JP2012121426A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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JP2012121426A JP2010273105A JP2010273105A JP2012121426A JP 2012121426 A JP2012121426 A JP 2012121426A JP 2010273105 A JP2010273105 A JP 2010273105A JP 2010273105 A JP2010273105 A JP 2010273105A JP 2012121426 A JP2012121426 A JP 2012121426A
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Yasuo Mitarai
康男 御手洗
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Abstract

【課題】耐久性に優れた空気入りタイヤ82の提供。
【解決手段】タイヤ82は、トレッド4、ウイング6、サイドウォール8、クリンチ部10、ビード12、カーカス14、支持層16、ベルト18、バンド20、インナーライナー22及びチェーファー24を備えている。車輌に装着されたときにこの車輌の幅方向内側となるサイドウォール8には、フィン62が形成されている。車輌に装着されたときにこの車輌の幅方向外側となるサイドウォール8には、フィン62が形成されていない。ビード12の半径方向外側端52のベースラインBLからの高さHaの、最大幅位置P100のベースラインからの高さHbに対する比率は、80%以上110%以下である。ピンプル84が形成されたゾーンの半径方向の幅の、高さHaに対する比率は、60%以上120%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ランフラットタイヤに関する。詳細には、本発明は、ランフラットタイヤのサイド面の改良に関する。
タイヤのプロファイル(凹凸がないと仮定されたときのトレッドからサイドウォールまでの表面形状)は、操縦安定性、乗り心地等のタイヤの基本性能を左右する。タイヤのコンセプトに応じ、適正なプロファイルが決定される必要がある。特開平8−337101号公報には、関数が用いられたプロファイルの決定方法が開示されている。この方法によって決定されたプロファイルでは、赤道面から軸方向外側に向かって、その曲率半径が徐々に減少する。このプロファイルは、CTTプロファイルと称されている。CTTプロファイルの採用により、タイヤの諸性能が高められうる。
近年、サイドウォールの内側に荷重支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。この支持層には、高硬度な架橋ゴムが用いられている。このランフラットタイヤは、サイド補強タイプと称されている。このタイプのランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層によって荷重が支えられる。この支持層は、パンク状態でのタイヤの撓みを抑制する。パンク状態で走行が継続されても、高硬度な架橋ゴムが、支持層での発熱を抑制する。このランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このランフラットタイヤが装着された自動車には、スペアタイヤの常備は不要である。このランフラットタイヤの採用により、不便な場所でのタイヤ交換が避けられうる。
パンク状態にあるランフラットタイヤの走行が継続されると、支持層の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより支持層で熱が生じ、タイヤが高温に達する。この熱は、タイヤを構成するゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離を招来する。破損及び剥離が生じたタイヤでは、走行は不可能である。パンク状態での長時間の走行が可能なランフラットタイヤが、望まれている。換言すれば、熱に起因する破損及び剥離が生じにくいランフラットタイヤが、望まれている。
国際公開WO2008/114668公報には、サイドウォールの表面にフィンを備えたランフラットタイヤが開示されている。このサイドウォールの表面積は、大きい。従って、このタイヤの大気との接触面積は、大きい。大きな接触面積により、タイヤから大気への放熱が促進される。このタイヤは、昇温しにくい。
特開2006−137247公報には、ビードフィラーとサイド補強ゴム層とを備えたランフラットタイヤが開示されている。このタイヤでは、サイド補強ゴム層の半径方向内側端の高さは、ビードフィラーの半径方向外端までの高さの40〜55%である。
特開平8−337101号公報 国際公開WO2008/114668公報 特開2006−137247公報
国際公開WO2008/114668公報に開示されたランフラットタイヤでは、フィンに起因する空気抵抗が発生する。この空気抵抗は、燃費を悪化させる。このタイヤでは、フィンにおいて風切り音が生じる。このタイヤは、静寂性に劣る。フィンはさらに、タイヤのサイド面のデザインを制約する。
特開2006−137247公報に開示されたタイヤでは、パンク状態での耐久性に改善の余地がある。
本発明の目的は、静寂性、デザイン性及びパンク状態での耐久性に優れ、しかも空気抵抗が小さいランフラットタイヤの提供にある。
本発明に係るランフラットタイヤは、
(1)その外面がトレッド面をなすトレッド、
(2)それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール、
(3)それぞれがこのサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビード、
(4)上記トレッド及びサイドウォールに沿っており、両ビードの間に架け渡されたカーカス、
(5)半径方向において、トレッドの内側でかつカーカスの外側に位置する補強層、
及び
(6)それぞれがサイドウォールの軸方向内側に位置する一対の荷重支持層
