JP2005016884A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機等の機器を保護するとともに快適性を損なわず効果的に機器の露付きを制御することができる空気調和機を提供すること。
【解決手段】室内熱交換器温度検知手段の検知温度が露付き限界温度を下回ると圧縮機の運転周波数を所定量減少させるようにした。また、圧縮機の運転周波数が下限運転周波数記憶手段に記憶された下限設定値まで減少すると、室内熱交換器判定値記憶手段に記憶された復帰設定温度に達するまでバイパス管路に取り付けられた電磁弁を開制御するようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】室内熱交換器温度検知手段の検知温度が露付き限界温度を下回ると圧縮機の運転周波数を所定量減少させるようにした。また、圧縮機の運転周波数が下限運転周波数記憶手段に記憶された下限設定値まで減少すると、室内熱交換器判定値記憶手段に記憶された復帰設定温度に達するまでバイパス管路に取り付けられた電磁弁を開制御するようにした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量(周波数)可変型圧縮機をインバータにより可変制御する空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機では、容量(周波数)可変型圧縮機を用い、冷房運転時に室内熱交換器が露付きを生じる温度より若干高めの冷え過ぎ移行温度まで低下したかどうかを監視し、冷え過ぎ移行温度より低下した場合に、インバータに与える最大周波数を通常より低い値に制限することで、室内機の吹き出し口等の露付きを回避するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−106357号公報(第2頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の空気調和機では、圧縮機のオイル供給は圧縮機回転数に依存し、容量(周波数)を下げ過ぎると、圧縮機のオイル供給能力が低下して圧縮機の信頼性が著しく低下する。したがって、容量(周波数)の低下には限度があり、露つき回避制御には限界があった。特に、1台の室外機に複数台の室内機を接続した多室形空気調和システムは能力の可変幅が大きく、1台運転時は通常運転時でも容量(周波数)が十分に低いことから、さらに容量(周波数)を低下する余裕が少なく、露つき制御が困難という問題があった。
【0005】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、圧縮機等の機器を保護するとともに快適性を損なわず効果的に機器の露付きを制御することができる空気調和機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、容量可変型圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを有する室外機と、室内熱交換器を有する室内機とを冷媒配管により接続し、該冷媒配管の一部に弁開度が制御可能な電動膨張弁を設けて冷凍サイクルを構成する空気調和機であって、前記圧縮機の冷媒吐出管と冷媒吸入管とをバイパスするバイパス管路と、該バイパス管路に取り付けられた電磁弁とを有し、前記室外機に室外温度を検知する室外温度検知手段を設ける一方、前記室内機に室内温度を検知する室内温度検知手段と前記室内熱交換器の温度を検知する室内熱交換器温度検知手段とを設け、前記圧縮機及び前記電動膨張弁を制御する制御装置に室内熱交換器温度の判定値を記憶する室内熱交換器判定値記憶手段と前記圧縮機の運転周波数の下限設定値を記憶する下限運転周波数記憶手段を設け、前記室外温度検知手段と前記室内温度検知手段と前記室内熱交換器温度検知手段からの信号に基いて前記制御装置により前記圧縮機の運転周波数と前記電動膨張弁の開度を制御し、前記室内熱交換器判定値記憶手段に前記室内機に露付きを生じる限界温度を設定し、前記室内熱交換器温度検知手段の検知温度が前記露付き限界温度を下回ると前記圧縮機の運転周波数を所定量減少させ、前記圧縮機の運転周波数が前記下限運転周波数記憶手段に記憶された下限設定値まで減少すると、前記室内熱交換器判定値記憶手段に記憶された復帰設定温度に達するまで前記バイパス管路に取り付けられた前記電磁弁を開制御するようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記圧縮機の運転開始時の運転周波数よりも低く前記下限設定値よりも高い上限設定値を記憶する上限運転周波数記憶手段を前記制御装置にさらに設けるとともに、前記復帰設定温度よりも低く前記露付き限界温度よりも高い別の復帰設定温度を前記室内熱交換器判定値記憶手段に設定し、前記電磁弁の開制御により室内熱交換器温度が前記別の復帰設定温度に達すると、前記電磁弁を開放したまま前記上限設定値に達するまで前記圧縮機の運転周波数を上昇するように制御することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機の冷凍サイクルを示しており、室外機2には、インバータ駆動の容量(周波数)可変型圧縮機(以下、単に圧縮機と称す)6と冷暖房切換用の四方弁8と室外熱交換器10とが設けられる一方、室内機4には、室内熱交換器12が設けられており、これらを冷媒液側主管14と冷媒ガス側主管16とを有する冷媒配管で順次接続して冷凍サイクルを構成している。さらに、室外機2には、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22が設けられ、バイパス管路22には電磁弁24が取り付けられており、室内機4には、室外熱交換器10と室内熱交換器12とを接続する冷媒液側主管14にモータ等により弁開度をパルス制御可能な電動冷媒膨張弁26が取り付けられている。
【0009】
