS137,S105,S131,S135,S136,S200,S205,S215,S216,S245,S252,S280,S137の制御サイクルとなり、この制御サイクルが超微風の設定で、ステップS215でサーモスタットがオンになるまで繰返される。サーモスタットがオンになるとステップS215からステップS247に進み、以降、ステップS247,S250,S251,S280,S137,S105,S131,S135,S136,S200,S205,S210,S225,S247の制御サイクルとなり、通常のサーモスタットオンの暖房が行われる。
以上説明したように、請求項1記載の多室型空気調和機によれば、同一の室外機に接続される複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフ又は停止の室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する状態の時、サーモスタットオフ又は停止の室内機にも少量の冷媒を流して、冷媒不足を防止する運転法を採用し、複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフの室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する時に、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を手動選択可能な最低風速以上の風速と、手動選択可能な最低風速未満の風速を含んだ2以上の風速で構成された風速パターンで運転する。
これにより、サーモスタットオフしている室内機の熱交換器の温度が高く、吸込み温度センサーに与える影響が大き過ぎる場合は、送風機を運転して、吸込み温度センサーの周囲に室内空気を送って、吸込み温度センサーの検知温度が室内温度と大きく乖離しないようにする。
この時、風速を2以上の段階に区分し、その中の少なくとも1段階は、使用者がリモコンなどで設定できる最低風速以上の風速としている。使用者がリモコンなどで設定できる最低風速は、その風速で空気調和機が支障なく運転可能であることが求められ、サーモスタットの作動や復帰の特性も、少なくとも実用上の障害になることはないように定められている。
このように、サーモスタットオフの時の送風の風速パターンに最低風速以上の風速で運転している時が含まれるので、所要の時間この風速で運転することでサーモスタットの作動,復帰は問題なく行われ、サーモスタットの復帰が遅すぎて、過暖房になる恐れがない。
また、この時、風速の少なくとも1段階は、使用者がリモコンで設定できる最低風速未満の風速としている。これにより、冷媒と吸込み空気との熱交換量が減り、冷媒不足に陥る恐れがなく、しかも、低速ながら吸込み温度センサーの周囲に常に吸込み空気が流れることで、熱交換器に流れる高温冷媒の影響を小さくできる。
また、上記のように、低速ながら吸込み温度センサーの周囲に常に吸込み空気が流れることで、吸込み温度センサーは周囲部を含めて吸込み空気にさらされているので、上述の最低風速以上の風速で運転し、吸込み空気温度がサーモスタットの復帰温度に達したか否かを見極めるための上記所要時間を短くすることができ、その分、熱交換量も低減され、過暖房が抑えられる。
このため、冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、吸込み空気温度の検出精度を高め、室内空気の温度調節精度を高くする多室型空気調和機を得ることができる。
また、請求項2記載の多室型空気調和機によれば、前記風速パターンには前記2以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含む。
これにより、サーモスタットの作動と復帰が確実に行われる最低風速以上の風速と、冷媒の溜まり込みを抑制すべく若干開けてある膨張弁の開度にあわせて、室内熱交換器出口の温度が暖房運転時より高くなるように定めた超低風速との組合せで、繰返し運転するので、吸込み温度が下がった時には最低風速以上の風速で運転した時にサーモスタットが確実に復帰し、過暖房にならない。
また、最低風速以上の風速で運転した時には、冷媒の溜まり込みが少し生じるが、この溜まり込みも超低風速運転の時に解消されるので、冷媒の少しの溜まり込みと溜まり込みの解消が繰返され、冷凍サイクルの運転に支障をもたらす多量の冷媒の溜まり込みは回避される。実施例では上記の超低風速を最低風速の1/3以上で、定格風速の1/2以下に設定し、良好な結果を得た。