を備える。このタイヤは、その一対のサイド面のうち、車輌に装着されたときにこの車輌の幅方向内側となるサイド面に、多数の突起を有する。
好ましくは、突起はフィン又はピンプルである。
好ましくは、ビードの半径方向外側端のベースラインからの高さHaの、最大幅位置のベースラインからの高さHbに対する比率は、80%以上110%以下である。
好ましくは、突起が形成されたゾーンの半径方向の幅Wの、ビードの半径方向外側端のベースラインからの高さHaに対する比率は、60%以上120%以下である。
トレッド面の中心点TCから、この中心点TCからの軸方向距離がタイヤの半分の幅の90%である点P90までのプロファイルが、複数の円弧によって形成されてもよい。それぞれの円弧は、これに隣接する円弧と接する。それぞれの円弧の曲率半径は、これよりも軸方向内側の円弧の曲率半径よりも小さい。このプロファイルは、下記数式(1)から(4)を満たす。
0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高さを表し、Y60、Y75、Y90及びY100はそれぞれ中心点TCと点P60、点P75、点P90及び点P100との半径方向距離を表す。点P60、点P75、点P90及び点P100は、それぞれ中心点TCからの軸方向距離がタイヤの半分の幅の60%、75%、90%及び100%であるプロファイル上の点である。
本発明に係る自動車は、車輌と、この車輌に装着されたランフラットタイヤとからなる。このタイヤは、車輌の幅方向において、外側に位置する表側サイド面と内側に位置する裏側サイド面とを備える。この裏側サイド面は、多数の突起を有する。
本発明に係るランフラットタイヤでは、突起により、サイド面の大きな表面積が達成される。大きな表面積は、タイヤから大気への放熱を促進する。この突起はさらに、タイヤの周囲に乱流を発生させる。この乱流により、タイヤから大気への放熱が促進される。このタイヤは、昇温しにくい。このタイヤでは、熱に起因するゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離が生じにくい。このタイヤは、耐久性に優れる。
このタイヤでは、車輌に装着されたときにこの車輌の幅方向外側となるサイド面(以下「表側サイド面」と称される)に、突起が存在しない。従って、この表側サイド面のデザインの自由度は高い。車輌の幅方向内側となるサイド面(以下「裏側サイド面」と称される)には突起が存在するので、この裏側サイド面のデザインの自由度は低い。しかし、裏側サイド面は車輌のボディに隠れているので、この突起がタイヤの外観を損なうことはない。
このタイヤでは、表側サイド面に突起が存在しないので、この表側サイド面では突起に起因する空気抵抗が発生しない。このタイヤは、低燃費に寄与しうる。表側サイド面では、突起に起因する風切り音が生じない。このタイヤは、静寂性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係るランフラットタイヤの一部が車輌のボディと共に示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が車輌のボディと共に示された断面図である。 図3は、図1のタイヤの裏側サイド面の一部が示された正面図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った拡大断面図である。 図5は、図1のタイヤの一部が示された断面図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係るランフラットタイヤの一部が車輌のボディと共に示された断面図である。 図7は、図6のタイヤの一部が車輌のボディと共に示された断面図である。 図8は、図6のタイヤの裏側サイド面の一部が示された正面図である。 図9は、図8の裏側サイド面の一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び2には、自動車の車輌のボディBと共に、ランフラットタイヤ2が示されている。図1及び2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。左右方向は、車輌の幅方向でもある。右側は車輌の幅方向内側であり、左側は車輌の幅方向外側である。図1及び2において、一点鎖線Eqはタイヤ2の赤道面を表わす。図1において、矢印HはベースラインBL(後に詳説)からのタイヤ2の高さを表す。
このタイヤ2は、トレッド4、ウイング6、サイドウォール8、クリンチ部10、ビード12、カーカス14、荷重支持層16、ベルト18、バンド20、インナーライナー22及びチェーファー24を備えている。ベルト18及びバンド20は、補強層を構成している。ベルト18のみから、補強層が構成されてもよい。バンド20のみから、補強層が構成されてもよい。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド面26には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、キャップ層30とベース層32とを有している。キャップ層30は、架橋ゴムからなる。ベース層32は、他の架橋ゴムからなる。キャップ層30は、ベース層32の半径方向外側に位置している。キャップ層30は、ベース層32に積層されている。
サイドウォール8は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8は、架橋ゴムからなる。サイドウォール8は、カーカス14の外傷を防止する。サイドウォール8は、リブ34を備えている。リブ34は、軸方向外側に向かって突出している。パンク状態での走行のとき、このリブ34がリムのフランジ36と当接する。この当接により、ビード12の変形が抑制されうる。変形が抑制されたタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。
クリンチ部10は、サイドウォール8の半径方向略内側に位置している。クリンチ部10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。クリンチ部10は、リムのフランジ36と当接している。