また、室外機2には、室外熱交換器10に空気を送る室外送風機28と、室外の温度を検知する室外温度センサ30が設けられており、室内機4には、室内熱交換器12に空気を送る室内送風機32と、室内温度を検知する室内温度センサ34と、室内熱交換器12の温度を検知する室内熱交換器温度センサ36と、居住者が希望する運転モード(冷房または暖房)と室温と運転あるいは停止を設定するための運転モード設定回路38が設けられている。
【0010】
上記構成の冷凍サイクルにおいて、冷房あるいは除湿運転時、圧縮機6から吐出された冷媒は四方弁8を介して室外熱交換器10へと流れ、室外送風機28の駆動により室外熱交換器10で室外空気と熱交換して凝縮液化する。さらに、電動冷媒膨張弁26を通過して減圧された冷媒は室内熱交換器12で蒸発した後、冷媒ガス側主管16を通過し四方弁8を介して再び圧縮機6に吸入される。
【0011】
また、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22に取り付けられた電磁弁24を開制御すると、圧縮機6から吐出された冷媒の一部がバイパス管路22を介して圧縮機6に吸入される。
【0012】
次に、圧縮機周波数の制御について、図2乃至図4を参照しながら説明する。図2に示されるように、本発明にかかる空気調和機の室外機2には、さらに制御装置40が設けられており、この制御装置40は、室外温度センサ30から出力された信号を記憶する室外温度記憶ユニット42と、室内温度センサ34から出力された信号を記憶する室内温度記憶ユニット44と、室内熱交換器温度センサ36から出力された信号を記憶する室内熱交換器温度記憶ユニット46と、運転モード設定回路38から出力された信号を記憶する運転モード記憶ユニット48とを備えている。なお、運転モード設定回路38には、居住者が希望する運転モード((冷房、除湿、送風あるいは暖房))を設定するための運転モード切換スイッチ50と、所望の室温を設定するための室内温度設定スイッチ52と、室内機4の運転あるいは停止を行うための運転停止スイッチ54とが設けられている。
【0013】
さらに、制御装置40は、室内熱交換器12の温度判定値(後述するTa,Tb,Tc,Td)を記憶する室内熱交換器判定値記憶ユニット55a,55bと、圧縮機6の運転周波数の下限設定値を記憶する下限運転周波数記憶ユニット57と、上述した種々の信号を周期的に検知するためのサンプリング時間を記憶するサンプリング時間記憶ユニット58と、上述した信号をサンプリング時間毎に受信して圧縮機6の周波数やバイパス管路22に設けられた電磁弁24の開閉を決定する判定装置60と、判定装置60から出力された信号に基いて圧縮機6、電磁弁24、室外送風機28、室内送風機32等を駆動する出力リレー回路62とを備えている。なお、Ta及びTbは、室内熱交換器判定値記憶ユニット55aに記憶された後述するAゾーン及びBゾーンを区切る閾値となる温度で、Tc及びTdは、室内熱交換器判定値記憶ユニット55bに記憶された後述するBゾーン及びCゾーンを区切る閾値となる温度であり、Ta>Tb、Ta>Tc、Tc>Tdのように設定されている。
【0014】
次に、本発明にかかる空気調和機の動作を以下説明する。
居住者が運転モード切替スイッチ50により冷房あるいは除湿運転を選択すると、運転モード記憶ユニット48、室内温度記憶ユニット44及び室外温度記憶ユニット42からの信号に基いて、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を決定して圧縮機6を駆動するとともに電動冷媒膨張弁26の開度を制御する。このとき、室内温度記憶ユニット44に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下であり、室外温度記憶ユニット42に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下の場合、室内機4の吹き出し口回りに露がつく可能性があると判断し、図3に示されるように、室内熱交換器温度記憶ユニット46に記憶された室内熱交換器温度が室内熱交換器判定値記憶ユニット55bに記憶されたTd℃(露付き限界温度)以下になりCゾーンに突入すると、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を例えば前の運転周波数Hzkの0.9倍の値(Hzk×0.9)になるように出力リレー回路62に指示を出し、室内熱交換器12の温度を上げることにより吹き出し温度を上げ、吹き出し口の周りに露がつかないように制御する。
【0015】
判定装置60は、図4のタイムチャートに示されるように、サンプリング時間記憶ユニット58に設定された時間tm毎に以上の動作を繰り返すが、図3に示されるように、室内熱交換器温度センサ36により検知された室内熱交換器温度を記憶する室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55bに記憶されたTc℃以上となりBゾーンに突入すると、判定装置60は圧縮機6の周波数ダウンをやめ、現周波数を維持する。このBゾーンは吹き出し口に露が付かない下限配管温度ゾーンである。さらに、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55aに記憶されたTa℃(復帰設定温度)以上となりAゾーンに突入すると、運転開始時の周波数(Hz0)に戻す。
【0016】
しかしながら、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTd℃以下になりCゾーンに突入し、判定装置60がサンプリング周期tm毎に圧縮機6の運転周波数ダウンを繰り返し、運転周波数が下限運転周波数記憶ユニット57に記憶された運転周波数の下限値に達すると、判定装置60は、電磁弁24を開制御して圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするよう出力リレー回路62に指示を出す。