このため、冷媒不足を回避して過暖房を確実に抑制し、室内を確実に温度調節する多室型空気調和機を得ることができる。
また、請求項3記載の多室型空気調和機によれば、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を停止させずに設定風速以下の3段階以上の風速で構成された風速パターンで運転する。
これにより、最低風速より高い設定風速での運転が入るので、吸込み温度センサーの検知温が速やかに吸込み温度に近づき、過暖房になり易い設定風速での運転時間が短くなり、過暖房を起こしにくくなる。また、設定風速から超低風速に一気に送風機の速度を変えることは上述のように容易であるが、風速の変化が急すぎて、使用者に違和感を抱かせ、室内の穏やかさを乱す恐れがある。
このため、設定風速から超低風速への減速時には途中に中間風速で運転する時間を設け、風速の急変が起こらないようにし、使用者に違和感を抱かせない。他方、増速するときは、上述のように、電源の電流容量やドライバの制限電流に従ってゆっくり加速することで、風速の急変を回避し、在室者の違和感を軽くして穏やかな空調を行うことができる。
このため、過暖房を強く抑制し、在室者の違和感を軽くする多室型空気調和機を得ることができる。
また、請求項4記載の多室型空気調和機によれば、前記風速パターンには前記3以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含む。
これにより、サーモスタットの作動と復帰がより確実に行われ、過暖房にならず、また、冷凍サイクルの運転に支障をもたらす多量の冷媒の溜まり込みも回避される。
このため、過暖房を強く確実に抑制し、在室者の違和感を軽くし、室内を確実に温度調節する多室型空気調和機を得ることができる。
また、請求項5記載の多室型空気調和機によれば、前記繰返しの運転における超低風速の運転時間が前記繰返しの運転の間隔の0.4〜0.7である。
これにより、繰返し運転中の上限弱風の風速で運転した時に熱交換器に溜まってきた冷媒を室外機に戻すことができ冷媒不足を改善できる。超低風速の運転時間が繰返しの運転の間隔の0.4より小さくなると熱交換器に溜まった冷媒を室外機に戻す能力が不足して、繰返しの度に徐々に熱交換器に溜まる冷媒が増え、終には冷媒不足の状態に陥る恐れが大きくなる。
また、超低風速の運転時間が繰返しの運転の間隔の0.7を超えると、熱交換器温度の影響で吸込み温度センサーの検知温度と室温との乖離が大きくなり、上限弱風運転時間内に吸込み温度センサーと室温との差が許容範囲に入らず、サーモスタットオンの遅れが大きくなって、室温の変動が大きくなり、また、超低風速運転の間の室内の温度分布の不均一性がひどくなり、上限弱風運転時間内に均一性を回復することができなくなって、空調の品質が悪化してしまう。
このため、在室者の温熱感覚を維持しつつ、省エネになる多室型空気調和機を得ることができる。
また、請求項6記載の多室型空気調和機によれば、前記複数の室内機の暖房運転で、運転中の全ての室内機がサーモスタットオフの状態の時、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機の運転風速を設定風速以下とし、時間と共に手動選択可能な最低風速未満の超低風速に単調減少させる。
これにより、圧縮機が停止しているので、熱交換器には高温冷媒が流れず、機内の熱が徐々に放散され、吸込み温度センサーに対する熱交換器からの熱影響も弱まる一方になる。このため、吸込み温度センサーの検知温度と吸込み空気の温度の差は小さくなり、風速も徐々に弱くしても支障は起きず、送風機の省エネを計ることができ、また、設定風速から超低風速への風速の急変を防止することもできる。
このため、冷媒不足を回避して過暖房を抑制しつつ、省エネになる多室型空気調和機を得ることができる。
また、請求項7記載の多室型空気調和機によれば、暖房モードで運転を開始した室内機の熱交換器の温度が前記第1の所定温度(T1)より高い第3の所定温度(T3)以上の場合に、仮に運転開始時にサーモスタットオフであっても設定風速以上の風速で所定の時間、送風機を運転し、所定の時間を経過した後に、サーモスタットによる通常の暖房制御に移行する。