ビード12は、サイドウォール8の半径方向内側に位置している。ビード12は、コア38と、このコア38から半径方向外向きに延びるエイペックス40とを備えている。コア38はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス40は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。
図1において矢印Haで示されているのは、ベースラインBLからのエイペックス40の高さである。換言すれば、高さHaは、ビードの半径方向外側端の、ベースラインからの高さである。このベースラインBLは、コア38の、半径方向における最も内側地点を通過する。このベースラインBLは、軸方向に延びる。タイヤ2の高さHに対するエイペックス40の高さHaの比(Ha/H)は、0.1以上0.7以下が好ましい。比(Ha/H)が0.1以上であるエイペックス40は、パンク状態において車重を支持しうる。このエイペックス40は、パンク状態でのタイヤ2の耐久性に寄与する。この観点から、比(Ha/H)は0.2以上がより好ましい。比(Ha/H)が0.7以下であるタイヤ2は、乗り心地性に優れる。この観点から、比(Ha/H)は0.6以下がより好ましい。
図1において矢印Hbで示されているのは、ベースラインBLからの最大幅Wの位置P100(後に詳説)の高さである。高さHbに対する、高さHaの比率は、80%以上が好ましい。この比率が80%以上であるタイヤ2のサイド部の剛性は、大きい。このタイヤ2では、パンク時のサイド部の、リムフランジを支点とした変形(逆の円弧形状への変形)が抑制される。このタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。この観点から、この比率は85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。通常状態(正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態)での乗り心地の観点から、この比率は110%以下が好ましい。
カーカス14は、カーカスプライ42からなる。カーカスプライ42は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール8に沿っている。カーカスプライ42は、コア38の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ42には、主部44と折り返し部46とが形成されている。折り返し部46の端48は、ベルト18の直下にまで至っている。換言すれば、折り返し部46はベルト18とオーバーラップしている。このカーカス14は、いわゆる「超ハイターンアップ構造」を有する。超ハイターンアップ構造を有するカーカス14は、パンク状態におけるタイヤ2の耐久性に寄与する。
カーカスプライ42は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、45°から90°、さらには75°から90°である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
荷重支持層16は、サイドウォール8の軸方向内側に位置している。この支持層16は、カーカス14とインナーライナー22とに挟まれている。支持層16は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層16は、三日月に類似の形状である。支持層16は、高硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンクしたとき、この支持層16が荷重を支える。この支持層16により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このランフラットタイヤ2は、サイド補強タイプである。タイヤ2が、図1及び2に示された支持層16の形状とは異なる形状を有する支持層を備えてもよい。
カーカス14のうち、支持層16とオーバーラップしている部分は、インナーライナー22と離れている。換言すれば、支持層16の存在により、カーカス14は湾曲されられている。パンク状態のとき、支持層16には圧縮荷重がかかり、カーカス14のうち支持層16と近接している領域には引張り荷重がかかる。支持層16はゴム塊なので、圧縮荷重に十分に耐えうる。カーカス14のコードは、引張り荷重に十分に耐えうる。支持層16とカーカスコードとにより、パンク状態でのタイヤ2の縦撓みが抑制される。縦撓みが抑制されたタイヤ2は、パンク状態での操縦安定性に優れる。
パンク状態での縦歪みの抑制の観点から、支持層16の硬度は60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常状態の乗り心地性の観点から、硬度は90以下が好ましく、80以下がより好ましい。硬度は、「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1及び2に示された断面にこのデュロメータが押し付けられ、硬度が測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。
支持層16の下端50は、エイペックス40の上端52(すなわちビードの半径方向外側端)よりも、半径方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16はエイペックス40とオーバーラップしている。図1において矢印L1で示されているのは、支持層16の下端50とエイペックス40の上端52との半径方向距離である。距離L1は、5mm以上50mm以下が好ましい。距離L1がこの範囲であるタイヤ2では、均一な剛性分布が得られる。距離L1は10mm以上がより好ましい。距離L1は40mm以下がより好ましい。