【0017】
その結果、圧縮機6から吐出された冷媒の一部がバイパス管路22を通って圧縮機6に吸入され、室内熱交換器温度が上昇するので、室内機4からの吹き出し温度が上昇し、吹き出し口周りの露付きが回避される。
【0018】
また、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTa℃以上になりAゾーンに突入すると、圧縮機6の運転周波数を運転開始時の周波数(Hz0)に戻し、電磁弁24を閉制御する。
【0019】
なお、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22の流量は、いかなる条件でも室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTa℃以上(図3のAゾーン)に突入するように所定の流量値に設定されている。
【0020】
また、下限運転周波数記憶ユニット57に設定された圧縮機運転周波数の下限設定値は圧縮機6の圧縮機構部にオイルを供給するのに必要な最低周波数で、この下限設定値よりさらに周波数を下げるとオイルの供給が不足し、圧縮機6が破壊に至るという個々の圧縮機の性能確保に大切で厳守すべきファクタとして設定されている。
【0021】
上記構成によれば、空気調和機の吹き出し口周りの露つきを回避できると同時に、最低圧縮機容量(周波数)を高く設定でき、圧縮機の信頼性が向上する。
【0022】
また、1台の室外機に複数台の室内機を接続した従来の多室形空気調和システムで能力の可変幅が大きいものは、1台の室内機運転時にすでに圧縮機の最低運転周波数での運転になってしまい(多室空調するために圧縮機の能力が大きく、最低周波数で1室相当の能力になってしまう)、運転周波数(圧縮機能力)をさらにダウンできないことから、吹き出し口周りの露つきの回避が困難であったが、本発明の上記構成により、吹き出し周りの露つきを容易に回避できる。したがって、多室形空気調和システムの露つき性能が向上し、圧縮機等の機器を保護しつつ快適性を損なわずに空気調和機の効果的な運転が可能となる。
【0023】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかる空気圧縮機の圧縮機周波数の制御について、図5乃至図7を参照しながら説明する。なお、空気調和機の冷凍サイクルは実施の形態1と同じなので、その説明は省略する。
【0024】
本実施の形態2における制御装置40は、図5に示されるように、実施の形態1の構成要素(図2)に加えて、室内熱交換器12の温度判定値(後述するTe,Tf)を記憶する室内熱交換器判定値記憶ユニット55cと、圧縮機6の運転周波数の上限設定値を記憶する上限運転周波数記憶ユニット56とを備えている。なお、Te及びTfは、後述するCゾーン及びDゾーンを区切る閾値となる温度であり、Te<Tc、Te>Tfのように設定されている。
【0025】
居住者が運転モード切替スイッチ50により冷房あるいは除湿運転を選択すると、運転モード記憶ユニット48、室内温度記憶ユニット44及び室外温度記憶ユニット42からの信号に基いて、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を決定して圧縮機6を駆動する。このとき、室内温度記憶ユニット44に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下であり、室外温度記憶ユニット42に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下の場合、室内機4の吹き出し口回りに露がつく可能性があると判断し、図6に示されるように、室内熱交換器温度記憶ユニット46に記憶された室内熱交換器温度が室内熱交換器判定値記憶ユニット55cに記憶されたTf℃以下になりDゾーンに突入すると、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を例えば前の運転周波数Hzkの0.9倍の値(Hzk×0.9)になるように出力リレー回路62に指示を出し、室内熱交換器12の温度を上げることにより吹き出し温度を上げ、吹き出し口の周りに露がつかないように制御する。
【0026】
判定装置60は、図7のタイムチャートに示されるように、サンプリング時間記憶ユニット58に設定された時間tm毎に以上の動作を繰り返すが、図6に示されるように、室内熱交換器温度センサ36により検知された室内熱交換器温度を記憶する室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55cに記憶されたTe℃以上となりCゾーンに突入すると、判定装置60は圧縮機6の周波数ダウンをやめ、現周波数を維持する。このCゾーンは吹き出し口に露が付かない下限配管温度ゾーンである。さらに、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55aに記憶されたTa℃以上となりAゾーンに突入すると、運転開始時の周波数(Hz0)に戻す。
【0027】
しかしながら、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTf℃以下になりDゾーンに突入し、判定装置60がサンプリング周期tm毎に圧縮機6の運転周波数ダウンを繰り返し、運転周波数が下限運転周波数記憶ユニット57に記憶された運転周波数の下限値に達すると、判定装置60は、電磁弁24を開制御して圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするよう出力リレー回路62に指示を出す。
【0028】
その結果、圧縮機6から吐出された冷媒の一部がバイパス管路22を通って圧縮機6に吸入され、室内熱交換器温度が上昇するので、室内機4からの吹き出し温度が上昇し、吹き出し口周りの露付きが回避される。