これにより、熱交換器の温度が充分温まっているので、熱交換器の温度が温風の吹出しに支障のない温まった状態であって、送風機が回転しても冷風が吹出ることはなく、使用者の暖房開始の意図にも合致するので、送風機を超低速運転で回して、徐々に機内の熱を排出して、熱の篭りを解消するよりも、送風機を即運転する。
このように、暖房モードで運転を開始した時の熱交換器の温度が充分暖かい第3の所定温度(T3)以上の温度なっている場合、サーモスタットがオフであっても、送風機を運転し、温風を室内に供給する。これにより、室内は暖房を開始し、使用者の満足度を高めることができる。
また、所定時間が過ぎたときには、サーモスタットのオンオフによる本来の制御に戻るので、室温が高くなり過ぎることはない。このように、停止時に熱交換器が高温になってサーモスタットが誤作動でオフしているときでも、使用者の意図に沿いながら、短時間でサーモスタットを正常な状態に戻すことができる。
このため、使用者の意図に沿いながら、短時間でサーモスタットが正常な状態に戻る多室型空気調和機を得ることができる。
1 空気調和機
2a 室内機a
2b 室内機b
2c 室内機c
5a リモコンa
5b リモコンb
5c リモコンc
6 室外機
8 接続配管
10 制御部
20 筐体
21 筐体本体
21c 吊ボルト
25 化粧パネル
27 空気吸込み口
29 空気吹出し口
33 室内熱交換器
35 露受皿
37 ドレン配管
70 冷凍サイクル
72 冷媒流路切換弁
73 室外熱交換器
74 冷暖房絞り装置
75 圧縮機
78 細配管接続バルブ
79 太配管接続バルブ
81 アーム駆動装置
83 開閉アーム
171 吸込み温度センサー
231 フィルター
240 清掃装置
251 吸込パネル
290 吹出し風路
291 上下風向板
311 送風機
313 送風モータ
396a 送受信部a
396b 送受信部b
396c 送受信部c
903 天井面

Claims (7)

  1. 同一の室外機に接続される複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフ又は停止の室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する状態の時、サーモスタットオフ又は停止の室内機にも少量の冷媒を流して、冷媒不足を防止する運転法を採用する多室型空気調和機において、
    複数の室内機の暖房運転で、サーモスタットオフの室内機とサーモスタットオンの室内機とが混在する時に、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を手動選択可能な最低風速以上の風速と、手動選択可能な最低風速未満の風速を含んだ2以上の風速で構成された風速パターンで運転することを特徴とする多室型空気調和機。
  2. 請求項1において、前記風速パターンには前記2以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含むことを特徴とする多室型空気調和機。
  3. 請求項1において、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機を停止させずに設定風速以下の3段階以上の風速で構成された風速パターンで運転することを特徴とする多室型空気調和機。
  4. 請求項3において、前記風速パターンには前記3以上の風速を時系列的に組合せた基本風速パターンの繰返しを含むことを特徴とする多室型空気調和機。
  5. 請求項2又は4において、前記繰返しの運転における超低風速の運転時間が前記繰返しの運転の間隔の0.4〜0.7であることを特徴とする多室型空気調和機。
  6. 請求項1又は3において、前記複数の室内機の暖房運転で、運転中の全ての室内機がサーモスタットオフの状態の時、サーモスタットオフの室内機の熱交換器温度が第1の所定温度(T1)以上の場合に、送風機の運転風速を設定風速以下とし、時間と共に手動選択可能な最低風速未満の超低風速に単調減少させることを特徴とする多室型空気調和機。
  7. 請求項1において、暖房モードで運転を開始した室内機の熱交換器の温度が前記第1の所定温度(T1)より高い第3の所定温度(T3)以上の場合に、運転開始時にサーモスタットオフであっても設定風速以上の風速で所定の時間、送風機を運転し、所定の時間を経過した後に、サーモスタットによる通常の暖房制御に移行することを特徴とする多室型空気調和機。
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