支持層16の上端54は、ベルト18の端56よりも軸方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16はベルト18とオーバーラップしている。図1において矢印L2で示されているのは、支持層16の上端54とベルト18の端56との軸方向距離である。距離L2は、2mm以上50mm以下が好ましい。距離L2がこの範囲であるタイヤ2では、均一な剛性分布が得られる。距離L2は5mm以上がより好ましい。距離L1は40mm以下がより好ましい。
パンク状態での縦歪みの抑制の観点から、支持層16の最大厚みは3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。タイヤ2の軽量の観点から、最大厚みは、25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。
ベルト18は、カーカス14の半径方向外側に位置している。ベルト18は、カーカス14と積層されている。ベルト18は、カーカス14を補強する。ベルト18は、内側層58及び外側層60からなる。図1及び2から明らかなように、内側層58の幅は、外側層60の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層58及び外側層60のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層58のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層60のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅W(後に詳説)の0.85倍以上1.0倍以下が好ましい。ベルト18が、3以上の層を備えてもよい。
バンド20は、ベルト18を覆っている。図示されていないが、このバンド20は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド20は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト18が拘束されるので、ベルト18のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
タイヤ2が、バンド20に代えて、ベルト18の端56の近傍のみを覆うエッジバンドを備えてもよい。タイヤ2が、バンド20と共に、エッジバンドを備えてもよい。
インナーライナー22は、カーカス14の内周面に接合されている。インナーライナー22は、架橋ゴムからなる。インナーライナー22には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー22は、タイヤ2の内圧を保持する。
図1に示されるように、このタイヤ2は、その裏側サイド面に多数の突起(フィン62)を備えている。図2に示されるように、このタイヤ2は、その表側サイド面にはフィン62を備えていない。本発明においてサイド面とは、タイヤ2の外面のうち軸方向から目視されうる領域を意味する。典型的には、フィン62は、裏側サイド面のサイドウォール8の表面に形成される。
図3は、図1のタイヤ2の裏側サイド面が示された正面図である。多数のフィン62が、この裏側サイド面のサイドウォール8の表面に存在している。これらのフィン62は、仮想線F1と仮想線F2とに囲まれたゾーンに存在している。図3において矢印Wで示されているのは、仮想線F1と仮想線F2との半径方向距離である。換言すれば、矢印Wで示されているのは、フィン62が存在するゾーンの半径方向幅である。図3において矢印Tで示されているのは、フィン62の厚みである。
本実施形態では、フィン62は、半径方向に延在している。フィン62が、半径方向に対して傾斜してもよい。
図4は、図3のIV−IV線に沿った拡大断面図である。図4には、サイドウォール8とフィン62とが示されている。図4から明らかなように、フィン62はサイドウォール8から突出している。フィン62は、サイドウォール8と一体的に形成されている。フィン62は、4つの側面64(図3参照)と、1つの上面66とを備えている。図4において矢印Hfで示されているのは、フィン62の高さである。
フィン62を有するサイド面の表面積は、フィン62がないと仮定されたときのサイド面の表面積よりも大きい。このタイヤ2の大気との接触面積は、大きい。大きな接触面積により、タイヤ2から大気への放熱が促進される。フィン62はさらに、タイヤ2の周囲に乱流を発生させる。この乱流により、タイヤ2から大気への放熱が促進される。
パンク状態においてタイヤ2の走行が継続されると、支持層16の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより、支持層16で熱が生じる。前述の通り、フィン62によって熱の大気への放出が促進される。このタイヤ2では、熱によるゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離が抑制される。このタイヤ2は、パンク状態での長時間の走行が可能である。フィン62は、パンク状態のみならず、通常状態での放熱にも寄与する。フィン62は、通常状態でのタイヤ2の耐久性にも寄与する。運転者の不注意により、内圧が正規値よりも小さい状態で走行がなされることがある。この場合の耐久性にも、フィン62は寄与しうる。
放熱効率の観点から、幅W(図3参照)の高さHa(図1参照)に対する比率は、60%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。製造容易の観点から、この比率は120%以下が好ましい。
放熱効率の観点から、ビード12の半径方向外側端52が、半径方向において、仮想線F1及びF2(図3参照)の間に位置することが好ましい。理想的には、この外側端52は、半径方向において、仮想線F1及びF2の中間地点に位置する。
このタイヤ2では、フィン62によって昇温が抑制されるので、支持層16が薄くても、パンク状態での長時間の走行が可能である。薄い支持層16により、タイヤ2の軽量が達成される。薄い支持層16により、転がり抵抗が抑制される。軽量でかつ転がり抵抗が小さなタイヤ2は、車輌の低燃費に寄与する。さらに、薄い支持層16により、優れた乗り心地も達成される。