【0029】
上述したように、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22の流量はいかなる条件でも室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTa℃以上(図6のAゾーン)に突入するように所定の流量値に設定されているので、温度の上昇が大きく、AゾーンとDゾーンをハンチングする可能性がある。
【0030】
そこで、本実施の形態2においては、バイパス管路22の開制御により温度が上昇し、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTc℃(第2の復帰設定温度)以上になりBゾーンに突入すると、電磁弁24を開放したまま判定装置60が圧縮機6の運転周波数を上昇(例えば、前の運転周波数Hzkの約1.1倍の値(Hzk÷0.9))するように出力リレー回路62に指示を出し、上限運転周波数記憶ユニット56に記憶された圧縮機6の運転周波数の上限設定値まで周波数アップを行い、Cゾーンで周波数維持、Dゾーンで周波数ダウンを行い、室内熱交換器12の温度をBゾーンあるいはCゾーンに維持する。
【0031】
しかしながら、上限運転周波数記憶ユニット56に記憶された圧縮機6の運転周波数の上限設定値まで周波数を上昇させてもBゾーンを抜けAゾーンに突入した場合は、電磁弁24を閉制御する。
【0032】
なお、圧縮機6の運転周波数の上限設定値とは、運転開始時の周波数よりも低く最低周波数よりも高い周波数で、例えば運転開始時の周波数Hz0の0.9倍(Hz0×0.9)に設定される。
【0033】
上記構成によれば、空気調和機の吹き出し口周りの露つきを回避できると同時に最低圧縮機容量(周波数)を高く設定でき、圧縮機の信頼性が向上する。
【0034】
また、バイパス弁(電磁弁24)の開閉の頻度が減少することで弁開閉に伴う騒音が低減するとともに、頻繁な開閉による冷凍サイクルのハンチングが緩和され、圧縮機等の機器を保護しつつ快適性を損なわずに空気調和機の効果的な運転が可能となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明によれば、室内熱交換器温度検知手段の検知温度が露付き限界温度を下回ると圧縮機の運転周波数を所定量減少させ、圧縮機の運転周波数が下限運転周波数記憶手段に記憶された下限設定値まで減少すると、室内熱交換器判定値記憶手段に記憶された復帰設定温度に達するまでバイパス管路に取り付けられた電磁弁を開制御するようにしたので、室内熱交換器をある一定の温度範囲に保ち、圧縮機等の機器を保護するとともに快適性を損なわず効果的に機器の露付きを制御することが可能となる。
【0036】
また、前記復帰設定温度よりも低く露付き限界温度よりも高い別の復帰設定温度を設定し、電磁弁の開制御により室内熱交換器温度が前記別の復帰設定温度に達すると、電磁弁を開放したまま上限設定値に達するまで圧縮機の運転周波数を上昇するようにしたので、バイパス弁(電磁弁)の開閉の頻度が減少して騒音が低減するとともに、頻繁な開閉による冷凍サイクルのハンチングが緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる空気調和機の冷凍サイクル図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる空気調和機のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる空気調和機における室内熱交換器温度により区分された圧縮機の運転周波数の制御ゾーンを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる空気調和機における圧縮機の運転周波数制御を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる空気調和機のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる空気調和機における室内熱交換器温度により区分された圧縮機の運転周波数の制御ゾーンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる空気調和機における圧縮機の運転周波数制御を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2 室外機、 4 室内機、 6 容量可変型圧縮機、 8 四方弁、 10室外熱交換器、 12 室内熱交換器、 14 冷媒液側主管、 16 冷媒ガス側主管、 18 冷媒吐出管、 20 冷媒吸入管、 22 バイパス管路、 24 電磁弁、 26 電動冷媒膨張弁、 28 室外送風機、 30 室外温度センサ、 32 室内送風機、 34 室内温度センサ、 36 室内熱交換器温度センサ、 38 運転モード設定回路、 40 制御装置、 42 室外温度記憶ユニット、 44 室内温度記憶ユニット、 46 室内熱交換器温度記憶ユニット、 48 運転モード記憶ユニット、 50 運転モード切換スイッチ、 52 室内温度設定スイッチ、 54 運転停止スイッチ、 55a,55B、55c 室内熱交換器判定値記憶ユニット、 56 上限運転周波数記憶ユニット、 57 下限運転周波数記憶ユニット、 58 サンプリング時間記憶ユニット、 60 判定装置、 62 出力リレー回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量(周波数)可変型圧縮機をインバータにより可変制御する空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機では、容量(周波数)可変型圧縮機を用い、冷房運転時に室内熱交換器が露付きを生じる温度より若干高めの冷え過ぎ移行温度まで低下したかどうかを監視し、冷え過ぎ移行温度より低下した場合に、インバータに与える最大周波数を通常より低い値に制限することで、室内機の吹き出し口等の露付きを回避するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−106357号公報(第2頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の空気調和機では、圧縮機のオイル供給は圧縮機回転数に依存し、容量(周波数)を下げ過ぎると、圧縮機のオイル供給能力が低下して圧縮機の信頼性が著しく低下する。