JP2012117997A - 洩れ検査装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検査空間6a内の気体を真空路20を介して真空源2にて真空引きする(真空引き工程)。好ましくは、次に検査空間6aの圧力を圧力センサ10にて検出する(真空引き後加圧工程前の検査工程)。次に、高圧気体源3から高圧気体を、加圧路30を介して上記真空引きされた検査空間6aに導入する(加圧工程)。その後、検査空間6aの圧力を圧力センサ10にて検出する(加圧工程後の検査工程)。
【選択図】図1
Description
検査対象物にて画成された検査空間と真空源とを接続する真空路と、
前記検査空間と高圧気体源とを接続する加圧路と、
前記検査空間の圧力を検出する圧力センサと、
前記真空路及び前記加圧路のうち何れか一方を選択的に開通し他方を遮断する動作と両方を遮断する動作を行なう開閉手段と、
を備え、前記開閉手段が前記真空路及び加圧路の両方を遮断している状態での前記圧力センサの検出圧力に基づいて前記検査空間の洩れを検査することを特徴とする。
前記加圧路を遮断した状態で前記真空路を開通させることで、前記検査空間内の気体を真空引きできる。その後、前記加圧路及び前記真空路の両方を遮断した状態で、前記検査対象物の洩れ検査を行なってもよい。その後、前記真空路を遮断した状態で前記加圧路を開通させることで、前記検査空間内に高圧気体を導入できる。更にその後、前記加圧路及び前記真空路の両方を遮断した状態にすることで、上述したように断熱圧縮を回避又は抑制しつつ、検査対象物の洩れ検査を行なうことができる。
前記真空引きされた検査空間に高圧気体を導入する加圧工程と、
前記真空引き工程の後であって前記加圧工程の前と後のうち少なくとも前記加圧工程の後に前記検査空間の圧力を検出する検査工程と、
を備えたことを特徴とする。
真空引き工程によって、検査空間内に元から存在する気体を排除することができる。そのうえで、加圧工程を行なうことによって、検査空間において断熱圧縮及び温度上昇が起きるのを回避又は抑制できる。したがって、加圧工程後の検査工程において、放熱による検出圧力への影響を防止又は低減できる。放熱期間が経過するのを待つ必要がなく、検査時間を短縮できる。
また、検査空間内が真空の状態では、伝熱による検出圧力への影響が小さい。したがって、真空引き工程後かつ加圧工程前に検査工程を行なうことにすれば、検査対象の温度が常温又は周辺温度とは異なっていても、安定した洩れ検査を行なうことができる。
図1は、本発明の第1実施形態の洩れ検査装置1を示したものである。洩れ検査装置1の検査対象物6は、特に限定がなく、例えばエンジンのシリンダブロック、燃料タンク等である。検査対象6は内部空間を有している。この内部空間が検査空間6aになっている。検査対象物6によって検査空間6aが画成されている。詳細な図示は省略するが、検査空間6aの開口部は冶具等によって閉塞されており、これによって、検査空間6aが密封されている。検査対象物6がカプセル内に収容されており、このカプセルの内周と検査対象物6の外周との間の空間が検査空間6aを構成していてもよい。
まず、検査空間6a内を真空引きする(真空引き工程)。好ましくは、真空引き工程後に検査空間6aの圧力を検出する(第1の検査工程)。次に、検査空間6aに圧縮空気等の高圧気体を導入する(加圧工程)。更にその後、検査空間6aの圧力を検出する(第2の検査工程)。以下、詳述する。
開閉弁43,44をオンとして閉止状態とし、加圧路30を遮断する。次いで、開閉弁41,42をオンとして開状態にし、真空路20を開通させて、真空源2によって基準空間5a及び検査空間6a内のガスを真空引きする。圧力計24によって基準空間5a及び検査空間6aの内部が真空状態になったことを確認後、開閉弁41,42をオフとして閉止状態とし、真空路20を遮断する。これによって、基準側の空間部7ひいては基準空間5aと、検査側の空間部8ひいては検査空間6aとが、互いに独立した閉鎖空間になる。このとき、空間部7,8内に存在していた気体は真空引き工程によって殆どが排除され、空間部7,8が真空状態になっている。
ここで、差圧センサ10の検出差圧を読み取る。検査対象物6が良品であれば、検査空間6aからの洩れが無く、基準空間5aと検査空間6aとの間(基準側空間部7と検査側空間部8との間)に差圧が発生しない。検査対象物6に欠損等があれば、そこから洩れが起きる。すなわち、外気が欠損部から検査空間6a内に流入する。したがって、検査空間6aの真空度が低下し、基準空間5aと検査空間6aとの間に差圧が発生する。この差圧を差圧センサ10で検知する。これによって、検査空間6aの洩れの有無を判定でき、ひいては検査対象物6の良否を判定できる。検査対象物6の温度が常温と異なっていても、検査空間6a内が真空状態であるため伝熱による検出圧力への影響が小さい。したがって、検査対象物6の温度が常温又は周辺温度とは異なっていても、検査対象物6の温度に拘わらず安定した洩れ検査を行なうことができる。
第1の検査工程の洩れ判定に利用できる圧力差は、大気圧と真空との差である。大気圧以上の圧力差により判定を行わなければならない場合には、引き続き以下の処理を行う。