本発明者が、サイド補強タイプのランフラットタイヤの、パンク状態での走行のときのキャンバー角を調査したところ、いわゆるネガティブキャンバーであることが判明した。このネガティブキャンバーに起因して、走行時の裏側サイド面の温度は、表側サイド面の温度よりも高いことが判明した。本発明者が、走行後のタイヤを観察したところ、裏側サイド面の支持層に破損が生じており、表側サイド面の支持層には破損が生じていなかった。これらの知見に基づき、本発明者は、裏側サイド面にのみフィン62が存在するランフラットタイヤ2を想到した。このタイヤ2では、フィン62が裏側サイド面の昇温を抑制する。表側サイド面にはフィン62による昇温抑制効果は得られないが、表側サイド面の昇温の程度は元来小さいので、タイヤ2の破損は生じにくい。
サイド面には、ブランド、サイズ等が表示される。表側サイド面にはフィン62が存在しないので、このフィン62の制約を受けることなく、ブランド、サイズ等が表示されうる。表側サイド面では、フィン62に起因する外観阻害が生じない。裏側サイド面は視認されないので、この裏側サイド面のフィン62がタイヤ2の外観に悪影響を与えることはない。
表側サイド面にはフィン62が存在しないので、このタイヤ2の空気抵抗は低い。このタイヤ2により、車輌の低燃費が達成されうる。しかも、表側サイド面にはフィン62が存在しないので、このタイヤ2の風切り音は小さい。このタイヤ2は、静寂性に優れている。
フィン62の強度の観点から、フィン62の厚みT(図3参照)は1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上が特に好ましい。タイヤ2の軽量の観点から、この厚みTは10mm以下が好ましく、5mm以下が特に好ましい。
放熱促進の観点から、フィン62の高さHfは0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。軽量の観点から、この高さHfは5mm以下が好ましく、3mm以下が特に好ましい。
本発明においてフィン62の占有率Yは、下記数式によって算出される。
Y = (S1 / S2) * 100
この数式において、S1は基準領域に含まれる表面のうちフィン62が形成されている部分の面積であり、S2はフィン62がないと仮定されたときの基準領域の表面積である。基準領域は、サイド面のうち、ベースラインBLからの高さがタイヤ2高さHの20%以上80%以下である領域である。占有率Yは、10%以上85%以下が好ましい。占有率Yが10%以上であるタイヤ2では、十分な放熱がなされる。この観点から、占有率Yは30%以上がより好ましく、40%以上が特に好ましい。占有率Yが85%以下であるタイヤ2は、軽量である。この観点から、占有率Yは80%以下がより好ましく、75%以下が特に好ましい。
隣接するフィン62同士の間隔は、5mm以上60mm以下が好ましい。間隔が5mm以上であるタイヤ2は、軽量である。この観点から、間隔は10mm以上がより好ましく、15mm以上が特に好ましい。間隔が60mm以下であるタイヤ2では、十分な放熱がなされる。この観点から、間隔は50mm以下がより好ましく、40mm以下が特に好ましい。
裏側サイド面と共に、表側サイド面がフィン62を有してもよい。この場合、表側サイド面のフィン62の数は、裏側サイド面のそれよりも少なく設定される。表側サイド面のフィン62の数N1の、裏側サイド面のフィン62の数N2に対する比率は、70%以下が好ましく、50%以下が好ましく、30%以下が特に好ましい。理想的には、この比率は0%である。図1から4に示されたタイヤ2では、この比率は0%である。
裏側サイド面と共に、表側サイド面がフィン62を有する場合に、表側サイド面の占有率数は、裏側サイド面のそれよりも小さく設定される。表側サイド面の占有率Y1の、裏側サイド面の占有率Y2に対する比率は、70%以下が好ましく、50%以下が好ましく、30%以下が特に好ましい。理想的には、この比率は0%である。図1から4に示されたタイヤ2では、この比率は0%である。
図5は、図1のタイヤ2の一部が示された断面図である。図5には、トレッド4、ウイング6及びサイドウォール8が示されている。トレッド4からウイング6を経てサイドウォール8に至る表面の形状は、プロファイルと称される。プロファイルは、溝28、フィン62等の凹凸がないと仮定されて決定される。図5において矢印W/2で示されているのは、タイヤ2の最大幅Wの半分である。最大幅Wは、リブ34(図1参照)を除いて、軸方向で最も外側にある点P100が基準とされて決定される。プロファイルは、中心点TCから点P100に至っている。図5において、点P60、点P75及び点P90は、それぞれ、点TCからの軸方向距離がタイヤ2の半分の幅(W/2)の60%、75%及び90%であるプロファイル上の点を表す。
このタイヤ2は、CTTプロファイルを有している。このCTTプロファイルでは、中心点TCから点P90の間において、その曲率半径が徐々に減少している。CTTプロファイルは、典型的には、インボリュート曲線に基づいて決定される。CTTプロファイルが、インボリュート曲線に近似された多数の円弧から構成される部位を備えてもよい。図5に示されたタイヤ2では、中心点TCから点P90の間において、プロファイルが、インボリュート曲線に近似された多数の円弧から構成されている。円弧の数は3以上が好ましく、5以上がより好ましい。他の関数曲線に依拠して、CTTプロファイルが決定されてもよい。
CTTプロファイルが、関数曲線に近似された多数の円弧を備える場合、それぞれの円弧は、これに隣接する円弧と接する。それぞれの円弧の曲率半径は、これよりも軸方向内側にある円弧の曲率半径よりも小さい。
図5において、Y60は点TCと点P60との半径方向距離を表し、Y75は点TCと点P75との半径方向距離を表し、Y90は点TCと点P90との半径方向距離を表し、Y100は点TCと点P100との半径方向距離を表す。このCTTプロファイルは、下記数式(1)から(4)を満たす。
0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
このCTTプロファイルは、タイヤ2の諸性能に寄与する。このプロファイルでは、タイヤ2に正規荷重の80%が付加されたときの接地幅は、タイヤ2の最大幅Wの0.50倍以上0.65倍以下である。