したがって、容量(周波数)の低下には限度があり、露つき回避制御には限界があった。特に、1台の室外機に複数台の室内機を接続した多室形空気調和システムは能力の可変幅が大きく、1台運転時は通常運転時でも容量(周波数)が十分に低いことから、さらに容量(周波数)を低下する余裕が少なく、露つき制御が困難という問題があった。
【0005】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、圧縮機等の機器を保護するとともに快適性を損なわず効果的に機器の露付きを制御することができる空気調和機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、容量可変型圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを有する室外機と、室内熱交換器を有する室内機とを冷媒配管により接続し、該冷媒配管の一部に弁開度が制御可能な電動膨張弁を設けて冷凍サイクルを構成する空気調和機であって、前記圧縮機の冷媒吐出管と冷媒吸入管とをバイパスするバイパス管路と、該バイパス管路に取り付けられた電磁弁とを有し、前記室外機に室外温度を検知する室外温度検知手段を設ける一方、前記室内機に室内温度を検知する室内温度検知手段と前記室内熱交換器の温度を検知する室内熱交換器温度検知手段とを設け、前記圧縮機及び前記電動膨張弁を制御する制御装置に室内熱交換器温度の判定値を記憶する室内熱交換器判定値記憶手段と前記圧縮機の運転周波数の下限設定値を記憶する下限運転周波数記憶手段を設け、前記室外温度検知手段と前記室内温度検知手段と前記室内熱交換器温度検知手段からの信号に基いて前記制御装置により前記圧縮機の運転周波数と前記電動膨張弁の開度を制御し、前記室内熱交換器判定値記憶手段に前記室内機に露付きを生じる限界温度を設定し、前記室内熱交換器温度検知手段の検知温度が前記露付き限界温度を下回ると前記圧縮機の運転周波数を所定量減少させ、前記圧縮機の運転周波数が前記下限運転周波数記憶手段に記憶された下限設定値まで減少すると、前記室内熱交換器判定値記憶手段に記憶された復帰設定温度に達するまで前記バイパス管路に取り付けられた前記電磁弁を開制御するようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記圧縮機の運転開始時の運転周波数よりも低く前記下限設定値よりも高い上限設定値を記憶する上限運転周波数記憶手段を前記制御装置にさらに設けるとともに、前記復帰設定温度よりも低く前記露付き限界温度よりも高い別の復帰設定温度を前記室内熱交換器判定値記憶手段に設定し、前記電磁弁の開制御により室内熱交換器温度が前記別の復帰設定温度に達すると、前記電磁弁を開放したまま前記上限設定値に達するまで前記圧縮機の運転周波数を上昇するように制御することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる空気調和機の冷凍サイクルを示しており、室外機2には、インバータ駆動の容量(周波数)可変型圧縮機(以下、単に圧縮機と称す)6と冷暖房切換用の四方弁8と室外熱交換器10とが設けられる一方、室内機4には、室内熱交換器12が設けられており、これらを冷媒液側主管14と冷媒ガス側主管16とを有する冷媒配管で順次接続して冷凍サイクルを構成している。さらに、室外機2には、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22が設けられ、バイパス管路22には電磁弁24が取り付けられており、室内機4には、室外熱交換器10と室内熱交換器12とを接続する冷媒液側主管14にモータ等により弁開度をパルス制御可能な電動冷媒膨張弁26が取り付けられている。
【0009】
また、室外機2には、室外熱交換器10に空気を送る室外送風機28と、室外の温度を検知する室外温度センサ30が設けられており、室内機4には、室内熱交換器12に空気を送る室内送風機32と、室内温度を検知する室内温度センサ34と、室内熱交換器12の温度を検知する室内熱交換器温度センサ36と、居住者が希望する運転モード(冷房または暖房)と室温と運転あるいは停止を設定するための運転モード設定回路38が設けられている。
【0010】
上記構成の冷凍サイクルにおいて、冷房あるいは除湿運転時、圧縮機6から吐出された冷媒は四方弁8を介して室外熱交換器10へと流れ、室外送風機28の駆動により室外熱交換器10で室外空気と熱交換して凝縮液化する。さらに、電動冷媒膨張弁26を通過して減圧された冷媒は室内熱交換器12で蒸発した後、冷媒ガス側主管16を通過し四方弁8を介して再び圧縮機6に吸入される。
【0011】
また、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22に取り付けられた電磁弁24を開制御すると、圧縮機6から吐出された冷媒の一部がバイパス管路22を介して圧縮機6に吸入される。
【0012】