方向制御弁46をオンにし、かつ開閉弁43,44をオフにして、加圧路30を開通させる。開閉弁41,42はオフのままにして、真空路20の遮断状態を維持する。これにより、高圧気体源3からの高圧気体が、レギュレータ34で試験圧力になり、更に基準側枝路32を通って基準側空間部7ひいては基準容器5に導入されるとともに、検査側枝路33を通って検査側空間部8ひいては検査対象物6に導入される。これによって、基準側の空間部7ひいては基準空間5aの内部圧力、及び検査側の空間部8ひいては検査空間6aの内部圧力が急速に立ち上がって試験圧力に達する。このとき、空間部7,8には気体が殆ど存在しないところへ高圧気体が導入されるから、空間部7,8内で断熱圧縮が起きるのを回避でき、断熱圧縮による温度上昇を防止できる。また、高圧気体源3からの高圧気体は空間部7,8への充填によって膨張するが、これに伴う圧力低下及び温度低下は僅かである。
上記開閉弁43,44の開操作後、空間部7,8の内部圧力が安定するまで所定時間待った後、開閉弁43,44をオンにして閉じる。これによって、基準側空間部7と検査側空間部8とが互いに独立した閉鎖空間になる。
続いて、差圧センサ10の検出差圧を読み取る。基準容器5と検査対象物6の温度等が同一条件で、かつ検査対象物6が良品で洩れがなければ、基準空間5aと検査空間6aとの間に差圧が発生せず、差圧センサ10の検出差圧はゼロである。検査対象物6に欠損等があってそこから洩れがあれば、検査空間6a内の圧力が基準空間5aの圧力より低下し、差圧が発生する。この差圧を差圧センサ10にて検知することによって、検査空間6aの洩れの有無を判定でき、ひいては検査対象物6の良否を判定できる。前述した通り、真空引き工程を行なったうえで加圧工程を行なうことで、断熱圧縮による温度上昇を防止できるから、安定した洩れ検査を行なうことができる。温度上昇後の放熱期間が経過するのを待つ必要がなく、検査に要する時間を短縮できる。
真空下での第1の検査工程と加圧下での第2の検査工程の両方の検査結果を考慮することによって、洩れ検査の精度を高めることができる。
図3に示すように、真空路20と加圧路30の路部分22c,32cどうしが直接連なり、これに基準側接続路7cを介して基準容器5が接続されていてもよい。真空路20と加圧路30の路部分23c,33cどうしが直接連なり、これに検査側接続路8cを介して検査対象物6が接続されていてもよい。
真空引き工程後かつ加圧工程前の第1検査工程を省略してもよい。圧力センサ10は、真空路20と加圧路30のうち少なくとも加圧路30の圧力を検出するものであればよい。
或いは、真空引き工程後かつ加圧工程前の第1検査工程だけで検査対象6を十分に洩れ判定可能な場合は、その後の加圧工程及び第2検査工程を省略してもよい。
2 真空源
3 高圧気体源
5 基準容器
5a 基準空間
6 検査対象物
6a 検査空間
7 基準側空間部
7c 基準側接続路
8 検査側空間部
8c 検査側接続路
9 連通空間
10 差圧センサ(圧力センサ)
11 ダイヤフラム
12 基準側センサ室
13 検査側センサ室
14 基準側センサ路
15 検査側センサ路
20 真空路
21 真空幹路
21a 基端コネクタ
22 基準側枝路
22c 路部分
23 検査側枝路
23c 路部分
24 圧力計
30 加圧路
31 加圧幹路
31a 基端コネクタ
32 基準側枝路
32c 路部分
33 検査側枝路
33c 路部分
34 レギュレータ(減圧弁)
35 圧力計
46 方向制御弁
39 圧力タンク
40 開閉手段
41 真空基準側開閉弁
42 真空検査側開閉弁
43 加圧基準側開閉弁
44 加圧検査側開閉弁
Claims (4)
- 検査対象物にて画成された検査空間と真空源とを接続する真空路と、
前記検査空間と高圧気体源とを接続する加圧路と、
前記検査空間の圧力を検出する圧力センサと、
前記真空路及び前記加圧路のうち何れか一方を選択的に開通し他方を遮断する動作と両方を遮断する動作を行なう開閉手段と、
を備え、前記開閉手段が前記真空路及び加圧路の両方を遮断している状態での前記圧力センサの検出圧力に基づいて前記検査空間の洩れを検査することを特徴とする洩れ検査装置。 - 前記開閉手段が、前記加圧路を遮断した状態で前記真空路を開通させた後、前記加圧路及び前記真空路の両方を遮断し、その後、前記真空路を遮断した状態で前記加圧路を開通させ、更にその後、前記加圧路及び前記真空路の両方を遮断することを特徴とする請求項1に記載の洩れ検査装置。
- 前記高圧気体源が、高圧気体を蓄えた圧力タンクを備え、前記加圧路の開通時に前記圧力タンクの下流に連なる前記検査空間を含む連通空間全体の内容積よりも、前記圧力タンクの内容積が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の洩れ検査装置。
- 検査対象物にて画成された検査空間内を真空引きする真空引き工程と、
前記真空引きされた検査空間に高圧気体を導入する加圧工程と、
前記真空引き工程の後であって前記加圧工程の前と後のうち少なくとも前記加圧工程の後に前記検査空間の圧力を検出する検査工程と、
を備えたことを特徴とする洩れ検査方法。
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