CTTプロファイルを備えたタイヤ2では、接地面の適正な形状が得られる。この接地面により、優れた乗り心地性が得られる。CTTプロファイルを備えたタイヤ2では、通常状態での走行時に繰り返される支持層16の変形が、大きい。このタイヤ2では、熱が生じやすい。このタイヤ2において、フィン62による放熱が特に顕著な効果を発揮する。
CTTプロファイルを備えたタイヤ2では、トレッド4のショルダー近傍と、車軸との距離が小さい。このタイヤ2のボリュームは、小さい。CTTプロファイルにより、タイヤ2の軽量が達成されうる。
フィン62は、種々のサイズのタイヤにおいてその効果を発揮する。乗用車タイヤの場合、幅が100mm以上350mm以下であり、偏平率が30%以上100%以下であり、リム径が10インチ以上25インチ以下である場合において、上記フィン62は効果を発揮する。
このタイヤ2の製造では、複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未架橋タイヤ)が得られる。このローカバーが、モールドに投入される。ローカバーの外面は、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ2が得られる。そのキャビティ面に溝を有するモールドが用いられることにより、タイヤ2にフィン62が形成される。フィン62の形状は、溝の形状が反転した形状である。
裏側サイド面が、フィン62に代えて、又はフィン62と共に、他の突起を備えてもよい。他の突起としては、ピンプル、円柱状突起、角柱状突起、円錐状突起、角錐状突起、円錐台状突起及び角錐台状突起が例示される。
このタイヤ2は、フィン62を有するサイド面が裏となるように、自動車に装着される。ローテーションによって、自動車の右側に装着されていたタイヤ2がその左側に装着される場合、タイヤ2の回転方向が逆となる。
タイヤの各部位の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤに空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤには荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。但し、乗用車タイヤの場合、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
図6及び7には、本発明の他の実施形態に係るランフラットタイヤ82が自動車の車輌のボディBと共に示されている。図6及び7において左右方向は、車輌の幅方向である。右側は車輌の幅方向内側であり、左側は車輌の幅方向外側である。図6に示されるように、このタイヤ82は、その裏側サイド面に多数の突起(ピンプル84)を備えている。図7に示されるように、このタイヤ82は、その表側サイド面にはピンプル84を備えていない。フィン62に代えてピンプル84を備えていることを除き、このタイヤ82の構造は、図1及び2に示されたタイヤ2の構造と同等である。
図8は、図6のタイヤ82の裏側サイド面が示された正面図である。多数のピンプル84が、この裏側サイド面のサイドウォール8の表面に存在している。これらのピンプル84は、仮想線F1と仮想線F2とに囲まれたゾーンに存在している。図8において矢印Wで示されているのは、仮想線F1と仮想線F2との半径方向距離である。換言すれば、矢印Wで示されているのは、ピンプル84が存在するゾーンの半径方向幅である。
それぞれのピンプル84の表面形状は、円である。本発明において表面形状とは、ピンプル84が無限遠から見られたときのピンプル84の輪郭の形状を意味する。同様のピンプル84がクリンチ部10にも形成されてもよい。
図9には、サイドウォール8とピンプル84とが示されている。図9から明らかなように、ピンプル84はサイドウォール8から突出している。ピンプル84は、サイドウォール8と一体的に形成されている。ピンプル84は、球の一部の形状を有する。
図9において、矢印Hpで示されているのはピンプル84の高さであり、矢印Diで示されているのはピンプル84の直径である。高さHpは、0.1mm以上7mm以下が好ましい。直径Diは、2mm以上70mm以下が好ましい。
ピンプル84を有するサイド面の表面積は、ピンプル84がないと仮定されたときのサイド面の表面積よりも大きい。このタイヤ82の大気との接触面積は、大きい。大きな接触面積により、タイヤ82から大気への放熱が促進される。ピンプル84はさらに、タイヤ82の周囲に乱流を発生させる。この乱流により、タイヤ82から大気への放熱が促進される。
パンク状態においてタイヤ82の走行が継続されると、支持層16の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより、支持層16で熱が生じる。前述の通り、ピンプル84によって熱の大気への放出が促進される。このタイヤ82では、熱によるゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離が抑制される。このタイヤ82は、パンク状態での長時間の走行が可能である。ピンプル84は、パンク状態のみならず、通常状態での放熱にも寄与する。ピンプル84は、通常状態でのタイヤ82の耐久性にも寄与する。運転者の不注意により、内圧が正規値よりも小さい状態で走行がなされることがある。この場合の耐久性にも、ピンプル84は寄与しうる。
放熱効率の観点から、幅W(図8参照)の高さHa(図6参照)に対する比率は、60%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。製造容易の観点から、この比率は120%以下が好ましい。
放熱効率の観点から、ビード12の半径方向外側端52が、半径方向において、仮想線F1及びF2(図3参照)の間に位置することが好ましい。理想的には、この外側端52は、半径方向において、仮想線F1及びF2の中間地点に位置する。
このタイヤ82では、ピンプル84によって昇温が抑制されるので、支持層16が薄くても、パンク状態での長時間の走行が可能である。薄い支持層16により、タイヤ82の軽量が達成される。薄い支持層16により、転がり抵抗が抑制される。軽量でかつ転がり抵抗が小さなタイヤ82は、車輌の低燃費に寄与する。さらに、薄い支持層16により、優れた乗り心地も達成される。