次に、圧縮機周波数の制御について、図2乃至図4を参照しながら説明する。図2に示されるように、本発明にかかる空気調和機の室外機2には、さらに制御装置40が設けられており、この制御装置40は、室外温度センサ30から出力された信号を記憶する室外温度記憶ユニット42と、室内温度センサ34から出力された信号を記憶する室内温度記憶ユニット44と、室内熱交換器温度センサ36から出力された信号を記憶する室内熱交換器温度記憶ユニット46と、運転モード設定回路38から出力された信号を記憶する運転モード記憶ユニット48とを備えている。なお、運転モード設定回路38には、居住者が希望する運転モード((冷房、除湿、送風あるいは暖房))を設定するための運転モード切換スイッチ50と、所望の室温を設定するための室内温度設定スイッチ52と、室内機4の運転あるいは停止を行うための運転停止スイッチ54とが設けられている。
【0013】
さらに、制御装置40は、室内熱交換器12の温度判定値(後述するTa,Tb,Tc,Td)を記憶する室内熱交換器判定値記憶ユニット55a,55bと、圧縮機6の運転周波数の下限設定値を記憶する下限運転周波数記憶ユニット57と、上述した種々の信号を周期的に検知するためのサンプリング時間を記憶するサンプリング時間記憶ユニット58と、上述した信号をサンプリング時間毎に受信して圧縮機6の周波数やバイパス管路22に設けられた電磁弁24の開閉を決定する判定装置60と、判定装置60から出力された信号に基いて圧縮機6、電磁弁24、室外送風機28、室内送風機32等を駆動する出力リレー回路62とを備えている。なお、Ta及びTbは、室内熱交換器判定値記憶ユニット55aに記憶された後述するAゾーン及びBゾーンを区切る閾値となる温度で、Tc及びTdは、室内熱交換器判定値記憶ユニット55bに記憶された後述するBゾーン及びCゾーンを区切る閾値となる温度であり、Ta>Tb、Ta>Tc、Tc>Tdのように設定されている。
【0014】
次に、本発明にかかる空気調和機の動作を以下説明する。
居住者が運転モード切替スイッチ50により冷房あるいは除湿運転を選択すると、運転モード記憶ユニット48、室内温度記憶ユニット44及び室外温度記憶ユニット42からの信号に基いて、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を決定して圧縮機6を駆動するとともに電動冷媒膨張弁26の開度を制御する。このとき、室内温度記憶ユニット44に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下であり、室外温度記憶ユニット42に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下の場合、室内機4の吹き出し口回りに露がつく可能性があると判断し、図3に示されるように、室内熱交換器温度記憶ユニット46に記憶された室内熱交換器温度が室内熱交換器判定値記憶ユニット55bに記憶されたTd℃(露付き限界温度)以下になりCゾーンに突入すると、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を例えば前の運転周波数Hzkの0.9倍の値(Hzk×0.9)になるように出力リレー回路62に指示を出し、室内熱交換器12の温度を上げることにより吹き出し温度を上げ、吹き出し口の周りに露がつかないように制御する。
【0015】
判定装置60は、図4のタイムチャートに示されるように、サンプリング時間記憶ユニット58に設定された時間tm毎に以上の動作を繰り返すが、図3に示されるように、室内熱交換器温度センサ36により検知された室内熱交換器温度を記憶する室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55bに記憶されたTc℃以上となりBゾーンに突入すると、判定装置60は圧縮機6の周波数ダウンをやめ、現周波数を維持する。このBゾーンは吹き出し口に露が付かない下限配管温度ゾーンである。さらに、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55aに記憶されたTa℃(復帰設定温度)以上となりAゾーンに突入すると、運転開始時の周波数(Hz0)に戻す。
【0016】
しかしながら、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTd℃以下になりCゾーンに突入し、判定装置60がサンプリング周期tm毎に圧縮機6の運転周波数ダウンを繰り返し、運転周波数が下限運転周波数記憶ユニット57に記憶された運転周波数の下限値に達すると、判定装置60は、電磁弁24を開制御して圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするよう出力リレー回路62に指示を出す。
【0017】
その結果、圧縮機6から吐出された冷媒の一部がバイパス管路22を通って圧縮機6に吸入され、室内熱交換器温度が上昇するので、室内機4からの吹き出し温度が上昇し、吹き出し口周りの露付きが回避される。
【0018】
また、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTa℃以上になりAゾーンに突入すると、圧縮機6の運転周波数を運転開始時の周波数(Hz0)に戻し、電磁弁24を閉制御する。
【0019】
なお、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22の流量は、いかなる条件でも室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTa℃以上(図3のAゾーン)に突入するように所定の流量値に設定されている。
【0020】
また、下限運転周波数記憶ユニット57に設定された圧縮機運転周波数の下限設定値は圧縮機6の圧縮機構部にオイルを供給するのに必要な最低周波数で、この下限設定値よりさらに周波数を下げるとオイルの供給が不足し、圧縮機6が破壊に至るという個々の圧縮機の性能確保に大切で厳守すべきファクタとして設定されている。
【0021】
上記構成によれば、空気調和機の吹き出し口周りの露つきを回避できると同時に、最低圧縮機容量(周波数)を高く設定でき、圧縮機の信頼性が向上する。
【0022】
また、1台の室外機に複数台の室内機を接続した従来の多室形空気調和システムで能力の可変幅が大きいものは、1台の室内機運転時にすでに圧縮機の最低運転周波数での運転になってしまい(多室空調するために圧縮機の能力が大きく、最低周波数で1室相当の能力になってしまう)、運転周波数(圧縮機能力)をさらにダウンできないことから、吹き出し口周りの露つきの回避が困難であったが、本発明の上記構成により、吹き出し周りの露つきを容易に回避できる。したがって、多室形空気調和システムの露つき性能が向上し、圧縮機等の機器を保護しつつ快適性を損なわずに空気調和機の効果的な運転が可能となる。
【0023】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかる空気圧縮機の圧縮機周波数の制御について、図5乃至図7を参照しながら説明する。なお、空気調和機の冷凍サイクルは実施の形態1と同じなので、その説明は省略する。
【0024】
本実施の形態2における制御装置40は、図5に示されるように、実施の形態1の構成要素(図2)に加えて、室内熱交換器12の温度判定値(後述するTe,Tf)を記憶する室内熱交換器判定値記憶ユニット55cと、圧縮機6の運転周波数の上限設定値を記憶する上限運転周波数記憶ユニット56とを備えている。なお、Te及びTfは、後述するCゾーン及びDゾーンを区切る閾値となる温度であり、Te<Tc、Te>Tfのように設定されている。
【0025】
居住者が運転モード切替スイッチ50により冷房あるいは除湿運転を選択すると、運転モード記憶ユニット48、室内温度記憶ユニット44及び室外温度記憶ユニット42からの信号に基いて、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を決定して圧縮機6を駆動する。このとき、室内温度記憶ユニット44に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下であり、室外温度記憶ユニット42に記憶された温度が所定温度(例えば、27℃)以下の場合、室内機4の吹き出し口回りに露がつく可能性があると判断し、図6に示されるように、室内熱交換器温度記憶ユニット46に記憶された室内熱交換器温度が室内熱交換器判定値記憶ユニット55cに記憶されたTf℃以下になりDゾーンに突入すると、判定装置60が圧縮機6の運転周波数を例えば前の運転周波数Hzkの0.9倍の値(Hzk×0.9)になるように出力リレー回路62に指示を出し、室内熱交換器12の温度を上げることにより吹き出し温度を上げ、吹き出し口の周りに露がつかないように制御する。
【0026】
判定装置60は、図7のタイムチャートに示されるように、サンプリング時間記憶ユニット58に設定された時間tm毎に以上の動作を繰り返すが、図6に示されるように、室内熱交換器温度センサ36により検知された室内熱交換器温度を記憶する室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55cに記憶されたTe℃以上となりCゾーンに突入すると、判定装置60は圧縮機6の周波数ダウンをやめ、現周波数を維持する。このCゾーンは吹き出し口に露が付かない下限配管温度ゾーンである。さらに、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値が室内熱交換器判定値記憶ユニット55aに記憶されたTa℃以上となりAゾーンに突入すると、運転開始時の周波数(Hz0)に戻す。
【0027】
しかしながら、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTf℃以下になりDゾーンに突入し、判定装置60がサンプリング周期tm毎に圧縮機6の運転周波数ダウンを繰り返し、運転周波数が下限運転周波数記憶ユニット57に記憶された運転周波数の下限値に達すると、判定装置60は、電磁弁24を開制御して圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするよう出力リレー回路62に指示を出す。
【0028】
その結果、圧縮機6から吐出された冷媒の一部がバイパス管路22を通って圧縮機6に吸入され、室内熱交換器温度が上昇するので、室内機4からの吹き出し温度が上昇し、吹き出し口周りの露付きが回避される。
【0029】
上述したように、圧縮機6の冷媒吐出管18と冷媒吸入管20とをバイパスするバイパス管路22の流量はいかなる条件でも室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTa℃以上(図6のAゾーン)に突入するように所定の流量値に設定されているので、温度の上昇が大きく、AゾーンとDゾーンをハンチングする可能性がある。
【0030】
そこで、本実施の形態2においては、バイパス管路22の開制御により温度が上昇し、室内熱交換器温度記憶ユニット46の値がTc℃(第2の復帰設定温度)以上になりBゾーンに突入すると、電磁弁24を開放したまま判定装置60が圧縮機6の運転周波数を上昇(例えば、前の運転周波数Hzkの約1.1倍の値(Hzk÷0.9))するように出力リレー回路62に指示を出し、上限運転周波数記憶ユニット56に記憶された圧縮機6の運転周波数の上限設定値まで周波数アップを行い、Cゾーンで周波数維持、Dゾーンで周波数ダウンを行い、室内熱交換器12の温度をBゾーンあるいはCゾーンに維持する。
【0031】
しかしながら、上限運転周波数記憶ユニット56に記憶された圧縮機6の運転周波数の上限設定値まで周波数を上昇させてもBゾーンを抜けAゾーンに突入した場合は、電磁弁24を閉制御する。
【0032】
なお、圧縮機6の運転周波数の上限設定値とは、運転開始時の周波数よりも低く最低周波数よりも高い周波数で、例えば運転開始時の周波数Hz0の0.9倍(Hz0×0.9)に設定される。
【0033】
上記構成によれば、空気調和機の吹き出し口周りの露つきを回避できると同時に最低圧縮機容量(周波数)を高く設定でき、圧縮機の信頼性が向上する。