このタイヤ82では、ピンプル84が裏側サイド面の昇温を抑制する。表側サイド面にはピンプル84による昇温抑制効果は得られないが、表側サイド面の昇温の程度は元来小さいので、タイヤ82の破損は生じにくい。
サイド面には、ブランド、サイズ等が表示される。表側サイド面にはピンプル84が存在しないので、このピンプル84の制約を受けることなく、ブランド、サイズ等が表示されうる。表側サイド面では、ピンプル84に起因する外観阻害が生じない。裏側サイド面は視認されないので、この裏側サイド面のピンプル84がタイヤ82の外観に悪影響を与えることはない。
表側サイド面にはピンプル84が存在しないので、このタイヤ82の空気抵抗は低い。このタイヤ82により、車輌の低燃費が達成されうる。しかも、表側サイド面にはピンプル84が存在しないので、このタイヤ82の風切り音は小さい。このタイヤ82は、静寂性に優れている。
ピンプル84の占有率Yは、10%以上85%以下が好ましい。占有率Yが10%以上であるタイヤ82では、十分な放熱がなされる。この観点から、占有率Yは30%以上がより好ましく、40%以上が特に好ましい。占有率Yが85%以下であるタイヤ82は、軽量である。この観点から、占有率Yは80%以下がより好ましく、75%以下が特に好ましい。
隣接するピンプル84同士の間隔は、20mm以下が好ましい。間隔が20mm以下であるタイヤ82では、多数の箇所で乱流が発生しうる。この観点から、間隔は15mm以下がより好ましく、10mm以下が特に好ましい。間隔がゼロでもよい。
裏側サイド面と共に、表側サイド面がピンプル84を有してもよい。この場合、表側サイド面のピンプル84の数は、裏側サイド面のそれよりも少なく設定される。表側サイド面のピンプル84の数N1の、裏側サイド面のピンプル84の数N2に対する比率は、70%以下が好ましく、50%以下が好ましく、30%以下が特に好ましい。理想的には、この比率は0%である。図6から9に示されたタイヤ2では、この比率は0%である。
裏側サイド面と共に、表側サイド面がピンプル84を有する場合に、表側サイド面の占有率数は、裏側サイド面のそれよりも小さく設定される。表側サイド面の占有率Y1の、裏側サイド面の占有率Y2に対する比率は、70%以下が好ましく、50%以下が好ましく、30%以下が特に好ましい。理想的には、この比率は0%である。図6から9に示されたタイヤ2では、この比率は0%である。
裏側サイド面が、ピンプル84に代えて、又はピンプル84と共に、他の突起を備えてもよい。他の突起としては、フィン、円柱状突起、角柱状突起、円錐状突起、角錐状突起、円錐台状突起及び角錐台状突起が例示される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1から5に示されたランフラットタイヤを製作した。このタイヤの仕様は、以下の通りである。
サイズ:235/55R18 99H
ビードの半径方向外側端の高さHa:62mm
最大幅Wの位置P100の高さHb:62mm
フィンが形成されたゾーンの幅W:62mm
このタイヤは、表側サイド面にフィンを備えておらず、裏側サイド面にフィンを備えている。フィンの仕様は、下記の通りである。
厚みT:2mm
高さHf:3.0mm
フィンの総数:72
このタイヤは、CTTプロファイルを備えている。このプロファイルの仕様は、下記の通りである。
60/H:0.06
75/H:0.12
90/H:0.22
100/H:0.41
[実施例2]
プロファイルをノーマルタイプとした他は実施例1と同様にして、実施例2のタイヤを得た。このプロファイルの仕様は、下記の通りである。
60/H:0.03
75/H:0.09
90/H:0.24
100/H:0.47
[実施例3]
フィンに代えてピンプルを設けた他は実施例1と同様にして、実施例3のタイヤを得た。ピンプルの仕様は、下記の通りである。
直径Di:8mm
高さHp:2.0mm
ピンプルの総数:100
[比較例1及び2]
フィンを形成しなかった他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。フィンを形成しなかった他は実施例2と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[比較例3−6]
表側サイド面にフィンを形成し、裏側サイド面にフィンを形成しなかった他は実施例1と同様にして、比較例3のタイヤを得た。表側サイド面及び裏側サイド面にフィンを形成した他は実施例1と同様にして、比較例4のタイヤを得た。表側サイド面にピンプルを形成し、裏側サイド面にピンプルを形成しなかった他は実施例1と同様にして、比較例5のタイヤを得た。表側サイド面及び裏側サイド面にピンプルを形成した他は実施例1と同様にして、比較例6のタイヤを得た。
[実施例4から7]
幅Wを下記表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4から7のタイヤを得た。
[実施例8から11]
高さHaを下記表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例8から11のタイヤを得た。
[質量]
タイヤの質量を測定した。この結果が、指数にて、下記表1−4に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[縦バネ定数]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が220kPaとなるように空気を充填した。このタイヤに、JATMA規格に規定された最大負荷荷重の80%の荷重を負荷し、縦バネ定数を測定した。この結果が、指数にて、下記表1−4に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[耐久性]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が220kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が4300ccであり、フロントエンジン−リアドライブの乗用車の左後のホイールに装着した。