【0034】
また、バイパス弁(電磁弁24)の開閉の頻度が減少することで弁開閉に伴う騒音が低減するとともに、頻繁な開閉による冷凍サイクルのハンチングが緩和され、圧縮機等の機器を保護しつつ快適性を損なわずに空気調和機の効果的な運転が可能となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明によれば、室内熱交換器温度検知手段の検知温度が露付き限界温度を下回ると圧縮機の運転周波数を所定量減少させ、圧縮機の運転周波数が下限運転周波数記憶手段に記憶された下限設定値まで減少すると、室内熱交換器判定値記憶手段に記憶された復帰設定温度に達するまでバイパス管路に取り付けられた電磁弁を開制御するようにしたので、室内熱交換器をある一定の温度範囲に保ち、圧縮機等の機器を保護するとともに快適性を損なわず効果的に機器の露付きを制御することが可能となる。
【0036】
また、前記復帰設定温度よりも低く露付き限界温度よりも高い別の復帰設定温度を設定し、電磁弁の開制御により室内熱交換器温度が前記別の復帰設定温度に達すると、電磁弁を開放したまま上限設定値に達するまで圧縮機の運転周波数を上昇するようにしたので、バイパス弁(電磁弁)の開閉の頻度が減少して騒音が低減するとともに、頻繁な開閉による冷凍サイクルのハンチングが緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる空気調和機の冷凍サイクル図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる空気調和機のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる空気調和機における室内熱交換器温度により区分された圧縮機の運転周波数の制御ゾーンを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる空気調和機における圧縮機の運転周波数制御を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる空気調和機のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる空気調和機における室内熱交換器温度により区分された圧縮機の運転周波数の制御ゾーンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる空気調和機における圧縮機の運転周波数制御を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2 室外機、 4 室内機、 6 容量可変型圧縮機、 8 四方弁、 10室外熱交換器、 12 室内熱交換器、 14 冷媒液側主管、 16 冷媒ガス側主管、 18 冷媒吐出管、 20 冷媒吸入管、 22 バイパス管路、 24 電磁弁、 26 電動冷媒膨張弁、 28 室外送風機、 30 室外温度センサ、 32 室内送風機、 34 室内温度センサ、 36 室内熱交換器温度センサ、 38 運転モード設定回路、 40 制御装置、 42 室外温度記憶ユニット、 44 室内温度記憶ユニット、 46 室内熱交換器温度記憶ユニット、 48 運転モード記憶ユニット、 50 運転モード切換スイッチ、 52 室内温度設定スイッチ、 54 運転停止スイッチ、 55a,55B、55c 室内熱交換器判定値記憶ユニット、 56 上限運転周波数記憶ユニット、 57 下限運転周波数記憶ユニット、 58 サンプリング時間記憶ユニット、 60 判定装置、 62 出力リレー回路。
Claims (2)
- 容量可変型圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを有する室外機と、室内熱交換器を有する室内機とを冷媒配管により接続し、該冷媒配管の一部に弁開度が制御可能な電動膨張弁を設けて冷凍サイクルを構成する空気調和機であって、
前記圧縮機の冷媒吐出管と冷媒吸入管とをバイパスするバイパス管路と、該バイパス管路に取り付けられた電磁弁とを有し、前記室外機に室外温度を検知する室外温度検知手段を設ける一方、前記室内機に室内温度を検知する室内温度検知手段と前記室内熱交換器の温度を検知する室内熱交換器温度検知手段とを設け、前記圧縮機及び前記電動膨張弁を制御する制御装置に室内熱交換器温度の判定値を記憶する室内熱交換器判定値記憶手段と前記圧縮機の運転周波数の下限設定値を記憶する下限運転周波数記憶手段を設け、前記室外温度検知手段と前記室内温度検知手段と前記室内熱交換器温度検知手段からの信号に基いて前記制御装置により前記圧縮機の運転周波数と前記電動膨張弁の開度を制御し、前記室内熱交換器判定値記憶手段に前記室内機に露付きを生じる限界温度を設定し、前記室内熱交換器温度検知手段の検知温度が前記露付き限界温度を下回ると前記圧縮機の運転周波数を所定量減少させ、前記圧縮機の運転周波数が前記下限運転周波数記憶手段に記憶された下限設定値まで減少すると、前記室内熱交換器判定値記憶手段に記憶された復帰設定温度に達するまで前記バイパス管路に取り付けられた前記電磁弁を開制御するようにしたことを特徴とする空気調和機。 - 前記圧縮機の運転開始時の運転周波数よりも低く前記下限設定値よりも高い上限設定値を記憶する上限運転周波数記憶手段を前記制御装置にさらに設けるとともに、前記復帰設定温度よりも低く前記露付き限界温度よりも高い別の復帰設定温度を前記室内熱交換器判定値記憶手段に設定し、前記電磁弁の開制御により室内熱交換器温度が前記別の復帰設定温度に達すると、前記電磁弁を開放したまま前記上限設定値に達するまで前記圧縮機の運転周波数を上昇するように制御することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
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