このタイヤのバルブコアを抜き取り、タイヤの内部を大気と連通させた。この乗用車の、左前、右前及び右後のホイールには、内圧が220kPaであるタイヤを装着した。ドライバーに、この乗用車を、テストコースで80km/hの速度で運転させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。この結果が、指数にて、下記の表1−4に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[風切り音]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が220kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が4300ccであり、フロントエンジン−リアドライブの乗用車に装着した。ドライバーに、この乗用車を、テストコースで80km/hの速度で運転させ、風切り音を評価させた。この結果が、指数にて、下記の表1−4に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[空気抵抗]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が220kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が4300ccであり、フロントエンジン−リアドライブの乗用車に装着した。この乗用車を惰行試験に供し、減速度を計測した。この結果が、指数にて、下記の表1−4に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[デザインの自由度]
表側サイド面のデザインの自由度につき、下記の基準に従って格付けした。
A:自由度が高い
B:自由度がやや低い
C:自由度が低い
この結果が、下記の表1−4に示されている。
Figure 2012121426
Figure 2012121426
Figure 2012121426
Figure 2012121426
表1−4に示されるように、各実施例のタイヤは、諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るランフラットタイヤは、種々の車輌に装着されうる。
2、82・・・タイヤ
4・・・トレッド
8・・・サイドウォール
10・・・クリンチ部
12・・・ビード
14・・・カーカス
16・・・支持層
18・・・ベルト
20・・・バンド
62・・・フィン
64・・・側面
66・・・上面
84・・・ピンプル

Claims (6)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッド、
    それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール、
    それぞれがこのサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビード、
    上記トレッド及びサイドウォールに沿っており、両ビードの間に架け渡されたカーカス、
    半径方向において、トレッドの内側でかつカーカスの外側に位置する補強層、
    及び
    それぞれがサイドウォールの軸方向内側に位置する一対の荷重支持層
    を備えており、
    その一対のサイド面のうち、車輌に装着されたときにこの車輌の幅方向内側となるサイド面に、多数の突起を有するランフラットタイヤ。
  2. 上記突起がフィン又はピンプルである請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記ビードの半径方向外側端のベースラインからの高さHaの、最大幅位置のベースラインからの高さHbに対する比率が、80%以上110%以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記突起が形成されたゾーンの半径方向の幅Wの、ビードの半径方向外側端のベースラインからの高さHaに対する比率が60%以上120%以下である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 上記トレッド面の中心点TCから、この中心点TCからの軸方向距離がタイヤの半分の幅の90%である点P90までのプロファイルが、複数の円弧によって形成されており、
    それぞれの円弧が、これに隣接する円弧と接しており、
    それぞれの円弧の曲率半径が、これよりも軸方向内側の円弧の曲率半径よりも小さく、 このプロファイルが、下記数式(1)から(4)を満たす請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
    0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
    0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
    0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
    0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
    (この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高さを表し、Y60、Y75、Y90及びY100はそれぞれ中心点TCと点P60、点P75、点P90及び点P100との半径方向距離を表す。点P60、点P75、点P90及び点P100は、それぞれ中心点TCからの軸方向距離がタイヤの半分の幅60%、75%、90%及び100%であるプロファイル上の点である。)
  6. 車輌と、この車輌に装着されたランフラットタイヤとからなり、
    このタイヤが、車輌の幅方向において、外側に位置する表側サイド面と内側に位置する裏側サイド面とを備えており、
    この裏側サイド面が多数の突起を有する自動車。
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